(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】ランダム繊維ウェブを製造するための機械システム及び方法
(51)【国際特許分類】
D04H 1/732 20120101AFI20241101BHJP
【FI】
D04H1/732
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023085838
(22)【出願日】2023-05-25
(62)【分割の表示】P 2022544637の分割
【原出願日】2021-01-13
【審査請求日】2023-05-25
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】イートン,ワレン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】クリンジン,ウィリアム ピー.
(72)【発明者】
【氏名】リンドバーグ,ジョン エー.
(72)【発明者】
【氏名】ライテル,ディヴィッド シー.
(72)【発明者】
【氏名】ティビッツ,ジョシュア ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ダンバー,ジョセフ エー.
(72)【発明者】
【氏名】グリフィス,ブレイク アール.
(72)【発明者】
【氏名】セイフェルト,ジェセ アール.
【審査官】緒形 友美
(56)【参考文献】
【文献】特開昭51-032873(JP,A)
【文献】特開昭51-064071(JP,A)
【文献】特開平05-295646(JP,A)
【文献】特開平11-315463(JP,A)
【文献】特開平01-104870(JP,A)
【文献】特開平02-269855(JP,A)
【文献】特開2010-203033(JP,A)
【文献】特表平11-506809(JP,A)
【文献】特開平01-298219(JP,A)
【文献】特開昭59-168161(JP,A)
【文献】特開昭54-055673(JP,A)
【文献】特開昭51-102180(JP,A)
【文献】米国特許第03768119(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H 1/00-18/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気式繊維送りシステムを用いてランダム繊維ウェブを形成する方法であって、
リッカーイン及びフィーダを含む複数の可動装置であって、前記リッカーインが、前記フィーダによって前記リッカーインの近傍に給送された繊維マットから複数の繊維を取るように構成されている、複数の可動装置を提供することと、
前記複数の繊維を前記システム内のドッフィング位置において前記リッカーインからドッフィングすることと、
空気供給を流通させ、前記複数の繊維を、前記ドッフィング後に前記空気供給に取り込むことと、
前記リッカーインとコレクタとの間の流路内の前記空気供給を制御することと、
コレクタ上に前記空気供給から前記複数の繊維を収集し、前記ランダム繊維ウェブを形成することと、
を含
み、
前記流路内の前記空気供給を制御することが、静的空気制御機構を含み、
前記静的空気制御機構が、前記フィーダと前記リッカーインとの間の延長ノーズバーを含む方法。
【請求項2】
空気式繊維送りシステムを用いてランダム繊維ウェブを形成する方法であって、
リッカーイン及びフィーダを含む複数の可動装置であって、前記リッカーインが、前記フィーダによって前記リッカーインの近傍に給送された繊維マットから複数の繊維を取るように構成されている、複数の可動装置を提供することと、
前記複数の繊維を前記システム内のドッフィング位置において前記リッカーインからドッフィングすることと、
空気供給を流通させ、前記複数の繊維を、前記ドッフィング後に前記空気供給に取り込むことと、
前記リッカーインとコレクタとの間の流路内の前記空気供給を制御することと、
コレクタ上に前記空気供給から前記複数の繊維を収集し、前記ランダム繊維ウェブを形成することと、
を含み、
前記流路内の前記空気供給を制御することが、静的空気制御機構を含み、
前記静的空気制御機構が、下部スライドプレートから前記コレクタまで延びたリバースシールを含む方法。
【請求項3】
空気式繊維送りシステムを用いてランダム繊維ウェブを形成する方法であって、
リッカーイン及びフィーダを含む複数の可動装置であって、前記リッカーインが、前記フィーダによって前記リッカーインの近傍に給送された繊維マットから複数の繊維を取るように構成されている、複数の可動装置を提供することと、
前記複数の繊維を前記システム内のドッフィング位置において前記リッカーインからドッフィングすることと、
空気供給を流通させ、前記複数の繊維を、前記ドッフィング後に前記空気供給に取り込むことと、
前記リッカーインとコレクタとの間の流路内の前記空気供給を制御することと、
コレクタ上に前記空気供給から前記複数の繊維を収集し、前記ランダム繊維ウェブを形成することと、
を含み、
前記流路内の前記空気供給を制御することが、静的空気制御機構を含み、
前記静的空気制御機構が、前記空気供給と周囲空気供給源との交換を可能にするドラムを含む方法。
【請求項4】
前記ドラムが回転する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記静的空気制御機構が、サーベルアセンブリ内の通気孔、チャンバ、ドッファプレート、又は下部スライドプレートを含む、請求項
1~4のいずれか一項に記載の方法
。
【請求項6】
前記静的空気制御機構が、空気偏向プレートを含む、請求項
1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記流路内の前記空気供給を制御することが、動的空気制御機構を含む、請求項
1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記動的空気制御機構が、前記空気式繊維送りシステムが非稼動状態になっているときにのみ調整可能である、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記動的空気制御機構が、延長ドッファバーを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
前記延長ドッファバーが、前記空気式繊維送りシステムのチャンバ内で回転可能であり、前記延長ドッファバーの回転が、前記空気供給を、前記チャンバ内における第1の空気流パターンから前記チャンバ内における第2の空気流パターンへと変化させる、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記動的空気制御機構が、前記空気供給を案内するために配置されたエアフォイルを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項12】
前記ドッフィング位置、及び前記空気供給の流れる方向によって画定された、前記ドッフィング位置の下流のうちの少なくとも一方への前記空気供給の量を制御することを更に含む、請求項
1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
空気供給の前記量を制御することが、ダンパ、ノーズバー延長部、空気偏向プレート、エアフォイル、及び前記システムのハウジング内の1つ以上の通路のうちの1つ以上を提供することを含む、請求項
12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、ランダム繊維ウェブを形成するための方法、システム、及び機械に関する。より詳細には、本開示は、不織布エアレイドウェブを作製すための機械、システム、及び方法に関する。
【発明の概要】
【0002】
概して、様々な目的のために用いられるランダム繊維品のためのランダム繊維ウェブを製造するための様々な機械、システム、及び方法が知られている。清浄及び研磨装置は、ランダム繊維ウェブで部分的に形成されている。加えて、遺体関係製品、獣医学関係製品、及びおむつ、女性用ナプキン、成人用失禁製品、及びトレーニングパンツなどのパーソナルケア吸収性製品などの使い捨て吸収性製品は、しばしば、ランダム繊維ウェブ材料、特に、液体吸収性繊維ウェブ材料の1つ以上の層を含む。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】従来技術において知られているとおりのランダム繊維ウェブを形成するための機械の一部分の概略断面図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係るランダム繊維ウェブを形成するためのシステムへのいくつかの変更及び/又は追加の構成要素を追跡する高レベル概略図である。
