(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】配達記録装置、配達ドローン、配達記録プログラム、配達記録方法及び配達記録システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0836 20230101AFI20241101BHJP
B64U 10/13 20230101ALI20241101BHJP
B64U 101/64 20230101ALN20241101BHJP
【FI】
G06Q10/0836
B64U10/13
B64U101:64
(21)【出願番号】P 2023200212
(22)【出願日】2023-11-27
【審査請求日】2023-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】394013002
【氏名又は名称】三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】榊 信隆
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2023/162486(WO,A1)
【文献】国際公開第2004/103867(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/115446(WO,A1)
【文献】国際公開第2022/201243(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B64U 10/13
B64U 101/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達物を配達する配達ドローンにネットワーク接続される配達記録装置であって、
前記配達ドローンの対となる飛行位置と前記飛行位置を取得した時刻である飛行時刻とを含む飛行情報と、
前記配達物が受け渡される受取人が有する携帯端末との通信が確立した場合の通信確立時刻を含む通信確立情報とを前記配達ドローンから取得する情報取得部と、
前記飛行情報から前記通信確立時刻に近い飛行時刻である近似飛行時刻と対になる飛行位置を抽出し、
前記通信確立時刻を配達物受渡時刻とし、前記飛行位置を配達物受渡位置とし、前記配達物受渡時刻と前記配達物受渡位置とを含む情報を受渡情報として特定する受渡特定部とを備える
配達記録装置。
【請求項2】
さらに、配達を依頼する依頼人から前記依頼人が前記配達物の受取人となる配達依頼を受け付ける配達受付部と、
前記受取人の携帯端末との通信が確立し、前記配達ドローンが前記配達物を前記受取人に受け渡す処理を実施したとき、前記受取人の携帯端末に配達受渡完了を通知する配達記録部を備える
請求項1に記載の配達記録装置。
【請求項3】
さらに、
配達を依頼する依頼人から前記依頼人とは異なる前記配達物の受取人が有する携帯端末の携帯端末識別番号を含む情報を指定した配達依頼を受け付ける配達受付部と、
前記配達ドローンと前記受取人の携帯端末との通信が確立し、前記配達ドローンが前記受取人に配達物を受け渡す処理を実施したとき、前記依頼人の携帯端末と前記受取人の携帯端末とに配達受渡完了を通知する配達記録部を備える
請求項1に記載の配達記録装置。
【請求項4】
前記配達ドローンから取得する前記通信確立情報には通信確立した前記受取人の携帯端末の携帯端末識別番号が含まれ、
さらに、
前記受取人の携帯端末との通信確立後に、前記配達ドローンから取得する前記通信確立情報に含まれる携帯端末識別番号と、前記配達依頼で受け付けた携帯端末識別番号とが同一であるかを判定し、
前記配達ドローンから取得する前記通信確立情報に含まれる携帯端末識別番号と、前記配達依頼で受け付けた携帯端末識別番号とが同一である場合、前記配達ドローンから取得した前記通信確立情報に含まれる携帯端末識別番号の携帯端末の所有者が受取人本人であることを判定する受取人判定部を備える
請求項3に記載の配達記録装置。
【請求項5】
前記情報取得部は、
前記配達ドローンから一定間隔で受信する前記飛行情報を登録し、
前記配達記録部は、
前記飛行情報から抽出した近似飛行情報から近似された配達物受渡位置を含む前記受渡情報と前記配達ドローンと前記受取人の携帯端末との通信の確立結果と前記受取人判定部の受取人本人であることの判定結果とを含む配達記録情報を生成し、前記飛行情報に登録する
請求項4に記載の配達記録装置。
【請求項6】
前記配達記録装置は、クラウドサーバ上に構築される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の配達記録装置。
【請求項7】
請求項1に記載の配達記録装置と
配達物が受け渡される受取人が有する携帯端末とにネットワーク接続される配達ドローンであって、
配達ドローンの現在の位置である緯度と経度と高度
とを含む飛行位置を取得し、前記飛行位置と前記飛行位置を取得した飛行時刻とを含む飛行情報を
前記配達記録装置に送信する位置情報取得部と、
前記携帯端末から携帯端末識別情報を含む通信情報を受信したとき、前記携帯端末と通信が確立したと判定し、前記携帯端末と通信が確立した時刻である通信確立時刻を含む通信確立情報
を前記配達記録装置に送信する近距離通信部と、
を備える
配達ドローン。
【請求項8】
コンピュータに、配達物を配達する配達ドローンの対となる飛行位置と前記飛行位置を取得した時刻である飛行時刻とを含む飛行情報と、
配達物が受け渡される受取人の前記配達ドローンと通信が可能な携帯端末との通信の確立が成功した場合の通信確立時刻
を含む通信確立情報と
を前記配達ドローンから取得する情報取得処理と、
前記飛行情報から前記通信確立時刻に近い飛行時刻である近似飛行時刻と前記近似飛行時刻の飛行位置とである近似飛行情報を抽出し、
前記通信確立時刻を配達物受渡時刻とし、近似飛行位置を配達物受渡位置とし、前記配達物受渡時刻と配達物受渡位置とを含む情報を受渡情報として特定する受渡特定処理とを
実行させる
配達記録プログラム。
【請求項9】
配達記録装置のコンピュータが実行する配達記録方法であって、
