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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】通行管理システム
(51)【国際特許分類】
   G07C 9/20 20200101AFI20241101BHJP
【FI】
G07C9/20
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021108645
(22)【出願日】2021-06-30
(65)【公開番号】P2023006181
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】有枝 樹雄
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/057274(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 1/00 - 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通行者の個人認証情報が入力される個人認証情報入力装置と、
前記通行者の体温を測定する体温測定装置と、
前記個人認証情報入力装置に入力された前記個人認証情報、前記体温測定装置が測定した前記通行者の前記体温の情報、および、前記体温測定装置が前記通行者の前記体温を測定した時刻の情報が互いに対応して記憶される記憶装置と、
前記記憶装置に記憶されている前記通行者の前記体温の情報と、前記体温測定装置が新たに測定した前記通行者の前記体温の情報とを用いて、前記通行者の異常の有無を判定する判定装置と、
を備え
前記判定装置は、前記記憶装置に記憶されている前記通行者の前記体温の情報の中から前記体温測定装置が前回測定した前記通行者の前記体温の値が予め設定された値である異常判定用体温値を超えている場合であって、前記体温測定装置が新たに測定した前記通行者の前記体温の値が前記異常判定用体温値を超えているか否かに基づいて、前記通行者の異常の有無を判定する通行管理システム。
【請求項2】
前記判定装置は、前記記憶装置に記憶されている前記通行者の前記体温の情報を用いて前記通行者の前記体温の平均値を算出し、算出された前記通行者の前記体温の平均値と前記体温測定装置が新たに測定した前記通行者の前記体温の値との差が予め設定された値である異常判定用変動値を超えているか否かに基づいて、前記通行者の異常の有無を判定する請求項に記載の通行管理システム。
【請求項3】
前記判定装置は、前記体温測定装置が新たに測定した前記通行者の前記体温の値が予め設定された値である異常判定用体温値を超えているか否かに基づいて、前記通行者の異常の有無を判定する請求項または請求項に記載の通行管理システム。
【請求項4】
前記記憶装置には、前記個人認証情報入力装置に入力された前記個人認証情報、前記体温測定装置によって測定された前記通行者の前記体温の情報、前記体温測定装置が前記通行者の前記体温を測定した前記時刻の情報、および、前記体温測定装置が設置されている場所の情報が互いに対応して記憶される請求項1から請求項までの何れか一項に記載の通行管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通行管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、体温測定装置と、判定装置と、電気錠と、を備えている通行管理システムが知られている。体温測定装置は、出入口を通行しようとする通行者の体温を測定する。判定装置は、体温測定装置が測定した通行者の体温の情報を用いて、通行者の異常の有無を判定する。電気錠は、判定装置の判定結果に基づいて、出入口を開閉する扉の施錠および解錠を行う。
【0003】
体温測定装置が測定した通行者の体温の値が予め設定された値以下である場合に、判定装置は通行者に異常がないと判定し、電気錠は扉を解錠する。一方、体温測定装置が測定した通行者の体温の値が予め設定された値よりも高い場合に、判定装置は通行者に異常があると判定し、電気錠は扉を施錠したままとなる。これにより、体温が予め設定された値よりも高い通行者による出入口の通行が防止される。その結果、高熱の通行者が入退室制限エリアに入室することが防止される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-128976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、体温測定装置が測定した通行者の体温の情報は、判定装置による通行者の異常の有無の判定が行われる際に用いられた後、破棄される。これにより、体温測定装置が測定した通行者の体温の情報を管理することができないという問題点があった。
