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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20241101BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021045344
(22)【出願日】2021-03-19
(65)【公開番号】P2022144372
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2024-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 朝子
(72)【発明者】
【氏名】橘 温希
(72)【発明者】
【氏名】加藤 伸一
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-049515(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111517048(CN,A)
【文献】特表2019-529284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物を載せて移動可能な自走台車と、
前記自走台車に設けられた孔部に挿入されて当該自走台車を支持する支持棒と、
上下左右に並んで設けられ、前記自走台車に載せられる前記搬送物が配置される複数の棚部と、
左右に隣り合った前記棚部間の壁部に設けられて、前記支持棒を上下に移動可能に保持する複数の縦溝部と、
上下の前記棚部間の壁部に設けられて、前記支持棒を左右に移動可能に保持する複数の横溝部と、
前記棚部間の壁部に設けられて、前記縦溝部および前記横溝部から突出した状態の前記支持棒を、前記縦溝部および前記横溝部に沿って移動させる複数のベルトコンベアと、
複数の前記ベルトコンベアを制御することで、前記支持棒に支持された前記自走台車を前記縦溝部および前記横溝部に沿って移動させる制御部と、
を備えたことを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
前記支持棒を、前記縦溝部および前記横溝部から突出する方向と前記縦溝部および前記横溝部に収納される方向とに移動させる支持棒駆動部を備え、
前記制御部は、前記支持棒駆動部および前記ベルトコンベアを制御することにより、前記縦溝部および前記横溝部から突出しない状態の前記支持棒を前記縦溝部および前記横溝部に沿って移動させ、前記自走台車の装着位置で前記支持棒を突出させること
を特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記棚部の側壁ごとに2つの前記縦溝部が隣接して設けられていること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記制御部は、複数の前記ベルトコンベアによる前記支持棒の移動を制御することで、前記支持棒に支持され複数台が連結された前記自走台車を、前記縦溝部および前記横溝部に沿って移動させること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工場または倉庫の棚に収納された物品を自動で搬送する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、アイテムの搬送に使用可能なロボット駆動ユニットを、フロアを跨いで自動で移動させるリフト機構が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2019-529284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実環境における物品の搬送は、上下方向の搬送だけでなく左右方向の搬送もあり得る。しかしながら、特許文献1に記載されたリフト機構は、左右方向の搬送ができないという課題があった。
【0005】
本開示は上記課題を解決するものであり、搬送物を上下方向および左右方向に搬送することができる搬送システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る搬送システムは、搬送物を載せて移動可能な自走台車と、自走台車に設けられた孔部に挿入されて当該自走台車を支持する支持棒と、上下左右に並んで設けられ、それぞれに搬送物が収納される複数の棚部と、左右に隣り合った棚部間の壁部に設けられて、支持棒を上下に移動可能に保持する複数の縦溝部と、上下の棚部間の壁部に設けられて、支持棒を左右に移動可能に保持する複数の横溝部と、棚部間の壁部に設けられて、縦溝部および横溝部から突出した状態の支持棒を、縦溝部および横溝部に沿って移動させる複数のベルトコンベアと、複数のベルトコンベアを制御することで、支持棒に支持された自走台車を縦溝部および横溝部に沿って移動させる制御部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、搬送物が収納される複数の棚部と、左右に隣り合った棚部間の壁部に設けられて、支持棒を上下に移動可能に保持する複数の縦溝部と、上下の棚部間の壁部に設けられて、支持棒を左右に移動可能に保持する複数の横溝部と、棚部間の壁部に設けられて、縦溝部および横溝部から突出した状態の支持棒を縦溝部および横溝部に沿って移動させる複数のベルトコンベアと、複数のベルトコンベアによる支持棒の移動を制御することにより、支持棒に支持され搬送物を載せて移動可能な自走台車を、縦溝部および横溝部に沿って移動させる。これにより、本開示に係る搬送システムは、搬送物を上下方向および左右方向に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る搬送システムを示す斜視図である。
