IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社寺岡精工の特許一覧

<>
  • 特許-物品回収装置 図1
  • 特許-物品回収装置 図2
  • 特許-物品回収装置 図3
  • 特許-物品回収装置 図4
  • 特許-物品回収装置 図5
  • 特許-物品回収装置 図6
  • 特許-物品回収装置 図7
  • 特許-物品回収装置 図8
  • 特許-物品回収装置 図9
  • 特許-物品回収装置 図10
  • 特許-物品回収装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】物品回収装置
(51)【国際特許分類】
   B30B 9/32 20060101AFI20241105BHJP
   B65F 1/10 20060101ALI20241105BHJP
   B65F 1/00 20060101ALI20241105BHJP
   B65F 1/04 20060101ALI20241105BHJP
   B29B 17/00 20060101ALN20241105BHJP
【FI】
B30B9/32 101B
B65F1/10
B65F1/00 E
B65F1/04
B65F1/00 B
B29B17/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023027898
(22)【出願日】2023-02-27
(62)【分割の表示】P 2018185091の分割
【原出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2023093422
(43)【公開日】2023-07-04
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 昇一
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-104602(JP,A)
【文献】特開昭59-002703(JP,A)
【文献】特開2010-284368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 9/32
B65F 1/00
B09B 3/20
B09B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を減容して回収する容器減容装置であって、
容器を載置可能な載置部と、
前記載置部から送り出された容器を減容する減容部と、
前記減容部よりも下方に設けられ、減容した容器を収容する、前記容器減容装置の本体部に引き出し自在に設けられた容器収容部と、
前記容器収容部の後方に配設され、前記容器収容部が前記本体部から引き出された場合前記容器収容部から前記容器収容部の引出し方向の反対側にこぼれ落ちた容器を前記容器収容部の近傍に案内する板状部材を有する
ことを特徴とする容器減容装置。
【請求項2】
前記板状部材は前記容器収容部が前記容器減容装置の本体部から引き出された場合に、前記容器収容部とともに引き出され
ことを特徴とする請求項1に記載の容器減容装置。
【請求項3】
前記板状部材は、前記容器収容部の引き出しに応じて、鉛直方向に対する傾斜角度を変え
ことを特徴とする請求項1または2に記載の容器減容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空容器を回収する空容器回収装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-175789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
減容物などの物品を回収箱に収納する回収装置では、回収箱に多量の物品が収納された状態で、回収箱を回収装置の筐体部から引き出す場合に、回収箱の奥側(引出しの奥側)に物品がこぼれ落ち、こぼれ落ちた物品を取り除き難いことがある。
また、回収箱から減容物などの物品がこぼれ落ち難い構造を有する回収装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の物品回収装置は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
容器を減容して回収する容器減容装置であって
容器を載置可能な載置部と、
前記載置部から送り出された容器を減容する減容部と、
前記減容部よりも下方に設けられ、減容した容器を収容する、前記容器減容装置の本体部に引き出し自在に設けられた容器収容部と、
