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7580422作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20241101BHJP
【FI】
G05D1/43
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022070690
(22)【出願日】2022-04-22
(65)【公開番号】P2023160362
(43)【公開日】2023-11-02
【審査請求日】2023-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平中 貴士
(72)【発明者】
【氏名】小西 翔太
(72)【発明者】
【氏名】高島 亨
(72)【発明者】
【氏名】溝尾 駿
(72)【発明者】
【氏名】丸山 俊
(72)【発明者】
【氏名】岡野 隆宏
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-339029(JP,A)
【文献】国際公開第2018/056125(WO,A1)
【文献】特開平09-244745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1無人車両の走行パス、目標位置、及び目標走行速度を含む走行条件を規定する走行データを生成する走行パス生成部と、
前記走行データに従って作業現場を走行する前記第1無人車両の位置に基づいて、第2無人車両の進入を禁止する保護エリアを対象車両に設定する保護エリア設定部と、を備える、
作業現場の管理システム。
【請求項2】
前記第1無人車両は、前記対象車両の前方を走行する、
請求項1に記載の作業現場の管理システム。
【請求項3】
前記保護エリア設定部は、前記第1無人車両の位置と、前記第1無人車両と前記対象車両との相対位置とに基づいて、前記保護エリアを設定する、
請求項1又は請求項2に記載の作業現場の管理システム。
【請求項4】
前記第1無人車両は、前記第1無人車両の位置を検出する自己位置センサと、前記第1無人車両と前記対象車両との相対位置を検出する対象位置センサと、を有し、
前記保護エリア設定部は、前記自己位置センサの検出データと、前記対象位置センサの検出データとに基づいて、前記保護エリアを設定する、
請求項3に記載の作業現場の管理システム。
【請求項5】
前記第1無人車両は、前記対象車両の前方を走行する先導車両と、前記対象車両の後方を走行する後続車両とを含む、
請求項に記載の作業現場の管理システム。
【請求項6】
前記第1無人車両は、前記対象車両の前方を走行する先導車両と、前記対象車両の後方を走行する後続車両とを含み、
前記保護エリア設定部は、前記先導車両の位置と、前記先導車両と前記対象車両との相対位置と、前記後続車両の位置と、前記後続車両と前記対象車両との相対位置とに基づいて、前記対象車両の位置を算出し、前記対象車両の位置に基づいて、前記保護エリアを設定する、
請求項に記載の作業現場の管理システム。
【請求項7】
前記保護エリア設定部は、前記第1無人車両の位置と、前記走行パスとに基づいて、前記保護エリアを設定する、
請求項に記載の作業現場の管理システム。
【請求項8】
前記第1無人車両は、前記第1無人車両の位置を検出する自己位置センサを有し、
前記保護エリア設定部は、前記自己位置センサの検出データと、前記走行パスの位置とに基づいて、前記保護エリアを設定する、
請求項7に記載の作業現場の管理システム。
【請求項9】
前記保護エリア設定部は、前記第1無人車両及び前記走行パスの少なくとも一部を含むように、前記保護エリアを設定する、
請求項に記載の作業現場の管理システム。
【請求項10】
前記第1無人車両は、前記対象車両の前方を走行する先導車両と、前記対象車両の後方を走行する後続車両とを含む、
請求項に記載の作業現場の管理システム。
【請求項11】
前記第1無人車両は、前記対象車両の前方を走行する先導車両と、前記対象車両の後方を走行する後続車両とを含み、
前記保護エリア設定部は、前記先導車両と前記後続車両とを繋ぐように、前記保護エリアを設定する、
請求項に記載の作業現場の管理システム。
【請求項12】
第1無人車両の走行パス、目標位置、及び目標走行速度を含む走行条件を規定する走行データに従って作業現場を走行する前記第1無人車両で対象車両を誘導することと、
前記第1無人車両の位置に基づいて、第2無人車両の進入を禁止する保護エリアを前記対象車両に設定することと、を含む、
作業現場の管理方法。
【請求項13】
前記第1無人車両は、前記対象車両の前方を走行する、
請求項12に記載の作業現場の管理方法。
【請求項14】
前記第1無人車両の位置と、前記第1無人車両と前記対象車両との相対位置とに基づいて、前記保護エリアを設定する、
請求項12に記載の作業現場の管理方法。
【請求項15】
前記第1無人車両は、前記第1無人車両の位置を検出する自己位置センサと、前記第1無人車両と前記対象車両との相対位置を検出する対象位置センサと、を有し、
前記自己位置センサの検出データと、前記対象位置センサの検出データとに基づいて、前記保護エリアを設定する、
請求項14に記載の作業現場の管理方法。
【請求項16】
前記第1無人車両は、前記対象車両の前方を走行する先導車両と、前記対象車両の後方を走行する後続車両とを含む、
請求項14に記載の作業現場の管理方法。
【請求項17】
前記第1無人車両は、前記対象車両の前方を走行する先導車両と、前記対象車両の後方を走行する後続車両とを含み、
前記先導車両の位置と、前記先導車両と前記対象車両との相対位置と、前記後続車両の位置と、前記後続車両と前記対象車両との相対位置とに基づいて、前記対象車両の位置を算出し、前記対象車両の位置に基づいて、前記保護エリアを設定する、
請求項14に記載の作業現場の管理方法。
【請求項18】
前記第1無人車両の位置と、前記走行パスとに基づいて、前記保護エリアを設定する、
請求項12に記載の作業現場の管理方法。
【請求項19】
前記第1無人車両は、前記第1無人車両の位置を検出する自己位置センサを有し、
前記自己位置センサの検出データと、前記走行パスの位置とに基づいて、前記保護エリアを設定する、
請求項18に記載の作業現場の管理方法。
【請求項20】
前記第1無人車両及び前記走行パスの少なくとも一部を含むように、前記保護エリアを設定する、
請求項18に記載の作業現場の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉱山のような広域の作業現場において、無人車両が稼働する。無人車両は、管理システムにより管理される。特許文献1に開示されているように、エスコート車両が被エスコート車両をエスコートしながら作業現場を走行する場合がある。特許文献1において、エスコート車両及び被エスコート車両のそれぞれは、有人車両である。無人車両は、有人車両の存在可能範囲に進入しないように管理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-339029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
有人車両の存在に起因して、無人車両の走行が過度に制限されると、作業現場の生産性が低下する可能性がある。
【0005】
本開示は、作業現場の生産性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、走行パスを生成する走行パス生成部と、走行パスに従って作業現場を走行する第1無人車両の位置に基づいて、第2無人車両の進入を禁止する保護エリアを対象車両に設定する保護エリア設定部と、を備える、作業現場の管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業現場の生産性の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る作業現場を示す模式図である。
図2図2は、第1実施形態に係る作業現場の管理システムを示す模式図である。
図3図3は、第1実施形態に係る作業現場の管理システムを示すブロック図である。
図4図4は、第1実施形態に係る管理装置のハードウエア構成図である。
図5図5は、第1実施形態に係る無人ライトビークルの走行データ及び許可エリアを説明するための模式図である。
図6図6は、第1実施形態に係る無人ダンプトラックの走行データ及び許可エリアを説明するための模式図である。
図7図7は、第1実施形態に係る無人ライトビークルが対象車両をエスコートしている状態を示す図である。
