(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】デュアル電圧バッテリー及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241101BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20241101BHJP
B60R 16/03 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
H02J7/00 302B
H02J1/00 306D
B60R16/03 S
(21)【出願番号】P 2021573535
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(86)【国際出願番号】 US2020037043
(87)【国際公開番号】W WO2020252058
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-03-31
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515167067
【氏名又は名称】エー123 システムズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】A123 Systems LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ブレークモア ブルース
(72)【発明者】
【氏名】ファラハティ ハミッド
(72)【発明者】
【氏名】ラロシェル パトリック
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-056934(JP,A)
【文献】特開2018-196234(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02332105(GB,A)
【文献】特開2012-110175(JP,A)
【文献】特開2007-137093(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2011-0055776(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0176727(US,A1)
【文献】特開2017-34846(JP,A)
【文献】特開2004-222404(JP,A)
【文献】特開平11-265225(JP,A)
【文献】国際公開第2018/154206(WO,A1)
【文献】特許第6127955(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 1/00
B60R 16/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電圧レベルを生成するために、直列かつ並列に組み合わされた複数のバッテリーセルと、
電気的に並列に配置され、直列および並列に組み合わされた前記複数のバッテリーセルから供給される電力から第2の電圧レベルを生成する、複数の降圧レギュレータ回路と、
バッテリーパックの外部から
の信号
であって、スタータモータが内燃機関と係合しているか、又は係合待機していることを示す信号を受信して、前記複数の降圧レギュレータ回路の1つ以上を作動させるように構成された回路と、を備える、
バッテリーパック。
【請求項2】
前記回路は、前記複数の降圧レギュレータ回路のうち1つ以上を停止させ、前記複数の降圧レギュレータ回路のうち1つ以上を停止させないようにさらに構成される、
請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
第1の端子及び第2の端子をさらに備え、
前記第1の端子は、前記複数のバッテリーセルに直接電気的に結合し、
前記第2の端子は、前記複数の降圧レギュレータ回路に直接電気的に結合する、
請求項1又は2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
第3の端子及び第4の端子をさらに備え、
前記第3の端子は、前記第1の端子と対をなす負端子であり、
前記第4の端子は、前記第2の端子と対をなす負端子である、
請求項
3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記信号を受信するための入力部をさらに備える、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記入力部は、コントローラ・エリア・ネットワーク及びデジタル入力のうちの1つ又は複数である、
請求項
5に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
第1の電圧レベルを生成するために、直列かつ並列に組み合わされた複数のバッテリーセルと、
電気的に並列に配置され、直列かつ並列に組み合わされた複数のバッテリーセルから供給される電力から第2の電圧レベルを生成する、第1のバッテリー端子に直接結合された複数の降圧レギュレータ回路と、
バッテリーパックの外部から
の信号
であって、スタータモータが内燃機関と係合しているか、又は係合待機していることを示す信号を受信して、複数の降圧レギュレータ回路のうち、1つ又は複数を作動するように構成された回路と、
複数のバッテリーセルを選択的に第2のバッテリー端子に結合するための接触器であって、第1及び第2のバッテリー端子が電池ケースの外部に突出している、接触器と、を備える、
バッテリーパック。
【請求項8】
前記回路が、前記複数の降圧レギュレータ回路のうちの1つ以上を起動しないように構成される、
または、前記複数の降圧レギュレータ回路が、電気的に並列に結合される、
請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
第1の端子及び第2の端子をさらに含み、
前記第1の端子は、前記接触器を介して前記複数のバッテリーセルに電気的に結合し、
前記第2の端子は、前記複数の降圧レギュレータ回路に直接電気的に結合している、
