(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/12 20180101AFI20241105BHJP
H04W 88/16 20090101ALI20241105BHJP
H04W 80/04 20090101ALI20241105BHJP
【FI】
H04W76/12
H04W88/16
H04W80/04
(21)【出願番号】P 2023178324
(22)【出願日】2023-10-16
【審査請求日】2023-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519264564
【氏名又は名称】BBSakura Networks株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】日下部 雄也
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-50772(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0258771(US,A1)
【文献】特表2017-506465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 76/12
H04W 88/16
H04W 80/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SGW(Serving Gateway)と、
複数のPGW(Packet data network Gateway)と、
記憶部と
を備え、
前記複数のPGWの各PGWは、ASN(Autonomous System number)が異なるネットワークに配置されており、且つ、前記各PGWには同一のIP(Internet Protocol)アドレスが割り当てられており、
前記SGWは、
PDN(Packet Data Network)へのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を、予め定められたPGW選択条件に基づいて前記複数のPGWの中から前記セッション生成要求の送信対象として選択されたPGWに送信する要求送信部
を有し、
前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWは、
前記セッション生成要求を受信する要求受信部と、
前記要求受信部が前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記PGWの前記IPアドレスと、前記各PGWの通信トンネルに割り当てられるTEID(Tunnel Endpoint IDentifier)と、前記SGWのIPアドレスと、前記SGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む、前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成部と、
前記セッション情報生成部によって生成された前記セッション情報を前記記憶部に登録する登録部と、
前記セッション情報生成部が前記セッション情報を生成したことに応じて、前記通信端末のセッション生成応答を前記SGWに送信する応答送信部と
を有し、
前記SGWは、
前記セッション生成応答を受信する応答受信部と、
前記応答受信部が前記セッション生成応答を受信した後、前記通信端末のアップリンクデータを、前記PGW選択条件に基づいて前記複数のPGWの中から前記アップリンクデータの送信対象として選択されたPGWに送信するデータ送信部と
をさらに有し、
前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記PGWは、
前記アップリンクデータを受信する第1データ受信部と、
前記第1データ受信部が前記アップリンクデータを受信した場合において、前記PGWが前記セッション情報を保持していない場合、前記記憶部から前記セッション情報を取得する第1セッション情報取得部と
を有する、システム。
【請求項2】
前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記PGWは、前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWと同一のPGWである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記PGWは、前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWとは異なるPGWである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWは、第1国の前記ネットワークに配置されており、前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記PGWは、前記第1国とは異なる第2国の前記ネットワークに配置されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1セッション情報取得部は、前記第1データ受信部が前記アップリンクデータを初めて受信した場合、前記記憶部から前記セッション情報を取得する、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数のPGWのうちの前記通信端末のダウンリンクデータの送信対象であるPGWは、
前記ダウンリンクデータを受信する第2データ受信部と、
前記第2データ受信部が前記ダウンリンクデータを受信した場合において、前記PGWが前記セッション情報を保持していない場合、前記記憶部から前記セッション情報を取得する第2セッション情報取得部と
を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記SGWは、SGW-C(SGW-Control plane function)及びSGW-U(SGW-User plane function)に分離されており、
前記複数のPGWの前記各PGWは、PGW-C(PGW-Control plane function)及びPGW-U(PGW-User plane function)に分離されており、各PGW-Cには同一のIPアドレスが割り当てられており、且つ、各PGW-Uには同一のIPアドレスが割り当てられており、
前記PGWの前記IPアドレスは、前記PGW-Cの前記IPアドレスと、前記PGW-Cの前記IPアドレスとは異なる前記PGW-Uの前記IPアドレスとを含み、
前記各PGWの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDは、前記各PGW-Cの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記各PGW-Uの通信トンネルに割り当てられ且つ前記各PGW-Cの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDとを含み、
前記SGWの前記IPアドレスは、前記SGW-CのIPアドレスと、前記SGW-Cの前記IPアドレスとは異なる前記SGW-UのIPアドレスとを含み、
前記SGWの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDは、前記SGW-Cの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記SGW-Uの通信トンネルに割り当てられ且つ前記SGW-Cの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDとを含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記記憶部は、クラウド上に配置されており、
前記複数のPGWの前記各PGWは、前記記憶部にアクセス可能である、
請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
V-SMF(Visited Session Management Function)と、
前記V-SMFが配置されているネットワークに配置されているV-UPF(Visited User Plane Function)と、
複数のH-SMF(Home Session Management Function)と、
複数のH-UPF(Home User Plane Function)と、
記憶部と
を備え、
前記複数のH-SMFの各H-SMFは、ASNが異なるネットワークに配置されており、且つ、前記各H-SMFには同一のIPアドレスが割り当てられており、
前記複数のH-UPFの各H-UPFは、ASNが異なるネットワークに配置されており、且つ、前記各H-UPFには同一のIPアドレスが割り当てられており、
前記V-SMFは、
PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を、予め定められたH-SMF選択条件に基づいて前記複数のH-SMFの中から前記セッション生成要求の送信対象として選択されたH-SMFに送信する要求送信部
を有し、
前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記H-SMFは、
前記セッション生成要求を受信する要求受信部と、
前記要求受信部が前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記H-SMFの前記IPアドレスと、前記H-SMFの前記IPアドレスとは異なる前記H-UPFの前記IPアドレスと、前記各H-SMFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記各H-UPFの通信トンネルに割り当てられ且つ前記各H-SMFの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDと、前記V-SMFのIPアドレスと、前記V-SMFの前記IPアドレスとは異なる前記V-UPFのIPアドレスと、前記V-SMFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記V-UPFの通信トンネルに割り当てられ且つ前記V-SMFの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDとを含む、前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成部と、
前記セッション情報生成部によって生成された前記セッション情報を前記記憶部に登録する登録部と、
前記セッション情報生成部が前記セッション情報を生成したことに応じて、前記通信端末のセッション生成応答を前記V-SMFに送信する応答送信部と
を有し、
前記V-SMFは、
前記セッション生成応答を受信する応答受信部
をさらに有し、
前記V-UPFは、
前記V-SMFが前記セッション生成応答を受信した後、前記通信端末のアップリンクデータを、予め定められたH-UPF選択条件に基づいて前記複数のH-UPFの中から前記アップリンクデータの送信対象として選択されたH-UPFに送信するデータ送信部
を有し、
前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記H-UPFは、
前記アップリンクデータを受信するデータ受信部と、
前記データ受信部が前記アップリンクデータを受信した場合において、前記H-UPFが前記セッション情報を保持していない場合、前記記憶部から前記セッション情報を取得するセッション情報取得部と
を有する、システム。
【請求項10】
SGWと、複数のPGWと、記憶部とを備え、前記複数のPGWの各PGWはASNが異なるネットワークに配置されており且つ前記各PGWには同一のIPアドレスが割り当てられている、システムよって実行される方法であって、
前記SGWが、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を、予め定められたPGW選択条件に基づいて前記複数のPGWの中から前記セッション生成要求の送信対象として選択されたPGWに送信する要求送信段階と、
前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWが、前記セッション生成要求を受信する要求受信段階と、
前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWが、前記要求受信段階で前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記PGWの前記IPアドレスと、前記各PGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記SGWのIPアドレスと、前記SGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む、前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成段階と、
前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWが、前記セッション情報生成段階で生成された前記セッション情報を前記記憶部に登録する登録段階と、
前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWが、前記セッション情報生成段階で前記セッション情報が生成されたことに応じて、前記通信端末のセッション生成応答を前記SGWに送信する応答送信段階と、
前記SGWが、前記セッション生成応答を受信する応答受信段階と、
前記SGWが、前記応答受信段階で前記セッション生成応答を受信した後、前記通信端末のアップリンクデータを、前記PGW選択条件に基づいて前記複数のPGWの中から前記アップリンクデータの送信対象として選択されたPGWに送信するデータ送信段階と、
前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記PGWが、前記アップリンクデータを受信するデータ受信段階と、
前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記PGWが、前記データ受信段階で前記アップリンクデータを受信した場合において、前記PGWが前記セッション情報を保持していない場合、前記記憶部から前記セッション情報を取得するセッション情報取得段階と
を備える、方法。
【請求項11】
V-SMFと、前記V-SMFが配置されているネットワークに配置されているV-UPFと、複数のH-SMFと、複数のH-UPFと、記憶部とを備え、前記複数のH-SMFの各H-SMFはASNが異なるネットワークに配置されており且つ前記各H-SMFには同一のIPアドレスが割り当てられており、前記複数のH-UPFの各H-UPFはASNが異なるネットワークに配置されており且つ前記各H-UPFには同一のIPアドレスが割り当てられている、システムよって実行される方法であって、
前記V-SMFが、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を、予め定められたH-SMF選択条件に基づいて前記複数のH-SMFの中から前記セッション生成要求の送信対象として選択されたH-SMFに送信する要求送信段階と、
前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記H-SMFが、前記セッション生成要求を受信する要求受信段階と、
前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記H-SMFが、前記要求受信段階で前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記H-SMFの前記IPアドレスと、前記H-SMFの前記IPアドレスとは異なる前記H-UPFの前記IPアドレスと、前記各H-SMFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記各H-UPFの通信トンネルに割り当てられ且つ前記各H-SMFの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDと、前記V-SMFのIPアドレスと、前記V-SMFの前記IPアドレスとは異なる前記V-UPFのIPアドレスと、前記V-SMFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記V-UPFの通信トンネルに割り当てられ且つ前記V-SMFの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDとを含む、前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成段階と、
前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記H-SMFが、前記セッション情報生成段階で生成された前記セッション情報を前記記憶部に登録する登録段階と、
前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記H-SMFが、前記セッション情報生成段階で前記セッション情報が生成されたことに応じて、前記通信端末のセッション生成応答を前記V-SMFに送信する応答送信段階と、
前記V-SMFが、前記セッション生成応答を受信する応答受信段階と、
前記V-UPFが、前記応答受信段階で前記V-SMFが前記セッション生成応答を受信した後、前記通信端末のアップリンクデータを、予め定められたH-UPF選択条件に基づいて前記複数のH-UPFの中から前記アップリンクデータの送信対象として選択されたH-UPFに送信するデータ送信段階と、
前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記H-UPFが、前記アップリンクデータを受信するデータ受信段階と、
前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記H-UPFが、前記データ受信段階で前記アップリンクデータを受信した場合において、前記H-UPFが前記セッション情報を保持していない場合、前記記憶部から前記セッション情報を取得するセッション情報取得段階と
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、国際ローミングにおいて、パケットの伝送遅延を低減する通信システムが記載されている。特許文献2には、ローミング通信の通信遅延を低減する通信ステムが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]国際公開第2014/049668号
[特許文献2]国際公開第2020/261458号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、システムが提供される。前記システムは、SGW(Serving Gateway)を備えてよい。前記システムは、複数のPGW(Packet data network Gateway)を備えてよい。前記システムは、記憶部を備えてよい。前記複数のPGWの各PGWは、ASN(Autonomous System number)が異なるネットワークに配置されており、且つ、前記各PGWには同一のIP(Internet Protocol)アドレスが割り当てられてよい。前記SGWは、PDN(Packet Data Network)へのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を、予め定められたPGW選択条件に基づいて前記複数のPGWの中から前記セッション生成要求の送信対象として選択されたPGWに送信する要求送信部を有してよい。前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWは、前記セッション生成要求を受信する要求受信部と、前記要求受信部が前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記PGWの前記IPアドレスと、前記各PGWの通信トンネルに割り当てられるTEID(Tunnel Endpoint IDentifier)と、前記SGWのIPアドレスと、前記SGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む、前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成部と、前記セッション情報生成部によって生成された前記セッション情報を前記記憶部に登録する登録部と、前記セッション情報生成部が前記セッション情報を生成したことに応じて、前記通信端末のセッション生成応答を前記SGWに送信する応答送信部とを有してよい。前記SGWは、前記セッション生成応答を受信する応答受信部と、前記応答受信部が前記セッション生成応答を受信した後、前記通信端末のアップリンクデータを、前記PGW選択条件に基づいて前記複数のPGWの中から前記アップリンクデータの送信対象として選択されたPGWに送信するデータ送信部とをさらに有してよい。前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記PGWは、前記アップリンクデータを受信する第1データ受信部と、前記第1データ受信部が前記アップリンクデータを受信した場合において、前記PGWが前記セッション情報を保持していない場合、前記記憶部から前記セッション情報を取得する第1セッション情報取得部とを有してよい。
【0004】
前記システムにおいて、前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記PGWは、前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWと同一のPGWであってよい。
【0005】
前記いずれかのシステムにおいて、前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記PGWは、前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWとは異なるPGWであってよい。
【0006】
前記いずれかのシステムにおいて、前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWは、第1国の前記ネットワークに配置されており、前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記PGWは、前記第1国とは異なる第2国の前記ネットワークに配置されてよい。
