(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】モータユニット
(51)【国際特許分類】
H02K 11/33 20160101AFI20241101BHJP
H02K 9/02 20060101ALI20241101BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20241101BHJP
【FI】
H02K11/33
H02K9/02 B
H02M7/48 Z
(21)【出願番号】P 2021022746
(22)【出願日】2021-02-16
【審査請求日】2023-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 善行
【審査官】稲葉 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-356006(JP,A)
【文献】国際公開第2017/068636(WO,A1)
【文献】特開2007-116840(JP,A)
【文献】国際公開第2010/004704(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/33
H02K 9/02
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有するモータと、
前記モータの回転軸方向の端部に設けられ、前記モータの動作を制御するインバータユニットと、
前記モータと前記インバータユニットとを電気的に接続する導電部材と、を備え、
前記インバータユニットは、
前記モータに供給される電流を平滑化する平滑コンデンサと、
前記モータに供給される電流を検出する電流センサと、を有し、
前記平滑コンデンサと前記電流センサとは、前記モータの径方向に並んで一体に形成され
、
前記インバータユニットは、電力変換モジュールをさらに有し、
前記平滑コンデンサと前記電力変換モジュールとの間には、前記平滑コンデンサ及び前記電力変換モジュールを冷却する第1冷却プレートが設けられ、
前記第1冷却プレートは前記電力変換モジュールの前記回転軸方向の一端面に当接し、
前記電力変換モジュールの前記回転軸方向の他端面には、前記電力変換モジュールを冷却する第2冷却プレートが当接することを特徴とするモータユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のモータユニットであって、
前記平滑コンデンサと前記電流センサとは、一つのケース内に設けられることを特徴とするモータユニット。
【請求項3】
請求項1または2に記載のモータユニットであって、
前記電流センサは、前記平滑コンデンサより前記モータの径方向内側に配置されることを特徴とするモータユニット。
【請求項4】
請求項1に記載のモータユニットであって、
前記電力変換モジュールは、スイッチング素子を有し、
前記スイッチング素子は、前記第1冷却プレート及び前記第2冷却プレートに対向するように設けられることを特徴とするモータユニット。
【請求項5】
請求項2に記載のモータユニットであって、
前記平滑コンデンサは、
フィルム状の誘電体からなるコンデンサ素子と、
前記コンデンサ素子を前記ケース内に封止するための封止樹脂と、を有し、
前記コンデンサ素子は、前記第1冷却プレートに対向するように設けられることを特徴とするモータユニット。
【請求項6】
請求項5に記載のモータユニットであって、
前記封止樹脂には、前記封止樹脂より熱伝導率の高いフィラーが含有されていることを特徴とするモータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、固定子の巻線に流れる電流を制御する電力モジュールと、電力モジュールと電気的に接続される制御基板と、電力モジュールのスイッチングノイズを低減するコンデンサと、電流を検出する電流検出器と、を備えたモータユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたモータユニットでは、インバータ装置を構成する各構成部品をモータの回転軸方向に積層している。特許文献1に記載されたモータユニットにおいて、インバータ装置を構成する各構成部品を高出力化のために大きくしようとすると、その分、モータユニットの回転軸方向のサイズが大きくなってしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、モータを制御する制御部品を高出力化した場合に、モータユニットの回転軸方向のサイズが大きくなることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、モータユニットは、回転軸を有するモータと、モータの回転軸方向の端部に設けられ、モータの動作を制御するインバータユニットと、モータとインバータユニットとを電気的に接続する導電部材と、を備える。インバータユニットは、モータに供給される電流を平滑化する平滑コンデンサと、モータに供給される電流を検出する電流センサと、を有し、平滑コンデンサと電流センサとはモータの径方向に並んで一体に形成される。インバータユニットは電力変換モジュールをさらに有し、平滑コンデンサと電力変換モジュールとの間には、平滑コンデンサ及び電力変換モジュールを冷却する第1冷却プレートが設けられる。