請求項7又は8に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記第2の電圧レベルが、前記第1の電圧レベルよりも小さい、
あるいは、バッテリーパックの外部からの信号が、内燃機関のスタータモータに係合するように指示する、
あるいは、前記信号が、コントローラ・エリア・ネットワークを介して受信される、
請求項7乃至9のいずれか1項に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
バッテリーパックの動作方法であって、
バッテリーパック内の複数のバッテリーセルによって、第1の電力消費体のグループに対して、第1の電圧で電力を供給し、
バッテリーパックに含まれる複数の電圧レギュレータによって、第2の電力消費体のグループに対して、第2の電圧で電力を供給し、
複数の電圧レギュレータは複数のバッテリーセルに電気的に結合され、
前記バッテリーパックの外部で生成された信号であって、スタータモータが内燃機関と係合しているか、又は係合待機していることを示す信号に応答し、前記複数の電圧レギュレータのうちの1つ以上を作動させる、
バッテリーパックの動作方法。
【請求項12】
前記バッテリーパックの外部で生成された信号に応答して、前記複数の電圧レギュレータのうちの1つ以上を停止するステップをさらに含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1の電圧での電力の供給と、第2の電圧での電力の供給と、が同時に実行される、
又は、前記複数の電圧レギュレータが、前記複数の
バッテリーセルの最も電位が高い位置に電気的に結合される、
請求項11
又は12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年6月11日に出願された「デュアル電圧バッテリー及びその動作方法」と題する米国仮出願第62/860,034号の優先権を主張する。
上記で特定された出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、2つの異なる電圧を同時に出力するバッテリーに関する。
一例では、バッテリーパックは、第1の電力消費体のグループに低い出力電圧を供給し、第2の電力消費体のグループに高い出力電圧を供給する。
【0003】
(背景と概要)
車両は、2つの電力消費体のグループに対して、それぞれ異なる電圧を供給する2つのバッテリーによって動作してもよい。
2つの電力消費体のグループのうちの一方は、高い方の電圧、例えば48 VDC(Volts Direct Current)の電源によって動作してもよく、他方は、低い方の電圧、例えば12 VDCの電源によって動作してもよい。
電圧が高い方のバッテリーからの電力供給で作動する電力消費体のグループは、車両のパワートレイン作動時に、作動してもよい。
電圧が低い方のバッテリーからの電力供給で作動する電力消費体のグループは、車両が起動されているか否かに関わらず連続的に電力を供給される装置群と、予め定められた車両動作条件が満たされた場合に電力を供給される装置群とを含んでもよい。
全ての電力消費体は単一の電圧電源によって動作することが望ましいが、部品のコスト及び調達面での事情から、そのようにすることは実用的ではない。
一方、2つの異なるバッテリーを収容可能な2つのスペースを車両上に見出すことが困難である場合がある。
さらに、2つの異なるバッテリーは、車両重量を増加させる場合もある。
【0004】
本発明者らは、上記の問題点を見出し、
第1の電圧レベルを生成するために、直列かつ並列に組み合わされた複数のバッテリーセルと、
電気的に並列に配置され、直列および並列に組み合わされた複数のバッテリーセルから供給される電力から第2の電圧レベルを生成する、複数の降圧レギュレータ回路と、
バッテリーパックの外部から信号を受信して、複数の降圧レギュレータ回路の1つ以上を作動させるように構成された回路と、を備える、
バッテリーパックを開発した。
【0005】
複数のバッテリーセルに電気的に結合された複数の降圧レギュレータ回路を適用することによって、異なるグループの電力消費体に2つの異なる電圧で、電力を供給可能な単一のバッテリーを構築する技術的結果を提供できる。
さらに、より大きな電流量が要求されない場合には、複数の降圧レギュレータ回路のうちの1つ以上を停止して、バッテリー効率をより高いレベルで維持できる。
例えば、内燃機関のスタータモータを作動させるために大量の電流が要求される場合、複数の降圧レギュレータ回路の全てを作動させて、大量の電流を供給できる。
しかしながら、大きな電流量が要求されない場合には、バッテリーパック内の寄生損失を低減するために、複数の降圧レギュレータ回路の、例えば1つまたは2つの、小グループのみを作動させてもよい。
【0006】
本説明は、いくつかの利点を提供できる。
特に、バッテリーパックは、単一のバッテリーパックを介して2つの電圧を供給するため、スペースを節約できる。
さらに、バッテリーパックは、2つの個別のバッテリーを含む車両と比較して、車両パッケージを簡素化し、車両重量を低減できる。
さらに、バッテリーパックは、バッテリーパックの機能性および性能を改善するために、高効率モードと高電流出力モードとを選択的に切り替えてもよい。
【0007】
上記の利点および他の利点、ならびに本説明の特徴は、以下の詳細な説明から、単独で、または添付の図面と関連して、容易に明らかになるであろう。
【0008】
上述した要約は、詳細な説明にさらに記載される概念の選択肢を簡略化した形で導入するために提供されることを理解されたい。
上述した要約は、請求項の重要な、又は本質的な特徴を特定することを意図しておらず、その範囲は、詳細な説明に続く請求項によって一意的に定義される。
さらに、請求項は、上記または本開示のいずれかの部分に記載された課題を解決する実装に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、バッテリーパックまたは装置の例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1のバッテリーパックを利用可能なシステムの例を示す概略図である。
