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特許7580602放棄を伴うマルチスキルコンタクトセンターにおけるロバストな待ち時間推定のための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】放棄を伴うマルチスキルコンタクトセンターにおけるロバストな待ち時間推定のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/51 20060101AFI20241101BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20241101BHJP
   G06F 9/50 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
H04M3/51
G06Q30/015
G06F9/50 150Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023527404
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-19
(86)【国際出願番号】 US2021062346
(87)【国際公開番号】W WO2022125623
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】63/122,905
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523074490
【氏名又は名称】ジェネシス クラウド サービシーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ター、ウェイ、シュン
(72)【発明者】
【氏名】ロソイ、ゲイル
(72)【発明者】
【氏名】ハミード、モハメド、シャフル
(72)【発明者】
【氏名】ウィカクソノ、バユ
(72)【発明者】
【氏名】ハンフリーズ、トラヴィス
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン、ブライアン
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-061661(JP,A)
【文献】特開2011-061410(JP,A)
【文献】特開2000-349907(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/51
G06Q 30/015
G06F 9/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客をエージェントに接続するための待ち時間を推定するためのシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
記憶された複数の命令を含む少なくとも1つのメモリであって、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによる実行に応じて、前記システムに、
前記待ち時間を推定する要求を示す前記顧客からの着信インタラクションデータを受信することと、
前記要求の受信に応答して、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションについてのインタラクション情報を示す履歴データを検索することと、
前記履歴データに基づいて待ち時間推定を生成することと
ちキャッシュに記憶された、実際の待ち時間を有していない会話識別子の数が基準値を超過するかどうかを判定することと
記待ちキャッシュに記憶された、実際の待ち時間を有していない会話識別子の数が前記基準値を超過するという判定に応答して、前記待ちキャッシュから前記会識別子を除外することと、を行わせる、メモリと、を備える、システム。
【請求項2】
前記インタラクションデータは、前記要求に関連付けられた媒体タイプ、1つ以上の以前のインタラクションに関連付けられたキューに記憶されたデータ、前記要求に関連付けられた言語、前記要求に関連付けられた1つ以上のスキル要件、前記キュー内の前記要求の位置、前記キューにサービスするために利用可能なエージェントの数、前記要求の時間、又は前記要求のサービスの時間のうちの1つ以上によって各々定義される複数のルートパスを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプロセッサによる実行に応答して、前記複数の命令は更に、前記システムに、
まだサービスされていない1つ以上のインタラクションに関連付けられたインタラクションデータを記憶するために、前記複数のルートパスの各々のための前記待ちキャッシュを維持することと、
すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに関連付けられたインタラクションデータを記憶するために、前記複数のルートパスの各々のための完了済みキャッシュを維持することと、を行わせる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記履歴データに基づいて前記待ち時間推定を生成することは、
すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する実際の待ち時間を判定することと、
すでにサービスされている1つ以上のインタラクションのキュー内の位置を判定することと、
すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する利用可能なエージェントの数を判定することと、
前記判定された実際の待ち時間、前記判定されたキュー内の位置、及び前記判定された利用可能なエージェントの数に基づいて、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する調整済み平均処理時間を計算することと、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記履歴データに基づいて前記待ち時間推定を生成することは、調整済み平均処理時間計算の中央値又は調整済み平均処理時間計算の平均値のうちの1つ以上に基づいて平均処理時間推定量を計算することを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記履歴データに基づいて前記待ち時間推定を生成することは、
前記要求に対応するキュー内の位置を判定することと、
前記要求に対応する利用可能なエージェントの数を判定することと、
前記平均処理時間推定量、前記要求に対応する前記判定されたキュー内の位置、及び前記要求に対応する前記判定された利用可能なエージェントの数に基づいて、前記待ち時間推定を計算することと、を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記履歴データに基づいて前記待ち時間推定を生成することは、待ち時間の推定間隔を計算することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記待ち時間の推定間隔を計算することは、
すでにサービスされている1つ以上のインタラクションのサンプル数を判定することと、
前記推定間隔に関連付けられた統計的有意水準を判定することと、
前記推定間隔の下限の分位値を判定することと、
前記推定間隔の上限の分位値を判定することと、
前記判定された下限分位値に対応する調整済み平均処理時間に少なくとも部分的に基づいて、前記推定間隔の前記下限を計算することと、
前記判定された上限分位値に対応する調整済み平均処理時間に少なくとも部分的に基づいて、前記推定間隔の前記上限を計算することと、を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
記憶された複数の命令を含む、1つ以上の非一時的機械可読記憶媒体であって、前記命令が、少なくとも1つのプロセッサによる実行に応答して、システムに、
顧客をエージェントに接続するための待ち時間を推定する要求を示す前記顧客からの着信インタラクションデータを受信することと、
前記要求の受信に応答して、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションについてのインタラクション情報を示す履歴データを検索することと、
前記顧客を前記エージェントに接続するために、前記履歴データに基づいて待ち時間推定を生成することと
ちキャッシュに記憶された、実際の待ち時間を有していない会話識別子の数が基準値を超過するかどうかを判定することと
記待ちキャッシュに記憶された、実際の待ち時間を有していない前記会話識別子の数が前記基準値を超過するという判定に応答して、前記待ちキャッシュから前記会識別子を除外することと、を行わせる、1つ以上の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項10】
前記インタラクションデータは、前記要求に関連付けられた媒体タイプ、1つ以上の以前のインタラクションに関連付けられたキューに記憶されたデータ、前記要求に関連付けられた言語、前記要求に関連付けられた1つ以上のスキル要件、前記キュー内の前記要求の位置、前記キューにサービスを提供するために利用可能なエージェントの数、前記要求の時間、又は前記要求のサービスの時間のうちの1つ以上によって各々定義される複数のルートパスを含む、請求項に記載の1つ以上の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項11】
前記履歴データに基づいて前記待ち時間推定を生成することは、
すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する実際の待ち時間を判定することと、
すでにサービスされている1つ以上のインタラクションのキュー内の位置を判定することと、
すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する利用可能なエージェントの数を判定することと、
前記判定された実際の待ち時間、前記判定されたキュー内の位置、及び前記判定された利用可能なエージェントの数に基づいて、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する調整済み平均処理時間を計算することと、を含む、請求項に記載の1つ以上の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項12】
前記履歴データに基づいて前記待ち時間推定を生成することは、調整済み平均処理時間計算の中央値又は調整済み平均処理時間計算の平均値のうちの1つ以上に基づいて平均処理時間推定量を計算することを含む、請求項11に記載の1つ以上の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項13】
前記履歴データに基づいて前記待ち時間推定を生成することは、
前記要求に対応するキュー内の位置を判定することと、
前記要求に対応する利用可能なエージェントの数を判定することと、
前記平均処理時間推定量、前記要求に対応する前記判定されたキュー内の位置、及び前記要求に対応する前記判定された利用可能なエージェントの数に基づいて、前記待ち時間推定を計算することと、を含む、請求項12に記載の1つ以上の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項14】
前記履歴データに基づいて前記待ち時間推定を生成することは、待ち時間の推定間隔を計算することを含み、前記待ち時間の推定間隔を計算することは、
すでにサービスされている1つ以上のインタラクションのサンプル数を判定することと、
前記推定間隔に関連付けられた統計的有意水準を判定することと、
前記推定間隔の下限の分位値を判定することと、
前記推定間隔の上限の分位値を判定することと、
前記判定された下限分位値に対応する調整済み平均処理時間に少なくとも部分的に基づいて、前記推定間隔の前記下限を計算することと、
前記判定された上限分位値に対応する調整済み平均処理時間に少なくとも部分的に基づいて、前記推定間隔の前記上限を計算することと、を含む、請求項に記載の1つ以上の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項15】
顧客をエージェントに接続するためのコンタクトセンター待ち時間を推定する方法であって、前記方法は、
コンタクトセンターシステムによって、前記待ち時間を推定する要求を示す前記顧客からの着信インタラクションデータを受信することと、
前記コンタクトセンターシステムによって、前記要求の受信に応答して、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションについてのインタラクション情報を示す履歴データを検索することと、
前記コンタクトセンターシステムによって、前記履歴データに基づいて待ち時間推定を生成することと、
前記コンタクトセンターシステムによって、待ちキャッシュに記憶された、実際の待ち時間を有していない会話識別子の数が基準値を超過するかどうかを判定することと
記待ちキャッシュに記憶された、実際の待ち時間を有していない前記会話識別子の数が前記基準値を超過するという判定に応答して、前記コンタクトセンターシステムによって、前記待ちキャッシュから前記会識別子を除外することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記インタラクションデータは、前記要求に関連付けられた媒体タイプ、1つ以上の以前のインタラクションに関連付けられたキューに記憶されたデータ、前記要求に関連付けられた言語、前記要求に関連付けられた1つ以上のスキル要件、前記キュー内の前記要求の位置、前記キューにサービスするために利用可能なエージェントの数、前記要求の時間、又は前記要求のサービスの時間のうちの1つ以上によって各々定義される複数のルートパスを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記履歴データに基づいて前記待ち時間推定を生成することは、
前記コンタクトセンターシステムによって、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する実際の待ち時間を判定することと、
前記コンタクトセンターシステムによって、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションのキュー内の位置を判定することと、
前記コンタクトセンターシステムによって、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する利用可能なエージェントの数を判定することと、
前記コンタクトセンターシステムによって、前記判定された実際の待ち時間、前記判定されたキュー内の位置、及び前記判定された利用可能なエージェントの数に基づいて、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する調整済み平均処理時間を計算することと、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記履歴データに基づいて前記待ち時間推定を生成することは、
前記コンタクトセンターシステムによって、調整済み平均処理時間計算の中央値に基づいて、又は調整済み平均処理時間計算の平均値に基づいて、平均処理時間推定量を計算することと、
前記コンタクトセンターシステムによって、前記要求に対応するキュー内の位置を判定することと、
前記コンタクトセンターシステムによって、前記要求に対応する利用可能なエージェントの数を判定することと、
前記コンタクトセンターシステムによって、前記平均処理時間推定量、前記要求に対応する前記判定されたキュー内の位置、及び前記要求に対応する前記判定された利用可能なエージェントの数に基づいて、前記待ち時間推定を計算することと、を含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年12月8日に出願された米国仮特許出願第63/122,905号の優先権を主張するものであり、当該仮特許出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
コンタクトセンターは、典型的には、特定のインタラクションを処理するのに適した利用可能なエージェント間で着信インタラクションを分散させる。しかしながら、全てのエージェントが利用不可能であるとき、着信インタラクションは、次の利用可能なエージェントを待つために、1つ以上のキューに入れられ得る。待ち時間が長くなると、最終的にエージェントと接続されるときに、顧客が通信を放棄するか、又は通信の有効性が低下することにつながる場合がある。その結果、過度の待ち時間は、顧客の満足度を低下させ、サービス品質を低減させてコールセンターの運営に不利益を与える場合がある。
【0003】
コンタクトセンターの運営において、特定のインタラクションに対する待ち時間情報は、インタラクションの処理を容易にし、より高品質の顧客サービスを促進する。エージェントが利用不可能である期間中に顧客に待ち時間情報を提供する様々なシステム及び方法は、いくつか例を挙げると、望ましくない精度、待ち期間中の顧客行動の不十分な考慮、特定のコンタクトセンター環境の多面的な性質、及びある特定の統計的近似に関連付けられた制限など、いくつかの欠点を抱えている。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態は、顧客をエージェントに接続するための待ち時間を推定するための一意のシステム、構成要素、及び方法を対象とする。他の実施形態は、コンタクトセンター待ち時間を推定するための装置、システム、デバイス、ハードウェア、方法、及びそれらの組み合わせを対象とする。
【0005】
一実施形態によれば、顧客をエージェントに接続するための待ち時間を推定するシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、記憶された複数の命令を含む少なくとも1つのメモリであって、その複数の命令は、少なくとも1つのプロセッサによる実行に応答して、システムに、待ち時間を推定する要求を示す顧客からの着信インタラクションデータを受信することと、その要求の受信に応答して、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションについてのインタラクション情報を示す履歴データを検索することと、その履歴データに基づいて待ち時間推定を生成することと、を行わせる、メモリ、とを含み得る。
【0006】
