(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】洗浄ブースターを含む液体洗濯洗剤
(51)【国際特許分類】
C11D 3/37 20060101AFI20241101BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20241101BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20241101BHJP
C08F 216/14 20060101ALI20241101BHJP
C08F 220/06 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
C11D3/37
C11D17/08
C11D3/50
C08F216/14
C08F220/06
(21)【出願番号】P 2021573822
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 US2020034805
(87)【国際公開番号】W WO2020251766
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-05-19
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペーラ、アスガル エー.
(72)【発明者】
【氏名】ドノヴァン、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ、ロイ
【審査官】林 建二
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-179653(JP,A)
【文献】特開2016-155993(JP,A)
【文献】特開2017-110083(JP,A)
【文献】特表2022-536915(JP,A)
【文献】国際公開第2014/032269(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0275396(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00-19/00
C09K 23/00-23/56
C08C 19/00-19/44
C08F 6/00-301/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体洗濯洗剤配合物であって、
前記液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、25~97.9重量%の液体担体と、
前記液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%の洗浄界面活性剤と、
前記液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0.1~15重量%の洗浄ブースターポリマーと、を含み、前記洗浄ブースターポリマーが、
(a)前記洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、
55~85重量%の
式(III)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位と、
【化1】
(式中、各R
3
は、独立して、水素および-CH
3
基から選択される)
(b)前記洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、
10~30重量%の式(I)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位と、
【化2】
(式中、xは、平均
2~6であり、yは、平均
8~12であ
る)
(c)前記洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、
5~15重量%の式(II)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位
、
【化3】
(式中、各R
1は、独立して、
メチル基、エチル基およびブチル基から選択され、各R
2は、独立して、水素およびメチル基からなる群から選択される)
のみからなり、
前記洗浄ブースターポリマーが、2,500~20,000ダルトンの重量平均分子量M
W
を有する、液体洗濯洗剤配合物。
【請求項2】
前記液体洗濯洗剤配合物が、
前記液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、
50~94.5重量%の前記液体担体と、
前記液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、
5~40重量%の前記洗浄界面活性剤と、
前記液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、
0.5~10重量%の前記洗浄ブースターポリマーと、を含む、請求項1に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項3】
前記液体担体が、水を含む、請求項1に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項4】
前記洗浄ブースターポリマーが、
4,000~10,000ダルトンの重量平均分子量M
Wを有する、請求項3に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項5】
各R
3
が水素である、請求項4に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項6】
各R
3が、前記洗浄ブースターポリマー中の前記式(III)の構造単位の50~100モル%において水素である、請求項
4に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項7】
構造化剤、ハイドロトロープ、香料、ビルダーおよび柔軟仕上げ剤のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項
