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7580424自動走行車両の管理システム及び自動走行車両の管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】自動走行車両の管理システム及び自動走行車両の管理方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20241101BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20241101BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20241101BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G01C21/34
G06Q50/40
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022070693
(22)【出願日】2022-04-22
(65)【公開番号】P2023160365
(43)【公開日】2023-11-02
【審査請求日】2023-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平中 貴士
(72)【発明者】
【氏名】小西 翔太
(72)【発明者】
【氏名】岡野 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】高島 亨
(72)【発明者】
【氏名】溝尾 駿
(72)【発明者】
【氏名】丸山 俊
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-266200(JP,A)
【文献】特開2016-90864(JP,A)
【文献】特開2020-170368(JP,A)
【文献】特開2019-79462(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0054133(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
G01C 21/00 - 21/36
G06Q 10/00 - 10/30
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
待機場と作業現場で稼働する走行装置を有する作業機械との間で前記作業機械のオペレータを送迎する自動走行車両の管理システムであって、
前記作業機械の位置を送信する位置送信部から送信された前記作業機械の位置を取得する作業機械位置取得部と、
前記作業機械の位置に基づいて、前記オペレータが搭乗すべき作業機械の乗降位置である前記自動走行車両の目的位置を決定する目的位置決定部と、を備える、
自動走行車両の管理システム。
【請求項2】
前記位置送信部は、前記作業機械に配置される、
請求項に記載の自動走行車両の管理システム。
【請求項3】
前記自動走行車両に配置され、作業機械を指定する作業機械指定部を備える、
請求項に記載の自動走行車両の管理システム。
【請求項4】
前記位置送信部は、前記オペレータが持ち運び可能な通信端末を含む、
請求項に記載の自動走行車両の管理システム。
【請求項5】
前記作業機械の位置は、旋回体と、前記旋回体に支持される作業機とを有するショベルの位置である、
請求項に記載の自動走行車両の管理システム。
【請求項6】
オペレータの送迎要求を送信する送迎要求部を備える、
請求項に記載の自動走行車両の管理システム。
【請求項7】
前記送迎要求部は、前記作業機械に配置される、
請求項に記載の自動走行車両の管理システム。
【請求項8】
オペレータを目的位置に送る送り要求を送信する送り要求部を備える、
請求項に記載の自動走行車両の管理システム。
【請求項9】
複数の巡回位置に基づいて、作業現場において前記自動走行車両を巡回させるときの走行パスを生成する巡回パス生成部を備え、
前記複数の巡回位置の少なくとも一つは、前記乗降位置である、
請求項に記載の自動走行車両の管理システム。
【請求項10】
前記巡回位置は、任意の固定位置を含む、
請求項に記載の自動走行車両の管理システム。
【請求項11】
前記固定位置は、前記作業機械の給油所の位置である、
請求項10に記載の自動走行車両の管理システム。
【請求項12】
前記自動走行車両の出発時刻又は帰着時刻を管理するスケジュール管理部を備える、
請求項に記載の自動走行車両の管理システム。
【請求項13】
前記自動走行車両における人の搭乗状態を認識する搭乗状態認識部を備える、
請求項に記載の自動走行車両の管理システム。
【請求項14】
前記搭乗状態認識部は、前記自動走行車両が満車状態か否かを判定し、
前記自動走行車両の巡回の途中において、前記自動走行車両が満車状態であると判定された場合、前記自動走行車両の巡回を中断させて、前記自動走行車両を帰着点まで帰着させるアサイン部を備える、
請求項13に記載の自動走行車両の管理システム。
【請求項15】
前記アサイン部は、満車状態であると判定された前記自動走行車両の巡回を中断させた場合、他の自動走行車両を中断点まで走行させる、
請求項14に記載の自動走行車両の管理システム。
【請求項16】
待機場と作業現場で稼働する走行装置を有する作業機械との間で前記作業機械のオペレータを送迎する自動走行車両の管理方法であって、
コンピュータが、
前記作業機械の位置を送信する位置送信部から送信された前記作業機械の位置を取得することと、
前記作業機械の位置に基づいて、前記オペレータが搭乗すべき作業機械の乗降位置である前記自動走行車両の目的位置を決定することと、を実行する
自動走行車両の管理方法。
【請求項17】
前記コンピュータは、
複数の巡回位置に基づいて、作業現場において前記自動走行車両を巡回させるときの走行パスを生成することを実行し
前記複数の巡回位置の少なくとも一つは、前記乗降位置である、
