(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/12 20060101AFI20241101BHJP
B65H 15/00 20060101ALI20241101BHJP
B65H 5/14 20060101ALI20241101BHJP
B41F 21/04 20060101ALI20241101BHJP
B41F 21/00 20060101ALI20241101BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
B65H5/12 A
B65H15/00 D
B65H5/14 C
B41F21/04
B41F21/00
B41J2/01 121
B41J2/01 305
(21)【出願番号】P 2022086716
(22)【出願日】2022-05-27
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000184735
【氏名又は名称】株式会社小森コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】佐野 博之
(72)【発明者】
【氏名】須田 裕之
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-081197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/12
B65H 15/00
B65H 5/14
B41F 21/04
B41F 21/00
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに印刷を含む処理を施す処理装置と、
前記処理装置による処理が施される位置にシートを搬送する処理胴と、
前記処理胴よりシート搬送方向の上流側に設けられ、シートに印刷前の処理を施す印刷前処理装置と、
前記印刷前処理装置による前記印刷前の処理が施される位置にシートを搬送し、かつ前記印刷前の処理が施されたシートを前記処理胴に送る印刷前搬送装置と、
前記印刷を含む処理が施されたシートを前記処理胴から受け取って次の工程の装置に送る搬送機構と、
前記搬送機構からシートを受け取るとともにシートの表裏を反転させる反転胴とを備え、
前記反転胴によって表裏が反転したシートは、シート搬送方向における前記印刷前処理装置の上流側に搬送され
、
前記搬送機構は、前記処理胴からシートを受け取る排出胴を有し、
前記排出胴は、シートの表裏が反転される反転経路と、シートが排出される排出経路との何れか一方の経路に搬送経路を振り分けるシート搬送経路振分装置を構成していることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1記載の印刷装置において、
さらに、シートをフィーダーボードによって供給するフィーダー装置を備え、
前記印刷前搬送装置の搬送方向上流側端部は、前記フィーダーボードによって送られたシートを受け取る供給胴によって構成され、
前記印刷前処理装置の上流側は、前記供給胴であることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1記載の印刷装置において、
さらに、シートをフィーダーボードによって供給するフィーダー装置を備え、
前記印刷前処理装置の上流側は、前記フィーダー装置であることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1記載の印刷装置において、
前記処理装置によってシートに塗布されたインクを硬化させるインキ乾燥ランプが前記処理胴の周囲に設けられていることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項1記載の印刷装置において、
前記処理装置は、シートにインク滴を吐出して印刷を施すインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドよりシート搬送方向の上流側に配置された第2の印刷前処理装置とを含んでいることを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを保持して搬送する処理胴とインクジェットヘッドとを備えた印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットヘッドを備えた従来の印刷装置としては、例えば特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に開示された印刷装置は、印刷後のシートの表裏を反転させて印刷胴に戻す反転スイング装置を備えており、シートの表裏両面にインクジェットヘッドによる印刷を行うことが可能な構成が採られている。反転スイング装置は、シートの搬送方向上流側の後端を把持した状態で印刷胴に向けて揺動し、このシートを印刷胴のくわえ爪装置に渡す構成が採られている。
【0003】