6に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項8】
本発明の布地物品を洗浄する方法であって、汚れた布地物品を提供することと、請求項1に記載の液体洗濯洗剤配合物を提供することと、洗浄水を提供することと、洗浄水および液体洗濯洗剤配合物を汚れた布地に適用して、洗浄された布地物品を提供することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗濯洗剤配合物に関する。特に、本発明は、液体担体と、洗浄界面活性剤と、洗浄ブースターポリマーとを含む液体洗濯洗剤配合物に関し、洗浄ブースターポリマーは、モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位、式(I)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位、
【化1】
および、任意選択的に、式(II)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位を有する。
【化2】
【背景技術】
【0002】
優れた全体的な洗浄を提供する液体およびゲル形態の洗濯洗剤は、消費者にとって望ましい。そのような洗濯洗剤は、典型的には、消費者が所望の洗浄効果を果たすために、他の成分の中でも界面活性剤を含む。それにもかかわらず、環境への感受性の高まりおよび材料費の上昇により、洗濯洗剤での界面活性剤の利用を減らす動きが高まっている。その結果、洗剤メーカーは、全体的な洗浄性能を維持しながら、洗濯洗剤の単位用量あたりの界面活性剤の量を減らす方法を模索している。
【0003】
界面活性剤の単位用量を減らすための1つのアプローチは、Boutiqueらによって、米国特許出願公開第2009/0005288号に記載されているように、ポリマーを液体洗剤配合物に組み込むことである。Boutiqueらは、約2~約20重量%の界面活性剤を有する液体またはゲル洗濯洗剤配合物で使用するためのポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリブチレンオキシドと酢酸ビニルとの約1:0.2~約1:10の重量比のグラフトコポリマーを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それにもかかわらず、減少した界面活性剤の充填量で、維持された主要な洗浄性能を呈し、好ましくは、改善された再付着防止性能も提供する、液体洗濯洗剤配合物への継続的な必要性が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、液体洗濯洗剤配合物を提供し、液体洗濯洗剤配合物は、液体担体と、洗浄界面活性剤と、洗浄ブースターポリマーとを含み、洗浄ブースターポリマーは、(a)洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位と、(b)洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、5~50重量%の式(I)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位と、
【化3】
(式中、xは、平均0~20であり、yは、平均0~30であり、x+y≧1である)(c)洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、0~25重量%の式(II)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位と、
【化4】
(式中、各R
1は、独立して、-C
1~4アルキル基から選択され、各R
2は、独立して、水素およびメチル基からなる群から選択される)を含む。
【0006】
本発明は、本発明の布地物品を洗浄する方法を提供し、方法は、汚れた布物品を提供することと、本発明の液体洗濯洗剤配合物を提供することと、洗浄水を提供することと、洗浄水および液体洗濯洗剤配合物を汚れた布地に適用して、洗浄された布地物品を提供することとを含む。
【発明を実施するための形態】
【0007】
驚くべきことに、本明細書に記載の洗浄ブースターポリマーを含む液体洗濯洗剤配合物は、粉砕粘土の良好な再付着防止性能を維持しながら、ほこり皮脂に対する主要洗浄の改善を促進することが見出された。
【0008】
特に指示がない限り、比率、百分率、部などは、重量単位である。組成物中の重量百分率(または重量%)は、乾燥重量の百分率であり、すなわち、組成物中に存在し得る一切の水を排除した百分率である。
【0009】
本明細書で使用される場合、特に指示がない限り、「重量平均分子量」および「Mw」という用語は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)およびポリスチレン標準物などの従来の標準物を用いる従来の様式で測定された場合の重量平均分子量を指すのに互換的に使用される。GPC技術については、Modern Size Exclusion Liquid Chromatography:Practice of Gel Permeation and Gel Filtration Chromatography,Second Edition,Striegel,et al.,John Wiley & Sons,2009で詳細に考察されている。重量平均分子量は、本明細書においてダルトンの単位で報告される。
【0010】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「構造単位」という用語は、示されたモノマーの残部(remnant)を指し、したがって、(メタ)アクリル酸の構造単位は、以下で示され、
【化5】
式中、点線は、ポリマー骨格への結合点を表し、Rは、アクリル酸の構造単位の水素であり、-CH
3は、基メタクリル酸の構造単位である。
