(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】吸引ベルトコンベヤを備えるシガレット製造機
(51)【国際特許分類】
A24C 5/34 20060101AFI20241101BHJP
【FI】
A24C5/34 Z
(21)【出願番号】P 2022501364
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 EP2020061304
(87)【国際公開番号】W WO2021008745
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】202019103894.2
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521382078
【氏名又は名称】テウス エレクトロニク ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(74)【代理人】
【識別番号】100142572
【氏名又は名称】水内 龍介
(72)【発明者】
【氏名】シュレム ウド
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04941482(US,A)
【文献】独国特許出願公開第102015119453(DE,A1)
【文献】米国特許第04966170(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24C 1/00-5/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ加工産業用の吸引ベルトコンベヤを備えるシガレット製造機であって、前記吸引ベルトコンベヤは、材料搬送吸引ベルトによって一方の側で区切られており、かつこれに隣接して、互いに対向して位置する2つのチャネル側面によって区切られているロッドガイドチャネルを有するシガレット製造機において、電磁測定装置は、共振器を設けており、前記共振器は、2つの共振器半体を有し、そのうちの第1の共振器半体が前記
材料搬送吸引ベルトを備えた前記ロッドガイドチャネルの側に設けられ、そのうちの第2の共振器半体が前記第1の共振器半体の反対側に位置する側に設けられ、前記第1の共振器半体は、移動可能に取り付けられた前記吸引ベルトコンベヤに接続されることを特徴とする、吸引ベルトコンベヤを備えるシガレット製造機
【請求項2】
前記電磁測定装置は、マイクロ波共振器として構成され、前記マイクロ波共振器の共振空洞は、互いに対向して配置された2つの共振器半体によって形成されることを特徴とする、請求項1に記載の吸引ベルトコンベヤを備えるシガレット製造機。
【請求項3】
前記第1の共振器半体は、前記
材料搬送吸引ベルトに隣接して配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載のシガレット製造機。
【請求項4】
前記第2の共振器半体は、前記ロッドガイドチャネルに隣接して配置されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のシガレット製造機。
【請求項5】
前記電磁測定装置は、トリミングディスクとロッド成型ゾーンとの間に配置されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のシガレット製造機。
【請求項6】
前記電磁測定装置は、前記共振器半体の片方または両方を加熱する、加熱装置を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のシガレット製造機。
【請求項7】
圧縮空気装置を設けて、前記共振器半体を洗浄することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のシガレット製造機。
【請求項8】
前記電磁測定装置は、搬送された材料の質量/密度および/または水分を測定するように構成されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のシガレット製造機。
【請求項9】
前記電磁測定装置からの測定結果を用いて、基準長さに関連してタバコの質量を測定することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のシガレット製造機の使用。