請求項16に記載の自動走行車両の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動走行車両の管理システム及び自動走行車両の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動走行車両の管理システムに係る技術分野において、特許文献1に開示されているような管理システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-116890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業現場においては、オペレータによって操作される作業機械が稼働する。オペレータは、休憩時間又は勤務交代のタイミングで、作業機械とオフィスとの間を往来する必要がある。オペレータが円滑に往来できる技術が要望される。
【0005】
本開示は、作業現場におけるオペレータの往来を円滑に実施することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、オペレータによって操作され走行装置を有する作業機械の位置を取得する作業機械位置取得部と、作業機械の位置に基づいて、自動走行車両の目的位置を決定する目的位置決定部と、を備える、自動走行車両の管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業現場におけるオペレータの往来が円滑に実施される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る作業現場を示す模式図である。
図2図2は、第1実施形態に係る作業現場の管理システムを示す模式図である。
図3図3は、第1実施形態に係る作業現場の管理システムを示すブロック図である。
図4図4は、第1実施形態に係る管理装置のハードウエア構成図である。
図5図5は、第1実施形態に係る無人ライトビークルの走行データを説明するための模式図である。
図6図6は、第1実施形態に係る無人ライトビークルの管理方法を示すフローチャートである。
図7図7は、第1実施形態に係る無人ライトビークルの管理方法を示す模式図である。
図8図8は、第2実施形態に係る無人ライトビークルの管理方法を示すフローチャートである。
図9図9は、第2実施形態に係る無人ライトビークルの管理方法を示す模式図である。
図10図10は、第3実施形態に係る無人ライトビークルの管理方法を示す模式図である。
図11図11は、第4実施形態に係る無人ライトビークルの管理方法を示す模式図である。
図12図12は、第4実施形態に係る無人ライトビークルの管理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
【0011】
<作業現場>
図1は、本実施形態に係る作業現場10を示す模式図である。作業現場10として、鉱山又は採石場のような広域の作業現場が例示される。鉱山とは、鉱物を採掘する場所又は事業所をいう。採石場とは、石材を採掘する場所又は事業所をいう。鉱山として、金属を採掘する金属鉱山、石灰石を採掘する非金属鉱山、又は石炭を採掘する石炭鉱山が例示される。
【0012】
作業現場10において、自動走行車両1と作業機械2と作業機械8とが稼働する。自動走行車両とは、運転者による運転操作によらずに走行する車両をいう。
【0013】
本実施形態において、自動走行車両1は、運転者が存在しない状態で作業現場10を走行する軽量車両である。本実施形態においては、自動走行車両1を適宜、無人ライトビークル1、と称する。
【0014】
本実施形態において、無人ライトビークル1は、作業現場10において人を輸送する。すなわち、無人ライトビークル1に運転者は搭乗しないものの、運転操作しない搭乗者が搭乗する。
【0015】
本実施形態において、作業機械2は、運転者による運転操作によらずに無人で稼働する無人車両である。作業現場10を走行する場合、作業機械2に運転者は搭乗しない。なお、作業機械2のメンテナンス及びその他の所定の作業において作業機械2に運転者が搭乗してもよい。本実施形態において、作業機械2は、積荷を運搬する運搬作業を実施する運搬車両である。運搬車両は、無人で作業現場10を走行する。本実施形態においては、作業機械2を適宜、無人ダンプトラック2、と称する。
【0016】
本実施形態において、作業機械8は、オペレータによる操作により稼働する有人車両である。作業機械8にオペレータが搭乗する。本実施形態において、作業機械8は、無人ダンプトラック2に積荷を積み込む積込作業を実施する積込機である。本実施形態においては、作業機械8を適宜、ショベル8、と称する。
【0017】
作業現場10は、積込場3、排土場4、駐機場5、待機場6、及び走行路7を含む。
【0018】
積込場3とは、無人ダンプトラック2に積荷を積載する積込作業が実施されるエリアをいう。積荷として、積込場3において掘削された掘削物が例示される。積込場3において、ショベル8が稼働する。ショベル8は、走行装置と、走行装置に支持される旋回体と、旋回体に支持される作業機とを有する。ショベル8は、積込場3を含む作業現場10において移動することができる。
【0019】
排土場4とは、無人ダンプトラック2から積荷が排出される排土作業が実施されるエリアをいう。排土場4に、破砕機9が設けられる。
【0020】
駐機場5とは、無人ダンプトラック2が駐機するエリアをいう。
【0021】
待機場6とは、無人ライトビークル1が待機するエリアをいう。
【0022】
走行路7とは、無人ライトビークル1及び無人ダンプトラック2の少なくとも一方が走行するエリアをいう。走行路7は、少なくとも積込場3と排土場4とを繋ぐように設けられる。本実施形態において、走行路7は、積込場3、排土場4、駐機場5、及び待機場6のそれぞれに繋がる。
【0023】
無人ライトビークル1は、積込場3、排土場4、待機場6、及び走行路7のそれぞれを走行することができる。無人ダンプトラック2は、積込場3、排土場4、駐機場5、及び走行路7のそれぞれを走行することができる。無人ダンプトラック2は、例えば積込場3と排土場4とを往復するように走行路7を走行する。
【0024】
<管理システム>
図2は、本実施形態に係る作業現場10の管理システム11を示す模式図である。管理システム11は、管理装置12と、通信システム13とを備える。
