(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
F25B 1/00 20060101AFI20241101BHJP
F25B 13/00 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
F25B1/00 331B
F25B13/00 331A
(21)【出願番号】P 2023574966
(86)(22)【出願日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 JP2022001911
(87)【国際公開番号】W WO2023139713
(87)【国際公開日】2023-07-27
【審査請求日】2024-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】水野 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】鳩村 傑
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 皓亮
(72)【発明者】
【氏名】西尾 淳
(72)【発明者】
【氏名】本村 祐治
(72)【発明者】
【氏名】鷲山 博紀
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/104893(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/054120(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/125219(WO,A1)
【文献】特開2009-198099(JP,A)
【文献】特開2003-75026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、第1切替弁、第1室外熱交換器及び第1室外膨張弁を備えた室外機と、
室内を冷房又は暖房する室内機と、
前記室外機から流出して前記室内機に流入する冷媒が流れる第1管と、
前記室内機から流出して前記室外機に流入する前記冷媒が流れる第2管と
を具備し、
前記室外機は、
前記室外機から前記第1管へ流出する前記冷媒の流れ方向及び前記第2管を経て前記室外機に流入した前記冷媒の流れ方向を定める整流回路と、
前記整流回路へ流れる前記冷媒から分流した前記冷媒で、前記圧縮機の吸入側へ流入する冷媒を冷却する冷媒間熱交換器と、
前記第1室外熱交換器と前記第1管とを接続する第1配管と、
前記第2管と前記第1切替弁とを接続する第2配管と、
前記第1配管の途中の2つの点のうち前記第1室外熱交換器に近い側から第1点と第2点、前記第2配管の途中の2つの点のうち前記第2管に近い側から第3点と第4点としたとき、
前記第1点と前記第3点とを接続する第3配管と、
前記第2点と前記第4点とを接続する第4配管と
を具備し、
前記整流回路は、
前記第2配管に設けられ、前記第2配管内の前記冷媒が前記第3点から前記第4点へ流れることを許容し、逆に流れることを防止する第1弁と、
前記第4配管に設けられ、前記第4配管内の前記冷媒が前記第4点から前記第2点へ流れることを許容し、逆に流れることを防止する第2弁と、
前記第3配管に設けられ、前記第3配管内の前記冷媒が前記第3点から前記第1点へ流れることを許容し、逆に流れることを防止する第3弁と、
前記第1配管に設けられ、前記第1配管内の前記冷媒が前記第1点から前記第2点へ流れることを許容し、逆に流れることを防止する第4弁と
を具備し、
前記室外機は、
前記第3配管に設けられ、前記第3配管内の前記冷媒が、前記第1点から前記第1点と前記第3弁との間の第6点へ流れることを許容し、逆に流れることを防止する第5弁と、
前記第1配管に設けられ、前記第1配管内の前記冷媒が、前記第1点と前記第4弁との間の第5点から前記第1点へ流れることを許容し、逆に流れることを防止することができる第6弁と、
前記第5点と前記第6点とを接続し、前記第6点から前記第5点へ前記冷媒が流れる第5配管と
を具備し、
前記冷媒間熱交換器は、
前記第3弁と前記第5弁との間、前記第4弁と前記第6弁との間、及び前記第6点と前記第5点との間のいずれかの箇所から分岐して前記第1切替弁と前記圧縮機の吸入側との間に接続する配管内を流れる前記冷媒と、前記第5配管内を流れる前記冷媒との間で熱交換する
空気調和装置。
【請求項2】
前記第6点と前記第5点との間から分岐された前記冷媒の圧力を減圧する第2室外膨張弁を具備する
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記第6弁は、暖房時に前記第5点から前記第1点に流れる前記冷媒の圧力を減圧し、冷房時に前記冷媒が流れないように閉じられる
請求項2に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記第6弁は、逆止弁であり、
前記第1室外膨張弁は、前記第1室外熱交換器と前記第1点との間の前記第1配管に設けられる
請求項2又は3に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記第1切替弁と並列に前記圧縮機に接続され、前記圧縮機から吐出された前記冷媒の流れて方向を切り替え、前記冷房と前記暖房とを切り替える第2切替弁と、
前記第2切替弁から出力された前記冷媒の熱交換が行われる第2室外熱交換器と、
前記第2室外熱交換器と前記第1点との間の前記第1配管に設けられた第3室外膨張弁と
を具備する
請求項4に記載の空気調和装置。
【請求項6】
複数の前記室内機を有し、
前記複数の前記室内機の前記冷房及び前記暖房を混在して同時に行なう制御装置と
を具備し、
前記制御装置は、
前記複数の前記室内機の全てが冷房を行う場合、
前記第1弁、前記第1切替弁、前記圧縮機、前記第1切替弁、前記第1室外熱交換器、前記第1室外膨張弁、前記第5弁、前記冷媒間熱交換器及び前記第4弁の順に、前記冷媒が流れる、第1主回路と、
前記第1主回路の前記冷媒間熱交換器と前記第4弁との間から分岐し、前記第2室外膨張弁及び前記冷媒間熱交換器の順に前記冷媒が流れ、前記第1主回路の前記第1切替弁と前記圧縮機の吸入側との間に合流する、第1バイパス流路と、
前記第1主回路の前記圧縮機と前記第1切替弁の間から分岐し、前記第2切替弁、前記第2室外熱交換器、前記第3室外膨張弁、の順に、前記冷媒が流れ、前記第1主回路の前記第1室外膨張弁と前記第5弁との間に合流する、第2バイパス流路と
が室外機内に形成され、
前記冷房を行う前記室内機と前記暖房を行う前記室内機とが混在し、かつ、前記複数の前記室内機の冷房負荷の方が前記複数の前記室内機の暖房負荷よりも大きい場合、
前記第1主回路が、前記室外機内に形成され、
前記冷房を行う前記室内機と前記暖房を行う前記室内機が混在し、かつ、前記複数の前記室内機の前記暖房の負荷の方が前記複数の前記室内機の前記冷房負荷よりも大きい場合、又は、前記複数の前記室内機の全てが前記暖房を行う場合、
前記第3弁、前記冷媒間熱交換器、前記第6弁、前記第1室外膨張弁、前記第1室外熱交換器、前記第1切替弁、前記圧縮機、前記第1切替弁、前記第2弁、の順に、前記冷媒が流れる、第2主回路と、
前記第2主回路の前記冷媒間熱交換器と前記第1室外膨張弁の間から分岐し、前記第2室外膨張弁、前記冷媒間熱交換器の順に、前記冷媒が流れ、前記第2主回路の前記第1切替弁と前記圧縮機の吸入側との間に合流する、第3バイパス流路と、
前記第2主回路の前記第6弁と前記冷媒間熱交換器との間から分岐し、前記第2室外膨張弁、前記冷媒間熱交換器の順に、前記冷媒が流れ、前記第2主回路の前記第1切替弁と前記圧縮機の吸入側との間に合流する、第4バイパス流路と
が前記室外機内に形成されるように運転を制御する
請求項5に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、室外機が冷媒間熱交換器を有する2菅式の空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷媒間熱交換器を有し、室外機と中継機とが2本の連絡配管で接続された空気調和装置がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された空気調和装置では、室外機内にある4個の逆止弁によって、室外機と中継機を繋ぐ往管と復管とを、全運転モードで統一し、2管式での冷暖同時運転が可能である。また、特許文献1に記載された空気調和装置では、冷房運転にて、冷媒間熱交換器である過冷却熱交換器内の高圧冷媒と低圧冷媒が対向流となる。また、暖房運転にて、過冷却熱交換器内の高圧冷媒と低圧冷媒とが並行流となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2012/101672号(