【0007】
前記いずれかのシステムにおいて、前記第1セッション情報取得部は、前記第1データ受信部が前記アップリンクデータを初めて受信した場合、前記記憶部から前記セッション情報を取得してよい。
【0008】
前記いずれかのシステムにおいて、前記複数のPGWのうちの前記通信端末のダウンリンクデータの送信対象であるPGWは、前記ダウンリンクデータを受信する第2データ受信部と、前記第2データ受信部が前記ダウンリンクデータを受信した場合において、前記PGWが前記セッション情報を保持していない場合、前記記憶部から前記セッション情報を取得する第2セッション情報取得部とを有してよい。
【0009】
前記いずれかのシステムにおいて、前記SGWは、SGW-C(SGW-Control plane function)及びSGW-U(SGW-User plane function)に分離されてよく、前記複数のPGWの前記各PGWは、PGW-C(PGW-Control plane function)及びPGW-U(PGW-User plane function)に分離されており、各PGW-Cには同一のIPアドレスが割り当てられており、且つ、各PGW-Uには同一のIPアドレスが割り当てられてよく、前記PGWの前記IPアドレスは、前記PGW-Cの前記IPアドレスと、前記PGW-Cの前記IPアドレスとは異なる前記PGW-Uの前記IPアドレスとを含んでよく、前記各PGWの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDは、前記各PGW-Cの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記各PGW-Uの通信トンネルに割り当てられ且つ前記各PGW-Cの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDとを含んでよく、前記SGWの前記IPアドレスは、前記SGW-CのIPアドレスと、前記SGW-Cの前記IPアドレスとは異なる前記SGW-UのIPアドレスとを含んでよく、前記SGWの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDは、前記SGW-Cの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記SGW-Uの通信トンネルに割り当てられ且つ前記SGW-Cの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDとを含んでよい。
【0010】
前記いずれかのシステムにおいて、前記記憶部は、クラウド上に配置されてよく、前記複数のPGWの前記各PGWは、前記記憶部にアクセス可能であってよい。
【0011】
本発明の一実施態様によれば、システムが提供される。前記システムは、V-SMF(Visited Session Management Function)を備えてよい。前記システムは、前記V-SMFが配置されているネットワークに配置されているV-UPF(Visited User Plane Function)を備えてよい。前記システムは、複数のH-SMF(Home Session Management Function)を備えてよい。前記システムは、複数のH-UPF(Home User Plane Function)を備えてよい。前記システムは、記憶部を備えてよい。前記複数のH-SMFの各H-SMFは、ASNが異なるネットワークに配置されており、且つ、前記各H-SMFには同一のIPアドレスが割り当てられてよい。前記複数のH-UPFの各H-UPFは、ASNが異なるネットワークに配置されており、且つ、前記各H-UPFには同一のIPアドレスが割り当てられてよい。前記V-SMFは、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を、予め定められたH-SMF選択条件に基づいて前記複数のH-SMFの中から前記セッション生成要求の送信対象として選択されたH-SMFに送信する要求送信部を有してよい。前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記H-SMFは、前記セッション生成要求を受信する要求受信部と、前記要求受信部が前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記H-SMFの前記IPアドレスと、前記H-SMFの前記IPアドレスとは異なる前記H-UPFの前記IPアドレスと、前記各H-SMFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記各H-UPFの通信トンネルに割り当てられ且つ前記各H-SMFの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDと、前記V-SMFのIPアドレスと、前記V-SMFの前記IPアドレスとは異なる前記V-UPFのIPアドレスと、前記V-SMFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記V-UPFの通信トンネルに割り当てられ且つ前記V-SMFの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDとを含む、前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成部と、前記セッション情報生成部によって生成された前記セッション情報を前記記憶部に登録する登録部と、前記セッション情報生成部が前記セッション情報を生成したことに応じて、前記通信端末のセッション生成応答を前記V-SMFに送信する応答送信部とを有してよい。前記V-SMFは、前記セッション生成応答を受信する応答受信部をさらに有してよい。前記V-UPFは、前記V-SMFが前記セッション生成応答を受信した後、前記通信端末のアップリンクデータを、予め定められたH-UPF選択条件に基づいて前記複数のH-UPFの中から前記アップリンクデータの送信対象として選択されたH-UPFに送信するデータ送信部を有してよい。前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記H-UPFは、前記アップリンクデータを受信するデータ受信部と、前記データ受信部が前記アップリンクデータを受信した場合において、前記H-UPFが前記セッション情報を保持していない場合、前記記憶部から前記セッション情報を取得するセッション情報取得部とを有してよい。
【0012】
本発明の一実施態様によれば、SGWと、複数のPGWと、記憶部とを備え、前記複数のPGWの各PGWはASNが異なるネットワークに配置されており且つ前記各PGWには同一のIPアドレスが割り当てられている、システムよって実行される方法が提供される。前記方法は、前記SGWが、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を、予め定められたPGW選択条件に基づいて前記複数のPGWの中から前記セッション生成要求の送信対象として選択されたPGWに送信する要求送信段階を備えてよい。前記方法は、前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWが、前記セッション生成要求を受信する要求受信段階を備えてよい。前記方法は、前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWが、前記要求受信段階で前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記PGWの前記IPアドレスと、前記各PGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記SGWのIPアドレスと、前記SGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDとを含む、前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成段階を備えてよい。前記方法は、前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWが、前記セッション情報生成段階で生成された前記セッション情報を前記記憶部に登録する登録段階を備えてよい。前記方法は、前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記PGWが、前記セッション情報生成段階で前記セッション情報が生成されたことに応じて、前記通信端末のセッション生成応答を前記SGWに送信する応答送信段階を備えてよい。前記方法は、前記SGWが、前記セッション生成応答を受信する応答受信段階を備えてよい。前記方法は、前記SGWが、前記応答受信段階で前記セッション生成応答を受信した後、前記通信端末のアップリンクデータを、前記PGW選択条件に基づいて前記複数のPGWの中から前記アップリンクデータの送信対象として選択されたPGWに送信するデータ送信段階を備えてよい。前記方法は、前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記PGWが、前記アップリンクデータを受信するデータ受信段階を備えてよい。前記方法は、前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記PGWが、前記データ受信段階で前記アップリンクデータを受信した場合において、前記PGWが前記セッション情報を保持していない場合、前記記憶部から前記セッション情報を取得するセッション情報取得段階を備えてよい。
【0013】
本発明の一実施態様によれば、V-SMFと、前記V-SMFが配置されているネットワークに配置されているV-UPFと、複数のH-SMFと、複数のH-UPFと、記憶部とを備え、前記複数のH-SMFの各H-SMFはASNが異なるネットワークに配置されており且つ前記各H-SMFには同一のIPアドレスが割り当てられており、前記複数のH-UPFの各H-UPFはASNが異なるネットワークに配置されており且つ前記各H-UPFには同一のIPアドレスが割り当てられている、システムよって実行される方法が提供される。前記方法は、前記V-SMFが、PDNへのセッションの生成を要求する通信端末のセッション生成要求を、予め定められたH-SMF選択条件に基づいて前記複数のH-SMFの中から前記セッション生成要求の送信対象として選択されたH-SMFに送信する要求送信段階を備えてよい。前記方法は、前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記H-SMFが、前記セッション生成要求を受信する要求受信段階を備えてよい。前記方法は、前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記H-SMFが、前記要求受信段階で前記セッション生成要求を受信したことに応じて、前記通信端末のIPアドレスと、前記H-SMFの前記IPアドレスと、前記H-SMFの前記IPアドレスとは異なる前記H-UPFの前記IPアドレスと、前記各H-SMFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記各H-UPFの通信トンネルに割り当てられ且つ前記各H-SMFの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDと、前記V-SMFのIPアドレスと、前記V-SMFの前記IPアドレスとは異なる前記V-UPFのIPアドレスと、前記V-SMFの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、前記V-UPFの通信トンネルに割り当てられ且つ前記V-SMFの通信トンネルに割り当てられる前記TEIDとは異なるTEIDとを含む、前記通信端末のセッション情報を生成するセッション情報生成段階を備えてよい。前記方法は、前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記H-SMFが、前記セッション情報生成段階で生成された前記セッション情報を前記記憶部に登録する登録段階を備えてよい。前記方法は、前記セッション生成要求の前記送信対象として選択された前記H-SMFが、前記セッション情報生成段階で前記セッション情報が生成されたことに応じて、前記通信端末のセッション生成応答を前記V-SMFに送信する応答送信段階を備えてよい。前記方法は、前記V-SMFが、前記セッション生成応答を受信する応答受信段階を備えてよい。前記方法は、前記V-UPFが、前記応答受信段階で前記V-SMFが前記セッション生成応答を受信した後、前記通信端末のアップリンクデータを、予め定められたH-UPF選択条件に基づいて前記複数のH-UPFの中から前記アップリンクデータの送信対象として選択されたH-UPFに送信するデータ送信段階を備えてよい。前記方法は、前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記H-UPFが、前記アップリンクデータを受信するデータ受信段階を備えてよい。前記方法は、前記アップリンクデータの前記送信対象として選択された前記H-UPFが、前記データ受信段階で前記アップリンクデータを受信した場合において、前記H-UPFが前記セッション情報を保持していない場合、前記記憶部から前記セッション情報を取得するセッション情報取得段階を備えてよい。
【0014】
尚、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】システム10の処理の流れの一例を説明するための説明図である。
【
図5】システム10の処理の流れの他の一例を説明するための説明図である。
【
図6】PGW100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図7】SGW300の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図9】システム10の処理の流れの他の一例を説明するための説明図である。
【
図12】システム10の処理の流れの他の一例を説明するための説明図である。
【
図13】H-SMF420の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図14】H-UPF440の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図15】V-SMF620の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図16】V-UPF640の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図17】PGW100、SGW300、H-SMF420、H-UPF440、V-SMF620、又はV-UPF640として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
国際ローミングでHome Routed方式で通信を行う際、LTE(Long Term Evolution)通信の場合、VPLMN(Visited Public Land Mobile Network)側のSGWからHPLMN(Home Public Land Mobile Network)側の特定のPGWに対してセッション生成とGTP(GPRS Tunneling Protocol)トンネルの生成とが行われる。本実施形態に係るシステムは、例えば、IP Anycastを用いて地理的に異なる複数のHPLMNのそれぞれのPGWに対して同一のIPアドレスを割り当て、BGP(Border Gateway Protocol)のベストパス選択アルゴリズムによって選択された拠点に存在するHPLMN側のPGWが、SGWから通信端末のファーストパケットを受信したことをトリガーとしてセッション情報を取得して当該通信端末のパケットを処理する仕組みを採用する。ベストパス選択アルゴリズムによって選択された拠点に存在するHPLMN側のPGWだけがセッション情報を取得する構成にすることによって、他の拠点に存在するHPLMN側のPGWがセッション情報を取得する必要がなくなり、その結果、システム全体としてリソースの消費を抑制できる。
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、システム10の一例を概略的に示す。システム10は、移動体通信サービスを通信端末60のユーザに提供する。システム10は、例えば、ローミングサービスを通信端末60のユーザに提供する。
【0019】
ローミングサービスは、例えば、国際ローミングサービスを含む。ローミングサービスは、例えば、国内ローミングサービスを含む。
【0020】
通信端末60は、システム10によって提供される移動体通信サービスを利用可能であればどのような通信端末であってもよい。例えば、通信端末60は、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末及びウェアラブル端末等である。
【0021】
システム10によって提供される移動体通信サービスは、例えば、LTE通信サービスである。システム10によって提供される移動体通信サービスは、例えば、5G(5th Generation)通信サービスである。システム10によって提供される移動体通信サービスは、6G(6th Generation)通信サービスであってもよい。システム10によって提供される移動体通信サービスは、3G(3rd Generation)通信サービスであってもよい。
図1では、システム10によって提供される移動体通信サービスがLTE通信サービスである場合の一例が示されている。
【0022】
システム10は、複数のPGWを備えてよい。
図1では、システム10がPGW100及びPGW200の2つのPGWを備える一例を図示している。システム10が備えるPGWの数は、2つに限らず、3つ以上であってもよい。システム10は、SGW300を備えてよい。
【0023】
システム10は、ルータ22を備えてよい。システム10は、データベース32を備えてよい。システム10は、ルータ24を備えてよい。システム10は、データベース34を備えてよい。システム10は、ルータ26を備えてよい。
【0024】
複数のPGWの各PGWは、例えば、ASNが異なるネットワークに配置されており、且つ、各PGWには同一のIPアドレスが割り当てられている。例えば、同一のIPアドレスを各PGWに割り当てるために、IP Anycastが用いられる。
【0025】
例えば、CUPS(Control and User Plane Separation)アーキテクチャがLTE通信システムに導入されている場合、複数のPGWの各PGWは、PGW-C及びPGW-Uに分離されている。この場合、各PGW-Cには同一のIPアドレスが割り当てられており、且つ、各PGW-Uには同一のIPアドレスが割り当てられている。ここで、
図1に示されるPGW100及びPGW200のそれぞれの構成について説明する。
【0026】
PGW100は、PDN40へのアクセスを中継する機能を有する。PGW100は、例えば、通信端末60のユーザにSIM(Subscriber Identity Module)カードを発行した通信事業者のネットワークであるHPLMNに配置されている。
【0027】
PDN40は、例えば、インターネットを含む。PDN40は、任意のプライベートネットワークを含んでもよい。
【0028】
PGW100は、例えば、第1国のネットワークに配置されている。
図1に示されるシステム10の一例において、PGW100は、ASNが65001である、日本の東京のネットワークに配置されている。
【0029】
図1に示されるシステム10の一例のように、PGW100は、PGW-C120及びPGW-U140に分離されてよい。PGW100は、PGW-C120及びPGW-U140に分離されていなくてもよい。
【0030】
PGW100には、IPアドレス割り当てられてよい。
図1に示されるシステム10の一例において、PGW-C120にはサブネットマスク32のIPアドレスA.A.A.Aが割り当てられており、PGW-U140にはサブネットマスク32のB.B.B.Bが割り当てられている。
【0031】
PGW200は、PDN40へのアクセスを中継する機能を有する。PGW200は、PGW100と同様の機能を有してよい。
【0032】
PGW200は、例えば、通信端末60のユーザにSIMカードを発行した通信事業者のHPLMNに配置されている。ここでは、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)やIMEI(International Mobile Equipment Identity)等のような、通信端末60のユーザを認証するために用いられ、SIMカードに記録されている通信端末60のユーザの加入者情報は、PGW100が配置されているHPLMNとPGW200が配置されているHPLMNとの間で予め同期されているものとして、説明を続ける。
【0033】
PGW200は、例えば、PGW100が配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置されている。PGW200は、例えば、第1国とは異なる第2国のネットワークに配置されている。
図1に示されるシステム10の一例において、PGW200は、ASNが65002である、シンガポールのネットワークに配置されている。
【0034】
PGW200は、第1国のネットワークに配置されてもよい。例えば、PGW100が日本の東京のネットワークに配置されている場合に、PGW200は、日本の大阪のネットワークに配置されてよい。
【0035】
図1に示されるシステム10の一例のように、PGW200は、PGW-C220及びPGW-U240に分離されてよい。PGW200は、PGW-C220及びPGW-U240に分離されていなくてもよい。
【0036】
PGW200には、IPアドレスが割り当てられてよい。
図1に示されるシステム10の一例において、PGW-C220にはサブネットマスク32のIPアドレスA.A.A.Aが割り当てられており、PGW-U240にはサブネットマスク32のB.B.B.Bが割り当てられている。
【0037】
SGW300は、無線アクセスネットワークからのアクセスを中継する機能を有する。SGW300は、例えば、通信端末60のユーザの訪問先の通信事業者のネットワークであるVPLMNに配置されている。通信端末60のユーザにSIMカードを発行した通信事業者は、通信端末60のユーザの訪問先の通信事業者と予め業務提携をしていてよい。
図1に示されるシステム10の一例において、SGW300は、ASNが65003である、シンガポールの通信事業者Aのネットワークに配置されている。