【0006】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、体温測定装置が測定した通行者の体温の情報を管理することができる通行管理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る通行管理システムは、通行者の個人認証情報が入力される個人認証情報入力装置と、通行者の体温を測定する体温測定装置と、個人認証情報入力装置に入力された個人認証情報、体温測定装置が測定した通行者の体温の情報、および、体温測定装置が通行者の体温を測定した時刻の情報が互いに対応して記憶される記憶装置と、記憶装置に記憶されている通行者の体温の情報と、体温測定装置が新たに測定した通行者の体温の情報とを用いて、通行者の異常の有無を判定する判定装置と、を備え、判定装置は、記憶装置に記憶されている通行者の体温の情報の中から体温測定装置が前回測定した通行者の体温の値が予め設定された値である異常判定用体温値を超えている場合であって、体温測定装置が新たに測定した通行者の体温の値が異常判定用体温値を超えているか否かに基づいて、通行者の異常の有無を判定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る通行管理システムによれば、体温測定装置が測定した通行者の体温の情報を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る個人認証システムを示すブロック図である。
図2図1の個人認証情報入力装置および体温測定装置を示す構成図である。
図3図1の記憶装置に記憶されている通行判定履歴テーブルを示す図である。
図4】実施の形態1に係る通行管理システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る個人認証システムを示すブロック図である。実施の形態1に係る個人認証システムは、センター装置1と、電気錠制御装置2と、電気錠3と、個人認証情報入力装置4と、体温測定装置5と、を備えている。
【0011】
センター装置1は、建物の管理室に配置されている。したがって、センター装置1は、管理室にいる管理者によって操作される。センター装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ(PERSONAL COMPUTER)から構成されている。
【0012】
センター装置1は、記憶装置101と、情報登録装置102と、表示装置103と、を有している。
【0013】
記憶装置101には、個人認証情報テーブルおよび通行判定履歴テーブルが記憶されている。個人認証情報テーブルには、入退室制限エリアの入退室が許可されている通行者の個人認証情報が予め登録されている。通行判定履歴テーブルには、入退室制限エリアの入退室の許可の判定についての情報が示されている。テーブルに予め登録されている個人認証情報を登録個人認証情報とする。
【0014】
情報登録装置102は、個人認証情報テーブルを記憶装置101に記憶させるための入力装置である。管理者が情報登録装置102を操作することによって、記憶装置101に個人認証情報テーブルが記憶される。
【0015】
表示装置103は、記憶装置101に記憶されている通行判定履歴テーブルを表示する。表示装置103が通行判定履歴テーブルを表示することによって、管理者は、記憶装置101に記憶されている通行判定履歴テーブルを確認することができる。
【0016】
また、記憶装置101には、予め設定された値である異常判定用体温値と、予め設定された値である異常判定用変動値と、が記憶されている。管理者が情報登録装置102を操作することによって、異常判定用体温値および異常判定用変動値のそれぞれが記憶装置101に記憶される。
【0017】
電気錠制御装置2は、センター装置1に電気的に接続されている。図1では、1つの電気錠制御装置2が示されているが、個人認証システムは、複数の電気錠制御装置2を備えてもよい。この場合に、電気錠制御装置2は、例えば、複数の階を有する建物におけるそれぞれの階に1つずつ配置されてもよい。
【0018】
電気錠3は、電気錠制御装置2に電気的に接続されている。図1では、1つの電気錠3が示されているが、個人認証システムは、複数の電気錠3を備えてもよい。
【0019】
個人認証情報入力装置4は、電気錠制御装置2に電気的に接続されている。図1では、1つの個人認証情報入力装置4が示されているが、個人認証システムは、複数の個人認証情報入力装置4を備えてもよい。
【0020】
体温測定装置5は、電気錠制御装置2に電気的に接続されている。図1では、1つの体温測定装置5が示されているが、個人認証システムは、複数の体温測定装置5を備えてもよい。電気錠3、個人認証情報入力装置4および体温測定装置5は、互いに対応して設置されている。
【0021】
図2は、図1の個人認証情報入力装置4および体温測定装置5を示す構成図である。図3では、入退室制限エリアに入退室しようとする通行者6も示されている。個人認証情報入力装置4および体温測定装置5は、入退室制限エリアの境界壁に設けられた図示しない扉に対応して設けられている。