【請求項10】
前記タバコの質量は、前記測定結果を用いて調整されることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
空の測定領域の測定信号への寄与度を判定する風袋測定は、空の
前記材料搬送吸引ベルト上で行われ、前記風袋測定は、前記
材料搬送吸引ベルトの1つの位置、複数の位置においてもしくは少なくとも
前記材料搬送吸引ベルトを1回完全に運転させて行われることを特徴とする、請求項9または10に記載の使用。
【請求項12】
前記ロッドガイドチ
ャネルは、前記ロッドガイドチ
ャネルを閉じると、前記風袋測定が開始されるように構成されることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記風袋測定は、前記
材料搬送吸引ベルトの少なくとも1つの位置で実施され、その測定値は、1つまたは複数の前回の測定値と比較され、新しい測定値は、所定の最小量を超える偏差が生じた場合、破棄されることを特徴とする、請求項11または12に記載の使用。
【請求項14】
前記風袋測定は、前記
材料搬送吸引ベルト上の少なくとも2つの位置で行われ、その測定値は、1つまたは複数の前回の測定値と比較され、その保存された測定値との最小の偏差が、新しい測定値として採用されることを特徴とする、請求項11または12に記載の使用。
【請求項15】
前記材料搬送吸引ベルトが測定信号に定常的に与える寄与を除外する空測定は、前記材料搬送吸引ベルト上の継ぎ目に対して行われ、評価装置は、測定信号におけるピーク検出を介して前記材料搬
送吸引ベルトの前記継ぎ目を検出するように構成されることを特徴とする、請求項9~14のいずれか一項に記載の使用。
【請求項16】
前記継ぎ目の質量値は、前記空測定中に判定され、かつ前記継ぎ目で測定された質量信号を補正するために使用されることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記評価装置は、
空の前記材料搬送吸引ベルトを測定するとき、質量を示す測定信号における上昇および/または水分を示す測定信号における上昇の欠如によって前記継ぎ目を検出することを特徴とする、請求項15または16に記載の使用。
【請求項18】
前記評価装置は、前記
タバコが充填された
前記材料搬送吸引ベルトを測定するとき、質量を示す測定信号における上昇および/または水分を示す測定信号における低下によって前記継ぎ目を検出することを特徴とする、請求項15または16に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ加工産業用の吸引ベルトコンベヤを備えるシガレット製造機に関する。
【背景技術】
【0002】
シガレット製造機および/またはロッド製造機で製造中に、継ぎ目のないタバコロッドの密度を電磁測定装置で監視できることは十分に知られている。このような場合、製造機上のタバコは、測定された密度信号を用いて監視され、この測定は従来、タバコが棒状であり、すでに紙に包まれている継ぎ目のないロッドの形成後に行われている。
【0003】
タバコを加熱し、タバコを燃やさない新しいタバコ製品、いわゆる加熱式タバコ製品の背景技術では、例えば、金属箔を用いて継ぎ目のないタバコロッドの製造が行われている。このような製品では、継ぎ目のないタバコロッドは、金属箔によって包まれているため、電磁測定装置、具体的にはマイクロ波測定装置は、測定に使用できない。
【0004】
タバコ加工産業におけるロッド製造機の吸引ベルトコンベヤは、国際特許出願第2016/162292号公報(特許文献1)から知られるようになった。吸引ベルトコンベヤは、下向きに開いているロッドガイドチャネル内の材料、具体的にはタバコをロッド成型装置に供給するのに役立つ。ロッドガイドチャネルは、互いに対向して配置された2つのチャネル側面によって横方向に区切られている。ロッドガイドチャネルの上部に吸引ベルトが配置されているため、チャネル側面および吸引ベルトは、ロッドガイドチャネルに対してU字型の境界を形成する。この種の吸引ベルトコンベヤでは、搬送経路に沿った少なくとも1つの位置で搬送された材料の特性を判定するために、少なくとも1つの電磁測定装置を吸引ベルトコンベヤのチャネル側面に組み込むことが提案されている。あらゆる紙の悪影響を受けることなく、早い段階で材料特性の測定を得るために、吸引ベルトコンベヤのロッドガイドチャネル内ですでに測定が実施されている。