図8図8は、第1実施形態に係る作業現場の管理方法を示すフローチャートである。
図9図9は、第2実施形態に係る無人ライトビークルが対象車両をエスコートしている状態を示す図である。
図10図10は、第3実施形態に係る無人ライトビークルが対象車両をエスコートしている状態を示す図である。
図11図11は、第3実施形態に係る無人ライトビークルが対象車両をエスコートしている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
【0011】
<作業現場>
図1は、本実施形態に係る作業現場10を示す模式図である。作業現場10として、鉱山又は採石場が例示される。鉱山とは、鉱物を採掘する場所又は事業所をいう。採石場とは、石材を採掘する場所又は事業所をいう。鉱山として、金属を採掘する金属鉱山、石灰石を採掘する非金属鉱山、又は石炭を採掘する石炭鉱山が例示される。
【0012】
作業現場10において、第1無人車両1と第2無人車両2とが稼働する。無人車両とは、運転者による運転操作によらずに無人で稼働する車両をいう。第1無人車両1及び第2無人車両2は、所定の作業を実施する作業車両でもよいし、作業車両でなくてもよい。
【0013】
本実施形態において、第1無人車両1は、無人で作業現場10を走行する軽量車両である。本実施形態においては、第1無人車両1を適宜、無人ライトビークル1、と称する。
【0014】
本実施形態において、第2無人車両2は、無人で作業現場10を走行する重量車両である。本実施形態において、第2無人車両2は、作業車両である。第2無人車両2は、積荷を運搬する運搬作業を実施する運搬車両である。本実施形態においては、第2無人車両2を適宜、無人ダンプトラック2、と称する。
【0015】
作業現場10は、積込場3、排土場4、駐機場5、待機場6、及び走行路7を含む。
【0016】
積込場3とは、無人ダンプトラック2に積荷を積載する積込作業が実施されるエリアをいう。積荷として、積込場3において掘削された掘削物が例示される。積込場3において、積込機8が稼働する。積込機8として、油圧ショベルが例示される。
【0017】
排土場4とは、無人ダンプトラック2から積荷が排出される排土作業が実施されるエリアをいう。排土場4に、破砕機9が設けられる。
【0018】
駐機場5とは、無人ダンプトラック2が駐機するエリアをいう。
【0019】
待機場6とは、無人ライトビークル1が待機するエリアをいう。
【0020】
走行路7とは、無人ライトビークル1及び無人ダンプトラック2の少なくとも一方が走行するエリアをいう。走行路7は、少なくとも積込場3と排土場4とを繋ぐように設けられる。本実施形態において、走行路7は、積込場3、排土場4、駐機場5、及び待機場6のそれぞれに繋がる。
【0021】
無人ライトビークル1は、積込場3、排土場4、待機場6、及び走行路7のそれぞれを走行することができる。無人ダンプトラック2は、積込場3、排土場4、駐機場5、及び走行路7のそれぞれを走行することができる。無人ダンプトラック2は、例えば積込場3と排土場4とを往復するように走行路7を走行する。
【0022】
<管理システム>
図2は、本実施形態に係る作業現場10の管理システム11を示す模式図である。管理システム11は、管理装置12と、通信システム13とを備える。管理装置12は、無人ライトビークル1及び無人ダンプトラック2の外部に配置される。管理装置12は、作業現場10の管制施設14に設置される。管理装置12は、コンピュータシステムを含む。通信システム13として、インターネット(internet)、携帯電話通信網、衛星通信網、又はローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)が例示される。
【0023】
無人ライトビークル1は、車体101と、走行装置102と、制御装置15と、無線通信機13Aとを有する。制御装置15は、コンピュータシステムを含む。無線通信機13Aは、制御装置15に接続される。
【0024】
無人ダンプトラック2は、車体201と、走行装置202と、ダンプボディ203と、制御装置16と、無線通信機13Bとを有する。制御装置16は、コンピュータシステムを含む。無線通信機13Bは、制御装置16に接続される。
【0025】
通信システム13は、制御装置15に接続される無線通信機13Aと、制御装置16に接続される無線通信機13Bと、管理装置12に接続される無線通信機13Cとを含む。管理装置12と無人ライトビークル1の制御装置15とは、通信システム13を介して無線通信する。管理装置12と無人ダンプトラック2の制御装置16とは、通信システム13を介して無線通信する。
【0026】
車体101は、車体フレームを含む。車体101は、走行装置102に支持される。走行装置102は、車体101を支持して走行する。走行装置102は、車輪と、車輪に装着されるタイヤと、エンジンと、ブレーキ装置と、ステアリング装置とを含む。
【0027】
車体201は、車体フレームを含む。車体201は、走行装置202に支持される。走行装置202は、車体201を支持して走行する。走行装置202は、車輪と、車輪に装着されるタイヤと、エンジンと、ブレーキ装置と、ステアリング装置とを含む。ダンプボディ203は、積荷が積載される部材である。ダンプボディ203は、車体201に支持される。ダンプボディ203は、ダンプ動作及び下げ動作する。ダンプ動作とは、ダンプボディ203を車体201から離隔させてダンプ方向に傾斜させる動作をいう。下げ動作とは、ダンプボディ203を車体201に接近させる動作をいう。積込作業が実施される場合、ダンプボディ203は、下げ動作する。排土作業を実施する場合、ダンプボディ203は、ダンプ動作する。
【0028】
図3は、本実施形態に係る作業現場10の管理システム11を示すブロック図である。
【0029】
無人ライトビークル1は、制御装置15と、無線通信機13Aと、自己位置センサ17と、方位センサ18と、速度センサ19と、対象位置センサ20と、走行装置102とを有する。無線通信機13A、自己位置センサ17、方位センサ18、速度センサ19、及び対象位置センサ20のそれぞれは、制御装置15と通信することができる。走行装置102は、制御装置15に制御される。
【0030】
自己位置センサ17は、無人ライトビークル1の位置を検出する。無人ライトビークル1の位置は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して検出される。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を含む。全地球航法衛星システムは、緯度、経度、及び高度の座標データで規定されるグローバル座標系の位置を検出する。グローバル座標系とは、地球に固定された座標系をいう。自己位置センサ17は、GNSS受信機を含み、グローバル座標系における無人ライトビークル1の位置を示す無人ライトビークル1の絶対位置を検出する。
【0031】
方位センサ18は、無人ライトビークル1の方位を検出する。無人ライトビークル1の方位は、無人ライトビークル1のヨー角を含む。車体101の重心において上下方向に延伸する軸をヨー軸とした場合、ヨー角とは、ヨー軸を中心とする回転角度をいう。方位センサ18として、ジャイロセンサが例示される。
【0032】
速度センサ19は、無人ライトビークル1の走行速度を検出する。速度センサ19として、無人ライトビークル1の車輪の回転を検出するパルスセンサが例示される。
【0033】
対象位置センサ20は、無人ライトビークル1と無人ライトビークル1の周囲に存在する対象物との相対位置を検出する。対象位置センサ20は、対象物を非接触で検出する。対象位置センサ20として、レーザセンサ(LIDAR:Light Detection and Ranging)又はレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)が例示される。なお、対象位置センサ20は、対象物を撮像して、対象物との相対位置を検出する撮像装置でもよい。図2に示すように、対象位置センサ20は、車体101の前部と車体101の後部とのそれぞれに配置される。
【0034】
無人ダンプトラック2は、制御装置16と、無線通信機13Bと、自己位置センサ22と、方位センサ23と、速度センサ24と、走行装置202とを有する。無線通信機13B、自己位置センサ22、方位センサ23、及び速度センサ24のそれぞれは、制御装置16と通信することができる。走行装置202は、制御装置16に制御される。
