(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】情報提供装置および情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20241101BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20241101BHJP
G08G 1/133 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
G08G1/01 A
G08G1/09 F
G08G1/133
(21)【出願番号】P 2022560593
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(86)【国際出願番号】 JP2020041490
(87)【国際公開番号】W WO2022097263
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2022-10-06
【審判番号】
【審判請求日】2024-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】川勝 和代
(72)【発明者】
【氏名】池田 紀夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏平
(72)【発明者】
【氏名】礒▲崎▼ 直樹
(72)【発明者】
【氏名】千代延 宏和
(72)【発明者】
【氏名】吉田 泰三
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】田中 寛人
【審判官】伏本 正典
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-71831(JP,A)
【文献】国際公開第2020/111134(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両の各々に搭載された機器から既に収集された車両データのデータ量を示す実績データ量の情報と、前記車両データの収集に費やされた経過期間の情報と、を記憶するデータ記憶部と、
前記車両データのうち特定の車両データを前記機器から新たに収集するためのデータ収集条件であって前記特定の車両データの指定を含む前記データ収集条件を受信する収集条件受信部と、
前記機器から既に収集された前記車両データを分析して、前記複数の車両の走行状態および走行環境の情報を示す予め定められた複数の属性に対応付けられた属性データを前記車両データについて算出するデータ分析部と、
前記実績データ量と、前記経過期間と、前記データ収集条件と、前記属性データと、に基づいて、前記データ収集条件を満たす前記特定の車両データの収集完了に関する見積もりを算出するデータ予測部と、
前記見積もりを出力する情報提供部と、を備え、
前記見積もりは、前記データ収集条件に従って収集される前記特定の車両データの予測データ量および予測データ収集期間のうち少なくとも一方の情報を含む、情報提供装置。
【請求項2】
前記データ収集条件は、車両の走行状態または走行環境の情報を示す少なくとも1つの指定属性に対応付けられた指定属性データの情報を含み、
前記データ予測部は、
前記予め定められた複数の属性に対応付けられた前記属性データと、前記データ収集条件における前記少なくとも1つの指定属性に対応付けられた前記指定属性データと、に基づいて、前記機器から既に収集された前記特定の車両データの前記実績データ量と前記経過期間とを算出して、前記機器から新たに収集される前記特定の車両データの前記収集完了に関する前記見積もりを算出する、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記データ記憶部は、前記複数の車両の各々に搭載された前記機器から収集される前記車両データを記憶する、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記複数の車両として、予め登録されている複数の車両から前記車両データを収集するデータ収集部をさらに備える、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記データ収集条件は、前記特定の車両データの収集対象として、前記予め登録されている複数の車両のうち少なくとも1台の対象車両の指定を含み、
前記データ収集部は、前記データ収集条件に基づいて、前記少なくとも1台の対象車両に対して前記特定の車両データの送信を要求することにより、前記特定の車両データを収集する、請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記予め登録されている複数の車両とは異なる新たな車両が登録された場合、前記データ収集部は、前記新たな車両に対して前記車両データの送信を要求して、前記車両データを収集する、請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記データ記憶部は、前記属性データを記憶し、
前記データ分析部は、新たな車両データが収集された場合に、新たな属性データを算出し、既に記憶されている前記属性データを、前記新たな属性データに更新する、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記データ記憶部は、前記属性データを記憶し、