配達物を配達する配達ドローンの対となる飛行位置と前記飛行位置を取得した時刻である飛行時刻とを含む飛行情報と、
配達物が受け渡される受取人の前記配達ドローンと通信が可能な携帯端末との通信の確立が成功した場合の通信確立時刻
を含む通信確立情報と
を前記配達ドローンから取得
するステップと、
前記飛行情報から前記通信確立時刻に近い飛行時刻である近似飛行時刻と前記近似飛行時刻の飛行位置とである近似飛行情報を抽出し、
前記通信確立時刻を配達物受渡時刻とし、近似飛行位置を配達物受渡位置とし、前記配達物受渡時刻と配達物受渡位置とを含む情報を受渡情報として特定する受渡特定
するステップと、
を有する
配達記録方法。
【請求項10】
配達ドローンの現在の位置である緯度と経度と高度との
飛行位置を取得し、前記飛行位置を取得した飛行時刻とを含む飛行情報を
配達記録装置に送信する位置情報取得部と、
受取人
が有する携帯端末から携帯端末識別情報を含む通信情報を受信したとき、前記携帯端末と通信が確立したと判定し、
配達物が受け渡される前記携帯端末と通信が確立した
通信確立時刻とを含む通信確立情報
を前記配達記録装置に送信する近距離通信部と、
を備える配達ドローンと、
前記配達ドローンの対となる飛行位置と前記飛行位置を取得した時刻である飛行時刻とを含む前記飛行情報と、
前記受取人が有する
前記携帯端末との通信が確立した場合の
前記通信確立時刻を含む
前記通信確立情報とを前記配達ドローンから取得する情報取得部と、
前記飛行情報から前記通信確立時刻に近い飛行時刻である近似飛行時刻と対になる飛行位置を抽出し、
前記通信確立時刻を配達物受渡時刻とし、前記飛行位置を配達物受渡位置とし、前記配達物受渡時刻と前記配達物受渡位置とを含む情報を受渡情報として特定する受渡特定部とを備える
配達記録装置
とからなる配達記録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配達ドローンにおいて配達物を受取人に受け渡す際の受渡位置と受渡時刻を記録する配達記録の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物流サービスは、ネットショッピングが普及したことなどにより、物流量が増え、確実に受取人本人に配達することが重要となってきている。
配達ドローンを使用して荷物を受取人に配達することは最近試行が開始されたサービスであるが、受渡が行われた位置と時刻を特定することはできていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、特定の場所に品物を配達し、受取人を認証することはできるが、受取人を認証した場所の位置を特定できず配達位置を記録することができないといった課題がある。
本開示は、配達ドローンの飛行位置と飛行時刻との情報を含む飛行情報と、配達ドローンと受取人が所有する携帯端末とが通信を確立することにより取得可能な通信確立情報とを紐づけ、通信確立時刻の配達ドローンの飛行情報から、受取人に配達物を受け渡したとみなす受渡位置を特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る配達記録装置は、配達物を配達する配達ドローンにネットワーク接続される配達記録装置であって、配達ドローンの対となる飛行位置と前記飛行位置を取得した時刻である飛行時刻とを含む飛行情報と、配達物が受け渡される受取人が有する携帯端末との通信が確立した場合の通信確立時刻を含む通信確立情報とを配達ドローンから取得する情報取得部と、飛行情報から通信確立時刻に近い飛行時刻である近似飛行時刻と対になる飛行位置を抽出し、通信確立時刻を配達物受渡時刻とし、飛行位置を配達物受渡位置とし、配達物受渡時刻と配達物受渡位置とを含む情報を受渡情報として特定する受渡特定部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、配達ドローンの飛行位置と飛行時刻との情報を含む飛行データと、配達ドローンと受取人が所有する携帯端末とが通信を確立することにより取得可能な通信確立情報とを紐づけ、通信確立時刻の配達ドローンの飛行情報から、受取人に配達物を受け渡したとみなす受渡位置を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態1に係る配達記録システムの構成図。
【
図2】実施の形態1に係る配達記録システムの機能構成図。
【
図3】実施の形態1に係る配達記録システムのハードウェア構成図。
【
図4】実施の形態1に係る配達記録システムのマスタデータ構成図。
【
図5】実施の形態1に係る配達記録システムの配達受付データ構成図。
【
図6】実施の形態1に係る配達記録システムの配達記録データ構成図。
【
図7】実施の形態1に係る配達記録を登録するフロー図。
【
図8】実施の形態2に係る配達記録システムの構成図。
【
図9】実施の形態2に係る配達記録システムの機能構成図。
【
図10】実施の形態2に係る配達記録システムのデータ構成図。
【
図11】実施の形態2に係る配達記録を登録するフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1は、配達記録装置と配達ドローンと受取人の携帯端末と操作端末とのシステム構成である配達記録システムにおいて、配達ドローンが依頼人から依頼された配達物を受取人に受け渡し、配達ドローンが受取人に配達物を受け渡した位置と時刻とを特定する処理について説明する。
本実施の形態において、配達ドローンとは、自律飛行する飛行物体であり、配達物を指定された場所まで配達する。
受取人とは、配達物を受け取る人を示し、受取人が所有する携帯端末には、配達物の依頼や受取り処理が含まれているアプリケーション(以下、配達アプリ)がインストールされていて、受取人は、このアプリケーションにログインすることで配達ドローンと通信を行い、配達物を受け渡してもらうことができる。
依頼人とは、配達物の配達依頼を行う人を示し、依頼人が所有する携帯端末には、配達アプリがインストールされていて、依頼人は、このアプリケーションにログインすることで配達依頼に必要な情報を入力することで、配達を依頼することができる。