【
図3A】本開示の一実施形態に係るランダム繊維ウェブを形成するための第1の機械の一部分の概略断面図を示す。
【
図3B】本開示の一実施形態に係るランダム繊維ウェブを形成するための第1の機械の一部分の概略断面図を示す。
【
図4】本開示の一実施形態に係るランダム繊維ウェブを形成するための第2の機械の一部分の概略断面図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係るランダム繊維ウェブを形成するための第3の機械の一部分の概略断面図である。
【
図6】本開示の一実施形態に係るランダム繊維ウェブを形成するための第4の機械の構成要素図である。
【
図7A】本発明の一実施形態に係る空気流を制御するためのドッフィンッグプレート及び延長ドッフィンッグバーの図を示す。
【
図7B】本発明の一実施形態に係る空気流を制御するためのドッフィンッグプレート及び延長ドッフィンッグバーの図を示す。
【
図7C】本発明の一実施形態に係る空気流を制御するためのドッフィンッグプレート及び延長ドッフィンッグバーの図を示す。
【
図7D】本発明の一実施形態に係る空気流を制御するためのドッフィンッグプレート及び延長ドッフィンッグバーの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本開示の態様は、ランダム繊維ウェブを製造するための機械、システム、及び方法に関する。
【0005】
本開示の態様は、不織布エアレイドウェブを製造する機械、システム、及び方法を対象とする。不織布エアレイドウェブを作製するための1つの既知の機械10が
図1に関連して示される。このような機械10は、フィードロール14などによって、回転するリッカーイン12へ送られる初期ランダム繊維マットに依存する。リッカーイン12は、初期ランダム繊維マットから個々の繊維を梳くように構成されている(
図1には示されていない)。次に、リッカーイン12は、遠心力を用いて、梳かれた繊維をリッカーイン12からドッフィングし、梳かれた繊維は、リッカーイン12及びサーベルロール16を通り過ぎて流れる空気供給ASに入る。ドッフィングされた繊維は、空気供給(以下、AS(air supply))内に取り込まれてコンデンサ18へ搬送される。繊維は、コンデンサ18上にランダムな様態で堆積し、不織布繊維ウェブ(
図1には示されていない)を形成する。
【0006】
残念ながら、上述の機械は、多くの場合、コンデンサ18上に繊維を不均一に堆積させる。これは、より均一なウェブ堆積を作り出すために更にコストのかかる処理ステップをもたらした。例えば、
図1の機械では、コンデンサ18上における繊維の不均一な堆積により、不織布繊維ウェブの部分、例えば、そのクロスウェブエッジ領域に沿った部分が除去される可能性がある。
【0007】
本発明者らは、コンデンサ18上における繊維のより均一な堆積を提供するために
図1の機械を変更した機械を認識した。このような機械は、処理コストを低減し、更なる堆積後のステップの必要性を低減することができる。本発明者らが1つ認識したことは、
図1の機械は、望ましくない量の梳かれた繊維をドッファプレート20及び下部スライドプレート22のうちの一方又は両方に対してドッフィングすることであった。これらの繊維は、空気供給AS内に取り込まれていかず、塊になりコンデンサ18までドッファプレート20及び下部スライドプレート22の一方又は両方を転がり落ちた。これが、上述された不均一な堆積の1つの原因として疑われた。これに応じて、本発明者らは、ドッファプレート及び/又は下部スライドプレートが除去されているもの、又は
図1の機械に対して変更された幾可学的形状を有するものを含む、様々な解決策、機械などを提案する。
【0008】
本発明者らはまた、本明細書において簡潔に説明され、どちらも2019年8月8日に出願され、どちらも本明細書において参照により組み込まれる、国際出願PCT/US2019/045603号(米国特許仮出願第62/717069号に基づく)において、及び国際出願PCT/US2019/045604号(米国特許仮出願第62/717095号に基づく)においてより詳細に説明される、コンデンサ上における改善されたより均一な繊維の堆積を可能にする他の構成要素及び機械実施形態も認識した。
【0009】
これらの構成要素は、ほんの数例を挙げると、コンデンサの回転方向に対して逆の向きを有するシール、繊維のドッフィング及び/又はコンデンサ上における繊維の重畳を視認することを可能にする、機械のハウジング内の1つ以上のポートの追加、気流内への繊維のドッフィング地点を変更するノーズバー及び/又はノーズバー延長部の追加、空気供給内への、及び/又は空気供給からの通気及び/又は空気の取り入れを促進するように構成された、ハウジング内の様々な空気通気通路、ドッファプレート、及び/又は下部スライドプレートの追加を様々に含む。更なる構成要素及び機械の実施形態が本明細書において開示され、図を参照して説明される。
【0010】
図1は、ランダム繊維ウェブを形成するための既知の機械10の部分を示しており、上記において先に説明された。このような機械10では、ウェブは、既知の化学的又は機械的接合処理によって不織布を生産するのに適している。例えば、乾式成形された構造は、スプレーによる、又は含浸による接着剤の適用などの既知の手段によって化学的に接合され得、また、接合は、低い融点を有し、熱及び圧力によって非接着性繊維への接合を形成することができる、繊維の使用によっても達成され得る。機械的接合は、ニードリング、ステッチボンディング、プリントボンディングなどによって実施され得る。これらの仕上げ方法によって生産される任意の不織布の品質は、処理される、又は仕上げられるウェブ構造の品質及び均一性に依存する。
【0011】
更に
図1を参照すると、本明細書において説明されるプロセスは大量生産で実施され得る。例えば、機械10では、ドッフィングされた繊維は、同じ速度で回転することができる、リッカーイン12によって最大5,000フィート/分の初期速度で放出され得る。最大20,000フィート/分の速度もリッカーイン12にとって珍しくない。ドッフィングされた繊維は、リッカーイン12の近傍を通過する空気供給ASに取り込まれ得る。空気供給ASは、空気供給AS内に取り込まれたドッフィングされた繊維と共に、リッカーイン12の近傍から、ドッファプレート20及び下部スライドプレート22によって部分的に画定されたチャンバ23内へと流れる。これらの2つのプレートは、通常、最初に15°未満の角度を有する。しかし、ドッファプレート20及び下部スライドプレート22は、チャンバ23の断面がリッカーイン12の近傍からコンデンサ18の近傍へと増大するよう、互いに対して角度をなしている。空気供給ASは、空気供給AS内の空気流の平均速度が初期繊維速度の0.5~1.5倍である状態で、ドッフィングされた繊維が空気供給AS内に放出されるように制御され得る。ドッフィングされた繊維は、好ましくは、1インチの機械の幅又は空気流の幅当たり3~30ポンド/時間の速度でコンデンサ18上に放出されるが、機械10は、より低速、及びより高速の動作に好適であり得る。通常、大きな空気体積が、ドッフィングされた繊維をコンデンサ18へ運ぶために空気供給ASとして用いられる。標準的な密度及び温度条件(70°F及び29.92”Hgにおいて0.075lbs./cu.ft.)において、単位時間当たり処理される繊維の重量に対して20~30倍の空気の重量で動作することが典型的である。
【0012】
空気供給ASは、均一な速度、低い乱流を有し、リッカーイン12の運動方向において、渦の無い、安定した気流を有することが望まれる。残念ながら、機械10がいつもこうであるとは限らない。以前には、空気供給ASを運ぶチャネル/チャンバの設計は、繊維がチャンバ23の上流でドッフィングされる、リッカーイン12の近傍の領域25内にベンチュリを作り出すように成形されるべきであると考えらえていた。更に、リッカーイン12の表面の周りに形成された境界層は、チャンバ23(時として膨張チャンバと呼ばれる)の始点におけるリッカーイン12の直下の最大剪断点においてチャンバ23の近傍に位置しているドッフィンッグバー24の使用によって遮られ得る。ドッフィンッグバー24は、ドッフィングされた繊維が通過する空気供給AS内に制御された低レベルの乱流をもたらすように構成されている。
【0013】