【0038】
図1に示されるシステム10の一例のように、CUPSアーキテクチャがLTE通信システムに導入されている場合、SGW300は、SGW-C320及びSGW-U340に分離されてよい。SGW300は、SGW-C320及びSGW-U340に分離されていなくてもよい。
【0039】
SGW300には、IPアドレスが割り当てられてよい。
図1に示されるシステム10の一例において、SGW-C320にはサブネットマスク32のIPアドレスC.C.C.Cが割り当てられており、SGW-U340にはサブネットマスク32のD.D.D.Dが割り当てられている。
【0040】
ルータ22は、データを中継する機能を有する。ルータ22は、例えば、アップリンクデータを中継する。ルータ22は、例えば、ダウンリンクデータを中継する。
【0041】
ルータ22は、例えば、PGW100が配置されているHPLMNに配置されている。ルータ22は、PGW100から分離されていてもよく、PGW100と一体であってもよい。
【0042】
ルータ24は、データを中継する機能を有する。ルータ24は、ルータ22と同様の機能を有する。
【0043】
ルータ24は、例えば、PGW200が配置されているHPLMNに配置されている。ルータ24は、PGW200から分離されていてもよく、PGW200と一体であってもよい。
【0044】
ルータ26は、データを中継する機能を有する。ルータ26は、例えば、アップリンクデータを中継する。ルータ26は、例えば、ダウンリンクデータを中継する。
【0045】
ルータ26は、例えば、SGW300が配置されているVPLMNに配置されている。ルータ26は、SGW300から分離されていてもよく、SGW300と一体であってもよい。
【0046】
例えば、組織間の経路情報が、BGPに従って、ルータ22、ルータ24、及びルータ26の間で交換される。例えば、経路情報が変更されたことに応じて、経路情報が、ルータ22、ルータ24、及びルータ26の間で交換される。経路情報が、ルータ22、ルータ24、及びルータ26の間で定期的に交換されてもよい。
【0047】
経路情報は、例えば、ルータが配置されているネットワークのASNを含む。経路情報は、例えば、当該ネットワークに配置されている装置に割り当てられているIPアドレスを含む。経路情報は、当該ネットワークに配置されている装置に割り当てられているIPアドレスのサブネットマスクを含んでもよい。サブネットマスクは、例えば、プレフィックス表記で表現される。
【0048】
ルータ22は、例えば、ルータ26に向けて経路情報を広報する。ルータ22は、HPLMNとVPLMNとの間を中継するIPX(IP eXchange)に向けて経路情報を広報してもよい。ルータ24は、ルータ22と同様にして、経路情報を広報してよい。
【0049】
図1に示されるシステム10の一例において、ルータ22は、ASN=65001、PGW-C120のIPアドレス=A.A.A.A/32、及び、PGW-U140のIPアドレス=B.B.B.B/32を広報する。また、
図1に示されるシステム10の一例において、ルータ24は、ASN=65002、PGW-C220のIPアドレス=A.A.A.A/32、及び、PGW-U240のIPアドレス=B.B.B.B/32を広報する。
【0050】
ルータ26は、例えば、ルータ22及びルータ24に向けて経路情報を広報する。ルータ22は、IPXに向けて経路情報を広報してもよい。
図1に示されるシステム10の一例において、ルータ26は、ASN=65003、SGW-C320のIPアドレス=C.C.C.C/32、及び、SGW-U340のIPアドレス=D.D.D.D/32を広報する。
【0051】
ルータ26は、例えば、ルートテーブルを生成する。ルータ26は、例えば、ルータ22及びルータ24のそれぞれによって広報された経路情報に基づいて、ルートテーブルを生成する。ルータ26は、例えば、ルータが配置されているネットワークのASNと、当該ネットワークに配置されている装置に割り当てられているIPアドレスとを対応付けることによって、ルートテーブルを生成する。
図1に示されるシステム10の一例において、ルータ26は、ASN=65001且つPGW-C120のIPアドレス=A.A.A.A/32、ASN=65001且つPGW-U140のIPアドレス=B.B.B.B/32、ASN=65002且つPGW-C220のIPアドレス=A.A.A.A/32、及び、ASN=65002且つPGW-U240のIPアドレス=B.B.B.B/32を含むルートテーブルを生成している。
【0052】
SGW300は、例えば、VPLMNを訪問したユーザの通信端末60の、PDN40へのセッションの生成を要求するセッション生成要求を受信する。セッション生成要求は、例えば、通信端末60のIPアドレスを含む。セッション生成要求は、例えば、通信端末60のIMSIを含む。セッション生成要求は、例えば、通信端末60のAPN(Access Point Name)を含む。セッション生成要求は、例えば、SGW300のIPアドレスを含む。例えば、SGW300がSGW-C320及びSGW-U340に分離されている場合、SGW300のIPアドレスは、SGW-C320のIPアドレスと、SGW-C320のIPアドレスとは異なるSGW-U340のIPアドレスとを含む。セッション生成要求は、例えば、SGW300の通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。例えば、SGW300がSGW-C320及びSGW-U340に分離されている場合、SGW300の通信トンネルに割り当てられるTEIDは、SGW-C320の通信トンネルに割り当てられるTEIDと、SGW-U340の通信トンネルに割り当てられ且つSGW-C320の通信トンネルに割り当てられるTEIDとは異なるTEIDとを含む。SGW300がSGW-C320及びSGW-U340に分離されていない場合、SGW300のU-Plane(User-Plane)機能の通信トンネルに割り当てられるTEIDは、SGW300のC-Plane(Control-Plane)機能の通信トンネルに割り当てられるTEIDと同一であってもよく、異なっていてもよい。セッション生成要求は、例えば、システム10が備えるPGWのIPアドレスを含む。例えば、システム10が備える複数のPGWの各PGWがPGW-C及びPGW-Uに分離されている場合、システム10が備えるPGWのIPアドレスは、PGW-CのIPアドレスと、PGW-CのIPアドレスとは異なるPGW-UのIPアドレスとを含む。セッション生成要求は、通信端末60のPDN40へのセッションを生成するためのその他の任意の情報を含んでもよい。
【0053】
SGW300は、ルータ26を用いて、受信した通信端末60のセッション生成要求を送信してよい。ルータ26は、予め定められたPGW選択条件に基づいて、システム10が備える複数のPGWの中から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるPGWを選択してよい。
【0054】
ルータ26は、例えば、通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるPGWとして、システム10が備える複数のPGWの中からSGW300までの距離が最も短い経路を有するPGWを選択する。ルータ26は、例えば、同一のIPアドレスが割り当てられているPGWが複数存在する場合、生成したルートテーブルに基づいて、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるPGWとして、同一のIPアドレスが割り当てられている複数のPGWの中からSGW300までの距離が最も短い経路を有するPGWを選択する。
【0055】
図1に示されるシステム10の一例において、PGW100からSGW300までの経路は、東京に構築されているネットワーク12及びシンガポールに構築されているネットワーク14を経由している。それに対して、PGW200からSGW300までの経路は、ネットワーク14のみを経由している。したがって、
図1に示されるシステム10の一例において、SGW300がルータ26を用いてPGW100及びPGW200の両方に対して通信端末60のセッション生成要求を送信可能な状態である場合、PGW200からSGW300までの経路の距離がPGW100からSGW300までの経路の距離より短いので、ルータ26は、通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるPGWとして、PGW100及びPGW200の中からPGW200を選択する。ここでは、ルータ26が通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるPGWとしてPGW200を選択したものとして、説明を続ける。
【0056】
SGW300は、ルータ26を用いて、ネットワーク14を介して通信端末60のセッション生成要求をPGW200に送信してよい。PGW200は、ルータ24を用いて、ネットワーク14を介して通信端末60のセッション生成要求を受信してよい。PGW200は、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたPGWの一例であってよい。
【0057】
PGW200は、SGW300から通信端末60のセッション生成要求を受信したことに応じて、通信端末60のセッション情報を生成してよい。セッション情報は、例えば、通信端末60のIPアドレスを含む。セッション情報は、例えば、通信端末60のIMSIを含む。セッション情報は、例えば、システム10が備えるPGWのIPアドレスを含む。セッション情報は、例えば、システム10が備える複数のPGWの各PGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。例えば、各PGWがPGW-C及びPGW-Uに分離されている場合、各PGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDは、各PGW-Cの通信トンネルに割り当てられるTEIDと、各PGW-Uの通信トンネルに割り当てられ且つ各PGW-Cの通信トンネルに割り当てられるTEIDとは異なるTEIDとを含む。各PGWがPGW-C及びPGW-Uに分離されていない場合、各PGWのU-Plane機能の通信トンネルに割り当てられるTEIDは、各PGWのC-Plane機能の通信トンネルに割り当てられるTEIDと同一であってもよく、異なっていてもよい。セッション情報は、例えば、SGW300のIPアドレスを含む。セッション情報は、例えば、SGW300の通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。セッション情報は、通信端末60のPDN40へのセッションを生成するためのその他の任意の情報を含んでもよい。
【0058】
PGW200は、生成した通信端末60のセッション情報を、PGW200に対応するデータベース34に登録してよい。PGW200は、例えば、データベース34のIPアドレスを予め格納してよい。
【0059】
データベース34は、例えば、通信端末60のセッション情報を一時的に格納するメッセージキューを含む。データベース34は、記憶部の一例であってよい。
【0060】
データベース34は、PGW200から分離されてよい。データベース34は、PGW200と一体であってもよい。
【0061】
データベース34は、例えば、PGW200が配置されているネットワークに配置されている。データベース34は、PGW200が配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置されていてもよい。
【0062】
データベース34は、登録された通信端末60のセッション情報を、データベース34と、PGW100に対応するデータベース32との間で同期させてよい。データベース32は、記憶部の一例であってよい。
【0063】
データベース34は、例えば、Pub/Sub(Publish/Subscribe)方式を用いて、通信端末60のセッション情報をデータベース34とデータベース32との間で同期させる。この場合、データベース34がパブリッシャーであってもよく、データベース32がサブスクライバーであってよい。
【0064】
例えば、データベース34は、通信端末60のセッション情報を含むメッセージをトピックに送信する。データベース32は、データベース34によってメッセージが送信されたトピックに対応するサブスクリプションからメッセージを受信することによって、通信端末60のセッション情報を取得する。これにより、通信端末60のセッション情報がデータベース34とデータベース32との間で同期される。
【0065】
データベース32は、PGW100から分離されてよい。データベース32は、PGW100と一体であってもよい。
【0066】
データベース32は、例えば、PGW100が配置されているネットワークに配置されている。データベース32は、PGW100が配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置されていてもよい。
【0067】
PGW200は、通信端末60のセッション情報を生成したことに応じて、ルータ24を用いて、ネットワーク14を介して、通信端末60のセッション生成要求に対する通信端末60のセッション生成応答をSGW300に送信してよい。セッション生成応答は、例えば、システム10が備えるPGWのIPアドレスを含む。セッション生成応答は、例えば、システム10が備える複数のPGWの各PGWの通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。セッション生成応答は、通信端末60のPDN40へのセッションを生成するためのその他の任意の情報を含んでもよい。
【0068】
SGW300は、ルータ26を用いて、ネットワーク14を介して通信端末60のセッション生成応答を受信してよい。これにより、SGW300は、通信端末60のセッション生成応答に基づいて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成できる。
【0069】
その後、SGW300は、通信端末60から、通信端末60のアップリンクデータを受信してよい。SGW300は、ルータ26を用いて、受信した通信端末60のアップリンクデータを送信してよい。
【0070】
ルータ26は、例えば、PGW選択条件に基づいて、システム10が備える複数のPGWの中から通信端末60のアップリンクデータの送信対象のPGWを選択する。ルータ26は、例えば、同一のIPアドレスが割り当てられているPGWが複数存在する場合、生成したルートテーブルに基づいて、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、通信端末60のアップリンクデータの送信対象のPGWとして、同一のIPアドレスが割り当てられている複数のPGWの中からSGW300までの距離が最も短い経路を有するPGWを選択する。
【0071】
図1に示されるシステム10の一例において、SGW300がルータ26を用いてPGW100及びPGW200の両方に対して通信端末60のアップリンクデータを送信可能な状態である場合、ルータ26は、通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるPGWとして、PGW100及びPGW200の中からPGW200を選択する。ここでは、ルータ26が通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるPGWとしてPGW200を選択したものとして、説明を続ける。
【0072】
SGW300は、ルータ26を用いて、ネットワーク14を介して通信端末60のアップリンクデータをPGW200に送信してよい。PGW200は、ルータ24を用いて、ネットワーク14を介して通信端末60のアップリンクデータを受信してよい。PGW200は、通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたPGWの一例であってよい。
【0073】
PGW200は、通信端末60のアップリンクデータを受信した場合において、通信端末60のセッション情報を保持していない場合、データベース34から通信端末60のセッション情報を取得し、データベース34から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて通信端末60のデータを処理する。一方で、PGW200は、通信端末60のアップリンクデータを受信した場合において、通信端末60のセッション情報を保持している場合、保持している通信端末60のセッション情報に基づいて通信端末60のデータを処理する。
【0074】
例えば、PGW200は、通信端末60のアップリンクデータをPDN40に送信することによって、通信端末60のデータを処理する。PGW200は、PDN40を介して受信した通信端末60のダウンリンクデータを通信端末60に送信することによって、通信端末60のデータを処理してもよい。
【0075】
例えば、システム10が備える複数のHPLMNのうちの一のPGWに故障が発生した場合や当該一のPGWのメンテナンスが開始された場合等のような、システム10が備える複数のPGWの少なくとも1つのPGWの状態が変化した場合、ルータ26は、ルートテーブルを更新する。ルータ26は、更新したルートテーブルに基づいて、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、システム10が備える複数のPGWの中から通信端末60のアップリンクデータの送信対象のPGWを選択してよい。
【0076】
図1に示されるシステム10の一例において、SGW300がルータ26を用いて通信端末60のアップリンクデータをPGW200に送信している場合において、SGW300がルータ26を用いてPGW100及びPGW200の両方に対して通信端末60のアップリンクデータを送信可能な状態からSGW300がルータ26を用いてPGW100に対してのみ通信端末60のアップリンクデータを送信可能な状態に変化した場合、ルータ26は、ルートテーブルを更新してよい。その後、ルータ26は、更新したルートテーブルに基づいて、通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるPGWとして、PGW100を選択してよい。
【0077】
SGW300は、ルータ26を用いて、ネットワーク14及びネットワーク12を介して通信端末60のアップリンクデータをPGW100に送信してよい。PGW100は、ルータ22を用いて、ネットワーク14及びネットワーク12を介して通信端末60のアップリンクデータを受信してよい。PGW100は、通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたPGWの一例であってよい。
【0078】
PGW100は、通信端末60のアップリンクデータを受信した場合において、通信端末60のセッション情報を保持していない場合、データベース32から、データベース32とデータベース34との間で同期されている通信端末60セッション情報を取得し、データベース32から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて通信端末60のデータを処理する。一方で、PGW100は、通信端末60のアップリンクデータを受信した場合において、通信端末60のセッション情報を保持している場合、保持している通信端末60のセッション情報に基づいて通信端末60のデータを処理する。
【0079】
図1に示されるシステム10の一例において、通信端末60のデータが、SGW300及びPGW200を介する通信端末60とPDN40との間の経路で通信される場合、通信端末60のデータは、国内ローミングによって通信される。一方で、
図1に示されるシステム10の一例において、通信端末60のデータがSGW300及びPGW100を介する通信端末60とPDN40との間の経路で通信される場合、通信端末60のデータは、国際ローミングによって通信される。
【0080】
図1に示されるシステム10の一例において、SGW300が通信端末60のセッション生成要求を送信するタイミングでSGW300がルータ26を用いてPGW100に対してのみ通信端末60のセッション生成要求を送信可能な状態である場合、ルータ26は、通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるPGWとして、PGW100を選択する。この場合、SGW300は、ルータ26を用いて、ネットワーク14及びネットワーク12を介して通信端末60のセッション生成要求をPGW100に送信してよい。PGW100は、ルータ22を用いて、ネットワーク14及びネットワーク12を介して通信端末60のセッション生成要求を受信してよい。PGW100は、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたPGWの一例であってよい。
【0081】
PGW100は、SGW300からセッション生成要求を受信したことに応じて、通信端末60のセッション情報を生成してよい。PGW100は、生成した通信端末60のセッション情報を、データベース32に登録してよい。PGW100は、例えば、データベース32のIPアドレスを予め格納してよい。
【0082】
データベース32は、データベース34と同様の機能を有してよい。例えば、PGW100が通信端末60のセッション情報をデータベース32に登録した場合、データベース32は、データベース34と同様にして、通信端末60のセッション情報をデータベース32とデータベース34との間で同期させる。
【0083】
図1に示されるシステム10の一例において、通信端末60のユーザにSIMカードを発行した通信事業者は、3以上の拠点にHPLMNを構築してもよい。この場合、3以上の拠点の各拠点のPGWに対して同一のIPアドレスが割り当てられてよい。
【0084】
従来、ローミングサービスを提供する通信事業者によって複数の拠点に構築されているHPLMNの各PGWには、IP Unicastを用いて異なるIPアドレスが割り当てられていた。したがって、VPLMNのSGWとHPLMNのPGWとの間にセッションが生成される場合、VPLMNのSGWに対応するMME(Mobility Management Entity)は、IPアドレスが異なるHPLMNの複数のPGWから一のPGWを選択しなければならなかった。その結果、VPLMNのSGWとVPLMNのSGWまでの距離が遠いHPLMNのPGWとの間にセッションが生成された場合に、通信端末の通信遅延が発生する恐れがあった。特に、国際ローミングサービスを提供する通信事業者が第1国及び第2国にHPLMNを構築している状況下において、第2国のVPLMNのSGWと第1国のHPLMNのPGWとの間にセッションが生成された場合、第2国のVPLMNのSGWと第2国のHPLMNのPGWとの間にセッションが生成された場合には不必要な国際通信が必要となるので、通信端末の通信遅延が発生する恐れがより一層高まる。