図2】実施の形態1における自走台車を示す斜視図である。
図3】実施の形態1に係る搬送システムの機能構成を示すブロック図である。
図4】自走台車を支持棒に装着する処理の概要を示す説明図である。
図5】スライド用タイヤおよびベルトコンベアによる支持棒の駆動処理の概要を示す説明図である。
図6】実施の形態1に係る搬送システムの搬送処理の概要を示す説明図である。
図7図6の符号Eを箇所の内部構成を示す拡大図である。
図8】接続された2台の自走台車による搬送処理の概要を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る搬送システム1を示す斜視図である。図2は、自走台車2を示す斜視図である。図1において、搬送システム1は、自走台車2を用いて、棚部3A~3Hに収納された搬送物100を搬送するシステムである。自走台車2は、図2に示すように、例えば、板状の外観を有した、自律走行搬送ロボット(Autonomous Mobile Robot;AMR)である。また、自走台車2は、搬送物100を載せる荷台部2Bを有し、床面上を移動するための車輪2Cを有し、2台の自走台車2を結合するための結合部2Dを有する。自走台車2は、結合部2Dを介して複数台接続することができる。
【0010】
棚部3A~3Hは、図1に示すように、上下左右に並んで設けられ、自走台車2に載せられる搬送物100が配置される。左右に隣り合った棚部間には壁部4A~4Cが設けられており、上下の棚部間には壁部5が設けられている。壁部4A~4Cには、2つの縦溝部6が隣接して設けられている。また、壁部5には、横溝部7が設けられている。縦溝部6は、支持棒8を上下に移動可能に保持する。横溝部7は、支持棒8を左右に移動可能に保持する。支持棒8は、図2に示す自走台車2に設けられた孔部2Aに挿入されて、自走台車2を支持する棒状の部材である。ベルトコンベア9は、棚部3A~3Hに設けられ、搬送物100を棚部の外部に移動させる。
【0011】
図3は、搬送システム1の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、搬送システム1は、制御部10、支持棒駆動部11、第1のベルトコンベア駆動部12A、第2のベルトコンベア駆動部12B、第3のベルトコンベア駆動部13および台車制御部14を備える。
【0012】
制御部10は、支持棒駆動部11、第1のベルトコンベア駆動部12A、第2のベルトコンベア駆動部12B、第3のベルトコンベア駆動部13および台車制御部14を制御する。例えば、図4は、自走台車2を支持棒8に装着する処理の概要を示す説明図である。図4に示すように、制御部10は、台車制御部14を制御して縦溝部6へ向けて自走台車2を移動させることにより、自走台車2の孔部2Aに支持棒8を挿入させる。
【0013】
台車制御部14は、例えば、無線により、制御信号を自走台車2に送信する。自走台車2は、台車制御部14からの制御信号に従って、車輪2Cを駆動させて移動する。なお、自走台車2は、周辺の障害物を検出するセンサを備えており、センサによって検出された障害物を回避するために移動経路を自動で変更する自律走行を行う。また、自走台車2の荷台部2Bには、搬送物100を載せることが可能であり、自走台車2は、荷台部2Bに搬送物100を載せた状態で移動することができる。
【0014】
図4において、符号15を付した壁部の内部には、スライド用タイヤ11A、スライド用タイヤ11Bおよびベルトコンベア16が設けられている。図5は、スライド用タイヤ11A、スライド用タイヤ11Bおよびベルトコンベア16による支持棒8の駆動処理の概要を示す説明図である。図5に示すように、支持棒8は、ベルトコンベア16と接触させる部分に歯が付いている。
【0015】
支持棒駆動部11は、対向した位置に設けられたスライド用タイヤ11Aおよびスライド用タイヤ11Bを回転駆動させる。スライド用タイヤ11Aおよびスライド用タイヤ11Bが、図5に示すように、上下方向から支持棒8の端部を挟み込んだ状態で矢印AおよびBが指す方向に回転すると、スライド用タイヤと支持棒8との接触部分における摩擦力により、支持棒8は、縦溝部6から突出する方向に駆動する。
【0016】
また、スライド用タイヤ11Aおよびスライド用タイヤ11Bが、上下方向から支持棒8の端部を挟み込んだ状態で矢印AおよびBが指す方向とは逆方向に回転すると、スライド用タイヤと支持棒8との接触部分における摩擦力により、支持棒8は、縦溝部6に収容される方向に駆動する。支持棒駆動部11は、制御部10の制御に従って、スライド用タイヤ11Aおよび11Bを回転させる。
