(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】サーバ及び方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/258 20110101AFI20241105BHJP
H04N 21/235 20110101ALI20241105BHJP
G06Q 30/0241 20230101ALI20241105BHJP
【FI】
H04N21/258
H04N21/235
G06Q30/0241
(21)【出願番号】P 2024078928
(22)【出願日】2024-05-14
【審査請求日】2024-05-28
(31)【優先権主張番号】P 2024073239
(32)【優先日】2024-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517287224
【氏名又は名称】17LIVE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【氏名又は名称】西守 有人
(72)【発明者】
【氏名】三上 遼
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】特許第7125729(JP,B1)
【文献】国際公開第2021/006045(WO,A1)
【文献】特開2003-230163(JP,A)
【文献】特開2024-052696(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112866731(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第114780894(CN,A)
【文献】特開2015-046733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
G06Q 30/00 - 30/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
進行中のライブ配信に参加している視聴者の端末からネットワークを介して、前記ライブ配信の配信者に対するギフトの使用を示す信号を受信する受信部と、
前記信号の受信に応じて、所定の抽選アルゴリズムにしたがい、それぞれが異なる量の電子的価値に対応付けられた複数の抽選結果のなかから一つの抽選結果を選択する抽選部と、
選択された抽選結果に対応する量の電子的価値を、前記ライブ配信の配信者に付与する付与部と、
前記ギフトの使用回数を、前記複数の抽選結果のうち最大量の電子的価値に対応する抽選結果が選択されたときを基準としてカウントするカウント部と、を備え、
前記所定の抽選アルゴリズムは、前記ギフトの使用回数がしきい値に達した場合、予め定められた抽選結果が選択されるよう設定され
、
前記カウント部は、前記ギフトの使用回数を前記ギフトを使用した視聴者とは無関係にカウントするサーバ。
【請求項2】
前記所定の抽選アルゴリズムは、前記ギフトの使用回数がしきい値に達した場合、前記複数の抽選結果のうち最大量の電子的価値に対応する抽選結果が選択されるよう設定される請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
進行中のライブ配信に参加している視聴者の端末からネットワークを介して、前記ライブ配信の配信者に対するギフトの使用を示す信号を受信する受信部と、
前記信号の受信に応じて、所定の抽選アルゴリズムにしたがい、それぞれが異なる量の電子的価値に対応付けられた複数の抽選結果のなかから一つの抽選結果を選択する抽選部と、
選択された抽選結果に対応する量の電子的価値を、前記ライブ配信の配信者に付与する付与部と、
前記ギフトの使用回数を、前記複数の抽選結果のうち最大量の電子的価値に対応する抽選結果が選択されたときを基準としてカウントするカウント部と、を備え、
前記所定の抽選アルゴリズムは、前記ギフトの使用回数がしきい値に達した場合、予め定められた抽選結果が選択されるよう設定され、
前記カウント部は、前記ギフトの使用回数を、前記ギフトを使用した視聴者とは無関係に、かつ、前記ギフトが使用されたライブ配信の配信者とは無関係に、カウントす
るサーバ。
【請求項4】
サーバであって、
進行中のライブ配信に参加している視聴者の端末からネットワークを介して、前記ライブ配信の配信者に対するギフトの使用を示す信号を受信する受信部と、
前記信号の受信に応じて、所定の抽選アルゴリズムにしたがい、それぞれが異なる量の電子的価値に対応付けられた複数の抽選結果のなかから一つの抽選結果を選択する抽選部と、
選択された抽選結果に対応する量の電子的価値を、前記ライブ配信の配信者に付与する付与部と、
前記ギフトの使用回数を、前記複数の抽選結果のうち最大量の電子的価値に対応する抽選結果が選択されたときを基準としてカウントするカウント部と、を備え、
前記所定の抽選アルゴリズムは、前記ギフトの使用回数がしきい値に達した場合、予め定められた抽選結果が選択されるよう設定され、
前記サーバは、前記ギフトの使用回数と前記しきい値との差を示す情報を、前記サーバが提供するライブ配信プラットフォームのユーザの端末に通知する通知部をさらに備え
るサーバ。
【請求項5】
前記ギフトの使用回数が前記しきい値に達したことにより最大量の電子的価値に対応する抽選結果が選択されたことを条件のひとつとして、前記サーバが提供するライブ配信プラットフォームのユーザの端末に、対応する内容の通知を行う通知部をさらに備える請求項2に記載のサーバ。
【請求項6】
前記信号の受信に応じて、前記視聴者による前記ギフトの対価の支払いを処理する支払い処理部をさらに備える請求項1に記載のサーバ。
【請求項7】
サーバであって、
進行中のライブ配信に参加している視聴者の端末からネットワークを介して、前記ライブ配信の配信者に対するギフトの使用を示す信号を受信する受信部と、
前記信号の受信に応じて、所定の抽選アルゴリズムにしたがい、それぞれが異なる量の電子的価値に対応付けられた複数の抽選結果のなかから一つの抽選結果を選択する抽選部と、
選択された抽選結果に対応する量の電子的価値を、前記ライブ配信の配信者に付与する付与部と、
前記ギフトの使用回数を、前記複数の抽選結果のうち最大量の電子的価値に対応する抽選結果が選択されたときを基準としてカウントするカウント部と、を備え、
前記所定の抽選アルゴリズムは、前記ギフトの使用回数がしきい値に達した場合、予め定められた抽選結果が選択されるよう設定され、
前記サーバは、前記ギフトの使用回数が、前記しきい値よりも小さな別のしきい値に達したことを条件のひとつとして、前記サーバが提供するライブ配信プラットフォームのユーザの端末に前記ギフトに係る通知を行う通知部をさらに備え
るサーバ。
【請求項8】
前記通知部は、所定の条件を充たす一部のユーザの端末にのみ前記通知を行う請求項
7に記載のサーバ。
【請求項9】
サーバであって、
進行中のライブ配信に参加している視聴者の端末からネットワークを介して、前記ライブ配信の配信者に対するギフトの使用を示す信号を受信する受信部と、
前記信号の受信に応じて、所定の抽選アルゴリズムにしたがい、それぞれが異なる量の電子的価値に対応付けられた複数の抽選結果のなかから一つの抽選結果を選択する抽選部と、
選択された抽選結果に対応する量の電子的価値を、前記ライブ配信の配信者に付与する付与部と、
前記ギフトの使用回数を、前記複数の抽選結果のうち最大量の電子的価値に対応する抽選結果が選択されたときを基準としてカウントするカウント部と、を備え、
前記所定の抽選アルゴリズムは、前記ギフトの使用回数がしきい値に達した場合、予め定められた抽選結果が選択されるよう設定され、
前記カウント部は、前記ギフトの使用回数を、前記サーバが提供するライブ配信プラットフォーム全体でカウントし、
前記サーバはさらに、
前記ギフトの使用回数と前記しきい値との差を示す情報を、前記サーバが提供するライブ配信プラットフォーム全体に通知する通知部を備え
るサーバ。
【請求項10】
サーバにより実行される方法であって、
進行中のライブ配信に参加している視聴者の端末からネットワークを介して、前記ライブ配信の配信者に対するギフトの使用を示す信号を受信することと、
前記信号の受信に応じて、所定の抽選アルゴリズムにしたがい、それぞれが異なる量の電子的価値に対応付けられた複数の抽選結果のなかから一つの抽選結果を選択することと、
選択された抽選結果に対応する量の電子的価値を、前記ライブ配信の配信者に付与することと、
前記ギフトの使用回数を、前記複数の抽選結果のうち最大量の電子的価値に対応する抽選結果が選択されたときを基準としてカウントすることと、を含み、
前記所定の抽選アルゴリズムは、前記ギフトの使用回数がしきい値に達した場合、予め定められた抽選結果が選択されるよう設定され
、
前記カウントすることは、前記ギフトの使用回数を前記ギフトを使用した視聴者とは無関係にカウントすることを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IT技術の発展と共に情報のやりとりの様も移り変わってきた。昭和の時代には新聞やテレビなどの一方通行の情報伝達が主であった。平成になると、ケータイやパソコンが普及し、インターネットの通信速度も大きく改善されたので、チャットサービスなどの即時双方向通信サービスが台頭し、また記憶コストの低減に伴ってオンデマンド型の動画配信サービスが受け入れられていった。そして、現在、令和の時代となり、スマートフォンの高機能化や5Gに代表されるネットワークの速度のさらなる向上を受けて、動画によるリアルタイムのコミュニケーションを実現するサービス、特にライブ配信(Live Streaming)サービスが急速に認知度を高めている。ライブ配信サービスは、離れた場所にいても皆が同じ楽しい時間を共有できるサービスとして、若者を中心に利用者が拡大している。
【0003】
効果がランダムに選択されるタイプのギフトが知られている(例えば、特許文献1参照)。このタイプのギフトは、当たりへの期待感によりライブ配信を盛り上げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されるようなランダムなギフトは確率に従うので、場合によっては何百回、何千回使用しても当たりが出ないことがある。あまりにも当たりが出ない場合、視聴者がギフトを使用する楽しみが減殺される。