【0011】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体担体(液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、好ましくは、25~97.9重量%(より好ましくは、50~94.5重量%、さらにより好ましくは、62.5~91.75重量%、さらにより好ましくは、70~89.9重量%、最も好ましくは、76~88重量%)の液体体担)と、洗浄界面活性剤(液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、好ましくは、2~60重量%(より好ましくは、5~40重量%、さらにより好ましくは、7.5~30重量%、さらにより好ましくは、10~25重量%、最も好ましくは、10~20重量%)の洗浄界面活性剤)と、洗浄ブースターポリマー(液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、好ましくは、0.1~15重量%(より好ましくは、0.5~10重量%、さらにより好ましくは、0.75~7.5重量%、さらにより好ましくは、1~5重量%、最も好ましくは、2~4重量%)の洗浄ブースターポリマー)と、を含み、洗浄ブースターポリマーは、(a)モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位と、(b)式(I)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位と、
【化6】
(式中、xは、平均0~20であり、yは、平均0~~30であり、x+y≧1である)、任意選択的に、(c)式(II)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位と、
【化7】
(式中、各R
1は、独立して、-C
1~4アルキル基から選択され、各R
2は、独立して、水素およびメチル基からなる群から選択される)を含む。
【0012】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体担体を含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、25~97.9重量%(好ましくは、50~94.5重量%、より好ましくは、62.5~91.75重量%、さらにより好ましくは、70~89.9重量%、最も好ましくは、76~88重量%)の液体担体を含む。さらにより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、25~97.9重量%(好ましくは、50~94.5重量%、より好ましくは、62.5~91.75重量%、さらにより好ましくは、70~89.9重量%、最も好ましくは、76~88重量%)の液体担体を含み、液体担体は、水を含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、25~97.9重量%(好ましくは、50~94.5重量%、より好ましくは、62.5~91.75重量%、さらにより好ましくは、70~89.9重量%、最も好ましくは、76~88重量%)の液体担体を含み、液体担体は、水である。
【0013】
好ましくは、液体担体は、C1~3アルカノールアミンおよびC1~3アルカノールなどの水混和性液体を含むことができる。より好ましくは、液体担体は、液体担体の重量に基づいて、0~8重量%(好ましくは、0.2~8重量%、より好ましくは、0.5~5重量%)の水混和性液体を含み、水混和性液体は、C1~3アルカノールアミン、C1~3アルカノール、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0014】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、洗浄界面活性剤を含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(より好ましくは、5~40重量%、さらにより好ましくは7.5~30重量%、さらにより好ましくは10~25重量%、最も好ましくは、10~20重量%)の洗浄界面活性剤を含む。さらにより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(より好ましくは、5~40重量%、さらにより好ましくは7.5~30重量%、さらにより好ましくは10~25重量%、最も好ましくは、10~20重量%)の洗浄界面活性剤を含み、洗浄界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(より好ましくは、5~40重量%、さらにより好ましくは7.5~30重量%、さらにより好ましくは10~25重量%、最も好ましくは、10~20重量%)の洗浄界面活性剤を含み、洗浄界面活性剤は、アニオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を含む混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(より好ましくは、5~40重量%、さらにより好ましくは、7.5~30重量%、さらにより好ましくは、10~25重量%、最も好ましくは、10~20重量%)の洗浄界面活性剤を含み、洗浄界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリルエトキシ硫酸ナトリウム、および非イオン性アルコールエトキシレートの混合物を含む。
【0015】
