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特許7580411マルチキャスト通信方法、ならびに装置およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】マルチキャスト通信方法、ならびに装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 49/201 20220101AFI20241101BHJP
   H04W 4/06 20090101ALI20241101BHJP
【FI】
H04L49/201
H04W4/06
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2021575028
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-24
(86)【国際出願番号】 CN2020096633
(87)【国際公開番号】W WO2020253737
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-01-27
【審判番号】
【審判請求日】2024-02-08
(31)【優先権主張番号】201910523377.8
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】朱 ▲強▼▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】朱 ▲奮▼▲勤▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲問▼付
【合議体】
【審判長】土居 仁士
【審判官】寺谷 大亮
【審判官】衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0158408(US,A1)
【文献】特開2004-364305(JP,A)
【文献】3GPP TS 23.501 V16.1.0(2019-06),2019年06月11日,P150-160,<URL> https://portal.3gpp.org/desktopmodules/Specifications/SpecificationDetails.aspx?specificationId=3144
【文献】OPPO,Discussion paper for 5GLAN path management[online],3GPP TSG SA WG2 #131 S2-1902162,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_131_Tenerife/Docs/S2-1902162.zip>,2019年03月01日
【文献】Huawei,HiSilicon,IPTV solution update[online],3GPP TSG SA WG2 #132 S2-1903723,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_132_XiAn/Docs/S2-1903723.zip>,2019年04月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L45/00-49/9057
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャスト通信方法であって、前記方法は、
ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって、マルチキャストパケットを受信するステップであって、前記マルチキャストパケットがマルチキャストアドレスを含む、ステップと、
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって、前記マルチキャストパケットを前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のパケット検出ルール(PDR)と照合するステップと、
前記マルチキャストパケットが第1のPDRと首尾よく一致し、前記第1のPDRが別のPDRとの照合を続行することを指示する場合に、前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって、前記マルチキャストパケットを別のPDRと照合するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記第1のPDRに対応するパケット複製情報が前記マルチキャストパケットの送信元情報と一致する場合に、前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって、前記マルチキャストパケットを複製するステップと、前記第1のPDRと関連付けられたルールに従って複製されたマルチキャストパケットを処理するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記第1のPDRに対応するパケット複製情報が前記マルチキャストパケットの送信元情報と一致しない場合に、前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって、前記第1のPDRに関連付けられたルールに従って前記マルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップするステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
前記第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報が前記マルチキャストパケットの送信元情報と一致しない場合に、前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって、前記マルチキャストパケットを複製するステップと、前記第1のPDRに関連付けられたルールに従って複製されたマルチキャストパケットを処理するステップ、または
前記第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報が前記マルチキャストパケットの送信元情報と一致する場合に、前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって、前記第1のPDRに関連付けられたルールに従って前記マルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップするステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のPDRに対応する前記パケット複製スキップ情報が前記マルチキャストパケットの前記送信元情報と一致することは、
前記第1のPDRに対応する前記パケット複製スキップ情報が前記マルチキャストパケットの前記送信元情報と同じであることを含み、
前記第1のPDRに対応する前記パケット複製スキップ情報が前記マルチキャストパケットの前記送信元情報と一致しないことは、
前記第1のPDRに対応する前記パケット複製スキップ情報が前記マルチキャストパケットの前記送信元情報とは異なることを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記マルチキャストパケットは前記マルチキャストパケットの前記送信元情報を含み、前記マルチキャストパケットの前記送信元情報は前記マルチキャストパケットを送信する端末デバイスのアドレス情報を含む、請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって、前記マルチキャストパケットの前記送信元情報を受信するステップであって、前記マルチキャストパケットの前記送信元情報がN19指示情報またはN6指示情報を含む、ステップ
をさらに含む、請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記N6指示情報または前記N19指示情報は、汎用パケット無線サービスGPRSトンネリングプロトコル-ユーザープレーンGTP-Uトンネルヘッダー情報に含まれる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって、前記マルチキャストパケットを前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のPDRと照合する前記ステップは、
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって、前記マルチキャストパケットと一致し、前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、N4セッションを判断するステップと、
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって、前記PDRの優先順位の降順で、前記マルチキャストパケットを前記N4セッションの各PDRと照合するステップと
を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって、前記マルチキャストパケットを前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のPDRと照合する前記ステップは、
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって、前記PDRの優先順位の降順で、前記マルチキャストパケットを前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上の各PDRと照合するステップ
を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のPDRは、照合続行指示を含み、前記照合続行指示は、別のPDRとの照合を続行することを指示するために使用される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって、セッション管理機能ネットワークエレメントからN4セッション識別子と前記第1のPDRを受信するステップであって、前記第1のPDRが前記マルチキャストパケットを検出するために使用される、ステップと、
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって、前記N4セッション識別子に対応するN4セッションで前記第1のPDRを構成するステップと
をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記マルチキャストパケットはブロードキャストパケットであり、相応に、前記マルチキャストアドレスはブロードキャストアドレスである、または前記マルチキャストパケットはグループキャストパケットを含み、相応に、前記マルチキャストアドレスはグループキャストアドレスである、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
通信装置であって、前記通信装置は、請求項1から13のいずれか一項に記載のステップを遂行するように構成されたユニットを含む、通信装置。
【請求項15】
通信装置であって、前記通信装置はプロセッサとメモリーとを含み、
前記メモリーは、コンピュータ命令を保管するように構成され、
前記プロセッサが前記命令を実行すると、前記通信装置は、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を遂行できるようになる、
通信装置。
【請求項16】
通信システムであって、前記通信システムは、セッション管理機能ネットワークエレメントとユーザープレーン機能ネットワークエレメントとを含み、
前記セッション管理機能ネットワークエレメントは、第1のパケット検出ルール(PDR)を得、前記第1のPDRがマルチキャストパケットを検出するために使用され、前記第1のPDRが別のPDRとの照合を続行することを指示する、ように構成され、
前記セッション管理機能ネットワークエレメントはさらに、前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントへN4セッション識別子と前記第1のPDRを送信するように構成され、
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントは、前記セッション管理機能ネットワークエレメントから前記N4セッション識別子と前記第1のPDRを受信し、なおかつ前記N4セッション識別子に対応するN4セッションで前記第1のPDRを構成するように構成され、
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントはさらに、前記マルチキャストパケットを受信し、なおかつ前記マルチキャストパケットを前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のPDRと照合し、前記マルチキャストパケットがマルチキャストアドレスを含む、ように構成され、
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントはさらに、前記マルチキャストパケットが前記第1のPDRと首尾よく一致する場合に、前記マルチキャストパケットと別のPDRとの照合を続行するように構成される、
通信システム。
【請求項17】
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントはさらに、前記第1のPDRに対応するパケット複製情報が前記マルチキャストパケットの送信元情報と一致する場合に、前記マルチキャストパケットを複製し、前記第1のPDRと関連付けられたルールに従って複製されたマルチキャストパケットを処理するように構成され、または
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントはさらに、前記第1のPDRに対応するパケット複製情報が前記マルチキャストパケットの送信元情報と一致しない場合に、前記第1のPDRに関連付けられたルールに従って前記マルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップするように構成される、
請求項16に記載の通信システム。
【請求項18】
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントはさらに、前記第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報が前記マルチキャストパケットの送信元情報と一致しない場合に、前記マルチキャストパケットを複製し、前記第1のPDRと関連付けられたルールに従って複製されたマルチキャストパケットを処理するように構成され、または
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントはさらに、前記第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報が前記マルチキャストパケットの送信元情報と一致する場合に、前記第1のPDRに関連付けられたルールに従って前記マルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップするように構成される、
請求項16に記載の通信システム。
【請求項19】
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、前記マルチキャストパケットを前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上の前記PDRと照合するように構成されることは、
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、前記マルチキャストパケットと一致し、前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、N4セッションを判断し、なおかつ、前記PDRの優先順位の降順で、前記マルチキャストパケットを前記N4セッションの各PDRと照合するように構成されることを含む、
請求項16から18のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項20】
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、前記マルチキャストパケットを前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上の前記PDRと照合するように構成されることは、
前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、前記PDRの優先順位の降順で、前記マルチキャストパケットを前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上の各PDRと照合するように構成されることを含む、
請求項16から18のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項21】
前記マルチキャストパケットはブロードキャストパケットであり、相応に、前記第1のPDRはブロードキャストアドレスを含み、
前記セッション管理機能ネットワークエレメントはさらに、或るグループに対応し、前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、第1のN4セッションを判断し、前記ブロードキャストパケットが前記グループに属し、前記第1のN4セッションが、前記グループに対応し、前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、全てのN4セッションのうちのいずれか1つである、ように構成され、
相応に、前記N4セッション識別子は前記第1のN4セッションの識別子である、
請求項16から20のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項22】
前記マルチキャストパケットはグループキャストパケットであり、相応に、前記第1のPDRはグループキャストアドレスを含み、
前記セッション管理機能ネットワークエレメントはさらに、或るグループに対応し、前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、第2のN4セッションを判断し、前記グループキャストパケットが前記グループに属し、前記第2のN4セッションが、前記グループに対応し、前記グループキャストパケットの転送をサポートする、前記ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のN4セッションのうちのいずれか1つである、ように構成され、
相応に、前記N4セッション識別子は前記第2のN4セッションの識別子である、
請求項16から20のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項23】
前記第1のPDRは、タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報を含み、前記タイプ指示、前記照合続行指示、前記パケット複製情報、または前記パケット複製スキップ情報は、別のPDRとの照合を続行することを指示するために使用される、請求項16から22のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項24】
命令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令がコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータは、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法遂行できるようになる、コンピュータプログラム。
【請求項25】
命令を含むコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令がコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータは、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法遂行できるようになる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項26】
プロセッサとインターフェイスとを含むチップであって、前記プロセッサは前記インターフェイスを通じてメモリーに結合され、前記プロセッサが前記メモリー内のコンピュータプログラムまたは命令を実行すると、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法遂行される、チップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年6月17日に中国国家知識産権局に提出された「マルチキャスト通信方法、ならびに装置およびシステム」と題する中国特許出願第201910523377.8号の優先権を主張するものであり、同特許出願は参照によりその全体が本書に組み込まれる。
【0002】
本出願は通信技術分野に関し、特にマルチキャスト通信方法、ならびに装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、(3rd generation partnership project、3GPP)技術仕様(technical standard、TS)29.244は、ユーザープレーンでパケットを転送する方式を規定しており、図1にはユーザープレーンでパケットを転送するアーキテクチャが示されている。ユーザープレーンでパケットを転送する作業機構は次の通りである。ユーザープレーン機能(user plane function UPF)ネットワークエレメントは、入口(例えば、N3インターフェイス)からパケットを受信した後に、該パケットの第5世代(5th generation、5G)ユーザープレーンプロトコル識別子(例えば、トンネルエンドポイント識別子(tunnel endpoint identifier、TEID))に基づいて、該パケットが属するセッションを判断する。次いで、UPFネットワークエレメントは、該セッションのN4セッションコンテキスト(N4 session context)内のパケット検出ルール(packet detection rule、PDR)(1つ以上のパケット検出ルールが存在し得る)を該パケットの特性情報と照合して、該パケットに一致するPDRを見つける。PDRは、パケットに対応する転送活動ルール(forwarding action rule、FAR)と、サービス品質(quality of services、QoS)実施ルール(QoS enforcement rule、QER)と、使用状況報告ルール(usage reporting rule、URR)とを指定する。さらに、UPFネットワークエレメントは、FARに従って、パケットに対して、破棄(drop)、転送(forward)、バッファリング(buffer)、コントロールプレーンへの報告(notify)、または複製(duplicate)といった作業を遂行できる。UPFネットワークエレメントは、QERに従ってパケットに対してQoS作業を遂行できる。UPFネットワークエレメントは、URRに従ってパケットについて使用状況報告を行うことができる。最後に、パケットは出口(例えば、N6インターフェイス)を通じて送信される。UPFネットワークエレメントがFARに従ってパケットを転送する過程で重要な活動は、出口識別子と出口活動とを指定することを含む。出口活動は、例えば、アウターヘッダー作成(outer header creation)、トランスポートレベルマーキング(transport level marking)、転送ポリシー(forwarding policy)、またはヘッダーエンリッチメント(header enrichment)の追加を含み得る。
【0004】
しかしながら、前述のソリューションがマルチキャスト通信で運用されると、UPFネットワークエレメントの現在のパケット処理機構では、マルチキャストパケットが1つのセッションで一致できるPDRはただ1つであり、その後、データパケットはFARに従って複製される。この過程では、トンネル情報または複製されるデータパケットのラベルをFARで明示的に指示する必要がある。加えて、端末デバイスメンバーが変わるときには、FAR内の指示情報も相応に更新する必要がある。この方法は複雑で非効率的である。したがって、マルチキャストパケットの転送効率をいかにして改善するかが、現在解決するべき緊急課題である。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施形態は、マルチキャストパケットの転送効率を上げるために、マルチキャスト通信方法、ならびに装置およびシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するため、本出願の実施形態では以下の技術的なソリューションが使用される。
【0007】
第1の態様によると、マルチキャスト通信方法が提供される。該方法は、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットを受信するステップを含む。マルチキャストパケットはマルチキャストアドレスを含む。ユーザープレーン機能ネットワークエレメントは、マルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のパケット検出ルールPDRと照合する。マルチキャストパケットが第1のPDRと首尾よく一致し、第1のPDRが別のPDRとの照合を続行することを指示する場合は、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットと別のPDRとの照合を続行する。任意に選べることとして、別のPDRは、優先順位が第1のPDRの優先順位より高くないPDRである。本出願の本実施形態では、マルチキャストパケットが、別のPDRとの照合を続行することを指示する第1のPDRと首尾よく一致した後に、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントは、マルチキャストパケットと、優先順位がユーザープレーン機能ネットワークエレメント上の第1のPDRの優先順位より高くない別のPDRとの照合を、続行する。換言すると、本出願で提供されるソリューションによると、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって受信されるマルチキャストパケットは複数のPDRと一致し得、その結果、マルチキャストパケットは、複数の一致したPDRに関連付けられたルール(例えば、FAR)に従って複数の端末デバイスへ転送され得る。このソリューションでは、端末デバイスメンバーが変わるときに、セッション管理機能ネットワークエレメントが過剰な作業を行う必要はない。したがって、端末デバイスメンバーが変わるときにFAR内の指示情報を相応に更新する必要があるソリューションと比べて、このソリューションは、マルチキャストパケットの転送効率を上げ、セッション管理機能ネットワークエレメントとユーザープレーン機能ネットワークエレメントとの間のFAR更新に関わるシグナリング相互作用手順を減らし、シグナリングオーバーヘッドを減らすことができる。
