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特許7580526複数回使用血液制御安全カテーテルアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】複数回使用血液制御安全カテーテルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20241101BHJP
   A61M 39/06 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
A61M25/06 500
A61M39/06 122
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023081713
(22)【出願日】2023-05-17
(62)【分割の表示】P 2021110825の分割
【原出願日】2015-04-17
(65)【公開番号】P2023096087
(43)【公開日】2023-07-06
【審査請求日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】61/981,223
(32)【優先日】2014-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/981,312
(32)【優先日】2014-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/077,760
(32)【優先日】2014-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】ジョン バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】フイビン リウ
(72)【発明者】
【氏名】ケン クラフ
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス トレーナー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ボルンホフト
(72)【発明者】
【氏名】イーピン マ
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン ウィタカー
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ソンダーレッガー
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-173206(JP,A)
【文献】特開2002-263197(JP,A)
【文献】国際公開第2013/052661(WO,A1)
【文献】特表2013-535997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
A61M 39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルアセンブリであって、
カテーテルと、
前記カテーテルに連結されたカテーテルハブであって、
前記カテーテルを通る流体の流れを選択的に可能にするまたはブロックする弁と、
第1のポジションと第2のポジションとの間を動く弁アクチュエータであって、外部溝を含む、弁アクチュエータと、
を含む、カテーテルハブと、
前記弁アクチュエータの前記外部溝と前記カテーテルハブとを係合させて、前記弁アクチュエータを前記第2のポジションから前記第1のポジションに移動させる付勢部材と、
を含み、
前記カテーテルハブは、前記付勢部材と係合する内部溝を含むことを特徴とするカテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記付勢部材は、エラストマーワッシャ、円形または半径方向に延びるシリコーン部材、複数の弾性バンド、ゴム、弾性ディスク、シリコーンゴム、熱可塑性プラスチック、または熱可塑性エラストマーのいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の様々な例示的実施形態は、カテーテルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願
本出願は、米国特許法第119条(e)項に従って、2014年4月18日に出願された米国特許仮出願第61/981,223号明細書、2014年4月18日に出願された米国特許仮出願第61/981,312号明細書、および2014年11月10日に出願された米国特許仮出願第62/077,760号明細書の利益を主張するものであり、これらの各出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
カテーテルアセンブリは、患者の脈管系にカテーテルを適切に配置するために使用される。静脈内カテーテルなどのカテーテルは、所定の位置に配置されて、生理食塩水、医薬化合物、および/または栄養組成物を含む流体をそのような処置を必要とする患者に注入するために使用され得る。加えて、カテーテルは、患者の循環系からの流体の除去および脈管系内の状態の監視を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第4231367号明細書
【文献】米国特許第8691887号明細書
【文献】米国特許第4747831号明細書
【文献】米国特許第5501675号明細書
【文献】米国特許第5575777号明細書
【文献】米国特許第5700250号明細書
【文献】米国特許第5702367号明細書
【文献】米国特許第5830190号明細書
【文献】米国特許第5911705号明細書
【文献】米国特許第8361038号明細書
【文献】米国特許第8388583号明細書
【文献】米国特許第8469928号明細書
【文献】米国特許第8864715号明細書
【文献】米国特許第8932259号明細書
【文献】米国特許第5215528号明細書
【文献】米国特許第5558651号明細書
【文献】米国特許第6749588号明細書
【文献】米国特許第7604616号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0364809号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様は、隔壁および隔壁アクチュエータが、たとえば、隔壁に対する隔壁アクチュエータの係合および係合解除を可能にする戻し部材と組み合わされて、血液制御のための複数回使用(multi-use)機能を提供し、誘導針の少なくとも部分が使用後に保護される、カテーテルアセンブリを提供する。たとえば、針保護部が、遠位針先端、遠位針先端と針変形部、または針全体を取り囲むことができる。加えて、隔壁アクチュエータは、隔壁アクチュエータの遠位部分に沿って軸方向に延びる1または複数の外部溝を含むことができる。
【0006】
本発明の上記および/または他の態様は、カテーテルアセンブリであって、カテーテルと、カテーテル内に配置された鋭い遠位先端を有する針と、針が中を通過するカテーテルに連結されたカテーテルハブであって、カテーテルを通る流体の流れを選択的に可能にするまたはブロックする弁、第1のポジションと第2のポジションとの間を動く弁アクチュエータ、および弁アクチュエータを第2のポジションから第1のポジションへ戻す戻し部材を含む、カテーテルハブと、針の鋭い遠位先端を取り囲む針保護部材とを備えるカテーテルアセンブリを提供することによって実現され得る。
【0007】
さらに、本発明の上記および/または他の態様は、カテーテルアセンブリであって、カテーテルと、カテーテルに連結されたカテーテルハブとを備え、カテーテルハブは、カテーテルを通る流体の流れを選択的に可能にするまたはブロックする弁と、第1のポジションと第2のポジションとの間を動く弁アクチュエータであって、弁アクチュエータの遠位部分に沿って軸方向に延びる1または複数の外部溝を含む弁アクチュエータと、弁アクチュエータを第2のポジションから第1のポジションへ戻す戻し部材とを含む、カテーテルアセンブリを提供することによって実現され得る。
【0008】
また、本発明の上記および/または他の態様は、カテーテルアセンブリを動作させる方法であって、流体を受け入れるように構成されたポジションにおいてカテーテル内に鋭い遠位先端を有する針を配置するステップと、カテーテルを通る液体流れを維持しながら針を除去するステップと、針保護部材によって針の少なくとも鋭い遠位先端を取り囲むステップと、第1のポジションから第2のポジションへ動く弁アクチュエータによって弁を開いて、カテーテルとカテーテルハブとの間の流体連通を確立するステップと、弁アクチュエータを第2のポジションから第1のポジションへ戻して、カテーテルとカテーテルハブとの間の流体連通をブロックするステップとを含む方法によって達成され得る。
【0009】
本発明の追加および/または他の態様および利点は、以下の説明に示され、または説明から明らかとなり、または本発明の実施によって知得され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の上記の態様および特徴は、添付の図面を参照して行われる本発明の例示的実施形態に関する説明からより明らかになるであろう。
図1A】例示的なカテーテルアセンブリの斜視図である。
図1B図1Aのカテーテルアセンブリの分解された斜視図である。
図2A】例示的なカテーテルハブおよびアクチュエータの側断面図である。
図2B】例示的な隔壁の斜視図である。
図3】導入針がカテーテルハブに挿入された例示的なカテーテルハブ、アクチュエータ、およびばねの側断面図である。
図4】導入針が除去された図3のカテーテルハブの側断面図である。
図5】ルアーコネクタが挿入された図4のカテーテルハブの側断面図である。
図6】ルアーコネクタがアクチュエータを隔壁を貫通するように押している図5のカテーテルハブの側断面図である。
図7】ルアーコネクタが除去される図6のカテーテルハブの側断面図である。
図8】ルアーコネクタが除去された図7のカテーテルハブの側断面図である。
図9】アクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの別の例示的実施形態の側断面図である。
図10】アクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの別の例示的実施形態の側断面図である。
図11】アクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの別の例示的実施形態の側断面図である。
図12】アクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの別の例示的実施形態の側断面図である。
図13】アクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの別の例示的実施形態の側断面図である。
図14】アクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの別の例示的実施形態の等角断面図である。
図15A】アクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの別の例示的実施形態の側断面図である。
図15B】ルアーコネクタが挿入された図15Aのカテーテルの側断面図である。
図16】アクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの別の例示的実施形態の側断面図である。
図17】アクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの別の例示的実施形態の側断面図である。
図18】アクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの別の例示的実施形態の側断面図である。