前記容器収容部の後方に配設され、前記容器収容部が前記本体部から引き出された場合前記容器収容部から前記容器収容部の引出し方向の反対側にこぼれ落ちた容器を前記容器収容部の近傍に案内する板状部材を有する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、回収した物品が物品収容部から、物品収容部の引出し方向に対して反対側(背面側)へこぼれ落ちた場合であっても、こぼれ落ちた物品を容易に取り出すことが可能な物品回収装置を提供することができる。
また、本発明によれば、物品収容部から減容物などの物品がこぼれ落ち難い構造を有する物品回収装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る物品回収装置としての空容器回収装置の全体概念図であり、(a)は空容器回収装置の正面図、(b)は空容器回収装置の側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る物品回収装置(空容器回収装置)の引出しを引出した状態一例を示す斜視図である。
図3】メンテナンス時の物品回収装置(空容器回収装置)の一例を示す図、(a)は板状部材が水平状態である引出しの一例を示す斜視図、(b)は板状部材が水平状態である引出しの背面側からの物品回収装置(空容器回収装置)の一例を示す斜視図である。
図4】物品回収装置の引出しの一例を説明するための図、(a)は板状部材を備える引出しの一例を示す背面図であり、(b)はは板状部材を備える引出しの一例を示す側面図である。
図5】物品回収装置の板状部材の一例を説明するための図、(a)は引出しに設けられている傾斜した板状部材(収容量拡張手段)の一例を示す図、(b)は(a)に示す引出しから容器収容部を取り外した状態の一例を示す図、(c)はメンテナンス時の水平姿勢の板状部材の一例を示す図である。
図6】物品回収装置の収容量拡張手段としての板状部材の動作の一例を説明するための図、(a)は物品回収装置の本体部に引出しが収容され、板状部材が起立状態の一例を示す概念図、(b)は引出しが僅かに引き出され、板状部材が僅かに傾斜した状態の一例を示す概念図、(c)は引出しが引き出され、板状部材が傾斜した状態の一例を示す概念図である。
図7】本発明の一実施形態に係る物品回収装置(空容器回収装置)の押圧手段(押圧部)の一例を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態に係る物品回収装置(空容器回収装置)のキャップ用袋保持部を備えた引出しの一例を示す斜視図である。
図9図8に示したキャップ用袋保持部の一例を示す分解斜視図である。
図10】本発明の一実施形態に係る物品回収装置の一例を示す図、(a)は物品回収装置の容器収容部の一例を示す側面概念図、(b)は前板部が引出し方向に傾斜可能な容器収容部の一例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係る物品回収装置(空容器回収装置)の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態に係る物品回収装置は、物品回収装置の本体部に引き出し自在に設けられた物品収容部と、物品収容部が本体部から引き出された場合に、物品収容部の引出し方向の反対側に、物品収容部からこぼれ落ちた物品を収容する収容量拡張手段とを有する。
【0009】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
なお、本発明の実施形態に係る物品回収装置として、例えば、空容器回収装置を説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る物品回収装置として、回収対象の空容器(PETボトル等)を回収する空容器回収装置100の一例を示す図である。
本実施形態の空容器回収装置100は、待機時、物品投入部の外扉111が閉状態であり、物品投入部と容器収容部140の間に開閉自在に設けられた内扉112が閉状態である。物品回収時に、物品投入部の外扉111が開状態となり、判別部により、物品投入部の載置部へ載置された物が回収対象物の物品(例えば、PETボトル等の樹脂製の空容器)であるか否かが判別される。回収対象物の物品(空容器)であると判別された場合、外扉111が閉状態となり、物品投入部と容器収容部140の間に設けられた内扉112が開状態となり、容器収容部140により容器が回収される。本実施形態では、空容器回収装置が減容機構(減容部120)を備え、減容機構(減容部120)により容器を減容することで、規定容量の容器収容部140にて多量の減容された空容器を回収可能である。
【0011】
なお、物品としては、PETボトル、缶、ビンに限定されず、例えば、牛乳パック、トレー、インクカートリッジ、図書館やレンタル店への返却物(本やDVDなど)、クリーニング品、電池、電球など、回収の対象となる物品であればよい。つまり、空容器回収装置は物品回収装置の一実施例である。
