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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】半導体膜及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/365 20060101AFI20241105BHJP
   C30B 29/16 20060101ALI20241105BHJP
   C30B 25/20 20060101ALI20241105BHJP
   C30B 25/14 20060101ALI20241105BHJP
   C23C 16/40 20060101ALI20241105BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
H01L21/365
C30B29/16
C30B25/20
C30B25/14
C23C16/40
C23C16/455
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020072460
(22)【出願日】2020-04-14
(65)【公開番号】P2021170579
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】515277942
【氏名又は名称】株式会社ノベルクリスタルテクノロジー
(73)【特許権者】
【識別番号】390005223
【氏名又は名称】株式会社タムラ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティユ クァン トゥ
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 公平
【審査官】小▲高▼ 孔頌
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-163200(JP,A)
【文献】特開2016-175807(JP,A)
【文献】国際公開第2018/185850(WO,A1)
【文献】特開2014-094839(JP,A)
【文献】特開2002-134760(JP,A)
【文献】特開平9-27489(JP,A)
【文献】特開2003-332562(JP,A)
【文献】特開2001-77024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/365
C30B 29/16
C30B 25/20
C30B 25/14
C23C 16/40
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
HVPE装置の反応チャンバー内に、成長下地面が上方又は下方を向くようにして、β-Ga系単結晶からなる半導体基板を設置する工程と、
前記反応チャンバー内の前記半導体基板が設置された空間に、Ga塩化物ガス、酸素含有ガス、及びドーパント含有ガスを流入させ、前記半導体基板の成長下地面上にβ-Ga系単結晶からなる半導体膜をエピタキシャル成長させる工程と、
を含み、
前記成長下地面が上方を向くようにして前記半導体基板が設置されている場合には、前記空間への前記ドーパント含有ガスの流入口の位置を前記空間への前記酸素含有ガスの流入口の位置よりも高く、かつ前記空間への前記Ga塩化物ガスの流入口の位置を前記空間への前記ドーパント含有ガスの流入口の位置よりも高くし、
前記成長下地面が下方を向くようにして前記半導体基板が設置されている場合には、前記空間への前記ドーパント含有ガスの流入口の位置を前記空間への前記Ga塩化物ガスの流入口の位置よりも高く、かつ前記空間への前記酸素含有ガスの流入口の位置を前記空間への前記ドーパント含有ガスの流入口の位置よりも高くする、
半導体膜の製造方法。
【請求項2】
前記Ga塩化物ガスがGaClガスであり、
前記酸素含有ガスがOガスであり、
前記ドーパント含有ガスがSiClガスである、
請求項1に記載の半導体膜の製造方法。
【請求項3】
前記半導体基板を設置する工程において、前記成長下地面が下方を向くようにして前記半導体基板を前記反応チャンバー内に設置する、
請求項1又は2に記載の半導体膜の製造方法。
【請求項4】
前記半導体膜をエピタキシャル成長させる工程において、前記Ga塩化物ガス、前記酸素含有ガス、及び前記ドーパント含有ガスを、110cm/s以上の流速で前記空間に流入させる、
請求項3に記載の半導体膜の製造方法。
【請求項5】
Clを含むβ-Ga系単結晶からなり、
厚さが1000nm以上1000μm以下であり、
直径500μmの円形のアノード電極を表面に形成して実施するエミッション顕微鏡観察により測定される、厚さ方向に表面から裏面まで連続する欠陥の面内密度が10個/cm以下である、