アニオン性界面活性剤としては、アルキルスルフェート、アルキルベンゼンスルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルポリエトキシスルフェート、アルコキシル化アルコール、パラフィンスルホン酸、パラフィンスルホネート、オレフィンスルホン酸、オレフィンスルホネート、アルファ-スルホカルボキシレート、アルファ-スルホカルボキシレートのエステル、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、脂肪酸のスルフェート、脂肪酸のスルホネート、脂肪酸エステルのスルホネート、アルキルフェノール、アルキルフェノールポリエトキシエーテルスルフェート、2-アクリルオキシ-アルカン-1-スルホン酸、2-アクリルオキシ-アルカン-1-スルホネート、ベータ-アルキルオキシアルカンスルホン酸、ベータ-アルキルオキシアルカンスルホネート、アミンオキシド、およびそれらの混合物が挙げられる。好ましいアニオン性界面活性剤としては、C8~20アルキルベンゼンスルフェート、C8~20アルキルベンゼンスルホン酸、C8~20アルキルベンゼンスルホネート、パラフィンスルホン酸、パラフィンスルホネート、アルファ-オレフィンスルホン酸、アルファ-オレフィンスルホネート、アルコキシル化アルコール、C8~20アルキルフェノール、アミンオキシド、脂肪酸のスルホネート、脂肪酸エステルのスルホネート、C8~10アルキルポリエトキシスルフェート、およびそれらの混合物が挙げられる。より好ましいアニオン性界面活性剤としては、C12~16アルキルベンゼンスルホン酸、C12~16アルキルベンゼンスルホン酸、C12~18パラフィンスルホン酸、C12~18パラフィンスルホン酸、C12~16アルキルポリエトキシスルフェート、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0016】
非イオン性界面活性剤としては、アルコキシレート(例えば、ポリグリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、末端基キャップされたポリグリコールエーテル、混合エーテル、ヒドロキシ混合エーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、およびそれらの混合物が挙げられる。好ましい非イオン性界面活性剤としては、脂肪アルコールポリグリコールエーテルが挙げられる。より好ましい非イオン性界面活性剤としては、第二級アルコールエトキシレート、エトキシル化2-エチルヘキサノール、エトキシル化された種子油、ブタノールキャップされたエトキシル化2-エチルヘキサノール、およびそれらの混合物が挙げられる。最も好ましい非イオン性界面活性剤としては、第二級アルコールエトキシレートが挙げられる。
【0017】
カチオン性界面活性剤は、第四級界面活性化合物を含む。好ましいカチオン性界面活性剤としては、アンモニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基、ヨードニウム基、およびアルソニウム基のうちの少なくとも1つを有する第四級表面活性化合物が挙げられる。より好ましいカチオン性界面活性剤としては、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドおよびアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドのうちの少なくとも1つが挙げられる。さらにより好ましいカチオン性界面活性剤としては、C16~18ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、C8~18アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、およびジメチルジタロウ塩化アンモニウムのうちの少なくとも1つが挙げられる。最も好ましいカチオン性界面活性剤としては、ジメチルジタロウ塩化アンモニウムが挙げられる。
【0018】
両性界面活性剤としては、ベタイン、アミンオキシド、アルキルアミドアルキルアミン、アルキル置換アミンオキシド、アシル化アミノ酸、脂肪族第四級アンモニウム化合物の誘導体、およびそれらの混合物が挙げられる。好ましい両性界面活性剤としては、脂肪族第四級アンモニウム化合物の誘導体が挙げられる。より好ましい両性界面活性剤としては、8~18個の炭素原子を有する長鎖基を有する脂肪族第四級アンモニウム化合物の誘導体が挙げられる。さらにより好ましい両性界面活性剤としては、C12~14アルキルジメチルアミンオキシド、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシル-アンモニオ)プロパン-1-スルホネート、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-2-ヒドロキシプロパン-1-スルホネートのうちの少なくとも1つが挙げられる。最も好ましい両性界面活性剤としては、C12~14アルキルジメチルアミンオキシドのうちの少なくとも1つが挙げられる。
【0019】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、洗浄ブースターポリマーを含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0.1~15重量%(好ましくは、0.5~10重量%、より好ましくは、0.75~7.5重量%、さらにより好ましくは、1~5重量%、最も好ましくは2~4重量%)の洗浄ブースターポリマーを含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0.1~15重量%(好ましくは、0.5~10重量%、より好ましくは、0.75~7.5重量%、さらにより好ましくは、1~5重量%、最も好ましくは2~4重量%)の洗浄ブースターポリマーを含み、洗浄ブースターポリマーは、(a)洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、55~85重量%、より好ましくは、60~82重量%、最も好ましくは、62~70重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位と、(b)洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、5~50重量%(好ましくは8~40重量%、より好ましくは10~30重量%、最も好ましくは15~25重量%)の式(I)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位と、
【化8】
(式中、xは、平均0~20(好ましくは、0~15、より好ましくは0~10、最も好ましくは2~6)であり、yは平均0~30であり、(好ましくは、0~25、より好ましくは、4~20、最も好ましくは、8~12)、x+y≧1である)(c)構造単位の洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、0~25重量%(好ましくは、0~20重量%、より好ましくは5~15重量%、最も好ましくは8~13重量%)の式(II)のエチレン性不飽和モノマーと、
