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特許7580582鋸刃を鋸引き装置の駆動スピンドルに締結するためのシステム、方法、及びフランジ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】鋸刃を鋸引き装置の駆動スピンドルに締結するためのシステム、方法、及びフランジ装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/26 20060101AFI20241101BHJP
   B26D 1/14 20060101ALI20241101BHJP
   B23D 61/02 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
B26D7/26
B26D1/14 A
B23D61/02 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023515330
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2021074768
(87)【国際公開番号】W WO2022063587
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-03-07
(31)【優先権主張番号】20197329.4
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Hilti Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100, 9494 Schaan, Liechtenstein
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツォグ, ウルス
(72)【発明者】
【氏名】シトゥル, ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルダー, ブルーノ
【審査官】黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5447086(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0201492(US,A1)
【文献】特表平4-504462(JP,A)
【文献】特表2001-509572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/26
B26D 1/14
B23D 61/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋸刃(2)を鋸引き装置(4)の駆動スピンドル(11)に締結するためのフランジ装置(1)であって、フランジ装置(1)は、センタリングリング(5)、ナット(6)、及びフランジ本体(7)を有し、
前記フランジ本体(7)は前記フランジ装置(1)の外側領域を形成し、前記フランジ装置(1)の内部(8)には前記ナット(6)が可動式に配置され、前記センタリングリング(5)は前記ナット(6)が配置される前記内部(8)を覆い、締結手段(9)によって前記フランジ本体(7)に締結され、前記フランジ装置(1)の閉じた状態において、前記ナット(6)は、前記駆動スピンドル(11)内にガイドされる中央ねじ込み装置(3)を締結の目的で取り囲む
ことを特徴とする、フランジ装置(1)。
【請求項2】
前記フランジ装置(1)の開いた状態において、前記ナット(6)が、前記フランジ本体(7)の前記内部(8)において、前記フランジ本体(7)の上面及び下面と実質的に面一で終端する
ことを特徴とする、請求項1に記載のフランジ装置(1)。
【請求項3】
前記フランジ本体(7)が外縁にセンタリングスロット(10)を有する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のフランジ装置(1)。
【請求項4】
鋸刃(2)を鋸引き装置(4)の駆動スピンドル(11)に締結するためのシステム(20)であって、
前記システム(20)は、請求項1~のいずれか一項に記載のフランジ装置(1)と、鋸引き装置(4)と、中央ねじ込み装置(3)とを有する
ことを特徴とする、システム(20)。
【請求項5】
前記中央ねじ込み装置(3)が、前記鋸引き装置(4)の前記駆動スピンドル(11)内に半径方向のクリアランスを有する
ことを特徴とする、請求項に記載のシステム(20)。
【請求項6】
クリアランス幅が、0.1~1mmの範囲、好ましくは0.3~0.8mmの範囲、より好ましくは0.4~0.6mmの範囲であり、最も好ましくは0.5mmである
ことを特徴とする、請求項に記載のシステム(20)。
【請求項7】
前記システム(20)が、前記フランジ装置(1)をセンタリングするための鋸歯状シャフト接続(13)を備え
前記鋸歯状シャフト接続(13)は、互いに係合する内部形状及び外部形状を有し、前記外部形状は前記ナット(6)に存在し、前記内部形状は前記駆動スピンドル(11)に存在する
ことを特徴とする、請求項4~6のいずれか一項に記載のシステム(20)。
【請求項8】
前記システム(20)が調節可能なブレードガードホルダ(14)を有する
ことを特徴とする、請求項4~7のいずれか一項に記載のシステム(20)。
【請求項9】
鋸刃(2)を鋸引き装置(4)の駆動スピンドル(11)に締結する方法であって、
a)駆動スピンドル(11)を有する鋸引き装置(4)を提供するステップと、
b)中央ねじ込み装置(3)を提供するステップと、
