(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】保護フィルム並びに、保護フィルムを切断するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G02B 5/30 20060101AFI20241101BHJP
G02C 7/00 20060101ALI20241101BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
G02B5/30
G02C7/00
G09F9/00 313
G09F9/00 338
G09F9/00 342
G09F9/00 366A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022084577
(22)【出願日】2022-05-24
(62)【分割の表示】P 2020565014の分割
【原出願日】2019-02-13
【審査請求日】2022-05-25
【審判番号】
【審判請求日】2024-01-24
(31)【優先権主張番号】201810150575.X
(32)【優先日】2018-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810170848.7
(32)【優先日】2018-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲嬌▼
【合議体】
【審判長】橿本 英吾
【審判官】井口 猶二
【審判官】神谷 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-134196(JP,A)
【文献】特開2006-84268(JP,A)
【文献】特開平4-329338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護フィルムを切断するための方法であって、
入射光が、第2の偏光子及び前記第2の偏光子と平行な保護フィルムを通って第3の偏光子に到達し、前記第3の偏光子を通過した際に生じる透過光のパワーを、前記保護フィルムを回転させながら検出する段階であって、前記第2の偏光子及び前記第3の偏光子が同じ偏光方向を有し、前記保護フィルムが複屈折効果によって特徴づけられる、透過光のパワーを検出する段階と、
前記透過光のパワー
が最大となる方向に基づいて前記保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向を決定する段階と、
切断された保護フィルムを得るために、前記保護フィルムが取り付けられる電子デバイスのタッチスクリーンにおける第1の偏光子の偏光方向と、前記第1のファスト軸方向とが平行、垂直または45°の角度となるように、
前記第2及び第3の偏光子の偏光方向を前記第1の偏光子の偏光方向に対して平行、垂直または45°の角度とし、前記保護フィルムの第1の面に入射する光の偏光が前記第1のファスト軸方向と平行、垂直または45°の角度であるとき、前記第1の面から前記保護フィルムの第2の面に透過した光が前記保護フィルムの外部で反射され、前記光が前記第2の面から前記第1の面に透過するとき、前記光の偏光が前記第1の面に入射する前の光の偏光と同じであるように、前記第1のファスト軸方向または前記第1のスロー軸方向に沿って前記保護フィルムを切断する段階と、を含み、
前記保護フィルムを回転して前記透過光のパワーが増大するときは回転方向を維持し、前記透過光のパワーが減少するときは回転方向を反転することによって、前記保護フィルムの回転方向が、前記透過光のパワーが次第に増大するように決定される、方法。
【請求項2】
前記透過光のパワーに基づいて前記保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向を決定する段階が、
前記透過光の最大パワーに対応している前記保護フィルムのファスト軸方向を、前記第1のファスト軸方向として決定する段階、または前記透過光の最大パワーに対応している前記保護フィルムのスロー軸方向を、前記第1のスロー軸方向として決定する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記保護フィルムがポリエチレンテレフタレートPETフィルムである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
保護フィルムを切断するための装置であって、
入射光が第2の偏光子及び第2の偏光子と平行な保護フィルムを通して第3の偏光子に到達し、前記第3の偏光子を通過した際に生じる透過光のパワーを、前記保護フィルムを回転させながら検出するように構成された、検出ユニットであって、前記第2の偏光子及び前記第3の偏光子が同じ偏光方向を有し、前記保護フィルムが複屈折効果によって特徴づけられた、検出ユニットと、
前記透過光のパワー
が最大となる方向に基づいて、前記保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向を決定するように構成された、決定ユニットと、
切断された保護フィルムを得るために、前記保護フィルムが取り付けられる電子デバイスのタッチスクリーンにおける第1の偏光子の偏光方向と、前記第1のファスト軸方向とが平行、垂直または45°の角度となるように、
前記第2及び第3の偏光子の偏光方向を前記第1の偏光子の偏光方向に対して平行、垂直または45°の角度とし、前記保護フィルムの第1の面に入射する光の偏光が前記第1のファスト軸方向と平行、垂直または45°の角度であるとき、前記第1の面から前記保護フィルムの第2の面に透過した光が前記保護フィルムの外部で反射され、前記光が前記第2の面から前記第1の面に透過するとき、前記光の偏光が前記第1の面に入射する前の光の偏光と同じであるように、前記第1のファスト軸方向または前記第1のスロー軸方向に沿って前記保護フィルムを切断するように構成された、切断ユニットと、を含み、
前記保護フィルムを回転して前記透過光のパワーが増大するときは回転方向を維持し、前記透過光のパワーが減少するときは回転方向を反転することによって、前記保護フィルムの回転方向が、前記透過光のパワーが次第に増大するように決定される、装置。
【請求項5】
前記決定ユニットが、具体的に、
前記透過光の最大パワーに対応している前記保護フィルムのファスト軸方向を前記第1のファスト軸方向として決定するか、または、前記透過光の最大パワーに対応している前記保護フィルムのスロー軸方向を前記第1のスロー軸方向として決定するように構成された、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記保護フィルムが、ポリエチレンテレフタレートPETフィルムである、請求項4または5に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年2月13日に中国国家知識産権局に出願され、「保護フィルム並びに、保護フィルムを切断するための方法及び装置」と題する中国特許出願第201810150575.X号並びに、2018年3月1日に中国国家知識産権局に出願され、「保護フィルム並びに、保護フィルムを切断するための方法及び装置」と題する中国特許出願第201810170848.7号の優先権を主張し、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本出願は端末の分野、より具体的には、端末分野における保護フィルム並びに、保護フィルムを切断するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、電子デバイスの発展に伴い、使用者は、通常、電子デバイスのスクリーンを保護するためにフィルムを貼る、例えば保護フィルムを電子デバイスのスクリーン上に取り付ける。