ところで、この種の印刷装置においては、印刷が行われるシートに対して前処理を行うことがある。前処理をシートに施すためには、インクジェットヘッドよりシート搬送方向の上流側に前処理装置を設置し、印刷胴によって搬送されるシートに対して前処理を行っている。近年では、印刷品質の更なる向上を図るために、前処理の処理項目を増やすことが要請されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷胴によって搬送されているシートに前処理を行うためには、印刷胴の周囲の空きスペースに前処理装置を設置しなければならない。前処理の処理項目を増やすと前処理装置が大型化するため、前処理装置を印刷胴と対向する位置に設けることができなくなるという問題があった。シートの表裏両面に印刷を施す場合は、表面専用の前処理や裏面専用の前処理などを行うことも考えられるため、前処理を十分に行うことができないおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、表裏反転したシートも過不足なく印刷前処理を行うことが可能な印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために本発明に係る印刷装置は、シートに印刷を含む処理を施す処理装置と、前記処理装置による処理が施される位置にシートを搬送する処理胴と、前記処理胴よりシート搬送方向の上流側に設けられ、シートに印刷前の処理を施す印刷前処理装置と、前記印刷前処理装置による前記印刷前の処理が施される位置にシートを搬送し、かつ前記印刷前の処理が施されたシートを前記処理胴に送る印刷前搬送装置と、前記印刷を含む処理が施されたシートを前記処理胴から受け取って次の工程の装置に送る搬送機構と、前記搬送機構からシートを受け取るとともにシートの表裏を反転させる反転胴とを備え、前記反転胴によって表裏が反転したシートは、シート搬送方向における前記印刷前処理装置の上流側に搬送されることを特徴とするものである。
【0008】
本発明は、前記印刷装置において、さらに、シートをフィーダーボードによって供給するフィーダー装置を備え、前記印刷前搬送装置の搬送方向上流側端部は、前記フィーダーボードによって送られたシートを受け取る供給胴によって構成され、前記印刷前処理装置の上流側は、前記供給胴であってもよい。
【0009】
本発明は、前記印刷装置において、さらに、シートをフィーダーボードによって供給するフィーダー装置を備え、前記印刷前処理装置の上流側は、前記フィーダー装置であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、印刷前処理装置が処理胴よりシート搬送方向の上流側に離れた場所に設置されているから、印刷前処理装置によって実施される前処理の処理項目を容易に増やすことができる。また、表裏が反転されたシートは、裏面に第1の印刷前処理装置による前処理を施された後に処理胴に搬送されて印刷が施される。
したがって、本発明によれば、表裏反転したシートも過不足なく印刷前処理を行うことが可能な印刷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明に係る印刷装置の第1の実施の形態を示す側面図である。
【
図2】
図2は、印刷装置の要部を示す側面図である。
【
図3】
図3は、反転胴の動作を説明するための模式図である。
【
図4】
図4は、第2の実施の形態による印刷装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る印刷装置の一実施の形態を
図1~
図3を参照して詳細に説明する。
図1に示す印刷装置1は、
図1において最も右に位置するフィーダー部2から印刷ユニット3にシート4を搬送し、この印刷ユニット3においてシート4の片面または両面に印刷を施すものである。印刷ユニット3において印刷が施されたシート4は、デリバリー部5に送られ、デリバリーパイル6に集積される。
【0013】
フィーダー部2は、シート4をフィーダーパイル11からサッカー12によってフィーダーボード13に移し替える構造のものである。この実施の形態においては、フィーダー部が本発明でいう「フィーダー装置」に相当する。サッカー12は、間欠給紙バルブ14に接続されており、シート4が連続的に送られる形態と、シート4が間欠的に送られる形態とのうちいずれか一方の形態で動作する。シート4の表面のみに印刷が施される場合は、サッカー12がシート4を連続的にフィーダーボード13に送る。一方、シート4の表面と裏面とに印刷が施される場合は、サッカー12がシート4を間欠的にフィーダーボード13に送る。フィーダーボード13によって送られたシート4は、スイング装置15によって印刷ユニット3の印刷前搬送装置16に搬送される。
【0014】
印刷前搬送装置16は、供給胴17と、第1の渡胴18と、第2の渡胴19とを用いてシート4を印刷ユニット3の後述する処理胴21に搬送する構成が採られている。これらの供給胴17と、第1の渡胴18と、第2の渡胴19は、それぞれくわえ爪装置22~24(
図2参照)を備えており、これらのくわえ爪装置22~24を使用して隣接する胴とシート4の受け渡しを行う。くわえ爪装置22~24は、シート4の搬送方向下流側の端部となる前端4aをくわえて保持するものである。印刷前搬送装置16の3つの胴のうち、中央に位置する第1の渡胴18の近傍には、第1の印刷前処理装置25が設置されている。
【0015】
第1の印刷前処理装置25は、詳細には図示してはいないが、プレコート装置、コロナ処理装置、特色印刷装置、特色乾燥ランプなどの印刷前のシート4に表面処理や印刷等を行う装置によって構成されている。プレコート装置は、印刷前のシート4にコーティングを施す装置である。コロナ処理装置は、印刷前のシート4にコロナ放電処理を行う装置である。特色印刷装置は、金や銀などの特別な色の印刷を行う装置である。特色乾燥ランプは、特色印刷装置で印刷されたインクを乾燥させるものである。この実施の形態においては、第1の印刷前処理装置25が本発明でいう「印刷前処理装置」に相当する。