【
図3】
図3は、バッテリーパックの構成要素を詳細に示す図である。
【
図4】
図4は、複数の降圧レギュレータ回路を含む低電圧レギュレータ回路を詳細に示す図である。
【
図5】
図5は、降圧レギュレータ回路を詳細に示す図である。
【
図6】
図6は、バッテリーパックの動作シーケンスを示すプロットである。
【
図7】
図7は、電池パックの動作方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本説明は、異なる電圧で動作する2つの電力消費体のグループに、電力を供給できるバッテリーパックに関する。
一態様に係るバッテリーパックは、
図1に示すように構成できる。
バッテリーパックは、
図2に示すような車両に搭載可能である。
また、バッテリーパックは、
図3~
図5に示すように構成してもよく、
図6に示すように動作してもよい。
バッテリーパックは、
図7の方法に従って動作してもよい。
【0011】
本明細書中において、回路の2つの構成要素に言及する場合、「結合された」とは、別段の指定がない限り「電気的に結合された」ことを指す。
従って、いくつかの例において回路の2つの構成要素に言及する場合、「直接結合された」とは、ワイヤ等の導電体を除き、それらの間に、抵抗、トランジスタ、及びコンデンサ等の如何なる電気的構成要素も配置されずに、電気的に結合されている2つの構成要素を指す。
【0012】
図1は、バッテリーパック100の一例を示す図である。
バッテリーパック100は、外部ケース104と、3つの電気端子101、102、及び105とを備える。
電気端子101は、シャーシグラウンドに外部的に結合する負端子である。
電気端子102は、例えば、48 VDCの高電圧出力端子であり、電気端子105は、例えば、12 VDCの低電圧出力端子である。
3つの端子101、102、及び105は、電池ケース104から突出している。負端子101は、低電圧端子105に最も近い位置に図示される。高電圧端子102は、負端子101から最も離れた位置に図示される。これらの端子は、異なる端子同士を分割し、電圧レベルを分けるために、このように配置される。
【0013】
図2によると、バッテリーパック100を搭載する車両210の例が示されている。
車両210は、車輪218に推進力を供給するために、内燃機関202及び電気機械204を備える。
内燃機関202は、内燃機関202の始動時に、スタータモータ211を介して重点的に回転させられてもよい。
電気機械204は、車両210を単独で推進させてもよいし、内燃機関202及び電気機械204は共同で出力し、車両210を推進させてもよい。さらに、電気機械204は、車両の運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、バッテリーパック100を随時充電してもよい。
端子102は、導体205を介して電気機械204に電気的に結合する。
端子105は、ライト222、車両センサ、例えば、インフォテインメントシステム、空調システム、エンジンセンサ、ウィンドウモータ、ドアロック等のアクチュエータ220、ならびにスタータモータ211に、電気的に結合する。
【0014】
次に、
図3を参照すると、バッテリーパック100の詳細図が示されている。
バッテリーパック100は、バッテリーパックの電圧を増加させるために直列に、かつ、バッテリーパックの出力容量を増加させるために並列に組み合わされた複数のバッテリーセル312を覆うケース又はハウジング104を備える。
複数のバッテリーセル312は、個々のバッテリーセル313によって形成される。
導体302は、バッテリーパックの最高電位を有するバッテリーセルに直接結合し、導体304は、バッテリーパックの最低電位を有する電池セルに結合する。
一例では、最低電位のバッテリーセルと最高電位のバッテリーセルとの間の電位差は48 VDCであるが、直列に配置されるバッテリーセルの数を増加させると、他の電圧も供給できる。
複数のバッテリーセルは、バッテリーモニタリングシステム(BMS、battery monitoring system)338、パワーモジュールユニット(PMU、power module unit)344、マイクロコントローラユニット(MCU、micro-controller unit)310、及び低電圧パワーレギュレータ(LVR、low voltage power regulator)350に、電力を供給する。
複数のバッテリーセル312のうち、電位が最も低いバッテリーセルは、端子101に電気的に結合されている。
端子101は、また、シャーシグラウンド380に電気的に結合されている。それによって、複数の電池セル312のうち、電位が最も低いバッテリーセルは、シャーシグラウンド380を参照する。
バッテリーパック100がシャーシグラウンドに電気的に結合されていない場合、導体304は、バッテリーパック100のうち、最も低い電位のバッテリーセルの負側の電位をとる。
この例においては、314はバッテリーセルの負側を示しており、このバッテリーセルと並列に接続されているバッテリーセルも、バッテリーパック100のうち、最も低い電位のバッテリーセルである。
【0015】
導体302は、複数のバッテリーセル312から、任意の接触器311を介してバッテリーパック100の外部にある電気機械、電気負荷またはより高電圧の電力消費体204に対して、電圧を供給してもよい。
接触器311は、MCU310によって開かれ、複数のバッテリーセル312を外部の高電圧負荷204から電気的に絶縁できる。
さらに、MCU310は、例えば、コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN、Control Area Network)、デジタル出力、シリアルリンク、またはバッテリーパック100に対する入力とも呼ばれ得る他の公知の通信装置である通信リンク345を介して、車両制御ユニット(VCU、Vehicle Control Unit)340から受信した入力またはデータに応答して、接触器311を閉じ、バッテリーセル312を、端子102及び高電圧電気負荷204に電気的に結合してもよい。接触器311が存在しない場合、電池セル312は、端子102に直接結合されてもよい。