c)請求項1~のいずれか一項に記載のフランジ装置(1)を提供するステップであって、前記締結方法の開始点である開いた状態において、前記フランジ装置(1)のナット(6)が、前記フランジ装置(1)のフランジ本体(7)の内部(8)に実質的に完全に受け入れられ、前記中央ねじ込み装置(3)が前記駆動スピンドル(11)の内側に実質的に完全に配置されるステップと、
d)前記中央ねじ込み装置(3)を前記ナット(6)の雌ねじに導入するステップと
e)前記中央ねじ込み装置(3)を前記ナット(6)の前記雌ねじにねじ込み続けるステップと、
f)前記中央ねじ込み装置(3)を前記ナット(6)の前記雌ねじにねじ込み続けるステップであって、その結果、前記フランジ装置(1)の前記ナット(6)が前記中央ねじ込み装置(3)に引き寄せられるステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フランジ装置、及び鋸刃を鋸引き装置の駆動スピンドルに締結する方法に関する。とりわけ、フランジ装置は、フランジ本体の内部に可動式に配置されるナットを備え、フランジ装置の閉じた状態において、ナットは、駆動スピンドル内にガイドされる中央ねじ込み装置を締結の目的で取り囲む。第2の態様では、本発明は、鋸刃を鋸引き装置の駆動スピンドルに締結するためのシステムに関し、このシステムは、提案されたフランジ装置と、鋸引き装置と、中央ねじ込み装置とを有する。鋸引き装置の中央ねじ込み装置は、閉じた状態において、フランジ装置のナットの内部に受け入れられるように、ばねに反してフランジ装置の方向に押すことができる。
【背景技術】
【0002】
基板又は壁に切り込みを入れることができる鋸引き装置、例えばウォールソーは、従来技術から知られている。鋸引き装置は、通常、工具として、回転運動を実行し、その結果、加工される基板又は壁に切り込みを入れる、鋸刃を有する。鋸刃は、鋸刃フランジ又はフランジ装置によって鋸引き装置の駆動スピンドルに締結される。
【0003】
これらの鋸刃フランジに対する既存のソリューションの欠点は、多数の可動部品があることが多いため、鋸刃の組み立てと交換が非常に複雑で時間がかかることである。更に、特に鋸引き装置が建設現場で使用される場合、多数の小さな部品が簡単に失われる可能性があり、これにより更に遅れが生じる可能性がある。特に、鋸刃を締結するために特殊なねじなどの特殊な接続手段を使用する場合、特にこれらの特殊なねじを紛失し、交換品が容易に入手できない場合に問題が発生する可能性がある。
【0004】
更に、従来技術から知られている多くのフランジ装置の構成要素は汚れやすく、駆動スピンドルへの鋸刃の安定した、確実で堅牢な締結が常に保証されるとは限らない。
【0005】
当業者は、鋸刃を事前に中心合わせできるようにするフランジ装置を提供できれば歓迎するであろう。これは、特に大径の鋸刃を取り付ける場合に、ねじ穴を見つけて位置合わせするのを慎重に行う必要があるためである。この目的のためには、特にねじ穴を見つけるための特殊な工具と同様に、訓練を受けた経験豊富な人員が必要である。鋸刃が適切に整列されていない場合、望ましくない、ねじの急速な摩耗が不利に発生する可能性がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠陥及び欠点を克服し、鋸刃を工具なしにシンプルで時間を節約する方法で鋸引き装置の駆動スピンドルに締結することができる、鋸引き装置用のフランジ装置を提供することである。本発明の更なる目的は、フランジ装置と鋸刃との間の接続が、汚れに強く、安定し、頑丈で、安全であることである。鋸刃の取り付け又は交換中に部品が失われる危険性を低減するために、フランジ装置ができるだけ少ない部品を備えるように提供されることが望ましい。
【0007】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。独立項の請求の主題に関連する有利な実施形態は、従属請求項に見出すことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様では、目的は鋸刃を鋸引き装置の駆動スピンドルに締結するためのフランジ装置によって達成され、フランジ装置は、センタリングリング、ナット、及びフランジ本体を有する。フランジ装置は、フランジ本体がフランジ装置の外側領域を形成し、ナットがフランジ本体の内部に可動式に配置され、センタリングリングが締結手段によってフランジ本体に締結され、フランジ装置の閉じた状態において、ナットは、駆動スピンドル内にガイドされる中央ねじ込み装置を締結の目的で取り囲むことを特徴とする。本発明によれば、中央ねじ込み装置は、好ましくは締結ねじと呼ぶことができる。
【0009】
第2の態様では、本発明は、鋸刃を鋸引き装置の駆動スピンドルに締結するためのシステムに関し、このシステムは、提案されたフランジ装置と、鋸引き装置と、中央ねじ込み装置とを有する。
【0010】
提案されたフランジ装置の使用の結果として、特別に保管されるべき工具又は特殊なねじのような締結手段の使用を省くことが有利に可能である。特に、鋸刃は手動で鋸引き装置に締結することができ、これは、手動による締結がより「触覚的」な方法で頻繁に行われるという利点に関連しており、したがってフランジ装置の構成要素及び鋸引き装置の構成要素への機械的損傷の危険性が減少する。試験は、提案されたフランジ装置の構成要素が特に容易に洗浄できることを示した。更に、提案されたフランジ装置は、比較的少数の部品で構成されているため、特に簡単に組み立てることができる。特に、この目的のために使用される人員は、広範なトレーニングを受ける必要はない。本発明の更なる利点は、ナットがフランジ装置の可動部分として設けられていることであり、その結果、システムの洗浄及び整備がより容易になるからである。