【0035】
自己位置センサ22は、無人ダンプトラック2の位置を検出する。自己位置センサ22は、GNSS受信機を含み、グローバル座標系における無人ダンプトラック2の位置を示す無人ダンプトラック2の絶対位置を検出する。
【0036】
方位センサ23は、無人ダンプトラック2の方位を検出する。方位センサ23として、ジャイロセンサが例示される。
【0037】
速度センサ24は、無人ダンプトラック2の走行速度を検出する。速度センサ24として、無人ダンプトラック2の車輪の回転を検出するパルスセンサが例示される。
【0038】
管理装置12は、第1走行パス生成部121と、第2走行パス生成部122と、対象位置取得部123と、保護エリア設定部124と、第1許可エリア生成部125と、第2許可エリア生成部126とを有する。
【0039】
第1走行パス生成部121は、無人ライトビークル1の走行条件を示す走行データを生成する。第1走行パス生成部121は、通信システム13を介して無人ライトビークル1に走行データを送信する。
【0040】
第2走行パス生成部122は、無人ダンプトラック2の走行条件を示す走行データを生成する。第2走行パス生成部122は、通信システム13を介して無人ダンプトラック2に走行データを送信する。
【0041】
対象位置取得部123は、無人ライトビークル1の周囲に存在する対象物の位置を、通信システム13を介して無人ライトビークル1の制御装置15から取得する。
【0042】
保護エリア設定部124は、無人ダンプトラック2の進入を禁止する保護エリア62を設定する。
【0043】
第1許可エリア生成部125は、無人ライトビークル1の走行を許可する許可エリア33を生成する。第1許可エリア生成部125は、通信システム13を介して無人ライトビークル1に許可エリア33を送信する。
【0044】
第2許可エリア生成部126は、無人ダンプトラック2の走行を許可する許可エリア43を生成する。第2許可エリア生成部126は、通信システム13を介して無人ダンプトラック2に許可エリア43を送信する。
【0045】
制御装置15は、第1走行パス取得部151と、第1許可エリア取得部152と、センサデータ取得部153と、対象位置算出部154と、走行制御部155とを有する。
【0046】
第1走行パス取得部151は、第1走行パス生成部121において生成された無人ライトビークル1の走行データを、通信システム13を介して管理装置12から取得する。
【0047】
第1許可エリア取得部152は、第1許可エリア生成部125において生成された無人ライトビークル1の許可エリア33を、通信システム13を介して管理装置12から取得する。
【0048】
センサデータ取得部153は、自己位置センサ17の検出データ、方位センサ18の検出データ、速度センサ19の検出データ、及び対象位置センサ20の検出データを取得する。
【0049】
対象位置算出部154は、センサデータ取得部153により取得された検出データに基づいて、対象物の位置を算出する。本実施形態において、対象位置算出部154は、自己位置センサ17の検出データと対象位置センサ20の検出データとに基づいて、グローバル座標系における対象物の位置を示す対象物の絶対位置を算出する。上述のように、自己位置センサ17は、無人ライトビークル1の絶対位置を検出する。対象位置センサ20は、無人ライトビークル1と対象物との相対位置を検出する。対象位置算出部154は、無人ライトビークル1の絶対位置と、無人ライトビークル1と対象物との相対位置とに基づいて、対象物の絶対位置を算出することができる。
【0050】
走行制御部155は、第1走行パス取得部151により取得された無人ライトビークル1の走行データと、第1許可エリア取得部152により取得された無人ライトビークル1の許可エリア33と、センサデータ取得部153により取得された検出データとに基づいて、走行装置102を制御する。
【0051】
制御装置16は、第2走行パス取得部161と、第2許可エリア取得部162と、センサデータ取得部163と、走行制御部164とを有する。
【0052】
第2走行パス取得部161は、第2走行パス生成部122において生成された無人ダンプトラック2の走行データを、通信システム13を介して管理装置12から取得する。
【0053】
第2許可エリア取得部162は、第2許可エリア生成部126において生成された無人ダンプトラック2の許可エリア43を、通信システム13を介して管理装置12から取得する。
【0054】
センサデータ取得部163は、自己位置センサ22の検出データ、方位センサ23の検出データ、及び速度センサ24の検出データを取得する。
【0055】
走行制御部164は、第2走行パス取得部161により取得された無人ダンプトラック2の走行データと、第2許可エリア取得部162により取得された無人ダンプトラック2の許可エリア43と、センサデータ取得部163により取得された検出データとに基づいて、走行装置202を制御する。
【0056】
図4は、本実施形態に係る管理装置12のハードウエア構成図である。管理装置12は、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインタフェース1004とを有する。上述の管理装置12の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、コンピュータプログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0057】
制御装置15及び制御装置16のそれぞれも、図4に示すようなコンピュータシステム1000を含む。上述の制御装置15及び制御装置16のそれぞれの機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。
【0058】
<走行データ及び許可エリア>
図5は、本実施形態に係る無人ライトビークル1の走行データ及び許可エリア33を説明するための模式図である。
【0059】
無人ライトビークル1の走行データは、無人ライトビークル1の走行条件を規定する。無人ライトビークル1の走行データは、走行点31、走行パス32、無人ライトビークル1の目標位置、無人ライトビークル1の目標方位、及び無人ライトビークル1の目標走行速度を含む。走行パス32を含む無人ライトビークル1の走行データは、第1走行パス生成部121において生成される。
【0060】
走行点31は、作業現場10に複数設定される。走行点31は、無人ライトビークル1の目標位置を規定する。複数の走行点31のそれぞれに、無人ライトビークル1の目標方位及び無人ライトビークル1の目標走行速度が設定される。複数の走行点31は、間隔をあけて設定される。走行点31の間隔は、均一でもよいし、不均一でもよい。
【0061】
走行パス32とは、無人ライトビークル1の目標走行経路を示す仮想線をいう。走行パス32は、複数の走行点31を通過する軌跡によって規定される。無人ライトビークル1は、走行パス32に従って作業現場10を走行する。無人ライトビークル1は、無人ライトビークル1の車幅方向において、無人ライトビークル1の中心と走行パス32とが一致するように走行する。
【0062】
無人ライトビークル1の目標位置とは、走行点31を通過するときの無人ライトビークル1の目標位置をいう。無人ライトビークル1の目標位置は、無人ライトビークル1のローカル座標系において規定されてもよいし、グローバル座標系において規定されてもよい。
【0063】
無人ライトビークル1の目標方位とは、走行点31を通過するときの無人ライトビークル1の目標方位をいう。
【0064】
無人ライトビークル1の目標走行速度とは、走行点31を通過するときの無人ライトビークル1の目標走行速度をいう。
【0065】
第1許可エリア生成部125は、無人ライトビークル1の走行を許可する許可エリア33と、無人ライトビークル1の停止点34とを生成する。許可エリア33は、無人ライトビークル1の周囲を走行する他の無人ライトビークル1及び無人ダンプトラック2の進入を禁止する進入禁止エリアとして機能する。許可エリア33は、無人ライトビークル1の進行方向に設定される。無人ライトビークル1が前進する場合、許可エリア33の少なくとも一部は、無人ライトビークル1の前方に設定される。許可エリア33は、走行パス32を含むように帯状に設定される。また、許可エリア33は、無人ライトビークル1を含むように設定される。無人ライトビークル1の車幅方向において、許可エリア33の幅は、無人ライトビークル1の車幅よりも大きい。停止点34は、許可エリア33の先端部に設定される。無人ライトビークル1が停止点34で停止できるように、無人ライトビークル1の走行速度が制御される。