【0025】
管理装置12は、コンピュータシステムを含む。管理装置12は、無人ライトビークル1、無人ダンプトラック2、及びショベル8の外部に配置される。管理装置12は、作業現場10の管制施設14に設置される。管理装置12は、作業現場10を管理する。管理装置12は、少なくとも、無人ライトビークル1、無人ダンプトラック2、及びショベル8を管理する。
【0026】
通信システム13として、インターネット(internet)、携帯電話通信網、衛星通信網、又はローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)が例示される。
【0027】
無人ライトビークル1は、車体101と、走行装置102と、制御装置15と、無線通信機13Aとを有する。制御装置15は、コンピュータシステムを含む。無線通信機13Aは、制御装置15に接続される。
【0028】
ショベル8は、オペレータによって操作される。ショベル8は、旋回体801と、旋回体801を支持する走行装置802と、旋回体801に支持される作業機803と、作業機803を動作させる作業機シリンダ804と、制御装置16と、無線通信機13Bとを有する。制御装置16は、コンピュータシステムを含む。無線通信機13Bは、制御装置16に接続される。
【0029】
通信システム13は、制御装置15に接続される無線通信機13Aと、制御装置16に接続される無線通信機13Bと、管理装置12に接続される無線通信機13Cとを含む。管理装置12と無人ライトビークル1の制御装置15とは、通信システム13を介して無線通信する。管理装置12とショベル8の制御装置16とは、通信システム13を介して無線通信する。
【0030】
車体101は、車体フレームを含む。車体101は、走行装置102に支持される。走行装置102は、車体101を支持して走行する。走行装置102は、車輪と、車輪に装着されるタイヤと、エンジンと、ブレーキ装置と、ステアリング装置とを含む。
【0031】
旋回体801は、走行装置802に支持された状態で旋回する。走行装置802は、一対の履帯を有する。走行装置802により、ショベル8は、積込場3を含む作業現場10において移動することができる。作業機803は、旋回体801に回動可能に連結されるブーム803Aと、ブーム803Aに回動可能に連結されるアーム803Bと、アーム803Bに回動可能に連結されるバケット803Cとを含む。作業機シリンダ804は、油圧シリンダである。作業機シリンダ804は、ブーム803Aを上げ動作又は下げ動作させるブームシリンダ804Aと、アーム803Bをチルト動作又はダンプ動作させるアームシリンダ804Bと、バケット803Cをチルト動作又はダンプ動作させるバケットシリンダ804Cとを含む。
【0032】
図3は、本実施形態に係る作業現場10の管理システム11を示すブロック図である。
【0033】
無人ライトビークル1は、制御装置15と、無線通信機13Aと、位置センサ17と、方位センサ18と、速度センサ19と、人認識センサ20と、要求操作装置21と、走行装置102とを有する。無線通信機13A、位置センサ17、方位センサ18、速度センサ19、人認識センサ20、及び要求操作装置21のそれぞれは、制御装置15と通信することができる。走行装置102は、制御装置15に制御される。
【0034】
位置センサ17は、無人ライトビークル1の位置を検出する。無人ライトビークル1の位置は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して検出される。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を含む。全地球航法衛星システムは、緯度、経度、及び高度の座標データで規定されるグローバル座標系の位置を検出する。グローバル座標系とは、地球に固定された座標系をいう。位置センサ17は、GNSS受信機を含み、グローバル座標系における無人ライトビークル1の位置を示す無人ライトビークル1の絶対位置を検出する。
【0035】
方位センサ18は、無人ライトビークル1の方位を検出する。無人ライトビークル1の方位は、無人ライトビークル1のヨー角を含む。車体101の重心において上下方向に延伸する軸をヨー軸とした場合、ヨー角とは、ヨー軸を中心とする回転角度をいう。方位センサ18として、ジャイロセンサが例示される。
【0036】
速度センサ19は、無人ライトビークル1の走行速度を検出する。速度センサ19として、無人ライトビークル1の車輪の回転を検出するパルスセンサが例示される。
【0037】
人認識センサ20は、無人ライトビークル1の内部に人が存在するか否かを認識する。すなわち、人認識センサ20は、無人ライトビークル1における搭乗者の存否を検出する。無人ライトビークル1の内部に搭乗者が着座するシートが配置される。人認識センサ20として、シートに設けられる感圧センサが例示される。なお、人認識センサ20は、搭乗者の重量を検出する重量センサでもよいし、搭乗者の画像を取得する車内カメラでもよい。
【0038】
要求操作装置21は、オペレータが送迎を要求するときにオペレータにより操作される。要求操作装置21として、無人ライトビークル1の車内に配置されたプッシュボタン又はタッチパネルが例示される。
【0039】
ショベル8は、制御装置16と、無線通信機13Bと、位置センサ22と、要求操作装置23と、運転操作装置24と、走行装置802と、作業機803とを有する。無線通信機13B、位置センサ22、要求操作装置23、及び運転操作装置24のそれぞれは、制御装置16と通信することができる。
【0040】
位置センサ22は、ショベル8の位置を検出する。位置センサ22は、GNSS受信機を含み、グローバル座標系におけるショベル8の位置を示すショベル8の絶対位置を検出する。
【0041】
要求操作装置23は、オペレータが送迎を要求するときにオペレータにより操作される。要求操作装置23として、ショベル8の車内に配置されたプッシュボタン又はタッチパネルが例示される。
【0042】
運転操作装置24は、走行装置802及び作業機803を動作させるときにオペレータにより操作される。運転操作装置24は、走行装置802を動作させるために操作される走行レバーと、作業機803を動作させるために操作される作業レバーとを含む。
