(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】ゴルフ支援システム、サーバ装置、ゴルフ支援方法、および、ゴルフ支援プログラム
(51)【国際特許分類】
A63B 71/06 20060101AFI20241101BHJP
【FI】
A63B71/06 R
A63B71/06 U
(21)【出願番号】P 2024509716
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 JP2022014698
(87)【国際公開番号】W WO2023181419
(87)【国際公開日】2023-09-28
【審査請求日】2024-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小澤 正
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-512220(JP,A)
【文献】国際公開第2017/057157(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/098570(WO,A1)
【文献】米国特許第5953056(US,A)
【文献】米国特許第5938545(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0407059(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0406118(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109069903(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0050589(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1872465(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0103781(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0062399(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/06
A63B 69/00
A63B 69/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフコースにおいてプレーをするユーザを支援するゴルフ支援システムであって、前記ゴルフコースで運用する移動体を備えるゴルフ支援システムにおいて、
前記ユーザにより打たれたゴルフボールの弾道を、前記移動体に搭載されたカメラを用いて弾道画像として撮影する撮影部と、
前記弾道画像を用いて前記ゴルフボールの弾道を予測弾道として算出する弾道予測部と、
前記予測弾道を用いて前記ゴルフボールの落下位置である予測落下位置を算出し、前記予測落下位置までの前記移動体の移動経路を算出する経路算出部と、
前記移動体が前記予測落下位置に到着すると、前記予測落下位置に基づいて前記ゴルフボールを探索する探索範囲を決定し、前記カメラにより前記探索範囲を撮影することにより前記ゴルフボールを探索し、探索により得られた探索結果を表示機器に表示するボール探索部と
を備えるゴルフ支援システム。
【請求項2】
前記移動体は、自律搬送型ロボット、人を乗車させて走行することが可能なPMV(Personal Mobility Vehicle)、または自律飛行体である請求項
1に記載のゴルフ支援システム。
【請求項3】
前記ゴルフ支援システムは、
前記ゴルフコースの上空を自律飛行する自律飛行体であって、前記ゴルフコースを上空から撮影する上空カメラを具備する自律飛行体を備え、
前記ボール探索部は、
前記探索範囲にフェアウェイ以外のエリアが含まれているかを判定し、前記探索範囲にフェアウェイ以外のエリアが含まれている場合に、前記上空カメラにより前記探索範囲を撮影することにより前記探索範囲における前記ゴルフボールを探索する請求項
1または請求項
2に記載のゴルフ支援システム。
【請求項4】
前記ボール探索部は、
前記探索範囲を撮影した画像に対して画像認識処理を実施することにより前記ゴルフボールを探索し、前記ゴルフボールを特定した場合に、前記ゴルフコースにおける前記ゴルフボールの位置を特定し、前記ゴルフボールの位置を前記ゴルフコースの画像に重畳した前記探索結果を生成し、前記探索結果を前記表示機器に表示する請求項
1から請求項
3のいずれか1項に記載のゴルフ支援システム。
【請求項5】
前記移動体は、プロジェクションマッピングを映写する映写装置を備え、
前記ボール探索部は、
前記ゴルフコースにおける前記ゴルフボールの位置の方向に前記ユーザを誘導するプロジェクションマッピングを生成し、
前記映写装置は、
前記ゴルフコースの上に前記ユーザを誘導するプロジェクションマッピングを映写する請求項
4に記載のゴルフ支援システム。
【請求項6】
前記ボール探索部は、
予め定められた時間内に前記ゴルフボールを特定できなかった場合に前記ゴルフボールの探索がタイムアウトしたことを示す前記探索結果を生成し、前記探索結果を前記表示機器に表示する請求項
4または請求項
5に記載のゴルフ支援システム。
【請求項7】
前記ゴルフ支援システムは、
前記ゴルフコースにおける移動体の過去の走行実績を記録したコース地図情報を記憶する記憶部を備え、
前記経路算出部は、
前記コース地図情報に基づいて、前記ゴルフコースにおいて同じ経路の走行が予め定められた回数以下となるように前記移動経路を生成する請求項
1から請求項
6のいずれか1項に記載のゴルフ支援システム。
【請求項8】
前記コース地図情報には、前記ゴルフコースにおける移動体の進入禁止エリアが設定されており、
前記経路算出部は、
前記コース地図情報に基づいて、前記進入禁止エリアの外を走行するように前記移動経路を生成する請求項
7に記載のゴルフ支援システム。
【請求項9】
前記コース地図情報には、前記ゴルフコースの3次元地図データが設定されており、
前記経路算出部は、
前記コース地図情報に基づいて、急傾斜の経路を回避するように前記移動経路を生成する請求項
7または請求項
8に記載のゴルフ支援システム。
【請求項10】
前記ゴルフ支援システムは、
前記移動体の自律移動を制御する移動制御部を備え、
前記撮影部は、
前記カメラが前記ゴルフコースに沿って前記ユーザの後方から前記ゴルフボールの弾道を撮影するように、前記移動体の位置を制御する撮影位置制御情報を生成し、前記撮影位置制御情報を前記移動制御部に送信する請求項
1から請求項
8のいずれか1項に記載のゴルフ支援システム。
【請求項11】
前記撮影部は、
前記ユーザのショット開始の姿勢を検出し、前記ショット開始の姿勢の検出に基づいて、前記カメラに前記ゴルフボールの弾道の撮影を開始させ、撮影している画像における前記ゴルフボールのサイズに基づいて、前記カメラに撮影を終了させる請求項
1から請求項
10のいずれか1項に記載のゴルフ支援システム。
【請求項12】
前記ゴルフ支援システムは、さらに、
前記ゴルフコースにおける前記ユーザの状況をユーザ画像として前記カメラにより撮影し、前記ユーザ画像から前記ユーザのショットを撮影したショット画像を抽出し、前記ショット画像を前記表示機器に表示するユーザ情報提供部を備える請求項
1から請求項
10のいずれか1項に記載のゴルフ支援システム。
【請求項13】
前記ユーザ情報提供部は、
前記ユーザ画像に基づいて前記ゴルフコースにおける前記ユーザのプレーをまとめた動画を生成し、前記動画を前記表示機器に表示する請求項
12に記載のゴルフ支援システム。
【請求項14】
前記表示機器は、
前記移動体に搭載されたディスプレイおよび前記ユーザにより携帯される携帯端末機器の少なくともいずれかである請求項
1から請求項
13のいずれか1項に記載のゴルフ支援システム。
【請求項15】
前記弾道予測部は、
前記ゴルフコースの画像に前記予測弾道を重畳して得られた予測弾道画像を前記表示機器に表示する請求項
1から請求項
14のいずれか1項に記載のゴルフ支援システム。
【請求項16】
前記ゴルフ支援システムは、
前記移動体と通信するサーバ装置を備え、
前記移動体は、前記撮影部を備え、
前記撮影部は、
前記弾道画像を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記弾道予測部と前記経路算出部と前記ボール探索部とを備え、
前記経路算出部は、
前記移動経路を前記移動体に送信する請求項