図19A】アクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの別の例示的実施形態の側断面図である。
図19B】隔壁を貫通するように押された図19Aのカテーテルの側断面図である。
図20A】アクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの別の例示的実施形態の側断面図である。
図20B】ルアーコネクタが挿入された図20Aのカテーテルである。
図21A】アクチュエータおよび付勢部材を有し、ルアーコネクタが挿入されたカテーテルの別の例示的実施形態の側断面図である。
図21B図21Aの隔壁の前面図である。
図21C】エラストマーがアクチュエータの先端に成形された21Aのアクチュエータの側断面図である。
図22】側部ポートカテーテルの斜視図である。
図23】側部ポートカテーテル用のアクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの例示的実施形態の側断面図である。
図24】側部ポートカテーテル用のアクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの別の例示的実施形態の側断面図である。
図25】側部ポートカテーテル用のアクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの別の例示的実施形態の側断面図である。
図26】側部ポートカテーテル用のアクチュエータおよび付勢部材を有するカテーテルの別の例示的実施形態の側断面図である。
図27】針先端シールドを有する例示的なカテーテルアセンブリの側断面図である。
図28】針先端シールドの例示的な外側スリーブの斜視図である。
図29図28の外側スリーブの側面図である。
図30図28の外側スリーブの上面図である。
図31】針先端シールドの例示的な内側スリーブの上面斜視図である。
図32図31の内側スリーブの底面斜視図である。
図33】針先端シールドクリップの上面斜視図である。
図34図33のクリップの側面図である。
図35図27の針先端シールドの側断面図である。
図36図27の針先端シールドの別の側断面図である。
図37】クリップが閉じられたポジションにある針先端シールドの側断面図である。
図38】アクチュエータの別の例示的実施形態の右側面図である。
図39A】カテーテルハブアセンブリにおける図38のアクチュエータの断面図である。
図39B】隔壁を貫通しているときの図39Aのカテーテルハブアセンブリの断面図である。
図39C】隔壁を貫通しているときの図39Aのカテーテルハブアセンブリの左斜視断面図である。
図40A】カテーテルハブアセンブリの別の例示的実施形態の断面図である。
図40B】隔壁を貫通しているときの図40Aのカテーテルハブアセンブリの断面図である。
図40C】隔壁を貫通しているときの図40Aのカテーテルハブアセンブリの左斜視断面図である。
図41】針が延ばされたポジション(needle extended position)でのカテーテルアセンブリの別の例示的実施形態の断面図である。
図42】針が引っ込められたポジション(needle retracted position)での図41のカテーテルアセンブリの断面図である。
図43】針が延ばされたポジションでのカテーテルアセンブリの別の例示的実施形態の断面図である。
図44】針が引っ込められたポジションでの図43のカテーテルアセンブリの断面図である。
図45図44のカテーテルハブアセンブリおよび針ハブアセンブリの断面図である。
図46】針が延ばされたポジションでのカテーテルアセンブリの別の例示的実施形態の断面図である。
図47】針が引っ込められたポジションでの図46のカテーテルハブアセンブリおよび針ハブアセンブリの断面図である。
図48】針が引っ込められたポジションでの図46のカテーテルハブアセンブリおよび針ハブアセンブリの底面図である。
図49】カテーテルアセンブリの血液フラッシュバック特徴の例示的実施形態を示す図である。
図50図49のカテーテルアセンブリにおける針を示す図である。
図51】カテーテルアセンブリの血液フラッシュバック特徴の別の例示的実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
カテーテルアセンブリ10は、図1Aおよび図1Bに示されるように、中空導入針12、カテーテルハブ14、および針ハブ16を含む。導入針12は、鋭くされた遠位端部を有し、カテーテルハブ14を通って延びる。可撓性カテーテル管18は、カテーテルハブ14の遠位端部から延び、針12がカテーテル管18を通過する。初めに、針12が患者の静脈に挿入される。カテーテル管18が、針12に沿って押されて針12に続いて静脈に入れられる。カテーテル管18が挿入された後、針12は患者の静脈およびカテーテルハブ14から除去され、針12が廃棄される一方でカテーテル管18は患者内に残される。
【0012】
様々な例示的実施形態によれば、カテーテルハブ14は、遠位端部20、近位端部22、内表面24、および外表面26を有する。遠位端部20はカテーテル開口を含み、近位端部はルアーコネクタ開口を含む。内表面24は、カテーテルハブ14を通る流体通路を可能にするチャネル28を囲む。外表面26は、ルアーコネクタ32(図4)をカテーテルハブ14に固定するための1または複数の突起30を含む。突起30は、ルアーコネクタ32とねじ付き連結を形成することができ、または突起30は、スナップ嵌合もしくは他のねじり連結を介してルアーコネクタ32と連結することができる。標準的な連結の一例は、LUER-LOK(登録商標)連結である。いくつかのタイプのルアーコネクタ32は、カテーテルハブ14内へのすべり嵌めを利用する。カテーテルハブ14は、流体流れがユーザによって観測され得るように透明または半透明であるポリマー材料から作られてよく、またはカテーテルハブ14は、不透明な材料で作られてもよい。
【0013】
可撓性カテーテル管18は、カテーテル開口を通って延びる。金属くさび34が、カテーテル開口にカテーテル管18を固定するようにチャネル内に配置され得る。くさび34は、カテーテル管18に係合する第1の端部と、カテーテルハブ14の内表面24に係合する第2の端部とを有する。くさび34の第1の端部は、カテーテル管18に第1の端部が容易に係合できるようにする先細にされたノーズ(nose)を有する。くさび34がカテーテル管18に挿入されると、カテーテル管18が拡張して、カテーテル管18、くさび34、およびカテーテルハブ14の内表面24の間の締まり嵌めをもたらす。くさび34の第2の端部は、カテーテルハブ14の内表面24に係合する外縁を有する実質的に円錐台状にされた部分を有する。くさびフランジ36は、くさび34の遠位方向移動の制限をもたらすように内表面24上に形成され得る。類似の肩部、タブ、または溝がくさび34の遠位方向移動を制限してもよい。
【0014】
予めスリットを付けられた弾性隔壁38が、チャネル28内に配置され、流体密封を形成する弁であって可撓性カテーテル管18へまたは可撓性カテーテル管18からの流体を選択的に認める弁として機能する。言い換えれば、弁は、可撓性カテーテル管18を通る流体の流れを選択的に可能にするまたはブロックする。隔壁38は、遠位方向移動の制限をもたらすように隔壁フランジ40に装着され得る。突出部または他の内部構造が、隔壁38と締まり嵌めを形成して、隔壁38を所定の場所に保持する、または隔壁38の近位方向移動を制限することができる。図2Bに最もよく示されているように、隔壁38は、隔壁38を通る望まれない流体流れを選択的に防止するように設計された1または複数の予め形成された開口またはスリット42を有する。隔壁38は、好ましくは、弁アクチュエータまたは隔壁アクチュエータ(以下、アクチュエータ)によって係合されたときに開く3つのフラップを形成する3つの交差スリット42を有する。
【0015】
隔壁38は、複数の軸方向流れチャネル39をさらに含む。流れチャネル39は、隔壁38の外周に配置される。様々な量およびポジションが企図されるが、互いに等距離の8つの流れチャネル39が示されている。流れチャネル39は、隔壁38が開かれていないとき、カテーテルハブ14の前方部において隔壁38の空間遠位部に血液が入ることおよびそれから空気が出ることができるように適切な幅および深さを有する。同時に、流れチャネル39は、(少なくともある期間にわたり)隔壁38を通して血液が出ることを防止するように十分に小さい寸法にされる。そのような構成は、血液内の分子間力が空気内の分子間力よりも大きいため可能である。
【0016】
図2Bに示される隔壁38は、本明細書で論じられる実施形態のいずれでも使用され得る。当業者に理解されるように他の隔壁構成が使用されてもよい。初めにカテーテル管18が患者に挿入されると、導入針12が除去され、隔壁38が、血液がチャネル28を通って遠位端部から流れ出ることを防止する。隔壁38は、弁を形成するための弾性材料、たとえば、シリコーンゴムで作られている。他の弾性材料が使用されてもよく、必要に応じて非弾性材料が隔壁38に含まれてもよい。
【0017】
図2Aは、内部通路46Aを囲むアクチュエータバレル46を有するアクチュエータ44の例示的実施形態である。図2Aのアクチュエータと同様のアクチュエータが、本明細書で論じられる実施形態のいずれでも使用され得る。アクチュエータ44は、チャネル28内に配置され、スリット42に係合しそれを開くようにチャネル28内で軸方向に移動可能である。アクチュエータバレル46は実質的に管状の部材であり、内部通路46Aは実質的に円筒状であって、アクチュエータ44によって隔壁38が開かれるまたは貫通されるときにアクチュエータ44を通しておよび隔壁38を通して流体が流れることを可能にする。管状部材は、遠位開口46Bと、1または複数の側部開口46Cと、スリット42に係合しそれを開く遠位端部46Dとを有する。アクチュエータ44の側部開口46Cは、流体フラッシングを可能にする。
【0018】
円錐部48は、アクチュエータ44の近位端部を形成する。円錐部48は、アクチュエータバレル46に向けて先細にされ、流体流れを可能にする1または複数の近位開口48Aを有する、実質的に円錐台状の部材である。円錐部48は、ルアーコネクタ(図示せず)の端部を受け入れ、またはそれに係合もしくは当接する。1または複数のタブ50は、アクチュエータ44から延び、カテーテルハブ14の内表面24上のそれぞれのフランジ52または1もしくは複数の肩部に係合する。タブ50とフランジ52との間の相互作用が、アクチュエータ44の近位方向移動を制限する。近位開口48Aならびに内部通路46Aと連通する内部通路48Bは、好ましくは、ルアーコネクタとカテーテル管18との間に流体が流れるのを可能にする。円錐部48の側部開口48Cは、流体フラッシングを可能にする。アクチュエータ44は、好ましくは、剛体または半剛体材料、たとえば、硬質ポリマーまたは金属で一体的に作られる。
【0019】
雄ルアーコネクタがカテーテルハブ14に挿入されると、ルアーコネクタの端部が円錐部48に向けて摺動し、アクチュエータ44に当接する。ルアーコネクタのさらなる移動は、アクチュエータ44を隔壁38に向けそれを通るように軸方向に動かし、アクチュエータバレル46の遠位端部46Dが1または複数のスリット42を分離し、アクチュエータ44が隔壁38に係合しそれを開くようにする。隔壁38がアクチュエータ44によって開かれた後、流体は、ルアーコネクタからアクチュエータ44の内部通路48Bおよび48Dを通って可撓性カテーテル18内へ流れることまたはその逆を可能にされる。ルアーコネクタ32が除去されたとき、アクチュエータバレル46は隔壁38に留まる。
【0020】
