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特許7580668自動走行装置、エスカレータおよび自動走行装置のエスカレータ乗車方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】自動走行装置、エスカレータおよび自動走行装置のエスカレータ乗車方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/00 20060101AFI20241101BHJP
【FI】
B66B31/00 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2024526128
(86)(22)【出願日】2022-06-08
(86)【国際出願番号】 JP2022023171
(87)【国際公開番号】W WO2023238295
(87)【国際公開日】2023-12-14
【審査請求日】2024-08-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横田 守真
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-001613(JP,A)
【文献】特開平11-335057(JP,A)
【文献】特開昭54-124488(JP,A)
【文献】国際公開第2022/029971(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0369622(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第113651221(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00-31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動走行装置であって、
アームと、
プログラムを記憶するメモリと、
前記プログラムを実行するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記自動走行装置がエスカレータの乗車位置に到着したときに、前記エスカレータの踏み段の動きを検知し、前記アームが前記踏み段のクリートをつかむように制御し、前記アームが前記踏み段のクリートをつかんだ後、前記自動走行装置を前進させて前記エスカレータに乗車させる、自動走行装置。
【請求項2】
前記アームの突起部分が、前記踏み段のクリートの溝部に嵌入することによって、前記アームが前記踏み段のクリートをつかむ、請求項1記載の自動走行装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記自動走行装置が前記エスカレータの前記乗車位置に到着したときに、前記エスカレータに人が乗車していないときに限り、前記自動走行装置を前記エスカレータに乗車させる、請求項1に記載の自動走行装置。
【請求項4】
無線通信機を備え、
前記プロセッサは、前記自動走行装置が前記エスカレータの前記乗車位置に到着したときに、前記自動走行装置を停止させて、前記エスカレータに前記無線通信機を通じて、減速指令または停止指令を送信する、請求項1に記載の自動走行装置。
【請求項5】
スピーカを備え、
前記プロセッサは、前記減速指令または前記停止指令を送信する場合には、さらに、前記スピーカを通じて、前記エスカレータが減速または停止する旨をアナウンスする、請求項4記載の自動走行装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記減速指令を送信した場合には、前記自動走行装置が前記エスカレータに乗車した後に、前記エスカレータに前記無線通信機を通じて増速指令を送信する、請求項4記載の自動走行装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記停止指令を送信した場合には、前記アームが前記踏み段のクリートをつかんだ後に、前記エスカレータに前記無線通信機を通じて起動指令を送信する、請求項4記載の自動走行装置。
【請求項8】
スピーカを備え、
前記プロセッサは、前記増速指令または前記起動指令を送信する場合には、さらに、前記スピーカを通じて、前記エスカレータが増速または起動する旨をアナウンスする、請求項6または7記載の自動走行装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記自動走行装置が前記エスカレータに乗車した後に、さらに、前記スピーカを通じて、前記エスカレータに人が乗車しないように依頼する旨をアナウンスする、請求項8記載の自動走行装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記自動走行装置が前記エスカレータの所定位置に到着したときに、前記エスカレータの前記踏み段の動きを検知し、前記アームが前記踏み段のクリートを放すように制御し、前記アームが前記踏み段のクリートを離した後、前記自動走行装置を前進させて前記エスカレータから降車させる、請求項1に記載の自動走行装置。
【請求項11】
無線通信機を備え、
前記プロセッサは、前記自動走行装置が前記エスカレータの所定位置に到着したときに、前記エスカレータに前記無線通信機を通じて、減速指令を送信する、請求項10記載の自動走行装置。
【請求項12】
無線通信機を備え、
前記プロセッサは、前記自動走行装置が前記エスカレータの降車位置の直前位置に到着したときに、前記エスカレータに前記無線通信機を通じて、停止指令を送信する、請求項10記載の自動走行装置。
【請求項13】
スピーカを備え、
前記プロセッサは、前記減速指令または前記停止指令を送信する場合には、さらに、前記スピーカを通じて、前記エスカレータが減速または停止する旨をアナウンスする、請求項11または12記載の自動走行装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記自動走行装置が前記エスカレータから降車した後に、前記エスカレータに前記無線通信機を通じて増速指令または起動指令を送信する、請求項11または12に記載の自動走行装置。
【請求項15】
スピーカを備え、