繊維が、リッカーイン12の円筒表面上を覆うフック、突起、若しくはワイヤの一部でベンチュリ25及び空気供給AS内の放出地点(ドッフィング地点又はドッフィング位置と呼ばれる)へと運ばれる狭い通路を提供するために、ノーズバー26が利用され、リッカーイン12の表面から少し離れた所に配置され得る。サーベルロール16は、ノーズバー26及びリッカーイン12の近傍に配置され得、空気供給AS内及びその近傍に配置され得る。サーベルロール16は、機械10のサイドハウジング内で偏心運動のために軸支され得る。サーベルロール16は、空気供給ASの流れを広げ、繊維をリッカーイン12からドッフィングするのを助ける。サーベルロール16の偏心した取り付けは、リッカーイン12とサーベルロール16との間の空間を変化させ、空気供給ASをドッフィング位置に制限することを可能にする。
【0014】
上述されたように、本発明者らは、コンデンサ上に繊維のより均一な堆積を提供するために
図1の機械10を変更する構成要素を認識した。より具体的には、本発明者らは、
図1の機械10では、ドッフィング位置及びドッフィング軌道が望ましくなく、繊維のうちの少なくとも一部がドッファプレート20及び/若しくは下部スライドプレート22に向けてドッフィングされ、それらと接触し、互いに入り乱れて絡まるため、通常、コンデンサ18上への繊維の不均一な堆積をもたらすことを認識した。更に、本発明者らは、
図1の機械10が、完全に取り囲まれた膨張チャンバ、及び機械10内で空気供給ASを流通させる完全に取り囲まれたチャンバ及びチャネルの完全に取り囲まれた他の部分を含む因子に起因する、乱気流、空気流サージ、及び/又は空気渦の影響を受けやすいことを認識した。ドッフィング位置及びその直後におけるベンチュリ25の使用もまた、全ての実施形態において不必要であることが本発明者らによって見いだされた。本発明者らはまた、膨張チャンバの幾可学的形状の変更、並びに実際に、場合によっては、ドッファプレート20及び/又は下部スライドプレート22の除去若しくは変更が望ましい場合があることも認識している。
【0015】
図2は、空気式繊維送りシステムを用いてランダム繊維ウェブを形成する非常に概略的な方法100を示す。本方法は、複数の回転可能なロールを提供することを含み得る。これらの回転可能なロールは、フィードロール104、リッカーインロール106、及びサーベルロール108を含むことができる。用語「ロール」は、本明細書で使用するとき、ベルトなどの、可動、駆動型、又は送り型装置のうちの任意のものを意味するよう広義に定義され、したがって、ロールなどの回転可能装置のみに限定されない。リッカーインロール106は、フィードロール104によってリッカーインロール106の近傍に給送された繊維マットから複数の繊維を取るためのフック、突起、及び/又は他の特徴と共に構成され得る。サーベルロール108は、リッカーインロール106の近傍に(リッカーインロール106の1インチ~数インチ未満以内に)可動に配置され得る。
【0016】
システム100は、システム内のドッフィング位置において複数の繊維をリッカーインロールからドッフィングすることを含むことができる。方法100は、空気供給を流通させ、複数の繊維を、ドッフィング後に空気供給に取り込むことを更に含むことができる。加えて、システム100は、空気供給から複数の繊維を収集し、ランダム繊維ウェブを形成することを含むことができる。繊維のこのような収集は、コレクタ110(コンデンサとも呼ぶ)において行われ得る。コレクタは、繊維がコレクタ110へ落下するのに伴って、重畳された繊維を集めて、新たなランダム繊維ウェブを形成するために動作し得るロール又はベルトなどの可動装置を含むことができる。
【0017】
複数の繊維が空気供給AS内に取り込まれた状態の空気供給ASは、リッカーインロール106及びサーベルロール108の近傍から(空気供給ASの流れの方向において)下流にあるチャネル(本明細書においてチャンバ、空間、又はボリュームとも呼ばれる)を通過することができる。このチャネルは、リッカーインロール106及びサーベルロール108の近傍からコレクタ110の近傍まで延びていてもよい。チャネルは、ハウジング112によって少なくとも部分的に画定され得る(このハウジング112は、本明細書において前述されたとおり、ドッファプレート、下部スライドプレート、及び/又はサイドハウジングを含み得る)。
【0018】
上述されたように、及び以降本明細書において更に説明されるように、本発明者らは
図1のシステム10を変更した。
図2は、本発明者らが企図するある一部のシステム及び構成要素の変更を示す。これらの変更及び構成要素は
図3~
図7を参照して更に説明される。全開示が全体的に本明細書において組み込まれる、どちらも2019年8月8日に出願された、同時係属出願の国際出願PCT/US2019/045603号、及び国際出願PCT/US2019/045604号に、更なる構成要素及び変更が記載されている。
【0019】
具体的には、国際出願PCT/US2019/045604号において説明されるように、ノーズバーアセンブリがフィードロール104とリッカーインロール106との間の延長ノーズバーを含み得る。システム100はまた、リッカーインロール106とサーベルロール108との間に配置された空気偏向器アセンブリを提供することを含み得る。空気偏向器アセンブリは、フィードロール104の近傍の機械のハウジングに取り付けられてもよく、リッカーインロール106の近傍への空間内へ延びていてもよい。システム100はまた、サーベルロール108の周りの空気流を制御するために、サーベルロール108の近傍にダンパ118を提供することを含み得る。システム100は、サーベルロール108の代わりに用いることができるエアフォイルを提供することを含み得る。
【0020】
システム100への利用することができる4つの他の可能な追加が、国際出願PCT/US2019/045603号に記載されている。このような追加は、フィードロール104とリッカーインロール106との間の延長ノーズバーを含むことができるノーズバーアセンブリを提供することを含み得る。ノーズバーアセンブリは、いくつかの実施形態では、テクスチャリングを有することができる(即ち、カーディングワイヤ等などによる表面特徴部を含むことができる)。システム100は、サーベルロールアセンブリ内の通気孔(即ち、サーベルロール108と、サイドハウジング内に回転可能に取り付けられたサーベルロール端部キャップとの間の通気孔)を提供することを含み得る。システム100は、ハウジング112内の1つ以上の視認用ポートを提供することを含み得る。これらの1つ以上の視認用ポートは、例えば、ドッフィング位置の近傍(例えば、リッカーインロール106の近傍)、及びコレクタ110の近傍に配置され得る。これらの視認用ポートは、例えば、繊維のドッフィングを視認/監視すること、及び/又は繊維がコレクタ110上に落下してランダム繊維ウェブを形成する際の繊維を視認/監視することを可能にする。加えて、システム100は、コレクタ110と係合し、更に、下部スライドプレートに取り付けられた、リバースシールを提供することができる。このリバースシールは、下部スライドプレートから延びるように成形されてもよく、先端がコレクタ110の回転方向とは概ね反対の方向に延びるように向けられていてもよい。
【0021】
これらの追加は、国際出願PCT/US2019/045603号において説明されるとおり、共同で、単独で、又は様々な組み合わせで利用され得る。それらはまた、国際出願PCT/US2019/045604号の改善と組み合わせて、又は部分的に組み合わせて利用され得る。更に、国際出願PCT/US2019/045603号及び国際出願PCT/US2019/045604号の両方の組み合わせ又は部分的組み合わせが、本明細書において説明される改善と共に利用され得る。
【0022】
図2は、空気流のための開放チャンバ150及び空気流のための制御装置160を含む、ステップ150及び160を示す。
図1のシステムでは、空気流は、空気供給ASからのみ供給され、真空によってコレクタ110内に収集される。しかし、本明細書において説明される少なくともいくつかの実施形態では、ハウジング112は、より制限の少ない空気流のための開放チャンバ150を有するように設計されている。上述されたように、
図1の設計に関するいくつかの問題は、繊維がドッファプレート20又は下部スライドプレート22のどちらかと衝突する傾向にあることである。ハウジング112内のより開放したチャンバ150は、より制限の少ない流れを可能にし、空気、又は取り込まれた繊維がリッカーインロール106とコレクタ110との間の、システム100の構成要素と衝突する可能性を低減する。
【0023】
加えて、いくつかの実施形態では、空気流制御装置160が、空気供給ASなどの、空気供給からの空気のために設けられる。