しかし、保護フィルムの中には複屈折効果によって特徴づけられるものがある。したがって、光が保護フィルムを通過すると、光の偏光特性が変化する。例えば、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate,PET)フィルムは、製造時に押出成型、カレンダリング、二軸延伸を経て形成されるが、二軸延伸により実行されるフィルム形成は、異方性や結晶化につながる。この場合、複屈折効果が発生する。PETフィルムを光が通過すると、光の偏光特性が変化する。この場合、電子デバイスの光学センサによって実行される使用者識別の動作が影響を受ける。例えば、光学センサによって実行される使用者の指紋認識が影響を受ける。したがって、保護フィルムが電子デバイスのスクリーンに取り付けられたときに、電子デバイスが受ける影響がより少ない保護フィルムが急務となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の実施形態は、電子デバイスへの影響を低減するために、保護フィルムと、保護フィルムを切断するための方法及び装置と、を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、保護フィルムが提供される。保護フィルムは複屈折効果によって特徴づけられ、保護フィルムは電子デバイスのスクリーンに取り付けられる。
【0006】
保護フィルムのファスト軸方向は、電子デバイスのタッチスクリーンの第1の偏光子の偏光方向と平行であり、保護フィルムのスロー軸方向は、第1の偏光子の偏光方向に対して垂直である。代替的に、保護フィルムのスロー軸方向は、第1の偏光子の偏光方向と平行であり、保護フィルムのファスト軸方向は、第1の偏光子の偏光方向に対して垂直である。代替的に、第1の偏光子の偏光方向と、保護フィルムのファスト軸方向及びスロー軸方向のそれぞれとの間に45°の角度が存在する。
【0007】
本出願のこの実施形態において、保護フィルムのファスト軸方向がタッチスクリーンの第1の偏光子の偏光方向と平行であり、保護フィルムのスロー軸方向が第1の偏光子の偏光方向に対して垂直である場合、保護フィルムのスロー軸方向は透過光の偏光方向を変化させず、入射光の偏光方向は、保護フィルムのファスト軸方向と平行である。したがって、入射光が保護フィルムを通過する際の偏光状態は変化せず、電子デバイスの保護フィルムの影響が低減される。これは使用者の体験の向上を支援する。保護フィルムのファスト軸方向がタッチスクリーンの第1の偏光子の偏光方向に対して垂直であり、保護フィルムのスロー軸方向が第1の偏光子の偏光方向と平行である場合、保護フィルムのファスト軸方向は入射光の偏光方向を変化させず、透過光の偏光方向は保護フィルムのスロー軸方向と平行である。したがって、入射光が保護フィルムを通過する際の偏光状態は変化せず、電子デバイスへの保護フィルムの影響が低減される。これは、使用者の体験の向上を支援する。第1の偏光子の偏光方向と、保護フィルムのファスト軸方向及びスロー軸方向のそれぞれとの間に45°の角度が存在する場合、保護フィルムのファスト軸方向及びスロー軸方向は入射光の強度を変化させず、電子デバイスへの保護フィルムの影響が低減される。
【0008】
任意選択的に、第1の偏光子は、電子デバイスの保護フィルムに最も近い偏光子であり、または第1の偏光子は、電子デバイスの発光素子によって放出された光が、光が保護フィルムに到達するプロセスにおいて通過する最後の偏光子である。
【0009】
任意選択的に、保護フィルムは、複屈折効果によって特徴づけられる任意の保護フィルムでありうる。
【0010】
いくつかの実施例において、第1の偏光子の偏光方向と、保護フィルムのファスト軸方向及びスロー軸方向のそれぞれとの間に45°の角度が存在する場合、保護フィルムの厚さは以下の方程式を満たす。
(nfast-nslow)*T=1/2*m*λ
ここで、nfastは保護フィルムのファスト軸方向の屈折率であり、nslowは保護フィルムのスロー軸方向の屈折率であり、Tは保護フィルムの厚さであり、mは正の整数であり、λは屈折率である。
【0011】
いくつかの実施例において、電子デバイスはアンダーディスプレイ指紋認証をサポートする。
【0012】
いくつかの実施例において、保護フィルムはPETフィルムである。
【0013】
いくつかの実施例において、保護フィルムは複屈折効果によって特徴づけられる複合フィルムでありうる。例えば、複合フィルムは、PETフィルム及びTPUフィルムを含む複合材料フィルムでありうる。
【0014】
第2の態様によれば、保護フィルムを切断するための方法が提供され、本方法は、入射光が第2の偏光子及び第2の偏光子と平行な回転された保護フィルムを順に通過して第3の偏光子に到達し、第3の偏光子を通過する際に生成される透過光のパワーを検出する段階であって、第2の偏光子及び第3の偏光子が同じ偏光方向を有し、保護フィルムが複屈折率効果によって特徴づけられる、透過光のパワーを検出する段階と、透過光のパワーに基づいて保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向を決定する段階と、第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向に沿って保護フィルムを切断し、切断された保護フィルムを得る段階と、を含む。
【0015】
従って、本出願のこの実施形態において、入射光は同じ偏光方向を有する2つの偏光子を通過し、透過光のパワーは、保護フィルムの切断プロセスにおいて考慮される。このようにして、保護フィルムの第1のファスト軸方向及び第1のスロー軸方向が決定される際に、透過光への影響が最小になる方向は、可能な限り保護フィルムのファスト軸方向及びスロー軸方向として選択されてもよく、保護フィルムは、保護フィルムの大きさにおける要求に基づいて、第1のファスト軸方向及び第1のスロー軸方向に沿って切断される。これは、電子デバイスへの保護フィルムの影響の低減を支援する。
【0016】
任意選択的に、第2の偏光子の偏光方向は、電子デバイスの第1の偏光子の偏光方向と同じである。
【0017】
任意選択的に、第2の偏光子は第3の偏光子と平行であり、第2の偏光子は第3の偏光子の上に投影されうる。
【0018】
いくつかの実施形態において、透過光のパワーに基づいて保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向を決定する段階は、透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのファスト軸方向を第1のファスト軸方向として決定する段階、または透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのスロー軸方向を第1のスロー軸方向として決定する段階を含む。
【0019】
このようにして、保護フィルムの切断方向が決定される際に、透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのファスト軸方向が第1のファスト軸方向として選択され、最大透過光パワーに対応している保護フィルムのスロー軸方向が、第1のスロー軸方向として選択される。換言すれば、電子デバイスへの影響は、保護フィルムが保護フィルムのサイズに対する要求に基づいて第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向に沿って切断される場合に最小になる。
【0020】
任意選択的に、透過光のより高いパワーに対応している保護フィルムのファスト軸方向が、代替的に第1のファスト軸方向として決定されうる。任意選択的に、透過光のより高いパワーに対応している保護フィルムのスロー軸方向が、代替的に第1のスロー軸方向として決定されうる。これは、本出願のこの実施形態に限定されない。