【0008】
可能な一設計において、該方法は、第1のPDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致する場合に、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットを複製するステップと、第1のPDRと関連付けられたルールに従って複製されたマルチキャストパケットを処理するステップとをさらに含む。あるいは、第1のPDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しない場合は、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、第1のPDRに関連付けられたルールに従ってマルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップする。換言すると、本出願の本実施形態では、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットを受信した後に、マルチキャストパケットは複数のPDRと一致し得る。一致したPDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致する場合は、マルチキャストパケットが、複数のPDRに関連付けられたルール(例えば、FAR)に従って複数の端末デバイスへ転送され得る。一致したPDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しない場合は、ブロードキャストストームを回避するために、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントは、PDRに関連付けられたルールに従ってマルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップする。
【0009】
可能な一設計において、第1のPDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致することは、第1のPDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報とは異なることを含む。第1のPDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しないことは、第1のPDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と同じであることを含む。
【0010】
可能な一設計において、該方法は、第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しない場合に、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットを複製するステップと、第1のPDRに関連付けられたルールに従って複製されたマルチキャストパケットを処理するステップとをさらに含む。あるいは、第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致する場合は、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、第1のPDRに関連付けられたルールに従ってマルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップする。換言すると、本出願の本実施形態では、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットを受信した後に、マルチキャストパケットは複数のPDRと一致し得る。一致したPDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しない場合は、マルチキャストパケットが、複数のPDRに関連付けられたルール(例えば、FAR)に従って複数の端末デバイスへ転送され得る。一致したPDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致する場合は、ブロードキャストストームを回避するために、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントは、マルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップする。
【0011】
可能な一設計において、第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致することは、第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と同じであることを含む。第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しないことは、第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報とは異なることを含む。
【0012】
可能な一設計において、マルチキャストパケットはマルチキャストパケットの送信元情報を含み、マルチキャストパケットの送信元情報はマルチキャストパケットを送信する端末デバイスのアドレス情報を含む。
【0013】
可能な一設計において、該方法は、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットの送信元情報を受信することをさらに含む。マルチキャストパケットの送信元情報はN19指示情報またはN6指示情報を含む。例えば、N19指示情報は、例えば、現在のUPFネットワークエレメントを別のUPFネットワークエレメントに接続するN19トンネルのGTP-U TEIDであってよく、N6指示情報は、例えば、N6インターフェイスに関する情報であってよい。
【0014】
可能な一設計において、N6指示情報またはN19指示情報は、汎用パケット無線サービスGPRSトンネリングプロトコル-ユーザープレーンGTP-Uトンネルヘッダー情報に含まれる。
【0015】
可能な一設計において、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のPDRと照合することは、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、マルチキャストパケットと一致し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、N4セッションを判断することと、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッションの各PDRと照合することとを含む。換言すると、本出願の本実施形態では、マルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のPDRと照合するときに、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントはまず、マルチキャストパケットを、PDRが属するN4セッションと照合する。さらに、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントは、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッションの各PDRと照合する。
【0016】
可能な一設計において、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のPDRと照合することは、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上の各PDRと照合することを含む。換言すると、本出願の本実施形態では、マルチキャストパケットをUPFネットワークエレメント上のPDRと照合するときに、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントは、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上の各PDRと直接照合する。
【0017】
可能な一設計において、第1のPDRは、タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報を含む。タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報は、別のPDRとの照合を続行することを指示するために使用される。
【0018】
可能な一設計において、該方法は、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがセッション管理機能ネットワークエレメントからN4セッション識別子と第1のPDRを受信するステップをさらに含む。第1のPDRはマルチキャストパケットを検出するために使用される。ユーザープレーン機能ネットワークエレメントは、N4セッション識別子に対応するN4セッションで第1のPDRを構成する。換言すると、本出願の本実施形態では、セッション管理機能ネットワークエレメントは、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントのために、マルチキャストパケットを検出するために使用されるPDRを構成できる。
【0019】
可能な一設計において、マルチキャストパケットはブロードキャストパケットであり、相応に、マルチキャストアドレスはブロードキャストアドレスである。
【0020】
可能な一設計において、マルチキャストパケットはグループキャストパケットを含み、相応に、マルチキャストアドレスはグループキャストアドレスである。
【0021】
第2の態様によると、マルチキャスト通信方法が提供される。該方法は、セッション管理機能ネットワークエレメントが第1のパケット検出ルールPDRを得るステップを含む。第1のPDRはマルチキャストパケットを検出するために使用され、第1のPDRは別のPDRとの照合を続行することを指示する。セッション管理機能ネットワークエレメントは、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントへN4セッション識別子と第1のPDRを送信する。N4セッション識別子と第1のPDRは、N4セッション識別子に対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、N4セッションで第1のPDRを構成するために使用される。本出願の本実施形態において、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のN4セッションのためにセッション管理機能ネットワークエレメントによって構成されるルーティングルールは、マルチキャストパケットを検出するために使用される第1のPDRを含み、第1のPDRは別のPDRとの照合を続行することを指示する。このように、マルチキャストパケットが第1のPDRと首尾よく一致した後に、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントは、マルチキャストパケットと、優先順位がユーザープレーン機能ネットワークエレメント上の第1のPDRの優先順位より高くない別のPDRとの照合を、続行できる。換言すると、本出願で提供されるソリューションによると、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって受信されるマルチキャストパケットは複数のPDRと一致し得、その結果、マルチキャストパケットは、複数のPDRに関連付けられたルール(例えば、FAR)に従って複数の端末デバイスへ転送され得る。このソリューションでは、端末デバイスメンバーが変わるときに、セッション管理機能ネットワークエレメントが過剰な作業を行う必要はない。したがって、端末デバイスメンバーが変わるときにFAR内の指示情報を相応に更新する必要があるソリューションと比べて、このソリューションは、マルチキャストパケットの転送効率を上げ、セッション管理機能ネットワークエレメントとユーザープレーン機能ネットワークエレメントとの間のFAR更新に関わるシグナリング相互作用手順を減らし、シグナリングオーバーヘッドを減らすことができる。
【0022】
可能な一設計において、第1のPDRは、タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報を含む。タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報は、別のPDRとの照合を続行することを指示するために使用される。
【0023】
可能な一設計において、マルチキャストパケットはブロードキャストパケットであり、相応に、第1のPDRはブロードキャストアドレスを含む。該方法は、セッション管理機能ネットワークエレメントが、或るグループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、第1のN4セッションを判断するステップをさらに含む。ブロードキャストパケットは該グループに属し、第1のN4セッションは、該グループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、全てのN4セッションのうちのいずれか1つである。相応に、N4セッション識別子は第1のN4セッションの識別子である。換言すると、本出願の本実施形態では、マルチキャストパケットがブロードキャストパケットである場合に、セッション管理機能ネットワークエレメントは、該グループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、全てのN4セッションのために、ブロードキャストタイプのPDRを構成する必要がある。
【0024】
可能な一設計において、マルチキャストパケットはグループキャストパケットであり、相応に、第1のPDRはグループキャストアドレスを含む。該方法は、セッション管理機能ネットワークエレメントが、或るグループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、第2のN4セッションを判断するステップをさらに含む。グループキャストパケットは該グループに属し、第2のN4セッションは、該グループに対応し、グループキャストパケットの転送をサポートする、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のN4セッションのうちのいずれか1つである。相応に、N4セッション識別子は第2のN4セッションの識別子である。換言すると、本出願の本実施形態では、マルチキャストパケットがグループキャストパケットを含む場合に、セッション管理機能ネットワークエレメントは、該グループに対応し、グループキャスト通信をサポートする、全てのN4セッションのために、グループキャストタイプのPDRを構成する必要がある。
【0025】
可能な一設計において、セッション管理機能ネットワークエレメントが、該グループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、第2のN4セッションを判断することは、セッション管理機能ネットワークエレメントが、インターネットグループ管理プロトコルIGMP加入メッセージ、非アクセス層NASメッセージ、またはアプリケーション機能AFメッセージに基づいて、該グループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、第2のN4セッションを判断することを含む。
【0026】
第3の態様によると、通信装置が提供され、該通信装置は前述の方法を実施するように構成される。通信装置は、第1の態様のユーザープレーン機能ネットワークエレメントであってよく、またはユーザープレーン機能ネットワークエレメントを含む装置であってもよい。あるいは、通信装置は、第2の態様のセッション管理機能ネットワークエレメントであってよく、またはセッション管理機能ネットワークエレメントを含む装置であってもよい。通信装置は、前述の方法を実施する対応するモジュール、ユニット、または手段(means)を含む。モジュール、ユニット、または手段(means)は、ハードウェアまたはソフトウェアを使用することによって実装されてよく、または対応するソフトウェアを実行するハードウェアを使用することによって実装されてもよい。ハードウェアまたはソフトウェアは、前述の機能に対応する1つ以上のモジュールまたはユニットを含む。
【0027】
第4の態様によると、通信装置が提供され、該通信装置はプロセッサとメモリーとを含む。メモリーは、コンピュータ命令を保管するように構成され、プロセッサがこの命令を実行すると、通信装置は、前述の態様のいずれか1つによる方法を遂行できるようになる。通信装置は、第1の態様のユーザープレーン機能ネットワークエレメントであってよく、またはユーザープレーン機能ネットワークエレメントを含む装置であってもよい。あるいは、通信装置は、第2の態様のセッション管理機能ネットワークエレメントであってよく、またはセッション管理機能ネットワークエレメントを含む装置であってもよい。
【0028】
第5の態様によると、通信装置が提供され、該通信装置はプロセッサを含む。プロセッサは、メモリーに結合されてメモリー内の命令を読み取った後に、命令に従って、前述の態様のいずれか1つによる方法を遂行するように構成される。通信装置は、第1の態様のユーザープレーン機能ネットワークエレメントであってよく、またはユーザープレーン機能ネットワークエレメントを含む装置であってもよい。あるいは、通信装置は、第2の態様のセッション管理機能ネットワークエレメントであってよく、またはセッション管理機能ネットワークエレメントを含む装置であってもよい。
【0029】
第6の態様によると、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。このコンピュータ可読記憶媒体は命令を保管し、この命令がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、前述の態様のいずれか1つによる方法を実施できるようになる。
【0030】
第7の態様によると、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。このコンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行すると、コンピュータは、前述の態様のいずれか1つによる方法を遂行できるようになる。
【0031】
第8の態様によると、通信装置(例えば、この通信装置はチップまたはチップシステムであってよい)が提供される。この通信装置は、前述の態様のいずれか1つの機能を実施するように構成されたプロセッサを含む。可能な一設計において、通信装置はメモリーをさらに含む。メモリーは、必要なプログラム命令と必要なデータを保管するように構成される。通信装置がチップシステムである場合、チップシステムはチップを含み得、またはチップと別の個別デバイスとを含み得る。
【0032】
第3の態様から第8の態様の設計のうちのいずれか1つによってもたらされる技術的な効果については、第1の態様または第2の態様の様々な設計によってもたらされる技術的な効果を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0033】
第9の態様によると、通信方法が提供される。該方法は、セッション管理機能ネットワークエレメントが第1のパケット検出ルールPDRを得るステップを含む。第1のPDRはマルチキャストパケットを検出するために使用され、第1のPDRは別のPDRとの照合を続行することを指示する。セッション管理機能ネットワークエレメントは、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントへN4セッション識別子と第1のPDRを送信する。ユーザープレーン機能ネットワークエレメントはセッション管理機能ネットワークエレメントからN4セッション識別子と第1のPDRを受信し、N4セッション識別子に対応するN4セッションで第1のPDRを構成する。ユーザープレーン機能ネットワークエレメントはマルチキャストパケットを受信し、マルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のPDRと照合する。マルチキャストパケットはマルチキャストアドレスを含む。マルチキャストパケットが第1のPDRと首尾よく一致する場合は、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットと別のPDRとの照合を続行する。
【0034】
可能な一設計において、該方法は、第1のPDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致する場合に、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットを複製するステップと、第1のPDRと関連付けられたルールに従って複製されたマルチキャストパケットを処理するステップとをさらに含む。あるいは、第1のPDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しない場合は、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、第1のPDRに関連付けられたルールに従ってマルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップする。
【0035】
可能な一設計において、該方法は、第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しない場合に、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットを複製するステップと、第1のPDRに関連付けられたルールに従って複製されたマルチキャストパケットを処理するステップとをさらに含む。あるいは、第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致する場合は、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、第1のPDRに関連付けられたルールに従ってマルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップする。
【0036】
可能な一設計において、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のPDRと照合することは、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、マルチキャストパケットと一致し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、N4セッションを判断することと、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッションの各PDRと照合することとを含む。
【0037】
可能な一設計において、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のPDRと照合することは、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上の各PDRと照合することを含む。
【0038】
可能な一設計において、マルチキャストパケットはブロードキャストパケットであり、相応に、第1のPDRはブロードキャストアドレスを含む。該方法は、セッション管理機能ネットワークエレメントが、或るグループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、第1のN4セッションを判断するステップをさらに含む。ブロードキャストパケットは該グループに属し、第1のN4セッションは、該グループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、全てのN4セッションのうちのいずれか1つである。相応に、N4セッション識別子は第1のN4セッションの識別子である。
【0039】
可能な一設計において、マルチキャストパケットはグループキャストパケットであり、相応に、第1のPDRはグループキャストアドレスを含む。該方法は、セッション管理機能ネットワークエレメントが、或るグループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、第2のN4セッションを判断するステップをさらに含む。グループキャストパケットは該グループに属し、第2のN4セッションは、該グループに対応し、グループキャストパケットの転送をサポートする、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のN4セッションのうちのいずれか1つである。相応に、N4セッション識別子は第2のN4セッションの識別子である。
【0040】
可能な一設計において、第1のPDRは、タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報を含む。タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報は、別のPDRとの照合を続行することを指示するために使用される。
【0041】
第9の態様の技術的な効果については、第1の態様または第2の態様の可能な設計のいずれか1つによってもたらされる技術的な効果を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0042】