図10参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2菅式の空気調和装置において、「冷房と暖房との両運転で冷媒間熱交換器の対向流化」を成立させるためには、例えば、特開2003-075026号公報に示すように、4個の弁を必要とする。
【0005】
従って、従来技術の組み合わせにて「冷房と暖房との両運転で冷媒間熱交換器の対向流化」と「2管式の空気調和装置」とを両立するには、それぞれ4個ずつの弁、つまり合計8個の弁が必要となる。しかし、これら2つを両立するために、8個の弁を搭載すると室外機筐体が大型化するという問題があった。
【0006】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、室外機筐体の大型化を抑制することができ、冷房と暖房との両運転で、冷媒間の対向流化が可能である冷媒間熱交換器を有する室外機を備えた2菅式の空気調和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る空気調和装置は、圧縮機、第1切替弁、第1室外熱交換器及び第1室外膨張弁を備えた室外機と、室内を冷房又は暖房する室内機と、前記室外機から流出して前記室内機に流入する冷媒が流れる第1管と、前記室内機から流出して前記室外機に流入する前記冷媒が流れる第2管とを具備し、前記室外機は、前記室外機から前記第1管へ流出する前記冷媒の流れ方向及び前記第2管を経て前記室外機に流入した前記冷媒の流れ方向を定める整流回路と、前記整流回路へ流れる前記冷媒から分流した前記冷媒で、前記圧縮機の吸入側へ流入する冷媒を冷却する冷媒間熱交換器と、前記第1室外熱交換器と前記第1管とを接続する第1配管と、前記第2管と前記第1切替弁とを接続する第2配管と、前記第1配管の途中の2つの点のうち前記第1室外熱交換器に近い側から第1点と第2点、前記第2配管の途中の2つの点のうち前記第2管に近い側から第3点と第4点としたとき、前記第1点と前記第3点とを接続する第3配管と、前記第2点と前記第4点とを接続する第4配管とを具備し、前記整流回路は、前記第2配管に設けられ、前記第2配管内の前記冷媒が前記第3点から前記第4点へ流れることを許容し、逆に流れることを防止する第1弁と、前記第4配管に設けられ、前記第4配管内の前記冷媒が前記第4点から前記第2点へ流れることを許容し、逆に流れることを防止する第2弁と、前記第3配管に設けられ、前記第3配管内の前記冷媒が前記第3点から前記第1点へ流れることを許容し、逆に流れることを防止する第3弁と、前記第1配管に設けられ、前記第1配管内の前記冷媒が前記第1点から前記第2点へ流れることを許容し、逆に流れることを防止する第4弁とを具備し、前記室外機は、前記第3配管に設けられ、前記第3配管内の前記冷媒が、前記第1点から前記第1点と前記第3弁との間の第6点へ流れることを許容し、逆に流れることを防止する第5弁と、前記第1配管に設けられ、前記第1配管内の前記冷媒が、前記第1点と前記第4弁との間の第5点から前記第1点へ流れることを許容し、逆に流れることを防止することができる第6弁と、前記第5点と前記第6点とを接続し、前記第6点から前記第5点へ前記冷媒が流れる第5配管とを具備し、前記冷媒間熱交換器は、前記第3弁と前記第5弁との間、前記第4弁と前記第6弁との間、及び前記第6点と前記第5点との間のいずれかの箇所から分岐して前記第1切替弁と前記圧縮機の吸入側との間に接続する配管内を流れる前記冷媒と、前記第5配管内を流れる前記冷媒との間で熱交換する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の空気調和装置は、冷媒間熱交換器は、第3弁と第5弁との間、第4弁と第6弁との間、及び第6点と第5点との間のいずれかの箇所から分岐して第1切替弁と圧縮機の吸入側との間に接続する配管内を流れる冷媒と、第5管を流れる冷媒との間で熱交換する。本開示の空気調和装置によれば、第1弁、第2弁、第3弁、第4弁、第5弁及び第6弁の6つの弁で媒体間熱交換器において冷媒の対向流化を図ることができるので、室外機筐体の大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1に係る空気調和装置の冷媒回路図である。
【
図2】実施形態1に係る空気調和装置における運転状態Aの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【
図3】実施形態1に係る空気調和装置における運転状態Bの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【
図4】実施形態1に係る空気調和装置における運転状態Cの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【
図5】実施形態1に係る空気調和装置における運転状態Dの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【
図6】実施形態1の変形例1に係る空気調和装置の冷媒回路図及び水回路図である。
【
図7】実施形態1の変形例1に係る空気調和装置における運転状態Aの冷媒回路図及び水回路図である。
【
図8】実施形態1の変形例1に係る空気調和装置における運転状態Bの冷媒回路図及び水回路図である。
【
図9】実施形態1の変形例1に係る空気調和装置における運転状態Cの冷媒回路図及び水回路図である。
【
図10】実施形態1の変形例1に係る空気調和装置における運転状態Dの冷媒回路図及び水回路図である。
【
図11】実施形態2に係る空気調和装置の冷媒回路図である。
【
図12】実施形態2に係る空気調和装置における運転状態Aの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【
図13】実施形態2に係る空気調和装置における運転状態Bの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【
図14】実施形態2に係る空気調和装置における運転状態Cの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【
図15】実施形態2に係る空気調和装置における運転状態Dの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
【
図16】実施形態2の変形例1に係る空気調和装置の冷媒回路図及び水回路図である。
【
図17】実施形態2の変形例1に係る空気調和装置における運転状態Aの冷媒回路図及び水回路図である。
【
図18】実施形態2の変形例1に係る空気調和装置における運転状態Bの冷媒回路図及び水回路図である。
【
図19】実施形態2の変形例1に係る空気調和装置における運転状態Cの冷媒回路図及び水回路図である。
【
図20】実施形態2の変形例1に係る空気調和装置における運転状態Dの冷媒回路図及び水回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態に係る空気調和装置について説明する。なお、図面において、同一の構成要素には同一符号を付して説明し、重複説明は必要な場合にのみ行なう。本開示は、以下の各実施形態で説明する構成のうち、組合せ可能な構成のあらゆる組合せを含み得る。明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。特に構成要素の組み合わせは、各実施形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施形態に記載した構成要素を別の実施形態に適用することができる。
【0011】
実施形態1.
<空気調和装置100の構成>
図1は、実施形態1に係る空気調和装置100の冷媒回路図である。
図1に示すように、空気調和装置100は、室外機101、中継機102、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cを有する。室外機101と中継機102とは、往管t10と復管t11との2本の配管で接続される。
【0012】
往管t10には、室外機101から流出して中継機102に流入する冷媒が流出する。中継機102に流入した冷媒は、中継機102から流出し、運転状態に応じて、第1室内機101a、第2室内機103b及び第3室内機103cを流れる。復管t11には、第1室内機101a、第2室内機103b及び第3室内機103cから流出して中継機102を介して室外機101に流入する冷媒が流れる。
【0013】
中継機102と第1室内機103aとは、2本の配管t12a及び配管t13aで接続される。中継機102と第2室内機103bとは、2本の配管t12b及び配管t13bで接続される。中継機102と第3室内機103cとは、2本の配管t12c及び配管t13cで接続される。