前記データ収集条件における前記少なくとも1つの指定属性が前記予め定められた複数の属性に含まれない場合、前記データ分析部は、前記機器から既に収集された前記車両データを分析して、前記データ収集条件に含まれる前記少なくとも1つの指定属性に対応付けられた新たな属性データを算出し、既に記憶されている前記属性データを、前記新たな属性データに更新する、請求項
2に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記複数の車両として、予め登録されている複数の車両から前記車両データを収集するデータ収集部、をさらに備え、
前記データ記憶部は、前記属性データを記憶し、
前記データ収集条件における前記少なくとも1つの指定属性が前記予め定められた複数の属性に含まれない場合、前記データ収集部は、前記データ収集条件に含まれる前記少なくとも1つの指定属性に関連する新たな車両データを前記機器から収集し、
前記データ分析部は、前記新たな車両データを分析して、前記データ収集条件に含まれる前記少なくとも1つの指定属性に対応付けられた新たな属性データを算出し、既に記憶されている前記属性データを、前記新たな属性データに更新する、請求項
2に記載の情報提供装置。
【請求項10】
前記情報提供部は、前記データ収集条件に従って収集された前記特定の車両データを出力する、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項11】
情報提供装置が、複数の車両の各々に搭載された機器から既に収集された車両データのデータ量を示す実績データ量の情報と、前記車両データの収集に費やされた経過期間の情報と、を記憶し、
前記情報提供装置が、前記車両データのうち特定の車両データを前記機器から新たに収集するためのデータ収集条件であって前記特定の車両データの指定を含む前記データ収集条件を受信し、
前記情報提供装置が、前記機器から既に収集された前記車両データを分析して、前記複数の車両の走行状態および走行環境の情報を示す予め定められた複数の属性に対応付けられた属性データを前記車両データについて算出し、
前記情報提供装置が、前記実績データ量と、前記経過期間と、前記データ収集条件と、前記属性データと、に基づいて、前記データ収集条件を満たす前記特定の車両データの収集完了に関する見積もりを算出し、
前記情報提供装置が、前記見積もりを出力し、
前記見積もりは、前記データ収集条件に従って収集される前記特定の車両データの予測データ量および予測データ収集期間のうち少なくとも一方の情報を含む、情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報提供装置および情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の車両から取得されたデータをサーバに蓄積し、その蓄積されたデータをユーザに提供する情報提供システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。このようなシステムは、例えば、サーバ上にアプリケーションが実装されたクラウドサービスとして提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
収集対象のデータの種類によって、所定のデータ量のデータを収集する期間は異なる。言い換えると、収集対象のデータの種類によって、所定の期間で収集されるデータ量は異なる。そのため、情報提供装置には、データの収集開始前に、ユーザに対して、データ収集条件を満たすデータの収集に関する正確な見積もりを提示することが求められる。
【0005】
本開示は、上記の課題を解決するためのものであり、データ収集開始前に、ユーザに対して、データ収集に関する正確な見積もりを提示することが可能な情報提供装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る情報提供装置は、データ記憶部、収集条件受信部、データ分析部、データ予測部および情報提供部を含む。データ記憶部は、複数の車両の各々に搭載された機器から既に収集された車両データのデータ量を示す実績データ量の情報と、その車両データの収集に費やされた経過期間の情報と、を記憶する。収集条件受信部は、車両データのうち特定の車両データを機器から新たに収集するためのデータ収集条件を受信する。データ収集条件は、特定の車両データの指定を含む。データ分析部は、機器から既に収集された車両データを分析して、複数の車両の走行状態および走行環境の情報を示す予め定められた複数の属性に対応付けられた属性データを車両データについて算出する。データ予測部は、実績データ量と、経過期間と、データ収集条件と、属性データと、に基づいて、データ収集条件を満たす特定の車両データの収集完了に関する見積もりを算出する。情報提供部は、その見積もりを出力する。見積もりは、データ収集条件に従って収集される特定の車両データの予測データ量および予測データ収集期間のうち少なくとも一方の情報を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の情報提供装置によれば、データ収集開始前に、ユーザに対して、データ収集に関する正確な見積もりを提示することが可能である。
【0008】
本開示の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1における情報提供装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図2】情報提供装置が含む処理回路の構成の一例を示す図である。
【
図3】情報提供装置が含む処理回路の構成の別の一例を示す図である。
【