前記プロセッサは、前記増速指令または前記起動指令を送信する場合には、さらに、前記スピーカを通じて、前記エスカレータが増速または起動する旨をアナウンスする、請求項14記載の自動走行装置。
【請求項16】
踏み段および移動手摺と、
請求項4、11、および12のいずれか1項に記載の自動走行装置から減速指令または停止指令を受信する無線通信機と、
前記無線通信機が、前記減速指令または停止指令を受信したときに、前記踏み段および前記移動手摺の走行を減速または停止させる制御盤と、を備えたエスカレータ。
【請求項17】
踏み段および移動手摺と、
請求項6または7に記載の自動走行装置から増速指令または起動指令を受信する無線通信機と、
前記無線通信機が、前記増速指令または起動指令を受信したときに、前記踏み段および前記移動手摺の走行を増速または起動させる制御盤と、を備えたエスカレータ。
【請求項18】
自動走行装置のエスカレータ乗車方法であって、
前記自動走行装置が、前記自動走行装置がエスカレータの乗車位置に到着したときに、前記エスカレータに人が乗車していないときに限り、前記自動走行装置を停止させて、前記エスカレータに減速指令または停止指令を送信するステップと、
前記エスカレータが、前記自動走行装置から減速指令または停止指令を受信したときに、前記エスカレータの踏み段および移動手摺の走行を減速または停止させるステップと、
前記自動走行装置が、前記エスカレータの踏み段の動きを検知し、前記自動走行装置のアームが前記踏み段のクリートをつかみ、前記アームが前記踏み段のクリートをつかんだ後、前進して前記エスカレータに乗車するステップとを備えた、自動走行装置のエスカレータ乗車方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動走行装置、エスカレータおよび自動走行装置のエスカレータ乗車方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エスカレータなどの乗客コンベア装置に乗り降りすることができる自動走行装置が知られている。
【0003】
たとえば、特許文献1に記載の乗客コンベア装置は、乗客コンベアと、ロボットの走行を制御するためのロボット走行制御装置との間で信号の送受信を実施するための通信部と、乗客コンベアへのロボットの到着予想時刻に合わせて通信部で受信された乗客コンベアーの速度変更の指令に基づいて、乗客コンベアの速度を通信部で受信した乗客コンベアへのロボットの乗降可能速度に変更する速度制御部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-1613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、ロボットなどの自動走行装置が、エスカレータに乗車中に倒れないように支えるための手段が設けられていない。よって、自動走行装置がエスカレータに乗車中に倒れてしまう場合がある。
【0006】
それゆえに、本開示の目的は、自動走行装置がエスカレータに乗車中に倒れてしまうのを防止することができる自動走行装置、エスカレータおよび自動走行装置のエスカレータ乗車方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の自動走行装置は、アームと、プログラムを記憶するメモリと、プログラムを実行するプロセッサとを備える。プロセッサは、自動走行装置がエスカレータの乗車位置に到着したときに、エスカレータの踏み段の動きを検知し、アームが踏み段のクリートをつかむように制御し、アームが踏み段のクリートをつかんだ後、自動走行装置を前進させてエスカレータに乗車させる。
【0008】
本開示の自動走行装置のエスカレータ乗車方法は、自動走行装置が、自動走行装置がエスカレータの乗車位置に到着したときに、エスカレータに人が乗車していないときに限り、自動走行装置を停止させて、エスカレータも減速指令または停止指令を送信するステップと、エスカレータが、自動走行装置から減速指令または停止指令を受信したときに、エスカレータの踏み段および移動手摺の走行を減速または停止させるステップと、自動走行装置が、エスカレータの踏み段の動きを検知し、自動走行装置のアームが踏み段のクリートをつかみ、アームが踏み段のクリートをつかんだ後、前進してエスカレータに乗車するステップとを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、自動走行装置がエスカレータに乗車中に倒れてしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】エスカレータ50の構成を表わす図である。
図2】自動走行装置10の構成を表わす図である。
図3】左アーム17Aおよび右アーム17Bの構成を表わす図である。
図4】自動走行装置10がエスカレータ50に乗車中における左アーム17Aおよび右アーム17Bとエスカレータ50の踏み段4との結合状態を表わす図である。
図5】自動走行装置10がエスカレータ50から降車する直前の左アーム17Aおよび右アーム17Bとエスカレータ50の踏み段4との結合状態を表わす図である。
図6】自動走行装置10が上り用のエスカレータ50に乗車時のアーム17A,17Bと踏み段4の位置関係を表わす図である。
図7】自動走行装置10が上り用のエスカレータ50に乗車中のアーム17A,17Bと踏み段4の位置関係を表わす図である。
図8】自動走行装置10が上り用のエスカレータ50に降車時のアーム17A,17Bと踏み段4の位置関係を表わす図である。
図9】自動走行装置10が下り用のエスカレータ50に乗車時のアーム17A,17Bと踏み段4の位置関係を表わす図である。
図10】自動走行装置10が下り用のエスカレータ50に乗車中のアーム17A,17Bと踏み段4の位置関係を表わす図である。
図11】自動走行装置10が下り用のエスカレータ50に降車時のアーム17A,17Bと踏み段4の位置関係を表わす図である。
図12】実施の形態1の自動走行装置10およびエスカレータ50の動作手順を表わすフローチャートである。
図13】実施の形態2の自動走行装置10およびエスカレータ50の動作手順を表わすフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態.
