(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】検査装置及び検査方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/86 20180101AFI20241101BHJP
F24F 11/49 20180101ALI20241101BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20241101BHJP
F24F 140/00 20180101ALN20241101BHJP
F24F 140/12 20180101ALN20241101BHJP
【FI】
F24F11/86
F24F11/49
F24F11/64
F24F140:00
F24F140:12
(21)【出願番号】P 2023520591
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(86)【国際出願番号】 JP2021017742
(87)【国際公開番号】W WO2022239072
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋川 貴大
(72)【発明者】
【氏名】落合 康敬
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-175410(JP,A)
【文献】特開2012-117804(JP,A)
【文献】特開2009-243843(JP,A)
【文献】特開2019-184150(JP,A)
【文献】特開2001-280716(JP,A)
【文献】特開2008-164250(JP,A)
【文献】特開2009-210147(JP,A)
【文献】特開2002-147821(JP,A)
【文献】特開2011-149622(JP,A)
【文献】特開2009-210151(JP,A)
【文献】特開2002-107015(JP,A)
【文献】特開2009-210144(JP,A)
【文献】国際公開第2020/245918(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/042967(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/86
F24F 11/49
F24F 11/64
F24F 140/00
F24F 140/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機の室内機と室外機との間で前記空気調和機の冷房運転時に冷媒を環流させる第1の冷媒経路と前記空気調和機の前記冷房運転時に前記室外機内
のみで前記冷媒を環流させる第2の冷媒経路とが前記空気調和機に存在し、前記第1の冷媒経路における前記冷媒の環流が前記第1の冷媒経路に配置されている第1のバルブの閉止により遮断されていても前記第2の冷媒経路において前記室外機内で前記冷媒を環流させることが可能な場合に、前記第2の冷媒経路に配置されている、閉止により前記第2の冷媒経路における前記冷媒の環流を遮断させる第2のバルブを閉止するよう
前記空気調和機の試運転時に前記室外機に指示する指示信号を前記室外機に送信する信号送信部と、
前記第1のバルブが閉止されているか否かが明らかではない状態であって、前記信号送信部により前記指示信号が前記室外機に送信され、前記指示信号により前記第2のバルブが閉止され、前記第2の冷媒経路における前記冷媒の環流が遮断されている状態で、前記第1のバルブが閉止されているか否かを判定する判定部とを有する検査装置。
【請求項2】
前記判定部は、
前記室外機に含まれる圧縮機での前記冷媒の高圧圧力値及び低圧圧力値の少なくともいずれかを用いて前記第1のバルブが閉止されているか否かを判定する請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記判定部は、
前記高圧圧力値、前記低圧圧力値、及び前記高圧圧力値と前記低圧圧力値との圧力差のうちのいずれかを、前記空気調和機の運転状態に応じて値が変化する可変閾値と比較して、前記第1のバルブが閉止されているか否かを判定する請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記信号送信部は、
前記判定部により前記第1のバルブが閉止されていると判定された場合に、前記室外機に前記第1のバルブを開放するよう指示する指示信号を送信する請求項1に記載の検査装置。
【請求項5】
前記第2の冷媒経路は、サブクールコイルが含まれ、前記第2のバルブとしてサブクールコイル用膨張バルブが配置されている冷媒経路である請求項1に記載の検査装置。
【請求項6】
前記第2の冷媒経路は、エコノマイザが含まれ、前記室外機に含まれるインジェクション圧縮機に注入されるインジェクション量を調整するインジェクション用膨張バルブが前記第2のバルブとして配置されている冷媒経路である請求項1に記載の検査装置。
【請求項7】
前記第2の冷媒経路は、前記室外機に含まれる圧縮機から吐出される前記冷媒に含まれる冷凍機油を分離する油分離器と、前記油分離器から前記圧縮機に戻される冷凍機油及び前記冷媒の流量を調整するキャピラリチューブとを含み、前記第2のバルブとして前記冷凍機油と前記冷媒を前記圧縮機に戻す油戻しバルブが配置されている冷媒経路である請求項1に記載の検査装置。
【請求項8】
空気調和機の室内機と室外機との間で前記空気調和機の冷房運転時に冷媒を環流させる第1の冷媒経路と前記空気調和機の前記冷房運転時に前記室外機内
