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特許7580458イオン・インプラント法を使用して製造される電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】イオン・インプラント法を使用して製造される電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイス
(51)【国際特許分類】
   H10N 60/00 20230101AFI20241101BHJP
【FI】
H10N60/00 Z ZAA
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022525511
(86)(22)【出願日】2020-11-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 EP2020081647
(87)【国際公開番号】W WO2021094313
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】16/680,078
(32)【優先日】2019-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】ホルメス、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】サダナ、デヴェンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ハート、シーン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ニン
(72)【発明者】
【氏名】ベデル、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】グマン、パトリク
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0043989(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0043973(US,A1)
【文献】Devidas Sabonis et al.,Dispersive sensing in hybrid InAs/Al nanowires,Applied Physics Letters,米国,AIP publishing,2019年09月03日,vol. 115,102601,DOI:10.1063/1.5116377
【文献】Jasper van Veen et al.,Magnetic-field-dependent quasiparticle dynamics of nanowire single-Cooper-pair transistors,Physical Review B,米国,APS Journals,2018年11月09日,vol. 98,174502,DOI: 10.1103/PhysRevB.98.174502
【文献】W. I. L. Lawrie et al.,Quantum dot arrays in silicon and germanium,Applied Physics Letters,米国,AIP Publishing,2020年02月24日,vol. 116,080501,DOI: 10.1063/5.002013
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10N 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
量子コンピューティング・デバイスであって、
半導体層の上の超伝導体層上に位置するデバイス領域と、
前記デバイス領域内に位置する感知領域であって、超伝導体層を含んでいない前記デバイス領域の一部を含んでいる、前記感知領域と、
前記感知領域内に位置するリフレクトメトリ領域であって、前記リフレクトメトリ領域が境界領域および内部領域を含み、前記境界領域が前記半導体層のインプラントされた部分を含み、前記リフレクトメトリ領域が前記半導体層から電気的に分離される、前記リフレクトメトリ領域と、
前記感知領域内に第1の金属を含んでいるトンネル接合ゲートと、
前記感知領域の外部の前記デバイス領域の一部内に誘電体および前記第1の金属を含んでいる化学ポテンシャル・ゲートと、
前記リフレクトメトリ領域の前記内部領域内の前記半導体層に結合された第2の金属を含んでいるリフレクトメトリ・ワイヤであって、電荷感知を使用して前記デバイスの状態を測定するように構成された、前記リフレクトメトリ・ワイヤと、
前記感知領域の外部の前記デバイス領域の前記一部内の前記超伝導体層に結合された前記第2の金属を含んでいるナノロッド・コンタクトとを含む、量子コンピューティング・デバイス。
【請求項2】
記デバイス領域が、第1のナノロッド領域、前記第1のナノロッド領域と実質的に平行な第2のナノロッド領域、および前記感知領域を含み、前記感知領域が前記第1のナノロッド領域および前記第2のナノロッド領域を接続する、請求項1に記載の量子コンピューティング・デバイス。
【請求項3】
基板の第1の表面上に形成されたバッファ層と、
前記バッファ層上に形成された第1の保護層と、
前記第1の保護層上に形成された前記半導体層とをさらに含む、請求項1または2のいずれか一項に記載の量子コンピューティング・デバイス。
【請求項4】
前記バッファ層がインジウムアルミニウムヒ素を含む、請求項3に記載の量子コンピューティング・デバイス。
【請求項5】
前記第1の保護層がインジウムガリウムヒ素を含む、請求項3または4のいずれか一項に記載の量子コンピューティング・デバイス。
【請求項6】
前記超伝導体層がアルミニウムを含む、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の量子コンピューティング・デバイス。
【請求項7】
前記半導体層と前記超伝導体層の間に形成された第2の保護層をさらに含む、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の量子コンピューティング・デバイス。
【請求項8】
前記デバイス領域を取り囲む分離領域をさらに含み、前記分離領域が、前記超伝導体層が除去されて前記半導体層がインプラントされている領域を含む、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の量子コンピューティング・デバイス。
【請求項9】
量子コンピューティング・デバイスを製造するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法が、
デバイス領域および前記デバイス領域内の感知領域を定める第1のレジスト・パターンを、超伝導体層上に形成することと、
エッチング・プロセスを使用して、前記感知領域内の前記超伝導体層を除去することであって、前記エッチングが、前記第1のレジスト・パターンによって保護されていない前記デバイス領域の外部の下層の半導体層の領域を露出する、前記除去することと、
前記半導体層の前記露出された領域をインプラントすることであって、前記デバイス領域を取り囲む分離領域を形成する、前記インプラントすることと、
前記感知領域内のリフレクトメトリ領域をインプラントし、前記リフレクトメトリ領域を取り囲む第2の分離領域を形成することであって、前記リフレクトメトリ領域が前記半導体層から電気的に分離される、前記形成することと、
前記インプラントの後にエッチング・プロセスを使用して、前記感知領域、および前記分離領域に隣接する前記超伝導体層の前記デバイス領域の一部を露出することと、
前記感知領域内に第1の金属層を成膜することによって、トンネル接合ゲートを形成することと、
前記リフレクトメトリ領域内の第2の金属を含んでいるリフレクトメトリ・ワイヤを形成することであって、前記リフレクトメトリ・ワイヤが、電荷感知を使用して前記デバイスの状態を測定するように構成された、前記形成することと、
前記感知領域の外部の前記デバイス領域の前記一部内の前記第2の金属を使用してナノロッド・コンタクトを形成することとを含む、コンピュータ実装方法。
【請求項10】
記デバイス領域が、第1のナノロッド領域、前記第1のナノロッド領域と実質的に平行な第2のナノロッド領域、および前記感知領域を含み、前記感知領域が前記第1のナノロッド領域および前記第2のナノロッド領域を接続する、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
基板の第1の表面上にバッファ層を形成することと、
前記バッファ層上に第1の保護層を形成することと、
第1の保護層上に前記半導体層を形成することと、
前記半導体層上に前記超伝導体層を形成することとをさらに含む、請求項9または10のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記バッファ層がインジウムアルミニウムヒ素を含む、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記第1の保護層がインジウムガリウムヒ素を含む、請求項11または12のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記超伝導体層がアルミニウムを含む、請求項9ないし13のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記半導体層と前記超伝導体層の間に第2の保護層を形成することをさらに含む、請求項9ないし14のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
前記第1の金属層を成膜する前に、前記第1のレジスト・パターンを除去することをさらに含む、請求項9ないし15のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記感知領域の外部の前記デバイス領域の前記一部内に誘電体層および前記第1の金属層を成膜することによって、化学ポテンシャル・ゲートを形成することをさらに含む、請求項9ないし16のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記第1の金属層を成膜することが、第2のレジスト・パターンによって定められた領域内で実行される、請求項9ないし17のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
