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特許7580665ゴルフ支援システム、ゴルフ支援方法、ゴルフ支援プログラム、サーバ装置、および、クライアント装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】ゴルフ支援システム、ゴルフ支援方法、ゴルフ支援プログラム、サーバ装置、および、クライアント装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20241101BHJP
【FI】
A63B71/06 F
A63B71/06 U
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2024520201
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(86)【国際出願番号】 JP2022020165
(87)【国際公開番号】W WO2023218627
(87)【国際公開日】2023-11-16
【審査請求日】2024-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小澤 正
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-512220(JP,A)
【文献】国際公開第2017/057157(WO,A1)
【文献】米国特許第5953056(US,A)
【文献】中国特許出願公開第109069903(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0050589(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/06
A63B 69/00
A63B 69/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフコースにおけるグリーンにおいてユーザを支援するゴルフ支援システムにおいて、
前記グリーンの位置と前記グリーンの面形状とを含むグリーン面情報と、前記グリーンの上におけるゴルフボールの転がり速度を表すグリーンスピード情報と、前記グリーンあるいは前記グリーンの近傍に固定された基準地物における地物基準点の位置である基準点位置情報とを記憶するコース地図データベースと、
前記地物基準点と、前記グリーンに設けられたカップと、前記グリーンの上の前記ゴルフボールとを含むグリーン撮影画像をカメラにより撮影する撮影部と、
前記グリーン撮影画像と前記グリーン面情報と前記基準点位置情報とを用いて、前記ゴルフボールの位置であるボール位置を算出する位置算出部と、
前記グリーン面情報と前記グリーンスピード情報とを用いて、前記ボール位置から前記グリーンにおける前記カップの位置であるカップ位置までのパッティングラインを算出するライン算出部と
を備えるゴルフ支援システム。
【請求項2】
前記位置算出部は、
前記地物基準点が前記カップ位置以外である場合は、前記グリーン撮影画像と前記グリーン面情報と前記基準点位置情報とを用いて前記カップ位置を算出する請求項1に記載のゴルフ支援システム。
【請求項3】
前記ゴルフ支援システムは、
前記グリーン撮影画像に前記パッティングラインを重畳したパッティングライン画像を生成する画像生成部と、
前記パッティングライン画像を表示機器に表示する表示部と
を備える請求項1または請求項2に記載のゴルフ支援システム。
【請求項4】
前記画像生成部は、
前記パッティングライン画像に複数の打ち出し方向を付加する請求項3に記載のゴルフ支援システム。
【請求項5】
前記撮影部は、
前記地物基準点と前記グリーンに設けられたカップと前記グリーンの上の前記ゴルフボールとを含むグリーン点群画像をライダーレーダーにより撮影し、
前記位置算出部は、
前記グリーン点群画像を用いて、前記カップ位置と前記ボール位置とを補正する請求項1または請求項に記載のゴルフ支援システム。
【請求項6】
前記ゴルフ支援システムは、
前記グリーン点群画像に基づいて、前記グリーン面情報に含まれる前記グリーンの面形状を更新するデータベース更新部を備える請求項5に記載のゴルフ支援システム。
【請求項7】
前記ゴルフ支援システムは、
前記カメラが搭載された機器の位置を検出する位置センサを備え、
前記位置算出部は、
前記カメラが搭載された機器の位置を用いて、前記カップ位置と前記ボール位置とを補正する請求項1または請求項に記載のゴルフ支援システム。
【請求項8】
前記撮影部は、
前記グリーン撮影画像を撮影する際に、前記地物基準点と前記カップと前記ゴルフボールとを含めることを注意喚起する注意通知を表示する請求項1または請求項に記載のゴルフ支援システム。
【請求項9】
前記ゴルフ支援システムは、
前記ユーザが携帯するクライアント装置と、前記クライアント装置と通信するサーバ装置とを備え、
前記サーバ装置は、前記コース地図データベースと前記位置算出部とライン算出部とを備え、
前記クライアント装置は、前記カメラを備え、前記ユーザにより撮影された前記グリーン撮影画像を前記サーバ装置に送信する請求項1または請求項に記載のゴルフ支援システム。
【請求項10】
前記ゴルフ支援システムは、
前記カメラを搭載し、前記ゴルフコースで運用される移動体であるクライアント装置と、前記クライアント装置と通信するサーバ装置とを備え、
前記サーバ装置は、前記コース地図データベースと前記位置算出部とライン算出部とを備え、
前記クライアント装置は、前記カメラにより撮影した前記グリーン撮影画像を前記サーバ装置に送信する請求項1または請求項に記載のゴルフ支援システム。
【請求項11】
ゴルフコースにおけるグリーンにおいてユーザを支援するゴルフ支援システムに用いられるゴルフ支援方法において、
コンピュータが、前記グリーンの位置と前記グリーンの面形状とを含むグリーン面情報と、前記グリーンの上におけるゴルフボールの転がり速度を表すグリーンスピード情報と、前記グリーンあるいは前記グリーンの近傍に固定された基準地物における地物基準点の位置である基準点位置情報とを記憶するコース地図データベースを備え、
コンピュータが、前記地物基準点と、前記グリーンに設けられたカップと、前記グリーンの上の前記ゴルフボールとを含むグリーン撮影画像をカメラにより撮影し、
コンピュータが、前記グリーン撮影画像と前記グリーン面情報と前記基準点位置情報とを用いて、前記ゴルフボールの位置であるボール位置を算出し、
コンピュータが、前記グリーン面情報と前記グリーンスピード情報とを用いて、前記ボール位置から前記グリーンにおける前記カップの位置であるカップ位置までのパッティングラインを算出するゴルフ支援方法。
【請求項12】
ゴルフコースにおけるグリーンにおいてユーザを支援するゴルフ支援システムに用いられるゴルフ支援プログラムにおいて、
