(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】通信制御システム
(51)【国際特許分類】
H04W 48/08 20090101AFI20241101BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20241101BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20241101BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
H04W48/08
H04W88/06
H04W4/38
H04M11/00 301
(21)【出願番号】P 2021038342
(22)【出願日】2021-03-10
【審査請求日】2023-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智之
(72)【発明者】
【氏名】青木 拓也
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/176542(WO,A1)
【文献】特開2003-244323(JP,A)
【文献】特開2020-198587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
H04M11/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅設備機器と当該住宅設備機器の運転状態を管理する機器管理サーバとの間の通信を制御する通信制御システムであって、
前記住宅設備機器に設けられ、住宅内に設けられたアクセスポイントとのLAN接続を介して通信を行う第1通信ユニットと、
前記住宅設備機器に設けられ、電話回線を介して通信する第2通信ユニットと、
前記機器管理サーバに設けられ、前記第1通信ユニットを介した前記住宅設備機器との通信状況を監視する監視部と、
前記機器管理サーバに設けられ、前記通信状況に応じて、通信費が生じない通信線を介して前記住宅設備機器と通信可能な通信管理サーバに対して、前記住宅設備機器における前記機器管理サーバとの通信を前記電話回線による通信に移行させる移行指示を行う移行指示部と、
前記通信管理サーバに設けられ、前記機器管理サーバから前記移行指示があった場合に、前記住宅設備機器に対して、前記第1通信ユニットを停止させると共に前記第2通信ユニットに対して前記電話回線により前記機器管理サーバと通信させる切替指示を行う通信ユニット切替部と、
を備える通信制御システム。
【請求項2】
前記移行指示部は、前記第1通信ユニットとの通信が予め設定された期間に亘って行えていない場合に前記移行指示を行う請求項1に記載の通信制御システム。
【請求項3】
前記移行指示部は、前記第1通信ユニットとの通信が行えていない場合において、前記機器管理サーバから前記住宅設備機器に対して前記住宅設備機器を管理する管理情報を伝達する時に前記移行指示を行う請求項1又は2に記載の通信制御システム。
【請求項4】
前記住宅設備機器の前記第1通信ユニットを介した通信が可能となったか否かを判定した判定結果に応じて、前記第2通信ユニットによる通信を無効にする無効部を更に備える請求項1から3のいずれか一項に記載の通信制御システム。
【請求項5】
前記無効部は、前記住宅設備機器及び前記通信管理サーバのうちの少なくともいずれか一方に備えられる請求項4に記載の通信制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅設備機器と当該住宅設備機器の運転状態を管理する機器管理サーバとの間の通信を制御する通信制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅において、例えば給湯器や当該給湯器を遠隔操作可能なリモコン等の住宅設備機器が利用されている。このような住宅設備機器は、住宅設備機器の運転状況を管理する機器管理サーバに対して定期的に運転状況を示す情報を伝達したり、機器管理サーバからソフトウェアが伝達されたりすることがある。一方、近年、各家庭において家電等をネット環境に繋げるIoT(Internet of Things)が普及している。各家庭において、このような家電をインターネットに接続する方法として、常時接続型の回線(インターネット回線)による接続や、携帯電話会社の回線(公衆回線)による接続がある。上述した住宅設備機器と機器管理サーバとの通信は、低コスト化の観点からインターネット回線を利用されることが好ましいことから、状況に応じて通信方法を切り替える技術が検討されてきた(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、通信装置の移動状況や利用形態に応じて通信方式を切り替える構成が開示されている。通信装置が移動していない状態である場合は、通信装置の通信方式を、無線LANや、赤外線通信や、Bluetooth(登録商標)等の通信に切り替え、通信装置が移動している状態である場合は、通信装置の通信方式を、電話回線による通信に切り替えるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1に記載の技術は、通信装置の移動状況に応じて通信方式を切り替える。しかしながら、住宅設備機器は移動するものではないことから、特許文献1に記載の技術を住宅設備機器の通信方式の切り替えに適用するには改良の余地がある。