前記第2の金属が、第3のレジスト・パターンによって定められた領域内で前記第2の金属を成膜することによって形成され、前記第3のレジスト・パターンが前記トンネル接合ゲートおよび前記化学ポテンシャル・ゲートを保護する、請求項17に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
リソグラフィ・コンポーネントを備え、量子コンピューティング・デバイスを製造する製造システムであって、前記製造システムが、少なくとも1つのダイに対して操作されたときに、
デバイス領域および前記デバイス領域内の感知領域を定める第1のレジスト・パターンを、超伝導体層上に形成することと、
エッチング・プロセスを使用して、前記感知領域内の前記超伝導体層を除去することであって、前記エッチングが、前記第1のレジスト・パターンによって保護されていない前記デバイス領域の外部の下層の半導体層の領域を露出する、前記除去することと、
前記半導体層の前記露出された領域をインプラントすることであって、前記デバイス領域を取り囲む分離領域を形成する、前記インプラントすることと、
前記感知領域内のリフレクトメトリ領域をインプラントし、前記リフレクトメトリ領域を取り囲む第2の分離領域を形成することであって、前記リフレクトメトリ領域が前記半導体層から電気的に分離される、前記形成することと、
前記インプラントの後にエッチング・プロセスを使用して、前記感知領域、および前記分離領域に隣接する前記超伝導体層の前記デバイス領域の一部を露出することと、
前記感知領域内に第1の金属層を成膜することによって、トンネル接合ゲートを形成することと、
前記リフレクトメトリ領域内の第2の金属を含んでいるリフレクトメトリ・ワイヤを形成することであって、前記リフレクトメトリ・ワイヤが、電荷感知を使用して前記量子コンピューティング・デバイスの状態を測定するように構成された、前記形成することと、
前記感知領域の外部の前記デバイス領域の前記一部内の前記第2の金属を使用してナノロッド・コンタクトを形成することとを含む動作を実行して前記量子コンピューティング・デバイスを製造する、製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、超伝導量子デバイスのための超伝導体デバイス、製造方法、および製造システムに関連している。より詳細には、本発明は、イオン・インプラント法を使用して製造される電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイス(Majorana fermion quantum computing devices)のためのデバイス、方法、およびシステムに関連している。
【背景技術】
【0002】
以下では、単語または語句における接頭辞「Q」は、使用される場合に明示的に区別されない限り、量子コンピューティングの文脈におけるその単語または語句の参照を示している。
【0003】
分子および素粒子は、基礎的なレベルで物理的世界がどのように動作しているかを研究する物理学の一分野である量子力学の法則に従う。このレベルでは、粒子は、同時に2つ以上の状態になるという奇妙な方法で振る舞い、非常に遠く離れた他の粒子と相互作用する。量子コンピューティングは、これらの量子現象を利用して情報を処理する。
【0004】
現在使用されているコンピュータは、古典的コンピュータとして知られている(本明細書では、「従来の」コンピュータまたは従来のノード(CN:conventional nodes)とも呼ばれる)。従来のコンピュータは、フォン・ノイマン・アーキテクチャとして知られているアーキテクチャにおいて、半導体材料および半導体技術を使用して製造された従来のプロセッサ、半導体メモリ、ならびに磁気ストレージ・デバイスまたは半導体ストレージ・デバイスを使用する。特に、従来のコンピュータ内のプロセッサは、バイナリ・プロセッサ(すなわち、1および0で表されたバイナリ・データに対して動作するプロセッサ)である。
【0005】
量子プロセッサ(qプロセッサ)は、もつれさせた量子ビット・デバイス(本明細書では、簡潔に「量子ビット」、複数の「量子ビット」と呼ばれる)の奇妙な性質を使用して、計算タスクを実行する。量子力学が作用する特定の領域では、問題の粒子が、複数の状態(「オン」状態、「オフ」状態、および「オン」状態と「オフ」状態の両方が同時に、など)で存在する可能性がある。半導体プロセッサを使用する2進数計算が、(バイナリ・コードにおける1および0と等価な)オン状態とオフ状態のみを使用することに制限される場合、量子プロセッサは、これらの問題の量子状態を利用して、データ計算において使用できる信号を出力する。
【0006】
従来のコンピュータは、情報をビットでエンコードする。各ビットは、1または0の値を取ることができる。これらの1および0は、最終的にコンピュータの機能を駆動するオン/オフ・スイッチとして機能する。一方、量子コンピュータは、量子ビットに基づき、重ね合わせおよびエンタングルメントという量子物理学の2つの重要な原理に従って動作する。重ね合わせとは、各量子ビットが、1および0の両方を同時に表すことができるということを意味する。エンタングルメントとは、重ね合わせにおける量子ビットが、非古典的方法で互いに相互関係を持つことができるということ、すなわち、ある量子ビットの状態が(状態が1または0あるいはその両方のいずれであろうと)、別の量子ビットの状態に依存することができるということ、および2つの量子ビットをもつれさせた場合に、個別に扱われる場合よりも多くの情報が2つの量子ビットに関して確認され得るということを意味する。
【0007】
量子ビットは、これらの2つの原理を使用して、情報のより高度なプロセッサとして動作し、従来のコンピュータを使用して解決することが困難な難しい問題を解くことができるようにする方法で、量子コンピュータを機能させることができる。IBMは、超伝導量子ビットを使用する量子プロセッサを構築し、その実施可能性を示すことに成功した(IBMは、米国およびその他の国におけるInternational Business Machines corporationの登録商標である)。
【0008】
超伝導状態では、第一に、材料は電流の通過に対して抵抗を示さない。抵抗がゼロに減少した場合、電流は、エネルギーの消失を伴わずに材料の内部で循環することができる。第二に、材料はマイスナー効果を示す。ただし、マイスナー効果が十分に弱く、外部磁場が超伝導体を貫通せず、その表面にとどまることを条件とする。材料によってこれらの特性のうちの1つまたは両方が示されなくなった場合、材料が常伝導状態にあり、超伝導ではなくなったと言われる。
【0009】
超伝導材料の臨界温度は、材料が超伝導の特徴を示し始める温度である。超伝導材料は、電流の流れに対して非常に低いか、またはゼロの抵抗率を示す。臨界磁場は、特定の温度で、材料が超伝導のままになる最高の磁場である。
【0010】
超伝導体は、通常、2つのタイプのうちの1つに分類される。第1種超伝導体は、臨界磁場での単一の遷移を示す。第1種超伝導体は、臨界磁場に達したときに、非超伝導状態から超伝導状態に遷移する。第2種超伝導体は、2つの臨界磁場および2つの遷移を含む。下側の臨界磁場以下で、第2種超伝導体は超伝導状態を示す。上側の臨界磁場の上で、第2種超伝導体は超伝導の特性を示さない。上側の臨界磁場と下側の臨界磁場の間で、第2種超伝導体は混合状態を示す。混合状態では、第2種超伝導体は、不完全なマイスナー効果(すなわち、特定の位置で超伝導体材料を通る、量子化されたパケット内の外部磁場の貫通)を示す。
【0011】
量子ビットによって処理された情報は、マイクロ波周波数の範囲内で、マイクロ波信号/光子の形態で運ばれるか、または送信される。マイクロ波信号は、捕捉され、処理され、エンコードされている量子情報を解読するために解析される。読み出し回路は、量子ビットの量子状態を捕捉し、読み取り、測定するために量子ビットに結合された回路である。読み出し回路の出力は、計算を実行するためにqプロセッサによって使用できる情報である。
【0012】
超伝導量子ビットは、2つの量子状態|0>および|1>を有する。これらの2つの状態は、原子の2つのエネルギー状態(例えば、超伝導人工原子(超伝導量子ビット)の基底状態(|g>)および第1励起状態(|e>))であってよい。他の例としては、核スピンまたは電子スピンのスピンアップおよびスピンダウン、結晶欠陥の2つの位置、および量子ドットの2つの状態などが挙げられる。このシステムは量子の性質であるため、2つの状態の任意の組み合わせが許容され、有効である。
【0013】
量子ビットなどの超伝導デバイスは、既知の半導体製造技術で、超伝導材料および半導体材料を使用して製造される。超伝導デバイスは、通常、異なる材料の1つまたは複数の層を使用して、デバイスの特性および機能を実装する。材料の層は、超伝導性、導電性、半導電性、絶縁性、抵抗性、誘導性、容量性であるか、または任意の数のその他の特性を有することができる。材料の性質、形状、材料のサイズまたは配置、材料に隣接する他の材料、および多くのその他の考慮事項を前提として、異なる方法を使用して、材料のさまざまな層が形成される必要があることがある。
【0014】
半導体デバイスおよび超伝導デバイスを設計するために使用されるソフトウェア・ツールは、極めて小さいスケールで、電気的レイアウトおよびデバイスの構成要素を生成するか、操作するか、またはその他の方法でそれらのレイアウトおよび構成要素を使用して作業する。そのようなツールが操作できる構成要素の一部は、適切な基板内で形成された場合、直径がわずか数ナノメートルになることがある。
【0015】
レイアウトは形状を含み、レイアウトの形状および位置は、デバイスの目的に従ってツールにおいて選択される。デバイスまたはデバイスのグループの設計のレイアウト(単にレイアウトとも呼ばれる)が完成した後に、設計がマスクまたはレチクルのセットに変換される。マスクまたはレチクルのセットは、1つまたは複数のマスクまたはレチクルである。製造中に、マスクを通して半導体ウエハーが光または放射線に曝され、構造体を含む微視的構成要素を形成する。このプロセスは、フォトリソグラフィとして知られている。マスクは、マスクの内容をウエハーに製造または印刷するために使用可能である。フォトリソグラフィ印刷プロセスの間に、放射線が、マスクを通して放射線の特定の望ましい強度で焦点を合わせられる。放射線を使用して成膜される任意の材料と組み合わせられる放射線の強度は、一般に、「放射線量」と呼ばれる。放射線の焦点および放射線量は、ウエハー上の構造体の望ましい形状および電気的特性を実現するように制御される。
【0016】