図1は、エスカレータ50の構成を表わす図である。
【0012】
主枠1は、エスカレータ50が配置される上の階の床と、エスカレータ50が配置される下の階の床との間に架け渡される。
【0013】
上部乗降口2Aは、エスカレータ50が配置される上の階に配置される。下部乗降口2Bは、エスカレータ50が配置される下の階に配置される。エスカレータ50が上り用のエスカレータの場合に、下部乗降口2Bが乗車位置となり、上部乗降口2Aが降車位置となる。エスカレータ50が下り用のエスカレータの場合に、下部乗降口2Bが降車位置となり、上部乗降口2Aが乗車位置となる。上部乗降口2Aには、床面を形成する床板7Aが配置される。下部乗降口2Bには、床面を形成する床板7Bが配置される。
【0014】
制御盤6は、踏み段4および移動手摺5の走行制御等、エスカレータ50全体の運行制御を司る。
【0015】
無線通信機21は、自動走行装置10との間で通信可能に構成される。
制御装置8は、制御盤6を通じて、ビル内の複数のエスカレータ50を制御および管理するように構成される。制御装置8は、必要な情報を表示器9に表示し、スピーカ3から出力する。
【0016】
図2は、自動走行装置10の構成を表わす図である。
自動走行装置10は、無線通信機14と、カメラ15と、スピーカ16と、左アーム17Aと、右アーム17Bと、バッテリ20と、走行駆動装置18と、アーム駆動装置19と、制御装置11とを備える。
【0017】
制御装置11は、メモリ12と、プロセッサ13とを備える。メモリ12は、プログラムを記憶する。プロセッサ13は、メモリ12に記憶されたプログラムを実行する。以下で説明する制御装置11の動作は、プロセッサ13がメモリ12内のプログラムを実行することによって行われる。
【0018】
無線通信機14は、たとえば、無線LAN(Local Area Network)などを通じて、エスカレータ50の制御盤6との間で通信を行なう。
【0019】
カメラ15は、エスカレータ50への乗降時において、エスカレータ50およびエスカレータ50の周囲を撮像し、撮像画像を制御装置11へ出力する。
【0020】
走行駆動装置18は、自動走行装置10が走行するための駆動力を発生する。走行駆動装置18は、例えば、自動走行装置10が移動するための車輪と、車輪を駆動するモータとを含む。モータは、バッテリ20から電力の供給を受けて作動することができる。
【0021】
バッテリ20は、自動走行装置10を構成する各機器が作動するための電力を供給する。
【0022】
アーム駆動装置19は、左アーム17Aおよび右アーム17Bを駆動する。
図3は、左アーム17Aおよび右アーム17Bの構成を表わす図である。
【0023】
左アーム17Aおよび右アーム17Bは、上下方向にスライド可能に構成され、かつ伸縮および回転可能に構成される。
【0024】
図4は、自動走行装置10がエスカレータ50に乗車中における左アーム17Aおよび右アーム17Bとエスカレータ50の踏み段4との結合状態を表わす図である。左アーム17Aおよび右アーム17Bの突起部分42が、踏み段4のクリート41の溝部43に嵌入される。嵌合された状態が維持されるように、アーム駆動装置19によって、左アーム17Aの支点に右方向に力が加えられ、右アーム17Bの支点に左方向に力が加えられる。
【0025】
図5は、自動走行装置10がエスカレータ50から降車する直前の左アーム17Aおよび右アーム17Bとエスカレータ50の踏み段4との結合状態を表わす図である。
【0026】
左アーム17Aおよび右アーム17Bの突起部分42が、踏み段4のクリート41の溝部43に嵌合された状態から解放されるために、アーム駆動装置19によって、左アーム17Aの支点に左方向に力が加えられ、右アーム17Bの支点に右方向に力が加えられる。
【0027】
図6は、自動走行装置10が上り用のエスカレータ50に乗車時のアーム17A,17Bと踏み段4の位置関係を表わす図である。
【0028】
アーム駆動装置19が、左アーム17Aの先端および右アーム17Bの先端を下向きに移動させることによって、左アーム17Aおよび右アーム17Bがエスカレータ50の踏み段4をつかむことができるように制御する。
【0029】
図7は、自動走行装置10が上り用のエスカレータ50に乗車中のアーム17A,17Bと踏み段4の位置関係を表わす図である。
【0030】