【0011】
本発明によれば、鋸引き装置はウォールソーであることが好ましい。ウォールソーが使用される場合、鋸刃と加工される基板との間に鋸刃を締結するためのスペースがない、フラッシュカットが意図される用途が生じる。提案されたフランジ装置は、特にこの用途で使用できるように意図されている。この点に関して、それは、好ましくは、フラッシュカットフランジとも呼ばれる、又はフラッシュカットフランジを表すこともできる。
【0012】
好ましくは本発明による「鋸」とも呼ばれる鋸引き装置は、好ましくは、壁及び基板に切り込みを入れるように設計される。この目的のために、鋸刃を工具として使用して切り込みが作成され、鋸刃は、好ましくは、回転軸を中心に回転運動を実行する。回転軸は、鋸のモータによって駆動され、回転運動を鋸刃に伝達する、鋸の駆動スピンドルの仮想中心軸と一致することが好ましい。
【0013】
鋸刃は、好ましくは、鋸引き装置の鋸ヘッドの構成要素であり、鋸刃は、好ましくは、鋸アームに締結され、駆動モータによって回転軸を中心に駆動される。鋸アームは旋回できるように設計されており、旋回モータによって旋回軸の周りで調整できる。鋸引き装置、特にウォールソーは、電動送りユニット及びガイドキャリッジと更に協働することができる。電動送りユニットは送りモータを有することが好ましく、鋸ヘッドはガイドキャリッジ上に配置され、送りモータを介してガイドレールに沿って移動することができる。鋸刃は、駆動モータ、駆動スピンドル、及び駆動スピンドルをトルク伝達方式で駆動モータに接続する伝達装置を介して、回転軸の周りで駆動される。
【0014】
本発明によれば、鋸刃がフランジ装置によって駆動スピンドルに締結されることが好ましい。フランジ装置は、センタリングリング、ナット、及びフランジ本体を備え、フランジ本体と鋸刃は互いに接続される。センタリングリングとフランジ本体は、ねじ接続で接続されている。放射状に配置された固定ねじがセンタリングリングの周囲に設けられており、フランジ本体の雌ねじを有する対応する放射状の穴にねじ込むことができる。鋸刃は、好ましくは、フランジ本体の周囲に配置された締結ねじによってフランジ本体に締結することができる。フランジ本体は好ましくは鋸引き装置の駆動スピンドルにも接続され、したがって、鋸刃がフランジ装置のフランジ本体に締結されると、鋸刃は駆動スピンドルが回転するときに一緒に運ばれる。その結果、鋸刃を駆動して回転運動を行うことができ、基板を加工することができる。
【0015】
更なる態様では、本発明は、鋸刃を鋸引き装置の駆動スピンドルに締結する方法に関し、この方法は、以下のステップを含む:
a)駆動スピンドルを有する鋸引き装置を提供するステップ、
b)中央ねじ込み装置を提供するステップ、
c)提案されたフランジ装置を提供するステップであって、締結方法の開始点である開いた状態において、フランジ装置のナットがフランジ装置のフランジ本体の内部に実質的に完全に受け入れられ、中央ねじ込み装置が駆動スピンドルの内側に実質的に完全に配置されるステップ、
d)中央ねじ込み装置をナットの雌ねじに導入するステップであって、その結果、ドライバとフランジ装置のナットが係合するようになるステップ、
e)中央ねじ込み装置をナットの雌ねじにねじ込み続けるステップ、
f)中央ねじ込み装置をナットの雌ねじにねじ込み続けるステップであって、その結果、フランジ装置のナットが中央ねじ込み装置に引き寄せられるステップ。
【0016】
本発明によれば、鋸引き装置のドライバは、その端面にカムを有し、フランジ装置のナットの後側にあるポケットと係合できることが好ましい。これは、好ましくは、ナットの雌ねじへの中央ねじ込み装置の導入に応答して行われる。締結ねじは、好ましくは、フランジ装置のナットの雌ねじに更にねじ込まれる。その結果、鋸内のスリーブをドライバと中央ねじ込み装置との間の隙間に導入することができ、第1のばねを圧縮することができる。締結ねじを更にナットにねじ込むと、ナットはフランジ装置のフランジ本体の内部から後方に引き出される。その結果、ナットは締結ねじに引き寄せられる。換言すれば、締結ねじ及びナットが締め付けられ、この締め付けは、スリーブ、ストッパー、及び第1のばねによって支持される。本発明によれば、フランジと鋸との間の締結状態が確立され、ストッパーに到達し、中央ねじ込み装置の雄ねじが実質的に完全にフランジ装置のナット内に受け入れられるまで、ナットがフランジ本体の内部から引き出されることが好ましい。換言すれば、このようにして、フランジ装置のナットと締結ねじとの間にねじ接続が確立される。鋸刃は、フランジの前側にねじ込むことができ、したがってフランジ及び鋸引き装置に締結することができる。このように、提案された方法により、フランジ装置を使用して鋸刃を鋸引き装置に締結する可能な方法を提供することができる。フランジ装置及びシステムに関して記載されている定義、技術的効果及び利点は提案された締結方法にも同様に当てはまり、逆の場合も同様である。
【0017】
好ましい実施形態では、本発明は以下の方法ステップを含む:
a)駆動スピンドルを有する鋸引き装置を提供するステップ、
b)中央ねじ込み装置を提供するステップ、
c)提案されたフランジ装置を提供するステップであって、締結方法の開始点である開いた状態において、フランジ装置のナットがフランジ装置のフランジ本体の内部に実質的に完全に受け入れられ、中央ねじ込み装置が駆動スピンドルの内側に実質的に完全に配置されるステップ、
d)中央ねじ込み装置をナットの雌ねじに導入するステップであって、その結果、ドライバの端面にあるカムがナットの後側にあるカットアウトと係合するようになるステップ、