【化9】
(式中、各R
1は、独立して、-C
1~4アルキル基から選択され、各R
2は、独立して、水素およびメチル基からなる群から選択される)を含む。
【0020】
好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、500~100,000ダルトン(好ましくは、2,000~50,000ダルトン、より好ましくは、2,500~20,000ダルトン、最も好ましくは、4,000~10,000ダルトン)の重量平均分子量MWを有する。
【0021】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物に使用される洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、55~85重量%、より好ましくは、60~82重量%、最も好ましくは、62~70重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物に使用される洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、55~85重量%、より好ましくは、60~82重量%、最も好ましくは、62~70重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーは、少なくとも1つのカルボン酸基を含むモノエチレン性不飽和モノマーから選択される。さらにより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物に使用される洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、55~85重量%、より好ましくは、60~82重量%、最も好ましくは、62~70重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルオキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノメチル、ならびに対応する無水物、アミドおよびエステルなどの他の誘導体からなる群から選択される。またさらにより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物に使用される洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、55~85重量%、より好ましくは、60~82重量%、最も好ましくは、62~70重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの混合物からなる群から選択される。さらにさらにより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物に使用される洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、55~85重量%、より好ましくは、60~82重量%、最も好ましくは、62~70重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸コアモノマーは、アクリル酸を含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物に使用される洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、55~85重量%、より好ましくは、60~82重量%、最も好ましくは、62~70重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸コアモノマーはアクリル酸である。
【0022】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物に使用される洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、55~85重量%、より好ましくは、60~82重量%、最も好ましくは、62~70重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位は、式(III)の構造単位であり、
【化10】
式中、各R
3は、独立して、水素および-CH
3基から選択される(好ましくは、水素)。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物に使用される洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、55~85重量%、より好ましくは、60~82重量%、最も好ましくは、62~70重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位は、式(III)の構造単位であり、式中、各R
3は、独立して、水素および-CH
3基から選択され、R
3は、洗浄ブースターポリマー中の式(III)の構造単位の50~100モル%(好ましくは、75~100モル%、より好ましくは、90~100モル%、さらにより好ましくは、98~100モル%、最も好ましくは、100モル%)において水素である。
【0023】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物に使用される洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、5~50重量%(好ましくは、8~40重量%、より好ましくは、10~30重量%、最も好ましくは15~25重量%)の式(I)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位であり、
【化11】
式中、xは、平均0~20(好ましくは、0~15、より好ましくは0~10、最も好ましくは2~6)であり、yは、平均0~30(好ましくは、0~25、より好ましくは、4~20、最も好ましくは、8~12)であり、x+y≧1である。
