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特許7580537制御装置、物品管理装置、物品管理システム、物品管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】制御装置、物品管理装置、物品管理システム、物品管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07C 9/28 20200101AFI20241101BHJP
【FI】
G07C9/28
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023110559
(22)【出願日】2023-07-05
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000241957
【氏名又は名称】北海道電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100202913
【弁理士】
【氏名又は名称】武山 敦史
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】澤田 蓮
(72)【発明者】
【氏名】宮内 克治
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-135731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00 - 9/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理区域の出入り口を撮影するように設けられたカメラにより生成された画像データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された画像データに基づいて動体を検知する動体検知部と、
前記動体検知部により動体が検知された場合に、前記管理区域の出入り口に設けられたタグリーダを起動してRFタグのタグIDを読み取らせる読み取り部と、
前記読み取り部によりRFタグのタグIDが読み取られた場合に、読み取られたRFタグのタグIDを、前記動体検知部による動体検知に用いられた画像データと共に出力する出力部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記読み取り部は、動体検知時点から予め設定された一定期間内に前記タグリーダに近接したRFタグのタグIDを読み取るように前記タグリーダを制御する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記出力部は、動体検知後の一定期間内に読み取られたタグIDのうち動体検知時に最も近い時点で読み取られたタグIDを物品管理装置に送信する、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
タグリーダにより読み取られたRFタグのタグIDを、カメラにより生成され、動体検知に用いられた画像データと共に取得し、入出庫データ記憶部に記憶する取得部と、
物品データ記憶部を参照して前記取得部により取得されたタグIDに対応する物品の属性情報を読み取り、読み取った前記物品の属性情報を前記入出庫データ記憶部に追加する突き合わせを行う突き合わせ部と、
を備える物品管理装置。
【請求項5】
管理区域の出入り口に設けられ、物品に取り付けられたRFタグを読み取るタグリーダと、
前記管理区域の出入り口を撮影するように設けられたカメラと、
前記タグリーダ及び前記カメラと通信可能な状態で接続され、前記タグリーダにより読み取られたRFタグのタグIDを読み取ると共に前記カメラにより生成された画像データを取得し、取得された画像データに基づいて動体検知が行われた場合に、読み取られたRFタグのタグIDを動体検知に用いられた画像データと共に出力する制御装置と、
を備える物品管理システム。
【請求項6】
前記タグリーダは、
前記管理区域の出入り口の上側で支持され、下方に向かって指向性を有する第1のアンテナと、
前記管理区域の出入り口の側面側で支持され、横方向に向かって指向性を有する第2のアンテナと、を備える、
請求項5に記載の物品管理システム。
【請求項7】
制御装置が実行する物品管理方法であって、
管理区域の出入り口を撮影するように設けられたカメラにより生成された画像データを取得する工程と、
取得された画像データに基づいて動体を検知する工程と、
動体が検知された場合に、前記管理区域の出入り口に設けられたタグリーダを起動してRFタグのタグIDを読み取らせる工程と、
RFタグのタグIDが読み取られた場合に、読み取られたRFタグのタグIDを、動体検知に用いられた画像データと共に出力する工程と、
を含む物品管理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
管理区域の出入り口を撮影するように設けられたカメラにより生成された画像データを取得する取得手段、
前記取得手段により取得された画像データに基づいて動体を検知する動体検知手段、