のみで前記冷媒を環流させる第2の冷媒経路とが前記空気調和機に存在し、前記第1の冷媒経路における前記冷媒の環流が前記第1の冷媒経路に配置されている第1のバルブの閉止により遮断されていても前記第2の冷媒経路において前記室外機内で前記冷媒を環流させることが可能な場合に、前記第2の冷媒経路に配置されている、閉止により前記第2の冷媒経路における前記冷媒の環流を遮断させる第2のバルブを閉止するよう
前記空気調和機の試運転時に前記室外機に指示する指示信号を、コンピュータが前記室外機に送信し、
前記第1のバルブが閉止されているか否かが明らかではない状態であって、前記指示信号が前記室外機に送信され、前記指示信号により前記第2のバルブが閉止され、前記第2の冷媒経路における前記冷媒の環流が遮断されている状態で、前記コンピュータが、前記第1のバルブが閉止されているか否かを判定する検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和機の冷媒経路に配置されているバルブが閉止されているか否かを検査する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機の室内機と室外機との間で冷媒を環流させるための冷媒経路(以下、第1の冷媒経路という)の出入口部分には、液管バルブ及びガス管バルブが配置されている。以下、液管バルブ及びガス管バルブをまとめて第1のバルブともいう。
空気調和機の施工時には、空気調和機の試運転が行われ、施工作業における不備がないことの確認が行われることが一般的である。
第1のバルブは、空気調和機の施工時に作業者により開状態にすることが必要である。第1のバルブが閉止状態にある場合、あるいは、第1のバルブが全開となっていない場合は、第1の冷媒経路がふさがれ、冷媒が環流しない。このため、期待する空気調和能力が発揮されないことが想定される。あるいは、圧力損失の増大により消費電力が増大することが想定される。
また、第1のバルブが閉止状態であるときには、低圧圧力(吸入圧力)と高圧圧力(吐出圧力)との間の圧力差が開き、空気調和機を保護するための保護制御により空気調和機が停止することがある。このような空気調和機の停止時には、作業者が停止の要因を検討する必要がある。また、保護制御に関わらず空気調和機の運転が継続する場合は、第1のバルブが閉止状態であることを作業者が見逃すことを回避する必要がある。
このように、特に空気調和機の設置後の試運転時において、第1のバルブの閉止状態を検出し、第1のバルブが閉止状態であることを作業者に認知させることが求められる。
【0003】
このような観点から、特許文献1には、第1のバルブが閉止状態にあるか否かを検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
室外機によっては、第1のバルブの閉止により第1の冷媒経路における冷媒の環流が遮断されていても室外機内で冷媒を環流させることが可能な第2の冷媒経路が存在することある。このような室外機では、第1のバルブが閉止されていても第2の冷媒経路によって冷媒が環流するため、低圧圧力と高圧圧力との間の圧力差が開かない。このため、特許文献1の技術では、第1のバルブが閉止されているにも関わらず、第1のバルブが開いていると誤って判定してしまうという課題がある。
【0006】
本開示は、このような課題を解決することを主な目的とする。より具体的には、本開示は、第2の冷媒経路が存在する室外機が用いられる場合でも、第1のバルブが閉止されているか否かを正しく判定できるようにすることを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る検査装置は、
空気調和機の室内機と室外機との間で冷媒を環流させる第1の冷媒経路における前記冷媒の環流が前記第1の冷媒経路に配置されている第1のバルブの閉止により遮断されていても前記室外機内で前記冷媒を環流させることが可能な第2の冷媒経路が前記室外機に存在する場合に、前記第2の冷媒経路に配置されている、閉止により前記第2の冷媒経路における前記冷媒の環流を遮断させる第2のバルブを閉止するよう前記室外機に指示する指示信号を前記室外機に送信する信号送信部と、
前記信号送信部により前記指示信号が前記室外機に送信された後に、前記第1のバルブが閉止されているか否かを判定する判定部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、第2の冷媒経路が存在する室外機が用いられる場合でも、第1のバルブが閉止されているか否かを正しく判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る異常検知システムの構成例を示す図。
【
図2】実施の形態1に係る空気調和機の構成例を示す図。
【
図3】実施の形態1に係る第1の冷媒経路を示す図。
【
図4】実施の形態1に係る第2の冷媒経路を示す図。
【
図5】実施の形態1に係る異常判定装置の動作例を示すフローチャート。
【
図6】実施の形態2に係る空気調和機の構成例を示す図。
【
図7】実施の形態2に係る第1の冷媒経路を示す図。
【
図8】実施の形態2に係る第2の冷媒経路を示す図。
【
図9】実施の形態3に係る空気調和機の構成例を示す図。
【
図10】実施の形態3に係る第1の冷媒経路を示す図。
【
図11】実施の形態3に係る第2の冷媒経路を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態を図を用いて説明する。以下の実施の形態の説明及び図面において、同一の符号を付したものは、同一の部分又は相当する部分を示す。