前記ゴルフ支援システムは、前記グリーンの位置と前記グリーンの面形状とを含むグリーン面情報と、前記グリーンの上におけるゴルフボールの転がり速度を表すグリーンスピード情報と、前記グリーンあるいは前記グリーンの近傍に固定された基準地物における地物基準点の位置である基準点位置情報とを記憶するコース地図データベースを備え、
前記地物基準点と、前記グリーンに設けられたカップと、前記グリーンの上の前記ゴルフボールとを含むグリーン撮影画像をカメラにより撮影する撮影処理と、
前記グリーン撮影画像と前記グリーン面情報と前記基準点位置情報とを用いて、前記ゴルフボールの位置であるボール位置を算出する位置算出処理と、
前記グリーン面情報と前記グリーンスピード情報とを用いて、前記ボール位置から前記グリーンにおける前記カップの位置であるカップ位置までのパッティングラインを算出するライン算出処理と
をコンピュータに実行させるゴルフ支援プログラム。
【請求項13】
ゴルフコースにおけるグリーンにおいてユーザが携帯するクライアント装置と通信するサーバ装置において、
前記グリーンの位置と前記グリーンの面形状とを含むグリーン面情報と、前記グリーンの上におけるゴルフボールの転がり速度を表すグリーンスピード情報と、前記グリーンあるいは前記グリーンの近傍に固定された基準地物における地物基準点の位置である基準点位置情報とを記憶するコース地図データベースと、
前記地物基準点と、前記グリーンに設けられたカップと、前記グリーンの上の前記ゴルフボールとを含むグリーン撮影画像を前記クライアント装置から取得し、前記グリーン撮影画像と前記グリーン面情報と前記基準点位置情報とを用いて、前記ゴルフボールの位置であるボール位置を算出する位置算出部と、
前記グリーン面情報と前記グリーンスピード情報とを用いて、前記ボール位置から前記グリーンにおける前記カップの位置であるカップ位置までのパッティングラインを算出するライン算出部と
を備えるサーバ装置。
【請求項14】
ゴルフコースにおけるグリーンにおいてユーザが携帯するクライアント装置であってサーバ装置と通信するクライアント装置において、
前記グリーンの位置と前記グリーンの面形状とを含むグリーン面情報と、前記グリーンの上におけるゴルフボールの転がり速度を表すグリーンスピード情報と、前記グリーンあるいは前記グリーンの近傍に固定された基準地物における地物基準点の位置である基準点位置情報とを記憶するコース地図データベースを備え、前記地物基準点と、前記グリーンに設けられたカップと、前記グリーンの上の前記ゴルフボールとを含むグリーン撮影画像をカメラにより撮影し、前記グリーン撮影画像と前記グリーン面情報と前記基準点位置情報とを用いて、前記ゴルフボールの位置であるボール位置を算出する前記サーバ装置であって、前記グリーン面情報と前記グリーンスピード情報とを用いて、前記ボール位置から前記グリーンにおける前記カップの位置であるカップ位置までのパッティングラインを算出する前記サーバ装置に、前記グリーン撮影画像を送信する撮影部を備えるクライアント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゴルフ支援システム、ゴルフ支援方法、および、ゴルフ支援プログラムに関する。特に、ゴルフコースにおけるグリーンにおいてパッティングするユーザを支援するゴルフ支援システム、ゴルフ支援方法、および、ゴルフ支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、グリーンにおいてパッティングするユーザを支援するアプリケーションが開発されている。例えば、ユーザがスマートフォンでグリーンをスキャンし、画面上のマーカとカップの位置およびボールの位置とをそれぞれ合わせてタップすることで、パッティングラインが表示されるアプリケーションがある。
このアプリケーションでは、ユーザの操作が煩雑となりプレー進行の遅れの要因になる可能性がある。また、ユーザによる操作の巧拙によって、グリーンの形状、カップの位置、およびボールの位置に誤差が生じるおそれもある。
【0003】
特許文献1では、パッティングラインを予測し、予測したパッティングラインを表示する電子機器が開示されている。
特許文献2では、グリーン上のカップに装着することで、カップ位置を高精度に検出する位置検出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6714799号公報
【文献】特許第6744663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、カップ位置とボール位置とをユーザが入力する必要がある。よって、ユーザの操作が煩雑となるとともに、カップ位置とボール位置との精度が低いという課題がある。
特許文献2の位置検出装置は、グリーン上のカップに装着して使用される。このように、特許文献2の位置検出装置は、ゴルファがプレーの戦略を立てる際に予めカップ位置を高精度に検出する際に利用する装置であり、ゴルフをプレーしながら使用するものではない。よって、グリーン上でパッティングするユーザを支援することはできないという課題がある。また、特許文献2の位置検出装置では、ボール位置の検出については記載されていない。
【0006】
本開示は、グリーン近傍での簡単な操作により高精度にカップ位置とボール位置を取得することで、グリーン上でパッティングするユーザを迅速かつ的確に支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るゴルフ支援システムは、ゴルフコースにおけるグリーンにおいてユーザを支援するゴルフ支援システムにおいて、
前記グリーンの位置と前記グリーンの面形状とを含むグリーン面情報と、前記グリーンの上におけるゴルフボールの転がり速度を表すグリーンスピード情報と、前記グリーンあるいは前記グリーンの近傍に固定された基準地物における地物基準点の位置である基準点位置情報とを記憶するコース地図データベースと、
前記地物基準点と、前記グリーンに設けられたカップと、前記グリーンの上の前記ゴルフボールとを含むグリーン撮影画像をカメラにより撮影する撮影部と、
前記グリーン撮影画像と前記グリーン面情報と前記基準点位置情報とを用いて、前記ゴルフボールの位置であるボール位置を算出する位置算出部と、
前記グリーン面情報と前記グリーンスピード情報とを用いて、前記ボール位置から前記グリーンにおける前記カップの位置であるカップ位置までのパッティングラインを算出するライン算出部と
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係るゴルフ支援システムによれば、グリーン近傍での簡単な操作により高精度にカップ位置とボール位置を取得することができる。よって、本開示に係るゴルフ支援システムによれば、グリーン上でパッティングするユーザを迅速かつ的確に支援することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係るゴルフ支援システムの全体構成例を示す図。