VCU340は、人間/機械インターフェース341と接続して、車両210を作動及び停止できる。
MCU310は、VCU340を介してMCU310に提示されたデータまたは要求に基づいて、例えば、シリアルリンク、CAN、または他の既知の通信リンク等の通信リンク318を介して、LVR350内の選択された降圧型電圧レギュレータにオフまたはスタンバイ状態を命令できる。
低電流状態の間に選択された降圧レギュレータをオフに指令することによって、バッテリーパック100内の寄生損失を低減し、それによってバッテリーパック100の出力容量を増加させることができる。
あるいは、VCU340は、導体355aを介した入力355によって、LVR350内の1つ以上の電圧レギュレータの停止を要求できる。
LVR350は、導体370を介して端子105に調整された低電圧、例えば、12 VDCに調整された電圧を供給する。
バッテリーパック100は、端子102と、例えば、推進のために使用される電気機械204等の高電圧電力消費体204と、に高電圧で電力を供給する。さらに、端子105と、例えば、エンジン始動モータ、インフォテインメントシステム、ウィンドウモータ等の低電圧電気負荷、すなわち低電圧電力消費体342と、に低電圧で電力を供給できる。
高電圧電気負荷204、VCU340、人間/機械インターフェース341、及び低電圧電気負荷342は、全てバッテリーパック100の外部にある。
【0016】
MCU310は、読み出し専用メモリ(ROM、Read Only Memory)310aと、中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)310bと、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)310cと、例えば、CANポート、シリアルポート、デジタル入出力部、及びアナログ入出力部等の入出力部310dとを備えてもよい。
一例では、入力部は、デジタル入力部およびCANのうちの1つ以上を含んでもよい。
CPU310bは、ROM及び/又はRAMに記憶された命令を実行でき、CPU310bは、入力部310dを介して、実世界とインターフェースで接続できる。
【0017】
次に
図4を参照すると、LVR350の詳細な概略図が示されている。
LVR350は、導体302を介して複数のバッテリーセル312から高い電位の電圧を受け取り、この高い電位の電圧は、導体440を介して降圧型電圧レギュレータ402及び404-1~404-Nに分配される。
また、LVR350は、導体304を介してシャーシグラウンド380に接続され、グラウンド参照380は、導体442を介してLVR350内に分配される。
スタータの係合保留信号(A starter engagement pending signal)は、355b又は318を介して入力部408に入力されてもよい。スタータの係合保留信号は、降圧型電圧レギュレータ404-1~404-Nを作動または停止できる。
ここで、電圧レギュレータは1~Nの番号が付され、Nは、より低い電圧負荷に供給される電流の量に基づく整数である。
例えば、入力部408に入力されるハイレベルのロジック信号は、降圧型電圧レギュレータ404-1~404-Nを作動させてもよく、一方、入力部408に入力されるローレベルのロジック信号は、降圧型電圧レギュレータ404-1~404-Nを停止させてもよい。
レギュレータ404-3と、404-Nとの間に示されるドットは、外部の低電圧電力消費体342に供給される電流の量によって決定され得る任意の数のレギュレータを表す。
例えば、100アンペアの電流容量が望まれる場合、20個の降圧型レギュレータを並列に結合してもよい。また、150アンペアの電流容量が望ましい場合には、30個の降圧型電圧レギュレータを並列に結合してもよい。
また、LVR350は、調整された低電圧を外部の低電圧電力消費体342に連続的に供給する、例えばこの例では1つのみ図示されている、1つ以上の降圧型電圧レギュレータ402を備えるが、この1つ以上のレギュレータは、入力部408に入力されるスタータの係合信号を介して作動または停止されない。
各レギュレータからの出力、402v、404-1v、404-2v、404-3v、及び404-Nvは、降圧型電圧レギュレータ402、404-1、404-2、404-3、及び404-Nが電気的に並列に結合されるように、導体480によって、互いに電気的に結合される。
その結果、LVR350の電流容量は、複数のバッテリーセル312それぞれにおいて利用可能な電流量の関数である限界値の合計であり、降圧型電圧レギュレータごとに増加する。
導体480は、降圧型電圧レギュレータ404、404-1、404-2、404-3、及び404-Nの全てから、端子105に直接電気的に結合された導体370に対して電流を出力できる。
従って、複数の降圧電圧レギュレータ402及び404-1~404-Nは、低電圧電力消費体342に電流を供給できる。
降圧型電圧レギュレータ404-1~404-Nは同一であり、降圧型電圧レギュレータ402は同様の構成であってもよい。ただし、スタータの係合信号は、降圧型電圧レギュレータ402に入力されないため、降圧型電圧レギュレータ402はスタータの係合信号を介した停止には対応しない。
【0018】
次に
図5を参照すると、降圧型電圧レギュレータ404-1の詳細な概略図が示されている。ただし、構成要素間の実線は導線を表す。
降圧レギュレータ404-1は、入力部500において、導体440を介してより高い電位の電圧を受ける。降圧レギュレータ404-1はまた、入力部501において導体442を介して、例えば、シャーシグランドまたはバッテリーパックの最低電位等の、より低い電位の電圧を受ける。
内燃機関のスタータの係合保留信号は、導電体410を介して入力部590において降圧型電圧レギュレータ404-1に入力される。
例えば12 VDCである、調整された低い出力電圧が、導体480に結合された出力部580で出力される。
【0019】
降圧型電圧レギュレータ404-1は、導体440に電気的に結合される一方の側と、導体442を介してシャーシグラウンド380に電気的に結合される第2の側とを備える、第1のコンデンサ504を含む。