【0006】
そこで、住宅設備機器と当該住宅設備機器の運転状態を管理する機器管理サーバとの間の通信を切り替え可能な通信制御システムが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る通信制御システムの特徴構成は、住宅設備機器と当該住宅設備機器の運転状態を管理する機器管理サーバとの間の通信を制御する通信制御システムであって、前記住宅設備機器に設けられ、住宅内に設けられたアクセスポイントとのLAN接続を介して通信を行う第1通信ユニットと、前記住宅設備機器に設けられ、電話回線を介して通信する第2通信ユニットと、前記機器管理サーバに設けられ、前記第1通信ユニットを介した前記住宅設備機器との通信状況を監視する監視部と、前記機器管理サーバに設けられ、前記通信状況に応じて、通信費が生じない通信線を介して前記住宅設備機器と通信可能な通信管理サーバに対して、前記住宅設備機器における前記機器管理サーバとの通信を前記電話回線による通信に移行させる移行指示を行う移行指示部と、前記通信管理サーバに設けられ、前記機器管理サーバから前記移行指示があった場合に、前記住宅設備機器に対して、前記第1通信ユニットを停止させると共に前記第2通信ユニットに対して前記電話回線により前記機器管理サーバと通信させる切替指示を行う通信ユニット切替部と、を備えている点にある。
【0008】
このような特徴構成とすれば、住宅設備機器と当該住宅設備機器の運転状態を管理する機器管理サーバとの間の通信形態を状況に応じて切り替えることができるので、住宅設備機器と機器管理サーバとの通信形態を確保することが可能となる。このため、機器管理サーバが住宅設備機器の稼働状況を遠隔で見守ることができ、住宅設備機器に何らかの問題が生じた場合には、直ちに当該問題を把握し、例えば利用者に知らせたり対処したりすることが可能となる。また、基本的には通信費を要しないLAN接続を利用して通信し、このLAN接続による通信ができない場合のみ通信費を要する電話回線で通信するように構成されているため、通信費を抑えた状態で住宅設備機器と機器管理サーバとの通信を行うことが可能となる。
【0009】
また、前記移行指示部は、前記第1通信ユニットとの通信が予め設定された期間に亘って行えていない場合に前記移行指示を行うと好適である。
【0010】
このような構成とすれば、電話回線により住宅設備機器と機器管理サーバとで通信を行わせることが可能となる。
【0011】
また、前記移行指示部は、前記第1通信ユニットとの通信が行えていない場合において、前記機器管理サーバから前記住宅設備機器に対して前記住宅設備機器を管理する管理情報を伝達する時に前記移行指示を行うと好適である。
【0012】
このような構成とすれば、第1通信ユニットとの通信が行えていない場合においても、電話回線により住宅設備機器と機器管理サーバとの通信形態を確保することができる。したがって、管理情報の伝達を適切に行うことが可能となる。
【0013】
また、前記通信制御システムは、前記住宅設備機器の前記第1通信ユニットを介した通信が可能となったか否かを判定した判定結果に応じて、前記第2通信ユニットによる通信を無効にする無効部を更に備えると好適である。
【0014】
このような構成とすれば、第1通信ユニットを介した通信が可能となった場合に、第2通信ユニットの通信を終了することができる。
【0015】
また、前記無効部は、前記住宅設備機器及び前記通信管理サーバのうちの少なくともいずれか一方に備えられると好適である。
【0016】
このような構成とすれば、機器管理サーバによる管理を行う必要がないので、機器管理サーバの処理負荷を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】通信制御システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る通信制御システムは、住宅設備機器と当該住宅設備機器の運転状態を管理する機器管理サーバとの間の通信を制御するように構成される。以下、本実施形態の通信制御システム1について説明する。
【0019】
図1は、通信制御システム1の構成を模式的に示したブロック図である。通信制御システム1は、住宅設備機器2と機器管理サーバ3と通信管理サーバ4とを備えて構成される。詳細は後述するが、本実施形態では、住宅設備機器2と機器管理サーバ3とは、通信費を要しない常時接続型のインターネット回線L1と通信費を要する電話回線T1とで接続されている。また、機器管理サーバ3と通信管理サーバ4とは通信費を要する電話回線T2で接続され、住宅設備機器2と通信管理サーバ4とは通信費を要しない通信線T3で接続されている。