【0022】
入退室制限エリアの境界壁に形成された出入口を通行しようとする通行者6は、通行者6を特定する個人認証情報を個人認証情報入力装置4に入力する。この例では、通行者6を特定する個人認証情報は、通行者6に所持されたカード7に記憶されている。したがって、個人認証情報入力装置4は、カード7との間で無線通信を行う非接触型カードリーダ装置となっている。
【0023】
通行者6は、通行者6に所持されたカード7を個人認証情報入力装置4に近づける。これにより、カード7と個人認証情報入力装置4との間で無線通信が行われて、個人認証情報入力装置4には、通行者6を特定する個人認証情報が入力される。個人認証情報入力装置4に入力された個人認証情報を入力個人認証情報とする。
【0024】
なお、個人認証情報入力装置4は、非接触型カードリーダ装置に限らず、例えば、テンキー装置、接触型カードリーダ装置、指紋情報入力装置、または、顔情報入力装置であってもよい。個人認証情報入力装置4がテンキー装置である場合には、通行者6がテンキー装置を操作することによって、テンキー装置に、通行者6を特定する個人認証情報が入力される。個人認証情報入力装置4が指紋情報入力装置である場合には、指紋情報入力装置が通行者6の指紋を撮影することによって、指紋情報入力装置に、撮影された指紋の画像が通行者6を特定する個人認証情報として入力される。個人認証情報入力装置4が顔画像入力装置である場合には、顔画像入力装置が通行者6の顔を撮影することによって、顔画像入力装置に、撮影された顔の画像が通行者6を特定する個人認証情報として入力される。
【0025】
体温測定装置5は、入退室制限エリアの境界壁に形成された出入口を通行しようとする通行者6の体温を測定する。この例では、体温測定装置5は、赤外線を用いた非接触型体温測定装置となっている。
【0026】
体温を測定しようとする通行者6は、体温測定装置5に対向する位置に立つ。これにより、体温測定装置5は、通行者6の体温を測定する。体温測定装置5は、個人認証情報入力装置4にカード7を近づけている通行者6の体温を測定する位置に配置されている。言い換えれば、体温測定装置5は、個人認証情報入力装置4に個人認証情報を入力している通行者6の体温を測定する位置に配置されている。したがって、通行者6が個人認証情報入力装置4に個人認証情報を入力することによって、体温測定装置5が通行者6の体温を測定する。
【0027】
なお、体温測定装置5は、非接触型体温測定装置に限らず、例えば、接触型体温測定装置であってもよい。
【0028】
図3は、図1の記憶装置101に記憶されている通行判定履歴テーブルを示す図である。通行判定履歴テーブルには、時刻情報、個人認証情報、体温情報、設置場所情報および通行可否情報が互いに対応して示されている。したがって、記憶装置101には、時刻情報、個人認証情報、体温情報、設置場所情報および通行可否情報が互いに対応して記憶されている。
【0029】
通行判定履歴テーブルに示されている時刻情報は、個人認証情報が個人認証情報入力装置4に入力された時刻の情報である。体温測定装置5が通行者6の体温を測定した時刻は、個人認証情報が個人認証情報入力装置4に入力される時刻と一致する。したがって、時刻情報は、体温測定装置5が通行者6の体温を測定した時刻の情報である。
【0030】
通行判定履歴テーブルに示されている個人認証情報は、個人認証情報入力装置4に入力された個人認証情報である。
【0031】
通行判定履歴テーブルに示されている体温情報は、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の情報である。
【0032】
通行判定履歴テーブルに示されている設置場所情報は、個人認証情報入力装置4が設置されている場所の情報である。体温測定装置5が設置されている場所は、個人認証情報入力装置4が設置されている場所と一致する。したがって、設置場所情報は、体温測定装置5が設置されている場所の情報である。
【0033】
通行可否情報は、入退室制限エリアの入退室が許可されたか否かを示す情報である。通行可否情報には、入退室制限エリアの入退室が許可された場合に「OK」が入力され、入退室制限エリアの入退室が許可されなかった場合に「NG」が入力される。
【0034】
図1に示すように、電気錠制御装置2は、電気錠制御装置本体201と、判定装置202と、を有している。
【0035】
電気錠制御装置本体201は、電気錠3の動作を制御する。電気錠制御装置本体201が電気錠3に扉を施錠させる場合に、電気錠制御装置本体201は、電気錠3に施錠信号を入力する。また、電気錠制御装置本体201が電気錠3に扉を解錠させる場合には、電気錠制御装置本体201は、電気錠3に解錠信号を入力する。
【0036】