印刷前搬送装置16は、第1の印刷前処理装置25による印刷前の処理が施される位置にシート4を搬送し、かつ印刷前の処理が施されたシート4を供給位置P1において処理胴21に送る。
【0016】
印刷ユニット3は、上述した印刷前搬送装置16と、この印刷前搬送装置16からシート4が送られる処理胴21と、印刷後のシート4を送る搬送機構26とを備えている。
処理胴21は、シート4を吸着して後述する処理装置27による処理が施される位置に搬送するものである。この実施の形態による処理胴21は、いわゆる3倍胴と呼ばれるもので、
図2に示すように回転方向の3箇所にそれぞれ搬送面21aを有している。これらの搬送面21aは、処理胴21の外周面によって構成されており、処理胴21を軸方向から見て回転方向に3等分する位置に設けられている。互いに隣り合う搬送面21aどうしの間には、外周切欠き部28が設けられているとともに、くわえ爪装置29が設けられている。くわえ爪装置29は、上述した供給胴17、第1、第2の渡胴18,19に設けられているくわえ爪装置22~24と同等のものである。
【0017】
処理胴21の周囲近傍であって、供給胴17よりシート搬送方向の下流側には、処理装置27の一部を構成する第1~第4のインクジェットヘッド31~34と、インキ乾燥ランプ35とがこの順序で並べて配置されている。この実施の形態による処理装置27は、第1~第4のインクジェットヘッド31~34の他に、第1のインクジェットヘッド31よりシート搬送方向の上流側に配置された第2の印刷前処理装置36も含んでいる。第2の印刷前処理装置36は、上述した第1の印刷前処理装置25で行う前処理と同等の処理又は異なる処理を行うものが用いられる。
【0018】
第1~第4のインクジェットヘッド31~34は、シート4にインク滴を吐出して印刷を施すものである。これらの第1~第4のインクジェットヘッド31~34は、図示してはいないが、処理胴21の軸方向(
図2の紙面と直交する方向)に並ぶ複数のノズルをそれぞれ備えている。また、第1~第4のインクジェットヘッド31~34は、インク滴がシート4に正しく付着することを目的としてインクを予め定めた温度に加熱するヒータ(図示せず)を備えている。
【0019】
インキ乾燥ランプ35は、第1~第4のインクジェットヘッド31~34によってシート4に塗布されたインクを硬化させるためのものである。インキ乾燥ランプ35は、赤外線や紫外線をシート4に照射する。インクは、赤外線や紫外線が照射されることにより乾燥又は硬化する。
【0020】
搬送機構26は、第1~第4のインクジェットヘッド31~34よりシート搬送方向の下流側に位置する受け取り位置P2で処理胴21からシート4を受け取る排出胴41と、この排出胴41からシート4を受け取る反転前倍胴42とによって構成されている。排出胴41と反転前倍胴42は、シート4の受け渡しを行うためにくわえ爪装置43,44(
図2参照)を備えている。これらのくわえ爪装置43,44は、上述した供給胴17、第1、第2の渡胴18,19に設けられているくわえ爪装置22~24と同等のものである。
排出胴41が受け取り位置P2において受け取ったシート4のうち、裏面に印刷が施されるシート4は、排出胴41から反転前倍胴42と、後述する反転胴45および反転後搬送装置46とからなる反転経路47を経て表裏が反転された状態で供給胴17に戻される。
【0021】
一方、表面のみに印刷が施されるシート4や、表裏両面に印刷が施されたシート4は、排出胴41からデリバリーベルト48を含む排出経路49を経てデリバリー部5に排出される。この実施の形態による排出胴41は、シート4の表裏が反転される反転経路47と、シート4が排出される排出経路49とのいずれか一方の経路に搬送経路を振り分けるシート経路振分装置を構成している。
【0022】
このシート経路振り分装置は、例えば特開2013-240987号公報に記載されている技術を利用して構成することができる。この公報には、排出胴41のくわえ爪装置43を開閉するカムを使用してくわえ爪装置43の開閉時期(シート4の受け渡し時期)を変えるカム装置が記載されている。カム装置は、反転前倍胴42のくわえ爪装置44と、デリバリーベルト48とともに移動するくわえ爪装置(図示せず)とのいずれか一方に排出胴41からシート4が渡されるように構成されている。
【0023】
デリバリー部5は、3つの機能を有している。第1の機能は、印刷が完了したシート4をデリバリーパイル6に集積する機能である。第2の機能は、サンプルを抽出する機能である。第3の機能は、シート4を次工程に搬送する機能である。
【0024】
反転胴45は、搬送機構26を構成する各胴と同期して回転し、搬送機構26からシート4を受け取るとともにシート4の表裏を反転させ、表裏を反転させたシート4を反転後搬送装置46に送る。反転後搬送装置46は、反転胴45から受け取ったシート4をシート搬送方向において第1の印刷前処理装置25の上流側に搬送する。この「第1の印刷前処理装置の上流側」とは、印刷前搬送装置16の搬送方向上流側端部となる供給胴17である。
【0025】
この実施の形態による反転後搬送装置46は、チェーン式搬送装置によって構成されており、反転胴45の軸方向に並ぶ一対のチェーン46aと、これらのチェーン46aの間に架け渡された多数の爪竿(図示せず)と、これらの爪竿にそれぞれ設けられたくわえ爪装置(図示せず)などを備えている。チェーン46aは、反転胴45と、供給胴17との間に配置されている。なお、反転後搬送装置46は、図示してはいないが、チェーン式搬送装置の替わりに、奇数本の渡胴を用いて構成することも可能である。この渡胴は、シート4を搬送して受け渡しを行うくわえ爪装置を備えた供給胴17、第1、第2の渡胴18,19などと同様の胴である。