半導体デバイスまたは超伝導デバイスの製造プロセスは、放射線量だけでなく、さまざまな電気的特性または機械的特性あるいはその両方を有している材料の成膜または除去あるいはその両方のその他の方法も含む。例えば、導電性材料のイオンのビームを使用して、導電性材料が成膜されてよく、化学物質を使用して硬い絶縁体が溶解されるか、または機械的平削りを使用して摩滅されてよい。製造プロセスにおける動作のこれらの例は、制限となるよう意図されていない。当業者は、本開示から、実施形態例に従ってデバイスを製造するために使用できる、製造プロセスにおける多くのその他の動作を思い付くことができるであろう。同じことが、実施形態例の範囲内で企図される。
【0017】
超伝導デバイスは、多くの場合平面的であり、すなわち、超伝導体構造体が一平面上に製造される。非平面的デバイスは、構造体の一部が製造の特定の平面の上または下に形成される、3次元(3D:three-dimensional)デバイスである。
【0018】
量子ゲートは、量子ビットに対して演算を実行する。量子ゲートは、ANDゲート、ORゲート、およびNOTゲートなどの、古典的コンピューティングにおける基本的演算に類似しており、多くの場合、量子ビットに対するさらに複雑な演算のための基礎的要素として使用される。トポロジー量子計算は、量子計算のための手法であり、量子ゲートが、特定の種類のトポロジー量子オブジェクト(topological quantum object)であるエニオンを編むことによって得られる。トポロジー量子計算を実装するデバイスは、従来の量子コンピューティング・デバイスより長いコヒーレンス時間、およびしたがって、より大きい耐故障性を、従来の量子コンピューティング・デバイスに類似する計算能力と共に提供する可能性がある。
【0019】
トポロジー量子計算に適しているエニオンの1つの実装は、マヨラナ準粒子(マヨラナ・ゼロ・モード(MZM:Majorana zero mode)、またはマヨラナ・フェルミ粒子とも呼ばれる)である。したがって、トポロジー量子コンピューティングは、MZMを操作すること、およびそれらの状態を測定することを含み、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスは、MZMの操作および状態測定を実装する。
【発明の概要】
【0020】
実施形態例は、量子コンピューティング・デバイスを提供する。実施形態は、半導体層の上の超伝導体層上にデバイス領域を含む。実施形態は、デバイス領域内に感知領域を含み、感知領域は、超伝導体層が除去されているデバイス領域の一部を含む。実施形態は、感知領域内に第1の金属を含んでいるトンネル接合ゲートを含む。実施形態は、感知領域の外部のデバイス領域の一部内に誘電体および第1の金属を含んでいる化学ポテンシャル・ゲートを含む。実施形態は、リフレクトメトリ領域(reflectrometry region)の内部領域内の半導体層に結合された第2の金属を含んでいるリフレクトメトリ・ワイヤ(reflectrometry wire)を含み、リフレクトメトリ・ワイヤは、電荷感知を使用してデバイスの状態を測定するように構成される。実施形態は、感知領域の外部のデバイス領域の一部内の超伝導体層に結合された第2の金属を含んでいるナノロッド・コンタクト(nanorod contact)を含む。
【0021】
実施形態は、量子コンピューティング・デバイスを製造するための方法を含む。実施形態は、量子コンピューティング・デバイスを製造するための製造システムを含む。
【0022】
添付の特許請求の範囲において、本発明の特性と考えられている新しい特徴が示される。しかし、本発明自体ならびに本発明の好ましい使用方法、その他の目的、および優位性は、実施形態例の以下の詳細な説明を、添付の図面と一緒に読みながら参照することによって、最も良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態例を実装できるデータ処理システムのネットワークのブロック図を示す図である。
図2】実施形態例に従って、イオン・インプラント法を使用して製造される電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスを示す図である。
図3】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図4】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図5】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図6】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図7】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図8】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図9】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図10】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図11】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図12】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図13】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図14】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図15】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図16】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図17】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図18】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図19】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図20】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図21】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図22】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図23】実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示す図である。
図24】実施形態例に従って、電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスを製造するための例示的なプロセスのフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施形態例は、トポロジー量子計算を実装するデバイスが望ましいが、そのようなデバイスを製造することにおいて困難が存在するということを認識している。マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスが正しく機能するために、デバイスの層間の膜および界面は、特に高い品質しきい値を超えなければならないが、反応性イオン・エッチング(RIE:reactive-ion etching)、洗浄プロセス、および空気酸化などの従来のデバイス処理技術は、膜および層の表面に損傷を与え、品質をそのしきい値未満に低下させる傾向がある。加えて、構造体を分離するために誘電体膜が使用される場合、誘電体膜内の捕捉された電荷が準粒子を生成し、量子ビット・コヒーレンスを抑制する可能性がある制御されない電子密度をもたらすことがある。さらに、半導体および超伝導体の構成要素、MZM状態を測定するために使用される領域、ゲート、コンタクト、ならびにワイヤを含んでいる複数の構造体が、1つのデバイスに統合されなければならない。したがって、実施形態例は、十分に高品質な膜および表面を生成する技術を使用してマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスを製造し、RIEおよび洗浄プロセスに損傷を与えることを防ぎ、誘電体膜の使用を避けることに対する満たされていない必要性が存在することを認識している。加えて、実施形態例は、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスを製造するために使用されるプロセス・フローが、効率的な製造のために、できるだけ少ないマスキング・ステップを含むべきであるということを認識している。
【0025】
本発明を説明するために使用される実施形態例は、概して、イオン・インプラント法を使用して製造される電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスを提供することによって、前述の問題または必要性およびその他の関連する問題または必要性に対処し、解決する。実施形態例は、イオン・インプラント法を使用して製造される電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスを製造するための新しい製造方法も提供する。実施形態例は、イオン・インプラント法を使用して製造される電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスを製造するためのシステムも提供する。特に、実施形態例は、高品質な膜および膜間の界面の両方を生成するために、既知のepiプロセスをIII-V量子井戸に使用して、半導体構造体および超伝導体構造体を元の位置で成長させることを提供する。実施形態例は、低放射線量のイオン・インプラントを使用して、回路領域を定め、このようにしてRIEおよび洗浄プロセスに損傷を与えることを防ぎ、膜の導電率を変更し、このようにして誘電体膜の使用を避けることを提供する。加えて、必要な領域から超伝導体を除去するために、軽度のウェット・エッチングが使用され、配線構造体を形成するために、軽度のリフト・オフ・パターン形成が使用される。さらに、実施形態例は、イオン・インプラントを使用してデバイスの感知領域の分離をもたらし、直接的な電気的接触を行う代わりに電荷感知電極の使用を可能にすることを提供する。
【0026】