アーム駆動装置19が、踏み段4の上昇に応じて、左アーム17Aおよび右アーム17Bを上方向にスライドさせ、かつ左アーム17Aの先端および右アーム17Bの先端が上方向に移動するように、左アーム17Aおよび右アーム17Bを回転させる。
【0031】
図8は、自動走行装置10が上り用のエスカレータ50に降車時のアーム17A,17Bと踏み段4の位置関係を表わす図である。
【0032】
アーム駆動装置19が、左アーム17Aおよび右アーム17Bがエスカレータ50の踏み段4を放すことができるように制御する。
【0033】
図9は、自動走行装置10が下り用のエスカレータ50に乗車時のアーム17A,17Bと踏み段4の位置関係を表わす図である。
【0034】
アーム駆動装置19が、左アーム17Aの先端および右アーム17Bの先端を下向きに移動させることによって、左アーム17Aおよび右アーム17Bがエスカレータ50の踏み段4をつかむことができるように制御する。
【0035】
図10は、自動走行装置10が下り用のエスカレータ50に乗車中のアーム17A,17Bと踏み段4の位置関係を表わす図である。
【0036】
アーム駆動装置19が、踏み段4の下降に応じて、左アーム17Aおよび右アーム17Bを伸ばすことによって、左アーム17Aおよび右アーム17Bが踏み段4から放れないように制御する。
【0037】
図11は、自動走行装置10が下り用のエスカレータ50に降車時のアーム17A,17Bと踏み段4の位置関係を表わす図である。
【0038】
アーム駆動装置19が、左アーム17Aおよび右アーム17Bがエスカレータ50の踏み段4を放し、かつ左アーム17Aおよび右アーム17Bが縮むことができるように制御する。
【0039】
図12は、実施の形態1の自動走行装置10およびエスカレータ50の動作手順を表わすフローチャートである。
【0040】
ステップS101において、制御装置11は、カメラ15から得られる画像に基づいて、自動走行装置10がエスカレータ50の乗車位置に到着したか否かを判断する。自動走行装置10がエスカレータ50の乗車位置に到着したときには、処理がステップS102に進む。
【0041】
ステップS102において、制御装置11は、走行駆動装置18を制御することによって、自動走行装置10の走行を停止させる。
【0042】
ステップS103において、制御装置11は、カメラ15から得られる画像に基づいて、エスカレータ50に人が乗車しているか否かを判断する。エスカレータ50に人が乗車している場合には、処理がステップS104に進む。エスカレータ50に人が乗車していない場合には、処理がステップS105に進む。
【0043】
ステップS104において、制御装置11は、カメラ15から得られる画像に基づいて、エスカレータ50に人が乗車していない状態になるまで、走行駆動装置18を制御することによって、自動走行装置10の走行を停止する。
【0044】
ステップS105において、制御装置11は、無線通信機14を通じて、エスカレータ50へ、エスカレータ50の停止指令を送信する。エスカレータ50の無線通信機21は、停止指令を受信する。エスカレータ50の制御盤6は、エスカレータ50の踏み段4および移動手摺5の走行を停止させる。
【0045】
ステップS106において、制御装置11は、エスカレータ50が停止する旨のアナウンス音声をスピーカ16から出力させる。
【0046】
ステップS107において、制御装置11は、カメラ15から得られる画像に基づいて、エスカレータ50の踏み段4の動きを検知し、アーム駆動装置19を通じてアーム17A,17Bが踏み段4のクリート41をつかむことができるようにアーム17A,17Bを制御する。
【0047】
ステップS108において、制御装置11は、無線通信機14を通じて、エスカレータ50へ、エスカレータ50の起動指令を送信する。エスカレータ50の無線通信機21は、起動指令を受信する。エスカレータ50の制御盤6は、エスカレータ50の踏み段4および移動手摺5を走行させる。
【0048】
ステップS109において、制御装置11は、エスカレータ50が起動する旨のアナウンス音声をスピーカ16から出力させる。
【0049】
ステップS110において、制御装置11は、走行駆動装置18を制御して、自動走行装置10を定められた距離だけ前進させた後、停止させる。
【0050】
ステップS111において、制御装置11は、エスカレータ50に人が乗車しないように依頼する旨のアナウンス音声をスピーカ16から出力させる。
【0051】