第10の態様によると、通信システムが提供される。この通信システムは、セッション管理機能ネットワークエレメントとユーザープレーン機能ネットワークエレメントとを含む。セッション管理機能ネットワークエレメントは、第1のパケット検出ルールPDRを得るように構成される。第1のPDRはマルチキャストパケットを検出するために使用され、第1のPDRは別のPDRとの照合を続行することを指示する。セッション管理機能ネットワークエレメントはさらに、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントへN4セッション識別子と第1のPDRを送信するように構成される。ユーザープレーン機能ネットワークエレメントは、セッション管理機能ネットワークエレメントからN4セッション識別子と第1のPDRを受信し、なおかつN4セッション識別子に対応するN4セッションで第1のPDRを構成するように構成される。ユーザープレーン機能ネットワークエレメントはさらに、マルチキャストパケットを受信し、なおかつマルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のPDRと照合するように構成される。マルチキャストパケットはマルチキャストアドレスを含む。ユーザープレーン機能ネットワークエレメントはさらに、マルチキャストパケットが第1のPDRと首尾よく一致する場合に、マルチキャストパケットと別のPDRとの照合を続行するように構成される。
【0043】
可能な一設計において、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントはさらに、第1のPDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致する場合に、マルチキャストパケットを複製し、なおかつ第1のPDRに関連付けられたルールに従って複製されたマルチキャストパケットを処理するように構成される。あるいは、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントはさらに、第1のPDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しない場合に、第1のPDRに関連付けられたルールに従ってマルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップするように構成される。
【0044】
可能な一設計において、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントはさらに、第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しない場合に、マルチキャストパケットを複製し、なおかつ第1のPDRに関連付けられたルールに従って複製されたマルチキャストパケットを処理するように構成される。あるいは、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントはさらに、第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致する場合に、第1のPDRに関連付けられたルールに従ってマルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップするように構成される。
【0045】
可能な一設計において、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のPDRと照合するように構成されることは、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、マルチキャストパケットと一致し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、N4セッションを判断し、なおかつPDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッションの各PDRと照合するように構成されることを含む。
【0046】
可能な一設計において、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントがマルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のPDRと照合するように構成されることは、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントが、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上の各PDRと照合するように構成されることを含む。
【0047】
可能な一設計において、マルチキャストパケットはブロードキャストパケットであり、相応に、第1のPDRはブロードキャストアドレスを含む。セッション管理機能ネットワークエレメントはさらに、或るグループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、第1のN4セッションを判断するように構成される。ブロードキャストパケットは該グループに属し、第1のN4セッションは、該グループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、全てのN4セッションのうちのいずれか1つである。相応に、N4セッション識別子は第1のN4セッションの識別子である。
【0048】
可能な一設計において、マルチキャストパケットはグループキャストパケットであり、相応に、第1のPDRはグループキャストアドレスを含む。セッション管理機能ネットワークエレメントはさらに、或るグループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、第2のN4セッションを判断するように構成される。グループキャストパケットは該グループに属し、第2のN4セッションは、該グループに対応し、グループキャストパケットの転送をサポートする、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のN4セッションのうちのいずれか1つである。相応に、N4セッション識別子は第2のN4セッションの識別子である。
【0049】
可能な一設計において、第1のPDRは、タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報を含む。タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報は、別のPDRとの照合を続行することを指示するために使用される。
【0050】
第10の態様の技術的な効果については、第1の態様または第2の態様の可能な設計のいずれか1つによってもたらされる技術的な効果を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】既存の3 GPP TS29.244で規定されているユーザープレーン上でのパケット転送の概略フローチャートである。
図2a】既存の5G VNサービスのユーザープレーンアーキテクチャの概略図である。
図2b】既存のブロードキャストシナリオにおける通信の概略図である。
図2c】既存のグループキャストシナリオにおける通信の概略図である。
図3a】本出願の一実施形態によるユーザーレベルN4セッションの概略図である。
図3b】本出願の一実施形態によるグループレベルN4セッションの概略図である。
図4】本出願の一実施形態によるN4セッションの概略構成図である。
図5】本出願の一実施形態によるルーティングルールを構成する概略フローチャート1である。
図6】本出願の一実施形態によるルーティングルールを構成する概略フローチャート2である。
図7】本出願の一実施形態による通信システムの概略アーキテクチャ図である。
図8】本出願の一実施形態による5Gネットワークにおける通信システム応用の概略図である。
図9】本出願の一実施形態による通信デバイスの概略構成図である。
図10】本出願の一実施形態によるマルチキャスト通信方法の概略フローチャート1である。
図11】本出願の一実施形態によるマルチキャスト通信方法の概略フローチャート2である。
図12】本出願の一実施形態によるマルチキャスト通信方法の概略フローチャート3である。
図13】本出願の一実施形態によるマルチキャスト通信方法の概略フローチャート4である。
図14】本出願の一実施形態によるマルチキャスト通信方法の概略フローチャート5である。
図15】本出願の一実施形態によるマルチキャスト通信方法の一例の概略図1である。
図16】本出願の一実施形態によるマルチキャスト通信方法の一例の概略図2である。
図17】本出願の一実施形態によるユーザープレーン機能ネットワークエレメントの概略構造図である。
図18】本出願の一実施形態によるセッション管理機能ネットワークエレメントの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本出願の実施形態の技術的なソリューションを容易く理解するため、以下ではまず、本出願に関係する技術を手短に説明する。
【0053】
1.5G仮想ネットワーク(5G virtual network、5G VN):
5G VNサービスは現在の5Gネットワークによって提供されているサービスであり、主に家庭通信、企業事務所、工場製造、乗り物のインターネット、送電網改築、公安組織などで利用されている。5G VNサービスは、グループ内の2つ以上の端末デバイスのためにインターネットプロトコル(internet protocol、IP)タイプか非IPタイプ(例えば、Ethernetタイプ)の私用通信を提供できる。例えば、工場内のデバイスはグループを構成でき、グループ内のデバイスはEthernetデータパケットを互いに送信できる。あるいは、ある企業内のある部署内の従業員の業務用デバイス(携帯電話機、コンピュータ、またはラップトップコンピュータなど)はグループを構成でき、これらの業務用デバイスはIPパケットを互いに送信する。2つの端末デバイスが同一グループ内ではない場合、これら2つの端末デバイスは互いに通信できない。
【0054】
図2aは、既存の5G VNサービスのユーザープレーンアーキテクチャの概略図である。端末デバイスは、5G VNサービスを提供するUPFネットワークエレメントにアクセスするために、5G VNサービスを提供するUPFネットワークエレメント上でセッションを確立する。5G VNサービスを提供するUPFネットワークエレメントは、N6インターフェイスを通じてデータネットワーク(data network、DN)内の既存のローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)と相互に作用しあうことができ、例えば、LAN内のパーソナルコンピュータ(personal computer、PC)と通信できる。あるいは、5G VNサービスを提供するUPFネットワークエレメントは、私用通信を実施するために、UPFネットワークエレメントの内部インターフェイスを通じて、またはUPFネットワークエレメント間の接続を通じて、別個の端末デバイスのセッションを関連付けることができる。これは本出願の実施形態で具体的に限定されない。
【0055】
表現の観点から、5G VNは、5G VNグループ、5Gローカルエリアネットワーク(5G local area network、5GLAN)、5G LANグループ(group)、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、5G LAN-VN LANグループ、LANタイプサービス(type service)、LAN-VN、5G LAN-type service(タイプサービス)などと呼ばれることもある。5G VNの名称は本出願の実施形態で具体的に限定されない。
【0056】
2.ブロードキャスト:
ブロードキャストは一対多の通信モードである。ネットワーク上では、1つのローカルエリアネットワーク(例えば、5G VN)が1つのブロードキャストドメインに対応する。LANにサブスクライブしている端末デバイスは、ブロードキャストグループ(LANグループと呼ばれることもある)を構成できる。LANにサブスクライブしている端末デバイスは、ブロードキャストグループの端末メンバーと呼ばれることがある。換言すると、端末デバイスはサブスクリプションの過程でブロードキャストグループに加入する(端末デバイスは1つ以上のブロードキャストグループに加入できる)。関連する実装については、既存のソリューションを参照されたい。ここでは詳細を説明しない。
【0057】
ブロードキャストグループ内のネットワークにアクセスしたいずれかの端末デバイスは、ブロードキャストパケットを送信するブロードキャストソースとして機能することができ、ブロードキャストパケットを受信するブロードキャストメンバーとして機能することもできる。例えば、ブロードキャストグループ内のネットワークにアクセスした端末メンバーが、端末デバイス1、端末デバイス2、端末デバイス3、端末デバイス4、端末デバイス5、および端末デバイス6を含むと仮定する。例えば、端末デバイス1はブロードキャストソースとして機能する。対応する通信の概略図を図2bに示すことができる。具体的に述べると、端末デバイス1によって送信されるブロードキャストパケットは、ブロードキャストグループ内の端末デバイス2、端末デバイス3、端末デバイス4、端末デバイス5、および端末デバイス6へ送信されてよい。
【0058】
本出願の実施形態において、ブロードキャストグループ内の端末メンバーがネットワークにアクセスするということが、ユーザープレーン接続を確立することを意味することに注意されたい。標準的なネットワークアクセス方式では、端末デバイスがパケットデータユニット(packet data unit、PDU)セッション確立要求を開始する。詳細については、既存の実装を参照されたい。ここでは詳細を説明しない。
【0059】
本出願の実施形態におけるブロードキャストアドレスは、全て1である送信先IPアドレスであってよく、例えば、255.255.255.255であってよい。あるいは、本出願の実施形態におけるブロードキャストアドレスは、全て1である送信先媒体アクセス制御(media access control、MAC)アドレスであってもよく、例えば、0xff:0xff:0xff:0xff:0xff:0xffであってもよい。あるいは、本出願の実施形態におけるブロードキャストアドレスは、サブネットのブロードキャストアドレスであってもよい。詳細については、ブロードキャストアドレスの既存の定義を参照されたい。ここでは詳細を説明しない。
【0060】
3.グループキャスト:
本出願の実施形態において、1つのグループキャストソースと複数のグループキャストメンバーは、1つのグループキャストグループ(略してグループキャストグループと呼ばれることもあり得る)を構成できる。グループキャストグループのアドレスを送信先アドレスとしてIPパケットを送信するソースはグループキャストソースと呼ばれ、グループキャストデータを受信するグループキャストユーザーはグループキャストメンバーと呼ばれる。換言すると、グループキャストは方向を有し、その方向はグループキャストソースからグループキャストメンバーへ至るものである。グループキャストソースとグループキャストグループメンバーの役割は交換可能ではない。さもなければ、グループキャストソースとグループキャストグループメンバーは別々のグループキャストグループに属する。例えば、LANグループ内の端末メンバーが、端末デバイス1、端末デバイス2、端末デバイス3、端末デバイス4、端末デバイス5、および端末デバイス6を含むと仮定する。例えば、端末デバイス1がグループキャストソースとして機能し、端末デバイス3、端末デバイス5、および端末デバイス6がグループキャストメンバーとして機能し、グループキャストグループを構成する。対応する通信の概略図を図2cに示すことができる。具体的に述べると、端末デバイス1によって送信されるグループキャストパケットは、グループキャストグループ内の端末デバイス3、端末デバイス5、および端末デバイス6へ送信されてよい。
【0061】
本出願の実施形態において、グループキャストソースは、開放型システム間相互接続(open system interconnection、OSI)モデルのアプリケーション層によって決定される。端末デバイスは、グループキャストパケットを受信する必要がある場合に、ネットワークへインターネットグループ管理プロトコル(internet group management protocol、IGMP)加入(join)メッセージを明示的に送信できる。端末デバイスがグループキャストグループに加入したことを記録した後にのみ、ネットワークは、グループキャストソースによって送信されるグループキャストパケットを端末デバイスへ転送する。換言すると、グループキャストメンバーはグループキャストグループに動的に加入する。詳細については、既存の実装を参照されたく、ここでは詳細を再度説明しない。
【0062】
本出願の実施形態におけるグループキャストアドレスは、インターネット割当番号局(the internet assigned numbers authority、IANA)によって割り当てられるグループキャストIPバージョン4(IP version 4、IPv 4)アドレスであってよく、範囲は224.0.0.0から239.255.255.255までである。あるいは、本出願の実施形態におけるグループキャストアドレスは、48ビット中の最上位48ビットの最後のビットが常に1であるグループキャストMACアドレスであってもよい。あるいは、本出願の実施形態におけるグループキャストアドレスは、予約されたグループキャストアドレスであってもよく、例えば、最上位24ビットが0x01005eまたは224.0.0.1であるグループキャストMACアドレスであってもよい。あるいは、本出願の実施形態におけるグループキャストアドレスは、別のアドレスであってもよい。詳細については、グループキャストアドレスの既存の定義を参照されたい。ここでは詳細を説明しない。
【0063】
3.マルチキャスト:
本出願の実施形態におけるマルチキャストは、前述のブロードキャストまたはグループキャストを含む。マルチキャストが前述のブロードキャストを含む場合、対応するマルチキャストアドレスはブロードキャストアドレスと呼ばれることがあり、対応するマルチキャストパケットはブロードキャストパケットと呼ばれることがある。あるいは、マルチキャストが前述のグループキャストを含む場合、対応するマルチキャストアドレスはグループキャストアドレスと呼ばれることがあり、対応するマルチキャストパケットはグループキャストパケットと呼ばれることがある。ここでは一般的な説明を提供しており、以下では詳細を再度説明しない。
【0064】
4.N4セッション:
本出願の実施形態におけるN4セッションは、ユーザーレベルN4セッションとグループ(group)レベルのN4セッションとを含む。現在の5Gネットワークでは、UPFネットワークエレメント上のセッション管理機能(session management function、SMF)ネットワークエレメントによってN4セッションが作成される。
【0065】
例えば、UPFネットワークエレメント上のユーザーレベルN4セッションは、具体的には、端末デバイスがPDUセッションを確立するときに、UPFネットワークエレメント上のSMFネットワークエレメントによって作成され、PDUセッションに対応する、N4セッションであってよい。N4セッションの機能は以下の通りである。UPFネットワークエレメントは、ユーザーレベルN4セッションを通じて、端末デバイスによって送信されるパケット(例えば、ブロードキャストパケットまたはグループキャストパケット)を受信し、UPFネットワークエレメントは、ユーザーレベルN4セッションを通じて端末デバイスへパケット(例えば、ブロードキャストパケットまたはグループキャストパケット)を送信する。
【0066】
一例において、端末デバイスがPDUセッションを確立するときには、SMFネットワークエレメントが、PDUセッションに対応するN4セッション(すなわち、ユーザーレベルN4セッション)を作成することをUPFネットワークエレメントに指示できる。端末デバイスのPDUセッションを削除する要求を受信するときに、SMFネットワークエレメントは、PDUセッションに対応するN4セッションを削除するようにUPFネットワークエレメントをトリガーする。本出願の実施形態において、1つのUPFネットワークエレメントは、1つまたは複数のPDUセッションに対応する1つ以上のN4セッションを含み得る。例えば、複数の端末デバイスが同じUPFネットワークエレメントに接続されている場合、このUPFネットワークエレメントは、それぞれの端末デバイスのPDUセッションに対応するN4セッションを作成する必要がある。
【0067】
例えば、図3aでは、端末デバイス1と端末デバイス6がUPFネットワークエレメント1に接続されている。この場合、端末デバイス1のPDUセッションを作成するときに、SMFネットワークエレメントは、端末デバイス1のPDUセッションに対応するN4セッション1を作成することをUPFネットワークエレメント1に指示できる。端末デバイス6のPDUセッションを作成するときに、SMFネットワークエレメントは、端末デバイス6のPDUセッションに対応するN4セッション6を作成することをUPFネットワークエレメント1に指示できる。
【0068】
説明を容易にするため、本出願の実施形態において、端末デバイス1のPDUセッションに対応するN4セッションは、端末デバイス1のN4セッションと呼ばれることがあり、端末デバイス6のPDUセッションに対応するN4セッションは、端末デバイス6のN4セッションと呼ばれることがある。ここでは一般的な説明を提供しており、以下では詳細を再度説明しない。
【0069】
あるいは、5G VNサービスにおける別個のUPFネットワークエレメント間の通信と、UPFネットワークエレメントとDNとの間の通信をサポートするため、SMFネットワークエレメントはさらに、5G VNサービスを提供する各UPFネットワークエレメント上で、対応する5G VNグループのグループレベルN4セッションを作成する必要がある。
【0070】
一例において、5G VNグループ内のUPFネットワークエレメントに固定された第1のPDUセッションを作成するときに、SMFネットワークエレメントは、5G VNグループに対応するグループレベルN4セッションを作成することをUPFネットワークエレメントに指示できる。加えて、5G VNグループ内のUPFネットワークエレメントに固定された最後のPDUセッションを解放するときに、SMFネットワークエレメントは、5G VNグループに対応するグループレベルN4セッションを削除することをUPFネットワークエレメントに指示できる。本出願の実施形態において、1つのUPFネットワークエレメントは1つ以上のグループレベルN4セッションを含み得る。例えば、或る1つのUPFネットワークエレメントが複数の5G VNグループにサーブする場合、そのUPFネットワークエレメントは複数のグループレベルN4セッションを作成する必要があり、それぞれのN4セッションは1つの5G VNグループに対応する。本出願の実施形態では、1つの5G VNグループに対して複数のグループレベルN4セッションが作成されることがある。
【0071】
例えば、図3bに示されているように、端末デバイス1のPDUセッションを作成するときに、SMFネットワークエレメントが、端末デバイス1のPDUセッションに対応するN4セッション1を作成することをUPFネットワークエレメント1に指示したと仮定する。その後、端末デバイス2のPDUセッションを作成するときに、SMFネットワークエレメントは、端末デバイス2のPDUセッションに対応するN4セッション2を作成することをUPFネットワークエレメント2に指示できる。加えて、5G VNグループ内の端末デバイス1がUPFネットワークエレメント1にアクセスしたため、SMFネットワークエレメントは、5G VNグループに対応するグループレベルN4セッション3を作成することをUPFネットワークエレメント2に指示する必要があり、SMFネットワークエレメントは、5G VNグループに対応するグループレベルN4セッション4を作成することをUPFネットワークエレメント1に指示する。あるいは、任意に選べることとして、5G VNグループがDNと通信する必要がある場合は、SMFネットワークエレメントが、5G VNグループに対応するグループレベルN4セッション4を作成することをUPFネットワークエレメント1に指示できる。これは本書で具体的に限定されない。
【0072】
5.ルーティングルール:
本出願の実施形態におけるN4セッションはルーティングルールを含み、ルーティングルールは、データパケットを検出し、なおかつデータパケットを転送するために使用される。N4セッションを作成することをUPFネットワークエレメントに指示するときに、SMFネットワークエレメントは、N4セッションのために対応するルーティングルールを構成できる。ユーザーレベルN4セッションのルーティングルールは、端末デバイスのPDUセッションに関連するデータパケットを検出して転送するために使用され得る。グループレベルN4セッションのルーティングルールは、N19トンネルまたはN6インターフェイスに関連し、5G VNグループに属する、データパケットを検出して転送するために使用される。
【0073】
本出願の実施形態におけるデータパケットとパケットが同じ意味を持ち、交換可能であることに注意されたい。ここでは一般的な説明を提供しており、以下では詳細を再度説明しない。
【0074】
本出願の実施形態において、UPFネットワークエレメントの内部インターフェイスは、UPFネットワークエレメント上の仮想ポートまたは特定のポートであり、受信したデータパケットをローカルに転送するためにUPFネットワークエレメントによって使用されることに注意されたい。データパケットがUPFネットワークエレメントの内部インターフェイスへローカルに転送されるということは、UPFネットワークエレメントが内部インターフェイスを通じてデータパケットを再び受信することを意味し、その結果、データパケットは、UPFネットワークエレメントによって再び検出されて対応するルーティングルールと一致し、正しい経路に沿って転送される。再検出の前に、UPFネットワークエレメントはデータパケットの外部トンネルヘッダーをカプセル開放できる。任意に選べることとして、新しい外部トンネルヘッダー情報はデータパケットのために再カプセル化されてよい。新しいトンネル情報はルーティングルール内のFARに含まれてよく、またはFAR内の転送指示情報に基づいてUPFネットワークエレメントによって生成されてもよい。これは本書で具体的に限定されない。
【0075】
本出願の実施形態において、N4セッションに1つ以上のルーティングルールのグループが存在し得、ルーティングルールの各グループが、PDRと、PDRに関連付けられたFARとを含むことに注意されたい。任意に選べることとして、ルーティングルールの各グループは、PDRに関連付けられたQERとURRとをさらに含み得る。ここでは一般的な説明を提供しており、以下では詳細を再度説明しない。ルーティングルールに含まれる可能なPDRのタイプはユニキャストであり、このタイプのPDRはユニキャストパケットを検出するために使用される。ルーティングルールに含まれるPDRの別の可能なタイプはマルチキャストであり、このタイプのPDRはマルチキャストパケットを検出するために使用される。関連する説明については、以降の実施形態を参照されたい。ここでは詳細を説明しない。
【0076】
