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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】電子カルテシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20241101BHJP
   G16H 20/10 20180101ALI20241101BHJP
【FI】
G16H10/60
G16H20/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024091446
(22)【出願日】2024-06-05
【審査請求日】2024-07-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [集会名] 第35回血圧管理研究会 [公開場所] オムロンヘルスケア株式会社 [開催日] 令和5年12月2日 [刊行物等] [掲載日] 令和5年12月4日 [掲載アドレス] https://www.ookutenaika.com/blank-1 [刊行物等] [集会名] 日本内科学会第252回東海地方会 [公開場所] じゅうろくプラザ [開催日] 令和6年2月18日 [刊行物等] [公開者名] オムロンヘルスケア株式会社 [刊行物名] 第35回血圧管理研究会企画セッション記録集 [発行日] 令和6年3月
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522232868
【氏名又は名称】寺田 嘉枝子
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺田 嘉枝子
(72)【発明者】
【氏名】寺田 正樹
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-144828(JP,A)
【文献】特開2021-76947(JP,A)
【文献】特開2013-178667(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子カルテを表示する表示手段と、
表示された前記電子カルテに入力可能な入力手段と、
前記入力手段からの入力に基づいて前記表示手段に前記電子カルテを表示させる制御手段と、
を有する電子カルテシステムであって、
複数の薬剤のそれぞれの実物の写真画像データと、それぞれの前記薬剤の薬剤名にそれぞれの前記写真画像データを対応付けた薬剤対応情報と、が記憶された第1記憶手段を有し、
前記制御手段は、
表示された前記電子カルテにおける処方された前記薬剤の入力部である薬剤入力部に前記薬剤名が入力されると、
前記薬剤対応情報の中から、入力された前記薬剤名を含む前記薬剤名を特定し、あるいは、入力された前記薬剤名と一致する前記薬剤名を特定し、
前記薬剤対応情報の中の特定した前記薬剤名に対応付けられている前記写真画像データを抽出し、
抽出した前記写真画像データに基づいた写真画像を、前記電子カルテにおける前記薬剤入力部の近傍に表示する、
電子カルテシステム。
【請求項2】
電子カルテを表示する表示手段と、
表示された前記電子カルテに入力可能な入力手段と、
前記入力手段からの入力に基づいて前記表示手段に前記電子カルテを表示させる制御手段と、
を有する電子カルテシステムであって、
複数の薬剤のそれぞれの実物の写真画像データと、それぞれの前記薬剤の薬剤名にそれぞれの前記写真画像データを対応付けた薬剤対応情報と、が記憶された第1記憶手段を有し、
前記制御手段は、
表示された前記電子カルテにおける患者症状の入力部である患者症状入力部に前記患者症状が入力されると、入力された前記患者症状に応じた単数または複数の前記薬剤名である候補薬剤名を、処方された前記薬剤の入力部である薬剤入力部に表示し、
あるいは、表示された前記電子カルテにおける処方された前記薬剤の入力部である薬剤入力部に前記薬剤名が入力されると、入力された前記薬剤名を含む単数または複数の前記薬剤名、または入力された前記薬剤名に類似する単数または複数の前記薬剤名である候補薬剤名を、前記薬剤入力部に表示し、
表示された前記候補薬剤名の中から前記薬剤名が選択されると、
前記薬剤対応情報の中から、選択された前記薬剤名と一致する前記薬剤名を特定し、
前記薬剤対応情報の中の特定した前記薬剤名に対応付けられている前記写真画像データを抽出し、
抽出した前記写真画像データに基づいた写真画像を、前記電子カルテにおける前記薬剤入力部の近傍に表示する、
電子カルテシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子カルテシステムであって、
それぞれの前記薬剤の用法及び用量を説明するWebページである用法・用量Webページが記憶された第2記憶手段を有し、
前記薬剤対応情報には、それぞれの前記薬剤に対するそれぞれの前記用法・用量Webページへ移動させるハイパーリンクを含むそれぞれの移動先情報がそれぞれの前記薬剤名に対応付けて記憶されており、あるいは、それぞれの前記移動先情報を含むそれぞれの2次元コードデータがそれぞれの前記薬剤名に対応付けて記憶されており、
前記薬剤対応情報に前記2次元コードデータが記憶されている場合には、前記2次元コードデータが前記第1記憶手段または前記第2記憶手段に記憶されており、
前記制御手段は、
前記薬剤対応情報に前記移動先情報が記憶されている場合は、
特定した前記薬剤名に対応付けられている前記写真画像データを抽出する際、特定した前記薬剤名に対応付けられている前記移動先情報を読み出し、読み出した前記移動先情報を含む前記2次元コードデータを作成し、抽出した前記写真画像データに基づいた写真画像と、作成した前記2次元コードデータに基づいた2次元コードを、前記電子カルテにおける前記薬剤入力部の近傍に表示し、
前記薬剤対応情報に前記2次元コードデータが記憶されている場合は、
特定した前記薬剤名に対応付けられている前記写真画像データを抽出する際、特定した前記薬剤名に対応付けられている前記2次元コードデータを抽出し、抽出した前記写真画像データに基づいた写真画像と、抽出した前記2次元コードデータに基づいた2次元コードを、前記電子カルテにおける前記薬剤入力部の近傍に表示する、
電子カルテシステム。
【請求項4】
請求項1または2に記載の電子カルテシステムであって、
薬剤情報提供書を印刷する印刷手段を有し、
前記制御手段は、
前記薬剤情報提供書の印刷指示が入力された場合は、
前記電子カルテに入力されている患者氏名と、
前記薬剤入力部に入力されている前記薬剤名と、
前記薬剤入力部の近傍に表示されている前記写真画像と、
を含む前記薬剤情報提供書を、前記印刷手段を用いて印刷する、
電子カルテシステム。
【請求項5】
請求項3に記載の電子カルテシステムであって、
薬剤情報提供書を印刷する印刷手段を有し、
前記制御手段は、
前記薬剤情報提供書の印刷指示が入力された場合は、
前記電子カルテに入力されている患者氏名と、
前記薬剤入力部に入力されている前記薬剤名と、
前記薬剤入力部の近傍に表示されている前記写真画像及び前記2次元コードと、
を含む前記薬剤情報提供書を、前記印刷手段を用いて印刷する、
電子カルテシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カルテシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、病院や医院等では、患者IDや患者氏名に対応させて患者の容態や症状、レントゲン写真、処方した薬剤、経過状態などを記憶した電子カルテが利用されている。医師は、モニタ等の表示手段やキーボード等の入力手段を備えた端末装置を操作して、患者の対応をしながら患者の症状や処方する薬剤等の種々の情報を電子カルテに入力している。
