(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】電力制御装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/34 20060101AFI20241101BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20241101BHJP
B60L 53/12 20190101ALI20241101BHJP
B60L 50/53 20190101ALI20241101BHJP
B60L 9/18 20060101ALI20241101BHJP
B60L 5/00 20060101ALI20241101BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20241101BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
H02J7/34 D
B60L50/60
B60L53/12
B60L50/53
B60L9/18 J
B60L5/00 B
H02J50/12
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
(21)【出願番号】P 2022125289
(22)【出願日】2022-08-05
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】勝谷 仁
【審査官】鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-135837(JP,A)
【文献】特開2017-212764(JP,A)
【文献】特開2018-196236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00-13/00
15/00-58/40
H02J 7/00-7/12
7/34-7/36
50/00-50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送電装置から非接触で伝送される交流電力を受け取るコイルを有する受電部と、
前記コイルに接続される複数のスイッチング素子を有するとともに、前記受電部が受け取る前記交流電力を直流電力に変換する電力変換部と、
前記電力変換部に接続される蓄電装置と、
車両の走行駆動力を発生させる回転電機と、
前記複数のスイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、
前記蓄電装置の入出力端での電力収支をゼロとする第1補償制御と、
前記受電部が受け取る電力と前記走行駆動力に要する電力とを一致させる第2補償制御とを実行
し、
前記第2補償制御を相対的に前記第1補償制御よりも速い応答で実行する
ことを特徴とする電力制御装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記複数のスイッチング素子で前記コイルを短絡することによって、前記受電部が受け取る電力を制御する
ことを特徴とする
請求項1に記載の電力制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する二次電池を搭載する車両での充給電に関する研究開発が行われている。
従来、非接触での電力伝送により車両の外部から車両に電力を供給する非接触電力伝送システムでは、受電側の電力変換器での短絡モードと整流モードとの切り換えによって、電力伝送の効率及び受電電力を制御する受電装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来、外部電源から非接触で受け取る受電電力と、二次電池から放出される放電電力とによって走行することで航続距離を延長させる電動車両の制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-93094号公報
【文献】特開2018-170854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、二次電池を搭載する車両での充給電に関する技術においては、二次電池に必要とされる容量の増大を抑制することが望まれている。しかしながら、非接触での電力伝送及び走行用の電力消費に伴う充放電に起因する発熱及び寿命低下等を抑制するために、二次電池の容量を増大させる必要が生じる場合がある。この場合、二次電池の搭載に要する費用が嵩むという問題が生じる。
【0005】