【0011】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る異常検知システムの構成例を示す。
異常検知システムは、空気調和機1、指示器2、表示器3及び異常判定装置4で構成される。
空気調和機1、指示器2及び表示器3は異常判定装置4に接続される。
【0012】
指示器2は、試運転の開始を空気調和機1に指示する。指示器2は、例えば、空気調和機1のリモートコントローラ、空気調和機1に接続されたPC(Personal Computer)である。
【0013】
表示器3は、後述する液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16の閉止状態が検出された際に、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態にあることを通知するメッセージを表示する。空気調和機1の設置作業を行う作業者は表示器3によるメッセージの表示により液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態にあることを認識することができる。
表示器3は、例えば、空気調和機1のリモートコントローラ、空気調和機1に接続されたPCである。
指示器2と表示器3が同じ機器で実現されていてもよい。
【0014】
異常判定装置4は、コンピュータである。指示器2及び/又は表示器3がPCで実現されている場合は、異常判定装置4は、指示器2及び/又は表示器3と同じPCで実現されてもよい。
異常判定装置4は、通信機110とプロセッサ120で構成される。また、図示していないが、異常判定装置4にRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置が含まれているものとする。
通信機110は、空気調和機1、指示器2及び表示器3と通信を行う。
プロセッサ120は、信号送信部121、運転データ取得部122、判定部123及び報知部124の機能を実現するプログラムを実行する。プロセッサ120は、プログラムを実行して、信号送信部121、運転データ取得部122、判定部123及び報知部124として機能する。信号送信部121、運転データ取得部122、判定部123及び報知部124の詳細は後述する。
なお、異常判定装置4は検査装置に相当する。また、異常判定装置4の動作手順は検査方法に相当する。
【0015】
図2は、空気調和機1の構成例を示す。
空気調和機1は、室外機10と室内機20と、室外機10と室内機20とを接続する接続配管30とから構成される。
図2は1台の室外機10に複数台の室内機20が接続される構成を示している。しかしながら、空気調和機1の構成は、
図2に示すものに限定されない。空気調和機1は、1台の室外機10に1台の室内機20が接続される構成でもよい。また、空気調和機1に複数台の室外機10が含まれていてもよい。
【0016】
室外機10は、圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器13、室外機ファン14、液管バルブ15、ガス管バルブ16、サブクールコイル17及びサブクールコイル用膨張弁18で構成される。
室内機20は、膨張弁21、室内熱交換器22及び室内機ファン23で構成される。
圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器13、膨張弁21、室内熱交換器22が冷媒配管により環状に接続されることで冷凍サイクルが構成される。
なお、
図2では図示していないが、室外機10は、異常判定装置4からの指示信号を受信する通信機を有する。また、室外機10は、指示信号に基づいてサブクールコイル用膨張弁18を閉止する弁制御機構を有する。指示信号は、異常判定装置4が室外機10にサブクールコイル用膨張弁18を閉止するよう指示する信号である。
【0017】
圧縮機11は、低温かつ低圧の冷媒を圧縮し、低温かつ低圧の冷媒を高温かつ高圧の冷媒に変換する。圧縮機11は、例えばインバータで駆動され、容量(単位時間当たりに吐出する冷媒の量)が制御される。
【0018】
四方弁12は、空気調和機1の運転モード、例えば、冷房運転又は暖房運転に応じて冷媒の流れを切り替える。
【0019】
室外熱交換器13は、冷凍サイクルを流れる冷媒と、室外空気との間で熱交換を行う。室外熱交換器13には室外機ファン14が隣接される。
室外機ファン14は、室外熱交換器13への送風を行う。室外機ファン14の回転数を制御することにより、送風量を調整することができる。
【0020】
膨張弁21は、開度が可変に制御可能な弁、例えば、電子式膨張弁で構成される。膨張弁21の開度が制御されることで、冷媒の減圧量が制御される。
【0021】
室内熱交換器22は、冷凍サイクルを流れる冷媒と、室内空気との間で熱交換を行う。室内熱交換器22には室内機ファン23が隣接される。
室内機ファン23は、室内熱交換器22への送風を行う。室内機ファン23の回転数を制御することにより、送風量を調整することができる。
【0022】
室外機10の圧縮機11の前後に、高圧圧力センサ41及び低圧圧力センサ42が設置される。高圧圧力センサ41は圧縮機11での冷媒の高圧圧力値(吐出圧力値)を計測する。低圧圧力センサ42は圧縮機11での冷媒の低圧圧力値(吸入圧力値)を計測する。
高圧圧力センサ41及び低圧圧力センサ42は、高圧圧力及び低圧圧力を目標値に近づけるための制御を行う際に使用される。また、高圧圧力センサ41及び低圧圧力センサ42は、高圧圧力の上昇、低圧圧力の低下により室外機10が損傷することを避けるための保護制御に使用される。
【0023】
液管バルブ15及びガス管バルブ16は、室外機10と接続配管30との接続部分に設けられる。