図を参照し、特に図1を参照すると、これらの図は、実施形態例が実装されてよいデータ処理環境の例示的な図である。図1は単なる例であり、さまざまな実施形態が実装されてよい環境に関して、どのような制限も主張または意味するよう意図されていない。特定の実装は、以下の説明に基づいて、示された環境に対して多くの変更を行ってよい。
【0027】
図1は、実施形態例を実装できるデータ処理システムのネットワークのブロック図を示している。データ処理環境100は、実施形態例を実装できるコンピュータのネットワークである。データ処理環境100は、ネットワーク102を含む。ネットワーク102は、データ処理環境100内で一緒に接続されているさまざまなデバイスとコンピュータの間の通信リンクを提供するために使用される媒体である。ネットワーク102は、ワイヤ、無線通信リンク、または光ファイバ・ケーブルなどの接続を含んでよい。
【0028】
クライアントまたはサーバは、ネットワーク102に接続された特定のデータ処理システムの例示的な役割にすぎず、これらのデータ処理システムの他の構成または役割を除外するよう意図されていない。サーバ104およびサーバ106は、ストレージ・ユニット108と共にネットワーク102に結合される。ソフトウェア・アプリケーションが、データ処理環境100内の任意のコンピュータ上で実行されてよい。クライアント110、112、および114も、ネットワーク102に結合される。サーバ104もしくは106、またはクライアント110、112、もしくは114などのデータ処理システムは、データを含んでよく、データ処理システムで実行されるソフトウェア・アプリケーションまたはソフトウェア・ツールを含んでよい。
【0029】
デバイス132は、モバイル・コンピューティング・デバイスの例である。例えば、デバイス132は、スマートフォン、タブレット・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、固定型または携帯型のクライアント110、ウェアラブル・コンピューティング・デバイス、または任意のその他の適切なデバイスの形態をとることができる。図1の別のデータ処理システム内で実行されるとして説明された任意のソフトウェア・アプリケーションは、同様の方法でデバイス132内で実行されるように構成され得る。図1の別のデータ処理システム内で格納または生成される任意のデータまたは情報は、同様の方法でデバイス132内で格納または生成されるように構成され得る。
【0030】
アプリケーション105は、本明細書に記載された実施形態を実装する。製造システム107は、量子デバイスを製造するための任意の適切なシステムのソフトウェア・コンポーネントである。一般に、量子コンピューティングを使用するためのデバイスを含む、超伝導デバイスを製造するための製造システムおよびそれらに対応するソフトウェア・コンポーネントが知られている。アプリケーション105は、製造アプリケーション107を介して、本明細書に記載された方法で、実施形態例において企図されたイオン・インプラント法を使用して製造される新しい電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの組み立てを引き起こすための命令を、そのような既知の製造システムに提供する。
【0031】
実施形態は、実施形態例に従ってイオン・インプラント法を使用して製造される電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスを提供する。このデバイスは、半導体層の上の超伝導体層、感知領域、感知領域内のトンネル接合ゲート、感知領域のリフレクトメトリ領域内のリフレクトメトリ・ワイヤ、感知領域の外部の化学ポテンシャル・ゲートおよびナノロッド・コンタクトを含む。リフレクトメトリ領域は、リフレクトメトリ・ワイヤを使用する電荷感知を使用してデバイス状態を測定することを可能にするために、半導体層から電気的に分離されている。このデバイスは、分離領域に囲まれる。
【0032】
実施形態は、実施形態例に従ってイオン・インプラント法を使用して製造される電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの新しい設計および製造方法を提供する。実施形態では、設計/製造システムが、イオン・インプラント法を使用して製造される電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスを設計し、製造する。
【0033】
別の実施形態は、イオン・インプラント法を使用して製造される電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造方法を、この方法がソフトウェア・アプリケーションとして実装され得るように提供する。製造方法の実施形態を実装するアプリケーションは、リソグラフィ・システムなどの既存の超伝導製造システムと連動して動作するように構成され得る。
【0034】
説明を明確にするために、実施形態例は、基板上に配置された例示的な数のマヨラナ・フェルミ粒子の操作および測定の構造体を使用して説明されるが、これに限定することを意味していない。実施形態は、実施形態例の範囲内で、異なる数の構造体、異なる構造体の配置、構造体を使用して形成された量子ビット以外の超伝導デバイス、またはその他の種類の量子コンピューティング・デバイス、あるいはこれらの何らかの組み合わせを使用して、実装されることができる。
【0035】
さらに、例示的な構造体の簡略図が、図および実施形態例において使用される。マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの実際の製造では、本明細書において示されず、説明されない追加の構造体、あるいは本明細書において示されて説明された構造体と異なる構造体が、実施形態例の範囲を逸脱せずに、存在してよい。同様に、実施形態例の範囲内で、例示的なデバイスにおいて示されたか、または説明された構造体が、本明細書に記載されたのと同様の動作または結果を生み出すように、異なって製造されてよい。
【0036】
例示的な構造体、層、および形成の2次元図面内の異なる陰影が付けられた部分は、本明細書に記載されているように、例示的な製造における異なる構造体、層、材料、および形成を表すよう意図されている。異なる構造体、層、材料、および形成は、当業者に知られている適切な材料を使用して製造されてよい。
【0037】
本明細書において示された特定の形状、場所、位置、または形状の寸法は、そのような特徴が実施形態の特徴として明示的に説明されない限り、実施形態例に対する制限となるよう意図されていない。形状、場所、位置、寸法、数、またはこれらの何らかの組み合わせは、単に図面および説明を明確にするために選択されており、誇張されているか、最小化されているか、またはその他の方法で、実施形態例に従って目的を達成するために実際のリソグラフィにおいて使用されることがある実際の形状、場所、位置、または寸法から変更されていることがある。
【0038】
さらに、実施形態例は、特定の実際の超伝導デバイスまたは仮想的超伝導デバイス(例えば、単に一例として、現在実行可能な量子ビット)に関して説明される。さまざまな実施形態例によって説明されるステップは、同様の方法でさまざまな量子コンピューティング・デバイスを製造するように適応されることができ、そのような適応は、実施形態例の範囲内で企図される。
【0039】
実施形態は、アプリケーションにおいて実装されたとき、製造プロセスに、本明細書に記載されているような特定のステップを実行させる。製造プロセスのステップは、複数の図に示されている。特定の製造プロセスにおいて、一部のステップが必要でなくてよい。一部の製造プロセスは、実施形態例の範囲を逸脱することなく、異なる順序でステップを実装するか、特定のステップを組み合わせるか、特定のステップを除去または置き換えるか、あるいはステップのこれらおよびその他の操作の何らかの組み合わせを実行してよい。
【0040】
実施形態例は、単に例として、特定の種類の材料、電気的特性、熱的特性、構造体、形成、形状、層の向き、方向、ステップ、動作、平面、寸法、数、データ処理システム、環境、構成要素、およびアプリケーションに関して説明される。これらおよびその他の同様のアーチファクトのどのような特定の明示も、本発明を制限するよう意図されていない。これらおよびその他の同様のアーチファクトの任意の適切な明示が、実施形態例の範囲内で選択され得る。
【0041】
実施形態例は、単に例として、特定の設計、アーキテクチャ、レイアウト、回路図、およびツールを使用して説明されており、これらの実施形態例に制限していない。実施形態例は、他の同等の、または同様の目的を持つ設計、アーキテクチャ、レイアウト、回路図、およびツールと共に使用されてよい。
【0042】
本開示における例は、単に説明を明確にするために使用されており、これらの実施形態例に制限していない。本明細書に示された利点は、例にすぎず、これらの実施形態例に制限するよう意図されていない。追加の利点または異なる利点が、特定の実施形態例によって実現されてよい。さらに、特定の実施形態例が、上記の利点の一部またはすべてを含むか、あるいは上記の利点を何も含まなくてよい。
【0043】
図2を参照すると、この図は、実施形態例に従って、イオン・インプラント法を使用して製造される電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスを示している。
【0044】
特に、図2は、デバイス200の上面図および断面図を示している。デバイス200は、実施形態例に従って、イオン・インプラント法を使用して製造されるマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスである。デバイス200は、分離領域240に囲まれた1つの超伝導島として構成された少なくとも2つのナノロッド構造体230および232を含んでいる。ナノロッド構造体230および232は、両方とも感知領域に接続されている。1つの実施形態では、ナノロッド構造体230および232は、実質的に互いに平行であり、ナノロッド構造体230および232の各々の一端で感知領域に接続される。別の実施形態では、ナノロッド構造体230および232は、実質的に互いに直角である。別の実施形態では、ナノロッド構造体230および232は、傾斜して接触する。
【0045】
各ナノロッド構造体は、保護層350によって表面が覆われた半導体層340の半導体部分と、半導体層410の半導体部分とを含んでいる。半導体層340の下に、保護層330、バッファ層320、および基板310がある。
【0046】