本出願の実施形態におけるPDRは、アップリンク(uplink、UL)PDRとダウンリンク(downlink、DL)PDRとを含み得る。相応に、UL PDRに関連付けられたFAR、QER、およびURRは、それぞれUL FAR、UL QER、およびUL URRと呼ばれることがある。DL PDRに関連付けられたFAR、QER、およびURRは、それぞれDL FAR、DL QER、およびDL URRと呼ばれることがある。ここでは一般的な説明を提供しており、以下では詳細を再度説明しない。
【0077】
例えば、図4に示されているように、N4セッションは、UL PDR 1、ならびにUL PDR 1に関連付けられたUL FAR 1、UL QER 1、およびUL URR 1、DL PDR 1、ならびにDL PDR 1に関連付けられたDL FAR 1、DL QER 1、およびDL URR 1、...、UL PDR n、ならびにUL PDR nに関連付けられたUL FAR n、UL QER n、およびUL URR n、DL PDR n、ならびにDL PDR nに関連付けられたDL FAR n、DL QER n、およびDL URR nを含む。
【0078】
以下では、ユーザーレベルN4セッションのルーティングルールとグループレベルN4セッションのルーティングルールについてさらに説明する。
【0079】
ケース1:ユーザーレベルN4セッションの場合:
既存のUL PDRは、PDUセッショントンネルから受信されるユニキャストパケットとマルチキャストパケットを検出するために使用され、具体的には、送信元インターフェイスパラメータ、トンネル情報パラメータ、ネットワークインスタンス情報、および端末デバイスのフィルタパラメータまたはアドレスを含み得る。送信元インターフェイスパラメータは、「アクセス側」(access side)か「コア側」(core side)に設定される。トンネル情報パラメータは、UPFネットワークエレメント側のPDUセッションのトンネル汎用パケット無線サービス(general packet radio service、GPRS)トンネリングプロトコル-ユーザープレーン(GPRS tunnelling protocol user、GTP-U)TEIDに設定される。ネットワークインスタンス情報は、5G VNグループに対応する値に設定される。フィルタパラメータでは、例えば、端末デバイスのアドレスが送信元アドレスとして使用されてよい。端末デバイスのアドレスは、例えば、IPアドレスまたはMACアドレスを含み得る。ここでは一般的な説明を提供しており、以下では詳細を再度説明しない。
【0080】
UL PDRに関連付けられたUL FARは、ネットワークインスタンス情報と送信先インターフェイスパラメータとを含み、UL PDRと一致するデータパケットを送信先インターフェイスへ送信するために使用される。SMFネットワークエレメントはネットワークインスタンス情報を5G VNグループに対応する値に設定し、送信先インターフェイスパラメータの値をUPFネットワークエレメントの内部インターフェイスに対応する値(例えば、「5G VN internal」)に設定する。ユーザーレベルN4セッションのUL FARが、PDUセッショントンネルから受信され、N4セッションのUL PDRと一致する、データパケットを、UPFネットワークエレメントの内部インターフェイスへローカルに転送するために使用されることは理解されよう。
【0081】
既存のDL PDRは、内部インターフェイスから受信されるユニキャストパケットを検出するために使用され、具体的には、送信元インターフェイスパラメータ、ネットワークインスタンス情報、および端末デバイスのフィルタパラメータまたはアドレスを含む。送信元インターフェイスパラメータは「5G VN internal」に設定される。ネットワークインスタンス情報は、5G VNグループに対応する値に設定される。フィルタパラメータでは、例えば、端末デバイスのアドレスが送信先アドレスとして使用されてよい。
【0082】
DL PDRに関連付けられたDL FARは、ネットワークインスタンス情報、送信先インターフェイスパラメータ、および/または外部トンネルパラメータを含み、内部インターフェイスから受信され、DL PDRと一致する、データパケットを、送信先インターフェイスへ送信するために使用される。ネットワークインスタンス情報は、5G VNグループに対応する値に設定される。送信先インターフェイスパラメータの値は、「アクセス側」(access side)か「コア側」(core side)に設定される。外部トンネルパラメータの値は、PDUセッションのトンネル情報(例えば、アクセスデバイスまたはUPFネットワークエレメント上のPDUセッションの汎用パケット無線サービス(general packet radio service、GPRS)トンネリングプロトコル-ユーザープレーン(GPRS tunnelling protocol user、GTP-U))TEIDに設定される。PDUセッションに対応するN4セッションのDL FARが、内部インターフェイスから受信され、N4セッションのDL PDRと一致する、データパケットを、指定されたPDUセッショントンネルへ送信するために使用されることは理解されよう。
【0083】
しかしながら、本出願の実施形態ではマルチキャストタイプのDL PDRが導入される。このDL PDRは、内部インターフェイスから受信されるマルチキャストパケットを検出するために使用され、具体的には、送信元インターフェイスパラメータ、フィルタパラメータ、ネットワークインスタンス情報、および指示情報を含み得る。送信元インターフェイスパラメータは「5G VN internal」に設定される。ネットワークインスタンス情報は、5G VNグループに対応する値に設定される。フィルタパラメータ情報では、SMFネットワークエレメントによって指定されるブロードキャストアドレスかグループキャストアドレスが送信先アドレスとして使用される。指示情報は、タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報のうちのいずれか1つ以上を含み得る。例えば、指示情報はパケット複製情報とタイプ指示とを含む。あるいは、指示情報はパケット複製情報と照合続行指示とを含む。あるいは、指示情報はパケット複製スキップ情報とタイプ指示とを含む。あるいは、指示情報はパケット複製スキップ情報と照合続行指示とを含む。これは本出願の実施形態で具体的に限定されない。DL PDRに関連付けられたDL FARの関連する説明については、ユニキャストパケットを検出するために使用されるDL PDRに関連付けられたDL FARの前述の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0084】
ケース2:グループレベルN4セッションの場合:
既存のUL PDRは、内部インターフェイスから受信されるユニキャストパケットを検出するために使用され、具体的には、送信元インターフェイスパラメータ、ネットワークインスタンス情報、およびフィルタパラメータを含み得る。送信元インターフェイスパラメータは「5G VN internal」に設定される。ネットワークインスタンス情報は、5G VNグループに対応する値に設定される。フィルタパラメータでは、例えば、端末デバイスのアドレスが送信先アドレスとして使用されてよい。
【0085】
UL PDRに関連付けられたUL FARは、ネットワークインスタンス情報、送信先インターフェイスパラメータ、および/または外部トンネルパラメータを含み、内部インターフェイスから受信され、UL PDRと一致する、データパケットを、送信先インターフェイスへ転送するために使用される。ネットワークインスタンス情報は、5G VNグループに対応する値に設定される。送信先インターフェイスパラメータの値は「core side」に設定される。外部トンネルパラメータの値は、N19トンネルに関する情報(例えば、現在のUPFネットワークエレメントを別のUPFネットワークエレメントに接続するN19トンネルのGTP-U TEID)に設定される。グループレベルN4セッションのUL FARが、グループレベルN4セッションのUL PDRと一致するデータパケットを、UPFネットワークエレメントを別のUPFネットワークエレメントに接続するN19トンネルへ、またはUPFネットワークエレメントをDNに接続するN6インターフェイスへ、転送するために使用されることは理解されよう。
【0086】
しかしながら、本出願の実施形態ではマルチキャストタイプのUL PDRが導入される。このUL PDRは、内部インターフェイスから受信されるマルチキャストパケットを検出するために使用され、具体的には、送信元インターフェイスパラメータ、ネットワークインスタンス情報、フィルタパラメータ、および指示情報を含み得る。送信元インターフェイスパラメータは「5G VN internal」に設定される。ネットワークインスタンス情報は、5G VNグループに対応する値に設定される。フィルタパラメータ情報では、SMFネットワークエレメントによって指定されるブロードキャストアドレスかグループキャストアドレスが送信先アドレスとして使用される。指示情報は、タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報のうちのいずれか1つ以上を含み得る。例えば、指示情報はパケット複製情報とタイプ指示とを含む。あるいは、指示情報はパケット複製情報と照合続行指示とを含む。あるいは、指示情報はパケット複製スキップ情報とタイプ指示とを含む。あるいは、指示情報はパケット複製スキップ情報と照合続行指示とを含む。これは本出願の実施形態で具体的に限定されない。UL PDRに関連付けられたUL FARの関連する説明については、ユニキャストパケットを検出するために使用されるUL PDRに関連付けられたUL FARの前述の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0087】
既存のDL PDRは、N19トンネルまたはN6インターフェイスから受信されるユニキャストパケットまたはマルチキャストパケットを検出するために使用され、具体的には、送信元インターフェイスパラメータ、ネットワークインスタンス情報、および/またはトンネル情報パラメータを含む。送信元インターフェイスパラメータは「5G VN internal」に設定される。ネットワークインスタンス情報は、5G VNグループに対応する値に設定される。トンネル情報パラメータは、UPFネットワークエレメント側のN19トンネルのGTP-U TEIDに設定される。
【0088】
DL PDRに関連付けられたDL FARは送信先インターフェイスパラメータを含み、N19トンネルまたはN6インターフェイスから受信され、DL PDRと一致する、データパケットを、送信先インターフェイスへ送信するために使用される。SMFネットワークエレメントは、送信先インターフェイスパラメータの値を、UPFネットワークエレメントの内部インターフェイスに対応する値(例えば、「5G VN internal」)に設定する。グループレベルN4セッションのDL FARが、グループレベルN4セッションのDL PDRと一致するデータパケットをUPFネットワークエレメントの内部インターフェイスへローカルに転送するために使用されることは理解されよう。
【0089】
しかしながら、本出願の実施形態ではマルチキャストタイプのDL PDRが導入される。このDL PDRは、N19トンネルかN6インターフェイスから受信されるマルチキャストパケットを検出するために使用され、具体的には、送信元インターフェイスパラメータ、ネットワークインスタンス情報、フィルタパラメータ、および/またはトンネル情報パラメータを含み得る。送信元インターフェイスパラメータは、「N6 LAN」または「core side」に設定される。ネットワークインスタンス情報は、5G VNグループに対応する値に設定される。フィルタパラメータでは、SMFネットワークエレメントによって指定されるブロードキャストアドレスかグループキャストアドレスが送信先アドレスとして使用される。トンネル情報パラメータは、UPFネットワークエレメント側のN19トンネルのGTP-U TEIDに設定される。DL PDRに関連付けられたDL FARの関連する説明については、ユニキャストパケットを検出するために使用されるDL PDRに関連付けられたDL FARの前述の説明を参照されたい。違いは、例えば、マルチキャストタイプのDL PDRに関連付けられたDL FARが、N19指示情報またはN6指示情報と共に、グループレベルN4セッションのDL PDRと一致するデータパケットを、UPFネットワークエレメントの内部インターフェイスへローカルに転送するために使用されることにある。ここでは詳細を再度説明しない。例えば、本出願の実施形態におけるN19指示情報は、現在のUPFネットワークエレメントを別のUPFネットワークエレメントに接続するN19トンネルのGTP-U TEIDであってよく、本出願の実施形態におけるN6指示情報は、例えば、N6インターフェイスに関する情報であってよい。
【0090】
加えて、PDUセッションおよびグループレベルN4セッションに対応するN4セッション、UL PDRに関連付けられたUL QERおよびUL URR、ならびにDL PDRに関連付けられたDL QERおよびDL URRの関連する説明については、先行技術を参照されたい。ここでは詳細を説明しない。
【0091】
6.データパケットをPDRと照合するプロセス:
先行技術では、データパケットを受信した後に、UPFネットワークエレメントは該データパケットを検出し、該データパケットがPDRと一致すると判断する(換言すると、データパケットはPDRと首尾よく一致する、またはPDRはデータパケットと首尾よく一致する)。具体的に述べると、以下の4つの照合プロセスが含まれる。
【0092】
(1)データパケットは、データパケットのPDUセッショントンネル情報、ネットワークインスタンス情報、インターフェイス情報、および/またはヘッダー情報に基づいて検出される。データパケットのPDUセッショントンネル情報、ネットワークインスタンス情報、インターフェイス情報、および/またはヘッダー情報が、PDUセッションに対応するN4セッションのUL PDR内の対応する1つまたは複数のパラメータとそれぞれ一致する場合、PDUセッションに対応するN4セッションのUL PDRはデータパケットと首尾よく一致する。
【0093】
(2)データパケットは、データパケットのインターフェイス情報、ネットワークインスタンス情報、およびヘッダー情報に基づいて検出される。インターフェイス情報、ネットワークインスタンス情報、およびヘッダー情報が、PDUセッションに対応するN4セッションのDL PDR内の対応するパラメータとそれぞれ一致する場合、PDUセッションに対応するN4セッションのDL PDRはデータパケットと首尾よく一致する。
【0094】
(3)データパケットは、データパケットのインターフェイス情報、ネットワークインスタンス情報、およびヘッダー情報に基づいて検出される。データパケットのインターフェイス情報、ネットワークインスタンス情報、およびヘッダー情報が、グループレベルN4セッションのUL PDR内の対応するパラメータとそれぞれ一致する場合、グループレベルN4セッションのUL PDRはデータパケットと首尾よく一致する。
【0095】
(4)データパケットは、データパケットのインターフェイス情報、ネットワークインスタンス情報、および/またはN19トンネル情報に基づいて検出される。データパケットのインターフェイス情報、ネットワークインスタンス情報、および/またはトンネル情報が、グループレベルN4セッションのDL PDR内の対応する1つまたは複数のパラメータとそれぞれ一致する場合、グループレベルN4セッションのDL PDRはデータパケットと首尾よく一致する。
【0096】
具体的な実施過程では、UPFネットワークエレメントは、データパケットをPDRと照合するために、前述の4つの照合プロセスのうちのいずれか1つ以上を遂行する。
【0097】
本出願の実施形態では、前述のパラメータ関連の照合が行われる。加えて、データパケットがマルチキャストアドレスを含む場合は、データパケットのインターフェイス情報、ネットワークインスタンス情報、ヘッダー情報内のマルチキャストアドレス、および/またはデータパケットのN19トンネル情報が、(UL PDRとDL PDRを含む)PDR内の対応する1つまたは複数のパラメータにそれぞれ等しい場合にのみ、PDRがデータパケットと首尾よく一致するとみなされる。
【0098】
7.UPFネットワークエレメント上でのルーティングルールの構成:
N4セッションを作成することをUPFネットワークエレメントに指示するときに、SMFネットワークエレメントは、N4セッションのために対応するルーティングルールを構成できる。
【0099】
図5に示されているように、ユーザーレベルN4セッションの場合は以下のステップが含まれる。
【0100】
S501:端末デバイスのPDUセッションを確立するときに、SMFネットワークエレメントは、端末デバイスが属するグループに対応するN4セッションを判断し、次いで、UPFネットワークエレメントへN4セッション確立(N4 session establishment)要求1を送信する。UPFネットワークエレメントは、SMFネットワークエレメントからN4セッション確立要求1を受信する。
【0101】
N4セッション確立要求1は、N4セッションに対応するN4セッション識別子とUL PDRとを含み、UPFネットワークエレメント上でN4セッション識別子に対応するN4セッションを確立することを要求するために使用される。
【0102】
UL PDRは、UL PDRに関連付けられたルールの識別子を含み、UL PDRに関連付けられたルールは、例えば、UL FARを含み得る。任意に選べることとして、UL PDRに関連付けられたルールは、UL URRとUL QERとをさらに含み得る。
【0103】
任意に選べることとして、UPFネットワークエレメントが、UL FARの識別子に対応するUL FAR、UL URRの識別子に対応するUL URR、またはUL QERの識別子に対応するUL QERを含まない場合、N4セッション確立要求1は、UL PDRに関連付けられたUL FAR、UL URR、またはUL QERをさらに含み得る。これは本書で具体的に限定されない。
【0104】
S502:端末デバイスのPDUセッションのアクセスデバイス側トンネル情報を受信した後に、SMFネットワークエレメントは、端末デバイスが属するグループに対応するN4セッションを判断し、次いで、UPFネットワークエレメントへN4セッション変更(N4 session modification)要求1を送信する。UPFネットワークエレメントは、SMFネットワークエレメントからN4セッション変更要求1を受信する。
【0105】
N4セッション変更要求1は、N4セッションに対応するN4セッション識別子とDL PDRとを含み、UPFネットワークエレメント上でN4セッション識別子に対応するN4セッションを変更することを要求するために使用される。
【0106】
DL PDRは、DL PDRに関連付けられたルールの識別子を含み、DL PDRに関連付けられたルールは、例えば、DL FARを含み得る。任意に選べることとして、DL PDRに関連付けられたルールは、DL URRとDL QERとをさらに含み得る。
【0107】
任意に選べることとして、UPFネットワークエレメントが、DL FARの識別子に対応するDL FAR、DL URRの識別子に対応するDL URR、またはDL QERの識別子に対応するDL QERを含まない場合、N4セッション変更要求1は、DL PDRに関連付けられたDL FAR、DL URR、またはDL QERをさらに含み得る。これは本書で具体的に限定されない。
【0108】
勿論、後ほどN4セッションを更新する必要があるなら(例えば、ルーティングルールを追加する必要がある、またはルーティングルールを削除する必要がある)、SMFネットワークエレメントは、N4セッションを更新するために、UPFネットワークエレメントへN4セッション変更要求を送信できる。あるいは、SMFネットワークエレメントは、端末デバイスのPDUセッションを解放するときに、UPFネットワークエレメントへN4セッション解放(N4 session release)要求を送信できる。N4セッション解放要求は、N4セッションの全てのコンテキストを削除することをUPFネットワークエレメントに要求するために使用される。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0109】
あるいは、図6に示されているように、グループレベルN4セッションの場合は以下のステップが含まれる。
【0110】
S601:初めてUPFネットワークエレメントが5G VNグループのためにサービスを提供すると判断するときに、SMFネットワークエレメントは、5G VNグループに対応するN4セッションを判断し、次いで、UPFネットワークエレメントへN4セッション確立(N4 session establishment)2を送信する。UPFネットワークエレメントは、SMFネットワークエレメントからN4セッション確立要求2を受信する。
【0111】
N4セッション確立要求2は、N4セッションに対応するN4セッション識別子、UL PDR、およびDL PDRを含み、UPFネットワークエレメント上でN4セッション識別子に対応するN4セッションを確立することを要求するために使用される。
【0112】
UL PDRは、UL PDRに関連付けられたルールの識別子を含む。DL PDRは、DL PDRに関連付けられたルールの識別子を含む。UL PDRに関連付けられたルールとDL PDRに関連付けられたルールの関連する説明については、前述の実施形態を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0113】
任意に選べることとして、UPFネットワークエレメントが、UL FARの識別子に対応するUL FAR、UL URRの識別子に対応するUL URR、またはUL QERの識別子に対応するUL QERを含まない場合、N4セッション確立要求2は、UL PDRに関連付けられたUL FAR、UL URR、またはUL QERをさらに含み得る。これは本書で具体的に限定されない。
【0114】
任意に選べることとして、UPFネットワークエレメントが、DL FARの識別子に対応するDL FAR、DL URRの識別子に対応するDL URR、またはDL QERの識別子に対応するDL QERを含まない場合、N4セッション確立要求2は、DL PDRに関連付けられたDL FAR、DL URR、またはDL QERをさらに含み得る。これは本書で具体的に限定されない。
【0115】
S602:5G VNグループに端末デバイスの新しいアドレスおよび/または新しいN19トンネルがあると判断すると、SMFネットワークエレメントは、5G VNグループに対応するN4セッションを判断し、次いで、UPFネットワークエレメントへN4セッション変更(N4 session modification)要求2を送信する。UPFネットワークエレメントは、SMFネットワークエレメントからN4セッション変更要求2を受信する。
【0116】
N4セッション変更要求2は、N4セッションに対応するN4セッション識別子、UL PDR、およびDL PDRを含む。これらのルーティングルールは、端末デバイスの新しいアドレスおよび/または新しいN19トンネルに関連する。
【0117】
UL PDRは、UL PDRに関連付けられたルールの識別子を含む。DL PDRは、DL PDRに関連付けられたルールの識別子を含む。UL PDRに関連付けられたルールとDL PDRに関連付けられたルールの関連する説明については、前述の実施形態を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0118】
任意に選べることとして、UPFネットワークエレメントが、UL FARの識別子に対応するUL FAR、UL URRの識別子に対応するUL URR、またはUL QERの識別子に対応するUL QERを含まない場合、N4セッション変更要求2は、UL PDRに関連付けられたUL FAR、UL URR、またはUL QERをさらに含み得る。これは本書で具体的に限定されない。
【0119】
任意に選べることとして、UPFネットワークエレメントが、DL FARの識別子に対応するDL FAR、DL URRの識別子に対応するDL URR、またはDL QERの識別子に対応するDL QERを含まない場合、N4セッション変更要求2は、DL PDRに関連付けられたDL FAR、DL URR、またはDL QERをさらに含み得る。これは本書で具体的に限定されない。
【0120】
S603:N19トンネルまたは5G VNグループの端末デバイスのアドレスを解放することを決定するときに、SMFネットワークエレメントは、5G VNグループに対応するN4セッションを判断し、次いで、UPFネットワークエレメントへN4セッション変更(N4 session modification)要求3を送信する。UPFネットワークエレメントは、SMFネットワークエレメントからN4セッション変更要求3を受信する。
【0121】
N4セッション変更要求3は、N4セッションに対応するN4セッション識別子、UL PDR、およびDL PDRを含む。これらのルーティングルールは、端末デバイスの解放されるべきアドレスおよび/または解放されるべきN19トンネルに関連する。
【0122】
UL PDRは、UL PDRに関連付けられたルールの識別子を含む。DL PDRは、DL PDRに関連付けられたルールの識別子を含む。UL PDRに関連付けられたルールとDL PDRに関連付けられたルールの関連する説明については、前述の実施形態を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0123】
任意に選べることとして、UPFネットワークエレメントが、UL FARの識別子に対応するUL FAR、UL URRの識別子に対応するUL URR、またはUL QERの識別子に対応するUL QERを含まない場合、N4セッション変更要求3は、UL PDRに関連付けられたUL FAR、UL URR、またはUL QERをさらに含み得る。これは本書で具体的に限定されない。
【0124】
任意に選べることとして、UPFネットワークエレメントが、DL FARの識別子に対応するDL FAR、DL URRの識別子に対応するDL URR、またはDL QERの識別子に対応するDL QERを含まない場合、N4セッション変更要求3は、DL PDRに関連付けられたDL FAR、DL URR、またはDL QERをさらに含み得る。これは本書で具体的に限定されない。
【0125】