設置作業を行う作業員は、室外機10、室内機20及び接続配管30を設置場所にて接続して空気調和機1の設置を行う。出荷時及び移送時には、液管バルブ15及びガス管バルブ16は閉止されている。設置場所で室外機10、室内機20及び接続配管30を接続した後、作業員が液管バルブ15及びガス管バルブ16を開く。液管バルブ15及びガス管バルブ16が開かれると冷媒の環流が可能になる。
液管バルブ15及びガス管バルブ16は、第1のバルブに相当する。
【0024】
冷房運転時に、室外熱交換器13を出た高圧の冷媒の一部をサブクールコイル用膨張弁18で減圧し、減圧後の冷媒と分岐前の冷媒との熱交換をサブクールコイル17で行わせることで過冷却度を増加させることができる。減圧後の冷媒は圧縮機11に返される。
サブクールコイル用膨張弁18は、第2のバルブに相当する。
【0025】
図2に示す室外機10では、冷媒を環流させる冷媒経路が2つ存在する。
図3及び
図4は、室外機10に存在する2つの冷媒経路を示す。
図3は第1の冷媒経路を示し、
図4は第2の冷媒経路を示す。
図3の第1の冷媒経路では、室内機20から流入した冷媒はガス管バルブ16、低圧圧力センサ42、圧縮機11、高圧圧力センサ41、室外熱交換器13、サブクールコイル17及び液管バルブ15を経て室内機20に戻される。第1の冷媒経路により、室外機10と室内機20の間で冷媒が環流する。
図4の第2の冷媒経路は、室外機10内で冷媒を環流させる経路である。つまり、第2の冷媒経路は、室外熱交換器13、サブクールコイル17、サブクールコイル用膨張弁18、低圧圧力センサ42、圧縮機11及び高圧圧力センサ41を通る経路である。
【0026】
第2の冷媒経路が存在しない構成であれば、液管バルブ15及びガス管バルブ16の一方もしくは両方が閉じている場合は、圧縮機11が稼働した際に、正常に両バルブが開いている場合と比較して、高低圧差が大きくなる。高低圧差が予め設定する閾値を上回る場合は、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態である可能性があると判定することができる。
しかし、第2の冷媒経路が存在する構成では、液管バルブ15及びガス管バルブ16の閉止により第1の冷媒経路における冷媒の環流が遮断されていてもサブクールコイル用膨張弁18が開いていると、冷媒は第2の冷媒経路を環流することが可能である。液管バルブ15及びガス管バルブ16が閉止されていても冷媒が第2の冷媒経路を環流する場合には、高低圧差が閾値以上に広がらない。このため、サブクールコイル用膨張弁18が開いている場合は、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16の状態を正確に判定することができないという課題がある。
【0027】
このような課題に対して、本実施の形態に係る異常判定装置4は、室外機10に第2の冷媒経路が存在していても、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止されているか否かを正しく判定できる構成を有する。
以下にて、本実施の形態に係る異常判定装置4の構成を説明する。
【0028】
信号送信部121は、空気調和機1の試運転時に、指示信号を室外機10に送信する。指示信号は、サブクールコイル用膨張弁18を閉止するよう指示する信号である。
指示信号を受信した室外機10は、サブクールコイル用膨張弁18が開いていればサブクールコイル用膨張弁18を閉止する。サブクールコイル用膨張弁18が閉止されることで、第2の冷媒経路における冷媒の環流は遮断される。
サブクールコイル用膨張弁18の閉止による第2の冷媒経路における冷媒の環流の遮断によって、後述の判定部123は、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16の状態を正確に判定することができる。
【0029】
運転データ取得部122は、空気調和機1の運転データを取得する。運転データは、例えば、空気調和機1に設置されたセンサで得られたセンサ値である。また、運転データは、空気調和機1の制御値である。センサ値には、高圧圧力センサ41により計測された高圧圧力値及び低圧圧力センサ42により計測された低圧圧力値が含まれる。制御値には、圧縮機11の周波数、室外機ファン14の回転数、膨張弁21の弁開度といった数値が含まれる。
運転データ取得部122は、信号送信部121により指示信号が送信された後に高圧圧力センサ41により計測された高圧圧力値及び低圧圧力センサ42により計測された低圧圧力値を取得する。
【0030】
判定部123は、運転データ取得部122により運転データとして取得された高圧圧力値及び低圧圧力値に基づき、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であるか否かを判定する。前述のように、判定部123は、高圧圧力値との低圧圧力値の圧力差である高低圧差が閾値を上回る場合に、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であると判定する。
これに代えて、判定部123は、高圧圧力が予め設定された閾値を上回る場合に、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であると判定してもよい。また、判定部123は、低圧圧力が予め設定された閾値を下回る場合に、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であると判定してもよい。