いくつかの実施形態において、インタラクションデータは、要求に関連付けられた媒体タイプ、1つ以上の以前のインタラクションに関連付けられたキューに記憶されたデータ、要求に関連付けられた言語、要求に関連付けられた1つ以上のスキル要件、キュー内の要求の位置、キューにサービスするために利用可能なエージェントの数、要求の時間、又は要求のサービスの時間のうちの1つ以上によって各々定義される複数のルートパスを含み得る。
【0007】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサによる実行に応答して、複数の命令は、システムに、まだサービスされていない1つ以上のインタラクションに関連付けられたインタラクションデータを記憶するために、複数のルートパスの各々のための待ちキャッシュを維持することと、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに関連付けられたインタラクションデータを記憶するために、複数のルートパスの各々のための完了済みキャッシュを維持することと、を行わせ得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、履歴データに基づいて待ち時間推定を生成することは、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する実際の待ち時間を判定することと、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションのキュー内の位置を判定することと、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する利用可能なエージェントの数を判定することと、判定された実際の待ち時間、判定されたキュー内の位置、及び判定された利用可能なエージェントの数に基づいて、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する調整済み平均処理時間を計算することと、を含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態において、履歴データに基づいて待ち時間推定を生成することは、調整済み平均処理時間計算の中央値又は調整済み平均処理時間計算の平均値のうちの1つ以上に基づいて平均処理時間推定量を計算することを含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態において、履歴データに基づいて待ち時間推定を生成することは、要求に対応するキュー内の位置を判定することと、要求に対応する利用可能なエージェントの数を判定することと、平均処理時間推定量、要求に対応する判定されたキュー内の位置、及び要求に対応する判定された利用可能なエージェントの数に基づいて、待ち時間推定を計算することと、を含み得る。
【0011】
いくつかの実施形態において、履歴データに基づいて待ち時間推定を生成することは、待ち時間の推定間隔を計算することを含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態において、待ち時間の推定間隔を計算することは、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションのサンプル数を判定することと、推定間隔に関連付けられた統計的有意水準を判定することと、推定間隔の下限の分位値を判定することと、推定間隔の上限の分位値を判定することと、判定された下限分位値に対応する調整済み平均処理時間に少なくとも部分的に基づいて、推定間隔の下限を計算することと、判定された上限分位値に対応する調整済み平均処理時間に少なくとも部分的に基づいて、推定間隔の上限を計算することと、を含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサによる実行に応答して、複数の命令は、システムに、実際の待ち時間を有していない待ちキャッシュに記憶された会話の数が基準値を超過するかどうかを判定することと、着信会話に関連付けられた会話識別子が待ちキャッシュにすでに存在するかどうかを判定することと、実際の待ち時間を有していない待ちキャッシュに記憶された会話の数が基準値を超過するという判定に応答して、又は会話識別子が待ちキャッシュにすでに存在するという判定に応答して、待ちキャッシュから着信会話を除外することと、を行わせ得る。
【0014】
別の実施形態によれば、1つ以上の非一時的機械可読記憶媒体は、記憶された複数の命令を含み得、その複数の命令は、少なくとも1つのプロセッサによる実行に応答して、システムに、顧客をエージェントに接続するための待ち時間を推定する要求を示す顧客からの着信インタラクションデータを受信することと、その要求の受信に応答して、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに関するインタラクション情報を示す履歴データを検索することと、その履歴データに基づいて顧客をエージェントに接続するための待ち時間推定を生成することと、を行わせる。
【0015】
いくつかの実施形態において、インタラクションデータは、要求に関連付けられた媒体タイプ、1つ以上の以前のインタラクションに関連付けられたキューに記憶されたデータ、要求に関連付けられた言語、要求に関連付けられた1つ以上のスキル要件、キュー内の要求の位置、キューにサービスするために利用可能なエージェントの数、要求の時間、又は要求のサービスの時間のうちの1つ以上によって各々定義される複数のルートパスを含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、履歴データに基づいて待ち時間推定を生成することは、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する実際の待ち時間を判定することと、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションのキュー内の位置を判定することと、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する利用可能なエージェントの数を判定することと、判定された実際の待ち時間、判定されたキュー内の位置、及び判定された利用可能なエージェントの数に基づいて、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する調整済み平均処理時間を計算することと、を含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、履歴データに基づいて待ち時間推定を生成することは、調整済み平均処理時間計算の中央値又は調整済み平均処理時間計算の平均値のうちの1つ以上に基づいて平均処理時間推定量を計算することを含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、履歴データに基づいて待ち時間推定を生成することは、要求に対応するキュー内の位置を判定することと、要求に対応する利用可能なエージェントの数を判定することと、平均処理時間推定量、要求に対応する判定されたキュー内の位置、及び要求に対応する判定された利用可能なエージェントの数に基づいて、待ち時間推定を計算することと、を含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、履歴データに基づいて待ち時間推定を生成することは、待ち時間の推定間隔を計算することを含み得、待ち時間の推定間隔を計算することは、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションのサンプル数を判定すること、推定間隔に関連付けられた統計的有意水準を判定することと、推定間隔の下限の分位値を判定することと、推定間隔の上限の分位値を判定することと、判定された下限分位値に対応する調整済み平均処理時間に少なくとも部分的に基づいて、推定間隔の下限を計算することと、判定された上限分位値に対応する調整済み平均処理時間に少なくとも部分的に基づいて推定間隔の上限を計算することと、を含み得る。
【0020】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサによる実行に応答して、複数の命令は、システムに、実際の待ち時間を有していない待ちキャッシュに記憶された会話の数が基準値を超過するかどうかを判定することと、着信会話に関連付けられた会話識別子が待ちキャッシュにすでに存在するかどうかを判定することと、実際の待ち時間を有していない待ちキャッシュに記憶された会話の数が基準値を超過するという判定に応答して、又は会話識別子が待ちキャッシュにすでに存在するという判定に応答して、待ちキャッシュから着信会話を除外することと、を行わせ得る。
【0021】
更に別の実施形態によれば、顧客をエージェントに接続するためのコンタクトセンター待ち時間を推定する方法は、コンタクトセンターシステムによって、待ち時間を推定する要求を示す顧客からの着信インタラクションデータを受信することと、コンタクトセンターシステムによって、その要求の受信に応答してすでにサービスされている1つ以上のインタラクションに関するインタラクション情報を示す履歴データを検索することと、コンタクトセンターシステムによって、履歴データに基づいて待ち時間推定を生成することと、を含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、インタラクションデータは、要求に関連付けられた媒体タイプ、1つ以上の以前のインタラクションに関連付けられたキューに記憶されたデータ、要求に関連付けられた言語、要求に関連付けられた1つ以上のスキル要件、キュー内の要求の位置、キューにサービスするために利用可能なエージェントの数、要求の時間、又は要求のサービスの時間のうちの1つ以上によって各々定義される複数のルートパスを含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、履歴データに基づいて待ち時間推定を生成することは、コンタクトセンターシステムによって、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する実際の待ち時間を判定することと、コンタクトセンターシステムによって、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションのキュー内の位置を判定することと、コンタクトセンターシステムによって、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する利用可能なエージェントの数を判定することと、コンタクトセンターシステムによって、判定された実際の待ち時間、判定されたキュー内の位置、及び判定された利用可能なエージェントの数に基づいて、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションに対応する調整済み平均処理時間を計算することと、を含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態において、履歴データに基づいて待ち時間推定を生成することは、コンタクトセンターシステムによって、調整済み平均処理時間計算値の中央値に基づいて、又は調整済み平均処理時間計算値の平均値に基づいて平均処理時間推定量を計算することと、コンタクトセンターシステムによって、要求に対応するキュー内の位置を判定することと、コンタクトセンターシステムによって、要求に対応する利用可能なエージェントの数を判定することと、コンタクトセンターシステムによって、平均処理時間推定量、要求に対応する判定されたキュー内の位置、及び要求に対応する判定された利用可能なエージェントの数に基づいて、待ち時間推定を計算することと、を含み得る。
【0025】
この概要は、特許請求される主題の重要な又は本質的な特徴を識別することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定する助けとして使用されることも意図されていない。本出願の更なる実施形態、形態、特徴、及び態様は、本明細書とともに提供される説明及び図から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本明細書に説明される概念は、例として例解的なものであり、添付の図面における限定としてではない。例解を単純かつ明確にするために、図に例解される要素は、必ずしも縮尺通りに描画されていない。適切であると考えられる場合、参照ラベルは、対応する又は類似の要素を示すために図面間で繰り返されている。
図1】コンタクトセンター待ち時間を推定する方法の少なくとも1つの実施形態の簡略化されたフロー図である。
図2】コンタクトセンター待ち時間を推定する方法の別の実施形態の簡略化されたフロー図である。
図3】推定待ち時間のポイント値を計算することを含む、コンタクトセンター待ち時間を推定する方法の更に別の実施形態の簡略化されたフロー図である。
図4】推定待ち時間の間隔を計算することを含む、図3の方法の簡略化されたフロー図である。
図5】待ちキャッシュから1つ以上のインタラクションを選択的に追い出すことを含む、コンタクトセンター待ち時間を推定する方法の更に別の実施形態の簡略化されたフロー図である。
図6】推定待ち時間のポイント値を計算することを含む、図5の方法の簡略化されたフロー図である。
図7】待ちキャッシュに追加されるコンタクトセンターインタラクションの数を制御する方法の少なくとも1つの実施形態の簡略化されたフロー図である。
図8】コンタクトセンター待ち時間を推定するときに特殊条件を評価する方法の少なくとも1つの実施形態の簡略化されたフロー図である。
図9】コンタクトセンター待ち時間を推定するときに制御限界を適用する方法の少なくとも1つの実施形態の簡略化されたフロー図である。
図10】コンタクトセンターシステムの少なくとも1つの実施形態の簡略化されたブロック図である。
図11】コンピューティングデバイスの少なくとも1つの実施形態の簡略化されたブロック図である。
図12】本開示の少なくとも1つの方法による待ち時間推定と、少なくとも1つの従来の方法による待ち時間推定とのグラフによる比較である。
図13】少なくとも1つの従来の方法による、待ち時間推定の分布のチャートベースの描写である。
図14】本開示の少なくとも1つの方法による、待ち時間推定の分布のチャートベースの描写である。
図15】本開示の少なくとも1つの方法による待ち時間推定の精度と、少なくとも1つの従来の方法による待ち時間推定の精度とのボックスプロットによる比較である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の概念は、様々な修正及び代替形態の余地があるが、具体的な実施形態が図面に例として示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本開示の概念を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、その意図は、本開示及び添付の特許請求の範囲と一致する全ての修正、等価物、及び代替物を網羅することであることを理解されたい。
【0028】
「1つの実施形態」、「一実施形態」、「例解的な実施形態」などの本明細書における言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を必ず含む場合があるか、又は含まない場合があることを示す。更に、かかる句は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。「好ましい」構成要素又は特徴への言及は、一実施形態に関する特定の構成要素又は特徴の望ましいことを示すことができるが、本開示は、そのような構成要素又は特徴を省略し得る他の実施形態に関してそのように限定するものではないことを更に理解されたい。更に、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態と関連して説明される場合、明確に説明されているかどうかに関わりなく、他の実施形態と関連するこのような特徴、構造、又は特性への実装は、当業者の知見内であるものとする。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、様々な実施形態において、任意の好適な組み合わせ及び/又は部分的組み合わせで組み合わされ得る。
【0029】
更に、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」の形態のリストに含まれる項目は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(B及びC)、(A及びC)、又は(A、B、及びC)を意味することができることを理解されたい。同様に、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」の形態で列挙された項目は、(A)(B)、(C)、(A及びB)、(B及びC)、(A及びC)、又は(A、B、及びC)を意味することができることを理解されたい。更に、特許請求の範囲に関して、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「少なくとも1つの(at least one)」、及び/又は「少なくとも1つの部分(at least one portion)」などの語及び句の使用は、具体的に反対のことが述べられていない限り、そのような要素の1つのみに限定されるように解釈されるべきではなく、「少なくとも一部の(at least a portion)」及び/又は「一部の(a portion)」などの句の使用は、具体的なに反対のことが述べられていない限り、そのような要素の一部のみを含む実施形態及びそのような要素の全体を含む実施形態の両方を包含するように解釈されるべきである。
【0030】
開示された実施形態は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装され得る。開示された実施形態はまた、1つ以上のプロセッサによって読み取られ実行され得る1つ以上の一時的又は非一時的機械可読(例えば、コンピュータ可読)記憶媒体によって実行されるか又は記憶される命令として実装され得る。機械可読記憶媒体は、機械(例えば、揮発性若しくは不揮発性メモリ、メディアディスク、又は他のメディアデバイス)によって読み取り可能な形態で情報を記憶又は伝送するための任意の記憶デバイス、機構、又は他の物理的構造として具現化され得る。
【0031】