第1冷却プレートは電力変換モジュールの回転軸方向の一端面に当接する。電力変換モジュールの回転軸方向の他端面には、電力変換モジュールを冷却する第2冷却プレートが当接する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、平滑コンデンサと電流センサとがモータの径方向に並んで一体に形成されるので、平滑コンデンサと電流センサとの間に無駄なスペースが生じることがない。さらに、モータの回転軸方向にスペースを確保することができるので、モータを制御するインバータユニットを高出力化する場合にモータユニットが大型化しても、モータユニットの回転軸方向のサイズが大きくなることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明に係るモータユニットの全体図である。
【
図2】
図2は、本発明に係るモータユニットのインバータユニットの部分拡大図である。
【
図3】
図3は、本実施形態のモータユニットにおける平滑コンデンサの径方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態のモータユニット1の全体図である。
図2は、インバータユニット3の近傍の拡大図である。
図3は、平滑コンデンサ31の径方向の断面図である。
【0011】
図1に示すように、モータユニット1は、モータ2と、モータ2の回転軸方向の端部(コイルエンド)に配置され、モータ2の動作を制御するインバータユニット3と、モータ2とインバータユニット3とを電気的に接続するACバスバー30と、を備える。モータユニット1は、車両に搭載され、モータ2の回転軸11を回転駆動することで車両を駆動する。ACバスバー30は、一端が後述する電力変換モジュール32の出力端子に接続され、他端がモータ2のコイルの端子(図示せず)に接続される。
【0012】
モータ2は、回転軸11と、図示しないロータ及びステータを備えている。モータ2は、インバータユニット3から電力を供給されることでロータを回転させて、回転軸11を回転駆動する。
【0013】
モータユニット1のハウジング10は、その外周がモータ2の外周に沿った円筒形状の第1ハウジング10aと、第1ハウジング10aの開口を塞ぐ第2ハウジング10bと、を備える。第2ハウジング10bの中心には、モータ2の回転軸11が貫通する貫通孔10cが設けられる。モータ2及びインバータユニット3は、第1ハウジング10a及び第2ハウジング10bによって形成された空間内に収容される。
【0014】
インバータユニット3は、図示しないバッテリから供給される直流電力を交流電力に変換してモータ2に供給し、モータ2を駆動する。また、インバータユニット3は、車両の減速時にはモータ2の回生電力をバッテリに充電する。インバータユニット3は、平滑コンデンサ31と、電力変換モジュール32と、制御基板33と、電流センサ34と、を備える。
図1及び
図2に示すように、インバータユニット3では、モータ2の端部から、平滑コンデンサ31、電力変換モジュール32及び制御基板33が順に積層して配置される。
【0015】
平滑コンデンサ31は、電力変換モジュール32に供給される直流電流のノイズやリップルを平滑化する。
図3に示すように、平滑コンデンサ31は、モータ2の回転軸方向から見た断面が、略円環状となるように形成される。平滑コンデンサ31は、ハウジング10に固定されたブラケット36(
図1参照)に取り付けられる。
【0016】
図3に示すように、平滑コンデンサ31は、例えば、フィルム状の誘電体からなる複数のコンデンサ素子31aと、複数のコンデンサ素子31aを電流センサ34とともに収容する円環状のケース31bと、を備える。複数のコンデンサ素子31aは、ケース31b内に配置され収容される。ケース31b内には硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂31c)が充填され、コンデンサ素子31a及び電流センサ34は、ケース31b内でエポキシ樹脂31cによって封止される。平滑コンデンサ31と電流センサ34は、ケース31b内において径方向に並んで設けられ、一体に形成される。なお、本実施形態では、コンデンサ素子31aを8個設けた場合を例に示しているが、個数はこれに限られず、必要とする容量や大きさなどに応じて適宜変更することができる。
【0017】
図2に示すように、電力変換モジュール32は、バッテリから供給された直流電力をU,V,Wの三相の高周波電力に変換し、ACバスバー30を介してモータ2に供給する。電力変換モジュール32は、平滑コンデンサ31の上面に円環状に形成される。電力変換モジュール32は、三相それぞれに対応する複数のスイッチング素子(図示せず)などの半導体素子を備えて構成される。
【0018】
DCバスバー37は、一端が電力変換モジュール32の入力端子38に接続され、他端が平滑コンデンサ31の入力端子38に接続される。DCバスバー37は、さらにDCバスバー37のいずれかの位置で図示しないバッテリからの給電線に接続されている。
【0019】
制御基板33は、図示しない車両コントロールユニットからの指示を受けて、電力変換モジュール32の動作を制御して、モータ2に供給する電力を調整する。制御基板33は、電力変換モジュール32と電気的に接続され、電力変換モジュール32のスイッチング素子に対して制御信号を出力する。制御基板33上には、マイコンや各種電気部品が実装される。