【0006】
本開示はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ライブ配信におけるランダムギフトの効能を高めることができる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、サーバに関する。このサーバは、進行中のライブ配信に参加している視聴者の端末からネットワークを介して、ライブ配信の配信者に対するギフトの使用を示す信号を受信する受信部と、信号の受信に応じて、所定の抽選アルゴリズムにしたがい、それぞれが異なる量の電子的価値に対応付けられた複数の抽選結果のなかから一つの抽選結果を選択する抽選部と、選択された抽選結果に対応する量の電子的価値を、ライブ配信の配信者に付与する付与部と、ギフトの使用回数を、複数の抽選結果のうち最大量の電子的価値に対応する抽選結果が選択されたときを基準としてカウントするカウント部と、を備える。所定の抽選アルゴリズムは、ギフトの使用回数がしきい値に達した場合、予め定められた抽選結果が選択されるよう設定される。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ライブ配信におけるランダムギフトの効能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施の形態に係るライブ配信システムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図1のユーザ端末の機能および構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1のサーバの機能および構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3のストリームDBの一例を示すデータ構造図である。
【
図5】
図3のユーザDBの一例を示すデータ構造図である。
【
図6】
図3のギフトDBの一例を示すデータ構造図である。
【
図7】
図3の抽選アルゴリズムDBの一例を示すデータ構造図である。
【
図8】ライブ配信中に視聴者がランダムギフトを使用したときのライブ配信システムにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信選択画面の代表画面図である。
【
図10】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図11】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示される、ギフト領域が重畳表示されたライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図12】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示される、天井大当たりのエフェクトが重畳表示されたライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図13】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示される、大当たりのエフェクトが重畳表示されたライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図14】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示される、天井大当たり通知表示領域が重畳表示されたライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図15】本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理、信号には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0012】
実施の形態に係るライブ配信システムでは、進行中のライブ配信に参加している視聴者は当該ライブ配信の配信者に対してランダムギフトを贈ることができる。ランダムギフトは視聴者がポイントを消費して使用するデジタルアイテムであって、ランダムギフトが使用されると所定の抽選アルゴリズムにしたがう抽選が行われ、抽選結果により定まる量の報酬が配信者に付与される。本実施の形態では、ランダムギフトにおいて、アプリ内での全てのカウントにおける天井救済機能が提供される。
【0013】
例えば、アプリ内でランダムギフトが、全ユーザ合計で、(X-1)回使用され(Xは2以上の自然数で任意に設定可能)、その(X-1)回の全てにおいて当たりが出なかったなら、X回目に必ず当たりが出るように抽選アルゴリズムを設定する。当たりが出たらカウントはリセットされる。例えば、1~(X-1)回目に使用した際の確率は
ハズレ 99%
当たり 1%
アプリ内で、(X-1)回目までハズレでX回目に使用された際の確率は
ハズレ 0%
当たり 100%
に設定する。
【0014】
ランダムギフトは確率に従うので、場合によっては何百回、何千回使用しても当たりが出ないことがある。あまりにも当たりが出ない場合、視聴者がランダムギフトを使用する楽しみが減殺される。本実施の形態ではハズレ(または非当たり)が連続して出る回数に天井値を設けることにより、最大で天井値の周期で当たりが出ることが保証される。したがって、視聴者がランダムギフトを使用する意欲を高め、より楽しめるライブ配信サービスを提供することができる。さらに、本実施の形態では、アプリ内の、またはサーバにおける、またはライブ配信プラットフォームに登録しているの全てのユーザに亘って、ハズレの数の合計をカウントし、その合計値に天井値を設ける。これにより、ハズレの合計値が天井値に迫ってくるとライブ配信プラットフォーム全体でランダムギフトの投げムードが高まり、多くのライブ配信でランダムギフトの使用が求められ、盛り上がるようになる。この仕組みではVIP、新規、中堅などどのtireのユーザでもランダムギフトの天井を当てることができるので、普段のギフト使用量が比較的少ないlow tireからmiddle tireのユーザもランダムギフトの天井の争奪に参加して興奮と楽しみを得ることができる。
【0015】
図1は、本開示の実施の形態に係るライブ配信システム1の構成を示す模式図である。ライブ配信システム1は、配信者(ライバー、ストリーマ(Streamer)ともいう)LVと視聴者(オーディエンスともいう)AU(AU1、AU2、…)とがリアルタイムでやりとりできる双方向型のライブ配信サービスを提供する。
図1に示すように、ライブ配信システム1は、サーバ10と、配信者側のユーザ端末20と、視聴者側のユーザ端末30(30a、30b、…)と、を備える。ライブ配信を配信している配信者、ライブ配信を視聴している視聴者の他に、ライブ配信プラットフォームにログインしたが配信も視聴もしていないユーザもいる。このようなユーザをアクティブユーザという。配信者、視聴者およびアクティブユーザをユーザと総称することがある。サーバ10は、ネットワークNWに接続された一または複数の情報処理装置によって構成されてもよい。ユーザ端末20、30は例えばスマートフォンやタブレット型端末やラップトップPCやレコーダや携帯型ゲーム機やウェアラブル装置などの携帯端末であってもよいし、デスクトップPCなどの据え置き型の装置であってもよい。サーバ10、ユーザ端末20およびユーザ端末30は、有線または無線の各種ネットワークNWにより互いに通信可能に接続される。
【0016】
ライブ配信システム1には、配信者LVと、視聴者AUと、サーバ10を管理する管理者(不図示)と、が関与する。配信者LVは、自分の歌や、トーク、パフォーマンス、占い、ゲーム実況などのコンテンツを自身のユーザ端末20で録音・録画してそのままサーバ10にアップロードすることで、リアルタイムにコンテンツを発信する者である。管理者は、サーバ10においてコンテンツのライブ配信のためのプラットフォームを提供し、また、配信者LVと視聴者AUとのリアルタイムのやりとりを仲介または管理する。視聴者AUは、ユーザ端末30でプラットフォームにアクセスして所望のコンテンツを選択し、視聴する。このコンテンツのライブ配信中に視聴者AUがユーザ端末30を介してコメントをしたり応援したり占いを依頼したりするための操作を行い、当該コンテンツを提供する配信者LVがそのようなコメントや応援や依頼に反応し、当該反応が映像および/または音声で視聴者AUに伝わることで、双方向のコミュニケーションが成立する。
【0017】
本明細書において「ライブ配信」は、配信者LVのユーザ端末20で録音・録画されたコンテンツが実質的にリアルタイムで視聴者AUのユーザ端末30で再生され視聴可能となる状態を実現するデータの伝送態様を意味するものであってもよく、またはそのような伝送態様により実現される配信そのものを意味してもよい。ライブ配信は、HTTP Live StreamingやCommon Media Application FormatやWeb Real-Time CommunicationsやReal-Time Messaging ProtocolやMPEG DASHなどの既存のライブ配信技術を用いて実現されてもよい。ライブ配信は、配信者LVがコンテンツを録音・録画しているときに、視聴者AUが所定の遅延をもって当該コンテンツを視聴可能な伝送態様を含む。遅延の大きさについて、少なくとも、配信者LVと視聴者AUとのやりとりが成立する程度の大きさの遅延は許される。ただし、ライブ配信は、コンテンツを録音・録画したデータ全体をいったんサーバに保存し、その後の任意のタイミングでユーザからの求めに応じて当該データをサーバからユーザに提供するいわゆるオンデマンド型の配信とは区別される。
【0018】