【0085】
これに対して、
図1に示されるシステム10によれば、ローミングサービスを提供する通信事業者によって複数の拠点に構築されているHPLMNの各PGWには、IP Anycastを用いて同一のIPアドレスが割り当てられている。VPLMNのSGW300は、PGW選択条件に基づいて通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるHPLMNのPGWとして選択されたPGWに対して通信端末60のセッション生成要求を送信し、PGW選択条件に基づいて通信端末60のアップリンクデータの送信対象のHPLMNのPGWとして選択されたPGWに対して通信端末60のアップリンクデータを送信する。これにより、SGW300が、SGW300までの距離が短いPGWに対して通信端末60のセッション生成要求や通信端末60のアップリンクデータを優先的に送信できるので、
図1に示されるシステム10は、通信端末60の通信遅延の発生が抑制されたLTE通信サービスの実現に貢献する。そして、SGW300から通信端末60のセッション生成要求を受信したPGWは、通信端末60のセッション情報を生成し、生成した通信端末60のセッション情報を当該PGWに対応するデータベースに登録する。通信端末60のセッション情報が登録されたデータベースは、他のPGWに対応するデータベースとの間で通信端末60のセッション情報を同期させる。その後、SGW300から通信端末60のアップリンクデータを受信したPGWは、通信端末60のセッション情報を保持していない場合、当該PGWに対応するデータベースから取得した通信端末60のセッション情報に基づいて通信端末60のデータを処理し、通信端末60のセッション情報を保持している場合、保持している通信端末60セッション情報に基づいて通信端末60のデータを処理する。このように、SGW300から通信端末60のアップリンクデータを受信したPGWが通信端末60のセッション情報を保持していないことをトリガーとしてデータベースから通信端末60のセッション情報を取得する構成を採用することで、通信端末60のデータを処理しないPGWは、通信端末60のセッション情報を取得する必要がなくなる。その結果、
図1に示されるシステム10は、通信リソースの消費が抑制されたLTE通信サービスの実現に貢献する。
【0086】
図2は、システム10の処理の流れの一例を説明するための説明図である。ここでは、通信端末60のユーザがVPLMNを訪問した状態を開始状態として説明する。
【0087】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102において、SGW-C320は、PDN40へのセッションの生成を要求する通信端末60のセッション生成要求を送信する。SGW-C320は、例えば、通信端末60からのアタッチ要求を受け付けて通信端末60の認証処理を実行した、SGW300に対応するMMEから受信した通信端末60のセッション生成要求を送信する。ここでは、SGW-C320がルータ26を用いてPGW-C120及びPGW-C220の両方に対して通信端末60のセッション生成要求を送信可能な状態であり、ルータ26が予め定められたPGW-C選択条件に基づいて通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるPGW-CとしてPGW-C220を選択し、SGW-C320がルータ26を用いてPGW-C220に通信端末60のセッション生成要求を送信したものとして、説明を続ける。
【0088】
PGW-C220は、SGW-C320から通信端末60のセッション生成要求を受信する。PGW-C220は、受信した通信端末60のセッション生成要求に基づいて、通信端末60のセッション情報を生成してよい。
【0089】
S104において、PGW-C220は、生成した通信端末60のセッション情報をデータベース34に登録する。S106において、データベース34は、S104でPGW-C220によって登録された通信端末60のセッション情報を、データベース34とデータベース32との間で同期させる。
【0090】
S108において、PGW-C220は、通信端末60のセッション生成要求に対する通信端末60のセッション生成応答をSGW-C320に送信する。SGW-C320は、PGW-C220から通信端末60のセッション生成応答を受信する。SGW-C320は、SGW-C320及びSGW-U340が通信端末60のセッション生成応答を利用できるように、受信した通信端末60のセッション生成応答を格納してよい。
【0091】
S110において、SGW-U340は、S108でSGW-C320が受信した通信端末60のセッション生成応答に基づいて、通信端末60のアップリンクデータを送信する。ここでは、SGW-U340がルータ26を用いてPGW-U140及びPGW-U240の両方に対して通信端末60のアップリンクデータを送信可能な状態であり、ルータ26が予め定められたPGW-U選択条件に基づいて通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるPGW-UとしてPGW-U240を選択し、SGW-U340がルータ26を用いてPGW-U240に通信端末60のアップリンクデータを送信し、PGW-U240が通信端末60のセッション情報を保持していないものとして、説明を続ける。
【0092】
S112において、PGW-U240は、S110で受信した通信端末60のアップリンクデータを処理するための通信端末60のセッション情報を保持していないので、データベース34から通信端末60のセッション情報を取得する。PGW-U240は、データベース34から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて、通信端末60のデータを処理する。
【0093】
S114において、PGW-U240のメンテナンス作業が開始される。ルータ26は、PGW-U240のメンテナンス作業が開始されたことに応じて、ルートテーブルを更新してよい。
【0094】
S116において、SGW-U340は、S108でSGW-C320が受信した通信端末60のセッション生成応答に基づいて、通信端末60のアップリンクデータを送信する。ここでは、SGW-U340がルータ26を用いてPGW-U140に対してのみ通信端末60のアップリンクデータを送信可能な状態であり、SGW-U340がルータ26を用いてPGW-U140に通信端末60のアップリンクデータを送信し、PGW-U140が通信端末60のセッション情報を保持していないものとして、説明を続ける。
【0095】
S118において、PGW-U140は、S116で受信した通信端末60のアップリンクデータを処理するための通信端末60のセッション情報を保持していないので、データベース32から、S106でデータベース32とデータベース34との間で同期されている通信端末60のセッション情報を取得する。PGW-U140は、データベース32から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて、通信端末60のデータを処理する。
【0096】
図3は、システム10の他の一例を概略的に示す。ここでは、
図1に示されるシステム10とは異なる点を主に説明する。
【0097】
PGW-C120は、クラウド上に配置されてよい。PGW-C120は、PDN40と同一のネットワーク上に配置されてもよく、PDN40とは異なるネットワーク上に配置されてもよい。
図3に示されるシステム10の一例において、PGW-C120は、ASNが65001であるクラウド上のリージョン1に配置されている。
【0098】
PGW-C220は、クラウド上に配置されてよい。PGW-C220は、PDN40と同一のネットワーク上に配置されてもよく、PDN40とは異なるネットワーク上に配置されてもよい。
図3に示されるシステム10の一例において、PGW-C220は、ASNが65002であるクラウド上のリージョン2に配置されている。
【0099】
システム10は、クラウド上に配置されているデータベース48をさらに備えてよい。データベース48は、PDN40と同一のネットワーク上に配置されてもよく、PDN40とは異なるネットワーク上に配置されてもよい。データベース48は、記憶部の一例であってよい。
【0100】
システム10が備える複数のPGWの各PGWは、データベース48にアクセス可能であってよい。各PGWは、例えば、PDN40を介して、データベース48にアクセスする。各PGWは、データベース48に直接アクセスしてもよい。
【0101】
通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたPGWのPGW-Cは、生成した通信端末60のセッション情報を、データベース48に登録してよい。通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたPGWのPGW-Uは、PGWが通信端末60のセッション情報を保持していない場合、データベース48から通信端末60のセッション情報を取得し、データベース48から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて通信端末60のデータを処理してよい。
【0102】
システム10は、クラウド上の物理リソースを管理するリソース管理装置700をさらに備えてよい。リソース管理装置700は、例えば、システム10が備える複数のPGW-Cの各PGW-Cに対してクラウド上の物理リソースを割り当てることによって、クラウド上の物理リソースを管理する。
【0103】
物理リソースは、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む。物理リソースは、例えば、メモリを含む。物理リソースは、移動体通信サービスに関する処理に用いられるその他の任意の構成要素を含んでもよい。
【0104】
リソース管理装置700は、例えば、各PGW-Cの負荷状況に基づいて、各PGW-Cに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定する。リソース管理装置700は、例えば、単位時間当たりに受信するセッション生成要求の数がより多いPGW-Cに対してより多くのリソース量を割り当てるように、各PGW-Cに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定する。リソース管理装置700は、例えば、単位時間当たりのトラフィック量がより多いPGW-Cに対してより多くのリソース量を割り当てるように、各PGW-Cに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定する。リソース管理装置700は、処理速度がより遅いPGW-Cに対してより多くのリソース量を割り当てるように、各PGW-Cに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定してもよい。
【0105】
リソース管理装置700は、例えば、各PGW-Cに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を示すリソース量情報を各PGW-Cに送信する。リソース管理装置700は、例えば、PDN40を介して、リソース量情報を各PGW-Cに送信する。
【0106】
各PGW-Cは、リソース管理装置700からリソース量情報を受信してよい。各PGW-Cは、リソース管理装置700によって割り当てられたクラウド上の物理リソースを用いて、移動体通信サービスに関する処理を実行してよい。
【0107】
リソース管理装置700は、例えば、クラウド上の物理リソースの使用状況に基づいて、各PGW-Cに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更する。リソース管理装置700は、例えば、クラウド上のCPUの使用率に基づいて、各PGW-Cに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更する。リソース管理装置700は、例えば、クラウド上のCPUの使用率が予め定められたCPU使用率閾値より上回ったタイミングで、各PGW-Cに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更する。リソース管理装置700は、クラウド上のCPUの使用率が予め定められたCPU使用率閾値より下回ったタイミングで、各PGW-Cに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更してもよい。リソース管理装置700は、クラウド上のメモリの使用率に基づいて、各PGW-Cに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更してもよい。リソース管理装置700は、例えば、クラウド上のメモリの使用率が予め定められたメモリ使用率閾値より上回ったタイミングで、各PGW-Cに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更する。リソース管理装置700は、クラウド上のメモリの使用率が予め定められたメモリ使用率閾値より下回ったタイミングで、各PGW-Cに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更してもよい。リソース管理装置700は、各PGW-Cに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を定期的に変更してもよい。
【0108】
図3に示されるシステム10によれば、通信端末60のセッション情報がクラウド上に配置されているデータベース48に登録され、通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたPGWは、通信端末60のセッション情報を保持していない場合、データベース48から通信端末60のセッション情報を取得する。そして、通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたPGWは、データベース48から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて、通信端末60のデータを処理する。クラウド上に配置されているデータベース48に通信端末60のセッション情報を登録することによって、HPLMNの各拠点に配置されているデータベース間で通信端末60のセッション情報を同期させるべく、HPLMNの拠点間で通信端末60のセッション情報を送受信する必要がなくなる。その結果、
図3に示されるシステム10は、通信リソースの消費がより一層抑制され、且つ、情報漏洩のリスクをより軽減したLTE通信サービスの実現に貢献する。
【0109】
図4は、システム10の他の一例を概略的に示す。ここでは、
図3に示されるシステム10とは異なる点を主に説明する。
【0110】
PGW-U140は、クラウド上に配置されてよい。PGW-U140は、PDN40と同一のネットワーク上に配置されてもよく、PDN40とは異なるネットワーク上に配置されてもよい。
図4に示されるシステム10の一例において、PGW-U140は、ASNが65001であるクラウド上のリージョン1に配置されている。
【0111】
PGW-U240は、クラウド上に配置されてよい。PGW-U240は、PDN40と同一のネットワーク上に配置されてもよく、PDN40とは異なるネットワーク上に配置されてもよい。
図4に示されるシステム10の一例において、PGW-U240は、ASNが65002であるクラウド上のリージョン2に配置されている。
【0112】
システム10は、ルータ82をさらに備えてよい。PGW-C120は、例えば、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択された場合、ルータ82を用いて、ネットワーク14、ネットワーク12、及びルータ22を介して通信端末60のセッション生成要求を受信する。PGW-U140は、例えば、通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択された場合、ルータ82を用いて、ネットワーク14、ネットワーク12、及びルータ22を介して通信端末60のアップリンクデータを受信する。
【0113】
システム10は、ルータ84をさらに備えてよい。PGW-C220は、例えば、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択された場合、ルータ84を用いて、ネットワーク14及びルータ24を介して通信端末60のセッション生成要求を受信する。PGW-U240は、例えば、通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択された場合、ルータ84を用いて、ネットワーク14及びルータ24を介して通信端末60のアップリンクデータを受信する。
【0114】
リソース管理装置700は、例えば、システム10が備える複数のPGW-Uの各PGW-Uに対してクラウド上の物理リソースを割り当てることによって、クラウド上の物理リソースを管理する。リソース管理装置700は、例えば、各PGW-Uの負荷状況に基づいて、各PGW-Uに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定する。
【0115】
リソース管理装置700は、例えば、単位時間当たりに受信するアップリンクデータがより多いPGW-Uに対してより多くのリソース量を割り当てるように、各PGW-Uに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定する。リソース管理装置700は、例えば、単位時間当たりのトラフィック量がより多いPGW-Uに対してより多くのリソース量を割り当てるように、各PGW-Uに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定する。リソース管理装置700は、例えば、セッションの数がより多いPGW-Uに対してより多くのリソース量を割り当てるように、各PGW-Uに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定する。リソース管理装置700は、処理速度がより遅いPGW-Uに対してより多くのリソース量を割り当てるように、各PGW-Uに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定してもよい。
【0116】
リソース管理装置700は、例えば、各PGW-Uに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を示すリソース量情報を各PGW-Uに送信する。リソース管理装置700は、例えば、PDN40を介して、リソース量情報を各PGW-Uに送信する。
【0117】
各PGW-Uは、リソース管理装置700からリソース量情報を受信してよい。各PGW-Uは、リソース管理装置700によって割り当てられたクラウド上の物理リソースを用いて、移動体通信サービスに関する処理を実行してよい。
【0118】
リソース管理装置700は、例えば、クラウド上の物理リソースの使用状況に基づいて、各PGW-Uに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更する。リソース管理装置700は、例えば、クラウド上の物理リソースの使用状況に基づいて各PGW-Cに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更する場合と同様にして、クラウド上の物理リソースの使用状況に基づいて各PGW-Uに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更する。リソース管理装置700は、各PGW-Uに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を定期的に変更してもよい。
【0119】
図5は、システム10の処理の流れの他の一例を説明するための説明図である。ここでは、通信端末60のユーザがVPLMNを訪問した状態を開始状態として説明する。
【0120】
S202において、SGW-C320は、PDN40へのセッションの生成を要求する通信端末60のセッション生成要求を送信する。ここでは、SGW-C320がルータ26を用いてPGW-C120及びPGW-C220の両方に対して通信端末60のセッション生成要求を送信可能な状態であり、ルータ26がPGW-C選択条件に基づいて通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるPGW-CとしてPGW-C220を選択し、SGW-C320がルータ26を用いてPGW-C220に通信端末60のセッション生成要求を送信したものとして、説明を続ける。
【0121】
PGW-C220は、SGW-C320から通信端末60のセッション生成要求を受信する。PGW-C220は、受信した通信端末60のセッション生成要求に基づいて、通信端末60のセッション情報を生成してよい。
【0122】
S204において、PGW-C220は、生成した通信端末60のセッション情報を、クラウド上に配置されているデータベース48に登録する。S206において、PGW-C220は、通信端末60のセッション生成要求に対する通信端末60のセッション生成応答をSGW-C320に送信する。SGW-C320は、PGW-C220から通信端末60のセッション生成応答を受信する。
【0123】
S208において、SGW-U340は、S206でSGW-C320が受信した通信端末60のセッション生成応答に基づいて、通信端末60のアップリンクデータを送信する。ここでは、SGW-U340がルータ26を用いてPGW-U140及びPGW-U240の両方に対して通信端末60のアップリンクデータを送信可能な状態であり、ルータ26がPGW-U選択条件に基づいて通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるPGW-UとしてPGW-U240を選択し、SGW-U340がルータ26を用いてPGW-U240に通信端末60のアップリンクデータを送信し、PGW-U240が通信端末60のセッション情報を保持していないものとして、説明を続ける。
【0124】