【0066】
図6は、本実施形態に係る無人ダンプトラック2の走行データ及び許可エリア43を説明するための模式図である。
【0067】
無人ダンプトラック2の走行データは、無人ダンプトラック2の走行条件を規定する。無人ダンプトラック2の走行データは、走行点41、走行パス42、無人ダンプトラック2の目標位置、無人ダンプトラック2の目標方位、及び無人ダンプトラック2の目標走行速度を含む。走行パス42を含む無人ダンプトラック2の走行データは、第2走行パス生成部122において生成される。無人ダンプトラック2は、無人ダンプトラック2の車幅方向において、無人ダンプトラック2の中心と走行パス42とが一致するように走行する。無人ダンプトラック2の走行点41の機能及び走行パス42の機能は、無人ライトビークル1の走行点31の機能及び走行パス32の機能と同様であるため、その説明を省略する。
【0068】
第2許可エリア生成部126は、無人ダンプトラック2の走行を許可する許可エリア43と、無人ダンプトラック2の停止点44とを生成する。許可エリア43は、無人ダンプトラック2を含むように設定される。無人ダンプトラック2の車幅方向において、許可エリア43の幅は、無人ダンプトラック2の車幅よりも大きい。無人ダンプトラック2の許可エリア43の機能及び停止点44の機能は、無人ライトビークル1の許可エリア33の機能及び停止点34の機能と同様であるため、その説明を省略する。
【0069】
第1許可エリア生成部125は、複数の無人ライトビークル1のそれぞれについて許可エリア33を生成する。第1許可エリア生成部125は、複数の許可エリア33が相互に重複しないように、許可エリア33を生成する。第1許可エリア生成部125は、無人ダンプトラック2の許可エリア43に重複しないように、許可エリア33を生成する。
【0070】
第2許可エリア生成部126は、複数の無人ダンプトラック2のそれぞれについて許可エリア43を生成する。第2許可エリア生成部126は、複数の許可エリア43が相互に重複しないように、許可エリア43を生成する。第2許可エリア生成部126は、無人ライトビークル1の許可エリア33に重複しないように、許可エリア43を生成する。
【0071】
第1許可エリア生成部125は、無人ライトビークル1の進行に伴って許可エリア33を順次更新する。第1許可エリア生成部125は、無人ライトビークル1が通過後の許可エリア33を順次解除する。第1許可エリア生成部125は、無人ライトビークル1が通過前の許可エリア33を無人ライトビークル1の進行方向に順次延伸する。無人ライトビークル1が通過後の許可エリア33が解除されることにより、他の無人ライトビークル1及び無人ダンプトラック2が走行可能になる。無人ライトビークル1が通過前の許可エリア33が延伸されることにより、無人ライトビークル1の進行が継続される。許可エリア33を延伸できない事象が発生した場合、無人ライトビークル1は、停止点34で停止する。許可エリア33を延伸できない事象として、許可エリア33の前方に他の無人ライトビークル1又は無人ダンプトラック2が停止している事象が例示される。
【0072】
第2許可エリア生成部126は、無人ダンプトラック2の進行に伴って許可エリア43を順次更新する。第2許可エリア生成部126は、無人ダンプトラック2が通過後の許可エリア43を順次解除する。第2許可エリア生成部126は、無人ダンプトラック2が通過前の許可エリア43を無人ダンプトラック2の進行方向に順次延伸する。無人ダンプトラック2が通過後の許可エリア43が解除されることにより、他の無人ダンプトラック2及び無人ライトビークル1が走行可能になる。無人ダンプトラック2が通過前の許可エリア43が延伸されることにより、無人ダンプトラック2の進行が継続される。許可エリア43を延伸できない事象が発生した場合、無人ダンプトラック2は、停止点44で停止する。許可エリア43を延伸できない事象として、許可エリア43の前方に他の無人ダンプトラック2又は無人ライトビークル1が停止している事象が例示される。
【0073】
走行制御部155は、無人ライトビークル1の走行データと、無人ライトビークル1の許可エリア33と、センサデータ取得部153により取得された検出データとに基づいて、無人ライトビークル1が走行パス32に従って走行するように、走行装置102を制御する。
【0074】
走行制御部155は、走行点31を通過するときに自己位置センサ17により検出された無人ライトビークル1の検出位置と走行点31に設定されている無人ライトビークル1の目標位置との偏差が小さくなるように、走行装置102を制御する。
【0075】
走行制御部155は、走行点31を通過するときに方位センサ18により検出された無人ライトビークル1の検出方位と走行点31に設定されている無人ライトビークル1の目標方位との偏差が小さくなるように、走行装置102を制御する。
【0076】
走行制御部155は、走行点31を通過するときに速度センサ19により検出された無人ライトビークル1の検出走行速度と走行点31に設定されている無人ライトビークル1の目標走行速度との偏差が小さくなるように、走行装置102を制御する。
【0077】
走行制御部155は、許可エリア33及び許可エリア43に基づいて、走行装置102を制御する。許可エリア33を延伸できない事象が発生した場合、走行制御部155は、無人ライトビークル1が停止点34で停止するように、走行装置102を制御する。走行制御部155は、他の無人ライトビークル1に設定されている許可エリア33及び無人ダンプトラック2に設定されている許可エリア43に無人ライトビークル1が進入しないように、走行装置102を制御する。
【0078】
走行制御部164は、無人ダンプトラック2の走行データと、無人ダンプトラック2の許可エリア43と、センサデータ取得部163により取得された検出データとに基づいて、無人ダンプトラック2が走行パス42に従って走行するように、走行装置202を制御する。
【0079】
走行制御部164は、走行点41を通過するときに自己位置センサ22により検出された無人ダンプトラック2の検出位置と走行点41に設定されている無人ダンプトラック2の目標位置との偏差が小さくなるように、走行装置202を制御する。
【0080】
走行制御部164は、走行点41を通過するときに方位センサ23により検出された無人ダンプトラック2の検出方位と走行点41に設定されている無人ダンプトラック2の目標方位との偏差が小さくなるように、走行装置202を制御する。
【0081】
走行制御部164は、走行点41を通過するときに速度センサ24により検出された無人ダンプトラック2の検出走行速度と走行点41に設定されている無人ダンプトラック2の目標走行速度との偏差が小さくなるように、走行装置202を制御する。
【0082】
走行制御部164は、許可エリア43及び許可エリア33に基づいて、走行装置202を制御する。許可エリア43を延伸できない事象が発生した場合、走行制御部164は、無人ダンプトラック2が停止点44で停止するように、走行装置202を制御する。走行制御部164は、他の無人ダンプトラック2に設定されている許可エリア43及び無人ライトビークル1に設定されている許可エリア33に無人ダンプトラック2が進入しないように、走行装置202を制御する。
【0083】
<対象車両のエスコート>
図7は、本実施形態に係る無人ライトビークル1が対象車両100をエスコートしている状態を示す図である。
【0084】
図7に示すように、作業現場10において、無人ライトビークル1は、対象車両100をエスコートする。無人ライトビークル1は、対象車両100を誘導する。本実施形態において、無人ライトビークル1は、エスコート車両であり、対象車両100は、被エスコート車両である。
【0085】
対象車両100は、有人車両である。有人車両とは、有人車両の運転室に搭乗した運転者の運転操作によって走行する車両をいう。対象車両100は、作業現場10の外部から作業現場10に進入する。対象車両100には、作業現場10の外部から作業現場10を訪れた者が搭乗する。対象車両100として、作業現場10の見学のために訪れた見学者が搭乗する有人車両、又は機器のメンテナンスのために訪れた作業者が搭乗する有人車両が例示される。
【0086】
対象車両100は、管理システム11に管理されない車両である。対象車両100は、管理システム11に登録されない車両である。対象車両100は、管理装置12と通信できない車両である。管理装置12は、対象車両100の位置、方位、及び走行速度を認識することができない。