本明細書において「動画データ」は、ユーザ端末20、30の撮像機能により生成される画像データ(ビデオデータともいう)と、ユーザ端末20、30の音声入力機能により生成される音声データ(オーディオデータともいう)と、を含むデータである。動画データは、ユーザ端末20、30で再生されることで、ユーザによるコンテンツの視聴を可能とする。本実施の形態では、動画データが配信者のユーザ端末で生成されてから視聴者のユーザ端末で再生されるまでの間に、圧縮や伸張や符号化や復号やトランスコーディングなどの、データの形式やサイズや仕様を変更する処理が行われることが想定されている。このような処理の前後で動画データが表す内容(例えば、動画像や音声)は実質的に変わらないので、本実施の形態ではそのような処理が行われた後の動画データはそのような処理が行われる前の動画データと同じであるとして説明する。すなわち、動画データが配信者のユーザ端末で生成されてからサーバ10を経由して視聴者のユーザ端末で再生される場合、配信者のユーザ端末で生成された動画データと、サーバ10を通過する動画データと、視聴者のユーザ端末で受信されて再生される動画データと、は全て同じ動画データである。
【0019】
図1の例では、配信者LVがトークをライブ配信している。配信者LVのユーザ端末20はトークを行っている配信者LVの像および音声を録画・録音することで動画データを生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。併せてユーザ端末20は、録画された配信者LVの動画像VDをユーザ端末20のディスプレイに表示させることで、配信者LVによる配信内容の確認を可能とする。
【0020】
配信者LVのライブ配信の視聴をプラットフォームに要求した視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bはそれぞれ、ネットワークNWを介してライブ配信に係る動画データを受信し、受信した動画データを再生することでディスプレイに動画像VD1、VD2を表示させると共にスピーカーから音声を出力する。各ユーザ端末30a、30bで表示される動画像VD1、VD2は配信者LVのユーザ端末20が撮像した動画像VDと実質的に同一であり、各ユーザ端末30a、30bで出力される音声も配信者LVのユーザ端末20が録音した音声と実質的に同一である。
【0021】
配信者LVのユーザ端末20における録音・録画と、視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bにおける動画データの再生と、は実質的に同時に行われる。配信者LVのトークの内容についてひとりの視聴者AU1がコメントをユーザ端末30aに入力すると、サーバ10は当該コメントをリアルタイムで配信者LVのユーザ端末20に表示させると共に各視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bにも表示させる。当該コメントを読んだ配信者LVがその内容に被せたトークを展開すると、そのトークの動画像と音声が各視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bで出力され、これにより配信者LVと視聴者AU1との会話が成立したと認識される。このように、ライブ配信システム1では、一方通行でない双方向のコミュニケーションを可能とするライブ配信が実現される。
【0022】
図2は、
図1のユーザ端末20の機能および構成を示すブロック図である。ユーザ端末30はユーザ端末20と同様の機能および構成を有する。
図2および以後のブロック図に示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0023】
配信者LVおよび視聴者AUは、ダウンロードサイトからネットワークNWを介して、本実施の形態に係るライブ配信アプリケーションプログラム(以下、ライブ配信アプリという)をユーザ端末20、30にダウンロードし、インストールする。あるいはまた、ライブ配信アプリはユーザ端末20、30にプリインストールされていてもよい。ライブ配信アプリがユーザ端末20、30により実行されることにより、ユーザ端末20、30はネットワークNWを介してサーバ10と通信し、各種機能を実現する。以下、ユーザ端末20、30(のCPUなどのプロセッサ)がライブ配信アプリを実行することにより実現する機能をユーザ端末20、30の機能として説明する。それらの機能は実際はライブ配信アプリがユーザ端末20、30に実現させる機能である。なお、他の実施の形態では、これらの機能は、サーバ10からユーザ端末20、30のウェブブラウザにネットワークNWを介して送信され、そのウェブブラウザによって実行される、HTML(HyperText Markup Language)などのプログラミング言語により記述されたコンピュータプログラムにより実現されてもよい。
【0024】
ユーザ端末20は、ユーザの像および音声を記録した動画データを生成してサーバ10に提供する配信部100と、サーバ10から動画データを取得して再生する視聴部200と、アクティブユーザによる要求を処理する配信外処理部400と、を備える。ユーザは、配信を行う場合は配信部100を、視聴を行う場合は視聴部200を、視たいライブ配信を探したり配信者のプロフィールを視たりアーカイブを視たりする場合は配信外処理部400を、それぞれ起動する。配信部100がアクティブとなっているユーザ端末は配信者側、つまり動画データの生成側のユーザ端末であり、視聴部200がアクティブとなっているユーザ端末は視聴者側、つまり動画データの再生側のユーザ端末であり、配信外処理部400がアクティブとなっているユーザ端末はアクティブユーザのユーザ端末である。
【0025】
配信部100は、撮像制御部102と、音声制御部104と、動画送信部106と、配信側UI制御部108と、配信側通信部110と、を含む。撮像制御部102は
図2では不図示のカメラと接続され、カメラによる撮像を制御する。撮像制御部102はカメラから画像データを取得する。音声制御部104は
図2では不図示のマイクロフォンと接続され、マイクロフォンによる音声入力を制御する。音声制御部104は、マイクロフォンから音声データを取得する。動画送信部106は、撮像制御部102により取得された画像データおよび音声制御部104により取得された音声データを含む動画データを、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。動画送信部106による動画データの送信はリアルタイムで行われる。すなわち、撮像制御部102および音声制御部104による動画データの生成と、生成された動画データの動画送信部106による送信と、は実質的に同時に行われる。
【0026】
配信側UI制御部108は、配信者向けのUIを制御する。配信側UI制御部108は、
図2では不図示のディスプレイと接続され、動画送信部106による送信対象となっている動画データを再生することにより動画像をディスプレイに表示させる。配信側UI制御部108は、
図2では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介して配信者による入力を取得する。配信側UI制御部108は、動画像に所定のフレーム画像を重畳させる。フレーム画像は、配信者から入力を受け付けるための様々なユーザインタフェースオブジェクト(以下、単にオブジェクトという)と、視聴者により入力されたコメントと、サーバ10から取得した情報と、を含む。配信側UI制御部108は例えば配信者によるオブジェクトに対するタップ入力を受け付ける。
【0027】
配信側通信部110は、ライブ配信中のサーバ10との間の通信を制御する。配信側通信部110は、配信側UI制御部108が取得した配信者による入力の内容を、サーバ10にネットワークNWを介して送信する。配信側通信部110は、ライブ配信に関連付けられた各種の情報をサーバ10からネットワークNWを介して受信する。
【0028】
視聴部200は、視聴側UI制御部202と、視聴側通信部204と、を含む。視聴側通信部204は、ライブ配信中のサーバ10との間の通信を制御する。視聴側通信部204は、ネットワークNWを介してサーバ10から、配信者と視聴者とが参加するライブ配信に係る動画データを受信する。
【0029】
視聴側UI制御部202は、視聴者向けのUIを制御する。視聴側UI制御部202は、
図2では不図示のディスプレイおよびスピーカと接続され、受信された動画データを再生することにより動画像をディスプレイに表示させると共に音声をスピーカから出力させる。ディスプレイに画像が出力されると共にスピーカから音声が出力されることを、合わせて「動画データが再生」されていると言うことができる。視聴側UI制御部202は、
図2では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介して視聴者による入力を取得する。視聴側UI制御部202は、サーバ10から取得された動画データの画像に所定のフレーム画像を重畳させる。フレーム画像は、視聴者から入力を受け付けるための様々なオブジェクトと、視聴者により入力されたコメントと、サーバ10から取得した情報と、を含む。視聴側通信部204は、視聴側UI制御部202が取得した視聴者による入力の内容を、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。
【0030】
配信外処理部400は、配信外UI制御部402と、配信外通信部404と、を含む。配信外UI制御部402は、アクティブユーザ向けのUIを制御する。例えば、配信外UI制御部402は、現在参加可能なライブ配信のリストを表示してアクティブユーザによるライブ配信の選択を受け付けるライブ配信選択画面を生成し、ディスプレイに表示させる。配信外UI制御部402は、任意のユーザのプロフィール画面を生成し、ディスプレイに表示させる。配信外UI制御部402は、過去のライブ配信を録音・録画することにより生成されたアーカイブを再生する。
【0031】
配信外通信部404は、ライブ配信外のサーバ10との間の通信を制御する。配信外通信部404は、ネットワークNWを介してサーバ10から、ライブ配信選択画面を生成するための情報や、プロフィール画面を生成するための情報や、アーカイブのデータを受信する。配信外通信部404は、アクティブユーザによる入力の内容を、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。
【0032】
図3は、
図1のサーバ10の機能および構成を示すブロック図である。サーバ10は、配信情報提供部302と、中継部304と、ギフト処理部308と、支払い処理部310と、ストリームDB314と、ユーザDB318と、ギフトDB320と、抽選部330と、カウント部332と、差分通知部334と、大当たり通知部336と、予告通知部338と、抽選アルゴリズムDB340と、を備える。
【0033】