1から請求項
15のいずれか1項に記載のゴルフ支援システム。
【請求項17】
ゴルフコースで運用する移動体と前記移動体に移動経路を送信するサーバ装置とを備え、前記ゴルフコースにおいてプレーするユーザを支援するゴルフ支援システムに備えられるサーバ装置において、
前記移動体に搭載され、前記移動体の周囲の状況を撮影するカメラと、
前記ユーザにより打たれたゴルフボールの弾道を弾道画像として、前記移動体に搭載されたカメラを用いて撮影する撮影部と、
前記弾道画像を用いて前記ゴルフボールの弾道を予測弾道として算出する弾道予測部と、
前記予測弾道を用いて前記ゴルフボールの落下位置である予測落下位置を算出し、前記予測落下位置までの前記移動経路を算出する経路算出部と、
前記移動体が前記予測落下位置に到着すると、前記予測落下位置に基づいて前記ゴルフボールを探索する探索範囲を決定し、前記カメラにより前記探索範囲を撮影することにより前記ゴルフボールを探索し、探索により得られた探索結果を表示機器に表示するボール探索処理と
を備えるサーバ装置。
【請求項18】
ゴルフコースにおいてプレーするユーザを支援するゴルフ支援システムであって、前記ゴルフコースで運用する移動体を備えるゴルフ支援システムに用いられるゴルフ支援方法において、
コンピュータが、前記ユーザにより打たれたゴルフボールの弾道を、前記移動体に搭載されたカメラを用いて弾道画像として撮影し、
コンピュータが、前記弾道画像を用いて前記ゴルフボールの弾道を予測弾道として算出し、
コンピュータが、前記予測弾道を用いて前記ゴルフボールの落下位置である予測落下位置を算出し、前記予測落下位置までの前記移動体の移動経路を算出
し、
コンピュータが、前記移動体が前記予測落下位置に到着すると、前記予測落下位置に基づいて前記ゴルフボールを探索する探索範囲を決定し、前記カメラにより前記探索範囲を撮影することにより前記ゴルフボールを探索し、探索により得られた探索結果を表示機器に表示するゴルフ支援方法。
【請求項19】
ゴルフコースにおいてプレーするユーザを支援するゴルフ支援システムであって、前記ゴルフコースで運用する移動体を備えるゴルフ支援システムに用いられるゴルフ支援プログラムにおいて、
前記ユーザにより打たれたゴルフボールの弾道を、前記移動体に搭載されたカメラを用いて弾道画像として撮影する撮影処理と、
前記弾道画像を用いて前記ゴルフボールの弾道を予測弾道として算出する弾道予測処理と、
前記予測弾道を用いて前記ゴルフボールの落下位置である予測落下位置を算出し、前記予測落下位置までの前記移動体の移動経路を算出する経路算出処理と
、
前記移動体が前記予測落下位置に到着すると、前記予測落下位置に基づいて前記ゴルフボールを探索する探索範囲を決定し、前記カメラにより前記探索範囲を撮影することにより前記ゴルフボールを探索し、探索により得られた探索結果を表示機器に表示するボール探索処理と
をコンピュータに実行させるゴルフ支援プログラム。
【請求項20】
ゴルフコースにおいてプレーをするユーザを支援するゴルフ支援システムであって、前記ゴルフコースで運用
され、人または荷物を運ぶコース走行車両を備えるゴルフ支援システムにおいて、
前記ユーザにより打たれたゴルフボールの弾道を、前記
コース走行車両に搭載されたカメラを用いて弾道画像として撮影する撮影部と、
前記弾道画像を用いて前記ゴルフボールの弾道を予測弾道として算出する弾道予測部と、
前記予測弾道を用いて前記ゴルフボールの落下位置である予測落下位置を算出し、前記予測落下位置までの前記
コース走行車両の移動経路を算出する経路算出部と、
を備えるゴルフ支援システム。
【請求項21】
前記コース走行車両は、一人乗り用のPMV(Personal Mobility Vehicle)であることを特徴とする請求項20に記載のゴルフ支援システム。
【請求項22】
前記撮影部は、前記コース走行車両が前記ゴルフコースを走行する際に、前記ゴルフコースの状況を撮影し、前記ゴルフコースの芝が傷んでいるか否かを判断する
ことを特徴とする請求項20または請求項21に記載のゴルフ支援システム。
【請求項23】
前記ゴルフ支援システムは、
前記コース走行車両の自律移動を制御する移動制御部を備え、
前記移動制御部は、芝が傷んでいる箇所を回避して走行するように前記コース走行車両を制御する
ことを特徴とする請求項22に記載のゴルフ支援システム。
【請求項24】
前記ゴルフ支援システムは、
前記ゴルフコースの地図データであるコース地図情報を記憶するサーバ装置を備え、
前記サーバ装置は、前記撮影部が芝が痛んでいると判断した箇所の情報を前記コース地図情報に反映する
ことを特徴とする請求項22に記載のゴルフ支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゴルフ支援システム、移動体、サーバ装置、ゴルフ支援方法、および、ゴルフ支援プログラムに関する。特に、ゴルフコースにおいてプレーするゴルファであるユーザを支援するゴルフ支援システム、移動体、サーバ装置、ゴルフ支援方法、および、ゴルフ支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフコースにおいて利用される車両には、プレーするゴルファ全員分のゴルフバッグを積み込み、カート道あるいはゴルフコース内の走行可能範囲を走行するゴルフカートがある。
また、近年、ゴルフコース内のゴルファ1人分のゴルフバッグを積み込み、そのゴルファに追従して移動するロボットキャディが導入され始めている。
【0003】
特許文献1には、ゴルファのゴルフバッグを積み込み、ゴルファが携帯する遠隔送信機からの信号を受信することにより、ゴルファに追従して移動する自律型車両が開示されている。また、特許文献1には、自律型車両を安全に走行させる技術、および、自律型車両を用いてゴルファに有益な情報を提示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゴルフコースでプレーする際は、適切なペースでプレーを進行することがマナーとなっている。そのため、ゴルファが打ったボールが見つからない場合に、探す時間が短くなり、ロストボールとなってしまう場合がある。また、ゴルファがボールを探していると、思いがけず時間が経ってしまい、全体の進行を遅らせてしまう場合もある。
このように、ゴルファおよびゴルフコースの双方にとって、ボール探しを迅速かつ的確に行うことがゴルフコースでプレーする際の課題となっている。
しかし、特許文献1の技術では、ゴルファに追従して移動する支援を行っているが、ボール探しについて支援することは開示されていない。
【0006】
本開示では、ゴルフコースで運用する各種移動体を用いて、ゴルフボールの探索および特定を迅速かつ的確に行い、ユーザのボール探しの負担を軽減し、快適なプレーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るゴルフ支援システムは、
ゴルフコースにおいてプレーをするユーザを支援するゴルフ支援システムであって、前記ゴルフコースで運用する移動体を備えるゴルフ支援システムにおいて、
前記ユーザにより打たれたゴルフボールの弾道を、前記移動体に搭載されたカメラを用いて弾道画像として撮影する撮影部と、
前記弾道画像を用いて前記ゴルフボールの弾道を予測弾道として算出する弾道予測部と、
前記予測弾道を用いて前記ゴルフボールの落下位置である予測落下位置を算出し、前記予測落下位置までの前記移動体の移動経路を算出する経路算出部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係るゴルフ支援システムによれば、ゴルフコースで運用する移動体で撮影した画像を用いて、ゴルフボールの探索および特定を迅速かつ的確に行うことで、ユーザのボール探しの負担を軽減し、快適なプレーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係るゴルフ支援システムの全体構成例を示す図。
【
図2】実施の形態1に係るコース走行車両の構成例を示す図。
【
図3】実施の形態1に係るサーバ装置の構成例を示す図。
【
図4】実施の形態1に係るコース走行車両の構成例を示す図。
【
図5】実施の形態1に係るゴルフ支援システムの動作を示すフロー図。
【
図6】実施の形態1に係るユーザのショットの撮影の様子を示す図。
【
図7】実施の形態1に係る予測弾道画像の表示例を示す図である。
【
図8】実施の形態1に係るドローン300による撮影の様子を示す図である。
【
図9】実施の形態1に係るボール探索部230によるゴルフボールの探索結果57の作成処理を示すフロー図である。