【0021】
任意選択的に、保護フィルムの回転方向は、透過光のパワーの状態の変化に基づいて決定されうる。例えば、透過光のパワーが、保護フィルムが時計回りに回転すると次第に減少する場合、保護フィルムの回転方向は反時計回りに変更されうる。
【0022】
いくつかの実施例において、保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向が決定された後、第1のファスト軸方向は第2の偏光子の偏光方向と平行であり、第1のスロー軸方向は第2の偏光方向に対して垂直であるか、または第1のファスト軸方向が第2の偏光子の偏光方向に対して垂直であり、第1のスロー軸方向が第2の偏光子の偏光方向と平行である。
【0023】
いくつかの実施例において、保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向が決定された後、第2の偏光子の偏光方向と、第1のファスト軸方向及び第1のスロー軸方向のそれぞれとの間に45°の角度が存在し、切断された保護フィルムの厚さは、以下の方程式を満たす。
(nfast-nslow)*T=1/2*m*λ
ここで、nfastは保護フィルムのファスト軸方向の屈折率であり、nslowは保護フィルムのスロー軸方向の屈折率であり、Tは保護フィルムの厚さであり、mは正の整数であり、λは屈折率である。
【0024】
いくつかの実施例において、切断された保護フィルムは、アンダーディスプレイ指紋認証をサポートする電子デバイスのスクリーンに取り付けられ、電子デバイスのタッチスクリーンの第1の偏光子は、第2の偏光子と同じ偏光方向を有する。
【0025】
本出願のこの実施形態において、切断された保護フィルムは、アンダーディスプレイ指紋認証をサポートする電子デバイスのスクリーンに取り付けられ、タッチスクリーンの第1の偏光子は、第2の偏光子と同じ偏光方向を有する。このようにして、切断された保護フィルムが電子デバイスに取り付けられると、切断された保護フィルムは指紋認証効果に影響を与えず、または指紋認証効果への保護フィルムの影響が低減されうる。
【0026】
いくつかの実施例において、保護フィルムはPETフィルムである。
【0027】
いくつかの実施例において、保護フィルムは複屈折効果によって特徴づけられる複合フィルムでありうる。例えば、複合フィルムは、PETフィルム及びTPUフィルムを含む複合材料フィルムでありうる。
【0028】
第3の態様によれば、電子デバイスが提供される。電子デバイスはアンダーディスプレイ指紋認証をサポートし、第2の態様または第2の態様の可能な実施例のいずれか1つに従う保護フィルムは、電子デバイスのスクリーンに取り付けられる。
【0029】
第4の態様によれば、保護フィルムを切断するための装置が提供され、本装置は、入射光が第2の偏光子及び第2の偏光子と平行な回転された保護フィルムを通過して第3の偏光子に到達し、第3の偏光子を透過する際に生成される透過光のパワーを検出するように構成された検出ユニットであって、第2の偏光子及び第3の偏光子が同じ偏光方向を有し、保護フィルムが複屈折効果によって特徴づけられる、検出ユニットと、透過光のパワーに基づいて保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向を決定するように構成された決定ユニットと、第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向に沿って保護フィルムを切断し、切断された保護フィルムを得るように構成された切断ユニットと、を含む。
【0030】
いくつかの実施例において、決定ユニットは具体的に、透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのファスト軸方向を第1のファスト軸方向として決定するか、または透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのスロー軸方向を第1のスロー軸方向として決定するように構成される。
【0031】
いくつかの実施例において、保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向が決定された後、第1のファスト軸方向は第2の偏光子の偏光方向と平行であり、第1のスロー軸方向は第2の偏光子の偏光方向に対して垂直であるか、または第1のファスト軸方向は第2の偏光子の偏光方向に対して垂直であり、第1のスロー軸方向は第2の偏光子の偏光方向と平行である。
【0032】
いくつかの実施例において、保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向が決定された後、第2の偏光子の偏光方向と第1のファスト軸方向及び第1のスロー軸方向のそれぞれとの間に45°の角度が存在し、切断された保護フィルムの厚さは以下の方程式を満たす。
(nfast-nslow)*T=1/2*m*λ
ここで、nfastは保護フィルムのファスト軸方向の屈折率であり、nslowは保護フィルムのスロー軸方向の屈折率であり、Tは保護フィルムの厚さであり、mは正の整数であり、λは屈折率である。
【0033】
いくつかの実施例において、切断された保護フィルムはアンダーディスプレイ指紋認証をサポートする電子デバイスのスクリーンに取り付けられ、電子デバイスのタッチスクリーンの第1の偏光子は、第2の偏光子と同じ偏光方向を有する。
【0034】
いくつかの実施例において、保護フィルムはPETフィルムである。
【0035】
第5の態様によれば、コンピュータ可読ストレージ媒体が提供される。コンピュータ可読ストレージ媒体は命令を保存し、命令がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施例に従う方法を実行することができるようにされる。
【0036】
第6の態様によれば、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施例に従う方法を実行することができるようにされる。
【0037】
第7の態様によれば、電子デバイスが提供される。電子デバイスはアンダーディスプレイ指紋認証をサポートし、保護フィルムは、電子デバイスのタッチスクリーンに取り付けられ、保護フィルムは第1の軸及び第2の軸を含み、第1の軸は第2の軸に対して垂直であり、
保護フィルムの第1の軸は電子デバイスのタッチスクリーンの第1の偏光子の偏光方向と平行であり、保護フィルムの第2の軸は、電子デバイスのタッチスクリーンの第1の偏光子の偏光方向に対して垂直であり、または、
保護フィルムの第2の軸は電子デバイスのタッチスクリーンの第1の偏光子の偏光方向と平行であり、保護フィルムの第1の軸は電子デバイスのタッチスクリーンの第1の偏光子の偏光方向に対して垂直であり、または、
第1の偏光子の偏光方向と、保護フィルムの第1の軸及び第2の軸のそれぞれとの間に45°の角度が存在する。
【0038】
いくつかの実施例において、第1の偏光子の偏光方向と、保護フィルムの第1の軸及び第2の軸のそれぞれとの間に45°の角度が存在する場合、保護フィルムの厚さは以下の方程式を満たす。
(nfast-nslow)*T=1/2*m*λ
ここで、nfastは保護フィルムのファスト軸方向の屈折率であり、nslowは保護フィルムのスロー軸方向の屈折率であり、Tは保護フィルムの厚さであり、mは正の整数であり、λは屈折率である。
【0039】
いくつかの実施例において、保護フィルムはポリエチレンテレフタレートPETフィルムである。
【0040】
いくつかの実施例において、第1の軸はファスト軸であり、第2の軸はスロー軸である。
【0041】