半導体膜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体膜及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、HVPE(Halide Vapor Phase Epitaxy)法によりβ-Ga系単結晶膜を成長させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術によれば、気相成長装置の反応チャンバー内のGa系基板が設置された領域に、ガリウムの原料ガス、酸素の原料ガス、及びドーパントの原料ガスを流入させ、Ga系基板上にβ-Ga系単結晶膜をエピタキシャル成長させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5984069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、β-Ga系単結晶膜をHVPE法により成長させる場合、GaNなどの他の窒化物半導体の単結晶膜をHVPE法により成長させる場合と比べて、デバイス特性を著しく低下させる重欠陥であるキラー欠陥が生じやすいという問題があり、従来、キラー欠陥の原因やその低減方法については明らかにされていない。
【0005】
したがって、本発明の目的は、キラー欠陥の少ないβ-Ga系単結晶からなる半導体膜及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記[1]~[4]の半導体膜の製造方法、下記[5]の半導体膜を提供する。
【0007】
[1]HVPE装置の反応チャンバー内に、成長下地面が上方又は下方を向くようにして、β-Ga系単結晶からなる半導体基板を設置する工程と、前記反応チャンバー内の前記半導体基板が設置された空間に、Ga塩化物ガス、酸素含有ガス、及びドーパント含有ガスを流入させ、前記半導体基板の成長下地面上にβ-Ga系単結晶からなる半導体膜をエピタキシャル成長させる工程と、を含み、前記成長下地面が上方を向くようにして前記半導体基板が設置されている場合には、前記空間への前記ドーパント含有ガスの流入口の位置を前記空間への前記酸素含有ガスの流入口の位置よりも高く、かつ前記空間への前記Ga塩化物ガスの流入口の位置を前記空間への前記ドーパント含有ガスの流入口の位置よりも高くし、前記成長下地面が下方を向くようにして前記半導体基板が設置されている場合には、前記空間への前記ドーパント含有ガスの流入口の位置を前記空間への前記Ga塩化物ガスの流入口の位置よりも高く、かつ前記空間への前記酸素含有ガスの流入口の位置を前記空間への前記ドーパント含有ガスの流入口の位置よりも高くする、半導体膜の製造方法。
[2]前記Ga塩化物ガスがGaClガスであり、前記酸素含有ガスがOガスであり、前記ドーパント含有ガスがSiClガスである、前記[1]に記載の半導体膜の製造方法。
[3]前記半導体基板を設置する工程において、前記成長下地面が下方を向くようにして前記半導体基板を前記反応チャンバー内に設置する、前記[1]又は[2]に記載の半導体膜の製造方法。
[4]前記半導体膜をエピタキシャル成長させる工程において、前記Ga塩化物ガス、前記酸素含有ガス、及び前記ドーパント含有ガスを、110cm/s以上の流速で前記空間に流入させる、前記[3]に記載の半導体膜の製造方法。
[5]Clを含むβ-Ga系単結晶からなり、厚さが1000nm以上1000μm以下であり、直径500μmの円形のアノード電極を表面に形成して実施するエミッション顕微鏡観察により測定される、厚さ方向に表面から裏面まで連続する欠陥の面内密度が10個/cm以下である、半導体膜。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、キラー欠陥の少ないβ-Ga系単結晶からなる半導体膜及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る結晶積層構造体の垂直断面図である。
図2図2(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体基板10の設置状態と原料ガスの導入位置を示す模式図である。図2(b)は、比較例に係る半導体基板10の設置状態と原料ガスの導入位置を示す模式図である。
図3図3は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体基板10の設置状態と原料ガスの導入位置とを示す模式図である。
図4図4(a)は、第2の実施の形態に係る方法により形成された半導体膜のエミッション顕微鏡観察像である。図4(b)は、従来の方法により形成された比較例としての半導体膜のエミッション顕微鏡観察像である。
図5図5(a)は、第2の実施の形態に係る方法により形成された半導体膜のエッチピットが現れた表面の光学顕微鏡による観察像である。図5(b)は、従来の方法により形成された比較例としての半導体膜のエッチピットが現れた表面の光学顕微鏡による観察像である。