判定装置202には、個人認証情報入力装置4に入力された個人認証情報と、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の情報と、記憶装置101に記憶されている個人認証情報テーブルおよび通行判定履歴テーブルと、が入力される。
【0037】
判定装置202は、個人認証情報入力装置4に入力された通行者6の個人認証情報が、記憶装置101に記憶されている個人認証情報テーブルに予め登録された個人認証情報と一致するか否かを判定する。言い換えれば、判定装置202は、入力個人認証情報が登録個人認証情報と一致するか否かを判定する。
【0038】
また、判定装置202は、体温測定装置5が新たに測定した通行者6の体温の値が、記憶装置101に記憶されている異常判定用体温値を超えているか否かに基づいて、通行者6の異常の有無を判定する。
【0039】
また、判定装置202は、記憶装置101に記憶されている通行者6の体温の情報と、体温測定装置5が新たに測定した通行者6の体温の情報とを用いて、通行者6の異常の有無を判定する。
【0040】
具体的には、判定装置202は、記憶装置101に記憶されている通行者6の体温の情報を用いて通行者6の体温の平均値を算出する。通行者6の体温の平均値は、通行者毎に算出される。また、判定装置202は、算出された通行者6の体温の平均値と体温測定装置5が新たに測定した通行者6の体温の値との差が、記憶装置101に記憶されている異常判定用変動値を超えているか否かに基づいて、通行者6の異常の有無を判定する。
【0041】
電気錠制御装置本体201は、判定装置202の判定結果に基づいて、電気錠3の動作を制御する。
【0042】
電気錠3は、電気錠本体301と、電気錠駆動装置302と、電気錠状態検出装置303と、扉開閉検出装置304と、を有している。
【0043】
電気錠本体301は、通行制限エリアの境界壁に設けられた扉を施錠するための部材である。電気錠本体301は、扉が施錠される施錠位置と、扉の施錠が解除される解錠位置との間で移動する。
【0044】
電気錠駆動装置302は、電気錠本体301を移動させる。電気錠駆動装置302の駆動は、電気錠制御装置2の電気錠制御装置本体201によって制御される。電気錠制御装置本体201から電気錠駆動装置302に施錠信号が入力された場合に、電気錠駆動装置302は、電気錠本体301の位置を施錠位置にする。一方、電気錠制御装置本体201から電気錠駆動装置302に解錠信号が入力された場合に、電気錠駆動装置302は、電気錠本体301の位置を解錠位置にする。
【0045】
電気錠状態検出装置303は、電気錠本体301の位置を検出する。電気錠本体301の位置が施錠位置である場合に、電気錠状態検出装置303は、電気錠本体301の位置が施錠位置であることを示す施錠状態情報を電気錠制御装置本体201に入力する。一方、電気錠本体301の位置が解錠位置である場合に、電気錠状態検出装置303は、電気錠本体301の位置が解錠位置であることを示す解錠状態情報を電気錠制御装置本体201に入力する。
【0046】
電気錠制御装置本体201は、電気錠本体301の位置が解錠位置である状態が予め設定された時間に達した場合に、電気錠制御装置本体201から電気錠本体301に施錠信号を入力する。これにより、電気錠本体301の位置が解錠位置である状態が予め設定された時間に達した場合に、電気錠本体301が解錠位置から施錠位置に移動する。
【0047】
扉開閉検出装置304は、扉の位置を検出する。扉は、扉が出入口を閉める閉位置と、出入口が開く開位置との間で移動する。扉の位置が閉位置である場合に、扉開閉検出装置304は、扉の位置が閉位置であることを示す戸閉状態情報を電気錠制御装置本体201に入力する。一方、扉の位置が開位置である場合に、扉開閉検出装置304は、扉の位置が開位置であることを示す戸開状態情報を電気錠制御装置本体201に入力する。
【0048】
電気錠制御装置2は、電気錠3の故障によって、電気錠本体301が移動しない場合に、入退室制限エリアに異常が発生したことを示す入退室制限異常発生情報をセンター装置1に入力する。また、電気錠制御装置2は、扉の位置が開位置である状態が予め設定された時間に達した場合に、入退室制限エリアに異常が発生したことを示す入退室制限異常発生情報をセンター装置1に入力する。
【0049】
次に、通行管理システムの動作について説明する。図4は、実施の形態1に係る通行管理システムの動作を示すフローチャートである。
【0050】
まず、ステップS101において、通行管理システムは、個人認証情報体温情報入力工程を行う。個人認証情報体温情報入力工程では、通行者6に所持されたカード7を通行者6が個人認証情報入力装置4に近づける。これにより、通行者6に所持されたカード7に記憶されている個人認証情報が個人認証情報入力装置4に入力され、体温測定装置5が通行者6の体温を測定する。
【0051】