【0014】
<室外機101>
室外機101は、圧縮機1、第1室外四方弁2a、第1室外熱交換器3a、過冷却熱交換器4、第1室外膨張弁5a、第2室外膨張弁5b、第1逆止弁6a、第2逆止弁6b、第3逆止弁6c、第4逆止弁6d及び第5逆止弁6eを具備する。
【0015】
ここで、「逆止弁」は弁の前後の圧力差によって閉まる弁を有し、圧力が高い側から低い側にしか流れないようにされた弁である。
【0016】
圧縮機1は、冷媒を圧縮して吐出する。第1室外四方弁2aは、圧縮機1から吐出された冷媒の流れ方向を切り替えて出力し、冷房と暖房とを切り替える。第1室外熱交換器3aは、第1室外四方弁2aから出力された冷媒と外気との熱交換を行なう。
【0017】
なお、第1室外四方弁2aは、冷媒の流れ方向を切り替える冷媒流路切替装置の一例である。冷媒流路切替装置は、二方弁又は三方弁の組み合わせで構成されていてもよい。また、空気調和装置100が冷房専用又は暖房専用であって冷媒の流れ方向を切り替える必要が無い場合には、冷媒流路切替装置を設けなくてよい。
【0018】
第1逆止弁6a、第2逆止弁6b、第3逆止弁6c及び第4逆止弁6dは、整流回路rを構成する。整流回路rは、室外機101から往管t10へ流出する冷媒の流れの方向及び復管t11を経て室外機101に流入した冷媒の流れ方向を定める。
【0019】
室外機101は、第1配管t1、第2配管t2、第3配管t3、第4配管t4及び第5配管t5を有する。
【0020】
第1配管t1は、第1室外熱交換器3aと往管t10とを接続する。第2配管t2は、復管t11と第1室外四方弁2aとを接続する。第1配管t1途中の2つの点のうち第1室外熱交換器3aに近い側から第1点p1と第2点p2、第2配管t2途中の2つの点のうち復管t11に近い側から第3点p3と第4点p4とする。第3配管t3は、第1点p1と第3点p3とを接続する。第4配管t4は、第2点p2と第4点p4とを接続する。第1配管t1途中の第4逆止弁6dと第6弁である第1室外膨張弁5aとの間の点を第5点p5、第3配管t3途中の第3逆止弁6cと第5逆止弁6eとの間の点を第6点p6とする。第5配管t5は、第5点p5と第6点p6とを接続し、第6点p6から第5点p5へ冷媒が流れる。第6配管t6は、第5配管t5から分岐して第1室外四方弁2aと圧縮機1の吸入側との間に接続する。
【0021】
第6配管t6は、第3逆止弁6cと第5逆止弁6eとの間の第3配管t3から分岐して第1室外四方弁2aと圧縮機1の吸入側との間に導いても良い。また、第6配管t6は、第4逆止弁6dと第1室外膨張弁5aとの間の第1配管t1又は第3配管t3から分岐して第1室外四方弁2aと圧縮機1の吸入側との間に導いても良い。
【0022】
過冷却熱交換器4は、整流回路rへ流れる冷媒から分流した冷媒で圧縮機1の吸入側へ流入する冷媒を冷却する。過冷却熱交換器4は、第6点p6と第5点p5との間から分岐して第1室外四方弁2aと圧縮機1の吸入側との間に接続する第6配管t6内を流れる冷媒と、第5配管t5内を第6点p6から第5点p5へ流れる冷媒との間で熱交換する。また、過冷却熱交換器4は、第3逆止弁6cと第5逆止弁6eとの間から分岐して第1室外四方弁2aと圧縮機1の吸入側との間に接続する配管(図示せず)内を流れる冷媒と、第5配管t5内を第6点p6から第5点p5へ流れる冷媒との間で熱交換しても良い。過冷却熱交換器4は、第4逆止弁6dと第1室外膨張弁5aとの間から分岐して第1室外四方弁2aと圧縮機1の吸入側との間に接続する配管(図示せず)内を流れる冷媒と、第5配管t5内を第6点p6から第5点p5へ流れる冷媒との間で熱交換しても良い。
【0023】
実施形態1では、整流回路rに第5逆止弁6eを加え、第1室外膨張弁5aを利用することにより、冷房及び暖房において、過冷却熱交換器4に流れる冷媒の対向流化を行なうものである。
【0024】
整流回路rの第1逆止弁6aは、第2配管t2に設けられ、第2配管t2内の冷媒が第3点p3から第4点p4へ流れることを許容し、逆に流れることを防止する。第2逆止弁6bは、第4配管t4に設けられ、第4配管t4内の冷媒が第4点p4から第2点p2へ流れることを許容し、逆に流れることを防止する。第3逆止弁6cは、第3配管t3に設けられ、第3配管t3内の冷媒が第3点p3から第1点p1へ流れることを許容し、逆に流れることを防止する。第4逆止弁6dは、第1配管t1に設けられ、第1配管t1内の冷媒が第1点p1から第2点p2へ流れることを許容し、逆に流れることを防止する。
【0025】
第5逆止弁6eは、第3配管t3に設けられ、第3配管t3内の冷媒が、第1点p1から第1点p1と第3逆止弁6cとの間の第6点p6へ流れることを許容し、逆に流れることを防止する。
【0026】
第1室外膨張弁5aは、第1配管t1を流れる冷媒の圧力を調整する。第1室外膨張弁5aは、第1配管t1に設けられ、第1配管t1内の冷媒が、第1点p1と第4逆止弁6dとの間の第5点p5から第1点p1へ流れることを許容し、逆に流れることを防止することができる。点p5から第1点p1へ流れることを許容し、逆に流れることを防止することができる。本実施の形態の第1室外膨張弁5aは、特定の運転状態(後述する運転状態B)のときに第1室外膨張弁5aの前後の圧力差により、第1点p1と第4逆止弁6dとの間の第5点p5から第1点p1へ流れることを許容し、逆に流れることを防止するものである。
【0027】
第1室外膨張弁5aは、暖房運転時に第5点p5から第1点p1に流れる冷媒の圧力を減圧し、冷房運転時に冷媒が流れないように閉じられる。
【0028】
第2室外膨張弁5bは、第6配管t6に設けられ、第6配管t6内の冷媒が、第6点p6と第5点p5との間から第7点p7へ流れることを許容し、逆に流れることを防止することができる。第2室外膨張弁5bは、第6配管t6を流れる冷媒の圧力を調整する。
【0029】
<中継機102>
中継機102は、第1開閉弁7a、第2開閉弁7b、第1三方弁8a、第2三方弁8b及び第3三方弁8cを備える。第1開閉弁7a、第2開閉弁7b、第1三方弁8a、第2三方弁8b及び第3三方弁8cは、運転状態に応じて、往管t10を流れる冷媒が第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cに流入するまでの流路を決定する。また、第1開閉弁7a、第2開閉弁7b、第1三方弁8a、第2三方弁8b及び第3三方弁8cは、運転状態に応じて、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cから流出する冷媒が復管t11へ流入するまでの流路を決定する。
【0030】
第1三方弁8aは、第1室内熱交換器9aに接続された第1ポートと、往管t10及び第1開閉弁7aに接続された第2ポートと、復管t11及び第2開閉弁7bに接続された第3ポートとを有する。第2三方弁8bは、第2室内熱交換器9bに接続された第1ポートと、往管t10及び第1開閉弁7aに接続された第2ポートと、復管t11及び第2開閉弁7bに接続された第3ポートとを有する。第3三方弁8cは、第3室内熱交換器9cに接続された第1ポートと、往管t10及び第1開閉弁7aに接続された第2ポートと、復管t11及び第2開閉弁7bに接続された第3ポートとを有する。
【0031】
往管t10は、第1開閉弁7a、第1三方弁8a、第2三方弁8b及び第3三方弁8cに接続する配管に接続する。復管t11は、第2開閉弁7b、第1三方弁8a、第2三方弁8b及び第3三方弁8cに接続する配管に接続する。
【0032】
<室内機>
第1室内機103aは、第1室内熱交換器9a及び第1室内熱交換器9aに接続された第1室内膨張弁10aを有する。第2室内機103bは、第2室内熱交換器9b及び第2室内熱交換器9bに接続された第2室内膨張弁10bを有する。第3室内機103cは、第3室内熱交換器9c及び第3室内熱交換器9cに接続された第3室内膨張弁10cを有する。
【0033】
第1室内熱交換器9aは、配管t13aにより第1三方弁8aの第1ポートに接続される。第1室内膨張弁10aは、配管t12aにより中継機102の第1開閉弁7a及び第2開閉弁7bに接続される。第2室内熱交換器9bは、配管t13bにより第2三方弁8bの第1ポートに接続される。第2室内膨張弁10bは、配管t12a及び配管t12bにより中継機102の第1開閉弁7a及び第2開閉弁7bに接続される。第3室内熱交換器9cは、配管t13cにより第3三方弁8cの第1ポートに接続される。第3室内膨張弁10cは、配管t12a及び配管t12cにより中継機102の第1開閉弁7a及び第2開閉弁7bに接続される。
【0034】
<制御装置200>
制御装置200は、空気調和装置100の運転状態に応じて、室外機101の圧縮機1、第1室外四方弁2a、第1室外膨張弁5a、第2室外膨張弁5b、第1逆止弁6a、第2逆止弁6b、第3逆止弁6c、第4逆止弁6d及び第5逆止弁6eを制御する。