e)中央ねじ込み装置をナットの雌ねじにねじ込み続けるステップであって、その結果、スリーブがドライバと中央ねじ込み装置との間の隙間に導入され、第1のばねが圧縮されるステップ、
f)中央ねじ込み装置をナットの雌ねじにねじ込み続けるステップであって、その結果、閉じた状態に達するまでナットがフランジ本体の内部から引き出され、ストッパーに達し、中央ねじ込み装置の雄ねじが、フランジ装置のナット内に実質的に完全に受け入れられているステップ。
【0018】
本発明によれば、この閉じた状態において、スリーブは、中央ねじ込み装置とドライバとの間に形成される隙間内に実質的に完全に受け入れられ、第1のばねは負荷状態にあることが好ましい。閉じた状態は、好ましくは、鋸刃がフランジによって鋸引き装置に締結され得る状態に対応する。したがって、本発明では、それを締結状態ともいう。
【0019】
本発明によれば、接続を確立するために、フランジ装置のナットが締結ねじと協働することが好ましい。フランジ装置を鋸引き装置に取り付けるために、まず最初に、すべてのフランジ装置を鋸引き装置の駆動スピンドルの近くに持ってくる。この場合、ナットはフランジ本体の内部に完全に引き込まれた状態であり、ナットと締結ねじとの間に隙間が形成される。中央ねじ込み装置は、好ましくは、同様に可動式に構成され、駆動スピンドルによって形成される内部で横方向に移動可能である。換言すれば、締結装置は、前方(フランジ装置の方向)及び後方(フランジ装置から離れる方向)に移動することができる。締結ねじは、その後端に、ねじが駆動スピンドルの内部に移動できる限りストッパーを形成するねじ頭を備える。非締結、すなわち本発明による「開いた」状態では、締結ねじは、締結ねじの内部に完全には引き込まれていない状態にある。
【0020】
次のステップでは、ねじがフランジ装置の方向に動かされる。好ましくは、締結ねじは、フランジ装置のナット内に移動する。本発明によれば、ねじが例えば約2回転でナットの雌ねじにねじ込まれることも好ましい。これにより、まず、ナット内で締結ねじが緩く締結される。ねじはドライバによって取り囲まれ、ドライバは、締結方法のこのステップで、ねじとともにフランジ装置の方向に前進する。ドライバは、端面にカム、すなわち突起を備え、これがナットの後側のポケットと協働することができる。好ましくは、ナットの後側は、締結中に鋸引き装置の方向に向けられる。ナットの後側は、例えば、5つのポケットを備えることができ、ナットの円周に沿って分配できる他の数のポケット又はカットアウトも設けることができる。カムと協働するために、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のポケットを、ドライバの端面にあるカムと協働するためにナットの後側の周囲に配置することも可能である。ドライバの端面は、フランジ装置の方向に向いていることが好ましい。本発明によれば、ドライバのカムの数は、ナットの後側のポケットの数に対応することが好ましい。カットアウト又はポケットは、傾斜面を有することが好ましく、それによって、カムがポケット内に特に容易に滑り込むことができる。カムがポケット内にある場合、それらが鋸引き装置とフランジ装置との間の接続をサポートする。本発明によれば、カム及びカムが相互作用するポケットが、鋸の駆動スピンドルの相対運動を阻止するように設計されていることが特に好ましい。
【0021】
ドライバと締結ねじとの間には、環状の隙間又は円筒形の空洞がある。この隙間又は空洞内に、締結ねじを取り囲み、ねじを介して締結ねじに接続されたスリーブが貫通することが可能である。取り付け作業の開始時に、ねじが駆動スピンドルから最大限に引き出されたとき、ドライバとスリーブとの間にオーバーラップはほとんどない。しかしながら、ドライバとスリーブはストッパー領域でオーバーラップする。このストッパー領域では、ドライバの後部領域の突出要素がスリーブのスナップ接続装置に係合し、ドライバとスリーブとの間の接続をもたらす。スナップ接続装置は、スリーブの前方領域に配置されることが好ましく、それにより、締結又は締結の開始時に突出要素及びスナップ接続装置が配置される結果として、ドライバ及びスリーブが最小の重なりを示すようになり、オーバーラップは、好ましくはドライバとスリーブとの間のストッパー領域によって形成される。ドライバとスリーブとの間のスナップ接続の結果として、締結ねじが駆動スピンドルから更に引き出されるのを防ぐ。締結作業中、又は取り付け作業中、スリーブに接続された締結ねじはナットに更にねじ込まれる。すなわち、ねじはフランジ装置の方向に更に「前方」に押される。ねじとスリーブとの間の接続のために、スリーブもこの動きを実行し、特に、スリーブは、スリーブの後部領域を除いて、スリーブが、ドライバと締結ねじとの間の空洞又は隙間にほぼ完全に配置されるまで、ねじとドライバの間の内部に押し込まれる。換言すれば、スリーブは、ドライバによって、又はその内部にほぼ完全に受け入れられる。本発明によれば、スリーブが圧入及び/又は接着結合できることが好ましい。
【0022】
スリーブは好ましくはばねによって取り囲まれ、本発明によれば、ばねは好ましくは「第1のばね」と呼ばれる。ばねは、締結又は取り付け方法中にスリーブがドライバ内に押し込まれたときに、ばねもドライバを取り囲む程度にスリーブから離間している。換言すれば、第1のばねの内径は、ドライバの後部領域の外径よりも大きく、フランジ装置が駆動スピンドル又は鋸引き装置に締結されているときに、取り付け方法の最後に第1のばねがドライバの後部領域を囲むようになっている。本発明によれば、第1のばねは、取り付け方法の開始時に負荷がかかっていない状態にあり、一方でフランジ装置の取り付け中に圧縮されるか又は伸縮することが好ましい。取り付け方法の最後に、フランジ装置が鋸引き装置に締結されると、フランジ装置は負荷又は張力がかかった状態になり、好ましくは一定量のばね又は引張エネルギーを蓄えるように構成される。ばねは、特に、スリーブの後部領域から前部に向かって伸縮し、したがって負荷がかかる。