【0024】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物に使用される洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、0~25重量%(好ましくは、0~20重量%、より好ましくは、5~15重量%、最も好ましくは8~13重量%)の式(II)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位を含み、
【化12】
式中、各R
1は、-C
1~4アルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、およびブチル基、より好ましくは、エチル基およびブチル基、最も好ましくは、エチル基)から独立して選択され、各R
2は、水素およびメチル基からなる群から独立して選択される(好ましくは水素)。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物に使用される洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、0~25重量%(好ましくは、0~20重量%、より好ましくは、5~15重量%、最も好ましくは、8~13重量%)の式(II)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位を含み、式中、R
1は、洗浄ブースターポリマー中の式(II)の構造単位の75~100モル%(好ましくは、90~100モル%、より好ましくは、98~100モル%、最も好ましくは、100モル%)においてエチル基であり、R
2は、洗浄ブースターポリマー中の式(II)の構造単位の75~100モル%(好ましくは、90~100モル%、より好ましくは、98~100モル%、最も好ましくは、100モル%)において水素である。
【0025】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物に使用される洗浄ブースターポリマーは、液体洗濯添加剤の乾燥重量に基づいて、<1重量%(好ましくは<0.5重量%、より好ましくは<0.2重量%、さらにより好ましくは<0.1重量%、さらにより好ましくは<0.01重量%、最も好ましくは、<検出限界)のビニルアルコールポリマー(PVA)を含有する。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物に使用される洗浄ブースターポリマーは、液体洗濯添加剤の乾燥重量に基づいて、<1重量%(好ましくは<0.5重量%、より好ましくは<0.2重量%、さらにより好ましくは<0.1重量%、さらにより好ましくは<0.01重量%、最も好ましくは、<検出限界)のビニルアルコールポリマー(PVA)を含有し、ビニルアルコールポリマーは、80~100モル%の鹸化度を有する(JIS K 6726(1994)に指定された方法を使用して決定される)。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物に使用される洗浄ブースターポリマーは、液体洗濯添加剤の乾燥重量に基づいて、<1重量%(好ましくは<0.5重量%、より好ましくは<0.2重量%、さらにより好ましくは<0.1重量%、さらにより好ましくは<0.01重量%、最も好ましくは、<検出限界)のビニルアルコールポリマー(PVA)を含有し、ビニルアルコールポリマーは、変性ビニルアルコールポリマーを含み得る。変性ビニルアルコールポリマーとしては、アニオン修飾PVA(例えば、スルホン酸基修飾PVAおよびカルボン酸基修飾PVA)、カチオン-修飾PVA(例えば、第4級アミン基修飾PVA)、アミド修飾PVA、アセトアセチル基修飾PVA、ジアセトンアクリルアミド修飾PVAおよびエチレン修飾PVAが挙げられる。
【0026】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、構造化剤をさらに含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~2重量%(好ましくは、0.05~0.8重量%、より好ましくは、0.1~0.4重量%)の構造化剤をさらに含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~2重量%(好ましくは、0.05~0.8重量%、より好ましくは、0.1~0.4重量%)の構造化剤をさらに含み、構造化剤は、その場で結晶化されたときに、液体洗濯洗剤配合物全体にわたって糸状の構造化システムを形成することができる非ポリマーの結晶性ヒドロキシ官能性材料である。
【0027】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、ヒドロトロープをさらに含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.1~7.5重量%、より好ましくは、0.2~5重量%、最も好ましくは、0.5~2.5重量%)のヒドロトロープをさらに含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.1~7.5重量%、より好ましくは、0.2~5重量%、最も好ましくは、0.5~2.5重量%)のヒドロトロープをさらに含み、ヒドロトロープは、水酸化アルキル、グリコール、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、およびクメンスルホン酸のカルシウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、およびアルカノールアンモニウム塩、それらの塩ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.1~7.5重量%、より好ましくは、0.2~5重量%、最も好ましくは、0.5~2.5重量%)のヒドロトロープをさらに含み、ヒドロトロープは、エタノール、プロピレングリコール、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、キシレンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸カルシウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸アンモニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0028】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、香料をさらに含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.001~5重量%、より好ましくは、0.005~3重量%、最も好ましくは、0.01~2.5重量%)の香料をさらに含む。