図面では、いくつかの構造的又は方法的特徴は、具体的な配置及び/又は順序付けで示され得る。しかしながら、そのような具体的な配置及び/又は順序付けは必要とされない場合があることを理解されたい。むしろ、いくつかの実施形態において、そのような特徴は、反対のことが示されていない限り、例解的な図面に示されているものとは異なる方法及び/又は順序で配置され得る。更に、特定の図に構造的又は方法的特徴を含めることは、そのような特徴が全ての実施形態で必要とされることを意味するものではなく、いくつかの実施形態において、含まれない場合があるか、又は他の特徴と組み合わされる場合がある。
【0032】
本開示は、インタラクション又は会話がエージェントに接続される前にキューにおいてどのくらい長く待ち得るかを正確かつロバストに予測するためのいくつかの一意のアプローチを提供する。以下で更に説明するように、少なくともいくつかの実施形態において、本明細書に説明されるシステム及び方法は、例えば、インタラクションのスキル要件、インタラクションの緊急性(例えば、音声インタラクションが電子メールインタラクションよりも優先され得る)、インタラクション同期性(例えば、2つ以上のインタラクションが1人のエージェントによって処理され得る)、及びエージェントスキル(例えば、マルチスキルエージェントが複数のキューにおいてアクティブであり得る)など、いくつかの関係する要因を考慮する。
【0033】
エージェントが利用不可能ある期間中に顧客に待ち時間情報を提供するために自動呼分配(Automatic Call Distribution、ACD)システムにおいて使用され得る現在の方法及び構成は、所望の程度の正確さ及び/又は精度を提供できない場合がある。特に、これらの方法及び構成は、待ち時間に影響を与える顧客-エージェントインタラクションに関係する様々な要因を考慮することができない場合がある。これらの要因には、放棄の発生、インタラクションの優先順位/緊急性、顧客の待ち許容度、及びエージェントが複数のインタラクションを処理し、複数のキューにおいてアクティブになることができるコンタクトセンター環境のマルチスキル性が含まれるが、これらに限定されない。加えて、いくつかの方法及び構成は、実際の待ち時間を正確に近似することができない平均値に基づく推定を利用し得る。
【0034】
個々の要因及び/又は変数を考慮することの複雑さ及び困難さに起因して、本明細書で提示されるロバスト推定フレームワークは、システムの現在の状態についての情報と結合された以前にサービスされたインタラクションからの情報、並びにシステムリソース及び仮定における変化から学習するフィードバック機構を利用する。より正確な待ち時間予測(例えば、ポイント値推定及び/又は推定間隔)を提供する推定フレームワークは、信頼できる意思決定及び顧客インタラクションに対する向上した応答性を容易にすることを理解されたい。そのような予測はまた、顧客へのプリエンプティブなコールバック、及び待ち時間がある特定の閾値を超えた場合に顧客インタラクションを処理するための代替コンタクトチャネルの提供を指図し得る。加えて、本開示のシステム及び方法によって提供される待ち時間推定フレームワークは、コンタクトセンターが、待ち時間の短縮に向けて動作を最適化するために、キューのネットワーク間の信頼性を増大させた状態でエージェントキューアクティブ化を管理することを可能にし得る。
【0035】
少なくともいくつかの実施形態において、本明細書で開示するシステム及び方法による待ち時間の推定は、以前にサービスされたインタラクションに基づく一連の履歴待ち時間観測を通して抽出されたパラメータを使用して待ち時間のポイント値推定を計算することと、推定間隔を使用して待ち時間の推定を計算することと、を含む。いくつかの実施形態において、待ち時間推定は、間隔T=[t1,t2]として提供され、待ち時間の真の/実際の値は、高い確率又は比較的高い確率で間隔Tに入るべきである。加えて、いくつかの実施形態において、間隔Tを判定するために、3つのタイプの間隔が考慮される、すなわち、(i)T=(-∞,t]、(ii)T=[t,+∞)、及び(iii)T3=[t,t]である。
【0036】
本開示の目的のために、以下に提供される定義は、定義された用語のその後の考察に適用可能である。
・キューID-特定のキューを表す一意の識別子。
・媒体タイプ-特定のインタラクションが分類される媒体タイプ。
・会話ID-現在のインタラクションを表す一意の識別子。
・スキルセットID-エージェントがインタラクションを処理するための要件として機能する、現在のインタラクションに関連付けられた一意の一組のスキル識別子。
・キュー長(n)-キュー内で現在待っているインタラクションの数。
・キュー内の位置(Position in Queue、PiQ)-キュー内の現在のインタラクションの位置(n+1に等しい)。
・エージェント/サーバカウント(S)-利用可能なエージェントの総数を表す整数値。利用可能なエージェントは、キュー上でアクティブ化されたエージェントであり、利用可能なエージェントは、利用中/利用不可能又は待機中のいずれかであり得る。
・初期タイムスタンプ-インタラクションがキャッシュに入れられる時間を表すタイムスタンプ。
・サービスタイムスタンプ-インタラクションがエージェントによって応答/サービスされた時間を表すタイムスタンプ。
・実際の待ち時間(Actual Wait Time、AWT)-EWT計算が実施されるときとエージェントが会話に応答/サービスするときとの間に経過した時間(例えば、秒単位)。AWTは、キューに入った後の会話の実際の総実際の待ち時間を表さないことに留意されたい。
・推定待ち時間(Estimated Wait Time、EWT)-AWTの推定(例えば、ポイント値推定値又は推定間隔の形態で)。
・平均処理時間(Average Handle Time、AHT)-インタラクションを処理するための平均エージェントサービス時間。
・調整済みAHT-様々な効果を考慮に入れ、後続の新しい推定値を予測するために使用される、各インタラクションについて計算された調整済み処理時間。
【0037】
PiQは、上記で説明したように、使用事例に応じて異なる方法で判定され得ることを理解されたい。会話の待ち時間を推定するとき、キュー内の会話の現在位置は、PiQを判定するために使用される。しかしながら、具体的な媒体タイプについての待ち時間を推定するとき、PiQは、キュー長(n)+1を見ることによって、位置=キュー長(n)+1を有するキューに入ったばかりの会話について推定するかのように判定され得る。
【0038】
背景として、EWTを計算するためのいくつかのアプローチは、待ち行列理論に基づく。典型的には、サービス完了までの時間(サービス時間)は、1/μに等しい平均、又は複数のサーバの場合には1/Sμに等しい平均で指数関数的に分布することが認められており、ここで、Sは、サーバの数を表し、μは、サービスのレートを表す。全てのサーバが利用中であるとき、新しいインタラクションは、サーバによって現在処理されているインタラクションがサービスされており、その前のn個のインタラクションがサービス/応答されるまで、キュー内で待たなければならない。したがって、新しいインタラクションの待ち時間は、n+1個の独立同一分布(independent and identically Distributed、IID)指数ランダム変数の和として表され得、各々、平均1/Sμはアーラン分布を有する。本開示の目的のために、EWTは、対象となる待ち時間を記述するランダム変数であり得る。
【0039】
EWTは、以下に示す数学的関係(1)に従って、表現及び/又は判定され得る。
【0040】
【数1】
関係(1)において、1/μ=AHT及びn+1=PiQである。したがって、EWTは、以下の数学的関係(2)に従って、表現及び/又は判定され得る。
【0041】
【数2】
【0042】
いくつかの場合には、信頼区間によって測定されるEWT値の精度を評価することが望ましい場合がある。そのために、推定待ち時間間隔が、キュー内の特定のインタラクションに対する実際の待ち時間(AWT)を含む可能性が高い値の範囲を提供するために使用され得る。
【0043】
解説を容易にするために、キュー内の待ち時間を、ある特定の確率分布を有するランダム変数τとみなし得る。間隔Tは、条件P(τ∈T)=γを満たすべきであり、ここで、γは100%に近いパーセントで表される。多くの場合、γはγ=1-αと書かれ得、ここでαは0に近い。αの典型的な値(本明細書では、推定待ち時間間隔に関連付けられた有意水準と称されることがある)は、少なくともいくつかの実施形態において、1%、5%、又は10%であり得る。
【0044】
Q(p)はまた、τのp分位値であると仮定し得る。この仮定に基づいて、EWTの間隔推定値は、次のように表すことができる。
1.上限及び下限によってそれぞれ与えられる上限区間又は下限区間。
【0045】
【数3】
2.間隔の下限及び上限によって与えられる両側間隔
【0046】
【数4】
【0047】
関係(1)の考察の背景として上述したように、本来の分布はアーランであるので、分位値は解析的に容易に提示することができない。この形態でQ(p)を推定するためのいくつかの数値的方法が存在し、これは、式F(x)-γ=0の経路を見つけることに関連し、式中、F(x)は累積確率分布関数である。
【0048】
キュー内の待ち時間は、グループ内の次の準備完了エージェントまでの待ち時間の合計nであり得る。キュー長nが大きい数である場合、τの確率分布に対して正規近似を使用することができる。1つのアプローチでは、平均値及び標準偏差値は、アーラン分布から取られ得る。別のアプローチでは、実際のデータのサンプルから平均値及び標準偏差値が推定され得る。
【0049】
ここで図1を参照すると、使用時、システムは、コンタクトセンター待ち時間を推定する方法100を実行し得る。いくつかの実施形態において、本システムは、コンピューティングデバイス(例えば、図11のコンピューティングデバイス1100)、及び/又はコンタクトセンターシステム(例えば、図10のコンタクトセンターシステム1000)若しくはそのシステム/デバイスとして具現化され得ることを理解されたい。方法100の特定のブロックは、例として例解されており、そのようなブロックは、反対のことが述べられていない限り、特定の実施形態に応じて、全体的又は部分的に組み合わされる若しくは分割され、追加される若しくは除去され、及び/又は並べ替えられ得ることを理解されたい。
【0050】
例解的な方法100は、本システムが1人以上の顧客から着信インタラクションデータを受信するブロック102から開始する。例解的な実施形態において、着信インタラクションデータは、自動呼分配(ACD)データを含むか、又は別様に自動呼分配(ACD)データとして具体化される。いくつかの例において、着信インタラクションデータは、コンタクトボリューム、平均処理時間(AHT))、フルタイム換算数(full time equivalency、FTE)、キャプチャレート、コンタクトタイプごとのコンタクト処理データ、スタッフタイプごとのコンタクト処理データ、及び/又は指定された間隔の他の関連ACDデータを含む。加えて、いくつかの例において、インタラクションデータは、着信インタラクションデータに関連付けられた媒体タイプ、1つ以上の以前のインタラクションに関連付けられたキューに記憶されたデータ、着信インタラクションデータに関連付けられた言語、着信インタラクションデータに関連付けられた1つ以上のスキル要件、キュー内の着信インタラクションデータの位置、キューにサービスするために利用可能なエージェントの数、着信インタラクションデータの時間、着信インタラクションデータのサービスの時間、又は任意の追加のルート次元のうちの1つ以上によってそれぞれ定義される1つ以上のルートパスを含む。以下で説明するように、少なくともいくつかの実施形態において、ブロック102で受信された着信インタラクションデータは、顧客を利用可能なエージェントに接続するための待ち時間を推定する要求を示すことを理解されたい。
【0051】
ブロック102から、例解的な方法100は、ブロック104に進み、本システムは、キュー上でアクティブ化された1つ以上の利用可能なエージェントに1つ以上のインタラクションを分散させる。上述のように、キュー上でアクティブ化された利用可能なエージェントは、待機中又は利用中のいずれかであり得る。方法100は、ブロック104からブロック106に進む。
【0052】
ブロック106において、本システムは、全ての利用可能なエージェントが利用中であるかどうかを判定する。本システムが、全ての利用可能なエージェントが利用中であると判定した場合、方法100は、ブロック108に進む。
【0053】
ブロック108において、本システムは、着信インタラクションデータに関連付けられた1つ以上のインタラクションを1つ以上の待ちキューに入れる。以下の考察から明らかなように、1つ以上の待ちキューに入れられた1つ以上のインタラクションは、例えば、図5及び図6を参照して以下で説明するキャッシュなど、1つ以上のキャッシュに記憶され得る。いずれにせよ、例解的な方法100は、ブロック108からブロック110に進む。
【0054】
ブロック110において、本システムは、着信インタラクションデータに関連付けられた1つ以上のインタラクションについて1つ以上の待ち時間を推定する。そうするために、例解的な実施形態において、本システムは、ブロック112及び114を実施する。ブロック112において、本システムは、図3を参照して以下で更に説明するように、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションについてのインタラクション情報を示す履歴インタラクションデータを検索する。ブロック114において、本システムは、履歴インタラクションデータに基づいて1つ以上の待ち時間推定を生成する。少なくともいくつかの実施形態において、ブロック114に関連付けられた待ち時間推定は、図3及び図4の方法300に従って生成され得る。加えて、少なくともいくつかの実施形態において、ブロック114に関連付けられた待ち時間推定は、着信インタラクションデータに関連付けられた媒体タイプ、1つ以上の以前のインタラクションに関連付けられたキューに記憶されたデータ、着信インタラクションデータに関連付けられた言語、着信インタラクションデータに関連付けられた1つ以上のスキル要件、キュー内の着信インタラクションデータの位置、キューにサービスするために利用可能なエージェントの数、着信インタラクションデータの時間、着信インタラクションデータのサービスの時間、又は任意の追加の経路次元のうちの1つ以上を考慮する。ブロック110から、例解的な方法100は、ブロック116に進む。
【0055】
ブロック116において、本システムは、ブロック110で生成された待ち時間推定を1人以上の顧客に提供する。ブロック116から、方法100は、ブロック104に戻る。
【0056】
ブロック106に戻り、本システムが、全ての利用可能なエージェントが利用中ではないと判定した場合、方法100は、ブロック104に戻る。
【0057】
ブロック102~116は、比較的直列的に説明されているが、方法100の様々なブロックは、いくつかの実施形態において、並列に実施され得ることを理解されたい。
【0058】
ここで図2を参照すると、使用時、本システムは、コンタクトセンター待ち時間を推定する方法200を実行し得る。以下の考察を鑑みて、方法200は方法100と同様であり得ることを理解されたい。いくつかの実施形態において、本システムは、コンピューティングデバイス(例えば、図11のコンピューティングデバイス1100)及び/又はコンタクトセンターシステム(例えば、図10のコンタクトセンターシステム1000)若しくはそのシステム/デバイスとして具現化され得ることを理解されたい。方法200の特定のブロックは、例として例解されており、そのようなブロックは、反対のことが述べられていない限り、特定の実施形態に応じて、全体的又は部分的に組み合わされるか、又は分割され、追加されるか、又は除去され、及び/又は並べ替えられ得ることも理解されたい。
【0059】
例解的な方法200は、システムが1人以上の顧客から着信インタラクションデータを受信するブロック202から開始する。ブロック202において受信される着信インタラクションデータは、ブロック102において受信される着信インタラクションデータと同様であり得る。方法200は、ブロック202からブロック204に進む。
【0060】
いくつかの実施形態において、ブロック204において、本システムは、1つ以上のキャッシュから履歴インタラクションデータを検索し得る。ブロック204において検索された履歴インタラクションデータは、ブロック112において検索された履歴インタラクションデータと同様であり得る。少なくともいくつかの実施形態において、ブロック204において、履歴インタラクションデータが、図5及び図6を参照して以下で説明するキャッシュから検索され得る。いずれの場合も、ブロック204を実施するために、本システムは例解的にブロック206を実施する。ブロック206において、本システムは、1つ以上の以前にサービスされたインタラクションに基づいて、1つ以上のキャッシュから情報更新を取得し得る。図2のブロック204及び206の破線の例解は、キャッシュに記憶された履歴データ(すなわち、以前にサービスされたインタラクション)に基づいて更新されるデータフローを伝達することを意図している。例解的な方法200は、ブロック204からブロック208に進む。
【0061】
ブロック208において、本システムは、着信インタラクションデータに関連付けられた1つ以上のインタラクションに対する1つ以上の待ち時間を推定する。ブロック208において実施される待ち時間推定は、ブロック110において実施される待ち時間推定と同様であり得る。例解的な方法200は、ブロック208からブロック210に進む。
【0062】
ブロック210において、本システムは、ブロック208において生成された待ち時間推定を1人以上の顧客に提供する。ブロック210における待ち時間推定の提供は、ブロック116における待ち時間推定の提供と同様であり得る。
【0063】
ブロック202~210は、比較的直列的に説明されているが、方法200の様々なブロックは、いくつかの実施形態において、並列に実施され得ることを理解されたい。
【0064】
ここで図3及び図4を参照すると、使用時、本システムは、コンタクトセンター待ち時間を推測する方法300を実行し得る。いくつかの実施形態において、ブロック110及び208を実施するために、方法300が実施され得る。いくつかの実施形態において、本システムは、コンピューティングデバイス(例えば、図11のコンピューティングデバイス1100)及び/又はコンタクトセンターシステム(例えば、図10のコンタクトセンターシステム1000)若しくはそのシステム/デバイスとして具現化され得ることを理解されたい。方法300の特定のブロックは、例として例解されており、そのようなブロックは、反対のことが述べられていない限り、特定の実施形態に応じて、全体的又は部分的に組み合わされるか、又は分割され、追加されるか、又は除去され、及び/又は並べ替えられ得ることを理解されたい。