図1に示されるとおり、空気は、サーベルロール16とリッカーインロール12との間に空気供給ASから供給され、コレクタ18まで送られる。システム10では、システムに入る、又はシステムから出る追加の空気供給源が存在しない。これは、ハウジング内の空気流に予測不可能な挙動をさせる可能性があり、多くの場合、取り込まれた繊維が塊になり、不均質なウェブをもたらす。したがって、いくつかの実施形態では、空気が、空気供給AS以外の供給源からシステムに入る、又はシステムから出ることができるよう、静的空気制御装置が設けられる。加えて、ハウジング112内の空気流の方向は、ハウジング内に配置された動的空気制御機構によって少なくとも部分的に制御可能である。
【0024】
図3Aは、機械220が、送り装置(例えば、回転可能フィードロール204)、リッカーイン(例えば、リッカーインロール206)、サーベル(例えば、サーベルロール208)、チャネル226、及びコレクタ210を含み得ることを示す。回転可能なリッカーインロール206は、フィードロール204によってリッカーインロール206の近傍に給送された繊維マットから複数の繊維を取るように構成され得る。リッカーインロール206は、複数の繊維をリッカーインロール206からドッフィングするように構成され得る。回転可能なサーベルロール208は、フィードロール204及びリッカーインロール206の近傍に配置され得る。チャネル226は、空気供給ASをリッカーインロール206とサーベルロール208との間に画定された空間228へ流通させることができる。空間228は、リッカーインロール206からの複数の繊維のドッフィングが行われるドッフィング位置を含むことができる。回転可能なコレクタ210は、空気供給AS内に一旦ドッフィングされた複数の繊維を捕捉するように配置され得る。複数の繊維は、重畳されたときに、ランダム繊維ウェブをコレクタ210上に形成する。
【0025】
空気偏向器アセンブリ216は、リッカーインロール206とサーベルロール208との間に配置された薄い材料シートを含むことができる。空気偏向器アセンブリ216は、フィードロール204の近傍の機械220のハウジング部分240に取り付けられてもよく、リッカーインロール204の近傍(1インチ未満又は数インチ未満以内)への空間228内へ延びていてもよい。
【0026】
図3Aの実施形態は、リッカーインロール206の近傍に配置されており、機械220のサーベルロール208に向かってリッカーインロール206に沿って延びたノーズバーアセンブリ214を更に示す。より具体的には、ノーズバーアセンブリ214は、ノーズバー230及びノーズバー延長部232を含むことができる。ノーズバー延長部232及びノーズバー230は、互いに結合され得る、又は単一の構成要素であり得る。ノーズバー延長部232は、リッカーインロール206に沿って、かつサーベルロール208に向かって延びていてもよい。
【0027】
図3Aの実施形態では、ノーズバー延長部232は、ノーズバー延長部232(及び実際にリッカーインロール206とサーベルロール208との間に延びている)と空間226との間に配置された、空気偏向器アセンブリ216によって空間226から隔てられていてもよい。
図3Aでは、空気偏向器アセンブリ216は、空気供給ASをノーズバー延長部232及びドッフィング位置(即ち、複数の繊維がリッカーインロール206からドッフィングされる位置)から遠ざかるよう偏向させるように配置され、構成されている。それゆえ、ドッフィング位置は、ノーズバー延長部232の終端地点の近傍の、リッカーインロール206と空気偏向器アセンブリ216との間に画定された第2の空間234内に位置し得る。それゆえ、ドッフィング位置は、空気偏向器アセンブリ216の存在により、第2の空間234内にあり、直接、空間228内の空気供給AS内にはない。言い換えれば、
図3Aの実施形態では、ドッフィング位置は、空気供給AS内に直接位置しておらず、空気偏向器アセンブリ216によって空気供給ASから隔てられている。
【0028】
ノーズバーアセンブリ214は、フィードロール204とリッカーインロール206との間に少なくとも部分的に配置されてもよく、第2の空間234内へ延びていてもよい。ノーズバーアセンブリ214は、リッカーインロールの外周の部分の近傍に(1インチ未満又は数インチ未満以内に)配置され得、その周りに最大170度まで延びることができる。ノーズバーアセンブリ214、及び特に、ノーズバー延長部232は、ドッフィング位置及び軌道を制御することができる。ノーズバー延長部232は、複数の繊維が空気偏向器アセンブリ216、ドッファプレート20、及び/又は下部スライドプレート22を通過し、空気偏向器アセンブリ216の端部236を越えた後に空気供給AS内に取り込まれるようによりうまく配置されるよう、ドッフィング位置及び軌道を移動させるように成形され、配置され得る。
【0029】
図3Bは、空気供給AS、送り装置(例えば、回転可能フィードロール304)、リッカーイン(例えば、リッカーインロール306)、サーベル(例えば、サーベルロール308)、空間328を含むチャネル326、及びコレクタ310を有する機械320を示す。回転可能なリッカーインロール306は、フィードロール304によってリッカーインロール306の近傍に給送された繊維マットから複数の繊維を取るように構成され得る。リッカーインロール306は、複数の繊維をリッカーインロール306からドッフィングするように構成され得る。回転可能なサーベルロール308は、フィードロール304及びリッカーインロール306の近傍に配置され得る。チャネル326は、空気供給ASを、リッカーインロール306とサーベルロール308との間に画定された空間328へ流通させることができる。空間328は、リッカーインロール306からの複数の繊維のドッフィングが行われるドッフィング位置を含むことができる。回転可能なコレクタ310は、空気供給AS内に一旦ドッフィングされた複数の繊維を捕捉するように配置され得る。複数の繊維は、重畳されたときに、ランダム繊維ウェブをコレクタ310上に形成する。
【0030】
図3Bの実施形態は、リッカーインロール306の近傍に配置されており、機械320のサーベルロール308に向かってリッカーインロール306に沿って延びたノーズバーアセンブリ314を示す。
図3Bは、機械320のリッカーインロール306の近傍のサーベルロール端部キャップ322内の通気孔315を追加的に示す。サーベルロール端部キャップ322は、サイドハウジング内で可動であり得るため、通気孔315の位置はリッカーインロール306に対して変更され得る。
図3Bは、機械320のサイドハウジング内の1つ以上の視認用ポート316を示す。1つ以上の視認用ポート316は、ドッフィング位置の近傍(例えば、リッカーインロール306の近傍)、及びコレクタ310の近傍に配置され得る。装置320は、下部スライドプレート324から延び、コレクタ310と係合するように成形されたリバースシール318を含むことができる。リバースシール318は、先端がコレクタ310の回転方向とは概ね反対の方向に延びるように向けられていてもよい。
【0031】
図3A及び
図3Bの実施形態はどちらも、繊維が空気供給AS内へドッフィングされ、コレクタに向けて投じられる実施形態を示す。その間に、取り込まれた繊維は、枠250によって強調されたチャンババリアを有するハウジングを通り抜ける。これらのチャンババリアのうちのいずれかとの接触は、移動する繊維の速度を0に低減し、繊維の全体的な加速度を低減して、繊維を近くの繊維と絡み合わせることができ、所望されるよりも高い繊維密度の結果として得られるウェブ領域をもたらす塊を作り出す。
【0032】
図4~
図5に示されるものなどの、いくつかの実施形態では、チャンババリアが、機械を通る空気流のためのより広い経路を作り出し、これにより、取り込まれた繊維は、障害物に遭遇することなくドッフィング位置からコレクタへ直接至る経路に沿って移動する可能性がより高くなる。本発明者らは、本明細書において説明される様々なチャネル設計が、空気供給がコレクタに到達する前に、複数の繊維が空気供給AS内に取り込まれた状態で空気供給ASをそれぞれのチャネルにわたってより均質に広げるように構成されていることを見いだした。これは、ランダム繊維ウェブを形成する際のコレクタ上におけるより均質なクロスウェブの堆積を可能にする。
【0033】
図4は、ドラム404を含む機械402の部分であるシステム400の一実施形態を示す。