勿論、後ほどN4セッションを更新する必要があるなら(例えば、ルーティングルールを追加する必要がある、またはルーティングルールを削除する必要がある)、SMFネットワークエレメントは、N4セッションを更新するために、UPFネットワークエレメントへN4セッション変更要求を送信できる。あるいは、SMFネットワークエレメントは、UPFネットワークエレメント上で5G VNグループの最後のPDUセッションを解放することを決定した場合に、UPFネットワークエレメントへN4セッション解放(N4 session release)要求を送信できる。N4セッション解放要求は、N4セッションの全てのコンテキストを削除することをUPFネットワークエレメントに要求するために使用される。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0126】
任意に選べることとして、本出願の本実施形態では、マルチキャストがブロードキャストである場合に、SMFネットワークエレメントは、UPFネットワークエレメント上のグループに対応する全てのユーザーレベルN4セッションと1つのグループレベルN4セッションのために、ブロードキャストパケットを検出するために使用されるPDRを構成する必要がある。ブロードキャストタイプのPDRは、アップリンクブロードキャストパケットを受信して処理するために使用されるUL PDRと、ダウンリンクブロードキャストパケットを受信して処理するために使用されるDL PDRとを含む。UL PDRは、UL PDRに関連付けられたルールの識別子を含み、DL PDRは、DL PDRに関連付けられたルールの識別子を含む。勿論、SMFネットワークエレメントは、端末デバイスがブロードキャストパケットの転送をサポートしないと判断した場合に、端末デバイスのユーザーレベルN4セッションのためにブロードキャストタイプのPDRを構成しない。あるいは、SMFネットワークエレメントは、UPFネットワークエレメントが、N6トンネル経由のブロードキャストパケット転送を、またはN19トンネル経由のブロードキャストパケット転送を、サポートしないと判断した場合に、端末デバイスのグループレベルN4セッションのためにブロードキャストタイプのPDRを構成しない。
【0127】
あるいは、任意に選べることとして、本出願の本実施形態では、マルチキャストがグループキャストである場合に、SMFネットワークエレメントは、該グループに対応し、グループキャスト通信をサポートする、全てのユーザーレベルN4セッションと1つのグループレベルN4セッションのために、グループキャストタイプのPDRを構成する必要がある。グループキャストタイプのPDRは、アップリンクグループキャストパケットを受信して処理するために使用されるUL PDRと、ダウンリンクグループキャストパケットを受信して処理するために使用されるDL PDRとを含む。UL PDRは、UL PDRに関連付けられたルールの識別子を含み、DL PDRは、DL PDRに関連付けられたルールの識別子を含む。勿論、SMFネットワークエレメントは、UPFネットワークエレメントが、N6トンネル経由のグループキャストパケット転送を、またはN19トンネル経由のグループキャストパケット転送を、サポートしないと判断した場合に、端末デバイスのグループレベルN4セッションのためにグループキャストタイプのPDRを構成しない。
【0128】
加えて、本出願の本実施形態において、SMFネットワークエレメントは、端末デバイスがグループキャストグループに加入すると判断した場合に、グループキャストグループのグループキャストアドレスを判断した後に、端末デバイスのPDUセッションのN4セッションにグループキャストタイプのPDRを加えることができる。あるいは、SMFネットワークエレメントは、端末デバイスがグループキャストグループから離脱すると判断した場合に、グループキャストグループのグループキャストアドレスを判断した後に、端末デバイスのN4セッションからグループキャストタイプのPDRを削除できる。グループキャストタイプのこれらのPDRは、グループキャストアドレスを含む。
【0129】
任意に選べることとして、SMFネットワークエレメントは、以下の方式で、端末デバイスがグループキャストグループに加入する/グループキャストグループから離脱することを判断できる。
【0130】
SMFネットワークエレメントは、端末デバイスがグループに加入する/グループから離脱することを判断するために、端末デバイスから非アクセス層(non-access stratum、NAS)要求を、例えばPDUセッション確立/変更メッセージを、受信する。
【0131】
あるいは、SMFネットワークエレメントは、端末デバイスがグループに加入/グループから離脱することを判断するために、UPFネットワークエレメントからIGMP join/離脱(leave)メッセージを受信する。
【0132】
あるいは、SMFネットワークエレメントは、端末デバイスがグループに加入すること、またはグループから離脱することを判断するために、ポリシーコントロール機能(policy control function、PCF)ネットワークエレメント/ネットワーク公開機能(network exposure function、NEF)ネットワークエレメントから、指示情報を、例えば、ポリシーおよび課金コントロール(policy control charge、PCC)ルール(rules)またはイベントサブスクリプション情報を、受信する。
【0133】
本出願の本実施形態は、端末デバイスがグループに加入/グループから離脱することをSMFネットワークエレメントによって判断する方式に制限を課さない。
【0134】
以下では、本出願の実施形態の添付の図面を参照しながら、本出願の実施形態の技術的なソリューションを説明する。本出願の説明で、「/」は、別段の指定がない限り、関連付けられた対象間の「または」関係を表す。例えば、A/Bは、AまたはBを表し得る。本出願における「および/または」という用語は、関連付けられた対象を説明するための関連付けの関係のみを示し、3つの関係が存在し得ることを示す。例えば、Aおよび/またはBは、以下の3つの場合、すなわち、Aのみが存在する場合、AとBの両方が存在する場合、およびBのみが存在する場合を示し得、AとBは単数である場合と複数である場合がある。加えて、別段の指定がない限り、本出願の説明における「複数の」は、2つ以上を意味する。「以下のうちの少なくとも1つの物品(項目)」またはこれと同様の表現は、単一の項目(物品)または複数の項目(物品)の任意の組合せを含む、これらの物品の任意の組合せを指す。例えば、a、b、またはcのうちの少なくとも1つ(1つの物品)は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、またはa-b-cを示し得、a、b、およびcは単数である場合と複数である場合がある。加えて、本出願の実施形態の技術的なソリューションを明確に説明するため、本出願の実施形態では、基本的に同じ機能および目的を有する同じ項目または類似する項目を区別するために「第1」および「第2」などの用語が使用される。当業者なら、「第1の」および「第2の」などの用語が数量や実行順序を限定するものではないこと、ならびに「第1の」および「第2の」などの用語が明確な違いを示すものではないことを理解できる。加えて、本出願の実施形態において、「例」または「例えば」などの語は、例、例示、または説明を与えることを表すために使用される。本出願の実施形態で「例」または「例えば」として説明されているどの実施形態または設計も、別の実施形態または設計より好ましいものとして、またはより多くの利点を有するものとして、説明されるべきではない。正確には、「例」または「例えば」などの語は、理解を容易にするために、関連する概念を特定の方法で提示することを意図している。
【0135】
本出願の実施形態で提供される技術的なソリューションは、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)システムまたはニューラジオ(new radio、NR)システム(5Gシステムと呼ばれることもある)、または別の新しい未来指向システム、例えばプログラマブルユーザープレーンシステムなどの様々な通信システムで使用され得る。これは本出願の実施形態で具体的に限定されない。加えて、用語「システム」および「ネットワーク」は交換可能である。
【0136】
図7は、本出願の一実施形態による通信システム70を示す。通信システム70は、セッション管理機能ネットワークエレメント701とユーザープレーン機能ネットワークエレメント702とを含む。セッション管理機能ネットワークエレメント701は、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント702と直接通信してよく、または別のデバイスによる転送を通じてユーザープレーン機能ネットワークエレメント702と通信してもよい。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0137】
セッション管理機能ネットワークエレメント701は、第1のPDRを得るように構成される。第1のPDRはマルチキャストパケットを検出するために使用され、第1のPDRは別のPDRとの照合を続行することを指示する。セッション管理機能ネットワークエレメント701はさらに、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント702へN4セッション識別子と第1のPDRを送信するように構成される。ユーザープレーン機能ネットワークエレメント702は、セッション管理機能ネットワークエレメント701からN4セッション識別子と第1のPDRを受信し、なおかつユーザープレーン機能ネットワークエレメント702上でN4セッション識別子に対応するN4セッションにて第1のPDRを構成するように構成される。ユーザープレーン機能ネットワークエレメント702はさらに、マルチキャストパケットを受信し、なおかつマルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント702上のPDRと照合し、マルチキャストパケットがマルチキャストアドレスを含む、ように構成される。ユーザープレーン機能ネットワークエレメント702はさらに、マルチキャストパケットが第1のPDRと首尾よく一致する場合に、マルチキャストパケットと別のPDRとの照合を続行するように構成される。このソリューションの具体的な実装については、以降の方法の実施形態で詳しく説明する。ここでは詳細を説明しない。
【0138】
この通信システムに基づいて、本出願の本実施形態では、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のN4セッションのためにセッション管理機能ネットワークエレメントによって構成されるルーティングルールが、マルチキャストパケットを検出するために使用される第1のPDRを含む。マルチキャストパケットが第1のPDRと首尾よく一致した後に、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントは、マルチキャストパケットとユーザープレーン機能ネットワークエレメント上の別のPDRとの照合を続行する。換言すると、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって受信されるマルチキャストパケットは複数のPDRと一致し得、その結果、マルチキャストパケットは、複数のPDRに関連付けられたルール(例えば、FAR)に従って複数の端末デバイスへ転送され得る。このソリューションでは、端末デバイスメンバーが変わるときに、セッション管理機能ネットワークエレメントが過剰な作業を行う必要はない。したがって、端末デバイスメンバーが変わるときにFAR内の指示情報を相応に更新する必要があるソリューションと比べて、このソリューションは、マルチキャストパケットの転送効率を上げ、セッション管理機能ネットワークエレメントとユーザープレーン機能ネットワークエレメントとの間のFAR更新に関わるシグナリング相互作用手順を減らし、シグナリングオーバーヘッドを減らすことができる。
【0139】
任意に選べることとして、図7に示されている通信システム70は、現在の5Gネットワーク、または別の将来のネットワークなどで使用されてよい。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0140】
例えば、図7に示されている通信システム70が現在の5Gネットワークで使用されると仮定する。図8に示されているように、前述のセッション管理機能ネットワークエレメントに対応するネットワークエレメントまたはエンティティは、5Gネットワーク内のSMFネットワークエレメントであってよく、前述のユーザープレーン機能ネットワークエレメントに対応するネットワークエレメントまたはエンティティは、5Gネットワーク内のUPFネットワークエレメントであってよい。
【0141】
加えて、図8に示されているように、5Gネットワークは、アクセスデバイス、PCFネットワークエレメント、NEFネットワークエレメント、アクセスおよびモビリティ管理機能(access and mobility management function、AMF)ネットワークエレメントなどをさらに含み得る。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0142】
図8に示されているように、端末デバイスは次世代(next generation、NG)1インターフェイス(略してN1)を通じてAMFネットワークエレメントと通信し、アクセスデバイスはNG 2インターフェイス(略してN2)を通じてAMFネットワークエレメントと通信し、アクセスデバイスはNG 3インターフェイス(略してN3)を通じてUPFネットワークエレメントと通信し、UPFネットワークエレメントはNG 6インターフェイス(略してN6)を通じてDNと通信し、AMFネットワークエレメントはNG 11インターフェイス(略してN11)を通じてSMFネットワークエレメントと通信し、SMFネットワークエレメントはNG 29インターフェイス(略してN29)を通じてNEFネットワークエレメントと通信する。
【0143】
任意に選べることとして、本出願の本実施形態における端末デバイスは、無線通信機能を実施するように構成されたデバイスであってよく、例えば、端末、または端末内で使用できるチップであってよい。端末は、LTEシステム、NRシステム、または将来の進化型PLMNにおけるユーザー機器(user equipment、UE)、アクセス端末、端末ユニット、端末ステーション、モバイルステーション、モバイルコンソール、リモートステーション、リモート端末、モバイルデバイス、無線通信デバイス、端末エージェント、端末装置などであってよい。アクセス端末は、セル方式電話機、コードレス電話機、セッション開始プロトコル(session initiation protocol、SIP)電話機、無線ローカルループ(wireless local loop、WLL)ステーション、個人用デジタル補助装置(personal digital assistant、PDA)、無線通信機能を有するハンドヘルドデバイスまたは計算デバイス、無線モデムに接続される別の処理デバイス、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、仮想現実(virtual reality、VR)端末デバイス、拡張現実(augmented reality、AR)端末デバイス、産業制御(industrial control)の無線端末、自動運転(self driving)の無線端末、遠隔医療(remote medical)の無線端末、スマートグリッド(smart grid)の無線端末、輸送安全(transportation safety)の無線端末、スマートシティ(smart city)の無線端末、またはスマートホーム(smart home)の無線端末などであってよい。端末は可動であってよく、または固定位置にあってもよい。
【0144】
任意に選べることとして、本出願の本実施形態におけるアクセスデバイスは、コアネットワークにアクセスするデバイスである。例えば、アクセスデバイスは、基地局、ブロードバンドネットワークゲートウェイ(broadband network gateway、BNG)、集約スイッチ、または非3GPPアクセスデバイスであってよい。基地局は、様々な形態の基地局を、例えば、マクロ基地局、マイクロ基地局(スモールセルと呼ばれることもある)、中継局、およびアクセスポイントを、含み得る。
【0145】
任意に選べることとして、本出願の本実施形態において、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントまたはセッション管理機能ネットワークエレメントの関連機能は、1つのデバイスによって実施されてよく、または複数のデバイスによって共同で実施されてもよく、または1つのデバイス内の1つ以上の機能モジュールによって実施されてもよい。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。前述の機能が、ハードウェアデバイス上のネットワークエレメントの機能であってよく、または専用のハードウェア上で実行されるソフトウェア機能であってもよく、またはハードウェアとソフトウェアとの組合せの機能であってもよく、またはプラットフォーム(例えば、クラウドプラットフォーム)上でインスタンス化される仮想化機能であってもよいことは理解されよう。
【0146】
例えば、本出願の本実施形態におけるユーザープレーン機能ネットワークエレメントまたはセッション管理機能ネットワークエレメントの関連機能は、図9の通信デバイス900によって実施されてよい。図9は、本出願の一実施形態による通信デバイス900の概略構造図である。通信デバイス900は、1つ以上のプロセッサ901と、通信回線902と、少なくとも1つの通信インターフェイスとを含む(図9で、通信デバイス900が通信インターフェイス904と1つのプロセッサ901を含むことは、説明のための一例にすぎない)。任意に選べることとして、通信デバイス900はメモリー903をさらに含み得る。
【0147】
プロセッサ901は、汎用中央処理装置(central processing unit、CPU)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、または本出願のソリューションのプログラム実行を制御する1つ以上の集積回路であってよい。
【0148】
通信回線902は、各種コンポーネントを接続するために使用される経路を含み得る。
【0149】
通信インターフェイス904は、別のデバイスと、またはEthernet、RAN、または無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area networks、WLAN)などの通信ネットワークと、通信するように構成されたトランシーバモジュールであってよい。例えば、トランシーバモジュールは、トランシーバまたはトランシーバコンポーネントなどの装置であってよい。任意に選べることとして、通信インターフェイス904は、代わりに、プロセッサ901の内部に位置するトランシーバ回路であってもよく、プロセッサの信号入力と信号出力を実施するように構成される。
【0150】
メモリー903は、保管機能を有する装置であってよい。メモリー903は、静的情報および命令を保管できる読み取り専用メモリー(read-only memory、ROM)もしくは別種の静的記憶装置、または情報と命令を保管できるランダムアクセスメモリー(random access memory、RAM)もしくは別種の動的記憶装置であってよい。メモリー903は、代わりに、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリー(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、コンパクトディスク読み取り専用メモリー(compact disc read-only memory、CD-ROM)もしくは別のコンパクトディスクストレージ、光ディスクストレージ(コンパクトディスク、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク、ブルーレイディスクなどを含む)、磁気ディスク記憶媒体もしくは別の磁気記憶装置、または命令もしくはデータ構造の形態で予期されるプログラムコードを携えるもしくは保管するために使用されることができ、コンピュータによってアクセス可能な、他の何らかの媒体であってもよい。しかしながら、メモリー903はこれらに限定されない。メモリーは独立して存在してよく、通信回線902を通じてプロセッサに接続される。あるいは、メモリーはプロセッサと一体化されてもよい。
【0151】
メモリー903は、本出願のソリューションを実行するコンピュータ実行可能命令を保管するように構成され、プロセッサ901は、コンピュータ実行可能命令の実行を制御する。プロセッサ901は、本出願の実施形態で提供されるマルチキャスト通信方法を実施するために、メモリー903に保管されたコンピュータ実行可能命令を実行するように構成される。
【0152】
あるいは、任意に選べることとして、本出願の本実施形態において、プロセッサ901は、本出願の以下の実施形態で提供されるマルチキャスト通信方法で処理関連の機能を遂行でき、通信インターフェイス904は、別のデバイスまたは通信ネットワークとの通信を担当する。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0153】
任意に選べることとして、本出願の本実施形態におけるコンピュータ実行可能命令は、アプリケーションプログラムコードと呼ばれることもある。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0154】
具体的な実装に際して、一実施形態では、プロセッサ901は、1つ以上のCPUを、例えば、図9のCPU 0およびCPU 1を、含み得る。
【0155】
具体的な実装に際して、一実施形態では、通信デバイス900は、複数のプロセッサを、例えば、図9のプロセッサ901およびプロセッサ908を、含み得る。プロセッサの各々は、シングルコア(single-CPU)プロセッサまたはマルチコア(multi-CPU)プロセッサであってよい。本書におけるプロセッサは、データ(例えば、コンピュータプログラム命令)を処理するように構成された1つ以上のデバイス、回路、および/または処理コアを指し得る。
【0156】
具体的な実装に際して、一実施形態では、通信デバイス900は、出力デバイス905と入力デバイス906とをさらに含み得る。出力デバイス905はプロセッサ901と通信し、複数の方式で情報を表示できる。例えば、出力デバイス905は、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、発光ダイオード(light emitting diode、LED)ディスプレイデバイス、陰極線管(cathode ray tube、CRT)ディスプレイデバイス、プロジェクタ(projector)などであってよい。入力デバイス906はプロセッサ901と通信し、複数の方式でユーザーの入力を受け取ることができる。例えば、入力デバイス906は、マウス、キーボード、タッチスクリーンデバイス、感知デバイスなどであってよい。
【0157】
通信デバイス900は、通信装置と呼ばれることもあり、汎用デバイスまたは専用デバイスであってよい。例えば、通信デバイス900は、デスクトップコンピュータ、ポータブルコンピュータ、ネットワークサーバー、パームトップコンピュータ(personal digital assistant、PDA)、携帯電話機、タブレットコンピュータ、無線端末デバイス、埋め込みデバイス、前述の端末デバイス、前述のネットワークデバイス、または図9に示されている構造と同様の構造を有するデバイスであってよい。通信デバイス900のタイプは本出願の本実施形態で限定されない。
【0158】
以下、図1から図9を参照しながら本出願の実施形態で提供されるマルチキャスト通信方法を詳しく説明する。
【0159】
本出願の以下の実施形態において、ネットワークエレメント間のメッセージの名称、メッセージ内のパラメータの名称などが単なる例であり、具体的な実装では他の名称が存在し得ることに注意されたい。これは本出願の実施形態で具体的に限定されない。
【0160】
例えば、図7に示されている通信システムは、図8に示されている5Gネットワークで使用される。図10は、本出願の一実施形態によるマルチキャスト通信方法を示す。この方法は以下のステップを含む。
【0161】
S1001:UPFネットワークエレメントはマルチキャストパケットを受信し、このマルチキャストパケットはマルチキャストアドレスを含む。
【0162】
S1002:UPFネットワークエレメントはマルチキャストパケットをUPFネットワークエレメント上のPDRと照合する。
【0163】
S1003:マルチキャストパケットが第1のPDRと首尾よく一致し、第1のPDRが別のPDRとの照合を続行することを指示する場合に、UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットと別のPDRとの照合を続行する。
【0164】
任意に選べることとして、本出願の本実施形態において、別のPDRの優先順位は第1のPDRの優先順位より高くない。ここでは一般的な説明を提供しており、以下では詳細を再度説明しない。
【0165】
UPFネットワークエレメント上で第1のPDRと別のPDRを構成するプロセスについては、図5または図6に示されている実施形態を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0166】
本出願の本実施形態における第1のPDRと別のPDRの両方が、UL PDRまたはDL PDRであり得ることに注意されたい。あるいは、本出願の本実施形態における第1のPDRはUL PDRであり、別のPDRはUL PDRおよび/またはDL PDRを含む。あるいは、本出願の本実施形態における第1のPDRはDL PDRであり、別のPDRはUL PDRおよび/またはDL PDRを含む。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0167】
任意に選べることとして、本出願の本実施形態において、マルチキャストパケットはブロードキャストパケットを含み、相応に、マルチキャストアドレスはブロードキャストアドレスを含む。あるいは、マルチキャストパケットはグループキャストパケットを含み、相応に、マルチキャストアドレスはグループキャストアドレスを含む。ブロードキャストアドレスまたはグループキャストアドレスの関連する説明については、「発明を実施するための形態」の前書き部分を参照されたく、ここでは詳細を再度説明しない。
【0168】