図4は、
図3のストリームDB314の一例を示すデータ構造図である。ストリームDB314は現在行われているライブ配信の情報を保持する。ストリームDB314は、ライブ配信システム1が提供するライブ配信プラットフォームにおいてライブ配信を特定するストリームIDと、当該ライブ配信の配信者を特定するユーザIDである配信者IDと、当該ライブ配信の視聴者を特定するユーザIDである視聴者IDと、を対応付けて保持する。
【0034】
本実施の形態に係るライブ配信システム1が提供するライブ配信プラットフォームでは、ユーザがライブ配信を行う場合そのユーザは配信者となり、また同じユーザが他のユーザが配信するライブ配信を視聴する場合は視聴者となる。したがって、配信者・視聴者の別は固定的なものではなく、あるとき配信者IDとして登録されていたユーザIDが別のタイミングでは視聴者IDとして登録されることもある。
【0035】
図5は、
図3のユーザDB318の一例を示すデータ構造図である。ユーザDB318は、ユーザに関する情報を保持する。ユーザDB318は、ユーザを特定するユーザIDと、当該ユーザが有しているポイントと、当該ユーザに付与された報酬と、を対応付けて保持する。
【0036】
ポイントは、ライブ配信プラットフォーム内で流通する電子的価値である。ユーザはクレジットカードや他の決済手段によりポイントを購入する。報酬はライブ配信プラットフォーム内で定義される電子的価値であり、配信者がライブ配信プラットフォームの管理者から受け取る金銭の額を決めるための指標である。ライブ配信プラットフォームでは、ライブ配信内やライブ配信外で視聴者が配信者にギフトを贈ると、視聴者のポイントが消費され、併せて配信者の報酬が相応分だけ増加する。
【0037】
図6は、
図3のギフトDB320の一例を示すデータ構造図である。ギフトDB320は、ライブ配信において視聴者が使用可能なギフトに関する情報を保持する。ギフトは、以下の特徴を有する電子データまたはデジタルアイテムである。
・ポイントや金銭を対価として購入可能、または無料で付与可能。
・視聴者が配信者に贈ることができるもの。配信者にギフトを贈ることを、ギフトを使用する、またはギフトを投げるともいう。
・ギフトの購入と使用とがセットで同時に発生するタイプのものもあれば、購入した後、視聴者が任意のタイミングで使用可能なタイプのものもある。
・視聴者が配信者にギフトを贈ると、その配信者に相応の報酬が付与される。
・ギフトが使用された場合、ギフトに関連付けられた効果が生じることがある。例えば、ギフトに対応するエフェクトがライブ配信ルーム画面に表れる。
【0038】
ギフトDB320は、ギフトを特定するギフトIDと、当該ギフトを配信者に贈った場合に当該配信者に付与される報酬である付与報酬と、当該ギフトを使用する際に支払うべき対価である対価ポイントと、当該ギフトがランダムギフトである場合は当該ギフトの使用回数と、を対応付けて保持する。視聴者は、ライブ配信の視聴中に、所望のギフトの対価ポイントを支払うことで配信者に当該ギフトを贈ることができる。この対価ポイントの支払いは適宜の電子的決済手段により行われてもよく、例えば対価ポイントを視聴者が管理者に支払うことで行われてもよい。あるいはまた、銀行振込やクレジットカードによる支払いが用いられてもよい。付与報酬と対価ポイントとの関係は管理者が任意に設定可能である。例えば、付与報酬=対価ポイントに設定してもよい。または付与報酬に1.2などの所定の係数を乗じて得られるポイントを対価ポイントに設定してもよいし、付与報酬に所定の手数料ポイントを加算して得られるポイントを対価ポイントに設定してもよい。
【0039】
本実施の形態では、通常ギフト(「GFT1」、「GFT2」)に加え、通常ギフトとは異なる2種類のランダムギフト(「RAN1」、「RAN2」)が設けられている。ランダムギフトは、配信者に付与される報酬の額が抽選により決定されるギフトである。例えば、「RAN1」が使用されると、使用した視聴者のポイントが1000消費され、第1抽選アルゴリズムに従う抽選が行われる。抽選の結果、配信者には100ポイント、200ポイント、1500ポイント、10000ポイントのうちのいずれかが付与される(
図7で後述)。100ポイント、200ポイント、1500ポイント、10000ポイントのなかでは10000ポイントが最大であり、この最大量の10000ポイントに対応付けられた抽選結果を、ランダムギフト「RAN1」の大当たりという。残りの100ポイント、200ポイント、1500ポイントのそれぞれに対応付けられた抽選結果をランダムギフト「RAN1」の非大当たりという。
【0040】
図6の「RAN2」が使用されると、使用した視聴者のポイントが10000消費され、第2抽選アルゴリズムに従う抽選が行われる。抽選の結果、配信者には1000ポイント、5000ポイント、1000000ポイントのうちのいずれかが付与される(
図7で後述)。1000ポイント、5000ポイント、1000000ポイントのなかでは1000000ポイントが最大であり、この最大量の1000000ポイントに対応付けられた抽選結果を、ランダムギフト「RAN2」の大当たりという。残りの1000ポイント、5000ポイントのそれぞれに対応付けられた抽選結果をランダムギフト「RAN2」の非大当たりという。
【0041】
使用回数は、ランダムギフトの複数の抽選結果のうち大当たりが選択されたときを基準として当該ランダムギフトの使用回数をカウントすることにより得られる値である。使用回数は、ランダムギフトが使用されてその結果が非大当たりであれば1だけインクリメントされ、大当たりが出るとリセットされて0となる。使用回数は、連続して出現した非大当たりの回数を示す。使用回数の平均値または統計的代表値は大当たりの出現頻度に反比例する。
【0042】
図7は、
図3の抽選アルゴリズムDB340の一例を示すデータ構造図である。抽選アルゴリズムDB340はランダムギフトの抽選アルゴリズムを保持する。抽選アルゴリズムDB340は、抽選アルゴリズムごとに、予告値と、天井値と、抽選結果を特定する抽選結果IDと、当該抽選結果に対応する付与報酬と、当該抽選結果の出現確率と、を対応付けて保持する。抽選アルゴリズムは、ランダムギフトの使用回数が天井値に達した場合、当該ランダムギフトの複数の抽選結果のうち大当たりが選択されるよう設定される。
【0043】
予告値は、天井値よりも小さいひとつ以上の値を含む。ランダムギフトの使用回数が対応する予告値に達するか予告値を上回ると、当該ランダムギフトの天井が近いことを知らせるための予告通知がライブ配信プラットフォームのユーザに送信される。
【0044】
天井値は、ランダムギフトごとにライブ配信プラットフォームの管理者により設定される値であり、配信者にも視聴者にも依らない値である。言い換えると、天井値は、ライブ配信プラットフォームにおいてランダムギフトごとにひとつしかない値である。すなわち、全てのユーザに対して同時に同じ天井値が適用される。ランダムギフトの使用回数が対応する天井値に達すると、抽選結果として大当たりが確定的に選択される。
【0045】
抽選結果IDは、対応する抽選アルゴリズムにしたがう抽選結果を特定する。
図7の例では、第1抽選アルゴリズム(ランダムギフト「RAN1」に対応)にしたがい「RAN1A」、「RAN1B」、「RAN1C」、「RAN1D」の4つの抽選結果のなかから一つの抽選結果が選択される。「RAN1A」は大当たり、「RAN1B」、「RAN1C」、「RAN1D」は非大当たりである。「RAN1A」、「RAN1B」、「RAN1C」、「RAN1D」はそれぞれ0.01、0.1、0.39、0.5の確率で選択される。ただし、使用回数が天井値「100」に達した場合は大当たり「RAN1A」が確定的に選択される。「RAN1A」、「RAN1B」、「RAN1C」、「RAN1D」はそれぞれ10000ポイント、1500ポイント、200ポイント、100ポイントを配信者に付与する効果を有する。
【0046】
図3に戻り、配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、配信者のユーザ端末20からライブ配信を開始する旨の通知を受けると、当該ライブ配信を特定するストリームIDと、当該ライブ配信の配信者の配信者IDと、をストリームDB314に登録する。配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、アクティブユーザのユーザ端末の配信外通信部404からライブ配信に関する情報の提供要求を受けると、ストリームDB314を参照して現在視聴可能なライブ配信のリストを生成する。配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、生成されたリストを要求元のユーザ端末に送信する。要求元のユーザ端末の配信外UI制御部402は、受信したリストに基づいてライブ配信選択画面を生成し、ユーザ端末のディスプレイに表示させる。
【0047】
ユーザ端末の配信外UI制御部402は、ライブ配信選択画面におけるアクティブユーザによるライブ配信の選択を受け付けると、選択されたライブ配信のストリームIDを含む配信要求を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。配信情報提供部302は、受信した配信要求に含まれるストリームIDにより特定されるライブ配信の、要求元のユーザ端末への提供を開始する。配信情報提供部302は、当該ストリームIDの視聴者IDに要求元のユーザ端末のアクティブユーザのユーザIDが含まれるようにストリームDB314を更新する。これにより、アクティブユーザは選択されたライブ配信の視聴者となる。
【0048】
中継部304は、配信情報提供部302によって開始されたライブ配信において、配信者のユーザ端末20から視聴者のユーザ端末30への動画データの伝送を中継する。中継部304は、ライブ配信中すなわち動画データの再生中における視聴者によるユーザ入力を示す信号を、当該視聴者のユーザ端末30の視聴側通信部204からネットワークNWを介して受信する。ユーザ入力を示す信号は、ユーザ端末30のディスプレイに表示されたオブジェクトの指定を示すオブジェクト指定信号であってもよく、当該オブジェクト指定信号は、視聴者の視聴者IDと、視聴者が視聴しているライブ配信を行っている配信者の配信者IDと、オブジェクトを特定するオブジェクトIDと、を含む。オブジェクトがギフトアイコンである場合、オブジェクトIDはギフトIDとなる。その場合のオブジェクト指定信号は、視聴者による配信者に対するギフトの使用を示すギフト使用信号となる。同様に、中継部304は、動画データの再生中における配信者によるユーザ入力を示す信号、例えばオブジェクト指定信号をユーザ端末20の配信部100の配信側通信部110から受信する。