前記動体検知手段により動体が検知された場合に、前記管理区域の出入り口に設けられたタグリーダを起動してRFタグのタグIDを読み取らせる読み取り手段、
前記読み取り手段によりRFタグのタグIDが読み取られた場合に、読み取られたRFタグのタグIDを、前記動体検知手段による動体検知に用いられた画像データと共に出力する出力手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、物品管理装置、物品管理システム、物品管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
物品管理における管理者の負担を低減し、管理の信頼性を向上させるため、物品に貼り付けられたRFタグをタグリーダで読み取り、管理区域からの物品の出入りを管理する物品管理システムが用いられている。例えば、特許文献1には、認証手段により認証された作業者により物品が入出庫されたとき、物品を識別可能な情報と物品の入出庫の状況を示す情報をキャビネットから取得するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-57040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは、キャビネットの開閉エリアを撮像するようにカメラが設置され、ドアセンサによりドアの開放が検知された場合にカメラによる撮像を開始し、ドアの閉鎖が検知された場合にカメラによる撮像を停止させている。このため、キャビネットのドアが開いている状態では撮影が継続され、多数の画像が生成されるため、管理区域に対して物品を入出庫させた作業者を特定することが困難である、という問題がある。このような問題は、作業者がキャビネットに物品を入出庫する場合に限られず、作業者以外の人物や機器が他の管理区域に物品を入出庫する場合にも存在している。
【0005】
本発明は、このような背景に基づいてなされたものであり、管理区域に対して物品を入出庫させた人物や機器をより正確に特定することが可能な制御装置、物品管理装置、物品管理システム、物品管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る制御装置は、
管理区域の出入り口を撮影するように設けられたカメラにより生成された画像データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された画像データに基づいて動体を検知する動体検知部と、
前記動体検知部により動体が検知された場合に、前記管理区域の出入り口に設けられたタグリーダを起動してRFタグのタグIDを読み取らせる読み取り部と、
前記読み取り部によりRFタグのタグIDが読み取られた場合に、読み取られたRFタグのタグIDを、前記動体検知部による動体検知に用いられた画像データと共に出力する出力部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、管理区域に対して物品を入出庫させた人物や機器をより正確に特定することが可能な制御装置、物品管理装置、物品管理システム、物品管理方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る物品管理システムの構成を示す概略図である。
図2】本発明の実施の形態に係る物品管理システムにおけるタグリーダ及びカメラの配置を示す図である。
図3】本発明の実施の形態に係る制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】(a)は、タグID記憶部のデータテーブルの一例を示す図であり、(b)は、画像データ記憶部のデータテーブルの一例を示す図である。
図5】本発明の実施の形態に係る物品管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6】(a)は、物品データ記憶部のデータテーブルの一例を示す図であり、(b)は、入出庫データ記憶部のデータテーブルの一例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態に係る検知処理の流れを示すフローチャートである。
図8】本発明の実施の形態に係る物品管理処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る制御装置、物品管理装置、物品管理システム、物品管理方法及びプログラムを、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面では、同一又は同等の部分に同一の符号を付す。
【0010】
実施の形態に係る物品管理システムは、RFID(Radio Frequency Identification)を用いて作業者による管理区域に対する物品の入出庫を管理するシステムである。RFIDは、電波を用いてRFタグに記憶されたデータを非接触で読み書きする近距離無線通信技術である。管理対象の物品には、それぞれ個別のRFタグが取り付けられ、RFタグには個別に割り振られた識別情報、例えば、タグID(Identification)が記憶されている。
【0011】