第2のコンデンサ506は、第1のコンデンサ504と並列であり、導体440に電気的に結合された第1の側面を有する。第2のコンデンサ506の第2の側面は、シャーシグラウンド380に電気的に結合される。
第3のコンデンサ510は、第1のコンデンサ504と並列であり、導体440に電気的に結合された第1の側面を有する。第3コンデンサ510の第2の側面は、シャーシグラウンド380に電気的に結合される。
【0020】
降圧型電圧レギュレータ404-1は、集積降圧型レギュレータ回路502を含む。
一例では、集積降圧型レギュレータ回路は、テキサス州ダラスのテキサス・インスツルメンツ社によって製造される市販のLM5085である。しかし、他の例では、LM5085の代わりに別の集積降圧型レギュレータ回路を用いてもよい。
集積降圧型レギュレータ回路502は、VIN入力部、RT入力部、GND及びEP入力部、VCC入力部、ADJ入力部、ISEN入力部、PGATE出力部、およびFB入力部を含み、これらは
図5において同じ名称で識別される。
VIN入力部は導体440に直接結合され、RT入力部は抵抗器508の片側に結合される。
抵抗器508の他方の側は、導体440に直接結合される。
VCC入力部は、コンデンサ512の一方の側に電気的に結合され、コンデンサ512の他方の側は、導体440に直接結合される。
ADJ入力部は、ノード514において、コンデンサ516の一方の側および抵抗器518の一方の側に電気的に結合される。
コンデンサ516と抵抗器518は並列に配置されている。コンデンサ516および抵抗器518の他の側面は、ノード520を介して導体440に電気的に結合される。
電流センス抵抗器524の一方の側は、ノード522において導体440に電気的に結合され、電流センス抵抗器524の他方の側は、ノード526において集積降圧型レギュレータ回路502のISENに電気的に結合される。
【0021】
ノード526は、P-チャネル電界効果トランジスタ(FET)528のソース528bに直接電気的に結合される。
P-チャネルFET528のゲート528aは、集積降圧型レギュレータ回路502のPGATE出力部に直接電気的に結合されるべきである。
P-チャネルFET528のドレイン528cは、ダイオード532のカソード側と、インダクタ536の一方の側と、ノード530及び534を介した抵抗器540の一方の側と、と直接結合されている。
【0022】
ダイオード532のアノード側は、シャーシグラウンド380に直接電気的に結合される。
インダクタ536の他方の側は、ノード538において抵抗器542及び抵抗器544に直接結合される。
抵抗器542及び544は並列に構成され、それぞれ、ノード554に結合される側を含む。
抵抗器540は、コンデンサ548の一方の側及びコンデンサ550の一方の側に直接結合される。
コンデンサ548の他方の側は、集積降圧型レギュレータ回路502のFB入力部、コンデンサ552、抵抗器558、及び抵抗器564に直接結合される。
コンデンサ550の一方の側は、ノード556、570、571、572、及び573を介して、抵抗器542、抵抗器544、コンデンサ552、抵抗器558、コンデンサ560、及びコンデンサ566に直接電気的に結合される。
抵抗器564の一方の側はノード562に直接電気的に結合され、抵抗器564の他方の側はシャーシグラウンド380に電気的に結合される。
コンデンサ560は、シャーシグラウンド380に直接結合される一方の側と、ノード572に結合される他方の側とを含む。
コンデンサ566は、シャーシグラウンド380に直接結合される一方の側と、ノード573に結合される他方の側とを含む。
ノード554、556、570、571、572、及び573は等電位であり、出力部580に電気的に結合される。
【0023】
従って、例えば、48 VDCである高い電位の電圧が、入力部500で降圧型電圧レギュレータ404-1に入力され、FET528がオンにされる、あるいは閉じられると、FET528によって、インダクタ536が選択的に充電される。
FET528はまた、FET528がオフにされると、あるいは開かれると、インダクタ536がいつ放電するかを制御する。
インダクタ536の出力電圧は、高電位の電圧の一部であり、抵抗器542、544、540、及びコンデンサ548、550、552、560、566を含む抵抗器/コンデンサネットワークを介してフィルタリングされる。
出力部580は、導体480に電気的に結合される。
【0024】
図1~
図5のシステムは、
第1の電圧レベルを生成するために、直列かつ並列に組み合わされた複数のバッテリーセルと、
電気的に並列に配置され、直列および並列に組み合わされた前記複数のバッテリーセルから供給される電力から第2の電圧レベルを生成する、複数の降圧レギュレータ回路と、
バッテリーパックの外部から信号を受信して、前記複数の降圧レギュレータ回路の1つ以上を作動させるように構成された回路と、を備える、
バッテリーパックの第1の例を提供する。
バッテリーパックの第2の実施例は、バッテリーパックの第1の実施例を任意に含み、
前記回路は、前記複数の降圧レギュレータ回路のうち1つ以上を停止させ、前記複数の降圧レギュレータ回路のうち1つ以上を停止させないようにさらに構成される。
バッテリーパックの第3の実施例は、バッテリーパックの第1及び第2の実施例のうちの1つ又は複数を任意に含み、
第1の端子及び第2の端子をさらに備え、
前記第1の端子は、前記複数のバッテリーセルに直接電気的に結合し、
前記第2の端子は、前記複数の降圧レギュレータ回路に直接電気的に結合する。
バッテリーパックの第4の実施例は、バッテリーパックの第1から第3の実施例までのうちの1つまたは複数を任意に含み、
第3の端子及び第4の端子をさらに備え、
前記第3の端子は、前記第1の端子と対をなす負端子であり、
前記第4の端子は、前記第2の端子と対をなす負端子である。
バッテリーパックの第5の実施例は、バッテリーパックの第1から第4の実施例のうちの1つ以上を任意に含み、
前記信号を受信するための入力部をさらに備える。
バッテリーパックの第6の実施例は、バッテリーパックの第1の実施例から第5の実施例までのうちの1つ以上を任意に含み、