本発明は、二次電池の搭載に要する費用が嵩むことを抑制することができる電力制御装置を提供することを目的とする。そして、延いてはエネルギーの効率化に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係る電力制御装置(例えば、実施形態での電力制御装置10)は、送電装置(例えば、実施形態での送電装置2)から非接触で伝送される交流電力を受け取るコイル(例えば、実施形態での二次側コイル31a)を有する受電部(例えば、実施形態での受電部31)と、前記コイルに接続される複数のスイッチング素子(例えば、実施形態でのトランジスタ32a,32b)を有するとともに、前記受電部が受け取る前記交流電力を直流電力に変換する電力変換部(例えば、実施形態での電力変換部32)と、前記電力変換部に接続される蓄電装置(例えば、実施形態での蓄電装置11)と、車両の走行駆動力を発生させる回転電機(例えば、実施形態での回転電機13)と、前記複数のスイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御装置(例えば、実施形態での制御装置16)とを備え、前記制御装置は、前記蓄電装置の入出力端での電力収支をゼロとする第1補償制御と、前記受電部が受け取る電力と前記走行駆動力に要する電力とを一致させる第2補償制御とを実行する。
【0007】
(2)上記(1)に記載の電力制御装置では、前記制御装置は、前記第2補償制御を相対的に前記第1補償制御よりも速い応答で実行してもよい。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)に記載の電力制御装置では、前記制御装置は、前記複数のスイッチング素子で前記コイルを短絡することによって、前記受電部が受け取る電力を制御してもよい。
【発明の効果】
【0009】
上記(1)によれば、第1補償制御及び第2補償制御を実行する制御装置を備えることにより、蓄電装置の残容量(SOC:State Of Charge)に加えて、送電装置からの電力伝送を仮想的なSOCとすることによって、蓄電装置の発熱及び寿命低下等の問題発生を抑制することができる。例えば蓄電装置の容量を増大させる必要が生じることを抑制することができるので、蓄電装置の搭載に要する費用が嵩むことを抑制することができる。
【0010】
上記(2)の場合、第2補償制御を相対的に第1補償制御よりも速い応答で実行する制御装置を備えることにより、いわゆる過渡領域での電力保護制御を適切に実行することができる。
【0011】
上記(3)の場合、二次側の電力変換部によって一次側の送電装置での電流を制御することができ、二次側での独立した電力制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態の電力制御装置を備える非接触電力伝送システムの構成を示す図。
【
図2】本発明の実施形態の非接触電力伝送システムでの送電部及び受電部の構成を示す図。
【
図3】本発明の実施形態の非接触電力伝送システムでの制御装置の機能構成を示すブロック図。
【
図4】本発明の実施形態の非接触電力伝送システムでの制御装置の給電制御に係る機能構成を示すブロック図。
【
図5】本発明の実施形態の非接触電力伝送システムでの制御装置の蓄電装置保護に係る機能構成を示すブロック図。
【
図6】本発明の実施形態の非接触電力伝送システムでの制御装置の電力推定部及び放電リミット保護部の機能構成を示すブロック図。
【
図7】本発明の実施形態の非接触電力伝送システムでの制御装置の電力推定部及び充電リミット保護部の機能構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係る電力制御装置について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態での電力制御装置10を備える非接触電力伝送システム1の構成を示す図である。
図2は、実施形態での非接触電力伝送システム1の送電部8及び受電部31の構成を示す図である。
実施形態の電力制御装置10は電動車両等の車両に搭載されている。電動車両は、電気自動車、ハイブリッド車両及び燃料電池車両等である。電力制御装置10を備える非接触電力伝送システム1は、非接触での電力伝送により車両の外部から車両に電力を供給する。
【0014】
(非接触電力伝送システム)
図1に示すように、実施形態の非接触電力伝送システム1は、例えば、車両の走行路等に設置される送電装置2と、ハイブリッド車両等の車両に搭載される駆動制御装置3及び電力制御装置10とを備える。
送電装置2は、例えば、電源部5と、キャパシタ(コンデンサ)6と、電力変換部7と、送電部8とを備える。なお、送電装置2は、例えば、車両の走行路での所定の電力伝送区間に複数の少なくとも送電部8を備えてもよい。
電源部5は、例えば、商用電源等の交流電源と、交流電力を直流電力に変換するAC-DCコンバータとを備える。電源部5は、交流電源から供給される交流電力をAC-DCコンバータによって直流電力に変換する。
キャパシタ6は、電源部5に並列に接続されている。キャパシタ6は、電源部5から出力される直流電力を平滑化する。
【0015】