各ナノロッド構造体は、ナノワイヤが1次元トポロジーの超伝導体として機能できるようにするのに適した寸法を有し、例えば、金属の温度を指定された極低温に下げることによって、ナノロッド構造体230および232の超伝導体部分内の金属が超伝導になることが引き起こされ、デバイス200が動作可能であるときに、ナノロッドが各端部でMZMを提供するように、化学ポテンシャルおよび磁場が調整される。特に、層330および350は、電荷キャリアを層340の内部に閉じ込めるのに役立ち、一種の量子井戸として機能する。1つの実施形態では、各ナノロッド構造体は、200ナノメートルの幅および1マイクロメートルの長さがあるが、より小さい寸法および異なる幅と長さの比率も可能であり、実施形態例の範囲内で企図される。
【0047】
量子コンピューティング・デバイス内でMZMを使用するには、MZM対のパリティ測定を実行する能力が必要である。実施形態例は、量子ドットに基づく測定方式を使用して、MZMのパリティ測定を実行する。具体的には、量子ドット220(デバイス200の感知領域の一部)は、ナノロッド構造体230および232の各々の一端に接続された半導体ワイヤである。トンネル接合ゲート204を使用して、量子ドット220とナノロッド構造体230および232内のMZMの間をトンネルするように電子の振幅を制御し、量子ドット220を、ナノロッド構造体230および232に選択的に結合することができる。MZM状態が測定されていない場合、すべての結合が切れ、MZM島および量子ドットを、固定電荷を含んだままにする。分離した状態では、電荷に結合する環境ノイズは、MZMに影響を及ぼさない。したがって、測定が進行中でない限り、ノイズは量子ビット状態を測定することができず、したがって、量子ビット状態を崩壊させることができない。MZM状態を測定するために、トンネル接合ゲートが有効化され、例えば量子ドットの電荷を使用して観測可能なエネルギー・シフトを誘発する。
【0048】
リフレクトメトリ・ワイヤ202は、分離領域2150に結合され、量子ドット220から電気的に分離されている。リフレクトメトリ・ワイヤ202は、リフレクトメトリを使用してナノロッド構造体230および232内の電荷を感知することによってMZM状態を測定するために使用される。ナノロッド・コンタクト206および212は、ナノロッド構造体230の超伝導体部分に結合され、電流をナノロッド構造体の超伝導体部分に通すために使用され、超伝導をナノロッド構造体の超伝導体部分の表面に伝え、デバイス200を機能させる。化学ポテンシャル・ゲート208および210は、ナノロッドが各端部でMZMを提供するように、ナノロッドの化学ポテンシャルを調整するために使用される。トンネル接合ゲート204は、超伝導体部分に結合された誘電体部分、および誘電体部分に結合された金属部分も含み、デバイスの動作中にナノロッドの導電率をピンチオフするために使用される。リフレクトメトリ・ワイヤ202、トンネル接合ゲート204、および量子ドット220は共に、デバイス200の感知領域を含んでいる。
【0049】
図3を参照すると、この図は、実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成300を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、および保護層350は、図2の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、および保護層350と同じである。
【0050】
基板310は、極低温の範囲内で動作するときに、少なくとも100の残留抵抗比(RRR:Residual Resistance Ratio)、および4ケルビンで1W/(cm*K)を超える熱伝導率を示す材料を含む。RRRは、室温および0Kでの材料の抵抗率の比率である。実際には0Kに達することができないため、4Kでの近似が使用される。例えば、基板310は、77K~0.01Kの温度範囲内の動作の場合、サファイア、シリコン、石英、ガリウムヒ素(GaAs)、溶融石英、アモルファス・シリコン、リン化インジウム(InP)、またはダイヤモンドを使用して形成されてよい。基板材料のこれらの例は、制限となるよう意図されていない。当業者は、本開示から、基板310を形成するのに適した多くのその他の材料を思い付くことができるであろう。同じことが、実施形態例の範囲内で企図される。
【0051】
実施形態は、製造システムに、基板310上のバッファ層320(エピタキシャル半導体)のエピタキシャル成長を実行させる。バッファ層320の材料は、基板310および保護層330の組成に基づいて選択される。1つの実施形態では、バッファ層320は、隣接する保護層330の結晶格子に一致するように、インジウムアルミニウムヒ素(InAlAs)で形成される。1つの実施形態では、バッファ層320は、保護層330内で結晶の欠陥(例えば、転位)を引き起こすのを防ぐために、基板310から保護層330までの組成における漸進的変化を含む。1つの実施形態では、組成における漸進的変化は、線形変化である。例えば、基板310がGaAsを含み、保護層330がInAsを含む場合、InAsの十分に高品質な層を基板310のGaAs上で直接成長させることは困難である。したがって、バッファ層320は、GaAsを含む基板310で開始し、ガリウムが徐々にインジウムに置き換えられ、最終的に保護層330のInAsに一致する。材料のこれらの例は、制限となるよう意図されていない。当業者は、本開示から、バッファ層320を形成するのに適した多くのその他の材料を思い付くことができるであろう。同じことが、実施形態例の範囲内で企図される。
【0052】
実施形態は、製造システムに、バッファ層320上の保護層330(エピタキシャル半導体)のエピタキシャル成長を実行させる。保護層330および350の材料は、特定の品質しきい値を超える結晶品質を提供するように、半導体層340の組成に基づいて選択される。1対1の比率でInAsを半導体層340に使用する実施形態では、0.8のIn対1のGa対0.2のAsの比率を使用するインジウムガリウムヒ素(InGaAs)が保護層330および350に使用される。0.7のIn対1のGa対0.3のAsの比率を使用するインジウムガリウムヒ素(InGaAs)を半導体層340に使用する実施形態では、0.53のIn対1のGa対0.47のAsの比率または0.52のIn対1のGa対0.48のAsの比率を使用するインジウムガリウムヒ素(InGaAs)が保護層330および350に使用される。InSbを半導体層340に使用する実施形態では、In0.80~0.90Al0.1~0.2Sb(1のIn対0.8~0.9のAl対0.1~0.2のSbの比率を使用するInAlSb)が保護層330および350に使用される。InPを基板として使用する実施形態では、保護層330は、基板310のInPに適合させた格子である。しかし、保護層330および350は、同じ材料で形成される必要はない。加えて、保護層350は必須ではない。材料のこれらの例は、制限となるよう意図されていない。当業者は、本開示から、保護層330および350を形成するのに適した多くのその他の材料を思い付くことができるであろう。同じことが、実施形態例の範囲内で企図される。1つの実施形態では、保護層330は、約4nmの厚さであるが、さらに厚い層または薄い層も可能であり、実施形態例の範囲内で企図される。
【0053】
実施形態は、製造システムに、保護層330上の半導体層340のエピタキシャル成長を実行させる。実施形態では、半導体層340は、1対1のIn:Asの比率を使用するヒ化インジウム(InAs)、0.7のIn対1のGa対0.3のAsの比率を使用するインジウムガリウムヒ素(InGaAs)、またはインジウムアンチモン(InSb)で形成される。基板材料のこれらの例は、制限となるよう意図されていない。当業者は、本開示から、基板310を形成するのに適した多くのその他の材料を思い付くことができるであろう。同じことが、実施形態例の範囲内で企図される。1つの実施形態では、半導体層340は、約7nmの厚さであるが、さらに厚い層または薄い層も可能であり、実施形態例の範囲内で企図される。
【0054】
実施形態は、製造システムに、半導体層340上の保護層350(エピタキシャル半導体)のエピタキシャル成長を実行させる。1つの実施形態では、保護層350は、約5nmの厚さであるが、さらに厚い層または薄い層も可能であり、実施形態例の範囲内で企図される。保護層330または350は、製造中の損傷から半導体層340の表面を保護する。半導体層340の損傷した部分は、デバイスの特性を悪化させる可能性がある。したがって、製造中の損傷のリスクが十分に低い場合、保護層350が必ずしも量子ドット構造体を覆わなくてよい。加えて、保護層330および350は、同じ材料である必要はない。
【0055】
図4を参照すると、この図は、実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成400を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、および保護層350は、図3の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、および保護層350と同じである。
【0056】
実施形態は、製造システムに、物理的気相成長法(PVD:physical vapor deposition)を使用して(例えば、蒸着またはスパッタリングを使用して)、保護層350(または保護層350が使用されない場合は、半導体層340)上で超伝導体層410を成膜させる。超伝導体層410は、77K~0.01Kの極低温の範囲内で超伝導である材料で形成される。アルミニウム(Al)、ニオブ、鉛、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、およびバナジウムが、超伝導体層410に適した材料の非限定的な例であるが、多くのその他の材料が、超伝導体層410の形成に適しており、同じことが実施形態例の範囲内で企図される。実施形態では、超伝導体層410は、5~50nmの厚さであり、20~30nmの厚さであるのが好ましいが、さらに厚い層または薄い層も可能であり、実施形態例の範囲内で企図される。
【0057】
図5を参照すると、この図は、実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成500を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、および超伝導体層410は、図4の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、および超伝導体層410と同じである。
【0058】