図4】実施の形態1における情報提供方法を示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態2における情報提供装置および情報提供システムの構成を示す機能ブロック図である。
【
図6】属性、分析対象の車両データおよび車載機器の一例を示す図である。
【
図7】車両の識別情報および属性データの一例を示す図である。
【
図8】実施の形態2における情報提供方法を示すシーケンスチャートである。
【
図9】実施の形態2における情報提供方法を示すシーケンスチャートである。
【
図10】実施の形態2における情報提供方法を示すシーケンスチャートである。
【
図11】実施の形態2における情報提供方法を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態2における情報提供方法を示すフローチャートである。
【
図13】実施の形態2における情報提供方法を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態3における情報提供装置および情報提供システムの構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1における情報提供装置100の構成を示す機能ブロック図である。情報提供装置100は、データ記憶部10、収集条件受信部20、データ予測部30および情報提供部40を含む。情報提供装置100は、例えば、サーバに設けられている。情報提供装置100は、ネットワークを介して複数の車両と接続されている。
図1には、1台の車両110のみが示されているが、
図1は例示であり、実際には図示されていない複数の車両がネットワークを介して情報提供装置100と接続されている。
【0011】
情報提供装置100は、複数の車両と通信して、各車両110から車両データを収集する。車両データは、車両110に搭載された機器(図示せず)によって取得されるデータあるいは機器に保存されているデータである。車両データは、例えば、車両110の位置または時刻のデータを含む。車両データは、例えば、車両110の速度、加速度、エンジンの回転数、ハンドルの角度、アクセルの踏み込み量、ブレーキの踏み込み量、クラクションの有無のデータ等、車両110の操作に関するデータを含む。車両データは、例えば、車両110の内部の映像、車両110の外部の映像、車両110の内外の気温、湿度等のデータを含む。車両データは、運転者および同乗者の個人データ、車種等の車両110に固有のデータ等を含んでいてもよい。
【0012】
データ記憶部10は、複数の車両の各々に搭載された機器から既に収集された車両データのデータ量を示す実績データ量の情報を記憶する。ここで実績データ量とは、ギガバイト等の単位で表されるデジタルデータの量である。データ記憶部10は、車両データそのものを記憶することにより実績データ量を取得して記憶してもよいし、実績データ量の情報のみを記憶してもよい。さらに、データ記憶部10は、その車両データの収集に費やされた経過期間の情報を記憶する。データ記憶部10は、予め定められた経過期間ごとの実績データ量を記憶してもよい。
【0013】
収集条件受信部20は、車両データのうち特定の車両データを機器から新たに収集するためのデータ収集条件を受信する。データ収集条件は、例えば、ユーザ端末から送信される。データ収集条件は、その特定の車両データの指定を含む。データ収集条件は、例えば、特定の車両データの収集量および特定の車両データの収集期間のうち少なくとも一方の情報を含んでいてもよい。収集量とは、ギガバイト等の単位で表されるデジタルデータの量だけでなく、機器に含まれるセンサによって取得されるサンプリング数、映像におけるフレーム数等であってもよい。
【0014】
データ予測部30は、車両データの実績データ量と、その車両データの収集に費やされた経過期間と、データ収集条件と、に基づいて、データ収集条件を満たす特定の車両データの収集完了に関する見積もりを算出する。
【0015】
情報提供部40は、その見積もりを、例えばユーザ端末に出力する。
【0016】
図2は、情報提供装置100が含む処理回路90の構成の一例を示す図である。データ記憶部10、収集条件受信部20、データ予測部30および情報提供部40の各機能は、処理回路90により実現される。言い換えると、処理回路90は、データ記憶部10、収集条件受信部20、データ予測部30および情報提供部40を有する。
【0017】
処理回路90が専用のハードウェアである場合、処理回路90は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせた回路等である。データ記憶部10、収集条件受信部20、データ予測部30および情報提供部40の各機能は、複数の処理回路により個別に実現されてもよいし、1つの処理回路によりまとめて実現されてもよい。
【0018】
図3は、情報提供装置100が含む処理回路の構成の別の一例を示す図である。処理回路は、プロセッサ91とメモリ92とを有する。プロセッサ91がメモリ92に格納されたプログラムを実行することにより、データ記憶部10、収集条件受信部20、データ予測部30および情報提供部40の各機能が実現される。例えば、プログラムとして記載されたソフトウェアが、プロセッサ91によって実行されることにより、各機能が実現される。このように、情報提供装置100は、プログラムを格納するメモリ92と、そのプログラムを実行するプロセッサ91とを有する。
【0019】