このマルチキャスト通信方法によると、マルチキャストパケットが第1のPDRと首尾よく一致した後に、第1のPDRが別のPDRとの照合を続行することを指示する場合、UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットと別のPDRとの照合を続行する。換言すると、UPFネットワークエレメントによって受信されるマルチキャストパケットは複数のPDRと一致し得、その結果、マルチキャストパケットは、複数のPDRに関連付けられたFAR、QER、およびURRに従って複数の端末デバイスへ転送され得る。このソリューションでは、端末デバイスメンバーが変わるときに、SMFネットワークエレメントが過剰な作業を行う必要はない。したがって、端末デバイスメンバーが変わるときにFAR内の指示情報を相応に更新する必要があるソリューションと比べて、このソリューションは、マルチキャストパケットの転送効率を上げ、SMFネットワークエレメントとUPFネットワークエレメントとの間のFAR更新に関わるシグナリング相互作用手順を減らし、シグナリングオーバーヘッドを減らすことができる。
【0169】
前述したステップS1001~S1003におけるUPFネットワークエレメントの活動は、図9に示された通信デバイス900内のプロセッサ901によって、メモリー903に保管されたアプリケーションプログラムコードを呼び出すことによって遂行され得る。これは本出願の本実施形態で限定されない。
【0170】
以下、具体的な実装を参照しながら図10に示されているマルチキャスト通信方法を詳しく説明する。
【0171】
可能な一実装において、マルチキャストパケットをUPFネットワークエレメント上のPDRと照合するときに、UPFネットワークエレメントはまず、マルチキャストパケットを、PDRが属するN4セッションと照合する。さらに、UPFネットワークエレメントは、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッションの各PDRと照合する。具体的に述べると、図11に示されているように、本出願の一実施形態で提供されるマルチキャスト通信方法は以下のステップを含む。
【0172】
S1101:UPFネットワークエレメントはマルチキャストパケットを受信し、このマルチキャストパケットはマルチキャストアドレスを含む。
【0173】
任意に選べることとして、本出願の本実施形態において、UPFネットワークエレメントが端末デバイスからマルチキャストパケットを受信する場合は、マルチキャストパケットはマルチキャストパケットの送信元情報をさらに含み得る。マルチキャストパケットの送信元情報は、マルチキャストパケットを送信する端末デバイスのアドレス情報を含む。
【0174】
例えば、マルチキャストパケットを送信する端末デバイスのアドレス情報は、例えば、端末デバイスのIPアドレスまたはMACアドレスであってよい。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0175】
あるいは、任意に選べることとして、本出願の本実施形態において、UPFネットワークエレメントがN19トンネルかDNからマルチキャストパケットを受信する場合は、UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットを受信するときに、マルチキャストパケットの送信元情報をさらに受信できる。マルチキャストパケットの送信元情報はN19指示情報またはN6指示情報を含む。N6指示情報またはN19指示情報は、マルチキャストパケットをカプセル化するためのGTP-Uトンネルヘッダー情報に含まれる。
【0176】
例えば、本出願の本実施形態におけるN19指示情報は、例えば、現在のUPFネットワークエレメントを別のUPFネットワークエレメントに接続するN19トンネルのGTP-U TEIDであってよい。
【0177】
例えば、本出願の本実施形態におけるN6指示情報は、例えば、N6インターフェイスに関する情報であってよい。
【0178】
S1102:マルチキャストパケットが属するN4セッションを判断し、このN4セッションで一致するPDRを見つけた後に、UPFネットワークエレメントは、再照合を行うために、PDRに関連付けられたルールに従って、UPFネットワークエレメントの内部インターフェイスへマルチキャストパケットを転送する。
【0179】
上述したように、本出願の本実施形態において、PDRに関連付けられたルールは、例えばFARを含み得る。任意に選べることとして、PDRに関連付けられたルールは、URRとQERをさらに含み得る。ここでは一般的な説明を提供しており、以下では詳細を再度説明しない。
【0180】
任意に選べることとして、本出願の本実施形態において、マルチキャストパケットが属するN4セッションをUPFネットワークエレメントが判断することは、
【0181】
UPFネットワークエレメントが、マルチキャストパケットに対応するネットワークインスタンス情報とインターフェイス情報とを判断することを含み得る。インターフェイス情報がN19インターフェイス情報またはN6インターフェイス情報である場合、UPFネットワークエレメントは、関連付け関係1を参照して、マルチキャストパケットに対応するネットワークインスタンス情報およびインターフェイス情報に基づいて、UPFネットワークエレメント上でマルチキャストパケットが属するN4セッションを判断する。関連付け関係1は、ネットワークインスタンス情報、インターフェイス情報、およびN4セッションの識別子の間の関連付け関係を含む。あるいは、インターフェイス情報がN3インターフェイス情報である(すなわち、UPFネットワークエレメントが端末デバイスからマルチキャストパケットを受信する)場合、UPFネットワークエレメントは、関連付け関係2を参照して、マルチキャストパケットを送信する端末デバイスのアドレス情報と、マルチキャストパケットに対応するネットワークインスタンス情報およびインターフェイス情報とに基づいて、UPFネットワークエレメント上でマルチキャストパケットが属するN4セッションを判断する。関連付け関係2は、ネットワークインスタンス情報、インターフェイス情報、マルチキャストパケットを送信する端末デバイスのアドレス情報、およびN4セッションの識別子の間の関連付け関係を含む。
【0182】
あるいは、任意に選べることとして、本出願の本実施形態において、マルチキャストパケットが属するN4セッションをUPFネットワークエレメントが判断することは、
【0183】
UPFネットワークエレメントが、マルチキャストパケットに対応するネットワークインスタンス情報とインターフェイス情報とを判断することを含み得る。インターフェイス情報がN19インターフェイス情報またはN6インターフェイス情報である場合、UPFネットワークエレメントは、第1の対象PDRを参照し、マルチキャストパケットに対応するネットワークインスタンス情報およびインターフェイス情報に基づいて、UPFネットワークエレメント上でマルチキャストパケットが属するN4セッションを判断する。第1の対象PDRは、ネットワークインスタンス情報、インターフェイス情報、およびN4セッションの識別子の間の関連付け関係を含む。あるいは、インターフェイス情報がN3インターフェイス情報である(すなわち、UPFネットワークエレメントが端末デバイスからマルチキャストパケットを受信する)場合、UPFネットワークエレメントは、第2の対象PDRを参照して、マルチキャストパケットを送信する端末デバイスのアドレス情報と、マルチキャストパケットに対応するネットワークインスタンス情報およびインターフェイス情報とに基づいて、UPFネットワークエレメント上でマルチキャストパケットが属するN4セッションを判断する。第2の対象PDRは、ネットワークインスタンス情報、インターフェイス情報、マルチキャストパケットを送信する端末デバイスのアドレス情報、およびN4セッションの識別子の間の関連付け関係を含む。
【0184】
本出願の本実施形態における第1の対象PDRと第2の対象PDRが、UPFネットワークエレメント上で構成される特殊なPDRであり、マルチキャストパケットが属するN4セッションを判断するために使用されることに注意されたい。ここでは一般的な説明を提供しており、以下では詳細を再度説明しない。加えて、本出願の本実施形態における第1の対象PDRと第2の対象PDRは、同じPDRであってよく、または異なるPDRであってもよい。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0185】
S1103:UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションを見つけることができるかどうかを判断する。
【0186】
UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションを見つけることができると判断した場合に、以下のステップS1104を遂行する。あるいは、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションを見つけることができないとUPFネットワークエレメントが判断した場合、手順は終了する。
【0187】
S1104:UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットと一致するPDRが存在するかどうかを判断するために、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッションの各PDRと照合する。
【0188】
マルチキャストパケットをPDRと照合するプロセスについては、「発明を実施するための形態」の前書き部分でデータパケットをPDRと照合するプロセスを参照されたく、ここでは詳細を再度説明しない。
【0189】
UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットと一致するPDRが存在すると判断し、そのPDRがパケット複製情報を含む場合に、以下のステップS1105を遂行する。あるいは、UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットと一致するPDRが存在しないと判断した場合に、ステップS1103に戻る。
【0190】
S1105:マルチキャストパケットがPDRと首尾よく一致する場合、UPFネットワークエレメントは、PDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致するかどうかを判断する。
【0191】
UPFネットワークエレメントは、PDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致すると判断した場合に、以下のステップS1106を遂行し、その後、前述のステップS1103に戻る。あるいは、UPFネットワークエレメントは、PDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しないと判断した場合に、以下のステップS1107を遂行し、その後、前述のステップS1103に戻る。
【0192】
任意に選べることとして、本出願の本実施形態において、PDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致するということは、PDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報とは異なることを意味する。PDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しないということは、PDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と同じであることを意味する。ここでは一般的な説明を提供しており、以下では詳細を再度説明しない。
【0193】
S1106:UPFネットワークエレメントはマルチキャストパケットを複製し、PDRに関連付けられたルールに従って複製されたマルチキャストパケットを処理する。
【0194】
S1107:UPFネットワークエレメントは、PDRに関連付けられたルールに従ってマルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップする。
【0195】
本出願の本実施形態において、マルチキャストパケットと一致するPDRがN4セッションに存在する場合には、デフォルトにより、PDRが別のPDRとの照合を続行することを指示すると考えられる。したがって、前述のステップS1106またはステップS1107が遂行された後に、UPFネットワークエレメントは前述のステップS1103に戻ることができる。例えば、PDRは、タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報を含み得る。タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報は、別のPDRとの照合を続行することを指示するために使用され、タイプ指示は、例えば、ブロードキャストまたはグループキャストを指示し得る。
【0196】
マルチキャストパケットがUPFネットワークエレメント上の別のPDRと照合され、複製されたマルチキャストパケットがPDRに関連付けられたルールに従って処理される一例を用いて、本出願の本実施形態が説明されていることに注意されたい。勿論、代わりに、UPFネットワークエレメントは複製されたマルチキャストパケットをUPFネットワークエレメント上の別のPDRと照合し、現在のPDRに関連付けられたルールに従って、現在のPDRと一致するマルチキャストパケットを処理することもできる。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0197】
本出願の本実施形態で提供されるマルチキャスト通信方法によると、マルチキャストパケットがPDRと首尾よく一致した後に、このPDRが別のPDRとの照合を続行することを指示する場合は、UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットとUPFネットワークエレメント上の別のPDRとの照合を続行する。換言すると、UPFネットワークエレメントによって受信されるマルチキャストパケットは複数のPDRと一致し得、その結果、マルチキャストパケットは、複数のPDRに関連付けられたルールに従って複数の端末デバイスへ転送され得る。このソリューションでは、端末デバイスメンバーが変わるときに、SMFネットワークエレメントが過剰な作業を行う必要はない。したがって、端末デバイスメンバーが変わるときにFAR内の指示情報を相応に更新する必要があるソリューションと比べて、このソリューションは、マルチキャストパケットの転送効率を上げ、SMFネットワークエレメントとUPFネットワークエレメントとの間のFAR更新に関わるシグナリング相互作用手順を減らし、シグナリングオーバーヘッドを減らすことができる。
【0198】
前述したステップS1101~S1107におけるUPFネットワークエレメントの活動は、図9に示された通信デバイス900内のプロセッサ901によって、メモリー903に保管されたアプリケーションプログラムコードを呼び出すことによって遂行され得る。これは本出願の本実施形態で限定されない。
【0199】
あるいは、別の可能な一実装において、マルチキャストパケットをUPFネットワークエレメント上のPDRと照合するときに、UPFネットワークエレメントはまず、マルチキャストパケットを、PDRが属するN4セッションと照合する。さらに、UPFネットワークエレメントは、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッションの各PDRと照合する。具体的に述べると、図12に示されているように、本出願の一実施形態で提供されるマルチキャスト通信方法は以下のステップを含む。
【0200】
ステップS1201~S1203は、図11に示されている実施形態のステップS1101~S1103と同じである。関連する説明については、図11に示されている実施形態を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0201】
S1204:UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットと一致するPDRが存在するかどうかを判断するために、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッションの各PDRと照合する。
【0202】
マルチキャストパケットをPDRと照合するプロセスについては、「発明を実施するための形態」の前書き部分でデータパケットをPDRと照合するプロセスを参照されたく、ここでは詳細を再度説明しない。
【0203】
マルチキャストパケットと一致するPDRが存在するとUPFネットワークエレメントが判断し、そのPDRがパケット複製スキップ情報を含む場合、UPFネットワークエレメントは以下のステップS1205を遂行する。あるいは、UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットと一致するPDRが存在しないと判断した場合に、ステップS1203に戻る。
【0204】
S1205:マルチキャストパケットがPDRと首尾よく一致する場合、UPFネットワークエレメントは、そのPDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致するかどうかを判断する。
【0205】
UPFネットワークエレメントは、PDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しないと判断した場合に、以下のステップS1206を遂行し、次いで、前述のステップS1203に戻る。あるいは、UPFネットワークエレメントは、PDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致すると判断した場合に、以下のステップS1207を遂行し、次いで、前述のステップS1203に戻る。
【0206】
任意に選べることとして、本出願の本実施形態において、PDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致するということは、PDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と同じであることを意味する。PDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しないということは、PDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と異なることを意味する。ここでは一般的な説明を提供しており、以下では詳細を再度説明しない。
【0207】
S1206:UPFネットワークエレメントはマルチキャストパケットを複製し、PDRに関連付けられたルールに従って複製されたマルチキャストパケットを処理する。
【0208】
S1207:UPFネットワークエレメントは、PDRに関連付けられたルールに従って複製されたマルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップする。
【0209】
本出願の本実施形態において、マルチキャストパケットと一致するPDRがN4セッションに存在する場合には、デフォルトにより、PDRが別のPDRとの照合を続行することを指示すると考えられる。したがって、前述のステップS1206またはステップS1207が遂行された後に、UPFネットワークエレメントは前述のステップS1203に戻ることができる。例えば、PDRは、タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報を含み得る。タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報は、別のPDRとの照合を続行することを指示するために使用され、タイプ指示は、例えば、ブロードキャストまたはグループキャストを指示し得る。
【0210】
マルチキャストパケットがUPFネットワークエレメント上の別のPDRと照合され、複製されたマルチキャストパケットがPDRに関連付けられたルールに従って処理される一例を用いて、本出願の本実施形態が説明されていることに注意されたい。勿論、代わりに、UPFネットワークエレメントは複製されたマルチキャストパケットをUPFネットワークエレメント上の別のPDRと照合し、現在のPDRに関連付けられたルールに従って、現在のPDRと一致するマルチキャストパケットを処理することもできる。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0211】
本出願の本実施形態で提供されるマルチキャスト通信方法によると、マルチキャストパケットがPDRと首尾よく一致した後に、このPDRが別のPDRとの照合を続行することを指示する場合は、UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットとUPFネットワークエレメント上の別のPDRとの照合を続行する。換言すると、UPFネットワークエレメントによって受信されるマルチキャストパケットは複数のPDRと一致し得、その結果、マルチキャストパケットは、複数のPDRに関連付けられたルールに従って複数の端末デバイスへ転送され得る。このソリューションでは、端末デバイスメンバーが変わるときに、SMFネットワークエレメントが過剰な作業を行う必要はない。したがって、端末デバイスメンバーが変わるときにFAR内の指示情報を相応に更新する必要があるソリューションと比べて、このソリューションは、マルチキャストパケットの転送効率を上げ、SMFネットワークエレメントとUPFネットワークエレメントとの間のFAR更新に関わるシグナリング相互作用手順を減らし、シグナリングオーバーヘッドを減らすことができる。
【0212】
前述したステップS1201~S1207におけるUPFネットワークエレメントの活動は、図9に示された通信デバイス900内のプロセッサ901によって、メモリー903に保管されたアプリケーションプログラムコードを呼び出すことによって遂行され得る。これは本出願の本実施形態で限定されない。
【0213】
あるいは、別の可能な一実装において、マルチキャストパケットをUPFネットワークエレメント上のPDRと照合するときに、UPFネットワークエレメントは、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上の各PDRと直接照合する。具体的に述べると、図13に示されているように、本出願の一実施形態で提供されるマルチキャスト通信方法は以下のステップを含む。
【0214】
ステップS1301およびS1302は、図11に示されている実施形態のステップS1101およびS1102と同じである。関連する説明については、図11に示されている実施形態を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0215】
S1303:UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットと一致するPDRが存在するかどうかを判断するために、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをUPFネットワークエレメント上の各PDRと照合する。
【0216】
マルチキャストパケットをPDRと照合するプロセスについては、「発明を実施するための形態」の前書き部分でデータパケットをPDRと照合するプロセスを参照されたく、ここでは詳細を再度説明しない。
【0217】
マルチキャストパケットと一致するPDRが存在するとUPFネットワークエレメントが判断し、そのPDRがパケット複製情報を含む場合、UPFネットワークエレメントは以下のステップS1304を遂行する。あるいは、マルチキャストパケットと一致するPDRが存在しないとUPFネットワークエレメントが判断した場合に、手順は終了する。
【0218】
ステップS1304~ステップS1306は、図11に示されている実施形態のステップS1105~ステップS1107と同じである。関連する説明については、図11に示されている実施形態を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0219】
S1307:マルチキャストパケットがPDRと首尾よく一致する場合、UPFネットワークエレメントは、そのPDRが指示情報を含むかどうかを判断し、この指示情報は別のPDRとの照合を続行することを指示する。
【0220】
例えば、指示情報は、例えば、タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報を含み得、タイプ指示は、例えば、ブロードキャストまたはグループキャストを指示し得る。
【0221】
UPFネットワークエレメントは、PDRが指示情報を含むと判断した場合に、ステップS1303に戻る。あるいは、UPFネットワークエレメントは、PDRが指示情報を含まないと判断した場合に、以下のステップS1308を遂行する。
【0222】
S1308:UPFネットワークエレメントは、PDRに関連付けられたルールに従って現在のマルチキャストパケットを処理する。
【0223】
任意に選べることとして、本出願の本実施形態において、ステップS1304とステップS1307との間には必然的な実行順序はない。ステップS1304は、ステップS1307の前または後に遂行されてよい。あるいは、ステップS1304とステップS1307が同時に遂行されてもよい。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0224】
勿論、本出願の本実施形態において、UPFネットワークエレメントがマルチキャストアドレスに基づいてマルチキャストパケットのタイプを判断できる場合は、UPFネットワークエレメントは、代わりに、ステップS1303に戻ってもよい。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0225】
マルチキャストパケットがUPFネットワークエレメント上の別のPDRと照合され、複製されたマルチキャストパケットがPDRに関連付けられたルールに従って処理される一例を用いて、本出願の本実施形態が説明されていることに注意されたい。勿論、代わりに、UPFネットワークエレメントは複製されたマルチキャストパケットをUPFネットワークエレメント上の別のPDRと照合し、現在のPDRに関連付けられたFAR、QER、およびURRに従って、現在のPDRと一致するマルチキャストパケットを処理することもできる。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0226】
本出願の本実施形態で提供されるマルチキャスト通信方法によると、マルチキャストパケットがPDRと首尾よく一致した後に、該PDRが別のPDRとの照合を続行することを指示する場合は、UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットと、優先順位が該PDRの優先順位より高くないUPFネットワークエレメント上の別のPDRとの照合を続行する。換言すると、UPFネットワークエレメントによって受信されるマルチキャストパケットは複数のPDRと一致し得、その結果、マルチキャストパケットは、複数のPDRに関連付けられたルールに従って複数の端末デバイスへ転送され得る。このソリューションでは、端末デバイスメンバーが変わるときに、SMFネットワークエレメントが過剰な作業を行う必要はない。したがって、端末デバイスメンバーが変わるときにFAR内の指示情報を相応に更新する必要があるソリューションと比べて、このソリューションは、マルチキャストパケットの転送効率を上げ、SMFネットワークエレメントとUPFネットワークエレメントとの間のFAR更新に関わるシグナリング相互作用手順を減らし、シグナリングオーバーヘッドを減らすことができる。