実施形態は、製造システムに、超伝導体層410上にレジスト・パターンで形成されるレジスト層510を成膜させる。レジスト・パターンは、次に行われるデバイス処理ステップから、ナノロッド領域520および530、ならびに感知領域540を保護する。レジスト層510は、リソグラフィにおいて使用される任意のレジスト材料から形成されることができる。
【0059】
レジスト・パターンで形成されたレジスト層の描写およびリソグラフィ技術の説明は、本明細書に記載された構造体を形成する方法に対する制限と解釈されるべきではない。示されたパターンは、簡略化されて一般化された例にすぎない。示された構造体のリソグラフィは、多くの方法で可能である。例えば、説明された構造体のリソグラフィは、フォトリソグラフィ(光)またはeビーム・リソグラフィ(電子ビーム)を使用してレジストをパターン形成し、レジストを成長させ、その後、成膜された材料をレジスト内の開口部から取り去るか、または材料をレジスト内の開口部に成膜することによって、現在実現されている。最後に、レジストが除去される。製造プロセスおよび製造技術は、絶えず変化しており、説明された構造体を形成するその他の方法は、結果として生じる構造体が本明細書に記載されている電気的特性、機械的特性、熱的特性、および動作特性を有している限り、実施形態例の企図に含まれる。
【0060】
図6を参照すると、この図は、実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成600を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、およびレジスト層510は、図5の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、およびレジスト層510と同じである。
【0061】
実施形態は、製造システムに、超伝導体層410の一部を除去し、レジスト層510によって保護されていない領域内で保護層350を露出する、エッチング・プロセスを実行させる。エッチング・プロセスは、レジスト層510の下の超伝導体層410内のアンダーカット領域であるエッチング領域610も生成する。エッチング・プロセスは、製造中の表面の損傷を最小限に抑えるように選択される。1つの実施形態では、エッチング・プロセスは、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を使用する、ウェット・エッチング・プロセスである。
【0062】
図7を参照すると、この図は、実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成700を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、およびレジスト層510は、図6の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、およびレジスト層510と同じである。
【0063】
実施形態は、製造システムに、イオン・インプラント・プロセスを実行させる。イオン・インプラント・プロセスは、半導体層340の露出部分の結晶構造を破壊し、インプラント領域710を形成する。インプラント領域710内の半導体層340は、非導電性であり、したがって、製造されているデバイスを取り囲む分離領域を形成する。イオン・インプラント・プロセスは、分離領域を形成するのに適した任意の材料のイオンを使用する。適切なイオン・インプラント材料の非限定的な例としては、水素、酸素、ヘリウム、ガリウム、アルゴン、およびネオンが挙げられる。その他のイオン・インプラント材料も可能であり、実施形態例の範囲内で企図される。
【0064】
図8を参照すると、この図は、実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成800を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、レジスト層510、およびインプラント領域710は、図7の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、レジスト層510、およびインプラント領域710と同じである。
【0065】
実施形態は、製造システムに、レジスト層510と、レジスト層510内の開口部を通って露出された下層の表面の一部との上に、レジスト・パターンで形成されたレジスト層810を成膜させる。レジスト・パターンは、次に行われるデバイス処理ステップから、レジスト開口部820以外の領域を保護する。レジスト層810は、リソグラフィにおいて使用される任意のレジスト材料から形成されることができ、レジスト層510と同じ材料または異なる材料であることができる。
【0066】
図9を参照すると、この図は、実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成900を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、レジスト層510、インプラント領域710、レジスト層810、およびレジスト開口部820は、図8の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、レジスト層510、インプラント領域710、レジスト層810、およびレジスト開口部820と同じである。
【0067】
実施形態は、製造システムに、超伝導体層410を除去し、レジスト層810によって保護されていない領域内で保護層350を露出する、エッチング・プロセスを実行させる。エッチング・プロセスは、レジスト層510および810の下の超伝導体層410内のアンダーカット領域であるエッチング領域910も生成する。エッチング・プロセスは、製造中の表面の損傷を最小限に抑えるように選択され、構成600を形成するために使用されるプロセスと同じプロセスまたは異なるプロセスであることができる。1つの実施形態では、エッチング・プロセスは、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を使用する、ウェット・エッチング・プロセスである。
【0068】
図10を参照すると、この図は、実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成1000を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、およびインプラント領域710は、図9の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、およびインプラント領域710と同じである。
【0069】
実施形態は、製造システムに、レジスト層510および810を除去し、超伝導体層410および保護層350の一部を露出する、レジスト除去プロセスを実行させる。実施形態は、リソグラフィにおいて使用される任意のレジスト除去プロセスを使用する。その結果、構成1100では、超伝導体層410の片側の領域内で、保護層350の一部が露出される。
【0070】
図11を参照すると、この図は、実施形態例に従って、マヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成1100を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、およびインプラント領域710は、図10の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、およびインプラント領域710と同じである。
【0071】
構成1100は、構成800および900を参照して説明された製造ステップを省略し、リソグラフィ・プロセスにおいてレジスト層510内で適切に構成されたマスクを使用して図7の構成700から任意選択的に到達可能な構成である。構成1100では、超伝導体層410を取り囲む領域内で、保護層350の一部が露出される。構成1000および1100は、同様に機能するが、構成1000より少ないプロセス・ステップの使用のため、構成1100が好ましい。
【0072】
図12を参照すると、この図は、実施形態例に従って、電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成1200を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、およびインプラント領域710は、図11の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、およびインプラント領域710と同じである。構成1200は、構成1000を操作した結果として示されているが、代わりに構成1100を操作した結果であることもできる。
【0073】
実施形態は、製造システムに、レジスト層1210を成膜させ、レジスト層1210は、保護層350および超伝導体層410の一部を含む領域1220を露出する開口部を含んでいる。領域1220は、デバイス200の感知領域になるよう意図されている。レジスト層1210は、リソグラフィにおいて使用される任意のレジスト材料から形成されることができ、レジスト層510および810と同じ材料または異なる材料であることができる。
【0074】
図13を参照すると、この図は、実施形態例に従って、電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成1300を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、およびレジスト層1210は、図12の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、およびレジスト層1210と同じである。
【0075】
実施形態は、製造システムに、超伝導体層410を除去し、レジスト層1210の下の超伝導体層410内のアンダーカット領域を含んでいる領域1310内で保護層350を露出する、エッチング・プロセスを実行させる。エッチング・プロセスは、製造中の表面の損傷を最小限に抑えるように選択され、構成600を形成するために使用されるプロセスと同じプロセスまたは異なるプロセスであることができる。1つの実施形態では、エッチング・プロセスは、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を使用する、ウェット・エッチング・プロセスである。
【0076】