【0035】
制御装置200は、空気調和装置100の運転状態に応じて、中継機102の第1開閉弁7a、第2開閉弁7b、第1三方弁8a、第2三方弁8b及び第3三方弁8cを制御する。
【0036】
制御装置200は、空気調和装置100の運転状態に応じて、第1室内機103aの第1室内膨張弁10a、第2室内機103bの第2室内膨張弁10b及び第3室内機103cの第3室内膨張弁10cを制御する。
【0037】
運転状態のうち、「運転状態A」は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの全てが冷房運転を行なっている場合の運転状態である。「運転状態B」は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの一部が冷房運転を行ない、他の一部又は全部が暖房運転を行う。かつ、「運転状態B」は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの冷房負荷の方が第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの暖房負荷よりも大きい運転状態である。「運転状態C」は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの一部が冷房運転を行い、他の一部又は全部が暖房運転を行う。かつ、「運転状態C」は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの暖房運転の負荷の方が第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの冷房負荷よりも大きい場合の運転状態である。「運転状態D」は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの全てが暖房運転を行う場合の運転状態である。
【0038】
制御装置200は、「運転状態A」の場合、第1室外四方弁2aを冷房側に切替え、第1室外膨張弁5aを閉、第2室外膨張弁5bを開、第1開閉弁7aを開及び第2開閉弁7bを閉にする。制御装置200は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの運転状態が冷房運転の場合、第1三方弁8a、第2三方弁8b及び第3三方弁8cの第1ポートを開、第2ポートを閉及び第3ポートを開にする。
【0039】
制御装置200は、「運転状態B」の場合、第1室外四方弁2aを冷房側に切替え、第1室外膨張弁5aを開、第2室外膨張弁5bを閉、第1開閉弁7aを閉及び第2開閉弁7bを閉にする。制御装置200は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの状態が運転状態Bの場合、暖房運転を行なっている第1室内機103aの第1三方弁8aの第1ポートを開、第2ポートを開及び第3ポートを開にする。冷房運転を行なっている第2室内機103bの第2三方弁8bの第1ポートを開、第2ポートを閉及び第3ポートを開にする。冷房運転を行なっている第3室内機103cの第3三方弁8cの第1ポートを開、第2ポートを閉及び第3ポートを開にする。
【0040】
制御装置200は、「運転状態C」の場合、第1室外四方弁2aを暖房側に切替え、第1室外膨張弁5aを開、第2室外膨張弁5bを開、第1開閉弁7aを閉及び第2開閉弁7bを開にする。制御装置200は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの状態が運転状態Cの場合、暖房運転を行なっている第1室内機103aの第1三方弁8aの第1ポートを開、第2ポートを開及び第3ポートを開にする。暖房運転を行なっている第2室内機103bの第2三方弁8bの第1ポートを開、第2ポートを開及び第3ポートを開にする。冷房運転を行なっている第3室内機103cの第3三方弁8cの第1ポートを開、第2ポートを閉及び第3ポートを開にする。
【0041】
制御装置200は、「運転状態D」の場合、第1室外四方弁2aを暖房側に切替え、第1室外膨張弁5aを開、第2室外膨張弁5bを開、第1開閉弁7aを閉及び第2開閉弁7bを閉にする。制御装置200は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの運転状態が暖房運転の場合、第1三方弁8a、第2三方弁8b及び第3三方弁8cの第1ポートを開、第2ポートを開及び第3ポートを閉にする。
【0042】
制御装置200の処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。処理回路が実現する各機能部のそれぞれを、個別のハードウェアで実現してもよいし、各機能部が一つのハードウェアで実現されてもよい。制御装置200の処理回路がCPUの場合、処理回路が実行する各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、記憶部に格納される。CPUは、記憶部に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、処理回路の各機能を実現する。なお、処理回路の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。
【0043】
<空気調和装置100の動作>
実施形態1の空気調和装置100の動作について説明する。
図2は、実施形態1に係る空気調和装置100における運転状態Aの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
図3は、実施形態1に係る空気調和装置100における運転状態Bの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
図4は、実施形態1に係る空気調和装置100における運転状態Cの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
図5は、実施形態1に係る空気調和装置100における運転状態Dの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
図2、
図3、
図4及び
図5において、矢印は冷媒の流れの方向を示す。
【0044】
(運転状態A:全冷房運転)
図2は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの全てが冷房運転を行なっている状態を示す。
【0045】
運転状態Aでは、主回路と三つのバイパス回路が形成される。
図2に示すように、主回路では、圧縮機1、第1室外四方弁2a、第1室外熱交換器3a、第5逆止弁6e、過冷却熱交換器4、第4逆止弁6d、第1開閉弁7a、第1室内膨張弁10a、第1室内熱交換器9a、第1三方弁8a、第1逆止弁6a、第1室外四方弁2a、再び圧縮機1の順に冷媒が流れる。
【0046】
一つ目のバイパス回路は、主回路の過冷却熱交換器4と第4逆止弁6dの間から分岐した冷媒が、第1室外四方弁2aと圧縮機1の吸入側との間までの配管t6である。配管t6を流れる冷媒は、第2室外膨張弁5b、過冷却熱交換器4、の順に冷媒が流れ、主回路の第1室外四方弁2aと圧縮機1の吸入側との間に合流する。二つ目のバイパス回路は、主回路の第1開閉弁7aと第1室内膨張弁10aとの間から分岐した冷媒が、第2室内膨張弁10b、第2室内熱交換器9b、第2三方弁8bの順に流れ、主回路の第1三方弁8aと第1逆止弁6aとの間に合流する。三つ目のバイパス回路は、主回路の第1開閉弁7aと第1室内膨張弁10aとの間から分岐した冷媒が、第3室内膨張弁10c、第3室内熱交換器9c、第3三方弁8cの順に流れ、主回路の第1三方弁8aと第1逆止弁6aとの間に合流する。
【0047】
(運転状態B:冷暖房混在運転、冷房負荷>暖房負荷)
図3は、第1室内機103aが暖房運転、第2室内機103b及び第3室内機103cが冷房運転を行なっている状態を示す。
【0048】
運転状態Bでは、主回路と二つのバイパス回路が形成される。
図3に示すように、主回路では、圧縮機1、第1室外四方弁2a、第1室外熱交換器3a、第5逆止弁6e、過冷却熱交換器4、第4逆止弁6d、第1三方弁8a、第1室内熱交換器9a、第1室内膨張弁10a、第2室内膨張弁10b、第2室内熱交換器9b、第2三方弁8b、第1逆止弁6a、第1室外四方弁2a、再び圧縮機1の順に冷媒が流れる。
【0049】
一つ目のバイパス回路は、主回路の第1室外熱交換器3aと第5逆止弁6eとの間から分岐した冷媒が、第1室外膨張弁5aに流れ、主回路の過冷却熱交換器4と第4逆止弁6dとの間に合流する。二つ目のバイパス回路は、主回路の第1室内膨張弁10aと第2室内膨張弁10bとの間から分岐した冷媒が、第3室内膨張弁10c、第3室内熱交換器9c、配管t13c、第3三方弁8cの順に冷媒が流れ、主回路の第2三方弁8bからの冷媒に合流する。