【0087】
無人ライトビークル1は、作業現場10の目的地まで対象車両100を誘導する。無人ライトビークル1は、第1走行パス生成部121により生成された走行パス32に従って作業現場10を走行する。図7は、無人ライトビークル1が作業現場10の走行路7を走行する状態を示す。走行パス32は、作業現場10の目的地に向かって無人ライトビークル1が走行するように生成される。
【0088】
本実施形態において、無人ライトビークル1は、対象車両100の前方を走行する。対象車両100の運転者は、対象車両100が無人ライトビークル1の後方を走行するように、対象車両100を運転する。
【0089】
保護エリア設定部124は、無人ダンプトラック2の進入を禁止する保護エリア62を対象車両100に設定する。保護エリア設定部124は、走行パス32に従って作業現場10を走行する無人ライトビークル1の位置に基づいて、保護エリア62を対象車両100に設定する。保護エリア設定部124は、対象車両100を誘導する無人ライトビークル1の位置と、対象車両100の外形の大きさとに基づいて、保護エリア62の内側に対象車両100が配置されるように、保護エリア62を設定する。保護エリア設定部124は、保護エリア62の周縁部が対象車両100の周囲に配置されるように、保護エリア62を設定する。
【0090】
保護エリア62は、対象車両100の周囲を走行する無人ダンプトラック2の進入を禁止する進入禁止エリアである。無人ダンプトラック2の走行制御部164は、保護エリア62に無人ダンプトラック2が進入しないように、無人ダンプトラック2の走行装置202を制御する。無人ダンプトラック2の走行制御部164は、無人ダンプトラック2の進路に保護エリア62が設定されている場合、無人ダンプトラック2を減速させたり停車させたりする。保護エリア62が対象車両100に設定されることにより、無人ダンプトラック2が対象車両100に接近又は接触することが抑制される。
【0091】
保護エリア設定部124は、対象車両100を誘導する無人ライトビークル1の位置と、無人ライトビークル1と対象車両100との相対位置とに基づいて、保護エリア62を設定する。
【0092】
無人ライトビークル1は、無人ライトビークル1の位置を検出する自己位置センサ17を有する。無人ライトビークル1は、無人ライトビークル1と対象車両100との相対位置を検出する対象位置センサ20を有する。対象位置センサ20は、無人ライトビークル1の車体101の後部に配置される。対象位置センサ20の検出エリア61は、無人ライトビークル1の後方に規定される。対象車両100が検出エリア61に配置されるように、無人ライトビークル1と対象車両100との車間距離が維持される。対象位置センサ20は、無人ライトビークル1と無人ライトビークル1の後方を走行する対象車両100との相対位置を検出することができる。
【0093】
保護エリア設定部124は、自己位置センサ17の検出データと、対象位置センサ20の検出データとに基づいて、保護エリア62を設定する。本実施形態において、対象位置算出部154は、センサデータ取得部153により取得された自己位置センサ17の検出データと、センサデータ取得部153により取得された対象位置センサ20の検出データとに基づいて、対象車両100の位置を算出する。本実施形態において、対象位置算出部154は、自己位置センサ17により検出された無人ライトビークル1の絶対位置と、対象位置センサ20により検出された無人ライトビークル1と対象車両100との相対位置とに基づいて、対象車両100の絶対位置を算出する。対象位置算出部154は、算出した対象車両100の位置を、通信システム13を介して管理装置12に送信する。対象位置取得部123は、対象位置算出部154により算出された対象車両100の位置を、通信システム13を介して無人ライトビークル1の制御装置15から取得する。保護エリア設定部124は、対象位置取得部123により取得された対象車両100の位置に基づいて、保護エリア62の内側に対象車両100が配置されるように、保護エリア62を設定する。
【0094】
図7に示すように、本実施形態において、無人ライトビークル1の走行パス32と無人ダンプトラック2の走行パス42とが走行路7において並ぶように設定される。図7に示す例において、走行パス32と走行パス42とは、実質的に平行である。また、走行パス32と走行パス42とは、走行路7が対向2車線走行路になるように設定される。無人ライトビークル1及び対象車両100と無人ダンプトラック2とは、対面通行する。無人ダンプトラック2は、無人ライトビークル1及び対象車両100の対向車両である。走行路7において、無人ライトビークル1及び対象車両100と無人ダンプトラック2とは、すれ違うように走行する。図7に示す例において、無人ライトビークル1及び対象車両100は、走行路7の左側の走行レーンを第1方向に走行する。無人ダンプトラック2は、走行路7の右側の走行レーンを第1方向とは逆の第2方向に走行する。
【0095】
無人ライトビークル1は、無人ライトビークル1の車幅方向において、無人ライトビークル1の中心と走行パス32とが一致するように走行する。無人ダンプトラック2は、無人ダンプトラック2の車幅方向において、無人ダンプトラック2の中心と走行パス42とが一致するように走行する。許可エリア33は、走行パス32及び無人ライトビークル1を含むように設定される。許可エリア43は、走行パス42及び無人ダンプトラック2を含むように設定される。
【0096】
走行路7が対向2車線走行路になるように走行パス32と走行パス42とが設定される場合、無人ライトビークル1と無人ダンプトラック2との接近又は接触が抑制されるように、走行パス32、走行パス42、許可エリア33、及び許可エリア43のそれぞれが生成される。無人ライトビークル1と無人ダンプトラック2とは、相互に接近又は接触することなく、すれ違うように走行することができる。
【0097】
対象車両100は、無人ライトビークル1に誘導されることにより、実質的に走行パス32に従って走行する。対象車両100は、対象車両100の車幅方向において、対象車両100の中心と走行パス32とが実質的に一致するように走行する。図7に示す例において、保護エリア62と無人ダンプトラック2の走行パス42及び許可エリア43とは、重複しない。なお、保護エリア62の少なくとも一部と無人ダンプトラック2の走行パス42及び許可エリア43とが重複してもよい。
【0098】
本実施形態において、保護エリア設定部124は、走行パス32に従って走行路7を走行する無人ライトビークル1の位置に基づいて、保護エリア62を対象車両100に設定する。対象車両100は、実質的に走行パス32に従って走行する。そのため、対象車両100と無人ダンプトラック2とが接近又は接触する可能性は低い。
【0099】
対象車両100と無人ダンプトラック2とが接近又は接触する可能性が低いので、保護エリア設定部124は、保護エリア62を過度に大きくしなくても、保護エリア62で対象車両100を保護することができる。保護エリア62が過度に大きく設定され、保護エリア62の少なくとも一部が無人ダンプトラック2の進路に設定されると、無人ダンプトラック2の走行制御部164は、無人ダンプトラック2を減速させたり停車させたりする。無人ダンプトラック2と対象車両100とが接近又は接触する可能性が低いにもかかわらず、無人ダンプトラック2が不必要に減速したり停車したりすると、作業現場10の生産性が低下する。本実施形態において、保護エリア設定部124は、走行パス32に従って走行路7を走行する無人ライトビークル1の位置に基づいて、保護エリア62を過度に大きく設定しない。保護エリア設定部124は、走行パス32に従って走行路7を走行する無人ライトビークル1の位置に基づいて、保護エリア62と無人ダンプトラック2の走行パス42及び許可エリア43とが重複しないように、保護エリア62を設定する。保護エリア62が過度に大きくならないので、無人ダンプトラック2が不必要に減速したり停車したりすることが抑制される。そのため、作業現場10の生産性の低下が抑制される。
【0100】
<管理方法>
図8は、本実施形態に係る作業現場10の管理方法を示すフローチャートである。
【0101】
第1走行パス生成部121は、走行パス32を含む無人ライトビークル1の走行データを生成し、第2走行パス生成部122は、走行パス42を含む無人ダンプトラック2の走行データを生成する(ステップSC1)。
【0102】
第1許可エリア生成部125は、無人ライトビークル1の許可エリア33を生成し、第2許可エリア生成部126は、無人ダンプトラック2の許可エリア43を生成する(ステップSC2)。