本実施の形態において、依頼人と受取人は同一とし、同一の携帯端末により配達依頼と受取り処理が行われるとする。
【0009】
***実施の形態1の構成***
図1は、配達記録システム1の構成図である。
配達記録システム1は、ネットワーク2と配達記録装置10と配達ドローン20と携帯端末30と操作端末40から構成される。
配達記録装置10と配達ドローン20と携帯端末30と操作端末40とは、ネットワーク2を介して接続されている。ネットワーク2は、具体例としてはLAN又はインターネットである。LANは、Local Area Networkの略である。
配達記録装置10は、指示された処理を特定して実行する装置である。配達記録装置10は、具体例としては、サーバ等のコンピュータである。配達ドローン20は、無人航空機である。配達ドローン20には、Bluetooth(登録商標)やBluetooth Low Energyなどの近距離通信が行える信号を使って情報を発信する端末でありBeacon等の装置と人工衛星から発信された電波を使い配達ドローン20の飛行位置を特定するGlobal Positioning System(位置即位システム)等の信号を受信する受信機装置を搭載している。携帯端末30は、受取人及び依頼人が使用するスマートフォン等の通信装置である。
【0010】
図2は、システムの機能的な構成を示す機能構成図である。
配達記録装置10は、記憶部11と通信部12と配達受付部13と情報取得部14と受渡特定部15と配達記録部16とを備える。記憶部11には、配達ドローンデータ111とアカウントデータ112と配達受付データ113と飛行データ114と通信確立データ115と配達記録データ116とが保存される。配達受付部13は、携帯端末30から配達依頼を受け付けて配達場所と受取人の情報とを含む配達受付情報を生成する。情報取得部14は、配達ドローン20から送信された配達ドローン20の飛行情報と携帯端末30と通信した通信確立情報とを取得する。受渡特定部15は、情報取得部14で取得した飛行情報と通信確立情報とから配達物を受取人に受け渡した位置と時刻を示す配達物受渡位置と配達物受渡時刻とを特定する。配達記録部16は、特定した配達物受渡位置と配達物受渡時刻とを含む情報を生成し、配達記録として保存する。なお、飛行情報は、配達ドローン20の現在の飛行位置を示す飛行緯度、飛行経度、飛行高度とその時刻である飛行時刻とを含む情報である。
配達ドローン20は、記憶部21と通信部22と近距離通信部23と位置情報取得部24とを備える。
携帯端末30は、記憶部31と通信部32と近距離通信部33と表示部34と入力部35と操作受付部36とを備える。
操作端末40は、記憶部41と通信部42と入力部43と表示部44と操作受付部45とを備える。
【0011】
以上のような構成の配達記録装置10の各機能は、
図3に示したようなハードウェアにより実現される。このハードウェアは、CPU(CENTRAL PROCES
SING UNIT)等の処理装置101と、ROM(READ ONLY MEMORY)やハードディスク装置等の保存装置102、他のハードウェアとネットワーク2によって接続される通信装置103、キーボードやマウス、スピーカーやディスプレイ等の入出力装置104とBLEに対応した集積回路等の近距離通信装置105と位置受信装置106とがバス接続された構成となっている。
CPUは自体にメモリを備えていてもよい。
処理装置101は複数であってもよく、複数の処理装置101が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
【0012】
図4は、マスタデータ構成図である。
配達ドローンデータ111は、配達ドローン20に関するデータを含み、配達ドローン20を識別する配達ドローン機体IDと配達ドローン機体名称とを含む。
アカウントデータ112は、配達アプリを利用するユーザに関するデータを含み、利用ユーザの携帯端末識別番号と通知先(メールアドレス)とを含む。
なお、配達ドローンデータ111は予めシステム管理者により設定されているとする。アカウントデータ112は、配達アプリの利用ユーザにより通知先などの情報が登録される。携帯端末識別番号は、配達ドローン20と携帯端末30とが通信確立した場合に配達記録装置10が配達ドローン20から取得する情報であり、配達履歴がある場合に登録される。
【0013】
図5は、配達受付のデータ構成図である。
配達受付データ113は、受け付けた配達依頼に関するデータを含み、配達番号と配達場所と依頼人アカウント番号と配達ドローン機体IDと配達状況を示すステータスとを含む。
なお、配達受付データ113は、利用ユーザが携帯端末30で配達アプリにログインし、操作受付部36で配達依頼に必要な配達場所を含む情報を入力操作し、配達場所と利用ユーザのアカウント番号とを含む配達依頼情報が配達記録装置10に送信され、配達記録装置10が取得した配達依頼情報が配達受付データレコードとして登録されるデータである。配達受付データレコード登録時に、配達番号が採番される。配達受付データ113の配達ドローン機体IDは、配達する配達ドローン20が決定した時に、システム管理者によって登録される情報である。ステータスは、配達状況を示す情報であり、ここでは、配達が完了したことを示す「配達完了」、配達ドローン20にて配達中であることを示す「配達中」、配達依頼を受け付けたことを示す「配達受付」が登録されるとする。
【0014】
図6は、配達記録に関するデータ構成図である。
飛行データ114は、配達ドローン20が飛行した位置に関するデータを含み、配達ドローン機体IDと位置情報を取得した飛行時刻と配達ドローン20の飛行時刻に対する位置を示す飛行緯度と飛行経度と飛行高度とを含む。
通信確立データ115は、配達ドローン20と携帯端末30との通信に関するデータを含み、配達ドローン機体IDと通信時刻と携帯端末30と通信確立した成否である通信確立結果と通信した携帯識別番号の通信携帯端末識別番号とを含む。