【
図10】実施の形態1の変形例に係るサーバ装置200の構成例を示す図である。
【
図11】実施の形態1の変形例に係るコース走行車両100の構成例を示す図である。
【
図12】実施の形態2に係るサーバ装置200の構成例を示す図である。
【
図13】実施の形態2に係るコース走行車両100の構成例を示す図である。
【
図14】実施の形態2に係るショット画像59の例を示す図である。
【
図15】実施の形態2に係るショット画像59の別例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について、図を用いて説明する。各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。図中の矢印はデータの流れまたは処理の流れを主に示している。また、以下の図では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった向きあるいは位置が示されている場合がある。これらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向および向きを限定するものではない。
【0011】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係るゴルフ支援システム500の全体構成例を示す図である。
ゴルフ支援システム500は、ゴルフコース400においてゴルフのプレーをするユーザ20を支援するシステムである。ユーザ20は、ゴルフコース400においてゴルフをプレーするゴルファあるいはプレーヤーともいう。
【0012】
ゴルフ支援システム500は、コース走行車両100とサーバ装置200とを備える。また、ゴルフ支援システム500は、ゴルフコースの上空を自律飛行するドローン300を備えていてもよい。
コース走行車両100は、走行経路50に基づいてゴルフコースを自動運転する。自動運転は、自律走行あるいは自律移動ともいう。コース走行車両100は、サーバ装置200とネットワークを介して通信する。
サーバ装置200は、例えば、クラウドコンピュータにより実現される。サーバ装置200は、コース走行車両100とネットワークを介して通信する。
ドローン300は、サーバ装置200から送信される飛行情報30に基づいてゴルフコースの上空を自律飛行する。自律飛行は自律移動ともいう。
ドローン300は、自律飛行体の例である。ドローン300は、サーバ装置200とネットワークを介して通信する。
【0013】
図2は、本実施の形態に係るコース走行車両100の構成例を示す図である。
コース走行車両100は、ゴルフコースで運用する移動体の例である。
コース走行車両100は、ゴルフコースでプレーするユーザ20のゴルフバッグを積み込み、サーバ装置200から送信される走行経路50に従ってゴルフコースを自動運転する自律型車両である。
【0014】
コース走行車両100には、表示機器941、車両カメラ961、ライダーレーダー962、および位置センサ963といった機器が搭載されている。
また、図示は無いが、コース走行車両100には、走行経路50に従って自動運転するための自動運転システムが搭載されている。走行経路50は、移動体が移動する移動経路の例である。
【0015】
車両カメラ961は、コース走行車両100の周囲を撮影するカメラである。車両カメラ961は、移動体に搭載されたカメラの例である。
例えば、車両カメラ961は、ゴルフボールの弾道の撮影、プレーするユーザの様子の撮影、障害物を検出するための撮影、あるいは、物体との距離を計測するための撮影等を実施する。
車両カメラ961は、ゴルフボールの弾道を撮影するカメラ、および、プレーするユーザの様子を撮影するカメラといった、複数台のカメラで構成されていてもよい。また、車両カメラ961は、通常のカメラと全方位カメラといった、複数タイプのカメラで構成されていてもよい。
【0016】
ライダーレーダー962は、コース走行車両100の周囲の物体までの距離を検出する。ライダーレーダー962は、複数搭載されていてもよい。ライダーレーダー962による距離情報と車両カメラ961が撮影した画像とを合わせて分析することにより、より正確に、コース走行車両100の周囲の状況が検出可能となる。ライダーレーダー962を用いることにより、例えば、ゴルフボールの弾道、あるいは、ゴルフコース上の障害物までの距離といった情報が、高精度に検出可能となるという効果がある。
また、コース走行車両100に搭載したライダーレーダー962でもコース形状のデータを計測して、事前に取得しているコース形状データを最新化させることもできる。
【0017】
位置センサ963は、コース走行車両100の位置情報を取得する。より具体的には、位置センサ963は、移動時におけるコース走行車両100の位置と時間とを位置情報として取得する。位置センサ963は、例えば、GPSである。GPSは、Global Positioning Systemの略語である。
【0018】
自動運転システムは、例えば、通信装置、移動制御部、および、表示機器から構成される。移動制御部は、移動体における移動の制御を実施する。具体的には、移動制御部は、コース走行車両100の自動運転の制御を実施する。
【0019】
コース走行車両100は、例えば、人を乗車させて走行することが可能なPMVである。PMVは、Personal Mobility Vehicleの略語である。また、人を乗車させない使用形態の場合は、コース走行車両100はAMRであってもよい。AMRは、Autonomous Mobile Robotの略語である。
【0020】
本実施の形態に係るコース走行車両100は、ゴルフコースにおけるゴルフカートのように、人を乗せる座席を有し、ユーザが着座した状態で自動運転が可能である。ユーザが乗車して移動することも可能なので、歩行時よりもプレー時間を短縮することができるという効果がある。
なお、コース走行車両100は、ユーザが着座していない状態であっても、自動運転を可能とする。例えば、ユーザが、リモートコントロール等により、着座している状態での自動運転のモードと、着座していない状態での自動運転のモードとを切り替えることができるようにしてもよい。ユーザがゴルフコースを歩いてプレーしたい場合には、着座していない状態での自動運転のモードを選択すればよい
【0021】
また、コース走行車両100は、自動運転モードと手動運転モードを切り替えることができる。
コース走行車両100における上述のモードの切り替えは、車両本体の切替ボタン等で行ってもよいし、リモートコントロール等で行ってもよい。
また、コース走行車両100が、ユーザの音声を認識する音声認識、あるいは、ユーザの動きを認識するジェスチャ認識といった機能を有していてもよい。この機能により、コース走行車両100は、ユーザの音声あるいはユーザのジェスチャにより、各種の機能を動作可能とすることができる。これにより、ユーザの作業負担が低減され、より快適なプレーを実現できるというという効果がある。
また、コース走行車両100は、フェアウェイに出て、一定時間、停車状態が続いた場合、フェアウェイ内を前方向に最低速度で走行する機能を有していてもよい。ゴルフのルールで3分間はボールを探してよいことになっているので、一定時間は3分以上の停車で任意に設定可能とする。
【0022】
図3は、本実施の形態に係るサーバ装置200の構成例を示す図である。
【0023】
サーバ装置200は、コンピュータである。サーバ装置200は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線あるいは無線接続により他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0024】
サーバ装置200は、機能要素として、弾道予測部210と経路算出部220とボール探索部230と記憶部250とを備える。記憶部250には、コース地図情報251と回数閾値252が記憶される。
【0025】
弾道予測部210と経路算出部220とボール探索部230との機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部250は、メモリ921に備えられる。なお、記憶部250は、補助記憶装置922に備えられていてもよいし、メモリ921と補助記憶装置922に分散して備えられていてもよい。
【0026】
プロセッサ910は、ゴルフ支援プログラムを実行する装置である。ゴルフ支援プログラムは、弾道予測部210と経路算出部220とボール探索部230との機能を実現するプログラムである。また、ゴルフ支援プログラムには、後述するコース走行車両100の機能を実現する際に実行されるプログラムも含まれる。