【0023】
この第1のばねの伸縮は、好ましくは、締結ねじをフランジ装置のナットにねじ込むことと併せて行われる。ナットはフランジ装置のフランジ本体内で横方向に移動できるように設計されているため、ナットはフランジ本体の中空内部を後方に移動し、したがって、回転ごとにフランジ装置の内部から出ていく。取り付け方法が完了すると、ナットの約半分がフランジ装置のフランジ本体の内部から出ている。ナットの突出要素とフランジ本体との間に形成されたストッパーによって、それ以上離れないようになっている。本発明によれば、ストッパーは、駆動スピンドルの近くにあるほど好ましい。
【0024】
本発明によれば、ナット、締結ねじ、ドライバ、第1のばね及びスリーブは、締結又は取り付け方法によって互いに圧縮されるか又はねじ込まれることが好ましい。提案されたフランジ装置及び提案された鋸引きシステムを用いた提案された方法によって、フランジ又は鋸刃を鋸引き装置又はその駆動スピンドルに締結するための特に安定した、確実で清掃しやすい可能性が提供できることが試験によって示された。
【0025】
本発明によれば、フランジ装置が閉じた状態及び開いた状態にあり得ることが好ましい。好ましくは、閉じた状態において、鋸刃はフランジ装置に締結され得るが、フランジ装置の開いた状態において、鋸刃は、好ましくはフランジ装置から分離される。
【0026】
本発明の文脈では、締結ねじは、鋸内で可動式に配置される。これは、特に、本発明によれば「第2のばね」と呼ばれる、ばねに対抗するフランジ装置の方向に押すことができる。その結果、締結ねじの前部領域は、閉じた状態において鋸引き装置から長さlだけ突出し、鋸から突出するこの部分は、フランジ装置のナットの雌ねじによって受け入れられる。これは、好ましくは、本発明によれば、締結ねじの前部領域が鋸引き装置の前部又は受け側と面一で終端せず、この前部を越えてせり出すか、又はそこから突出することを意味する。本発明によれば、締結中にフランジ装置と接触する鋸引き装置の面は、「鋸引き装置の前側又は受け側」と呼ばれることが好ましい。好ましくは、前側又は受け側は、実質的に平坦又は平面状に形成される。
【0027】
本発明によれば、締結ねじは、フランジ装置の開いた状態において、鋸引き装置の受け側と実質的に面一で終端し、一方、締結ねじは閉じた場合、ナットによって鋸引き装置から引き出されることが好ましい。開いた状態は、好ましくは、本明細書において上記で説明した締結及び取り付け方法の開始点を表し、本発明によれば、好ましくは「閉じる方法」とも呼ばれる。本発明によれば、フランジ装置の閉じた状態において、締結ねじの突出する前方領域が、フランジ装置のナットによって受け入れられるか、又はその内側領域によって囲まれることが好ましい。この目的のために、締結ねじは特にナットの雌ねじにねじ込むことができる。その結果、フランジ装置と鋸引き装置の締結ねじとの間の接続が確立され、これは、フランジ装置を鋸引き装置に締結するのに役立つ。鋸刃は、ねじなどの締結手段を使用してフランジ装置に締結することができ、この締結手段によって鋸刃をフランジ装置、特にフランジ本体にねじ込むことができる。
【0028】
本発明によれば、フランジ装置の可動に構成されたナットは、閉じた状態において鋸引き装置の方向に移動可能であり、この状態で締結ねじの突出領域を囲むことが好ましい。鋸の方向へのこの移動の結果として、ナットとフランジ装置のセンタリングリングとの間に空洞が生じ、この空洞は、フランジ装置の開いた状態においてナットによって満たされる。本発明によれば、この空洞はフランジ本体の内部と一致することが好ましく、その中でナットは本発明に従って移動することができる。「前方」又は「後方」という用語は、本発明の文脈において当業者にとって不明確な用語を表すものではない。本発明によれば、用語「前方」及び空間方向「前方」は、好ましくは、閉じた状態においてフランジ装置が配置される鋸引きシステムの領域に対応する。本発明によれば、用語「後部」及び空間方向「後方」は、例えば締結ねじの頭部が存在する領域に対応する。したがって、「後方」移動は、好ましくは締結ねじの後部領域の方向に行われ、「前方」移動は、好ましくはフランジ装置の方向に行われる。
【0029】
本発明によれば、フランジ装置の開いた状態又は閉じた状態において、ナットは、フランジ本体の内部において、フランジ本体の上面及び下面と実質的に面一で終端することが好ましい。これは、好ましくは、本発明によれば、ナットの高さがフランジ本体の高さに実質的に対応することを意味する。外側に向かって、つまり可能な鋸刃位置の方向で、ナットはフランジ装置のセンタリングリングによって覆われる。換言すれば、フランジ装置のセンタリングリングは、好ましくは空洞とも呼ばれるフランジ本体の内部を外側に向かって閉鎖するように設計されているので、ナットは、本発明の好ましい構成では、外側からは見えず、センタリングリングで保護されている。本発明によれば、センタリングリングは、鋸刃をフランジ装置のフランジ本体上でセンタリングするように設計されることが好ましい。
【0030】
本発明によれば、フランジ装置の開いた状態において、ナットはフランジ装置のセンタリングリングと鋸引き装置の受け側との間に配置され、閉じた状態においては、ナットは鋸の方向に移動し、フランジデバイスのセンタリングリングで空洞を囲むことが好ましい。換言すれば、本発明の文脈では、鋸の締結ねじとフランジ装置のナットとが互いに接触しないように、開いた状態において互いに対して位置決めでき、一方、ナットは閉じた状態においては締結ねじを囲み、こうしてフランジ装置と鋸との間の接続を確立することが好ましい。囲むことは、特に、締結ねじがナットの雌ねじにねじ込まれることによって達成される。