【0050】
(運転状態C:冷暖房混在運転、暖房負荷>冷房負荷)
図4は、第1室内機103a及び第2室内機103bが暖房運転、第3室内機103cが冷房運転を行なっている状態を示す。
【0051】
運転状態Cでは、
図4に示すように、主回路と二つのバイパス回路が形成される。主回路では、圧縮機1、第1室外四方弁2a、第2逆止弁6b、第1三方弁8a、第1室内熱交換器9a、第1室内膨張弁10a、第3室内膨張弁10c、第3室内熱交換器9c、第3三方弁8c、第3逆止弁6c、過冷却熱交換器4、第1室外膨張弁5a、第1室外熱交換器3a、第1室外四方弁2a、再び圧縮機1、の順に冷媒が流れる。
【0052】
一つ目のバイパス回路は、主回路の第2逆止弁6bと第1三方弁8aとの間から分岐した冷媒が、第2三方弁8b、第2室内熱交換器9b、第2室内膨張弁10bの順に流れ、主回路の第1室内膨張弁10aと第3室内膨張弁10cの間に合流する。二つ目のバイパス回路は、主回路の過冷却熱交換器4と第1室外膨張弁5aとの間から分岐した冷媒が、第2室外膨張弁5bに流れ、主回路の第1室外四方弁2aと圧縮機1との間に合流する。
【0053】
(運転状態D:全暖房運転)
図5は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの全てが暖房運転を行なっている状態を示す。
【0054】
運転状態Dでは、主回路と三つのバイパス回路が形成される。
図5に示すように、主回路では、圧縮機1、第1室外四方弁2a、第2逆止弁6b、第1三方弁8a、第1室内熱交換器9a、第1室内膨張弁10a、第2開閉弁7b、第3逆止弁6c、過冷却熱交換器4、第1室外膨張弁5a、第1室外熱交換器3a、第1室外四方弁2a、再び圧縮機1、の順に冷媒が流れる。
【0055】
一つ目のバイパス回路は、主回路の第2逆止弁6bと第1三方弁8aとの間から分岐した冷媒が、第2三方弁8b、第2室内熱交換器9b、第2室内膨張弁10bの順に流れ、主回路の第1室内膨張弁10aと第2開閉弁7bとの間に合流する。二つ目のバイパス回路は、主回路の第2逆止弁6bと第1三方弁8aとの間から分岐した冷媒が、第3三方弁8c、第3室内熱交換器9c、第3室内膨張弁10cの順に流れ、主回路の第1室内膨張弁10aと第2開閉弁7bとの間に合流する。三つ目のバイパス回路は、主回路の過冷却熱交換器4と第1室外膨張弁5aとの間から分岐した冷媒が、第2室外膨張弁5b、過冷却熱交換器4に流れ、主回路の第1室外四方弁2aと圧縮機1との間に合流する。
【0056】
<変形例1>
実施形態1の変形例1では、冷媒と水の2種の熱媒体が、混流せず独立して回路を形成し、第1冷媒-水熱交換器12a及び第2冷媒-水熱交換器12bを通じて熱交換のみを行う。第1冷媒-水熱交換器12a及び第2冷媒-水熱交換器12bは、例えばプレート熱交換器及びシェルアンドチューブ熱交換器等を用いる。
【0057】
図6は、実施形態1の変形例1に係る空気調和装置100の冷媒回路図及び水回路図である。なお、
図1と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。変形例1では、実施形態1の空気調和装置100における中継機102、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの構成が異なる。
【0058】
中継機102は、第1開閉弁7a、第2開閉弁7b、第1冷媒-水熱交換器12a、第2冷媒-水熱交換器12b、第1中継四方弁13a、第2中継四方弁13b、第1ポンプ14a、第2ポンプ14b、第1混流三方弁15a、第2混流三方弁15b、第3混流三方弁15c、第1分流三方弁16a、第2分流三方弁16b及び第3分流三方弁16cを備える。
【0059】
第1開閉弁7aは、往管t10に接続される。第1開閉弁7aは、第2開閉弁7b、第1中継膨張弁11a及び第2中継膨張弁11bに接続される。第2開閉弁7bは、復管t11に接続される。第2開閉弁7bは、第1開閉弁7a、第1中継膨張弁11a及び第2中継膨張弁11bに接続される。
【0060】
第1中継膨張弁11aは、第1開閉弁7a、第2開閉弁7b及び第2中継膨張弁11bとに接続される。第1中継膨張弁11aは、第1冷媒-水熱交換器12aを流れる冷媒の圧力を調整する。
【0061】
第2中継膨張弁11bは、第1開閉弁7a、第2開閉弁7b及び第1中継膨張弁11aとに接続される。第2中継膨張弁11bは、第2冷媒-水熱交換器12bを流れる冷媒の圧力を調整する。
【0062】
第1冷媒-水熱交換器12aは、第1中継膨張弁11aと第1中継四方弁13aとに接続され、室外機101の往管t10から流出する冷媒と、熱媒体である水との熱交換を行なう。第1冷媒-水熱交換器12bは、第2中継膨張弁11bと第2中継四方弁13bとに接続され、室外機101の往管t10から流出する冷媒と、熱媒体である水との熱交換を行なう。
【0063】
第1中継四方弁13aは、往管t10、第1冷媒-水熱交換器12a及び復管t11に接続され、往管t10から流出する冷媒の流れを切替える。第2中継四方弁13bは、往管t10、第2冷媒-水熱交換器12b及び復管t11に接続され、往管t10から流出する冷媒の流れを切替える。
【0064】
第1ポンプ14aの吐出部は第1冷媒-水熱交換器12aに接続される。第1ポンプ14aは、第1冷媒-水熱交換器12aを流れる熱媒体に圧力を加える。第2ポンプ14bの吐出部は第2冷媒-水熱交換器12bに接続される。第2ポンプ14bは、第2冷媒-水熱交換器12bを流れる熱媒体に圧力を加える。
【0065】
第1混流三方弁15aは、第1冷媒-水熱交換器12aと、第2冷媒-水熱交換器12bと、第1室内熱交換器9aとの間に接続される。第2混流三方弁15bは、第1冷媒-水熱交換器12aと、第2冷媒-水熱交換器12bと、第2室内熱交換器9bとの間に接続される。第3混流三方弁15cは、第1冷媒-水熱交換器12aと、第2冷媒-水熱交換器12bと、第3室内熱交換器9cとの間に接続される。
【0066】
第1分流三方弁16aは、第2ポンプ14bと、第1室内熱交換器9aと、第1ポンプ14aとの間に接続される。第2分流三方弁16bは、第2ポンプ14bと、第2室内熱交換器9bと、第1ポンプ14aとの間に接続される。第3分流三方弁16cは、第2ポンプ14bと、第3室内熱交換器9cと、第1ポンプ14aとの間に接続される。
【0067】
第1混流三方弁15a、第2混流三方弁15b及び第3混流三方弁15cは互いに接続されている。第1分流三方弁16a、第2分流三方弁16b及び第3分流三方弁16cは互いに接続されている。
【0068】
第1混流三方弁15a、第2混流三方弁15b、第3混流三方弁15c、第1分流三方弁16a、第2分流三方弁16b及び第3分流三方弁16cは、空気調和装置100の運転状態により切替えられる。
【0069】
<室内機>
第1室内機103aは、第1混流三方弁15a及び第1分流三方弁16aに接続された第1室内熱交換器9aを備える。第2室内機103bは、第2混流三方弁15b及び第2分流三方弁16bに接続された第2室内熱交換器9bを備える。第3室内機103cは、第3混流三方弁15c及び第3分流三方弁16cに接続された第3室内熱交換器9cを備える。
【0070】
<制御装置200>
制御装置200は、「運転状態A」の場合、第1開閉弁7aを「開」にし、第2開閉弁7bを「閉」にする。制御装置200は、「運転状態B」の場合、第1開閉弁7aを「閉」にし、第2開閉弁7bを「閉」にする。制御装置200は、「運転状態C」の場合、第1開閉弁7aを「閉」にし、第2開閉弁7bを「閉」にする。制御装置200は、「運転状態D」の場合、第1開閉弁7aを「閉」にし、第2開閉弁7bを「開」にする。
【0071】
制御装置200は、「運転状態A」の場合、第1冷媒-水熱交換器12aから流出した冷媒が第1逆止弁6aに流れ、往管t10からの冷媒が流入しないように第1中継四方弁13aを切替える。制御装置200は、「運転状態A」の場合、第2冷媒-水熱交換器12aから流出した冷媒が第1逆止弁6aに流れ、往管t10からの冷媒が流入しないように第2中継四方弁13bを切替える。
【0072】
制御装置200は、「運転状態B」及び「運転状態C」の場合、往管t10からの冷媒が第1冷媒-水熱交換器12aに流入し、第2冷媒-水熱交換器12bから流出した冷媒が流入しないように第1中継四方弁13aを切替える。制御装置200は、「運転状態B」の場合、第2室内膨張弁10bから流出した冷媒が第1逆止弁6aに流れ、往管t10からの冷媒が流入しないように第2中継四方弁13bを切替える。
【0073】