図6図6は、後述するショットキーバリアダイオードの特性の評価のために用いたショットキーバリアダイオードの垂直断面図である。
図7図7(a)は、第1の実施の形態に係る方法により形成された半導体膜を備えたショットキーバリアダイオードの逆方向リーク特性を示すグラフである。図7(b)は、第2の実施の形態に係る方法により形成された半導体膜を備えたショットキーバリアダイオードの逆方向リーク特性を示すグラフである。
図8図8は、従来の方法により形成された比較例としての半導体膜を備えたショットキーバリアダイオードの逆方向リーク特性を示すグラフである。
図9図9(a)~(c)は、第2の実施の形態に係る方法により形成された半導体膜を備えたショットキーバリアダイオードを個片化する前の2インチのウエハーにおける、ショットキーバリアダイオードの耐圧特性の分布を示す図である。
図10図10(a)、(b)は、それぞれ第2の実施の形態に係る方法により形成された半導体膜と2.3mm角の正方形のアノード電極を備えたショットキーバリアダイオードの逆方向特性と順方向特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明者らは、HVPE法により成長するβ-Ga系単結晶膜に生じるキラー欠陥の原因を調べるため、HVPE法を用いた従来の一般的な方法によりβ-Ga単結晶膜を成長させ、素子サイズの異なるショットキーバリアダイオードを複数作製して逆耐圧特性を評価した。
【0011】
その結果、素子のサイズ(円形のアノード電極のサイズ)が直径400μm以下であれば、逆方向リーク電流が抑えられた理想に近い特性の素子が80%程度の歩留まりで得られたものの、素子サイズが大きくなるにつれて逆方向リーク電流の大きな素子が増えていき、直径1mmの素子は、歩留まりがほぼ0%であった。
【0012】
このように、素子特性が素子サイズに依存することから、キラー欠陥が結晶膜中に存在していることが推定された。そして、歩留まりとアノード電極の面積から、従来の方法で成長したβ-Ga結晶膜中のキラー欠陥密度は200個/cm程度と推定された。キラー欠陥密度は、製造可能な素子のサイズ、つまりデバイスの最大電流定格に直接影響を及ぼし、従来の方法で製造されたβ-Ga結晶膜では、定格電流(1.5~2.5V程度の順方向電圧を印加したときの電流値)がおよそ1A以下のショットキーバリアダイオードしか製造することができなかった。
【0013】
そして、本発明者らは、鋭意研究の結果、β-Ga系結晶膜中のキラー欠陥の主な原因が、HVPE装置の反応チャンバー内で気相中に形成されるGa酸化物の粒であること見出した。HVPE法によるβ-Ga系単結晶膜の成長においては、酸素とGa塩化物ガスの反応速度が非常に速いため、気相中で反応が生じてGa酸化物の粒が形成され、Ga系基板上に付着する。このGa酸化物の粒がエピタキシャル成長するβ-Ga系単結晶膜中に取り込まれると、結晶の周期性が乱れ、その結果、膜の厚さ方向に表面から裏面まで連続する、リークパスとなり得るキラー欠陥が多く生じてしまう。
【0014】
なお、HVPE法によりGaN系結晶膜を成長させる場合は、β-Ga系結晶膜を成長させる場合のように多くのキラー欠陥が発生しないことが確認されている。これは、アンモニアガスとGa塩化物ガスの反応速度が比較的遅いため、気相中でのGaN系化合物の粒の生成がほとんど起こらないことによると考えられる。
【0015】
本発明は、HVPE装置の反応チャンバー内で気相中に形成され、Ga系基板上に付着するGa酸化物の粒の量を低減し、キラー欠陥を低減することができる、β-Ga系単結晶からなる半導体膜の製造方法、及びその製造方法により製造されたキラー欠陥の少ないβ-Ga系単結晶からなる半導体膜に関する。以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
〔第1の実施の形態〕
(結晶積層構造体の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る結晶積層構造体1の垂直断面図である。結晶積層構造体1は、β-Ga系単結晶からなる半導体基板10と、半導体基板10の成長下地面11上にエピタキシャル結晶成長により形成された、β-Ga系単結晶からなる半導体膜12を有する。
【0017】
ここで、β-Ga系単結晶とは、β型の結晶構造を有するGa単結晶であるβ-Ga単結晶、又は、Al、In等の元素が添加されたβ-Ga単結晶をいう。例えば、Al及びInが添加されたβ-Ga単結晶である(GaAlIn(1-x-y)(0<x≦1、0≦y≦1、0<x+y≦1)単結晶であってもよい。Alを添加した場合にはバンドギャップが広がり、Inを添加した場合にはバンドギャップが狭くなる。また、半導体基板10は、Si等のドーパントを含んでもよい。