プログラムには、情報提供装置100が、複数の車両の各々に搭載された機器から既に収集された車両データのデータ量を示す実績データ量の情報と、車両データの収集に費やされた経過期間の情報と、を記憶する機能が記載されている。また、プログラムには、情報提供装置100が、車両データのうち特定の車両データを機器から新たに収集するためのデータ収集条件を受信する機能が記載されている。そのデータ収集条件は、特定の車両データの指定を含む。さらに、プログラムには、情報提供装置100が、実績データ量と、経過期間と、データ収集条件と、に基づいて、データ収集条件を満たす特定の車両データの収集完了に関する見積もりを算出する機能が記載されている。そして、プログラムには、情報提供装置100が、その見積もりを出力する機能が記載されている。プログラムは、データ記憶部10、収集条件受信部20、データ予測部30および情報提供部40の手順または方法をコンピュータに実行させるものである。
【0020】
プロセッサ91は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等である。メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリである。または、メモリ92は、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体であってもよい。
【0021】
上記のデータ記憶部10、収集条件受信部20、データ予測部30および情報提供部40の各機能は、一部が専用のハードウェアによって実現され、他の一部がソフトウェアにより実現されてもよい。処理回路は、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによって、上記の各機能を実現する。
【0022】
図4は、実施の形態1における情報提供方法を示すフローチャートである。
【0023】
ステップS1にて、データ記憶部10は、車両データの実績データ量および経過期間の情報を記憶する。
【0024】
ステップS2にて、収集条件受信部20は、データ収集条件を受信する。
【0025】
ステップS3にて、データ予測部30は、実績データ量と、経過期間と、データ収集条件と、に基づいて、データ収集条件を満たす特定の車両データの収集完了に関する見積もりを算出する。
【0026】
ステップS4にて、情報提供部40は、その見積もりをユーザ端末に出力する。
【0027】
以上をまとめると、実施の形態1における情報提供装置100は、データ記憶部10、収集条件受信部20、データ予測部30および情報提供部40を含む。データ記憶部10は、複数の車両の各々に搭載された機器から既に収集された車両データのデータ量を示す実績データ量の情報と、車両データの収集に費やされた経過期間の情報と、を記憶する。収集条件受信部20は、車両データのうち特定の車両データをそれら機器から新たに収集するためのデータ収集条件を受信する。データ収集条件は、特定の車両データの指定を含む。データ予測部30は、実績データ量と、経過期間と、データ収集条件と、に基づいて、データ収集条件を満たす特定の車両データの収集完了に関する見積もりを算出する。情報提供部40は、その見積もりを出力する。
【0028】
このような情報提供装置100は、特定の車両データを新たに収集する前に、ユーザに対して、その収集に関する正確な見積もりを提示する。
【0029】
<実施の形態2>
実施の形態2における情報提供装置および情報提供方法を説明する。実施の形態2は実施の形態1の下位概念である。実施の形態2において、実施の形態1と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0030】
図5は、実施の形態2における情報提供装置101および情報提供システム201の構成を示す機能ブロック図である。情報提供システム201は、複数の車両および情報提供装置101で構成される。
図5には、複数の車両のうち、一例として、1台の車両110のみが示されている。ここでは、情報提供装置101は、サーバに設けられ、ネットワークを介して複数の車両およびユーザ端末120と通信する。車両110は、機器(以下、車載機器111という。)およびデータ送信部112を含む。情報提供装置101は、車両管理部50、データ収集部60、データ分析部70、データ記憶部10、収集条件受信部20、データ予測部30および情報提供部40を含む。データ記憶部10は、車両データ保管部11と分析データ保管部12とを含む。
【0031】
車載機器111は、車両データを取得する、あるいは、保存している。車載機器111は、例えば、車両110の位置を検出するGNSS(Global Navigation Satellite System)の信号を受信する受信機(以下、GNSS受信機という。)を含む。車載機器111は、例えば、時刻データを提供する時計を含む。車載機器111は、例えば、クラクションの有無、ブレーキの踏み込み量、アクセルの踏み込み量、ハンドルの角度、車両110の速度、加速度、エンジンの回転数、エンジンの温度、駆動装置の音など、車両110の操作または状態を検知するセンサを含む。車載機器111は、例えば、車両110の内部の映像を撮影する車内カメラまたは車両110の外部の映像を撮影する車外カメラを含む。車載機器111は、車両110の内部または外部の気温を計測する温度センサ、または、湿度を計測する湿度センサ等を含む。車載機器111は、運転者および同乗者の個人データまたは車種データ等の車両110に固有のデータを保存している記憶装置を含んでいてもよい。
【0032】
データ送信部112は、情報提供装置101のデータ収集部60からの要求に基づいて、車載機器111で取得された車両データあるいは車載機器111に保存されている車両データを、情報提供装置101に送信する。この際、データ送信部112は、車両110の識別情報(車両ID)とともに車両データを送信してもよい。