制御装置200は、「運転状態D」の場合、往管t10からの冷媒が第1冷媒-水熱交換器12aに流れ、復管t11からの冷媒が流入しないように第1中継四方弁13aを切替える。制御装置200は、「運転状態D」の場合、往管t10からの冷媒が第2冷媒-水熱交換器12bに流れ、復管t11からの冷媒が流入しないように第2中継四方弁13bを切替える。
【0074】
<変形例1に係る空気調和装置100の動作>
実施形態1の変形例1に係る空気調和装置100の水の流れを説明する。第1冷媒-水熱交換器12a及び第2冷媒-水熱交換器12bで生成された冷水又は温水は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cへそれぞれ分配され、再び第1ポンプ14a及び第2ポンプ14bに吸入される。冷水又は温水の第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cへの分配は、第1混流三方弁15a、第2混流三方弁15b、第3混流三方弁15c、第1分流三方弁16a、第2分流三方弁16b及び第3分流三方弁16cの開閉により行われる。
【0075】
実施形態1の変形例1に係る空気調和装置100の運転状態Aの冷媒の流れを説明する。
図7は、実施形態1の変形例1に係る空気調和装置100における運転状態Aの冷媒回路図及び水回路図である。なお、室外機101における冷媒の流れについては、
図2と同じである。
【0076】
運転状態Aでは、主回路と一つのバイパス回路が形成される。主回路では、圧縮機1、第1室外四方弁2a、第1室外熱交換器3a、第5逆止弁6e、過冷却熱交換器4、第4逆止弁6d、第1開閉弁7a、第1中継膨張弁11a、第1冷媒-水熱交換器12a、第1中継四方弁13a、第1逆止弁6a、第1室外四方弁2a、再び圧縮機1、の順に冷媒が流れる。また、主回路では、第1開閉弁7aと第1中継膨張弁11aとの間から分岐した冷媒が、第2中継膨張弁11b、第2冷媒-水熱交換器12b、第2中継四方弁13bの順に流れ、第1中継四方弁13aから流出した冷媒と合流する。
【0077】
バイパス回路は、主回路の過冷却熱交換器4と第4逆止弁6dとの間から分岐した冷媒が、第2室外膨張弁5b、過冷却熱交換器4、の順に流れ、主回路の第1室外四方弁2aと圧縮機1吸入側との間に合流する。
【0078】
実施形態1の変形例1に係る空気調和装置100の運転状態Bの冷媒の流れを説明する。
図8は、実施形態1の変形例1に係る空気調和装置100における運転状態Bの冷媒回路図及び水回路図である。なお、室外機101における冷媒の流れについては、
図3と同じである。
【0079】
運転状態Bでは、主回路と一つのバイパス回路が形成される。主回路では、圧縮機1、第1室外四方弁2a、第1室外熱交換器3a、第5逆止弁6e、過冷却熱交換器4、第4逆止弁6d、第1中継四方弁13a、第1冷媒-水熱交換器12a、第1中継膨張弁11a、第2中継膨張弁11b、第2冷媒-水熱交換器12b、第2中継四方弁13b、第1逆止弁6a、第1室外四方弁2a、再び圧縮機1、の順に冷媒が流れる。
【0080】
バイパス回路は、主回路の第1室外熱交換器3aと第5逆止弁6eとの間から分岐した冷媒が、第1室外膨張弁5aに流れ、主回路の過冷却熱交換器4と第4逆止弁6dとの間に合流する。
【0081】
実施形態1の変形例1に係る空気調和装置100における運転状態Cの冷媒の流れを説明する。
図9は、実施形態1の変形例1に係る空気調和装置100における運転状態Cの冷媒回路図及び水回路図である。なお、室外機101における冷媒の流れについては、
図4と同じである。
【0082】
運転状態Cでは、主回路と一つのバイパス回路が形成される。主回路では、圧縮機1、第1室外四方弁2a、第2逆止弁6b、第1中継四方弁13a、第1冷媒-水熱交換器12a、第1中継膨張弁11a、第2中継膨張弁11b、第2冷媒-水熱交換器12b、第2中継四方弁13b、第3逆止弁6c、過冷却熱交換器4、第1室外膨張弁5a、第1室外熱交換器3a、第1室外四方弁2a、再び圧縮機1、の順に冷媒が流れる。
【0083】
バイパス回路は、主回路の過冷却熱交換器4と第1室外膨張弁5aとの間から分岐した
冷媒が、第2室外膨張弁5b、過冷却熱交換器4に流れ、主回路の第1室外四方弁2aと圧縮機1との間に合流する。
【0084】
実施形態1の変形例1に係る空気調和装置100における運転状態Dの冷媒の流れを説明する。
図10は、実施形態1の変形例1に係る空気調和装置100における運転状態Dの冷媒回路図及び水回路図である。なお、室外機101における冷媒の流れについては、
図5と同じである。
【0085】
運転状態Dでは、主回路と一つのバイパス回路が形成される。主回路では、圧縮機1、第1室外四方弁2a、第2逆止弁6b、第1中継四方弁13a、第1冷媒-水熱交換器12a、第1中継膨張弁11a、第2開閉弁7b、第3逆止弁6c、過冷却熱交換器4、第1室外膨張弁5a、第1室外熱交換器3a、第1室外四方弁2a、再び圧縮機1の順に冷媒が流れる。また、主回路では、第2逆止弁6bと第1中継四方弁13aとの間から分岐した冷媒が、第2中継四方弁13b、第2冷媒-水熱交換器12b、第2中継膨張弁11bの順に流れ、第1中継四方弁13aから流出した冷媒と合流する。
【0086】
バイパス回路は、主回路の過冷却熱交換器4と第1室外膨張弁5aとの間から分岐した冷媒が、第2室外膨張弁5bに冷媒が流れ、主回路の第1室外四方弁2aと圧縮機1との間に合流する。
【0087】
実施形態1の空気調和装置100の過冷却熱交換器4は、第6点p6と第5点p5との間から分岐して第1室外四方弁2aと圧縮機1の吸入側との間に接続する配管内を流れる冷媒と、第5配管t5を流れる冷媒との間で熱交換する。なお、冷媒が分岐する箇所は、第3逆止弁6cと第5逆止弁6eとの間、及び第4逆止弁6dと第1室外膨張弁5aとの間であっても良い。実施形態1の空気調和装置100は、室外機101に第1逆止弁6a、第2逆止弁6b、第3逆止弁6c、第4逆止弁6d及び第5逆止弁6eを5個搭載する。実施形態1の空気調和装置100によれば、5個の弁で過冷却熱交換器4において冷媒の対向流化を図ることができるので、室外機101の筐体の大型化を抑制することができる。
【0088】
また、実施形態1の空気調和装置100によれば、5個の弁で「冷房と暖房の両運転で過冷却熱交換器4の対向流化」及び「2管式の冷暖同時運転が可能なシステム」を実現できる。
【0089】
実施形態2.
次に、実施形態2に係る空気調和装置100について説明する。
図11は、実施形態2に係る空気調和装置100の冷媒回路図である。実施形態2に係る空気調和装置100の室外機101は、実施形態1に示した空気調和装置100に加えて、第2室外四方弁2b、第2室外熱交換器3b、第3室外膨張弁5c及び第6逆止弁6fを有する。第6逆止弁6fは、
図1において、第1室外膨張弁5aの役割を果たすものである。中継機102、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの構成は、
図1に示した構成と同様である。
図11において、
図1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分について説明する。
【0090】
<室外機101>
図11に示すように、第6逆止弁6fは、第1点p1と第5点p5との間の第1配管t1に設けられる。第6逆止弁6fは、暖房運転時に第5点p5から第1点p1に流れる冷媒の圧力を減圧し、冷房運転時に冷媒が流れないように閉じられる。
【0091】
第1室外膨張弁5aは、第1室外熱交換器3aと第1点p1との間の第1配管t1に設けられる。
【0092】
第2室外四方弁2bは、第1室外四方弁2aと並列に圧縮機1に接続される。第2室外四方弁2bは、圧縮機1から吐出された冷媒の流れ方向を切り替えて出力し、冷房と暖房とを切り替える。
【0093】
第2室外熱交換器3bは、第2室外四方弁2bから出力された冷媒と外気との熱交換を行なう。第3室外膨張弁5cは、第2室外熱交換器3bと第1点p1との間の第1配管t1に設けられる。
【0094】
<制御装置200>
制御装置200は、「運転状態A」の場合、第1室外四方弁2a及び第2室外四方弁2bを冷房側に切替え、第1室外膨張弁5a及び第3室外膨張弁5cを開、第2室外膨張弁5bを開、第1開閉弁7aを開及び第2開閉弁7bを閉にする。制御装置200は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの運転状態が冷房運転の場合、第1三方弁8a、第2三方弁8b及び第3三方弁8cの第1ポートを開、第2ポートを閉及び第3ポートを開にする。
【0095】