必要とされる吸引ベルトの交換に関して、チャネル側面に組み込むことは、有利であると考えられる。しかしながら、センサをチャネル側面に組み込むことは、特にガイドチャネル内のタバコの密度を測定するとき、達成され得る測定精度の観点からは不利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、タバコ加工産業用の吸引ベルトコンベヤを備えるシガレット製造機を提供することであって、その電磁測定装置が、移送された材料の質量に対して確実な測定結果を提供するという課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この課題は、請求項1に記載の電磁測定装置を備えた吸引ベルトコンベヤを備えるシガレット製造機によって解決される。有利な実施形態は、下位の請求項の主題を形成する。
【0008】
請求項1に記載の吸引ベルトコンベヤを備える本発明によるシガレット製造機は、タバコ加工産業向けに提供される。吸引ベルトコンベヤは、ロッドガイドチャネルを有し、このロッドガイドチャネルは、材料を搬送する吸引ベルトによって一方の側で区切られており、かつそれに隣接して、互いに対向して配置された2つのチャネル側面によって、区切られている。共振器を備えた電磁測定装置も同様に設けられる。ロッドガイドチャネル内に移送された材料、具体的にはタバコは、測定装置の共振器の電磁場と相互作用する。測定された信号は、材料の誘電特性に依拠する。共振器は、2つの共振器半体から構成され、そのうちの第1の共振器半体は、搬送吸引ベルトを備えたロッドガイドチャネルの側に配置され、そのうちの第2の共振器半体は、第1の共振器半体の反対側に配置される。本発明によれば、2つの共振器半体は、チャネル側面に組み込まれていない。本発明による吸引ベルトコンベヤは、測定、具体的には材料の質量の測定が測定フィールドの均一性に対して高い要求を課すという技術的知識に基づく。正確な測定のために、測定フィールドは、材料の領域または搬送吸引ベルトの領域において可能な限り均一である必要がある。本発明による空洞共振器の共振器半体の垂直な空間配置は、可能性のある水平配置よりもタバコの位置においてより高い磁場均一性が達成され得る。このようにして、より正確かつ確実な測定結果を得ることができる。
【0009】
好ましい実施形態では、電磁測定装置は、マイクロ波共振器として構成され、マイクロ波共振器の共振空洞が、互いに対向して配置された2つの共振器半体によって形成される。この種のマイクロ波共振器では、共振周波数およびQファクタ、または共振曲線の、半電力幅に対して安定した共振特性を得るために、共振器半体が通常強固に接続されていることから、共振器全体は、U字型または馬蹄型である。本発明による2つの分離した共振器半体を用いた解決策では、それらが可能な限り正確に対向して配置されるように注意する必要がある。マイクロ波共振器の信号は、測定フィールド内で測定される材料の質量に比例する。この測定装置では、測定される材料の体積は、測定できない。したがって、測定される材料の体積が一定であるもしくは既知である場合にのみ、密度を判定できる。シガレット製品の場合、タバコの直径が一定であるため、密度の較正を行うことができる。厳密に言えば、質量は、長さの単位に対して測定され、体積不変の原理によって単位体積当たりの質量に変換される。シガレット1本分の長さで密度信号を積分することによって、使用されているタバコの質量が得られる。
【0010】
また、吸引ベルト上での測定の場合、移送されたタバコは、同じ線形質量分布を備えた継ぎ目のないシガレットロッドに再形成される。したがって、測定信号が質量測定を行っても、密度測定を画定することが想定され得る。本願では、「質量測定」という用語および「密度測定」という用語は、同義的に使用される。
【0011】
2つの共振器半体を、横方向のチャネル側面の間の中央に位置するように配置することが有利であることが明らかになっている。チャネル側面は、少なくとも電磁測定装置の領域において、好ましくはセラミックまたはプラスチックで作られる。チャネル側面は、共振器の測定フィールドに一定の影響を及ぼすが、空の共振値の風袋測定によって除外され得る。
【0012】