【0033】
データ収集部60は、予め登録されている車両110の識別情報に基づいて、各車両110に対し車両データの送信を要求する。データ収集部60は、各車両110から送信された車両データを受信する、つまり収集する。
【0034】
車両管理部50は、車両110の識別情報を記憶して管理している。言い換えると、車両110は車両管理部50に予め登録されている。
【0035】
車両データ保管部11は、複数の車両の車載機器111から収集された車両データの実績データ量に関する情報を記憶する。車両データ保管部11は、その車両データの収集に費やされた経過期間に関する情報を記憶する。実施の形態2における車両データ保管部11は、データ収集部60にて収集された車両データを、車両110ごとに記憶している。例えば、車両データ保管部11は、車両データを識別情報に関連付けて記憶する。
【0036】
データ分析部70は、車載機器111から収集された車両データを分析して、属性データを算出する。属性データは、予め定められた複数の属性に対応付けられたデータである。つまり、属性ごとに属性データが算出される。データ分析部70は、分析対象の車両データを、データ収集部60から取得してもよいし、車両データ保管部11から取得してもよい。
【0037】
予め定められた属性は、車両110の走行状態および走行環境の情報を示す。走行状態とは、車両110が進行している状態だけでなく、運転中に停車または駐車している状態を含む。
図6は、属性、分析対象の車両データ、および、その分析対象の車両データを収集する車載機器111の一例を示す図である。属性は、走行地域、走行頻度、平均走行時間、クラクション、急ブレーキ、急加速、蛇行、故障、天候、渋滞、乗員情報、車両情報等である。これらの属性のうち、クラクション、急ブレーキ、急加速、蛇行、故障、渋滞等は、イベントである。イベントは、運転操作に基づいて、あるいは、車両110の内外の環境変化に起因して発生する。
【0038】
属性データは、
図6には、示されていないが、属性データとは、各属性の詳細な分類、程度または発生頻度を表す具体的なデータである。
【0039】
予め定められた属性が「走行地域」である場合、その属性に関連する車両データは、GNSS受信機で取得された位置データである。データ分析部70は、その位置データと、予め記憶されている地図データとを分析する。データ分析部70は、属性データとして、「走行地域」の詳細な分類、つまり都道府県名および市町村名を求める。
【0040】
予め定められた属性が「天候」である場合、その属性に関連する車両データは、車外カメラによって取得される映像データ、センサによって取得される気温データおよび湿度データである。データ分析部70は、それら映像データ、気温データおよび湿度データを分析する。データ分析部70は、属性データとして、「天候」の詳細な分類、つまり天候の種類を求める。
【0041】
予め定められた属性が「急ブレーキ」である場合、その属性に関連する車両データは、センサによって取得されるブレーキの踏み込み量のデータまたは加速度データである。データ分析部70は、ブレーキの踏み込み量のデータまたは加速度データを分析する。データ分析部70は、属性データとして、「急ブレーキ」の程度(強さ、大きさ等)または発生頻度を求める。同様に、属性が「急ブレーキ」以外のイベントである場合も、データ分析部70は、属性データとして、そのイベントの程度または発生頻度である。属性がイベントである場合、属性データは、そのイベントの発生時刻のデータを含んでいてもよい。
【0042】
分析データ保管部12は、データ分析部70によって分析された属性データを車両110ごとに記憶する。例えば、分析データ保管部12は、属性データを車両110の識別情報に関連付けて記憶する。
図7は、分析データ保管部12に記憶される車両110の識別情報(車両ID)および属性データの一例を示す図である。
図7において、「クラクション」、「急ブレーキ」および「急加速」の属性データは、発生頻度を示す。
【0043】
このような車両データに基づく分析により、車両の走行傾向が蓄積される。
図6に示されるように、属性と分析対象の車両データとは互いに関連付けられているが、各属性はその他の車両データとも関連付けられている。例えば、属性「急ブレーキ」は、位置データ、時刻データ、車外の映像データ等と関連付けられたうえで、記憶されている。その結果、後述するデータ予測部30は、「急ブレーキ」が発生した際の、位置データ、時刻データ、車外の映像データ等を参照することができる。
【0044】
収集条件受信部20は、データ収集条件をユーザ端末120から受信する。データ収集条件は、特定の車両データを車載機器111から新たに収集するためのものである。データ収集条件は、収集対象である特定の車両データの指定を含む。実施の形態2におけるデータ収集条件は、「車外の映像データ」の指定を含む。
【0045】
実施の形態2におけるデータ収集条件は、さらに、車両110の走行状態または走行環境の情報を示す指定属性および指定属性データの情報を含む。指定属性および指定属性データは、特定の車両データの収集に関する限定事項である。データ収集条件は、複数の指定属性を含んでいてもよい。データ収集条件が複数の指定属性を含む場合、それら限定事項は、AND条件であってもよいし、OR条件であってもよい。指定属性および指定属性データは、例えば、「急ブレーキ」:発生頻度が1回以上、「急ブレーキ」:発生時刻の前後20秒、「走行地域」:関東、「車両情報」:A社の軽自動車、である。
【0046】