【0031】
本発明によれば、鋸引き装置の締結ねじの周りに第1のばねが配置され、この第1のばねはドライバをフランジ装置のナットに押し付けるように設計されていることが好ましい。
【0032】
好ましくは、締結ねじはスリーブによって取り囲まれている。このスリーブの外側であるが締結ねじを取り囲んで、システムの第1のばねを配置することができることが好ましい。この第1のばねは、ドライバをナットに押し付けるように設計されていることが好ましい。
【0033】
本発明によれば、締結ねじの近傍の鋸引き装置内に第2のばねが存在することが好ましく、第2のばねは、締結ねじをフランジ装置から押し離すように設計される。
【0034】
第2のばねのばね力は、好ましくは、締結ねじを動かすために使用される。特に、締結ねじは、フランジ装置の方向に第2のばねとは反対に移動することができ、そのため締結ねじの前部領域が鋸の前側を越えてせり出し、締結ねじのこの突出領域が、フランジ装置の閉じた状態において、フランジ装置のナットによって受け入れられるか、又は、囲まれる。
【0035】
本発明によれば、第2のばねは、駆動スピンドルを取り囲むスリーブに隣接して配置されることが好ましい。このスリーブは、好ましくは、フランジ装置に面する側と、鋸引き装置に面する側とを有する。これらの側は、好ましくは、スリーブの前側及び後側と呼ばれることもある。本発明によれば、第2のばねは、鋸引き装置に面するスリーブの側に配置されることが好ましく、この側は、フランジ装置とは反対側のスリーブの側に対応する。
【0036】
本発明によれば、第1及び第2のばねが復元機能を有し、ドライバ又は締結ねじをそれぞれの開始位置に移動させるように設計されていることが好ましい。
【0037】
本発明によれば、第1のばねは、第2のばねよりも強い又は硬いばねであることが好ましい。換言すれば、第1のばねは、第2のばねよりも大きなばね剛性を有することができる。本発明によれば、第1のばねのばね剛性が第2のばねのばね剛性と同じ又は実質的に同じであることが好ましい場合もある。
【0038】
本発明によれば、提案されたフランジ装置のフランジ本体は、外縁にセンタリングスロットを有することが好ましい。本発明によれば、センタリングスロットは環状スロットの形態であり、鋸刃のより容易な取り付け及び最適な事前位置決めを達成するために、環状スロットはブレードガードホルダ上の要素と協働することが好ましい。ブレードガードホルダのこれらの要素は、例えば、事前センタリングのためにホルダの内側に配置されるウェブストリップであり得る。ウェブストリップの代替として、カラーを有するスリーブを使用することができ、ウェブストリップ又はスリーブは、連続的に又は断続的に形成することができる。ウェブストリップ又はスリーブの突出領域は、環状スロットと係合し、したがって環状スロットをガイドすることができる。このようにして、特にフランジ装置の事前センタリングを行うことができる。
【0039】
本発明によれば、鋸刃を鋸引き装置に締結するためにフランジ装置が使用されるとき、フランジ装置は、鋸引き装置の鋸アームと鋸刃との間に配置されることが好ましい。これに関して、更なる態様では、本発明は、鋸刃を鋸引き装置に締結するためのフランジ装置の使用にも関し、フランジ装置は、締結中に鋸引き装置の鋸アームと鋸刃との間に配置される。
【0040】
提案されたシステムは、提案されたフランジ装置、鋸引き装置、及び中央ねじ込み装置を有するように提供される。中央ねじ込み装置は、特に、本発明による「締結ねじ」とも呼ばれるねじであり得る。提案されたシステムは、好ましくは「鋸引きシステム」と呼ぶことができる。
【0041】
本発明によれば、システムの中央ねじ込み装置は、フランジ装置内に可動式に配置されたナットのねじ穴を見つけるためのねじなしラグを有することが好ましい。その結果、ナットと締結ねじを一緒にすることがはるかに容易になり、これは、特に鋸引き装置に関連して発生する可能性があるかなりの重量において、特に有利である。
【0042】
好ましくは、中央ねじ込み装置は、鋸引き装置の駆動スピンドル内に半径方向のクリアランスを有することができる。本発明によれば、クリアランス幅は、0.1~1mmの範囲、好ましくは0.3~0.8mmの範囲、より好ましくは0.4~0.6mmの範囲、最も好ましくは0.5mmであることが好ましい。クリアランス幅のこの選択により、鋸刃の取り付け又は交換における角度誤差を特に簡単な方法で補償し、容易に修正することができる。
【0043】
本発明によれば、中央ねじ込み装置又は締結ねじは、拡大ねじの形態であることが好ましい。このようにして、鋸刃とフランジ装置との間、又は鋸刃と鋸引き装置との間の接続の望ましくない安全性関連の緩みが効果的に防止される。
【0044】
本発明によれば、締結ねじがフランジ装置から不必要に外れると、スピンドルと中央締結ねじとの間の封止点が緩み、水が出てくるのが見えることが好ましい。このようにして、鋸引き装置の使用者は、中央ねじ込み装置が緩んでいる可能性があることを迅速に知らされ、これを迅速に修復することができる。
【0045】
1つの可能な構成では、システムは、フランジ装置をセンタリングするための鋸歯状シャフト接続を備えることができる。鋸歯状シャフト接続は、特に、鋸引き装置のスピンドル内の締結ねじ、ナット、及びフランジ装置の間の接続及びセンタリングを可能にする。
【0046】