【0003】
近年、医療や看護の現場では、医療従事者と患者との向き合い方に変化が表れ始めている。従来では、患者は医療従事者の指示通りの治療を受け、医療従事者からの一方通行的な指導に患者が従う消極的な(受動的な)治療方法である「コンプライアンス」と呼ばれる治療方法が主流であった。しかし近年では、患者が治療方針の決定に賛同して、患者が積極的に(能動的に)治療を受ける「アドヒアランス」と呼ばれる治療方法(患者が自身の意思で「治療を受ける」という姿勢で臨む方法)が主流となっている。
【0004】
しかし、以下の(1)、(2)の例に示すように、「アドヒアランス」が低下して、処方薬を正しく服薬していれば期待できるはずだった効果が得られず、効果的な治療ができない場合があり、「アドヒアランス」の向上が望まれている。
(1)自覚症状の乏しい疾患の治療では、「大した病気ではない」、「服薬しなくてもそれほど問題ではない」と患者が勝手に思い込み、患者が病気の重要度と服薬の必要性を感じておらず、用法・用量を遵守した正しい服薬が実行されない場合がある。
(2)用法・用量の異なる複数の薬剤が処方された場合、患者が処方薬ごとの用法・用量の確認を怠り、用法・用量を誤解して一部の薬剤を飲み忘れてしまう場合がある。
【0005】
患者が、自身の病気の重要度と処方薬の必要性を正しく理解して、効果的な治療を行うために「アドヒアランス」の向上が重要である。「アドヒアランス」を向上させて、処方薬の用法・用量を遵守した積極的な服薬を患者に実行してもらうためには、患者と医療従事者との間で信頼関係を築くことが重要である。そして当該信頼関係を築くためには、患者と医療従事者との間で良好なコミュニケーションをとることが重要である。
【0006】
患者と医療従事者のコミュニケーションの場面の1つとして「診察」がある。近年では診察の際、医師は、端末装置を用いて電子カルテを表示させて患者と向き合い、患者の症状を聞きながら処方薬を決定し、患者症状や処方薬を電子カルテに入力している。そして医師は患者に処方薬の薬剤名、用法・用量、注意事項などを口頭で説明し、患者は医師からの説明を聞く。
【0007】
医師は薬剤を熟知しているので、処方薬の薬剤名、用法・用量、注意事項などを患者へ口頭で説明するが、医師から患者へ一方通行的に伝えられることが多い。一般的に患者は薬剤についての知識がほとんど無く、医師から薬剤名、用法・用量、注意事項などを口頭で説明されてもピンと来ないので、興味を持てず黙って聞いているだけ、ということが多い。これでは良好なコミュニケーションがとれているとは言い難い。
【0008】
患者は、服薬したことのある薬剤であっても薬剤名や用法・用量などはほとんど覚えておらず、薬剤の形状や包装に印刷された薬剤名の色程度しか覚えていないことが多い。また医師は、薬剤名、用法・用量、注意事項などを熟知しているが、薬剤の実物を見る機会が少ないので、薬剤の形状や包装に印刷された薬剤名の色などまで把握しきれていない場合がある。このような医師と患者の状況において、診察時での医師と患者で良好なコミュニケーション(双方向の会話など)をとることが望まれている。
【0009】
診察時での医師と患者で良好なコミュニケーション(双方向の会話など)をとるためには、処方薬に対して患者に興味を持ってもらうことが重要である。しかし、電子カルテに表示された処方薬の薬剤名や用法・用量等の文字情報では、患者に興味を持ってもらえない。また患者は、医師から口頭にて、処方薬の薬剤名、用法・用量等を説明されても興味を持てないことが多い。患者に興味を持ってもらえない場合、医師からの説明は一方通行的な説明になり、ただ説明を聞いているだけの患者は、数分もすれば忘れてしまい、処方薬についてほとんど記憶が残らない。
【0010】
診察時において、患者と、端末装置を用いて電子カルテを操作している医師で良好なコミュニケーションをとるためには、「医師から患者へ」処方薬について説明する際に興味を持って聞いてもらうための「きっかけ」があることが好ましい。また「患者から医師へ」処方薬について興味を持って質問等をしやすくする「きっかけ」があることが好ましい。
【0011】
処方薬の薬剤名、用法・用量、注意事項等を熟知しているが薬剤の形状や包装に印刷された薬剤名の色等まで把握しきれていない医師と、服薬したことのある薬剤であっても薬剤の形状や包装に印刷された薬剤名の色程度しか覚えていない患者で良好なコミュニケーションをとるための「きっかけ」の1つとして、及び処方薬に対して患者に興味を持ってもらうための「きっかけ」の1つとして、電子カルテに処方薬の写真画像(カラー写真画像)を表示することが考えられる。
【0012】
医師は、電子カルテを用いて処方薬の写真画像を表示して患者と一緒に処方薬の写真画像を見ながら、処方薬の薬剤名、用法・用量等を説明することで、患者に興味を持ってもらい、患者の記憶に処方薬のイメージを残すことが期待できる。また患者は、医師と一緒に処方薬の写真画像を見ながら興味を持って医師からの説明を聞くことで、処方薬への理解と納得が増し、処方薬の鮮明なイメージと用法・用量等を関連付けて記憶に残すことができる。そして医師と患者は一緒に処方薬の写真画像を見ながら、「医師から患者へ」処方薬に関するその他の情報を説明したり、「患者から医師へ」処方薬について質問したりしやすくなる。このように電子カルテで処方薬の写真画像を表示させて患者と医師が一緒に当該写真画像を見ながら会話をすることで、患者と医師で良好なコミュニケーションをとれることが期待できる。
【0013】
例えば特許文献1には、各種のマスタファイルに処方する薬品の適否をレベル分けして記憶し、電子カルテに入力された薬品データと、マスタファイルと照合して処方の適否を判断して該当するレベルを表示させる、電子カルテ装置が開示されている。また特許文献1の電子カルテ装置では、電子カルテの薬品情報画面から、医師が薬品を選択することで、選択した薬品の写真や情報が表示されることが記載されている。
【0014】
また例えば特許文献2には、診察カードに記憶された診察情報を読み出す受付用端末と、患者情報管理サーバと、受付用端末からの診察情報に基づいて患者情報管理サーバから診察対象の患者の患者情報を取得し、患者情報を所望の表示形態で表示制御する診察用端末とを備えた、患者情報管理システムが開示されている。また特許文献2の患者情報管理システムでは、電子カルテにおける患者の過去の受診履歴表示エリアに、処方した薬剤が有った場合には、処方した薬剤が有ったことを示すカプセルのアイコン(薬剤名に関係なく「薬剤」をイメージする汎用的なアイコン)が表示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】特開2005-316967号公報
【文献】特開2008-217583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したように、電子カルテに処方薬の写真画像を表示させることで、患者と医師のコミュニケーションをとるための「きっかけ」を提供できる、と考えられる。そして、些細な「きっかけ」から始まった患者と医師の言葉のキャッチボールにより、患者症状の原因の核心に近づき、より有効な処方薬にたどり着く可能性も考えられる。なお、電子カルテを操作している医師が、薬剤の写真画像を表示させるために手間がかかるようでは写真画像を表示してもらえない可能性があるので、医師が手間をかけることなく薬剤の写真画像を表示できることが好ましい。
【0017】