電力変換部7は、例えば、直流電力を交流電力に変換するインバータを備える。電力変換部7のインバータは、2相でブリッジ接続される複数のスイッチング素子及び整流素子によって形成されるブリッジ回路を備える。各スイッチング素子は、例えば、SiC(Silicon Carbide)のMOSFET(Metal Oxide Semi-conductor Field Effect Transistor)等のトランジスタである。複数のスイッチング素子は、各相で対を成すハイサイドアーム及びローサイドアームのトランジスタ7a,7bである。ハイサイドアームのトランジスタ7aのコレクタは電源部5の正極に接続されている。ローサイドアームのトランジスタ7bのエミッタは電源部5の負極に接続されている。ハイサイドアームのトランジスタ7aのエミッタとローサイドアームのトランジスタ7bのコレクタとは送電部8に接続されている。整流素子は、例えば、各トランジスタ7a,7bのコレクタ-エミッタ間でエミッタからコレクタに向けて順方向に並列に接続される還流ダイオードである。
送電部8は、例えば、磁界共鳴又は電磁誘導等の磁界結合により、高周波の磁界の変化によって電力を送る。
図2に示すように、送電部8は、例えば、直列に接続される一次側コイル8a、一次側抵抗8b及び一次側キャパシタ8cによって形成される共振回路を備える。送電部8は、例えば、共振回路に流れる電流Itを検出する電流センサ等のセンサを備える。
【0016】
図1に示すように、車両の駆動制御装置3は、例えば、蓄電装置11と、第1電力変換装置12と、回転電機13とを備える。
車両の電力制御装置10は、例えば、受電装置14と、第2電力変換装置15と、制御装置16とを備える。
蓄電装置11は、車両の外部の送電装置2から非接触で伝送される電力によって充電される。蓄電装置11は、第1電力変換装置12を介して回転電機13との間で電力を授受する。
蓄電装置11は、例えば、リチウムイオンバッテリ等のバッテリと、バッテリの電流を検出する電流センサ及びバッテリの電圧を検出する電圧センサとを備える。蓄電装置11は、後述する第1電力変換装置12の一次側の正極端子12a及び負極端子12cに接続されている。
【0017】
第1電力変換装置12は、例えば、昇圧及び降圧の双方向の電圧変換によって蓄電装置11の充電及び放電時に入力電力及び出力電力を変換する電圧制御器と、直流電力と交流電力との変換を行う電力変換器とを備える。
第1電力変換装置12は、例えば、1対のリアクトル21と、第1素子モジュール22と、抵抗23及びスイッチング素子24と、第2素子モジュール25と、第1キャパシタ26及び第2キャパシタ27とを備える。例えば、1対のリアクトル21と第1素子モジュール22と第1キャパシタ26とは電圧制御器を構成し、第2素子モジュール25と第2キャパシタ27とは電力変換器を構成する。
【0018】
1対のリアクトル21は、相互に逆極性に磁気結合されることによって複合型リアクトルを形成する。1対のリアクトル21は、一次側の正極端子12aと第1素子モジュール22とに接続されている。
第1素子モジュール22は、例えば、2相でブリッジ接続される複数のスイッチング素子及び整流素子によって形成されるブリッジ回路を備える。各スイッチング素子は、例えば、SiCのMOSFET等のトランジスタである。複数のスイッチング素子は、各相で対を成すハイサイドアーム及びローサイドアームのトランジスタ22a,22bである。ハイサイドアームのトランジスタ22aのコレクタは二次側の正極端子12bに接続されている。ローサイドアームのトランジスタ22bのエミッタは一次側と二次側とで共通の負極端子12cに接続されている。ハイサイドアームのトランジスタ22aのエミッタとローサイドアームのトランジスタ22bのコレクタとはリアクトル21に接続されている。整流素子は、例えば、各トランジスタ22a,22bのコレクタ-エミッタ間でエミッタからコレクタに向けて順方向に並列に接続される還流ダイオードである。
第1素子モジュール22は、例えば、一次側の正極端子12aと負極端子12cとの間の電圧を検出する電圧センサ及び1対のリアクトル21に流れる電流を検出する電流センサを備える。
【0019】
1対のリアクトル21及び第1素子モジュール22は、いわゆる2相のインターリーブによって電圧変換を行う。2相のインターリーブでは、1対のリアクトル21に接続される2相のトランジスタ22a,22bのうちで第1の相のトランジスタ22a,22bのスイッチング制御の1周期と、第2の相のトランジスタ22a,22bのスイッチング制御の1周期とは、相互に半周期だけずらされる。
【0020】
抵抗23及びスイッチング素子24は直列に接続されている。スイッチング素子24は、例えば、SiCのMOSFET等のトランジスタである。抵抗23は、二次側の正極端子12bとスイッチング素子24のコレクタとに接続され、スイッチング素子24のエミッタは負極端子12cに接続されている。