ステップS112において、制御装置11は、カメラ15から得られる画像に基づいて、自動走行装置10がエスカレータ50の所定位置に到着したか否かを判断する。自動走行装置10がエスカレータ50の所定位置に到着したときには、処理がステップS113に進む。所定位置は、たとえば、アーム17A,17Bがつかんでいる踏み段4が、降車位置と接続されたときである。
【0052】
ステップS113において、制御装置11は、アーム駆動装置19を通じてアーム17A,17Bが踏み段4のクリート41を放すことができるようにアーム17A,17Bを制御する。
【0053】
ステップS114において、制御装置11は、カメラ15から得られる画像に基づいて、自動走行装置10がエスカレータ50の降車位置の直前に到着したか否かを判断する。自動走行装置10がエスカレータ50の降車位置の直前に到着したときには、処理がステップS115に進む。降車位置の直前は、自動走行装置10を載せている踏み段4が、降車位置と接続されたときである。
【0054】
ステップS115において、制御装置11は、無線通信機14を通じて、エスカレータ50へ、エスカレータ50の停止指令を送信する。エスカレータ50の無線通信機21は、停止指令を受信する。エスカレータ50の制御盤6は、エスカレータ50の踏み段4および移動手摺5の走行を停止させる。
【0055】
ステップS116において、制御装置11は、エスカレータ50が停止する旨のアナウンス音声をスピーカ16から出力させる。
【0056】
ステップS117において、制御装置11は、走行駆動装置18を制御して、自動走行装置10を前進させる。
【0057】
ステップS118において、制御装置11は、無線通信機14を通じて、エスカレータ50へ、エスカレータ50の起動指令を送信する。エスカレータ50の無線通信機21は、起動指令を受信する。エスカレータ50の制御盤6は、エスカレータ50の踏み段4および移動手摺5を走行させる。
【0058】
ステップS119において、制御装置11は、エスカレータ50が起動する旨のアナウンス音声をスピーカ16から出力させる。
【0059】
実施の形態2.
実施の形態1では、自動走行装置10がエスカレータ50に乗り降りするときに、エスカレータ50を停止させた。実施の形態2では、自動走行装置10がエスカレータ50に乗り降りするときに、エスカレータ50を減速させる。
【0060】
図13は、実施の形態2の自動走行装置10およびエスカレータ50の動作手順を表わすフローチャートである。
【0061】
ステップS201において、制御装置11は、カメラ15から得られる画像に基づいて、自動走行装置10がエスカレータ50の乗車位置に到着したか否かを判断する。自動走行装置10がエスカレータ50の乗車位置に到着したときには、処理がステップS202に進む。
【0062】
ステップS202において、制御装置11は、走行駆動装置18を制御することによって、自動走行装置10の走行を停止させる。
【0063】
ステップS203において、制御装置11は、カメラ15から得られる画像に基づいて、エスカレータ50に人が乗車しているか否かを判断する。エスカレータ50に人が乗車している場合には、処理がステップS204に進む。エスカレータ50に人が乗車していない場合には、処理がステップS205に進む。
【0064】
ステップS204において、制御装置11は、カメラ15から得られる画像に基づいて、エスカレータ50に人が乗車していない状態になるまで、走行駆動装置18を制御することによって、自動走行装置10の走行を停止する。
【0065】
ステップS205において、制御装置11は、無線通信機14を通じて、エスカレータ50へ、エスカレータ50の減速指令を送信する。エスカレータ50の無線通信機21は、減速指令を受信する。エスカレータ50の制御盤6は、エスカレータ50の踏み段4および移動手摺5の走行を減速させる。
【0066】
ステップS206において、制御装置11は、エスカレータ50が減速する旨のアナウンス音声をスピーカ16から出力させる。
【0067】
ステップS207において、制御装置11は、カメラ15から得られる画像に基づいて、エスカレータ50の踏み段4の動きを検知し、アーム駆動装置19を通じてアーム17A,17Bが踏み段4のクリート41をつかむことができるようにアーム17A,17Bを制御する。
【0068】
ステップS208において、制御装置11は、走行駆動装置18を制御して、自動走行装置10を定められた距離だけ前進させた後、停止させる。