【0020】
住宅設備機器2には第1通信ユニット21と第2通信ユニット22とが設けられる。機器管理サーバ3には監視部31と移行指示部32とが設けられる。通信管理サーバ4には通信ユニット切替部41と無効部42とが設けられる。
【0021】
第1通信ユニット21は、住宅100内に設けられたアクセスポイント23とのLAN接続を介して通信を行う。住宅100とは、住宅設備機器2が設けられる住宅である。ここで、住宅設備機器2とは、住宅100に設けられる給湯器2Aや当該給湯器の給湯温度を設定可能であって住宅内(例えば、キッチンや浴室)に設けられるリモコン2Bが相当する。アクセスポイント23とは、コンピュータや携帯端末等が接続されたLAN(Local Area Network)が外部のネットワークに接続するために設けられるルータが相当する。このアクセスポイント23には、住宅内の複数のコンピュータや携帯端末がLANケーブルによる有線接続、又は、Wi-Fi(登録商標)による無線接続が可能であって、第1通信ユニット21も当該アクセスポイント23に有線又は無線により接続される。
図1の例では、第1通信ユニット21は無線によりアクセスポイント23と接続されている。したがって、第1通信ユニット21は、Wi-Fiモジュールが相当する。このようなWi-Fiモジュールは、上述したリモコン2Bに内蔵することが可能である。アクセスポイント23は、例えば光回線やケーブルテレビ回線等のような常時接続可能なインターネット回線L1に接続され、当該インターネット回線L1を介して機器管理サーバ3と接続される。このため、第1通信ユニット21の通信には通信費が掛からない。なお、住宅設備機器2は住宅100に設けられる燃料電池(発電装置)であっても良い。
【0022】
第2通信ユニット22は、電話回線T1を介して通信する。電話回線T1とは、電話網を利用して通信を行う通信線である。具体的には、通信業者により提供されるLTE(Long Term Evolution)回線が相当する。したがって、第2通信ユニット22は、LTEモジュールが相当する。このようなLTEモジュールは、上述した給湯器2Aを有する給湯設備に内蔵することが可能である。
図1に示されるように、第2通信ユニット22は、電話回線T1であるLTE回線を利用して機器管理サーバ3と直接、通信可能に構成され、第2通信ユニット22の通信には通信費を要する。
【0023】
上記のように、住宅設備機器2と機器管理サーバ3とはインターネット回線L1と電話回線T1とで接続されているが、住宅設備機器2と機器管理サーバ3とは、基本的にはインターネット回線L1を介して通信を行う。この際、第2通信ユニット22は停止し、電話回線T1での通信は行われない。したがって住宅設備機器2は第1通信ユニット21を介して機器管理サーバ3と通信を行う。この通信において、住宅設備機器2から機器管理サーバ3へは住宅設備機器2の運転状況を示す運転状況情報が伝達され、機器管理サーバ3が住宅設備機器2のデータ収集を行う。一方、機器管理サーバ3から住宅設備機器2へは住宅設備機器2を管理する管理情報が伝達され、住宅設備機器2で使用されるソフトウェアの更新が必要になった場合に機器管理サーバ3から住宅設備機器2に対して当該ソフトウェアの更新プログラムが伝達される。
【0024】
監視部31は、第1通信ユニット21を介した住宅設備機器2との通信状況を監視する。上述したように、第1通信ユニット21は常時接続型のインターネット回線L1を利用して通信を行う。通信状況とは、機器管理サーバ3と住宅設備機器2とが相互に通信が行えているか否かを示す状況や、機器管理サーバ3と住宅設備機器2との間で行われる通信の間隔等が含まれる通信の状況にあたる。したがって、監視部31は、第1通信ユニット21による常時接続型のインターネット回線L1を介した機器管理サーバ3と住宅設備機器2との間で行われる通信の状況を監視する。監視部31は、このような通信状況を示す記録を時系列に沿って順次、記憶するように構成すると良い。
【0025】
移行指示部32は、通信状況に応じて、通信費が生じない通信線T3を介して住宅設備機器2と通信可能な通信管理サーバ4に対して、住宅設備機器2における機器管理サーバ3との通信を電話回線T1による通信に移行させる移行指示を行う。通信状況とは、監視部31により監視されている機器管理サーバ3と住宅設備機器2との間で行われる通信の状況である。通信費が生じない通信線T3とは、通信管理サーバ4と住宅設備機器2との間を接続する通信線であって、常時接続されているものであっても良いし、必要な場合にも接続するものであっても良い。上述したように、住宅設備機器2と機器管理サーバ3との間は、インターネット回線L1と電話回線T1とで接続されており、基本的にはインターネット回線L1により通信が行われる。移行指示は、住宅設備機器2における機器管理サーバ3との通信をインターネット回線L1による通信から、電話回線T1による通信に移行させる指示にあたる。したがって、機器管理サーバ3の移行指示部32から通信管理サーバ4へは電話回線T2を介して移行指示が行われ、通信管理サーバ4から住宅設備機器2の第2通信ユニット22へは通信線T3を介して指示が行われる。