【0018】
半導体基板10の成長下地面11の面方位は、例えば、(001)、(010)、(100)、(011)、(-201)、又は(101)である。
【0019】
半導体基板10は、例えば、FZ(Floating Zone)法やEFG(Edge Defined Film Fed Growth)法等の融液成長法により育成したGa系単結晶のバルク結晶をスライスし、表面を研磨することにより形成される。
【0020】
半導体膜12は、結晶成長と並行してドーピングされたLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te等をドーパントとして含む。
【0021】
半導体膜12に含まれるドーパントの濃度は、例えば、1×1013atoms/cm以上5×1020atoms/cm以下であり、好ましくは、6.5×1015atoms/cm以上2.1×1020atoms/cm以下である。また、ドーパントの添加により発生するキャリア密度は、例えば、1x1015cm-3以上1x1020cm-3以下である。
【0022】
また、半導体膜12は、濃度5×1016atoms/cm以下のClを含む。これは、半導体膜12がCl含有ガスを用いるHVPE法により形成されることに起因する。通常、HVPE法以外の方法によりβ-Ga系単結晶膜を形成する場合には、Cl含有ガスを用いないため、β-Ga系単結晶膜中にClが含まれることはなく、少なくとも、1×1016cm-3以上のClが含まれることはない。
【0023】
また、半導体膜12は、結晶成長速度の速いHVPE(Halide Vapor Phase Epitaxy)法により形成されるため、厚く形成することができ、例えば、1000nm以上の厚さに形成することができる。また、産業用のHVPEによるβ-Ga系単結晶膜の成長速度は、一般的には、200μm/hであり、この場合は、1000μmまでの厚さであれば、現実的な時間で成膜することができる。すなわち、厚さ1000nm以上1000μm以下の半導体膜12を形成することができる。なお、MBE法を用いる場合のβ-Ga系単結晶膜の結晶成長速度は120nm/h程度であり、1000nm以上の厚さに形成するためには8時間以上の時間が必要となるため、生産現場においては現実的ではない。
【0024】
また、半導体膜12の厚さ方向に表面から裏面まで連続するキラー欠陥の面内密度は、後述する半導体膜12の製造方法によれば、10個/cm以下とすることができる。半導体膜12に含まれるキラー欠陥の面内密度は、アノードバイアスが-200Vの条件でエミッション顕微鏡による観察を実施することにより測定することができる。
【0025】
(HVPE装置の構造)
以下に、本発明の第1の実施の形態に係る半導体膜12の成長に用いるHVPE装置の構造の一例について説明する。
【0026】
本発明の第1の実施の形態に係る半導体膜の製造方法には、図2(a)、(b)に垂直断面が示されるHVPE装置2が用いられる。HVPE装置2は、HVPE法用の気相成長装置であり、半導体基板10を設置する空間24と、空間24へ半導体膜12を成長させるための原料ガスを導入するための第1のガス導入ポート21、第2のガス導入ポート22、第3のガス導入ポート23を有する反応チャンバー20を有する。反応チャンバー20は、例えば、石英ガラスからなる。
【0027】
また、HVPE装置2は、反応チャンバー20の周囲に設置され、反応チャンバー20内の空間24を加熱するための図示されない加熱手段を有する。この加熱手段は、例えば、抵抗加熱式や輻射加熱式の加熱装置である。
【0028】
反応チャンバー20において、半導体膜12を成長させるための原料ガスは、第1のガス導入ポート21、第2のガス導入ポート22、第3のガス導入ポート23から空間24内へ導入される。
【0029】
第1のガス導入ポート21の空間24への流入口21aと、第2のガス導入ポート22の空間24への流入口22aと、第3のガス導入ポート23の空間24への流入口23aは、高さ(設置された半導体基板10の成長下地面11に垂直な方向の位置)が異なり、流入口23aの上に流入口22aが配置され、流入口22aの上に流入口21aが配置されている。また、成長下地面11の面内方向の半導体膜12の状態のばらつきを防ぐため、流入口21a、22a、23aの原料ガスの進行方向に直交する水平方向の位置(図2の紙面に垂直な方向の位置)はほぼ等しい。
【0030】
半導体膜12を成長させるための原料ガスは、GaClガス、GaClガス、GaClガス、(GaClガスなどのGa塩化物ガスであるガリウムの原料ガスと、OガスやHOガスなどの酸素含有ガスである酸素の原料ガスと、SiClガス、GeClガス、SnClガス、PbClガスなどのドーパント含有ガスであるドーパントの原料ガスを含む。
【0031】