【0069】
ステップS209において、制御装置11は、無線通信機14を通じて、エスカレータ50へ、エスカレータ50の増速指令を送信する。エスカレータ50の無線通信機21は、増速指令を受信する。エスカレータ50の制御盤6は、エスカレータ50の踏み段4および移動手摺5を増速させる。
【0070】
ステップS210において、制御装置11は、エスカレータ50が増速する旨のアナウンス音声をスピーカ16から出力させる。
【0071】
ステップS211において、制御装置11は、エスカレータ50に人が乗車しないように依頼する旨のアナウンス音声をスピーカ16から出力させる。
【0072】
ステップS212において、制御装置11は、カメラ15から得られる画像に基づいて、自動走行装置10がエスカレータ50の所定位置に到着したか否かを判断する。自動走行装置10がエスカレータ50の所定位置に到着したときには、処理がステップS213に進む。所定位置は、たとえば、アーム17A,17Bがつかんでいる踏み段4が、降車位置と接続されたときである。
【0073】
ステップS213において、制御装置11は、無線通信機14を通じて、エスカレータ50へ、エスカレータ50の減速指令を送信する。エスカレータ50の無線通信機21は、減速指令を受信する。エスカレータ50の制御盤6は、エスカレータ50の踏み段4および移動手摺5の走行を減速させる。
【0074】
ステップS214において、制御装置11は、エスカレータ50が減速する旨のアナウンス音声をスピーカ16から出力させる。
【0075】
ステップS215において、制御装置11は、アーム駆動装置19を通じてアーム17A,17Bが踏み段4のクリート41を放すことができるようにアーム17A,17Bを制御する。
【0076】
ステップS216において、制御装置11は、カメラ15から得られる画像に基づいて、自動走行装置10がエスカレータ50の降車位置の直前に到着したか否かを判断する。自動走行装置10がエスカレータ50の降車位置の直前に到着したときには、処理がステップS217に進む。降車位置の直前は、自動走行装置10を載せている踏み段4が、降車位置と接続されたときである。
【0077】
ステップS217において、制御装置11は、走行駆動装置18を制御して、自動走行装置10を前進させる。
【0078】
ステップS218において、制御装置11は、無線通信機14を通じて、エスカレータ50へ、エスカレータ50の増速指令を送信する。エスカレータ50の無線通信機21は、増速指令を受信する。エスカレータ50の制御盤6は、エスカレータ50の踏み段4および移動手摺5を増速させる。
【0079】
ステップS219において、制御装置11は、エスカレータ50が増速する旨のアナウンス音声をスピーカ16から出力させる。
【0080】
変形例.
(1)位置の判断
上記の実施形態では、制御装置11は、カメラ15から得られる画像に基づいて、自動走行装置10がエスカレータ50の降車位置の直前などに到着したか否かを判断したが、これに限定されるものではない。自動走行装置10がエスカレータ50の降車位置に近づくと、アーム17A,17Bの角度が変化する。よって、制御装置11は、アーム17A,17Bの角度の変化を検出することによって、自動走行装置10がエスカレータ50の降車位置の直前などに到着したか否かを判断するものとしてもよい。
【0081】
(2)アナウンス
上記の実施形態では、自動走行装置10のスピーカ16がエスカレータ50の減速などをアナウンスすることとしたが、これに限定されるものではない。エスカレータ50のスピーカ3がエスカレータ50の減速などをアナウンスすることとしてもよい。
【0082】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0083】
1 主枠、2A 上部乗降口、2B 下部乗降口、3,16 スピーカ、4 踏み段、5 移動手摺、6 制御盤、7A,7B 床板、8,11 制御装置、9 表示器、10 自動走行装置、12 メモリ、13 プロセッサ、14,21 無線通信機、15 カメラ、17A,17B アーム、18 走行駆動装置、19 アーム駆動装置、20 バッテリ、41 クリート、42 突起部分、43 溝部、50 エスカレータ。
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