図14を参照すると、この図は、実施形態例に従って、電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成1400を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、およびレジスト層1210は、図13の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、およびレジスト層1210と同じである。
【0077】
任意選択的なステップでは、実施形態は、製造システムに、保護層350の露出部分を除去し、半導体層340を露出するために、エッチング・プロセスを実行させる。1つの実施形態では、エッチング・プロセスは、原子層エッチング・プロセスを含むが、その他のエッチング・プロセスも可能であり、実施形態例の範囲内で企図される。
【0078】
図15を参照すると、この図は、実施形態例に従って、電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成1500を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、およびレジスト層1210は、図14の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、およびレジスト層1210と同じである。
【0079】
実施形態は、製造システムに、レジスト1510とレジスト1210の間にすき間1520および1530を残して、構成1500の上にレジスト1510を成膜させる。1つの実施形態では、レジスト1510は、指向性プラズマ化学蒸着(CVD:chemical vapor deposition)を使用して成膜される。別の実施形態では、レジスト1510は、蒸着法を使用して成膜される。レジスト1510の非限定的な例としては、炭素、ゲルマニウム、部分的に酸化されたゲルマニウム、ガリウムヒ素(GaAs)、酸化シリコンゲルマニウム(SiGe)、酸化タングステン、およびリソグラフィにおいて一般に使用されるその他のレジスト材料が挙げられる。
【0080】
図16を参照すると、この図は、実施形態例に従って、電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成1600を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、レジスト層1210、およびレジスト1510は、図15の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、レジスト層1210、およびレジスト1510と同じである。
【0081】
実施形態は、製造システムに、分離境界1610によって境界を示された分離領域を形成させる。実施形態は、取り囲んでいる表面に対する損傷を最小限に抑える任意の技術を使用して、分離領域を形成する。1つの実施形態では、分離領域は、イオン・インプラント・プロセスを使用して形成される。イオン・インプラント・プロセスは、分離領域を形成するのに適した任意の材料のイオンを使用する。適切なイオン・インプラント材料の非限定的な例としては、水素、酸素、ヘリウム、ガリウム、アルゴン、およびネオンが挙げられる。その他のイオン・インプラント材料も可能であり、実施形態例の範囲内で企図される。別の実施形態では、反応性イオン・エッチング(RIE)プロセスを使用して分離領域が形成される。
【0082】
図17を参照すると、この図は、実施形態例に従って、電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成1700を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、および分離境界1610は、図16の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、および分離境界1610と同じである。
【0083】
実施形態は、製造システムに、構成1600からレジスト1210および1510を除去し、構成1700の下層の一部を露出する、レジスト除去プロセスを実行させる。実施形態は、リソグラフィにおいて使用される任意のレジスト除去プロセスを使用する。
【0084】
図18を参照すると、この図は、実施形態例に従って、電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成1800を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、および分離境界1610は、図17の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、および分離境界1610と同じである。
【0085】
実施形態は、製造システムに、構成1700の上にレジスト1830を成膜し、それに続いてレジスト層内の開口部によって露出された構成1700の一部の上に誘電体1820を形成し、それに続いて誘電体1820の上に金属1810を形成することを実行させる。レジスト1830は、リソグラフィにおいて使用される任意のレジスト材料から形成されることができ、本明細書に記載された他のレジスト層と同じ材料または異なる材料であることができる。1つの実施形態では、誘電体1820は、超伝導体層410上に自然酸化物から形成され(例えば、超伝導体層410がアルミニウムを含んでいる場合は酸化アルミニウムから形成され)、任意のリソグラフィ・プロセスを金属蒸着に使用して金属1810が誘電体1820の上部に成膜される。別の実施形態では、誘電体1820は、追加の酸素、窒素、または別の材料を最初の金属蒸着に追加し、それに続いて、任意のリソグラフィ・プロセスを使用して、追加の酸素、窒素、または別の材料を含まない追加の金属蒸着を実行することによって、形成される。別の実施形態では、誘電体1820および金属1810は、互いに関連していない。
【0086】
金属1810は、77K~0.01Kの温度範囲内の動作のために、極低温の範囲内で(しきい値RRRを超え、しきい値熱伝導率を超える)高い導電率および熱伝導率を有する材料を含む。極低温の範囲内で超伝導である金属は、そのような金属が熱を発生させる抵抗がほとんどないため好ましいが、非超伝導金属が使用されることも可能である。金属1810の材料の非限定的な例は、金、パラジウム、バナジウム、アルミニウム、鉛、スズ、プラチナ、ニオブ、タンタル、窒化タンタル、チタン、および窒化チタンである。誘電体1820は、任意の適切な材料で形成されることができる。誘電体1820の材料の非限定的な例は、超伝導体層410上の酸化アルミニウムまたは別の自然酸化物、酸化ケイ素、および酸化亜鉛である。層の材料のこれらの例は、制限となるよう意図されていない。当業者は、本開示から、誘電体1820および金属1810を形成するのに適した多くのその他の材料を思い付くことができるであろう。同じことが、実施形態例の範囲内で企図される。保護層350上の誘電体1820および金属1810はトンネル接合ゲート204を形成し、トンネル接合ゲート204は、製造されているデバイスの動作中に、ナノロッドの導電率をピンチオフするために使用されることができる。誘電体1820は、保護層350が存在するため、トンネル接合ゲート204を形成するのに必要ではないが、誘電体1820は、存在してもゲートの動作に影響を与えない。超伝導体層410上の誘電体1820および金属1810は化学ポテンシャル・ゲート208および210を形成し、化学ポテンシャル・ゲート208および210は、製造されているデバイスの動作中に、ナノロッドが各端部でMZMを提供するように、ナノロッドの化学ポテンシャルを制御するために使用されることができる。
【0087】
図19を参照すると、この図は、実施形態例に従って、電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成1900を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、分離境界1610、金属1810、誘電体1820、トンネル接合ゲート204、ならびに化学ポテンシャル・ゲート208および210は、図18の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、分離境界1610、金属1810、誘電体1820、トンネル接合ゲート204、ならびに化学ポテンシャル・ゲート208および210と同じである。
【0088】
実施形態は、製造システムに、構成1800からレジスト1830を除去し、構成1900を露出する、レジスト除去プロセスを実行させる。実施形態は、リソグラフィにおいて使用される任意のレジスト除去プロセスを使用する。
【0089】
図20を参照すると、この図は、実施形態例に従って、電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成2000を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、分離境界1610、金属1810、誘電体1820、トンネル接合ゲート204、ならびに化学ポテンシャル・ゲート208および210は、図19の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、分離境界1610、金属1810、誘電体1820、トンネル接合ゲート204、ならびに化学ポテンシャル・ゲート208および210と同じである。
【0090】
構成2000は構成1900の代替案であり、構成2000において、レジスト1830のパターンが変更され、化学ポテンシャル・ゲート208および210が、ナノロッド構造体の拡大された一部の上に広がってコンタクト領域2010内に拡大することをもたらす。準粒子(電子または電子対)が、ナノロッド構造体に入った場合に、コヒーレンスの損失を引き起こすことがあるため、コンタクト領域2010は、代わりにナノロッド構造体の外側に沿って準粒子を走らせることによって、このコヒーレンスの損失を起こりにくくする。1つの実施形態では、コンタクト領域2010は分離領域240内にも広がる。
【0091】
図21を参照すると、この図は、実施形態例に従って、電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成2100を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、金属1810、誘電体1820、トンネル接合ゲート204、ならびに化学ポテンシャル・ゲート208および210は、図19の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、金属1810、誘電体1820、トンネル接合ゲート204、ならびに化学ポテンシャル・ゲート208および210と同じである。