S210において、PGW-U240は、S208で受信した通信端末60のアップリンクデータを処理するための通信端末60のセッション情報を保持していないので、クラウド上に配置されているデータベース48から通信端末60のセッション情報を取得する。PGW-U240は、データベース48から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて、通信端末60のデータを処理する。
【0125】
S212において、PGW-U240のメンテナンス作業が開始される。ルータ26は、PGW-U240のメンテナンス作業が開始されたことに応じて、ルートテーブルを更新してよい。
【0126】
S214において、SGW-U340は、S206でSGW-C320が受信した通信端末60のセッション生成応答に基づいて、通信端末60のアップリンクデータを送信する。ここでは、SGW-U340がルータ26を用いてPGW-U140に対してのみ通信端末60のアップリンクデータを送信可能な状態であり、SGW-U340がルータ26を用いてPGW-U140に通信端末60のアップリンクデータを送信し、PGW-U140が通信端末60のセッション情報を保持していないものとして、説明を続ける。
【0127】
S216において、PGW-U140は、S214で受信した通信端末60のアップリンクデータを処理するための通信端末60のセッション情報を保持していないので、クラウド上に配置されているデータベース48から通信端末60のセッション情報を取得する。PGW-U140は、データベース48から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて通信端末60のデータを処理する。
【0128】
図6は、PGW100の機能構成の一例を概略的に示す。PGW100は、要求受信部103、セッション情報生成部104、格納部106、登録部108、セッション情報同期部110、応答送信部112、データ受信部113、セッション情報取得部114、及びデータ送信部116を備える。尚、PGW100がこれらの全ての構成を備えることが必須とは限らない。
【0129】
要求受信部103は、PDN40へのセッションの生成を要求する通信端末60のセッション生成要求を受信する。要求受信部103は、システム10が備える複数のPGWの中からPGW100が通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択された場合、通信端末60のセッション生成要求を受信する。
【0130】
要求受信部103は、例えば、ルータを用いて、通信端末60のセッション生成要求を受信する。要求受信部103は、PGW100がルータ機能を備える場合、PGW100のルータ機能を用いて、通信端末60のセッション生成要求を受信してもよい。
【0131】
セッション情報生成部104は、通信端末60のセッション情報を生成する。セッション情報生成部104は、例えば、要求受信部103が通信端末60のセッション生成要求を受信したことに応じて、通信端末60のセッション情報を生成する。セッション情報生成部104は、生成した通信端末60のセッション情報を格納部106に格納してよい。
【0132】
登録部108は、セッション情報生成部104によって生成された通信端末60のセッション情報を記憶部に登録する。登録部108は、例えば、通信端末60のセッション情報をHPLMNの拠点に配置されているデータベースに登録する。登録部108は、例えば、通信端末60のセッション情報をクラウド上に配置されているデータベースに登録する。
【0133】
セッション情報同期部110は、登録部108によってHPLMNの拠点に配置されているデータベースに登録された通信端末60のセッション情報を、当該データベースと、HPLMNの他の拠点に配置されている他のデータベースとの間で同期させる。セッション情報同期部110は、例えば、Pub/Sub方式を用いて、通信端末60のセッション情報を当該データベースと当該他のデータベースとの間で同期させる。セッション情報同期部110は、その他の任意の方式を用いて、通信端末60のセッション情報を当該データベースと当該他のデータベースとの間で同期させてもよい。
【0134】
応答送信部112は、要求受信部103によって受信された通信端末60のセッション生成要求に対する通信端末60のセッション生成応答を、SGW300に送信する。応答送信部112は、例えば、セッション情報生成部104が通信端末60のセッション情報を生成したことに応じて、通信端末60のセッション生成応答をSGW300に送信する。応答送信部112は、例えば、登録部108が通信端末60のセッション情報を記憶部に登録したことに応じて、通信端末60のセッション生成応答をSGW300に送信する。応答送信部112は、セッション情報同期部110が通信端末60のセッション情報を、HPLMNの拠点に配置されているデータベースと、HPLMNの他の拠点に配置されている他のデータベースとの間で同期させたことに応じて、通信端末60のセッション生成応答をSGW300に送信してもよい。
【0135】
応答送信部112は、例えば、ルータを用いて、通信端末60のセッション生成応答を送信する。応答送信部112は、PGW100がルータ機能を備える場合、PGW100のルータ機能を用いて、通信端末60のセッション生成応答を送信してもよい。
【0136】
データ受信部113は、通信端末60のデータを受信する。データ受信部113は、例えば、システム10が備える複数のPGWの中からPGW100が通信端末60のデータの送信対象として選択された場合、通信端末60のデータを受信する。
【0137】
データ受信部113は、例えば、SGW300から、通信端末60のアップリンクデータを受信する。データ受信部113は、例えば、システム10が備える複数のPGWの中からPGW100が通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択された場合、通信端末60のアップリンクデータを受信する。データ受信部113は、第1データ受信部の一例であってよい。
【0138】
データ受信部113は、PDN40に配置されているサーバから、通信端末60のダウンリンクデータを受信してもよい。データ受信部113は、例えば、システム10が備える複数のPGWの中からPGW100が通信端末60のダウンリンクデータの送信対象として選択された場合、通信端末60のダウンリンクデータを受信する。この場合、PDN40は、プライベートネットワークであってよい。データ受信部113は、第2データ受信部の一例であってよい。
【0139】
データ受信部113は、例えば、ルータを用いて、通信端末60のデータを受信する。データ受信部113は、PGW100がルータ機能を備える場合、PGW100のルータ機能を用いて、通信端末60のデータを受信してもよい。
【0140】
セッション情報取得部114は、通信端末60のセッション情報を取得する。セッション情報取得部114は、例えば、データ受信部113が通信端末60のデータを受信した場合、通信端末60のセッション情報を取得する。セッション情報取得部114は、例えば、データ受信部113が通信端末60のアップリンクデータを受信した場合、通信端末60のセッション情報を取得する。セッション情報取得部114は、データ受信部113が通信端末60のダウンリンクを受信した場合、通信端末60のセッション情報を取得してもよい。
【0141】
例えば、セッション情報取得部114は、PGW100が通信端末60のセッション情報を保持していない場合、記憶部から通信端末60セッション情報を取得する。セッション情報取得部114は、例えば、データ受信部113が通信端末60のアップリンクデータを初めて受信した場合、記憶部から通信端末60のセッション情報を取得する。セッション情報取得部114は、データ受信部113が通信端末60のダウンリンクデータを初めて受信した場合、記憶部から通信端末60のセッション情報を取得してもよい。一方で、セッション情報取得部114は、PGW100が通信端末60のセッション情報を保持している場合、格納部106から通信端末60セッション情報を取得する。
【0142】
セッション情報取得部114は、第1セッション情報取得部の一例であってよい。セッション情報取得部114は、第2セッション情報取得部の一例であってよい。
【0143】
データ送信部116は、通信端末60のデータを送信する。データ送信部116は、例えば、セッション情報取得部114が取得した通信端末60のセッション情報に基づいて、通信端末60のデータを送信する。
【0144】
データ送信部116は、例えば、通信端末60のアップリンクデータを送信する。データ送信部116は、通信端末60のダウンリンクデータを送信してもよい。
【0145】
データ送信部116は、例えば、ルータを用いて、通信端末60のデータを送信する。データ送信部116は、PGW100がルータ機能を備える場合、PGW100のルータ機能を用いて、通信端末60のデータを送信してもよい。
【0146】
PGW100がPGW-C120及びPGW-U140に分離されている場合、PGW-C120が、要求受信部103、セッション情報生成部104、格納部106、登録部108、セッション情報同期部110及び応答送信部112を有し、PGW-U140が、格納部106、データ受信部113、セッション情報取得部114、及びデータ送信部116を有してよい。尚、PGW-C120及びPGW-U140は格納部106を共有してもよく、格納部106を個別に有してもよい。
【0147】
図7は、SGW300の機能構成の一例を概略的に示す。SGW300は、受信部302、生成部304、格納部306、及び送信部312を備える。受信部302は、経路情報受信部303、要求受信部305、応答受信部307、及びデータ受信部309を有する。送信部312は、要求送信部313及びデータ送信部315を有する。尚、SGW300がこれらの全ての構成を備えることが必須とは限らない。
【0148】
受信部302は、各種情報を受信する。受信部302は、受信した各種情報を格納部306に格納してよい。
【0149】
受信部302は、例えば、ルータを用いて、各種情報を受信する。受信部302は、SGW300がルータ機能を備える場合、SGW300のルータ機能を用いて、各種情報を受信してもよい。
【0150】
経路情報受信部303は、経路情報を受信する。経路情報受信部303は、例えば、ルータから経路情報を受信する。経路情報受信部303は、IPXから経路情報を受信してもよい。
【0151】
生成部304は、ルートテーブルを生成する。生成部304は、例えば、経路情報受信部303が受信した経路情報に基づいて、ルートテーブルを生成する。生成部304は、生成したルートテーブルを格納部306に格納してよい。
【0152】
要求受信部305は、PDN40へのセッションの生成を要求する通信端末60のセッション生成要求を受信する。要求受信部305は、例えば、SGW300に対応するMMEから、通信端末60のセッション生成要求を受信する。
【0153】
送信部312は、各種情報を送信する。送信部312は、例えば、格納部306に格納されている各種情報に基づいて、各種情報を送信する。
【0154】
送信部312は、例えば、ルータを用いて、各種情報を送信する。送信部312は、SGW300がルータ機能を備える場合、SGW300のルータ機能を用いて、各種情報を送信してもよい。
【0155】
要求送信部313は、通信端末60のセッション生成要求を送信する。要求送信部313は、例えば、要求受信部305が通信端末60のセッション生成要求を受信したことに応じて、通信端末60のセッション生成要求を送信する。
【0156】
要求送信部313は、例えば、PGW選択条件に基づいてシステム10が備える複数のPGWの中から通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたPGWに通信端末60のセッション生成要求を送信する。要求送信部313は、例えば、通信端末60のセッション生成要求を送信可能なPGWの中でSGW300までの距離が最も短い経路を有するPGWに通信端末60のセッション生成要求を送信する。この場合、PGW選択条件は、SGW300が通信端末60のセッション生成要求を送信可能なPGWの中でSGW300までの距離が最も短い経路を有することである。
【0157】
要求送信部313は、例えば、システム10が備える複数のPGWの各PGWがPGW-C及びPGW-Uに分離されている場合、PGW-C選択条件に基づいてシステム10が備える複数のPGW-Cの中から通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたPGW-Cに通信端末60のセッション生成要求を送信する。要求送信部313は、例えば、通信端末60のセッション生成要求を送信可能なPGW-Cの中でSGW300までの距離が最も短い経路を有するPGW-Cに通信端末60のセッション生成要求を送信する。この場合、PGW-C選択条件は、SGW300が通信端末60のセッション生成要求を送信可能なPGW-Cの中でSGW300までの距離が最も短い経路を有することである。
【0158】
通信端末60のセッション生成要求の送信対象を選択する主体は、例えば、ルータである。この場合、要求送信部313は、ルータを用いて、通信端末60のセッション生成要求の送信対象に通信端末60のセッション生成要求を送信してよい。
【0159】
SGW300がルータ機能を備える場合、通信端末60のセッション生成要求の送信対象を選択する主体は、SGW300であってもよい。この場合、要求送信部313は、格納部306に格納されているルートテーブルに基づいてBGPのベストパス選択アルゴリズムに従って通信端末60のセッション生成要求の送信対象を選択し、選択した通信端末60のセッション生成要求の送信対象に通信端末60のセッション生成要求を送信してよい。
【0160】
応答受信部307は、要求送信部313によって送信された通信端末60のセッション生成要求に対する通信端末60のセッション生成応答を受信する。応答受信部307は、例えば、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたPGWから、通信端末60のセッション生成応答を受信する。応答受信部307は、例えば、システム10が備える複数のPGWの各PGWがPGW-C及びPGW-Uに分離されている場合、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたPGW-Cから、通信端末60のセッション生成応答を受信する。
【0161】
データ受信部309は、通信端末60のアップリンクデータを受信する。データ受信部309は、例えば、通信端末60から、通信端末60のアップリンクデータを受信する。
【0162】
データ送信部315は、通信端末60のアップリンクデータを送信する。データ送信部315は、例えば、データ受信部309が受信した通信端末60のアップリンクデータを送信する。データ送信部315は、例えば、応答受信部307が通信端末60のセッション生成応答を受信した後、通信端末60のアップリンクデータを送信する。
【0163】
データ送信部315は、例えば、PGW選択条件に基づいてシステム10が備える複数のPGWの中から通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたPGWに通信端末60のアップリンクデータを送信する。データ送信部315は、例えば、通信端末60のセッション生成要求を送信可能なPGWの中でSGW300までの距離が最も短い経路を有するPGWに通信端末60のアップリンクデータを送信する。
【0164】
データ送信部315は、例えば、システム10が備える複数のPGWの各PGWがPGW-C及びPGW-Uに分離されている場合、PGW-U選択条件に基づいてシステム10が備える複数のPGW-Uの中から通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたPGW-Uに通信端末60のアップリンクデータを送信する。データ送信部315は、例えば、通信端末60のアップリンクデータを送信可能なPGW-Uの中でSGW300までの距離が最も短い経路を有するPGW-Uに通信端末60のアップリンクデータを送信する。この場合、PGW-U選択条件は、SGW300が通信端末60のセッション生成要求を送信可能なPGW-Uの中でSGW300までの距離が最も短い経路を有することである。
【0165】
通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたPGWは、例えば、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたPGWと同一のPGWである。通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたPGWは、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたPGWとは異なるPGWであってもよい。この場合、例えば、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたPGWは、第1国のネットワークに配置されており、通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたPGWは、第1国とは異なる第2国のネットワークに配置されている。通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたPGW及び通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたPGWの両方が第1国に配置されていてもよい。
【0166】
通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたPGW-Uは、例えば、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたPGW-Cが配置されているネットワークに配置されている。通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたPGW-Uは、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたPGW-Cが配置されているネットワークとは異なるネットワークに配置されていてもよい。この場合、例えば、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたPGW-Cは、第1国のネットワークに配置されており、通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたPGW-Uは、第1国とは異なる第2国のネットワークに配置されている。通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたPGW-C及び通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたPGW-Uの両方が、第1国に配置されていてもよい。
【0167】
通信端末60のアップリンクデータの送信対象を選択する主体は、例えば、ルータである。この場合、データ送信部315は、ルータを用いて、通信端末60のアップリンクデータの送信対象に通信端末60のアップリンクデータを送信してよい。
【0168】
SGW300がルータ機能を備える場合、通信端末60のアップリンクデータの送信対象を選択する主体は、SGW300であってもよい。この場合、データ送信部315は、格納部306に格納されているルートテーブルに基づいてBGPのベストパス選択アルゴリズムに従って通信端末60のアップリンクデータの送信対象を選択し、選択した通信端末60のアップリンクデータの送信対象に通信端末60のアップリンクデータを送信してよい。
【0169】
SGW300がSGW-C320及びSGW-U340に分離されている場合、SGW-C320が、経路情報受信部303、生成部304、要求受信部305、格納部306、応答受信部307、及び要求送信部313を有し、SGW-U340が、格納部306、データ受信部309、及びデータ送信部315を有してよい。尚、SGW-C320及びSGW-U340は格納部306を共有してもよく、格納部306を個別に有してもよい。
【0170】
図8は、システム10の他の一例を概略的に示す。
図8では、システム10によって提供される移動体通信サービスが5G通信サービスである場合の一例が示されている。ここでは、
図1のシステム10とは異なる点を主に説明する。
【0171】
システム10は、複数のH-SMFを備えてよい。
図8では、システム10がH-SMF420及びH-SMF520の2つのH-SMFを備える一例を図示している。システム10が備えるH-SMFの数は、2つに限らず、3つ以上であってもよい。
【0172】
システム10は、複数のH-UPFを備えてよい。
図8では、システム10がH-UPF440及びH-UPF540の2つのH-UPFを備える一例を図示している。システム10が備えるH-UPFの数は、2つに限らず、3つ以上であってもよい。
【0173】
システム10は、V-SMF620を備えてよい。システム10は、V-UPF640を備えてよい。V-UPF640は、V-SMF620が配置されているネットワークに配置されてよい。
【0174】
システム10は、ルータ23を備えてよい。システム10は、データベース33を備えてよい。システム10は、ルータ25を備えてよい。システム10は、データベース35を備えてよい。システム10は、ルータ27を備えてよい。
【0175】
システム10が備える複数のH-SMF及び複数のH-UPFは、通信端末60のユーザにSIMカードを発行した通信事業者のネットワークであるHPLMNに配置されてよい。システム10が備えるV-SMF620及びV-UPF640は、通信端末60のユーザの訪問先の通信事業者のネットワークであるVPLMNに配置されてよい。ここでは、通信端末60のユーザの加入者情報は、各HPLMN間で予め同期されているものとして、説明を続ける。
【0176】
複数のH-SMFの各H-SMFは、ASNが異なるネットワークに配置されており、且つ、各H-SMFには同一のIPアドレスが割り当てられている。例えば、同一のIPアドレスを各H-SMFに割り当てるために、IP Anycastが用いられる。ここで、
図8に示されるH-SMF420及びH-SMF520のそれぞれの構成について説明する。
【0177】
H-SMF420は、セッションを管理する機能を有する。H-SMF420は、例えば、第1国のネットワークに配置されている。
図8に示される一例において、H-SMF420は、ASNが65001である、日本の東京のネットワークに配置されている。
【0178】
H-SMF420には、IPアドレスが割り当てられてよい。
図8に示されるシステム10の一例において、H-SMF420にはサブネットマスク32のIPアドレスA.A.A.Aが割り当てられている。