【0049】
ギフト処理部308は、通常ギフトに関して、ギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定されるギフトの付与報酬に応じて配信者の報酬を増加させるようにユーザDB318を更新する。ギフト処理部308は、ギフトDB320を参照し、受信したギフト使用信号に含まれるギフトIDに対応する付与報酬を特定する。ギフト処理部308は、ギフト使用信号に含まれる配信者IDに対応する報酬に、特定された付与報酬を加えるようユーザDB318を更新する。ランダムギフトに関する処理は後述する。
【0050】
支払い処理部310は、ギフト使用信号の受信に応じて、視聴者によるギフトの対価の支払いを処理する。支払い処理部310は、ギフトDB320を参照し、ギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定されるギフトの対価ポイントを特定する。支払い処理部310は、ギフト使用信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者のポイントから特定された対価ポイントを差し引くようユーザDB318を更新する。
【0051】
抽選部330は、ランダムギフトの使用を示すギフト使用信号の受信に応じて、抽選アルゴリズムにしたがい、それぞれが異なる量の報酬に対応付けられた複数の抽選結果のなかから一つの抽選結果を選択する。例えば、ギフト使用信号がランダムギフト「RAN1」の使用を示す場合、抽選部330はギフトDB320を参照し、第1抽選アルゴリズムにしたがう抽選を行うと決定する。抽選部330は、抽選アルゴリズムDB340を参照し、第1抽選アルゴリズムにしたがう抽選を行い、「RAN1A」、「RAN1B」、「RAN1C」、「RAN1D」のなかから一つの抽選結果を選択する。ギフト処理部308は、選択された抽選結果に対応する付与報酬を、ランダムギフトが使用されたライブ配信の配信者に付与する。ギフト処理部308は、選択された抽選結果に対応する付与報酬に応じて配信者の報酬を増加させるようにユーザDB318を更新する。ギフト処理部308は、ランダムギフトの使用を示すギフト使用信号に含まれる配信者IDに対応する報酬に、選択された抽選結果に対応する付与報酬を加えるようユーザDB318を更新する。
【0052】
カウント部332は、各ランダムギフトの使用回数を、当該ランダムギフトの複数の抽選結果のうち大当たりが選択されたときを基準としてカウントする。カウント部332は、各ランダムギフトの使用回数を、当該ランダムギフトを使用した視聴者とは無関係に、かつ、当該ランダムギフトが使用されたライブ配信の配信者とは無関係に、カウントする。言い換えると、カウント部332は、各ランダムギフトの使用回数を、サーバ10が提供するライブ配信プラットフォーム全体でカウントする。カウント部332は、ランダムギフトの使用を示すギフト使用信号の受信に応じて、ギフトDB320に保持されるランダムギフトの使用回数を更新する。カウント部332は、ギフト使用信号を受信すると、そのギフト使用信号に含まれるランダムギフトのギフトIDに対応する使用回数に1を加えるようギフトDB320を更新する。カウント部332は、ランダムギフトの抽選の結果大当たりが選択された場合、当該ランダムギフトの使用回数をリセットして0とする。カウント部332は、ランダムギフトの大当たりが出ると、当該ランダムギフトのギフトIDに対応する使用回数が0になるようにギフトDB320を更新する。
【0053】
差分通知部334は、各ランダムギフトの使用回数と対応する天井値との差を示す情報を、サーバ10が提供するライブ配信プラットフォームのユーザのユーザ端末に通知する。差分通知部334は、ランダムギフトの使用回数と天井値との差の値を当該ランダムギフトのアイコンに関連付けてユーザ端末に表示させる形で、差の値をサーバ10が提供するライブ配信プラットフォーム全体に通知する。中継部304は、ユーザ端末からギフト情報要求を受信すると、ギフトDB320を参照して使用可能なギフトのギフトIDを特定する。併せて差分通知部334は、特定されたギフトIDのうちランダムギフトのギフトIDについて、使用回数と天井値との差を算出する。中継部304は、特定されたギフトIDと算出された差の値(ランダムギフトの場合)とを含むギフト情報を生成し、要求元のユーザ端末に送信する。
【0054】
本実施の形態では各ランダムギフトの使用回数と対応する天井値との差を示す情報を含む通知を全てのユーザが取得可能なように構成されるが、他の実施の形態では、差を示す情報は、VIPとして登録されているユーザやトップ配信者として登録されているユーザや管理者と契約している配信者や新規登録ユーザなど、所定の条件を充たす一部のユーザにのみ提供されてもよい。一部のユーザにのみ通知を提供する場合、通知が提供されるセグメントのユーザの特別感を高めることができ、ユーザに当該セグメントに入るための行動を促すことができる。
【0055】
大当たり通知部336は、ランダムギフトの抽選で大当たりが選択されたことを条件のひとつとして、サーバ10が提供するライブ配信プラットフォームのユーザのユーザ端末に、対応する内容の大当たり通知を行う。大当たり通知部336は、使用回数が天井値に達したことにより大当たりが選択された場合と、通常の抽選により大当たりが選択された場合と、で異なる態様の大当たり通知を行う。大当たり通知部336は、ライブ配信中に流れるテロップ、ライブ配信中にシステムから提供されるシステムコメント、In-app message(アプリ内メッセージング)またはプッシュ通知により、ランダムギフトに大当たりが出たことをライブ配信プラットフォームのユーザに通知する。
【0056】
ランダムギフトに大当たりが出たことの通知を全てのユーザが取得可能なように構成されてもよいし、あるいはまた、VIPとして登録されているユーザやトップ配信者として登録されているユーザや管理者と契約している配信者や新規登録ユーザなど、所定の条件を充たす一部のユーザにのみ当該通知が提供されるよう構成されてもよい。
【0057】
予告通知部338は、各ランダムギフトの使用回数が、対応する予告値に達したことを条件のひとつとして、サーバ10が提供するライブ配信プラットフォームのユーザのユーザ端末に当該ランダムギフトに係る通知を行う。予告通知部338は、ライブ配信中に流れるテロップ、ライブ配信中にシステムから提供されるシステムコメント、In-app message(アプリ内メッセージング)またはプッシュ通知により、ランダムギフトの天井が近いことをライブ配信プラットフォームのユーザに通知する。
【0058】
ランダムギフトの天井が近いことの通知を全てのユーザが取得可能なように構成されてもよいし、あるいはまた、VIPとして登録されているユーザやトップ配信者として登録されているユーザや管理者と契約している配信者や新規登録ユーザなど、所定の条件を充たす一部のユーザにのみ当該通知が提供されるよう構成されてもよい。
【0059】
以上の構成によるライブ配信システム1の動作を説明する。
図8は、ライブ配信中に視聴者がランダムギフトを使用したときのライブ配信システム1における一連の処理の流れを示すフローチャートである。中継部304は、現在進行中のライブ配信の視聴者のユーザ端末30から、ランダムギフトを指定したギフト使用信号を受信する(S202)。支払い処理部310は視聴者によるランダムギフトの対価の支払い処理を行う(S204)。支払い処理部310は、ギフトDB320を参照し、ステップS202で受信したギフト使用信号で指定されるランダムギフト(以下、指定ランダムギフトという)の対価ポイントを特定する。支払い処理部310は、ギフト使用信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者のポイントから特定された対価ポイントを差し引くようユーザDB318を更新する。
【0060】
カウント部332は、指定ランダムギフトの使用回数をインクリメントする(S206)。抽選部330は、ギフトDB320を参照し、指定ランダムギフトに対応する抽選アルゴリズムを特定する。抽選部330は、抽選アルゴリズムDB340を参照し、特定された抽選アルゴリズムの天井値を特定する。抽選部330は、ステップS206でインクリメントされた使用回数が特定された天井値に達したか否かを判定する(S208)。達していない場合(S208のN)、抽選部330は、ステップS208で特定された抽選アルゴリズムにしたがい、複数の抽選結果のなかから一つの抽選結果を選択する(S210)。使用回数が天井値に達した場合(S208のY)、抽選部330は、大当たりの抽選結果を選択する(S212)。
【0061】
ステップS210において選択された抽選結果が大当たりの場合(S214のY)、または、ステップS212において大当たりの抽選結果を選択した場合、カウント部332は、指定ランダムギフトの使用回数をリセットして0にする(S216)。大当たり通知部336はライブ配信プラットフォームを通じて提供されている全てのライブ配信の参加者(配信者、視聴者)のユーザ端末に、どの配信者のライブ配信において誰が使用した指定ランダムギフトにより大当たりが出たかを示す大当たり通知を送信する(S218)。大当たり通知は、天井値の到達により大当たりが選択されたか否かを示す情報と、指定ランダムギフトを特定するギフトIDと、指定ランダムギフトが使用されたライブ配信のストリームIDと、当該ライブ配信の配信者のユーザIDと、指定ランダムギフトを使用した視聴者のユーザIDと、を含む。天井値の到達により大当たりが選択された場合の大当たり通知を天井大当たり通知という。
【0062】
ギフト処理部308は、ステップS210において選択された抽選結果またはステップS212において選択された抽選結果に対応する報酬を、指定ランダムギフトが使用されたライブ配信の配信者に付与する(S220)。ギフト処理部308は、選択された抽選結果を、指定ランダムギフトが使用されたライブ配信の配信者のユーザ端末および視聴者のユーザ端末にネットワークNWを介して送信する。