【0027】
プロセッサ910は、演算処理を行うICである。プロセッサ910の具体例は、CPU、DSP、GPUである。ICは、Integrated Circuitの略語である。CPUは、Central Processing Unitの略語である。DSPは、Digital Signal Processorの略語である。GPUは、Graphics Processing Unitの略語である。
【0028】
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM、あるいはDRAMである。SRAMは、Static Random Access Memoryの略語である。DRAMは、Dynamic Random Access Memoryの略語である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
【0029】
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB端子である。なお、入力インタフェース930は、LANインタフェースであってもよいし、Bluetooth(登録商標)であってもよい。USBは、Universal Serial Busの略語である。LANは、Local Area Networkの略語である。
【0030】
出力インタフェース940は、ディスプレイといった出力機器のケーブルが接続されるポートである。また、出力インタフェース940は、LANインタフェースであってもよいし、Bluetooth(登録商標)であってもよい。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCDである。出力インタフェース940は、表示器インタフェースともいう。HDMI(登録商標)は、High Definition Multimedia Interfaceの略語である。LCDは、Liquid Crystal Displayの略語である。
【0031】
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、Wi-Fi(登録商標)、LAN、インターネット、あるいは電話回線といった通信網に接続している。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNICである。NICは、Network Interface Cardの略語である。
【0032】
ゴルフ支援プログラムは、サーバ装置200において実行される。ゴルフ支援プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、ゴルフ支援プログラムだけでなく、OSも記憶されている。OSは、Operating Systemの略語である。プロセッサ910は、OSを実行しながら、ゴルフ支援プログラムを実行する。ゴルフ支援プログラムおよびOSは、補助記憶装置922に記憶されていてもよい。補助記憶装置922に記憶されているゴルフ支援プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、ゴルフ支援プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
【0033】
サーバ装置200は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、ゴルフ支援プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、ゴルフ支援プログラムを実行する装置である。
【0034】
ゴルフ支援プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
【0035】
弾道予測部210と経路算出部220とボール探索部230との各部の「部」を「回路」、「工程」、「手順」、「処理」、あるいは「サーキットリー」に読み替えてもよい。ゴルフ支援プログラムは、弾道予測処理と経路算出処理とボール探索処理とを、コンピュータに実行させる。弾道予測処理と経路算出処理とボール探索処理との「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」、「プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体」、または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体」に読み替えてもよい。また、ゴルフ支援方法は、サーバ装置200がゴルフ支援プログラムを実行することにより行われる方法である。
ゴルフ支援プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、ゴルフ支援プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0036】
なお、サーバ装置200は、通信装置950を介してドローン300と通信する。
ドローン300は、ゴルフコースを上空から撮影する上空カメラ301を具備する自律飛行体である。ドローン300は、サーバ装置200から送信される飛行情報30に基づいて、飛行制御部302によりゴルフコースの上空を自律飛行する。
【0037】
なお、サーバ装置200においてやり取りされる各種の情報については後述する。
【0038】
図4は、本実施の形態に係るコース走行車両100の構成例を示す図である。
コース走行車両100は、コンピュータを搭載している。コース走行車両100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。また、コース走行車両100は、上述したように、車両カメラ961、ライダーレーダー962、および位置センサ963といった他のハードウェアも備える。プロセッサ910は、信号線あるいは無線接続により他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
なお、サーバ装置200と同様の機能を有するハードウェアには、説明を簡単にするために同一の符号を付して説明する。しかし、コース走行車両100とサーバ装置200の各々に、個別にハードウェアが搭載されていることは自明である。
【0039】
コース走行車両100は、機能要素として、移動制御部110と撮影部120と表示部130と記憶部140とを備える。
【0040】
移動制御部110と撮影部120と表示部130との機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部140は、メモリ921に備えられる。なお、記憶部140は、補助記憶装置922に備えられていてもよいし、メモリ921と補助記憶装置922に分散して備えられていてもよい。
【0041】
プロセッサ910は、ゴルフ支援プログラムを実行する装置である。ゴルフ支援プログラムは、移動制御部110と撮影部120と表示部130との機能を実現するプログラムである。また、ゴルフ支援プログラムには、上述したように、サーバ装置200の機能を実現する際に実行されるプログラムも含まれる。
【0042】
各ハードウェアの説明はサーバ装置200で説明したものと同様である。
【0043】
移動制御部110と撮影部120と表示部130との各部の「部」を「回路」、「工程」、「手順」、「処理」、あるいは「サーキットリー」に読み替えてもよい。ゴルフ支援プログラムは、移動制御処理と撮影処理と表示処理とを、コンピュータに実行させる。移動制御処理と撮影処理と表示処理との「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」、「プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体」、または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体」に読み替えてもよい。
【0044】
なお、コース走行車両100においてやり取りされる各種の情報については後述する。
【0045】
***動作の説明***
次に、本実施の形態に係るゴルフ支援システム500の動作について説明する。ゴルフ支援システム500の動作手順は、ゴルフ支援方法に相当する。また、ゴルフ支援システム500の動作を実現するプログラムは、ゴルフ支援プログラムに相当する。
【0046】
図5は、本実施の形態に係るゴルフ支援システム500の動作を示すフロー図である。