【0179】
H-SMF520は、セッションを管理する機能を有する。H-SMF520は、H-SMF420と同様の機能を有してよい。
【0180】
H-SMF520は、例えば、H-SMF420が配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置されている。H-SMF520は、例えば、第1国とは異なる第2国のネットワークに配置されている。H-SMF520は、第1国のネットワークに配置されてもよい。
図8に示される一例において、H-SMF520は、ASNが65002である、シンガポールのネットワークに配置されている。
【0181】
H-SMF520には、IPアドレスが割り当てられてよい。
図8に示されるシステム10の一例において、H-SMF520にはサブネットマスク32のIPアドレスA.A.A.Aが割り当てられている。
【0182】
複数のH-UPFの各H-UPFは、ASNが異なるネットワークに配置されており、且つ、各H-UPFには同一のIPアドレスが割り当てられている。例えば、同一のIPアドレスを各H-UPFに割り当てるために、IP Anycastが用いられる。ここで、
図8に示されるH-UPF440及びH-UPF540のそれぞれの構成について説明する。
【0183】
H-UPF440は、通信端末60のデータを転送する機能を有する。H-UPF440は、例えば、H-SMF420が配置されているネットワークに配置されている。H-UPF440は、例えば、第1国のネットワークに配置されている。
図8に示される一例において、H-UPF440は、ASNが65001である、日本の東京のネットワークに配置されている。
【0184】
H-UPF440には、IPアドレスが割り当てられてよい。例えば、H-UPF440には、H-SMF420に割り当てられているIPアドレスとは異なるIPアドレスが割り当てられる。
図8に示されるシステム10の一例において、H-UPF440にはサブネットマスク32のB.B.B.Bが割り当てられている。
【0185】
H-UPF540は、通信端末60のデータを転送する機能を有する。H-UPF540は、H-UPF440と同様の機能を有してよい。
【0186】
H-UPF540は、例えば、H-SMF520が配置されているネットワークに配置されている。H-UPF540は、例えば、H-UPF440が配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置されている。H-UPF540は、例えば、第1国とは異なる第2国のネットワークに配置されている。H-UPF540は、第1国のネットワークに配置されてもよい。
図8に示される一例において、H-UPF540は、ASNが65002である、シンガポールのネットワークに配置されている。
【0187】
H-UPF540には、IPアドレスが割り当てられてよい。例えば、H-UPF540には、H-SMF520に割り当てられているIPアドレスとは異なるIPアドレスが割り当てられる。
図8に示されるシステム10の一例において、H-UPF540にはサブネットマスク32のB.B.B.Bが割り当てられている。
【0188】
V-SMF620は、セッションを管理する機能を有する。
図8に示される一例において、V-SMF620は、ASNが65003である、シンガポールの通信事業者Aのネットワークに配置されている。
【0189】
V-SMF620には、IPアドレスが割り当てられてよい。
図8に示されるシステム10の一例において、V-SMF620にはサブネットマスク32のIPアドレスC.C.C.Cが割り当てられている。
【0190】
V-UPF640は、通信端末60のデータを転送する機能を有する。V-UPF640は、例えば、V-SMF620が配置されているネットワークに配置されている。
図8に示される一例において、V-UPF640は、ASNが65003である、シンガポールの通信事業者Aのネットワークに配置されている。
【0191】
V-UPF640には、IPアドレスが割り当てられてよい。例えば、V-UPF640には、V-SMF620に割り当てられているIPアドレスとは異なるIPアドレスが割り当てられる。
図8に示されるシステム10の一例において、V-UPF640にはサブネットマスク32のD.D.D.Dが割り当てられている。
【0192】
ルータ23は、データを中継する機能を有する。ルータ23は、例えば、アップリンクデータを中継する。ルータ23は、例えば、ダウンリンクデータを中継する。
【0193】
ルータ23は、例えば、H-SMF420が配置されているHPLMNに配置されている。ルータ23は、例えば、H-UPF440が配置されているHPLMNに配置されている。
【0194】
ルータ23は、H-SMF420及びH-UPF440から分離されていてもよい。ルータ23は、H-SMF420と一体であってもよい。ルータ23は、H-UPF440と一体であってもよい。
【0195】
ルータ25は、データを中継する機能を有する。ルータ25は、ルータ23と同様の機能を有する。
【0196】
ルータ25は、例えば、H-SMF520が配置されているHPLMNに配置されている。ルータ25は、例えば、H-UPF540が配置されているHPLMNに配置されている。
【0197】
ルータ25は、H-SMF520及びH-UPF540から分離されていてもよい。ルータ25は、H-SMF520と一体であってもよい。ルータ25は、H-UPF540と一体であってもよい。
【0198】
ルータ27は、データを中継する機能を有する。ルータ27は、例えば、アップリンクデータを中継する。ルータ27は、例えば、ダウンリンクデータを中継する。
【0199】
ルータ27は、例えば、V-SMF620が配置されているVPLMNに配置されている。ルータ27は、例えば、V-UPF640が配置されているVPLMNに配置されている。
【0200】
ルータ27は、V-SMF620及びV-UPF640から分離されていてもよい。ルータ27は、V-SMF620と一体であってもよい。ルータ27は、V-UPF640と一体であってもよい。
【0201】
例えば、組織間の経路情報が、BGPに従って、ルータ23、ルータ25、及びルータ27の間で交換される。例えば、経路情報が変更されたことに応じて、経路情報が、ルータ23、ルータ25、及びルータ27の間で交換される。経路情報が、ルータ23、ルータ25、及びルータ27の間で定期的に交換されてもよい。
【0202】
ルータ23は、例えば、ルータ27に向けて経路情報を広報する。ルータ23は、IPXに向けて経路情報を広報してもよい。ルータ25は、ルータ23と同様にして、経路情報を広報してよい。
【0203】
図8に示されるシステム10の一例において、ルータ23は、ASN=65001、H-SMF420のIPアドレス=A.A.A.A/32、及び、H-UPF440のIPアドレス=B.B.B.B/32を広報する。また、
図8に示されるシステム10の一例において、ルータ25は、ASN=65002、H-SMF520のIPアドレス=A.A.A.A/32、及び、H-UPF540のIPアドレス=B.B.B.B/32を広報する。
【0204】
ルータ27は、例えば、ルータ23及びルータ25に向けて経路情報を広報する。ルータ27は、IPXに向けて経路情報を広報してもよい。
図8に示されるシステム10の一例において、ルータ27は、ASN=65003、V-SMF620のIPアドレス=C.C.C.C/32、及び、V-UPF640のIPアドレス=D.D.D.D/32を広報する。
【0205】
ルータ27は、例えば、ルートテーブルを生成する。ルータ27は、例えば、ルータ23及びルータ25のそれぞれによって広報された経路情報に基づいて、ルートテーブルを生成する。ルータ27は、例えば、ルータが配置されているネットワークのASNと、当該ネットワークに配置されている装置に割り当てられているIPアドレスとを対応付けることによって、ルートテーブルを生成する。
図8に示されるシステム10の一例において、ルータ27は、ASN=65001且つH-SMF420のIPアドレス=A.A.A.A/32、ASN=65001且つH-UPF440のIPアドレス=B.B.B.B/32、ASN=65002且つH-SMF520のIPアドレス=A.A.A.A/32、及び、ASN=65002且つH-UPF540のIPアドレス=B.B.B.B/32を含むルートテーブルを生成している。
【0206】
V-SMF620は、例えば、VPLMNを訪問したユーザの通信端末60の、PDN40へのセッションの生成を要求するセッション生成要求を受信する。セッション生成要求は、例えば、V-SMF620のIPアドレスを含む。セッション生成要求は、例えば、V-UPF640のIPアドレスを含む。セッション生成要求は、例えば、V-SMF620の通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。セッション生成要求は、例えば、V-UPF640の通信トンネルに割り当てられ、且つ、V-SMF620の通信トンネルに割り当てられるTEIDとは異なるTEIDを含む。セッション生成要求は、例えば、システム10が備えるH-SMFのIPアドレスを含む。セッション生成要求は、例えば、システム10が備えるH-UPFのIPアドレスを含む。
【0207】
V-SMF620は、ルータ27を用いて、受信した通信端末60のセッション生成要求を送信してよい。ルータ27は、予め定められたH-SMF選択条件に基づいて、システム10が備える複数のH-SMFの中から通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFを選択してよい。
【0208】
ルータ27は、例えば、通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFとして、システム10が備える複数のH-SMFの中からV-SMF620までの距離が最も短い経路を有するH-SMFを選択する。ルータ27は、例えば、同一のIPアドレスが割り当てられているH-SMFが複数存在する場合、生成したルートテーブルに基づいて、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFとして、同一のIPアドレスが割り当てられている複数のH-SMFの中からSGW300までの距離が最も短い経路を有するH-SMFを選択する。
【0209】
図8に示されるシステム10の一例において、H-SMF420からV-SMF620までの経路は、東京に構築されているネットワーク13及びシンガポールに構築されているネットワーク15を経由している。それに対して、H-SMF520からV-SMF620までの経路は、ネットワーク15のみを経由している。したがって、
図8に示されるシステム10の一例において、V-SMF620がルータ27を用いてH-SMF420及びH-SMF520の両方に対して通信端末60のセッション生成要求を送信可能な状態である場合、H-SMF520からV-SMF620までの経路の距離がH-SMF420からV-SMF620までの経路の距離より短いので、ルータ27は、通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFとして、H-SMF420及びH-SMF520の中からH-SMF520を選択する。ここでは、ルータ27が通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFとしてH-SMF520を選択したものとして、説明を続ける。
【0210】
V-SMF620は、ルータ27を用いて、ネットワーク15を介して通信端末60のセッション生成要求をH-SMF520に送信してよい。H-SMF520は、ルータ25を用いて、ネットワーク15を介して通信端末60のセッション生成要求を受信してよい。H-SMF520は、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたH-SMFの一例であってよい。
【0211】
H-SMF520は、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求を受信したことに応じて、通信端末60のセッション情報を生成してよい。セッション情報は、例えば、システム10が備えるH-SMFのIPアドレスを含む。セッション情報は、例えば、当該H-SMFのIPアドレスとは異なる、システム10が備えるH-UPFのIPアドレスを含む。セッション情報は、例えば、システム10が備える複数のH-SMFの各H-SMFの通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。セッション情報は、例えば、システム10が備える複数のH-UPFの各H-UPFの通信トンネルに割り当てられ、且つ、H-SMFの通信トンネルに割り当てられるTEIDとは異なるTEIDを含む。セッション情報は、例えば、V-SMF620のIPアドレスを含む。セッション情報は、例えば、V-SMF620のIPアドレスとは異なるV-UPF640のIPアドレスを含む。セッション情報は、例えば、V-SMF620の通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。セッション情報は、例えば、V-UPF640の通信トンネルに割り当てられ、且つ、V-SMF620の通信トンネルに割り当てられるTEIDとは異なるTEIDを含む。
【0212】
H-SMF520は、生成した通信端末60のセッション情報を、H-SMF520に対応するデータベース35に登録してよい。H-SMF520は、例えば、データベース35のIPアドレスを予め格納してよい。
【0213】
データベース35は、例えば、通信端末60のセッション情報を一時的に格納するメッセージキューを含む。データベース35は、記憶部の一例であってよい。
【0214】
データベース35は、H-SMF520から分離されてよい。データベース35は、H-SMF520と一体であってもよい。
【0215】
データベース35は、例えば、H-SMF520が配置されているネットワークに配置されている。データベース35は、H-SMF520が配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置されていてもよい。
【0216】
データベース35は、登録された通信端末60のセッション情報を、データベース35と、H-SMF420に対応するデータベース33との間で同期させてよい。データベース33は、記憶部の一例であってよい。
【0217】
データベース35は、例えば、Pub/Sub(Publish/Subscribe)方式を用いて、通信端末60のセッション情報をデータベース35とデータベース33との間で同期させる。この場合、データベース35がパブリッシャーであってもよく、データベース33がサブスクライバーであってよい。
【0218】
例えば、データベース35は、通信端末60のセッション情報を含むメッセージをトピックに送信する。データベース33は、データベース35によってメッセージが送信されたトピックに対応するサブスクリプションからメッセージを受信することによって、通信端末60のセッション情報を取得する。これにより、通信端末60のセッション情報がデータベース35とデータベース33との間で同期される。
【0219】
データベース33は、H-SMF420から分離されてよい。データベース33は、H-SMF420と一体であってもよい。
【0220】
データベース33は、例えば、H-SMF420が配置されているネットワークに配置されている。データベース33は、H-SMF420が配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置されていてもよい。
【0221】
H-SMF520は、通信端末60のセッション情報を生成したことに応じて、ルータ25を用いて、ネットワーク15を介して、通信端末60のセッション生成要求に対する通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信してよい。セッション生成応答は、例えば、システム10が備えるH-SMFのIPアドレスを含む。セッション生成応答は、例えば、システム10が備えるH-UPFのIPアドレスを含む。セッション生成応答は、例えば、システム10が備える複数のH-SMFの各H-SMFの通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。セッション生成応答は、例えば、システム10が備える複数のH-UPFの各H-UPFの通信トンネルに割り当てられるTEIDを含む。
【0222】
V-SMF620は、ルータ27を用いて、ネットワーク15を介して通信端末60のセッション生成応答を受信してよい。これにより、V-SMF620は、通信端末60のセッション生成応答に基づいて、通信端末60のPDN40へのセッションを生成できる。
【0223】
その後、V-UPF640は、通信端末60から、通信端末60のアップリンクデータを受信してよい。V-UPF640は、ルータ27を用いて、受信した通信端末60のアップリンクデータを送信してよい。
【0224】
ルータ27は、例えば、予め定められたH-UPF選択条件に基づいて、システム10が備える複数のH-UPFの中から通信端末60のアップリンクデータの送信対象のH-UPFを選択する。ルータ27は、例えば、同一のIPアドレスが割り当てられているH-UPFが複数存在する場合、生成したルートテーブルに基づいて、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、通信端末60のアップリンクデータの送信対象のH-UPFとして、同一のIPアドレスが割り当てられている複数のH-UPFの中からV-UPF640までの距離が最も短い経路を有するH-UPFを選択する。
【0225】
図8に示されるシステム10の一例において、V-UPF640がルータ27を用いてH-UPF440及びH-UPF540の両方に対して通信端末60のアップリンクデータを送信可能な状態である場合、ルータ27は、通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFとして、H-UPF440及びH-UPF540の中からH-UPF540を選択する。ここでは、ルータ27が通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFとしてH-UPF540を選択したものとして、説明を続ける。
【0226】
V-UPF640は、ルータ27を用いて、ネットワーク15を介して通信端末60のアップリンクデータをH-UPF540に送信してよい。H-UPF540は、ルータ25を用いて、ネットワーク15を介して通信端末60のアップリンクデータを受信してよい。H-UPF540は、通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたH-UPFの一例であってよい。
【0227】
H-UPF540は、通信端末60のアップリンクデータを受信した場合において、通信端末60のセッション情報を保持していない場合、データベース35から通信端末60のセッション情報を取得し、データベース35から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて通信端末60のデータを処理する。一方で、H-UPF540は、通信端末60のアップリンクデータを受信した場合において、通信端末60のセッション情報を保持している場合、保持している通信端末60のセッション情報に基づいて通信端末60のデータを処理する。
【0228】
データベース35は、H-UPF540に対応するデータベースであってもよい。データベース35は、H-UPF540から分離されてもよく、H-UPF540と一体であってもよい。データベース35は、例えば、H-UPF540が配置されているネットワークに配置されていてもよく、H-UPF540が配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置されていてもよい。
【0229】
例えば、システム10が備える複数のH-UPFのうちの一のH-UPFに故障が発生した場合や当該一のH-UPFのメンテナンスが開始された場合等のような、システム10が備える複数のH-UPFの少なくとも1つのH-UPFの状態が変化した場合、ルータ27は、ルートテーブルを更新する。ルータ27は、更新したルートテーブルに基づいて、BGPのベストパス選択アルゴリズムに従って、システム10が備える複数のH-UPFの中から通信端末60のアップリンクデータの送信対象のH-UPFを選択してよい。
【0230】
図8に示されるシステム10の一例において、V-UPF640がルータ27を用いて通信端末60のアップリンクデータをH-UPF540に送信している場合において、V-UPF640がルータ27を用いてH-UPF440及びH-UPF540の両方に対して通信端末60のアップリンクデータを送信可能な状態からV-UPF640がルータ27を用いてH-UPF440に対してのみ通信端末60のアップリンクデータを送信可能な状態に変化した場合、ルータ27は、ルートテーブルを更新してよい。その後、ルータ27は、更新したルートテーブルに基づいて、通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFとして、H-UPF440を選択してよい。
【0231】
V-UPF640は、ルータ27を用いて、ネットワーク15及びネットワーク13を介して通信端末60のアップリンクデータをH-UPF440に送信してよい。H-UPF440は、ルータ23を用いて、ネットワーク15及びネットワーク13を介して通信端末60のアップリンクデータを受信してよい。H-UPF440は、通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたH-UPFの一例であってよい。
【0232】
H-UPF440は、通信端末60のアップリンクデータを受信した場合において、セッション情報を保持していない場合、データベース33から、データベース33とデータベース35との間で同期されている通信端末60セッション情報を取得し、データベース33から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて通信端末60のデータを処理する。一方で、H-UPF440は、通信端末60のアップリンクデータを受信した場合において、通信端末60のセッション情報を保持している場合、保持している通信端末60のセッション情報に基づいて通信端末60のデータを処理する。
【0233】
データベース33は、H-UPF440に対応するデータベースであってもよい。データベース33は、H-UPF440から分離されてもよく、H-UPF440と一体であってもよい。データベース33は、例えば、H-UPF440が配置されているネットワークに配置されていてもよく、H-UPF440が配置されているネットワークのASNとは異なるASNのネットワークに配置されていてもよい。