【0092】
実施形態は、製造システムに、構成1900の上に、レジスト2110内の領域2120、2130、および2140に開口部を含むレジスト2110を成膜させる。レジスト2110は、リソグラフィにおいて使用される任意のレジスト材料から形成されることができ、本明細書に記載された他のレジスト層と同じ材料または異なる材料であることができる。加えて、図では、分離境界1610が分離領域2150に置き換えられており、この領域は、分離境界1610によって輪郭を描かれていた。
【0093】
図22を参照すると、この図は、実施形態例に従って、電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成2200を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、金属1810、誘電体1820、トンネル接合ゲート204、化学ポテンシャル・ゲート208および210、分離領域2150、ならびにレジスト2120は、図21の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、金属1810、誘電体1820、トンネル接合ゲート204、化学ポテンシャル・ゲート208および210、分離領域2150、ならびにレジスト2120と同じである。
【0094】
実施形態は、製造システムに、レジスト2110内の開口部によって露出された構成2100の一部の上に金属2210を形成させる。金属2210は、本明細書に記載されているように、任意の適切な金属蒸着プロセスを使用して成膜され、任意の金属で形成されることができる。分離領域2150上の金属2210は、リフレクトメトリ・ワイヤ202を形成する。超伝導体層410上の金属2210は、ナノロッド・コンタクト206および212を形成する。
【0095】
図23を参照すると、この図は、実施形態例に従って、電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスの製造において達する例示的な構成のブロック図を示している。図1のアプリケーション105は、製造システム107と情報をやりとりし、本明細書に記載されているように、構成2300を製造または操作する。基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、金属1810、誘電体1820、トンネル接合ゲート204、化学ポテンシャル・ゲート208および210、ならびに分離領域2150は、図22の基板310、バッファ層320、保護層330、半導体層340、保護層350、超伝導体層410、インプラント領域710、金属1810、誘電体1820、トンネル接合ゲート204、化学ポテンシャル・ゲート208および210、ならびに分離領域2150と同じである。リフレクトメトリ・ワイヤ202、トンネル接合ゲート204、ナノロッド・コンタクト206および212、化学ポテンシャル・ゲート208および210、量子ドット構造体220、ナノロッド構造体230および232、ならびに分離領域240は、図2のリフレクトメトリ・ワイヤ202、トンネル接合ゲート204、ナノロッド・コンタクト206および212、化学ポテンシャル・ゲート208および210、量子ドット構造体220、ナノロッド構造体230および232、ならびに分離領域240と同じである。
【0096】
実施形態は、製造システムに、構成2200からレジスト2110を除去し、構成2300を露出する、レジスト除去プロセスを実行させる。実施形態は、リソグラフィにおいて使用される任意のレジスト除去プロセスを使用する。結果として、構成2300は、デバイス200の完成した形態になる。
【0097】
図24を参照すると、この図は、実施形態例に従って、電荷感知を含むマヨラナ・フェルミ粒子量子コンピューティング・デバイスを製造するための例示的なプロセスのフローチャートを示している。1つまたは複数の実施形態では、プロセス2400は、アプリケーション105において実施され、アプリケーション105は、図1の製造システム107などの製造システムに、本明細書に記載された動作を実行させる。
【0098】
ブロック2402で、アプリケーションは、製造システムに、基板表面上で、バッファ層、第1の保護層、半導体層、および超伝導体層を連続して形成させる。ブロック2404で、アプリケーションは、製造システムに、デバイス領域およびデバイス領域内の感知領域を定める第1のレジスト・パターンを超伝導体層上に形成させる。ブロック2406で、アプリケーションは、製造システムに、エッチング・プロセスを使用して、感知領域内の超伝導体層を除去し、第1のレジスト・パターンによって保護されていないデバイス領域の外部の下層の半導体層の領域を露出することを実行させる。ブロック2408で、アプリケーションは、製造システムに、半導体層の露出された領域をインプラントし、デバイス領域を取り囲む分離領域を形成することを実行させる。ブロック2410で、アプリケーションは、製造システムに、感知領域内のリフレクトメトリ領域をインプラントし、リフレクトメトリ領域を取り囲む第2の分離領域を形成することを実行させる。ブロック2412で、アプリケーションは、製造システムに、エッチング・プロセスを使用して、感知領域、および分離領域に隣接する超伝導体層のデバイス領域の一部を露出させる。ブロック2414で、アプリケーションは、製造システムに、誘電体層および金属層を成膜することによって、感知領域内のトンネル接合ゲートおよび感知領域の外部のデバイス領域の一部内の化学ポテンシャル・ゲートを形成させる。ブロック2416で、アプリケーションは、製造システムに、第2の金属層を成膜することによって、リフレクトメトリ領域内のリフレクトメトリ・ワイヤおよび感知領域の外部のデバイス領域の一部内のナノロッド・コンタクトを形成させる。その後、プロセス2400が終了する。
【0099】
本明細書では、関連する図面を参照して、本発明のさまざまな実施形態が説明される。本発明の範囲から逸脱することなく、代替の実施形態が考案されることができる。さまざまな接続および位置関係(例えば、上部、下部、上、下、隣接など)が、以下の説明および図面における要素間で示されているが、当業者は、本明細書に記載された位置関係の多くが、向きが変更されても説明された機能が維持される場合に、向きに依存しないということを認識するであろう。それらの接続または位置関係あるいはその両方は、特に規定されない限り、直接的または間接的であることができ、本発明はこの点において限定するよう意図されていない。したがって、各実体の結合は、直接的結合または間接的結合を指すことができ、各実体間の位置関係は、直接的位置関係または間接的位置関係であることができる。間接的位置関係の一例として、本説明において、層「B」の上に層「A」を形成することへの言及は、層「A」および層「B」の関連する特性および機能が中間層によって大幅に変更されない限り、1つまたは複数の中間層(例えば、層「C」)が層「A」と層「B」の間にある状況を含んでいる。
【0100】
以下の定義および略称が、特許請求の範囲および本明細書の解釈に使用される。本明細書において使用されているように、「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、「含有する」、「含有している」という用語、またはこれらの任意のその他の変形は、非排他的包含をカバーするよう意図されている。例えば、要素のリストを含んでいる組成、混合、工程、方法、製品、または装置は、それらの要素のみに必ずしも限定されず、明示されていないか、またはそのような組成、混合、工程、方法、製品、または装置に固有の、その他の要素を含むことができる。
【0101】
さらに、「例示的」という用語は、本明細書では「例、事例、または実例としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。「例示的」として本明細書に記載された実施形態または設計は、必ずしも他の実施形態または設計よりも好ましいか、または有利であると解釈されるべきではない。「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」という用語は、1以上の任意の整数(すなわち、1、2、3、4など)を含んでいると理解される。「複数」という用語は、2以上の任意の整数(すなわち、2、3、4、5など)を含んでいると理解される。「接続」という用語は、間接的「接続」および直接的「接続」を含むことができる。
【0102】
本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「実施形態例」などへの参照は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含むことができるが、すべての実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含んでも含まなくてもよいということを示している。さらに、そのような語句は必ずしも同じ実施形態を参照していない。また、特定の特徴、構造、または特性がある実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されるかどうかにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、または特性に影響を与えることは、当業者の知識の範囲内にあると考えられる。
【0103】
「約(about)」、「実質的に(substantially)」、「約(approximately)」、およびこれらの変形の用語は、本願書の出願時に使用できる機器に基づいて、特定の量の測定に関連付けられた誤差の程度を含むよう意図されている。例えば、「約(about)」は、特定の値の±8%または5%、あるいは2%の範囲を含むことができる。
【0104】
本発明のさまざまな実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、網羅的であることは意図されておらず、開示された実施形態に制限されない。説明された実施形態の範囲および思想から逸脱しない多くの変更および変形が、当業者にとって明らかであろう。本明細書で使用された用語は、実施形態の原理、実際の適用、または市場で見られる技術を超える技術的改良を最も適切に説明するため、または他の当業者が本明細書に記載された実施形態を理解できるようにするために選択されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24