第2素子モジュール25は、例えば、3相でブリッジ接続される複数のスイッチング素子及び整流素子によって形成されるブリッジ回路を備える。各スイッチング素子は、例えば、SiCのMOSFET等のトランジスタである。複数のスイッチング素子は、各相で対を成すハイサイドアーム及びローサイドアームのトランジスタ25a,25bである。ハイサイドアームのトランジスタ25aのコレクタは二次側の正極端子12bに接続されている。ローサイドアームのトランジスタ25bのエミッタは負極端子12cに接続されている。ハイサイドアームのトランジスタ25aのエミッタとローサイドアームのトランジスタ25bのコレクタとは交流端子12dを介して回転電機13のステータ巻線に接続されている。整流素子は、例えば、各トランジスタ25a,25bのコレクタ-エミッタ間でエミッタからコレクタに向けて順方向に並列に接続される還流ダイオードである。
第2素子モジュール25は、例えば、各交流端子12dから回転電機13のステータ巻線に流れる電流を検出する電流センサを備える。
【0021】
第1キャパシタ26は、一次側の正極端子12aと負極端子12cとに接続されている。第2キャパシタ27は、第1素子モジュール22及び第2素子モジュール25の間で二次側の正極端子12bと負極端子12cとに接続されている。各キャパシタ26は、各スイッチング素子のオン(導通)及びオフ(遮断)の切換動作に伴って発生する電圧変動を平滑化する。
【0022】
第2素子モジュール25は、電力の授受によって回転電機13の動作を制御する。第2素子モジュール25は、例えば回転電機13の力行時には、正極端子及び負極端子から入力される直流電力を3相交流電力に変換して、3相交流電力を回転電機13に供給する。第2素子モジュール25は、回転電機13の3相のステータ巻線への通電を順次転流させることによって回転駆動力を発生させる。
第2素子モジュール25は、例えば回転電機13の回生時には、回転電機13の回転に同期がとられた各相のスイッチング素子のオン(導通)及びオフ(遮断)の駆動によって、3相のステータ巻線から入力される3相交流電力を直流電力に変換する。第2素子モジュール25は、3相交流電力から変換された直流電力を、1対のリアクトル21及び第1素子モジュール22を介して蓄電装置11に供給することが可能である。
【0023】
回転電機13は、例えば、3相交流のブラシレスDCモータである。回転電機13は、界磁用の永久磁石を有する回転子と、回転子を回転させる回転磁界を発生させる3相のステータ巻線を有する固定子とを備える。3相のステータ巻線は、第1電力変換装置12の3相の交流端子12dに接続されている。
回転電機13は、第1電力変換装置12から供給される電力により力行動作することによって回転駆動力を発生させる。回転電機13は、例えば、車両の車輪に連結可能である場合、第1電力変換装置12から供給される電力により力行動作することによって走行駆動力を発生させる。回転電機13は、車両の車輪側から入力される回転動力により回生動作することによって発電電力を発生させてもよい。回転電機13は、車両の内燃機関に連結可能である場合、内燃機関の動力によって発電してもよい。
【0024】
受電装置14は、例えば、受電部31と、電力変換部32と、キャパシタ33とを備える。
図2に示すように、受電部31は、例えば、磁界共鳴又は電磁誘導などの磁界結合によって送電部8から伝えられる高周波の磁界の変化によって電力を受け取る。受電部31は、例えば、直列に接続される二次側コイル31a、二次側抵抗31b及び二次側キャパシタ31cによって形成される共振回路を備える。受電部31は、例えば、共振回路に流れる電流Irを検出する電流センサ等のセンサを備える。
【0025】
図1に示すように、電力変換部32は、交流電力を直流電力に変換する、いわゆるフルブリッジレス型(又はブリッジレス及びトーテムポール型)の力率改善(PFC:Power Factor Correction)回路を備える。いわゆるブリッジレスPFCは、ブリッジ接続される複数のダイオードによるブリッジ整流器を備えていないPFCであって、いわゆるトーテムポールPFCは、同方向に直列に接続(トーテムポール接続)される同一導電型の一対のスイッチング素子を備えるPFCである。
【0026】
電力変換部32は、例えば、2相でブリッジ接続される複数のスイッチング素子及び整流素子によって形成されるブリッジ回路を備える。各スイッチング素子は、例えば、SiCのMOSFET等のトランジスタである。複数のスイッチング素子は、各相で対を成すハイサイドアーム及びローサイドアームのトランジスタ32a,32bである。ハイサイドアームのトランジスタ32aのコレクタは二次側の正極端子14aに接続されている。ローサイドアームのトランジスタ32bのエミッタは二次側の負極端子14bに接続されている。ハイサイドアームのトランジスタ32aのエミッタとローサイドアームのトランジスタ32bのコレクタとは受電部31に接続されている。整流素子は、例えば、各トランジスタ32a,32bのコレクタ-エミッタ間でエミッタからコレクタに向けて順方向に並列に接続される還流ダイオードである。