【0103】
ステップSC1において生成された走行パス32を含む無人ライトビークル1の走行データ、及びステップSC2において生成された無人ライトビークル1の許可エリア33は、通信システム13を介して無人ライトビークル1に送信される。第1走行パス取得部151は、走行パス32を含む無人ライトビークル1の走行データを取得し、第1許可エリア取得部152は、無人ライトビークル1の許可エリア33を取得する。走行制御部155は、走行パス32を含む無人ライトビークル1の走行データ及び無人ライトビークル1の許可エリア33に基づいて無人ライトビークル1が作業現場10を走行するように、走行装置102を制御する。
【0104】
ステップSC1において生成された走行パス42を含む無人ダンプトラック2の走行データ、及びステップSC2において生成された無人ダンプトラック2の許可エリア43は、通信システム13を介して無人ダンプトラック2に送信される。第2走行パス取得部161は、走行パス42を含む無人ダンプトラック2の走行データを取得し、第2許可エリア取得部162は、無人ダンプトラック2の許可エリア43を取得する。走行制御部164は、走行パス42を含む無人ダンプトラック2の走行データ及び無人ダンプトラック2の許可エリア43に基づいて無人ダンプトラック2が作業現場10を走行するように、走行装置202を制御する。
【0105】
無人ライトビークル1が対象車両100を誘導する場合、センサデータ取得部153は、自己位置センサ17の検出データ及び対象位置センサ20の検出データを取得する(ステップSA1)。
【0106】
対象位置算出部154は、自己位置センサ17により検出される無人ライトビークル1の絶対位置と、対象位置センサ20により検出される無人ライトビークル1と対象車両100との相対位置とに基づいて、対象車両100の絶対位置を算出する(ステップSA2)。
【0107】
対象位置算出部154は、算出した対象車両100の絶対位置を、通信システム13を介して管理装置12に送信する。
【0108】
対象位置取得部123は、制御装置15から送信された対象車両100の絶対位置を取得する。保護エリア設定部124は、対象車両100の絶対位置に基づいて、保護エリア62を対象車両100に設定する。保護エリア設定部124は、対象車両100の絶対位置に基づいて、保護エリア62の内側に対象車両100が配置されるように、保護エリア62を設定する(ステップSC3)。
【0109】
保護エリア62を示す保護エリアデータは、無人ダンプトラック2に送信される。保護エリアデータは、保護エリア62の位置及び大きさを含む。無人ダンプトラック2の走行制御部164は、無人ダンプトラック2が保護エリア62に進入しないように、走行装置202を制御する。
【0110】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、管理システム11は、走行パス32を生成する第1走行パス生成部121と、走行パス32に従って作業現場10を走行する無人ライトビークル1の位置に基づいて、無人ダンプトラック2の進入を禁止する保護エリア62を対象車両100に設定する保護エリア設定部124と、を備える。保護エリア62が設定されることにより、無人ライトビークル1に誘導される対象車両100と無人ダンプトラック2とが接近又は接触することが抑制される。対象車両100は、保護エリア62により無人ダンプトラック2から保護される。また、保護エリア62は、走行パス32に従って走行する無人ライトビークル1の位置に基づいて設定される。走行パス32は、無人ライトビークル1と無人ダンプトラック2との接近又は接触が抑制されるように生成される。そのため、無人ライトビークル1に誘導される対象車両100と無人ダンプトラック2とが接近又は接触する可能性も低い。無人ライトビークル1に誘導される対象車両100と無人ダンプトラック2とが接近又は接触する可能性が低いので、保護エリア設定部124は、保護エリア62を過度に大きくしなくても、保護エリア62で対象車両100を保護することができる。保護エリア62が過度に大きくならないので、無人ダンプトラック2が不必要に減速したり停車したりすることが抑制される。そのため、作業現場10の生産性の低下が抑制される。
【0111】
無人ライトビークル1は、対象車両100の前方を走行する。対象車両100の運転者は、無人ライトビークル1の後方を走行することにより、作業現場10の目的地に到達することができる。
【0112】
保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1の位置と、無人ライトビークル1と対象車両100との相対位置とに基づいて、保護エリア62の内側に対象車両100が配置されるように、保護エリア62を設定することができる。保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1が有する自己位置センサ17の検出データと、無人ライトビークル1が有する対象位置センサ20の検出データとに基づいて、保護エリア62を対象車両100に適正に設定することができる。
【0113】
<変形例>
本実施形態において、制御装置15の対象位置算出部154が、自己位置センサ17の検出データ及び対象位置センサ20の検出データに基づいて、対象車両100の絶対位置を算出し、対象位置算出部154において算出された対象車両100の絶対位置が、通信システム13を介して管理装置12に送信されることとした。例えば、自己位置センサ17の検出データ及び対象位置センサ20の検出データが通信システム13を介して管理装置12に送信されてもよい。保護エリア設定部124は、通信システム13を介して管理装置12に送信された自己位置センサ17の検出データと対象位置センサ20の検出データとに基づいて、保護エリア62を設定してもよい。
【0114】
本実施形態において、無人ライトビークル1の車体101の後部に設けられた対象位置センサ20により、無人ライトビークル1と対象車両100との相対位置が検出されることとした。例えば対象車両100の運転者の運転技量に起因して、無人ライトビークル1と対象車両100との車間距離が長くなる可能性がある。無人ライトビークル1と対象車両100との車間距離が長くなって、対象車両100が対象位置センサ20の検出エリア61から出てしまうと、対象位置センサ20は、無人ライトビークル1と対象車両100との相対位置を検出することが困難となる可能性がある。無人ライトビークル1の走行制御部155は、対象位置センサ20の検出データに基づいて、対象車両100が対象位置センサ20の検出エリア61から出ないように、無人ライトビークル1の走行速度を調整してもよい。例えば、無人ライトビークル1と対象車両100との車間距離が長くなった場合、無人ライトビークル1の走行制御部155は、対象位置センサ20の検出データに基づいて、無人ライトビークル1と対象車両100との車間距離が長くなり過ぎないように、すなわち、対象車両100が対象位置センサ20の検出エリア61から出ないように、無人ライトビークル1の走行速度を低下させてもよい。
【0115】
本実施形態において、無人ライトビークル1は、対象車両100の前方を走行することとした。また、対象位置センサ20の検出エリア61は、無人ライトビークル1の後方に規定されることとした。無人ライトビークル1は、対象車両100の後方を走行してもよい。対象車両100の後方を走行する無人ライトビークル1の車体101の前部に対象位置センサ20が配置され、対象位置センサ20の検出エリア61が無人ライトビークル1の前方に規定されることにより、対象位置センサ20は、対象車両100と無人ライトビークル1との相対位置を検出することができる。
【0116】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0117】
図9は、本実施形態に係る無人ライトビークル1が対象車両100をエスコートしている状態を示す図である。
【0118】
本実施形態において、対象車両100を誘導する無人ライトビークル1は、対象車両100の前方を走行する先導車両である無人ライトビークル1Aと、対象車両100の後方を走行する後続車両である無人ライトビークル1Bとを含む。対象車両100は、無人ライトビークル1Aと無人ライトビークル1Bとに前後方向から挟まれた状態で走行する。
【0119】