それぞれの原料ガスは、Arガス、Nガスなどの不活性ガスをキャリアガスとして用いて、反応チャンバー20内に流入させる。
【0032】
(半導体膜の製造方法)
本発明の第1の実施の形態に係る半導体膜12の製造方法は、HVPE装置2の反応チャンバー20内に、β-Ga系単結晶からなる半導体基板10を設置する工程と、反応チャンバー20内の半導体基板10が設置された空間24に、Ga塩化物ガス、酸素含有ガス、及びドーパント含有ガスを流入させ、半導体基板10の成長下地面11上にβ-Ga系単結晶からなる半導体膜12をエピタキシャル成長させる工程と、を含む。
【0033】
本実施の形態においては、半導体基板10は、成長下地面11が上方を向くようにして反応チャンバー20内の空間24の底面側に設置される。ここで、成長下地面11が上方を向くとは、成長下地面11が地表の反対側を向いており、成長下地面11が水平面となす角度が-5~+5°の範囲にある状態を指すものとする。
【0034】
流入口21a、22a、23aから流入したGa塩化物ガス、酸素含有ガス、及びドーパント含有ガスは、空間24において混合される。そして、その混合ガスに半導体基板10の成長下地面11が曝され、半導体膜12がエピタキシャル成長する。
【0035】
半導体膜12をエピタキシャル成長させる工程においては、空間24における圧力を、例えば、1atmに保つ。また、半導体膜12を成長させるためには、成長温度が900℃以上であることが求められる。900℃よりも低い場合は、単結晶が得られないおそれがある。
【0036】
ここで、ガリウムの原料ガスであるGa塩化物ガスとして、GaClガスを用いることが好ましい。GaClガスは、Ga塩化物ガスの中で、Ga結晶の成長駆動力を最も高い温度まで保つことのできるガスである。高純度、高品質のGa結晶を得るためには、高い成長温度での成長が有効であるため、高温において成長駆動力の高いGaClガスを用いることが好ましい。
【0037】
また、ドーパントの原料ガスであるドーパント含有ガスとしては、意図しない他の不純物の混入を抑制するために、塩化物系ガスを用いることが好ましく、例えば、前述のドーパントのうち、14族元素であるSi、Ge、Sn、又はPbをドーパントとする場合は、それぞれSiCl、GeCl、SnCl、PbCl等の塩化物系ガスが用いられる。また、塩化物系ガスは、塩素のみと化合したものに限られず、例えば、SiHCl等のシラン系ガスを用いてもよい。
【0038】
Si等のドーパントは、β-Ga系単結晶の成長と並行してドーピングされる。
【0039】
また、半導体膜12を成長させる際の雰囲気に水素が含まれていると、半導体膜12の表面の平坦性及び結晶成長駆動力が低下するため、酸素の原料ガスである酸素含有ガスとして、水素を含まないOガスを用いることが好ましい。
【0040】
本発明の第1の実施の形態に係る半導体膜12の製造方法は、HVPE装置2の反応チャンバー20内における、ガリウムの原料ガス、酸素の原料ガス、ドーパントの原料ガスの各々の導入口と半導体基板10との位置関係において特徴を有する。
【0041】
図2(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体基板10の設置状態と原料ガスの導入位置を示す模式図である。図2(b)は、比較例に係る半導体基板10の設置状態と原料ガスの導入位置を示す模式図である。
【0042】
本発明の第1の実施の形態においては、図2(a)に示されるように、第1のガス導入ポート21からGa塩化物ガスとキャリアガス(例としてGaClガスとArガスを表示)を流入させ、第2のガス導入ポート22からドーパント含有ガスとキャリアガス(例としてSiClガスとArガスを表示)を流入させ、第3のガス導入ポート23から酸素含有ガスとキャリアガス(例としてOガスとArガスを表示)を流入させる。
【0043】
一方、図2(b)に示される比較例では、従来のHVPE法によるβ-Ga系単結晶の成長方法と同様に、第1のガス導入ポート21から酸素含有ガスとキャリアガス(例としてOガスとArガスを表示)を流入させ、第2のガス導入ポート22からドーパント含有ガスとキャリアガス(例としてSiClガスとArガスを表示)を流入させ、第3のガス導入ポート23からGa塩化物ガスとキャリアガス(例としてGaClガスとArガスを表示)を流入させている。
【0044】
本発明の発明者らは、鋭意研究の結果、原料ガスの導入位置を図2(a)に示される位置に設定することにより、図2(b)に示される位置に設定する場合と比較して、成長する半導体膜12に含まれるキラー欠陥の数が低減することを見出した。酸素含有ガスを成長下地面11に最も到達しやすく、Ga塩化物ガスを成長下地面11に最も到達し難くすることにより、何らかの原因によって、気相中で生成されて成長下地面11に付着するGa酸化物の粒の量が低減するものと考えられる。
【0045】