特許文献1に記載の電子カルテ装置では、電子カルテを操作している医師が、処方する薬剤名を入力(または選択)した後、処方した薬剤の写真画像を患者に見せるためには、薬剤の情報画面の表示操作を行って薬剤の情報画面へ移動した後、対象の薬剤を選択しなければならない。このため、医師が、対象の薬剤の写真画像を患者に見せることはできるが非常に手間がかかる。また、次の患者も控えているので、患者から強い要望がなければ、処方した薬剤の写真画像をわざわざ患者に見せてくれる医師は少ないと思われ、特許文献1は好ましくない。
【0018】
また特許文献2に記載の患者情報管理システムの電子カルテでは、過去の受診履歴表示エリアに「薬剤が処方されたこと」をイメージする汎用的なアイコンが表示される。しかし、実物の薬剤の写真画像ではなく薬剤が処方されたことをイメージさせる漫画的なアイコンであり、患者は興味を持てず、患者の記憶に処方薬の具体的なイメージが残らないので、特許文献2は好ましくない。また医師が受診履歴表示エリアを表示させる手間も増えるので好ましくない。
【0019】
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、電子カルテを操作している医師が、処方した薬剤の写真画像を手間なく表示可能であり、患者と医師との積極的なコミュニケーションをとるための「きっかけ」を提供し、アドヒアランスの向上を支援できる電子カルテシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するため、第1の発明は、電子カルテを表示する表示手段と、表示された前記電子カルテに入力可能な入力手段と、前記入力手段からの入力に基づいて前記表示手段に前記電子カルテを表示させる制御手段と、を有する電子カルテシステムであって、複数の薬剤のそれぞれの実物の写真画像データと、それぞれの前記薬剤の薬剤名にそれぞれの前記写真画像データを対応付けた薬剤対応情報と、が記憶された第1記憶手段を有する。そして、前記制御手段は、表示された前記電子カルテにおける処方された前記薬剤の入力部である薬剤入力部に前記薬剤名が入力されると、前記薬剤対応情報の中から、入力された前記薬剤名を含む前記薬剤名を特定し、あるいは、入力された前記薬剤名と一致する前記薬剤名を特定し、前記薬剤対応情報の中の特定した前記薬剤名に対応付けられている前記写真画像データを抽出し、抽出した前記写真画像データに基づいた写真画像を、前記電子カルテにおける前記薬剤入力部の近傍に表示する、電子カルテシステムである。
【0021】
次に、第2の発明は、電子カルテを表示する表示手段と、表示された前記電子カルテに入力可能な入力手段と、前記入力手段からの入力に基づいて前記表示手段に前記電子カルテを表示させる制御手段と、を有する電子カルテシステムであって、複数の薬剤のそれぞれの実物の写真画像データと、それぞれの前記薬剤の薬剤名にそれぞれの前記写真画像データを対応付けた薬剤対応情報と、が記憶された第1記憶手段を有する。そして、前記制御手段は、表示された前記電子カルテにおける患者症状の入力部である患者症状入力部に前記患者症状が入力されると、入力された前記患者症状に応じた単数または複数の前記薬剤名である候補薬剤名を、処方された前記薬剤の入力部である薬剤入力部に表示し、あるいは、表示された前記電子カルテにおける処方された前記薬剤の入力部である薬剤入力部に前記薬剤名が入力されると、入力された前記薬剤名を含む単数または複数の前記薬剤名、または入力された前記薬剤名に類似する単数または複数の前記薬剤名である候補薬剤名を、前記薬剤入力部に表示し、表示された前記候補薬剤名の中から前記薬剤名が選択されると、前記薬剤対応情報の中から、選択された前記薬剤名と一致する前記薬剤名を特定し、前記薬剤対応情報の中の特定した前記薬剤名に対応付けられている前記写真画像データを抽出し、抽出した前記写真画像データに基づいた写真画像を、前記電子カルテにおける前記薬剤入力部の近傍に表示する、電子カルテシステムである。
【0022】
次に、第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係る電子カルテシステムであって、それぞれの前記薬剤の用法及び用量を説明するWebページである用法・用量Webページが記憶された第2記憶手段を有する。また、前記薬剤対応情報には、それぞれの前記薬剤に対するそれぞれの前記用法・用量Webページへ移動させるハイパーリンクを含むそれぞれの移動先情報がそれぞれの前記薬剤名に対応付けて記憶されており、あるいは、それぞれの前記移動先情報を含むそれぞれの2次元コードデータがそれぞれの前記薬剤名に対応付けて記憶されており、前記薬剤対応情報に前記2次元コードデータが記憶されている場合には、前記2次元コードデータが前記第1記憶手段または前記第2記憶手段に記憶されている。そして、前記制御手段は、前記薬剤対応情報に前記移動先情報が記憶されている場合は、特定した前記薬剤名に対応付けられている前記写真画像データを抽出する際、特定した前記薬剤名に対応付けられている前記移動先情報を読み出し、読み出した前記移動先情報を含む前記2次元コードデータを作成し、抽出した前記写真画像データに基づいた写真画像と、作成した前記2次元コードデータに基づいた2次元コードを、前記電子カルテにおける前記薬剤入力部の近傍に表示する。また、前記薬剤対応情報に前記2次元コードデータが記憶されている場合は、特定した前記薬剤名に対応付けられている前記写真画像データを抽出する際、特定した前記薬剤名に対応付けられている前記2次元コードデータを抽出し、抽出した前記写真画像データに基づいた写真画像と、抽出した前記2次元コードデータに基づいた2次元コードを、前記電子カルテにおける前記薬剤入力部の近傍に表示する、電子カルテシステムである。
【0023】
次に、第4の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係る電子カルテシステムであって、薬剤情報提供書を印刷する印刷手段を有し、前記制御手段は、前記薬剤情報提供書の印刷指示が入力された場合は、前記電子カルテに入力されている患者氏名と、前記薬剤入力部に入力されている前記薬剤名と、前記薬剤入力部の近傍に表示されている前記写真画像と、を含む前記薬剤情報提供書を、前記印刷手段を用いて印刷する、電子カルテシステムである。
【0024】
次に、第5の発明は、上記第3の発明に係る電子カルテシステムであって、薬剤情報提供書を印刷する印刷手段を有し、前記制御手段は、前記薬剤情報提供書の印刷指示が入力された場合は、前記電子カルテに入力されている患者氏名と、前記薬剤入力部に入力されている前記薬剤名と、前記薬剤入力部の近傍に表示されている前記写真画像及び前記2次元コードと、を含む前記薬剤情報提供書を、前記印刷手段を用いて印刷する、電子カルテシステムである。
【発明の効果】
【0025】
医師が患者の対応をしながら電子カルテに入力する際に薬剤の処方が必要な場合、医師は処方した薬剤を入力する薬剤入力部に薬剤名を入力する。第1の発明によれば、医師が患者の対応を行いながら電子カルテの薬剤入力部に薬剤名を入力した際、薬剤名が特定されると、薬剤名の写真画像が薬剤入力部の近傍に自動的に表示される。従って、電子カルテを操作している医師が、処方した薬剤の写真画像を手間なく表示可能であり、患者と医師との積極的なコミュニケーションをとるための「きっかけ」を提供し、アドヒアランスの向上を支援できる。
【0026】