好ましい実施形態では、第1の共振器半体は、吸引ベルトに隣接し、好ましくは吸引ベルトコンベヤ上に配置され、かつ吸引ベルトコンベヤと共に配置され得る。この背景には、吸引ベルト自体が、各変更の後などに、定期的に交換される摩耗部品であるということにある。このため、共振器の第1の半体を含む、吸引ベルトコンベヤ全体が、上方に移動する。吸引ベルトが交換されると、吸引ベルトコンベヤは、その元の位置に戻される。このために、第1の共振器半体は、例えば、移動可能に取り付けられた吸引ベルトコンベヤに接続され得る。したがって、第1の共振器半体は、吸引ベルトコンベヤと共に移動し、所定の位置に戻される。
【0013】
共振器の第2の半体は、好ましくはロッドガイドチャネルに隣接して配置される。共振器の第2の半体は、好ましくは製造機上に配置される。第2の共振器半体は、吸引ベルトの交換中または吸引ベルトコンベヤ上で他の動作が実行されている間、所定の位置に取り付けられた状態を維持することができる。
【0014】
好ましくは、電磁測定装置は、トリミングディスクとロッド成型ゾーンとの間に位置する。継ぎ目のないタバコロッドへのタバコの質量の挿入がトリミングディスクによって制御されているため、この領域内のタバコは、後に完成した形成ロッドに現れる質量プロファイルを有する。正確かつ時間的に安定した測定結果のためには、電磁測定装置に加熱装置を設けて、共振器半体の片方または両方を加熱することが有利であることが証明されている。また、制御システムを用いて一定の温度に加熱することも可能である。加熱によって、測定信号におけるずれが防止される。
【0015】
さらに、圧縮空気装置を設けて、共振器半体が洗浄可能であることが有利であると証明されている。具体的には、残留物によって引き起こされる測定エラーを回避するために、動作中に洗浄を行うことも可能である。電磁測定装置は、好ましくは搬送された材料の質量/密度および/または水分を測定するように設計されている。
【0016】
好ましい実施形態では、本発明による吸引ベルトコンベヤは、シガレット製造機に使用される。この例では、電磁測定装置の測定結果を用いて、タバコの質量を測定する。タバコの質量は、好ましくは基準長さおよび/またはタバコ製品に関連して測定される。具体的には、センサ半体の配置によって得られる高い測定精度により、測定結果を用いてトリミングディスクによってタバコの質量を調整することも可能である。
【0017】
マイクロ波共振器測定では、測定対象の製品上で測定される共振パラメータは常に、空の共振器の共振パラメータに関連する。このために、空の共振器で通常行われる、風袋空測定が実施される。吸引ベルトが共振器内に常設されているため、風袋空測定は、この場合不可能である。
【0018】
したがって、好ましい実施形態では、空の吸引ベルト上で風袋測定が行われる。風袋測定は、吸引ベルトの1つの位置または画定された領域内のいずれかにおいて、複数の位置または複数の画定された領域内のいずれかにおいて、もしくは少なくとも1回の完全な回転に対して行われる。風袋測定は、空の測定領域の測定信号への寄与度を判定する。例えば、測定領域内に位置する吸引ベルトは、寄与するが、共振器半体の間のチャネルの壁および空間も寄与する。風袋測定を使用することにより、吸引ベルトによって移送されたタバコで後に記録された測定値を補正し、タバコに対して確かな質量値および水分値を判定する。
【0019】
ロッドガイドチャンネルを閉じると、風袋測定が開始されるように構成することが特に有利であることが証明されている。このようにして、ロッドガイドチャネルを閉じた後、2つの共振器半体が互いに相対的な位置を変更する可能性があるとき、風袋測定は、確実に再実施される。
【0020】
さらに好ましい実施形態では、風袋測定の妥当性チェックが実施される。このために、新しい風袋測定の測定値は、1つまたは前回の測定値と比較される。所定の最小量を超える偏差が生じた場合、例えば、新しい測定値は、破棄される。ベルト上の異なる点で複数の測定値を自動記録する間、前回の測定値との偏差が最小の測定値を使用することができる。パンくずまたはタバコの残留物などの汚染物質が、風袋測定中にロッドガイドチャネルに残り、測定結果に影響を与えることが繰り返し起こる可能性があるため、この妥当性チェックは、特に実用的であることが示されている。この種のエラーは、前回の測定値、具体的には風袋測定の前回の測定値との比較を行うことによって検出され、回避され得る。また、妥当性チェックを用いて、事前の手動テストを行わずに、空の調整のための風袋測定の間に得られる測定値を使用して、さらなる評価を自動的に行うことも可能である。
【0021】