【0012】
詳細には、図1図2に示したように、本発明の実施形態に係る物品回収装置としての空容器回収装置100は、装置の本体部100Bの上部に容器投入部110が設けられており、容器投入部110の開口部の外側には外扉111が設けられている。装置の本体部100Bは、外扉111よりも上部付近の正面側に、表示操作部3、送受信部4(通信部)が設けられている。また、装置の本体部100Bの正面側には、荷物フック100fが設けられている。
【0013】
また、容器投入部110の下方には、容器収容部140に連通する通路が設けられており、容器投入部110の載置部116から容器収容部140への通路71に内扉112が設けられている。
【0014】
本実施形態では、空容器回収装置100は、内扉112と、容器収容部140の間に減容部120(減容機構)が設けられている。減容部120は、内扉112が開状態の場合、容器投入部110からの空容器Aを押し潰して減容し、減容された容器RAを、下方の容器収容部140に出力する。
また、空容器回収装置100の装置の本体部100Bは、容器収容部140を載置した引出し100C(引出し部材)を有し、正面側には引出用取手100eや、鍵孔100rが設けられており、鍵を鍵孔100rに差込み施解錠可能に構成されている。
【0015】
また、装置の本体部100Bの正面側、詳細には、引出し100Cの正面側には、透光部100A(透光窓)が設けられており、外部から容器収容部140に収容されている空容器を視認可能に構成されている。
【0016】
また、装置の本体部100Bの側面部には、搬送時に用いられる移動用取手100gが設けられている。
【0017】
また、装置の本体部100Bは、正面側にキャップ投入部108を備え、キャップ投入部108から装置の本体部内で下方に向かってキャップ用通路72が設けられ、キャップ投入部108に投入されたキャップがキャップ用通路72を介してキャップ収容部145に収容されるように構成されている。
尚、キャップ用通路72は、キャップと、キャップよりも小さなものを仕分けする機構を有してもよい。具体的には、キャップ用通路72が分岐されて、分岐部に網の目状の部材にて、飲み残し吸い殻、雨水等は別経路で排出、蓄積し、キャップのみキャップ収容部145へ収まるようにしてもよい。
【0018】
減容部120は、例えば、一対の回転軸(不図示)が回転自在に軸支され、その回転軸それぞれに、軸方向の両側面に刃面を備えた圧縮ローラ(不図示)と、当該圧縮ローラよりも小さい径で当該圧縮ローラの厚みよりも僅かに厚いスペーサ(不図示)とが軸方向に沿って交互に並設されている。
駆動時、一対の回転軸が互いに逆方向に回転し、中央部に投入された空容器Aが圧縮ローラにより圧縮されて、減容された空容器が下方へ出力される。
【0019】
図2は本発明の一実施形態に係る物品回収装置(空容器回収装置100)の引出しを引出した状態一例を示す斜視図である。図3はメンテナンス時の物品回収装置(空容器回収装置100)の一例を示す図である。詳細には、図3(a)は板状部材241が水平状態である引出しの一例を示す斜視図、図3(b)は板状部材241が水平状態である引出しの背面側からの物品回収装置(空容器回収装置100)の一例を示す斜視図である。
図4は物品回収装置(空容器回収装置100)の引出し100Cの一例を説明するための図である。詳細には、図4(a)は板状部材241を備える引出し100Cの一例を示す背面図であり、図4(b)は板状部材241を備える引出し100Cの一例を示す側面図である。
図5は物品回収装置の板状部材241の一例を説明するための図である。詳細には、図5(a)は引出し100Cに設けられている傾斜した板状部材241(収容量拡張手段)の一例を示す図であり、図5(b)は図5(a)に示す引出し100Cから容器収容部140を取り外した状態の一例を示す図であり、図5(c)はメンテナンス時の水平姿勢の板状部材の一例を示す図である。
【0020】
図2図4に示すように、引出し100Cは、空容器回収装置100の本体部100Bの前面側の開口部を介して収容可能、及び引出し自在に構成されている。
引出し100Cは、前板部100Ca(化粧板部)、一対の側板部100Cs、向板部100Cb(後板部)、底板部100Cdを有し、上方に開口した有底の箱状に形成されている。この引出し100Cには、上方に開口した有底の箱状の容器収容部140が着脱自在に配置される。
引出し100Cの奥側(背面側)には、収容量拡張部240としての板状部材241が設けられている。本実施形態では、引出し100Cの向板部100Cbの上端部に板状部材241がヒンジ243を介して配置されている。
【0021】