また、判定部123は、高圧圧力の上昇又は低圧圧力の低下によって保護機能が発動されて空気調和機1が運転を停止した場合に、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であると判定してもよい。
【0031】
報知部124は、判定部123により液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であると判定された場合に、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であることを作業者に報知する。具体的には、報知部124は、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であることを通知するメッセージを表示器3に出力する。
【0032】
***動作の説明***
【0033】
図5は、本実施の形態に係る異常判定装置4の動作例を示す。以下では、
図5のフローを参照して、本実施の形
態に係る異常判定装置4の動作を説明する。
【0034】
指示器2により空気調和機1の試運転の開始が指示されると、空気調和機1の試運転が開始する。空気調和機1の試運転が開始すると、運転データ取得部122は、運転データとして制御値を取得し、空気調和機1の試運転の開始を認識する。
そして、ステップST01において、信号送信部121が室外機10に指示信号を送信する。指示信号を受信した室外機10は、指示信号に基づいて、サブクールコイル用膨張弁18を閉止する。
【0035】
ステップST02では、運転データ取得部122が、高圧圧力センサ41から高圧圧力値を取得する。また、運転データ取得部122は、低圧圧力センサ42より低圧圧力値を取得する。更に、判定部123が、高圧圧力値と低圧圧力値との差分である高低圧差ΔP(高圧圧力値-低圧圧力値)を算出する。
【0036】
次に、ステップST03において、判定部123が、高低圧差ΔPが予め設定された閾値を上回るか否かを判定する。
高低圧差ΔPが閾値を上回る場合は、処理がステップST04に進む。一方、高低圧差ΔPが閾値以下の場合は、処理が終了する。
【0037】
ステップST04では、判定部123が、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であると判定する。そして、報知部124が、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であることを通知するメッセージを表示器3に出力する。表示器3は、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であることを通知するメッセージを表示する。
表示器3により表示されたメッセージを見た作業者は、液管バルブ15及びガス管バルブ16を確認し、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であれば、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16の開作業を行う。
【0038】
なお、ステップST03について、判定部123は、前述したように、高低圧差ΔPと閾値との比較に代えて、高圧圧力値と閾値との比較を行ってもよい。そして、高圧圧力値が閾値を上回る場合に、判定部123は、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であると判定する。この場合は、ステップST02では、運転データ取得部122は高圧圧力値を取得するのみでよく、判定部123は高低圧差ΔPを算出する必要がない。
【0039】
また、ステップST03について、判定部123は、前述したように、高低圧差ΔPと閾値との比較に代えて、低圧圧力値と閾値との比較を行ってもよい。そして、低圧圧力値が閾値を下回る場合に、判定部123は、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であると判定する。この場合は、ステップST02では、運転データ取得部122は低圧圧力値を取得するのみでよく、判定部123は高低圧差ΔPを算出する必要がない。
【0040】
また、ステップST03について、判定部123は、前述したように、高低圧差ΔPと閾値との比較に代えて、高圧圧力の上昇又は低圧圧力の低下による保護機能の発動によって空気調和機1が運転を停止したか否かを判定してもよい。そして、高圧圧力の上昇又は低圧圧力の低下による保護機能の発動によって空気調和機1が運転を停止した場合に、判定部123は、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であると判定してもよい。この場合は、ステップST02では、運転データ取得部122は運転データとして、空気調和機1の運転停止が示される制御値を取得する。そして、判定部123は、制御値を解析して、高圧圧力の上昇又は低圧圧力の低下による保護機能の発動によって空気調和機1が運転を停止したことを認識する。
【0041】
また、高低圧差ΔPと比較する閾値は、固定値でもよいし、可変値でもよい。可変閾値が用いられる場合は、判定部123が、例えば圧縮機11の周波数、室内機20の膨張弁21の開度などの空気調和機1の運転状態に応じて閾値を変化させることが考えられる。判定部123が運転状態に応じて閾値を変化させることで、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が全閉でない場合の検出精度を向上させることができる。
【0042】