【0043】
管理装置12は、作業機械位置取得部121と、目的位置決定部122と、送迎パス生成部123と、巡回位置決定部124と、巡回パス生成部125と、スケジュール管理部126と、搭乗状態認識部127と、アサイン部128とを有する。
【0044】
作業機械位置取得部121は、ショベル8の位置を取得する。上述のように、ショベル8は、ショベル8の位置を検出する位置センサ22を有する。作業機械位置取得部121は、通信システム13を介して位置センサ22の検出データを取得することにより、ショベル8の位置を取得する。
【0045】
目的位置決定部122は、作業機械位置取得部121により取得されたショベル8の位置に基づいて、無人ライトビークル1の目的位置を決定する。本実施形態において、目的位置は、オペレータの乗降位置である。
【0046】
送迎パス生成部123は、無人ライトビークル1の走行条件を示す走行データを生成する。送迎パス生成部123は、目的位置決定部122により決定された目的位置に基づいて、無人ライトビークル1でオペレータを送迎させるときの無人ライトビークル1の走行データを生成する。送迎パス生成部123は、通信システム13を介して無人ライトビークル1に走行データを送信する。
【0047】
巡回位置決定部124は、作業現場10において無人ライトビークル1を巡回させるときの巡回位置を決定する。巡回位置は、複数設定される。巡回位置の少なくとも一つは、オペレータの乗降位置である。巡回位置決定部124は、目的位置決定部122により決定されたオペレータの乗降位置を巡回位置として決定する。また、作業現場10に設定される任意の固定位置を含む。本実施形態において、作業現場10に設定される任意の固定位置は、ショベル8又は無人ダンプトラック2の給油所の位置である。給油所は、例えば駐機場5に設けられる。
【0048】
巡回パス生成部125は、無人ライトビークル1の走行条件を示す走行データを生成する。巡回パス生成部125は、巡回位置決定部124により決定された複数の巡回位置に基づいて、作業現場10において無人ライトビークル1を巡回させるときの無人ライトビークル1の走行データを生成する。巡回パス生成部125は、通信システム13を介して無人ライトビークル1に走行データを送信する。
【0049】
スケジュール管理部126は、無人ライトビークル1の出発時刻又は帰着時刻を管理する。
【0050】
搭乗状態認識部127は、無人ライトビークル1における人の搭乗状態を認識する。無人ライトビークル1における人の搭乗状態は、無人ライトビークル1の内部における人の存否、及び人が存在する場合の人数を含む。上述のように、無人ライトビークル1は、無人ライトビークル1の内部に人が存在するか否かを認識する人認識センサ20を有する。搭乗状態認識部127は、通信システム13を介して人認識センサ20の検出データを取得することにより、無人ライトビークル1における人の搭乗状態を認識することができる。本実施形態において、搭乗状態認識部127は、人認識センサ20の検出データに基づいて、無人ライトビークル1が満車状態か否かを判定することができる。
【0051】
アサイン部128は、複数の無人ライトビークル1に所定の稼働を割り当てる。作業現場10には、複数の無人ライトビークル1が存在する。アサイン部128は、複数の無人ライトビークル1のうち、ある無人ライトビークル1をオペレータの送迎に割り当てたり、ある無人ライトビークル1を作業現場10の巡回に割り当てたりすることができる。オペレータの送迎に割り当てられる無人ライトビークル1は、乗用車タイプの車両でもよい。作業現場10の巡回に割り当てられる無人ライトビークル1は、マイクロバスタイプの車両でもよい。また、アサイン部128は、無人ライトビークル1の稼働開始、稼働継続、稼働中断、及び稼働終了の少なくとも一つを含む稼働指令を出力することができる。
【0052】
制御装置15は、走行パス取得部151と、センサデータ取得部152と、センサデータ送信部153と、送迎要求部154と、走行制御部155とを有する。
【0053】
走行パス取得部151は、送迎パス生成部123及び巡回パス生成部125の少なくとも一方において生成された無人ライトビークル1の走行データを、通信システム13を介して管理装置12から取得する。
【0054】
センサデータ取得部152は、位置センサ17の検出データ、方位センサ18の検出データ、及び速度センサ19の検出データを取得する。
【0055】
センサデータ送信部153は、位置センサ17の検出データ、人認識センサ20の検出データを、通信システム13を介して管理装置12に送信する。
【0056】
送迎要求部154は、ショベル8に対するオペレータの送迎要求を管理装置12に送信する。送迎要求部154は、要求操作装置21が操作されることにより生成された操作データを、通信システム13を介して管理装置12に送信することによって、管理装置12に送迎要求を送信する。
【0057】
走行制御部155は、走行パス取得部151により取得された無人ライトビークル1の走行データと、センサデータ取得部152により取得された検出データとに基づいて、走行装置102を制御する。
【0058】
制御装置16は、センサデータ送信部161と、送迎要求部162と、運転制御部163とを有する。
【0059】
センサデータ送信部161は、位置センサ22の検出データを、通信システム13を介して管理装置12に送信する。
【0060】
送迎要求部162は、ショベル8に対するオペレータの送迎要求を管理装置12に送信する。送迎要求部162は、要求操作装置23が操作されることにより生成された操作データを、通信システム13を介して管理装置12に送信することによって、管理装置12に送迎要求を送信する。
【0061】
運転制御部163は、運転操作装置24が操作されることにより生成された操作データに基づいて、走行装置802及び作業機803を制御する。
【0062】