前記入力部は、コントローラ・エリア・ネットワークであることをさらに含む。
バッテリーパックの第7の実施例は、バッテリーパックの第1の実施例から第6の実施例のうちの1つ以上を任意に含み、
入力部がデジタル入力であることをさらに含む。
【0025】
図1~
図5のシステムはまた、
第1の電圧レベルを生成するために、直列かつ並列に組み合わされた複数のバッテリーセルと、
電気的に並列に配置され、直列かつ並列に組み合わされた複数のバッテリーセルから供給される電力から第2の電圧レベルを生成する、第1のバッテリー端子に直接結合された複数の降圧レギュレータ回路と、
バッテリーパックの外部から信号を受信して、複数の降圧レギュレータ回路のうち、1つ又は複数を作動するように構成された回路と、
複数のバッテリーセルを選択的に第2のバッテリー端子に結合するための接触器であって、第1及び第2のバッテリー端子が電池ケースの外部に突出している、接触器と、を備える、
バッテリーパックの第1の例を提供する。
バッテリーパックの第2の実施例は、バッテリーパックの第1の実施例を任意に含み、
前記回路が、前記複数の降圧レギュレータ回路のうちの1つ以上を起動しないように構成されることをさらに含む。
バッテリーパックの第3の実施例は、バッテリーパックの第1及び第2の実施例のうちの1つ又は複数を任意に含み、
前記複数の降圧レギュレータ回路が、電気的に並列に結合されることをさらに含む。
バッテリーパックの第4の実施例は、バッテリーパックの第1から第3の実施例までのうちの1つまたは複数を任意に含み、
第1の端子及び第2の端子をさらに含み、
前記第1の端子は、前記接触器を介して前記複数のバッテリーセルに電気的に結合し、
前記第2の端子は、前記複数の降圧レギュレータ回路に直接電気的に結合されている。
バッテリーパックの第5の実施例は、バッテリーパックの第1から第4の実施例のうちの1つ以上を任意に含み、
前記第2の電圧レベルが、前記第1の電圧レベルよりも小さいことをさらに含む。
バッテリーパックの第6の実施例は、バッテリーパックの第1の実施例から第5の実施例までのうちの1つ以上を任意に含み、
バッテリーパックの外部からの信号が、内燃機関のスタータモータに係合するように指示することをさらに含む。
バッテリーパックの第7の実施例は、バッテリーパックの第1の実施例から第6の実施例のうちの1つ以上を任意に含み、
前記信号が、コントローラ・エリア・ネットワークを介して受信されることをさらに含む。
【0026】
ここで
図6を参照すると、2つの異なる出力電圧を含むバッテリーを動作させるための、予想シーケンスが例示されている。
図6のシーケンスは、
図7の方法に従って、
図1~5のシステムを介して生成できる。
プロットは同時に実行されており、時間軸が揃えられている。時刻t0~t3における垂直線は、シーケンス中の時間を表す。
【0027】
図6の最も上のプロットは、時間に対して低電圧レギュレータ350の出力電流をプロットしたものである。
縦軸は低電圧レギュレータの出力電流を表し、電流量は縦軸矢印の方向に増加する。横軸は時間を示し、プロットの左側からプロットの右側にかけて時間は進む。プロット線602は、低電圧レギュレータの出力電流を表す。
【0028】
図6の上から2番目のプロットは、時間に対するエンジンスタータの係合保留状態を示すプロットである。
縦軸は、エンジンスタータの係合保留状態を表す。プロット線604は、縦軸の矢印近くにある場合、すなわち高いレベルにある場合に、エンジンスタータが係合保留状態であることを表す。また、プロット線604は、水平軸近くで低い状態にある場合、エンジンスタータが係合保留状態でないことを表す。横軸は時間を示し、プロットの左側からプロットの右側にかけて時間は進む。
プロット線604は、エンジンスタータの係合保留状態を表す。
エンジンスタータが内燃機関に係合される前に、低電圧レギュレータ内のレギュレータ回路がパワーアップする時間をとるために、エンジンスタータが実際にエンジンに係合される前に、エンジンスタータは係合保留状態となる。
【0029】
図6の上から3番目のプロットは、時間に対するエンジンスタータの係合要求状態を示すプロットである。
縦軸はエンジンスタータの係合要求状態を表す。プロット線606は、縦軸の矢印近くにある場合、すなわち高いレベルにある場合に、エンジンスタータが係合要求状態であることを表す。また、プロット線606は、水平軸近くで低い状態にある場合、エンジンスタータが係合要求状態でないことを表す。横軸は時間を示し、プロットの左側からプロットの右側にかけて時間は進む。
プロット線606は、エンジンスタータの係合要求状態を表す。
エンジンスタータの係合要求状態はエンジンスタータが係合される場合に発せられる。
【0030】
図6の上から4番目のプロットは、時間に対するバッテリーの高い方の出力電圧のプロットである。
縦軸は、電池の高出力電圧出力部の出力電圧を示す。出力電圧は縦軸矢印の方向に増加する。横軸は時間を示し、プロットの左側からプロットの右側にかけて時間は進む。
プロット線608は、バッテリーパックの高電圧出力部の出力電圧を表す。
【0031】
図6の上から5番目のプロットは、時間に対して、バッテリーの低い方の出力電圧をプロットしたものである。
縦軸は、バッテリの低出力電圧出力部の出力電圧を示す。出力電圧は縦軸矢印の方向に増加する。横軸は時間を示し、プロットの左側からプロットの右側にかけて時間は進む。
プロット線610は、バッテリーパックの低電圧出力の出力電圧を表す。
【0032】
時刻t0において、車両は起動されず、バッテリーの低電圧出力部は、例えば、車両照明システム、センサ、インフォテインメントシステム等の、車両の低電圧電力消費体に12 VDCの出力を供給している。
バッテリーの低電圧出力部は、例えば、5アンペア以下の低いレベルの電流を供給している。バッテリーの高電圧出力部は作動しておらず、エンジンスタータは係合保留状態にない。また、エンジン始動も要求されていない。
【0033】
時刻t1において、エンジンスタータが係合保留状態となるが、エンジンスタータの係合要求はなされない。