【0017】
例えば、支持棒駆動部11により駆動されるスライド用タイヤ11Aおよびスライド用タイヤ11Bは、壁部4A~4Cの内部の床面に近い位置、すなわち、図4に示したように、自走台車2を支持棒8に装着する装着位置に設けられる。また、スライド用タイヤ11Aおよびスライド用タイヤ11Bは、縦溝部6と横溝部7とが交差する交差位置に設けてもよい。
【0018】
制御部10は、支持棒駆動部11を制御することにより、自走台車2を支持棒8に装着しない場合、支持棒8が縦溝部6に収容される方向に駆動させ、自走台車2を支持棒8に装着する場合には、支持棒8が縦溝部6から突出する方向に駆動させる。制御部10が、支持棒駆動部11を制御して、自走台車2を支持棒8に装着しない場合、支持棒8を縦溝部6に収容させることにより、自走台車2などが走行する床側に支持棒8が突出しないので、床側のスペースを有効に利用することが可能である。
【0019】
ベルトコンベア16は、図5に示すように、支持棒8に設けた歯に係合する歯が付いたベルトを有している。ベルトコンベア16は、一つの縦溝部6に対して2台設けられ、壁部4A~4Cの内部で対向して配置されている。支持棒8が、対向する2台のベルトコンベア16との接触した部分において、支持棒8とベルトコンベア16の互いの歯は係合する。これにより、ベルトコンベア16が図5に示す矢印Cが指す方向に動くと、支持棒8は、矢印Dが指す方向に回転しながら、矢印Cが指す方向、すなわち上方向に移動する。
【0020】
また、ベルトコンベア16が、図5に示す矢印Cが指す方向とは逆方向に動くことにより、支持棒8は、矢印Dが指す方向とは逆方向に回転しながら、矢印Cが指す方向とは逆方向、すなわち、下方向に移動する。第1のベルトコンベア駆動部12Aは、制御部10の制御に従って、一つの縦溝部6において対向して配置されている2台のベルトコンベア16を同じ方向に駆動させる。これにより、支持棒8を、縦溝部6において上下方向に移動させることが可能である。支持棒8に自走台車2が装着されていれば、自走台車2は、縦溝部6に沿って上下方向に移動する。
【0021】
図6は、搬送システム1の搬送処理の概要を示す説明図である。図7は、図6の符号Eを箇所の内部構成を示す拡大図である。図6において符号Eを付した箇所は、縦溝部6と横溝部7とが交差する箇所である。上下の棚部の間にある壁部5の内部には、図7に示すように、2台のベルトコンベア17が対向して配置されている。ベルトコンベア17は、支持棒8に設けた歯に係合する歯が付いたベルトを有している。
【0022】
支持棒8が、対向する2台のベルトコンベア17との接触した部分において、支持棒8とベルトコンベア17の互いの歯は係合する。支持棒8と接触する側において、対向する2台のベルトコンベア17が同じ方向に動くことにより、支持棒8は、ベルトコンベア17が動く方向に移動する。第2のベルトコンベア駆動部12Bは、制御部10の制御に従って、一つの横溝部7において対向して配置されている2台のベルトコンベア17を同じ方向に駆動させる。これにより、支持棒8を、横溝部7において左右方向に移動させることが可能である。
【0023】
例えば、図7に示すように、縦溝部6から横溝部7へ支持棒8を移動させる場合、第1のベルトコンベア駆動部12Aは、縦溝部6において対向する2台のベルトコンベア16を矢印が示す同じ方向に駆動させる。さらに、第2のベルトコンベア駆動部12Bが、横溝部7において対向する2台のベルトコンベア17を矢印が示す同じ方向に駆動させる。これにより、支持棒8は、縦溝部6から横溝部7へ移動する。支持棒8に自走台車2が装着されていれば、自走台車2が、縦溝部6から横溝部7へ移動する。
【0024】
制御部10は、支持棒駆動部11、第1のベルトコンベア駆動部12Aおよび第2のベルトコンベア駆動部12Bを制御することにより、縦溝部6および横溝部7から突出しない状態の支持棒8を縦溝部6および横溝部7に沿って移動させ、自走台車2の装着位置で支持棒8を突出させてもよい。これにより、支持棒8を、自走台車2が装着されていない状態で移動させている間は、突出させず、自走台車2の装着位置でのみ突出させることができる。
【0025】
第3のベルトコンベア駆動部13は、制御部10の制御に従い、図1に示した棚部3A~3Hの内部にそれぞれ設けたベルトコンベア9を駆動させる。例えば、棚部3A~3Hの内部には、搬送物100が配置されたことを検出するセンサが設けられており、センサによって検出された搬送物100の検出情報は、制御部10に出力される。搬送物100の検出情報は、搬送物100の大きさ、数量および配置された棚部を識別する識別情報が含まれている。
【0026】
制御部10は、搬送物100の検出情報に含まれる識別情報を用いて、棚部3A~3Hから、搬送物100が配置された棚部を判別する。制御部10は、第1のベルトコンベア駆動部12Aおよび第2のベルトコンベア駆動部12Bを制御することにより、縦溝部6および横溝部7に沿って、判別した棚部の出口開口に、支持棒8に装着された自走台車2を移動させる。そして、制御部10は、第3のベルトコンベア駆動部13を制御することにより、ベルトコンベア9を駆動させて、搬送物100を自走台車2の荷台部2Bに移動させる。