図4は、本実施形態に係る管理装置12のハードウエア構成図である。管理装置12は、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインタフェース1004とを有する。上述の管理装置12の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、コンピュータプログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0063】
制御装置15及び制御装置16のそれぞれも、図4に示すようなコンピュータシステム1000を含む。上述の制御装置15及び制御装置16のそれぞれの機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。
【0064】
<走行データ>
図5は、本実施形態に係る無人ライトビークル1の走行データを説明するための模式図である。
【0065】
無人ライトビークル1の走行データは、無人ライトビークル1の走行条件を規定する。無人ライトビークル1の走行データは、走行点31、走行パス32、無人ライトビークル1の目標位置、無人ライトビークル1の目標方位、及び無人ライトビークル1の目標走行速度を含む。走行パス32を含む無人ライトビークル1の走行データは、送迎パス生成部123及び巡回パス生成部125の少なくとも一方において生成される。
【0066】
走行点31は、作業現場10に複数設定される。走行点31は、無人ライトビークル1の目標位置を規定する。複数の走行点31のそれぞれに、無人ライトビークル1の目標方位及び無人ライトビークル1の目標走行速度が設定される。複数の走行点31は、間隔をあけて設定される。走行点31の間隔は、均一でもよいし、不均一でもよい。
【0067】
走行パス32とは、無人ライトビークル1の目標走行経路を示す仮想線をいう。走行パス32は、複数の走行点31を通過する軌跡によって規定される。無人ライトビークル1は、走行パス32に従って作業現場10を走行する。無人ライトビークル1は、無人ライトビークル1の車幅方向において、無人ライトビークル1の中心と走行パス32とが一致するように走行する。
【0068】
無人ライトビークル1の目標位置とは、走行点31を通過するときの無人ライトビークル1の目標位置をいう。無人ライトビークル1の目標位置は、無人ライトビークル1のローカル座標系において規定されてもよいし、グローバル座標系において規定されてもよい。
【0069】
無人ライトビークル1の目標方位とは、走行点31を通過するときの無人ライトビークル1の目標方位をいう。
【0070】
無人ライトビークル1の目標走行速度とは、走行点31を通過するときの無人ライトビークル1の目標走行速度をいう。
【0071】
送迎パス生成部123は、目的位置決定部122により決定された目的位置に基づいて、無人ライトビークル1でオペレータを送迎させるときの無人ライトビークル1の走行パス32を生成する。
【0072】
巡回パス生成部125は、巡回位置決定部124により決定された複数の巡回位置に基づいて、作業現場10において無人ライトビークル1を巡回させるときの無人ライトビークル1の走行パス32を生成する。
【0073】
走行制御部155は、無人ライトビークル1の走行データと、センサデータ取得部152により取得された検出データとに基づいて、無人ライトビークル1が走行パス32に従って走行するように、走行装置102を制御する。
【0074】
走行制御部155は、走行点31を通過するときに位置センサ17により検出された無人ライトビークル1の検出位置と走行点31に設定されている無人ライトビークル1の目標位置との偏差が小さくなるように、走行装置102を制御する。
【0075】
走行制御部155は、走行点31を通過するときに方位センサ18により検出された無人ライトビークル1の検出方位と走行点31に設定されている無人ライトビークル1の目標方位との偏差が小さくなるように、走行装置102を制御する。
【0076】
走行制御部155は、走行点31を通過するときに速度センサ19により検出された無人ライトビークル1の検出走行速度と走行点31に設定されている無人ライトビークル1の目標走行速度との偏差が小さくなるように、走行装置102を制御する。
【0077】
<管理方法>
図6は、本実施形態に係る無人ライトビークル1の管理方法を示すフローチャートである。図7は、本実施形態に係る無人ライトビークル1の管理方法を示す模式図である。
【0078】
待機場6にオフィス(ショップ)が存在する。オフィスは、オペレータの待機施設及び休憩施設を含む。本実施形態においては、無人ライトビークル1がショベル8からオフィスまでのオペレータの輸送に割り当てられたときの無人ライトビークル1について説明する。
【0079】
ショベル8のオペレータは、例えば休憩する場合又は就業時間が終了した場合、ショベル8からオフィスに移動するために、ショベル8に配置されている要求操作装置23を操作する(ステップSC11)。
【0080】
送迎要求部162は、要求操作装置23が操作されることにより生成された操作データに基づいて、管理装置12に、通信システム13を介して送迎要求を送信する。
【0081】
センサデータ送信部161は、ショベル8の位置を示す位置センサ22の検出データを常時又は定期的に管理装置12に送信する。作業機械位置取得部121は、ショベル8の位置を常時又は定期的に取得する(ステップSB11)。
【0082】
本実施形態において、位置センサ22及びセンサデータ送信部161は、ショベル8の位置を管理装置12に送信する位置送信部として機能する。
【0083】
目的位置決定部122は、送迎要求部162から送信された送迎要求を受信して、送迎要求を送信したショベル8を特定する。目的位置決定部122は、送迎要求を送信したショベル8の位置に基づいて、無人ライトビークル1の目的位置を決定する(ステップSB12)。
【0084】
図7に示すように、目的位置は、送迎要求を送信したショベル8の近傍に設定される。目的位置は、オペレータWMの乗降位置である。
【0085】
送迎パス生成部123は、ステップSB12において目的位置決定部122により決定された目的位置に基づいて、無人ライトビークル1でオペレータを送迎させるときの無人ライトビークル1の走行パス32を生成する(ステップSB13)。