【0063】
予告通知部338は、抽選アルゴリズムDB340を参照し、ステップS208で特定された抽選アルゴリズムの予告値を特定する。予告通知部338は、指定ランダムギフトの使用回数が特定された予告値に達したか否かを判定する(S222)。達していない場合(S222のN)、処理はステップS202に戻る。使用回数が予告値に達した場合(S222のY)、予告通知部338はライブ配信プラットフォームにログインしている全てのユーザのユーザ端末に、指定ランダムギフトの使用回数が天井値に近くなっていることを示す予告通知を送信する(S224)。予告通知は、指定ランダムギフトを特定するギフトIDと、指定ランダムギフトの天井値と今回到達した予告値との差の値と、を含む。その後、処理はステップS202に戻る。
【0064】
図9は、アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信選択画面600の代表画面図である。ライブ配信選択画面600は、サーバ10から受信した現在視聴可能なライブ配信のリストにある各ライブ配信を示すサムネイル602を含む。配信外UI制御部402は、サーバ10から取得したライブ配信のリストに基づいてライブ配信選択画面600を生成し、ディスプレイに表示させる。
【0065】
配信外UI制御部402は、ディスプレイにライブ配信選択画面600が表示されている状態でサーバ10から予告通知を受信すると、予告通知の内容を表示する天井予告通知表示領域604をライブ配信選択画面600に重畳して表示する。天井予告通知表示領域604は、予告通知に含まれるギフトIDで特定されるランダムギフトの名前と、予告通知に含まれる天井値と予告値との差の値を示す数字と、を表示するポップアップであってもよい。
【0066】
図10は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面608の代表画面図である。
図9のライブ配信選択画面600において視聴者がサムネイル602をタップすると、
図10のライブ配信ルーム画面608がディスプレイに表示される。ライブ配信ルーム画面608は、配信者のユーザ端末20で生成された動画像をリアルタイムで表示する。ライブ配信ルーム画面608は、サーバ10から受信した動画データを再生することにより得られる配信者の動画像610と、ギフトオブジェクト612と、コメント入力領域616と、コメント表示領域618と、視聴終了ボタン620と、を有する。視聴側UI制御部202は、動画データを再生することにより得られる動画像610に、他のオブジェクト、すなわちギフトオブジェクト612、コメント入力領域616、コメント表示領域618、視聴終了ボタン620を重畳表示することによりライブ配信ルーム画面608を生成する。
【0067】
コメント表示領域618は、視聴者により入力されたコメントと、他の視聴者により入力されたコメントと、システムからの通知と、を含みうる。システムからの通知は、配信者に誰がどのギフトを贈ったかを示す情報を含むことができる。視聴側UI制御部202はサーバ10から受信した他の視聴者のコメントおよびシステムからの通知を含むコメント表示領域618を生成し、生成されたコメント表示領域618をライブ配信ルーム画面608に含める。
【0068】
コメント入力領域616は視聴者によるコメントの入力を受け付ける。視聴側通信部204は、コメント入力領域616に入力されたコメントを含むコメント入力信号を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。併せて視聴側UI制御部202は、コメント入力領域616に入力されたコメントを表示するようにコメント表示領域618を更新する。
【0069】
視聴終了ボタン620は、ライブ配信の視聴を止めるための指示を視聴者から受け付けるためのオブジェクトである。
【0070】
視聴側UI制御部202は、ディスプレイにライブ配信ルーム画面608が表示されている状態でサーバ10から予告通知を受信すると、予告通知の内容を表示する天井予告通知表示領域630をライブ配信ルーム画面608に重畳して表示する。天井予告通知表示領域630は、予告通知に含まれるギフトIDで特定されるランダムギフトの名前と、予告通知に含まれる天井値と予告値との差の値を示す数字と、を表示するテロップであってもよい。視聴側UI制御部202は、天井予告通知表示領域630の代わりにまたはそれに加えて、予告通知の内容を表示するシステムコメントをコメント表示領域618に表示してもよい。
【0071】
ユーザ端末30の視聴側UI制御部202は、ギフトオブジェクト612へのタップが検出されると、または、天井予告通知表示領域630へのタップが検出されると、、ギフト情報要求を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。サーバ10の中継部304は、ギフト情報要求を受信すると、ギフトDB320を参照して使用可能なギフトのギフトIDを特定する。併せて差分通知部334は、特定されたギフトIDのうちランダムギフトのギフトIDについて、使用回数と天井値との差を算出する。中継部304は、特定されたギフトIDと算出された差の値(ランダムギフトの場合)とを含むギフト情報を生成し、要求元のユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30の視聴側UI制御部202は、受信したギフト情報に基づき、ギフトの選択を受け付けるためのギフト領域622を生成する。ギフト領域622は、受信したギフト情報に含まれるギフトIDで特定されるギフトのギフトオブジェクト624を含む。視聴側UI制御部202は生成されたギフト領域622をライブ配信ルーム画面608に表示させる。
【0072】
図11は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示される、ギフト領域622が重畳表示されたライブ配信ルーム画面608の代表画面図である。ギフト領域622は、ギフトのギフトオブジェクト624と、ギフトのギフトIDまたは名称632と、ギフトの対価ポイント634と、ランダムギフトであれば天井値と使用回数との差の値636と、を含む。
【0073】
図11のライブ配信ルーム画面608において視聴者がギフト領域622に表示されるランダムギフト「RAN1」のギフトオブジェクト624をタップすると、ユーザ端末30の視聴側UI制御部202は当該視聴者による当該ランダムギフトの指定を受け付ける。視聴側通信部204は指定されたランダムギフトのギフトIDを含むギフト使用信号を生成してサーバ10に送信する。視聴側通信部204は、サーバ10における指定されたランダムギフトの抽選結果を、ネットワークNWを介してサーバ10から受信する。視聴側UI制御部202は、受信した抽選結果に対応するエフェクトを生成する。視聴側UI制御部202は、生成されたエフェクトをライブ配信ルーム画面608に表示させる。本実施の形態では、天井値の到達による大当たり、そうでない大当たり、非大当たり、の三種類の抽選結果のそれぞれに異なるエフェクトを設ける。天井値の到達による大当たり(以下、天井大当たりという)のエフェクトは、抽選による大当たり(以下、単に大当たりという)のエフェクトよりも豪華である。エフェクトの豪華さは、エフェクトの継続時間、エフェクトの個数、静止画かアニメーションか、エフェクトの大きさ、効果音付きか否か、エフェクトの画質、エフェクトの見栄え、エフェクトの派手さ、などにより定義される。大当たりのエフェクトは、非大当たりのエフェクトよりも豪華である。
【0074】
図12は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示される、天井大当たりのエフェクト626が重畳表示されたライブ配信ルーム画面608の代表画面図である。
図12の例では天井大当たりのエフェクト626はハートを9個含む。コメント表示領域618は、視聴者(
図12の例ではユーザ「USR1」)がランダムギフト(
図12の例では「RAN1」)を贈って天井大当たりが出たことを示すシステムメッセージ638を含む。視聴者は、天井大当たりのエフェクト626および/またはシステムメッセージ638を見ることで、現在視聴しているライブ配信においてランダムギフト「RAN1」の天井大当たりが出たことを理解することができる。
【0075】
図13は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示される、大当たりのエフェクト640が重畳表示されたライブ配信ルーム画面608の代表画面図である。
図13の例では大当たりのエフェクト640はハートを3個含む。コメント表示領域618は、視聴者(
図12の例ではユーザ「USR1」)がランダムギフト(
図12の例では「RAN1」)を贈って大当たりが出たことを示すシステムメッセージ642を含む。視聴者は、大当たりのエフェクト640および/またはシステムメッセージ642を見ることで、現在視聴しているライブ配信においてランダムギフト「RAN1」の大当たりが出たことを理解することができる。
【0076】
視聴側UI制御部202は、ディスプレイにライブ配信ルーム画面608が表示されている状態でサーバ10から天井大当たり通知を受信すると、天井大当たり通知の内容を表示する天井大当たり通知表示領域644をライブ配信ルーム画面608に重畳して表示する。
図14は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示される、天井大当たり通知表示領域644が重畳表示されたライブ配信ルーム画面608の代表画面図である。天井大当たり通知表示領域644は、天井大当たり通知に含まれる視聴者のユーザIDと、天井大当たり通知に含まれる配信者のユーザIDと、天井大当たり通知に含まれるギフトIDで特定されるランダムギフトの名前と、天井大当たりが出たことを示すテキストと、を表示するテロップであってもよい。視聴側UI制御部202は、天井大当たり通知表示領域644の代わりにまたはそれに加えて、天井大当たり通知の内容を表示するシステムコメントをコメント表示領域618に表示してもよい。
【0077】
上述の実施の形態において、DBの例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
【0078】