また、高低圧差ΔPに代えて高圧圧力値を閾値と比較する場合に、判定部123は、高圧圧力値と比較する閾値として、空気調和機1の運転状態に応じて変化する可変閾値を用いてもよい。
同様に、高低圧差ΔPに代えて低圧圧力値を閾値と比較する場合に、判定部123は、低圧圧力値と比較する閾値として、空気調和機1の運転状態に応じて変化する可変閾値を用いてもよい。
【0043】
また、以上の説明では、表示器3により表示されたメッセージを見た作業者が液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16の開作業を行うことを前提としていた。
これに代えて、異常判定装置4が液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16の開放を室外機10に指示して自動的に液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16の開放を行うようにしてもよい。この場合には、室外機10には、
図2に図示していない液管バルブ15及びガス管バルブ16の開閉を制御する弁制御機構が含まれているものとする。
具体的には、判定部123により液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止されていると判定された場合に、信号送信部121が液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16を開放するよう指示する指示信号を室外機10に送信する。指示信号を受信した室外機10は、弁制御機構を制御して液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16を開放する。
このように自動で液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16の開放を行うことで、作業者の作業負担を軽減することができる。なお、この場合には、報知部124による表示器3へのメッセージの出力は省略してもよい。
【0044】
***実施の形態の効果の説明***
以上のように、本実施の形態では、サブクールコイル用膨張弁18の閉止を指示する指示信号を異常判定装置4が室外機10に送信し、室外機10がサブクールコイル用膨張弁18を閉止する。このため、本実施の形態によれば、室外機10に第2の冷媒経路が存在していても、異常判定装置4は、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止されているか否かを正しく判定することができる。この結果、設置作業時に作業者が液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16を開くことを忘れた場合でも、試運転時に作業者に液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止状態であることを通知することができる。そして、試運転時に異常停止が発生した場合でも、作業者は異常停止の原因が液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16の閉止であると認識できるため、作業時間の短縮につながる。
【0045】
実施の形態2.
実施の形態1では、
図2に示す構成の室外機10、つまり、サブクールコイル17とサブクールコイル用膨張弁18を含み、
図4に示す第2の冷媒経路を含む室外機10を説明した。
本実施の形態では、他の構成の室外機10を説明する。
本実施の形態では、主に実施の形態1との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態1と同様である。
【0046】
図6は、本実施の形態に係る空気調和機1の構成例を示す。
【0047】
室内機20及び接続配管30は、
図2に示したものと同じであるため、説明を省略する。
また、室外機10内において、四方弁12、室外熱交換器13、室外機ファン14、液管バルブ15、ガス管バルブ16、高圧圧力センサ41及び低圧圧力センサ4
2は、
図2に示したものと同じであるため、説明を省略する。
【0048】
図6に示す室外機10では、
図2に示す圧縮機11に代えてインジェクション圧縮機111が配置されている。インジェクション圧縮機111は、吐出圧の接続口と吸入圧の接続口に加えて、中間圧にも接続口を有する。
また、
図6に示す室外機10では、
図2に示すサブクールコイル用膨張弁18に代えてインジェクション用膨張弁118が配置されている。インジェクション用膨張弁118は、インジェクション管119からインジェクション圧縮機111の中間圧に注入されるインジェクション量を調整する。インジェクション用膨張弁118は、第2のバルブに相当する。
また、
図6に示す室外機10では、
図2に示すサブクールコイル17に代えてエコノマイザ117が配置されている。エコノマイザ117は、室外熱交換器13から流出した液冷媒の熱を中間圧の冷媒で回収する。
図6に示す室外機10では、冷房運転時に室外熱交換器13から流出した液冷媒の一部を分岐してインジェクション圧縮機111の中間圧に注入することで冷凍サイクル効率を向上させることができる。
なお、室外機10は、
図6に図示していない、指示信号に基づいてインジェクション用膨張弁118を閉止する弁制御機構を有するものとする。
【0049】
本実施の形態に係る室外機10においても、第1の冷媒経路と第2の冷媒経路が存在する。
図7は本実施の形態に係る第1の冷媒経路を示し、
図8は本実施の形態に係る第2の冷媒経路を示す。