図4図5(a)に示すように、容器収容部140が、物品回収装置(空容器回収装置100)の本体部100Bに対して引き出された場合、板状部材241の傾斜部242の角度θは約60°に規定されており、この傾斜部242は、後方(背面側)が高く、前方が低い傾斜となる。ヒンジ243は、板状部材241の傾斜が上記角度θに規制するように構成されている。
つまり、板状部材241の傾斜部242は、物品収容部(容器収容部140)から、物品収容部(容器収容部140)の引出し方向の反対側にこぼれた物品(減容された容器)を、物品収容部(容器収容部140)の近傍、詳細には、物品収容部(容器収容部140)の背面に案内するように構成されている。
【0022】
また、図3(a)、図3(b)、図5(b)、図5(c)に示すように、メンテナンス時に、引出し100Cから容器収容部140を取り外した場合、板状部材241を手前側(前側)に倒し、水平状態とすることが可能に構成されており、引出し100Cの奥の方や、減容機構の下部付近を容易に清掃することが可能である。
【0023】
次に、図6等を参照しながら、物品回収装置の収容量拡張手段としての板状部材の動作の一例を説明する。
図6(a)に示すように、通常状態(待機状態)では、物品回収装置(空容器回収装置100)の本体部100Bに引出し100Cが収容され、板状部材241が起立状態となっている。
【0024】
図6(b)に示すように、容器収容部140に収容されている空容器などの物品を回収する場合、引出し100Cを引出し方向(手前側)に僅かに引き出すと、板状部材241が僅かに傾斜する。板状部材241の上端部241aは、物品回収装置(空容器回収装置100)の本体部100Bの背面側の背面部材100Bbなどに当接、摺動しながら下方へ移動する。
【0025】
さらに、引出し100Cを引出し方向に引き出すと、図6(c)に示すように、板状部材241が規定の角度(約60°)に傾斜した状態で保持されている。なお、本体部100Bから引き出された引出し100Cはレールなどの案内部材(不図示)により支持されている。
つまり、引出し100Cを引き出した場合、板状部材241が奥側(背面側)に傾いて、例えば、物品収容部(容器収容部140)からこぼれ落ちた物品(減容された容器など)を受け、引出し方向に物品収容部(容器収容部140)の背面部の近傍まで案内する案内部材(案内板)として機能する。操作者(メンテナンス者等)は、本体部100Bと、引出し100Cとの間の隙間から容易に、そのこぼれ落ちた物品を取り除くことができる。
【0026】
そして、容器収容部140から容器を回収する。なお、予め容器収容部140に、容器回収用袋を装着しておき、その容器回収用袋に容器を収容するようにしてもよい。容器回収時には容器回収用袋を取り外し、空の新しい容器回収用袋を容器収容部140に装着することで、容易に容器を回収することができる。
【0027】
次に、引出し100Cを、空容器回収装置100の本体部100Bに収容する場合には、逆の手順で行う。詳細には、図6(c)から図6(b)に示すように、引出し100Cを引出し方向に対して反対側に移動させる。板状部材241の上端部241aは、物品回収装置(空容器回収装置100)の本体部100Bの背面側の背面部材100Bbなどに当接、摺動しながら上方へ移動する。そして、図6(a)に示すように、本体部100Bに引出し100C及び容器収容部140が収容され、板状部材241が起立状態(略垂直状態)となる。
【0028】
次に、本発明の一実施形態に係る物品回収装置(空容器回収装置100)の押圧手段(押圧部100P)の一例を説明する。
図7に示すように、物品回収装置(空容器回収装置100)の本体部100Bは、本体部100Bに収容された物品収容部(容器収容部140)の上方に配設された押圧手段(押圧部100P)を有する。この押圧手段(押圧部100P)は、物品収容部(容器収容部140)が本体部100Bから引き出される場合、物品収容部(容器収容部140)の規定の収容量を超えた物品(空容器A等)を下方へ押圧する。
詳細には、押圧部100Pの下端面は、引出し方向側ほど高さが低くなるような傾斜面部100Paを有する。傾斜面部100Paの最下端部は、物品収容部(容器収容部140)の上端と略同じ高さ、又は物品収容部(容器収容部140)の上端よりも僅かに上方の高さとなるように配置されている。
例えば、引出し100Cが引出し方向に引き出された場合、物品収容部(容器収容部140)の規定の収容量を超えた物品が、詳細には、物品収容部(容器収容部140)の上端よりも高い位置の物品が、押圧部100Pの傾斜面部100Pa(固定部)に接触し、引出し100Cの引出し方向(水平方向)へ移動に応じて、その物品が下方へ押圧され、押圧部100Pの下端と略同じ高さ、つまり容器収容部の上端と略同じ高さとなり、容器収容部140から物品が溢れでることを防止することができる。