まず、コース内を走行する前に、コース走行車両100の撮影部120は、ユーザ20の登録を実施する。撮影部120は、ユーザ20における、顔、音声、服装(色)、ジェスチャ、骨紋といった情報を登録する。ユーザ20の登録データはコース走行車両100とサーバ装置200の双方で保持する。
【0047】
<撮影処理:ステップS101>
ステップS101において、コース走行車両100の撮影部120は、ユーザ20により打たれたゴルフボールの弾道を、コース走行車両100に搭載された車両カメラ961を用いて弾道画像52として撮影する。そして、撮影部120は、弾道画像52をサーバ装置200に送信する。なお、撮影部120は、弾道画像52に対応するライダーレーダーデータを弾道画像52に付与してサーバ装置200に送信する。
【0048】
図6は、本実施の形態に係るユーザのショット開始時の撮影の様子を示す図である。
【0049】
撮影部120は、ユーザ20による撮影要求により撮影を開始し、ユーザ20による撮影終了要求により撮影を終了する。
あるいは、撮影部120は、自動的に撮影の開始と終了を判断してもよい。例えば、撮影部120は、ユーザ20のショット開始の姿勢を検出し、ショット開始の姿勢の検出に基づいて、車両カメラ961にゴルフボールの弾道の撮影を開始させる。また、撮影部120は、撮影している画像におけるゴルフボールのサイズに基づいて、車両カメラ961に撮影を終了させる。具体的には、撮影部120は、車両カメラ961の画素程度にしかゴルフボールが見えなくなったら撮影を終了する。
【0050】
撮影部120は、ユーザ20がゴルフボール付近への移動したこと、あるいは、ユーザ20がショットを打つ姿勢となったことを自動検出する。これにより、ユーザ20が自ら撮影の開始を指示する必要がなくなり、ユーザの作業負担が低減し、より快適なプレーを実現できるという効果がある。
【0051】
より具体的には、撮影部120は、撮影の開始のタイミングとして、ユーザ20の骨紋からタイミングを判断する。このとき、撮影部120は、AI(人工知能)を用いて、ユーザのプリショットルーティーンといったくせを学習し、撮影タイミングを最適化することが好ましい。コース走行車両100にAIを搭載して、ショット開始の姿勢を判断することで、サーバ装置200への送信データ量を低減することができるという効果がある。また、サーバ装置200側での画像処理の負担を低減することができるという効果がある。
【0052】
また、素振りが先にあった場合は、撮影部120は、弾道画像52として送信する画像から、素振り部分を削除してもよい。これにより、サーバ装置200への送信データ量を、さらに低減することができるという効果がある。また、サーバ装置200の側での画像処理の負担をさらに低減することができるという効果がある。
なお、上述のような、AIを用いたショット開始の姿勢の判断は、サーバ装置200で行ってもよい。
【0053】
また、撮影部120は、車両カメラ961がゴルフコース400に沿ってユーザ20の後方からゴルフボールの弾道を撮影するように、コース走行車両100の位置を制御する。撮影部120は、ゴルフコース400に沿ってユーザ20の後方からゴルフボールの弾道を撮影するための撮影位置制御情報を生成し、生成した撮影位置制御情報を移動制御部110に送信する。
図6に示すように、ゴルフコース400におけるショットの方向をBとする。撮影部120は、ユーザ20の後方からB方向に向かってゴルフボールの弾道を撮影するように、コース走行車両100の位置および車両カメラ961の向きを制御する。これにより、より正確な弾道解析を行うことができるという効果がある。
【0054】
<弾道予測処理:ステップS102>
ステップS102において、サーバ装置200の弾道予測部210は、弾道画像52を用いてゴルフボールの弾道を予測弾道61として算出する。具体的には、弾道予測部210は、弾道画像52とライダーレーダーデータとを解析することにより、ゴルフボールの弾道をトレースし、予測弾道61として算出する。
【0055】
図7は、本実施の形態に係る予測弾道画像62の表示例を示す図である。
弾道予測部210は、ゴルフコース400の画像に予測弾道61を重畳して得られた予測弾道画像62を生成する。そして、弾道予測部210は、予測弾道画像62を表示機器に表示する。
ここで、弾道予測部210が予測弾道画像62を表示する表示機器は、コース走行車両100に搭載された表示機器941、あるいは、ユーザ20により携帯される携帯端末機器の少なくともいずれかである。
具体的には、弾道予測部210は、コース走行車両100、ユーザ20が携帯するスマートフォン、タブレット、および、スマートウォッチといった機器に予測弾道画像62を送信する。そして、予測弾道画像62は、コース走行車両100のディスプレイ、ユーザ20が携帯するスマートフォン、タブレット、あるいは、スマートウォッチといった機器のディスプレイに表示される。
【0056】
<走行経路算出処理:ステップS103>
ステップS103において、サーバ装置200の経路算出部220は、予測弾道61を用いてゴルフボールの落下位置である予測落下位置63を算出する。そして、経路算出部220は、予測落下位置63までの走行経路50を算出する。
経路算出部220は、走行経路50をコース走行車両100に送信する。
【0057】
サーバ装置200の記憶部250には、コース地図情報251が記憶されている。
コース地図情報251は、自動運転に用いられる高精度3次元地図データである。
【0058】
コース地図情報251には、ゴルフコース400におけるコース走行車両の過去の走行実績が記録されている。
経路算出部220は、コース地図情報251に基づいて、ゴルフコース400において同じ経路の走行が予め定められた回数(回数閾値252)以下となるように、走行経路50を生成する。
【0059】
また、コース地図情報251には、ゴルフコース400におけるコース走行車両の進入禁止エリア、いわゆるGeo-Fenceが設定されている。Geo-Fenceとは、GeoFencingともいう。
進入禁止エリアは、フェアウェイ、ラフ、およびブッシュといったエリアに設定される。例えば、通常のカート進入不可領域に加え、日によって変わるハザード領域、工事箇所、あるいは、芝の醸成箇所といったメンテナンス領域等が進入禁止エリアとしてコース地図情報251に設定される。
経路算出部220は、コース地図情報251に基づいて、進入禁止エリアの外を走行するように走行経路50を生成する。これにより、ゴルフコース400内に仮想的な柵が設定される。
【0060】
なお、コース走行車両100がPMV(人が乗る)である場合と、AMR(荷物だけを運ぶ)場合とで、コース走行車両100の走行可能エリアの設定を変えてもよい。AMRの走行可能エリアをPMVの走行可能エリアよりも広く設定してもよい。AMRはPMVと比較して芝を傷めにくいと考えられ、また、傾斜地でも人を乗車させないため比較的安全な走行が可能であると考えられるためである。
また、逆に、人よりも重い荷物、あるいは、不安定な荷物を運ぶ場合には、AMRの走行可能エリアをPMVの走行可能エリアよりも狭く設定してもよい。
【0061】
上述したように、コース地図情報251には、ゴルフコースの高精度3次元地図データが設定されている。
経路算出部220は、コース地図情報251に基づいて、急傾斜の経路を回避するように走行経路50を生成する。
【0062】
以上のように走行経路を算出することにより、コース走行車両の走行による芝へのダメージを低減することができるという効果がある。また、複数台のコース走行車両が走行してもコースを傷めないので、結果的にゴルファに快適なプレーを提供することができるという効果がある。
【0063】
また、Geo-Fenceを設定することにより、コース走行車両が誤って進入禁止エリアに進入することを防ぐことができる。
また、ゴルフコースの高精度3次元地図データを参照し、急こう配の傾斜があるところは回避することができる。特に、傾斜エリアの横断による車両の転倒といった事故を防ぐことができ、ゴルフコースにおいてゴルファに安心で快適なプレーを提供することができるという効果がある。
【0064】
<自動運転処理:ステップS104からステップS105>
ステップS104において、コース走行車両100の移動制御部110は、サーバ装置200から送信された走行経路50にしたがって自動運転を実施する。
ステップS105において、コース走行車両100の移動制御部110は、走行経路50にしたがった自動運転の間、位置センサ963により自車両の位置情報51を取得し、サーバ装置200へ送信する。