【0227】
前述したステップS1301~S1308におけるUPFネットワークエレメントの活動は、図9に示された通信デバイス900内のプロセッサ901によって、メモリー903に保管されたアプリケーションプログラムコードを呼び出すことによって遂行され得る。これは本出願の本実施形態で限定されない。
【0228】
前述したステップS1301~S1307におけるUPFネットワークエレメントの活動は、図9に示された通信デバイス900内のプロセッサ901によって、メモリー903に保管されたアプリケーションプログラムコードを呼び出すことによって遂行され得る。これは本出願の本実施形態で限定されない。
【0229】
あるいは、別の可能な一実装において、マルチキャストパケットをUPFネットワークエレメント上のPDRと照合するときに、UPFネットワークエレメントは、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上の各PDRと直接照合する。具体的に述べると、図14に示されているように、本出願の一実施形態で提供されるマルチキャスト通信方法は以下のステップを含む。
【0230】
ステップS1401およびS1402は、図11に示されている実施形態のステップS1101およびS1102と同じである。関連する説明については、図11に示されている実施形態を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0231】
S1403:UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットと一致するPDRが存在するかどうかを判断するために、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをUPFネットワークエレメント上の各PDRと照合する。
【0232】
マルチキャストパケットをPDRと照合するプロセスについては、「発明を実施するための形態」の前書き部分でデータパケットをPDRと照合するプロセスを参照されたく、ここでは詳細を再度説明しない。
【0233】
マルチキャストパケットと一致するPDRが存在するとUPFネットワークエレメントが判断し、そのPDRがパケット複製スキップ情報を含む場合、UPFネットワークエレメントは以下のステップS1404を遂行する。あるいは、マルチキャストパケットと一致するPDRが存在しないとUPFネットワークエレメントが判断した場合に、手順は終了する。
【0234】
ステップS1404~S1406は、図12に示されている実施形態のステップS1205~S1207と同じである。関連する説明については、図11に示されている実施形態を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0235】
S1407:マルチキャストパケットがPDRと首尾よく一致する場合、UPFネットワークエレメントは、このPDRが指示情報を含むかどうかを判断し、この指示情報は別のPDRとの照合を続行することを指示する。
【0236】
例えば、指示情報は、例えば、タイプ指示、照合続行指示、パケット複製情報、またはパケット複製スキップ情報を含み得、タイプ指示は、例えば、ブロードキャストまたはグループキャストを指示し得る。
【0237】
UPFネットワークエレメントは、PDRが指示情報を含んでいると判断した場合に、ステップS1403に戻る。あるいは、UPFネットワークエレメントは、PDRが指示情報を含んでいないと判断した場合に、以下のステップS1408を遂行する。
【0238】
S1408:UPFネットワークエレメントは、PDRに関連付けられたルールに従って現在のマルチキャストパケットを処理する。
【0239】
任意に選べることとして、本出願の本実施形態において、ステップS1404とステップS1407との間には必然的な実行順序はない。ステップS1404は、ステップS1407の前または後に遂行されてよい。あるいは、ステップS1404とステップS1407が同時に遂行されてもよい。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0240】
勿論、本出願の本実施形態において、UPFネットワークエレメントがマルチキャストアドレスに基づいてマルチキャストパケットのタイプを判断できる場合は、UPFネットワークエレメントは、代わりに、ステップS1403に戻ってもよい。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0241】
マルチキャストパケットがUPFネットワークエレメント上の別のPDRと照合され、複製されたマルチキャストパケットがPDRに関連付けられたルールに従って処理される一例を用いて、本出願の本実施形態が説明されていることに注意されたい。勿論、代わりに、UPFネットワークエレメントは複製されたマルチキャストパケットをUPFネットワークエレメント上の別のPDRと照合し、現在のPDRに関連付けられたFAR、QER、およびURRに従って、現在のPDRと一致するマルチキャストパケットを処理することもできる。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0242】
本出願の本実施形態で提供されるマルチキャスト通信方法によると、マルチキャストパケットがPDRと首尾よく一致した後に、このPDRが別のPDRとの照合を続行することを指示する場合は、UPFネットワークエレメントは、マルチキャストパケットとUPFネットワークエレメント上の別のPDRとの照合を続行する。換言すると、UPFネットワークエレメントによって受信されるマルチキャストパケットは複数のPDRと一致し得、その結果、マルチキャストパケットは、複数のPDRに関連付けられたルールに従って複数の端末デバイスへ転送され得る。このソリューションでは、端末デバイスメンバーが変わるときに、SMFネットワークエレメントが過剰な作業を行う必要はない。したがって、端末デバイスメンバーが変わるときにFAR内の指示情報を相応に更新する必要があるソリューションと比べて、このソリューションは、マルチキャストパケットの転送効率を上げ、SMFネットワークエレメントとUPFネットワークエレメントとの間のFAR更新に関わるシグナリング相互作用手順を減らし、シグナリングオーバーヘッドを減らすことができる。
【0243】
前述したステップS1401~S1407におけるUPFネットワークエレメントの活動は、図9に示された通信デバイス900内のプロセッサ901によって、メモリー903に保管されたアプリケーションプログラムコードを呼び出すことによって遂行され得る。これは本出願の本実施形態で限定されない。
【0244】
以下、いくつかの具体例を用いて、図11から図14に示されているマルチキャスト通信方法を説明する。
【0245】
例えば、SMFネットワークエレメントが、或るグループのために、UPFネットワークエレメント1上に、図15に示されているn個のユーザーレベルN4セッションと1個のグループレベルN4セッションを作成すると仮定する。加えて、図15に示されているルーティングルールは、図5または図6に示されているルーティングルールを構成する手順に従ってN4セッションで構成される。ルーティングルールの各グループは、UL PDRと、UL PDRに関連付けられたUL FAR、UL QER(図示せず)、UL URR(図示せず)、ならびにDL PDRと、DL PDRに関連付けられたDL FAR、DL QER(図示せず)、およびDL URR(図示せず)とを含む。
【0246】
ステップ1:UPFネットワークエレメント1は、端末デバイス1からマルチキャストパケットを受信した後に、該マルチキャストパケットが属するN4セッション(すなわち、図15のN4セッション1)を判断し、該N4セッションで一致するUL PDRを見つける。次いで、UPFネットワークエレメント1は、再照合を行うために、UL PDRに関連付けられたUL FAR、UL QER、およびUL URRに従って、UPFネットワークエレメント1の内部インターフェイスへマルチキャストパケットを転送する。
【0247】
ステップ2:UPFネットワークエレメント1は、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションを見つけることができるかどうかを判断する。ここでは、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションがN4セッション2であり、UPFネットワークエレメント1が、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッション2の各PDRと照合した後に、マルチキャストパケットと一致するDL PDRが存在するとUPFネットワークエレメント1が判断すると仮定する。加えて、DL PDRに対応するパケット複製情報(ここでは、端末デバイス2のアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、端末デバイス1のアドレス情報であってよい)と一致する。あるいは、DL PDRに対応するパケット複製スキップ情報(ここでは、端末デバイス2のアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、端末デバイス1のアドレス情報であってよい)と一致しない。上記の場合、UPFネットワークエレメント1はマルチキャストパケットを複製し、DL PDRに関連付けられたDL FAR、DL QER、およびDL URRに従って複製されたマルチキャストパケットを処理することができる。そして、マルチキャストパケットは端末デバイス2へ送信されてよい。
【0248】
ステップ3:マルチキャストパケットと一致し、N4セッション2にあるDL PDRが、別のPDRとの照合を続行することを指示すると仮定すると、UPFネットワークエレメント1は引き続き、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションを見つけることができるかどうかを判断する。ここでは、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションがN4セッション1であり、UPFネットワークエレメント1が、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッション1の各PDRと照合した後に、マルチキャストパケットと一致するDL PDRが存在するとUPFネットワークエレメント1が判断すると仮定する。加えて、DL PDRに対応するパケット複製情報(ここでは、端末デバイス1のアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、端末デバイス1のアドレス情報であってよい)と一致しない。あるいは、DL PDRに対応するパケット複製スキップ情報(ここでは、端末デバイス1のアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、端末デバイス1のアドレス情報であってよい)と一致する。上記の場合、UPFネットワークエレメント1はマルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップする。
【0249】
ステップ4:マルチキャストパケットと一致し、N4セッション1にあるDL PDRが、別のPDRとの照合を続行することを指示すると仮定すると、UPFネットワークエレメント1は引き続き、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションを見つけることができるかどうかを判断する。ここでは、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションがN4セッション3であり、UPFネットワークエレメント1が、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッション3の各PDRと照合した後に、マルチキャストパケットと一致するDL PDRが存在するとUPFネットワークエレメント1が判断すると仮定する。加えて、DL PDRに対応するパケット複製情報(ここでは、端末デバイス3のアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、端末デバイス1のアドレス情報であってよい)と一致する。あるいは、DL PDRに対応するパケット複製スキップ情報(ここでは、端末デバイス3のアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、端末デバイス1のアドレス情報であってよい)と一致しない。上記の場合、UPFネットワークエレメント1はマルチキャストパケットを複製し、DL PDRに関連付けられたFAR、QER、およびURRに従って複製されたマルチキャストパケットを処理することができる。そして、マルチキャストパケットは端末デバイス3へ送信されてよい。
【0250】
ステップ5:マルチキャストパケットと一致し、N4セッション3にあるDL PDRが、別のPDRとの照合を続行することを指示すると仮定すると、UPFネットワークエレメント1は引き続き、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションを見つけることができるかどうかを判断する。ここでは、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションがN4セッションnであり、UPFネットワークエレメント1が、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッションnの各PDRと照合した後に、マルチキャストパケットと一致するDL PDRが存在するとUPFネットワークエレメント1が判断すると仮定する。加えて、DL PDRに対応するパケット複製情報(ここでは、端末デバイスnのアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、端末デバイス1のアドレス情報であってよい)と一致する。あるいは、DL PDRに対応するパケット複製スキップ情報(ここでは、端末デバイスnのアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、端末デバイス1のアドレス情報であってもよい)と一致しない。上記の場合、UPFネットワークエレメント1はマルチキャストパケットを複製し、DL PDRに関連付けられたFAR、QER、およびURRに従って複製されたマルチキャストパケットを処理することができる。そして、マルチキャストパケットは端末デバイスnへ送信されてよい。
【0251】
ステップ6:マルチキャストパケットと一致し、N4セッションnにあるDL PDRが、別のPDRとの照合を続行することを指示すると仮定すると、UPFネットワークエレメント1は引き続き、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションを見つけることができるかどうかを判断する。ここでは、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションがN4セッション1xであり、UPFネットワークエレメント1が、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッション1xの各PDRと照合した後に、マルチキャストパケットと一致するUL PDRが存在するとUPFネットワークエレメント1が判断すると仮定する。加えて、UL PDRに対応するパケット複製情報(ここでは、N19指示情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、端末デバイス1のアドレス情報であってよい)と一致する。あるいは、UL PDRに対応するパケット複製スキップ情報(ここでは、N19指示情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、端末デバイス1のアドレス情報であってよい)と一致しない。上記の場合、UPFネットワークエレメント1はマルチキャストパケットを複製し、UL PDRに関連付けられたFAR、QER、およびURRに従って複製されたマルチキャストパケットを処理することができる。そして、マルチキャストパケットは、UPFネットワークエレメント2、UPFネットワークエレメント3、およびDNへ送信されてよい。
【0252】
残りは類推によって推定でき、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションを見つけることができなくなるまで手順は終了する。
【0253】
あるいは、例えば、SMFネットワークエレメントが、或るグループのために、UPFネットワークエレメント1上に、図16に示されているn個のユーザーレベルN4セッションと1個のグループレベルN4セッションを作成すると仮定する。加えて、図16に示されているルーティングルールは、図5または図6に示されているルーティングルールを構成する手順に従ってN4セッションで構成される。ルーティングルールの各グループは、UL PDRと、UL PDRに関連付けられたUL FAR、UL QER(図示せず)、UL URR(図示せず)、ならびにDL PDRと、DL PDRに関連付けられたDL FAR、DL QER(図示せず)、およびDL URR(図示せず)とを含む。
【0254】
ステップ1:UPFネットワークエレメント1は、UPFネットワークエレメント1をUPFネットワークエレメント2に接続するN19トンネルからマルチキャストパケットを受信した後に、該マルチキャストパケットが属するN4セッション(すなわち、図16のN4セッション1x)を判断し、該N4セッションで一致するDL PDRを見つける。次いで、UPFネットワークエレメント1は、再照合を行うために、DL PDRに関連付けられたDL FAR、DL QER、およびDL URRに従って、UPFネットワークエレメント1の内部インターフェイスへマルチキャストパケットとN19指示情報とを転送する。
【0255】
ステップ2:UPFネットワークエレメント1は、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションを見つけることができるかどうかを判断する。ここでは、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションがN4セッション2であり、UPFネットワークエレメント1が、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッション2の各PDRと照合した後に、マルチキャストパケットと一致するDL PDRが存在するとUPFネットワークエレメント1が判断すると仮定する。加えて、DL PDRに対応するパケット複製情報(ここでは、端末デバイス2のアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、N19指示情報であってよい)と一致する。あるいは、DL PDRに対応するパケット複製スキップ情報(ここでは、端末デバイス2のアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、N19指示情報であってよい)と一致しない。上記の場合、UPFネットワークエレメント1はマルチキャストパケットを複製し、DL PDRに関連付けられたDL FAR、DL QER、およびDL URRに従って複製されたマルチキャストパケットを処理することができる。そして、マルチキャストパケットは端末デバイス2へ送信されてよい。
【0256】
ステップ3:マルチキャストパケットと一致し、N4セッション2にあるDL PDRが、別のPDRとの照合を続行することを指示すると仮定すると、UPFネットワークエレメント1は引き続き、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションを見つけることができるかどうかを判断する。ここでは、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションがN4セッション1であり、UPFネットワークエレメント1が、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッション1の各PDRと照合した後に、マルチキャストパケットと一致するDL PDRが存在するとUPFネットワークエレメント1が判断すると仮定する。加えて、DL PDRに対応するパケット複製情報(ここでは、端末デバイス1のアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、N19指示情報であってよい)と一致する。あるいは、DL PDRに対応するパケット複製スキップ情報(ここでは、端末デバイス1のアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、N19指示情報であってよい)と一致しない。上記の場合、UPFネットワークエレメント1はマルチキャストパケットを複製し、DL PDRに関連付けられたDL FAR、DL QER、およびDL URRに従って複製されたマルチキャストパケットを処理することができる。そして、マルチキャストパケットは端末デバイス1へ送信されてよい。
【0257】
ステップ4:マルチキャストパケットと一致し、N4セッション1にあるDL PDRが、別のPDRとの照合を続行することを指示すると仮定すると、UPFネットワークエレメント1は引き続き、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションを見つけることができるかどうかを判断する。ここでは、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションがN4セッション3であり、UPFネットワークエレメント1が、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッション3の各PDRと照合した後に、マルチキャストパケットと一致するDL PDRが存在するとUPFネットワークエレメント1が判断すると仮定する。加えて、DL PDRに対応するパケット複製情報(ここでは、端末デバイス3のアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、N19指示情報であってよい)と一致する。あるいは、DL PDRに対応するパケット複製スキップ情報(ここでは、端末デバイス3のアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、N19指示情報であってよい)と一致しない。上記の場合、UPFネットワークエレメント1はマルチキャストパケットを複製し、DL PDRに関連付けられたDL FAR、DL QER、およびDL URRに従って複製されたマルチキャストパケットを処理することができる。そして、マルチキャストパケットは端末デバイス3へ送信されてよい。
【0258】
ステップ5:マルチキャストパケットと一致し、N4セッション3にあるDL PDRが、別のPDRとの照合を続行することを指示すると仮定すると、UPFネットワークエレメント1は引き続き、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションを見つけることができるかどうかを判断する。ここでは、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションがN4セッションnであり、UPFネットワークエレメント1が、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッションnの各PDRと照合した後に、マルチキャストパケットと一致するDL PDRが存在するとUPFネットワークエレメント1が判断すると仮定する。加えて、DL PDRに対応するパケット複製情報(ここでは、端末デバイスnのアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、N19指示情報であってよい)と一致する。あるいは、DL PDRに対応するパケット複製スキップ情報(ここでは、端末デバイスnのアドレス情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、N19指示情報であってよい)と一致しない。上記の場合、UPFネットワークエレメント1はマルチキャストパケットを複製し、DL PDRに関連付けられたDL FAR、DL QER、およびDL URRに従って複製されたマルチキャストパケットを処理することができる。そして、マルチキャストパケットは端末デバイスnへ送信されてよい。
【0259】
ステップ6:マルチキャストパケットと一致し、N4セッションnにあるDL PDRが、別のPDRとの照合を続行することを指示すると仮定すると、UPFネットワークエレメント1は引き続き、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションを見つけることができるかどうかを判断する。ここでは、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションがN4セッション1xであり、UPFネットワークエレメント1が、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをN4セッション1xの各PDRと照合した後に、マルチキャストパケットと一致するUL PDRが存在するとUPFネットワークエレメント1が判断すると仮定する。加えて、UL PDRに対応するパケット複製情報(ここでは、N19指示情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、N19指示情報であってよい)と一致しない。あるいは、DL PDRに対応するパケット複製スキップ情報(ここでは、N19指示情報であってよい)は、マルチキャストパケットの送信元情報(ここでは、N19指示情報であってよい)と一致する。上記の場合、UPFネットワークエレメント1はマルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップする。
【0260】
残りは類推によって推定でき、マルチキャストパケットが属する次のN4セッションを見つけることができなくなるまで手順は終了する。
【0261】