図3図8は、たとえば血液制御のための複数回使用機能を提供する戻し部材56を含むカテーテルアセンブリ10の実施形態を示す。アクチュエータ54は、内部通路59Bを囲むアクチュエータバレル59Aを有する。アクチュエータバレル59Aは実質的に管状の部材であり、内部通路59Bは実質的に円筒状である。管状部材は、流体がアクチュエータバレル59Aの中および周りを流れることを可能にする1または複数の開口55を有する。開口55は、有利なことに、流体がカテーテルハブアセンブリの内部を動くための増大された領域を提供する。増大された領域は、有利なことに、流体フラッシングを可能にし、隔壁38の近位端部および遠位端部における流体の凝固を防止する。加えて、開口55は、有利なことに、流体の淀みを最小限にし、より良い混合を可能にする。
【0021】
アクチュエータバレルの第1の端部は、隔壁38に係合するための面取りされた外表面を有するノーズ58を備える。円錐台状部61Aは、アクチュエータバレル59Aの第2の端部から延びる。円錐台状部61Aは、それらを通る流体流れを可能にする1または複数の開口61Bを有する。円筒状部61Cは、円錐台状部61Aから延びて雄ルアーコネクタ32に係合する。角度付けされた前面を有する1または複数のフック60およびスロット62が、アクチュエータバレル59Aから延びる。
【0022】
図3図8に示される例示的実施形態では、戻し部材56は、コイルばねなどの付勢部材、たとえば、遠位端部64および近位端部66を有する圧縮コイルばねである。ばねは、ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性プラスチック、熱可塑性エラストマー、金属、プラスチック、エラストマーなどのエラストマー部材、または他の適切な弾性材料とすることができるが、これらに限定されない。ばねの遠位端部64は、カテーテルハブ14の内表面24との締まり嵌めを形成する。締まり嵌めは荷重中もばねを保持するのに十分であることが可能であり、または、ばねの遠位端部64が隔壁38に当接することもできる。ばねの近位端部66は、たとえば、フック60上およびスロット62内に嵌合することによってアクチュエータ54に連結する。
【0023】
他の様々な実施形態において、アクチュエータ54および付勢部材56は一体構造に組み合わされる。様々な例示的実施形態において、カテーテルハブ14の内表面24および/またはアクチュエータ54の外表面および/または付勢部材56は、カテーテルハブ14と付勢部材56との間ならびに付勢部材56とアクチュエータ54との間にスナップ結合を形成するための、アンダーカット、隆起、突起、歯、または他の適切な構造を含む。他の様々な例示的実施形態において、付勢部材またはばね56およびアクチュエータ54は、直径締まり嵌めまたはプレス嵌めを含むスナップ連結を必要としない係合を介して互いに付着され得る。
【0024】
図3図7は、アクチュエータ54と付勢部材またはばねなどの戻し部材56とを有するカテーテルハブ14の動作を示す。戻し部材は、弁を開くための隔壁38に係合する(たとえば、隔壁を開くまたは貫通する)第2のポジションから、弁を閉じるための隔壁38の近位端部における(たとえば、隔壁38に係合しない)第1のポジションへ、アクチュエータ54を戻すことによって機能する。針12が、初めに、アクチュエータ54、隔壁38、くさび34、およびカテーテル管18を通って延びる。針12およびカテーテル管18が患者に挿入された後、針12が引き出されて隔壁38が閉じる。
【0025】
隔壁38を開くための2つの基本的方法があり、いずれも本発明の実施で使用され得る。第1の方法において、隔壁38は、アクチュエータ44が隔壁38のスリット42に接触するまたはスリット42を押すときに、開かれた状態になることができる。隔壁38がこの方法で開かれたとき、アクチュエータ44は隔壁38を通って延びない。そうではなく、アクチュエータ44の端面は隔壁38のスリット42に接して配置される。隔壁38の弾性スリット42もしくはフラップ、ばね56、または両方は、動作が完了してアクチュエータ44に対する軸方向圧力が除去されると、アクチュエータ44を引っ込めることができる。第2の方法では、隔壁38は、アクチュエータ44が隔壁38を通って延びて隔壁38が開くようにする、貫通された状態になることができる。この状態において、アクチュエータ44は、アクチュエータ44を引っ込めて隔壁38を閉じるために、ばね56などの外力を必要とする。貫通された状態において、隔壁38の弾性スリット42は、アクチュエータ44をそれら自体に引っ込めることができない。両方の隔壁状態が、隔壁38を開き、流体が交換されることを可能にすることができる。
【0026】
図5および図6に示されるように、雄ルアーコネクタ32がカテーテルハブ14に挿入されると、ルアーコネクタ32がアクチュエータ54を遠位方向に動かして、ばね56を圧縮する。ルアーコネクタ32のさらなる挿入が、隔壁38を通るようにアクチュエータ54を動かして、スリット42を開き、流体がカテーテルハブ14を通って流れることを可能にする。図7および図8に最もよく示されるように、ルアーコネクタ32が除去されると、ばね56がアクチュエータ54を隔壁38から除去して、スリット42を閉じ、スリット42を通って流体が流れるのを防止する。これは、ルアーコネクタが除去された後にアクチュエータが隔壁38に留まる使い捨てカテーテルとは対照的に、カテーテルアセンブリ10が複数のルアー連結を通じて再使用されることを可能にする。図3図8の例示的実施形態の特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の特徴と適宜に組み合わされてよい。
【0027】
戻し部材56は本明細書に開示される実施形態のすべてにおいて付勢部材(たとえば、ばねまたは他の弾性部材)として示されているが、本発明はそのように限定されない。戻し部材は、ルアーコネクタが除去されたときにアクチュエータの第2のポジションからアクチュエータの第1のポジションへアクチュエータを戻す、任意の要素またはアセンブリであってよい。付勢部材として構成されるとき、戻し部材56は、ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性プラスチック、または熱可塑性エラストマーとすることができるが、これらに限定されない。戻し部材56は、上記に論じられたように、隔壁38の弾性スリット42またはフラップで構成されてもよい。
【0028】
図9は、アクチュエータ68および付勢部材70Aの代替的実施形態を示す。アクチュエータ68は、内部通路69Bを囲むアクチュエータバレル69Aを有する。アクチュエータバレル69Aは実質的に管状の部材であり、内部通路69Bは実質的に円筒状である。一連の開口69Cがアクチュエータバレル69Aに形成され、流体がアクチュエータ68の中および周りを流れることを可能にする。アクチュエータバレル69Aは、隔壁38に係合し隔壁38を開く遠位端部69Dを有する。遠位端部69Dは、面取りされた外表面を有するノーズを含む。円錐部71Aは、アクチュエータバレル69Aの近位端部71Bから延びる。円錐部71Aは、ルアーコネクタの端部を受け入れまたはそれに係合する実質的に円錐台状の部材である。
【0029】
付勢部材は、遠位端部70Bおよび近位端部70Cを有する金属圧縮コイルばね70Aである。ばね70Aの遠位端部70Bは、第1の外径および第1の内径を有する。ばね70Aの近位端部71Bは、第2の外径および第2の内径を有する。第2の外径は第1の外径と異なってよく、第2の内径は第1の内径と異なってよい。ばね70Aは、概ね円錐形状を有することができる。
【0030】
様々な例示的実施形態において、第1の外径は、カテーテルハブ14の内表面との第1の締まり嵌めを作るような寸法にされる。第1の締まり嵌めは、ばね70Aと隔壁38との間の接触なしにばね70Aの圧縮を可能にするのに十分であり得る。代替的実施形態では、隔壁38は、ばね70Aの軸方向移動を制限するのを助けることができる。第2の内径は、アクチュエータ68、たとえばアクチュエータバレル69Aとの第2の締まり嵌めを作るような寸法にされる。第2の締まり嵌めは、カテーテルハブ14に対して軸方向および半径方向の両方で圧力を加えられていない状態で所定の位置にアクチュエータ68を保持し支持するために十分である。第2の締まり嵌めは、ばね70Aとカテーテルハブ14との間の接触なしにばね70Aの圧縮を可能にするのに十分であり得る。ばね70Aによって提供される支持により、アクチュエータ68は実質的にそれ自体で中心に保持され、図示されるようにカテーテルハブ14の内壁に接触しない。カテーテルハブ14内にアクチュエータ68を保持するばね70Aは、図2に示されたカテーテルよりも優れた利点を提供し、その理由は、アクチュエータタブ50と内表面から延びる対応する肩部52とが除去されるからである。タブ50および肩部52は、デバイスの複雑さを低減させる。様々な代替的実施形態において、タブ50はアクチュエータを保持するために使用され、ばね70Aは、カテーテルハブ14またはアクチュエータ68との締まり嵌めなしにカテーテルハブ14内に自由に配置される。
【0031】
図示された実施形態では、ばねの第1の外径および内径は第2の外径および内径よりも大きい。ばね70Aのピッチも遠位端部から近位端部にかけて変わる。ばね70Aは、負荷が与えられていない状態で、遠位端部に接触しまたは非常に接近して配置された1または複数のコイル、および近位端部に接触しまたは非常に接近して配置された1または複数のコイルを有することができる。ばね70Aの可変ピッチは、締まり嵌めを保持するのを助けるために遠位端部および近位端部において剛性が集中されることを可能にするとともに、ばね70Aの中間部を通して十分な圧縮を可能にする。図10に示された例示的なアクチュエータ68および付勢部材70Aの特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の特徴と適宜に組み合わされてよい。
【0032】
雄ルアーコネクタ(図示せず)がカテーテルハブ14に挿入されると、ルアーコネクタの端部がアクチュエータ68の円錐部に当接する。ルアーコネクタのさらなる移動は、アクチュエータ68を隔壁38に向けそれを通るように軸方向に動かし、アクチュエータバレルの第1の端部が1または複数のスリットを分離させる。隔壁38に向かうアクチュエータ68の移動は、ばね70Aを圧縮する。隔壁38が開かれると、流体はカテーテルハブ14を通って流れることを可能にされる。ばね70Aの圧縮は、ルアーコネクタによって維持される。ルアーコネクタが除去されると、ばね70Aは、アクチュエータの初期ポジションへアクチュエータを戻し、アクチュエータ68を隔壁38から除去する。アクチュエータ68が除去された後、隔壁38は閉じられたポジションへ戻り、隔壁38を通って流体が流れるのを防止する。図9の例示的実施形態の特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の特徴と適宜に組み合わされてよい。
【0033】
図10は、アクチュエータ72および戻しまたは付勢部材74を有するカテーテルハブ14の別の代替的実施形態を示す。アクチュエータ72は、内部通路を囲むアクチュエータバレル73Aを有する。アクチュエータバレル73Aは、円筒状内部通路を囲む管状部材である。一連の開口73Bが管状部材に形成され、流体がアクチュエータ72の中および周りを流れることを可能にする。アクチュエータバレル73Aは、隔壁38のスリットに係合しそれらを開く第1の端部75Aを有する。第1の端部75Aは、面取りされた外表面を有するノーズを含む。円筒状部75Cは、管状部分の第2の端部75Bから延びる。円筒状部75Cは、ルアーコネクタを受け入れるための円錐状アパーチャを有することができ、またはアパーチャが円筒状内部通路の続きの部分であり得る。
【0034】
図10の戻しまたは付勢部材は、遠位端部および近位端部を有する金属圧縮コイルばね74である。遠位端部はカテーテルハブ14の内表面と締まり嵌めされ、近位端部はアクチュエータ72と締まり嵌めされる。内表面は、ばね74の遠位端部を受け入れるためのチャネル、溝、スロット、または他の窪み76を有することができる。図10に示されたばね74は、図9に示されたばね70Aと類似または同じであってよい。