【0029】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、ビルダーをさらに含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~50重量%(好ましくは、5~50重量%、より好ましくは、7.5~30重量%)のビルダーをさらに含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~50重量%(好ましくは、5~50重量%、より好ましくは、7.5~30重量%)のビルダーをさらに含み、ビルダー、ビルダーは、無機ビルダー(例えば、トリポリホスフェート、ピロホスフェート)、アルカリ金属炭酸塩、ホウ酸塩、重炭酸塩、水酸化物、ゼオライト、クエン酸塩(例えば、クエン酸ナトリウム)、ポリカルボキシレート、モノカルボン酸塩、アミノトリスメチレンホスホン酸、アミノトリスメチレンホスホン酸の塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸の塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)の塩、エチレンジアミンテトラエチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラエチレンホスホン酸の塩、オリゴマーホスホネート、ポリマーホスホネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0030】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、柔軟仕上げ剤をさらに含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.5~10重量%)の柔軟仕上げ剤をさらに含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.5~10重量%)の柔軟仕上げ剤をさらに含み、柔軟仕上げ剤は、カチオン性共硬化性ポリマー(例えば、カチオン性ヒドロキシルエチルセルロース、ポリクオタニウムポリマー、およびそれらの組み合わせ)である。
【0031】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、pH調整剤をさらに含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、pH調整剤をさらに含み、液体洗濯洗剤配合物は、6~12.5(好ましくは、6.5~11、より好ましくは、7.5~10)のpHを有する。pHを調整するための塩基としては、水酸化ナトリウム(ソーダ灰を含む)および水酸化カリウムなどのミネラル塩基、重炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、ならびに有機塩基(例えば、モノ-、ジ-、またはトリ-エタノールアミン、および2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール(DMAMP))が挙げられる。pHを調整するための酸としては、鉱酸(例えば、塩酸、リン酸、および硫酸)ならびに有機酸(例えば、酢酸)が挙げられる。
【0032】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯添加剤の乾燥重量に基づいて、<1重量%(好ましくは、<0.5重量%、より好ましくは<0.2重量%、さらにより好ましくは<0.1重量%、さらにより好ましくは<0.01重量%、最も好ましくは、<検出限界)のビニルアルコールポリマー(PVA)を含有する。
【0033】
好ましくは、本発明の布地物品を洗浄する方法は、汚れた布地物品を提供することと(好ましくは、汚れた布地物品は、粘土およびほこり皮脂のうちの少なくとも1つで汚れている、より好ましくは、汚れた布地物品は、ほこり皮脂で汚れている)(好ましくは、汚れた布地物品が汚れた綿であり、より好ましくは、汚れた布地物品がモーターオイルで汚れた綿である)、本発明の液体洗濯洗剤配合物を提供することと、洗浄水を提供することと、洗浄水および液体洗濯洗剤配合物を汚れた布地に適用して、洗浄された布地物品を提供することと、を含む。より好ましくは、本発明の布地物品を洗浄する方法は、汚れた布地物品を提供することと(好ましくは、汚れた布地物品は、粘土およびほこり皮脂のうちの少なくとも1つで汚れている、より好ましくは、汚れた布地物品は、ほこり皮脂で汚れている)(好ましくは、汚れた布地物品が汚れた綿であり、より好ましくは、汚れた布地物品がモーターオイルで汚れた綿である)、本発明の液体洗濯洗剤配合物を提供することと、洗浄水を提供することと、すすぎ水を提供することと、洗浄水および液体洗濯洗剤配合物を汚れた布地に適用して、洗浄された布地物品を提供することと、次に、洗浄した布地物品にすすぎ水を適用して、洗浄した布地物品から液体洗濯洗剤配合物を除去することと、を含む。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【0035】
合成S1:ポリマー1