すなわち、成長下地面11が上方を向くようにして半導体基板10が設置されている場合には、空間24へのドーパント含有ガスの流入口の位置を空間24への酸素含有ガスの流入口の位置よりも高く、かつ空間24へのGa塩化物ガスの流入口の位置を空間24へのドーパント含有ガスの流入口の位置よりも高くすることにより、成長する半導体膜12に含まれるキラー欠陥の数が低減する。
【0046】
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態は、HVPE装置2の反応チャンバー20内に設置される半導体基板10の向きにおいて第1の実施の形態と異なる。なお、第1の実施の形態と同様の点については、説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0047】
(半導体膜の製造方法)
本発明の第2の実施の形態に係る半導体膜12の製造方法においては、半導体基板10は、成長下地面11が下方を向くようにして反応チャンバー20内の空間24の上面側に設置される。ここで、成長下地面11が下方を向くとは、成長下地面11が地表側を向いており、成長下地面11が水平面となす角度が-5~+5°の範囲にある状態を指すものとする。
【0048】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体基板10の設置状態と原料ガスの導入位置とを示す模式図である。
【0049】
本発明の第2の実施の形態においては、図3に示されるように、成長下地面11が下方を向くように半導体基板10が設置されているため、第1のガス導入ポート21から酸素含有ガスとキャリアガス(例としてOガスとArガスを表示)を流入させ、第2のガス導入ポート22からドーパント含有ガスとキャリアガス(例としてSiClガスとArガスを表示)を流入させ、第3のガス導入ポート23からGa塩化物ガスとキャリアガス(例としてGaClガスとArガスを表示)を流入させる。
【0050】
すなわち、空間24へのドーパント含有ガスの流入口の位置を空間24へのGa塩化物ガスの流入口の位置よりも高く、かつ空間24への酸素含有ガスの流入口の位置を空間24へのドーパント含有ガスの流入口の位置よりも高くする。これによって、酸素含有ガスが成長下地面11に最も到達しやすく、Ga塩化物ガスが成長下地面11に最も到達し難くなり、成長する半導体膜12に含まれるキラー欠陥の数が低減する。
【0051】
さらに、気相中で生成されたGa酸化物の粒は、重力によって下方に移動するため、成長下地面11が下方を向くように半導体基板10を設置することによって、Ga酸化物の粒が成長下地面11により付着し難くなる。このため、本実施の形態の半導体膜の製造方法によれば、第1の実施の形態に係る半導体膜の製造方法よりも、さらに半導体膜12に含まれるキラー欠陥の数を低減することができる。
【0052】
なお、上述のように、HVPE法によりGaN系結晶膜を成長させる場合は、アンモニアガスとGa塩化物ガスの反応速度が比較的遅いため、気相中でのGaN系化合物の粒の生成がほとんど起こらない。このため、GaN系結晶膜を成長させる場合には、β-Ga系結晶膜を成長させる場合のように多くのキラー欠陥が発生することはなく、また、基板の成長下地面を下方に向けることによるキラー欠陥低減の効果はほとんどない。HVPE法により基板の成長下地面を下方に向けた状態でGaN系結晶膜を成長させる技術は知られているが(特許第3376809号公報)、これは、基板付近での原料ガスの熱対流の発生を抑えて均一な薄膜を成長させることを目的としたものである。
【0053】
また、成長下地面11が下方を向くように半導体基板10を設置する場合、成長下地面11が上方を向くように半導体基板10を設置する場合よりも、ドーパントの取り込み率が高いことが確認されている。成長下地面11が下方を向くように半導体基板10を設置することにより、半導体膜12中のドナー濃度がドーパントの仕込み量とほぼ等しくなるため、ドナー濃度の制御が容易になる。
【0054】
また、Ga塩化物ガス、酸素含有ガス、及びドーパント含有ガスの流速を増加させることにより、これらの原料ガスによって気相中で生成されたGa酸化物の粒を押し流しやすくなるため、Ga酸化物の粒の成長下地面11への付着量を減らすことができる。
【0055】
例えば、直径2インチの円形の半導体基板10上に半導体膜12を成長させる場合、Ga塩化物ガス、酸素含有ガス、及びドーパント含有ガスを110cm/s以上の流速で空間24に流入させることにより、半導体膜12に含まれるキラー欠陥の数を有意に低減することができ、165cm/s以上の流速で空間24に流入させることにより、さらに低減することができる。
【0056】
(実施の形態の効果)