図2】実施の形態1に係るクライアント装置の構成例を示す図。
図3】実施の形態1に係るサーバ装置の構成例を示す図。
図4】実施の形態1に係るゴルフ支援システムの動作を示すフロー図。
図5】実施の形態1に係るクライアント装置の例を示す図。
図6】実施の形態1に係るグリーン撮影画像の例を示す図。
図7】実施の形態1に係るパッティングライン画像の例を示す図。
図8】実施の形態1に係るパッティングライン画像の部分拡大図の例を示す図。
図9】実施の形態1の変形例1に係るゴルフ支援システムの動作を示すフロー図。
図10】実施の形態1の変形例4に係るクライアント装置の構成例を示す図。
図11】実施の形態1の変形例4に係るサーバ装置の構成例を示す図。
図12】実施の形態2に係るクライアント装置であるコース走行車両の構成例を示す図。
図13】実施の形態2に係るゴルフ支援システムの動作を示すフロー図。
図14】実施の形態2に係るパッティングライン画像の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について、図を用いて説明する。各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。図中の矢印はデータの流れまたは処理の流れを主に示している。また、以下の図では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった向きあるいは位置が示されている場合がある。これらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向および向きを限定するものではない。
【0011】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係るゴルフ支援システム500の全体構成例を示す図である。
ゴルフ支援システム500は、ゴルフコース40においてゴルフのプレーをするユーザ20を支援するシステムである。ユーザ20は、ゴルフコース40においてゴルフをプレーするゴルファあるいはプレーヤーともいう。
特に、本実施の形態に係るゴルフ支援システム500は、ゴルフコース40におけるグリーン41においてパッティングをするユーザ20を支援する。
【0012】
ゴルフ支援システム500は、クライアント装置100とサーバ装置200とを備える。
クライアント装置100は、例えば、スマートフォン、携帯電話、あるいはタブレット端末といった携帯端末装置である。あるいは、クライアント装置100は、走行経路に基づいてゴルフコース40を自動運転するコース走行車両でもよい。なお、クライアント装置100がコース走行車両である場合については実施の形態2で説明する。
サーバ装置200は、例えば、クラウドコンピュータにより実現される。サーバ装置200は、クライアント装置100とネットワークを介して通信する。
【0013】
図2は、本実施の形態に係るクライアント装置100の構成例を示す図である。
クライアント装置100は、コンピュータである。クライアント装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、通信装置950、カメラ961、ライダーレーダー962、および位置センサ963といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線あるいは無線接続により他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0014】
クライアント装置100は、機能要素として、撮影部110と情報収集部120と表示部130と記憶部140とを備える。クライアント装置100は、スマートフォン、携帯電話、あるいはタブレット端末といった携帯端末装置である。そのため、クライアント装置100は、携帯端末装置としての機能を実現するためのその他の各種の機能を有するが、ここでは本実施の形態で利用する機能についてのみ図示している。
【0015】
カメラ961は、例えば、スマートフォン、携帯電話、あるいはタブレット端末といった携帯端末装置に内蔵された撮影装置である。カメラ961は、ユーザ20による操作により、クライアント装置100の周囲を撮影する。
ライダーレーダー962は、クライアント装置100の周囲の物体までの距離を検出する。ライダーレーダー962により点群画像が生成される。
【0016】
位置センサ963は、クライアント装置100の位置情報53を取得する。より具体的には、位置センサ963は、クライアント装置100の位置と時間とを位置情報53として取得する。位置センサ963は、例えば、GPSである。GPSは、Global Positioning Systemの略語である。
位置センサ963により取得された位置情報53は、情報収集部120によりサーバ装置200に送信される。
【0017】
図3は、本実施の形態に係るサーバ装置200の構成例を示す図である。
サーバ装置200は、コンピュータである。サーバ装置200は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線あるいは無線接続により他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
なお、クライアント装置100と同様の機能を有するハードウェアには、説明を簡単にするために同一の符号を付している。しかし、クライアント装置100とサーバ装置200の各々に、個別にハードウェアが搭載されていることは自明である。
【0018】
サーバ装置200は、機能要素として、位置算出部210とライン算出部220と画像生成部230とデータベース更新部240と記憶部250とを備える。記憶部250には、コース地図データベース251が記憶される。コース地図データベース251には、グリーン面情報511とグリーンスピード情報512と基準点位置情報513とが含まれる。
【0019】
位置算出部210とライン算出部220と画像生成部230とデータベース更新部240との機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部250は、メモリ921に備えられる。なお、記憶部250は、補助記憶装置922に備えられていてもよいし、メモリ921と補助記憶装置922に分散して備えられていてもよい。
【0020】
プロセッサ910は、ゴルフ支援プログラムを実行する装置である。ゴルフ支援プログラムは、クライアント装置100とサーバ装置200との各装置の機能を実現するプログラムである。サーバ装置200では、ゴルフ支援プログラムは、位置算出部210とライン算出部220と画像生成部230とデータベース更新部240との機能を実現するプログラムである。