【0020】
電流センサ34は、例えば、ホール素子方式の電流センサによって構成される。
図1及び
図2に示すように、電流センサ34の中心部には、ACバスバー30が挿通され、電流センサ34は、ACバスバー30を流れる電流値を検出する。電流センサ34は、ハーネス等により制御基板33に接続されており、電流センサ34によって検出された電流値は、制御基板33に入力される。
【0021】
ACバスバー30は、モータ2のU,V,Wの三相に対応した3つのACバスバー30からなる(
図3参照)。ACバスバー30は、回転軸11の周囲に近接して、つまり、平滑コンデンサ31の径方向内側に等間隔に配置され、モータ2の端部から回転軸11に沿って軸方向に延設される。
【0022】
図1及び
図2に示すように、インバータユニット3は、電力変換モジュール32の両側面に当接するように設けられる冷却プレート35a,35bをさらに備える。冷却プレート35a、35b内には、外部から導かれる冷媒が流れる流路が設けられる(図示せず)。冷却プレート35bは、ブラケット36を介して平滑コンデンサ31と対向するように設けられる。これにより、冷却プレート35bによって平滑コンデンサ31を効率よく冷却することができる。また、冷却プレート35bは、少なくとも電力変換モジュール32のスイッチング素子(図示せず)に対向するように設けられる。スイッチング素子は、発熱量が大きいので、冷却プレート35bをスイッチング素子に対向するように設けることにより、スイッチング素子を効率よく冷却することができる。
【0023】
モータユニット1において、モータ2を高出力化する場合に、インバータユニット3の各部品が大型化する。このため、モータユニット1がモータ2の回転軸方向に大型化してしまう。そこで、本実施形態では、平滑コンデンサ31と電流センサ34とモータ2の径方向に並んで一体に形成している。これにより、平滑コンデンサ31と電流センサ34との間に無駄なスペースを削減し、モータ2の回転軸方向にスペースを確保することができる。よって、モータ2を制御する制御部品を高出力化する場合にモータユニット1(インバータユニット3)が大型化しても、モータユニット1の回転軸方向のサイズが大きくなることを抑制できる。
【0024】
特に、本実施形態のように、電流センサ34及びACバスバー30を平滑コンデンサ31の径方向内側に設けることにより、平滑コンデンサ31と回転軸11との間のデッドスペースを有効的に利用することができる。さらに、平滑コンデンサ31をハウジング10の内周壁付近まで拡大することができるので、インバータユニット3の回転軸11方向への大型化を抑制できる。なお、本実施形態では、電流センサ34が平滑コンデンサ31の径方向内側に設けられている場合を例に説明しているが、電流センサ34は、平滑コンデンサ31の径方向外側に設けられていてもよい。
【0025】
また、平滑コンデンサ31の充填剤として硬化性樹脂(エポキシ樹脂31c)を例に説明したがこれに限らない。また、エポキシ樹脂31cにエポキシ樹脂31cより熱伝導率の高いフィラー(例えば、ガラス繊維)を添加するようにしてもよい。ホール素子形式の電流センサ34を用いた場合には、構造上、冷却プレート35bに接するように配置することができないが、エポキシ樹脂31cより熱伝導率の高いフィラーを添加することにより、電流センサ34において発生した熱をエポキシ樹脂31cを通じて冷却プレート35bに導くことができる。これにより、電流センサ34によって発生した熱をより多く放熱することができる。
【0026】
また、インバータユニット3では、平滑コンデンサ31、電力変換モジュール32及び制御基板33が積層して配置される。このような構成とすることにより、これらの間に生じるデッドスペースを小さくすることができるので、インバータユニット3を小型化することができる。さらに、モータユニット1を高出力化する場合には、このようなデッドスペースを小さくできた分、インバータユニット3の構成部品が大型化してもモータユニット1の回転軸方向への大型化を抑制できる。
【0027】
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
【0028】
モータユニット1は、回転軸11を有するモータ2と、モータ2の回転軸11方向の端部に設けられ、モータ2の動作を制御するインバータユニット3と、モータ2とインバータユニット3とを電気的に接続するACバスバー30(導電部材)と、を備える。インバータユニット3は、モータ2に供給される電流を平滑化する平滑コンデンサ31と、モータ2に供給される電流を検出する電流センサ34と、を有し、平滑コンデンサ31と電流センサ34とをモータ2の径方向に並んで一体に形成する。
【0029】
この構成では、平滑コンデンサ31と電流センサ34とがモータ2の径方向に並んで一体に形成されるので、平滑コンデンサ31と電流センサ34との間に無駄なスペースが生じることがない。さらに、モータ2の回転軸11方向にスペースを確保することができるので、モータ2を制御するインバータユニット3を高出力化する場合にモータユニット1が大型化しても、モータユニット1の回転軸方向のサイズが大きくなることを抑制できる。
【0030】
また、平滑コンデンサ31と電流センサ34とを一体に形成することにより、モータユニット1が振動した際に、平滑コンデンサ31と電流センサ34とが一体となって振動するので、振動による影響を抑制することができる。