無人ライトビークル1Aと無人ライトビークル1Bとは、走行パス32に従って走行する。無人ライトビークル1Aの走行パス32と、無人ライトビークル1Bの走行パス32とは、同じ走行パス32である。無人ライトビークル1A及び無人ライトビークル1Bのそれぞれに許可エリア33が設定される。無人ライトビークル1Aに設定される許可エリア33と、無人ライトビークル1Bに設定される許可エリア33とは、別々の許可エリア33である。
【0120】
対象車両100は、無人ライトビークル1A及び無人ライトビークル1Bに誘導されることにより、実質的に走行パス32に従って走行する。
【0121】
無人ライトビークル1Aの車体101の後部に対象位置センサ20が配置される。無人ライトビークル1Aの対象位置センサ20の検出エリア61Aは、無人ライトビークル1Aの後方に規定される。無人ライトビークル1Bの車体101の前部に対象位置センサ20が配置される。無人ライトビークル1Bの対象位置センサ20の検出エリア61Bは、無人ライトビークル1Bの前方に規定される。
【0122】
無人ライトビークル1Aの絶対位置は、無人ライトビークル1Aに配置される自己位置センサ17により検出される。無人ライトビークル1Aと対象車両100との相対位置は、無人ライトビークル1Aに配置される対象位置センサ20により検出される。無人ライトビークル1Bの絶対位置は、無人ライトビークル1Bに配置される自己位置センサ17により検出される。無人ライトビークル1Bと対象車両100との相対位置は、無人ライトビークル1Bに配置される対象位置センサ20により検出される。
【0123】
保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1Aの絶対位置と、無人ライトビークル1Aと対象車両100との相対位置とに基づいて、対象車両100の第1の絶対位置を算出する。保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1Bの絶対位置と、無人ライトビークル1Bと対象車両100との相対位置とに基づいて、対象車両100の第2の絶対位置を算出する。
【0124】
保護エリア設定部124は、対象車両100の第1の絶対位置及び対象車両100の第2の絶対位置の一方又は両方に基づいて、保護エリア62を対象車両100に設定する。
【0125】
保護エリア設定部124は、対象車両100の第1の絶対位置及び対象車両100の第2の絶対位置の両方に基づいて、保護エリア62を対象車両100に設定してもよい。例えば、保護エリア設定部124は、対象車両100の第1の絶対位置と対象車両100の第2の絶対位置との中間値(平均値)を算出する。保護エリア設定部124は、算出した中間値に基づいて、保護エリア62を対象車両100に設定する。
【0126】
保護エリア設定部124は、対象車両100の第1の絶対位置及び対象車両100の第2の絶対位置の一方に基づいて、保護エリア62を対象車両100に設定してもよい。無人ライトビークル1Aの対象位置センサ20及び無人ライトビークル1Bの対象位置センサ20の一方が対象車両100を検出できない状況が発生する可能性がある。すなわち、対象車両100の第1の絶対位置及び対象車両100の第2の絶対位置のいずれか一方を算出できない状況が発生する可能性がある。例えば走行路7のカーブを無人ライトビークル1Aと対象車両100と無人ライトビークル1Bとが走行する場合、対象車両100が検出エリア61A及び検出エリア61Bの一方から出てしまい、その結果、対象車両100の第1の絶対位置及び対象車両100の第2の絶対位置の一方を算出できない状況が発生する可能性がある。また、例えば対象車両100の運転者の運転技量に起因して、対象車両100が検出エリア61A及び検出エリア61Bの一方から出てしまい、その結果、対象車両100の第1の絶対位置及び対象車両100の第2の絶対位置の一方を算出できない状況が発生する可能性がある。保護エリア設定部124は、例えば対象車両100の第1の絶対位置を算出できない状況が発生しても、対象車両100の第2の絶対位置に基づいて、保護エリア62を対象車両100に設定することができる。保護エリア設定部124は、例えば対象車両100の第2の絶対位置を算出できない状況が発生しても、対象車両100の第1の絶対位置に基づいて、保護エリア62を対象車両100に設定することができる。
【0127】
以上説明したように、本実施形態によれば、対象車両100は、対象車両100の前方を走行する無人ライトビークル1Aと対象車両100の後方を走行する無人ライトビークル1Bとにより目的地まで誘導される。無人ライトビークル1Aの対象位置センサ20が対象車両100を検出できない状況が発生しても、保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1Bの対象位置センサ20の検出データに基づいて、保護エリア62を対象車両100に設定することができる。無人ライトビークル1Bの対象位置センサ20が対象車両100を検出できない状況が発生しても、保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1Aの対象位置センサ20の検出データに基づいて、保護エリア62を対象車両100に設定することができる。対象位置センサ20に冗長性を持たせることにより、無人ライトビークル1Aの対象位置センサ20及び無人ライトビークル1Bの対象位置センサ20の一方が対象車両100を検出できない状況が発生しても、保護エリア設定部124は、保護エリア62を対象車両100に設定することができる。
【0128】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0129】
図10は、本実施形態に係る無人ライトビークル1が対象車両100をエスコートしている状態を示す図である。
【0130】
本実施形態において、保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1の位置と、無人ライトビークル1の走行パス32とに基づいて、保護エリア62を対象車両100に設定する。無人ライトビークル1の絶対位置は、無人ライトビークル1に配置される自己位置センサ17により検出される。本実施形態において、無人ライトビークル1に対象位置センサ20が配置されなくてもよい。走行パス32(走行点31)は、走行パス32に基づいて走行する無人ライトビークル1の位置を指定する。保護エリア設定部124は、自己位置センサ17の検出データと、走行パス32(走行点31)の位置とに基づいて、保護エリア62を設定する。
【0131】
図10に示す例において、無人ライトビークル1は、対象車両100の前方を走行する先導車両である無人ライトビークル1Aと、対象車両100の後方を走行する後続車両である無人ライトビークル1Bとを含む。無人ライトビークル1Aの絶対位置は、無人ライトビークル1Aに配置される自己位置センサ17により検出される。無人ライトビークル1Bの絶対位置は、無人ライトビークル1Bに配置される自己位置センサ17により検出される。保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1Aの少なくとも一部及び無人ライトビークル1Bの少なくとも一部を含むように、保護エリア62を設定する。また、保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1Aと無人ライトビークル1Bとの間の走行パス32を含むように、保護エリア62を設定する。保護エリア62は、無人ライトビークル1Aと無人ライトビークル1Bとを繋ぐように、帯状に設定される。
【0132】
対象車両100は、無人ライトビークル1A及び無人ライトビークル1Bに誘導されることにより、実質的に走行パス32に従って走行する。そのため、対象車両100は、保護エリア62の内側に配置された状態で走行することができる。
【0133】
図11は、本実施形態に係る無人ライトビークル1が対象車両100をエスコートしている状態を示す図である。図11は、走行路7のカーブを無人ライトビークル1Aと対象車両100と無人ライトビークル1Bとが走行している状態を示す。保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1Aと無人ライトビークル1Bとを繋ぐように、保護エリア62を設定する。保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1Aの少なくとも一部及び無人ライトビークル1Bの少なくとも一部を含むように、保護エリア62を設定する。また、保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1Aと無人ライトビークル1Bとの間の走行パス32を含むように、保護エリア62を設定する。対象車両100は、実質的に走行パス32に従って走行する。そのため、走行路7のカーブを走行する場合においても、対象車両100は、保護エリア62の内側に配置された状態で走行することができる。