いくつかの実施例において、タッチスクリーンの第1の偏光子は、電子デバイスの発光素子によって放出された光が、光が保護フィルムに到達するプロセスにおいて通過する最後の偏光子である。
【0042】
前述の実施例において、電子デバイスは、携帯電話、腕時計または眼鏡でありうる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本出願の実施形態に係るアンダーディスプレイ指紋認識技術の原理の概略図である。
【
図2】本出願の実施形態に係るアンダーディスプレイ指紋認識技術をサポートする電子デバイスの概略図である。
【
図3】本出願の実施形態に係る偏光子の偏光方向の概略図である。
【
図4】本出願の実施形態に係る保護フィルムを切断するための方法の概略図である。
【
図5】本出願の実施形態に係る透過光のパワー検出の概略図である。
【
図6】本出願の実施形態に係る電子デバイスのスクリーン上に取り付けられた保護フィルムの概略図である。
【
図7】従来技術の保護フィルムが携帯電話に取り付けられた場合の光学経路の概略図である。
【
図8】本出願の実施形態に係る保護フィルムが携帯電話に取り付けられたときの光学経路の概略図である。
【
図9】本出願の実施形態に係る保護フィルムを切断するための装置の概略的なブロック図である。
【
図10】本出願の実施形態に係る保護フィルムを切断するための別の装置の概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下に、添付した図面を参照して本出願の実施形態における技術的解決手段を説明する。
【0045】
可能な用途のシナリオでは、本出願の実施形態における切断された保護フィルムは、アンダーディスプレイ指紋認識技術をサポートすることが可能な電子デバイスのスクリーン上に取り付けられる。
【0046】
以下、アンダーディスプレイ指紋認識技術の原理を説明する。
【0047】
図1に示すように、アンダーディスプレイ指紋認識技術は以下の段階を含む。タッチスクリーン120によって放出された光が指110に入射する。指110の指紋が光を反射する。指110の指紋から反射された光125が、タッチスクリーン120内の光透過性ギャップを通過し、レンズ130の収束効果の下でセンサアレイ140に入射する。そして、センサアレイ140のセンサ141が、センサ141に入射した光学信号を電気信号に変換し、指紋データを生成する。
【0048】
以下、アンダーディスプレイ指紋認識技術をサポートする電子デバイスを説明する。
【0049】
図2に示されるように、アンダーディスプレイ指紋認識技術をサポートする電子デバイスは、タッチスクリーン(スクリーンとも呼ばれる)及び光学センサモジュールを含む。光学センサモジュールは、タッチスクリーンの下に配置される。具体的には、タッチスクリーンは、光学センサの平面と平行またはほぼ平行である。タッチスクリーン上の光学センサモジュールの投影は第1の領域に配置され、第1の領域は、タッチスクリーンの領域の一部または全てである。タッチスクリーンは、上部にタッチセンシング層を有するタッチセンシングスクリーンモジュールと、タッチセンシングスクリーンモジュールの下に配置されたタッチスクリーンモジュールと、を含む。光学センサモジュールは、レンズ及びセンサアレイを含みうる。光学センサモジュールはタッチスクリーンモジュールに結合され、タッチスクリーンの下に配置され、タッチセンシングスクリーンモジュールの上面から戻った光を受信及び取得し、戻った光を光学センシング画素または光電検出器の光学センサアレイにイメージングする。光学センサモジュールは、戻った光の光学イメージをさらなる処理のために画素信号に変換しうる。
【0050】
タッチスクリーンモジュールは、通常、発光原理によって、液晶ディスプレイ(liquid crystal display,LCD)スクリーン及び有機発光ダイオード(organic light emitting diode,OLED)タッチスクリーンに分類される。光の偏光方向を制御するために、偏光子がLCDスクリーン及びOLEDスクリーンに追加される。したがって、タッチスクリーンモジュールの出射光は全て偏光特性を有する。電子デバイスの発展に伴い、電子デバイスのスクリーンが汚れたり損傷したりするのを防ぐために、使用者は通常、電子デバイスのスクリーンを保護するために電子デバイスのスクリーンに保護フィルムを取り付ける。例えば、使用者は、強化ガラスフィルム、熱可塑性ポリウレタン(thermoplastic polyurethanes,TPU)フィルム、またはPETフィルムを取り付けうる。PETフィルムは、製造時に押出成形、カレンダリング、及び二軸延伸を経て形成されるが、二軸延伸により行われるフィルム形成は、異方性及び結晶化につながる。この場合、複屈折効果が生じる。タッチスクリーンからの光がPETフィルムを通過すると、偏光特性が変化する。指から反射された光が偏光子を再び通過すると、光の一部が遮断され、光学信号を弱めることとなる。この場合、電子デバイスによって実行されるユーザー認識の動作が影響を受ける。例えば、PETフィルムは四分の一波長板の効果を有する。光が保護フィルムを通過して指の表面に到達した後に反射して戻ると、光の偏光方向は適切に90°回転する。この場合、光は偏光子によって完全に遮断され、偏光子を通過することができず、そのため光学センサは指紋データを取得することができない。したがって、アンダーディスプレイ指紋認識技術の用途が限定される。
【0051】
本出願の実施形態において、偏光子は入射光を遮蔽する機能及び透過させる機能を有する。例えば、横波の場合、偏光方向は伝搬方向に対して垂直である。
図3に示されるように、偏光子を通過する入射光の伝搬方向はKであり、偏光方向はEである。
【0052】
本出願の実施形態において、保護フィルムは製造後にファスト軸方向及びスロー軸方向を有する。保護フィルムにおいて、伝搬速度が遅い光ベクトル(Light vector)方向はスロー軸であり、高い伝搬速度を有する光ベクトル方向はファスト軸である。
【0053】
前述の課題を参照して、本出願の実施形態は、保護フィルムを切断するための方法を提供する。本方法によれば、保護フィルムの第1のファスト軸方向及び第1のスロー軸方向は、同じ偏光方向を有する2つの偏光子及び2つの偏光子の間の保護フィルムを通過する透過光のパワーに基づいて決定される。例えば、より高い、もしくは最大の透過光パワーに対応している保護フィルムのファスト軸方向は、第1のファスト軸方向として決定されうる。または、より高い、もしくは最大の透過光パワーに対応している保護フィルムのスロー軸方向は、第1のスロー軸方向として決定されうる。この場合、切断された保護フィルムの大きさにおける要求が既知であることを前提として、第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向に沿って保護フィルムを切断することは、より高い、または最大の透過光パワーを生じる第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向に沿って保護フィルムを切断することと等価である。すなわち、保護フィルムの回転の間、入射光が保護フィルムを通過した後、入射光に対する影響が最小である方向は、保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向であり、電子デバイスのタッチスクリーンにおける偏光子の偏光方向は、切断における2つの偏光子の偏光方向と同じである。このようにして、切断された保護フィルムが電子デバイスに取り付けられた際に、指紋データへの影響が低減される。
【0054】
以下、本出願の実施形態に従う保護フィルムを切断するための方法200を、
図4を参照して説明する。方法200は、以下のステップを含む。
【0055】