【0029】
<キャップ用袋保持部300>
次に、キャップ用袋保持部300の一例を説明する。
図8は本発明の一実施形態に係る物品回収装置(空容器回収装置100)のキャップ用袋保持部300を備えた引出しの一例を示す斜視図である。図9図8に示したキャップ用袋保持部300の一例を示す分解斜視図である。
【0030】
物品回収装置(空容器回収装置100)において、キャップは、図1に示したように、キャップ投入部108から装置本体部内のキャップ用通路72を通ってキャップ収容部145に収容される。
本実施形態では、図8に示すように、容器収容部140の一部分にキャップ収容部145が配置されている。詳細には、キャップ収容用袋BSが、容器収容部140の一隅部に配置される。図8図9に示すように、キャップ用袋保持部300が、引出し100Cの前板部100Ca(化粧板部)の背面100Cabに設けられている。
キャップ用袋保持部300は、L型ホルダ310、ヒンジ320(蝶板)、筒状嵌合部材330、Oリング340(樹脂製パッキン)、支持部材360(支持ワイヤ等)を有する。
【0031】
L型ホルダ310は、ヒンジ320を介して、引出し100Cの前板部100Ca(化粧板部)の背面100Cabの上部に設けられている。支持部材360(支持ワイヤ等)は、L型ホルダ310と引出し100Cの前板部100Caの背面100Cabの間に設けられており、L型ホルダ310を支持する。
【0032】
L型ホルダ310は、中央部に孔部310hを有し、孔部310hに、筒状嵌合部材330、Oリング340(樹脂製パッキン)などが嵌合するように構成されている。
【0033】
筒状嵌合部材330は、L型ホルダ310よりも小さい外径の筒状本体部330aを有し、その筒状本体部330aの上部に鍔部330bが一体的に形成されている。鍔部330bは、筒状本体部330aよりも大きい外径である。
また、筒状本体部330aの外側面の上部付近には複数の突起部330cが周方向に所定間隔で設けられており、上方ほど径方向外側へ大きく突出するように傾斜面部330dが形成されている。
【0034】
Oリング340は、例えば、ゴムなどの樹脂製のパッキンであり、その内径は、筒状嵌合部材330の筒状本体部330aの外径と同じ、又は僅かに大きく形成されている。
【0035】
そのL型ホルダ310の孔部310hに、開口部を上にしたキャップ収容用袋BS、Oリング340を取り付けた筒状嵌合部材330を嵌装する。
すなわち、本実施形態では、ビニールなどの樹脂製のキャップ収容用袋BSが、キャップ用袋保持部300のL型ホルダ310、Oリング340、筒状嵌合部材330により、簡単な構造で確実に保持される。
【0036】
また、キャップ収容用袋BSに収容されているキャップを回収する場合、操作者等により、L型ホルダ310から、筒状嵌合部材330、Oリング340を取り外した後、キャップをキャップ収容用袋BSごと回収する。そして、空の新しいキャップ収容用袋BSを、L型ホルダ310の孔部310hに取り付けた後、Oリング340及び筒状嵌合部材330を嵌装する。
【0037】
また、キャップ用袋保持部300は、L型ホルダ310や筒状嵌合部材330等が、ヒンジ320(蝶板)により約90°上方へ屈曲自在に構成されている。
【0038】
なお、例えば、引出し100Cに収容されている容器収容部140を取り出す又は取り付ける場合など、キャップ用袋保持部300のL型ホルダ310等を、ヒンジ320(蝶板)で約90°上方へ屈曲させることで、L型ホルダ310等に邪魔されずに、容器収容部140を容易に取り出す又は取り付けることができる。
【0039】
なお、上述したキャップ収容用袋BSは、キャップを保持可能な網状の袋であってもよい。
【0040】
本発明の一実施形態に係る物品回収装置(空容器回収装置100)の収容用拡張手段は、上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図10(a)に示した物品回収装置(空容器回収装置)の収容量拡張手段(収容量拡張部240)は、物品収容部(容器収容部140A)が物品回収装置(空容器回収装置100)の本体部から引き出された場合に、物品収容部(容器収容部140A)の引出し方向に対して逆方向の端面140Abの一部分又は全部が、引出し方向に対して逆方向に移動して、物品収容部(容器収容部140A)自体の収容量が、容器収容部が本体部に収容されている状態と比較して、拡張(増大)するように構成されていてもよい。また、容器収容部140Aの端面140Abと側壁(左右側壁)との間にはジャバラ状部材140Wなどの伸縮部材が設けられていてもよい。
また、物品収容部(容器収容部140A)が物品回収装置(空容器回収装置100)の本体部100Bに収容された場合、物品収容部(容器収容部140A)の容量は初期状態に戻る。