図15または図16に示されている実施形態が、UL PDRに対応するパケット複製情報がN19指示情報である一例を用いて説明されることに注意されたい。勿論、図15または図16に示されている実施形態において、UL PDRに対応するパケット複製情報は、代わりに、N19指示情報とN6指示情報を含んでもよい。この場合、PDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致することは、PDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報を含まないことを含み得る。PDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しないことは、PDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報を含むことを含む。あるいは、PDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致することは、PDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報を含むことを含み得る。PDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しないことは、PDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報を含まないことを含む。ここでは一般的な説明を提供しており、以下では詳細を再度説明しない。
【0262】
図15および図16の説明に使用されている例で、マルチキャストパケットが、最初にN4セッションと照合され、次にN4セッション内のPDRと照合されることに注意されたい。勿論、代わりに、UPFネットワークエレメント1は、マルチキャストパケットが再照合のためにUPFネットワークエレメント1の内部インターフェイスへ転送された後に、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをUPFネットワークエレメント1上の各PDRと直接照合することもできる。ここでは詳細を再度説明しない。
【0263】
図15および図16の説明に使用されている例で、マルチキャストパケットがUPFネットワークエレメント1上の別のPDRと照合され、現在のPDRに関連付けられたFAR、QER、およびURRに従って複製されたマルチキャストパケットが処理されることに注意されたい。勿論、代わりに、UPFネットワークエレメント1は、複製されたマルチキャストパケットをUPFネットワークエレメント1上の別のPDRと照合し、現在のPDRに関連付けられたFAR、QER、およびURRに従って、現在のPDRと一致するマルチキャストパケットを処理することもできる。ここでは詳細を再度説明しない。
【0264】
任意に選べることとして、本出願の一実施形態は、マルチキャスト通信方法をさらに提供できる。このマルチキャスト通信方法では、UPFネットワークエレメントが、マルチキャストパケットを受信した後に、該マルチキャストパケットが属するN4セッションを判断し、該N4セッションでマルチキャストタイプの一致するPDRを見つける。PDRに関連付けられたFARは、(現在のN4セッションを除く)全ての対象N4セッションを探索し、見つかった対象N4セッションに関する情報に基づいて対応する数のマルチキャストパケットを複製し、次いで、マルチキャストパケットを、見つかった各対象N4セッションの各PDRと照合することを、UPFネットワークエレメントに指示する。マルチキャストパケットがPDRと首尾よく一致した後には、PDRに関連付けられたFAR、QER、およびURRに従ってマルチキャストパケットが処理される。このソリューションでは、トンネル情報や複製されるべきデータパケットのラベルをFARが明示的に指示する必要がないため、端末デバイスメンバーが変わるときに、FAR内の指示情報を更新する必要はない。これは、マルチキャストパケットの転送効率を上げ、SMFネットワークエレメントとUPFネットワークエレメントとの間のシグナリング相互作用手順を減らし、シグナリングオーバーヘッドを減らす。
【0265】
前述の実施形態で、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントによって実施される方法および/またはステップが、代わりに、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上で使用できるコンポーネントによって実施されてもよいことは理解されよう。セッション管理機能ネットワークエレメントによって実施される方法および/またはステップは、代わりに、セッション管理機能ネットワークエレメント上で使用できるコンポーネントによって実施されてもよい。
【0266】
上記は主に、ネットワークエレメント間の相互作用の観点から、本出願の実施形態で提供されるソリューションを説明している。相応に、本出願の一実施形態は通信装置をさらに提供する。この通信装置は、前述の方法の実施形態におけるユーザープレーン機能ネットワークエレメント、またはユーザープレーン機能ネットワークエレメントを含む装置、またはユーザープレーン機能ネットワークエレメント上で使用できるコンポーネントであってよい。あるいは、通信装置は、前述の方法の実施形態におけるセッション管理機能ネットワークエレメント、またはセッション管理機能ネットワークエレメントを含む装置、またはセッション管理機能ネットワークエレメント上で使用できるコンポーネントであってもよい。前述の機能を実施するため、通信装置が、機能を実行するための対応するハードウェア構造および/またはソフトウェアモジュールを含むことは理解されよう。当業者であれば、本明細書で開示されている実施形態で説明されている例と組み合わせて、ユニットとアルゴリズムステップが、本出願のハードウェアによって、またはハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組合せによって、実装され得ることに容易く気づくはずである。機能がハードウェアによって実行されるか、またはコンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって実行されるかは、技術的なソリューションの具体的な用途と設計上の制約しだいで決まる。当業者なら、具体的な用途ごとに様々な方法を用いて説明されている機能を実装できるが、その実装は本出願の範囲を超えるものとみなされるべきではない。
【0267】
例えば、通信装置は、前述の方法の実施形態におけるユーザープレーン機能ネットワークエレメントである。図17は、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント170の概略構造図である。ユーザープレーン機能ネットワークエレメント170は、トランシーバモジュール1701と処理モジュール1702とを含む。トランシーバモジュール1701はトランシーバユニットと呼ばれることもあり、トランシーバ機能を実施するように構成される。例えば、トランシーバモジュール1701は、トランシーバ回路、トランシーバ、トランシーバコンポーネント、または通信インターフェイスであってよい。
【0268】
トランシーバモジュール1701は、マルチキャストパケットを受信するように構成され、このマルチキャストパケットはマルチキャストアドレスを含む。処理モジュール1702は、マルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のPDRと照合するように構成される。処理モジュール1702は、マルチキャストパケットが第1のPDRと首尾よく一致し、第1のPDRが別のPDRとの照合を続行することを指示する場合に、マルチキャストパケットと別のPDRとの照合を続行するように構成される。
【0269】
任意に選べることとして、処理モジュール1702はさらに、第1のPDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致する場合に、マルチキャストパケットを複製し、第1のPDRと関連付けられたルールに従って複製されたマルチキャストパケットを処理するように構成される。
【0270】
あるいは、任意に選べることとして、処理モジュール1702はさらに、第1のPDRに対応するパケット複製情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しない場合に、第1のPDRに関連付けられたルールに従ってマルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップするように構成される。
【0271】
任意に選べることとして、処理モジュール1702はさらに、第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致しない場合に、マルチキャストパケットを複製し、第1のPDRと関連付けられたルールに従って複製されたマルチキャストパケットを処理するように構成される。
【0272】
あるいは、任意に選べることとして、処理モジュール1702はさらに、第1のPDRに対応するパケット複製スキップ情報がマルチキャストパケットの送信元情報と一致する場合に、第1のPDRに関連付けられたルールに従ってマルチキャストパケットを処理するプロセスをスキップするように構成される。
【0273】
任意に選べることとして、マルチキャストパケットはマルチキャストパケットの送信元情報を含み、マルチキャストパケットの送信元情報は、マルチキャストパケットを送信する端末デバイスのアドレス情報を含む。
【0274】
あるいは、任意に選べることとして、トランシーバモジュール1701はさらに、マルチキャストパケットの送信元情報を受信し、マルチキャストパケットの送信元情報がN19指示情報またはN6指示情報を含む、ように構成される。
【0275】
任意に選べることとして、処理モジュール1702が、マルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のPDRと照合するように構成されることは、処理モジュール1702が、マルチキャストパケットと一致し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のN4セッションを判断し、なおかつ、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットを該N4セッションの各PDRと照合するように構成されることを含む。
【0276】
あるいは、任意に選べることとして、処理モジュール1702が、マルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のPDRと照合するように構成されることは、処理モジュール1702が、PDRの優先順位の降順で、マルチキャストパケットをユーザープレーン機能ネットワークエレメント上の各PDRと照合するように構成されることを含む。
【0277】
任意に選べることとして、トランシーバモジュール1701はさらに、セッション管理機能ネットワークエレメントから第1のメッセージを受信するように構成される。第1のメッセージは、N4セッション識別子、第1のPDR、ならびに第1のPDRに関連付けられたFAR、QER、およびURRを含む。第1のPDRはマルチキャストパケットを検出するために使用される。処理モジュール1702はさらに、N4セッション識別子に対応するN4セッションにおいて、第1のPDR、ならびに第1のPDRに関連付けられたFAR、QER、およびURRを構成するように構成される。
【0278】
任意に選べることとして、トランシーバモジュール1701はさらに、セッション管理機能ネットワークエレメントからN4セッション識別子と第1のPDRを受信するように構成される。第1のPDRはマルチキャストパケットを検出するために使用される。処理モジュール1702はさらに、N4セッション識別子に対応するN4セッションにおいて第1のPDRを構成するように構成される。
【0279】
前述の方法の実施形態におけるステップの関連する内容はいずれも、対応する機能モジュールの機能の説明に引用され得る。ここでは詳細を再度説明しない。
【0280】
本実施形態では、統合方式にて分割によって得られる機能モジュールの形でユーザープレーン機能ネットワークエレメント170が提示されている。本書における「モジュール」は、特定のASIC、回路、1つ以上のソフトウェアまたはファームウェアプログラムを実行するプロセッサおよびメモリー、論理集積回路、および/または前述の機能を提供できる別の部分であってよい。当業者なら、簡素な実施形態において、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント170が図9に示されている通信デバイス900の形態であってもよいことを理解できる。
【0281】
例えば、図9に示されている通信デバイス900のプロセッサ901は、ネットワークデバイス900が前述の方法の実施形態でマルチキャスト通信方法を遂行することを可能にするために、メモリー903に保管されたコンピュータ実行可能命令を呼び出すことができる。
【0282】
具体的に述べると、図17のトランシーバモジュール1701と処理モジュール1702の機能/実施プロセスは、図9に示された通信デバイス900内のプロセッサ901によって、メモリー903に保管されたコンピュータ実行可能命令を呼び出すことによって実施されてよい。あるいは、図17の処理モジュール1702の機能/実施プロセスは、図9に示された通信デバイス900内のプロセッサ901によって、メモリー903に保管されたコンピュータ実行可能命令を呼び出すことによって実施されてよく、図17のトランシーバモジュール1701の機能/実施プロセスは、図9に示された通信デバイス900内の通信インターフェイス904を使用することによって実施されてよい。
【0283】
本出願の本実施形態で提供されるユーザープレーン機能ネットワークエレメント170は、前述のマルチキャスト通信方法を遂行できる。したがって、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント170によって達成できる技術的な効果については、前述の方法の実施形態を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0284】
あるいは、例えば、通信装置は、前述の方法の実施形態におけるセッション管理機能ネットワークエレメントである。図18は、セッション管理機能ネットワークエレメント180の概略構造図である。セッション管理機能ネットワークエレメント180は、トランシーバモジュール1801と処理モジュール1802とを含む。トランシーバモジュール1801はトランシーバユニットと呼ばれることもあり、トランシーバ機能を実施するように構成される。例えば、トランシーバモジュール1801は、トランシーバ回路、トランシーバ、トランシーバコンポーネント、または通信インターフェイスであってよい。
【0285】
処理モジュール1802は、第1のPDRを得、第1のPDRがマルチキャストパケットを検出するために使用され、第1のPDRが別のPDRとの照合を続行することを指示する、ように構成される。トランシーバモジュール1801は、ユーザープレーン機能ネットワークエレメントへN4セッション識別子と第1のPDRを送信し、N4セッション識別子と第1のPDRが、N4セッション識別子に対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、N4セッションで、第1のPDRを構成するために使用される、ように構成される。
【0286】
任意に選べることとして、マルチキャストパケットはブロードキャストパケットであり、相応に、第1のPDRはブロードキャストアドレスを含む。処理モジュール1802はさらに、或るグループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、第1のN4セッションを判断するように構成される。ブロードキャストパケットは該グループに属し、第1のN4セッションは、該グループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、全てのN4セッションのうちのいずれか1つである。相応に、N4セッション識別子は第1のN4セッションの識別子である。
【0287】
あるいは、任意に選べることとして、マルチキャストパケットはグループキャストパケットであり、相応に、第1のPDRはグループキャストアドレスを含む。処理モジュール1802はさらに、或るグループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、第2のN4セッションを判断するように構成される。グループキャストパケットは該グループに属し、第2のN4セッションは、該グループに対応し、グループキャストパケットの転送をサポートする、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上のN4セッションのうちのいずれか1つである。相応に、N4セッション識別子は第2のN4セッションの識別子である。
【0288】
任意に選べることとして、処理モジュール1802が、或るグループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、第2のN4セッションを判断するように構成されることは、処理モジュール1802が、IGMP加入メッセージ、NASメッセージ、またはAFメッセージに基づいて、該グループに対応し、ユーザープレーン機能ネットワークエレメント上にある、第2のN4セッションを判断するように構成されることを含む。
【0289】
前述の方法の実施形態におけるステップの関連する内容はいずれも、対応する機能モジュールの機能の説明に引用され得る。ここでは詳細を再度説明しない。
【0290】
本実施形態では、統合方式にて分割によって得られる機能モジュールの形でセッション管理機能ネットワークエレメント180が提示されている。本書における「モジュール」は、特定のASIC、回路、1つ以上のソフトウェアまたはファームウェアプログラムを実行するプロセッサおよびメモリー、論理集積回路、および/または前述の機能を提供できる別の部分であってよい。当業者なら、簡素な実施形態において、セッション管理機能ネットワークエレメント180が図9に示されている通信デバイス900の形態であってもよいことを理解できる。
【0291】
例えば、図9に示されている通信デバイス900のプロセッサ901は、ネットワークデバイス900が前述の方法の実施形態でマルチキャスト通信方法を遂行することを可能にするために、メモリー903に保管されたコンピュータ実行可能命令を呼び出すことができる。
【0292】
具体的に述べると、図18のトランシーバモジュール1801と処理モジュール1802の機能/実施プロセスは、図9に示された通信デバイス900内のプロセッサ901によって、メモリー903に保管されたコンピュータ実行可能命令を呼び出すことによって実施されてよい。あるいは、図18の処理モジュール1802の機能/実施プロセスは、図9に示された通信デバイス900内のプロセッサ901によって、メモリー903に保管されたコンピュータ実行可能命令を呼び出すことによって実施されてよく、図18のトランシーバモジュール1801の機能/実施プロセスは、図9に示された通信デバイス900内の通信インターフェイス904を使用することによって実施されてよい。
【0293】
本出願の本実施形態で提供されるセッション管理機能ネットワークエレメント180は、前述のマルチキャスト通信方法を遂行できる。したがって、セッション管理機能ネットワークエレメント180によって達成できる技術的な効果については、前述の方法の実施形態を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0294】
前述したモジュールまたはユニットのいずれか1つ以上が、ソフトウェア、ハードウェア、またはこれらの組合せによって実装され得ることに注意されたい。前述したモジュールまたはユニットのいずれか1つ以上がソフトウェアを使用して実装される場合、そのソフトウェアはコンピュータプログラム命令の形で存在し、メモリーに保管される。プロセッサは、前述した方法の手順を実施するために、プログラム命令を実行するように構成されてよい。プロセッサは、SoC(システム・オン・チップ)またはASICに統合されてよく、または独立した半導体チップであってもよい。プロセッサは、ソフトウェア命令を実行することによって作業または処理を遂行するように構成されたコアを含み、必要なハードウェアアクセラレータを、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、PLD(プログラマブル論理デバイス)、または専用の論理演算を実施する論理回路を、さらに含み得る。
【0295】
前述のモジュールまたはユニットがハードウェアを使用して実装される場合、そのハードウェアは、CPU、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理(digital signal processing、DSP)チップ、マイクロコントローラユニット(microcontroller unit、MCU)、人工知能プロセッサ、ASIC、SoC、FPGA、PLD、専用デジタル回路、ハードウェアアクセラレータ、または非統合ディスクリートコンポーネントのいずれか1つまたは任意の組合せであってよく、ハードウェアは、前述の方法の手順を遂行するために、必要なソフトウェアを実行してよく、またはソフトウェアに依存しなくてもよい。
【0296】
任意に選べることとして、本出願の一実施形態は、通信装置(例えば、この通信装置はチップまたはチップシステムであってよい)をさらに提供する。この通信装置は、前述した方法の実施形態のいずれか1つの方法を実施するように構成されたプロセッサを含む。可能な一設計において、通信装置はメモリーをさらに含む。メモリーは、必要なプログラム命令と必要なデータを保管するように構成される。プロセッサは、前述した方法の実施形態のいずれか1つの方法を遂行することを通信装置に指示するために、メモリーに保管されたプログラムコードを呼び出すことができる。勿論、通信装置はメモリーを含まなくてもよい。通信装置がチップシステムである場合、通信装置はチップを含んでよく、またはチップと別の個別コンポーネントとを含んでもよい。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0297】
前述の実施形態の全部または一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せを使用して実装されてよい。実施形態を実装するためにソフトウェアプログラムが使用される場合、実施形態は全面的にまたは部分的にコンピュータプログラム製品の形で実装されてよい。このコンピュータプログラム製品は1つ以上のコンピュータ命令を含む。このコンピュータプログラム命令がコンピュータで読み込まれて実行されると、本出願の実施形態による手順または機能が全面的にまたは部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または別のプログラム可能な装置であってよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に保管されてよく、または或る1つのコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体へ送信されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバー、またはデータセンターから、別のウェブサイト、コンピュータ、サーバー、またはデータセンターへ、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、またはデジタル加入者線(digital subscriber line、DSL))方式で、または無線(例えば、赤外線、ワイヤレス、またはマイクロ波)方式で、送信されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な何らかの使用可能な媒体であってよく、または、1つ以上の使用可能な媒体を統合したサーバーもしくはデータセンターなどのデータストレージデバイスであってもよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、もしくは磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、または半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(solid state disk、SSD))などであってよい。
【0298】
本出願は実施形態を参照して説明されているが、保護を請求する本出願を実施する過程で、当業者なら、添付の図面、開示されている内容、および添付の特許請求の範囲を調べることによって、開示されている実施形態の別のバリエーションを理解して実施できる。特許請求の範囲において、「含む」(comprising)は別のコンポーネントまたは別のステップを排除せず、「一」または「1つの」は複数の意味を排除しない。単一のプロセッサまたは別のユニットが、特許請求の範囲に列挙されているいくつかの機能を実施してよい。いくつかの手段が互いに異なる従属請求項に記録されているが、これは、より良い効果を生み出すために、これらの手段を組み合わせることができないことを意味しない。
【0299】
本出願は、具体的な特徴とその実施形態とを参照して説明されているが、本出願の精神および範囲から逸脱することなく、それらに対して様々な修正や組合せが行われ得ることは明らかである。相応に、明細書と添付の図面は、添付の特許請求の範囲によって規定される本出願の例示的な説明にすぎず、本出願の範囲をカバーする変更、バリエーション、組合せ、または均等物のいずれかまたは全てとみなされる。当業者が、本出願の精神および範囲から逸脱することなく、本出願に対して様々な変更やバリエーションを行い得ることは明らかである。本出願の変更とバリエーションが本出願の請求項とそれらと同等の技術の範囲内に入る限り、本出願はそれらの変更とバリエーションをカバーすることを意図する。
【符号の説明】
【0300】
70 通信システム
701 セッション管理機能ネットワークエレメント
702 ユーザープレーン機能ネットワークエレメント
900 通信デバイス
901 プロセッサ
902 通信回線
903 メモリー
904 通信インターフェイス
905 出力デバイス
906 入力デバイス
908 プロセッサ
170 ユーザープレーン機能ネットワークエレメント
1701 トランシーバモジュール
1702 処理モジュール
180 セッション管理機能ネットワークエレメント
1801 トランシーバモジュール
1802 処理モジュール
図1
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18