コース走行車両100は、予測落下位置63に到着した際にも自車両の位置情報51を取得し、サーバ装置200へ送信する。
【0065】
<ボール探索処理:ステップS106からステップS109>
ボール探索処理において、サーバ装置200のボール探索部230は、コース走行車両100が予測落下位置63に到着すると、予測落下位置63に基づいてゴルフボールを探索する探索範囲53を決定する。ボール探索部230は、探索範囲53をコース走行車両100に送信し、車両カメラ961により探索範囲53を撮影することによりゴルフボールを探索する。そして、ボール探索部230は、探索により得られた探索結果57を表示機器に表示する。
具体的には、以下の通りである。
【0066】
ステップS106において、ボール探索部230は、コース地図情報251と予測落下位置63とに基づいて、ゴルフボールを探索する探索範囲53を決定する。例えば、予測落下位置63を中心として、半径km(例えば、kは3から5の範囲内)以内を探索範囲53と決定する。半径kは、任意に設定可能である。また、ボール探索部230は、天気データベースを参照して風の情報を取得し、風が吹いている方向に広く探索範囲53を設定してもよい。また、半径km以内に谷あるいは池がある場合には、谷あるいは池の手前までを探索範囲53として設定してもよい。
ボール探索部230は、決定した探索範囲53をコース走行車両100に送信する。
【0067】
図8は、本実施の形態に係るドローン300による撮影の様子を示す図である。
なお、ボール探索部230は、コース地図情報251に基づいて、探索範囲53にフェアウェイ以外のエリアがあるか否かを判定する。探索範囲53にフェアウェイ以外のラフおよびブッシュといったエリアがあると、伸びた芝あるいは草にゴルフボールが隠れてしまう可能性がある。ゴルフボールが隠れてしまうと、探索範囲53を車両カメラで撮影しても、ゴルフボールが隠れて特定できない可能性が高くなる。
そこで、探索範囲53にフェアウェイ以外のエリアがある場合、ボール探索部230は、ドローン300の上空カメラ301で探索範囲53を上空から撮影することにより、ゴルフボールを特定しやすくしてもよい。
具体的には、ボール探索部230は、探索範囲53にフェアウェイ以外のエリアがあると判定すると、探索範囲53を上空から撮影するための飛行情報30と、上空から撮影したい撮影範囲31とをドローン300に送信する。ドローン300は、飛行情報30と撮影範囲31とに従って、探索範囲53を上空から撮影し、撮影により得られた探索画像54aをサーバ装置200に送信する。
【0068】
ステップS107において、コース走行車両100の撮影部120は、サーバ装置200から探索範囲53を受信する。撮影部120は、車両カメラ961により探索範囲53を撮影する。撮影部120は、探索範囲53を撮影した探索画像54をサーバ装置200に送信する。
【0069】
ステップS108において、ボール探索部230は、探索範囲53を撮影した探索画像54に対して画像認識処理を実施することによりゴルフボールを探索する。ドローン300から、探索範囲53を上空から撮影した探索画像54aを受信した場合は、ボール探索部230は、探索画像54と探索画像54aとに対して画像認識処理を実施することによりゴルフボールを探索する。
【0070】
例えば、ドローン300に搭載された上空カメラ301は、赤外線カメラであり、探索画像54aは赤外線カメラ画像である。ショット後のゴルフボールは熱くなっているので、ボール探索部230は、探索画像54aからゴルフボールを特定することができる。また、ボールに特殊マークをマーキングし、特殊マークに反応する認識機能を用いて探索画像54aからゴルフボールを特定してもよい。
【0071】
ステップS109において、ボール探索部230は、探索結果57を生成する。
具体的には、以下の通りである。
【0072】
図9は、本実施の形態に係るボール探索部230によるゴルフボールの探索結果57の作成処理を示すフロー図である。
図9は、
図5のステップS109の処理の詳細フロー図である。
【0073】
ステップS91において、ボール探索部230は、ゴルフボールを特定したか否かを判定する。
ゴルフボールが特定された場合は、ステップS92に進む。
ゴルフボールが特定されなかった場合は、ステップS93に進む。
【0074】
ステップS92において、ボール探索部230は、ゴルフボールを特定できた場合、コース地図情報251を用いてゴルフコースにおけるゴルフボールの位置を特定する。ボール探索部230は、ゴルフボールの位置をゴルフコースの画像に重畳したボール特定画像を探索結果57として生成する。
【0075】
ステップS92において、ボール探索部230は、予め定められた時間内にゴルフボールを特定できなかった場合に、ゴルフボールの探索がタイムアウトしたことを示す画像を探索結果57として生成する。
【0076】
ステップS93において、ボール探索部230は、探索結果57を表示機器に送信する。
【0077】
図5では、ボール探索部230は、探索結果57をコース走行車両100に送信する。
そして、ステップS110において、コース走行車両100の表示部130は、探索結果57を表示機器941に表示する。
なお、予測弾道画像62と同様に、探索結果57についても、コース走行車両100、ユーザ20が携帯するスマートフォン、タブレット、あるいは、スマートウォッチなどに送信される。そして、コース走行車両100のディスプレイ、ユーザ20が携帯するスマートフォン、タブレット、あるいは、スマートウォッチといった機器のディスプレイに探索結果57が表示される。
【0078】
ユーザ20は、コース走行車両100のディスプレイ、ユーザ20が携帯するスマートフォン、タブレット、あるいは、スマートウォッチといった機器のディスプレイに表示されたボール特定画像に従ってボールを探索することができる。これにより、ロストボール探しの時間が短縮され、スムーズなプレー進行を実現できるので、ゴルファに快適なプレーを提供することができるという効果がある。
【0079】
また、ゴルフボールが谷に落下したり、池に落ちたり、あるいは、林に打ち込まれたりなど、プレーできる区域外に出てしまった場合は、ゴルフボールを特定することができない。この場合は、ゴルフボールの探索がタイムアウトしたことを示す画像が表示機器に表示される。例えば、「ボールが見つかりません。プレーイング4からプレーを続行しましょう!」といった通知を表示してもよい。これにより、無駄なロストボール探しの時間を省くことができ、スムーズなプレー進行を実現できるので、ゴルファに快適なプレーを提供することができるという効果がある。
【0080】
以上で、本実施の形態に係るゴルフ支援処理の説明を終わる。
なお、本実施の形態では、ゴルフコースで運用する移動体として、PMVあるいはAMRといったコース走行車両を例として説明した。しかし、ゴルフコースで運用する移動体は、その他の種類の移動体であっても構わない。
例えば、ゴルフコースで運用する移動体がドローンといった自律飛行体であってもよい。このとき、撮影部は自律飛行体に搭載されたカメラを用いて弾道画像を撮影し、経路算出部は予測落下位置までの自律飛行体の移動経路を算出して自律飛行体に送信する。
【0081】
***他の構成***
<変形例1>
コース走行車両が、プロジェクションマッピングを映写する映写装置を備えていてもよい。
ボール探索部は、ゴルフコースにおけるゴルフボールの位置の方向にユーザを誘導するプロジェクションマッピングを生成し、コース走行車両に送信する。このとき、ボール探索部は、現在のコース走行車両の位置と姿勢とに基づいて、ゴルフボールの位置の方向にユーザを誘導するプロジェクションマッピングを生成する。
コース走行車両の映写装置は、プロジェクションマッピングを受信すると、ゴルフコース上にユーザを誘導するプロジェクションマッピングを映写する。例えば、コース走行車両からゴルフボールの位置の方向に向かう矢印をゴルフコースの芝の上に映写する。
変形例1によれば、ロストボール探しの時間がより短縮されるという効果がある。
【0082】
<変形例2>
コース走行車両の撮影部は、目的地点まで自動運転する際に、ゴルフコースの状況を撮影する。例えば、撮影部は、芝が傷んでいるか否かを判断する機能を有する。コース走行車両の移動制御部は、芝が傷んでいる箇所を回避して走行するとともに、芝が傷んでいる箇所の情報をサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200では、芝が傷んでいる箇所の情報をコース地図情報に反映する。また、サーバ装置200では、芝が傷んでいる箇所の情報を用いてメンテナンス計画を策定してもよい。