キャパシタ33は、二次側の正極端子14aと負極端子14bとに接続されている。キャパシタ33は、各スイッチング素子のオン(導通)及びオフ(遮断)の切換動作に伴って発生する電圧変動を平滑化する。
【0027】
第2電力変換装置15は、受電装置14から出力される直流電力を変換することによって任意の直流電力を出力する。第2電力変換装置15は、例えば、降圧の電圧変換を行う電圧変換器を備える。第2電力変換装置15は、例えば、1対のリアクトル41と、素子モジュール42と、キャパシタ43とを備える。
1対のリアクトル41は、相互に逆極性に磁気結合されることによって複合型リアクトルを形成する。1対のリアクトル41は、二次側の正極端子15aと素子モジュール42とに接続されている。
【0028】
素子モジュール42は、2相でブリッジ接続される複数のスイッチング素子及び整流素子によって形成されるブリッジ回路を備える。各スイッチング素子は、例えば、SiCのMOSFET等のトランジスタである。複数のスイッチング素子は、各相で対を成すハイサイドアーム及びローサイドアームのトランジスタ42a,42bである。ハイサイドアームのトランジスタ42aのコレクタは一次側の正極端子15bに接続されている。ローサイドアームのトランジスタ42bのエミッタは一次側と二次側とで共通の負極端子15cに接続されている。ハイサイドアームのトランジスタ42aのエミッタとローサイドアームのトランジスタ42bのコレクタとはリアクトル41に接続されている。整流素子は、例えば、各トランジスタ42a,42bのコレクタ-エミッタ間でエミッタからコレクタに向けて順方向に並列に接続される還流ダイオードである。
【0029】
1対のリアクトル41及び素子モジュール42は、いわゆる2相のインターリーブによって電圧変換を行う。2相のインターリーブでは、1対のリアクトル41に接続される2相のトランジスタ42a,42bのうちで第1の相のトランジスタ42a,42bのスイッチング制御の1周期と、第2の相のトランジスタ42a,42bのスイッチング制御の1周期とは、相互に半周期だけずらされる。
キャパシタ43は、二次側の正極端子15aと負極端子15cとに接続されている。キャパシタ43は、各スイッチング素子のオン(導通)及びオフ(遮断)の切換動作に伴って発生する電圧変動を平滑化する。
【0030】
第2電力変換装置15の一次側の正極端子15bは、受電装置14の二次側の正極端子14aに接続されている。
第2電力変換装置15の二次側の正極端子15aは、第1電力変換装置12の二次側の正極端子12bに接続されている。
第2電力変換装置15の負極端子15cは、受電装置14の二次側の負極端子14b及び第1電力変換装置12の負極端子12cに接続されている。
【0031】
制御装置16は、例えば、車両の駆動制御装置3及び電力制御装置10を統合的に制御する。制御装置16は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能するソフトウェア機能部である。ソフトウェア機能部は、CPUなどのプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)及びタイマーなどの電子回路を備えるECUである。なお、制御装置16の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路であってもよい。
【0032】
制御装置16は、例えば、各スイッチング素子をオン(導通)及びオフ(遮断)に駆動するタイミングを示す制御信号を生成するとともに、制御信号に基づいて各スイッチング素子を実際にオン(導通)及びオフ(遮断)に駆動するためのゲート信号を生成する。
例えば、制御装置16は、受電装置14の各スイッチング素子のスイッチングを制御することによって、送電装置2から受け取る交流電力を直流電力に整流しつつ、入力電圧及び入力電流の力率改善を行う。
例えば、制御装置16は、受電装置14の複数のスイッチング素子を同期的にオン(導通)及びオフ(遮断)に駆動する同期整流動作と、二次側コイル31aを短絡する短絡動作とによって、目標出力に応じた出力を制御する。
【0033】
例えば、制御装置16は、送電部8から送られる電力によって受電部31に発生する電流、つまり二次側コイル31aに流れる電流Irを検出し、電流Irの大きさ及び位相に応じて同期整流動作を制御する。制御装置16は、受電装置14の最大出力等の高出力領域では、各スイッチング素子を、いわゆるゼロ電圧スイッチング(ZVS:Zero Voltage Switching)のソフトスイッチングで制御する。制御装置16は、高周波のスイッチングを行うことによるスイッチング損失を低減するために、一次側コイル8aと二次側コイル31aとの間の距離に関連する車高条件及び車両の電気特性等に応じてデッドタイム補正値を設定することによりソフトスイッチングを行う。ゼロ電圧スイッチング(ZVS)では、各スイッチング素子は、各相のデッドタイム期間のオフ状態での出力容量(寄生容量)の放電によって両端電圧がゼロにされてからターンオン(オフ状態からオン状態への切り換え)が実行される。