エンジンスタータの係合要求がなされる前に、エンジンスタータを係合保留状態にする。これによって、エンジンスタータの係合要求がなされる前に、低電圧レギュレータ350の多数の電圧レギュレータが動作可能になり、電圧レギュレータがエンジンスタータモータに所望の量の電流を供給できる。
エンジンスタータが係合保留状態となることにより、バッテリーの低電圧出力部の電流容量を増加させる。例えば、5アンペアから150アンペアに増加させる。
バッテリーの低電圧出力部の電流容量は、並列に結合される活性化された降圧型低電圧レギュレータの総数を増加させることによって増加される。
接触器を閉じることによってバッテリーの高電圧出力が作動し、単一のバッテリーパックが、例えば、48 VDCの高電圧と12 VDCの低電圧を同時に出力し始める。
低電圧出力は作動している状態を維持する。
【0034】
時刻t2において、スタータの係合要求が発せられ、スタータがエンジンに係合して回転する。
バッテリーの低電圧出力部の電流出力は、より高いレベルに増加する。
エンジンスタータの係合保留要求は発せられたままであり、バッテリーの高電圧出力部は、車両の電気システムに高電圧を供給し続ける。
低電圧バッテリーの出力電流の増加により低出力電圧はわずかに変化するが、低出力電圧は12 VDC付近で維持される。
【0035】
時刻t3において、エンジンスタータの係合保留状態およびエンジンスタータの係合要求は、それぞれの状態が維持されないように撤回される。
これにより、スタータモータの回転が停止し、バッテリの低電圧電源の出力電流が低下する。ただし、これは図示しない。
バッテリーの高電圧出力は、バッテリーの低電圧出力と同様に作動したままである。
しかし、エンジン始動時の係合保留状態が発せられていないため、バッテリーの低電圧出力部の電流容量が低下する。例えば、1つ以上の降圧電圧レギュレータをオフにすることによって、150アンペアから20アンペア未満に減少する。
バッテリーの低電圧出力の電流容量を低減すると、バッテリー効率を改善できる。
【0036】
このように、例えば、エンジンスタータの係合保留等の、外部で生成される信号は、バッテリーの低電圧出力の電流出力容量を増加させるための基礎となり得る。
バッテリーの低電圧出力を供給する1つ以上の低電圧レギュレータの停止によって、外部で生成された信号がアサートされない場合、同じ外部で生成された信号が、バッテリー効率を高めるための基礎となり得る。
【0037】
次に、
図7を参照すると、2つの異なる出力電圧を含むバッテリーパックを動作させる方法が示されている。
一例では、第1の出力電圧は、バッテリーパックの外部にある高電圧電力消費体に、バッテリーセルを選択的に結合することによって供給される、例えば、48 VDCの高い方の出力電圧である。
また、第2の出力電圧は、1つ以上の電圧レギュレータの出力をバッテリーパックの外部にある低電圧電力消費体に選択的に結合することによって供給される例えば、12 VDCの低い方の出力電圧である。
図7の方法は、
図1~5のシステムに組み込むことができ、協働できる。
さらに、
図7の方法の少なくとも一部は、非一時的なメモリに記憶された実行可能命令として組み込むことができ、一方、方法の他の部分は、物理的世界における装置およびアクチュエータの動作状態を変換するコントローラを介して実行することができる。
【0038】
ステップ702において、方法700は、バッテリーの低電圧端子に設けられた、バッテリーの低電圧出力部を作動させる。
低電圧出力部は、電池の低電圧端子に設けられ、低電圧出力部が、例えば、20アンペア未満の低電流供給能力を有する状態で初期に作動される。
低電流容量で動作するバッテリーの低電圧出力部は、車両が作動しているか否かにかかわらず、連続的に作動できる。
方法700は、704に進む。
【0039】
ステップ704において、方法700は、車両が作動しているか否かを判定する。
車両は、キーフォブまたは他の携帯送信機を用いて車両の近く、例えば、10メートル以内にいる人間の制御者によって作動させられる。また、車両は、オペレータインターフェースを介してキースイッチまたは押しボタンを介して起動されてもよい。車両は、例えば、
図3の340等の車両制御ユニットを介して作動させてもよい。
方法700が、車両が作動していると判断した場合、答えはYESであり、方法700は706に進む。そうでなければ、答えはNOであり、方法700は750に進む。
【0040】
ステップ750において、方法700は、バッテリ-の高電圧出力を停止する。
一例では、バッテリーの高電圧出力部は、選択的に電力を高電圧端子102に流すことを可能にする、例えば、
図3の311等の、任意の接触器を開くことによって、停止できる。
MCU310は、車両が停止状態にあることに応答して接触器311を開くことができる。
VCU340は、MCU310に信号を送信して、バッテリーパック100の高電圧出力部を停止できる。
方法700は、714に進む。
【0041】
ステップ706において、方法700は、バッテリーの高電圧出力部を作動させる。
一例では、バッテリーの高電圧出力部は、高電圧端子102へと電力を選択的に流すことを可能にする接触器311を閉じることで、作動できる。
MCU310は、車両の作動に応答して接触器311を閉じることができる。
VCU340は、MCU310に信号を送信して、バッテリーパック100の高電圧出力を作動させることができる。
方法700は、708に進む。
【0042】
ステップ708において、方法700は、エンジンスタータが係合保留中であるか否かを判定する。
方法700は、エンジンスタータが係合保留中であることを示すVCU340からの信号または入力に応答して、エンジンスタータが係合保留中であると判断することができる。
VCU340は、内燃機関が始動していない場合に、スタータが係合保留中であると判断してもよい。
あるいは、VCUは、エンジンが作動していない、言い換えると、エンジンが燃料を燃焼しておらず回転していない、バッテリーパックの充電状態が閾値レベル未満であるなど、いくつかの条件が存在する場合に、スタータが係合保留中であると判断してもよい。
方法700が、スタータが係合保留中であると判断した場合、答えはYESであり、方法700は710に進む。そうでなければ、答えはNOであり、方法700は714に進む。
【0043】