図4では、ドッファプレートは、ドラム404によって置換されている。ドラム404は、リッカーインロールから間隔があいていてもよく、コレクタ414の近傍に配置され得る。ドラム404は、複数の繊維がドッフィング位置の下流で空気供給AS内に取り込まれた状態の空気供給ASのコレクタ410への通過をもたらすチャネル408と(例えば、ドラム404の円筒壁を貫く開口部を介して)連通した1つ以上の通路406を含むことができる。1つ以上の通路406は、システム400及び機械402内の条件が要求する場合には、ある量の空気供給ASが1つ以上の通路406を通過することを可能にするように構成されている。代替的に、1つ以上の通路は、機械402の外部からの周囲空気が、1つ以上の通路を通ってチャネル408内へ入ることを可能にするように構成されている。
【0034】
ドラム404は、いくつかの実施形態では、動く表面を提供することができ、(ドラム404によって部分的に画定される)チャネル408のサイズ及び形状を変更するために、コレクタ410へ相対的により近づくように、又はより遠ざかるように動くよう構成され得る。ドラム404は、
図4における矢印Rによって指示されるように回転することができる。このような回転は、いくつかの実施形態では、周囲空気又は空気供給ASの通過の結果であり得る。他の実施形態では、ドラム404は、矢印Rによって示される回転を促進するために動力を供給され得る。
図4には、ドラム404が具体的に示されているが、他の実施形態は、プレート、ニップ、ベルト、ロール等、又はチャネル408のサイズ及び形状を変更するために位置を変更することができる他の種類の装置を企図することができる。なお更なる実施形態では、空気供給ASへの、又は空気供給ASからの自由な空気の流れ及び交換のためにドラムがあるであろう位置では、チャネル808が周囲環境へ開放されるように、装置(例えば、ハウジング、プレート、ニップ、ドラム、ベルト、ロール等)が設けられなくてもよい。
【0035】
図5は、矢印562、564によって指示される方向に回転することができる回転可能なドッフィンッグバー延長部560として
図5に示される、動的空気制御機構560を含む機械502の部分であるシステム500の一実施形態を示す。一実施形態では、ドッフィンッグバー延長部560は、30°超、60°超、90°超、120°超、又は更に150°超の機能的回転範囲を有し得る。いくつかの実施形態では、ドッフィンッグバー延長部560は、物理的に更に回転し得るが、大きな機能的利点をもたらさない。延長ドッフィンッグバー560の位置を変えることは、ASからチャンバ550を通る空気の流れに影響を及ぼす。ドッフィンッグバー560の位置及び下部スライドプレート568の位置を変えることによって、空気流路566に影響を及ぼすことができ、取り込まれた繊維のより優れた制御、及び繊維がコレクタ510に接触する際のクロスウェブ方向のより優れた均一性を可能にする。
【0036】
ドッフィンッグバー560は、
図5において、リッカーインロール506とコレクタ510との間の距離の部分のみにわたって延びているように示されている。いくつかの実施形態では、ドッフィンッグバーは、リッカーインロール506とコレクタ510との間の距離の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、又は少なくとも45%にわたって延びている。いくつかの実施形態では、ドッフィンッグバーは、リッカーインロール506とコレクタ510との間の距離の50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、又は90%超にわたって更に延びている。
【0037】
加えて、ドッフィンッグバー560は、回転部分から延びる直線状のバーを有するように示されている。しかし、いくつかの実施形態では、直線状部分は、スライドプレート568に向かうように湾曲しているか、又はスライドプレート568から遠ざかるように湾曲しているかのどちらかに湾曲していてもよい。
【0038】
チャンバ550の完全な最外周は、
図5に示されていない。システム500は、いくつかの実施形態では、流路550内における空気及び取り込まれた繊維の移動のより優れた制御を同様に可能にし得る、
図4のドラム404などの、上部ドラムと組み合わせられ得る。代替的に、いくつかの実施形態では、
図1のプレート20などの、ドッフィンッグプレートがチャンバ550上の上部境界を提供し得る。上部境界はまた、他の実施形態では、標準ガラス又は金属ハウジングであり得る。これら及び他の好適な構成も明示的に企図される。本明細書において、又は国際出願PCT/US2019/045603号(米国特許仮出願PCT62/717069に基づく)において、又は国際出願PCT/US2019/045604号(米国特許仮出願第62/717095号に基づく)において説明されるもののうちのいずれかなどの、他の静的及び動的空気制御機構も延長ドッフィンッグバー560と組み合わせて用いられ得る。例えば、リッカーインロールに対する下部スライドプレート又はサーベルロールの位置である。
【0039】
図6は、不織布ウェブ生成システム600の構成要素図を示す。システム600は、繊維を繊維フィーダ610に供給する、繊維供給源602を含む。リッカーインロール630が繊維捕捉機構634を用いて繊維フィーダ610から繊維を回収する。リッカーインロール630は、一実施形態では、回転機構632を用いて回転する、回転リッカーインロール630である。リッカーインロール630は、繊維をドッフィングし、繊維は、空気供給源620から供給された空気流内に取り込まれ、コンデンサ650によって収集される。真空652が繊維を、回転機構654を用いて回転するコンデンサ650上におけるクロスウェブ方向に沿った所定位置に引き寄せる。
【0040】
空気供給源620からの空気流は、空気流制御機構640を用いて制御される。空気流制御機構640は、静的空気制御装置642を含んでもよく、静的空気制御装置642は、本明細書で使用するとき、概して動作の合間に調整されず、動作中は設定された動作位置にとどまるコントローラ642を説明することが意図される。空気流制御機構640は、いくつかの実施形態では、動作の合間に調整され得る動的空気制御機構644であり得る。動的空気制御機構644は、いくつかの実施形態では、動作中も調整可能であり得るが、その場調整は、安全性の理由から推奨することができない。リッカーインロール又はコンデンサ650の位置、運動、及び運動速度、例えば、回転速度は、いくつかの実施形態では、不織布ウェブ生成システム600の部分であり得る、又は有線若しくは無線接続を通じて不織布ウェブ生成システム600に接続され得る、制御システム660によって制御され得る。
【0041】
図7A~
図7Dは、本発明の一実施形態に係る空気流を制御するためのドッフィンッグプレート及び延長ドッフィンッグバーの図を示す。
図7A及び
図7Bは、従来技術のドッフィンッグプレート、例えば、
図1からのプレート20の図を示す。ドッフィンッグプレート720は、従来技術の機械において用いられるとき、空気流チャンバの上部境界を作り出す。
図7Aに示されるように、ドッフィングアセンブリ700は、湾曲を有するドッフィンッグプレート720を含み、ドッフィンッグプレート720がリッカーインロールに接続する地点704から、ドッフィンッグプレート720が繊維コレクタに接続する地点702まで延びている。ドッフィンッグプレート720は、システムの動作中に固定位置712にあるドッフィンッグバー710に接続している。ドッフィンッグプレート720は、形成された繊維ウェブが通過する間隙が地点702において形成されるよう、いくらかの回転を有するように意図されている。形成された繊維ウェブは、ドッフィンッグプレート720によって作り出された間隙を閉じる。ドッフィンッグプレート720は、数度、例えば、10°未満又は15°未満回転し得るが、作り出された任意の間隙は、アセンブリ700の動作中に形成された繊維ウェブによって封止されることが意図される。加えて、上述されたように、ドッフィンッグプレート720は、ドッフィング位置からコレクタへの自由な空気流に関するいくらかの問題を呈する。
【0042】
対照的に、
図7C及び
図7Dは、延長ドッフィンッグバーアセンブリ750の図を示す。
図7Cに示されるように、動作中にシステム内に固定された延長部分770がドッフィンッグバー760から延びている。しかし、延長部分770は、回転軸780を中心に回転可能である。
図7C及び