制御装置200は、「運転状態B」の場合、第1室外四方弁2aを冷房側に切替え、第1室外膨張弁5aを開、第2室外膨張弁5bを閉、第1開閉弁7aを閉及び第2開閉弁7bを閉にする。制御装置200は、第2室外四方弁2bを暖房側に切替え、第3室外膨張弁5cを閉にする。制御装置200は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの状態が運転状態Bの場合、暖房運転を行なっている第1室内機103aの第1三方弁8aの第1ポートを開、第2ポートを開及び第3ポートを開にする。冷房運転を行なっている第2室内機103bの第2三方弁8bの第1ポートを開、第2ポートを閉及び第3ポートを開にする。冷房運転を行なっている第3室内機103cの第3三方弁8cの第1ポートを開、第2ポートを閉及び第3ポートを開にする。
【0096】
制御装置200は、「運転状態C」の場合、第1室外四方弁2aを暖房側に切替え、第1室外膨張弁5aを開、第2室外膨張弁5bを開、第1開閉弁7aを閉及び第2開閉弁7bを開にする。制御装置200は、第2室外四方弁2bを暖房側に切替え、第3室外膨張弁5cを開にする。制御装置200は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの状態が運転状態Cの場合、暖房運転を行なっている第1室内機103aの第1三方弁8aの第1ポートを開、第2ポートを開及び第3ポートを開にする。暖房運転を行なっている第2室内機103bの第2三方弁8bの第1ポートを開、第2ポートを開及び第3ポートを開にする。冷房運転を行なっている第3室内機103cの第3三方弁8cの第1ポートを開、第2ポートを閉及び第3ポートを開にする。
【0097】
制御装置200は、「運転状態D」の場合、第1室外四方弁2a及び第2室外四方弁2bを暖房側に切替え、第1室外膨張弁5a及び第3室外膨張弁5cを開、第2室外膨張弁5bを開、第1開閉弁7aを閉及び第2開閉弁7bを閉にする。制御装置200は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの運転状態が暖房運転の場合、第1三方弁8a、第2三方弁8b及び第3三方弁8cの第1ポートを開、第2ポートを開及び第3ポートを閉にする。
【0098】
<空気調和装置100の動作>
実施形態2の空気調和装置100の動作について説明する。
図12は、実施形態2に係る空気調和装置100における運転状態Aの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
図13は、実施形態2に係る空気調和装置100における運転状態Bの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
図14は、実施形態2に係る空気調和装置100における運転状態Cの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
図15は、実施形態2に係る空気調和装置100における運転状態Dの冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
図12、
図13、
図14及び
図15において、矢印は冷媒の流れの方向を示す。中継機102、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの構成は、
図1に示した構成と同様である。
図12、
図13、
図14及び
図15において、
図1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分について説明する。
【0099】
(運転状態A:全冷房運転)
図12は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103c全てが冷房運転を行なっている状態を示す。
【0100】
運転状態Aでは、主回路と四つのバイパス回路が形成される。
図12に示すように、主回路では、圧縮機1、第1室外四方弁2a、第1室外熱交換器3a、第1室外膨張弁5a、第5逆止弁6e、過冷却熱交換器4、第4逆止弁6d、第1開閉弁7a、第1室内膨張弁10a、第1室内熱交換器9a、第1三方弁8a、第1逆止弁6a、第1室外四方弁2a、再び圧縮機1、の順に冷媒が流れる。
【0101】
一つ目のバイパス回路は、主回路の圧縮機1と第1室外四方弁2aとの間から分岐した冷媒が、第2室外四方弁2b、第2室外熱交換器3b、第3室外膨張弁5c、の順に流れ、主回路の第1室外膨張弁5aと第5逆止弁6eとの間に合流する。二つ目のバイパス回路は、主回路の過冷却熱交換器4と第4逆止弁6dとの間から分岐した冷媒が、第2室外膨張弁5b、過冷却熱交換器4、の順に流れ、主回路の第1室外四方弁2aと圧縮機1の吸入側との間に合流する。三つ目のバイパス回路は、主回路の第1開閉弁7aと第1室内膨張弁10aとの間から分岐した冷媒が、第2室内膨張弁10b、第2室内熱交換器9b、第2三方弁8bの順に冷媒が流れ、主回路の第1三方弁8aと第1逆止弁6aとの間に合流する。四つ目のバイパス回路は、主回路の第1開閉弁7aと第1室内膨張弁10aとの間から分岐した冷媒が、第3室内膨張弁10c、第3室内熱交換器9c、第3三方弁8cの順に流れ、主回路の第1三方弁8aと第1逆止弁6aとの間に合流する。
【0102】
(運転状態B:冷暖房混在運転、冷房負荷>暖房負荷)
図13は、第1室内機103aが暖房運転を行なっており、第2室内機103b及び第3室内機103cが冷房運転を行なっている状態を示す。
【0103】
運転状態Bでは、主回路と一つのバイパス回路が形成される。主回路では、
図13に示すように、圧縮機1、第1室外四方弁2a、第1室外熱交換器3a、第1室外膨張弁5a、第5逆止弁6e、過冷却熱交換器4、第4逆止弁6d、第1三方弁8a、第1室内熱交換器9a、第1室内膨張弁10a、第2室内膨張弁10b、第2室内熱交換器9b、第2三方弁8b、第1逆止弁6a、第1室外四方弁2a、再び圧縮機1、の順に冷媒が流れる。
【0104】
バイパス回路は、主回路の第1室内膨張弁10aと第2室内膨張弁10bとの間から分岐した冷媒が、第3室内膨張弁10c、第3室内熱交換器9c、第3三方弁8cの順に冷媒が流れ、主回路の第2三方弁8bと第1逆止弁6aの間に合流する。
【0105】
(運転状態C:冷暖房混在運転、暖房負荷>冷房負荷)
図14は、第1室内機103a及び第2室内機103bが暖房運転、第3室内機103cが冷房運転を行なっている状態を示す。
【0106】
運転状態Cでは、主回路と三つのバイパス回路が形成される。主回路では、
図14に示すように、圧縮機1、第1室外四方弁2a、第2逆止弁6b、第1三方弁8a、第1室内熱交換器9a、第1室内膨張弁10a、第3室内膨張弁10c、第3室内熱交換器9c、第3三方弁8c、第3逆止弁6c、過冷却熱交換器4、第1室外膨張弁5a、第1室外熱交換器3a、第1室外四方弁2a、再び圧縮機1、の順に冷媒が流れる。
【0107】
一つ目のバイパス回路は、主回路の第2逆止弁6bと第1三方弁8aとの間から分岐した冷媒が、第2三方弁8b、第2室内熱交換器9b、第2室内膨張弁10b、の順に流れ、主回路の第1室内膨張弁10aと第3室内膨張弁10cとの間に合流する。二つ目のバイパス回路は、主回路の過冷却熱交換器4と第1室外膨張弁5aとの間から分岐した冷媒が、第2室外膨張弁5b、過冷却熱交換器4に流れ、主回路の第1室外四方弁2aと圧縮機1との間に合流する。三つ目のバイパス回路は、主回路の第6逆止弁6fと第1室外膨張弁5aとの間から分岐した冷媒が、第3室外膨張弁5c、第2室外膨張弁5b、第2室外四方弁2bに流れ、主回路の第1室外四方弁2aと圧縮機1との間に合流する。
【0108】
(運転状態D:全暖房運転)
図15は、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの全てが暖房運転を行なっている状態を示す。
【0109】
運転状態Dでは、主回路と四つのバイパス回路が形成される。主回路では、
図15に示すように、圧縮機1、第1室外四方弁2a、第2逆止弁6b、第1三方弁8a、第1室内熱交換器9a、第1室内膨張弁10a、第2開閉弁7b、第3逆止弁6c、過冷却熱交換器4、第1室外膨張弁5a、第1室外熱交換器3a、第1室外四方弁2a、再び圧縮機1、の順に冷媒が流れる。
【0110】
一つ目のバイパス回路は、主回路の第2逆止弁6bと第1三方弁8aとの間から分岐した冷媒が、第2三方弁8b、第2室内熱交換器9b、第2室内膨張弁10b、の順に冷媒が流れ、主回路の第1室内膨張弁10aと第2開閉弁7bとの間に合流する。二つ目のバイパス回路は、主回路の第2逆止弁6bと第1三方弁8aとの間から分岐した冷媒が、第3三方弁8c、第3室内熱交換器9c、第3室内膨張弁10c、の順に流れ、主回路の第1室内膨張弁10aと第2開閉弁7bとの間に合流する。三つ目のバイパス回路は、主回路の過冷却熱交換器4と第1室外膨張弁5aとの間から分岐した冷媒が、第2室外膨張弁5b、過冷却熱交換器4に流れ、主回路の第1室外四方弁2aと圧縮機1との間に合流する。四つ目のバイパス回路は、主回路の第6逆止弁6fと第1室外膨張弁5aとの間から分岐した冷媒が、第3室外膨張弁5c、第2室外熱交換器3b、第2室外四方弁2bに流れ、主回路の第1室外四方弁2aと圧縮機1との間に合流する。