すなわち、上述したように、収容量拡張手段(収容量拡張部240)を簡単な構造で実現することができ、物品収容部(容器収容部140A)から減容物などの物品がこぼれ落ち難い構造を有する物品回収装置を提供することができる。
また、板状部材241がジャバラ状部材などの伸縮部材などで構成され、引出し100Cの向板部100Cb(後板部)または容器収容部140Aの背面と、装置の本体部100Bの内側の面とが取り外し可能に設けられていてもよい。この場合、引出し100Cの引出し方向への引き出し量に応じて、ジャバラ部材が張架されこぼれ落ちた物品(空容器)を物品収容部(容器収容部140)に近い場所、つまり背面側に収容することができる。
また、例えば、図10(b)に示したように、引出し100Dの前板部100Daをヒンジ100Dbを回転中心として引き出し方向に傾斜可能に構成し、且つ、容器収容部140Bの前面部140Baが引き出し方向に傾斜可能に構成することによって、収容量拡張手段として構成してもよい。この容器収容部140Bの前面部140Baにはジャバラ状部材が設けられていてもよい。
【0041】
次に、図11を参照しながら、本発明の実施形態に係る物品回収装置としての空容器回収装置100の電気的構成の一例を説明する。
空容器回収装置100は、制御部1(CPU)、記憶部2、表示操作部3、送受信部4、外扉駆動部5、内扉駆動部6、計量部7、金属センサ8、光センサ9、扉位置センサ10、扉ロック部11、減容駆動部15等を有する。各構成要素は、信号線等により電気的に接続されている。
【0042】
制御部1(CPU)は、物品回収装置(空容器回収装置100)の各構成要素を統括的に制御する。制御部1は、例えば、制御用プログラムを実行することにより、本願発明に係る機能をコンピュータに実現する。
【0043】
記憶部2は、RAMやROMなどの記憶装置である。記憶部2は、制御用プログラムなどを記憶する。また、記憶部2は、回収対象物の空容器の特徴を記憶している。空容器の特徴とは、例えば、容器質量の範囲、樹脂材料であるか否かを判別する。
【0044】
表示操作部3は、制御部1の制御により所定の表示を行う。また、表示操作部3は、ユーザ等の操作に応じた信号を制御部1へ出力する。表示操作部3は、例えば、タッチパネル式表示装置などである。
【0045】
送受信部4は、非接触式ICカードやICタグ等に対して通信を行う送受信装置であり、制御部1の制御により、所定の通信を行う。また、送受信部4は、制御部1の制御により、無線式通信路または有線式通信路を介して他の端末装置(コンピュータ)と所定の通信を行う。
【0046】
外扉駆動部5は、外扉111を開閉させるためのモータ等であり、制御部1からの制御により、駆動制御される。
【0047】
内扉駆動部6は、内扉112を開閉させるためのモータ等であり、制御部1からの制御により、内扉を開状態、又は閉状態に駆動制御される。
【0048】
計量部7は、容器投入部110の載置部116に載置された空容器、又は非回収対象物の質量を計量する。計量部7はロードセルなどの計量装置である。
また、計量部7は、容器投入部110の載置部116に載置された容器内の飲み残し等を検出することで、回収可否を判断するセンサとして利用される。また、計量部7は、回収可と判断した容器の重量値を積算することで、容器収容部140に収容されている総重量を特定することも可能に構成されている。この機能により、容器収容部140に計量部を設ける必要がなく、大きな容量の容器収容部140を確保することができ、かつ計量部7自体を小さくすることができる。計量する対象が比較的小さいため、大きな計量部7を設ける必要がない。
【0049】
金属センサ8は、容器投入部110の載置部116に載置された物が金属であるか非金属であるかを検出する。本実施形態では、制御部1は、金属センサ8により載置部116に載置された物が金属であると検出された場合、載置部116に載置された物が非回収対象物であると判別する。
【0050】
また、光センサ9は、容器投入部110に設けられた発光部からの光を受光する受光部を有する。光センサ9は、例えば、偏光板を備え、その偏光板を介して受光するよう構成されており、PETボトルなどの透光性の空容器を透過した偏光した光を検出することにより回収対象の空容器を検出可能に構成されている。
制御部1は、容器投入部の載置部に載置された透光性の空容器を透過して受光した光を、光センサ9で検出し、その光センサ9からの検出信号に基づいて、回収対象の空容器であるか否かを判別する。
【0051】
尚、物品回収装置は、載置部周辺に回収要否を判定するための上記センサ類が設けられている。例えば、従来の回収装置では、装置内に物品を取り込み、回収対象であるか否かを判定し、投入口とは異なる排出口から非対象物を排出しており、装置内に判定部が備えられているため、排出口を設ける必要がある。