【0026】
本実施形態では、移行指示部32は、第1通信ユニット21との通信が予め設定された期間に亘って行えていない場合に移行指示を行う。第1通信ユニット21との通信が予め設定された期間に亘って行えていない場合とは、例えば住宅設備機器2の設置後、一定の期間(例えば3カ月)に亘ってインターネット回線L1を介して通信が行えていない場合や、例えば定期的に(例えば3時間毎)インターネット回線L1を介して通信が行えていない場合が相当する。移行指示部32は、このような場合に、住宅設備機器2における機器管理サーバ3との通信をインターネット回線L1による通信から、電話回線T1による通信に移行させる指示を行う。
【0027】
また、移行指示部32は、第1通信ユニット21との通信が行えていない場合において、機器管理サーバ3から住宅設備機器2に対して住宅設備機器2を管理する管理情報を伝達する時に移行指示を行うように構成することも可能である。第1通信ユニット21との通信が行えていない場合とは、住宅設備機器2と機器管理サーバ3とがインターネット回線L1を介して通信を行えていない場合である。機器管理サーバ3から住宅設備機器2に対して住宅設備機器2を管理する管理情報を伝達する時とは、例えば住宅設備機器2で利用されるソフトウェアの更新が必要になり、機器管理サーバ3から住宅設備機器2に更新プログラムを伝達する時や、住宅設備機器2の運転や停止の指示を伝達したり、今後の運転予定や停止予定の指示を伝達したりする時である。移行指示部32は、このような場合にも、住宅設備機器2における機器管理サーバ3との通信をインターネット回線L1による通信から、電話回線T1による通信に移行させる指示を行うように構成することが可能である。
【0028】
通信ユニット切替部41は、機器管理サーバ3から移行指示があった場合に、住宅設備機器2に対して、第1通信ユニット21を停止させると共に第2通信ユニット22に対して電話回線T1により機器管理サーバ3と通信させる切替指示を行う。機器管理サーバ3から移行指示があった場合とは、通信ユニット切替部41が、移行指示部32から、住宅設備機器2における機器管理サーバ3との通信をインターネット回線L1による通信から、電話回線T1による通信に移行させる指示を受けた場合である。第1通信ユニット21を停止させると共に第2通信ユニット22に対して電話回線T1により機器管理サーバ3と通信させる切替指示とは、住宅設備機器2と機器管理サーバ3との間の通信をインターネット回線L1を介した通信ではなく、電話回線T1を介した通信をするために、第1通信ユニット21による通信を停止し、第2通信ユニット22による通信を開始させるための指示である。したがって、通信ユニット切替部41は、移行指示部32から、住宅設備機器2における機器管理サーバ3との通信をインターネット回線L1による通信から、電話回線T1による通信に移行させる指示(移行指示)を受けた場合に、住宅設備機器2に対して、住宅設備機器2と機器管理サーバ3との間の通信をインターネット回線L1を介した通信ではなく、電話回線T1を介した通信をするために、第1通信ユニット21による通信を停止し、第2通信ユニット22による通信を開始させるための指示(切替指示)を行う。通信ユニット切替部41は、通信管理サーバ4と住宅設備機器2との間に設けられる通信線T3を介して、切替指示を行う。これにより、通信ユニット切替部41が、住宅設備機器2に行う切替指示に掛かる費用の増大を抑制することが可能となる。
【0029】
このように構成することで、住宅設備機器2と機器管理サーバ3とが基本はインターネット回線L1を利用して通信を行うので、通信費が掛からないようにできる。また、当該インターネット回線L1による通信ができない場合には、電話回線T1を利用した通信に切り替えるので、住宅設備機器2と機器管理サーバ3との通信ができなくなるといった状況を回避することが可能となる。
【0030】