S210。入射光が第2の偏光子及び、第2の偏光子と平行な回転された保護フィルムを通って第3の偏光子に到達し、第3の偏光子を通過した際に生じる透過光のパワーを検出する段階であって、第2の偏光子及び第3の偏光子が同じ偏光方向を有し、保護フィルムが複屈折効果によって特徴づけられる。
【0056】
任意選択的に、保護フィルムは、複屈折効果によって特徴づけられる任意の保護フィルムでありうる。例えば、保護フィルムはPETフィルム、または複屈折効果によって特徴づけられた複合フィルムでありうる。例えば、複合フィルムは、PETフィルム及びTPUフィルムを含む複合材料フィルムである。複屈折効果は、保護フィルムの材料の特性によって引き起こされる。複屈折効果は、第1のファスト軸及び第1のスロー軸によって生じうる。
【0057】
任意選択的に、第2の偏光子及び第3の偏光子は、直線偏光子でありうる。
【0058】
任意選択的に、第2の偏光子及び第3の偏光子は同じ偏光方向を有し、第2の偏光子を通過する入射光の伝搬方向は、第3の偏光子を通過する入射光のそれと同じである。
【0059】
第2の偏光子、保護フィルム及び第3の偏光子は、互いに平行である。
【0060】
S220。透過光のパワーに基づいて、保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向を決定する。
【0061】
本出願のこの実施形態において、保護フィルムは第2の偏光子と平行に回転しているが、保護フィルムのファスト軸方向及びスロー軸方向は一定に変化している。S220において、第1のファスト軸方向及び第1のスロー軸方向は、一定に変化している保護フィルムのファスト軸方向及びスロー軸方向において決定される必要がある。
【0062】
任意選択的な実施形態において、S220は、透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのファスト軸方向を第1のファスト軸方向として決定する、または透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのスロー軸方向を第1のスロー軸方向として決定することを含む。任意選択的に、透過光のより高いパワーに対応している保護フィルムのファスト軸方向が、第1のファスト軸方向として決定される、または透過光のより高いパワーに対応している保護フィルムのスロー軸方向が、第1のスロー軸方向として決定される。
【0063】
任意選択的に、最大透過光パワーは、保護フィルムが180°回転された後にのみ決定可能である。任意選択的に、透過光のパワーは次第に増大し、次いで次第に減少する場合、この変化プロセスにおける透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのファスト軸方向が、第1のファスト軸方向として決定されうる、またはこの変化プロセスにおける透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのスロー軸方向が、第1のスロー軸方向として決定されうる。
【0064】
例えば、
図5に示されるように、入射光が第2の偏光子を通過し、次いで回転する保護フィルムを通過し、最後に第3の偏光子を通過する。最後に第3の偏光子を通過する透過光のパワーが検出され、保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向が、透過光のパワーに基づいて決定される。例えば、透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのファスト軸方向が、第1のファスト軸方向として決定されてもよく、または透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのスロー軸方向が、第1のスロー軸方向として決定されてもよい。
図5において、Kは、第2の偏光子及び第3の偏光子を通過する入射光の伝搬方向であり、Eは、第2の偏光子及び第3の偏光子を通過する入射光の偏光方向である。
【0065】
任意選択的な実施形態において、本方法はさらに、透過光のパワーに基づいて、保護フィルムの回転方向を決定する段階を含む。例えば、透過光のパワーが次第に減少する場合、保護フィルムの回転方向が変更されうる。透過光のパワーが次第に増大する場合、保護フィルムの回転方向は変更されなくてもよい。例えば、保護フィルムが第2の偏光子に対して平行な面内で時計回りに回転している場合に透過光のパワーが次第に減少する場合、保護フィルムは第2の偏光子に対して平行な面内で反時計回りに回転する。
【0066】
透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのファスト軸方向が第1のファスト軸方向として決定され、または透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのスロー軸方向が第1のスロー軸方向として決定された後、第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向と、第2の偏光子の偏光方向との間の関係は、以下のいくつかの場合を含みうる。
【0067】
第1の場合において、第1のファスト軸方向は第2の偏光子の偏光方向と平行であり、第1のスロー軸方向は第2の偏光子の偏光方向に対して垂直であり、第1のファスト軸方向は第1のスロー軸方向に対して垂直である。この場合、入射光が第2の偏光子を通過し、次いで保護フィルムを通過すると、第1のスロー軸方向は透過光の偏光方向を変化させず、透過光の偏光方向は第1のファスト軸方向と平行である。したがって、入射光が保護フィルムを通過する場合の偏光状態は変化しない。
【0068】
第2の場合において、第1のファスト軸方向は第2の偏光子の偏光方向に対して垂直であり、第1のスロー軸方向は第2の偏光子の偏光方向と平行であり、第1のファスト軸方向が第1のスロー軸方向に対して垂直である。この場合、入射光が第2の偏光子を通過し、次いで保護フィルムを通過すると、第1のファスト軸方向は透過光の偏光方向を変化させず、透過光の偏光方向は第1のスロー軸方向と平行である。したがって、入射光が保護フィルムを通過する際の偏光状態は変化しない。
【0069】
第3の場合において、第2の偏光子の偏光方向と、第1のファスト軸方向及び第1のスロー軸方向のそれぞれとの間に45°の角度が存在し、切断された保護フィルムの厚さは以下の方程式を満たす。
(nfast-nslow)*T=1/2*m*λ
ここで、nfastは保護フィルムのファスト軸方向の屈折率であり、nslowは保護フィルムのスロー軸方向の屈折率であり、Tは保護フィルムの厚さであり、mは正の整数であり、λは屈折率である。保護フィルムのファスト軸方向は、保護フィルムのスロー軸方向に対して垂直である。
【0070】
S230。保護フィルムを第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向に沿って切断し、切断された保護フィルムを得る。
【0071】
具体的には、第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向が決定された後、保護フィルムは、保護フィルムの切断大きさに基づいて切断されうる。例えば、電子デバイスのスクリーンサイズが固定され、第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向が決定された後に切断サイズも固定される。この場合、保護フィルムは、第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向に沿った切断サイズに基づいて切断され、切断された保護フィルムを得る。切断された保護フィルムは、電子デバイスのスクリーンに取り付けられる。
【0072】