本実施の形態に係るライブ配信システム1によると、ライブ配信で使用されるランダムギフトの非大当たりの連続出現回数に上限が設けられるので、大当たりが出ないことによるユーザの不満を軽減または解消することができる。また、非大当たりの連続出現回数が上限に近づくにつれて大当たりが出ることへの期待が高まるので、視聴者にも配信者にもわくわく感と楽しみを提供することができる。
【0079】
また、本実施の形態に係るライブ配信システム1では、ランダムギフトの非大当たりの連続出現回数を、サーバ10が提供するライブ配信プラットフォーム全体でカウントする。したがって、視聴者ごとに、または、配信者/ライブ配信ごとに、非大当たりの連続出現回数をカウントする場合と比較して、大当たりが出る確率を高める、および/または、天井値をより低く設定することができる。視聴者ごとにカウントする場合、視聴者の数だけ天井が存在することとなるので、期待値の関係で大当たりの確率を低く設定するか、天井値を高く設定する必要がある。配信者/ライブ配信ごとにカウントする場合も同様である。これに対して視聴者とは無関係に、かつ、配信者/ライブ配信とは無関係に、カウントする場合、ランダムギフトひとつに対して天井値はひとつなので、大当たりの確率をより高く設定するか、天井値を低く設定することが可能となる。これにより、ユーザは、ランダムギフトに大当たりが出やすいという実感を得ることで、より楽しくランダムギフトを使用することができる。
【0080】
加えて、ランダムギフトの非大当たりの連続出現回数を、サーバ10が提供するライブ配信プラットフォーム全体でカウントすることで、以下の効果が得られる。
・ギフトをあまり投げることができないユーザであっても天井の瞬間を狙ってランダムギフトを投げることで、大当たりが出るか否かに関わらず興奮と楽しみを得ることができる。
・配信者が視聴者にランダムギフトの使用をお願いする理由が生じる。例えば、天井が近い場合、配信者は視聴者に向けて「もう少しで天井だから投げてみて」など伝えることができる。
・ランダムギフトを投げた方がお得という期間を繰り返し作ることができ、ギフトの使用を活性化することができる。
【0081】
また、本実施の形態に係るライブ配信システム1では、非大当たりの連続出現回数と天井値との差の値がユーザに通知される。したがって、配信者は「あとX個ランダムギフトを投げて」など数を指定してお願いができるので、いったい何個投げればよいのか分からない状況と比べて、視聴者も希望を叶えやすくなる。また、残りの数が明確になることで視聴者同士の連帯、連携も生まれやすくなる。
【0082】
また、本実施の形態に係るライブ配信システム1では、ランダムギフトの非大当たりの連続出現回数が天井値に近づいていることを示す予告通知がユーザに提供される。したがって、ユーザがランダムギフトを使いたくなる雰囲気を醸成することができる。
【0083】
また、本実施の形態に係るライブ配信システム1では、ランダムギフトの大当たりまたは天井大当たりが出たことを示す大当たり通知がユーザに提供される。したがって、天井を狙っているユーザがランダムギフトを投げるタイミングを決めやすくなる。また、ユーザはランダムギフトの大当たりの出やすさを体感することができる。
【0084】
図15を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
図15は、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図示された情報処理装置900は、例えば、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれを実現しうる。
【0085】
情報処理装置900は、CPU901、ROM(Read Only Memory)902、およびRAM(Random Access Memory)903を含む。また、情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インタフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート925、通信装置929を含んでもよい。さらに、情報処理装置900は、カメラなどの撮像装置(不図示)を含む。CPU901は、本明細書中に記載されている構成要素により実現される機能を実現するためのハードウェア構成の例である。本明細書に記載されている機能は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた回路(circuitry)により実現されてもよい。本明細書に記載されている機能を実現するようにプログラムされた回路(circuitry)は、CPU(a Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、集積回路、ASICs(Application Specific Integrated Circuits)、および/又はこれらの組合せを含む。本明細書において特定の機能を実現するユニット、は、当該機能を実現するようにプログラムされた回路として実現されてもよい。
【0086】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM902、RAM903、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体923に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。例えば、CPU901は、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれに含まれる各機能部の動作全般を制御する。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。CPU901、ROM902、およびRAM903は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0087】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなど、ユーザによって操作される装置であってもよいし、マイクロフォンなどの音センサ、加速度センサ、傾きセンサ、赤外線センサ、深度センサ、温度センサ、湿度センサなど物理量を電気信号に変換する装置であってもよい。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器927であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報または感知した物理量に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0088】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD、PDP、OELDなどのディスプレイ、スピーカおよびヘッドホンなどの音響出力装置、ならびにプリンタ装置などでありうる。出力装置917は、情報処理装置900の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音響などの音として出力したりする。
【0089】
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
【0090】
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体923のためのリーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録を書き込む。
【0091】
接続ポート925は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート925は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどでありうる。また、接続ポート925は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート925に外部接続機器927を接続することで、情報処理装置900と外部接続機器927との間で各種のデータが交換されうる。
【0092】
通信装置929は、例えば、ネットワークNWに接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。通信装置929は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどでありうる。また、通信装置929は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置929は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置929に接続される通信ネットワークNWは、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。なお、通信装置929は、通信部としての機能を実現する。
【0093】
カメラなどの撮像装置(不図示)は、例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子、および撮像素子への被写体像の結像を制御するためのレンズなどの各種の部材を用いて実空間を撮像し、撮像画像を生成する装置である。当該撮像装置は、静止画を撮像するものであってもよいし、または動画を撮像するものであってもよい。
【0094】
以上、実施の形態に係るライブ配信システム1の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解される。
【0095】
実施の形態では、ランダムギフトの使用回数と天井値との差の値をランダムギフトのオブジェクトに関連付けて表示することで当該差を通知する場合を説明したが、これに限られず、ランダムギフトの使用回数と天井値との差を示す情報を表示してもよい。例えば、ランダムギフトの使用回数と天井値との差を、数値ではなくオブジェクトの色や強調度合いや動きやアニメーションやプログレスバーで表現してもよい。あるいはまた、ランダムギフトの使用回数と天井値との差が取り得る数値範囲を複数のレンジに分け、各レンジに色や文言(「天井まで遠い」、「半分」、「天井まで近い」、「天井もうすぐ」など)を割り当ててもよい。この場合、例えばランダムギフトの使用回数と天井値との差に対応する文言を、ランダムギフトのオブジェクトに対応付けて表示してもよい。ランダムギフトの使用回数と天井値との差を数値で示さない態様によると、天井までの残り回数をおおよそ示しつつも正確な天井値がいくつであるかを秘密にすることができる。また、ランダムギフトの使用回数と天井値との差が小さくなるほど差を示す情報の変化を少なくするか、変化をさせないよう構成してもよい。これにより天井値の予測がより困難になる。