RFタグは、リーダからの電波をエネルギー源として動作するパッシブタグである。RFタグは、例えば、集積回路(IC:Integrated Circuit)のチップを備えるICタグである。RFタグは、タグIDを記憶したメモリと、メモリに記憶されたタグIDに関する情報を送信するアンテナとを備える。RFタグは、タグリーダに近接されたときにタグリーダから放射された電波を受信し、受信した電波により起電力を発生させ、メモリに記憶されたタグIDに関する情報を搬送波に載せてタグリーダに送信する。
【0012】
管理区域は、物品を収容する空間を備える領域であり、例えば、倉庫(建物)、部屋、キャビネットにより仕切られている。以下、倉庫に管理区域が設けられ、倉庫には、作業者の出入りが可能な出入り口と、出入り口に対して開閉するように支持されたドアが設けられているものとする。
【0013】
図1に示すように、物品管理システム1は、タグリーダ2と、カメラ3と、制御装置100と、物品管理装置200とを備える。タグリーダ2とカメラ3と制御装置100とは、有線又は無線の通信回路を介して互いに通信可能な状態で接続されている。制御装置100と物品管理装置200とは、インターネット、イントラネットといった通信回線を介して互いに通信可能な状態で接続されている。
【0014】
物品管理システム1では、カメラ3により撮影された画像に基づいて画像内で捉えている物体が動作したことを検知する動体検知を行い、タグリーダ2により物品に取り付けられたRFタグのタグIDを読み取る。タグリーダ2により物体に取り付けられたRFタグを検知しただけでは、必ずしも物品が倉庫に出入りしたとは限らないが、カメラ3による撮影画像に基づいて動体検知を行い、管理者が動体検知時の画像を目視でチェックすることで、RFタグが付けられた物品の入出庫が適正に行われたかどうかを管理できる。
【0015】
タグリーダ2は、RFタグからタグIDを読み取る機器である。タグリーダ2は、RFタグに向けて電波を送信し、RFタグからの反射波を受信するアンテナと、反射波に載せられたタグIDに関する情報を復号して制御装置100に送信するモジュールを備える。アンテナは、例えば、指向性を有し、RFタグを安定して読み取ることができるように円偏波を放射することが好ましい。電波の周波数帯は、離れた位置でもRFタグの読み取りが可能となるように、例えば、VHF(Very High Frequency)帯以上の帯域であり、UHF(Ultra High Frequency)の帯域であることが好ましい。
【0016】
タグリーダ2は、倉庫の出入り口を通過する物品に付けられたRFタグを読み取り可能な位置に、例えば、倉庫の出入り口に設置されている。タグリーダ2は、電波を反射又は遮蔽する物体(例えば、金属製ドア)の影響により反射波を受信できない領域が生じないように複数設置されてもよい。その一例として、図2に示すように、タグリーダ2は、出入り口の上側で支持されたアンテナ2Aと、出入り口の側面側で支持されたアンテナ2Bとを備える。アンテナ2Aは、第1のアンテナの一例であり、アンテナ2Bは、第2のアンテナの一例である。
【0017】
アンテナ2Aは、下方に向かって指向性を有するように設置され、アンテナ2Bは、ドアの高さ方向の中間よりも下側に配置され、横方向に向かって指向性を有するように設置されている。アンテナ2Bは、斜め下方に傾けて設置することが好ましい。このように配置しているのは、両開きのドアにおいて片側のドアが閉じた状態では、閉じたドア付近における足下付近の領域でアンテナ2Bからの電波が反射又は遮蔽されるためである。なお、両方のドアを開放した場合は、アンテナ2Aのみで出入り口の全域においてRFタグを検知できる。以上のように構成すると、ゲート型リーダを用いる必要がないため、システムを安価に構築できる。
【0018】
カメラ3は、撮影対象を一定のサンプリング周期で撮像可能なカメラである。カメラ3は、少なくとも倉庫の出入り口に出入りする作業者の全身又はその一部を撮影するように設置され、例えば、出入り口の上側に設置されている。カメラ3は、撮影した画像のデータをリアルタイムで制御装置100に送信する。また、動体検知時に死角となる箇所ができないよう、カメラ3は別の箇所に複数設置されてもよい。
【0019】
制御装置100は、例えば、汎用コンピュータである。制御装置100は、倉庫の出入り口で動体が検知されるとタグリーダ2を起動させ、その状態でRFタグ付きの物品が出入り口を通過すると、RFタグからタグIDを読み取って動体検知時の画像データと共に物品管理装置200に転送する。
【0020】
次に、図3を参照して、実施の形態に係る制御装置100のハードウェア構成を説明する。制御装置100は、操作部110と、表示部120と、通信部130と、記憶部140と、制御部150とを備える。制御装置100の各部は、内部バス(図示せず)を介して相互に接続されている。
【0021】
操作部110は、ユーザの指示を受け付け、受け付けた操作に対応する操作信号を制御部150に供給する。表示部120は、ディスプレイと表示駆動回路を備え、制御部150から供給されるデータに基づいて、ユーザに向けて各種の画像を表示する。
【0022】