【0134】
以上説明したように、本実施形態によれば、保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1の位置と、走行パス32とに基づいて、保護エリア62を設定する。対象車両100は、実質的に走行パス32に従って走行する。そのため、対象車両100は、保護エリア62の内側に配置された状態で走行することができる。
【0135】
なお、本実施形態において、無人ライトビークル1は、対象車両100の前方を走行する無人ライトビークル1Aと、対象車両100の後方を走行する無人ライトビークル1Bとを含むこととした。無人ライトビークル1は、対象車両100の前方を走行し、対象車両100の後方を走行しなくてもよい。保護エリア設定部124は、対象車両100の前方を走行する無人ライトビークル1の位置と、無人ライトビークル1の走行パス32とに基づいて、保護エリア62を設定する。保護エリア設定部124は、対象車両100の前方を走行する無人ライトビークル1及び無人ライトビークル1の後方の走行パス32を含むように、保護エリア62を設定する。対象車両100は、無人ライトビークル1の後方の走行パス32に従って走行する。そのため、無人ライトビークル1の後方の走行パス32を含むように保護エリア62が設定されることにより、対象車両100は、保護エリア62の内側に配置された状態で走行することができる。
【0136】
また、無人ライトビークル1は、対象車両100の後方を走行し、対象車両100の前方を走行しなくてもよい。保護エリア設定部124は、対象車両100の後方を走行する無人ライトビークル1及び無人ライトビークル1の前方の走行パス32を含むように、保護エリア62を設定する。対象車両100は、無人ライトビークル1の前方の走行パス32に従って走行する。そのため、無人ライトビークル1の前方の走行パス32を含むように保護エリア62が設定されることにより、対象車両100は、保護エリア62の内側に配置された状態で走行することができる。
【0137】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、保護エリア設定部124は、走行パス32に従って作業現場10を走行する無人ライトビークル1の位置のみに基づいて、保護エリア62を対象車両100に設定してもよい。対象車両100は、実質的に走行パス32に従って走行する。例えば無人ライトビークル1が対象車両100の前方を走行する場合、対象車両100の運転者は、無人ライトビークル1と対象車両100との車間距離がある値に維持されるように、対象車両100を運転する。保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1と対象車両100との車間距離を推定することができる。保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1の位置と、推定される無人ライトビークル1と対象車両100との車間距離とに基づいて、保護エリア62を対象車両100に設定することができる。
【0138】
上述の実施形態において、保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1が通過した後の走行パス32に基づいて保護エリア62を設定してもよいし、無人ライトビークル1が通過する前の走行パス32に基づいて保護エリア62を設定してもよい。すなわち、保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1の走行に利用された後の走行パス32に基づいて保護エリア62を設定してもよいし、無人ライトビークル1の走行に利用される前の走行パス32に基づいて保護エリア62を設定してもよい。
【0139】
上述の実施形態において、保護エリア設定部124は、作業現場10を走行する無人ライトビークル1の位置に基づいて保護エリア62を設定してもよい。すなわち、保護エリア設定部124は、走行パス32に基づかずに、無人ライトビークル1が実際に走行した走行軌跡に基づいて保護エリア62を設定してもよい。保護エリア設定部124は、無人ライトビークル1の自己位置センサ17の検出データに基づいて、無人ライトビークル1が実際に走行した走行軌跡を算出することができる。
【0140】
上述の実施形態において、保護エリア62は、無人ダンプトラック2の進入を禁止する進入禁止エリアであることとした。保護エリア62は、対象車両100を誘導する無人ライトビークル1とは別の無人ライトビークル1の進入を禁止する進入禁止エリアとして機能してもよい。別の無人ライトビークル1が対象車両100の周囲を走行する場合、保護エリア62が対象車両100に設定されることにより、別の無人ライトビークル1が対象車両100に接近又は接触することが抑制される。また、無人ライトビークル1及び無人ダンプトラック2とは別の第3無人車両が作業現場10を走行する場合、保護エリア62は、第3無人車両の進入を禁止する進入禁止エリアとして機能してもよい。
【0141】
上述の実施形態において、制御装置15の機能の少なくとも一部が管理装置12に設けられてもよいし、管理装置12の機能の少なくとも一部が制御装置15に設けられてもよい。例えば、上述の実施形態において、管理装置12が、センサデータ取得部153及び対象位置算出部154の機能を有してもよい。例えば、自己位置センサ17の検出データ及び対象位置センサ20の検出データが通信システム13を介して管理装置12に送信され、管理装置12において、対象車両100の位置が算出されてもよい。保護エリア設定部124は、管理装置12において算出された対象車両100の位置に基づいて、保護エリア62を設定してもよい。また、制御装置15が、例えば保護エリア設定部124の機能を有してもよい。同様に、制御装置16の機能の少なくとも一部が管理装置12に設けられてもよいし、管理装置12の機能の少なくとも一部が制御装置16に設けられてもよい。
【0142】
上述の実施形態において、管理装置12の複数の機能が別々のハードウエアにより構成されてもよい。すなわち、第1走行パス生成部121、第2走行パス生成部122、対象位置取得部123、保護エリア設定部124、第1許可エリア生成部125、及び第2許可エリア生成部126のそれぞれが、別々のハードウエアにより構成されてもよい。同様に、制御装置15の複数の機能が別々のハードウエアにより構成されてもよいし、制御装置16の複数の機能が別々のハードウエアにより構成されてもよい。
【符号の説明】
【0143】
1…無人ライトビークル(第1無人車両)、1A…無人ライトビークル(先導車両)、1B…無人ライトビークル(後続車両)、2…無人ダンプトラック(第2無人車両)、3…積込場、4…排土場、5…駐機場、6…待機場、7…走行路、8…積込機、9…破砕機、10…作業現場、11…管理システム、12…管理装置、13…通信システム、13A…無線通信機、13B…無線通信機、13C…無線通信機、14…管制施設、15…制御装置、16…制御装置、17…自己位置センサ、18…方位センサ、19…速度センサ、20…対象位置センサ、22…自己位置センサ、23…方位センサ、24…速度センサ、31…走行点、32…走行パス、33…許可エリア、34…停止点、41…走行点、42…走行パス、43…許可エリア、44…停止点、61…検出エリア、61A…検出エリア、61B…検出エリア、62…保護エリア、100…対象車両、101…車体、102…走行装置、121…第1走行パス生成部、122…第2走行パス生成部、123…対象位置取得部、124…保護エリア設定部、125…第1許可エリア生成部、126…第2許可エリア生成部、151…第1走行パス取得部、152…第1許可エリア取得部、153…センサデータ取得部、154…対象位置算出部、155…走行制御部、161…第2走行パス取得部、162…第2許可エリア取得部、163…センサデータ取得部、164…走行制御部、201…車体、202…走行装置、203…ダンプボディ、1000…コンピュータシステム、1001…プロセッサ、1002…メインメモリ、1003…ストレージ、1004…インタフェース。
図1
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図11