【0096】
あるいはまた、ユーザ端末がランダムギフトの使用回数が予告値を上回った後の抽選結果を受信した場合、ランダムギフトのオブジェクトを、使用回数が予告値を上回る前の表示態様とは異なる表示態様でディスプレイに表示させてもよい。さらにユーザ端末は、ランダムギフトのオブジェクトを、予告値を上回った後の使用回数によらない表示態様で、ディスプレイに表示させてもよい。例えば、使用回数が予告値に到達するまではランダムギフトのオブジェクトを通常の表示態様で表示し、使用回数が予告値を上回るとランダムギフトのオブジェクトを通常のものとは異なる特別な表示態様で表示してもよい。この際、特別な表示態様はランダムギフトの大当たりが出るまで同じとなる。あるいはまた、使用回数が予告値に到達するまではランダムギフトのオブジェクトの色を青から赤に連続的に変化させ、使用回数が予告値を上回るとランダムギフトのオブジェクトの色を赤に固定してもよい。
【0097】
あるいはまた、ランダムギフトの使用回数と天井値との差が天井値より小さいしきい値に達するまでは当該差を示す情報を表示せず、当該差がしきい値に達したときに当該差を示す情報の表示を開始してもよい。この場合、差が大きいときに当該差を表示することを避けることができるので、当該差が大きいときのユーザによるランダムギフトの投げ控えを抑制することができる。
【0098】
実施の形態では、カウント部332は、ランダムギフトの使用回数を、ランダムギフトを使用した視聴者とは無関係に、かつ、ランダムギフトが使用されたライブ配信の配信者とは無関係に、カウントする場合を説明したが、これに限られない。例えば、カウント部332は、ランダムギフトの使用回数をランダムギフトを使用した視聴者とは無関係に、しかしながらランダムギフトが使用されたライブ配信の配信者ごとにカウントしてもよい。この場合、ライブ配信ごとにランダムギフトの天井を狙って盛り上がることができ、盛り上げ方のうまい配信者がより楽しめるライブ配信プラットフォームを提供できる。あるいはまた、カウント部332は、ランダムギフトの使用回数をランダムギフトが使用されたライブ配信の配信者とは無関係に、しかしながらランダムギフトを使用した視聴者ごとにカウントしてもよい。この場合、各視聴者に天井大当たりが出ることが保証されるので、公平感を醸成できる。あるいはまた、カウント部332は、ランダムギフトの使用回数を視聴者と配信者との組ごとにカウントしてもよい。
【0099】
実施の形態では、抽選結果の出現確率を所与としたが、これに限られず、例えばランダムギフトの使用回数に応じて各抽選結果の出現確率を動的に変化させてもよい。例えば、使用回数が天井値に近づくにつれて大当たりの出現確率が高くなるよう設定してもよい。
【0100】
実施の形態では、視聴者から配信者に贈るタイプのランダムギフトを説明したが、これに限られず、配信者から視聴者に贈るタイプのランダムギフトや、視聴者から他の視聴者に贈るタイプのランダムギフトにも実施の形態に係る技術的思想を適用可能である。
【0101】
実施の形態では、大当たりが出ると使用回数をリセットする場合を説明したが、これに限られず、非大当たりの連続出現回数をカウントする他の方法が用いられてもよい。例えば、使用回数をリセットする代わりに天井値を更新してもよい。使用回数が天井値に達すると、天井値が所定数だけ増加するよう更新されてもよい。例えば天井値が100で使用回数が100に達すると、使用回数は100のままで天井値が200に更新されてもよい。
【0102】
実施の形態におけるギフトの対価ポイントから付与報酬への換算率は一例であって、これらは例えばライブ配信システムの管理者により適宜設定されてもよい。
【0103】
実施の形態に係る技術的思想を、配信者の画像の代わりに配信者の動きと同期した動きをするアバターを用いるバーチャルライブ配信や、ライブコマースに適用してもよい。また、実施の形態では、配信者のユーザ端末で生成されたライブ配信に係る動画データをサーバが中継して視聴者のユーザ端末に送信する場合を説明したが、これに限られない。例えば、実際の配信者の代わりに仮想の配信者を設定する場合に、本実施の形態に係る技術的思想を適用してもよい。仮想の配信者は、例えば、外見はアバターを用い、音声はTTS(Text-To-Speech)エンジンで構成し、発言内容は視聴者のコメントを入力とする機械学習モデルから得るAIバーチャル配信者である。この場合、配信者のユーザ端末は存在せず、配信者側の処理はサーバにて行われる。
【0104】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図、フローチャートを用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本開示の趣旨を逸脱しない限り本開示の範囲に含まれる。
【0105】
サーバ10により実現される機能の少なくとも一部は、サーバ10以外の装置、例えばユーザ端末20、30により実現されてもよい。ユーザ端末20、30により実現される機能の少なくとも一部は、ユーザ端末20、30以外の装置、例えば、サーバ10により実現されてもよい。例えば、視聴者のユーザ端末で行われる動画データの画像への所定のフレーム画像の重畳は、サーバ10で行われてもよいし、配信者のユーザ端末で行われてもよい。
【0106】
実施の形態では、通常の抽選結果の大当たりと使用回数が天井値に到達したことによる大当たりとで抽選結果IDおよび付与報酬を同じにするがエフェクトを異ならせる(天井大当たりのエフェクトをより豪華にする、
図12、
図13)場合を説明したが、これに限られない。例えば、通常の大当たりと天井大当たりとを、付与報酬やエフェクトを含めて全く同じに設定してもよい。
【0107】
あるいはまた、
図7の抽選アルゴリズムDB340において通常の大当たりを特定する抽選結果IDとは別に、天井大当たりを特定する抽選結果IDを設けてもよい。この場合、通常の大当たりと天井大当たりとはランダムギフトの結果として異なるものとなる。天井大当たりの付与報酬を通常の大当たりの付与報酬と異ならせてもよく、例えば前者を後者より高く設定してもよい。天井大当たりのエフェクトを通常の大当たりのエフェクトと異ならせてもよく、例えば前者を後者より豪華に設定してもよい。天井大当たりのエフェクトは
図12に示されるようなものであってもよく、通常の大当たりのエフェクトは
図13に示されるようなものであってもよく、この場合、
図12と
図13とは異なる抽選結果に対応するエフェクトを表示するものである。本変形例では、天井大当たりにスペシャルなギフトを用意することで、天井に至るまでの途中でむしろ当たりを引かないことを楽しむゲーム性を提供できる。
【0108】
実施の形態では、抽選アルゴリズムは、ランダムギフトの使用回数が天井値に達した場合、大当たりが選択されるよう設定される場合を説明したが、これに限られない。抽選アルゴリズムは、ランダムギフトの使用回数が天井値に達した場合、抽選に依らない結果または予め定められた結果が選択されるよう設定されてもよい。例えば、上記のとおり天井大当たりと通常の大当たりとを異なるものとしてもよい。あるいはまた、天井大当たりを通常の2番目の当たり(例えば、
図7の「RAN1B」や「RAN2B」)に設定してもよい。このように、天井大当たりを通常の非大当たりのうちの所定のものに設定することも可能である。あるいはまた、天井大当たりと通常の大当たりとで属性を異ならせてもよい。例えば、通常の大当たりは付与報酬とエフェクトとを伴う一方、天井大当たりは賞品が当たる、イベントのランキングポイントにボーナスが入る、特別なバナーやバッジがもらえる、などのように設定してもよい。あるいはまた、使用回数が天井値に達すると、大当たりが当たりやすい抽選が行われてもよい(例えば、大当たりの確率=50%、2番目の当たりの確率=50%)。
【0109】
あるいはまた、ランダムギフトに天井値が設定される天井期間とそうでない非天井期間とを設定してもよい。この場合、天井期間におけるランダムギフトの使用を促進することができる。また、いつ天井期間になるかを分からなくすることで、ゲーム性を高め、ライブ配信をより盛り上げることができる。
【0110】
実施の形態では、天井値の有無・高低や天井大当たりの属性により以下の4パターンのランダムギフトを提供することができる。
(1)低い天井値が設定されるランダムギフト
ライトな視聴者にも連続で投げることで満足感が得られる遊びを提供できる。
(2)高い天井値が設定されるランダムギフト
配信者は、天井が近いことで配信内で、ライトなユーザにギフトを依頼しやすくなる。
(3)天井値が設定されないランダムギフト
天井に近くないとユーザがギフティングしないことや、天井値の直前は使用量が増大して「天井が当たらなかった」という不満が出る可能性があるので、天井値のないランダムギフトを並行して設定することによって、選択肢をユーザに与えることができる。
(4)天井大当たりを狙うスペシャルなランダムギフト
ハズレを引き続けることでスペシャルなギフトが手に入る遊びを提供できる。
【要約】
【課題】ライブ配信におけるランダムギフトの効能を高める。
【解決手段】サーバは、進行中のライブ配信に参加している視聴者の端末からネットワークを介して、ライブ配信の配信者に対するギフトの使用を示す信号を受信する受信部と、信号の受信に応じて、所定の抽選アルゴリズムにしたがい、それぞれが異なる量の電子的価値に対応付けられた複数の抽選結果のなかから一つの抽選結果を選択する抽選部と、選択された抽選結果に対応する量の電子的価値を、ライブ配信の配信者に付与する付与部と、ギフトの使用回数を、複数の抽選結果のうち最大量の電子的価値に対応する抽選結果が選択されたときを基準としてカウントするカウント部と、を備える。所定の抽選アルゴリズムは、ギフトの使用回数がしきい値に達した場合、予め定められた抽選結果が選択されるよう設定される。
【選択図】
図1