操作部110と表示部120とは、例えば、タッチパネルによって一体に構成されている。タッチパネルは、ユーザによる所定の操作を受け付ける操作画面を表示すると共に、操作画面においてユーザが接触操作を行った位置に対応する操作信号を制御部150に供給する。
【0023】
通信部130は、制御装置100が外部の機器と通信するための通信インタフェースである。通信部130は、インターネットといった通信ネットワークを介して外部の機器と通信する。また、通信部130は、入出力端子を備え、通信ケーブルを介して外部の機器と通信する。入出力端子は、例えば、USB(Universal Serial Bus)である。
【0024】
記憶部140は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクを備える。記憶部140は、制御部150で実行されるプログラムや各種のデータを記憶する。また、記憶部140は、各種の情報を一時的に記憶し、制御部150が処理を実行するためのワークメモリとしても機能する。さらに、記憶部140は、タグID記憶部141と、画像データ記憶部142とを備える。
【0025】
図4(a)に示すように、タグID記憶部141は、タグリーダ2が読み取ったタグIDと、タグリーダ2によりタグIDの読み取りが行われた読み取り時刻を対応付けて記憶する。
【0026】
図4(b)に示すように、画像データ記憶部142は、カメラ3により撮像された画像データと、カメラ3による撮影時刻を突き合わせして記憶する。動体が検知された画像データについては、動体検知を示すフラグが追加される。
【0027】
図3に戻り、制御部150は、プロセッサを備え、制御装置100の各部の制御を行う。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。制御部150は、時間をカウントする内部タイマを備える。また、制御部150は、記憶部140に記憶されているプログラムを実行することにより、図7の検知処理を実行する。制御部150は、機能的には、取得部151と、動体検知部152と、読み取り部153と、出力部154とを備える。
【0028】
取得部151は、カメラ3から画像データと撮影時刻を取得し、図4(b)の画像データ記憶部142に記憶する。
【0029】
動体検知部152は、取得部151により取得した画像に基づいて撮影対象内に動体が存在するかどうかを検知し、当該画像で動体が検知された場合に、図4(b)の画像データ記憶部142に記憶された動体検知時の画像データに動体を検知したことを示すフラグを追加する。
【0030】
動体検知では、例えば、差分画像を用いればよい。具体的に説明すると、連続する2つの画像フレームの対応する画素の輝度同士を差分すればよい。画像上で動きがなければ、連続する2つの画像が同じ画像となるため、全画素における輝度の差分がゼロになるが、画像上で動きがあれば、その部分の輝度の差分がゼロ以外の値となる。このような手法により画像から動体を検知できる。
【0031】
読み取り部153は、動体検知部152により動体が検知された場合にタグリーダ2を起動させてタグリーダ2にRFタグのタグIDを読み取らせ、動体検知時から一定期間内にタグリーダ2がRFタグのタグIDを読み取った場合に読み取られたタグIDを図4(a)のタグID記憶部141に記憶する。例えば、タグリーダ2により読み取られたRFタグのタグIDのうち、動体検知時に最も近い時点で読み取られたタグIDを図4(a)のタグID記憶部141に記憶してもよく、一定期間内に読み取られた全てのタグIDを図4(a)のタグID記憶部141に記憶してもよい。
【0032】
出力部154は、動体検知部152による動体検知時の画像データと、当該画像データに紐付けされた動体検知時刻と、読み取り部153により読み取られたタグIDと、タグIDが読み取られた読み取り時刻を外部に出力する。出力部154は、例えば、通信部130を制御して、各種のデータを物品管理装置200に向けて送信させる。
【0033】
出力部154によるデータ送信では、通信ルートに障害が発生する可能性を考慮して異なる複数の通信ルートを用いることが好ましい。その一例として、出力部154によるデータ送信では、ビデオ会議システムを介してデータを物品管理装置200に送信する通信ルートと、電子メールを用いて物品管理装置200にデータを送信する通信ルートを用いる。電子メールでは、タグIDが記載されたCSV(Comma Separated Values)ファイルと画像ファイルを添付すればよい。ビデオ会議システムでは、CSVファイルを添付できないため、CSVファイルからテキストデータを抽出し、通知するメッセージに転載すればよい。
以上が、制御装置100の構成である。
【0034】
物品管理装置200は、例えば、物品の管理を行う管理者が使用する汎用コンピュータである。物品管理装置200は、制御装置100からRFタグのタグIDと動体検知時の画像データを受信し、動体検知時に入出庫した物品に関する情報を管理者に提供する。管理者は、動体検知時に入出庫した物品に関する情報、特に、動体検知時の画像データを参照して、入出庫された物品の品名、当該物品を入出庫した作業者を特定する。