【0035】
上記に論じられるように、円錐ばね74はアクチュエータ端部を支持し、それによりアクチュエータタブ50の除去を可能にする。カテーテル10は、様々な長さで内部チャネルを貫通する様々なサイズにされたルアーコネクタと共に使用されるように設計される。図2に示された例示的なアクチュエータ44のタブ50は、隔壁38を通過することができないので、管状部分の長さは、様々なサイズにされたルアーコネクタを収容するように長くされる。図10の例示的実施形態に最もよく示されているように、タブ50を除去することによって、アクチュエータ72およびカテーテルハブ14が短くされて、デバイスのサイズおよびコストを小さくすることができる。図10の例示的実施形態の特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の特徴と適宜に組み合わされてよい。
【0036】
図11は、アクチュエータ78および戻しまたは付勢部材80を有するカテーテルハブ14の別の代替的実施形態を示す。アクチュエータ78は、内部通路を囲むアクチュエータバレルを有する。アクチュエータバレルおよび内部通路は、カテーテルハブの近位端部から遠位端部に向けて先細になる円錐形状を有する。アクチュエータバレルは、スリット42に係合しそれらを開く第1の端部を有する。第1の端部は、面取りされた外表面を有するノーズを含む。1または複数の突出部82が、バレルから半径方向に延びて付勢部材80に係合する。突出部82は、バレルの外表面の周りに延びている単一の円錐台状フランジ、バレルから延びている1もしくは複数のタブ、または他の類似の構造であり得る。
【0037】
図11における付勢部材80は、好ましくは、カテーテルハブ14の内表面に係合する外表面と、アクチュエータ78の少なくとも部分を受け入れるアパーチャとを有するエラストマーばねである。付勢部材80は、ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性プラスチック、または熱可塑性エラストマーとすることができるが、これらに限定されない。例示的実施形態によれば、アパーチャは、近位開口84、中間部開口86、および遠位開口88を含む。近位開口84は、第1の直径を有する実質的に円筒状の形状を有する。中間部開口86は、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する。中間部開口86は円筒状であってよく、または、中間部開口86は、実質的に円錐台状の形状を有するように1もしくは複数の角度付けされた壁によって境界が形成されてよい。たとえば、中間部開口86は、アクチュエータ突出部82の角度に対応する角度を有する壁によって境界が形成されてよい。遠位開口88は、実質的に円筒状の形状を有し、近位開口84の直径よりも小さくかつ中間部開口86よりも小さい直径を有する。様々な例示的実施形態において、エラストマーばねおよび開口のサイズ、形状、および構成は、カテーテルハブ14およびアクチュエータ78に応じて異なり得る。
【0038】
アクチュエータ78は、アクチュエータバレルの第1の端部がエラストマーばね80を貫通して突出するように、エラストマーばね80内へ配置される。アクチュエータ突出部82は中間部開口86に嵌って、アクチュエータ78を所定の位置に保持し、アクチュエータ78の近位方向移動に抵抗する。アクチュエータの第2の端部は、近位開口84から延びて雄ルアーコネクタ(図示せず)を受け入れまたはそれに係合する。ルアーコネクタが挿入されると、アクチュエータ78は、エラストマーばね80の付勢に抗して遠位方向に動かされ、エラストマーばね80を弾性的に変形する。ルアーコネクタが除去されると、エラストマーばね80は、実質的にアクチュエータ78の初期ポジションへアクチュエータ78を戻す。図11に示された例示的なアクチュエータおよび付勢部材の特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の特徴と組み合わされてよい。
【0039】
図12は、アクチュエータ90および戻しまたは付勢部材92を有するカテーテルハブ14の別の代替的実施形態を示す。アクチュエータ90の第1の端部は、内部通路を囲むアクチュエータバレルを有する。アクチュエータバレルは、カテーテルハブの遠位端部から近位端部に向けて先細になる実質的に円錐台状の形状を有する。アクチュエータバレルは、アクチュエータを通る流体流れを可能にする1または複数の開口を有する。アクチュエータ90は、ルアーコネクタを受け入れまたはそれに係合するための第2の端部を含む。第2の端部は、実質的に円錐台状の形状を有する。第2の端部はまた、1または複数の開口および内部通路を含むことができる。中間部分94は、アクチュエータ90の第1の端部および第2の端部を連結する。中間部分94は、内部通路を囲む実質的に円筒状の形状を有する。
【0040】
図12における付勢部材92は、好ましくは弾性のワッシャである。ワッシャ92は、カテーテルハブ14の内表面に係合する外表面を有する。カテーテルハブの内表面は、ワッシャ92を受け入れ保持するためのスロットまたは溝96を含むことができる。ワッシャ92は、アクチュエータ90の中間部分94を受け入れる内径を有する。中間部分94は、第2の端部の錐台よりも小さくかつ第1の端部の基部よりも小さい直径を有し、第1の端部により形成された第1のフランジおよび第2の端部により形成された第2のフランジと対接してワッシャを保持する。アクチュエータ90とワッシャ92の形状、サイズ、および構成は、互いに対応するために異なり得る。
【0041】
アクチュエータ90は、アクチュエータ90の第1の端部がワッシャ92を貫通してワッシャ92の片側から突出して隔壁38に係合するように、ワッシャ92中へ配置される。アクチュエータ90の第2の端部は、ワッシャ92から延びて雄ルアーコネクタ32を受け入れまたはそれに係合する。ルアーコネクタ32が挿入されると、アクチュエータ90は、ワッシャ92の付勢に抗して遠位方向に動かされ、ワッシャ92を弾性的に伸張する。ルアーコネクタ32のさらなる挿入が、隔壁38を通るようにアクチュエータ90を動かして、スリット42を開く。ルアーコネクタ32が除去されると、ワッシャ92は、アクチュエータ90の初期ポジションへアクチュエータ90を戻す。様々な追加の実施形態において、ワッシャ92は、ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性プラスチック、熱可塑性エラストマー、ばねワッシャ、エラストマーワッシャ、複数の弾性バンド、圧縮ばね、引張ばね、皿ばね、または他の適切な付勢部材とすることができるが、これらに限定されない。図12に示された例示的なアクチュエータ90および付勢部材92の特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の特徴と適宜に組み合わされてよい。
【0042】
図13は、アクチュエータ98および戻しまたは付勢部材100を有するカテーテルハブ14の別の代替的実施形態を示す。アクチュエータ98は、内部通路を囲むアクチュエータバレルを有する。アクチュエータバレルは、スリット42に係合しそれらを開く第1の端部を有する。アクチュエータ98は、雄ルアーコネクタ(図示せず)を受け入れまたはそれに係合するための第2の端部を含む。
【0043】
図13における付勢部材は、1または複数の弾性部材100、たとえば、円形または半径方向に延びるシリコーン部材、複数の弾性バンド、ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性プラスチック、または熱可塑性エラストマーとすることができるが、これらに限定されない。様々な例示的実施形態において、弾性バンドはシリコーンまたはシリコーンゴムから作られる。付勢部材100は、カテーテルハブ14の内表面に取り付けられた固定された支持体102に連結されている。固定された支持体は、内表面の周りに半径方向に延びる単一部材であってよく、または固定された支持体は、付勢部材のタイプに応じて1または複数の分離されたブロックであってもよい。
【0044】
付勢部材100は、アクチュエータ98を受け入れおよび/またはそれに連結して、圧力を加えられていないポジションでアクチュエータ98を保持する。雄ルアーコネクタが挿入されると、アクチュエータ98は遠位方向に動かされ、付勢部材100を伸張する。ルアーコネクタが除去されると、付勢部材100は、アクチュエータ98の初期ポジションへアクチュエータ98を戻す。図13に示された例示的なアクチュエータ98および付勢部材100の特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の特徴と適宜に組み合わされてよい。
【0045】
図14は、アクチュエータ104および戻しまたは付勢部材106を有するカテーテルハブ14の別の代替的実施形態を示す。付勢部材106は、図13に関連して上記に論じられたものと同様である。アクチュエータは、内部通路を囲むアクチュエータバレルを有する。アクチュエータバレルは、スリット42に係合しそれらを開く第1の端部を有する。アクチュエータは、ルアーコネクタ(図示せず)を受け入れまたはそれに係合するための第2の端部を含む。アクチュエータバレルおよびカテーテルハブ14は他の実施形態に示されたものよりも短いが、本明細書に説明されている任意のアクチュエータまたはカテーテルハブがこの実施形態と共に使用され得る。付勢部材106は、ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性プラスチック、熱可塑性エラストマー、1または複数のバンド、半径方向に延びる部材、または他の適切な付勢部材とすることができるが、これらに限定されない。付勢部材106は、カテーテルハブ14の溝またはスロットに嵌合するフランジ108を含む。図14に示された例示的なアクチュエータ104および付勢部材106の特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の特徴と適宜に組み合わされてよい。
【0046】
図15A図15Bは、アクチュエータ110および戻しまたは付勢部材112を有するカテーテルハブ14の別の代替的実施形態を示す。アクチュエータ110は、内部通路を囲むアクチュエータバレルを有する。アクチュエータバレルは、スリット42に係合しそれらを開く第1の端部を有する。第1の端部は、面取りされた外表面を有するノーズを含む。アクチュエータバレルの第2の端部は、雄ルアーコネクタ32を受け入れまたはそれに係合する。
【0047】
付勢部材は、アクチュエータ110の第2の端部の付近に連結された弾性バンドまたは円盤112である。弾性バンド112は、ラテックス、ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性プラスチック、熱可塑性エラストマー、または他の適切な弾性材料から作られてよいが、これらに限定されない。弾性バンド112の第1の端部は、カテーテルハブ14に連結される。弾性バンド112の第2の端部はアクチュエータ110に連結され、たとえば、締まり嵌めもしくは他の機械的連結によって、または接着剤もしくは成形された結合などの化学的結合によって連結される。図15A図15Bに示された例示的なアクチュエータ110および付勢部材112の特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の特徴と適宜に組み合わされてよい。
【0048】
図16は、アクチュエータ114および戻し部材を有するカテーテルハブ14の別の代替的実施形態を示し、戻し部材は、第1の付勢部材116および第2の付勢部材118を備える。アクチュエータ114は、内部通路を囲むアクチュエータバレルを有する。アクチュエータバレルは、スリット42に係合しそれらを開く第1の端部を有する。第1の端部は、面取りされた外表面を有するノーズを含む。ルアーコネクタ(図示せず)を受け入れまたはそれに係合するための円筒状部材が、アクチュエータバレルの第2の端部から延びる。圧縮可能部120がアクチュエータバレル内に配置される。圧縮可能部120は、適切な圧縮可能な材料、たとえばエラストマーまたはポリマーから作られる。