【0234】
図8に示されるシステム10の一例において、通信端末60のデータが、V-UPF640及びH-UPF540を介する通信端末60とPDN40との間の経路で通信される場合、通信端末60のデータは、国内ローミングによって通信される。一方で、
図8に示されるシステム10の一例において、通信端末60のデータがV-UPF640及びH-UPF440を介する通信端末60とPDN40との間の経路で通信される場合、通信端末60のデータは、国際ローミングによって通信される。
【0235】
図8に示されるシステム10の一例において、V-SMF620が通信端末60のセッション生成要求を送信するタイミングでV-SMF620がルータ27を用いてH-SMF420に対してのみ通信端末60のセッション生成要求を送信可能な状態である場合、ルータ27は、通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFとして、H-UPF440を選択する。この場合、V-SMF620は、ルータ27を用いて、ネットワーク15及びネットワーク13を介して通信端末60のセッション生成要求をH-UPF440に送信してよい。H-UPF440は、ルータ23を用いて、ネットワーク15及びネットワーク13を介して通信端末60のセッション生成要求を受信してよい。H-SMF420は、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたH-SMFの一例であってよい。
【0236】
H-SMF420は、V-SMF620からセッション生成要求を受信したことに応じて、通信端末60のセッション情報を生成してよい。H-SMF420は、生成した通信端末60のセッション情報を、データベース33に登録してよい。H-SMF420は、例えば、データベース33のIPアドレスを予め格納してよい。
【0237】
データベース33は、データベース35と同様の機能を有してよい。例えば、H-SMF420が通信端末60のセッション情報をデータベース33に登録した場合、データベース33は、データベース35と同様にして、通信端末60のセッション情報をデータベース33とデータベース35との間で同期させる。
【0238】
図8に示されるシステム10の一例において、通信端末60のユーザにSIMカードを発行した通信事業者は、3以上の拠点にHPLMNを構築してもよい。この場合、3以上の拠点の各拠点のH-SMFに対して同一のIPアドレスが割り当てられて、且つ、3以上の拠点の各拠点のH-UPFに対して同一のIPアドレスが割り当てられてよい。
【0239】
図8に示されるシステム10によれば、V-SMF620が、V-SMF620までの距離が短いH-SMFに対して通信端末60のセッション生成要求を優先的に送信でき、V-UPF640が、V-UPF640までの距離が短いH-UPFに対して通信端末60のアップリンクデータを優先的に送信できる。よって、
図8に示されるシステム10は、通信端末60の通信遅延の発生が抑制された5G通信サービスの実現に貢献する。さらに、V-UPF640から通信端末60のアップリンクデータを受信したH-UPFが通信端末60のセッション情報を保持していないことをトリガーとしてデータベースから通信端末60のセッション情報を取得する構成を採用することで、通信端末60のデータを処理しないH-UPFは、通信端末60のセッション情報を取得する必要がなくなる。その結果、
図8に示されるシステム10は、通信リソースの消費が抑制された5G通信サービスの実現に貢献する。
【0240】
図9は、システム10の処理の流れの他の一例を説明するための説明図である。ここでは、通信端末60のユーザがVPLMNを訪問した状態を開始状態として説明する。
【0241】
S302において、V-SMF620は、PDN40へのセッションの生成を要求する通信端末60のセッション生成要求を送信する。V-SMF620は、例えば、通信端末60からのアタッチ要求を受け付けて通信端末60の認証処理を実行した、V-SMF620に対応するAMF(Access and Mobility Management Function)から受信した通信端末60のセッション生成要求を送信する。ここでは、V-SMF620がルータ27を用いてH-SMF420及びH-SMF520の両方に対して通信端末60のセッション生成要求を送信可能な状態であり、ルータ27がH-SMF選択条件に基づいて通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFとしてH-SMF520を選択し、V-SMF620がルータ27を用いてH-SMF520に通信端末60のセッション生成要求を送信したものとして、説明を続ける。
【0242】
H-SMF520は、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求を受信する。H-SMF520は、受信した通信端末60のセッション生成要求に基づいて、通信端末60のセッション情報を生成してよい。
【0243】
S304において、H-SMF520は、生成した通信端末60のセッション情報をデータベース35に登録する。S306において、データベース35は、S304でH-SMF520によって登録された通信端末60のセッション情報を、データベース35とデータベース33との間で同期させる。
【0244】
S308において、H-SMF520は、通信端末60のセッション生成要求に対する通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信する。V-SMF620は、H-SMF520から通信端末60のセッション生成応答を受信する。V-SMF620は、V-SMF620及びV-UPF640が通信端末60のセッション生成応答を利用できるように、受信した通信端末60のセッション生成応答を格納してよい。
【0245】
S310において、V-UPF640は、S308でV-SMF620が受信した通信端末60のセッション生成応答に基づいて、通信端末60のアップリンクデータを送信する。ここでは、V-UPF640がルータ27を用いてH-UPF440及びH-UPF540の両方に対して通信端末60のアップリンクデータを送信可能な状態であり、ルータ27がH-UPF選択条件に基づいて通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFとしてH-UPF540を選択し、V-UPF640がルータ27を用いてH-UPF540に通信端末60のアップリンクデータを送信し、H-UPF540が通信端末60のセッション情報を保持していないものとして、説明を続ける。
【0246】
S312において、H-UPF540は、S310で受信した通信端末60のアップリンクデータを処理するための通信端末60のセッション情報を保持していないので、データベース35から通信端末60のセッション情報を取得する。H-UPF540は、データベース35から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて、通信端末60のデータを処理する。
【0247】
S314において、H-UPF540のメンテナンス作業が開始される。ルータ27は、H-UPF540のメンテナンス作業が開始されたことに応じて、ルートテーブルを更新してよい。
【0248】
S316において、V-UPF640は、S308でV-SMF620が受信した通信端末60のセッション生成応答に基づいて、通信端末60のアップリンクデータを送信する。ここでは、V-UPF640がルータ27を用いてH-UPF440に対してのみ通信端末60のアップリンクデータを送信可能な状態であり、V-UPF640がルータ27を用いてH-UPF440に通信端末60のアップリンクデータを送信し、H-UPF440が通信端末60のセッション情報を保持していないものとして、説明を続ける。
【0249】
S318において、H-UPF440は、S316で受信した通信端末60のアップリンクデータを処理するための通信端末60のセッション情報を保持していないので、データベース33から、S306でデータベース33とデータベース35との間で同期されている通信端末60のセッション情報を取得する。H-UPF440は、データベース33から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて、通信端末60のデータを処理する。
【0250】
図10は、システム10の他の一例を概略的に示す。ここでは、
図8に示されるシステム10とは異なる点を主に説明する。
【0251】
H-SMF420は、クラウド上に配置されてよい。H-SMF420は、PDN40と同一のネットワーク上に配置されてもよく、PDN40とは異なるネットワーク上に配置されてもよい。
図10に示されるシステム10の一例において、H-SMF420は、ASNが65001であるクラウド上のリージョン1に配置されている。
【0252】
H-SMF520は、クラウド上に配置されてよい。H-SMF520は、PDN40と同一のネットワーク上に配置されてもよく、PDN40とは異なるネットワーク上に配置されてもよい。
図10に示されるシステム10の一例において、H-SMF520は、ASNが65002であるクラウド上のリージョン2に配置されている。
【0253】
システム10が備える複数のH-SMFの各H-SMFは、データベース48にアクセス可能であってよい。各H-SMFは、例えば、PDN40を介して、データベース48にアクセスする。各H-SMFは、データベース48に直接アクセスしてもよい。通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたH-SMFは、生成した通信端末60のセッション情報を、データベース48に登録してよい。
【0254】
システム10が備える複数のH-UPFの各H-UPFは、データベース48にアクセス可能であってよい。各H-UPFは、例えば、PDN40を介して、データベース48にアクセスする。各H-UPFは、データベース48に直接アクセスしてもよい。通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたH-UPFは、通信端末60のセッション情報を保持していない場合、データベース48から通信端末60のセッション情報を取得し、データベース48から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて通信端末60のデータを処理してよい。
【0255】
リソース管理装置700は、例えば、システム10が備える複数のH-SMFの各H-SMFに対してクラウド上の物理リソースを割り当てることによって、クラウド上の物理リソースを管理する。リソース管理装置700は、例えば、各H-SMFの負荷状況に基づいて、各H-SMFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定する。
【0256】
リソース管理装置700は、例えば、単位時間当たりに受信するセッション生成要求の数がより多いH-SMFに対してより多くのリソース量を割り当てるように、各H-SMFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定する。リソース管理装置700は、例えば、単位時間当たりのトラフィック量がより多いH-SMFに対してより多くのリソース量を割り当てるように、各H-SMFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定する。リソース管理装置700は、処理速度がより遅いH-SMFに対してより多くのリソース量を割り当てるように、各H-SMFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定してもよい。
【0257】
リソース管理装置700は、例えば、各H-SMFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を示すリソース量情報を各H-SMFに送信する。リソース管理装置700は、例えば、PDN40を介して、リソース量情報を各H-SMFに送信する。
【0258】
各H-SMFは、リソース管理装置700からリソース量情報を受信してよい。各H-SMFは、リソース管理装置700によって割り当てられたクラウド上の物理リソースを用いて、移動体通信サービスに関する処理を実行してよい。
【0259】
リソース管理装置700は、例えば、クラウド上の物理リソースの使用状況に基づいて、各H-SMFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更する。リソース管理装置700は、例えば、クラウド上のCPUの使用率に基づいて、各H-SMFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更する。リソース管理装置700は、例えば、クラウド上のCPUの使用率が予め定められたCPU使用率閾値より上回ったタイミングで、各H-SMFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更する。リソース管理装置700は、クラウド上のCPUの使用率が予め定められたCPU使用率閾値より下回ったタイミングで、各H-SMFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更してもよい。リソース管理装置700は、クラウド上のメモリの使用率に基づいて、各H-SMFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更してもよい。リソース管理装置700は、例えば、クラウド上のメモリの使用率が予め定められたメモリ使用率閾値より上回ったタイミングで、各H-SMFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更する。リソース管理装置700は、クラウド上のメモリの使用率が予め定められたメモリ使用率閾値より下回ったタイミングで、各H-SMFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更してもよい。リソース管理装置700は、各H-SMFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を定期的に変更してもよい。
【0260】
図10に示されるシステム10によれば、通信端末60のセッション情報がクラウド上に配置されているデータベース48に登録され、通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたH-UPFは、通信端末60のセッション情報を保持していない場合、データベース48から通信端末60のセッション情報を取得する。そして、通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたH-UPFは、データベース48から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて、通信端末60のデータを処理する。クラウド上に配置されているデータベース48に通信端末60のセッション情報を登録することによって、HPLMNの各拠点に配置されているデータベース間で通信端末60のセッション情報を同期させるべく、HPLMNの拠点間で通信端末60のセッション情報を送受信する必要がなくなる。その結果、
図10に示されるシステム10は、通信リソースの消費がより一層抑制され、且つ、情報漏洩のリスクをより軽減した5G通信サービスの実現に貢献する。
【0261】
図11は、システム10の他の一例を概略的に示す。ここでは、
図10に示されるシステム10とは異なる点を主に説明する。
【0262】
H-UPF440は、クラウド上に配置されてよい。H-UPF440は、PDN40と同一のネットワーク上に配置されてもよく、PDN40とは異なるネットワーク上に配置されてもよい。
図11に示されるシステム10の一例において、H-UPF440は、ASNが65001であるクラウド上のリージョン1に配置されている。
【0263】
H-UPF540は、クラウド上に配置されてよい。H-UPF540は、PDN40と同一のネットワーク上に配置されてもよく、PDN40とは異なるネットワーク上に配置されてもよい。
図11に示されるシステム10の一例において、H-UPF540は、ASNが65002であるクラウド上のリージョン2に配置されている。
【0264】
システム10は、ルータ83をさらに備えてよい。H-SMF420は、例えば、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択された場合、ルータ83を用いて、ネットワーク15、ネットワーク13、及びルータ23を介して通信端末60のセッション生成要求を受信する。H-UPF440は、例えば、通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択された場合、ルータ83を用いて、ネットワーク15、ネットワーク13、及びルータ23を介して通信端末60のアップリンクデータを受信する。
【0265】
システム10は、ルータ85をさらに備えてよい。H-SMF520は、例えば、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択された場合、ルータ85を用いて、ネットワーク15及びルータ25を介して通信端末60のセッション生成要求を受信する。H-UPF540は、例えば、通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択された場合、ルータ85を用いて、ネットワーク15及びルータ25を介して通信端末60のアップリンクデータを受信する。
【0266】
リソース管理装置700は、例えば、システム10が備える複数のH-UPFの各H-UPFに対してクラウド上の物理リソースを割り当てることによって、クラウド上の物理リソースを管理する。リソース管理装置700は、例えば、各H-UPFの負荷状況に基づいて、各H-UPFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定する。
【0267】
リソース管理装置700は、例えば、単位時間当たりに受信するアップリンクデータがより多いH-UPFに対してより多くのリソース量を割り当てるように、各H-UPFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定する。リソース管理装置700は、例えば、単位時間当たりのトラフィック量がより多いH-UPFに対してより多くのリソース量を割り当てるように、各H-UPFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定する。リソース管理装置700は、例えば、セッションの数がより多いH-UPFに対してより多くのリソース量を割り当てるように、各H-UPFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定する。リソース管理装置700は、処理速度がより遅いH-UPFに対してより多くのリソース量を割り当てるように、各H-UPFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を決定してもよい。
【0268】
リソース管理装置700は、例えば、各H-UPFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を示すリソース量情報を各H-UPFに送信する。リソース管理装置700は、例えば、PDN40を介して、リソース量情報を各H-UPFに送信する。
【0269】
各H-UPFは、リソース管理装置700からリソース量情報を受信してよい。各H-UPFは、リソース管理装置700によって割り当てられたクラウド上の物理リソースを用いて、移動体通信サービスに関する処理を実行してよい。
【0270】
リソース管理装置700は、例えば、クラウド上の物理リソースの使用状況に基づいて、各H-UPFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更する。リソース管理装置700は、例えば、クラウド上の物理リソースの使用状況に基づいて各H-SMFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更する場合と同様にして、クラウド上の物理リソースの使用状況に基づいて各H-UPFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を変更する。リソース管理装置700は、各H-UPFに対して割り当てるクラウド上の物理リソースのリソース量を定期的に変更してもよい。
【0271】
図12は、システム10の処理の流れの他の一例を説明するための説明図である。ここでは、通信端末60のユーザがVPLMNを訪問した状態を開始状態として説明する。
【0272】
S402において、V-SMF620は、PDN40へのセッションの生成を要求する通信端末60のセッション生成要求を送信する。ここでは、V-SMF620がルータ27を用いてH-SMF420及びH-SMF520の両方に対して通信端末60のセッション生成要求を送信可能な状態であり、ルータ27がH-SMF選択条件に基づいて通信端末60のセッション生成要求の送信対象であるH-SMFとしてH-SMF520を選択し、V-SMF620がルータ27を用いてH-SMF520に通信端末60のセッション生成要求を送信したものとして、説明を続ける。
【0273】
H-SMF520は、V-SMF620から通信端末60のセッション生成要求を受信する。H-SMF520は、受信した通信端末60のセッション生成要求に基づいて、通信端末60のセッション情報を生成してよい。
【0274】
S404において、H-SMF520は、生成した通信端末60のセッション情報を、クラウド上に配置されているデータベース48に登録する。S406において、H-SMF520は、通信端末60のセッション生成要求に対する通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信する。V-SMF620は、H-SMF520から通信端末60のセッション生成応答を受信する。
【0275】