【0035】
次に、図5を参照して、実施の形態に係る物品管理装置200のハードウェア構成を説明する。物品管理装置200は、操作部210と、表示部220と、通信部230と、記憶部240と、制御部250とを備える。物品管理装置200の各部は、内部バス(図示せず)を介して相互に接続され、制御装置100の各部と同一又は同等の構成を備える。以下、制御装置100の各部と相違する点を中心に説明する。
【0036】
記憶部240は、制御部250で実行されるプログラムや各種のデータを記憶すると共に、物品データ記憶部241と、入出庫データ記憶部242とを備える。
【0037】
図6(a)に示すように、物品データ記憶部241は、RFタグのタグIDと、当該RFタグが取り付けられた物品の属性情報(例えば、品名)を対応付けた物品データを記憶する。
【0038】
図6(b)に示すように、入出庫データ記憶部242は、物品の属性情報と、物品に取り付けられたRFタグのタグIDと、タグIDが読み取られた時刻と、当該RFタグに対応する動体検知時の画像データと、当該画像データに紐付けされた動体検知時刻を対応付けた入出庫データを記憶する。
【0039】
制御部250は、記憶部240に記憶されているプログラムを実行することにより、図8の物品管理処理を実行する。制御部250は、機能的には、取得部251と、突き合わせ部252と、出力部253とを備える。
【0040】
取得部251は、制御装置100から送信されたRFタグのタグIDと、当該RFタグの読み取り時刻と、動体検知時の画像データと、当該画像データに紐付けされた動体検知時刻を受信し、図6(b)の入出庫データ記憶部242に記憶する。
【0041】
突き合わせ部252は、図6(a)の物品データ記憶部241を参照して、取得部251で受信したタグIDに対応する品名に関する情報を取得し、図6(b)の入出庫データ記憶部242に追加する突き合わせを行う。
【0042】
出力部253は、操作部210が管理者の操作を受け付けると、操作部210からの操作信号に基づいて、図6(b)の入出庫データ記憶部242から入出庫データを読み取って外部に出力する。出力部253は、例えば、表示部220を制御して入出庫データをディスプレイに表示させる。
以上が、物品管理装置200の構成である。
【0043】
(検知処理)
以下、図7を参照して、制御装置100が実行する検知処理の流れを説明する。検知処理は、作業者が管理区域に対して物品を入出庫したことを検知する処理である。検知処理は、管理者等のユーザが制御装置100に記憶されたプログラムを実行させた時点で開始され、この時点からカメラ3に撮影対象を一定のサンプリング周期で撮影させる。
【0044】
まず、取得部151は、カメラ3により撮影された撮影対象の画像データを取得し、図4(b)の画像データ記憶部142に記憶させる(ステップS11)。
【0045】
次に、動体検知部152は、図4(b)の画像データ記憶部142に記憶された複数の画像データに基づいて動体を検知したかどうかを判定する(ステップS12)。この処理では、例えば、直近の処理で取得された画像データと、その前のステップで取得された画像データとを比較して、動体が存在するかどうかを検知する。動体を検知したと判定された場合(ステップS12;Yes)、ステップS13に移動する。他方、動体を検知していないと判定された場合(ステップS12;No)、ステップS11の処理に戻る。
【0046】
ステップS12の処理でYesの場合、動体検知部152は、図4(b)の画像データ記憶部142に記憶された動体検知時の画像データに動体を検知したことを示すフラグを追加する(ステップS13)。
【0047】
次に、読み取り部153は、タグリーダ2を起動させ、ステップS12の処理で動体を検知した時点から一定期間内にタグリーダ2がRFタグのタグIDを読み取ったかどうかを判定する(ステップS14)。動体検知時から一定期間内にタグリーダ2がRFタグのタグIDを読み取ったと判定した場合(ステップS14;Yes)、ステップS15の処理に移動する。他方、動体検知時から一定期間内にタグリーダ2がRFタグのタグIDを読み取っていないと判定した場合(ステップS14;No)、ステップS11の処理に戻る。
【0048】
ステップS14の処理でYesの場合、読み取り部153は、タグリーダ2により読み取られたRFタグのタグIDのうち、動体検知時に最も近い時点で読み取られたタグIDを図4(a)のタグID記憶部141に記憶する(ステップS15)。
【0049】
次に、出力部154は、ステップS12の処理で動体検知された時点の画像データと、当該画像データに紐付けたされた動体検知時刻と、ステップS15の処理で記憶されたタグIDと、当該タグIDが読み取られた時刻を物品管理装置200に受けて送信し(ステップS16)、ステップS11の処理に戻る。
以上が、検知処理の流れである。
【0050】
(物品管理処理)
以下、図8を参照して、物品管理装置200が実行する物品管理処理の流れを説明する。物品管理処理は、作業者による管理区域に対する物品の入出庫を管理する処理である。
【0051】