【0021】
プロセッサ910は、演算処理を行うICである。プロセッサ910の具体例は、CPU、DSP、GPUである。ICは、Integrated Circuitの略語である。CPUは、Central Processing Unitの略語である。DSPは、Digital Signal Processorの略語である。GPUは、Graphics Processing Unitの略語である。
【0022】
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM、あるいはDRAMである。SRAMは、Static Random Access Memoryの略語である。DRAMは、Dynamic Random Access Memoryの略語である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
【0023】
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB端子である。なお、入力インタフェース930は、LANインタフェースであってもよいし、Bluetooth(登録商標)であってもよい。USBは、Universal Serial Busの略語である。LANは、Local Area Networkの略語である。
【0024】
出力インタフェース940は、ディスプレイといった出力機器のケーブルが接続されるポートである。また、出力インタフェース940は、LANインタフェースであってもよいし、Bluetooth(登録商標)であってもよい。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCDである。出力インタフェース940は、表示器インタフェースともいう。HDMI(登録商標)は、High Definition Multimedia Interfaceの略語である。LCDは、Liquid Crystal Displayの略語である。
【0025】
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、Wi-Fi(登録商標)、LAN、インターネット、あるいは電話回線といった通信網に接続している。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNICである。NICは、Network Interface Cardの略語である。
【0026】
ゴルフ支援プログラムは、ゴルフ支援システム500の各装置において実行される。ゴルフ支援プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、ゴルフ支援プログラムだけでなく、OSも記憶されている。OSは、Operating Systemの略語である。プロセッサ910は、OSを実行しながら、ゴルフ支援プログラムを実行する。ゴルフ支援プログラムおよびOSは、補助記憶装置922に記憶されていてもよい。補助記憶装置922に記憶されているゴルフ支援プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、ゴルフ支援プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
【0027】
サーバ装置200は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、ゴルフ支援プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、ゴルフ支援プログラムを実行する装置である。
【0028】
ゴルフ支援プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
【0029】
サーバ装置200において、位置算出部210とライン算出部220と画像生成部230とデータベース更新部240との各部の「部」を「回路」、「工程」、「手順」、「処理」、あるいは「サーキットリー」に読み替えてもよい。ゴルフ支援プログラムは、位置算出処理とライン算出処理と画像生成処理とデータベース更新処理とを、コンピュータに実行させる。位置算出処理とライン算出処理と画像生成処理とデータベース更新処理との「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」、「プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体」、または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体」に読み替えてもよい。また、ゴルフ支援方法は、ゴルフ支援システム500の各装置がゴルフ支援プログラムを実行することにより行われる方法である。
ゴルフ支援プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、ゴルフ支援プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0030】
***動作の説明***
次に、本実施の形態に係るゴルフ支援システム500の動作について説明する。ゴルフ支援システム500の動作手順は、ゴルフ支援方法に相当する。また、ゴルフ支援システム500の動作を実現するプログラムは、ゴルフ支援プログラムに相当する。
【0031】
図4は、本実施の形態に係るゴルフ支援システム500の動作を示すフロー図である。
本実施の形態に係るゴルフ支援システム500は、ゴルフコース40におけるグリーン41において、これからパッティングをするユーザ20を支援するシステムである。ゴルフ支援システム500は、例えば、アプリケーションとしてクライアント装置100にダウンロードされ、ユーザ20に利用される。
【0032】
<撮影処理:ステップS101>
ステップS101において、撮影部110は、カメラ961により、グリーン撮影画像51を撮影する。グリーン撮影画像51には、地物基準点403とグリーン41に設けられたカップ42とグリーン41の上のゴルフボール21とが含まれる。
【0033】
図5は、本実施の形態に係るクライアント装置100の例を示す図である。
クライアント装置100は、例えば、図6に示すようなスマートフォンである。
ユーザ20は、クライアント装置100にダウンロードされたアプリケーションを起動する。クライアント装置100はグリーン撮影画像51の撮影モードとなり、ユーザ20は、アプリケーションの指示にしたがって、カメラ961によりグリーン撮影画像51を撮影する。
このとき、クライアント装置100の表示部130は、地物基準点403とカップ42とゴルフボール21とを含めて撮影するようにユーザ20に注意を促す注意通知55を表示してもよい。
【0034】