【0049】
図13図15Bに示された付勢部材と同様に、図16の第1の付勢部材および第2の付勢部材116、118は、1または複数のバンドの弾性材料、半径方向に延びる部材、または他の適切な付勢部材とすることができる。様々な追加の実施形態において、図13図16に示された付勢部材は、ばねワッシャ、エラストマーワッシャ、複数の弾性バンド、圧縮ばね、引張ばね、皿ばね、ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性プラスチック、熱可塑性エラストマー、または他の適切な付勢部材とすることができるが、これらに限定されない。第1の付勢部材および第2の付勢部材116、118は、1または複数の支持ブロック122を介してカテーテルハブ14に連結される。様々な例示的実施形態において、単一の付勢部材が使用される。
【0050】
ルアーコネクタが挿入されると、ルアーコネクタは、圧縮可能挿入物120に係合し、アクチュエータ114を第1の付勢部材および第2の付勢部材116、118の付勢に抗して遠位方向に動かす。ルアーコネクタのさらなる挿入が、隔壁(図示せず)を通るようにアクチュエータを動かして、スリット42を開く。第1の付勢部材および第2の付勢部材116、118ならびに圧縮可能挿入物120は、挿入物120を圧縮するのに必要とされる力よりも付勢部材116、118の弾性力が大きくなるまでアクチュエータ114が一定の距離を進むことができるように構成される。この段階で、挿入物120は、ルアーコネクタのさらなる挿入がアクチュエータ114のさらなる遠位方向移動をもたらさないように変形する。ルアーコネクタが除去されると、挿入物120は、挿入物120の通常の体積に拡張し、第1の付勢部材および第2の付勢部材116、118は、アクチュエータ114の初期ポジションへアクチュエータ114を戻す。図16に示された例示的なアクチュエータ114および付勢部材116、118の特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の特徴と組み合わされてよい。
【0051】
図17は、アクチュエータ122および戻しまたは付勢部材124を有するカテーテルハブ14の別の代替的実施形態を示す。アクチュエータ122は、内部通路を囲むアクチュエータバレルを有する。アクチュエータバレルは、スリット42に係合しそれらを開く第1の端部を有する。ルアーコネクタを受け入れまたはそれに係合するための部材(図示せず)が、アクチュエータバレルの第2の端部から延びる。1または複数の突出部126が、アクチュエータからカテーテルハブ14の内表面に向かって半径方向に延びる。突出部126は、図2に示された実施形態と同様に、アクチュエータ122の軸方向移動を制限するようにカテーテルハブ14上のタブ(図示せず)に係合する。
【0052】
図17の付勢部材124は、隔壁128から遠位方向に延びる。付勢部材124は、中央ハブ132に連結された2つ以上のアーム130を含む。中央ハブ132は、開口を有する円筒状部材として示されている。中央ハブ132は、アクチュエータ122の前端部の少なくとも部分に係合するように構成される。様々なサイズ、形状、および構成の中央ハブ132が、カテーテルハブ14およびアクチュエータ122に応じて使用され得る。付勢部材124は、好ましくは弾性材料、たとえばシリコーンゴムから作られる。付勢部材124はまた、ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性プラスチック、または熱可塑性エラストマーから作られ得るが、これらに限定されない。隔壁128と付勢部材124は一体的に形成されてよく、または隔壁128および/もしくはスリット42が付勢部材とは別個に形成されてもよい。
【0053】
様々な例示的実施形態において、隔壁38は、アクチュエータの初期ポジションへアクチュエータを戻すように構成される。雄ルアーコネクタ(図示せず)が挿入されると、アクチュエータ122は遠位方向に動かされ、スリット42を開いて隔壁128を通過する。隔壁38は、1または複数のスリット134を含み、スリット134は2つ以上のフラップを画定する。図17に示されている例示的実施形態では、隔壁38は、3つの三角形のフラップを画定する3つのスリット134を有する。アクチュエータ122が隔壁38に挿入されると、フラップは遠位方向に動いてアクチュエータ122を受け入れる。フラップは弾性であり、アクチュエータ122に対して付勢力を及ぼし、この付勢力は、アクチュエータ122の挿入の深さに応じて、アクチュエータ122の初期ポジションまたは少なくともスリット42を閉じることを可能にするポジションへ実質的にアクチュエータ122を戻すために十分であり得る。
【0054】
上述されたように、ルアーコネクタに応じて、ルアーコネクタの長さが異なり、また、カテーテルハブ14へのルアーコネクタの貫通の深さおよびその結果のアクチュエータ122の移動が異なる。隔壁38を通過するアクチュエータ122の移動距離によっては、隔壁38は、スリット42を閉じることを可能にするポジションへアクチュエータ122を戻すことができない。例示的実施形態によれば、付勢部材124は、少なくとも、隔壁38を閉じることを可能にするポジションへスリット42がアクチュエータ122を動かすことができるポイントまで、アクチュエータ122を付勢するように構成される。ルアーコネクタの貫通が十分に長い場合、アクチュエータ122の第1の端部は、隔壁30を通って動き、付勢部材124、たとえば中央ハブ132に係合する。アクチュエータ122のさらなる移動が、アーム130を伸張する。ルアーコネクタが除去されると、付勢部材124が圧力を加えられていない状態になるまで、付勢部材124はアクチュエータ122を近位方向に動かす。この段階で、隔壁38は、スリット42が閉じることを可能にするのに十分な距離で近位方向にアクチュエータ122を動かす。図17に示された例示的なアクチュエータ122および付勢部材124の特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の特徴と適宜に組み合わされてよい。
【0055】
図18は、アクチュエータ134および戻しまたは付勢部材136を有するカテーテルハブ14の別の代替的実施形態を示す。アクチュエータ134は、内部通路を囲むアクチュエータバレルを有する。アクチュエータバレルは、隔壁38に係合しそれを開く第1の端部を有する。第1の端部は、面取りされた外表面を有するノーズを含む。アクチュエータバレルの第2の端部は、ルアーコネクタ(図示せず)を受け入れまたはそれに係合する。ピン138は、アクチュエータバレルの側部から半径方向に延びる。ピン138は、カテーテルハブ14に形成されたスロット140と嵌合する。例示的実施形態では、スロット140は、カムスロットであり、カムスロットは、カテーテルハブ14の実質的に軸方向に延びている第1の部分と、第1の部分から軸方向で遠位方向にかつ半径方向で上方に斜めに延びている第2の部分とを有する。
【0056】
図18の付勢部材136は、ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性プラスチック、熱可塑性エラストマー、ばね、板ばね、弾性バンド、または他の弾性部材とすることができるが、これらに限定されない。付勢部材136は、軸方向と半径方向の両方または半径方向のみにおいてアクチュエータ134に対して力を及ぼすことができる。例示的実施形態では、付勢部材136によって及ぼされる力の大半は、半径方向である。ルアーコネクタがカテーテルハブ14に挿入されると、ルアーコネクタがアクチュエータ134を遠位方向に動かす。アクチュエータ134の移動がカムスロット140内でピン138を摺動させ、それにより、半径方向と共に軸方向にアクチュエータ134を動かす。ルアーコネクタが除去されると、付勢部材136はアクチュエータを後退させて、ピン138をカムスロット140に沿ってその初期ポジションへ動かす。様々な例示的実施形態において、付勢部材136は、ピン138をカムスロット140に沿ってその初期ポジションへ摺動するのに十分な力によって、半径方向のみに、たとえば図示された向きで半径方向に下方へ動作することができる。図18に示された例示的なアクチュエータ134および付勢部材136の特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の特徴と適宜に組み合わされてよい。
【0057】
図19A図19Bは、カテーテルハブ14の別の代替的実施形態を示し、アクチュエータおよび戻しまたは付勢部材が単一のばね142によって構成されている。ばね142は、軸方向に延びる第1の系列の巻線144を有する。第1の系列の巻線144は、隔壁38を通って延びる第1の端部を有する。第1の系列の巻線144は、遠位端部における第1の内径と、近位端部における第1の内径より大きい第2の内径とを有することができる。第2の系列の巻線146は、第1の系列の巻線144の少なくとも部分の周りに延びる。第2の系列の巻線146は、第1の系列の巻線144と同軸であり、近位端部における第1の内径と、遠位端部における第1の内径より大きい第2の内径とを有することができる。第2の系列の巻線146は、カテーテルハブ14との締まり嵌めを形成する少なくとも1つのコイルを有する。カテーテルハブ14は、第1の巻線および第2の巻線144、146の移動を制限するために内表面の周りに延びている肩部を有する。
【0058】
雄ルアーコネクタが挿入されると、第1の系列の巻線144が遠位方向に動かされ、第2の系列の巻線146を圧縮する。ルアーコネクタのさらなる挿入が、隔壁38を通るように第1のセットの巻線144を動かして、スリット42を開く。ルアーコネクタが除去されると、第2のセットの巻線146は、第1のセットの巻線144の初期ポジションへ第1のセットの巻線144を戻す。図19A図19Bに示された例示的なアクチュエータおよび付勢部材142の特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の特徴と適宜に組み合わされてよい。
【0059】
図20A図20Bは、アクチュエータ148および戻しまたは付勢部材150を有するカテーテルハブ14の別の代替的実施形態を示す。アクチュエータ148は、内部通路を囲むアクチュエータバレルを有する。アクチュエータバレルは、スリット42に係合しそれらを開く第1の端部を有する。第1の端部は、丸められたノーズを含む。ルアーコネクタ32に係合するためのフランジ152が、アクチュエータバレルの第2の端部から延びる。フランジ152は、カテーテルハブに形成されたスロット154内に配置される。フランジ152のスロット154との係合が、アクチュエータの軸方向移動を制限する。
【0060】
図20A図20Bにおける付勢部材は、好ましくは、アクチュエータバレルの周りに配置されたエラストマー管150である。しかしながら、付勢部材は、ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性プラスチック、または熱可塑性エラストマーとすることもできるが、これらに限定されない。様々な例示的実施形態において、エラストマー管150は、たとえばマルチショット成形プロセスにおいて、アクチュエータ148に成形されるが、他の適切な機械的および化学的連結が使用されてもよい。エラストマー管150は、1または複数のスリット151をアクチュエータが通過できるように開く1または複数のスリット151を有する。
【0061】