まず、取得部251は、制御装置100から送信された動体検知された時点の画像データと、当該画像データに紐付けたされた動体検知時刻と、RFタグから読み取られたタグIDと、当該タグIDが読み取られた時刻を受信し、図6(b)の入出庫データ記憶部242に記憶する(ステップS21)。
【0052】
次に、突き合わせ部252は、図6(a)の物品データ記憶部241を参照して、ステップS21の処理で受信したタグIDに対応する品名に関する情報を取得し、図6(b)の入出庫データ記憶部242に追加する突き合わせを行う(ステップS22)。
【0053】
次に、出力部253は、操作部210が管理者の指示を受け付けた時点で、図6(b)の入出庫データ記憶部242から入出庫データを読み取って表示部220のディスプレイに表示させ(ステップS23)、処理を終了する。
以上が、物品管理処理の流れである。
【0054】
以上説明したように、実施の形態に係る制御装置100は、カメラ3より取得された画像に基づいて動体が検知された場合に、倉庫の出入り口に設けられたタグリーダ2を起動してRFタグのタグIDを読み取らせ、RFタグのタグIDが読み取られた場合に、読み取られたRFタグのタグIDに関する情報を、動体検知に用いられた画像データと共に出力する。このため、倉庫に対して物品を入出庫させた作業者を簡単な手順で正確に特定できる。
【0055】
本発明は上記実施の形態に限られず、以下に述べる変形も可能である。
【0056】
(変形例)
上記実施の形態では、タグリーダ2として互いに別体である複数のアンテナ2A、2Bを用いていたが、本発明はこれに限られない。例えば、タグリーダ2としてゲート型リーダを設置してもよい。
【0057】
上記実施の形態では、タグリーダ2のアンテナ2A、2Bから電波を放射することで、RFタグに起電力を発生させていたが、本発明はこれに限られない。タグリーダのコイルで磁界を発生させ、RFタグのコイルで共振させることで、RFタグに起電力を発生させてもよい。
【0058】
上記実施の形態では、RFタグとしてパッシブタグを用いていたが、本発明はこれに限られない。RFタグとしてセミアクティブタグやアクティブタブを用いてもよい。
【0059】
上記実施の形態では、タグID記憶部141から動体検知時よりも前の一定期間内にタグリーダ2により読み取られたタグIDのうち最も直近のものを抽出していたが、本発明はこれに限られない。例えば、タグID記憶部141から動体検知時を含む一定期間内にタグリーダ2により読み取られたタグIDのうち動体検知時に最も近い時点のタグIDを抽出してもよい。
【0060】
上記実施の形態では、カメラ3により生成した画像に基づいて動体を検知し、タグリーダ2によりRFタグのタグIDを読み取った場合に物品が管理区域に対して入出庫したと判断していたが、本発明はこれに限られない。例えば、タグリーダ2を常時起動してRFタグのタグIDを読み取らせ、カメラ3により生成した画像に基づいて動体を検知した場合に物品が管理区域に対して入出庫したと判断し、動体検知時に最も近い時点で読み取られたタグIDと動体検知に用いた画像データとを物品管理装置200に送信してもよい。また、動体検知及びタグIDの読み取りに加えて、作業員がドアを通過した瞬間を検知手段が検知した場合に物品が管理区域に対して入出庫したと判断してもよい。
【0061】
検知手段としては、例えば、出入り口の一方の側端から他方の側端に向かって赤外線が出射されるように設置された赤外線センサを用いればよい。また、出入り口にICカードリーダを設けておき、作業者がICカードを近接させ、ICカードのカードIDを読み取らせ、制御装置100に記憶させることで、作業員がドアを通過した瞬間を検知すると共に、物品を入出庫させたユーザを特定するようにしてもよい。
【0062】
上記実施の形態では、タグリーダ2によりRFタグのタグIDを読み取り、読み取り時刻と共にタグID記憶部141に記憶していたが、本発明はこれに限られない。例えば、タグIDの検知回数や検知計測時間、タグIDの検知時における反射波の強度に基づいて物品が出入り口に近接したかどうかを判定させ、物品が出入り口に近接したと判定され、かつ動体検知が行われた場合にタグIDを含むデータを制御装置100から物品管理装置200に送信するように構成してもよい。
【0063】
上記実施の形態では、図4(b)の画像データ記憶部142に記憶された動体検知時の画像データに動体を検知したことを示すフラグを追加していたが、本発明はこれに限られない。例えば、動体検知に用いた画像データを画像データ記憶部142とは別のデータベースに記憶させてもよい。
【0064】
上記実施の形態では、動体検知後の一定期間内に読み取られたタグIDのうち動体検知時に最も近い時点で読み取られたタグIDを物品管理装置200に送信していたが、本発明はこれに限られない。例えば、動体検知後の一定期間内に読み取られたタグIDのうち動体検知時に読み取られた回数の最も多いタグIDを物品管理装置200に送信してもよい。
【0065】