第2の発明によれば、医師が患者の対応を行いながら電子カルテの患者症状入力部へ患者症状を入力した際、または電子カルテの薬剤入力部に薬剤名を入力(途中までの入力も含む)した際、表示された候補薬剤名の中から薬剤名が選択されて薬剤名が特定されると、薬剤名の写真画像が薬剤入力部の近傍に自動的に表示される。従って、電子カルテを操作している医師が、処方した薬剤の写真画像を手間なく表示可能であり、患者と医師との積極的なコミュニケーションをとるための「きっかけ」を提供し、アドヒアランスの向上を支援できる。
【0027】
第3の発明によれば、患者はスマートフォン等の携帯端末を用いて、電子カルテの薬剤入力部の近傍に表示された2次元コードを読み取ることができる。そして患者は、2次元コードに含まれている移動先情報(ハイパーリンクなど)を用いて、処方された薬剤の用法及び用量を説明する用法・用量Webページを携帯端末に容易に表示させることができるので便利である。これにより、患者は処方された薬剤の正しい用法・用量を容易に確認することができるので、アドヒアランスの向上を支援できる。
【0028】
第4の発明によれば、薬剤情報提供書には、薬剤名とその薬剤の写真画像(電子カルテで見た写真画像)が印刷されている。患者は、受け取った薬剤を自宅で服薬する際、薬剤情報提供書の写真画像と、実際の薬剤とを見比べながら服薬できる。
【0029】
第5の発明によれば、第4の発明に加えて薬剤情報提供書には、移動先情報を含む2次元コードも印刷されている。第4の発明と同様、患者は、受け取った薬剤を自宅で服薬する際、薬剤情報提供書の写真画像(電子カルテで見た写真画像)と、実際の薬剤とを見比べながら服薬できる。また例えば患者が、処方された薬剤の用法・用量を説明するWebページを再度確認したいと思う場合がある。このような場合、患者は薬剤情報提供書に印刷された2次元コードを携帯端末で読み取って、2次元コードに含まれている移動先情報(ハイパーリンクなど)を用いて用法・用量を説明するWebページにアクセスする。これにより、処方された薬剤の用法・用量の説明を再度確認することができるので便利である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】電子カルテシステムの全体構成の例を説明する図である。
図2】薬剤対応情報の例を説明する図である。
図3】第1実施形態の制御手段の処理手順の例を説明する図であり、端末装置、電子カルテサーバ、薬剤サーバ、それぞれの間で送受信される情報と、それぞれの処理手順の例を説明する図である。
図4】端末装置に表示された電子カルテの例を説明する図である。
図5】端末装置に表示された電子カルテの薬剤入力部に、医師が薬剤名を入力した際、薬剤入力部の近傍に、薬剤の実物の写真画像と、当該薬剤の用法・用量を説明する用法・用量Webページへの移動先情報を含む2次元コードと、が自動的に表示された様子を説明する図である。
図6】薬剤の実物の写真画像が表示されない[従来]の電子カルテを用いた場合において、患者と医師のコミュニケーション(一方通行的な説明)の例を説明する図である。
図7】薬剤の実物の写真画像が表示される[本実施の形態]の電子カルテを用いた場合において、写真画像を一緒に見ている患者と医師のコミュニケーションの例を説明する図である。
図8図5に示す電子カルテから印刷された薬剤情報提供書の例を説明する図である。
図9】端末装置に表示された電子カルテに表示された2次元コード、あるいは薬剤情報提供書に印刷された2次元コードを、患者の携帯端末で読み取る様子を説明する図である。
図10】患者の携帯端末にて読み取った2次元コードに含まれている移動先情報(ハイパーリンク)を用いて、用法・用量Webページを携帯端末に表示させた例を説明する図である。
図11】院内薬局にて患者から処方箋と薬剤情報提供書を受け取った薬剤師が、処方箋及び薬剤情報提供書に記載の薬剤を渡す様子を説明する図である。
図12図11に示す端末装置の表示手段に表示される画面の例であって、図11の様子を上方の撮像装置にて撮像した画像を含む画面の例を説明する図である。
図13図3に示す第1実施形態の処理手順の例に対して、第2実施形態の処理手順の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<電子カルテシステム1の全体構成(図1)と、薬剤対応情報D2の例(図2)>
以下に本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。まず図1を用いて、電子カルテシステム1の全体構成について説明する。
【0032】
図1に示すように電子カルテシステム1は、例えば病院・医院2内に設けられた電子カルテサーバ10、薬剤サーバ11、端末装置20~22、印刷手段50、インターネットNに接続された用法・用量サーバ12等にて構成されている。また携帯端末30は、患者のスマートフォンやタブレット等の携帯端末である。
【0033】
病院・医院2内には、LAN等の通信回線41が敷設されており、この通信回線41に、電子カルテサーバ10、薬剤サーバ11、端末装置20~22、印刷手段50、通信用機器40等が接続されている。
【0034】
通信用機器40は、例えば光回線用モデム、ファイアウォール、ルータ等であり、光ファイバ等の通信回線Hと通信回線41が接続されている。
【0035】
印刷手段50は、いわゆるプリンタであり、端末装置20~22等からの指示に基づいて、処方箋や薬剤情報提供書などの種々の書類を印刷して出力する。
【0036】
電子カルテサーバ10は、サーバ本体10A、電子カルテデータD1等が記憶された電子カルテ記憶手段10B、モニタ等の表示手段10C、キーボード等の入力手段10D、マウス等の入力手段10E等を有している。電子カルテサーバ10は、電子カルテ記憶手段10Bに電子カルテサービスのプログラムを記憶しており、端末装置20~22を利用する医師等に電子カルテサービスを提供する。なお電子カルテサーバ10(またはサーバ本体10A)は、制御手段に相当する。
【0037】
薬剤サーバ11は、サーバ本体11A、薬剤対応情報D2(図2参照)等が記憶された第1記憶手段11B、モニタ等の表示手段11C、キーボード等の入力手段11D、マウス等の入力手段11E等を有している。薬剤サーバ11は、電子カルテサーバ10に薬剤に関連する情報を提供する。なお第1記憶手段11Bは、図1に示すように、薬剤対応情報D2、各薬剤の写真画像データD3、2次元コードデータD4等が記憶されている。また2次元コードデータD4は、各薬剤の用法・用量を説明する各Webページである用法・用量WebページD5へのハイパーリンク等の移動先情報を含む2次元コードデータである。なお薬剤サーバ11(またはサーバ本体11A)は、制御手段に相当する。また写真画像データD3は、それぞれの実物の薬剤のパッケージ状態(流通時の包装状態であって薬局で渡される状態)の写真画像(カラー写真画像)のデータである。
【0038】
用法・用量サーバ12は、インターネットNに接続されたいわゆる公開サーバ(公開Webサーバ)である。用法・用量サーバ12は、サーバ本体12A、用法・用量WebページD5が記憶された第2記憶手段12B、モニタ等の表示手段12C、キーボード等の入力手段12D、マウス等の入力手段12E等を有している。用法・用量サーバ12の第2記憶手段12Bには、各薬剤の用法・用量を説明するWebページである用法・用量WebページD5が記憶されている。
【0039】
そして用法・用量サーバ12は、アクセスしてきた患者の携帯端末30に、要求された用法・用量Webページを閲覧させる。患者が携帯端末30を用いて用法・用量Webページを開くと、対象の薬剤の用法・用量を説明する音声、静止画像、静止画像と音声、動画、動画と音声、の少なくとも1つの形式で対象とする薬剤の用法・用量の説明が再生される。なお用法・用量サーバ12(またはサーバ本体12A)は、制御手段に相当する。
【0040】