また、カメラ961によってグリーン41の芝生の濡れ具合、乾燥具合に関する情報を取得してもよい。さらに、位置センサ963によって得た自己位置情報から、周囲の天候情報を取得してもよい。
【0035】
図6は、本実施の形態に係るグリーン撮影画像51の例を示す図である。
図6に示すように、グリーン41には、ユーザ20がゴルフボール21をカップインさせるカップ42が設けられている。また、グリーン41には、ユーザ20がパッティングするゴルフボール21がのっている。
【0036】
ユーザ20は、カメラ961により、地物基準点403と、グリーン41に設けられたカップ42と、グリーン41の上のゴルフボール21とを含めて、グリーン41をグリーン撮影画像51として撮影する。
スマートフォンであれば、ユーザ20はプレーしながら携帯することが可能である。よって、ユーザ20は、グリーン撮影画像51を迅速に撮影することができる。
【0037】
基準地物43とは、グリーン41あるいはグリーン41の近傍に固定された地物であり、予め正確な位置が計測されている所定の位置が地物基準点403として設定された地物である。つまり、地物基準点403とは、基準地物43における所定の位置を指す。
地物基準点403は、高精度測位により予め正確な位置が計測されており、その位置はコース地図データベース251の基準点位置情報513に設定されている。
【0038】
基準地物43の具体例としては、グリーン41の近傍に植えられている植物、グリーン41の近傍に設けられたスプリンクラーあるいは排水溝といった設置物、あるいは、グリーン41の近傍のバンカーなどである。また、基準地物43は、グリーン41に設けられたカップ42でもよい。一方、グリーン上のピンあるいはフラッグのように、移動可能なものは基準地物43には適さない。基準地物43は、グリーン41あるいはグリーン41の近傍に固定された地物である。
【0039】
地物基準点403は、基準地物43における所定の位置である。例えば、植物の最下部の最もグリーンに近い部分、スプリンクラーあるいは排水溝といった設置物の中央部分、あるいは、バンカーの縁のもっともグリーンに近い部分などを地物基準点403としてもよい。また、基準地物43がカップ42の場合、カップ42の中央部を地物基準点403としてもよい。地物基準点403は高精度測位により予め正確な位置が計測されているので、その高精度測位の際に地物基準点403を基準地物43にマークしておいてもよい。
【0040】
なお、カップ42は、通常、定期的あるいは不定期にグリーン41でのカップ位置が変更される。よって、基準地物43をカップ42とする場合は、カップ位置の変更の都度、その地物基準点403(例えばカップ42の中央部)に対し高精度測位が実施される。そして、カップ位置の変更の都度、高精度測位が実施された結果である地物基準点403の位置がコース地図データベース251に登録し直される。
【0041】
また、基準地物43は、ホールごとに異なっていてもよい。例えば、1番ホールではスプリンクラーが基準地物43であり、3番ホールでは植物が基準地物43であるような場合もある。あるいは、全てのホールでカップ42が基準地物43である、としてもよい。
表示部130は、ユーザ20がグリーン撮影画像51を撮影する際に、当該ホールでの基準地物43の地物基準点403がどこであるかを注意通知55に含めてユーザ20に通知する。
例えば、表示部130は、「地物基準点とカップとゴルフボールとを含めて撮影して下さい。1番ホールの地物基準点は左奥のスプリンクラーの中央部です。」といった注意通知55を表示する。
【0042】
注意通知55は、ユーザ20がグリーン撮影画像51を撮影する撮影モードの際に、サーバ装置200から送信されるとしてもよい。このとき、ユーザ20がどのホールのグリーンにいるかの情報は、クライアント装置100から送信される位置情報53に基づいて判定する。
あるいは、注意通知55は、ユーザ20がグリーン撮影画像51を撮影する撮影モードの際に、表示部130が生成して表示してもよい。
【0043】
ユーザ20がクライアント装置100に表示された注意通知55にしたがってグリーン撮影画像51を撮影すると、撮影部110は撮影されたグリーン撮影画像51をサーバ装置200に送信する。
【0044】
<位置算出処理:ステップS102>
ステップS102において、位置算出部210は、グリーン撮影画像51とグリーン面情報511と基準点位置情報513とを用いて、グリーン41におけるカップ42の位置とゴルフボール21の位置とを算出する。位置算出部210により算出されるカップ42の位置をカップ位置61とし、ゴルフボール21の位置をボール位置62とする。
なお、地物基準点403が、例えば、カップ42の中央部にある場合、カップ位置61は基準点位置情報513から取得可能である。よって、位置算出部210は、地物基準点403がカップ位置61以外である場合に、カップ位置61とボール位置62を算出する、としてもよい。
【0045】
図3に示すように、コース地図データベース251には、グリーン面情報511と、グリーンスピード情報512と、基準点位置情報513とが格納されている。
グリーン面情報511には、グリーン41の位置とグリーン41の面形状とが含まれる。グリーン面情報511は、高精度3次元空間情報である。例えば、コース地図データベース251には、ゴルフコース全体の高精度3次元地図情報が格納されており、そのグリーン面部分をグリーン面情報511としてもよい。
【0046】
グリーンスピード情報512には、グリーン41の上におけるボールの転がり速度が含まれる。ゴルフコースでは、スティンプメータでグリーン41におけるボールの転がり量を予め計測している。
【0047】
基準点位置情報513には、グリーン41あるいはグリーン41の近傍に固定された基準地物43における地物基準点403の位置が含まれる。上述したように、地物基準点403の位置は、高精度測位により予め正確に計測されているものとする。
【0048】
位置算出部210は、グリーン撮影画像51におけるグリーン41の形状およびカップ42と、グリーン面情報511におけるグリーン形状およびカップとをマッチングさせ、カップ位置61を算出する。さらに、位置算出部210は、グリーン撮影画像51における地物基準点403の位置情報を基準点位置情報513から抽出する。位置算出部210は、地物基準点403の位置情報を用いてカップ位置61を補正する。
また、同様に、位置算出部210は、グリーン撮影画像51におけるグリーン41の形状およびカップ42と、グリーン面情報511におけるグリーン形状およびカップとをマッチングさせ、グリーン撮影画像51におけるボール位置62を算出する。さらに、位置算出部210は、地物基準点403の位置情報を用いてボール位置62を補正する。
【0049】
<パッティングライン算出処理:ステップS103>