【0034】
例えば、制御装置16は、短絡動作では、各相のハイサイドアームではゼロ電圧スイッチング(ZVS)での同期整流動作を継続させつつ、各相のローサイドアームのみオンにすることで二次側コイル31aを短絡する。各相のローサイドアームがオンにされると、二次側コイル31aと直列の二次側キャパシタ31cに貯まった電流がハイサイドアームの還流ダイオードを通じて平滑用のキャパシタ33へ流出する。これにより、二次側コイル31aの両端間の電圧Vrは低下してゼロとなり、二次側コイル31aは電位差が生じないことによりコイルとして機能しなくなるため、送電部8との磁界発生による電流Irはごくわずかになる。このとき、一次側の送電装置2から二次側の受電装置14を見ると、二次側のインピーダンスは非常に大きな値となり、一次側のインピーダンスも大きくなるため、一次側の電流(送電電流:一次側コイル8aに流れる電流It)が絞られる。つまり、二次側の受電装置14によって一次側の送電装置2での電流が制御される。
【0035】
図3は、実施形態の非接触電力伝送システム1での制御装置16の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、制御装置16は、例えば、バッテリECU51と、統合ECU52と、エンジンECU53と、モータECU54と、バッテリECU51に接続される各種のセンサ55と、モータECU54に接続される各種のセンサ56とを備える。
バッテリECU(Electronic Control Unit)51は、例えば、出力リミット演算部51aと、バッテリ端電力演算部51bとを備える。出力リミット演算部51aは、蓄電装置11の充電及び放電の各々に対する目標電力制限値を演算する。バッテリ端電力演算部51bは、各種のセンサ55から出力される検出値の信号に基づき、蓄電装置11の入出力端での実際の電力(バッテリ端電力)を演算する。
出力リミット演算部51aによって演算される目標電力制限値及びバッテリ端電力演算部51bによって演算されるバッテリ端電力は、例えば、統合ECU52及びモータECU54に入力される。
【0036】
統合ECU52は、例えば、デバイス状態把握部52aと、第1電力リミット補償制御部52bとを備える。デバイス状態把握部52aは、バッテリECU51から入力される目標電力制限値及びバッテリ端電力と、後述するモータECU54から入力される電力伝送の出力、回転電機13の回転数及び回転電機13のトルクとに基づき、車両の各種のデバイスの状態を把握する。車両の各種のデバイスは、例えば、駆動制御装置3、電力制御装置10及び各種補機等である。各種補機は、例えば、電力変換器、空調装置及び各種ポンプ等である。
第1電力リミット補償制御部52bは、デバイス状態把握部52aによって把握される各種のデバイスの状態に応じて第1補償制御を実行する。第1電力リミット補償制御部52bは、蓄電装置11の入出力端での電力収支をゼロとするように、非接触での電力伝送に関する伝送電力指令と、車両の走行駆動力に関する駆動トルク指令とを生成する。第1電力リミット補償制御部52bは、伝送電力指令と、駆動トルク指令のうち回転電機13の駆動力に関するモータトルク指令とを、モータECU54に入力する。第1電力リミット補償制御部52bは、駆動トルク指令のうち内燃機関の駆動力に関するエンジントルク指令をエンジンECU53に入力する。
【0037】
エンジンECU53は、例えば、統合ECU52から入力されるエンジントルク指令に応じて内燃機関の動作を制御する。
モータECU54は、例えば、電力伝送処理部57と、モータ処理部58とを備える。
電力伝送処理部57は、例えば、電力伝送状態把握部57aと、第2電力リミット補償制御部57bと、電圧制御部57cと、電力伝送制御部57dとを備える。電力伝送状態把握部57aは、各種のセンサ56から出力される検出値の信号に基づき、送電装置2と受電装置14との間での電力伝送の出力を取得する。第2電力リミット補償制御部57bは、電力伝送状態把握部57aによって把握される電力伝送の状態に応じて、後述する第2補償制御を実行する。電圧制御部57cは、第2電力リミット補償制御部57bによる第2補償制御に応じて、第1電力変換装置12の電圧制御器によって蓄電装置11の電圧を制御する。電力伝送制御部57dは、第1電力リミット補償制御部52bによる第1補償制御及び第2電力リミット補償制御部57bによる第2補償制御に応じて、受電装置14の電力変換部32によって電力伝送の電流を制御する。