ステップ710において、方法700は、高い電流容量でバッテリーの低電圧端子に設けられたバッテリーの低電圧出力部を作動させる。
並列に電気的に結合された複数の降圧型電圧レギュレータ404-1~404-Nを作動させて、低電圧レギュレータ350の電流出力容量を増大させることによって、低電圧出力の電流容量は増加される。
例えば、バッテリーの低電圧端子に設けられたLVR350の出力容量は、低電圧出力部の電流供給能力が、例えば、20アンペア未満の低い状態で初期活性化されるが、追加の降圧レギュレータレギュレータ404-1~404-Nをオンまたは作動させることにより、電流容量が、例えば、150アンペアの閾値電流量のよりも大きくなる。
方法700は、712に進む。
【0044】
ステップ712において、方法700は、エンジンスタータの係合が完了したか、または取り消されたかを判定する。
一例では、エンジン回転数が閾値回転数よりも大きいときにスタータの係合が完了したと判定できる。
方法700が、エンジンスタータの係合が完了したと判断した場合、答えはYESであり、方法700は714に進む。そうでなければ、答えはNOであり、方法700は710に戻る。
【0045】
ステップ714において、方法700は、高電流の低電圧出力は停止するが、低電流の低電圧出力は作動したままである。
一例では、方法700は、並列に電気的に結合された複数の降圧型電圧レギュレータ404-1~404-Nを停止することによって、低電圧出力の電流容量を減少させて、低電圧レギュレータ350の電流出力容量を減少させ、LVR350の効率を向上させる。
例えば、追加の降圧レギュレータ404-1~404-Nをオフまたは停止すると、電流容量が、例えば、20アンペアの閾値電流量未満に減少する。
方法700は、終了に進む。
【0046】
このようにして、方法700は、並列に電気的に結合され、低電圧レギュレータの一部である降圧型電圧レギュレータを選択的に作動および停止し、バッテリーの低電圧出力部の電流出力容量を増加または減少させることができる。
この例では、2つの電流レベルが記載されているが、異なる数の電圧レギュレータを起動して、バッテリーパックの低電圧出力部の電流容量を増加させることができる。例えば、低電圧レギュレータは、並列に結合された50個のレギュレータを含むことができる。
バッテリーパックは、最初に、1つの電圧レギュレータで起動され、次に、バッテリーパックのより低い電圧出力に対して所望または要求される、各追加の10アンペアの電流容量に対して、2つの追加の電圧レギュレータが起動され得る。
従って、バッテリーパックの低電圧出力部に追加の100アンペアの電流容量が要求された場合、20個の追加のレギュレータが起動されて、バッテリーパックの低電圧出力端子の電流容量が増加する。
もちろん、作動または停止される降圧レギュレータの実際の数は、降圧レギュレータの現時点での出力容量に応じて調整することができる。
【0047】
よって、
図7の方法はバッテリーパックを動作させるための方法の第1の例を提供し、この方法は、
バッテリーパック内の複数のバッテリーセルによって、第1の電力消費体のグループに対して、第1の電圧で電力を供給し、
バッテリーパックに含まれる複数の電圧レギュレータによって、第2の電力消費体のグループに対して、第2の電圧で電力を供給し、
複数の電圧レギュレータは複数のバッテリーセルに電気的に結合される。
本方法の第2の実施例は、本方法の第1の実施例を任意に含み、
前記バッテリーパックの外部で生成された信号に応答し、前記複数の電圧レギュレータのうちの1つ以上を作動させることをさらに含む。
本方法の第3の実施例は、本方法の第1及び第2の実施例のうちの1つ以上を任意に含み、
前記バッテリーパックの外部で生成される前記信号が、スタータモータが内燃機関と係合するか、又は係合待機にするかを指示することをさらに含む。
本方法の第4の実施例は、本方法の第1から第3の実施例のうちの1つ以上を任意に含み、
さらに、バッテリーパックの外部で生成された信号に応答し、複数の電圧レギュレータのうちの1つ以上を停止することを含む。
本方法の第5の実施例は、本方法の第1から第4の実施例のうちの1つ以上を任意に含み、
第1の電圧での電力の供給と、第2の電圧での電力の供給と、が同時に実行されることをさらに含む。
本方法の第6の実施例は、本方法の第1から第5の実施例のうちの1つ以上を任意に含み、
前記複数の電圧レギュレータが、前記複数の電池セルの最も電位が高い位置に電気的に結合されることをさらに含む。
【0048】
本開示の主題は、種々のシステムおよび構成、ならびに本明細書に開示された他の特徴、機能、および/または特性の、すべての新規かつ非自明な組合せおよび下位組合せを含む。
【0049】
当業者に理解されるように、
図7に記載された一連の動作は、コントローラに対する命令によって表すことができ、イベント駆動、割り込み駆動、マルチタスク、マルチスレッド等の任意の数の処理ストラテジーのうちの1つ以上によって表され得る。
このように、図示された種々のステップまたは機能は、図示されたシーケンスで、並列に、または場合によっては省略して実行することができる。
同様に、処理の順序は、本明細書に記載される目的、特徴、および利点を達成するために必ずしも必要ではないが、説明および説明を容易にするために提供される。
明示的に図示されていないが、当業者であれば、使用される特定の戦略に応じて、図示されたステップまたは機能のうちの1つ以上を繰り返し実行することができることを理解するであろう。
【0050】
以下の特許請求の範囲は、特に、新規かつ非自明と見なされるある種の組合せおよび部分的組合せを指摘している。
これらの特許請求の範囲は、「1つの」要素、「第1の」要素又はそれらと同等のものに言及することができる。
そのような請求項は、1以上のそのような要素の包含を含み、2以上のそのような要素を要求も排除もしないと理解されるべきである。
開示された特徴、機能、要素、及び/又は特性の他の組合せ及び部分組合せは、本クレームの補正、又は本出願若しくは関連出願における新規請求項の提示を通じて請求することができる。
そのような請求項は、より広いか、より狭いか、等しいか、または元の請求項と範囲が異なるかにかかわらず、本開示の主題事項に含まれるとみなされる。