【0065】
例解的な方法300は、ブロック302から開始し、本システムは、1人以上の顧客から着信インタラクションデータを受信したことに応答して履歴インタラクションデータを検索する。ブロック302において検索された履歴インタラクションデータは、ブロック112において検索された履歴インタラクションデータと同様であり得る。例解的な実施形態において、ブロック302を実施するために、本システムは、ブロック304及び306を実施する。ブロック304において、本システムは、キャッシュ(例えば、図6を参照して以下に説明する完了済みキャッシュ)に記憶されたいくつかの以前にサービスされた最近のインタラクションについてのインタラクションデータを取得する。ブロック306において、本システムは、ブロック304においてインタラクションデータが取得される、以前にサービスされた最近のインタラクションの各特定のインタラクションについてのインタラクションデータを取得する。いくつかの実施形態において、インタラクションデータがブロック306において取得される、各以前にサービスされた最近のインタラクションは、非ゼロの待ち時間を有するキュー内のインタラクションに対応し得る。方法300は、ブロック302からブロック308に進む。
【0066】
ブロック308において、本システムは、ブロック302においてインタラクションデータが取得された各特定のサービスされた最近のインタラクションに対するAWTを判定する。ブロック308においてAWTが計算され、以下で考察するように他の計算/判定が行われる、各特定のサービスされた最近のインタラクションは、本明細書では「i番目の」インタラクションと称される場合がある。
【0067】
上述の関係(1)及び(2)に従って、待ち時間推定を計算するために、AHT、PiQ、及びSの状態が推定される必要があることを理解されたい。いくつかの場合には、PiQ及びSの状態は比較的容易に観測され得、ここで、PiQはキューの深さ又は長さであり、Sはキューにサービスを提供するエージェントの数である。AHT変数の過渡状態のために、その変数を先験的に知ることはできない。その結果、いくつかのアプローチは、AHT変数の推定を提供するために過去のサービス時間の平均値に依存する。
【0068】
当然ながら、実際のコンタクトセンター設定では、平均サービス時間は、多くの場合、例えば、放棄の発生率、エージェント効率、インタラクション同時性、及びエージェント利用可能性など、具体的な状況に基づいて頻繁に変化し得る他の要因によって影響を受ける。したがって、最近サービスされたインタラクションから、AHTのより正確な推定が行われ得る。
【0069】
例解的な実施形態において、以下で更に考察するようにAHTを推定するために、調整済みAHT(AHTadj)が、キュー内に非ゼロの待ち時間を有するi番目に最近のインタラクションに対応するサンプルから収集される。これらのインタラクションの各々について、実際の待ち時間(AWT)、並びにi番目のインタラクションが最初にキューに入るときのエージェントの数及びキュー内の位置が、ブロック308において本システムによって計算される。
【0070】
上述の関係(2)において様々な代入を実施すると、i番目のインタラクションの非ゼロAWT(すなわち、式中、i=1,...,n)は、以下の関係(3)に従って、表現及び/又は判定され得る。
【0071】
【数5】
したがって、例解的な実施形態において、本システムは、関係(3)に従って、ブロック308においてi番目のインタラクションごとにAWT_i判定を行う。
【0072】
例解的な方法300は、ブロック308からブロック310に進む。ブロック310において、本システムは、i番目のインタラクションごとにキュー内の位置(PiQ_i)を判定する。方法300は、ブロック310からブロック312に進む。
【0073】
ブロック312において、システムは、i番目のインタラクションごとに利用可能なエージェントの数(S_i)を判定する。方法300は、ブロック312からブロック314に進む。
【0074】
ブロック314において、システムは、i番目のインタラクションごとに調整済み平均処理時間
【0075】
【数6】
を計算する。上記に示す関係(3)を考慮して、本システムは、以下の数学的関係(4)に従って、ブロック314において、i番目のインタラクションごとに
【0076】
【数7】
計算を実施する。
【0077】
【数8】
【0078】
例解的な方法300は、ブロック314からブロック316に進む。ブロック316において、本システムは、ブロック314において計算された
【0079】
【数9】
の複数の値に基づいて、平均処理時間推定量(AHT^)を計算する。例解的なAHT^は、ブロック314において実施された計算の中央値又は平均値に従って判定される。すなわち、AHT^は、以下の数学的関係(5)に従って、ブロック316において表現及び/又は判定される。
【0080】
【数10】
【0081】
かなりの数の最近サービスされたインタラクションがあるとき、ブロック314において実施される
【0082】
【数11】
計算の中央値は、中央値が外れ値に対してより多くの耐性を有するよりロバストな推定量であるので、それらの計算(すなわち、ブロック316における)の平均値よりも好ましい場合があることを理解されたい。しかしながら、3つ以下の計算がブロック314において実施される場合、これらの計算の平均値は、ブロック316における中央値よりも好ましい場合がある。いくつかの実施形態において、別の統計的に健全な推定量(例えば、加重平均、減衰機構を有する指数加重平均など)が、平均値又は中央値の代わりに使用され得る。
【0083】
例解的な方法300は、ブロック316からブロック318に進む。ブロック318において、本システムは、ブロック316において計算されたAHT^に少なくとも部分的に基づいて推定待ち時間(EWT)のポイント値を計算する。より具体的には、本システムは、ブロック318において、以下の数学的関係(6)に従って、EWTを計算する。
【0084】
【数12】
少なくともいくつかの実施形態において、関係(6)における「現在の」下付き文字は、キュー内の最新の着信又は現在のインタラクションに対して本システムによって行われる判定を指し、これは、最新の着信又は現在のインタラクションの待ち時間を推定する要求に対応し得る。より多くのインタラクションがキューを通して処理されるにつれて、
【0085】
【数13】
はそれに応じて変化することを理解されたい。この分散は、例えば、ブロック110を参照して上記で考察した要因などの、待ち時間推定に影響を与える要因の変化及び変動を捕捉するのに有利である。
【0086】
ここで図4を参照すると、例解的な実施形態において、方法300は、ブロック318から、システムが待ち時間の区間推定を計算するブロック320に進む。ブロック320を実施するために、本システムは、例解的に、ブロック322、324、326、328、330、332を実施し、これらは以下でより詳細に説明する。高レベルでは、ブロック320の実施は、ブロック308~318を参照して上記で考察したポイント値推定アプローチの様々な態様を組み込むことを理解されたい。
【0087】
ブロック320において計算される待ち時間の区間推定の背景として、n個のインタラクションのサンプルの順序統計AdjAHT(k)が、以下の関係(7)に従って、調整済み平均処理時間パラメータ(すなわち、AHTadj)の近似として使用され得ることを考慮することができる。
【0088】
【数14】
【0089】
例えば、19個の観測値がある場合、順序統計量
【0090】
【数15】
を分位値Q(95%)の近似として使用することができる。一方、
【0091】
【数16】
は、分位値Q(5%)を近似する。したがって、AHTadjの間隔推定値の場合、α=10%であるとき、間隔は
【0092】
【数17】
となる。
【0093】
最後に、両側間隔を提供するために、
【0094】
【数18】
にキュー内の位置PiQを乗算し、以下の関係(8)に従って、エージェントの数Sで除算する。
【0095】
【数19】
関係(8)において、k、kは、区間の上限又は下限に対して達成することができる分位値の所望の値に対応する。このアプローチは、n個の観測値の他の値及び他の有意水準αに容易に拡張することができる。
【0096】
例解的なブロック320に戻ると、本システムによるその実施は、上記で示したようなブロック322、324、326、328、330、332の実施を含む。ブロック322において、本システムは、すでにサービスされている1つ以上のインタラクションのサンプル数を判定する。少なくともいくつかの実施形態において、サービスされたインタラクションのサンプルは、図6を参照して以下で説明する完了済みキャッシュに記憶されたサービスされたインタラクションから引き出され得る。ブロック324において、本システムは、推定間隔に関連付けられた統計的有意水準(α)を判定する。ブロック326において、本システムは、推定間隔の下限の分位値を判定する。ブロック328において、本システムは、推定間隔の上限の分位値を判定する。ブロック330において、本システムは、判定された下限分位値に対応する調整済み平均処理時間に少なくとも部分的に基づいて推定間隔の下限を計算する。少なくともいくつかの実施形態において、判定された下限分位値に対応する調整済み平均処理時間は、関係(8)に含まれる変数
【0097】
【数20】
に基づいており、推定間隔の下限は、関係(8)に従って判定される。ブロック332において、本システムは、判定された上限分位値に対応する調整済み平均処理時間に少なくとも部分的に基づいて推定間隔の上限を計算する。少なくともいくつかの実施形態において、判定された上限分位値に対応する調整済み平均処理時間は、関係(8)に含まれる変数
【0098】
【数21】
に基づいており、推定間隔の上限は、関係(8)に従って判定される。
【0099】
ブロック302~332は、比較的直列的に説明されているが、方法300の様々なブロックは、いくつかの実施形態において、並列に実施され得ることを理解されたい。
【0100】
ここで図5及び図6を参照すると、使用時、本システムは、コンタクトセンター待ち時間を推定する方法500を実行し得る。いくつかの実施形態において、本システムは、コンピューティングデバイス(例えば、図11のコンピューティングデバイス1100)及び/又はコンタクトセンターシステム(例えば、図10のコンタクトセンターシステム1000)若しくはそのシステム/デバイスとして具現化され得ることを理解されたい。方法500の特定のブロックは、例として例解されており、そのようなブロックは、反対のことが述べられていない限り、特定の実施形態に応じて、全体的又は部分的に組み合わされるか、又は分割され、追加されるか、又は除去され、及び/又は並べ替えられ得ることを理解されたい。
【0101】
高レベルでは、方法500において(すなわち、ブロック502において)受信された待ち時間推定要求ごとに、本システムは、履歴テーブル(例えば、完了済みキャッシュ)内の最近完了した要求/サービスされたインタラクションのサービス時間を追跡する。履歴テーブルは、例えば、データベース又は一時キャッシング機構であり得ることを理解されたい。新しい要求を受信すると、履歴テーブルを使用して要求の推定値が計算される。要求が完了し、インタラクションがサービスされると、そのインタラクションの測定されたサービス時間が履歴テーブルにおいて更新される。多くの要求が待ち時間の影響を受けないので、本システムを介して着信する全ての要求が監視されるわけではない。そのような要求は、将来の要求の待ち時間予測に寄与せず、履歴テーブルに追加されない。以下の考察から明らかなように、待ち時間推定に関連付けられた要求のみが履歴テーブルに含まれる。
【0102】
上述の関係(3)~(6)によれば、少なくともいくつかの実施形態において、本システムは、待ち時間推定要求からの該当するインタラクションデータを記憶して、一意のキュー及び媒体タイプの組み合わせごとにEWTの将来の予測を推論する。上述したように、そのインタラクションデータは、(i)インタラクションのキュー及び媒体タイプ、(ii)インタラクションのキュー内の位置、(iii)要求時にキューにサービスを提供するエージェントの数、(iv)要求の時間、及び(v)サービスの時間を含み得る。
【0103】
以下で更に考察するように、例解的な実施形態において、本システムは、2つのキャッシュを維持する。1つのキャッシュ(すなわち、待ちキャッシュ)は、まだサービスされていないインタラクションに対する推定待ち時間要求に関する全ての情報を記憶する。他方のキャッシュ(すなわち、完了済みキャッシュ)は、すでにサービスされ、もはやキュー内で待っていないインタラクションに関する情報を記憶する。
【0104】
前述の考察から、調整済み待ち時間を計算するために、少なくともいくつかの実施形態において、実際の待ち時間が判定される必要があることが理解されたい。より具体的には、キューに入るインタラクションごとに、そのインタラクションに対応するインタラクションデータが取り込まれ、待ちキャッシュに記憶されることになる。同時に、少なくともいくつかの実施形態において、全ての以前の要求の状態は、要求が処理されたか、又は依然としてキュー内で待っているかを反映するように更新されることになる。
【0105】
処理されたインタラクションごとに、サービスに入るインタラクションの時間(Tservice)が記録され、それからキューへの最初の到着時間又は待ち時間推定要求が受信された時間(Trequest)を減算することによって実際の待ち時間(AWT)を計算することになる。したがって、実際の待ち時間は、以下の関係(9)に従って、表現及び/又は判定され得る。
【0106】
【数22】
サービスされ、実際の待ち時間を有するインタラクションは、待ちキャッシュから完了済みキャッシュに移動されることになる。放棄するか又は他のキューに流出するインタラクションは、待ちキャッシュから除去され、完了済みキャッシュに追加されない。
【0107】
予測を行うために、インタラクションデータが、完了済みキャッシュから検索される。検索されたデータに基づいて、それらのインタラクションの調整済み
【0108】
【数23】
は、関係(4)に従って計算することができ、AHT推定量の最終値(AHT^)は、関係(5)に従って導出することができる。最後に、要求に対する待ち時間の予測は、関係(6)に従って計算することができる。キャッシュから検索されるインタラクションの量又は数は、キャッシュの容量、並びに過去のインタラクションの効果及び関連性に依存する。
【0109】
例解的な方法500は、図5に示すように、ブロック502で開始する。ブロック502において、本システムは、キューに入れられたインタラクションの待ち時間を推定する要求を受信する。いくつかの実施形態において、キュー内の特定のインタラクションに関するインタラクションデータの配置は、待ち時間推定要求として機能するか、又は別様に待ち時間推定要求に対応し得る。方法500は、ブロック502からブロック504に進む。
【0110】
ブロック504において、本システムは、要求に関連付けられた(すなわち、ブロック502からの)インタラクションデータを待ちキャッシュに記憶する。例解的な実施形態において、ブロック504を実施するために、本システムは、ブロック506、508、510を実施する。ブロック506において、本システムは、待ち時間を推定する要求及び待ちキャッシュ内の関連するインタラクションデータの記憶の時間をドキュメント化する。ブロック508において、本システムは、特定の要求のキュー内の位置と、その関連するインタラクションデータとをドキュメント化する。ブロック510において、本システムは、特定の要求の時点で利用可能なエージェントの数と、その関連するインタラクションとをドキュメント化する。方法500は、ブロック504からブロック512に進む。
【0111】
ブロック512において、本システムは、1つ以上の以前の要求及び関連するインタラクションについてのステータス更新を受信する。例解的な実施形態において、ブロック512において受信された更新は、サービスされたインタラクションの測定されたサービス時間に基づく更新を含む。方法500は、ブロック512からブロック514に進む。
【0112】
ブロック514において、本システムは、ブロック502において受信された要求に関連付けられたインタラクションが1人以上のエージェントによってサービスされたかどうかを判定する。インタラクションがサービスされたというブロック514における本システムによる判定に応答して、方法500は、ブロック522に進む。
【0113】
図6に示すように、ブロック522において、本システムは、サービスされたインタラクションデータを完了済みキャッシュに記憶する。例解的な実施形態において、ブロック522を実施するために、本システムは、ブロック524、526、528、530を実施する。ブロック524において、本システムは、要求及び完了済みキャッシュ内のサービスされたインタラクションの記憶の時間をドキュメント化する。ブロック526において、本システムは、サービスされたインタラクションのキュー内の位置をドキュメント化する。ブロック528において、本システムは、サービスされたインタラクションの時点で利用可能なエージェントの数をドキュメント化する。ブロック530において、本システムは、完了済みインタラクションのサービスの時間をドキュメント化する。方法500は、ブロック522からブロック532に進む。
【0114】
ブロック532において、ブロック522においてドキュメント化された情報に基づいて、本システムは、関係(9)に従って、サービスされたインタラクションの実際の待ち時間を判定する。方法500は、ブロック532からブロック534に進む。
【0115】
ブロック534において、関係(4)に従って、本システムは、ブロック532において行われた判定に基づいて、調整済み平均処理時間を計算する。方法500は、ブロック534からブロック536に進む。
【0116】
ブロック536において、関係(5)に従って、本システムは、ブロック534において実施された計算に基づいて、平均処理時間推定量を計算する。方法500は、ブロック536からブロック538に進む。
【0117】
ブロック538において、関係(6)に従って、本システムは、ブロック536において実施された計算に基づいて、具体的なインタラクションデータ及び/又は具体的なルートパスについての推定待ち時間のポイント値を計算する。
【0118】
ブロック514に戻り、ブロック514において、本システムが、ブロック502において受信された要求に関連付けられたインタラクションが1人以上のエージェントによってサービスされていないと判定する場合、方法500は、ブロック516に進む。
【0119】
ブロック516において、本システムは、まだサービスされていないインタラクションが放棄されたかどうかを判定する。まだサービスされていないインタラクションが放棄されたというブロック516における本システムによる判定に応答して、方法500は、ブロック518に進む。