図7Dに示されるように、いくつかの実施形態では、回転は、回転軸780の周りの約150°の範囲を含み得る、回転経路782によって制限される。しかし、他の実施形態では、回転範囲はより大きく、例えば、ドッフィンッグバー760及びリッカーインロールの位置によってのみ制限されてもよく、又は回転範囲はより小さくてもよい。例えば、回転範囲は、30°、40°、50°、60°、70°、80°、90°、100°、110°、120°、130°、又は140°と小さいものであり得る。加えて、回転範囲は、140°よりも大きくても、又は150°よりも大きくてもよい。回転角度はまた、ドッフィンッグバー760がスライドプレートと平行に配置される0°の位置に対して表すこともできる。回転範囲は、例えば、スライドプレートに向かう方向に0°~30°、若しくはそれ以上、又はスライドプレートから遠ざかる方向に0°~60°、若しくはそれ以上であり得る。
【0043】
図7C及び
図7Dの実施形態では、延長ドッフィンッグバーアセンブリ750は、封止機能又は上部境界の機能を果たさない。いくつかの実施形態では、別個の境界も含まれ得る。いくつかの実施形態では、別個の境界は、多孔性である、又は空気流チャネルと周囲環境との間の空気の流れを可能にするように他の仕方で構成されている。
【0044】
空気式繊維送りシステムを用いてランダム繊維ウェブを形成する方法が提示される。本方法は、リッカーイン及びフィーダを含む複数の可動装置を提供することを含む。リッカーインは、フィーダによってリッカーインの近傍に給送された繊維マットから複数の繊維を取るように構成されている。本方法はまた、複数の繊維をシステム内のドッフィング位置においてリッカーインからドッフィングすることを含む。本方法はまた、空気供給を伝え、複数の繊維を、ドッフィング後に空気供給に取り込むことを含む。本方法はまた、リッカーインとコレクタとの間の流路内の空気供給を制御することを含む。本方法はまた、コレクタ上に空気供給から複数の繊維を収集し、ランダム繊維ウェブを形成することを含む。
【0045】
流路内の空気供給を制御することは、静的空気制御機構を含み得る。
【0046】
静的空気制御機構は、サーベルアセンブリ内の通気孔、チャンバ、ドッファプレート、又は下部スライドプレートを含み得る。
【0047】
静的空気制御機構は、フィーダとリッカーインとの間の延長ノーズバーを含み得る。
【0048】
静的空気制御機構は、下部スライドプレートからコレクタまで延びたリバースシールを含み得る。
【0049】
静的空気制御機構は、空気供給と周囲空気供給源との交換を可能にするドラムを含み得る。
【0050】
ドラムは回転し得る。
【0051】
静的空気制御機構は、空気偏向プレートを含み得る。
【0052】
流路内の空気供給を制御することは、動的空気制御機構を含み得る。
【0053】
動的空気制御機構は、空気式繊維送りシステムが非稼動状態になっているときにのみ調整可能であり得る。
【0054】
動的空気制御機構は、延長ドッファバーを含み得る。
【0055】
延長ドッファバーは、空気式繊維送りシステムのチャンバ内で回転可能であり得る。延長ドッファバーの回転は、空気供給を、チャンバ内における第1の空気流パターンからチャンバ内における第2の空気流パターンへと変更させる。
【0056】
動的空気制御機構は、空気供給を案内するために配置されたエアフォイルを含む。
【0057】
本方法は、ドッフィング位置、及び空気供給の流れる方向によって画定された、ドッフィング位置の下流のうちの少なくとも一方への空気供給の量を制御することを更に含み得る。
【0058】
空気供給の量を制御することは、ダンパ、ノーズバー延長部、空気偏向プレート、エアフォイル、及びシステムのハウジング内の1つ以上の通路のうちの1つ以上を提供することを含み得る。
【0059】
ランダム繊維ウェブを形成するための空気式繊維送りシステムが提示される。システムは、フィーダを含む。システムはまた、フィーダによってリッカーインの近傍に給送された繊維マットから複数の繊維を取るように構成されており、複数の繊維をリッカーインからドッフィングするように構成されているリッカーインを含む。システムはまた、空気供給をリッカーインの近傍の空間へ流通させるチャネルであって、空間が、リッカーインからの複数の繊維のドッフィングが行われるドッフィング位置を含む、チャネルを含む。システムはまた、空気供給内に一旦ドッフィングされた複数の繊維を捕捉するために配置されたコレクタであって、複数の繊維が、コレクタ上にランダム繊維ウェブを形成する、コレクタを含む。システムはまた、チャネル内の空気制御機構を含む。
【0060】
空気制御機構は、静的空気制御機構であり得る。
【0061】
空気制御機構は、動的空気制御機構であり得る。
【0062】
静的空気制御機構は、サーベルアセンブリ内の通気孔、チャンバ、ドッファプレート、又は下部スライドプレート内の通気孔を含み得る。
【0063】
静的空気制御機構は、フィーダとリッカーインとの間の延長ノーズバーを含み得る。
【0064】
静的空気制御機構は、下部スライドプレートからコレクタまで延びたリバースシールを含み得る。
【0065】
静的空気制御機構は、空気供給と周囲空気供給源との交換を可能にするドラムを含み得る。
【0066】
ドラムは上部コンデンサを含み得る。
【0067】
上部コンデンサは回転し得る。
【0068】
静的空気制御機構は、空気偏向プレートを含み得る。
【0069】
動的空気制御機構は、延長ドッファバーを含み得る。
【0070】
延長ドッファバーは、空気式繊維送りシステムのチャンバ内で回転可能であり得る。延長ドッファバーの回転は、空気供給を、チャンバ内における第1の空気流パターンからチャンバ内における第2の空気流パターンへ変更させる。
【0071】
ドッフィング位置の下流のチャネルは、第1のプレートによって部分的に形成された、空気供給の流れる方向によって画定され得る。第1のプレートは、空気供給の流れる方向と実質的に整列するように構成された、第1のプレートの領域とインタフェースするチャネルに沿った実質的に平坦な表面を有する。
【0072】
第1のプレートの第1の端部は、延長ドッファバーを越えてリッカーインの近傍まで延びている。
【0073】
システムはまた、ドッフィング位置の下流のチャネルと連通した1つ以上の通路を含み得る。1つ以上の通路は、ある量の供給空気が1つ以上の通路を通過することを可能にするとともに、ある量の周囲空気が1つ以上の通路を通過し、チャネル内に入ることも可能にするように構成され得る。
【0074】
1つ以上の通路は、チャネルを取り囲むハウジングの一部分によって形成され得る。
【0075】
システムは、リッカーインの近傍に配置されており、かつ空間内へ延びている偏向プレートを更に含み得る。偏向プレートは、空気供給と複数の繊維とを、ドッフィング位置の後まで分離したまま維持するように配置され得る。
【0076】
システムは、リッカーインと偏向プレートとの間に配置されたノーズバーアセンブリを更に含み得る。ノーズバーアセンブリは、ドッフィング位置を、フィードロールを通り越し、リッカーインと偏向プレートとの間に画定された第2の空間内へ延長するように構成され得る。
【0077】
システムは、チャネル内に配置されたエアフォイルであって、第2の空間内への供給空気の少なくとも一部の通過を選択的に可能にするために、偏向プレートへ向かうよう、及び偏向プレートから遠ざかるよう選択的に可動であるように構成されている、エアフォイルを更に含み得る。
【0078】
システムは、チャネル内に配置されたダンパであって、リッカーインとインタフェースしないサーベルロールの一部の周りの供給空気の少なくとも一部の通過を選択的に可能にするために、サーベルロールへ向かうよう、及びサーベルロールから遠ざかるよう選択的に可動であるように構成されている、ダンパを更に含み得る。
【0079】
ランダム繊維ウェブを形成するための空気式繊維送りシステムが提示される。システムは、リッカーイン及びフィーダを含む複数の可動装置を含む。リッカーインは、フィーダによってリッカーインの近傍に給送された繊維マットから複数の繊維を取るように構成されている。リッカーインは、複数の繊維をリッカーインからドッフィングするように構成されている。システムはまた、空気供給をリッカーインの近傍の空間へ流通させるチャネルであって、空間が、リッカーインからの複数の繊維のドッフィングが行われるドッフィング位置を含む、チャネルを含む。システムはまた、主空気供給内に一旦ドッフィングされた複数の繊維を捕捉するために配置されたコレクタであって、複数の繊維が、コレクタ上にランダム繊維ウェブを形成する、コレクタを含む。システムはまた、チャネル内の空気制御機構を含む。
【0080】
システムはまた、ドラム、ドッフィング位置の下流のチャネルと連通した1つ以上の通路、又はドッフィング位置の下流、かつコレクタより前のチャネル内の制限を含み得る。
【0081】
空気制御機構は、空気供給をコレクタに向けて案内し得る。
【0082】