機械式撹拌機、加熱マントル、熱電対、凝縮器、ならびにモノマー、開始剤および鎖制御剤添加用の入口を備える2リットルの丸底フラスコに、脱イオン水(206.25g)を投入した。次に、フラスコの内容物を撹拌し、72℃に加熱した。フラスコの内容物が72℃の反応温度に達したら、0.15%の硫酸鉄七水和物促進剤水溶液(2.5g)を添加し、続いて、プレチャージとして、脱イオン水(5.25g)に溶解したメタ重亜硫酸ナトリウム(SMBS)(0.89g)を添加した。次いで、以下のように、フラスコの内容物に、別個の供給を行った。
開始剤の同時供給:脱イオン水(30g)に溶解した過硫酸ナトリウム(1.3g)を、95分かけてフラスコに供給した。
連鎖移動剤(CTA)の同時供給:脱イオン水(60g)に溶解したメタ重亜硫酸ナトリウム(20.86g)を80分かけてフラスコに供給した。
モノマーの同時供給:氷状のアクリル酸(240g)と、式(I)のエチレン性不飽和モノマー(式中、xは、4であり、yは、10である)(Emulsogen(登録商標)APS-100としてClariantから入手可能)(60g)と、を含有するモノマー溶液を、90分かけてフラスコに供給した。
【0036】
同時供給が完了したら、すすぎとして、脱イオン水(15g)を添加した。次いで、フラスコの内容物を、72℃で10分間保持した。保持が完了したら、5分間の添加間隔をあけて2回連続してチェイス溶液をフラスコに添加した。両方のチェイスは、過硫酸ナトリウム(0.39g)および脱イオン水(8g)で構成され、10分かけて添加した。2回目のチェイス添加後、フラスコの内容物を72℃で20分間保持した。最終保持が完了したら、フラスコの内容物を50℃未満に冷却した。次に、60℃を下回る温度を維持しながら、50%水酸化ナトリウム水溶液(100g)を添加漏斗を通してゆっくりとフラスコに添加した。水酸化ナトリウム水溶液を添加後、35%過酸化水素スカベンジャー水溶液(4g)をフラスコの内容物に添加した。亜硫酸水素塩が残っていない状態で、50%水酸化ナトリウム水溶液(88g)をフラスコの内容物に添加し、温度を70℃未満に保持した。最後のすすぎの脱イオン水(15g)を、添加漏斗を通してフラスコの内容物に添加した。次に、フラスコの内容物を35℃未満に冷却した。生成物ポリマーは、45.0%の固形分、6.02のpH、2,340cpsのブルックフィールド粘度を有していた。残留モノマーは、50ppmを下回ると測定された。ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定された最終重量平均分子量Mwは、8,363ダルトンであった。
【0037】
合成S2:ポリマー2
機械式撹拌機、加熱マントル、熱電対、凝縮器、ならびにモノマー、開始剤および鎖制御剤添加用の入口を備える2リットルの丸底フラスコに、脱イオン水(210g)を投入した。フラスコの内容物を撹拌し、72℃に加熱した。フラスコの内容物が72℃の反応温度に達したら、0.15%の硫酸鉄七水和物促進剤水溶液(5.12g)を添加し、続いて、プレチャージとして、脱イオン水(5.0g)に溶解したメタ重亜硫酸ナトリウム(SMBS)(1.02g)を添加した。次いで、以下のように、フラスコの内容物に、別個の供給を行った。
開始剤の同時供給:脱イオン水(25g)に溶解した過硫酸ナトリウム(1.92g)を、115分かけてフラスコに供給した。
連鎖移動剤(CTA)の同時供給:脱イオン水(45g)に溶解したメタ重亜硫酸ナトリウム(23.14g)を100分かけてフラスコに供給した。
モノマーの同時供給:氷状のアクリル酸(196.2g)、アクリル酸エチル(EA)(33.6g)、および式(I)のエチレン性不飽和モノマー(式中、xは、4であり、yは、10である)(Emulsogen(登録商標)APS-100としてClariantから入手可能)(70.2g)を含有するモノマー溶液を、110分かけてフラスコに供給した。
【0038】
同時供給が完了したら、すすぎとして、脱イオン水(15g)を添加した。次いで、フラスコの内容物を、72℃で10分間保持した。保持が完了したら、5分間の添加間隔をあけて2回連続してチェイス溶液をフラスコに添加した。両方のチェイスは、過硫酸ナトリウム(1.1g)および脱イオン水(20g)で構成され、10分かけて添加した。2回目のチェイス添加後、フラスコの内容物を72℃で20分間保持した。最終保持の完了時に、35%過酸化水素スカベンジャー溶液(3.3g)をフラスコの内容物に添加した。次に、最後のすすぎの脱イオン水(179g)を、添加漏斗を通してフラスコの内容物に添加した。次に、フラスコの内容物を35℃未満に冷却した。生成物ポリマーは、37.8%の固形分、2.51のpH、80cpsのブルックフィールド粘度を有していた。残留モノマーは、55ppmを下回ると測定された。ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定された最終重量平均分子量Mwは、5,880ダルトンであった。
【0039】
比較例C1~C2および実施例1~2:液体洗濯洗剤
後続の実施例の洗浄試験で使用される液体洗濯洗剤配合物を、表1に記載されるような一般的な配合物に、表2に示されるような洗浄ブースターポリマーを添加し、標準的な液体洗濯製剤の調製手順によって調製した。
【表1】
【表2】
【0040】
主要洗浄性能
比較実施例C1~C2および実施例1~2の液体洗濯洗剤配合物の主要洗浄性能を、SR Lab Instruments(6×1Lウェル)から入手可能なTerg-o-tometerモデルTOM-52-Aを用い、毎分90サイクルで撹拌し、表3に示される条件で評価した。
【表3】
【0041】
汚れ除去指数(SRI)を、ASTMメソッドD4265-14を使用して計算した。ΔSRIは、洗浄ブースター不在の同じ界面活性剤濃度を有する対照洗剤を基準として決定した。結果を表4に記載する。
【表4】
【0042】
再付着防止性
比較実施例C1~C2および実施例1の液体洗濯洗剤配合物の再付着防止性能を、毎分90サイクルで撹拌されたTerg-o-tometerモデル7243ESで、表5に示される条件で評価した。
【表5】
【0043】
布地を5サイクル連続して洗濯し、HunderLab UltraScan VIS比色計を使用して460nmで白色度指数を測定し、ASTM E313に従って布地の白色度を判定した。きれいな未洗浄の布地の白色度指数を陽性対照として使用した。液体洗濯製剤のそれぞれについての陽性対照に対する白色度指数の変化を表6に記載する。
【表6】