図7の第1の冷媒経路では、室内機20から流入した冷媒はガス管バルブ16、低圧圧力センサ42、インジェクション圧縮機111、高圧圧力センサ41、室外熱交換器13、エコノマイザ117及び液管バルブ15を経て室内機20に戻される。第1の冷媒経路により、室外機10と室内機20の間で冷媒が環流する。
本実施の形態においても、第2の冷媒経路は、室外機10内で冷媒を環流させる経路である。本実施の形態では、
図8に示すように、第2の冷媒経路は、室外熱交換器13、エコノマイザ117、インジェクション用膨張弁118、インジェクション管119、インジェクション圧縮機111、高圧圧力センサ41を通る経路である。
【0050】
本実施の形態に係る室外機10においても、液管バルブ15及びガス管バルブ16の閉止により第1の冷媒経路における冷媒の環流が遮断されていてもインジェクション用膨張弁118が開いていると、冷媒は第2の冷媒経路を環流することが可能である。液管バルブ15及びガス管バルブ16が閉止されていても冷媒が第2の冷媒経路を環流する場合には、高低圧差が閾値以上に広がらない。このため、インジェクション用膨張弁118が開いている場合は、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16の状態を正確に判定することができないという課題がある。
【0051】
本実施の形態に係る異常判定装置4の構成は、
図1に示す通りである。
本実施の形態においても、上記の課題を解決するために、信号送信部121が、インジェクション用膨張弁118を閉止するよう指示する指示信号を室外機10に送信する。
指示信号を受信した室外機10は、インジェクション用膨張弁118が開いていればインジェクション用膨張弁118を閉止する。インジェクション用膨張弁118が閉止されることで、第2の冷媒
経路における冷媒の環流は遮断される。
インジェクション用膨張弁118の閉止による第2の冷媒
経路における冷媒の環流の遮断によって、本実施の形態においても、判定部123は、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16の状態を正確に判定することができる。
【0052】
本実施の形態に係る異常判定装置4の動作例は
図5に示す通りである。このため、本実施の形態に係る異常判定装置4の動作の詳細は説明を省略する。
【0053】
このように、室外機10に
図8に示す構成の第2の冷媒経路が含まれる場合でも、異常判定装置4は、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止されているか否かを正しく判定することができる。
【0054】
実施の形態3.
本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2とは異なる構成の室外機10を説明する。
本実施の形態では、主に実施の形態1との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態1と同様である。
【0055】
図9は、本実施の形態に係る空気調和機1の構成例を示す。
【0056】
室内機20及び接続配管30は、
図2に示したものと同じであるため、説明を省略する。
また、室外機10内において、圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器13、室外機ファン14、液管バルブ15、ガス管バルブ16、高圧圧力センサ41及び低圧圧力センサ42は、
図2に示したものと同じであるため、説明を省略する。
【0057】
本実施の形態に係る室外機10では、油分離器51、キャピラリチューブ52及び油戻しバルブ53が設けられている。
油分離器51は、圧縮機11から吐出される冷媒に含まれる冷凍機油を分離する。
キャピラリチューブ52は、油分離器51から圧縮機11の吸入側に戻される冷凍機油及び冷媒の流量を適正に調整する流路抵抗として機能する。
油戻しバルブ53は、圧縮機11の運転中に開放される。油戻しバルブ53は第2のバルブに相当する。
油分離器51、キャピラリチューブ52及び油戻しバルブ53で構成される油戻し経路により、圧縮機11から吐出された冷凍機油が速やかに圧縮機11に回収される。これにより、冷凍機油が室外機10を流出して冷媒経路の全体に分布してしまい、圧縮機11が潤滑不良になることを防止することができる。この結果、信頼性の高い冷凍サイクルを実現することができる。
なお、室外機10は、
図9に図示していない、指示信号に基づいて油戻しバルブ53を閉止する弁制御機構を有するものとする。
【0058】
本実施の形態に係る室外機10においても、第1の冷媒経路と第2の冷媒経路が存在する。
図10は本実施の形態に係る第1の冷媒経路を示し、
図11は本実施の形態に係る第2の冷媒経路を示す。
図10の第1の冷媒経路では、室内機20から流入した冷媒はガス管バルブ16、低圧圧力センサ42、圧縮機11、高圧圧力センサ41、油分離器51、室外熱交換器13及び液管バルブ15を経て室内機20に戻される。第1の冷媒経路により、室外機10と室内機20の間で冷媒が環流する。
本実施の形態においても、第2の冷媒経路は、室外機10内で冷媒を環流させる経路である。本実施の形態では、
図11に示すように、第2の冷媒経路は、圧縮機11、高圧圧力センサ41、油分離器51、キャピラリチューブ52、油戻しバルブ53、低圧圧力センサ42を通る経路である。
【0059】