【0086】
無人ライトビークル1が待機場6のオフィスに存在する場合、送迎パス生成部123は、オフィスと目的位置とを結ぶように、走行パス32を生成する。送迎パス生成部123は、アサイン部128により割り当てられた無人ライトビークル1に走行パス32を含む走行データを送信する。
【0087】
無人ライトビークル1は、走行パス32を含む走行データを受信した後、走行データに基づいて、目的位置まで走行する(ステップSA11)。
【0088】
無人ライトビークル1が目的位置に到着した後、オペレータWMは、無人ライトビークル1に搭乗する。オペレータWMが無人ライトビークル1に搭乗した後、無人ライトビークル1は、走行パス32を含む走行データに基づいて、オフィスまで走行する(ステップSA12)。
【0089】
これにより、オペレータWMは、オフィスで休憩したり、オフィスから帰宅したりすることができる。
【0090】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、オペレータは、無人ライトビークル1により、ショベル8とオフィスとの間を円滑に往来することができる。無人ライトビークル1の目的位置は、ショベル8の位置に基づいて決定される。これにより、無人ライトビークル1は、ショベル8のオペレータを円滑に送迎することができる。
【0091】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0092】
<管理方法>
図8は、本実施形態に係る無人ライトビークル1の管理方法を示すフローチャートである。図9は、本実施形態に係る無人ライトビークル1の管理方法を示す模式図である。
【0093】
本実施形態においては、無人ライトビークル1がオフィスからショベル8までのオペレータの輸送に割り当てられたときの無人ライトビークル1について説明する。
【0094】
ショベル8のオペレータは、例えば休憩が終了した場合又は就業時間が開始される場合、オフィスからショベル8に移動するために、待機場6において無人ライトビークル1に搭乗した後、無人ライトビークル1に配置されている要求操作装置21を操作する。
【0095】
オペレータは、要求操作装置21を操作して、無人ライトビークル1の目的位置を入力する。目的位置は、オペレータが搭乗すべきショベル8の乗降位置である。目的位置は、作業現場10に存在する複数のショベル8のうち、オペレータが搭乗したいショベル8の乗降位置である。目的位置は、作業現場10に存在する複数のショベル8のうち、オペレータを送るべきショベル8の乗降位置である。
【0096】
本実施形態において、要求操作装置21は、無人ライトビークル1に配置され、オペレータの目的位置であるショベル8を指定する作業機械指定部として機能する。送迎要求部154は、オペレータを目的位置であるショベル8に送る送り要求を送信する送り要求部として機能する。本実施形態において、オペレータを目的位置に送る送り要求を送信することは、目的位置に指定されたショベル8を送信することを含む。
【0097】
ショベル8のオペレータは、無人ライトビークル1に配置されている要求操作装置21を操作して、作業現場10に存在する複数のショベル8のうち、搭乗したいショベル8を指定する(ステップSA21)。
【0098】
送迎要求部154は、ステップSA21において指定されたショベル8を管理装置12に送信する。ステップSA21において指定されたショベル8は、オペレータを送るべきショベル8である。
【0099】
作業機械位置取得部121は、作業現場10に存在する複数のショベル8のそれぞれの位置を常時取得する。作業機械位置取得部121は、ステップSA21において指定されたショベル8の位置を特定する(ステップSB21)。
【0100】
目的位置決定部122は、ステップSB21において特定されたショベル8の位置に基づいて、無人ライトビークル1の目的位置を決定する(ステップSB22)。
【0101】
図9に示すように、目的位置は、オペレータが希望するショベル8の近傍に設定される。目的位置は、オペレータWMの乗降位置である。
【0102】
送迎パス生成部123は、ステップSB22において目的位置決定部122により決定された目的位置に基づいて、無人ライトビークル1でオペレータを送るときの無人ライトビークル1の走行パス32を生成する(ステップSB23)。
【0103】
無人ライトビークル1が待機場6のオフィスに存在する場合、送迎パス生成部123は、オフィスと目的位置とを結ぶように、走行パス32を生成する。送迎パス生成部123は、アサイン部128により割り当てられた無人ライトビークル1に走行パス32を含む走行データを送信する。
【0104】
無人ライトビークル1は、走行パス32を含む走行データを受信した後、走行データに基づいて、目的位置まで走行する(ステップSA22)。
【0105】
無人ライトビークル1が目的位置に到着した後、オペレータWMは、無人ライトビークル1から降車する。無人ライトビークル1から降車したオペレータWMは、ショベル8に乗り込む。オペレータWMが無人ライトビークル1から降車した後、無人ライトビークル1は、走行パス32を含む走行データに基づいて、オフィスまで走行する(ステップSA23)。
【0106】
これにより、オペレータWMは、ショベル8に搭乗して仕事を開始することができる。
【0107】
<効果>
以上説明したように、本実施形態においても、無人ライトビークル1は、ショベル8のオペレータを円滑に送迎することができる。
【0108】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0109】
図10は、本実施形態に係る無人ライトビークル1の管理方法を示す模式図である。第3実施形態は、上述の第1実施形態及び第2実施形態の変形例である。
【0110】
図10に示すように、オペレータは、ショベル8の位置を管理装置12に送信可能な通信端末60を所持してもよい。オペレータは、通信端末60を持ち運び可能である。ショベル8からオフィスに移動したいオペレータは、ショベル8から降車する前又は降車した後に、通信端末60を操作して、ショベル8の位置を管理装置12に送信することができる。