【0083】
変形例2によれば、ゴルフコースを効率的にメンテナンスできるという効果がある。また、メンテナンス費用を低減することができるという効果がある。なお、ここでは、芝が傷んでいる箇所の情報を例に説明したが、日ごとのハザードエリア、あるいは工事箇所といったその他のコースの変化情報を検出してもよい。
【0084】
<変形例3>
また、経路算出部は、コース地図情報において更新データの少ない領域付近に走行経路を設定するようにしてもよい。例えば、工事中の箇所、ゴルフコースの変更箇所、あるいは、芝の醸成箇所といった変化地点の地図データを更新するため、これらの領域付近の計測をする必要がある。経路算出部は、これらの計測データを必要とする領域近傍に走行経路を設定してもよい。
コース走行車両は、走行経路を自動運転しながら、計測データを必要とする領域周辺の撮影を実施しサーバ装置200へ送信する。
変形例3によれば、地図更新に必要な更新データを取得することができるという効果がある。
【0085】
<変形例4>
サーバ装置200は、ゴルフコースの詳細情報として、以下のデータを収集してもよい。
ア.ドローンにより計測された画像および画像からの点群データ
イ.コース走行車両によるカート道路データといったライダーレーダーデータ
ウ.ドローンあるいは固定ライダーレーダーによるグリーン面の3次元点群情報
【0086】
<変形例5>
本実施の形態では、弾道画像を解析することによりゴルフボールの落下位置を予測する。その際、ボールの飛ぶ方向に太陽がある場合、ゴルフボールの検出精度が低下する。
よって、サーバ装置200は、ボールの飛ぶ方向に太陽があることを検出すると、以下のような工夫をする。
(1)ドローンあるいはAMRによって落下側からゴルファ側を撮影させ、落下側からゴルファ側を撮影した弾道画像を取得する。この弾道画像を解析することにより、ボールの飛ぶ方向に太陽がある場合であっても、落下位置の予測精度が向上する。このとき、ドローンあるいはAMRは、ゴルフコースで運用する移動体の例である。
(2)他のコース走行車両と連動撮影させ、複数台のコース走行車両にゴルフボールの弾道を撮影させる。弾道予測部は、複数枚の弾道画像からゴルフボールの落下位置を予測する。このとき、複数台のコース走行車両による車々間通信で連動制御を行ってもよい。あるいは、サーバ装置から複数台のコース走行車両に連動指示を送信してもよい。
(3)サーバ装置、あるいは、コース走行車両は、コース内設置カメラを制御できる構成であってもよい。コース内設置カメラによって、別途落下側からゴルファ側を撮影させ、落下側からゴルファ側を撮影した弾道画像を取得してもよい。この弾道画像を解析することにより、ボールの飛ぶ方向に太陽がある場合であっても、落下位置の予測精度が向上する。
【0087】
<変形例6>
弾道画像を撮影する際、弾道画像をスイング分析にも利用できるように、ゴルフボールとともにユーザ全体が入る画角にしてもよい。
あるいは、1台のコース走行車両に、ゴルフボールの弾道を撮影するカメラと、ユーザのスイングを撮影するカメラとの複数台のカメラを搭載してもよい。
【0088】
<変形例7>
本実施の形態では、コース走行車両100とサーバ装置200の各装置の機能がソフトウェアで実現される。変形例として、コース走行車両100とサーバ装置200の各装置の機能がハードウェアで実現されてもよい。
具体的には、コース走行車両100とサーバ装置200の各装置は、プロセッサ910に替えて電子回路909を備える。
【0089】
図10は、本実施の形態の変形例に係るサーバ装置200の構成例を示す図である。
図11は、本実施の形態の変形例に係るコース走行車両100の構成例を示す図である。
以下では、サーバ装置200を例に説明する。なお、コース走行車両100についても同様である。
【0090】
電子回路909は、弾道予測部210と経路算出部220とボール探索部230との機能を実現する専用の電子回路である。電子回路909は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。
【0091】
弾道予測部210と経路算出部220とボール探索部230との機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
【0092】
別の変形例として、弾道予測部210と経路算出部220とボール探索部230との一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。また、弾道予測部210と経路算出部220とボール探索部230との一部またはすべての機能がファームウェアで実現されてもよい。
【0093】
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、弾道予測部210と経路算出部220とボール探索部230との機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
【0094】
***本実施の形態の効果の説明***
以上のように、本実施の形態に係るゴルフ支援システムによれば、ゴルフコースを自動運転するコース走行車両で撮影した画像を用いて、ゴルフボールの探索および特定を迅速かつ的確に行うことができる。よって、ユーザのボール探しの負担を軽減し、快適なプレーを提供することができる。
また、ボール探しの時間が短縮され、プレー進行がスムーズに行われるので、回転率の向上による集客の効果がある。
【0095】
また、本実施の形態に係るゴルフ支援システムによれば、サーバ装置が複数台のコース走行車両の位置を管理し、複数台のコース走行車両の走行ルートの履歴を管理する。よって、本実施の形態に係るゴルフ支援システムでは、同一箇所における走行回数の回数閾値を用いて、同一ルートあるいは旋回箇所といった重複走行を最小限にしてコースメンテナンスの向上を実現することができる。
また、本実施の形態に係るゴルフ支援システムによれば、複数台のコース走行車両について、走行が重なった軌跡、交差点、頻度、乗車/非乗車といった情報をコース走行情報として管理することができる。また、それらのコース走行情報を管理することにより、コースの走行状況を、地図上に色変更等により可視化して表示することができる。
そして、最終的に、コース走行情報をフェアウェイ内のコースメンテナンス情報として活用することができる。なお、ゴルフコースは、ある程度の硬さが必要と言われており、コースの硬さがコース作りのノウハウとも言われている。芝刈り機、乗用カート、あるいは、キャディのバックキャリ―などを積極走行させてコースの硬さを作っている。コース走行情報を、その際のフェアウェイ内のコースメンテナンス情報として活用することができる。
【0096】
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点および実施の形態1に追加する点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0097】
本実施の形態では、コース走行車両100は、ゴルフコースにおけるユーザ20の状況を撮影したユーザ画像55をサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200では、ユーザ情報提供部240が、ユーザ画像55を解析することに様々なサービスをユーザに提供する。
【0098】
***構成の説明***
図12は、本実施の形態に係るサーバ装置200の構成例を示す図である。
図13は、本実施の形態に係るコース走行車両100の構成例を示す図である。
【0099】
サーバ装置200は、実施の形態1の機能要素に加え、ユーザ情報提供部240を備える。
ユーザ情報提供部240は、ゴルフコースにおけるユーザ20の状況をユーザ画像55として取得する。ユーザ情報提供部240は、ユーザ画像55に基づいて、ユーザのプレーをまとめたユーザ動画58、あるいは、ユーザのショット画像59を生成する。
【0100】
コース走行車両100の基本構成は、実施の形態1と同様である。
撮影部120は、プレー中のユーザの様子を撮影し、ユーザ画像55としてサーバ装置200に送信する。
表示部130は、サーバ装置200から、ユーザ動画58あるいはショット画像59を受信し、表示機器941に表示する。
【0101】
***動作の説明***
<ショット画像>
ユーザ情報提供部240は、ゴルフコースにおけるユーザ20の状況をユーザ画像55として車両カメラ961により撮影する。ユーザ情報提供部240は、ユーザ画像55からユーザ20のショットを撮影したショット画像を抽出し、ユーザ20のスイングを表すショット画像59として表示機器に表示する。なお、ここでの表示機器は、コース走行車両100のディスプレイ、ユーザ20が携帯するスマートフォン、タブレット、あるいは、スマートウォッチといった機器のディスプレイである。