配達記録データ116は、配達ドローン20が配達物を受取人へ受け渡した配達記録に関するデータを含み、配達番号と配達ドローン機体IDと配達物受渡時刻と受渡経度と受渡緯度と受渡高度と通信確立結果と通信携帯端末識別番号とを含む。
【0015】
***実施の形態1の動作***
図7は、配達ドローン20から取得した飛行情報と配達ドローン20と携帯端末30との通信確立情報とから配達物を受取人に受渡した位置を特定する配達記録装置10の処理フローである。
配達ドローン20の飛行開始時に、配達ドローン20の通信部22を通して、配達受付データ113から対象の配達受付情報を取得し、配達場所を記憶部21に設定する。
本フロー図を用いて、動作を説明する。
実施の形態1に係る配達記録装置10の動作手順は、実施の形態1に係る配達記録方法に相当する。また、実施の形態1に係る配達記録装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係る配達記録プログラムに相当する。
【0016】
配達ドローン20の位置情報取得部24は、一定間隔で配達ドローン20の飛行緯度と飛行経度と飛行高度とを含む飛行位置を取得し、飛行位置と飛行位置を取得した飛行時刻と配達ドローン機体IDとを含む飛行情報を、通信部22を通して配達記録装置10に送信する(ステップS101)。
位置情報取得部24は、例えば、人工衛星を利用した測位システムであるGPS等の受信機や通話などに活用する通信基地局からの位置情報等から飛行位置を取得する。ここでは、配達ドローン20は、数十秒に1回の一定間隔で飛行位置を取得し、飛行位置と飛行時刻と配達ドローン機体IDとを含む飛行情報を配達記録装置10に送信する。
【0017】
配達記録装置10は、通信部12を通して配達ドローン20から飛行情報を受信する。
情報取得部14は、飛行データ114に、配達ドローン機体IDと飛行時刻と飛行緯度と飛行経度と飛行高度とを含む飛行情報として飛行データレコードを登録する(ステップS102)。
情報取得部14は、飛行情報を一定間隔で配達ドローン20から受信し、毎回、受信した飛行情報を1つの飛行データレコードとして飛行データ114に登録する。
なお、配達ドローン20が飛行開始し、配達を終了するまで、S101とS102は繰り返し実行される処理である。
【0018】
配達ドローン20の近距離通信部23は、一定間隔で接続要求可能な携帯端末を検出するための無線信号を発信し、配達アプリがインストールされている携帯端末30を検出する。該当する携帯端末30を検出したら、近距離通信部23を通して、配達ドローン機体IDと認証情報とを含む接続要求の情報を携帯端末30に発信し接続を要求する(ステップS103)。
ここでは、配達ドローン20は、数秒に1回、携帯端末30が受信可能の無線信号を発信する。また、この無線信号は、配達ドローン20の飛行開始時から一定間隔で発信されている。
なお、認証情報は、接続要求する配達ドローン20と接続要求を受け付ける携帯端末30が事前に共有している鍵や認証コードなどの情報である。
【0019】
携帯端末30の近距離通信部33は、配達ドローン20から接続要求を受信する。携帯端末30との認証が成功したら、配達ドローン20と接続通信が確立する。近距離通信部33を通して携帯端末30を識別する携帯端末識別情報とを含む通信情報を配達ドローン20に送信する(ステップS104)。
携帯端末30との認証が失敗した場合は、再度、配達ドローン20の近距離通信部23から接続要求し、認証が成功するまで繰り返す。
一定時間、携帯端末30と接続通信が確立できなかった場合は、処理を中止し配達を終了する。
なお、携帯端末30と配達ドローン20の接続通信確立後、通信情報をメモリ(保存装置102)に記憶することで、通信確立が維持されている状態とする。そのため、携帯端末30の近距離通信部33は、配達ドローン20と接続通信が確立された後も、繰り返し配達ドローン20からの接続要求を受信するが、通信情報がメモリに保存されている間は、S104の通信情報を配達ドローン20に送信する処理は発生しない。一定期間、配達ドローン20からの接続要求を受信することができなくなった場合は、配達ドローン20が携帯端末30と通信が切断されたとし、通信情報をメモリから削除する。
【0020】
配達ドローン20は、近距離通信部23を通して、受取人の携帯端末30から携帯端末識別情報とを含む通信情報を受信する。近距離通信部23は、通信情報から携帯端末識別情報を取得できた場合、通信確立結果「成功」と通信時刻と配達ドローン機体IDと通信確立できた通信携帯端末識別番号とを含む通信確立情報を生成する。通信部22を通して、通信確立情報を配達記録装置10に送信する。
ここで、配達ドローン20は、近距離通信部23を通して、一定間隔で携帯端末30から通信情報が送信されてきているかを判定し、携帯端末30から通信情報を一定時間受信することができなかった場合、通信確立結果を「失敗」と判定し、通信確立結果「失敗」と通信時刻と配達ドローン機体IDとを含む通信確立情報を生成する。通信部22を通して、通信確立情報を配達記録装置10に送信する(ステップS105)。
なお、通信確立情報の生成は、例えば、数秒間隔で実施され、生成されると、通信確立情報を配達記録装置10に送信する。
【0021】
配達記録装置10の情報取得部14は、通信部12を通して、配達ドローン20から通信確立情報を受信する。情報取得部14は、受信した通信確立情報を取得し、通信確立データ115に、配達ドローン機体IDと通信時刻と通信確立結果と通信携帯端末識別番号を含む情報を通信確立データレコードとして登録する(ステップS106)。
ここでは、通信確立情報に通信携帯端末識別番号が設定されていない場合は、通信が確立した携帯端末30が存在しないので、空文字を設定し、通信確立データ115に、通信確立データレコードとして登録する。
【0022】
配達記録装置10の受渡特定部15は、通信確立情報から配達ドローン機体IDと通信時刻とを取得し、取得した配達ドローン機体IDと通信時刻に最も近い時刻に対応した飛行情報を飛行データ114から取得する。