雄ルアーコネクタ32が挿入されると、アクチュエータ148は、エラストマー管150が隔壁38に係合するように遠位方向に動かされる。ルアーコネクタ32のさらなる挿入により、アクチュエータバレルがエラストマー管150のスリットを通過し、アクチュエータ148が隔壁38を通って動くとエラストマー管150を圧縮する。ルアーコネクタ32が除去されると、エラストマー管150は、アクチュエータ148の初期ポジションへアクチュエータ148を戻す。様々な例示的実施形態において、隔壁38は、アクチュエータ148を近位方向に動かすのを助けることができる。図20A図20Bに示された例示的なアクチュエータ148および付勢部材150の特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の任意の特徴と適宜に組み合わされてよい。
【0062】
図21A図21Cは、アクチュエータ152および戻しまたは付勢部材154を有するカテーテルハブ14の別の代替的実施形態を示す。アクチュエータ152は、内部通路を囲むアクチュエータバレルを有する。アクチュエータバレルは、スリット42に係合しそれらを開く第1の端部を有する。雄ルアーコネクタ32に係合するための円筒状部材が、アクチュエータバレルの第2の端部から延びる。アクチュエータは、剛体または半剛体材料から作られる。
【0063】
図21A図21Cの付勢部材は、好ましくは、圧縮可能な弾性スリーブ154を含む。しかしながら、付勢部材は、ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性プラスチック、または熱可塑性エラストマーとすることもできるが、これらに限定されない。様々な例示的実施形態において、弾性スリーブ154は隔壁156と一体的に形成される。さらなる実施形態では、たとえば、隔壁156および付勢部材154をアクチュエータ上にオーバーモールドするマルチショット成形プロセスによって、隔壁156および付勢部材154がアクチュエータ152と一体的に形成される。他の代替的実施形態では、隔壁156および付勢部材154は、たとえば、カテーテルハブ14の内表面に対して弾性スリーブ154の部分を押圧する円筒状部材と共に、締まり嵌めによって一緒に連結、巻付け、または保持され得る。隔壁156および弾性スリーブ154はシリコーン材料を含むが、他の適切な材料が使用されてもよい。
【0064】
図21Bに最もよく示されるように、隔壁156は楕円形構成を有し、単一スリット158を形成されている。スリット158は、成形中に形成されてよく、または成形作業後に隔壁156に切り込まれてもよい。隔壁156は、スリットが圧力を加えられていない状態で開く配向状態にあるように構成される。隔壁156は、カテーテルハブ14の内表面のスロットまたは溝に嵌入される。溝は、スリットを閉じられた配向状態へ圧縮して流体密封を形成するような寸法にされる。図21Cに最もよく示されるように、エラストマー160が、導管の前縁部にオーバーモールドまたは構築され得る。
【0065】
雄ルアーコネクタ32が挿入されると、アクチュエータは遠位方向に動かされ、スリーブ154を圧縮する。ルアーコネクタ32のさらなる挿入が、隔壁156を通るようにアクチュエータ152を動かして、スリット42を開く。ルアーコネクタ32が除去されると、スリーブ154は、アクチュエータ152の初期ポジションへアクチュエータ152を戻す。隔壁38は、アクチュエータ152を近位方向に動かすのを助けることもできる。図21A図21Cに示された例示的なアクチュエータ152および付勢部材154の特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の任意の特徴と適宜に組み合わされてよい。
【0066】
図22は、側部ポートカテーテルハブ162を示し、図23図26は、側部ポートカテーテルハブ162と共に使用されるアクチュエータ164および戻しまたは付勢部材166の様々な例示的実施形態を示す。カテーテルハブ162は、チャネル、ならびにチャネルと実質的に直交して延びている側部ポート168を含む。第1の弁を形成する隔壁170がチャネル内に配置される。側部弁、たとえば、弁スリーブ172もチャネル内に配置されて、側部ポート168のための第2の弁を形成する。弁スリーブは、弾性部材、たとえば、長さを有するシリコーンまたはゴムチューブである。弁スリーブ172は、カテーテルハブに圧縮嵌合される。流体が側部ポート168に導入されると、弁スリーブ172が半径方向に変形して、流体が弁スリーブ172の周りを流れてチャネルに流れ込むことを可能にする。本明細書に説明されているタイプの弁スリーブを有する側部ポートカテーテルについては、参照により本明細書に組み込まれる特許文献1を参照されたい。
【0067】
図23図26は、内部通路を囲むアクチュエータバレルを有するアクチュエータ164を示す。アクチュエータバレルは、弁に係合しそれを開く第1の端部を有する。円筒状または円錐台状部材が、アクチュエータバレルの第2の端部から延びて雄ルアーコネクタに係合する。付勢部材166は金属ばねとして示される。しかしながら、付勢部材166は、ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性プラスチック、または熱可塑性エラストマーとすることもできるが、これらに限定されない。
【0068】
図23の例示的な構成において、隔壁170は、側部弁172に対して遠位でカテーテルハブ162内に配置され、付勢部材166は、側部弁172に対して近位でカテーテルハブ162内に配置される。付勢部材166は、たとえば、対の締まり嵌めによって、第1の端部においてカテーテルハブ162の内表面に連結され、第2の端部においてアクチュエータ164に連結される。付勢部材160が側部弁172に当接して遠位方向移動を制限してもよい。
【0069】
図24の例示的な構成において、隔壁170および付勢部材166は側部弁172に対して遠位に配置される。付勢部材166は、たとえば、対の締まり嵌めによって、第1の端部においてカテーテルハブ162の内表面に連結され、第2の端部においてアクチュエータ164に連結される。アクチュエータ164は、付勢部材166の第2の端部を受け入れまたはそれに当接するようにアクチュエータバレルから半径方向に延びている、フランジ174または1もしくは複数のタブを含む。
【0070】
図25の例示的な構成において、隔壁170および付勢部材166は側部弁172に対して近位に配置される。付勢部材166は、たとえば、対の締まり嵌めによって、第1の端部においてカテーテルハブ162の内表面に連結され、第2の端部においてアクチュエータ164に連結される。付勢部材は、隔壁170に当接して遠位方向移動を制限してもよい。
【0071】
図26の例示的な構成において、隔壁170および側部弁172は一体的に形成される。付勢部材166は、たとえば、対の締まり嵌めによって、第1の端部においてカテーテルハブ162の内表面に連結され、第2の端部においてアクチュエータ164に連結される。付勢部材166は、側部弁172に当接して遠位方向移動を制限してもよい。図22図26に示された例示的なアクチュエータおよび付勢部材の特徴は、本明細書に開示された他の例示的実施形態の特徴と適宜に組み合わされてよい。
【0072】
本明細書に説明されたカテーテルのいずれも、図27図37に示されるような特徴と組み合わされ得る。針ハブ14は、針先端シールド176の周りに延び、針12の近位端部を保持する。針カバー178が、初めに、針12、カテーテル管18、およびカテーテルハブ14の少なくとも部分をカバーする。針カバー178は、カテーテルハブ14または針ハブ16に連結することができる。針12が、初めに、針先端シールド176およびカテーテルハブ14を通って延びる。可撓性カテーテル管18が、カテーテルハブ14の遠位端部から延び、針12がカテーテル管18を通過する。初めに、針12が患者の静脈に挿入される。カテーテル管18が、針12に沿って押されて針12に続いて静脈に入れられる。カテーテル管18が挿入された後、針12は、患者の静脈からカテーテルハブ14を通して除去される。針先端シールド176は、針12がカテーテルハブから引っ込められるときに針12によって刺されないようにする保護を提供する。
【0073】
図27図36に示される例示的実施形態では、針先端シールド176は、外側スリーブ178、内側スリーブ180、および弾性金属クリップ182を含む。外側スリーブ178は、カテーテルハブ14に連結し、内側スリーブ180およびクリップ182を囲む。内側スリーブ180は、外側スリーブ178内に配置され、軸方向に移動可能である。クリップ182は、内側スリーブ180に連結され、内側スリーブ180と共に軸方向に移動可能である。
【0074】
図28図30に示された例示的実施形態によれば、外側スリーブ178は、外表面184、内表面186、内表面186によって境界が形成されたチャネル、近位開口、および遠位開口を含む。外表面184は、8つの平面を有する八角形構成を有するが、他の曲線および/または直線形状が使用されてもよい。内表面186は、対の湾曲された面によって連結された平坦な上壁および平坦な底壁を有する。スロット188は、外側スリーブ178の壁を貫通して延びる。
【0075】
キャッチ(catch)190は、外表面から延びてカテーテルハブ14の突出部に係合する。例示的実施形態では、カテーテルハブ突出部は、スレッド、たとえば、LUER-LOK(登録商標)スタイルのスレッドを受け入れるルアーコネクタである。キャッチ190は、前縁部、後縁部、および対の側縁部を有する。開口または窪みが、カテーテルハブ突出部を受け入れるために前縁部と後縁部との間に形成される。開口は、突起の高さと等しいまたはそれよりわずかに大きい間隙を伴ってキャッチ190が形成されることを可能にし、それにより、必要とされる材料および空間の量を最小限にしながら、キャッチ190が連結の前、後および/または側部に係合することを可能にする。様々な例示的実施形態において、キャッチ190は開口なしに形成される。キャッチ190は、カテーテルハブ14からの針先端シールド176の早すぎる解放に抵抗する。
【0076】
図31および図32に示される例示的実施形態では、内側スリーブ180は、基部192、遠位側面194、および近位側面196を含む。弾性アーム198およびタブ200が、基部192の外表面から延びる。弾性アーム198およびタブ200は、外側スリーブ184のスロット188に係合する。1または複数のクリップ保持具202が、基部192の内表面から延びる。クリップは、クリップ保持具202と近位側面196との間に配置される。対向部材204が、遠位側面194から遠位方向に延びる。対向部材204は管状であり、カテーテルハブ14に挿入されるように構成される。近位側面194、遠位側面196、および対向部材204はそれぞれが、針12を受け入れるための開口を有する。
【0077】
図33および図34に示される例示的実施形態によれば、弾性金属クリップ182は、針12を受け入れるための開口を有する基部206と、第1のアーム208と、基部206から延びる第2のアーム210とを含む。第1のアーム208は、第2のアーム210よりも軸方向にさらに延びる。第1のアーム208は第1のフック212を有し、第2のアーム210は第2のフック214を有する。第1のタブ218は第1のアーム208に形成され、第2のタブ220は第2のアーム210に形成される。
【0078】
初めに、針12が、外側スリーブ178、内側スリーブ178、およびクリップ182を通過する。針12は、第1のフックおよび第2のフック212、214が針軸にそって休止するように、クリップ182を開ポジションへ付勢する。組み立てられたポジションでは、キャッチ190は、カテーテルハブ14の外表面上のルアースレッドに係合し、対向部材204は、カテーテルハブ14の近位開口内に延びる。キャッチ190をカテーテルハブ14から除去するために、針先端シールド176の外側スリーブ178は、キャッチ190がルアースレッド上で摺動できるように引き上げられなければならない。しかしながら、カテーテルハブ14に対する針先端シールド176の引き上げは、初めは、カテーテルハブ14内に延びる対向部材204によって阻止される。