本発明によれば、鋸歯状シャフト接続は、スピンドルへのナットの導入を改善可能にする特殊な導入形状を有することが好ましい。特に、鋸歯状シャフト接続の歯は、特殊なガイドの結果として、互いによりよく係合する。本発明によれば、鋸歯状シャフト接続は、内部形状及び外部形状を有し、外部形状はナットに存在し、内部形状はスピンドルに存在することが好ましい。特殊な導入形状により、ナットをスピンドルに導入しやすくなり、部品の傾きを効果的に防ぐ。
【0047】
更に、鋸歯状にすることで、従来のフランジ装置と比較して、フランジ装置の特に堅牢なセンタリングとより優れた力伝達を可能にする。特に、提案されたフランジはスロットなしで管理できるため、結果として特に安定性と耐久性に優れている。本発明の更なる利点は、センタリング及び回転同調作用がフランジ内で行われることであり、これは、鋸引き装置の作動開始時の安全性が向上するからである。
【0048】
本発明によれば、システムが調節可能なブレードガードホルダを有することが好ましい。提案されたシステムの利点は、好ましくは調整可能に構成されたブレードガードホルダの結果として、鋸刃を捕捉できることである。これは、従来技術から知られているように、従来の鋸引きシステムには当てはまらないことが多い。本発明によれば、ブレードガードホルダは、固定ピンによって3つの異なる位置に固定又はロックできることが好ましい。特に、ブレードガードホルダは、鋸アームに対して-45度、0度、又は+45度まで調整できる。ロックを解除した状態では、ブレードガードホルダを360度調整できる。
【0049】
本発明の更に可能な実施形態では、システムは、鋸引き装置の駆動スピンドルを通って実質的に中央に延びるウォーターガイドを有することができる。締結ねじの後部領域において、締結ねじは環状ディスクによって取り囲まれ、ディスクは締結ねじと駆動スピンドルとの間に締結される。本発明によれば、ディスクはその円周にカットアウトを備え、ウォーターガイドに必要な水は、とりわけディスクのこれらのカットアウトを通って流れることができ、鋸刃の領域に入ることが好ましい。
【0050】
従来技術から知られている従来の鋸引きシステムでは、鋸刃を冷却するための液体の供給は、鋸引き装置の刃ガードホルダを通って延びることが多い。鋸引き装置の駆動スピンドルを通って実質的に中央に延びるシステムの新規なウォーターガイドによって、好ましくは冷却水であり、任意に添加剤を含む冷却剤は、システムの周囲の構成要素をすすぎ、したがって洗浄するために有利に使用することもできる。本発明によれば、鋸歯状シャフト接続の歯は、ウォーターガイドによって供給され得る液体で洗浄できることが特に好ましく、このようにして歯を特にきれいに保つことができる。鋸刃と鋸との間の界面は、特に鋸の動作中に、スピンドル内に延びる給水によって実質的に連続的に洗浄できることが、試験によって示されている。
【0051】
提案された発明は、特に紛失しやすい部品なしで管理を行い、保守及び保守が特に容易である。特に、従来技術から知られているいくつかのフランジ装置で一般的であるような、再グリースはない。
【0052】
本発明の更なる利点は、以下の図面の説明から明らかになるであろう。図面には、本発明の例示的な実施形態が示されている。図面、説明、及び特許請求の範囲は、多数の特徴を組み合わせて含む。当業者はまた、適宜、特徴を個別に検討し、それらを組み合わせて役立つ更なる組み合わせを形成するであろう。
【0053】
図面では、同一及び類似の構成要素を同じ参照記号で示す。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】提案されたフランジ装置の好ましい実施形態の図を示す。
図2】提案されたフランジ装置の好ましい実施形態の図を示す。
図3】開いた状態の提案されたフラッシュカットフランジの好ましい実施形態の図を示す。
図4】開いた状態の提案されたフラッシュカットフランジの好ましい実施形態の図を示す。
図5】開いた状態の提案されたフラッシュカットフランジの好ましい実施形態の図を示す。
図6】開いた状態の提案されたフラッシュカットフランジの好ましい実施形態の図を示す。
図7】閉じた状態の提案されたフラッシュカットフランジの好ましい実施形態の図を示す。
図8】閉じた状態の提案されたフラッシュカットフランジの好ましい実施形態の図を示す。
図9】閉じた状態の提案されたフラッシュカットフランジの好ましい実施形態の図を示す。
図10】閉じた状態の提案されたフラッシュカットフランジの好ましい実施形態の図を示す。
図11】提案されたフラッシュカットフランジの様々な好ましい実施形態を示す。
図12】提案された締結方法の好ましい実施形態のシーケンスを示す。
図13】提案されたフラッシュカットフランジの更なる好ましい実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1及び図2は、提案されたフランジ装置1の好ましい実施形態の図を示す。特に、フランジ本体7及びセンタリングリング5は、図1及び図2において明らかであり、センタリングリング5は、フランジ装置1のナット6が配置され得る空洞8を覆う(フランジ装置1の開いた状態)。図2は、フランジ本体7の周囲に延びるセンタリングスロット10を見ることができるように、フランジ装置1を側面から示している。特に、図1及び図2は、好ましくは90度又は90°の角度範囲で調整できるブレードガードホルダ14を示す。
【0056】