【0038】
モータ処理部58は、例えば、モータ状態把握部58aと、第2電力リミット補償制御部58bと、モータ制御部58cとを備える。モータ状態把握部58aは、各種のセンサ56から出力される検出値の信号に基づき、回転電機13の回転数及びトルク等を取得する。第2電力リミット補償制御部58bは、モータ状態把握部58aによって把握される回転電機13の状態に応じて、後述する第2補償制御を実行する。モータ制御部58cは、第1電力リミット補償制御部52bによる第1補償制御及び第2電力リミット補償制御部58bによる第2補償制御に応じて、第1電力変換装置12の電力変換器によって回転電機13の電流を制御する。
【0039】
電力伝送処理部57の第2電力リミット補償制御部57bと、モータ処理部58の第2電力リミット補償制御部58bとは、相互に各種情報の送受信を行いつつ、第2補償制御を実行する。2つの第2電力リミット補償制御部57b,58bは、受電装置14が送電装置2から受け取る電力と車両の走行駆動力に要する電力とを一致させるように、電圧制御部57c、電力伝送制御部57d及びモータ制御部58cの各々に入力する指令を生成する。各第2電力リミット補償制御部57b,58bによる第2補償制御は、モータECU54内で実行されることにより、例えば他のECUでの処理を要する統合ECU52の第1電力リミット補償制御部52bによる第1補償制御に比べて、相対的に速い応答になる。
【0040】
各種のセンサ55は、例えば、蓄電装置11の状態及び各種補機の消費電力等を把握するための電流センサ、電圧センサ及び温度センサ等である。
各種のセンサ56は、例えば、電力伝送の出力及び回転電機13の状態等を把握するための電流センサ、電圧センサ、温度センサ、回転数センサ及びトルクセンサ等である。
【0041】
図4は、実施形態の非接触電力伝送システム1での制御装置16の給電制御に係る機能構成を示すブロック図である。
図4に示すように、制御装置16は、例えば、駆動力制御部61と、駆動要求電力算出部62と、補機消費電力算出部63と、車両要求電力算出部64と、バッテリ目標電力算出部65と、目標伝送電力算出部66とを備える。
駆動力制御部61は、車両の走行状態に関する各種のセンサから出力される検出値の信号に基づき、車両の目標駆動力を算出する。各種のセンサは、例えば、車両の速度を検出する速度センサ及びアクセル操作量を検出するアクセルポジションセンサ等である。駆動要求電力算出部62は、駆動力制御部61から入力される目標駆動力に基づき、目標駆動力に応じて必要とされる電力(駆動要求電力)を算出する。補機消費電力算出部63は、各種のセンサ55から出力される検出値の信号に基づき、各種補機の消費電力(補機消費電力)を算出する。車両要求電力算出部64は、駆動要求電力算出部62から入力される駆動要求電力と補機消費電力算出部63から入力される補機消費電力とを加算することによって、車両に必要とされる電力(車両要求電力)を算出する。バッテリ目標電力算出部65は、各種のセンサ55から出力される検出値の信号等に基づき、蓄電装置11に必要とされる目標電力を算出する。目標伝送電力算出部66は、車両要求電力算出部64から入力される車両要求電力から、バッテリ目標電力算出部65から入力される目標電力を減算することによって、受電装置14が送電装置2から受け取る電力の目標(目標伝送電力)を算出する。
【0042】
図5は、実施形態の非接触電力伝送システム1での制御装置16の蓄電装置保護に係る機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、制御装置16は、例えば、電力推定部71と、放電リミット保護部72と、充電リミット保護部73とを備える。
電力推定部71は、出力リミット演算部51a、バッテリ端電力演算部51b、バッテリ温度センサ55a、補機消費電力算出部63、第1電流センサ55b及び第1電圧センサ55cの各々から入力される信号に基づき、蓄電装置11の入出力端での推定される電力(推定バッテリ端電力)を演算する。なお、バッテリ温度センサ55aは、蓄電装置11の温度の検出値を出力し、第1電流センサ55bは蓄電装置11の電流(第1電流I1)の検出値を出力し、第1電圧センサ55cは蓄電装置11の電圧(第1電圧V1)の検出値を出力する。
放電リミット保護部72は、電力推定部71から入力される推定バッテリ端電力に基づき、例えば電力に関するフィードバック処理等によって、モータ制御部58cに入力される駆動トルク指令を生成する。
充電リミット保護部73は、電力推定部71から入力される推定バッテリ端電力に基づき、例えば電力に関するフィードバック処理及びフィードフォワード処理等によって、電力伝送制御部57dに入力される伝送電力指令を生成する。
【0043】
図6は、実施形態の非接触電力伝送システム1での制御装置16の電力推定部71及び放電リミット保護部72の機能構成を示すブロック図である。