本発明のさらなる特定の利点は、吸引ベルトにおける継ぎ目の影響が確実に検出され、考慮され得ることである。吸引ベルトは一般に、連続したランニングベルトとして設計され、継ぎ目を有することにより、一般に、材料の厚さがより大きくなり、したがって長さ当たりの質量がより大きくなることを特徴とする。吸引ベルトにおける継ぎ目を検出するために、空の吸引ベルトの測定を行うことができる。また、空の吸引ベルトの測定は、確かに風袋測定であり得る。空の吸引ベルトの測定中に、評価装置は、測定信号のピーク検出を介して吸引ベルトの継ぎ目を検出するように構成される。好ましくは、評価装置は、質量を示す測定信号における上昇および/または水分を示す測定信号における上昇の欠如によって、継ぎ目を検出する。ピーク検出は、タバコがない状態で吸引ベルトの面積密度がより高くなることが、継ぎ目の十分な指標であるという知識に基づく。もちろん、複数の継ぎ目を備えた吸引ベルトであっても、それらの継ぎ目は、確実に検出可能である。
【0022】
継ぎ目の領域における質量の増加は、空のベルト上で測定可能であり、ベルト上のこの位置で測定されたタバコの質量は、製造動作中に補正される。
【0023】
2つの共振器半体の配置を用いた本発明の好ましい実施形態は、下記にてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1a】吸引ベルトおよび測定装置を備える吸引ベルトコンベヤならびにこの測定装置の配置の詳細を示す。
【
図1b】吸引ベルトおよび測定装置を備える吸引ベルトコンベヤならびにこの測定装置の配置の詳細を示す。
【
図2a】開位置および閉位置におけるコンベヤチャネル上の共振器半体の配置を示す。
【
図2b】開位置および閉位置におけるコンベヤチャネル上の共振器半体の配置を示す。
【
図3】継ぎ目を備えた空のベルトの測定信号の曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、搬送方向に延びる吸引ベルト2を備える吸引ベルトコンベヤ1を示す。処理されるタバコは、吸引ベルト2によってロッド成型用のゾーン4に搬送される。紙3は、ゾーン4に供給される。トリミングディスク5は、ロッド成型ゾーン付近に配置される。吸引ベルトコンベヤの先端部からの
図1bの詳細図は、その吸引ベルト2とトリミングディスク5とを備えた吸引ベルトコンベヤ1を示す。この例では、例えば、センサ位置6は、吸引ベルトコンベヤの端部付近に配置される。シガレット製造機におけるトリミングディスクは、挿入されるタバコの質量を制御するための装置である。トリミングディスクは、対になって配置され、継ぎ目のないタバコロッドの両側に位置する。トリミングディスクは、移送されたタバコを特定の高さで切り落とし、質量は、ディスクの垂直方向の位置を変えるか、もしくはトリミングディスクに対するベルトの高さを補正するかのいずれかによって制御される。好ましくは、互いに対向して配置される2つのトリマーディスクは、各チャネル上に配置される。
【0026】
本明細書で示されるセンサシステム6は、2つの共振器半体からなるマイクロ波空洞共振器である。これらの2つの共振器半体のうち、第1の共振器半体は、吸引ベルトの上方に配置され、一方で、第2の共振器半体は、吸引ベルトの下方に配置され、好ましくは横方向のチャネル側面の下方にも配置される。
【0027】
吸引ベルト上のタバコの密度を測定するには、測定フィールドの均一性に対して高い要求が課される。密度を正確に測定するために、タバコの領域の測定フィールドは、可能な限り均一でなければならない。2つの共振器半体から構成されるマイクロ波共振器を使用して、2つの共振器半体の間に吸引ベルトを平らに配置することによって、測定される材料の領域において高度なフィールド均一性が得られることにより、正確な測定結果を得ることが可能になる。
【0028】
タバコを移送する吸引ベルトは、例えば変更の毎に1回、定期的に交換する必要がある摩耗部品である。このために、吸引ベルトを交換できるように、吸引ベルトコンベヤ全体を機械的に上方に移動させる。吸引ベルトが交換されると、吸引ベルトコンベヤは、高度な機械的精度で出発位置に戻される。吸引ベルトは、全体にわたって材料の均一な分布を有することにより、密度測定の間、測定信号に定常的な寄与を与える。この一定の寄与は、風袋空測定によって除外される。継ぎ目でのみ、吸引ベルトは、均一ではなく、これにより、測定信号の乱れが生じる可能性がある。
【0029】