さらに、データ収集条件は、特定の車両データの指定収集量および指定収集期間の少なくとも一方の情報を含んでいてもよい。指定収集量は、車載機器111から新たに収集する特定の車両データの量である。指定収集量は、ギガバイト等の単位で表されるデジタルデータの量だけでなく、センサによるサンプリング数、映像におけるフレーム数等であってもよい。実施の形態2における指定収集量は、映像データとして1000フレームである。また、指定収集期間とは、特定の車両データを車載機器111から新たに収集するために指定される期間である。実施の形態2における指定収集期間とは、3ヶ月間である。指定収集量および指定収集期間も、特定の車両データの収集に関する限定事項である。
【0047】
データ収集条件は、上記に限定されるものではなく、例えば、100台の車両に対して、1台あたりの走行時間が40時間分の車両データを収集することである。または、データ収集条件は、100回分の急ブレーキの車両データを収集することであってもよい。
【0048】
データ予測部30は、分析データ保管部12に記憶されている予め定められた属性および属性データを取得する。上記したように、各属性は、様々な車載機器111から取得された車両データと関連付けられている。そのため、データ予測部30は、データ収集条件において限定された特定の車両データを参照することができる。実施の形態2におけるデータ予測部30は、分析データ保管部12から取得された属性および属性データと、データ収集条件に含まれる指定属性および指定属性データとに基づいて、既に収集されている特定の車両データを参照する。データ予測部30は、その特定の車両データの実績データ量および経過期間を算出する。データ予測部30は、その特定の車両データの実績データ量および経過期間に基づいて、見積もりを算出する。その見積もりは、データ収集部60がデータ収集条件を満たす特定の車両データを新たに取得する場合の予測データ量、および、予測データ収集期間のうち少なくとも一方の情報を含む。言い換えると、見積もりは、データ収集条件に従って収集される特定の車両データの予測データ量および予測データ収集期間のうち少なくとも一方の情報を含む。ここで予測データ量とは、ギガバイト等の単位で表されるデジタルデータの量である。
【0049】
例えば、データ予測部30は、既に収集された車両データのうち、関東地域を走行するA社の軽自動車に1回以上の急ブレーキが発生した際の前後20秒の車外映像データを参照する。データ予測部30は、その指定属性データによって限定された車外映像データの実績データ量と、経過期間とを算出する。
【0050】
データ予測部30は、その車外映像データの実績データ量に基づいて、データ収集条件にて指定された1000フレームに対応する車外映像データのデータ量を見積もる。そのデータ量が、予測データ量である。また、データ予測部30は、1000フレームに達するまでの収集期間を見積もる。その収集期間が、予測データ収集期間である。
【0051】
または、データ予測部30は、車外映像データの実績データ量と経過期間とに基づいて、データ収集条件にて指定された3ヶ月間で収集される予測データ量を算出する。
【0052】
見積もりは、予測データ量および予測データ収集期間の相関を表す式であってもよい。または、見積もりは、その相関を表す式を満たす複数の値であってもよい。例えば、データ収集条件にて第1指定収集量および第2指定収集量が指定されている場合、データ予測部30は、第1指定収集量に対応する第1予測データ量に達するまでの期間である第1予測データ収集期間として、「8~9月の1ヶ月」を出力する。さらに、データ予測部30は、第2指定収集量に対応する第2予測データ量に達するまでの期間である第2予測データ収集期間として、「8~11月の3ヶ月」を出力してもよい。または、データ収集条件にて第1指定収集期間および第2指定収集期間が指定されている場合、データ予測部30は、第1指定収集期間において収集される第1予測データ量として、「10GB」を出力する。さらに、データ予測部30は、第2指定収集期間において収集される第2予測データ量として、「20GB」を出力する。
【0053】
データ収集条件で指定された特定の車両データが既に収集されて記憶されている場合、見積もりは、その記憶されている特定の車両データの実績データ量と、データ収集条件に従って収集されるべきデータ量との差分であってもよい。その差分が予測データ量である。さらに、見積もりは、その差分を収集するための予測データ収集期間であってもよい。
【0054】
情報提供部40は、その見積もりを、ネットワークを介してユーザ端末120に出力する。
【0055】
以上の車両管理部50、データ収集部60、データ分析部70、車両データ保管部11、分析データ保管部12、収集条件受信部20、データ予測部30および情報提供部40の各機能は、
図2または
図3に示される処理回路によって実現される。
【0056】
図8から
図10は、実施の形態2における情報提供方法を示すシーケンスチャートである。
図11から
図13は、実施の形態2における情報提供方法を示すフローチャートである。
図8および
図11は、情報提供装置101に車両110の識別情報が登録された際の情報提供装置101の動作を示す。以下、車両登録時の車両データの収集動作という。
図9および
図12は、情報提供装置101に特定の車両データの収集完了に関する見積もり要求が受け付けられた際の情報提供装置101の動作を示す。以下、見積もり提供動作という。
図10および
図13は、情報提供装置101が車両データを提供する際の動作を示す。以下、車両データの提供動作という。
【0057】
図8および
図11に示される車両登録時の車両データの収集動作を説明する。
【0058】