空気制御機構は、調整可能であり得る。
【0083】
空気制御機構は、回転可能であり得る。
【0084】
空気制御機構は、チャネル内においてコレクタに向かって延びていてもよい。
【0085】
空気制御機構を調整することは、チャネルを通る空気供給の流路を変更し得る。
【0086】
空気制御機構は、リッカーインとコレクタとの間の中間点未満まで延びていてもよい。
【0087】
空気制御機構は、リッカーインとコレクタとの間の中間点を超えて延びていてもよい。
【0088】
空気制御機構は、実質的に平坦である延長部分を含み得る。
【0089】
空気制御機構は、湾曲した延長部分を含み得る。
【0090】
空気制御機構は、ドッフィンッグバーから延びており、ドッフィンッグバーによって画定された軸を中心に回転し得る。
【0091】
システムはまた、リッカーインの近傍に配置されており、かつ空間内へ延びている偏向プレートを含み得る。偏向プレートは、空気供給と複数の繊維とを、ドッフィング位置の後まで分離したまま維持するように配置され得る。
【0092】
システムはまた、リッカーインと偏向プレートとの間に配置されたノーズバーアセンブリを含み得る。ノーズバーアセンブリは、ドッフィング位置を、フィードロールを通り越し、リッカーインと偏向プレートとの間に画定された第2の空間内へ延長するように構成され得る。
【0093】
システムはまた、チャネル内に配置されたエアフォイルを含み得る。エアフォイルは、第2の空間内への供給空気の少なくとも一部分の通過を選択的に可能にするために、偏向プレートへ向かうよう、及び偏向プレートから遠ざかるよう選択的に可動であるように構成され得る。
【0094】
システムはまた、チャネル内に配置されたダンパであって、リッカーインとインタフェースしないサーベルロールの一部の周りの供給空気の少なくとも一部の通過を選択的に可能にするために、サーベルロールへ向かうよう、及びサーベルロールから遠ざかるよう選択的に可動であるように構成されている、ダンパを含み得る。
【0095】
システムはまた、チャネルと周囲空気の供給源との間の通路を含み得る。
【0096】
本明細書で使用するとき、
「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」という用語は、「少なくとも1つの」と交換可能に使用され、記載されている要素のうちの1つ以上を意味する。
【0097】
用語「及び/又は(and/or)」は、いずれか一方又は両方を意味する。例えば「A及び/又はB」は、Aのみ、Bのみ、又はAとBとの両方を意味する。
【0098】
用語「含む(including)」、「備える/含む(comprising)」又は「有する(having)」及びこれらの変化形は、それらの後に記載される物品及びそれらの均等物並びに付加的な物品を包含するものである。
【0099】
用語「隣接する」とは、本明細書で使用する場合、例えば、互いに近接している2つの層などの、2つの要素の相対位置を意味し、これらは、互いに接触していても必ずしも接触していなくてもよく、「隣接する」が用いられている文脈により理解される2つの要素を分離する1つ以上の層を有していてもよい。
【0100】
本明細書で使用される全ての科学用語及び技術用語は、別途明記しない限り、当該技術分野で通常使用される意味を有する。本明細書に提示される定義は、本出願で頻繁に使用される特定の用語の理解を促すためのものであり、そうした用語の妥当な解釈を本開示の文脈で排除することを意図していない。
【0101】
特に示さない限り、本明細書及び特許請求の範囲に使用される加工寸法(特徴サイズ)、量及び物理的特性を表す、説明及び特許請求の範囲における数字は全て、全ての場合において、「約」という用語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、特に反対の指示がない限り、上記明細書及び添付の特許請求の範囲に記載されている数値パラメータは、本明細書で開示される教示を利用して当業者が得ようとする所望の特性に応じて変動し得る近似値である。最低でも、各数値パラメータは少なくとも、報告される有効桁の数に照らして通常の丸め技法を適用することにより解釈されるべきであるが、このことは特許請求の範囲への均等論の適用を制限しようとするものではない。本開示の広範な範囲を記述する数値範囲及びパラメータは近似値であるが、具体例において記載される数値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、どの数値も、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を本質的に含んでいる。
【0102】
用語「実質的に」は、参照される属性から20パーセント以内(場合によっては15パーセント以内、更に他の場合では10パーセント以内、更に他の場合では5パーセント以内)を意味する。したがって、値Aが、値Aから5%、10%、20%のうちの1つ以上の、プラス/マイナスの範囲内にある場合、値Aは値Bと「実質的に類似」である。
【0103】
本開示の特徴及び利点は、詳細な説明及び付属する特許請求の範囲を考慮することで、更に理解されるであろう。
【0104】
端点による数値範囲の列挙には、その範囲内に包含される全ての数値(例えば、1~5の範囲は、例えば、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4及び5を含む)、及びその範囲内の任意の範囲が含まれる。
【0105】
好ましい実施形態を参照しながら本開示を説明してきたが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱しない範囲で形態及び細部の変更を行えることは、当業者であれば理解できるであろう。
なお、以上の各実施形態に加えて以下の態様について付記する。
(付記1)
空気式繊維送りシステムを用いてランダム繊維ウェブを形成する方法であって、
リッカーイン及びフィーダを含む複数の可動装置であって、前記リッカーインが、前記フィーダによって前記リッカーインの近傍に給送された繊維マットから複数の繊維を取るように構成されている、複数の可動装置を提供することと、
前記複数の繊維を前記システム内のドッフィング位置において前記リッカーインからドッフィングすることと、
空気供給を流通させ、前記複数の繊維を、前記ドッフィング後に前記空気供給に取り込むことと、
前記リッカーインとコレクタとの間の流路内の前記空気供給を制御することと、
コレクタ上に前記空気供給から前記複数の繊維を収集し、前記ランダム繊維ウェブを形成することと、
を含む方法。
(付記2)
前記流路内の前記空気供給を制御することが、静的空気制御機構を含む、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記静的空気制御機構が、サーベルアセンブリ内の通気孔、チャンバ、ドッファプレート、又は下部スライドプレートを含む、付記2に記載の方法。
(付記4)
前記静的空気制御機構が、前記フィーダと前記リッカーインとの間の延長ノーズバーを含む、付記2に記載の方法。
(付記5)
前記静的空気制御機構が、下部スライドプレートから前記コレクタまで延びたリバースシールを含む、付記2に記載の方法。
(付記6)
前記静的空気制御機構が、前記空気供給と周囲空気供給源との交換を可能にするドラムを含む、付記2に記載の方法。
(付記7)
前記ドラムが回転する、付記6に記載の方法。
(付記8)
前記静的空気制御機構が、空気偏向プレートを含む、付記2に記載の方法。
(付記9)
前記流路内の前記空気供給を制御することが、動的空気制御機構を含む、付記1に記載の方法。
(付記10)
前記動的空気制御機構が、前記空気式繊維送りシステムが非稼動状態になっているときにのみ調整可能である、付記9に記載の方法。
(付記11)
前記動的空気制御機構が、延長ドッファバーを含む、付記9に記載の方法。
(付記12)
前記延長ドッファバーが、前記空気式繊維送りシステムのチャンバ内で回転可能であり、前記延長ドッファバーの回転が、前記空気供給を、前記チャンバ内における第1の空気流パターンから前記チャンバ内における第2の空気流パターンへと変化させる、付記9に記載の方法。
(付記13)
前記動的空気制御機構が、前記空気供給を案内するために配置されたエアフォイルを含む、付記9に記載の方法。
(付記14)
前記ドッフィング位置、及び前記空気供給の流れる方向によって画定された、前記ドッフィング位置の下流のうちの少なくとも一方への前記空気供給の量を制御することを更に含む、付記1に記載の方法。
(付記15)