端末装置20は、端末本体20A、モニタ等の表示手段20C、表示された電子カルテに入力可能なキーボード等の入力手段20Dやマウス等の入力手段20E等を有している。端末装置20は、電子カルテサーバ10のいわゆるクライアント端末であり、各診察室等に配置され、医師等が電子カルテシステムを利用する際に使用される。なお、端末装置21、端末装置22は、端末装置20と同様の機器であるので説明は省略する。なお端末装置20(または端末本体20A)は、制御手段に相当する。
【0041】
携帯端末30は、患者の携帯端末であり、上述した2次元コードデータD4に含まれている移動先情報(ハイパーリンクなど)を用いて、用法・用量サーバ12の用法・用量WebページD5(処方された薬剤に対応する用法・用量WebページD5)にアクセスして当該用法・用量Webページを再生(用法・用量を説明する音声、静止画、動画等を再生)する。
【0042】
次に図2を用いて、薬剤サーバ11の第1記憶手段11Bに記憶されている薬剤対応情報D2の例について説明する。
【0043】
薬剤対応情報D2は、図2に示すように、薬剤名(D2A)に対応付けて、写真画像データ名(D2B)、2次元コードデータ名(D2C)、用法・用量を説明するWebページへの移動先情報(ハイパーリンクなど)(D2E)、薬剤の保管場所(D2F)、薬剤の在庫量(D2G)、患者症状(D2H)等が記憶されている。
【0044】
薬剤名(D2A)は、医師が処方する薬剤(電子カルテに入力する薬剤)の名称である。
【0045】
写真画像データ名(D2B)は、対応する薬剤の実物の写真画像(カラー写真画像)のデータの名称である。図1に示す薬剤サーバ11の第1記憶手段11Bには、複数の薬剤のそれぞれの実物の写真画像データD3が記憶されている。
【0046】
2次元コードデータ名(D2C)は、対応する薬剤の用法・用量を説明する用法・用量Webページ(音声、または静止画、または静止画と音声、または動画で説明)へ移動させるハイパーリンクを含む2次元コードデータの名称である。図1に示す用法・用量サーバ12の第2記憶手段12Bには、各薬剤の用法・用量を説明する用法・用量WebページD5が記憶されている。
【0047】
用法・用量を説明するWebページへの移動先情報(D2E)は、各薬剤の用法・用量を説明するWebページへ移動させるハイパーリンク等である。患者は、携帯端末30を用いて表示した移動先情報(ハイパーリンク)をクリックすることで、対象の薬剤の用法・用量を説明するWebページを表示させ、対象の薬剤の用法・用量を説明する動画等を再生することができる。
【0048】
保管場所(D2F)は、例えば薬局(院内薬局、院外薬局など)における対象の薬剤の保管場所を示しており、在庫量(D2G)は、例えば薬局における対象の薬剤の在庫量を示している。
【0049】
患者症状(D2H)には、対応する薬剤が効果を表す患者症状(発熱、頭痛など)が記憶されている。
【0050】
<第1実施形態における端末装置20、電子カルテサーバ10、薬剤サーバ11、の制御手段の処理手順など(図3図8)>
次に図3を用いて、診察時において患者と向き合っている医師が図1に示す端末装置20を操作して電子カルテシステム1を利用し、端末装置20の表示手段20Cに表示された電子カルテに対して、入力手段20D、20Eから患者の症状や処方した薬剤の入力等を行う場合について説明する。なお、電子カルテシステム1における「制御手段」は、端末装置20(または端末本体20A)と、電子カルテサーバ10(またはサーバ本体10A)と、薬剤サーバ11(またはサーバ本体11A)が相当している。
【0051】
端末装置20(制御手段に相当)はステップS10にて、医師が電子カルテシステムのログイン要求操作を行うと、ログイン要求情報を電子カルテサーバ10に送信する。
【0052】
電子カルテサーバ10(制御手段に相当)はステップT10にて、端末装置20からログイン要求情報を受信すると端末装置20に向けてログイン画面情報を送信する。
【0053】
端末装置20はステップS12にて、電子カルテサーバ10からログイン画面情報を受信すると、表示手段20Cにログイン画面を表示し、医師からID、パスワード等が入力されると、ID・パスワード情報を電子カルテサーバ10に送信する。
【0054】
電子カルテサーバ10はステップT12にて、端末装置20からID・パスワード情報を受信すると、受信したID及びパスワードと、自信が記憶しているID及びパスワードとを照合し、照合結果がOKであった場合はログインを許可して電子カルテのメニュー画面情報を端末装置20に送信する。
【0055】
端末装置20はステップS14にて、電子カルテサーバ10から受信したメニュー画面情報に基づいて電子カルテのメニュー画面を表示する。
【0056】
端末装置20はステップS20にて、メニュー画面の中から、例えば患者の電子カルテの表示が選択されて患者ID等が入力されると、患者IDを含む患者ID情報を電子カルテサーバ10に送信する。
【0057】
電子カルテサーバ10はステップT20にて、端末装置20から患者ID情報を受信すると、受診した患者ID情報に含まれている患者IDに対応付けられている電子カルテデータD1(図1参照)を抽出し、抽出した電子カルテデータD1を端末装置20に送信する。
【0058】
端末装置20はステップS22にて、電子カルテサーバ10から電子カルテデータを受信すると、受信した電子カルテデータに基づいた電子カルテを表示する。図4は端末装置20の表示手段20Cに表示された電子カルテK1の例を示している。医師は表示された電子カルテK1の種々の領域に種々の情報を入力することができる。
【0059】
端末装置20はステップS30にて、図4の例における電子カルテK1の患者症状の入力部である患者症状入力部A1に医師から症状の入力があった場合、入力された患者症状を電子カルテK1に記憶する。医師は、向かい合っている患者から症状を聞き出しながら患者症状を入力する。
【0060】
端末装置20はステップS40にて、図4の例における電子カルテK1の処方する薬剤の入力部である薬剤入力部B1に医師から薬剤名の入力があった場合、入力された薬剤名を電子カルテK1に記憶する。さらに端末装置20は、入力された薬剤名を含む薬剤名情報を電子カルテサーバ10に送信する。医師は、向かい合っている患者の対応をしながら処方する薬剤を判断して薬剤入力部B1に薬剤名を入力する。
【0061】
電子カルテサーバ10はステップT40にて、端末装置20から薬剤名情報を受信すると、薬剤サーバ11から薬剤対応情報D2(図2参照)の薬剤名(D2A)を読み出し、受信した薬剤名情報に含まれている薬剤名と、薬剤対応情報D2(図2参照)とを照合する。電子カルテサーバ10は、薬剤対応情報D2に記憶されている薬剤名の中から1つの薬剤名が特定された場合(Yes)はステップT42へ処理を進め、特定されない場合(No)はステップT40へ処理を戻し、新たな薬剤名情報が送信されることを待つ。
【0062】
電子カルテサーバ10はステップT42へ処理を進めた場合、薬剤対応情報D2(図2参照)に基づいて、特定した薬剤名に対応する写真画像データD3(図1参照)と2次元コードデータD4(図1参照)を要求する情報を薬剤サーバ11へ送信する。例えば図2の薬剤対応情報D2において、電子カルテサーバ10は、特定した薬剤名が「ABC」の場合、写真画像データ名「ABC_01.jpg」の写真画像データと、2次元コードデータ名「code_ABC.jpg」の2次元コードデータを要求する情報を薬剤サーバ11へ送信する。
【0063】