任意選択的に、保護フィルムはPETフィルムである。確かに、保護フィルムは、代替的に複屈折効果によって特徴づけられる複合フィルムであってもよい。例えば、複合フィルムは、PETフィルムまたはTPUフィルムを含む複合材料フィルムでありうる。
【0073】
以下に、保護フィルムがPETフィルムである例を用いて説明を行う。
【0074】
電子デバイスのタッチスクリーンにおける偏光子の偏光方向は、スクリーンの入射光方向に対して垂直である。
図6に示されるように、左の図では電子デバイスのスクリーンの上半分にはPETフィルムが取り付けられておらず、ほとんど透過光が存在しないことが分かる。ランダムに切断されたPETフィルムが左の図の電子デバイスのスクリーンの下半分に取り付けられており、透過光の偏光状態がPETフィルムによって変化されるため、光の一部が透過することが分かる。
図6の右側において、右側の図のPETフィルムは、選択された特定のファスト軸方向またはスロー軸方向に沿って切断された後に、電子デバイスのスクリーンに取り付けられており、フィルムを有する位置とフィルムを有しない位置との間で透過光に明らかな違いが存在しないことが分かる。これは、透過光のパワーに基づいて切断されたPETフィルムがスクリーンの入射光の偏光状態に影響を及ぼさないことと等価である。したがって、アンダーディスプレイ指紋認識技術において、指から反射された光は、タッチスクリーンを良好に通過して、光学センサモジュールに到達することが可能である。
【0075】
例えば、
図7は、従来技術の保護フィルムが指紋認識技術における携帯電話に取り付けられた場合の光学経路の概略図である。保護フィルムは複屈折効果によって特徴づけられ、偏光子の偏光方向は、紙面に対して平行な水平方向である。光(紙面に対して平行な水平方向の光及び紙面に対して垂直な垂直方向の光を含む)が、偏光子を通過することとなる場合、水平方向の光のみが偏光子を通過することができ、垂直方向の光は偏光子を通過することができない。保護フィルムはランダムに切断されているので、水平方向の光が従来技術のPET保護フィルムに到達すると、直線偏光された光は、PETフィルムの複屈折効果によって円偏光された光になる。光が指から反射された後再び直線偏光子を通過することとなる場合、垂直方向の光は直線偏光子を通過することができず、指から反射された光のエネルギー損失を生じる。結果的に、指紋データが不正確になる。
図8は、本出願の実施形態に従う保護フィルムが指紋認識技術において携帯電話に取り付けられた場合の光学経路の概略図である。保護フィルムは、本出願の実施形態における方法に従って切断される。光が偏光子を通過することとなる場合、水平方向の光のみが偏光子を通過することができ、垂直方向の光は偏光子を通過することができない。保護フィルムのファスト軸方向は偏光子の偏光方向と平行もしくは偏光方向に対して垂直であり、または、保護フィルムのファスト軸方向と偏光子の偏光方向との間には45度の角度が存在し、または、保護フィルムのスロー軸方向は偏光子の偏光方向と平行もしくは偏光方向に対して垂直であり、または、保護フィルムのスロー軸方向と偏光子の偏光方向との間には45度の角度が存在する。したがって、水平方向の光が保護フィルムを通過する場合、保護フィルムは、光の偏光状態を変化させず、指から反射した光は依然として水平方向である。そのため、保護フィルムは、指紋データに比較的小さな影響を及ぼすか、または全く影響を及ぼさない。LCDスクリーンに関して、光はバックライトモジュールによって放出された光であり、OLEDスクリーンに関して、光は発光層によって放出された光であることが理解されうる。
【0076】
表1は、4つのPETフィルムA、B、C及びDを示す。第1の列は4つのPETフィルムを表す。第2の列は、保護フィルムが電子デバイスに取り付けていない場合の消光率を表す。第3の列は、4つの保護フィルムが、保護フィルムの製造方向に基づいて電子デバイスのスクリーン上に直接取り付けられた場合の消光比を表す。第4の列は、保護フィルムが製造方向に沿って回転された(保護フィルムの中心軸に沿って回転された)特定の角度を表す。第5の列は、特定の角度だけ回転され、次いで切断された後に、保護フィルムが電子デバイスのスクリーンに取り付けられた場合の消光比を表す。消光比は全て、4つの異なるフィルムが特定の角度だけ回転された後に増加することが分かる。
【0077】
【0078】
任意選択的に、切断された保護フィルムは、アンダーディスプレイ指紋認識技術をサポートする電子デバイスのスクリーンに取り付けられる。電子デバイスのタッチスクリーンの第1の偏光子は、第2の偏光子のそれと同じ偏光方向を有する。換言すれば、保護フィルムが切断された場合に使用される第2の偏光子及び第3の偏光子は、電子デバイスのタッチスクリーンにおける第1の偏光子のそれと同じ偏光方向を有する。このようにして、切断された保護フィルムが電子デバイスに取り付けられた場合に、電子デバイスの偏光子の偏光方向は影響を受けないため、指紋認識効果に対する保護フィルムの影響を低減する。任意選択的に、異なる電子デバイスの偏光子が異なる偏光方向を有する場合、異なる電子デバイスのスクリーン上の保護フィルムの切断方向もまた異なりうる。例えば、第1の電子デバイスの第1の偏光子の偏光方向が第1の偏光方向である場合、第2の偏光子及び第3の偏光子の偏光方向もまた第1の偏光方向であり、この場合、保護フィルムのファスト軸方向はファスト軸方向1として決定され、または保護フィルムのスロー軸方向はスロー軸方向1として決定されうる。第2の電子デバイスの第1の偏光子の偏光方向が第2の偏光方向である場合、第2の偏光子及び第3の偏光子の偏光方向もまた第2の偏光方向であり、この場合、保護フィルムのファスト軸方向はファスト軸方向2として決定され、保護フィルムのスロー軸方向はスロー軸方向2として決定されうる。
【0079】
以下の記載は、
図3から8を参照して、本出願の実施形態に従う保護フィルムを切断するための方法を説明する。以下、保護フィルムを説明する。
【0080】
本出願の実施形態は保護フィルムを提供する。保護フィルムは複屈折効果によって特徴づけられ、保護フィルムは電子デバイスのスクリーンに取り付けられる。保護フィルムのファスト軸方向またはスロー軸方向と、電子デバイスのタッチスクリーンにおける第1の偏光子の偏光方向との間の関係に関して、以下のいくつかの場合がありうる。電子デバイスのタッチスクリーンは、1つまたは複数の偏光子を有する場合があり、第1の偏光子は電子デバイスのスクリーンに近接した偏光子であるか、または第1の偏光子は、電子デバイスの発光素子によって放出された光が、保護フィルムに到達するプロセスにおいて通過する最後の偏光子でありうることは理解されるべきである。LCDスクリーンを有する電子デバイスに関して、発光素子はバックライトモジュールでありうる。OLEDスクリーンを有する電子デバイスに関して、発光素子は発光層によって放出された光でありうる。
【0081】
任意選択的に、電子デバイスは、スクリーン上の様々な光学認識技術、例えばアンダーディスプレイ指紋認識技術をサポートしうる。アンダーディスプレイ指紋認識技術はまた、不可視指紋認識技術とも称され、指紋認識ロック解除プロセスがスクリーンガラスの下で完了する技術である。アンダーディスプレイ指紋認識技術において、超音波及び光学浸透技術などの浸透技術は、主に、指紋認識を実現するために、様々な異なる材料に浸透するのに使用される。
【0082】
第1の場合において、保護フィルムのファスト軸方向は電子デバイスのタッチスクリーンの第1の偏光子の偏光方向と平行であり、保護フィルムのスロー軸方向は、電子デバイスのタッチスクリーンの第1の偏光子の偏光方向に対して垂直であり、保護フィルムのファスト軸方向は、保護フィルムのスロー軸方向に対して垂直である。
【0083】