通信時刻に最も近い時刻の飛行時刻の取得は、例えば、取得した通信時刻以前の飛行時刻と取得した通信時刻以降の飛行時刻とを抽出し、通信時刻に最も近い飛行時刻が通信時刻に最も近い時刻である近似飛行時刻とする。近似飛行時刻の飛行時刻と飛行経度と飛行緯度とを含む飛行データレコードを飛行データ114から抽出することで、受渡特定部15は、通信時刻に最も近い近似飛行時刻の飛行情報を取得する。
受渡特定部15は、通信が確立した通信確立時刻を配達物受渡時刻とし、近似飛行時刻の飛行緯度と飛行経度と飛行高度とを含む飛行位置を配達物の受渡位置とし、配達物を受取人に受け渡した配達物受渡時刻と配達物受渡位置とを特定する(ステップS107)。
【0023】
配達記録装置10の配達記録部16は、配達記録データ116に、配達番号と配達ドローン機体IDと配達物受渡時刻と受渡経度と受渡緯度と受渡高度と通信確立結果と通信携帯端末識別番号とを含む配達記録情報を配達記録データレコードとして登録する(ステップS108)。
なお、配達物受渡位置である受渡経度と受渡緯度と受渡高度と地図情報から、配達物受渡位置を配達物受渡住所に変換し、配達物受渡住所を含む配達記録情報を配達記録データレコードとして配達記録データ116に登録してもよい。
ここでは、配達番号は、配達ドローンIDとステータス「配達中」に対応した配達番号を配達受付データ113から取得する。
例えば、配達記録装置10では、配達依頼を受け付け、配達受付データ113として、配達番号「1」、配達ドローン機体ID「JU0000001ABC」、ステータス「配達中」とを含む配達受付情報である配達受付データレコードが登録される。
続いて、配達ドローン機体ID「JU0000001ABC」が飛行中であり、配達記録装置10では、飛行データ114として、配達ドローンID「JU0000001ABC」、飛行時刻「2023/09/08 10:00 00」とを含む飛行情報と配達ドローンID「JU0000001ABC」、飛行時刻「2023/09/08 10:00 30」とを含む飛行情報と配達ドローンID「JU0000001ABC」、飛行時刻「2023/09/08 10:01 00」とを含む飛行情報と配達ドローンID「JU0000001ABC」、飛行時刻「2023/09/08 10:01 30」とを含む飛行情報である飛行データレコードが登録される。
続いて、配達記録装置10が配達ドローン20から送信された、配達ドローンID「JU0000001ABC」、通信時刻「2023/09/08 10:00 55」、通信携帯端末識別番号「K01VXYZ2A3」が設定された通信確立情報を取得し、通信確立データレコードとして登録される。配達ドローンID「JU0000001ABC」の通信時刻「2023/09/08 10:00 55」に最も近い飛行時刻を飛行データ114から検索する。配達ドローンID「JU0000001ABC」、飛行時刻「2023/09/08 10:01 00」、飛行緯度「+35.33922」、飛行経度「+139.51855」と飛行高度「15」とを含む飛行データレコードが抽出される。
通信確立時刻を配達物受渡時刻「2023/09/08 10:00 55」、近似した飛行緯度を受渡緯度「+35.33922」、近似した飛行経度を受渡経度「+139.51855」、近似した飛行高度を受渡高度「15」とし、配達物受渡時刻と配達物受渡位置とを特定する。
続いて、配達記録装置10が、配達受付データ113から配達ドローンID「JU0000001ABC」とステータス「配達中」に対応する配達番号「1」を抽出する。さらに、配達番号「1」、配達ドローンID「JU0000001ABC」、配達物受渡時刻「2023/09/08 10:00 55」、受渡緯度「+35.33922」、受渡経度「+139.51855」、受渡高度「15」、通信確立結果「成功」、通信携帯端末識別番号「K01VXYZ2A3」との情報を含む配達記録情報を配達記録データレコードとして配達記録データ116に登録する。
【0024】
配達記録装置10の配達記録部16は、通信確立結果を確認し、成功の場合に配達物を受取人へ投下する判定を配達ドローン20に送信する。通信確立結果が失敗の場合は、配達ドローン20に配達終了であることを通知する(ステップS109)。
【0025】
配達ドローン20の通信部22は、投下判定が成功であることを受信し、配達物を受取人へ投下する。配達ドローン20の通信部22は、配達物を投下したら、投下完了を配達記録装置10へ送信する(ステップS110)。
なお、通信部22は、配達終了であることを受信した場合は、配達を終了する。
【0026】
配達記録装置10の配達記録部16は、通信部22を通して、配達ドローン20から投下完了を受信する。配達記録部16は、アカウントデータ112から受取人の通知先を取得し、配達受渡が完了したことを通知する(ステップS111)。
【0027】
携帯端末30は、配達受渡完了の通知を受信する(ステップS112)。
【0028】
***実施の形態1の効果***
配達ドローン20の飛行位置と飛行時刻との情報を含む飛行情報と、配達ドローン20と受取人が所有する携帯端末30とが通信を確立することにより取得可能な通信確立情報とを紐づけることで、通信確立時刻の配達ドローン20の飛行情報から、受取人に配達物を受け渡したとみなす受渡位置を特定することができる。配達物受渡時刻から近似の受渡位置を特定することで配達記録を作ることができる。なお、受渡位置は住所に変換して登録してもよい。また、配達物受渡位置と配達物受渡時刻の情報が記録されることで、システム管理者は操作端末40から配達状況を確認することができる。
さらには、本システム構成のように配達記録装置10との通信を配達ドローン20が担うことで、携帯端末30にインストールされている配達アプリで行う処理が少なくなり、配達アプリの改修が少なくなる効果もある。
【0029】
***他の構成***
<変形例1>
変形例1として、配達記録システム1の配達記録装置10と配達ドローン20と携帯端末30と操作端末40との一部の機能をまとめて1つの装置にする構成で実現されてもよい。
【0030】
<変形例2>
変形例2として、配達記録システム1の配達記録装置10と操作端末40との一部または全ての機能が、クラウド上に構築されて実現されてもよい。
【0031】
実施の形態2.