ステップS10にて、車両110のデータ送信部112は、車両管理部50に対し、車両110の登録要求を送信する。登録要求には、車両110の識別情報が含まれる。
【0059】
ステップS20にて、車両管理部50は、車両110の識別情報に基づいて、車両110が登録済みであるか否かを判定する。車両110が登録済みである場合、車両データの収集動作は終了する。車両110が未登録である場合、すなわち、その車両110が予め登録されている車両110とは異なる場合、車両管理部50は、その識別情報を新規登録する。そして、ステップS30が実行される。
【0060】
ステップS30にて、車両管理部50は、データ収集部60に対し、新規登録された車両110から車両データの収集を開始するように制御する。
【0061】
ステップS40にて、データ収集部60は、新規登録された車両110のデータ送信部112に対し、車両データの送信を要求する。
【0062】
ステップS50にて、データ収集部60は、新規登録された車両110から車両データを受信する。
【0063】
ステップS60にて、データ分析部70は、新規登録された車両110の車両データを取得する。
【0064】
ステップS70にて、データ分析部70は、車両データを分析して、予め定められた複数の属性に対応付けられた属性データを算出する。
【0065】
ステップS80にて、データ分析部70は、属性データを分析データ保管部12に出力する。
【0066】
ステップS90にて、分析データ保管部12は、属性データを車両110ごとに記憶する。例えば、分析データ保管部12は、属性データを車両110の識別情報に関連付けて記憶する。
【0067】
ステップS100にて、車両データ保管部11は、車両データを、車両110ごとに記憶する。例えば、車両データ保管部11は、車両データを車両110の識別情報に関連付けて記憶する。この際、車両データ保管部11は、それら車両データをデータ収集部60から取得して記憶してもよいし、データ分析部70における分析後の車両データを取得して記憶してもよい。
【0068】
以上で、車両登録時の車両データの収集動作は終了する。
【0069】
図9および
図12に示される見積もり提供動作を説明する。見積もり提供動作は、例えば、車両登録時の車両データの収集動作の後に実行される。
【0070】
ステップS110にて、収集条件受信部20は、データ収集条件を含む見積もり要求をユーザ端末120から受信する。ここでは、データ収集条件は、特定の車両データの種類:「車外の映像データ」、「急ブレーキ」:発生頻度が1回以上、「急ブレーキ」:発生時刻の前後20秒、「走行地域」:関東、「車両情報」:A社の軽自動車、「映像のフレーム数」:1000である。
【0071】
ステップS120にて、収集条件受信部20は、データ収集条件をデータ予測部30に出力する。
【0072】
ステップS130にて、データ予測部30は、分析データ保管部12に記憶されている予め定められた属性およびその属性に対応付けられた属性データを取得する。
【0073】
ステップS140にて、データ予測部30は、データ収集条件における指定属性が予め定められた複数の属性に含まれるか否かを判定する。指定属性が予め定められた複数の属性に含まれる場合、ステップS180が実行される。例えば、上記のデータ収集条件における各指定属性は、
図6に示される予め定められた複数の属性に含まれる。よって、ステップS180が実行される。指定属性が予め定められた複数の属性に含まれない場合、ステップS150が実行される。
【0074】
ステップS150にて、データ分析部70は、車両データ保管部11に記憶されている車両データを再度分析する。データ分析部70は、データ収集条件に含まれる指定属性に対応付けられた新たな属性データを算出する。
【0075】
ステップS160にて、データ分析部70は、新たな属性データを分析データ保管部12に出力する。
【0076】
ステップS170にて、分析データ保管部12は、既に記憶されている属性データを、新たな属性データに更新する。その後、ステップS140が再び実行される。
【0077】
ステップS180にて、データ予測部30は、特定の車両データの実績データ量と、特定の車両データの経過期間と、データ収集条件における指定属性データと、に基づいて、見積もりを算出する。ここでは、データ予測部30は、既に収集された車両データのうち、関東地域を走行するA社の軽自動車に1回以上の急ブレーキが発生した際の前後20秒の車外映像データを参照する。データ予測部30は、その指定属性データによって限定された車外映像データの実績データ量と、経過期間とを算出する。データ予測部30は、その実績データ量に基づいて、データ収集条件にて指定された1000フレームに対応する車外映像データの予測データ量を見積もる。また、データ予測部30は、1000フレームに達するまでの予測データ収集期間を見積もる。
【0078】
ステップS190にて、データ予測部30は、見積もりを情報提供部40に出力する。
【0079】
ステップS200にて、情報提供部40は、見積もりをユーザ端末120に送信する。
【0080】
以上で、見積もり提供動作は終了する。
【0081】
図10および
図13に示される車両データの提供動作を説明する。車両データの提供動作は、例えば、見積もり提供動作の後に実行される。
【0082】
ステップS210にて、収集条件受信部20は、データ収集要求をユーザ端末120から受信する。
【0083】
ステップS220にて、収集条件受信部20は、データ収集要求をデータ収集部60に出力する。
【0084】