【0079】
針12がカテーテルハブ14から引き出されると、図37に示されるように、針12の先端が第1のフックおよび第2のフック212、214を通過し、それにより、第1のアームおよび第2のアーム208、210が閉じ、第1のフックおよび第2のフック212、214が針12の先端を囲むようにする。したがって、クリップ182は、針12の遠位先端がブロックされる、閉じられたポジションにある。クリップ182を介する、この針保護機構は、針を保護するためにユーザ駆動が必要とされないので、針12がカテーテルハブ14から除去されるとき、受動的に(自動的に)動作する。
【0080】
針12がさらに引かれると、変形部、たとえば、その直径が少なくとも一方向に増大するように針12の遠位端部の近くに形成されたクリンプまたは突出部250が、クリップ基部206に係合するまで、針の軸が針先端シールド176を通って摺動する。クリップ基部206の開口は、針軸が開口を通過するが変形部を通過しないように変形部と相互作用するような寸法にされる。したがって、たとえば、針12の鋭い遠位先端および変形部を含む鋭い遠位先端領域は、クリップ182によって取り囲まれる。
【0081】
針12のさらなる移動の結果として、内側スリーブ180がさらに外側スリーブ178に引き入れられ、対向部材204をカテーテルハブ14から除去する。対向部材204がカテーテルハブ14から引き出されると、キャッチ190がルアースレッド突出部から除去され、針先端シールド176、針12、および針ハブ16がカテーテル10から分離され得る。
【0082】
図35は、外側スリーブ178のスロット188に配置された内側スリーブ180のアーム198およびタブ200を示す。針12の先端が第1のフックおよび第2のフック212、214を通過した後、第1のアームおよび第2のアーム208、210が、閉じられた配向状態へ動き、タブ200は、スロット188に係合して、内側スリーブ180と外側スリーブ178との分離、ならびに針12の起こり得る露出に抵抗する。
【0083】
図36は、外側スリーブの第1の肩部220および第2の肩部222に係合する第1のタブおよび第2のタブ216、218を示している。タブ220、222は、たとえば出荷中に、クリップ182および内側スリーブ180が意図せずに外側スリーブ178内へ摺動するのを防止することを助ける。針12は、タブ216、218が外側スリーブ178に係合するように、第1のアームおよび第2のアーム208、210を開ポジションへ付勢する。
【0084】
本明細書に論じられた様々な例示的実施形態のいずれも抗菌システムを含んでよく、したがって、1または複数の抗菌剤またはコーティングが、本明細書に論じられたカテーテルの任意の構成要素に含まれまたは塗布されてよい。たとえば、ばねがUV硬化型抗菌接着剤コーティングで被覆されてもよい。コーティングは、吹付けもしくはバッチタンブリング(batch tumbling)によって、またはばね巻線の形成中に行われてよい。適切なコーティングについては、参照により本明細書に組み込まれる特許文献2に説明されている。ここで使用するために適切な抗菌剤は、グルコン酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジンジアセテート、クロロキシレノール、トリクロサン、ヘキセチジンを含むタイプのものであり、隔壁の容易な貫通および開口形成ならびにルアーコネクタ係合解除後に閉じられたポジションへアクチュエータを戻すことを支援するために適用される、アクチュエータ潤滑剤に含まれ得る。
【0085】
図38は、アクチュエータ54の例示的実施形態を示す。アクチュエータ54は、本明細書に開示されている任意の実施形態に使用されうる。アクチュエータ54は、アクチュエータ54がカテーテルハブアセンブリの隔壁38を貫通するときの摩擦を軽減するノーズ58を含む。アクチュエータ54は、アクチュエータ54の中心線に直交する方向でアクチュエータ54を貫通して延びる開口55をさらに含む。たとえば、アクチュエータ54は、2つの長方形の形状にされた開口55を含むことができるが、より多数または少数も企図される。
【0086】
アクチュエータ54はまた、アクチュエータ54の中心線に平行な平面においてアクチュエータ54の外表面の遠位部分に沿って軸方向に延びる複数の溝57を含む。たとえば、実質的に互いに半径方向に等距離の4つの溝57が、アクチュエータ54の遠位部分の外表面に沿って存在することができるが、より多数または少数の溝57も企図される。溝57は、アクチュエータ54内への深さが様々であり得る。溝57はアクチュエータ54の厚みを完全に貫通して延びないので、溝57は開口55とは異なる。
【0087】
開口55および溝57は、有利なことに、流体がカテーテルハブアセンブリ内部を動くための増大された領域を提供する。増大された領域は、有利なことに、流体フラッシングを可能にし、隔壁の近位端部および遠位端部における流体の凝固を防止する。加えて、開口55および複数の溝57は、有利なことに、流体の淀みを最小限にし、より良い混合を可能にする。さらに、溝57は、動作中にアクチュエータの外表面に対して隔壁が封着するのを防止する。封着面を形成しないことによって、流体が溝57を介して隔壁を通って漏れて追加のフラッシングを提供することが可能にされる。
【0088】
図39Aは、カテーテルハブアセンブリにおける図38のアクチュエータ54を示す。上述された実施形態と同様に、カテーテルハブアセンブリは、カテーテルハブ14、隔壁38、および付勢部材56をさらに含む。図示されるように、アクチュエータ54の開口55および溝57は、カテーテルハブ14内の流体流れのための追加の領域を提供し、それにより、上述された利点を実現する。
【0089】
図39Bおよび図39Cは、付勢部材56が圧縮されアクチュエータ54が隔壁38を貫通したときのカテーテルハブアセンブリを示す。カテーテルハブアセンブリは、アクチュエータ54の開口55および/または溝57が任意選択で隔壁38を貫通するように構成され得る。この実施形態では、アクチュエータ54の開口55は隔壁38を貫通しない。しかしながら、アクチュエータ54の溝57は隔壁38を貫通する。この構成は、上述された利点に加えて、溝57を介する隔壁38の近位端部から遠位端部への増大された流体流れを可能にする。カテーテルアセンブリの動作が完了した後、アクチュエータ54は、付勢部材56によって与えられた力によって隔壁38から引っ込められる。カテーテルアセンブリは、アクチュエータ54の引っ込みに応じて複数回使用されるように構成される。この実施形態で説明されたアクチュエータなどの特徴は、本出願全体を通して説明されている特徴と組み合わせて使用され得る。
【0090】
図40Aは、カテーテルハブアセンブリにおけるアクチュエータ164の別の実施形態を示す。カテーテルハブアセンブリは、側部ポート168を有するカテーテルハブ162を含む。側部ポート168は、カテーテルハブ162内の流体流れへの二次アクセスを提供する。カテーテルハブ162の主孔と側部ポート168との交差部は、スリーブ172を含む。スリーブ172は、側部ポート168とカテーテルハブ162との間の選択的流体連通を提供する。具体的には、側部ポート168を通して十分な流体圧力が加えられたとき、スリーブ172が圧縮する。スリーブ172の圧縮は、流体がカテーテルハブ162に入ることを可能にする。カテーテルハブアセンブリは、隔壁170、およびアクチュエータ164に張力を提供する付勢部材166をさらに含む。
【0091】
アクチュエータ164は、上述されたのと同様のやり方でアクチュエータ164を貫通して延びる複数の開口165を含む。アクチュエータ164は、異なるサイズおよび間隔を有する2行の4つの開口165を含むが、様々な量、サイズ、および間隔の開口165が企図される。図示されるように、開口165は、カテーテルハブ14内の流体流れのための追加の領域を提供し、それにより、図38図39Cに関連して上述された利点を実現する。
【0092】
図40Bおよび図40Cは、アクチュエータ164が隔壁170を貫通し付勢部材166を圧縮したときのカテーテルハブアセンブリを示す。カテーテルハブアセンブリは、アクチュエータ164の開口165が任意選択で隔壁170を貫通するように構成される。この実施形態では、アクチュエータ164の開口165は隔壁170を貫通しない。この構成は、上述された利点に加えて、側部ポート168と隔壁38の近位端部におけるカテーテルハブ162との間の増大された流体流れを可能にする。アクチュエータ164の開口165が隔壁170を貫通する場合、流体の増大された混合も隔壁38の遠位端部において生じることになる。
【0093】
カテーテルアセンブリの動作が完了した後、アクチュエータ164は、付勢部材166によって与えられた力によって隔壁170から引っ込められる。カテーテルアセンブリは、アクチュエータ164の引っ込みに応じて複数回使用されるように構成される。この実施形態で説明されたアクチュエータなどの特徴は、本出願全体を通して説明されている特徴と組み合わせて使用され得る。
【0094】
図41は、異なるタイプの針保護機構を有するカテーテルアセンブリ300の別の例示的実施形態の断面図を示し、この場合、針保護機構は、針先端のみを遮蔽するのではなく、針全体を保護管またはバレル内に収容する。カテーテルアセンブリ300は、針保護を開始するために作動ボタン308の押下によるユーザ作動が必要とされるので、(受動的または自動的ではない)能動的針保護を採用する。しかしながら、能動的針保護と受動的針保護の両方が本発明の範囲内にある。
【0095】
カテーテルアセンブリ300の動作は下記のように説明される。カテーテル302および針304が患者の静脈に挿入される。針304およびカテーテル302が安全に配置されると、作動ボタン308が押下される。図42に示されるように作動ボタン308の押下がされると、内側針ハブまたはハウジング312が作動ボタン308の壁(図示せず)から係合解除される。次いで、針304がカテーテルハブ306内に引っ込む。内側針ハウジング312を囲むばね310が作動ボタン308によって解放され、それにより、内側針ハウジング312が外側針ハウジング314の反対側端部に移動する。したがって、針304は、このとき引っ込められたポジションにあり、(針の鋭い遠位先端を含む)針304全体が外側針ハウジング314内に保持される。針304を収容する内側針ハウジング312が、ばね310によって与えられた力によって外側針ハウジング314内に保持される。したがって、内側針ハウジング312、外側針ハウジング314、およびばね310の組み合わせは、例示的な針保護部材である。
【0096】
この実施形態で使用される能動的針保護機構に関するさらなる情報は、参照により内容が本明細書に組み込まれる特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、および特許文献14に見られる。この実施形態で説明された能動的針保護特徴を含む特徴は、本出願全体を通して説明されているカテーテルアセンブリと組み合わせて使用され得る。
【0097】
図43は、異なるタイプの針保護機構を有するカテーテルアセンブリ300の別の例示的実施形態の断面図を示し、この場合、図27図37におけるような針保護機構が針先端のみを遮蔽する。カテーテルアセンブリ400において開示される針保護機構は、針保護を開始するためにユーザ作動が必要とされないので、針402がカテーテルハブ406から除去されたときに受動的に(自動的に)動作する。カテーテルアセンブリ400の動作は下記のように説明される。カテーテル404および針402が患者の静脈に挿入される。針402およびカテーテル404が安全に配置されると、針402はユーザによって引き出される。
【0098】