空気供給の前記量を制御することが、ダンパ、ノーズバー延長部、空気偏向プレート、エアフォイル、及び前記システムのハウジング内の1つ以上の通路のうちの1つ以上を提供することを含む、付記14に記載の方法。
(付記16)
ランダム繊維ウェブを形成するための空気式繊維送りシステムであって、
フィーダと、
リッカーインであって、前記フィーダによって前記リッカーインの近傍に給送された繊維マットから複数の繊維を取るように構成されており、前記複数の繊維を前記リッカーインからドッフィングするように構成されている、リッカーインと、
空気供給を前記リッカーインの近傍の空間へ流通させるチャネルであって、前記空間が、前記リッカーインからの前記複数の繊維の前記ドッフィングが行われるドッフィング位置を含む、チャネルと、
前記空気供給内に一旦ドッフィングされた前記複数の繊維を捕捉するために配置されたコレクタであって、前記複数の繊維が、前記コレクタ上に前記ランダム繊維ウェブを形成する、コレクタと、
前記チャネル内の空気制御機構と、
を備える、空気式繊維送りシステム。
(付記17)
前記空気制御機構が、静的空気制御機構である、付記16に記載のシステム。
(付記18)
前記空気制御機構が、動的空気制御機構である、付記16に記載のシステム。
(付記19)
前記静的空気制御機構が、サーベルアセンブリ内の通気孔、チャンバ、ドッファプレート、又は下部スライドプレートを含む、付記17に記載の方法。
(付記20)
前記静的空気制御機構が、前記フィーダと前記リッカーインとの間の延長ノーズバーを含む、付記17に記載の方法。
(付記21)
前記静的空気制御機構が、下部スライドプレートから前記コレクタまで延びたリバースシールを含む、付記17に記載の方法。
(付記22)
前記静的空気制御機構が、前記空気供給と周囲空気供給源との交換を可能にするドラムを含む、付記17に記載の方法。
(付記23)
前記ドラムが上部コンデンサを含む、付記22に記載の方法。
(付記24)
前記上部コンデンサが回転する、付記23に記載の方法。
(付記25)
前記静的空気制御機構が、空気偏向プレートを含む、付記17に記載の方法。
(付記26)
前記動的空気制御機構が、延長ドッファバーを含む、付記18に記載の方法。
(付記27)
前記延長ドッファバーが、前記空気式繊維送りシステムのチャンバ内で回転可能であり、前記延長ドッファバーの回転が、前記空気供給を、前記チャンバ内における第1の空気流パターンから前記チャンバ内における第2の空気流パターンへと変化させる、付記18に記載の方法。
(付記28)
前記空気供給の流れる方向によって画定された、前記ドッフィング位置の下流の前記チャネルが、第1のプレートによって部分的に形成されており、前記第1のプレートが、前記空気供給の流れる前記方向と実質的に整列するように構成された、前記第1のプレートの領域とインタフェースするチャネルに沿った実質的に平坦な表面を有する、付記27に記載のシステム。
(付記29)
前記第1のプレートの第1の端部が、前記延長ドッファバーを越えて前記リッカーインの近傍まで延びている、付記28に記載のシステム。
(付記30)
前記ドッフィング位置の下流の前記チャネルと連通した1つ以上の通路を更に備え、前記1つ以上の通路が、ある量の前記供給空気が前記1つ以上の通路を通過することを可能にするとともに、ある量の周囲空気が前記1つ以上の通路を通過し、前記チャネルに入ることも可能にするように構成されている、付記16に記載のシステム。
(付記31)
前記1つ以上の通路が、前記チャネルを取り囲むハウジングの一部分によって形成されている、付記27に記載のシステム。
(付記32)
前記リッカーインの近傍に配置されており、かつ前記空間内へ延びている偏向プレートを更に備え、前記偏向プレートが、前記空気供給と前記複数の繊維とを、前記ドッフィング位置の後まで分離したまま維持するように配置されている、付記16に記載のシステム。
(付記33)
前記リッカーインと前記偏向プレートとの間に配置されたノーズバーアセンブリを更に備え、前記ノーズバーアセンブリが、前記ドッフィング位置を、前記フィードロールを通り越し、リッカーインと前記偏向プレートとの間に画定された第2の空間内へ延長するように構成されている、付記32に記載のシステム。
(付記34)
前記チャネル内に配置されたエアフォイルであって、前記第2の空間内への前記供給空気の少なくとも一部の通過を選択的に可能にするために、前記偏向プレートへ向かうよう、及び前記偏向プレートから遠ざかるよう選択的に可動であるように構成されている、エアフォイル、又は
前記チャネル内に配置されたダンパであって、前記リッカーインとインタフェースしないサーベルロールの一部の周りの前記供給空気の少なくとも一部の通過を選択的に可能にするために、前記サーベルロールへ向かうよう、及び前記サーベルロールから遠ざかるよう選択的に可動であるように構成されている、ダンパ、
のうちの一方を更に備える、付記16に記載のシステム。
(付記35)
ランダム繊維ウェブを形成するための空気式繊維送りシステムであって、
リッカーイン及びフィーダを含む複数の可動装置であって、前記リッカーインが、前記フィーダによって前記リッカーインの近傍に給送された繊維マットから複数の繊維を取るように構成されており、前記複数の繊維を前記リッカーインからドッフィングするように構成されている、複数の可動装置と、
空気供給を前記リッカーインの近傍の空間へ流通させるチャネルであって、前記空間が、前記リッカーインからの前記複数の繊維の前記ドッフィングが行われるドッフィング位置を含む、チャネルと、
前記主空気供給内に一旦ドッフィングされた前記複数の繊維を捕捉するために配置されたコレクタであって、前記複数の繊維が、前記コレクタ上に前記ランダム繊維ウェブを形成する、コレクタと、
前記チャネル内の空気制御機構と、
を備える、空気式繊維送りシステム。
(付記36)
ドラム、前記ドッフィング位置の下流の前記チャネルと連通した1つ以上の通路、又は前記ドッフィング位置の下流、かつ前記コレクタより前の前記チャネル内の制限を更に備える、付記35に記載のシステム。
(付記37)
前記空気制御機構が、前記空気供給を前記コレクタに向けて案内する、付記35に記載のシステム。
(付記38)
前記空気制御機構が、調整可能である、付記35に記載のシステム。
(付記39)
前記空気制御機構が、回転可能である、付記38に記載のシステム。
(付記40)
前記空気制御機構が、前記チャネル内において前記コレクタに向かって延びている、付記35に記載のシステム。
(付記41)
前記空気制御機構を調整することが、前記チャネルを通る前記空気供給の流路を変更する、付記38に記載のシステム。
(付記42)
前記空気制御機構が、前記リッカーインと前記コレクタとの間の中間点未満まで延びている、付記35に記載のシステム。
(付記43)
前記空気制御機構が、前記リッカーインと前記コレクタとの間の中間点を超えて延びている、付記35に記載のシステム。
(付記44)
前記空気制御機構が、実質的に平坦である延長部分を含む、付記35に記載のシステム。
(付記45)
前記空気制御機構が、湾曲した延長部分を含む、付記35に記載のシステム。
(付記46)
前記空気制御機構が、ドッフィンッグバーから延びており、前記ドッフィンッグバーによって画定された軸を中心に回転する、付記35に記載のシステム。
(付記47)
前記リッカーインの近傍に配置されており、かつ前記空間内へ延びている偏向プレートを更に備え、前記偏向プレートが、前記空気供給と前記複数の繊維とを、前記ドッフィング位置の後まで分離したまま維持するように配置されている、付記35に記載のシステム。
(付記48)
前記リッカーインと前記偏向プレートとの間に配置されたノーズバーアセンブリを更に備え、前記ノーズバーアセンブリが、前記ドッフィング位置を、前記フィードロールを通り越し、リッカーインと前記偏向プレートとの間に画定された第2の空間内へ延長するように構成されている、付記47に記載のシステム。
(付記49)
前記チャネル内に配置されたエアフォイルであって、前記第2の空間内への前記供給空気の少なくとも一部の通過を選択的に可能にするために、前記偏向プレートへ向かうよう、及び前記偏向プレートから遠ざかるよう選択的に可動であるように構成されている、エアフォイル、又は
前記チャネル内に配置されたダンパであって、前記リッカーインとインタフェースしないサーベルロールの一部の周りの前記供給空気の少なくとも一部の通過を選択的に可能にするために、前記サーベルロールへ向かうよう、及び前記サーベルロールから遠ざかるよう選択的に可動であるように構成されている、ダンパ、
を更に備える、付記48に記載のシステム。
(付記50)
前記システムが、前記チャネルと周囲空気の供給源との間の通路を更に備える、付記49に記載のシステム。