実施の形態1では、受取人と依頼人が同一の携帯端末30を所有もしくは同一のアカウントを所有することで実現された。
実施の形態2では、配達物の受取人と配達依頼人は別々の携帯端末を所有もしくは別々のアカウントであり、配達記録装置10と配達ドローン20と受取人の携帯端末30aと依頼人の携帯端末30bと操作端末40とで実現される構成である配達記録システム1において、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0032】
***実施の形態2の構成***
図8は、配達記録システム1の構成図である。
本実施の形態では、配達記録システム1は、ネットワーク2と配達記録装置10と配達ドローン20と携帯端末30aと携帯端末30bと操作端末40とから構成される。
受取人が所有する携帯端末を携帯端末30aとし、依頼人が所有する携帯端末を携帯端末30bとし、機能的な構成は携帯端末30と同様とする。
【0033】
図9は、システムの機能的な構成を示す機能構成図である。実施の形態1と異なる点を説明する。
配達記録装置10は、実施の形態1の機能構成にさらに受取人判定部17とを備える。
受取人判定部17は、配達依頼で受け付けた受取人を判定する。
【0034】
図10は、配達受付及び配達記録のデータ構成図である。実施の形態1と異なる点を説明する。
実施の形態1の配達受付データ113に受取人携帯端末識別番号と受取人アカウント番号とを含む項目からなる。
実施の形態1の配達記録データ116に受取人判定結果とを含む項目からなる。
配達ドローンデータ111、アカウントデータ112、飛行データ114、通信確立データ115は実施の形態1と同様である。
【0035】
***実施の形態2の動作***
図11は、配達依頼を受け付け、配達ドローン20が飛行開始し、配達ドローン20の飛行情報を取得して、配達ドローン20と受取人の携帯端末30aとの通信が確立した情報から配達物を受取人に受渡した位置を特定する配達記録装置10の処理フローである。
本フロー図を用いて、動作を説明する。
ステップS203からステップS205は、実施の形態1のステップS101からステップS103と同様である。
【0036】
依頼人が所有する携帯端末30bの表示部34は、配達アプリの配達依頼画面を表示し、依頼人に配達物の受取人の情報と配達先とを含む配達依頼情報を入力させる。携帯端末30bの操作受付部36は、依頼人から受け付けた配達依頼データを生成し、通信部32は、配達記録装置10へ配達依頼情報を送信する(ステップS201)。
この時、依頼人は配達アプリのアカウントを持っている配達アプリの利用ユーザであり、配達アプリにログインすることができる。
配達依頼を行う操作は、Webサイトで配達依頼を行う画面を表示するシステムであってもよい。
【0037】
配達記録装置10の通信部12を通して、携帯端末30bから受信した配達依頼情報を基に、配達受付部13は、受取人のアカウント番号を取得する。取得したアカウント番号を指定して、アカウントデータ112から対応するアカウント番号の携帯端末識別番号を含むアカウントデータレコードを取得する。
配達受付部13は、配達依頼データとアカウントデータレコードとを基に、配達受付データ113に配達場所と受渡人携帯端末識別番号と受取人アカウント番号と依頼人アカウント番号とを含む配達受付情報として配達受付データレコードを配達受付データ113に登録する(ステップS202)。
ここでは、配達依頼情報から受取人のアカウント番号を取得し、アカウントデータ112から対応するアカウントデータレコードを取得したとき、携帯端末識別番号が設定されていない場合は、S209で実行される受取人判定を行うことができないため、配達依頼を受け付けないこととする。
【0038】
携帯端末30aの近距離通信部33は、配達ドローン20から接続要求を受信する。携帯端末30aの認証が成功したら、配達ドローン20と接続通信が確立する。接続が確立されると、近距離通信部33を通して携帯端末30aを識別する携帯端末識別情報とを含む情報を配達ドローン20に送信する(ステップS206)。
【0039】
配達ドローン20は、近距離通信部23を通して、携帯端末30aから携帯端末識別情報とを含む情報を受信する。近距離通信部23は、通信情報から携帯端末識別情報を取得できた場合、通信確立結果「成功」と通信時刻と配達ドローン機体IDとを含む通信確立情報を生成する。通信部22を通して、通信確立情報を配達記録装置10に送信する(ステップS207)。
ここでは、配達ドローン20は、携帯端末30aから通信情報が一定時間受信することができなかった場合、通信確立結果を「失敗」と判定し、通信確立結果「失敗」する。
【0040】
配達記録装置10は、通信部12を通して、配達ドローン20から通信確立情報を受信する。情報取得部14は、通信確立情報を取得し、通信確立データ115に、配達ドローン機体IDと通信時刻と通信確立結果と通信携帯端末識別番号とを含む情報を通信確立データレコードとして登録する(ステップS208)。
ここでは、通信確立情報に通信携帯端末識別番号が設定されていない場合は、通信が確立した携帯端末30aが存在しないので、空文字を設定し、通信確立データ115に、通信確立データレコードとして登録する。
【0041】
配達記録装置10の受取人判定部17は、配達受付データ113から該当の配達ドローン機体IDとステータス「配達中」に対応する配達番号に対応する受取人携帯端末識別番号とを含む配達受付データレコードを取得する。抽出した配達受付データレコードの受取人携帯端末識別番号と通信確立情報から取得した携帯端末識別番号とを比較する。携帯端末識別番号が一致した場合、受取人判定結果を「成功」とし、それ以外の場合に、受取人判定結果を「失敗」とする。
受取人判定結果は受取人判定情報として記憶部11に一時的に保存する(ステップS209)。
【0042】
配達記録装置10の受渡特定部15は、通信確立情報から配達ドローン機体IDと通信時刻とを取得し、取得した配達ドローン機体IDと通信時刻に最も近い時刻に対応した飛行情報を飛行データ114から取得する。
通信時刻に最も近い時刻の飛行時刻の取得は、例えば、取得した通信時刻以前の飛行時刻と取得した通信時刻以降の飛行時刻とを抽出し、通信時刻に最も近い飛行時刻が通信時刻に最も近い時刻である近似飛行時刻とする。近似飛行時刻の飛行時刻と飛行経度と飛行緯度とを含む飛行データレコードを取得することで、通信時刻に最も近い近似飛行時刻の飛行位置情報を取得する。
通信が確立した通信確立時刻を配達物受渡時刻とし、近似飛行時刻の飛行緯度と飛行経度と飛行高度とを含む飛行位置を配達物の受渡位置とし、配達物を受取人に受け渡した配達物受渡時刻と配達物受渡位置を特定する(ステップS210)。
【0043】