【0027】
この後、制御部10は、第1のベルトコンベア駆動部12Aおよび第2のベルトコンベア駆動部12Bを制御することによって、荷台部2Bに搬送物100を載せた自走台車2を、床面に車輪2Cが接触する位置に移動させる。次に、制御部10は、台車制御部14を制御して、支持棒8が孔部2Aから抜ける方向に自走台車2を移動させることにより、支持棒8に対する自走台車2の装着を解除する。これにより、自走台車2は、荷台部2Bに搬送物100を載せた状態で床面を走行し、搬送物100の作業位置に移動する。
なお、自走台車2は、荷台部2Bを作業台として搬送物100の加工などを行うことができる。
【0028】
また、壁部4A~4Cには、図4に示すように、2つの縦溝部6が隣接して設けられ、個々の縦溝部6には2台のベルトコンベア16が対向して設けられている。2つの縦溝部6が隣接しているので、搬送システム1は、隣り合った2台の自走台車2を、上下に同時にまたはすれ違って移動させることができる。これにより、複数の棚部で構成された構造体の大きさを、2つの縦溝部6を隣接させた分だけ小さくすることができる。
【0029】
図8は、接続された2台の自走台車2による搬送処理の概要を示す説明図である。図8に示すように、結合部2Dにより連結された2台の自走台車2を同時に上下方向および左右方向に移動させることが可能である。これにより、一台の自走台車2では2つの搬送物100を搬送することができない場合であっても、複数台を連結した自走台車2によって複数の搬送物100を一度に搬送することができる。
【0030】
なお、搬送システム1が備える制御部10、支持棒駆動部11、第1のベルトコンベア駆動部12A、第2のベルトコンベア駆動部12B、第3のベルトコンベア駆動部13および台車制御部14は、処理回路によって実現される。すなわち、搬送システム1は、前述した各構成要素による処理を実行するための処理回路を備えている。処理回路は、専用のハードウェアであってもよいが、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPUであってもよい。
【0031】
以上のように、実施の形態1に係る搬送システム1は、搬送物100が収納される棚部3A~3Hと、左右に隣り合った棚部間の壁部に設けられて、支持棒8を上下に移動可能に保持する縦溝部6と、上下の棚部間の壁部に設けられて、支持棒8を左右に移動可能に保持する横溝部7と、棚部間の壁部に設けられて、縦溝部6および横溝部7から突出した状態の支持棒8を縦溝部6および横溝部7に沿って移動させるベルトコンベア16および17と、ベルトコンベア16および17による支持棒8の移動を制御することによって、支持棒8に支持され搬送物100を載せて移動可能な自走台車2を、縦溝部6および横溝部7に沿って移動させる。これにより、搬送システム1は、搬送物100を上下方向および左右方向に搬送することができる。
【0032】
実施の形態1に係る搬送システム1は、支持棒8を、縦溝部6および横溝部7から突出する方向と縦溝部6および横溝部7に収納される方向とに移動させる支持棒駆動部11を備える。制御部10は、支持棒駆動部11、ベルトコンベア16およびベルトコンベア17を制御することにより、縦溝部6および横溝部7から突出しない状態の支持棒8を縦溝部6および横溝部7に沿って移動させ、自走台車2の装着位置で支持棒8を突出させる。これにより、搬送システム1は、支持棒8を、自走台車2が装着されていない状態で移動させている間は、突出させず、自走台車2の装着位置でのみ突出させることができる。
【0033】
実施の形態1に係る搬送システム1において、棚部の側壁ごとに2つの縦溝部6が隣接して設けられている。これにより、搬送システム1は、隣り合った自走台車2を、同時に上下に移動させることができ、上下にすれ違って移動させることも可能である。また、複数の棚部で構成された構造体の大きさを、2つの縦溝部6を隣接させた分だけ小さくすることができる。
【0034】
実施の形態1に係る搬送システム1において、制御部10は、ベルトコンベア16およびベルトコンベア17による支持棒8の移動を制御することにより、支持棒8に支持され複数台が連結された自走台車2を、縦溝部6および横溝部7に沿って移動させる。これにより、搬送システム1は、一度に搬送可能な物品の量を増やすことができ、効率的な搬送が可能である。
【0035】
なお、実施の形態の任意の構成要素の変形もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 搬送システム、2 自走台車、2A 孔部、2B 荷台部、2C 車輪、2D 結合部、3A~3H 棚部、4A~4C,5 壁部、6 縦溝部、7 横溝部、8 支持棒、9 ベルトコンベア、10 制御部、11 支持棒駆動部、11A スライド用タイヤ、11B スライド用タイヤ、12A 第1のベルトコンベア駆動部、12B 第2のベルトコンベア駆動部、13 第3のベルトコンベア駆動部、14 台車制御部、16 ベルトコンベア、17 ベルトコンベア、100 搬送物。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8