第2の場合において、保護フィルムのスロー軸方向は、電子デバイスのタッチスクリーンの第1の偏光子の偏光方向と平行であり、保護フィルムのファスト軸方向は、電子デバイスのタッチスクリーンの第1の偏光子の偏光方向に対して垂直であり、保護フィルムのファスト軸方向は、保護フィルムのスロー軸方向に対して垂直である。
【0084】
第3の場合において、電子デバイスのタッチスクリーンの第1の偏光子の偏光方向と、保護フィルムのファスト軸方向及びスロー軸方向のそれぞれとの間には45度の角度が存在する。
【0085】
第3の場合において、保護フィルムの厚さは、以下の方程式を満たす。
(nfast-nslow)*T=1/2*m*λであり、
nfastは保護フィルムのファスト軸方向の屈折率であり、nslowは保護フィルムのスロー軸方向の屈折率であり、Tは保護フィルムの厚さであり、mは正の整数であり、λは屈折率である。
【0086】
可能な実施例において、本出願の実施形態は、電子デバイスを提供する。電子デバイスは、アンダーディスプレイ指紋認識技術をサポートし、前述の保護フィルムは、電子デバイスのスクリーンに取り付けられる。
【0087】
本出願の実施形態において、垂直というのは絶対的に垂直であるわけではないのは理解されるべきである。AがBに垂直であるというのは、AとBとの間の角度の範囲が[90-a,90+a]でありうる。同様に、平行は絶対的に平行ではない。AがBと平行であるというのは、AとBとの間の角度の範囲が[0,b]でありうる。AとBとの間の45°の角度は、絶対的な45°の角度ではない。AとBとの間に45°の角度があるというのは、AとBとの間の角度の範囲が[45-c,45+c]でありうる。例えば、aは5でありえ、bは4でありえ、cは3でありうる。a、b、cは5でありうる。aは6でありえ、bは3でありえ、cは6でありうる。またはa、b、cは15でありうる。
【0088】
以下、aが5であり、bが4であり、cが3でありうる例を用いて説明する。
【0089】
例えば、保護フィルムのファスト軸方向が電子デバイスのタッチスクリーンの第1の偏光子の偏光方向と平行であるというのは、保護フィルムのファスト軸方向と第1の偏光子の偏光方向との間の角度の範囲が[0,b]であり、bが4でありうるということであってもよい。例えば、保護フィルムのファスト軸方向と第1の偏光子の偏光方向との間の角度が0°、2°、または4°であり、これらは全て、本出願のこの実施形態における保護フィルムのファスト軸方向が電子デバイスのタッチスクリーンの第1の偏光子の偏光方向と平行であるものとして考えられるべきである。
【0090】
別の例として、保護フィルムのスロー軸方向が、第1の偏光子の偏光方向に対して垂直であるというのは、保護フィルムのスロー軸方向と第1の偏光子の偏光方向との間の角度の範囲が[90-a,90+a]であり、aが5でありうる。例えば、保護フィルムのスロー軸方向と第1の偏光子の偏光方向との間の角度が85°、88°、90°、93°、または95°であり、これらは全て、本出願の本実施形態の保護フィルムのスロー軸方向が、第1の偏光子の偏光方向と垂直であるとして理解すべきである。
【0091】
別の例として、第1の偏光子の偏光方向と、保護フィルムのファスト軸方向及びスロー軸方向のそれぞれとの間に45°の角度が存在するというのは、第1の偏光子の偏光方向と保護フィルムのファスト軸の方向との間の角度の範囲が[45-c,45]であり、第1の偏光子の偏光方向と保護フィルムのスロー軸方向との間の角度の範囲が[45,45+c]であり、cが3でありうる。例えば、第1の偏光子の偏光方向と保護フィルムのファスト軸方向との間の角度が42°であり、第1の偏光子の偏光方向と保護フィルムのスロー軸方向との間の角度が48°である。または、第1の偏光子の偏光方向と保護フィルムのファスト軸方向との間の角度が44°であり、第1の偏光子の偏光方向と保護フィルムのスロー軸方向との間の角度が46°であり、これらは全て、本出願のこの実施形態における第1の偏光子の偏光方向と、保護フィルムのファスト軸方向及びスロー軸方向のそれぞれとの間に45°の角度が存在するとして理解されるべきである。
図9に示されるように、本出願の実施形態は、保護フィルムを切断するための装置400を提供し、装置は、
入射光が第2の偏光子及び、第2の偏光子と平行な回転された保護フィルムを通って第3の偏光子に到達し、第3の偏光子を通過する際に生じる透過光のパワーを検出するように構成された検出ユニット310であって、第2の偏光子及び第3の偏光子が同じ偏光方向を有し、保護フィルムが複屈折効果によって特徴づけられる、検出ユニット310と、
透過光のパワーに基づいて、保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向を決定するように構成された決定ユニット320と、
切断された保護フィルムを得るために、第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向に沿って保護フィルムを切断するように構成された切断ユニット330と、を含む。
【0092】
任意選択的な実施形態において、決定ユニット420は、特に、透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのファスト軸方向を第1のファスト軸方向として決定するか、または透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのスロー軸方向を第1のスロー軸方向として決定するように構成される。
【0093】
任意選択的な実施形態において、保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向が決定された後、第1のファスト軸方向は第2の偏光子の偏光方向と平行であり、第1のスロー軸方向は第2の偏光子の偏光方向に対して垂直である。または、第1のファスト軸方向は第2の偏光子の偏光方向に対して垂直であり、第1のスロー軸方向は第2の偏光子の偏光方向と平行である。
【0094】
任意選択的な実施形態において、保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向が決定された後、第2の偏光子の偏光方向と、第1のファスト軸方向及び第1のスロー軸方向のそれぞれとの間に45°の角度が存在し、切断された保護フィルムの厚さは、以下の方程式を満たす。
(nfast-nslow)*T=1/2*m*λ
ここで、nfastは保護フィルムの第1の軸方向の屈折率であり、nslowは保護フィルムのスロー軸方向の屈折率であり、Tは保護フィルムの厚さであり、mは正の整数であり、λは屈折率である。
【0095】
任意選択的な実施形態において、切断された保護フィルムは、アンダーディスプレイ指紋認識技術をサポートする電子デバイスのスクリーンに取り付けられる。電子デバイスのタッチスクリーンにおける第1の偏光子は、第2の偏光子のそれと同じ偏光方向を有する。
【0096】
任意選択的な実施形態において、保護フィルムは、ポリエチレンテレフタレートPETフィルムである。
【0097】
任意選択的な実施形態において、保護フィルムは、複屈折効果によって特徴づけられる複合フィルムでありうる。例えば、複合フィルムは、PETフィルム及びTPUフィルムを含む複合材料フィルムでありうる。
【0098】
図10に示されるように、本出願の実施形態は、保護フィルムを切断するための装置を提供し、装置は、
入射光が第2の偏光子及び、第2の偏光子に平行な回転された保護フィルムを通って第3の偏光子に到達し、第3の偏光子を通過したときに生成される透過光のパワーを検出するように構成されたパワー検出器410であって、第2の偏光子及び第3の偏光子が同じ偏光方向を有し、保護フィルムが複屈折効果によって特徴づけられる、パワー検出器410と、