上記実施の形態によれば、HVPE装置の反応チャンバー内で気相中に形成され、半導体基板10上に付着するGa酸化物の粒の量を低減し、β-Ga系単結晶からなる半導体膜12のキラー欠陥を低減することができる。このキラー欠陥の少ない半導体膜12を用いることにより、優れた特性を有する半導体デバイス、例えば、順方向電流特性や逆方向リーク電流特性に優れたショットキーバリアダイオードを高い歩留まりで製造することができる。
【実施例
【0057】
図4(a)は、図3で説明される第2の実施の形態に係る方法により形成された半導体膜12のエミッション顕微鏡観察像である。図4(b)は、図2(b)で説明される従来の方法により形成された比較例としての半導体膜のエミッション顕微鏡観察像である。
【0058】
図4(a)、(b)のエミッション顕微鏡観察像は、半導体膜12の表面と半導体基板10の表面のそれぞれにアノード電極とカソード電極を互いが重ならないように形成し、アノード電極が形成された領域を半導体基板10側からCCDカメラにより撮影したものであり、両電極間に電圧を印加していない状態で光を照射して撮影した直径500μmの円形のアノード電極のパターン像と、両電極間に200Vの逆方向電圧(カソード電極側が正、アノード電極側が負の電圧)を印加した状態で撮影した発光像を重ねたものである。
【0059】
図4(b)の円の中に見える黒点は、逆方向電圧を印加することにより発光したリークパスであり、リークパスとなるキラー欠陥の位置を示している。図4(a)のエミッション顕微鏡観察像には、図4(b)のエミッション顕微鏡観察像ほどの目立った発光点は観察されず、複数のアノード電極を用いて発光点の密度を推定したところ10個/cm以下であった。すなわち、第2の実施の形態に係る半導体膜12のキラー欠陥の密度は10個/cm以下であった。
【0060】
図5(a)は、図3で説明される第2の実施の形態に係る方法により形成された半導体膜12のエッチピットが現れた表面の光学顕微鏡による観察像である。図5(b)は、図2(b)で説明される従来の方法により形成された比較例としての半導体膜のエッチピットが現れた表面の光学顕微鏡による観察像である。
【0061】
エッチピットは、結晶表面にエッチングを施したときに、欠陥部分とその他の部分とのエッチング速度の差によって生じる窪みであり、エッチピットを観察することにより欠陥の位置や密度を知ることができる。図5(a)、(b)に係るエッチピットは、半導体基板10上に成長した半導体膜12を熱リン酸に1時間漬けることにより形成したものである。
【0062】
図5(b)の観察像によれば、比較例の半導体膜のエッチピット密度はおよそ10000/cmであった。一方、図5(a)の観察像によれば、半導体膜12のエッチピット密度はおよそ2500/cmであり、比較例の半導体膜のエッチピット密度と比較するとおよそ1/4であった。
【0063】
図6は、後述するショットキーバリアダイオードの特性の評価のために用いたショットキーバリアダイオード3の垂直断面図である。
【0064】
ショットキーバリアダイオード3は、実行キャリア濃度(ドナー濃度Nからアクセプタ濃度Nを引いた値)がおよそ1×1018/cm、厚さがおよそ600μmのβ-Ga単結晶からなる半導体基板10と、実行キャリア濃度がおよそ1×1016/cm、厚さがおよそ6μmのβ-Ga単結晶からなる半導体膜12と、半導体膜12の表面に形成されたNi/Au積層構造を有するアノード電極31と、半導体基板10の表面の全面に形成されたTi/Ni/Au積層構造を有するカソード電極32とを備える。
【0065】
図7(a)は、図2(a)で説明される第1の実施の形態に係る方法により形成された半導体膜12を備えたショットキーバリアダイオード3の逆方向リーク特性を示すグラフである。図7(b)は、図3で説明される第2の実施の形態に係る方法により形成された半導体膜12を備えたショットキーバリアダイオード3の逆方向リーク特性を示すグラフである。図8は、図2(b)で説明される従来の方法により形成された比較例としての半導体膜を半導体膜12の代わりに備えたショットキーバリアダイオード3の逆方向リーク特性を示すグラフである。
【0066】
これら図7(a)、(b)、図8に係るショットキーバリアダイオード3のアノード電極31は、直径500μmの円形の電極である。
【0067】
図7(a)、(b)、図8において、アノード電極に-200Vの電圧を印加したときに、リーク電流の大きさが1×10-4A/cm以下であるものを“Good”、1×10-4A/cmを超えるものを“Bad”と示している。
【0068】
全体のうちの“Good”の割合を歩留まりと定義すると、図2(a)で説明される第1の実施の形態に係る方法により形成された半導体膜12を備えたショットキーバリアダイオード3の歩留まりは78%であり、図3で説明される第2の実施の形態に係る方法により形成された半導体膜12を備えたショットキーバリアダイオード3の歩留まりは89%であり、図2(b)で説明される従来の方法により形成された比較例としての半導体膜を備えたショットキーバリアダイオード3の歩留まりは11%であった。