配達記録装置10の配達記録部16は、記憶部11から受取人判定情報から受取人判定結果を取得し、配達記録データ116に、配達番号と配達ドローン機体IDと配達物受渡時刻と受渡経度と受渡緯度と受渡高度と通信確立結果と通信携帯端末識別番号と受取人判定結果とを配達記録情報として配達記録データレコードとして登録する(ステップS211)。
ここでは、通信確立結果「失敗」の場合は、通信が確立した携帯端末30aが存在しないので、通信携帯端末識別番号と受取人判定結果とには、空文字を設定して登録する。
例えば、配達受付データ113として、配達受付情報は配達番号「4」、配達場所「鎌倉市上町屋1-1-1」、依頼人アカウント番号「C0001」、受取人携帯端末識別番号「K02ABCD3T4」、受取人アカウント番号「B0001」、配達ドローン機体ID「JU0000001ABC」、ステータス「配達中」が登録されている。
配達ドローン機体ID「JU0000001ABC」が飛行中であり、飛行データ114として、配達ドローンID「JU0000001ABC」、飛行時刻「2023/09/08 12:00 00」とを含む飛行情報と配達ドローンID「JU0000001ABC」、飛行時刻「2023/09/08 12:00 30」とを含む飛行情報と配達ドローンID「JU0000001ABC」、飛行時刻「2023/09/08 12:01 00」とを含む飛行情報と配達ドローンID「JU0000001ABC」、飛行時刻「2023/09/08 12:01 30」とを含む飛行情報である飛行データレコードが配達記録装置10の情報取得部14にて登録される。
続いて、配達記録装置10の情報取得部14が配達ドローン20から送信された、配達ドローンID「JU0000001ABC」、通信時刻「2023/09/08 12:00 55」、通信携帯端末識別番号「K02ABCD3T4」が設定された通信確立情報を取得する。配達ドローンID「JU0000001ABC」の通信時刻「2023/09/08 12:00 55」に最も近い飛行時刻を飛行データ114から検索する。配達ドローンID「JU0000001ABC」、飛行時刻「2023/09/08 12:01 00」、飛行緯度「+35.33922」、飛行経度「+139.51855」と飛行高度「15」とを含む飛行データレコードが抽出される。
通信確立時刻を配達物受渡時刻「2023/09/08 12:00 55」、近似した飛行緯度を受渡緯度「+35.33922」、近似した飛行経度を受渡経度「+139.51855」、近似した飛行高度を受渡高度「15」とし、配達物受渡時刻と配達物受渡位置とを特定する。
続いて、配達記録装置10の受取人判定部17では、通信確立情報から通信携帯端末識別番号「K02ABCD3T4」を取得する。配達受付データ113から配達ドローンID「JU0000001ABC」とステータス「配達中」に対応する配達受付データレコードを取得する。通信確立情報の通信携帯端末識別番号「K02ABCD3T4」と配達受付データレコードから取得した受取人携帯端末識別番号「K02ABCD3T4」を比較し、一致していた場合、受取人判定結果「成功」を設定する。
続いて、配達番号「4」、配達ドローンID「JU0000001ABC」、配達物受渡時刻「2023/09/08 12:00 55」、受渡緯度「+35.33922」、受渡経度「+139.51855」、受渡高度「15」、通信確立結果「成功」、通信携帯端末識別番号「K02ABCD3T4」と受取人判定結果「成功」の情報を含む配達記録情報を配達記録データレコードとして配達記録データ116に登録する。
【0044】
配達記録装置10の配達記録部16は、受取人判定結果の成否を確認し、「成功」の場合に配達物を受取人へ投下する判定を配達ドローン20に送信する。受取人判定結果が「失敗」及び通信確立結果が「失敗」の場合、通信部12を通して、配達ドローン20に配達終了であることを通知し、配達を終了する(ステップS212)。
配達終了になった場合、配達記録装置10から依頼人の携帯端末30bへ配達終了であることを通知してもよい。
また、受取人判定結果「成功」の場合に、受取人の携帯端末30aに配達物を受け取るか否かの確認通知を配達記録装置10から通知してもよい。
【0045】
配達ドローン20の通信部22は、投下判定が「成功」であることを受信したら、配達物を受取人へ投下する。配達ドローン20の通信部22は、配達物を投下したら、投下完了を配達記録装置10へ送信する(ステップS110)。
なお、システム管理者が操作端末40の操作受付部45でシステム管理者が受取人判定結果を確認し、システム管理者が投下判定を実施してもよい。
【0046】
配達記録装置10の配達記録部16は、通信部22を通して、配達ドローン20から投下完了を受信する。配達記録部16は、アカウントデータ112から受取人の通知先と依頼人の通知先を取得し、配達受渡が完了したことを受取人と依頼人との通知先に通知する(ステップS214)。
【0047】
携帯端末30aは、配達記録装置10から送信された配達受渡完了の通知を受信する(ステップS215)。
【0048】
携帯端末30bは、配達記録装置10から送信された配達受渡完了の通知を受信する(ステップS216)。
【0049】
***実施の形態2の効果***
配達の依頼人と配達の受取人が異なる場合においても、配達ドローン20と通信確立した携帯端末識別情報から、受取人であることを判定し、配達受付した受取人であることを特定してから配達物を受取人へ受け渡すことができる。
また、配達ドローン20が受取人へ配達物を受け渡した受渡位置と配達物受渡時刻を特定し、依頼人から受け付けた配達受付の証跡として記録することができる。
【0050】
なお、以上の説明における「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」又は「処理回路」に読み替えてもよい。
【0051】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
配達物を配達する配達ドローンにネットワーク接続される配達記録装置であって、
前記配達ドローンの対となる飛行位置と前記飛行位置を取得した時刻である飛行時刻とを含む飛行情報と、
前記配達物が受け渡される受取人が有する携帯端末との通信が確立した場合の通信確立時刻を含む通信確立情報とを前記配達ドローンから取得する情報取得部と、
前記飛行情報から前記通信確立時刻に近い飛行時刻である近似飛行時刻と対になる飛行位置を抽出し、
前記通信確立時刻を配達物受渡時刻とし、前記飛行位置を配達物受渡位置とし、前記配達物受渡時刻と前記配達物受渡位置とを含む情報を受渡情報として特定する受渡特定部とを備える
配達記録装置。
(付記2)
さらに、配達を依頼する依頼人から前記依頼人が前記配達物の受取人となる配達依頼を受け付ける配達受付部と、