ステップS103において、ライン算出部220は、グリーン面情報511とグリーンスピード情報512とを用いて、ボール位置62からカップ位置61までのパッティングライン22を算出する。
【0050】
具体的には、ライン算出部220は、グリーン面情報511とグリーンスピード情報512とボール位置62とカップ位置61とを予測アルゴリズムに入力し、ボール位置62からカップ位置61までのパッティングライン22を算出する。
パッティングラインの予測アルゴリズムは、例えば、特許文献1に記載の予測プログラムを用いる。また、ライン算出部220は、芝生の湿り気情報もしくは天候情報も加味してパッティングラインを算出してもよい。
【0051】
<画像生成処理:ステップS104>
ステップS104において、画像生成部230は、グリーン撮影画像51にパッティングライン22を重畳したパッティングライン画像54を生成する。
【0052】
図7は、本実施の形態に係るパッティングライン画像54の例を示す図である。
図7では、グリーン撮影画像51にパッティングライン22を重畳したパッティングライン画像54を示している。
図7に示すように、画像生成部230は、パッティングライン22を実現するためのジャストなねらい目22aとジャストな打ち出し方向22bとをパッティングライン画像54に重畳してもよい。
また、図7に示すように、画像生成部230は、強めに打った際のパッティングライン(強め)22cと、弱めに打った際のパッティングライン(弱め)22dをパッティングライン画像54に重畳してもよい。
【0053】
画像生成部230は、グリーン面情報511と、ライン算出部220により予測されたパッティングライン22とに基づいて、ジャストなねらい目22aとジャストな打ち出し方向22bを算出する。あるいは、ライン算出部220が、ジャストなねらい目22aとジャストな打ち出し方向22bを算出してもよい。
【0054】
画像生成部230は、パッティングライン画像54に複数の打ち出し方向を付加する。図7では、ジャストな距離感で打つ場合と、強めに打つ場合と、弱めに打つ場合との3段階の打ち出し方向を示している。
具体的には、画像生成部230は、グリーン面情報511と、ライン算出部220により予測されたパッティングライン22とに基づいて、パッティングライン(強め)22cとパッティングライン(弱め)22dとを算出する。あるいは、ライン算出部220が、パッティングライン(強め)22cとパッティングライン(弱め)22dとを算出してもよい。
【0055】
図8は、本実施の形態に係るパッティングライン画像54の部分拡大図の例を示す図である。
図8に示すように、ジャストの距離感で打つ場合の打ち出し方向と、強めで打つ場合の打ち出し方向と、弱めで打つ場合の打ち出し方向とを矢印で示してパッティングライン画像54に重畳してもよい。このとき、矢印の長さにより、ジャストで打つ場合に対する強めあるいは弱めの割合を表してもよい。
【0056】
また、画像生成部230は、具体的な打ち出し角度の数値をパッティングライン画像54に表示してもよい。例えば、「強め場合は、ジャストの打ち出し方向からα度右」といった表示でもよい。ユーザ20にとっては数値を測ってパッティングすることは難しいが、数値により感覚的に打つ方向を判断することができる。
【0057】
画像生成部230は、パッティングの強さを表示する際、下り傾斜なら平坦時の7割、上りなら2割増しといった指標を用いてパッティングの強さを表示してもよい。
また、クライアント装置100にはユーザ20のパターの反発係数といった情報を登録しておき、ライン算出部220はパターの反発係数を加味してパッティングラインを算出してもよい。また、画像生成部230はパターの反発係数を加味してパッティングの強さをアドバイスする表示をパッティングライン画像54に表示してもよい。
また、画像生成部230は、当日の芝生の湿り気情報を加味したパッティングの強さをアドバイス表示してもよい。
【0058】
画像生成部230は、生成したパッティングライン画像54をクライアント装置100に送信する。なお、画像生成部230は、ゴルフボール21がカップ42に入るまでのシミュレーション映像をパッティングライン画像54としてもよい。
【0059】
<表示処理:ステップS105>
クライアント装置100の表示部130は、パッティングライン画像54を表示機器941に表示する。
表示部130は、パッティングライン画像54をAR表示してもよい。ARはAugmented Realityの略語である。
また、パッティングライン画像54が動画の場合は、表示部130はその動画を表示機器941において再生する。
【0060】
***他の構成***
<変形例1>
図9は、本実施の形態の変形例1に係るゴルフ支援システム500の動作を示すフロー図である。
ステップS101aにおいて、撮影部110は、地物基準点403とグリーン41に設けられたカップ42とグリーン41の上のゴルフボール21とを含むグリーン点群画像52をライダーレーダー962により撮影する。撮影部110は、グリーン点群画像52をサーバ装置200に送信する。
位置算出部210は、グリーン撮影画像51に加えて、さらにグリーン点群画像52も用いて、カップ位置61とボール位置62とを補正する。
グリーン点群画像52を用いることにより、カップ位置61とボール位置62の精度が向上するという効果がある。
【0061】
また、ステップS101bにおいて、情報収集部120は、位置センサ963により、クライアント装置100の位置情報53を取得し、サーバ装置200に送信する。
位置算出部210は、カメラ961およびライダーレーダー962が搭載された機器、すなわちクライアント装置100の位置情報53を用いて、カップ位置61とボール位置62とを補正する。
クライアント装置100の位置情報53を用いることにより、さらに、カップ位置61とボール位置62の精度を向上させることができるという効果がある。
【0062】
ステップS102aにおいて、データベース更新部240は、グリーン点群画像52に基づいて、グリーン面情報511に含まれるグリーン41の面形状を更新する。
データベース更新部240は、グリーン撮影画像51とグリーン点群画像52と地物基準点403の位置とを活用し、最新のグリーン面の起伏情報を3次元空間情報として作成し、グリーン面情報511を更新する。
【0063】
<変形例2>
本実施の形態では、地物基準点403の位置情報は予め高精度測位により正確に測定され、基準点位置情報513に格納されているものとした。
変形例2では、地物基準点403にBluetooth(登録商標)ペンダントといった機器を設置し、予め高精度測位された基準点位置情報をデータとして位置ビーコンとして発信してもよい。この場合、例えば、情報収集部120が地物基準点403から発信される位置ビーコンに含まれる基準点位置情報を受信し、サーバ装置200に送信する。そして、サーバ装置200では、コース地図データベース251に格納された基準点位置情報513の替わりに、情報収集部120から送信された基準点位置情報を用いてカップ位置61とボール位置62とを算出する。