S408において、V-UPF640は、S406でV-SMF620が受信した通信端末60のセッション生成応答に基づいて、通信端末60のアップリンクデータを送信する。ここでは、V-UPF640がルータ27を用いてH-UPF440及びH-UPF540の両方に対して通信端末60のアップリンクデータを送信可能な状態であり、ルータ27がH-UPF選択条件に基づいて通信端末60のアップリンクデータの送信対象であるH-UPFとしてH-UPF540を選択し、V-UPF640がルータ27を用いてH-UPF540に通信端末60のアップリンクデータを送信し、H-UPF540が通信端末60のセッション情報を保持していないものとして、説明を続ける。
【0276】
S410において、H-UPF540は、S408で受信した通信端末60のアップリンクデータを処理するための通信端末60のセッション情報を保持していないので、クラウド上に配置されているデータベース48から通信端末60のセッション情報を取得する。H-UPF540は、データベース48から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて、通信端末60のデータを処理する。
【0277】
S412において、H-UPF540のメンテナンス作業が開始される。ルータ27は、H-UPF540のメンテナンス作業が開始されたことに応じて、ルートテーブルを更新してよい。
【0278】
S414において、V-UPF640は、S406でV-SMF620が受信した通信端末60のセッション生成応答に基づいて、通信端末60のアップリンクデータを送信する。ここでは、V-UPF640がルータ27を用いてH-UPF440に対してのみ通信端末60のアップリンクデータを送信可能な状態であり、V-UPF640がルータ27を用いてH-UPF440に通信端末60のアップリンクデータを送信し、H-UPF440が通信端末60のセッション情報を保持していないものとして、説明を続ける。
【0279】
S416において、H-UPF440は、S414で受信した通信端末60のアップリンクデータを処理するための通信端末60のセッション情報を保持していないので、クラウド上に配置されているデータベース48から通信端末60のセッション情報を取得する。H-UPF440は、データベース48から取得した通信端末60のセッション情報に基づいて通信端末60のデータを処理する。
【0280】
図13は、H-SMF420の機能構成の一例を概略的に示す。H-SMF420は、要求受信部422、セッション情報生成部424、格納部426、登録部428、セッション情報同期部430、及び応答送信部432を備える。尚、H-SMF420がこれらの全ての構成を備えることが必須とは限らない。
【0281】
要求受信部422は、PDN40へのセッションの生成を要求する通信端末60のセッション生成要求を受信する。要求受信部422は、システム10が備える複数のH-SMFの中からH-SMF420が通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択された場合、通信端末60のセッション生成要求を受信する。
【0282】
要求受信部422は、例えば、ルータを用いて、通信端末60のセッション生成要求を受信する。要求受信部422は、H-SMF420がルータ機能を備える場合、H-SMF420のルータ機能を用いて、通信端末60のセッション生成要求を受信してもよい。
【0283】
セッション情報生成部424は、通信端末60のセッション情報を生成する。セッション情報生成部424は、例えば、要求受信部422が通信端末60のセッション生成要求を受信したことに応じて、通信端末60のセッション情報を生成する。セッション情報生成部424は、生成した通信端末60のセッション情報を格納部426に格納してよい。
【0284】
登録部428は、セッション情報生成部424によって生成された通信端末60のセッション情報を記憶部に登録する。登録部428は、例えば、通信端末60のセッション情報をHPLMNの拠点に配置されているデータベースに登録する。登録部428は、例えば、通信端末60のセッション情報をクラウド上に配置されているデータベースに登録する。
【0285】
セッション情報同期部430は、登録部428によってHPLMNの拠点に配置されているデータベースに登録された通信端末60のセッション情報を、当該データベースと、HPLMNの他の拠点に配置されている他のデータベースとの間で同期させる。セッション情報同期部430は、例えば、Pub/Sub方式を用いて、通信端末60のセッション情報を当該データベースと当該他のデータベースとの間で同期させる。セッション情報同期部430は、その他の任意の方式を用いて、通信端末60のセッション情報を当該データベースと当該他のデータベースとの間で同期させてもよい。
【0286】
応答送信部432は、要求受信部422によって受信された通信端末60のセッション生成要求に対する通信端末60のセッション生成応答を、V-SMF620に送信する。応答送信部432は、例えば、セッション情報生成部424が通信端末60のセッション情報を生成したことに応じて、通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信する。応答送信部432は、例えば、登録部428が通信端末60のセッション情報を記憶部に登録したことに応じて、通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信する。応答送信部432は、セッション情報同期部430が通信端末60のセッション情報を、HPLMNの拠点に配置されているデータベースと、HPLMNの他の拠点に配置されている他のデータベースとの間で同期させたことに応じて、通信端末60のセッション生成応答をV-SMF620に送信してもよい。
【0287】
応答送信部432は、例えば、ルータを用いて、通信端末60のセッション生成応答を送信する。応答送信部432は、H-SMF420がルータ機能を備える場合、H-SMF420のルータ機能を用いて、通信端末60のセッション生成応答を送信してもよい。
【0288】
図14は、H-UPF440の機能構成の一例を概略的に示す。H-UPF440は、データ受信部444、セッション情報取得部446、格納部447、及びデータ送信部448を備える。尚、H-UPF440がこれらの全ての構成を備えることが必須とは限らない。
【0289】
データ受信部444は、通信端末60のデータを受信する。データ受信部444は、例えば、システム10が備える複数のH-UPFの中からH-UPF440が通信端末60のデータの送信対象として選択された場合、通信端末60のデータを受信する。
【0290】
データ受信部444は、例えば、V-UPF640から、通信端末60のアップリンクデータを受信する。データ受信部444は、例えば、システム10が備える複数のH-UPFの中からH-UPF440が通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択された場合、通信端末60のアップリンクデータを受信する。
【0291】
データ受信部444は、PDN40に配置されているサーバから、通信端末60のダウンリンクデータを受信してもよい。データ受信部444は、例えば、システム10が備える複数のH-UPFの中からH-UPF440が通信端末60のダウンリンクデータの送信対象として選択された場合、通信端末60のダウンリンクデータを受信する。この場合、PDN40は、プライベートネットワークであってよい。
【0292】
データ受信部444は、例えば、ルータを用いて、通信端末60のデータを受信する。データ受信部444は、H-UPF440がルータ機能を備える場合、H-UPF440のルータ機能を用いて、通信端末60のデータを受信してもよい。
【0293】
セッション情報取得部446は、通信端末60のセッション情報を取得する。セッション情報取得部446は、例えば、データ受信部444が通信端末60のデータを受信した場合、通信端末60のセッション情報を取得する。セッション情報取得部446は、例えば、データ受信部444が通信端末60のアップリンクデータを受信した場合、通信端末60のセッション情報を取得する。セッション情報取得部446は、データ受信部444が通信端末60のダウンリンクを受信した場合、通信端末60のセッション情報を取得してもよい。
【0294】
例えば、セッション情報取得部446は、H-UPF440が通信端末60のセッション情報を保持していない場合、記憶部から通信端末60セッション情報を取得する。セッション情報取得部446は、例えば、データ受信部444が通信端末60のアップリンクデータを初めて受信した場合、記憶部から通信端末60のセッション情報を取得する。セッション情報取得部446は、データ受信部444が通信端末60のダウンリンクデータを初めて受信した場合、記憶部から通信端末60のセッション情報を取得してもよい。一方で、セッション情報取得部446は、H-UPF440が通信端末60のセッション情報を保持している場合、格納部447から通信端末60セッション情報を取得する。
【0295】
H-SMF420及びH-UPF440が格納部を共有している場合、格納部426及び格納部447は同一の部材であってよい。一方で、H-SMF420及びH-UPF440が格納部を個別に備えている場合、格納部426及び格納部447は異なる部材であってよい。
【0296】
データ送信部448は、通信端末60のデータを送信する。データ送信部448は、例えば、セッション情報取得部446が取得した通信端末60のセッション情報に基づいて、通信端末60のデータを送信する。
【0297】
データ送信部448は、例えば、通信端末60のアップリンクデータを送信する。データ送信部448は、通信端末60のダウンリンクデータを送信してもよい。
【0298】
データ送信部448は、例えば、ルータを用いて、通信端末60のデータを送信する。データ送信部448は、H-UPF440がルータ機能を備える場合、H-UPF440のルータ機能を用いて、通信端末60のデータを送信してもよい。
【0299】
図15は、V-SMF620の機能構成の一例を概略的に示す。V-SMF620は、受信部622、生成部624、格納部626、及び要求送信部628を備える。受信部622は、経路情報受信部623、要求受信部625、及び応答受信部627を有する。尚、V-SMF620がこれらの全ての構成を備えることが必須とは限らない。
【0300】
受信部622は、各種情報を受信する。受信部622は、受信した各種情報を格納部626に格納してよい。
【0301】
受信部622は、例えば、ルータを用いて、各種情報を受信する。受信部622は、V-SMF620がルータ機能を備える場合、V-SMF620のルータ機能を用いて、各種情報を受信してもよい。
【0302】
経路情報受信部623は、経路情報を受信する。経路情報受信部623は、例えば、ルータから経路情報を受信する。経路情報受信部623は、IPXから経路情報を受信してもよい。
【0303】
生成部624は、ルートテーブルを生成する。生成部624は、例えば、経路情報受信部623が受信した経路情報に基づいて、ルートテーブルを生成する。生成部624は、生成したルートテーブルを格納部306に格納してよい。
【0304】
要求受信部625は、PDN40へのセッションの生成を要求する通信端末60のセッション生成要求を受信する。要求受信部625は、例えば、V-SMF620に対応するAMFから、通信端末60のセッション生成要求を受信する。
【0305】
要求送信部628は、通信端末60のセッション生成要求を送信する。要求送信部628は、例えば、要求受信部625が通信端末60のセッション生成要求を受信したことに応じて、通信端末60のセッション生成要求を送信する。
【0306】
要求送信部628は、例えば、H-SMF選択条件に基づいてシステム10が備える複数のH-SMFの中から通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたH-SMFに通信端末60のセッション生成要求を送信する。要求送信部628は、例えば、通信端末60のセッション生成要求を送信可能なH-SMFの中でV-SMF620までの距離が最も短い経路を有するH-SMFに通信端末60のセッション生成要求を送信する。この場合、H-SMF選択条件は、V-SMF620が通信端末60のセッション生成要求を送信可能なH-SMFの中でV-SMF620までの距離が最も短い経路を有することである。
【0307】
通信端末60のセッション生成要求の送信対象を選択する主体は、例えば、ルータである。この場合、要求送信部628は、ルータを用いて、通信端末60のセッション生成要求の送信対象に通信端末60のセッション生成要求を送信してよい。
【0308】
V-SMF620がルータ機能を備える場合、通信端末60のセッション生成要求の送信対象を選択する主体は、V-SMF620であってもよい。この場合、要求送信部628は、格納部626に格納されているルートテーブルに基づいてBGPのベストパス選択アルゴリズムに従って通信端末60のセッション生成要求の送信対象を選択し、選択した通信端末60のセッション生成要求の送信対象に通信端末60のセッション生成要求を送信してよい。
【0309】
応答受信部627は、要求送信部628によって送信された通信端末60のセッション生成要求に対する通信端末60のセッション生成応答を受信する。応答受信部627は、例えば、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたH-SMFから、通信端末60のセッション生成応答を受信する。
【0310】
図16は、V-UPF640の機能構成の一例を概略的に示す。V-UPF640は、データ受信部644、データ送信部646、及び格納部647を備える。尚、V-UPF640がこれらの全ての構成を備えることが必須とは限らない。
【0311】
データ受信部644は、通信端末60のアップリンクデータを受信する。データ受信部644は、例えば、通信端末60から、通信端末60のアップリンクデータを受信する。
【0312】
データ受信部644は、例えば、ルータを用いて、通信端末60のアップリンクデータを受信する。データ受信部644は、V-UPF640がルータ機能を備える場合、V-UPF640のルータ機能を用いて、通信端末60のアップリンクデータを受信してもよい。
【0313】
データ送信部646は、通信端末60のアップリンクデータを送信する。データ送信部646は、例えば、データ受信部644が受信した通信端末60のアップリンクデータを送信する。データ送信部315は、例えば、V-SMF620が通信端末60のセッション生成応答を受信した後、通信端末60のアップリンクデータを送信する。
【0314】
データ送信部646は、例えば、H-UPF選択条件に基づいてシステム10が備える複数のH-UPFの中から通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたH-UPFに通信端末60のアップリンクデータを送信する。データ送信部646は、例えば、通信端末60のセッション生成要求を送信可能なH-UPFの中でV-UPF640までの距離が最も短い経路を有するH-UPFに通信端末60のアップリンクデータを送信する。この場合、H-UPF選択条件は、V-UPF640が通信端末60のセッション生成要求を送信可能なH-UPFの中でV-UPF640までの距離が最も短い経路を有することである。
【0315】
通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたH-UPFは、例えば、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたH-SMFが配置されているネットワークに配置されている。通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたH-UPFは、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたH-SMFが配置されているネットワークとは異なるネットワークに配置されていてもよい。この場合、例えば、通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたH-SMFは、第1国のネットワークに配置されており、通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたH-UPFは、第1国とは異なる第2国のネットワークに配置されている。通信端末60のセッション生成要求の送信対象として選択されたH-UPF及び通信端末60のアップリンクデータの送信対象として選択されたH-UPFの両方が、第1国に配置されていてもよい。
【0316】
通信端末60のアップリンクデータの送信対象を選択する主体は、例えば、ルータである。この場合、データ送信部646は、ルータを用いて、通信端末60のアップリンクデータの送信対象に通信端末60のアップリンクデータを送信してよい。
【0317】
V-UPF640がルータ機能を備える場合、通信端末60のアップリンクデータの送信対象を選択する主体は、V-UPF640であってもよい。この場合、データ送信部646は、格納部647に格納されているルートテーブルに基づいてBGPのベストパス選択アルゴリズムに従って通信端末60のアップリンクデータの送信対象を選択し、選択した通信端末60のアップリンクデータの送信対象に通信端末60のアップリンクデータを送信してよい。
【0318】
V-SMF620及びV-UPF640が格納部を共有している場合、格納部626及び格納部647は同一の部材であってよい。一方で、V-SMF620及びV-UPF640が格納部を個別に備えている場合、格納部626及び格納部647は異なる部材であってよい。
【0319】
図17は、PGW100、SGW300、H-SMF420、H-UPF440、V-SMF620、又はV-UPF640として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、上記実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、上記実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、上記実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0320】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボード1242のようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0321】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0322】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0323】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0324】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0325】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0326】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0327】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0328】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0329】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0330】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0331】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0332】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0333】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0334】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0335】
10 システム、12 ネットワーク、13 ネットワーク、14 ネットワーク、15 ネットワーク、22 ルータ、23 ルータ、24 ルータ、25 ルータ、26 ルータ、27 ルータ、32 データベース、33 データベース、34 データベース、35 データベース、40 PDN、48 データベース、60 通信端末、82 ルータ、83 ルータ、84 ルータ、85 ルータ、100 PGW、103 要求受信部、104 セッション情報生成部、106 格納部、108 登録部、110 セッション情報同期部、112 応答送信部、113 データ受信部、114 セッション情報取得部、116 データ送信部、120 PGW-C、140 PGW-U、200 PGW、220 PGW-C、240 PGW-U、300 SGW、302 受信部、303 経路情報受信部、304 生成部、305 要求受信部、306 格納部、307 応答受信部、309 データ受信部、312 送信部、313 要求送信部、315 データ送信部、320 SGW-C、340 SGW-U、420 H-SMF、422 要求受信部、424 セッション情報生成部、426 格納部、428 登録部、430 セッション情報同期部、432 応答送信部、440 H-UPF、444 データ受信部、446 セッション情報取得部、447 格納部、448 データ送信部、520 H-SMF、540 H-UPF、620 V-SMF、622 受信部、623 経路情報受信部、624 生成部、625 要求受信部、626 格納部、627 応答受信部、628 要求送信部、640 V-UPF、644 データ受信部、646 データ送信部、647 格納部、700 リソース管理装置、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ、1242 キーボード
【要約】 (修正有)
【課題】国際ローミングにおいて、システム全体としてのリソース消費を抑制できるシステム及び方法を提供する。
【解決手段】システム10は、SGW300と、複数のPGW100、200と、記憶部32、34と、を備え、各PGWは、ASNが異なるHPLMNに配置されており且つ各PGWには同一のIPアドレスが割り当てられている。SGWは、通信端末60のセッション生成要求を選択されたPGWに送信する。PGWは、通信端末のセッション情報を生成してセッション情報を記憶部に登録し、セッション生成応答をSGWに送信する。SGWは、セッション生成応答を受信した後、通信端末のアップリンクデータをPGWに送信する。PGWは、PGWがセッション情報を保持していない場合、記憶部からセッション情報を取得する。
【選択図】
図1