前記受取人の携帯端末との通信が確立し、前記配達ドローンが前記配達物を前記受取人に受け渡す処理を実施したとき、前記受取人の携帯端末に配達受渡完了を通知する配達記録部を備える
付記1に記載の配達記録装置。
(付記3)
さらに、
配達を依頼する依頼人から前記依頼人とは異なる前記配達物の受取人が有する携帯端末の携帯端末識別番号を含む情報を指定した配達依頼を受け付ける配達受付部と、
前記配達ドローンと前記受取人の携帯端末との通信が確立し、前記配達ドローンが前記受取人に配達物を受け渡す処理を実施したとき、前記依頼人の携帯端末と前記受取人の携帯端末とに配達受渡完了を通知する配達記録部を備える
付記1又は2に記載の配達記録装置。
(付記4)
前記配達ドローンから取得する前記通信確立情報には通信確立した前記受取人の携帯端末の携帯端末識別番号が含まれ、
さらに、
前記受取人の携帯端末との通信確立後に、前記配達ドローンから取得する前記通信確立情報に含まれる携帯端末識別番号と、前記配達依頼で受け付けた携帯端末識別番号とが同一であるかを判定し、
前記配達ドローンから取得する前記通信確立情報に含まれる携帯端末識別番号と、前記配達依頼で受け付けた携帯端末識別番号とが同一である場合、前記配達ドローンから取得した前記通信確立情報に含まれる携帯端末識別番号の携帯端末の所有者が受取人本人であることを判定する受取人判定部を備える
付記3に記載の配達記録装置。
(付記5)
前記情報取得部は、
前記配達ドローンから一定間隔で受信する前記飛行情報を登録し、
前記配達記録部は、
前記飛行情報から抽出した前記近似飛行情報から近似された受渡位置を含む前記受渡情報と前記配達ドローンと前記受取人の携帯端末との通信の確立結果と前記受取人判定部の受取人本人であることの判定結果とを含む配達記録情報を生成し、前記飛行情報に登録する
付記4に記載の配達記録装置。
(付記6)
前記配達記録装置は、クラウドサーバ上に構築される、
付記1~5のいずれか1項に記載の配達記録装置。
(付記7)
配達記録装置と携帯端末とにネットワーク接続される配達ドローンであって、
配達ドローンの現在の位置である緯度と経度と高度との飛行情報を取得する位置情報取得部と、
配達ドローン機体を識別する機体番号を含むドローン機体情報と前記携帯端末と通信が確立した情報とを含む通信確立情報とを生成する近距離通信部と、
前記位置情報取得部が一定間隔で取得した前記飛行情報を前記配達記録装置へ送信する通信部を備える
配達ドローン。
(付記8)
配達物を配達する配達ドローンの対となる飛行位置と前記飛行位置を取得した時刻である飛行時刻とを含む飛行情報と、
配達物が受け渡される受取人の前記配達ドローンと通信が可能な携帯端末との通信の確立が成功した場合の通信確立時刻とを含む通信確立情報と前記配達ドローンから取得する情報取得処理と、
前記飛行情報から前記通信確立時刻に近い飛行時刻である近似飛行時刻と前記近似飛行時刻の飛行位置とである近似飛行情報を抽出し、
前記通信確立時刻を配達物受渡時刻とし、近似飛行位置を配達物受渡位置とし、前記配達物受渡時刻と配達物受渡位置とを含む情報を受渡情報として特定する受渡特定処理とを備える
配達記録プログラム。
(付記9)
配達物を配達する配達ドローンの対となる飛行位置と前記飛行位置を取得した時刻である飛行時刻とを含む飛行情報と、
配達物が受け渡される受取人の前記配達ドローンと通信が可能な携帯端末との通信の確立が成功した場合の通信確立時刻とを含む通信確立情報と前記配達ドローンから取得し、
前記飛行情報から前記通信確立時刻に近い飛行時刻である近似飛行時刻と前記近似飛行時刻の飛行位置とである近似飛行情報を抽出し、
前記通信確立時刻を配達物受渡時刻とし、近似飛行位置を配達物受渡位置とし、前記配達物受渡時刻と前記配達物受渡位置とを含む情報を受渡情報として特定する受渡特定する
配達記録方法。
(付記10)
配達ドローンの現在の位置である緯度と経度と高度との飛行情報を取得する位置情報取得部と、
配達ドローン機体を識別する機体番号を含むドローン機体情報と受取人の携帯端末と通信が確立した情報とを含む通信確立情報とを生成する近距離通信部と、
位置情報取得部が一定間隔で取得した前記飛行情報を配達記録装置へ送信する通信部を備える配達ドローンと、
前記配達ドローンの対となる飛行位置と前記飛行位置を取得した時刻である飛行時刻とを含む前記飛行情報と、
配達物が受け渡される前記受取人が有する携帯端末との通信が確立した場合の通信確立時刻を含む通信確立情報とを前記配達ドローンから取得する情報取得部と、
前記飛行情報から前記通信確立時刻に近い飛行時刻である近似飛行時刻と対になる飛行位置を抽出し、
前記通信確立時刻を配達物受渡時刻とし、前記飛行位置を配達物受渡位置とし、前記配達物受渡時刻と前記配達物受渡位置とを含む情報を受渡情報として特定する受渡特定部とを備える
配達記録装置からなる配達記録システム。
【0052】
以上、本開示の実施の形態について説明した。これらの実施の形態のうち、いくつかを組み合わせて実施してもよい。また、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施してもよい。なお、本開示は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 配達記録システム、2 ネットワーク、10 配達記録装置、11 記憶部、12 通信部、13 配達受付部、14 情報取得部、15 受渡特定部、16 配達記録部、17 受取人判定部、20 配達ドローン、21 記憶部、22 通信部、23 近距離通信部、24 位置情報取得部、30 携帯端末、31 記憶部、32 通信部、33 近距離通信部、34 表示部、35 入力部、36 操作受付部、40 操作端末、41 記憶部、42 通信部、43 入力部、44 表示部、45 操作受付部、111 配達ドローンデータ、112 アカウントデータ、113 配達受付データ、114 飛行データ、115 通信確立データ、116 配達記録データ。
【要約】
【課題】配達ドローンの飛行情報から、受取人に配達物を受け渡したとみなす配達物受渡位置を特定することを目的とする。
【解決手段】本開示に係る配達記録装置は、配達物を配達する配達ドローンにネットワーク接続される配達記録装置であって、配達ドローンの対となる飛行位置と飛行位置を取得した時刻である飛行時刻とを含む飛行情報と、配達物が受け渡される受取人が有する携帯端末との通信が確立した場合の通信確立時刻を含む通信確立情報とを配達ドローンから取得する情報取得部と、飛行情報から通信確立時刻に近い飛行時刻である近似飛行時刻と対になる飛行位置を抽出し、通信確立時刻を配達物受渡時刻とし、飛行位置を配達物受渡位置とし、配達物受渡時刻と配達物受渡位置とを含む情報を受渡情報として特定する受渡特定部とを備える。
【選択図】
図2