本実施の形態に係る室外機10においても、液管バルブ15及びガス管バルブ16の閉止により第1の冷媒経路における冷媒の環流が遮断されていても油戻しバルブ53が開いていると、冷媒は第2の冷媒経路を環流することが可能である。液管バルブ15及びガス管バルブ16が閉止されていても冷媒が第2の冷媒経路を環流する場合には、高低圧差が閾値以上に広がらない。このため、油戻しバルブ53が開いている場合は、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16の状態を正確に判定することができないという課題がある。
【0060】
本実施の形態に係る異常判定装置4の構成は、
図1に示す通りである。
本実施の形態においても、上記の課題を解決するために、信号送信部121が、油戻しバルブ53を閉止するよう指示する指示信号を室外機10に送信する。
指示信号を受信した室外機10は、油戻しバルブ53が開いていれば油戻しバルブ53を閉止する。油戻しバルブ53が閉止されることで、第2の冷媒
経路における冷媒の環流は遮断される。
油戻しバルブ53の閉止による第2の冷媒
経路における冷媒の環流の遮断によって、本実施の形態においても、判定部123は、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16の状態を正確に判定することができる。
【0061】
本実施の形態に係る異常判定装置4の動作例は
図5に示す通りである。このため、本実施の形態に係る異常判定装置4の動作の詳細は説明を省略する。
【0062】
このように、室外機10に
図11に示す構成の第2の冷媒経路が含まれる場合でも、異常判定装置4は、液管バルブ15及び/又はガス管バルブ16が閉止されているか否かを正しく判定することができる。
【0063】
***ハードウェア構成の補足説明***
最後に、異常判定装置4のハードウェア構成の補足説明を行う。
図1に示すプロセッサ120は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。
プロセッサ120は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等である。
図1に示す通信機110は、データの通信処理を実行する電子回路である。
通信機110は、例えば、通信チップ又はNIC(Network Interface Card)である。
【0064】
また、
図1に図示していない記憶装置には、OS(Operating System)も記憶されている。
そして、OSの少なくとも一部がプロセッサ120により実行される。
プロセッサ120はOSの少なくとも一部を実行しながら、信号送信部121、運転データ取得部122、判定部123及び報知部124の機能を実現するプログラムを実行する。
プロセッサ120がOSを実行することで、タスク管理、メモリ管理、ファイル管理、通信制御等が行われる。
また、信号送信部121、運転データ取得部122、判定部123及び報知部124の処理の結果を示す情報、データ、信号値及び変数値の少なくともいずれかが、記憶装置、プロセッサ120内のレジスタ及びキャッシュメモリの少なくともいずれかに記憶される。
また、信号送信部121、運転データ取得部122、判定部123及び報知部124の機能を実現するプログラムは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD等の可搬記録媒体に格納されていてもよい。そして、信号送信部121、運転データ取得部122、判定部123及び報知部124の機能を実現するプログラムが格納された可搬記録媒体を流通させてもよい。
【0065】
また、信号送信部121、運転データ取得部122、判定部123及び報知部124の「部」を、「回路」又は「工程」又は「手順」又は「処理」又は「サーキットリー」に読み替えてもよい。
また、異常判定装置4は、処理回路により実現されてもよい。処理回路は、例えば、ロジックIC(Integrated Circuit)、GA(Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)である。
この場合は、信号送信部121、運転データ取得部122、判定部123及び報知部124は、それぞれ処理回路の一部として実現される。
なお、本明細書では、プロセッサと処理回路との上位概念を、「プロセッシングサーキットリー」という。
つまり、プロセッサと処理回路とは、それぞれ「プロセッシングサーキットリー」の具体例である。
【0066】
以上、実施の形態1~3を説明したが、これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。
あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。
あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
また、これらの実施の形態に記載された構成及び手順を必要に応じて変更してもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 空気調和機、2 指示器、3 表示器、4 異常判定装置、10 室外機、11 圧縮機、12 四方弁、13 室外熱交換器、14 室外機ファン、15 液管バルブ、16 ガス管バルブ、17 サブクールコイル、18 サブクールコイル用膨張弁、20 室内機、21 膨張弁、22 室内熱交換器、23 室内機ファン、30 接続配管、41 高圧圧力センサ、42 低圧圧力センサ、51 油分離器、52 キャピラリチューブ、53 油戻しバルブ、110 通信機、111 インジェクション圧縮機、117 エコノマイザ、118 インジェクション用膨張弁、119 インジェクション管、120 プロセッサ、121 信号送信部、122 運転データ取得部、123 判定部、124 報知部。