【0120】
ブロック518において、本システムは、まだサービスされていないインタラクションを待ちキャッシュから追い出す。
【0121】
ブロック516に戻り、本システムが、ブロック516において、まだサービスされていないインタラクションが放棄されていないと判定する場合、方法500は、ブロック520に進む。
【0122】
ブロック520において、本システムは、インタラクションが1秒未満の実際の待ち時間を有するかどうかを判定し、これは、インタラクションの短い放棄を示し得る。インタラクションが1秒未満の実際の待ち時間を有するというブロック520における本システムによる判定に応答して、方法500は、ブロック518に進む。しかしながら、インタラクションが1秒未満の実際の待ち時間を有していないというブロック520における本システムによる判定に応答して、方法500は、ブロック504に戻る。
【0123】
ブロック502~538は、比較的直列的に説明されているが、方法500の様々なブロックは、いくつかの実施形態において、並列に実施され得ることを理解されたい。
【0124】
次に図7を参照すると、使用時、本システムは、待ちキャッシュに追加されるコンタクトセンターインタラクションの数を制御する方法700を実行し得る。いくつかの実施形態において、本システムは、コンピューティングデバイス(例えば、図11のコンピューティングデバイス1100)及び/又はコンタクトセンターシステム(例えば、図10のコンタクトセンターシステム1000)若しくはそのシステム/デバイスとして具現化され得ることを理解されたい。方法700の特定のブロックは、例として例解されており、そのようなブロックは、反対のことが述べられていない限り、特定の実施形態に応じて、全体的又は部分的に組み合わされるか、又は分割され、追加されるか、又は除去され、及び/又は並べ替えられ得ることを理解されたい。
【0125】
理想的には、キャッシュ容量は、全てのインタラクションが取り込まれ、その後追跡されることを可能にするために無限である。しかしながら、リソースが制限される実際のコンタクトセンター環境では、キャッシュの容量をある特定のレベルに制御することは、リソースを最小限に抑え、顧客の待ち時間を低減させるのに有益であり得る。
【0126】
インタラクションデータは、とりわけインタラクションのタイプに基づいて待ちキャッシュに記憶されることを理解されたい。予測精度を維持するために、本システムは、待ちキャッシュ内に一意のインタラクションを保持するように動作する。そうする際に、要求及びその関連するインタラクションデータが到着するたびに、本システムは、一意のインタラクションのみの追加を保証するために、インタラクションが待ちキャッシュ内にすでに存在するかどうかをチェックする。同時に、キャッシュが最大容量閾値に達した場合、現在の要求は待ちキャッシュに追加されない。
【0127】
例えば、ブロック520を参照して上記で考察した1秒未満のAWTとのインタラクションなど、実際の待ち時間が短いインタラクションのタイプが存在することも理解されたい。これらのインタラクションに加えて、放棄されたインタラクション(例えば、ブロック516を参照して上記で考察した放棄されたインタラクション)、及び待ちキャッシュから流出した、又は別のキュー若しくは媒体タイプに転送されたインタラクションは、待ちキャッシュから追い出される。そのようなインタラクションは、サービスに入ったとしても、完了済みキャッシュには追加されないことになる。各待ち時間予測の終了時に、本システムは、予測が実施されたことを通知することになる。別個のプロセスが、精度分析のためにこれらの予測にサブスクライブし、アーカイブすることになる。
【0128】
例解的な方法700は、図7に示すように、本システムは、1人以上の顧客から着信インタラクションデータを受信するブロック702から開始する。ブロック702において受信される着信インタラクションデータは、ブロック102において受信される着信インタラクションデータと同様であり得る。方法700は、ブロック702からブロック704に進む。
【0129】
ブロック704において、本システムは、実際の待ち時間を有しないキュー内の会話又はインタラクションの数を判定する。方法700は、ブロック704からブロック706に進む。
【0130】
ブロック706において、本システムは、ブロック704において判定された会話又はインタラクションの数が基準値を超過するかどうかを判定する。いくつかの実施形態において、基準値は、実際の待ち時間が短いか又は実際の待ち時間がないインタラクションのための待ちキャッシュの容量制限を定義し得る。会話又はインタラクションの数が基準値を超過するというブロック706における本システムによる判定に応答して、方法700は、ブロック708に進む。
【0131】
ブロック708において、本システムは、着信会話又はインタラクションを待ちキャッシュに追加することなく、着信会話又はインタラクションを残しておく。
【0132】
ブロック706に戻ると、本システムが、ブロック706において、ブロック704において判定された会話又はインタラクションの数が基準値を超過しないと判定する場合、方法700は、ブロック710に進む。
【0133】
ブロック710において、本システムは、着信会話又はインタラクションに対する会話ID要求が受信されたかどうかを判定する。会話ID要求が受信されたというブロック710における本システムによる判定に応答して、方法700は、ブロック712に進む。
【0134】
ブロック712において、本システムは、ブロック710において受信された要求に関連付けられた会話IDが待ちキャッシュにすでに存在するかどうかを判定する。会話IDが待ちキャッシュ内にすでに存在するというブロック712における本システムによる判定に応答して、方法700は、ブロック708に進む。
【0135】
ブロック710に戻り、ブロック710において、会話ID要求が受信されていないと本システムが判定する場合、方法700は、ブロック716に進む。
【0136】
ブロック716において、本システムは、最も最近の会話又はインタラクションを待ちキューから取得する。方法700は、ブロック716からブロック714に進む。
【0137】
ブロック714において、本システムは、待ちキューからの最も最近の会話又はインタラクションを保持し、その会話又はインタラクションを待ちキャッシュに追加する。
【0138】
ブロック712に戻り、ブロック712において、会話IDが待ちキャッシュ内にまだ存在しないと本システムが判定する場合、方法700は、ブロック714に進む。
【0139】
ブロック702~716は、比較的直列的に説明されているが、方法700の様々なブロックは、いくつかの実施形態において、並列に実施され得ることを理解されたい。
【0140】
ここで図8を参照すると、使用時、本システムは、コンタクトセンター待ち時間を推定する方法800を実行し得る。いくつかの実施形態において、本システムは、コンピューティングデバイス(例えば、図11のコンピューティングデバイス1100)及び/又はコンタクトセンターシステム(例えば、図10のコンタクトセンターシステム1000)若しくはそのシステム/デバイスとして具現化され得ることを理解されたい。方法800の特定のブロックは、例として例解されており、そのようなブロックは、反対のことが述べられていない限り、特定の実施形態に応じて、全体的又は部分的に組み合わされるか、又は分割され、追加されるか、又は除去され、及び/又は並べ替えられ得ることを理解されたい。
【0141】
各待ち時間推定要求及び後続の予測の間に、ある特定の考慮事項が特別な条件に適用され得る。これらの考慮事項には、以下が含まれるが、これらに限定されない。(i)インタラクションにサービスを提供するために待機中の利用可能なエージェントが存在するときのゼロ推定待ち時間(EWT)、(ii)インタラクションをサービスするために利用可能なエージェントの数がゼロであるときの未定義の推定待ち時間、(iii)システムが開始するときのEWTを計算するための平均処理時間(AHT)(すなわち、調整済みAHTではなく)の使用、(iv)完了済みキャッシュが空であるか又は利用不可能であるときにEWTを計算するためのデフォルト定式の使用、及び(v)不安定な期間中の推定待ち時間計算への制御限界の適用。
【0142】
完了済みキャッシュ(以前にサービスされたインタラクションに関する履歴インタラクションデータを記憶する)は、EWT予測の正確さ及び精度を改善するために使用され、したがって、完了済みキャッシュの利用可能性が重要であることを理解されたい。完了済みキャッシュが利用可能でないか、又は完全に空であるとき、EWT予測は、関係(2)に従って計算され得る。関係(2)に含まれるいくつかの変数も存在しないか又は利用不可能である場合、現在の最長待ちインタラクションの待ち時間が予測として返されることになる。
【0143】
例解的な方法800は、図8に示すように、本システムが1人以上の顧客から着信インタラクションデータを受信するブロック802で開始する。ブロック802において受信される着信インタラクションデータは、ブロック102において受信される着信インタラクションデータと同様であり得る。方法800は、ブロック802からブロック804に進む。
【0144】
ブロック804において、本システムは、ある特定の特別な条件の存在(又は不在)を評価する。そうするために、例解的な実施形態において、本システムは、ブロック806、808、810、812、814を実施する。ブロック806において、本システムは、待機中エージェントが利用可能であるためにEWT予測がゼロである特別な条件の存在を評価する。ブロック808において、本システムは、インタラクションをサービスするのに利用可能なエージェントがゼロであるためにEWT予測が未定義である特別な条件の存在を評価する。ブロック810において、本システムは、本システムの初期起動時にEWT予測のために平均処理時間(AHT)が使用される特別な条件の存在を評価する。ブロック812において、本システムは、待ちキャッシュが空であるか又は利用不可能であることに起因してEWT予測を行うためにデフォルト定式(すなわち、関係(2))が使用される条件の存在を評価する。ブロック814において、本システムは、不安定な期間に起因して制御限界がEWT予測に適用される状態の存在を評価する。制御限界は、図9を参照して以下により詳細に考察される。
【0145】
ブロック802~814は、比較的直列的に説明されているが、方法800の様々なブロックは、いくつかの実施形態において、並列に実施され得ることを理解されたい。
【0146】
ここで図9を参照すると、使用時、本システムは、コンタクトセンター待ち時間を推定するときに制御限界を適用する方法900を実行し得る。いくつかの実施形態において、本システムは、コンピューティングデバイス(例えば、図11のコンピューティングデバイス1100)及び/又はコンタクトセンターシステム(例えば、図10のコンタクトセンターシステム1000)若しくはそのシステム/デバイスとして具現化され得ることを理解されたい。方法900の特定のブロックは、例として例解されており、そのようなブロックは、反対のことが述べられていない限り、特定の実施形態に応じて、全体的又は部分的に組み合わされるか、又は分割され、追加されるか、又は除去され、及び/又は並べ替えられ得ることを理解されたい。
【0147】
予測を行う場合、定式への入力が一般的な傾向に従わないときに、ある特定の状況が生じ得る。多くの場合、そのような状況は、システムが高度にカオス的で不安定であるときに生じる。いくつかの場合には、その状況は、シフトの開始時、又はスタッフレベルが急速に変化する時間中に発生する。予測結果に悪影響を及ぼすことを回避するために、限度及び制御限界を使用して、確立された統計的範囲内でより賢明な予測を提供し得る。
【0148】
統計的範囲は、過去のインタラクションの実際の待ち時間(AWT)から形成され得る。順序付けられた一組の過去のインタラクション待ち時間S{Wait Time}が与えられると、上限及び下限は、以下の数学的関係から導出することができる。
【0149】
【数24】
上限及び下限が判定されると、EWT予測は、以下の数学的関係に従って束縛され得る。
【0150】
【数25】
【0151】
いくつかの実施形態において、関係(10)~(16)に基づく制御限界の計算に加えて、又はその代替として、待ちキャッシュに記憶されたインタラクションの待ち時間が、最終EWT予測の構成要素として使用され得る。一例において、EWT予測(すなわち、不安定な期間中)は、完了済みキャッシュに記憶された履歴データから取得された平均実際の待ち時間(AWT)の割合と、通常動作の期間に対応する現在のEWT予測の割合とに基づき得る。少なくともいくつかの実施形態において、不安定な期間中のEWT予測は、以下の数学的関係に従って、表現及び/又は判定され得る。
【0152】
【数26】
【0153】
例解的な方法900は、ブロック902で開始し、本システムは、不安定な期間中に(例えば、完了済みキャッシュから)履歴実際の待ち時間データを取得する。方法900は、ブロック902からブロック904に進む。
【0154】
ブロック904において、本システムは、EWT予測の制御限界を判定する。少なくともいくつかの実施形態において、制御限界は、関係(10)~(15)に従って判定される。いずれにしても、例解的な実施形態において、ブロック904を実施するために、本システムは、ブロック906、908、910、912、914、916を実施する。ブロック906において、本システムは、順序付けられた一組の以前にサービスされたインタラクションに基づいて(例えば、関係(10)に基づいて)中央値を判定する。ブロック908において、本システムは、一組の以前にサービスされたインタラクションについて(例えば、関係(11)に基づいて)下分位値を判定する。ブロック910において、本システムは、一組の以前にサービスされたインタラクションについて(例えば、関係(12)に基づいて)上分位値を判定する。ブロック912において、本システムは、一組の以前にサービスされたインタラクションについて(例えば、関係(13)に基づいて)四分位値範囲(interquartile range、IQR)を判定する。ブロック914において、本システムは、一組の以前にサービスされたインタラクションについて(例えば、関係(14)に基づいて)下限制御限界を計算する。ブロック916において、本システムは、一組の以前にサービスされたインタラクションについて(例えば、関係(15)に基づいて)上限制御限界を計算する。方法900は、ブロック904からブロック918に進む。
【0155】
ブロック918において、本システムは、ブロック904において判定された制御限界をEWT予測に適用する。より具体的には、少なくともいくつかの実施形態において、ブロック918において、本システムは、ブロック904において判定された制御限界に従って、(例えば、関係(16)に基づいて)EWT予測を制限する。方法900は、ブロック918からブロック920に進む。
【0156】
ブロック920において、本システムは、平均の実際の待ち時間と、通常動作の期間に対応する現在のEWT予測と、に基づいて、EWT計算を調整する。いくつかの実施形態において、ブロック920において、本システムは、関係(17)に従って、不安定な期間中の待ち時間推定(EWTinstability)を判定する。加えて、いくつかの実施形態において、ブロック920は、ブロック904及び918の実施の代わりに、及び/又はその代替として、本システムによって実施され得る。更に、いくつかの実施形態において、ブロック920は、方法900から省略され得る。
【0157】
ブロック902~920は、比較的直列的に説明されているが、方法900の様々なブロックは、いくつかの実施形態において、並列に実施され得ることを理解されたい。
【0158】
特定のシナリオでは、キュー内の位置、エージェントプール、及び調整済みAHTにおける位置の基礎となる仮定、並びにインタラクションの他の特性が変化し得、したがって、初期予測値とは異なるEWT予測値をもたらし得る。1つのそのようなシナリオは、インタラクションのサービス時間が長いスタッフシナリオにおける変更、又は高負荷及び/若しくはスタッフ不足のシナリオ中の変更であり得る。別のシナリオは、インタラクションに対する適格性条件が、スキルセット、言語、優先度などの変化に起因して変化するときであり得る。
【0159】
そのようなシナリオでは、正確なEWT予測を提供するために、キュー内の更新された位置、並びに利用可能なエージェントのプール及び動的に変化するAHT推定量(AHT^)を使用して、周期的な待ち時間推定更新が、キューに入れられたインタラクションに提供され得る。より正確なEWT予測を最初に提供する別の方法は、変化を予想し、変化したパラメータを初期待ち時間予測に組み込むことである。スタッフ配置レベル(シフト)を変更する場合、エージェントシフトが先験的に知られている場合、スタッフ情報は、それらが平衡に達するまで、推定待ち時間に関してエージェント数を再帰的に調整することによって組み込まれ得る。
【0160】
ここで図10を参照すると、本明細書に説明される実施形態のうちの1つ以上と併せて使用され得る、通信インフラストラクチャ及び/又はコンタクトセンターシステムの少なくとも1つの実施形態の簡略化されたブロック図が示されている。コンタクトセンターシステム1000は、コンタクトセンターサービス(例えば、コールセンターサービス、チャットセンターサービス、SMSセンターサービスなど)をエンドユーザに提供すること、及び別様に本明細書に説明される機能を実施することが可能な任意のシステムとして具現化され得る。例解的なコンタクトセンターシステム1000は、顧客デバイス1005、ネットワーク1010、スイッチ/メディアゲートウェイ1012、コールコントローラ1014、双方向メディア応答(interactive media response、IMR)サーバ1016、ルーティングサーバ1018、記憶デバイス1020、統計サーバ1026、エージェントデバイス1030A、1030B、1030C、メディアサーバ1034、知識管理サーバ1036、知識システム1038、チャットサーバ1040、ウェブサーバ1042、インタラクション(iXn)サーバ1044、ユニバーサルコンタクトサーバ1046、レポーティングサーバ1048、メディアサービスサーバ1049、及び分析モジュール1050を含む。図10の例解的な実施形態には1つの顧客デバイス1005、1つのネットワーク1010、1つのスイッチ/メディアゲートウェイ1012、1つのコールコントローラ1014、1つのIMRサーバ1016、1つのルーティングサーバ1018、1つの記憶デバイス1020、1つの統計サーバ1026、1つのメディアサーバ1034、1つの知識管理サーバ1036、1つの知識システム1038、1つのチャットサーバ1040、1つのiXnサーバ1044、1つのユニバーサルコンタクトサーバ1046、1つのレポーティングサーバ1048、1つのメディアサービスサーバ1049、及び1つの分析モジュール1050のみが示されているが、コンタクトセンターシステム1000は、他の実施形態において、複数の顧客デバイス1005、ネットワーク1010、スイッチ/メディアゲートウェイ1012、コールコントローラ1014、IMRサーバ1016、ルーティングサーバ1018、記憶デバイス1020、統計サーバ1026、メディアサーバ1034、知識管理サーバ1036、知識システム1038、チャットサーバ1040、iXnサーバ1044、ユニバーサルコンタクトサーバ1046、レポーティングサーバ1048、メディアサービスサーバ1049、及び/又は分析モジュール1050を含み得る。更に、いくつかの実施形態において、本明細書に説明される構成要素のうちの1つ以上は、システム1000から除外され得、独立しているものとして説明されている構成要素のうちの1つ以上は、別の構成要素の一部分を形成し得、かつ/又は別の構成要素の一部分を形成するものとして説明されている構成要素のうちの1つ以上は、独立し得る。