図3~6は、開いた状態の提案されたフラッシュカットフランジ1の好ましい実施形態の図を示す。それらは、鋸引き装置4の受け側18に締結することができるフランジ本体7を示している。フランジ本体7とセンタリングリング5との間の接続は、締結手段9によって確立される。センタリングリング5は、フランジ装置1の開いた状態においてナット6が配置される空洞8を覆う。鋸引き装置4では、締結ねじ3が駆動スピンドル11の内部に配置され、前記ねじは回転軸21の周りを回転することができる。締結ねじ3は、スリーブ19によって中央領域に取り囲まれている。スリーブ19の領域にはばね16、17が配置されており、第2のばね17は鋸刃2を加工される基板に押し付けるように設計され、第1のばね16は締結ねじ3をフランジ装置1の方向に押すように設計されている。
【0057】
開いた状態において、締結ねじ3は鋸引き装置4内に引き込まれ、フランジ装置1のナット6はフランジ本体7の内部の空洞8内に配置される。本発明によれば、フランジ装置1のナット6が可動式に構成され、駆動スピンドル11が鋸4の旋回アーム12内に堅固に配置されることが特に好ましい。
【0058】
図7~10は、閉じた状態の提案されたフラッシュカットフランジ1の好ましい実施形態の図を示す。この状態で、締結ねじ3は、第1のばね16によってフランジ装置1の方向に押され、締結ねじ3の前方領域がナット6の内部に存在するようにする。換言すれば、ナット6は、鋸4とフランジ1との間の接続を確立するために、締結ねじ3のこの前方領域を取り囲んでいる。この場合、ナット6はまた鋸の方向に移動し、フランジ装置1内で、空洞8がフランジ装置1のセンタリングリング5の下に発生するようにする。
【0059】
図6及び図9には、ナット6とスピンドル11との間の鋸歯状シャフト接続13が示されている。ナット6は、鋸歯状シャフト接続13の外部形状を有し、駆動スピンドル11は、鋸歯状シャフト接続13の内部形状を有する。フランジ1が鋸4に締結されているとき、トルクがスピンドル11からフランジ1又は鋸刃2に伝達され得るように、外部形状及び内部形状が互いに係合することができる。
【0060】
図11は、フランジ装置1の様々な可能な構成を示している。
【0061】
図12は、鋸刃2を鋸引き装置4に締結するための提案された方法のシーケンスを示している。この締結は、好ましくは、本発明に関して提案されているように、フランジ装置1を使用して行われる。図12は下から上に読む必要があり、一番下の図12aは、提案された方法の方法ステップa)~c)に従って提供される、駆動スピンドル11を備えた鋸引き装置4、締結ねじ3、及びフランジ装置1を示している。本発明によれば、締結方法の開始点である開いた状態において、フランジ装置1のナット6が、フランジ装置1のフランジ本体7の内部8に実質的に完全に受け入れられ、中央ねじ込み装置3が駆動スピンドル11の内側に実質的に完全に配置されていることが好ましい。「開いた状態」は、フランジ装置1と鋸4が最初に互いに分離され、フランジ1を鋸4に締結するために互いの近くに持ってくることができる、鋸引きシステム20の状態を説明している。この点に関して、開いた状態は、提案された締結方法の出発点であると考えられる。
【0062】
図12bでは、ナット6の雌ねじへの中央ねじ込み装置3の導入が示され、その結果、鋸引き装置4のドライバ22がフランジ装置1のナット6と係合するようになる。好ましくは、ドライバ22は、フランジ装置1のナット6のポケットに係合するカム23を備えることができる。カム23は、好ましくはポケットが存在するナット6の後側の反対側にあるドライバ22の端面上に存在することが好ましい。
【0063】
図12cは、フランジ装置1のナット6の雌ねじへの締結ねじ3の継続的なねじ込みを示す。本発明によれば、鋸4のスリーブ19がドライバ22と中央ねじ込み装置3との間の隙間に導入され、第1のばね16が圧縮されることが好ましい。
【0064】
図12dは、ナット6の雌ねじへの中央ねじ込み装置3の継続的なねじ込みを示し、その結果、フランジ装置1のナット6が締結ねじ3に引き寄せられる。本発明によれば、閉じた状態又は締結状態が確立され、ストッパーに到達し、中央ねじ込み装置3の雄ねじが、実質的に完全にフランジ装置1のナット6内に受け入れられるまで、ナット6がフランジ装置1のフランジ本体7の内部から引き出されることが好ましい。
【0065】
図13は、提案されたフラッシュカットフランジ1の好ましい実施形態を示し、フランジ装置1は鋸引き装置4のすぐ近くに配置される。締結ねじ3は可能な限り引き戻されている。フランジ装置1のナット6は、実質的に完全にフランジ1又はフランジ本体7の内部に配置される。この状態は、開いた状態、すなわち提案された締結方法の開始点であると考えられる。締結ねじ3がフランジ装置1のナット6にねじ込まれた結果として、フランジ1を鋸4に締結することができる。
【0066】
鋸引き装置4は、スリーブ19及びばね(16、17)を取り囲む駆動スピンドル11と、カム23を備えたドライバ22とを備える。駆動スピンドル11は、締結ねじ3を通って中心に延びる回転軸21の周りを回転することができる。鋸刃2(図示せず)は、締結ねじ9によってフランジ装置1に締結することができ、フランジ1のセンタリングリング5とフランジ本体7との間の接続を確立するために、他の締結手段9aが設けられている。
【符号の説明】
【0067】
1 フランジ装置
2 鋸刃
3 中央ねじ込み装置
4 鋸引き装置
5 センタリングリング
6 ナット
7 フランジ本体
8 フランジ本体の内部、空洞
9 締結手段
10 センタリングスロット
11 駆動スピンドル
12 鋸アーム
13 鋸歯状シャフト接続
14 ブレードガードホルダ
15 ウォーターガイド
16 第1のばね
17 第2のばね
18 受け側
19 スリーブ
20 システム
21 回転軸
22 ドライバ
23 カム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12a
図12b
図12c
図12d
図13