図6に示すように、電力推定部71は、例えば、電力算出部81と、第1加算部82とを備える。電力算出部81は、蓄電装置11の電圧(第1電圧V1)と電流(第1電流I1)とのよって電力を算出する。第1加算部82は、電力算出部81から出力される電力と、補機消費電力算出部63から出力される補機消費電力とを加算することによって、推定バッテリ端電力を算出する。
放電リミット保護部72は、例えば、第1減算部83と、ローパスフィルタ84と、第1リミット処理部85と、第2減算部86と、第3減算部87と、第4減算部88と、制御器89と、第2加算部90と、第2リミット処理部91とを備える。
第1減算部83は、バッテリ端電力演算部51bから出力されるバッテリ端電力から推定バッテリ端電力を減算することによって差電力を算出する。第1減算部83から出力される差電力は、ローパスフィルタ84による高周波成分の除去及び第1リミット処理部85による所定の制限が行われる。出力リミット演算部51aから出力される目標電力制限値は、第2減算部86にて第1リミット処理部85から出力される差電力の減算と、第3減算部87にて所定のマージンの減算と、第4減算部88にて推定バッテリ端電力の減算とが行われた後に制御器89に入力される。
制御器89は、例えば所定のフィードバック処理等を実行する。第2加算部90は、制御器89から出力される制御演算値と内燃機関の駆動力に関する駆動トルク指令とを加算することによって、駆動トルク指令を算出する。第2リミット処理部91は、第2加算部90から出力される駆動トルク指令に所定の制限を行う。
【0044】
図7は、実施形態の非接触電力伝送システム1での制御装置16の電力推定部71及び充電リミット保護部73の機能構成を示すブロック図である。
図7に示すように、充電リミット保護部73は、例えば、第1減算部83と、ローパスフィルタ84と、第1リミット処理部85と、第2減算部86と、第3減算部87と、第4減算部88と、制御器89と、第3加算部92と、第5減算部93と、伝送電力リミット算出部94と、第3リミット処理部95とを備える。
第3加算部92は、制御器89から出力される制御演算値と内燃機関の駆動力に関する伝送電力指令とを加算することによって、伝送電力指令を算出する。第5減算部93は、出力リミット演算部51aから出力される目標電力制限値から駆動電力、電力損失及び補機消費電力を減算する。なお、駆動電力は車両の走行駆動力に関する電力であり、電力損失は駆動制御装置3での電力変換に関する電力の損失である。
伝送電力リミット算出部94は、第5減算部93から出力される演算値と伝送電力とに基づき、所定のフィードフォワード処理での伝送電力リミットを算出する。第3リミット処理部95は、第2加算部90から出力される伝送電力指令と、伝送電力リミット算出部94から出力される伝送電力リミットとに基づき、例えばいずれか小さい方の選択等の処理によって、伝送電力指令を出力する。
【0045】
上述したように、実施形態の電力制御装置10によれば、第1補償制御及び第2補償制御を実行する制御装置16を備えることにより、蓄電装置11の残容量(SOC:State Of Charge)に加えて、送電装置2からの電力伝送を仮想的なSOCとすることによって、蓄電装置11の発熱及び寿命低下等の問題発生を抑制することができる。例えば蓄電装置11の容量を増大させる必要が生じることを抑制することができるので、蓄電装置11の搭載に要する費用が嵩むことを抑制することができる。
【0046】
第2補償制御を相対的に第1補償制御よりも速い応答で実行する制御装置16を備えることにより、いわゆる過渡領域での電力保護制御を適切に実行することができる。
二次側の電力変換部32によって一次側の送電装置2での電流を制御することができ、二次側での独立した電力制御を行うことができる。
【0047】
(変形例)
以下、実施形態の変形例について説明する。なお、上述した実施形態と同一部分については、同一符号を付して説明を省略又は簡略化する。
上述した実施形態では、第1電力変換装置12は、蓄電装置11の入出力電力を変換する電圧制御器を備えるとしたが、これに限定されず、電圧制御器は省略されてもよい。
例えば、バッテリ及び内燃機関を動力源として駆動するハイブリッド車両等の場合、第1電力変換装置12は電圧制御器を備え、バッテリを動力源として駆動する電気自動車等の場合、第1電力変換装置12は電圧制御器を備えていなくてもよい。
【0048】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0049】
1…非接触電力伝送システム、2…送電装置、3…駆動制御装置、10…電力制御装置、11…蓄電装置、12…第1電力変換装置、13…回転電機、14…受電装置、15…第2電力変換装置、16…制御装置、31a…二次側コイル(コイル)、32…電力変換部、32a,32b…トランジスタ(スイッチング素子)。