【0111】
また、オフィスからショベル8に移動したいオペレータは、無人ライトビークル1に乗車する前又は乗車した後に、通信端末60を操作して、ショベル8の位置を管理装置12に送信することができる。
【0112】
本実施形態において、通信端末60は、ショベル8の位置を管理装置12に送信する位置送信部として機能する。
【0113】
<効果>
以上説明したように、本実施形態においても、無人ライトビークル1は、ショベル8のオペレータを円滑に送迎することができる。
【0114】
[第1、第2、第3実施形態の変形例]
上述の実施形態において、オフィスからショベル8に移動する無人ライトビークル1に交代要員であるオペレータWMが乗車し、無人ライトビークル1がショベル8の近傍の乗降位置に到着した後、交代要員であるオペレータWMが無人ライトビークル1からショベル8に移動し、ショベル8で働いていたオペレータWMが、その無人ライトビークル1に乗車してオフィスまで移動してもよい。
【0115】
無人ライトビークル1は、物資を輸送してもよい。例えば、ショベル8に使用される物品がオフィスからショベル8まで無人ライトビークル1により輸送されてもよい。ショベル8に使用される物品として、ショベル8のメンテナンスに使用されるメンテナンス機器が例示される。また、無人ライトビークル1は、オフィスからショベル8まで、ショベル8に使用される潤滑油又は燃料を輸送してもよい。
【0116】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0117】
<管理方法>
図11は、本実施形態に係る無人ライトビークル1の管理方法を示す模式図である。
【0118】
図11に示すように、管理装置12は、作業現場10において無人ライトビークル1を巡回させることができる。巡回位置決定部124は、複数の巡回位置41を決定する。複数の巡回位置41の少なくとも一つは、オペレータの乗降位置41Aである。図11に示す例において、オペレータの乗降位置41Aは、ショベル8の近傍に設定される。ショベル8の位置は、ショベル8積込作業又は掘削作業の状況に応じて変化する。オペレータの乗降位置41Aは、ショベル8の位置の変化に基づいて変化する変動位置である。
【0119】
また、巡回位置41は、任意の固定位置41Bを含む。固定位置41Bとして、ショベル8又は無人ダンプトラック2の給油所の位置が例示される。なお、固定位置41Bは、走行路7に設定されてもよいし、排土場4に設定されてもよい。
【0120】
巡回パス生成部125は、複数の巡回位置41に基づいて、作業現場10において無人ライトビークル1を巡回させるときの走行パス32を生成する。巡回パス生成部125は、無人ライトビークル1が複数の巡回位置41を通過するように、走行パス32を生成する。
【0121】
待機場6を出発した無人ライトビークル1は、複数の巡回位置41を通るように、走行パス32に従って走行する。無人ライトビークル1は、複数の巡回位置41のそれぞれにおいて停車する。無人ライトビークル1が巡回位置41に停車した場合、例えば無人ライトビークル1に搭乗していたオペレータは、巡回位置41で無人ライトビークル1から降車することができる。また、無人ライトビークル1が巡回位置41に停車した場合、例えば巡回位置41において無人ライトビークル1の到着を待っていたオペレータは、巡回位置41で無人ライトビークル1に乗車することができる。複数の巡回位置41を通った無人ライトビークル1は、待機場6まで走行する。無人ライトビークル1の出発点である待機場6と帰着点である待機場6とは、同一の待機場6でもよいし、異なる待機場6でもよい。このように、無人ライトビークル1は、作業現場10を走行する路線バスとして機能することができる。
【0122】
無人ライトビークル1は、作業現場10を定期的に巡回する。無人ライトビークル1は、例えば2時間ごとに作業現場を巡回する。スケジュール管理部126は、出発点からの無人ライトビークル1の出発時刻又は帰着点への帰着時刻を管理する。
【0123】
搭乗状態認識部127は、無人ライトビークル1における人の搭乗状態を認識する。搭乗状態認識部127は、人認識センサ20の検出データに基づいて、無人ライトビークル1が満車状態か否かを判定することができる。無人ライトビークル1の満車状態とは、予め定められている無人ライトビークル1に搭乗可能な許容人数に搭乗者の数が達した状態、又は、予め定められている無人ライトビークル1に搭乗可能な許容重量に搭乗者の重量の総和が達した状態をいう。
【0124】
作業現場10の巡回の途中において、無人ライトビークル1が満車状態であると判定された場合、アサイン部128は、満車状態であると判定された無人ライトビークル1の巡回を中断させて、帰着点である待機場6まで帰着させる。すなわち、満車状態であると判定された無人ライトビークル1は、巡回を中断した中断点と帰着点との間に巡回位置41が存在しても、その巡回位置41に停車することなく、帰着点まで直行する。
【0125】
アサイン部128は、満車状態であると判定された無人ライトビークル1の巡回を中断させた場合、他の無人ライトビークル1を中断点まで走行させる。他の無人ライトビークル1は、停車しながら中断点から帰着点まで走行する。これにより、他の無人ライトビークル1は、中断点と帰着点との間の巡回位置41で無人ライトビークル1の到着を待っていたオペレータを乗車させることができる。
【0126】
なお、満車状態であると判定された無人ライトビークル1の巡回が中断された場合、アサイン部128は、満車状態の無人ライトビークル1を待機場6まで直行させ、待機場6において搭乗者を降車させた後、その無人ライトビークル1を中断点まで走行させてもよい。
【0127】
図12は、本実施形態に係る無人ライトビークル1の管理方法を示すフローチャートである。
【0128】
巡回位置決定部124は、複数の巡回位置41を決定する(ステップSB31)。
【0129】
巡回パス生成部125は、無人ライトビークル1が複数の巡回位置41を通過するように、走行パス32を生成する(ステップSB32)。
【0130】