【0102】
図14は、本実施の形態に係るショット画像59の例を示す図である。
図15は、本実施の形態に係るショット画像59の別例を示す図である。
【0103】
ユーザ情報提供部240は、ユーザの要求に応じて、
図14に示すようなテイクバックからフォロースイングまでの連写形式のショット画像59を提供する。
また、ユーザ情報提供部240は、
図15に示すように、ユーザの要求に応じたスイング時におけるショット画像59を提供してもよい。また、他のコース走行車両、ドローン、他のAMR、あるいは、コース内カメラといった他の機器と連携して、異なる角度からユーザのスイングを撮影してもよい。
【0104】
ユーザ情報提供部240は、AIを用いて、様々なゴルフスイングを学習し、適切にゴルフスイングの状態を判断し、ユーザにショット画像59を提供する。
【0105】
<ユーザ動画>
また、ユーザ情報提供部240は、ユーザ画像55に基づいてゴルフコースにおけるユーザ20のプレーをまとめたユーザ動画58を生成する。ユーザ情報提供部240は、ユーザ動画58を表示機器に表示する。
【0106】
例えば、ユーザ情報提供部240は、ユーザ画像55から、1ホールずつのトピックを抽出し、全ホールのプレーのユーザ動画58を生成する。例えば、ユーザ情報提供部240は、1ホールずつのトピックとして、ティーショットとパットを選択してユーザ動画58を生成してもよい。
【0107】
ユーザ情報提供部240は、AIを用いて、1ホールにおける様々なプレーの状況を学習するとともにユーザの好みを学習し、適切にプレーの状況を判断して、ユーザに好まれるユーザ動画58を提供する。
【0108】
***他の構成***
<変形例8>
本実施の形態では、ゴルフコースにおけるユーザの状況を撮影したユーザ画像をサーバ装置200に送信する。サーバ装置200では、ユーザ情報提供部が、ユーザ画像を解析することにより様々なサービスをユーザに提供する。
【0109】
ユーザ動画として、プレー時の動画(プレームービー)だけでなく、ゴルフコンペティションまでをまとめた動画を作成してもよい。また、動画でなく、ユーザ画像から抽出したアルバムを作成してもよい。
【0110】
<変形例9>
また、ショット動画には、AIキャディ、あるいは、遠隔レッスンによる付加価値を追加してもよい。
【0111】
ユーザ情報提供部は、ユーザ画像からショット開始を検出し、ショット時のレッスン情報を生成する。ユーザ情報提供部は、コースの3次元情報、および、アンジュレーションとスイング比較等の情報を用いて、以下のようなレッスン情報を生成し、コース走行車両に送信する。
・ゴルフレッスン(ラウンドレッスンともいう)(AI自動コメント化と遠隔レッスン化)
例.「左足下がりです。ボール位置右寄り、スイングをコンパクトに傾斜に沿ってスイングしましょう。・・・」
例.「前回は、〇〇がありました。配慮しましょう。」
例.「カップまで〇〇ヤード、右△△ヤードにガードバンカーがあります。グリーン周辺は、左に深いバンカーがあります。・・・」
【0112】
また、ユーザ情報提供部は、コース走行車両に配置されたスマートフォンあるいはタブレット端末等による顔情報の確認機能を用いて、レッスン情報提供によるユーザの表情を読み取り、「快・不快」の把握を実施する。これにより、提供したレッスン情報の評価を実施してもよい。
【0113】
ユーザの許可があればユーザ動画等をホームページに掲載し、ユーザから評価をしてもらってもよい。例えば、簡単なアンケート形式でユーザの負担にならないように評価をしてもらう。その評価を収集し、ユーザ動画の作成の品質向上を図る。
【0114】
<変形例10>
複数名(例えば、4名)が物理的に別々のゴルフコースでプレーし、オンラインゴルフコンペシステムを提供してもよい。オンラインゴルフコンペシステムでは、例えば、以下の機能を提供する。
・4名会議(Web会議)の開催、コンペメンバ会議(Web会議)の開催
・プレーヤー顔認証(快・不快の確認を実行し、品質改善に利用)
・直近のショットフォームを再生
・スコアの共有
【0115】
<変形例11>
コース地図情報には、ゴルフコース内のグリーンの高精度3次元地図データが含まれる。このグリーンの高精度3次元地図データを用いて、グリーンに乗ったゴルフボールの位置から、最適なパッティングの方向と強さを提示するパッティング情報をユーザに提供することができる。
【0116】
また、ゴルフ支援システムの高精度3次元地図データではなく、高精度な衛星測位端末例えばGPS測位端末を利用し、グリーンのカップ位置を事前に計測し、当該位置を私設基準点として、コース地図情報251に登録し、ユーザがグリーン面に乗ったボールとカップを同一画面に画像を撮影することで、画像とカップの高精度3次元位置情報からグリーン面の高精度3次元情報を生成し活用することで、パッティング情報をユーザに提供することができる。
例えば、以下のようにパッティング情報をユーザに提供する。
(1)携帯情報端末でアプリケーションを起動
(2)ゴルフボールを含めたグリーン面の画像撮影
(3)グリーン面のボールが転がる速さを事前入力。ゴルフコースでは、スティンプメータでボールの転がり量を計測している。(8~13ft)
(4)理想のパッティングラインと強度(平面換算など)を提供
【0117】
また、既登録の「グリーン面の高精度3次元点群情報の自動更新」に、スマートフォン等で撮影した画像と私設基準点の情報を活用し生成できる新しい高精度3次元点群情報を活用してもよい。
【0118】
***本実施の形態の効果の説明***
以上のように、本実施の形態に係るゴルフ支援システムによれば、ユーザ画像を解析することにより様々なサービスをユーザに提供することができるという効果を奏する。
【0119】
以上の実施の形態1および2では、ゴルフ支援システムの各装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、ゴルフ支援システムの各装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。ゴルフ支援システムの各装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、ゴルフ支援システムの各装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
【0120】
例えば、サーバ装置200の機能の一部をコース走行車両100に持たせてもよい。あるいは、コース走行車両100の機能の一部をサーバ装置200に持たせてもよい。
【0121】
また、実施の形態1および2のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、これらの実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1および2では、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【0122】
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示の範囲、本開示の適用物の範囲、および本開示の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、フロー図あるいはシーケンス図を用いて説明した手順は、適宜に変更してもよい。
【符号の説明】
【0123】
20 ユーザ、30 飛行情報、31 撮影範囲、50 走行経路、51 位置情報、52 弾道画像、53 探索範囲、54,54a 探索画像、55 ユーザ画像、57 探索結果、58 ユーザ動画、59 ショット画像、61 予測弾道、62 予測弾道画像、63 予測落下位置、100 コース走行車両、110 移動制御部、120 撮影部、130 表示部、200 サーバ装置、210 弾道予測部、220 経路算出部、230 ボール探索部、240 ユーザ情報提供部、140,250 記憶部、251 コース地図情報、252 回数閾値、300 ドローン、301 上空カメラ、302 飛行制御部、400 ゴルフコース、500 ゴルフ支援システム、909 電子回路、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、941 表示機器、950 通信装置、961 車両カメラ、962 ライダーレーダー、963 位置センサ。