薬剤サーバ11(制御手段に相当)はステップU40にて、電子カルテサーバ10から写真画像データと2次元コードデータを要求する情報を受信すると、対象となる写真画像データD3と2次元コードデータD4を第1記憶手段11B(図1参照)から抽出し、抽出した写真画像データD3と2次元コードデータD4(図1参照)を電子カルテサーバ10に送信する。
【0064】
電子カルテサーバ10はステップT44にて、薬剤サーバ11から写真画像データD3と2次元コードデータD4を受信すると、受信した写真画像データD3と2次元コードデータD4(図1参照)を端末装置20に送信する。
【0065】
端末装置20はステップS50にて、電子カルテサーバ10から写真画像データD3と2次元コードデータD4(図1参照)を受信すると、図5に示すように薬剤入力部B2の近傍に、写真画像データに基づいた写真画像B2B、B2Cと、2次元コードデータに基づいた2次元コードB2C、B2Fを表示する。
【0066】
図5の例は、薬剤入力部B2に入力された薬剤名「ABC」(図5中の符号B2A)の近傍に薬剤名「ABC」に対応する写真画像B2Bと2次元コードB2Cが表示され、薬剤名「AD」(図5中の符号B2D)の近傍に薬剤「ADE」に対応する写真画像B2Eと2次元コードB2Fが表示された例を示している。なお図5の例に示す写真画像B2Bは薬剤名「ABC」の実物の薬剤の写真画像であり、薬局で渡されるパッケージ状態(流通時の包装状態)の写真画像である。同様に写真画像B2Eは薬剤名「ADE」の実物の薬剤の写真画像であり、薬局で渡されるパッケージ状態(流通時の包装状態)の写真画像である。
【0067】
図5において、薬剤名「ABC」の例は、薬剤入力部に薬剤名「ABC」の名称全体の入力が完了している場合の例であり、薬剤名「ABC」と一致する薬剤名が特定されて、薬剤名「ABC」に対応付けられている写真画像B2Bと2次元コードB2Cが表示された例を示している。また図5において、薬剤名「AD」の例は、薬剤入力部に薬剤名「ADE」に対して途中までの「AD」の入力で、薬剤名「AD」を含む薬剤名「ADE」が特定されて、薬剤名「ADE」に対応付けられている写真画像B2Eと2次元コードB2Fが表示された例を示している。
【0068】
端末装置20はステップS60にて、医師から薬剤情報提供書(及び処方箋)の出力の指示(印刷指示)が有る場合(Yes)はステップS62へ処理を進め、薬剤情報提供書(及び処方箋)の出力の指示(印刷指示)が無い場合(No)はステップS62をスキップする。
【0069】
端末装置20はステップS62へ処理を進めた場合、印刷手段50(図1参照)を用いて薬剤情報提供書(及び処方箋)を印刷する。なお、印刷された薬剤情報提供書の例を図8に示す。図8の例に示す薬剤情報提供書P1は、図5に示す電子カルテK2に入力されている患者氏名(BBB)と、薬剤入力部B2に入力されている薬剤名(ABC、ADE(AD))と、薬剤入力部B2の近傍に表示されている写真画像B2B、B2E及び2次元コードB2C、B2Fと、を含んでいる。
【0070】
図8の例に示すように、薬剤情報提供書P1は、上方の位置に患者情報P1Cが印刷され、左上などの予め設定された所定位置P1Aには患者情報P1Cを含む2次元コードP1Bが印刷されている。患者情報P1Cには、患者氏名、患者の性別、調剤日などが印刷されている。なお2次元コードP1Bは、後述する<処方(調剤)された薬剤の受け渡しの記録>にて使用される。
【0071】
また薬剤情報提供書P1には、処方(調剤)された薬剤の表示部である薬剤名表示部P1Dに薬剤名「ABC」、「ADE」が印刷されている。また各薬剤の写真画像の表示部である写真画像表示部P1Eに各薬剤の写真画像B2B、B2Eが印刷されている。また各薬剤の用法・用量の表示部である用法・用量表示部P1Fに各薬剤の用法・用量の説明と2次元コードB2C、B2F(用法・用量を説明する用法・用量Webページへの移動先情報(ハイパーリンク)を含む2次元コード)が印刷されている。
【0072】
<診察時における患者と医師とのコミュニケーションについて(図6図7)>
診察時において、図6の例に示す[従来]の電子カルテシステムでは、医師YZが電子カルテに処方薬の薬剤名を入力しても薬剤の写真画像が表示されず、入力した薬剤名の薬剤に対応する用法・用量などの文字情報が表示される程度であった。診察時において、医師YZは、向かい合っている患者XZに対して、処方薬の薬剤名や用法・用量などを口頭で説明するが、一方通行的な説明になりやすい。
【0073】
図6の例に示す[従来]の電子カルテシステムでは、患者XZは、医師YZからの説明を聞くが、薬剤名や用法・用量などを医師YZから口頭で説明されても頭に入ってこない。患者XZは、表示されている電子カルテを見ても、薬剤名や用法・用量などの文字情報が表示されているだけなので興味を持てず、ほとんど黙って聞くのみとなりやすい。このため、薬剤に対応させた正しい用法・用量が患者XZの記憶にほとんど残らず、アドヒアランスの低下を招き、服薬忘れなどが発生しやすい。
【0074】
診察時において、図7の例に示す[本実施の形態]の電子カルテシステムでは、医師Y1が電子カルテに処方薬の薬剤名を入力すると、用法・用量などとともに薬剤の写真画像(実際の薬剤のカラー写真画像)が表示される。医師Y1は、電子カルテに表示された薬剤の写真画像を患者と一緒に見ながら、薬剤名や用法・用量などを説明する。例えば「赤色の包装(または薬剤名)の薬剤名ABCの用法・用量は、・・・です。青色の包装(または薬剤名)の薬剤名ADEの用法・用量は・・・です。」という具合に写真画像を患者と一緒に見ながら説明できるので、説明しやすい。また医師Y1は、患者X1と一緒に薬剤の写真画像を見ながら説明できるので、電子カルテに表示されていない注意事項などがある場合も説明しやすい。
【0075】
図7の例に示す[本実施の形態]の電子カルテシステムでは、患者X1は、医師Y1と一緒に薬剤の写真画像を見て興味を持ちながら、医師Y1から用法・用量などの説明を聞くことができる。「百聞は一見に如かず」ということわざがあるように、患者X1は、医師Y1からの説明をただ耳で聞くだけでなく、医師Y1と一緒に薬剤の実物の写真画像を目で見ながら耳で説明を聞くことができる。これにより、患者X1は、薬剤に興味を持てるとともに鮮明に薬剤のイメージを記憶に残し、正しい用法・用量を関連付けて記憶しやすい。このため、アドヒアランスが向上し、服薬忘れなどが発生しにくい。また患者X1は、医師Y1と一緒に写真画像を見ながら薬剤に興味を持てるので、例えば「青色の包装の薬剤は「就寝前」に服薬ですが、どのくらい前に服薬するのが良いのでしょうか?」という具合に、質問等をしやすくなる(興味が無い場合は質問も無い)。
【0076】
上記のように、医師Y1が処方した薬剤の薬剤名が電子カルテに入力されると自動的に写真画像(実際の薬剤のカラー写真画像)が表示されるので、医師Y1は、手間なく薬剤の写真画像を表示させることができる。そして医師Y1は、電子カルテに表示された薬剤の写真画像を患者X1と一緒に見ながら、正しい用法・用量を薬剤に対応させて、わかりやすく説明できる。そして患者X1は、電子カルテに表示された薬剤の写真画像を医師Y1と一緒に見て興味を持ちながら、正しい用法・用量を薬剤に対応させて記憶に残すことができる。そして患者X1と医師Y1は、薬剤の写真画像を一緒に見ながら、当該薬剤について注意事項、質問、回答等の言葉のキャッチボールを交わしやすくなる。このように、本実施の形態にて説明した電子カルテシステムは、患者X1と医師Y1との距離を縮めて積極的なコミュニケーションをとるための「きっかけ」を提供し、アドヒアランスの向上を支援できる。
【0077】
<薬剤の用法・用量を説明する用法・用量Webページを携帯端末30に表示させる手順(図9図10)>