【0161】
本明細書では、「コンタクトセンターシステム」という用語は、図10に描写されるシステム及び/又はその構成要素を指すために使用される一方、「コンタクトセンター」という用語は、より一般的に、コンタクトセンターシステム、これらのシステムを動作させる顧客サービスプロバイダ、及び/又はそれらに関連付けられた組織若しくは企業を指すために使用されることを理解されたい。したがって、別途具体的に限定されない限り、「コンタクトセンター」という用語は、概して、コンタクトセンターシステム(コンタクトセンターシステム1000など)、関連する顧客サービスプロバイダ(コンタクトセンターシステム1000を通して顧客サービスを提供する特定の顧客サービスプロバイダなど)、並びに顧客サービスが代理で提供されている組織又は企業を指す。
【0162】
背景として、顧客サービスプロバイダは、コンタクトセンターを通して多くのタイプのサービスを提供し得る。そのようなコンタクトセンターは、従業員若しくは顧客サービスエージェント(又は単に「エージェント」)が配置され得、エージェントは、会社、企業、政府機関、又は組織(以下、互換的に「組織」又は「企業」と称される)と、ユーザ、個人、又は顧客などの人々(以下、互換的に「個人」又は「顧客」と称される)との間のインターフェースとして機能する。例えば、コンタクトセンターのエージェントは、購入の決定、注文の受け付け、又はすでに受け取った製品若しくはサービスに関する問題を解決する際に顧客を支援することができる。コンタクトセンター内で、コンタクトセンターエージェントと外部エンティティ又は顧客との間のそのようなインタラクションは、例えば、音声(例えば、電話コール又はボイスオーバーIP、すなわち、VoIPコール)、ビデオ(例えば、ビデオ会議)、テキスト(例えば、電子メール及びテキストチャット)、画面共有、コブラウジング、及び/又は他の通信チャネルなどの様々な通信チャネルを介して、行われ得る。
【0163】
運用上、コンタクトセンターは、一般に、コストを最小限に抑えながら、質の高いサービスを顧客に提供するように努力する。例えば、コンタクトセンターが動作する1つの方法が、ライブエージェントとの全顧客インタラクションを取り扱うことである。このアプローチは、サービス品質の観点から十分に成功し得る一方、エージェントの労働の高いコストに起因して、法外に高価となる可能性が高いであろう。このため、ほとんどのコンタクトセンターは、ライブエージェントの代わりに、例えば、双方向音声応答(interactive voice response、IVR)システム、双方向メディア応答(IMR)システム、インターネットロボット、すなわち、「ボット」、自動チャットモジュール、すなわち、「チャットボット」、及び/又は他の自動処理されたなどの、あるレベルの自動プロセスを利用する。多くの場合、これは、自動プロセスが、特定のタイプのインタラクションを取り扱うのに非常に効率的であり、ライブエージェントの必要性を低減するのに効果的であり得るため、成功戦略であることが証明されている。そのような自動化により、コンタクトセンターが、人間のエージェントの使用をより困難な顧客インタラクションに標的化することを可能にする一方で、自動プロセスは、より反復的又は日常的なタスクを取り扱う。更に、自動プロセスは、効率を最適化し、繰り返し性を促進する方法で構造化され得る。人間のエージェント、すなわち、ライブエージェントは、特定の質問に応える、若しくは特定の詳細を徹底的に追及することを忘れ得るが、そのような誤りは、典型的には、自動プロセスの使用を通して回避される。顧客サービスプロバイダは、顧客とインタラクションする自動プロセスにますます依存する一方、顧客によるそのような技術の使用は、はるかに未発達のままである。したがって、インタラクションのコンタクトセンター側では、IVRシステム、IMRシステム、及び/又はボットが使用されて、インタラクションの部分を自動化する一方、顧客側のアクションは、顧客が手動で実施するままである。
【0164】
コンタクトセンターシステム1000は、様々なタイプのサービスを顧客に提供するために、顧客サービスプロバイダによって使用され得ることを理解されたい。例えば、コンタクトセンターシステム1000は、自動プロセス(若しくはボット)又は人間のエージェントが顧客と通信するインタラクションに関与し、及びそれを管理するために使用され得る。理解されるべきであるように、コンタクトセンターシステム1000は、企業を通して利用可能な製品及びサービスに関連する販売及び顧客サービスの機能を実施するためのビジネス又は企業の社内施設であり得る。別の実施形態において、コンタクトセンターシステム1000は、別の組織に代わって、サービスを提供するように契約するサードパーティサービスプロバイダによって運用され得る。更に、コンタクトセンターシステム1000は、企業又はサードパーティサービスプロバイダ専用の機器上に配備され、かつ/又は、例えば、複数の企業のために複数のコンタクトセンターをサポートするためのインフラストラクチャを備えたプライベート若しくはパブリッククラウド環境などのリモートコンピューティング環境内に配備され得る。コンタクトセンターシステム1000は、構内で若しくはリモートで、又はそれらの何らかの組み合わせで実行され得るソフトウェアアプリケーション若しくはプログラムを含み得る。更に、コンタクトセンターシステム1000の様々な構成要素は、様々な地理的位置にわたって分散され得、必ずしも単一の場所又はコンピューティング環境に含まれるわけではないことを理解されたい。
【0165】
更に、別途具体的に限定されない限り、本明細書に説明されるコンピューティング要素のいずれかは、クラウドベース又はクラウドコンピューティング環境内に実装され得ることを理解されたい。本明細書で使用され、更にコンピューティングデバイス1100に関連して以下に説明されるように、「クラウドコンピューティング」又は単に「クラウド」は、構成可能なコンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、サーバ、記憶装置、アプリケーション、及びサービス)の共有プールへのユビキタスで便利なオンデマンドのネットワークアクセスを可能にするためのモデルとして定義され、これは、仮想化を介して迅速にプロビジョンされ、最小限の管理努力若しくはサービスプロバイダインタラクションでリリースされ、次いで、それに応じてスケーリングされ得る。クラウドコンピューティングは、様々な特性(例えば、オンデマンドセルフサービス、広域ネットワークアクセス、リソースプーリング、迅速な弾力性、測定可能なサービスなど)、サービスモデル(例えば、サービスとしてのソフトウェア(Software as a Service、「SaaS」)、サービスとしてのプラットフォーム(Platform as a Service、「PaaS」)、サービスとしてのインフラストラクチャ(Infrastructure as a Service、「IaaS」)、及び配備モデル(例えば、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウドなど)で構成され得る。「サーバレスアーキテクチャ」としばしば称されるクラウド実行モデルは、一般に、所望の機能を達成するために、リモートサーバの割り当て及びプロビジョニングを動的に管理するサービスプロバイダを含む。
【0166】
図10に関連して説明されたコンピュータ実装構成要素、モジュール、又はサーバのいずれも、例えば、図11のコンピューティングデバイス1100などのコンピューティングデバイスのうちの1つ以上のタイプを介して実装され得ることを理解されたい。理解されるように、コンタクトセンターシステム1000は、一般に、電話、電子メール、チャット、又は他の通信機構を介したサービスの配信を可能にするために、リソース(例えば、人材、コンピュータ、電気通信機器など)を管理する。そのようなサービスは、コンタクトセンターのタイプに応じて変化し得、例えば、顧客サービス、ヘルプデスク機能、緊急応答、テレマーケティング、受注、及び/又は他の特性を含み得る。
【0167】
コンタクトセンターシステム1000からサービスを受けることを所望する顧客は、顧客デバイス1005を介して、コンタクトセンターシステム1000へのインバウンド通信(例えば、電話コール、電子メール、チャットなど)を開始し得る。図10は、1つのそのような顧客デバイス、すなわち顧客デバイス1005を示しているが、任意の数の顧客デバイス1005が存在し得ることを理解されたい。顧客デバイス1005は、例えば、電話、スマートフォン、コンピュータ、タブレット、又はラップトップなどの通信デバイスであり得る。本明細書に説明される機能によれば、顧客は、一般に、顧客デバイス1005を使用して、電話コール、電子メール、チャット、テキストメッセージ、ウェブブラウジングセッション、及び他のマルチメディアトランザクションなど、コンタクトセンターシステム1000との通信を開始、管理、及び実行し得る。
【0168】
顧客デバイス1005からの、及び顧客デバイス1005へのインバウンド通信及びアウトバウンド通信は、典型的には、使用されている顧客デバイスのタイプ及び通信の形態に依存するネットワークの性質により、ネットワーク1010を横断し得る。一例として、ネットワーク1010としては、電話、セルラ、及び/又はデータサービスの通信ネットワークが挙げられ得る。ネットワーク1010は、プライベート若しくは公衆交換電話網(public switched telephone network、PSTN)、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、プライベートワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、及び/又はインターネットなどのパブリックWANであり得る。更に、ネットワーク1010は、符号分割多重アクセス(code division multiple access、CDMA)ネットワーク、モバイル通信のためのグローバルシステム(global system for mobile communications、GSM)ネットワーク、又は3G、4G、LTE、5Gなどを含むが、これらに限定されない、当該技術分野で慣用の任意の無線ネットワーク/技術を含む、無線キャリアネットワークを含み得る。
【0169】
スイッチ/メディアゲートウェイ1012は、顧客とコンタクトセンターシステム1000との間の電話コールを受信及び伝送するために、ネットワーク1010に結合され得る。スイッチ/メディアゲートウェイ1012としては、センター内でのエージェントレベルルーティングのための中央スイッチとして機能するように構成された電話スイッチ又は通信スイッチが挙げられ得る。スイッチは、ハードウェアスイッチングシステムであるか、又はソフトウェアを介して実装され得る。例えば、スイッチ1012は、自動コールディストリビュータ、構内交換機(private branch exchange、PBX)、IPベースのソフトウェアスイッチ、及び/若しくは顧客からインターネットソース型インタラクション並びに/又は電話網ソース型インタラクションを受信し、これらのインタラクションを、例えば、エージェントデバイス1030のうちの1つにルーティングするように構成された専用ハードウェア及びソフトウェアを有する任意の他のスイッチを含み得る。したがって、一般に、スイッチ/メディアゲートウェイ1012は、顧客デバイス1005とエージェントデバイス1030との間の接続を確立することによって、顧客とエージェントとの間の音声接続を確立する。
【0170】
更に示すように、スイッチ/メディアゲートウェイ1012は、例えば、コンタクトセンターシステム1000のスイッチと他のルーティング、監視、及び通信処理構成要素との間のアダプタ又はインターフェースとして機能するコールコントローラ1014に結合され得る。コールコントローラ1014は、PSTNコール、VoIPコール、及び/又は他のタイプのコールを処理するように構成され得る。例えば、コールコントローラ1014は、スイッチ/メディアゲートウェイ及び他の構成要素とインターフェース接続するためのコンピュータ電話統合(computer-telephone integration、CTI)ソフトウェアを含み得る。コールコントローラ1014は、セッション開始プロトコル(session initiation protocol、SIP)コールを処理するためのSIPサーバを含み得る。コールコントローラ1014はまた、顧客の電話番号、IPアドレス、又は電子メールアドレスなどの着信インタラクションに関するデータを抽出し、次いで、インタラクションを処理する際に、これらを他のコンタクトセンター構成要素と通信し得る。
【0171】
双方向メディア応答(IMR)サーバ1016は、自己ヘルプ機能又は仮想アシスタント機能を可能にするように構成され得る。具体的には、IMRサーバ1016は、IMRサーバ1016が音声に制限されず、様々なメディアチャネルもカバーし得ることを除いて、双方向音声応答(IVR)サーバと同様であり得る。音声を例解する例において、IMRサーバ1016は、顧客に顧客のニーズを問い合わせるためのIMRスクリプトで構成され得る。例えば、銀行のコンタクトセンターは、顧客が自分の預金残高を検索したい場合に「1を押す」ように、IMRスクリプトを介して顧客に指示し得る。IMRサーバ1016との継続的なインタラクションを介して、顧客は、エージェントと話をすることを必要とせずに、サービスを受け得る。IMRサーバ1016はまた、通信が、適切なリソースにルーティングされ得るように、顧客がコンタクトセンターに接触している理由を確認するように構成され得る。IMR構成は、コンタクトセンター環境(例えば、Genesys(登録商標)Designer)内で実行されるIVRアプリケーション及びルーティングアプリケーションを開発するためのウェブベースのツールを含むセルフサービス及び/又はアシストサービスツールの使用を通して実施され得る。
【0172】
ルーティングサーバ1018は、着信インタラクションをルーティングするように機能し得る。例えば、インバウンド通信が、人間のエージェントによって処理されるべきであると判定されると、ルーティングサーバ1018内の機能は、最も適切なエージェントを選択して、通信をそのエージェントにルーティングし得る。このエージェント選択は、どの利用可能なエージェントが通信を取り扱うために最適であるかに基づき得る。より具体的には、適切なエージェントの選択は、ルーティングサーバ1018によって実装されるルーティング戦略又はアルゴリズムに基づき得る。これを行う際に、ルーティングサーバ1018は、着信インタラクションに関連するデータ、例えば、特定の顧客、利用可能なエージェント、及びインタラクションのタイプに関連するデータをクエリし得、このデータは、本明細書に説明されるように、特定のデータベースに記憶され得る。エージェントが選択されると、ルーティングサーバ1018は、コールコントローラ1014とインタラクションして、着信インタラクションを対応するエージェントデバイス1030にルーティング(すなわち、接続)し得る。この接続の一部として、顧客に関する情報が、選択されたエージェントに、それらのエージェントデバイス1030を介して提供され得る。この情報は、エージェントが顧客に提供できるサービスを強化することを意図している。
【0173】
コンタクトセンターシステム1000は、データをコンタクトセンターの機能に関連する1つ以上のデータベースに記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイス(一般的に記憶デバイス1020によって表される)を含み得ることを理解されたい。例えば、記憶デバイス1020は、顧客データベースに維持される顧客データを記憶し得る。そのような顧客データとしては、例えば、顧客プロファイル、連絡先情報、サービスレベル合意書(service level agreement、SLA)、及びインタラクション履歴(例えば、以前のインタラクションの性質、処分データ、待ち時間、処理時間、及び顧客の問題を解決するためにコンタクトセンターによって取られたアクションを含む、特定の顧客との以前のインタラクションの詳細)が挙げられ得る。別の例として、記憶デバイス1020は、エージェントデータをエージェントデータベースに記憶し得る。コンタクトセンターシステム1000によって維持されるエージェントデータは、例えば、エージェントの利用可能性及びエージェントプロファイル、スケジュール、スキル、処理時間、及び/又は他の関連するデータを含み得る。別の例として、記憶デバイス1020は、インタラクションデータをインタラクションデータベースに記憶し得る。インタラクションデータは、例えば、顧客とコンタクトセンターとの間の多数の過去のインタラクションに関連するデータを含み得る。より一般的には、別途具体的に指定されない限り、記憶デバイス1020は、データベースを含み、かつ/又は本明細書に説明される情報のタイプのいずれかに関連するデータを記憶するように構成され得、これらのデータベース及び/又はデータは、本明細書に説明される機能を容易にする方法で、コンタクトセンターシステム1000の他のモジュール又はサーバにアクセス可能であることを理解されたい。例えば、コンタクトセンターシステム1000のサーバ又はモジュールは、そのようなデータベースをクエリして、データベース内に記憶されたデータを検索するか、又は記憶のためにデータをデータベースに伝送し得る。記憶デバイス1020は、例えば、任意の従来の記憶媒体の形態を採り得、ローカルに収容されるか、又はリモート位置から操作され得る。一例として、データベースは、Cassandraデータベース、NoSQLデータベース、又はSQLデータベースであり、Oracle、IBM DB2、Microsoft SQLサーバ、又はMicrosoft Access、PostgreSQLなどのデータベース管理システムによって管理され得る。