【0064】
<変形例3>
本実施の形態に係るゴルフ支援システム500の機能は、上述したようにスマートフォン、携帯電話、あるいはタブレット端末といったクライアント装置100にダウンロードされるアプリケーションとして提供されてもよい。あるいは、ゴルフ支援システム500の機能は、ウェブベースで提供されてもよい。
また、ゴルフ支援システム500では、クライアント装置100にグリーン面情報511とグリーンスピード情報512と基準点位置情報513とを含むコース地図データベース251が提供されてもよい。クライアント装置100にコース地図データベース251を提供することで、クライアント装置100単体でゴルフ支援システム500の機能を実現することも可能となる。
【0065】
<変形例4>
本実施の形態では、クライアント装置100とサーバ装置200の各装置の機能がソフトウェアで実現される。変形例として、クライアント装置100とサーバ装置200の各装置の機能がハードウェアで実現されてもよい。
具体的には、クライアント装置100とサーバ装置200の各装置は、プロセッサ910に替えて電子回路909を備える。
【0066】
図10は、本実施の形態の変形例に係るクライアント装置100の構成例を示す図である。
図11は、本実施の形態の変形例に係るサーバ装置200の構成例を示す図である。
以下では、サーバ装置200を例に説明する。なお、クライアント装置100についても同様である。
【0067】
電子回路909は、位置算出部210とライン算出部220と画像生成部230とデータベース更新部240との機能を実現する専用の電子回路である。電子回路909は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。
【0068】
位置算出部210とライン算出部220と画像生成部230とデータベース更新部240との機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
【0069】
別の変形例として、位置算出部210とライン算出部220と画像生成部230とデータベース更新部240との一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。また、位置算出部210とライン算出部220と画像生成部230とデータベース更新部240との一部またはすべての機能がファームウェアで実現されてもよい。
【0070】
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、位置算出部210とライン算出部220と画像生成部230とデータベース更新部240との機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
【0071】
***本実施の形態の効果の説明***
以上のように、本実施の形態に係るゴルフ支援システムによれば、グリーン近傍での簡単な操作により高精度にカップ位置とボール位置を取得することができる。すなわち、ユーザはボールとカップと地物基準点を映した画像を撮影するだけでよく、ユーザ操作を簡略化しつつ、カップ位置とボール位置の精度を向上させることができる。
よって、本実施の形態に係るゴルフ支援システムによれば、グリーン上でパッティングするユーザを迅速かつ的確に支援することができる。
【0072】
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点および実施の形態1に追加する点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
実施の形態1では、クライアント装置100がスマートフォン、携帯電話、あるいはタブレット端末といった携帯端末装置である場合について説明した。
本実施の形態では、クライアント装置100がゴルフコースで運用される移動体であるコース走行車両である場合について説明する。
【0074】
***構成の説明***
図12は、本実施の形態に係るクライアント装置100であるコース走行車両の構成例を示す図である。
クライアント装置100であるコース走行車両は、ゴルフコースでプレーするユーザ20のゴルフバッグを積み込み、サーバ装置200から送信される走行経路に従ってゴルフコースを自動運転する自律型車両である。
コース走行車両には、表示機器941、車両カメラ961、ライダーレーダー962、および位置センサ963といった機器が搭載されている。
また、本実施の形態ではコース走行車両がクライアント装置100であるため、コース走行車両は実施の形態1で説明した機能を有する。
また、図示は無いが、コース走行車両には、走行経路に従って自動運転するための自動運転システムが搭載されている。走行経路は、移動体が移動する移動経路の例である。
【0075】
コース走行車両は、例えば、人を乗車させて走行することが可能なPMVである。PMVは、Personal Mobility Vehicleの略語である。また、人を乗車させない使用形態の場合は、コース走行車両はAMRであってもよい。AMRは、Autonomous Mobile Robotの略語である。
【0076】
本実施の形態に係るコース走行車両は、ゴルフコースにおけるゴルフカートのように、人を乗せる座席を有し、ユーザが着座した状態で自動運転が可能である。ユーザが乗車して移動することも可能なので、歩行時よりもプレー時間を短縮することができるという効果がある。
【0077】
また、本実施の形態に係るコース走行車両は、カメラ961により、ユーザ20が打ったゴルフボールの弾道を撮影し、弾道画像を用いてゴルフボールの弾道を予測する機能を有する。また、コース走行車両は、予測弾道を用いてゴルフボールの落下位置である予測落下位置を算出し、予測落下位置までの移動経路を算出する機能を有する。さらに、コース走行車両は、移動経路にしたがって予測落下位置まで自動走行する機能を有する。
【0078】
なお、クライアント装置100がコース走行車両である場合であっても、本実施の形態に係るクライアント装置100機能構成図は実施の形態1と同様である。
【0079】
***動作の説明***
図13は、本実施の形態に係るゴルフ支援システム500の動作を示すフロー図である。
ステップS100において、クライアント装置100であるコース走行車両は、ユーザ20のゴルフボールがグリーン上にのったか否かを判定する。
例えば、コース走行車両は、予測落下位置がグリーン上か否かを判定することにより、ゴルフボールがグリーン上にのったか否かを判定してもよい。あるいは、ドローンといった自律飛行体と連携してゴルフボールがグリーン上にのったか否かを判定してもよい。
【0080】