センサ6は、2つのハーフシェルからなるマイクロ波空洞共振器を備える。1つのハーフシェルは、ロッドガイドチャネルの下部開口部の真下に配置され、シガレット製造機に固定されている。第2のハーフシェルは、吸引ベルトの真上に吸引ベルトコンベヤと共に配置され、ベルトが交換されるとき、吸引ベルトコンベヤと共に移動する。吸引ベルトコンベヤが移動している間、共振器は、機能しない。空洞共振器として、共振器は、測定フィールドを搬送チャネルに集中させ、吸引ベルトの機能をできる限り妨げないように、できる限り小さく構成されている。
【0030】
図2aは、下部共振器半体8と上部共振器半体7とを備えた閉鎖装置を示す。この例における上部共振器半体7は、第1の共振器半体であり、搬送吸引ベルトを備えたロッドガイドチャネルの側面に配置される。第2の共振器半体8は、ロッドガイドチャネルの反対側の開口部側に配置される。ロッドガイドチャネルは、チャネル側面9によって側面で区切られている。
図2では、上部共振器半体7および第2の共振器半体8は、半円形のハウジング形状で示され、上部共振器半体7と第2の共振器半体8との間の測定範囲は、チャネル側面9の間の領域全体にわたって拡張することにより、吸引ベルト2も含む。
図2bは、開放位置を示し、この開放位置では、例えば、吸引ベルト2を交換するために、吸引ベルトコンベヤが第1の共振器半体7と共に上昇する。このようにすると、第1の共振器半体7と第2の共振器半体8との間に大きな距離が生じるため、開放位置では、測定動作は、不可能である。上部共振器半体7または第2の共振器半体8を正確に再度取り付けるために、チャネルの側面に嵌め込み手段を設けることができ、この嵌め込み手段によって、2つの共振器半体は、例えば力で正確な位置に互いに張力をかけ合い、これによって確実に正確な相対的位置を確保する。
【0031】
マイクロ波信号の結合および減結合は、好ましくはシガレット製造機に確実に取り付けられている、第2の共振器半体8上で行う。チャネル側面9は、少なくともセンサの領域では、プラスチックまたはセラミックで作られ、共振器の測定フィールドに一定の影響を与えているが、これは空の共振値の風袋測定によって除外され得る。
【0032】
また、
図1bを参照して示すように、トリミングディスク5は、ロッド成形が行われるゾーン4付近に位置する。ロッド成形は、吸引ベルトコンベヤの外側で行い、トリミングディスクは、余分なタバコを吸引ベルトから分離する。センサシステムの配置に良く適した位置は、トリミングディスク5とロッド成型ゾーン4との間である。
【0033】
測定装置の設置位置での測定への温度変動の影響を最小限にするために、共振器は、封入され、加熱され得る。共振器の加熱は、共振器が常に一定の温度を有するように動作中に制御される。本発明による配置では、製造中に下部ハーフシェル上にタバコが蓄積する危険性が生じる。また、タバコは、動作中に圧縮空気によって除去可能である。
【0034】
図3は、継ぎ目を備えた空の吸引ベルトの測定信号の曲線を示す。測定値A[MHz]とPhiが、描かれている。測定値Aとは、本明細書では空の共振器の測定と比較して生じる共振値の変化を指す。この共振周波数の変化は、共振器半体の間の測定領域に位置する材料の質量に依拠する。Phiは、質量に依拠しない水分値を示し、例えば、共振周波数の変化と共振広がりの商から求めることができる。
図3は、吸引ベルトの継ぎ目でA値のピークが起こるが、一方でPhi値は、実質的に変化しない状態が続くことを示す。この測定信号の挙動を利用して、風袋測定中に吸引ベルトの継ぎ目を検出できる。このようにして、位置判定を行うことが可能であるため、例えば、タバコの不均質な分布が後に発生した場合に、その位置を利用して継ぎ目の影響を考慮できるようにする。「加熱式タバコ」製品の製造では、継ぎ目のないたばこロッドは、均一に充填されることが多いため、位置判定を省略でき、継ぎ目によってもたらされる密度の増加は、A値で直ちに認識され得る。同時に、吸引テープとタバコとの間の継ぎ目では、異なる質量比が生じ、吸引ベルトの他の位置よりもタバコに対する吸引ベルトの相対質量がより大きくなるため、マイクロ波水分値Phiの最小値が生じる。継ぎ目の領域における質量の増加は、空のベルト上で測定可能であり、ベルト上のこの位置で測定されたタバコの質量は、製造動作中に補正される。また、シガレット製造機のシャフトエンコーダ信号を用いた位置追跡を利用して、継ぎ目の信号を補正できる。
【符号の説明】
【0035】
1 吸引ベルトコンベヤ
2 吸引ベルト
3 紙
4 ゾーン
5 トリミングディスク
6 センサ
7 上部共振器半体、第1の共振器半体
8 下部共振器半体、第2の共振器半体
9 チャネル側面