図5に示す電子カルテK2に表示された2次元コードB2Cには、処方された薬剤名「ABC」に対応する用法・用量WebページD5(図1参照)へのハイパーリンクを含む移動先情報が含まれている。例えば図2に示す薬剤対応情報D2の場合、薬剤名「ABC」に対応する「用法・用量を説明するWebページへの移動先情報」として、「Web_ABCページへの移動先情報(ハイパーリンクなど)」が記憶されている。従って薬剤名「ABC」に対応する2次元コードB2Cには、薬剤名「ABC」に対応する「Web_ABCページへの移動先情報(ハイパーリンクなど)」が含まれている。
【0078】
患者は携帯端末30を操作して、図5に示す電子カルテK2の2次元コードB2Cを読み取って表示されたハイパーリンク(またはハイパーリンクが設定されたアイコンやボタンなど)を選択(クリック)することで、薬剤名「ABC」に対応する用法・用量Webページを表示させ、用法・用量を説明する動画等を再生させることができる。なお図9に示すように薬剤情報提供書P1に印刷された2次元コードB2Cも、電子カルテK2の2次元コードB2Cと同じであるので、同様にして携帯端末30で読み取って用法・用量Webページを表示させ、用法・用量を説明する動画等を再生させることができる。2次元コードを読み取る場合、例えばスマートフォンやタブレットの2次元コードの読み取り機能を用いて読み取ればよい。
【0079】
図10は、上記の手順にて携帯端末30にて用法・用量Webページを表示させて用法・用量を説明する動画等を再生した例を示している。図10の例に示す用法・用量Webページでは、薬剤名「ABC」、薬剤名「ABC」の実物の写真画像、用法・用量などが動画で説明され、これらが音声とともに順番に説明される。
【0080】
以上の説明では、2次元コードデータD4が薬剤サーバ11の第1記憶手段11B(図1参照)に記憶されている例を説明したが、2次元コードデータD4は、用法・用量サーバ12の第2記憶手段12B(図1参照)に記憶されていてもよい。
【0081】
また、以上の説明では、2次元コードデータD4が第1記憶手段11Bまたは第2記憶手段12Bに記憶されている例を説明したが、電子カルテサーバ10が、図3に示すステップT44にて、2次元コードデータを作成するようにしてもよい。ステップT44にて、電子カルテサーバ10は、特定した薬剤と、薬剤対応情報D2(図2参照)とに基づいて、薬剤名に対応付けられている用法・用量を説明するWebページへの移動先情報(ハイパーリンク)(D2E)を読み出し、読み出した用法・用量を説明するWebページへの移動先情報(ハイパーリンク)を含む2次元コードデータを作成すればよい。そして電子カルテサーバ10はステップT44にて、写真画像データと、作成した2次元コードデータを端末装置20に送信すればよい。
【0082】
<処方(調剤)された薬剤の受け渡しの記録(図11図12)>
図11は、図8に示す薬剤情報提供書P1及び図12に示す処方箋PZを受け取った患者X1が、例えば院内薬局に薬剤情報提供書P1及び処方箋PZを提示して薬剤師Y2から薬剤を受け取る様子を示している。例えば院内薬局内には、図1に示す端末装置22が配置され、受付台R、撮像装置Z(カメラ等)が配置されている。なお院内薬局は、図1に示す病院・医院2内に設けられている。撮像装置Zは、受付台Rに置かれた薬剤情報提供書P1、処方箋PZ、及び薬剤を撮像可能となるように、受付台Rの上方に配置され、端末装置22に接続されて撮像データを端末装置22に送信する。薬剤師Y2は、端末装置22を操作して、撮像装置Zから受信した撮像データを記録することで、患者X1への薬剤の受け渡し履歴を記録することができる。
【0083】
図12は、端末装置22の表示手段22C(図11参照)に表示された画面の例を示している。図12の例における画面領域Z1は、撮像装置Zが撮像している画像が表示される領域である。また画面領域Z2は、記録する撮像データのファイル名(図12の例では「2024年2月1日_BBB様_手渡記録.mp4」)と、「録画開始」ボタン、「録画終了」ボタンが表示される領域である。
【0084】
薬剤師Y2は、薬剤情報提供書P1及び処方箋PZを受け取ると、受付台Rの目印M1(図12参照)に合わせて薬剤情報提供書P1を置き、受付台Rの目印MZ(図12参照)に合わせて処方箋PZを置き、端末装置22を操作して受渡記録アプリケーションプログラムを起動する。撮像装置Z及び端末装置22は、予め薬剤情報提供書P1の所定位置P1Aに印刷されている2次元コードP1Bを読み取る。2次元コードP1Bには、患者氏名(BBB)を含む患者情報P1Cが含まれている。端末装置22は、読み取った2次元コードP1Bに含まれている患者情報P1Cと本日の年月日に基づいて、例えばファイル名「2024年2月1日_BBB様_手渡記録.mp4」を自動的に作成して画面領域Z2内にファイル名、「録画開始」ボタン、「録画終了」ボタン等を表示する。
【0085】
薬剤師Y2は、薬剤を用意して(調合を含む)、「録画開始」ボタンを操作して録画を開始する。そして薬剤師Y2は、図12に示すように、薬剤情報提供書P1に印刷されている薬剤名「ABC」の実際の薬剤Y2Bと、薬剤名「ADE」の実際の薬剤Y2Eを、受付台Rに置いて患者X1に渡す。このとき薬剤師Y2は、例えば、薬剤情報提供書P1に印刷されている薬剤名「ABC」の薬剤の実物の写真画像B2Bの隣に実物の薬剤Y2Bを置き、薬剤名「ADE」の薬剤の実物の写真画像B2Eの隣に実物の薬剤Y2Eを置き、図12の例に示すように指差ししながら患者X1に渡すと、より好ましい。
【0086】
患者X1は、処方された薬剤名「ABC」の写真画像B2Bと、渡された薬剤Y2Bとが完全に一致していること、処方された薬剤名「ADE」の写真画像B2Eと、渡された薬剤Y2Eとが完全に一致していることを容易に、かつ、確実に確認することができるので、渡された薬剤を安心して受け取ることができる。薬剤の受渡しを終えて薬剤師Y2が「録画終了」ボタンを操作すると録画が終了し、端末装置22は、「2024年2月1日_BBB様_手渡記録.mp4」ファイルを端末本体22Aに記憶する。
【0087】
患者への薬剤の受け渡しを、図12に示す画像で記録することで、いつ、どの患者に、どのような薬剤情報提供書P1及び処方箋PZに基づいて、どのような薬剤を渡したか、後日に確認することができるので便利である。
【0088】
なお、マイクを受付台Rに配置して、音声も同時に「2024年2月1日_BBB様_手渡記録.mp4」ファイルに記憶するようにしてもよい。
【0089】
<端末装置20、電子カルテサーバ10、薬剤サーバ11の第2実施形態の処理手順(図13)>
次に、端末装置20、電子カルテサーバ10、薬剤サーバ11の第1実施形態の処理手順(図3)に対して、第2実施形態の処理手順(図13)について説明する。図13に示すフローチャートは、図3に示すフローチャートのステップS30、ステップS40が点線で囲った(変更部)に変更されている点が異なる。
【0090】
図3に示す第1実施形態では、ステップS40にて医師が薬剤名を入力すると、薬剤名に対応する薬剤の実物の写真画像が表示される。図13に示す第2実施形態では、医師が図13に示すステップS32にて患者症状を入力すると、患者症状に応じた候補薬剤名(単数または複数の候補薬剤名)が表示される。そして候補薬剤名の中から1つの薬剤名を医師が選択すると、選択した薬剤名に対応する薬剤の実物の写真画像が表示される。以下、図3に示す第1実施形態からの変更個所(図13に示す(変更部))について主に説明する。
【0091】