ゴルフボールがグリーン上にのった場合は、ステップS101に進む。
ステップS101以降の処理は、図4あるいは図9で説明した処理と同様である。図13では、ステップS101以降の処理は図9と同様となっている。
【0081】
クライアント装置100であるコース走行車両は、ユーザ20の操作によりグリーン撮影画像51を撮影してもよい。あるいは、コース走行車両は、ユーザのパッティングの撮影のための適切な位置を自動的に算出し、自動走行で適切な位置に移動し、自動的にグリーン撮影画像51を撮影してもよい。コース走行車両は、ユーザのパッティングの前にグリーン撮影画像51を撮影し、サーバ装置200へ送信する。
【0082】
また、ステップS104では、サーバ装置200は、生成したパッティングライン画像54をクライアント装置100であるコース走行車両に送信する。
そして、ステップS105において、コース走行車両の表示部130は、パッティングライン画像54を表示機器に表示する。
このとき、サーバ装置200は、生成したパッティングライン画像54を、予め登録されているユーザ20の携帯端末装置に送信してもよい。これにより、ユーザ20は、自身の携帯端末装置に表示されたパッティングライン画像54を参照してパッティングを行うことができ、コース走行車両の表示機器941までパッティングライン画像54を見に行かなくてもよい。よって、迅速なプレー進行に寄与することができる。
【0083】
図14は、本実施の形態に係るパッティングライン画像54の例を示す図である。
本実施の形態においても図7に示すパッティングライン画像54が表示される。また、本実施の形態では、図7に示すパッティングライン画像54だけでなく、パッティングライン画像54に実際にユーザ20が打ったパッティングラインを重畳した画像をユーザ20に提供することができる。
これにより、ユーザ20は自身のパッティングを振り返ることができる。
【0084】
また、本実施の形態においても、コース走行車両にグリーン面情報511とグリーンスピード情報512と基準点位置情報513とを含むコース地図データベース251が提供されてもよい。コース走行車両にコース地図データベース251を提供することで、クライアント装置100単体でゴルフ支援システム500の機能を実現することも可能となる。
【0085】
***他の構成***
<変形例5>
本実施の形態に係るゴルフ支援システム500は、以下のような機能を有していてもよい。
・実際のショットの映像を教師データとして活用し、パッティングラインを物理演算ではなく学習モデルで算出する。
・ボールがカップに入るまでのシミュレーション映像を動画で提供する。
・ボールがカップに入るまでのシミュレーション映像をプロジェクションマッピングといったライティングでグリーン上に表示する。これによりユーザ20は、どれくらいの速度で打てばよいか分かりやすくなる。
・ドローンと連携し、ドローンからグリーン撮影画像、グリーン点群画像、およびドローンの位置情報をサーバ装置に送信する。また、ドローンを用いて、パッティングライン画像をプロジェクションマッピングといった手法でグリーン上に表示する。
・ドローンで撮影したグリーン撮影画像およびグリーン点群画像でグリーン面の起伏情報を更新する。
・実際のパッティングの軌跡を画像上に重畳し、パッティングラインとどれくらいずれていたかをユーザ20が振り返るための動画を提供する。
【0086】
<変形例6>
クライアント装置100であるコース走行車両が、ユーザ20のショットシーンおよびパッティングシーンの撮影を行い、プレームービーといったユーザ動画の作成を支援してもよい。これにより、撮影クルーを入れることなく、プレームービーといったユーザ動画の作成が可能となる。
【0087】
***本実施の形態の効果の説明***
以上のように、本実施の形態に係るゴルフ支援システムによれば、ユーザ操作をより簡略化することができる。
【0088】
以上の実施の形態1および2では、ゴルフ支援システムの各装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、ゴルフ支援システムの各装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。ゴルフ支援システムの各装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、ゴルフ支援システムの各装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
【0089】
例えば、サーバ装置200の機能の一部をクライアント装置100に持たせてもよい。あるいは、クライアント装置100の機能の一部をサーバ装置200に持たせてもよい。
【0090】
また、実施の形態1および2のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、これらの実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1および2では、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【0091】
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示の範囲、本開示の適用物の範囲、および本開示の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、フロー図あるいはシーケンス図を用いて説明した手順は、適宜に変更してもよい。
【符号の説明】
【0092】
20 ユーザ、21 ゴルフボール、22 パッティングライン、22a ジャストなねらい目、22b ジャストな打ち出し方向、22c パッティングライン(強め)、22d パッティングライン(弱め)、40 ゴルフコース、41 グリーン、42 カップ、43 基準地物、403 地物基準点、51 グリーン撮影画像、52 グリーン点群画像、53 位置情報、54 パッティングライン画像、55 注意通知、61 カップ位置、62 ボール位置、100 クライアント装置、110 撮影部、120 情報収集部、130 表示部、200 サーバ装置、210 位置算出部、220 ライン算出部、230 画像生成部、240 データベース更新部、140,250 記憶部、251 コース地図データベース、511 グリーン面情報、512 グリーンスピード情報、513 基準点位置情報、500 ゴルフ支援システム、909 電子回路、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、941 表示機器、950 通信装置、961 カメラ、962 ライダーレーダー、963 位置センサ。
図1
図2
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図14