【0031】
モータユニット1では、平滑コンデンサ31と電流センサ34とは、一つのケース31b内に設けられる。
【0032】
この構成では、平滑コンデンサ31と電流センサ34とを一つのケース31b内に設けることで、平滑コンデンサ31と電流センサ34とを一体にする作業を不要にすることができる。
【0033】
モータユニット1では、電流センサ34は、平滑コンデンサ31よりモータ2の径方向内側に配置される。
【0034】
この構成では、平滑コンデンサ31と回転軸11の間のデッドスペースを有効的に利用することができる。
【0035】
モータユニット1では、インバータユニット3は、電力変換モジュール32をさらに有し、平滑コンデンサ31と電力変換モジュール32との間には、平滑コンデンサ31及び電力変換モジュール32を冷却する冷却プレート35bが設けられる。
【0036】
この構成では、平滑コンデンサ31及び電力変換モジュール32の間に冷却プレート35bを設けることで、1つの冷却プレート35bによって平滑コンデンサ31及び電力変換モジュール32を冷却することができる。よって、モータユニット1の大型化を抑制できる。
【0037】
モータユニット1では、電力変換モジュール32は、スイッチング素子を有し、スイッチング素子は、冷却プレート35bに対向するように設けられる。
【0038】
この構成では、スイッチング素子が冷却プレート35bに対向するように設けられているので、発熱量の多いスイッチング素子を冷却プレート35bによって効率よく冷却することができる。
【0039】
モータユニット1では、平滑コンデンサ31は、フィルム状の誘電体からなるコンデンサ素子31aと、コンデンサ素子31aをケース31b内に封止するためのエポキシ樹脂31c(封止樹脂)と、を有する。コンデンサ素子31aは、冷却プレート35bに対向するように設けられる。
【0040】
この構成では、コンデンサ素子31aが冷却プレート35bに対向するように設けられているので、コンデンサ素子31aを冷却プレート35bによって効率よく冷却することができる。
【0041】
モータユニット1では、エポキシ樹脂31c(封止樹脂)には、エポキシ樹脂31c(封止樹脂)より熱伝導率の高いフィラーが含有されている。
【0042】
この構成では、ケース31b内の熱伝導率を高めることができるので、コンデンサ素子31a及び電流センサ34を効率よく冷却することができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態、上記実施形態及び変形例は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0044】
本実施形態では、電流センサ34として、ホール素子形式の電流センサを例に説明したが、これに限らず、シャント抵抗など他の形式の電流センサであってもよい。
【0045】
本実施形態のモータユニット1は、車両に搭載されたバッテリの電力によりモータユニット1を駆動して走行する電気自動車に搭載されるものであってもよいし、エンジンを備え、エンジンが発電した電力により、モータユニット1を駆動するシリーズハイブリッド式の自動車に搭載されるものであってもよい。さらに、モータユニット1は、車両以外の装置に適用してもよい。
【0046】
また、本実施形態では、インバータユニット3の制御部品である平滑コンデンサ31、電力変換モジュール32及び制御基板33を円環状となるように構成した場合を例に説明したが、これに限られない。径方向内側あるいは径方向外側にACバスバー30及び電流センサ34を配置できれば、どのような形状であってもよく、多角形であってもよいし曲面と多角形の組み合わせであってもよい。それぞれを構成する素子や配線等の形状に対応して、適切な形状であればよい。
【0047】
コンデンサ素子31aはフィルム状のものに限らず、積層セラミック構造のものなどコンデンサの種類は変更することができる。また、電流センサ34は、ケース31b内で樹脂によって充填されるとしたが、平滑コンデンサ31と電流センサ34とを別体にして、機械的に接合する形をとってもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、ケース31b内に設けた平滑コンデンサ31と電流センサ34の周囲に熱伝導率の高いエポキシ樹脂31c等の充填材を設ける構造としたが、平滑コンデンサ31と電流センサ34は、インバータ駆動時の発熱の割合が異なるため、放熱性の高い充填剤を平滑コンデンサ31側のみ充填するようにしてもよい。さらに、コンデンサ素子31aとしてフィルム状以外の、例えば、積層セラミックコンデンサのような耐熱性の高いコンデンサを用いる場合には、充填剤を使用しないようにする変更も可能である。さらに、電流センサ34と平滑コンデンサ31は別部品として、インバータユニット3を組み上げる際に機械的に固定する方法をとってもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 モータユニット
2 モータ
3 インバータユニット
11 回転軸
30 ACバスバー(導電部材)
31 平滑コンデンサ
31a コンデンサ素子
31b ケース
31c エポキシ樹脂(封止樹脂)
32 電力変換モジュール
33 制御基板
34 電流センサ
35a 冷却プレート
35b 冷却プレート