一方、本発明の実施形態に係る物品回収装置は、装置の投入口にあたる載置部に回収要否を判定するセンサ類が設けられているため、装置内に回収対象物を取り込む必要がない構成となっている。よって、排出口を設ける必要がなく、小型の物品回収装置を提供することができる。
【0052】
扉位置センサ10は、外扉111の位置や内扉112の位置を検出し、外扉111の位置や内扉112の位置に関する信号を制御部1に出力する。制御部1は、その信号に基づいて外扉111、内扉112の開閉状態を制御する。
【0053】
扉ロック部11は、例えば、ソレノイドなどのロック装置を有し、制御部1からの制御により、必要に応じて外扉111や内扉112の移動をロックする。
【0054】
以上、説明したように、本発明の一実施形態に係る物品回収装置としての空容器回収装置100は、回収した物品(空容器)を収容する、物品回収装置(空容器回収装置100)の本体部(装置の本体部100B)に引き出し自在に設けられた物品収容部(容器収容部140)と、物品収容部(容器収容部140)が本体部(装置の本体部100B)から引き出された場合に、物品収容部(容器収容部140)の引出し方向の反対側に、物品収容部(容器収容部140)からこぼれ落ちた物品を収容する収容量拡張手段(収容量拡張部240)とを有する。
すなわち、回収した物品が物品収容部(容器収容部140)から、物品収容部(容器収容部140)の引出し方向に対して反対側(背面側)へこぼれ落ちた場合であっても、収容量拡張手段(収容量拡張部240)により、こぼれ落ちた物品(空容器)を物品収容部(容器収容部140)に近い場所、つまり背面側に収容することができるので、収容量拡張手段(収容量拡張部240)からその物品を容易に取り出すことが可能な物品回収装置を提供することができる。
本実施形態では、収容量拡張手段(収容量拡張部240)は、引出し100Cに設けられており、引出し100Cの引出し方向への引き出し量に応じて、収容量拡張手段(収容量拡張部240)の収容量が増減するように構成されており、詳細には、引き出し量が0の場合(本体部100B内に引出し100Cが配置されている状態)では、収容量拡張手段(収容量拡張部240)の収容量が0であり、引出し100Cが引き出され、引出し100Cに設けられた物品収容部の背面側端部が、装置本体部100cの前端部から外側に位置する場合、収容量拡張手段(収容量拡張部240)の収容量が最大値であり、物品収容部(容器収容部140)からこぼれ落ちた物品(減容された容器)を容易に収容することができ、且つ、収容量拡張部240に収容された物品(容器)を、脇から容易に取り出すことができる。
比較例として、収容量拡張部240がない場合、引出し100Cの向板部100Cb(後板部)よりも後方(背面側)へ、物品(減容された容器)がこぼれ落ちると、例えば、引出し100Cを完全に取り外して、その物品を取り除くなど煩雑な作業を行うことを要する。例えば、こぼれ落ちた物品(容器)を取り除かないと、引出し100Cを本体部100Bに収容する際に、引出し100Cの向板部100Cb(後板部)と、本体部100Bの背面板部との間に、こぼれ落ちた物品(容器)が挟まり、完全に閉まらない虞がある。
【0055】
一方、本発明の一実施形態に係る物品回収装置(空容器回収装置100)は、上記収容量拡張手段(収容量拡張部240)を有するので、収容量拡張部240に収容された物品(容器)を、容易に取り出すことができる。
【0056】
また、本発明の一実施形態に係る物品回収装置(空容器回収装置100)の収容量拡張手段(収容量拡張部240)は、物品収容部(容器収容部140)を本体部100Bから引き出した場合、物品収容部(容器収容部140)から、物品収容部(容器収容部140)の引出し方向の反対側にこぼれた物品(減容された容器)を、物品収容部(容器収容部140)の近傍、詳細には、物品収容部(容器収容部140)の背面に案内する、引出し方向側ほど高さが低い傾斜部242を有する。
本実施形態では、収容量拡張手段(収容量拡張部240)は、物品収容部の背面側(容器収容部140又は引出し100Cの引出し方向に対して反対側)に設けられた板状部材241を有する。
板状部材241は、下端がヒンジ243を介して、引出し100Cの向板部100Cb(後板部)に接続され、詳細には、引出し100Cの向板部100Cbの上端部に設けられている。
【0057】
容器収容部140が、物品回収装置(空容器回収装置100)の本体部100Bに対して引き出された場合、傾斜部242の角度θは、水平を基準(0°)として、最小値が約40°~80°の範囲内の値、好ましくは、約45°~70°の範囲内の値、最適には約60°に規定されており、この傾斜部242は、後方(背面側)が高く、前方が低い傾斜となる。ヒンジ243は、板状部材241の傾斜が上記角度θに規制するように構成されている。上記実施形態では、ヒンジ243により、板状部材241の傾斜を規制する。