その後、ステップS102において、通行管理システムは、個人認証情報登録判定工程を行う。個人認証情報登録判定工程では、判定装置202は、個人認証情報入力装置4に入力された個人認証情報が、入退室制限エリアの入退室が許可されている個人認証情報と一致するか否かについて、個人認証情報テーブルを用いて判定する。ステップS102において、個人認証情報入力装置4に入力された個人認証情報が、入退室制限エリアの入退室が許可されている個人認証情報と一致しないと判定装置202が判定した場合には、電気錠3が扉を施錠したままとなる。これにより、通行管理システムの動作が終了する。
【0052】
一方、ステップS102において、個人認証情報入力装置4に入力された個人認証情報が、入退室制限エリアの入退室が許可されている個人認証情報と一致すると判定装置202が判定した場合に、通行管理システムの処理は、ステップS103に進む。
【0053】
ステップS103では、通行管理システムは、体温値異常判定工程を行う。体温値異常判定工程では、判定装置202は、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の値が異常判定用体温値を超えているか否かに基づいて、通行者6の異常の有無を判定する。言い換えれば、判定装置202は、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の値が異常判定用体温値を超えているか否かを判定する。すなわち、判定装置202は、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の値が許可された体温値であるか否かを判定する。ステップS103において、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の値が異常判定用体温値を超えていると判定装置202が判定した場合には、電気錠3が扉を施錠したままとなる。これにより、通行管理システムの動作が終了する。
【0054】
一方、ステップS103において、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の値が異常判定用体温値を超えていないと判定装置202が判定した場合には、通行管理システムの処理は、ステップS104に進む。
【0055】
ステップS104では、通行管理システムは、変動値異常判定工程を行う。変動値異常判定工程では、まず、判定装置202は、記憶装置101に記憶されている通行者6の体温の情報を用いて通行者6の体温の平均値を算出する。
【0056】
また、変動値異常判定工程では、判定装置202は、算出された通行者6の体温の平均値と体温測定装置5が新たに測定した通行者6の体温の値との差が異常判定用変動値を超えているか否かに基づいて、通行者6の異常の有無を判定する。言い換えれば、判定装置202は、算出された通行者6の体温の平均値と体温測定装置5が新たに測定した通行者6の体温の値との差が異常判定用変動値を超えているか否かを判定する。すなわち、判定装置202は、算出された通行者6の体温の平均値と体温測定装置5が新たに測定した通行者6の体温の値との差が許可された変動値であるか否かを判定する。ステップS104において、算出された通行者6の体温の平均値と体温測定装置5が新たに測定した通行者6の体温の値との差が異常判定用変動値を超えていると判定装置202が判定した場合には、電気錠3が扉を施錠したままとなる。これにより、通行管理システムの動作が終了する。
【0057】
一方、ステップS104において、算出された通行者6の体温の平均値と体温測定装置5が新たに測定した通行者6の体温の値との差が異常判定用変動値を超えていないと判定装置202が判定した場合には、通行管理システムの処理は、ステップS105に進む。
【0058】
ステップS105では、通行管理システムは、電気錠解錠工程を行う。電気錠解錠工程では、電気錠3が扉を解錠する。これにより、通行者6が入退室制限エリアに入退室することができる。
【0059】
以上説明したように、実施の形態1に係る通行管理システムは、個人認証情報入力装置4と、体温測定装置5と、記憶装置101と、を備えている。個人認証情報入力装置4には、通行者6の個人認証情報が入力される。体温測定装置5は、通行者6の体温を測定する。記憶装置101には、個人認証情報入力装置4に入力された個人認証情報、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の情報、および、体温測定装置5が通行者6の体温を測定した時刻の情報が互いに対応して記憶される。この構成によれば、通行者6の個人認証情報を用いて、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の情報、および、体温が測定された時刻の情報を、管理者が記憶装置101から取得することができる。その結果、管理者は、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の情報を管理することができる。
【0060】