【0111】
<変形例1>
実施形態2の変形例1では、冷媒と水の2種の熱媒体が、混流せず独立して回路を形成し、第1冷媒-水熱交換器12a及び第2冷媒-水熱交換器12bを通じて熱交換のみを行う。冷媒-水熱交換器は、例えばプレート熱交換器及びシェルアンドチューブ熱交換器等を用いる。
【0112】
図16は、実施形態2の変形例1に係る空気調和装置100の冷媒回路図及び水回路図である。なお、
図11と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。実施形態2の変形例1では、実施形態2の空気調和装置100における中継機102、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの構成が異なる。
【0113】
中継機102、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの構成は、
図6に示した実施形態1の変形例1の中継機102、第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの構成と同じである。
【0114】
<制御装置200>
制御装置200は、「運転状態A」の場合、第1室外四方弁2a及び第2室外四方弁2bを冷房側に切替え、第1室外膨張弁5a及び第3室外膨張弁5cを開、第2室外膨張弁5bを開、第1開閉弁7aを開及び第2開閉弁7bを閉にする。制御装置200は、「運転状態A」の場合、第1冷媒-水熱交換器12aから流出した冷媒が第1逆止弁6aに流れ、往管t10からの冷媒が流入しないように第1中継四方弁13aを切替える。制御装置200は、「運転状態A」の場合、第2冷媒-水熱交換器12aから流出した冷媒が第1逆止弁6aに流れ、往管t10からの冷媒が流入しないように第2中継四方弁13bを切替える。
【0115】
制御装置200は、「運転状態B」の場合、第1室外四方弁2aを冷房側に切替え、第1室外膨張弁5aを開、第2室外膨張弁5bを閉、第1開閉弁7aを閉及び第2開閉弁7bを閉にする。制御装置200は、第2室外四方弁2bを暖房側に切替え、第3室外膨張弁5cを閉にする。
【0116】
制御装置200は、「運転状態C」の場合、第1室外四方弁2aを暖房側に切替え、第1室外膨張弁5aを開、第2室外膨張弁5bを開、第1開閉弁7aを閉及び第2開閉弁7bを開にする。制御装置200は、第2室外四方弁2bを暖房側に切替え、第3室外膨張弁5cを開にする。
【0117】
制御装置200は、「運転状態B」及び「運転状態C」の場合、往管t10からの冷媒が第1冷媒-水熱交換器12aに流入し、第2冷媒-水熱交換器12bから流出した冷媒が流入しないように第1中継四方弁13aを切替える。制御装置200は、「運転状態B」の場合、第2室内膨張弁10bから流出した冷媒が第1逆止弁6aに流れ、往管t10からの冷媒が流入しないように第2中継四方弁13bを切替える。
【0118】
制御装置200は、「運転状態D」の場合、第1室外四方弁2a及び第2室外四方弁2bを暖房側に切替え、第1室外膨張弁5a及び第3室外膨張弁5cを開、第2室外膨張弁5bを開、第1開閉弁7aを閉及び第2開閉弁7bを閉にする。制御装置200は、「運転状態D」の場合、往管t10からの冷媒が第1冷媒-水熱交換器12aに流れ、復管t11からの冷媒が流入しないように第1中継四方弁13aを切替える。制御装置200は、「運転状態D」の場合、往管t10からの冷媒が第2冷媒-水熱交換器12bに流れ、復管t11からの冷媒が流入しないように第2中継四方弁13bを切替える。
【0119】
<変形例1に係る空気調和装置100の動作>
図17は、実施形態2の変形例1に係る空気調和装置100における運転状態Aの冷媒回路図及び水回路図である。
図18は、実施形態2の変形例1に係る空気調和装置100における運転状態Bの冷媒回路図及び水回路図である。
図19は、実施形態2の変形例1に係る空気調和装置100における運転状態Cの冷媒回路図及び水回路図である。
図20は、実施形態2の変形例1に係る空気調和装置100における運転状態Dの冷媒回路図及び水回路図である。
【0120】
実施形態2の変形例1に係る空気調和装置100における室外機101の運転状態A、運転状態B、運転状態C及び運転状態Dの室外機101の動作は、実施形態2において説明した空気調和装置100における室外機101の運転状態A、運転状態B、運転状態C及び運転状態Dの動作と同様である。
【0121】
実施形態2の変形例1に係る空気調和装置100における中継機102の運転状態A、運転状態B、運転状態C及び運転状態Dの動作は、実施形態1の変形例1において説明した空気調和装置100における中継機102の動作と同じである。
【0122】
実施形態2の変形例1に係る空気調和装置100における第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの運転状態A、運転状態B、運転状態C及び運転状態Dの動作は、実施形態1の変形例1において説明した空気調和装置100における第1室内機103a、第2室内機103b及び第3室内機103cの動作と同じである。
【0123】
実施形態2の空気調和装置100の過冷却熱交換器4は、第6点p6と第5点p5との間から分岐して第1室外四方弁2aと圧縮機1の吸入側との間に接続する配管内を流れる冷媒と、第5配管t5を流れる冷媒との間で熱交換する。なお、冷媒が分岐する箇所は、第3逆止弁6cと第5逆止弁6eとの間、及び第4逆止弁6dと第1室外膨張弁5aとの間であっても良い。実施形態2の空気調和装置100は、室外機101に第1逆止弁6a、第2逆止弁6b、第3逆止弁6c、第4逆止弁6d、第5逆止弁6e及び第6逆止弁6fを6個搭載する。実施形態2の空気調和装置100によれば、6個の弁で過冷却熱交換器4において冷媒の対向流化を図ることができるので、室外機101の筐体の大型化を抑制することができる。
【0124】
また、実施形態2の空気調和装置100によれば、6個の弁で「冷房と暖房の両運転で過冷却熱交換器4の対向流化」及び「2管式の冷暖同時運転が可能なシステム」を実現できる。
【0125】
実施形態1及び実施形態2の往管t10は第1管、復管t11は第2管、第1室外四方弁2aは第1切替弁、第2室外四方弁2bは第2切替弁とも称する。実施形態1及び実施形態2の過冷却熱交換器4は、冷媒間熱交換器とも称する。第1逆止弁6a、第2逆止弁6b、第3逆止弁6c、第4逆止弁6d、第5逆止弁6e及び第6逆止弁6fは、それぞれ第1弁、第2弁、第3弁、第4弁、第5弁及び第6弁とも称する。また、第1室外膨張弁5aは第6弁とも称する。
【0126】
実施形態1及び実施形態2は、例として提示したものであり、請求の範囲を限定することは意図していない。実施形態1及び実施形態2は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、実施形態1及び実施形態2の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。
【符号の説明】
【0127】
1 圧縮機、2a 第1室外四方弁、2b 第2室外四方弁、3a 第1室外熱交換器、3b 第2室外熱交換器、4 過冷却熱交換器、5a 第1室外膨張弁、5b 第2室外膨張弁、5c 第3室外膨張弁、6a 第1逆止弁、6b 第2逆止弁、6c 第3逆止弁、6d 第4逆止弁、6e 第5逆止弁、6f 第6逆止弁、7a 第1開閉弁、7b 第2開閉弁、8a 第1三方弁、8b 第2三方弁、8c 第3三方弁、9a 第1室内熱交換器、9b 第2室内熱交換器、9c 第3室内熱交換器、10a 第1室内膨張弁、10b 第2室内膨張弁、10c 第3室内膨張弁、11a 第1中継膨張弁、11b 第2中継膨張弁、12a 第1冷媒-水熱交換器、12b 第2冷媒-水熱交換器、13a 第1中継四方弁、13b 第2中継四方弁、14a 第1ポンプ、14b 第2ポンプ、15a 第1混流三方弁、15b 第2混流三方弁、15c 第3混流三方弁、16a 第1分流三方弁、16b 第2分流三方弁、16c 第3分流三方弁、100 空気調和装置、101 室外機、102 中継機、103 室内機、103a 第1室内機、103b 第2室内機、103c 第3室内機、200 制御装置、p1 第1点、p2 第2点、p3 第3点、p4 第4点、p5 第5点、p6 第6点、p7 第7点、t1 第1配管、t2 第2配管、t3 第3配管、t4 第4配管、t5 第5配管、t6 第6配管、t10 往管、t11 復管、t12a、t12b、t12c、t13a、t13b、t13c 配管、r 整流回路、A、B、C、D 運転状態。