端末装置20は図13のステップS32にて、図4の例における電子カルテK1の患者症状の入力部である患者症状入力部A1に医師から患者症状の入力がされると、入力された患者症状を電子カルテK1に記憶するとともに、入力された患者症状を含む患者症状情報を電子カルテサーバ10に送信する。
【0092】
電子カルテサーバ10はステップT30にて、端末装置20から患者症状情報を受信すると、受信した患者症状情報を薬剤サーバ11に送信する。
【0093】
薬剤サーバ11はステップU30にて、電子カルテサーバ10から患者症状情報を受信すると、受信した患者症状情報に含まれている患者症状と、図2に示す薬剤対応情報D2の患者症状(D2H)とに基づいて、患者症状(D2H)に対応する薬剤名(単数または複数の薬剤名)を抽出し、抽出した薬剤名を電子カルテサーバ10に送信する。
【0094】
電子カルテサーバ10はステップT32にて、薬剤サーバ11から薬剤名を受信すると、受信した薬剤名を含む候補薬剤名情報を端末装置20に送信する。
【0095】
端末装置20はステップS34にて、電子カルテサーバ10から候補薬剤名情報を受信すると、受信した候補薬剤名情報に含まれている薬剤名(候補薬剤名)を、図4の例における電子カルテK1の薬剤入力部B1に表示する(選択を促すように表示する)。
【0096】
端末装置20はステップS42にて、表示された候補薬剤名の中から医師が1つまたは複数の薬剤名を選択した場合、選択された薬剤名(1つまたは複数)を含む薬剤名情報を電子カルテサーバ10に送信する。
【0097】
以降の処理は、図3に示す第1実施形態と同じであるので説明を省略する。なお、複数の薬剤名が選択された場合は、選択されたそれぞれの薬剤の写真画像が表示される。
【0098】
上記の例は、患者症状が入力されると、患者症状に対応する(単数または複数の)候補薬剤名を薬剤入力部に表示する例を説明したが、薬剤入力部に薬剤名が途中まで入力された際に、途中まで入力された薬剤名を含む薬剤名や、途中まで入力された薬剤名に類似する名称の薬剤名を候補薬剤名として薬剤入力部に表示するようにしてもよい。
【0099】
<効果など>
以上、本実施の形態にて説明した電子カルテシステム1は、電子カルテの薬剤入力部に薬剤名が入力されると(または薬剤名が選択されると)、入力(または選択)された薬剤名の薬剤の実物の写真画像が自動的に表示される。従って、医師は、手間なく薬剤(処方薬)の写真画像を表示させることができる。
【0100】
そして医師は、電子カルテに表示された薬剤の写真画像を患者と一緒に見ながら、正しい用法・用量を薬剤に対応させて、患者の理解状態を確認しながらわかりやすく説明できる。そして患者は、電子カルテに表示された薬剤の写真画像を医師と一緒に見て興味を持ちながら、正しい用法・用量を薬剤に対応させて記憶に残すことが可能となり、質問などもしやすくなる。そして患者と医師は、薬剤の写真画像を一緒に見ながら、当該薬剤について注意事項、質問、回答等の言葉のキャッチボールを交わしやすくなる。このように、本実施の形態にて説明した電子カルテシステム1は、患者と医師との距離を縮めて積極的なコミュニケーションをとるための「きっかけ」を提供し、アドヒアランスの向上を支援できる。
【0101】
<その他>
本発明の、電子カルテシステム1は、本実施の形態で説明した構成、構造、外観等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、電子カルテサーバ10と薬剤サーバ11を1つのサーバにまとめてもよい。また薬剤対応情報D2(図2参照)、電子カルテの画面(図4図5参照)、薬剤情報提供書P1(図8参照)などは、本実施の形態にて説明した外観等に限定されるものではない。また処理手順は、図3図13に示す処理手順に限定されるものではない。また患者の携帯端末30に用法・用量を説明する動画等は図10の画面に限定されるものではない。
【0102】
また本実施の形態の説明では、薬剤の用法・用量を説明するWebページ、及び当該Webページへの移動先情報(ハイパーリンク)を含む2次元コードを用いる例を説明したが、このWebページ及び2次元コードを省略してもよい。また、用法・用量を説明する用法・用量Webページへの移動先情報は、ハイパーリンクの代わりにURL(Uniform Resource Locator)であってもよい。移動先情報がURLの場合、患者は、端末装置のWebブラウザを起動してアクセス先にURLを入力(またはコピー)することで、用法・用量Webページへアクセスすることができる。
【0103】
本実施の形態の説明では、携帯端末30を患者の携帯端末とした例を説明したが、患者が所有する携帯端末に限定されず病院・医院の携帯端末であってもよい。また携帯型の端末装置に限定されず、据置型の端末装置(2次元コードの読取装置を備えた端末装置)であってもよい。
【0104】
本実施の形態の説明では、表示された電子カルテに移動先情報を含む2次元コードB2C、B2Fを表示する例(図5参照)、印刷された薬剤情報提供書に移動先情報を含む2次元コードB2C、B2Fを印刷する例(図8参照)を説明したが、移動先情報を含む2次元コードの表示や印刷を省略し、用法・用量を説明するWebページを省略してもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 電子カルテシステム
2 病院・医院
10 電子カルテサーバ
10A サーバ本体(制御手段)
10B 電子カルテ記憶手段
10C 表示手段
10D、11E 入力手段
11 薬剤サーバ
11A サーバ本体(制御手段)
11B 第1記憶手段
11C 表示手段
11D、11E 入力手段
12 用法・用量サーバ
12A サーバ本体(制御手段)
12B 第2記憶手段
12C 表示手段
12D、12E 入力手段
20、21、22 端末装置
21A、22A、23A 端末本体(制御手段)
21C、22C、23C 表示手段
21D、22D、23D 入力手段
21E、22E、23E 入力手段
30 携帯端末
40 通信用機器
50 印刷手段
41 通信回線
A1、A2 患者症状入力部
B1、B2 薬剤入力部
B2B、B2E 写真画像
B2C、B2F 2次元コード
D1 電子カルテデータ
D2 薬剤対応情報
D3 写真画像データ
D4 2次元コードデータ
D5 用法・用量Webページ
K1、K2 電子カルテ
H 通信回線
M1 目印
N インターネット
P1 薬剤情報提供書
P1A 所定位置
P1B 2次元コード
P1C 患者情報
P1D 薬剤名表示部
P1E 写真画像表示部
P1F 用法・用量表示部
PZ 処方箋
R 受付台
X1 患者
Y1 医師
Y2 薬剤師
Y2B、Y2E 薬剤
Z 撮像装置
Z1、Z2 画面領域
【要約】
【課題】電子カルテを操作している医師が、処方した薬剤の写真画像を手間なく表示可能であり、患者と医師との積極的なコミュニケーションをとる「きっかけ」を提供し、アドヒアランスの向上を支援できる電子カルテシステムを提供する。
【解決手段】複数の薬剤のそれぞれの実物の写真画像データと、それぞれの薬剤の薬剤名にそれぞれの写真画像データを対応付けた薬剤対応情報と、が記憶された第1記憶手段を有する。制御手段は、表示された電子カルテK2における薬剤入力部B2に薬剤名が入力されると、薬剤対応情報の中から、入力された薬剤名を含む薬剤名を特定し、あるいは、入力された薬剤名と一致する薬剤名を特定し、薬剤対応情報の中の特定した薬剤名に対応付けられている写真画像データを抽出し、抽出した写真画像データに基づいた写真画像B2B、B2Eを、電子カルテK2における薬剤入力部B2の近傍に表示する。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13