また、実施の形態1に係る通行管理システムは、判定装置202を備えている。判定装置202は、記憶装置101に記憶されている通行者6の体温の情報と、体温測定装置5が新たに測定した通行者6の体温の情報とを用いて、通行者6の異常の有無を判定する。この構成によれば、それぞれの通行者6の過去に測定された体温に対応して、それぞれの通行者6の異常の有無を判定することができる。
【0061】
また、判定装置202は、記憶装置101に記憶されている通行者6の体温の情報を用いて通行者6の体温の平均値を算出する。また、判定装置202は、算出された通行者6の体温の平均値と体温測定装置5が新たに測定した通行者6の体温の値との差が異常判定用変動値を超えているか否かに基づいて、通行者6の異常の有無を判定する。この構成によれば、それぞれの通行者6の体温の平均値に対応して、それぞれの通行者6の異常の有無を判定することができる。
【0062】
また、判定装置202は、体温測定装置5が新たに測定した通行者6の体温の値が異常判定用体温値を超えているか否かに基づいて、通行者6の異常の有無を判定する。この構成によれば、新たに測定された通行者6の体温に対応して、通行者6の異常の有無を判定することができる。
【0063】
また、記憶装置101には、個人認証情報入力装置4に入力された個人認証情報、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の情報、体温測定装置5が通行者6の体温を測定した時刻の情報、および、体温測定装置5が設置されている場所の情報が記憶される。個人認証情報入力装置4に入力された個人認証情報、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の情報、体温測定装置5が通行者6の体温を測定した時刻の情報および体温測定装置5が設置されている場所の情報は、互いに対応している。この構成によれば、通行者6の個人認証情報を用いて、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の情報、体温が測定された時刻の情報、および、体温測定装置5が設置されている場所の情報を管理者が記憶装置101から取得することができる。その結果、管理者は、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の情報を管理することができる。
【0064】
なお、実施の形態1では、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の値が、記憶装置101に記憶されている異常判定用体温値を超えているか否かに基づいて、通行者6の異常の有無を判定する判定装置202の構成について説明した。この構成に加えて、記憶装置101に記憶されている通行者6の体温の情報の中から体温測定装置5が前回測定した通行者6の体温の値が異常判定用体温値を超えているか否かに基づいて、通行者6の異常の有無を判定する判定装置202の構成であってもよい。この場合に、体温測定装置5が前回測定した通行者6の体温の値が異常判定用体温値を超えている場合であって、体温測定装置5が新たに測定した通行者6の体温の値が異常判定用体温値を超えている場合に、通行者6に異常があると判定装置202が判定する。また、体温測定装置5が連続して3回以上測定した通行者6の体温のそれぞれの値が、異常判定用体温値を超えている場合に、通行者6に異常があると判定装置202が判定する構成であってもよい。
【0065】
また、個人認証システムは、判定装置202の判定結果を通行者6に報知する報知装置を備えてもよい。この場合に、報知装置は、個人認証情報入力装置4に入力された個人認証情報が、入退室制限エリアの入退室が許可されている個人認証情報と一致するか否かについての判定装置202の判定結果を通行者6に報知してもよい。また、報知装置は、体温測定装置5が測定した通行者6の体温の値が異常判定用体温値を超えているか否かについての判定装置202の判定結果を通行者6に報知してもよい。また、報知装置は、通行者6の体温の平均値と体温測定装置5が新たに測定した通行者6の体温の値との差が異常判定用変動値を超えているか否かについての判定装置202の判定結果を通行者6に報知してもよい。
【0066】
また、個人認証システムは、判定装置202の判定結果に基づいて、電気錠3が解錠させる扉を変えてもよい。言い換えれば、通行者6に異常がないと判定装置202が判定した場合に解錠される扉と、通行者6に異常があると判定装置202が判定した場合に解錠させる扉と、を分けてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 センター装置、2 電気錠制御装置、3 電気錠、4 個人認証情報入力装置、5 体温測定装置、6 通行者、7 カード、101 記憶装置、102 情報登録装置、103 表示装置、201 電気錠制御装置本体、202 判定装置、301 電気錠本体、302 電気錠駆動装置、303 電気錠状態検出装置、304 扉開閉検出装置。
図1
図2
図3
図4