上記実施の形態では、物品の入出庫が入庫及び出庫のいずれであるかを判定していないが、本発明では、物品管理システム1が物品の入出庫が入庫及び出庫のいずれであるかを判定するように構成してもよい。その一例としては、タグリーダ2のアンテナを出入口の入口側と出口側のそれぞれに設置し、制御装置100及び物品管理装置200のいずれかが、各アンテナがタグIDを読み取った時刻に基づいて、物品が入庫したか出庫したかを判定してもよい。また、赤外線センサを出入口の入口側と出口側のそれぞれに設置し、制御装置100及び物品管理装置200のいずれかが、各赤外線センサが作業員を検知した時刻に基づいて、物品が入庫したか出庫したかを判定してもよい。
【0066】
上記実施の形態では、動体検知時の画像を物品管理装置200の表示部220に表示させ、表示された画像を管理者が参照して作業者を特定していたが、本発明はこれに限られない。例えば、動体検知時の画像から顔を検出して顔認証を行うことで、物品管理装置200が作業者を特定するように構成してもよい。顔認証では、動体検知時の画像データから検出された顔の領域を、記憶部140に予め記憶された作業者の顔の画像データと比較すればよい。画像データの比較の際には、例えば、目や鼻、口といった特徴点の位置や大きさを比較すればよい。
【0067】
上記実施の形態では、制御装置100及び物品管理装置200は、それぞれ記憶部140、240に各種データを記憶していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、各種データは、その全部又は一部が通信ネットワークを介して外部のコンピュータに記憶されてもよい。
【0068】
上記実施の形態では、制御装置100及び物品管理装置200は、それぞれ記憶部140、240に記憶されたプログラムに基づいて動作していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、プログラムにより実現された機能的な構成をハードウェアにより実現してもよい。
【0069】
上記実施の形態では、制御装置100及び物品管理装置200は、例えば、汎用コンピュータであったが、本発明はこれに限られない。例えば、制御装置100及び物品管理装置200は、クラウド上に設けられた処理ユニットで実現してもよい。
【0070】
上記実施の形態では、制御装置100及び物品管理装置200が実行する処理は、上述の物理的な構成を備える装置が記憶部140、240に記憶されたプログラムを実行することによって実現されていたが、本発明は、プログラムとして実現されてもよく、そのプログラムが記録された記憶媒体として実現されてもよい。
【0071】
また、上述の処理動作を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical Disk)のような処理ユニットにより読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムを処理ユニットにインストールすることにより、上述の処理動作を実行する装置を構成してもよい。
【0072】
上記実施の形態は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の趣旨を逸脱しない範囲でさまざまな実施の形態が可能である。実施の形態や変形例で記載した構成要素は自由に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した発明と均等な発明も本発明に含まれる。加えて、特許請求の範囲に記載した発明の構成要素は、上記実施の形態に記載した構成要素と同一名称であるとしても、上記実施の形態に記載した構成要素そのものに限定されず、適宜変形、応用が可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 物品管理システム
2 タグリーダ
2A,2B アンテナ
3 カメラ
100 制御装置
140 記憶部
150 制御部
151 取得部
152 動体検知部
153 読み取り部
154 出力部
200 物品管理装置
240 記憶部
241 物品データ記憶部
242 入出庫データ記憶部
250 制御部
251 取得部
252 突き合わせ部

【要約】
【課題】管理区域に対して物品を入出庫させた人物や機器をより正確に特定することが可能な制御装置、物品管理装置、物品管理システム、物品管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】制御装置100は、管理区域の出入り口を撮影するように設けられたカメラにより生成された画像データを取得する取得部151と、取得部151により取得された画像データに基づいて動体を検知する動体検知部152と、動体検知部152により動体が検知された場合に、管理区域の出入り口に設けられたタグリーダを起動してRFタグのタグIDを読み取らせる読み取り部153と、読み取り部153によりRFタグのタグIDが読み取られた場合に、読み取られたRFタグのタグIDに関する情報を、動体検知部152による動体検知に用いられた画像データと共に出力する出力部154と、を備える。
【選択図】図3

図1
図2
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図4
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図8