ステップS230にて、データ収集部60は、データ収集要求に基づいて、データ収集条件を取得する。データ収集条件は、ユーザ端末120から送信されるデータ収集要求に含まれていてもよい。または、見積もり提供動作時のデータ収集条件が、情報提供装置101に記憶されている場合、データ収集部60は、その記憶されているデータ収集条件を取得してもよい。データ収集条件は、見積もり提供動作時と同様に、特定の車両データの指定を含む。さらに、データ収集条件は、予め登録されている複数の車両のうち少なくとも1台の対象車両の指定を含む。対象車両の指定がない場合、全ての登録車両が対象車両である。データ収集部60は、データ収集条件に基づいて、その対象車両のデータ送信部112に対し、特定の車両データの送信を要求する。
【0085】
ステップS240にて、データ収集部60は、対象車両から特定の車両データを受信する。
【0086】
ステップS250にて、データ収集部60は、対象車両から収集された特定の車両データを情報提供部40に出力する。ここでは、データ収集部60は、データ分析部70および車両データ保管部11を介して、特定の車両データを情報提供部40に出力する。
【0087】
ステップS260にて、情報提供部40は、ユーザ端末120に対象車両から収集された特定の車両データを出力する。
【0088】
ステップS270にて、データ分析部70は、対象車両から収集された特定の車両データを分析して、予め定められた複数の属性に対応付けられた新たな属性データを算出する。
【0089】
ステップS280にて、データ分析部70は、分析データ保管部12に既に記憶されている属性データを、新たな属性データに更新する。
【0090】
以上で、車両データの提供動作は終了する。
【0091】
以上をまとめると、実施の形態2における情報提供装置101は、データ分析部70を含む。データ分析部70は、車載機器111から既に収集された車両データを分析して、予め定められた複数の属性に対応付けられた属性データを算出する。予め定められた複数の属性は、複数の車両の走行状態および走行環境の情報を示す。データ収集条件は、少なくとも1つの指定属性に対応付けられた指定属性データの情報を含む。その少なくとも1つの指定属性は、車両110の走行状態または走行環境の情報を示す。データ予測部30は、予め定められた複数の属性に対応付けられた属性データと、データ収集条件における少なくとも1つの指定属性に対応付けられた指定属性データと、に基づいて、車載機器111から既に収集された特定の車両データの実績データ量と経過期間とを算出する。データ予測部30は、特定の車両データの実績データ量と経過期間とに基づいて、車載機器111から新たに収集される特定の車両データの収集完了に関する見積もりを算出する。
【0092】
情報提供装置101がクラウドサービスを提供する場合、情報提供装置101はユーザがデータ収集の際に使用するサーバの記憶領域および稼働期間に応じて利用料を課す。実施の形態2における情報提供装置101は、ユーザが特定の車両データの収集を要求する前に、その収集対象の特定の車両データのデータ量またはデータ収集期間を見積もり、その情報をユーザに提供する。ユーザは、その見積もりによって、どの程度の量のデータがいつまでに収集可能であるか把握する。ユーザは、その見積もりに基づいて、データ収集条件を変更することが可能である。
【0093】
また、情報提供装置101は、車両登録時に見積もりに必要な情報を一定期間収集して、属性データを予め分析する。情報提供装置101は、見積もり要求を受信した時点で、既に収集された車両データの実績に基づいて、見積もりを算出する。そのため、情報提供装置101は、収集期間に依存する車両データだけではなく、不定期に発生するイベントに関連する車両データに対しても正確な見積もりが可能である。
【0094】
<実施の形態3>
実施の形態3における情報提供装置および情報提供方法を説明する。実施の形態3は実施の形態1の下位概念である。実施の形態3において、実施の形態1または2と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0095】
図14は、実施の形態3における情報提供装置102および情報提供システム202の構成を示す機能ブロック図である。
図14には、複数の車両のうち、一例として、1台の車両110Aのみが示されている。実施の形態2においては、データ分析部70は情報提供装置101に設けられていたが、実施の形態3におけるデータ分析部70Aは、複数の車両の各々に設けられている。
【0096】
データ分析部70Aは、車載機器111から収集された車両データを分析して、予め定められた複数の属性に対応付けられた属性データを算出する。データ送信部112は、情報提供装置102からの要求に基づいて、車載機器111で取得された車両データと、データ分析部70Aで算出された属性データとを、情報提供装置102に送信する。データ収集部60は、各車両110Aから送信される車両データおよび属性データを収集する。分析データ保管部12は、データ収集部60にて収集された属性データを記憶する。その他の機能は、実施の形態2と同様である。
【0097】
なお、本開示は、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0098】
10 データ記憶部、11 車両データ保管部、12 分析データ保管部、20 収集条件受信部、30 データ予測部、40 情報提供部、50 車両管理部、60 データ収集部、70 データ分析部、70A データ分析部、100 情報提供装置、101 情報提供装置、102 情報提供装置、110 車両、110A 車両、111 車載機器、112 データ送信部、120 ユーザ端末、201 情報提供システム、202 情報提供システム。