【0174】
統計サーバ1026は、コンタクトセンターシステム1000の性能及び動作態様に関連するデータを記録及び集計するように構成され得る。そのような情報は、統計サーバ1026によってコンパイルされ、他のサーバ及びモジュール、例えば、レポーティングサーバ1048に利用可能にされ得、次いで、レポーティングサーバ1048は、データを使用して、コンタクトセンターの動作態様を管理し、本明細書に説明される機能に従って、自動化されたアクションを実行するために使用されるレポートを生成し得る。そのようなデータは、コンタクトセンターのリソースの状態、例えば、平均待ち時間、破棄率、エージェントの占有率、及び本明細書に説明される機能が必要とするであろうその他に関連し得る。
【0175】
コンタクトセンターシステム1000のエージェントデバイス1030は、本明細書に説明される機能を容易にする方法で、コンタクトセンターシステム1000の様々な構成要素及びモジュールとインタラクションするように構成された通信デバイスであり得る。例えば、エージェントデバイス1030は、通常の電話コール又はVoIPコールに適合された電話を含み得る。エージェントデバイス1030は、コンタクトセンターシステム1000のサーバと通信し、動作に関連付けられたデータ処理を実施し、本明細書に説明される機能に従って、音声、チャット、電子メール、及び他のマルチメディア通信機構を介して顧客とインターフェース接続するように構成されたコンピューティングデバイスを更に含み得る。図10は、3つのそのようなエージェントデバイス1030、すなわち、エージェントデバイス1030A、1030B、及び1030Cを示すが、特定の実施形態において、任意の数のエージェントデバイス1030が存在し得ることを理解されたい。
【0176】
マルチメディア/ソーシャルメディアサーバ1034は、顧客デバイス1005及び/又はサーバ1042との(音声以外の)メディアインタラクションを容易にするように構成され得る。そのようなメディアインタラクションは、例えば、電子メール、音声メール、チャット、ビデオ、テキストメッセージング、ウェブ、ソーシャルメディア、コブラウジングなどに関連し得る。マルチメディア/ソーシャルメディアサーバ1034は、マルチメディアイベント及び通信を受信、処理、及び転送するための専用ハードウェア及びソフトウェアを有する、当該技術分野で慣用の任意のIPルータの形態を採り得る。
【0177】
知識管理サーバ1036は、顧客と知識システム1038との間のインタラクションを容易にするように構成され得る。概して、知識システム1038は、質問又はクエリを受信し、それに応じて回答を提供することができるコンピュータシステムであり得る。知識システム1038は、コンタクトセンターシステム1000の一部として含まれるか、又はサードパーティによってリモートで操作され得る。知識システム1038は、参考資料として知識システム1038に提出された百科事典、辞書、ニュースワイヤ記事、文学作品、又は他の文書などの情報源から情報を取得することによって、自然言語で提示された質問に回答することができる人工知能コンピュータシステムを含み得る。一例として、知識システム1038は、IBMワトソン又は同様のシステムとして具現化され得る。
【0178】
チャットサーバ1040は、顧客との電子チャット通信を行い、オーケストレーションし、かつ管理するように構成され得る。一般に、チャットサーバ1040は、チャット会話を実装及び維持し、チャットトランスクリプトを生成するように構成されている。そのようなチャット通信は、顧客が、自動化されたチャットボット、人間のエージェント、又はその両方と通信するような方法で、チャットサーバ1040によって行われ得る。例示的な実施形態において、チャットサーバ1040は、チャットボット及び利用可能な人間のエージェントの間にチャット会話をディスパッチするチャットオーケストレーションサーバとして機能し得る。そのような場合、チャットサーバ1040の処理ロジックは、利用可能なチャットリソース間でインテリジェントなワークロード分配を活用するために、そのように駆動されるルールであり得る。チャットサーバ1040は更に、顧客デバイス1005又はエージェントデバイス1030のいずれかで生成されるユーザインターフェース(user interfaces、UI)を含む、チャット機能に関連付けられたUIを実装、管理、及び円滑化し得る。チャットサーバ1040は、特定の顧客との単一のチャットセッション内で、例えば、チャットセッションが、チャットボットから人間のエージェントに、又は人間のエージェントからチャットボットに転送するように、チャットを自動ソースと人間ソースとの間で転送するように構成され得る。チャットサーバ1040はまた、例えば、関連する記事へのリンクが提供され得るように、チャット中に顧客によって提示された問い合わせに対する提案及び回答を受信するために、知識管理サーバ1036及び知識システム1038に結合され得る。
【0179】
ウェブサーバ1042は、Facebook、Twitter、Instagramなど、顧客がサブスクライブする様々なソーシャルインタラクションサイトのサイトホストを提供するために含まれ得る。コンタクトセンターシステム1000の一部として描写されているが、ウェブサーバ1042は、サードパーティによって提供され得、及び/又はリモートに維持され得ることを理解されたい。ウェブサーバ1042はまた、コンタクトセンターシステム1000によってサポートされている企業又は組織のウェブページを提供し得る。例えば、顧客は、ウェブページを閲覧して、特定の企業の製品及びサービスに関する情報を受信し得る。そのような企業のウェブページ内で、例えば、ウェブチャット、音声、又は電子メールを介して、コンタクトセンターシステム1000とのインタラクションを開始するための機構が提供され得る。そのような機構の一例が、ウェブサーバ1042上にホストされるウェブページ又はウェブサイト上に展開され得るウィジェットである。本明細書で使用される場合、ウィジェットは、特定の機能を実施するユーザインターフェース構成要素を指す。いくつかの実装例において、ウィジェットは、インターネットを介して顧客に表示されたウェブページ上にオーバーレイされ得るグラフィカルユーザインターフェースコントロールを含み得る。ウィジェットは、ウィンドウ又はテキストボックスなどに情報を示すか、又はファイルを共有若しくは開くこと、又は通信を開始することなど、特定の機能にユーザがアクセスすることを可能にするボタン又は他のコントロールを含み得る。いくつかの実装例において、ウィジェットは、コンパイルなしで別個のウェブページ内にインストールされ、かつ実行され得るコードの可搬部分を有するユーザインターフェース構成要素を含む。いくつかのウィジェットは、対応する又は追加のユーザインターフェースを含み得、様々なローカルリソース(例えば、顧客デバイス上のカレンダー若しくはコンタクト情報)又はネットワークを介してリモートリソース(例えば、インスタントメッセージング、電子メール、又はソーシャルネットワーキングアップデート)にアクセスするように構成され得る。
【0180】
インタラクション(iXn)サーバ1044は、コンタクトセンターの延期可能なアクティビティ、及び完了のための、そのアクティビティの人間のエージェントへのルーティングを管理するように構成され得る。本明細書で使用される場合、延期可能なアクティビティとしては、オフラインで実施され得るバックオフィスワーク、例えば、電子メールに対応すること、トレーニングに参加すること、及び顧客とのリアルタイム通信を必要としない他のアクティビティが挙げられる。一例として、インタラクション(iXn)サーバ1044は、延期可能なアクティビティの各々を処理するのに適切なエージェントを選択するために、ルーティングサーバ1018とインタラクションするように構成され得る。特定のエージェントに割り当てられると、延期可能なアクティビティは、そのエージェントにプッシュされ、その結果、延期可能なアクティビティは、選択されたエージェントのエージェントデバイス1030上に表示される。延期可能なアクティビティは、選択されたエージェントが完了させるタスクとして、ワークビン内に表示され得る。ワークビンの機能は、例えば、リンクされたリスト、アレイなどの任意の従来のデータ構造、及び/又は他の好適なデータ構造を介して実装され得る。エージェントデバイス1030の各々は、ワークビンを含み得る。一例として、ワークビンは、対応するエージェントデバイス1030のバッファメモリ内に維持され得る。
【0181】
ユニバーサルコンタクトサーバ(universal contact server、UCS)1046は、顧客データベースに記憶された情報を検索し、及び/又は顧客データベースに記憶するために情報を顧客データベースに伝送するように構成され得る。例えば、UCS1046は、特定の顧客とのチャットがどのように処理されたかに関する履歴を維持することを容易にするために、チャット機能の一部として利用され得、次いで、この履歴は、将来のチャット通信をどのように処理するべきかに関する参照として使用され得る。より一般的には、UCS1046は、好ましいメディアチャネル及びコンタクトする最良の時間などの顧客選好の履歴を維持することを容易にするように構成され得る。これを行うために、UCS1046は、例えば、エージェントからのコメント、顧客通信履歴などに関するデータなど、各顧客のインタラクション履歴に関連するデータを識別するように構成され得る。次いで、これらのデータタイプの各々は、顧客データベース又は他のモジュールに記憶されて、本明細書に説明される機能が必要とするときに検索され得る。
【0182】
レポーティングサーバ1048は、統計サーバ1026又は他のソースによってコンパイル及び集計されたデータからレポートを生成するように構成され得る。そのようなレポートは、準リアルタイムレポート又は履歴レポートを含み、例えば、平均待ち時間、破棄率、及び/又はエージェントの占有率など、コンタクトセンターリソース及び性能特性の状態に関係し得る。レポートは、自動的に、又は要求元(例えば、エージェント、管理者、コンタクトセンターアプリケーションなど)からの具体的な要求に応じて生成され得る。次いで、レポートは、本明細書に説明される機能に従って、コンタクトセンターの動作を管理するために使用され得る。
【0183】
メディアサービスサーバ1049は、コンタクトセンター機能をサポートするために、オーディオサービス及び/又はビデオサービスを提供するように構成され得る。本明細書に説明される機能によると、そのような機能としては、IVR若しくはIMRシステムのプロンプト(例えば、オーディオファイルの再生)、保留音、ボイスメール/単一パーティの記録、マルチパーティの記録(例えば、オーディオ及び/若しくはビデオコールの)、音声認識、デュアルトーンマルチ周波数(dual tone multi frequency、DTMF)認識、ファックス、オーディオ及びビデオトランスコーディング、セキュアなリアルタイム転送プロトコル(secure real-time transport protocol、SRTP)、電話会議、ビデオ会議、コーチング(例えば、コーチが顧客とエージェントとの間のインタラクションを立ち聞きするための、及び顧客がコメントを聞くことなく、コーチがエージェントにコメントを提供するためのサポート)、コール分析、キーワードスポッティング、並びに/又は他の関連する機能が、挙げられ得る。
【0184】
分析モジュール1050は、本明細書に説明される機能が必要とし得る場合に、複数の異なるデータソースから受信されたデータに対して分析を実施するためのシステム及び方法を提供するように構成され得る。例示的な実施形態によれば、分析モジュール1050はまた、例えば、顧客データ、エージェントデータ、及びインタラクションデータなどの収集されたデータに基づいて、予測因子又はモデルを生成、更新、トレーニング、及び修正し得る。モデルは、顧客又はエージェントの行動モデルを含み得る。行動モデルは、様々な状況で、例えば、顧客又はエージェントの行動を予測するために使用され得、それにより、本明細書に説明される技術の実施形態が、そのような予測に基づいてインタラクションを調整するか、又は将来のインタラクションの予測される特性に備えてリソースを割り当てることを可能にし、それにより、全体的なコンタクトセンター性能及び顧客体験を改善する。分析モジュールは、コンタクトセンターの一部であると説明されているが、そのような行動モデルはまた、顧客システム(又は本明細書でも使用されているように、インタラクションの「顧客側」)に実装されて、顧客の利益のために使用され得ることが理解されよう。
【0185】
例示的な実施形態によれば、分析モジュール1050は、顧客データベース及びエージェントデータベースを含む記憶デバイス1020に記憶されたデータへのアクセスを有し得る。分析モジュール1050はまた、インタラクション及びインタラクションコンテンツ(例えば、その中に検出されたインタラクション及びイベントのトランスクリプト)、インタラクションメタデータ(例えば、顧客識別子、エージェント識別子、インタラクションの媒体、インタラクションの長さ、インタラクション開始及び終了時間、部門、タグ付きカテゴリ)、並びにアプリケーション設定(例えば、コンタクトセンターを通るインタラクション経路)に関係するデータを記憶するインタラクションデータベースへのアクセスを有し得る。更に、分析モジュール1050は、例えば、機械学習技術を適用することによって、アルゴリズム及びモデルを開発及びトレーニングする際に使用するために、記憶デバイス1020内に記憶されたデータを検索するように構成され得る。
【0186】
含まれるモデルのうちの1つ以上は、顧客若しくはエージェントの挙動、並びに/又はコンタクトセンターの動作及び性能に関連する態様を予測するように構成され得る。更に、モデルのうちの1つ以上は、自然言語処理に使用されて、例えば、意図認識などを含み得る。モデルは、システムを記述する既知の第1原理方程式、実験モデルをもたらすデータ、又は既知の第1原理方程式とデータとの組み合わせに基づいて、開発され得る。本実施形態で使用するためのモデルを開発する際に、第1原理方程式は、多くの場合利用可能でないか又は容易に導出されないため、収集及び記憶されたデータに基づいて経験的モデルを構築することが一般的に好ましくあり得る。複雑系の操作変数/外乱変数と制御変数との間の関係を適切に捕捉するために、いくつかの実施形態において、モデルが非線形であることが好ましくあり得る。これは、非線形モデルが、本明細書で考察されるものなどの複雑系に一般的である、操作変数/外乱変数と制御変数との間の直線関係ではなく、曲線関係を示す可能性があるためである。前述の要件を考慮すると、機械学習又はニューラルネットワークベースのアプローチが、モデルを実装するための好ましい実施形態であり得る。例えば、ニューラルネットワークは、高度な回帰アルゴリズムを使用して、経験的データに基づいて開発され得る。
【0187】
分析モジュール1050は、オプティマイザを更に含み得る。理解されるように、オプティマイザを使用して、制約のセットが適用される「コスト関数」対象を最小化することができ、コスト関数は、所望の目的又はシステム動作の数学的表現である。モデルは非線形であり得るため、オプティマイザは、非線形プログラミングオプティマイザであり得る。しかしながら、本明細書に説明される技術は、線形プログラミング、二次プログラミング、混合整数非線形プログラミング、確率的プログラミング、グローバル非線形プログラミング、遺伝的アルゴリズム、粒子/スワーム技術などを含むが、これらに限定されない、様々な異なるタイプの最適化アプローチを個々に又は組み合わせて使用することによって実装され得ることが企図される。
【0188】
いくつかの実施形態によれば、モデル及びオプティマイザは、一緒に、最適化システム内で使用され得る。例えば、分析モジュール1050は、最適化システムを、コンタクトセンターの性能及び動作の態様が最適化されるか、又は少なくとも強化される最適化プロセスの一部として利用し得る。これは、例えば、顧客体験、エージェント体験、インタラクションルーティング、自然言語処理、意図認識、又は自動プロセスに関連する他の機能に関連する特徴を含み得る。
【0189】
図10(並びに本明細書に含まれる他の図)の様々な構成要素、モジュール、及び/又はサーバは各々、コンピュータプログラム命令を実行し、かつ本明細書に説明される様々な機能を実施するために、他のシステム構成要素とインタラクションする1つ以上のプロセッサを含み得る。そのようなコンピュータプログラム命令は、例えば、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)などの標準のメモリデバイスを使用して実装されるメモリ内に記憶されるか、又は例えば、CD-ROM、フラッシュドライブなどの他の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され得る。サーバの各々の機能は、特定のサーバによって提供されるものとして説明されているが、当業者は、様々なサーバの機能が、組み合わされるか若しくは単一のサーバに統合され得るか、又は特定のサーバの機能が、本明細書に説明される技術の範囲から逸脱することなく、1つ以上の他のサーバにわたって分散され得ることを理解するべきである。更に、「インタラクション」及び「通信」という用語は、互換的に使用され、概して、電話コール(PSTN若しくはVoIPコール)、電子メール、Vメール、ビデオ、チャット、画面共有、テキストメッセージ、ソーシャルメディアメッセージ、WebRTCコールなどを含むが、これらに限定されない、任意の通信チャネルを使用する任意のリアルタイム及び非リアルタイムのインタラクションを指す。コンタクトセンターシステム1000の構成要素へのアクセス及びその制御は、顧客デバイス1005及び/又はエージェントデバイス1030上に生成され得るユーザインターフェース(UI)を通して影響を受け得る。すでに述べたように、コンタクトセンターシステム1000は、クラウドベースの環境又はクラウドコンピューティング環境などで一部又は全ての構成要素がリモートでホストされるハイブリッドシステムとして運用され得る。コンタクトセンターシステム1000のデバイスの各々は、図11を参照して以下に説明されるコンピューティングデバイス1100と同様の1つ以上のコンピューティングデバイスの一部として具現化されるか、それを含むか、又はそれを形成し得ることを理解されたい。
【0190】