すなわち、簡単な構成で、収容量拡張手段(収容量拡張部)を実現することができる。
【0058】
なお、本実施形態では、容器収容部140(収容ボックス)の上端の高さは、引出し100C(引出部材)の向板部100Cbの上端よりも高くなるように構成されている。
例えば、板状部材241は、垂直状態から僅かに背面側に傾いた傾斜状態となっており、引出し100Cを引出し方向に引き出した場合に、自重等により板状部材が背面側にさらに傾斜するように構成されている。
なお、例えば、引出し100Cを引出し時に、板状部材241を傾斜させるために、一時的に板状部材241の上端部などに当接する当接部材を、本体部100Bに設けてもよい。
【0059】
本実施形態では、板状部材241の上端部の高さ(引出し100Cの収納時の高さ)は、物品収容部(容器収容部140)の高さよりも高くなるように、板状部材241が構成されている。
【0060】
なお、起立状態の板状部材241が、背面側に確実に倒れるように、起立状態の板部の上端部に、
起立状態の板状部材の上端部が移動する経路に、その移動を阻害する突出部材が配置されていてもよい。
引出しを引き出す際に、起立状態の板状部材241が、突出部材に追突して、板状部材241が、背面側に確実に倒れる構造としてもよい。
【0061】
また、本発明の一実施形態に係る物品回収装置(空容器回収装置100)の収容量拡張手段の板状部材241は、容器収容部140の後方に、回動可能に配設され、容器収容部140が物品回収装置(空容器回収装置100)の本体部100Bから引き出された場合に、引出し100Cの向板部100Cbの上端に、板状部材241の下端がヒンジ243を介して傾斜可能に接続された構造となっている。傾斜角度の最小値は、上述したとおり規定されている。
すなわち、板状部材241を、ヒンジ243を介して引出し100Cの向板部100Cbの上端に、板状部材241の下端が接続されているので、簡単な構成で収容量拡張手段を実現することができる。
【0062】
板状部材241は、引出し100Cが装置の本体部100Bに収納時に起立状態となり、引出し100C及び物品収容部(容器収容部140)を引き出すと、奥側(背面側)に傾いて、案内部として機能するように構成されている。
【0063】
詳細には、板状部材241は、引出し100Cが収納時、詳細には、引出し100Cが引出し方向に対して反対方向に移動すると、物品回収装置(空容器回収装置100)の本体部100Bの背面側の背面部材100Bbなどに、板状部材241の上端部241aなどが当接した後、背面部材100Bbに沿って上方へ摺動することで、板状部材241が、垂直又は略垂直に起立状態となる。
すなわち、収容量拡張部240の板状部材241と、背面板部の間の隙間はゼロ又は略ゼロとなり、収容量拡張部240の収容量が略ゼロであるので、小型化の物品回収装置を提供することができる。
【0064】
また、板状部材241は、物品収容部を引き出した場合、奥側(背面側)に傾いて、物品収容部からこぼれ落ちた物品を引出し方向に物品収容部(容器収容部140)の背面部の近傍まで案内する案内部材(案内板)として機能する。
つまり、収容量拡張手段(収容量拡張部240)は、物品収容部を引出した場合のみ、収容量を拡張するように構成されている。
【0065】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0066】
上述した本発明の実施形態に係る空容器回収装置は、空容器を減容する減容部(減容機構)を備えていたが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、減容機構を備えず、投入された回収対象物の空容器をそのままの状態で回収してもよい。
【0067】
上述した実施形態では、空容器回収装置は、PETボトルなどの空容器を回収したが、アルミ缶やスチール缶などを回収する構成であってもよく、PETボトル、アルミ缶、スチール缶の回収を兼用した装置であってもよい。
【0068】
また、本発明に係る物品回収装置は、容器減容装置や容器回収装置に採用してもよい。
【符号の説明】
【0069】
100…空容器回収装置(物品回収装置(容器減容装置))
100B…本体部(回収装置の本体部)
116…載置部
120…減容部(減容機構)
140…容器収容部(収容部)
140Ab…端面
240…収容量拡張部(収容量拡張手段)
241…板状部材
242…傾斜部
243…ヒンジ(回動支持部(規制部材))
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11