透過光のパワーに基づいて、保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向を決定するように構成されたプロセッサ420と、
切断された保護フィルムを得るために、第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向に沿って保護フィルムを切断するように構成されたカッター430と、を含む。
【0099】
任意選択的な実施形態において、プロセッサ420は、具体的に、透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのファスト軸方向を第1のファスト軸方向として決定し、または透過光の最大パワーに対応している保護フィルムのスロー軸方向を第1のスロー軸方向として決定するように構成される。
【0100】
任意選択的な実施形態において、保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向が決定された後、第1のファスト軸方向は第2の偏光子の偏光方向と平行であり、第1のスロー軸方向は第2の偏光子の偏光方向に対して垂直である。または、第1のファスト軸方向は第2の偏光子の偏光方向に対して垂直であり、第1のスロー軸方向は第2の偏光子の偏光方向に対して平行である。
【0101】
任意選択的な実施形態において、保護フィルムの第1のファスト軸方向または第1のスロー軸方向が決定された後、第2の偏光子の偏光方向と第1のファスト軸方向及び第1のスロー軸方向のそれぞれとの間に45°の角度が存在し、切断された保護フィルムの厚さは、以下の方程式を満たす。
(nfast-nslow)*T=1/2*m*λ
ここで、nfastは保護フィルムのファスト軸方向の屈折率であり、nslowは保護フィルムのスロー軸方向の屈折率であり、Tは保護フィルムの厚さであり、mは正の整数であり、λは屈折率である。
【0102】
任意選択的な実施形態において、切断された保護フィルムはアンダーディスプレイ指紋認識をサポートする電子デバイスのスクリーンに取り付けられる。電子デバイスのタッチスクリーンにおける第1の偏光子は、第2の偏光子のそれと同じ偏光方向を有する。
【0103】
任意選択的な実施形態において、保護フィルムは、ポリエチレンテレフタレートPETフィルムである。
【0104】
前述の実施形態に関して、第1のファスト軸は第1の軸であってもよく、第1のスロー軸は第2の軸であってもよいことは理解されうる。第1の軸は第2の軸に対して垂直でありうる。
【0105】
前述の実施形態において、「平行」とは絶対的な平行であってもよく、またはほぼ平行であってもよいことは理解されうる。例えば、AがBと平行であるというのは、AとBとの間の角度の範囲が[0,b]であり、bの具体的な値は製品ごとに変化する。例えば、bは4でありうる。Aは、保護フィルムの第1の軸(第1のファスト軸)または保護フィルムの第2の軸(第1のスロー軸)であってもよく、Bは電子デバイスのタッチスクリーン(例えば、タッチスクリーン)における偏光子(例えば第1の偏光子)の偏光方向であってもよい。詳細な説明に関しては、前述の実施形態の説明を参照されたい。
【0106】
前述の実施形態における「垂直」とは、絶対的な垂直であってもよく、ほぼ垂直であってもよいことは理解されうる。例えば、AがBに対して垂直であるというのは、AとBとの間の角度の範囲が[90-a,90+a]であってもよく、aの具体的な値は製品ごとに変化する。例えば、aは5でありうる。Aは保護フィルムの第1の軸(例えば第1のファスト軸)であってもよく、保護フィルムの第2の軸(例えば第1のスロー軸)であってもよく、Bは電子デバイスのタッチスクリーン(例えばタッチスクリーン)の偏光子(例えば第1の偏光子)の偏光方向であってもよい。詳細な説明に関しては、前述の実施形態の説明を参照されたい。
【0107】
第1の偏光子の偏光方向と、前述の実施形態の保護フィルムのファスト軸方向(第1の軸方向)及びスロー軸方向(第2の軸方向)のそれぞれとの間に45°の角度が存在するというのは、第1の偏光子の偏光方向と、保護フィルムのファスト軸方向(第1の軸方向)及びスロー軸方向(第2の軸方向)のそれぞれとの間の角度の範囲がが[45+c,45-c]であってもよく、cの具体的な値は製品ごとに変化する。例えば、cは3でありうる。詳細な説明に関しては、前述の実施形態の説明を参照されたい。
【0108】
保護フィルムのファスト軸方向が前述の実施形態における第1の偏光子の偏光方向と平行または偏光方向に対して垂直であるというのは、保護フィルムのファスト軸が第1の偏光子の偏光方向と平行または偏光方向に対して垂直であるということでありうることは理解されうる。保護フィルムのスロー軸方向が前述の実施形態における第1の偏光子の偏光方向と平行または偏光方向に対して垂直であるということは、保護フィルムのスロー軸が、第1の偏光子の偏光方向と平行または偏光方向に対して垂直であるということでありうる。第1の偏光子の偏光方向と、前述の実施形態の保護フィルムのファスト軸方向及びスロー軸方向のそれぞれとの間に45°の角度が存在するということは、第1の偏光子の偏光方向と、保護フィルムの第1の軸及びスロー軸のそれぞれとの間に45°の角度が存在するということでありうる。
【0109】
当業者であれば、本明細書で開示された実施形態を参照して説明された例におけるユニットおよびアルゴリズムのステップは、電子ハードウェアまたは、コンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせによって実現されうることが分かるであろう。機能がハードウェアによって実施されるか、ソフトウェアによって実施されるかは、技術的解決手段の具体的な用途及び設計の制約に依存する。当業者であれば、特定の用途のそれぞれについて説明された機能を実施するために様々な方法を使用しうるが、そのような実施は、本出願の範囲を逸脱するものと考えられるべきではない。
【0110】
本出願で提供されるいくつかの実施形態において、開示される装置及び方法が、他の方法で実現されうると理解されるべきである。例えば、説明された装置の実施形態は単なる例である。例えば、ユニットの分割は、単なる論理的な機能的分割であり、実際の実施例におけるその他の分割もありうる。例えば、複数のユニットまたは構成要素が組み合わせられてもよく、もしくは別のシステムに統合されてもよく、またはいくつかの特徴は無視され、もしくは実施されなくてもよい。さらに、表示された、もしくは議論された相互結合、または直接的な結合もしくは通信接続は、いくつかのインターフェースを使用することによって実施されうる。装置またはユニット間の間接的な結合または通信接続は、電気的、機械的、またはその他の形態で実現されうる。
【0111】
さらに、本出願の実施形態における機能的ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、またはユニットのそれぞれが物理的に単独で存在してもよく、または2つもしくはそれ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。
【0112】
前述の説明は、本出願の単なる具体的な実施例であるが、本出願の保護範囲を限定することを意図されていない。当業者によって、本出願で開示された技術的範囲内で容易に理解される任意の変形または置換は、本出願の保護範囲内にあるものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0113】
110 指
120 タッチスクリーン
125 光
130 レンズ
140 センサアレイ
141 センサ
200 保護フィルムを切断するための方法
310 検出ユニット
320 決定ユニット
330 切断ユニット
400 保護フィルムを切断するための装置
410 パワー検出器
420 プロセッサ
430 カッター