針402は、ユーザが外側針ハウジングまたはハブ414を引くとカテーテル404から引き出される。続いて、針402はカテーテルハブ406内に引っ込み、最終的に、針402の鋭い遠位先端が内側針ハウジング408内に入る。針402の遠位先端が内側針ハウジング408に入る前に、針402は、長手方向金属クリップ412に接触し開ポジションへ付勢する。長手方向クリップ412は、たとえば、長手方向に延びまた圧縮する板ばねとすることができる。図44に示されるように、針402の遠位先端が内側針ハウジング408に十分に入ると、クリップ412が、針402の中心線に向かって内側針ハウジング408に入る。したがって、クリップ412は、もはや付勢されず、針402の遠位先端がブロックされる閉じられたポジションになる。
【0099】
針402は、針402の遠位先端に隣接した変形部403をさらに含む。少なくとも1つの方向において、変形部403の直径は、針402の残りの部分の直径よりも大きい。変形部403は、針402の引っ込みの際に針402が内側針ハウジング408から出るのを防止する。具体的には、針402の遠位先端が内側針ハウジング408内にあるとき、変形部403は、内側針ハウジング408の後壁に接触し、針402が内側針ハウジング408から出るのを防止する。したがって、針402の遠位先端および変形部403は、内側針ハウジング408内に囲い込まれる。クリップ412、針402、内側針ハウジング408、および外側針ハウジング414は、例示的な針保護部材である。
【0100】
図45に示されるように、ユーザが外側針ハウジング414を引き続けると、内側針ハウジング408およびカテーテルハブ406は係合解除し分離する。具体的には、内側針ハウジング408のボス410がカテーテルハブ406の孔から係合解除する。
【0101】
針402が使用された後、針402の先端を取り囲む内側針ハウジング408、および外側針ハウジング414が廃棄される。カテーテルハブアセンブリが続いて使用され得る。具体的には、ユーザは、ルアーコネクタ416をカテーテルハブ406に係合させることができ、それにより、アクチュエータが隔壁を開きまたは貫通して流体連通を確立するようにする。
【0102】
この実施形態で使用される針先端保護機構に関するさらなる情報は、参照により内容が本明細書に組み込まれる特許文献15および特許文献16に見られる。この実施形態で説明された受動的針保護を含む特徴は、本出願全体を通して説明されているカテーテルと組み合わせて使用され得る。
【0103】
図46は、針先端シールドを有するカテーテルアセンブリ500の別の例示的実施形態の断面図である。カテーテルアセンブリ500において開示される針保護機構は、針保護を開始するためにユーザ作動が必要とされないので、針512がカテーテルハブ514から除去されたときに受動的に(自動的に)動作する。カテーテルアセンブリ500の動作は下記のように説明される。動作中、上記の実施形態で説明されたのと同様に、針512が、カテーテルハブ514内の隔壁526を突き通すアクチュエータ528を通って延びる。針先端シールド520内に配置されたV-クリップ540が、針512によって付勢されて開ポジション(V-クリップ540が畳まれる)にされ、V-クリップ540を針512が越えることを可能にする。V-クリップ540は、弾性金属クリップを含む。カテーテルアセンブリ500の動作の後、付勢部材530がアクチュエータ528をカテーテルハブ514内に引っ込める。
【0104】
図47は、針512が引っ込められたポジションにあるときのカテーテルアセンブリ500の断面図を示す。針512の遠位先端が針先端シールド520に入ってV-クリップ540の近位端部に配置されたとき、V-クリップ540はもはや付勢されていない。そうではなく、V-クリップ540は針先端シールド520内で展開して、閉じられたポジション(V-クリップが展開される)にされ、V-クリップ540を越えて針512が移動するのを防止する。針先端シールド520におけるV-クリップ540の展開は、針512の遠位先端が針先端シールド520から出るのを防止する(以下に説明されるような)1または複数の障壁を形成する。
【0105】
針先端シールド520は、金属ワッシャ542を含み、針512は、針512の遠位先端に隣接した変形部596を含む。少なくとも1つの半径方向において、変形部の直径は、針512の残りの部分の直径よりも大きい。少なくとも1つの半径方向において、変形部596の直径は、針512が移動するワッシャ542の貫通孔よりも大きい。したがって、変形部596は、針512の引っ込みの際に針512がワッシャ542から出るのを防止する。したがって、針512が引っ込められたポジションにあるとき、針512の遠位先端および変形部596は、ワッシャ542およびV-クリップ540の障壁によって取り囲まれる。
【0106】
図48は、針が引っ込められたときのカテーテルハブアセンブリおよび針ハブアセンブリの底面図を示す。カテーテルハブ514は、カラー開口536およびルアースレッド532を有する、カラー534を含む。上述されたように針512がV-クリップ540を開ポジションへ付勢すると、V-クリップ540の脚582に連結されたラッチ584が、カラー534に係合する。V-クリップ540がカラー534に係合されることが、カテーテルハブ514と針先端シールド520を連結された状態に維持する。
【0107】
他方で、針512が引っ込められたポジションにあり、もはやV-クリップ540を付勢しないとき、V-クリップ540は閉じられたポジションへ動く。閉じられたポジションでは、V-クリップ540のラッチ584および脚582が、カラー開口536に軸アライメントされるように動く。したがって、カラー開口536は、カテーテルハブ514が針先端シールド520と係合解除することを可能にする。
【0108】
加えて、V-クリップ540が閉じられたポジションへ動くと、V-クリップ540における障壁578が、針512の遠位先端が針先端シールド520から出るのを防止する。好ましくは、障壁578は2つの障壁を含むが、より多数または少数も企図される。V-クリップ540およびワッシャ542の組み合わせは、例示的な針保護部材である。
【0109】
V-クリップ540は、V-クリップ540を針先端シールド520の外壁に取り付けるように構成された外壁570およびスペード(spade)566をさらに含む。針先端シールド520の外壁は、V-クリップ540と針先端シールド520との間の摩擦を作り出すことによってV-クリップ540を固定する突起589を含む。この構成は、有利なことに、V-クリップ540を針先端シールド520に固定し、取り付けのための外側ハウジングの使用を回避する。したがって、針先端シールド520の幅が有利なことに縮小される。
【0110】
カテーテルハブアセンブリと針先端シールド520の分離がされた後、カテーテルハブアセンブリは複数回使用血液制御装置として使用され得る。具体的には、アクチュエータ528は、上記の実施形態で説明されたのと同様のやり方で、ルアースレッド532の使用によって、複数回係合され得る。
【0111】
この実施形態で使用される針先端保護機構に関するさらなる情報は、参照により内容が本明細書に組み込まれる特許文献17、特許文献18、および特許文献19に見られる。この実施形態で説明された受動的針保護特徴を含む特徴は、本出願全体を通して説明されている特徴と組み合わせて使用され得る。
【0112】
本明細書に開示されている以外の針保護部材が本発明において使用されてもよい。これらの針保護部材は、図27図37図43図45、および図46図48の実施形態によって例示されるような針先端シールド、図41図42の実施形態によって例示されるような針包囲管もしくはバレル、または他の構成であり得る。それらの針保護部材は、図27図37図43図45、および図46図48の実施形態と同様に、針がカテーテルハブから除去されたときに受動的に(自動的に)動作する場合があり、またはそれらの針保護部材は、図41図42の実施形態と同様に能動的ユーザ駆動を必要とする場合がある。
【0113】
図49図51は、カテーテルアセンブリにおける血液フラッシュバック特徴の様々な例示的実施形態を示す。フラッシュバックは、針先端が静脈へ入ることを確認する血液の可視性である。一次フラッシュバック600は、カテーテルチューブを通して見られ、血液が、中空針612の開放遠位端部に入り、針先端付近の針612の切欠きまたは開口602から出て、針612とカテーテルチューブの内部との間の内部環状空間を上がるように移動するときに見られる。二次フラッシュバック604は、血液が針612の後部から出てきて針ハブ/グリップにおけるフラッシュ室に入るとき、針ハブ/グリップにおいて見られる。空気は、多孔質膜またはマイクロ溝による針ハブ/グリップの後部におけるプラグによって排出される。三次フラッシュバック606は、一次フラッシュバック600からの血液がカテーテルハブ614に流れ込み血液制御隔壁で止まるとき、カテーテルハブ614において可視である。空気は、血液制御隔壁の周辺でマイクロ溝によって排出される。この実施形態で説明された血液フラッシュバック特徴を含む特徴は、本出願全体を通して説明されている特徴と組み合わせて使用され得る。
【0114】
図3図8に示された実施形態と類似する別の実施形態では、アセンブリ10は戻し部材56を含まない。そうではなく、先に説明されたように、弾性隔壁38のスリット42によって画定されるフラップが戻し部材56の働きをする。動作前、アクチュエータ44は、自由状態であり、隔壁38(アクチュエータ44の第1のポジション)に接触しない。動作中、隔壁38は、開かれた状態であり、その状態で、アクチュエータ44(アクチュエータ44の第2のポジション)は隔壁38のスリット42に接触しそれらを押す。隔壁38の開かれた状態は、流体連通を可能にする。隔壁38の開かれた状態では、アクチュエータ44は隔壁38を通って延びない。言い換えれば、アクチュエータ44は隔壁38を貫通しない。結果として、隔壁38の開いたスリット42によって画定される弾性フラップは、動作が完了してアクチュエータ44に対する軸方向圧力が除去されると、アクチュエータ44を第1のポジションへ引っ込むようにする。
【0115】
追加の例示的実施形態の上述の詳細な説明は、本発明の原理およびその実際の適用を説明する目的で提供されており、それにより、本発明を様々な実施形態に関してまた企図される特定の使用に適合される様々な修正と共に当業者が理解することを可能にする。この説明は、網羅的であること、または開示された正確な実施形態に本発明を限定することを必ずしも意図されていない。本明細書に開示された任意の実施形態および/または要素が、具体的に開示されていない様々な追加の実施形態を形成するために互いに組み合わされてよい。したがって、追加の実施形態が可能であり、本明細書および本発明の範囲内に包含されることが意図される。本明細書は、他の方法で達成され得るさらに一般的な目標を達成するために具体的例を説明している。
【0116】
本出願で使用される場合、用語「前」、「後」、「上」、「下」、「上方へ」、「下方へ」、および他の向きの記述子は、本発明の例示的実施形態の説明を容易にすることが意図されており、本発明の例示的実施形態の構造を何らかの特定のポジションまたは配向状態に制限することは意図されていない。「実質的に」または「およそ」などの程度の用語は、与えられた値の外側の合理的な範囲、たとえば、説明された実施形態の製造、組立て、および使用に関連付けられた一般的な許容範囲を指すものであると当業者によって理解される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
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図30
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図33
図34
図35
図36
図37
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図39A
図39B
図39C
図40A
図40B
図40C
図41
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