【0069】
図9(a)~(c)は、図3で説明される第2の実施の形態に係る方法により形成された半導体膜12を備えたショットキーバリアダイオード3を個片化する前の2インチのウエハー(複数のアノード電極31とカソード電極32を形成した結晶積層構造体1)における、ショットキーバリアダイオード3の耐圧特性の分布を示す図である。
【0070】
図9(a)~(c)は、ウエハーの半導体膜12を鉛直上方から見た図であり、記載された数値は、その箇所におけるショットキーバリアダイオード3の耐圧(1μAのリーク電流が流れるときの電圧)を示しており、負の値であるのは逆方向の電圧であることを示している。なお、耐圧の測定限界が-200Vであるため、図中の“-200”の箇所のショットキーバリアダイオード3の耐圧は-200V以下である。図中の“-200”の箇所のショットキーバリアダイオード3は十分な耐圧を有すると判断することができる。
【0071】
図9(a)に係る半導体膜12は、原料ガス(Ga塩化物ガス、酸素含有ガス、及びドーパント含有ガス)を流速55cm/sで空間24に流入させて成長させたものであり、図9(b)に係る半導体膜12は、原料ガスを流速110cm/sで空間24に流入させて成長させたものであり、図9(c)に係る半導体膜12は、原料ガスを流速165cm/sで空間24に流入させて成長させたものである。図中の矢印の方向は、原料ガスの流れる方向を示している。
【0072】
図9(a)~(c)は、原料ガスの流速が大きくなるほど、ウエハー内の耐圧に優れたショットキーバリアダイオード3が得られる領域が増えることを示している。これは、原料ガスの流速を大きくするほど、気相中で生成されたGa酸化物の粒を押し流しやすくなるため、Ga酸化物の粒の成長下地面11への付着量が低減し、半導体膜12のキラー欠陥が低減したことによると考えられる。
【0073】
そして、図9(a)~(c)によれば、ウエハーの直径が2インチである場合、原料ガスを110cm/s以上の流速で空間24に流入させることにより、半導体膜12に含まれるキラー欠陥の数を有意に低減することができ、165cm/s以上の流速で空間24に流入させることにより、さらに低減することができることがわかる。
【0074】
ただし、原料ガスの流速を増やすほど、半導体膜12の成長に寄与せずに流れ去る原料ガスの量が増えるため、原料ガスの使用効率が低下し、結果的に半導体膜12の製造コストが増加してしまう。このため、ちょうどウエハー内の全領域で耐圧に優れたショットキーバリアダイオード3が得られるような流速を上限値にすることが好ましい。
【0075】
また、ショットキーバリアダイオード3を切り出すウエハーのサイズを大きくする場合は、原料ガスの流速をさらに増やすことにより、耐圧に優れたショットキーバリアダイオード3が得られる領域を広く確保することができる。例えば、直径4インチのウエハーを形成する場合は、原料ガスの流速を直径2インチのウエハーを形成する場合の2倍にすればよく、原料ガスを220cm/s以上の流速で空間24に流入させることにより、半導体膜12に含まれるキラー欠陥の数を有意に低減することができ、330cm/s以上の流速で空間24に流入させることにより、さらに低減することができる。
【0076】
図10(a)、(b)は、それぞれ図3で説明される第2の実施の形態に係る方法により形成された半導体膜12と2.3mm角の正方形のアノード電極31を備えたショットキーバリアダイオード3の逆方向特性と順方向特性を示すグラフである。図10(a)の点線は測定限界を示す。また、図10(b)の順方向特性は、パルス幅1msのパルス電圧を印加して測定した。
【0077】
図10(a)によれば、印加電圧が-460Vのときでもリーク電流の大きさが1μAに満たず、優れた逆方向リーク特性が得られていることがわかる。また、図10(b)によれば、印加電圧が2.1V以上のときに10A以上の電流が流れており、優れた大電流特性が得られていることがわかる。
【0078】
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。また、発明の主旨を逸脱しない範囲内において上記実施の形態及び実施例の構成要素を任意に組み合わせることができる。
【0079】
また、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0080】
1…結晶積層構造体、2…HVPE装置、3…ショットキーバリアダイオード、10…半導体基板、11…成長下地面、12…半導体膜、20…反応チャンバー、21…第1のガス導入ポート、22…第2のガス導入ポート、23…第3のガス導入ポート、24…空間、31…アノード電極、32…カソード電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10