巡回パス生成部125は、走行パス32を無人ライトビークル1に送信する。無人ライトビークル1の走行パス取得部151は、巡回パス生成部125から送信された走行パス32を取得する(ステップSA31)。
【0131】
また、走行パス取得部151は、スケジュール管理部126からスケジュールを取得する(ステップSA32)。
【0132】
スケジュール管理部126から送信されるスケジュールは、無人ライトビークル1の出発時刻又は帰着時刻を含む。走行制御部155は、出発時刻になった場合、走行パス32を含む走行データ基づいて、無人ライトビークル1の走行を開始させる。無人ライトビークル1は、作業現場10において巡回を開始する(ステップSA33)。
【0133】
センサデータ送信部153は、人認識センサ20の検出データを常時又は定期的に管理装置12に送信する。搭乗状態認識部127は、無人ライトビークル1における人の搭乗状態を示す人認識センサ20の検出データを取得する(ステップSB33)。
【0134】
搭乗状態認識部127は、無人ライトビークル1における人の搭乗状態に基づいて、無人ライトビークル1が満車状態か否かを判定する。アサイン部128は、満車状態か否かの判定に基づいて、無人ライトビークル1の巡回を中断させるか否かを判定する(ステップSB34)。
【0135】
アサイン部128は、搭乗状態認識部127が満車状態であると判定した場合、無人ライトビークル1の巡回を中断させると判定し、搭乗状態認識部127が満車状態でないと判定した場合、無人ライトビークル1の巡回を中断させないと判定する。
【0136】
ステップSB34において、無人ライトビークル1の巡回を中断させると判定した場合(ステップSB34:Yes)、アサイン部128は、他の無人ライトビークル1を巡回に割り当てる。アサイン部128は、他の無人ライトビークル1を中断点に向かって走行させる(ステップSB35)。
【0137】
また、無人ライトビークル1の巡回を中断させると判定した場合、アサイン部128は、無人ライトビークル1の巡回を中断させる稼働指令を無人ライトビークル1に送信する。
【0138】
ステップSB34において、無人ライトビークル1の巡回を中断させないと判定した場合(ステップSB34:No)、アサイン部128は、無人ライトビークル1の巡回を継続させる稼働指令を無人ライトビークル1に送信する。
【0139】
無人ライトビークル1の走行制御部155は、アサイン部128から送信された稼働指令に基づいて、無人ライトビークル1の巡回を中断するか否かを判定する(ステップSA34)。
【0140】
走行制御部155は、アサイン部128から巡回を中断させる稼働指令が送信された場合、無人ライトビークル1の巡回を中断すると判定する。走行制御部155は、アサイン部128から巡回を継続させる稼働指令が送信された場合、無人ライトビークル1の巡回を継続すると判定する。
【0141】
ステップSA34において、無人ライトビークル1の巡回を中断すると判定した場合(ステップSA34:Yes)、走行制御部155は、無人ライトビークル1の巡回を中断する。無人ライトビークル1は、巡回位置41に停車することなく、中断点から帰着点まで直行する。
【0142】
ステップSA34において、無人ライトビークル1の巡回を中断しないと判定した場合(ステップSA34:No)、走行制御部155は、無人ライトビークル1の巡回を継続する。無人ライトビークル1は、巡回位置41に停車しながら、帰着点まで走行する。
【0143】
無人ライトビークル1及び管理装置12は、巡回開始後(ステップSA33)、無人ライトビークル1が巡回を中断するまで、又は、無人ライトビークル1が帰着点に到着するまで、ステップSB33からステップSB35までの処理、及びステップSA34からステップSA35までの処理を常時又は定期的に繰り返す。
【0144】
<効果>
以上説明したように、本実施形態においては、無人ライトビークル1は、作業現場10を巡回するように走行する。走行パス32は、複数の巡回位置41を通過するように生成される。複数の巡回位置41の少なくとも一部がオペレータの乗降位置なので、無人ライトビークル1は、オペレータを乗降位置に円滑に送迎することができる。
【0145】
[その他の実施形態]
上述の実施形態においては、作業機械8がショベルであることとした。作業機械8は、ショベルに限定されない。作業機械8は、ブルドーザ、モータグレーダ、又はホイールローダでもよい。
【符号の説明】
【0146】
1…無人ライトビークル(自動走行車両)、2…無人ダンプトラック(作業機械)、3…積込場、4…排土場、5…駐機場、6…待機場、7…走行路、8…ショベル(作業機械)、9…破砕機、10…作業現場、11…管理システム、12…管理装置、13…通信システム、13A…無線通信機、13B…無線通信機、13C…無線通信機、14…管制施設、15…制御装置、16…制御装置、17…位置センサ、18…方位センサ、19…速度センサ、20…人認識センサ、21…要求操作装置、22…位置センサ、23…要求操作装置、24…運転操作装置、31…走行点、32…走行パス、41…巡回位置、41A…乗降位置、41B…固定位置、60…通信端末、101…車体、102…走行装置、121…作業機械位置取得部、122…目的位置決定部、123…送迎パス生成部、124…巡回位置決定部、125…巡回パス生成部、126…スケジュール管理部、127…搭乗状態認識部、128…アサイン部、151…走行パス取得部、152…センサデータ取得部、153…センサデータ送信部、154…送迎要求部、155…走行制御部、161…センサデータ送信部、162…送迎要求部、163…運転制御部、801…旋回体、802…走行装置、803…作業機、803A…ブーム、803B…アーム、803C…バケット、804…作業機シリンダ、804A…ブームシリンダ、804B…アームシリンダ、804C…バケットシリンダ、1000…コンピュータシステム、1001…プロセッサ、1002…メインメモリ、1003…ストレージ、1004…インタフェース。
図1
図2
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図5
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