ここで図11を参照すると、コンピューティングデバイス1100の少なくとも1つの実施形態の簡略化されたブロック図が示されている。例解的なコンピューティングデバイス1100は、本明細書に説明されるコンピューティングデバイス、システム、サービサ、コントローラ、スイッチ、ゲートウェイ、エンジン、モジュール、及び/又はコンピューティング構成要素(例えば、本明細書の簡潔さのために、集合的に、コンピューティングデバイス、サーバ、又はモジュールと互換的に称され得る)の各々の少なくとも1つの実施形態を描写する。例えば、様々なコンピューティングデバイスは、本明細書に説明される様々な機能を実施するために、コンピュータプログラム命令を実行しており、かつ他のシステムモジュールとインタラクションしている場合がある、1つ以上のコンピューティングデバイス1100のうちの1つ以上のプロセッサ上で実行されているプロセス又はスレッドであり得る。別途具体的に限定されない限り、複数のコンピューティングデバイスに関連して説明される機能は、単一のコンピューティングデバイスに統合され得るか、又は単一のコンピューティングデバイスに関連して説明される様々な機能は、いくつかのコンピューティングデバイスにわたって分散され得る。更に、図10のコンタクトセンターシステム1000などの本明細書に説明されるコンピューティングシステムに関連して、そのシステムの様々なサーバ及びコンピュータデバイスは、ローカルコンピューティングデバイス1100(例えば、コンタクトセンターのエージェントと同じ物理的位置のオンサイト)、リモートコンピューティングデバイス1100(例えば、オフサイト、すなわちクラウドベースの環境内、又はクラウドコンピューティング環境内、例えば、ネットワークを介して接続されたリモートデータセンター内)、又はそれらの何らかの組み合わせ上に位置し得る。いくつかの実施形態において、オフサイトのコンピューティングデバイス上に位置するサーバによって提供される機能は、かかるサーバがオンサイトにあるかのように、仮想プライベートネットワーク(virtual private network、VPN)を介してアクセス及び提供され得るか、又は機能は、様々なプロトコルを使用してインターネットを介してアクセスされるサービスとしてのソフトウェア(software as a service、SaaS)を使用して、例えば、拡張可能なマークアップ言語(extensible markup language、XML)、JSONを介してデータを交換することによって提供され得、及び/又は機能は、別様にアクセス/活用され得る。
【0191】
いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス1100は、サーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ノートブック、ネットブック、Ultrabook(商標)、携帯電話、モバイルコンピューティングデバイス、スマートフォン、ウェアラブルコンピューティングデバイス、パーソナルデジタルアシスタント、モノのインターネット(Internet of Things、IoT)デバイス、処理システム、ワイヤレスアクセスポイント、ルータ、ゲートウェイ、及び/又は本明細書に説明される機能を実施することができる任意の他のコンピューティングデバイス、処理デバイス、並びに/若しくは通信デバイスとして具現化され得る。
【0192】
コンピューティングデバイス1100は、動作ロジック1108に従ってアルゴリズムを実行し、かつ/又はデータを処理する処理デバイス1102と、コンピューティングデバイス1100と1つ以上の外部デバイス1110との間の通信を可能にする入出力デバイス1104と、例えば、入出力デバイス1104を介して外部デバイス1110から受信したデータを記憶するメモリ1106と、を含む。
【0193】
入出力デバイス1104は、コンピューティングデバイス1100が外部デバイス1110と通信することを可能にする。例えば、入力/出力デバイス1104は、送受信機、ネットワークアダプタ、ネットワークカード、インターフェース、1つ以上の通信ポート(例えば、USBポート、シリアルポート、パラレルポート、アナログポート、デジタルポート、VGA、DVI、HDMI、FireWire、CAT5、又は任意の他のタイプの通信ポート若しくはインターフェース)、及び/又は他の通信回路を含み得る。コンピューティングデバイス1100の通信回路は、任意の1つ以上の通信技術(例えば、ワイヤレス又は有線通信)及び関連プロトコル(例えば、Ethernet、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、WiMAXなど)を使用して、特定のコンピューティングデバイス1100に応じてそのような通信を行うように構成され得る。入力/出力デバイス1104は、本明細書に説明される技術を実施するために好適なハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアを含み得る。
【0194】
外部デバイス1110は、データがコンピューティングデバイス1100から入力又は出力されることを可能にする任意のタイプのデバイスであり得る。例えば、様々な実施形態において、外部デバイス1110は、本明細書に説明されるデバイス/システム、及び/又はその一部分のうちの1つ以上として具現化され得る。更に、いくつかの実施形態において、外部デバイス1110は、別のコンピューティングデバイス、スイッチ、診断ツール、コントローラ、プリンタ、ディスプレイ、アラーム、周辺デバイス(例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーンディスプレイなど)、及び/又は本明細書に説明される機能を実施することが可能な任意の他のコンピューティング、処理、及び/又は通信デバイスとして具現化され得る。更に、いくつかの実施形態において、外部デバイス1110は、コンピューティングデバイス1100に統合され得ることを理解されたい。
【0195】
処理デバイス1102は、本明細書に説明される機能を実施することが可能な任意のタイプのプロセッサとして具現化され得る。特に、処理デバイス1102は、1つ以上のシングルコア若しくはマルチコアプロセッサ、マイクロコントローラ、又は他のプロセッサ若しくは処理/制御回路として具現化され得る。例えば、いくつかの実施形態において、処理デバイス1102は、算術ロジックユニット(arithmetic logic unit、ALU)、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、及び/又は別の好適なプロセッサを含むか、又はそれらとして具現化され得る。処理デバイス1102は、プログラム可能なタイプ、専用のハードワイヤードステートマシン、又はそれらの組み合わせであり得る。複数の処理ユニットを有する処理デバイス1102は、様々な実施形態において、分散処理、パイプライン処理、及び/又は並列処理を利用し得る。更に、処理デバイス1102は、本明細書に説明される動作のみの実施専用であり得るか、又は1つ以上の追加の適用例において利用され得る。例解的な実施形態において、処理デバイス1102はプログラム可能であり、メモリ1106に記憶されたプログラミング命令(ソフトウェア又はファームウェアなど)によって定義された動作ロジック1108に従ってアルゴリズムを実行し、かつ/又はデータを処理する。追加的又は代替的に、処理デバイス1102の動作ロジック1108は、ハードワイヤードロジック又は他のハードウェアによって少なくとも部分的に定義され得る。更に、処理デバイス1102は、入出力デバイス1104から、又は他の構成要素若しくはデバイスから受信した信号を処理し、所望の出力信号を提供するために好適な任意のタイプの1つ以上の構成要素を含み得る。そのような構成要素は、デジタル回路、アナログ回路、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0196】
メモリ1106は、ソリッドステートメモリ、電磁メモリ、光メモリ、又はそれらの組み合わせなどの、1つ以上のタイプの非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。更に、メモリ1106は、揮発性及び/又は不揮発性であり得、いくつかの実施形態において、メモリ1106の一部又は全部は、ディスク、テープ、メモリスティック、カートリッジ、及び/又は他の好適な可搬型メモリなどの可搬型タイプのものであり得る。動作中、メモリ1106は、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリ、及びドライバなどのコンピューティングデバイス1100の動作中に使用される様々なデータ及びソフトウェアを記憶し得る。メモリ1106は、動作ロジック1108を定義するプログラミング命令を記憶することに加えて、又はその代わりに、例えば、入力/出力デバイス1104から受信される信号、及び/又は入力/出力デバイスに送信される信号を表すデータなどの、処理デバイス1102の動作ロジック1108によって操作されるデータを記憶し得ることを理解されたい。図11に示すように、メモリ1106は、特定の実施形態に応じて、処理デバイス1102に含まれる、及び/又は処理デバイス1102に結合され得る。例えば、いくつかの実施形態において、処理デバイス1102、メモリ1106、及び/又はコンピューティングデバイス1100の他の構成要素は、システムオンチップ(system-on-a-chip、SoC)の一部を形成し、単一の集積回路チップに組み込まれ得る。
【0197】
いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス1100の様々な構成要素(例えば、処理デバイス1102及びメモリ1106)は、入力/出力サブシステムを介して通信可能に結合され得、入力/出力サブシステムは、処理デバイス1102、メモリ1106、並びにコンピューティングデバイス1100の他の構成要素との入力/出力動作を容易にするための回路及び/又は構成要素として具現化され得る。例えば、入出力サブシステムは、メモリコントローラハブ、入出力制御ハブ、ファームウェアデバイス、通信リンク(すなわち、ポイントツーポイントリンク、バスリンク、ワイヤ、ケーブル、ライトガイド、プリント回路基板トレースなど)、並びに/若しくは入出力動作を容易にするための他の構成要素及びサブシステムとして具現化され得るか、又は別様にそれらを含み得る。
【0198】
コンピューティングデバイス1100は、他の実施形態において、典型的なコンピューティングデバイス(例えば、様々な入力/出力デバイス及び/又は他の構成要素)に一般的に見られるものなど、他の又は追加の構成要素を含み得る。本明細書に説明されるコンピューティングデバイス1100の構成要素のうちの1つ以上は、複数のコンピューティングデバイスにわたって分散され得ることを更に理解されたい。言い換えれば、本明細書に説明される技術は、1つ以上のコンピューティングデバイスを含むコンピューティングシステムによって採用され得る。加えて、単一の処理デバイス1102、I/Oデバイス1104、及びメモリ1106のみが図11に例解的に示されているが、特定のコンピューティングデバイス1100は、他の実施形態において、複数の処理デバイス1102、I/Oデバイス1104、及び/又はメモリ1106を含み得ることを理解されたい。更に、いくつかの実施形態において、2つ以上の外部デバイス1110がコンピューティングデバイス1100と通信し得る。
【0199】
コンピューティングデバイス1100は、ネットワークによって接続された、又はネットワークを介して他のシステム/リソースに接続された複数のデバイスのうちの1つであり得る。ネットワークは、ネットワークを介して通信可能に接続された様々なデバイス間の通信を容易にすることができる通信ネットワークのうちの任意の1つ以上のタイプとして具現化され得る。したがって、ネットワークは、1つ以上のネットワーク、ルータ、スイッチ、アクセスポイント、ハブ、コンピュータ、クライアントデバイス、エンドポイント、及び/又は他の介在ネットワークデバイスを含み得る。例えば、ネットワークは、1つ以上のセルラーネットワーク、電話ネットワーク、ローカル若しくはワイドエリアネットワーク、公衆利用可能なグローバルネットワーク(例えば、インターネット)、アドホックネットワーク、近距離通信リンク、若しくはそれらの組み合わせとして具現化されるか、又は別様にそれらを含み得る。いくつかの実施形態において、ネットワークは、回路交換音声若しくはデータネットワーク、パケット交換音声若しくはデータネットワーク、及び/又は音声並びに/若しくはデータを搬送することができる任意の他のネットワークを含み得る。特に、いくつかの実施形態において、ネットワークは、インターネットプロトコル(Internet Protocol、IP)ベースのネットワーク及び/又は非同期転送モード(asynchronous transfer mode、ATM)ベースのネットワークを含み得る。いくつかの実施形態において、ネットワークは、音声トラフィック(例えば、ボイスオーバーIP(Voice over IP、VOIP)ネットワークを介して)、ウェブトラフィック、及び/又は他のネットワークトラフィックを、特定の実施形態並びに/若しくは互いに通信するシステムのデバイスに応じて取り扱い得る。様々な実施形態において、ネットワークは、アナログ又はデジタルの有線及び無線ネットワーク(例えば、IEEE802.11ネットワーク、公衆交換電話網(PSTN)、統合サービスデジタル網(Integrated Services Digital Network、ISDN)、並びにデジタル加入者回線(Digital Subscriber Line、xDSL))、第3世代(Third Generation、3G)移動体通信網、第4世代(Fourth Generation、4G)移動体通信網、第5世代(Fifth Generation、5G)移動体通信網、有線Ethernetネットワーク、プライベートネットワーク(例えば、イントラネットなど)、ラジオ、テレビ、ケーブル、衛星、及び/又はデータを搬送するための任意の他の配信若しくはトンネリング機構、又はそのようなネットワークの任意の適切な組み合わせを含み得る。様々なデバイス/システムは、送信元及び/又は宛先デバイス/システムに応じて、異なるネットワークを介して互いに通信し得ることを理解されたい。
【0200】
コンピューティングデバイス1100は、セキュアソケット層又はトランスポート層セキュリティなど、任意のタイプのゲートウェイ又はトンネリングプロトコルを介して、他のコンピューティングデバイス1100と通信し得ることを理解されたい。ネットワークインターフェースとしては、コンピューティングデバイスを、本明細書に説明される動作を実施することができる任意のタイプのネットワークにインターフェース接続するために好適な、ネットワークインターフェースカードなどの内蔵型ネットワークアダプタが挙げられ得る。更に、ネットワーク環境は、様々なネットワーク構成要素が仮想化される仮想ネットワーク環境であり得る。例えば、様々なマシンは、物理マシン上で実行されるソフトウェアベースのコンピュータとして実装された仮想マシンであり得る。仮想マシンは、同じオペレーティングシステムを共有し得るか、又は他の実施形態において、異なるオペレーティングシステムが、各仮想マシンインスタンス上で実行され得る。例えば、複数の仮想マシンが、同じホスト物理マシン上で実行され、各々が、独自の専用ボックスを有するかのように機能する「ハイパーバイザ」タイプの仮想化が使用される。他のタイプの仮想化が、他の実施形態、例えば、ネットワーク(例えば、ソフトウェア定義ネットワーキングを介して)又は機能(例えば、ネットワーク機能仮想化を介して)で、採用され得る。
【0201】
それにより、本明細書に説明されるコンピューティングデバイス1100のうちの1つ以上は、1つ以上のクラウドベースのシステムとして具現化されるか、又はその一部分を形成し得る。クラウドベースの実施形態において、クラウドベースのシステムは、例えば、複数の命令をオンデマンドで実行し、特定のアクティビティ/トリガによってプロンプトされたときにのみ命令を実行し、使用されないときにはコンピューティングリソースを消費しないサーバアンビギュアス(server-ambiguous)コンピューティングソリューションとして具現化され得る。すなわち、システムは、様々な仮想関数(例えば、ラムダ関数、Azure関数、Googleクラウド関数、及び/又は他の好適な仮想関数)が、本明細書に説明されるシステムの機能に対応して実行され得るコンピューティングシステム(例えば、デバイスの分散ネットワーク)「上に」存在する仮想コンピューティング環境として具現化され得る。例えば、イベントが発生する(例えば、データが処理のためにシステムに転送される)と、仮想コンピューティング環境が、(例えば、仮想コンピューティング環境のAPIへの要求を介して)通信され得、それにより、APIは、一連のルールに基づいて、正しい仮想機能(例えば、特定のサーバアンビギュアスコンピューティングリソース)に要求をルーティングし得る。したがって、データの伝送の要求が(例えば、システムへの適切なユーザインターフェースを介して)ユーザによってなされる場合、適切な仮想関数は、仮想関数のインスタンスを削除する前にアクションを実施するように実行され得る。
【0202】
ここで図12を参照すると、ロバスト推定システムは、338,084個の会話に対する待ち時間推定が7日の期間内に実施されるように、コンタクトセンター設定からの73個のキューからの観測を用いて試験された。実際の待ち時間をベースラインとして記録して、工業標準定式を使用して行われた推定値を、ロバスト推定システムを使用して行われた推定値と比較した。図12に描写される比較は、集計された時間平均比較である。ロバスト推定システムは、実際の平均待ち時間により良好に追従するが、工業標準定式は、ほとんどの時間において実際の平均待ち時間を過小推定することが分かった。
【0203】
ここで図13及び図14を参照すると、結果を5つのバケット(-75%以下、-25%~-75%、-25%~+25%、+25%~75%、及び75%以上)にバケット化する業界標準及びロバスト推定予測誤差の両方の分布棒グラフが示されている。図13及び図14に示すように、ロバスト推定システムは、-25%~+25%の精度の間に入る観測値の46%をはるかに中心とする精度分布を生成するが、業界標準推定の34%のみが同じ精度帯に入ることが観測される。更に、ロバスト推定システムの中央値パーセンテージ誤差は、-8%の業界標準と比較して-2%しか外れていない。
【0204】
ここで図15を参照すると、この図は、ボックスプロットにおける両方のアプローチの中心傾向の尺度を示しており、これは、ロバスト推定システムが、工業標準アプローチと比較して、待ち時間の推定においてより正確かつ精密であることを更に確認する。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15