この実施の形態による反転胴45は、例えば特開平5-16330号公報に開示されている転向ドラムと同等のもので、
図3(A)~(C)に示すように、反転前倍胴42によって搬送されているシート4の搬送方向上流側に位置する後端4bをくわえるグリップ部材51を有している。
【0026】
グリップ部材51は、反転胴45の軸線と平行な軸線を中心にして反転胴45に対して旋回可能に構成されている。
図3(A)は、反転前倍胴42によって搬送されているシート4の後端4bをグリップ部材51がくわえて保持した状態を示している。シート4は、印刷が施された表面4cが反転前倍胴42に接しない状態で反転前倍胴42によって搬送される。グリップ部材51がシート4の後端4bをくわえた状態で反転胴45が回転することにより、
図3(B)~(C)に示すように、シート4の後端4bが搬送方向の下流側に位置する状態でシート4が反転後搬送装置46に渡される。反転後搬送装置46から供給胴17に供給されたシート4が供給胴17によって搬送されるときには、シート4の表面4cが供給胴17の外に露出するようになる。このため、反転経路47を通って搬送されたシート4は、表裏が反転した状態で供給胴17から第1の渡胴18に搬送され、第1の渡胴18によって搬送されている途中で第1の印刷前処理装置25によって裏面にも印刷前の処理が施される。
【0027】
このように構成された印刷装置1においては、第1の印刷前処理装置25が処理胴21よりシート搬送方向の上流側に離れた場所に設置されているから、スペースの制約が緩和されて第1の印刷前処理装置25によって実施される前処理の処理項目を容易に増やすことができる。また、表裏が反転されたシート4は、裏面に第1の印刷前処理装置25による前処理を施された後に処理胴21に搬送されて印刷が施される。
したがって、この実施の形態によれば、表裏反転したシート4も過不足なく印刷前処理を行うことが可能な印刷装置を提供することができる。
【0028】
この実施の形態による印刷装置1は、シート4をフィーダーボード13によって供給するフィーダー部2(フィーダー装置)を備えている。印刷前搬送装置16の搬送方向上流側端部は、フィーダーボード13によって送られたシート4を受け取る供給胴17によって構成されている。表裏が反転したシート4が搬送される第1の印刷前処理装置25の上流側も供給胴17となる。
このため、シート4の裏面にも表面と同様に第1の印刷前処理装置25によって印刷前の処理が施される。
【0029】
(第2の実施の形態)
上述した印刷装置1は、表裏が反転したシート4を供給胴17に戻す構成が採られている。しかし、表裏が反転したシート4に第1の印刷前処理装置25によって前処理を施すためには、
図4に示すように表裏反転後のシート4をフィーダー部2に戻しても同様に行うことができる。
図4において、
図1~
図3によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0030】
図4に示す印刷装置61のフィーダー部2は、フィーダーボード13の途中に下方からシート4を供給できるように構成されている。フィーダーボード13は、シート4の搬送方向の上流側と下流側とに分ける分割部62を備えている。分割部62の上方には押えガイド63と吸引ローラ64とが配設されている。押えガイド63は、下方から送られたシート4の搬送方向をフィーダーボード13に沿う方向に変えるものである。
【0031】
吸引ローラ64は、下方から分割部62に送られたシート4を分割部62の近傍で吸引しながら回転駆動して、シート4をフィーダーボード13のシート搬送方向下流側へ誘導する。
分割部62の下方には、一対の挟持搬送ベルト65,66と、反転後搬送装置46の搬送方向下流側の端部とが配置されている。一対の挟持搬送ベルト65,66は、互いに反対方向に回転し、シート4を厚み方向の両側から挟んで反転後搬送装置46の端部から分割部62に搬送する。
【0032】
この実施の形態による印刷装置61において、反転胴45で表裏が反転されたシート4は、反転後搬送装置46によってチェーン搬送され、反転後搬送装置46の搬送方向下流側の端部から一対の狭持搬送ベルト65,66どうしの間に送られる。挟持搬送ベルト65,66どうしの間に挿入されたシート4は、回転する挟持搬送ベルト65,66に挟まれて分割部62に搬送される。
【0033】
分割部62に到達したシート4は、吸引ローラ64によってフィーダーボード13の下流側の搬送経路に流入される。
フィーダーボード13のシート搬送方向下流側には、図示してはいないが横針等の見当装置が設けられている。このため、フィーダーボード13の搬送方向下流側の端部に送られたシート4は、見当調整された状態でスイング装置15から供給胴17に供給される。
したがって、この実施の形態においても、表裏反転したシート4に対して過不足なく印刷前処理を行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0034】
1,61…搬送装置、2…フィーダー部(フィーダー装置)、4…シート、13…フィーダーボード、16…印刷前搬送装置、17…供給胴、21…処理胴、25…第1の印刷前処理装置(印刷前処理装置)、27…処理装置、26…搬送機構、45…反転胴。