ここで、住宅設備機器2と機器管理サーバ3とに亘る通信が電話回線T1を介して行う場合には、通信費が生じる。このため、住宅設備機器2と機器管理サーバ3とに亘る通信がインターネット回線L1を介して行うことができるようになった場合には、電話回線T1による通信からインターネット回線L1による通信へ早急に切り替えた方が良い。そこで、本実施形態では、無効部42が、住宅設備機器2の第1通信ユニット21を介した通信が可能となったか否かを判定した判定結果に応じて、第2通信ユニット22による通信を無効にするように構成されている。住宅設備機器2の第1通信ユニット21を介した通信が可能となったか否かは、例えば住宅設備機器2と機器管理サーバ3との電話回線T1による通信中に、所定時間毎に住宅設備機器2と機器管理サーバ3とがインターネット回線L1による通信を試み、この通信状況を無効部42に伝達するように構成することで無効部42が特定可能である。このような通信状況は、無効部42に対して、住宅設備機器2から伝達するように構成しても良いし、機器管理サーバ3から伝達するように構成しても良い。無効部42は、このような通信状況を取得した場合に、住宅設備機器2の第1通信ユニット21を介した通信が可能となったか否かを判定し、この判定結果が所定時間毎に住宅設備機器2と機器管理サーバ3とがインターネット回線L1による通信が可能となったことを示すものである場合に、通信線T3を介して第2通信ユニット22による通信を無効にすると良い。これにより、住宅設備機器2と機器管理サーバ3との通信を、電話回線T1からインターネット回線L1に変更することが可能となる。なお、住宅設備機器2の第1通信ユニット21を介した通信が可能となったか否かを判定は、無効部42が行わず、機器管理サーバ3や住宅設備機器2において行うように構成することも可能である。
【0031】
無効部42は、例えば住宅設備機器2の設置後、一定の期間(例えば3カ月)に亘ってインターネット回線L1を介して通信が行えていない場合において、インターネット回線L1による通信が再開され、それから一定期間が経過した場合に無効にするように構成することが可能である。また、無効部42は、例えば定期的に(例えば3時間毎)インターネット回線L1を介して通信が行えていない場合において、その後、インターネット回線L1による通信が可能となってから一定期間が経過した場合に無効にするように構成することが可能である。また、無効部42は、例えば住宅設備機器2で利用されるソフトウェアの更新が必要になり、機器管理サーバ3から住宅設備機器2に更新プログラムを電話回線T1で伝達してから一定期間が経過した場合に無効にするように構成することが可能である。また、無効部42は、住宅設備機器2の運転や停止の指示を伝達したり、今後の運転予定や停止予定の指示を伝達したりした後、無効にするように構成することが可能である。
【0032】
以上のように構成することで、住宅設備機器2と機器管理サーバ3との間で電話回線T1により通信が行われている状況において、所定の条件を具備した場合に無効部42による指示に応じてインターネット回線L1に切り替えることができる。したがって、住宅設備機器2と機器管理サーバ3との間における通信費の増大を抑制することが可能となる。
【0033】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、移行指示部32は、第1通信ユニット21との通信が予め設定された期間に亘って行えていない場合に移行指示を行うとして説明したが、移行指示部32は第1通信ユニット21との通信が予め設定された期間に亘って行えていない場合に移行指示を行わないように構成することも可能である。
【0034】
上記実施形態では、移行指示部32は、第1通信ユニット21との通信が行えていない場合において、機器管理サーバ3から住宅設備機器2に対して住宅設備機器2を管理する管理情報を伝達する時に移行指示を行うとして説明したが、移行指示部32は、第1通信ユニット21との通信が行えていない場合において、機器管理サーバ3から住宅設備機器2に対して住宅設備機器2を管理する管理情報を伝達する時、以外の時にも移行指示を行うように構成することは可能である。
【0035】
上記実施形態では、住宅設備機器2の第1通信ユニット21を介した通信が可能となったか否かを判定した判定結果に応じて、第2通信ユニット22による通信を無効にする無効部42を備えるとして説明したが、無効部42を備えずに構成することも可能である。
【0036】
上記実施形態では、無効部42は、通信管理サーバ4に備えられるとして説明したが、無効部42は住宅設備機器2に備えられていても良い。また、無効部42は、住宅設備機器2及び通信管理サーバ4とは異なる装置に備えるように構成することも可能である。
【0037】
上記実施形態では、無効部42は、通信管理サーバ4に備えられるとして説明したが、無効部42は、住宅設備機器2に備えられていても良いし、住宅設備機器2及び通信管理サーバ4の双方に備えられていても良い。
【0038】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、住宅設備機器と当該住宅設備機器の運転状態を管理する機器管理サーバとの間の通信を制御する通信制御システムに用いることが可能である。
【符号の説明】
【0040】
1:通信制御システム
2:住宅設備機器
3:機器管理サーバ
4:通信管理サーバ
21:第1通信ユニット
22:第2通信ユニット
23:アクセスポイント
31:監視部
32:移行指示部
41:通信ユニット切替部
42:無効部
100:住宅
T1:電話回線
T3:通信線