(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】クリップアプライヤー機構及びそのクリップアプライヤー装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/128 20060101AFI20241105BHJP
【FI】
A61B17/128
(21)【出願番号】P 2023110896
(22)【出願日】2023-07-05
【審査請求日】2023-07-05
(31)【優先権主張番号】202211269429.1
(32)【優先日】2022-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523122986
【氏名又は名称】イントゥケア メディカル テクノロジー (スジョウ) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IntoCare Medical Technology (Suzhou) Co., LTD
【住所又は居所原語表記】Unit 102/202/301/302/402 East, Building 6, No. 9, Suhong West Road, Suzhou Industrial Park, Suzhou Area, China (Jiangsu) Pilot Free Trade Zone, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ダピン・リ
【審査官】段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-503223(JP,A)
【文献】特表2021-501021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/128
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する頭端と末端とを含む管体と、
前記末端に近接するように設けられるとともに、少なくとも一部が前記管体内に位置する主軸と、
前記管体を貫通するとともに、前記管体内に設けられてクリップが入っているように構成されたクリップビンと前記頭端から突き出るエンドエフェクタとを含むクリップビンアセンブリと、
少なくとも一部が前記管体内に設けられたクリップ押圧アセンブリであって、前記主軸によって前記頭端に向かって押されて前記クリップビン内のクリップを前記エンドエフェクタ内に搬送するように構成されたクリップ押圧アセンブリと、
少なくとも一部が前記管体内に位置する撃発アセンブリであって、前記主軸によって前記頭端に向かって押されて前記エンドエフェクタを閉じ、前記エンドエフェクタ内の前記クリップを撃発させるように構成された撃発アセンブリと、を含む、クリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構であって、
当該クリップアプライヤー機構は、
前記主軸に接続される主軸コネクタと、
前記撃発アセンブリに接続される撃発コネクタと、
前記主軸コネクタと前記撃発コネクタとの間に設けられた係合機構と、をさらに含み、
前記クリップが撃発された後に、前記主軸コネクタが前記係合機構によって前記撃発コネクタ
を前記頭端に背を向け
る方向に移動
させ、前記撃発コネクタが前記撃発アセンブリ
を同方向に移動
させ、
それにより、前記エンドエフェクタを部分的に開放させるように
、前記係合機構と前記撃発コネクタと前記主軸コネクタと前記撃発アセンブリとは構成され
、
前記主軸は、対向する第1の端部と第2の端部とを含み、軸方向において、前記第1の端部は前記頭端に近接し、前記第2の端部は前記頭端から遠く離れ、
前記主軸コネクタは、前記主軸の第2の端部に外嵌されて第2の端部に接続され、前記主軸が軸方向に沿って移動すると、前記主軸コネクタも前記主軸と同一方向に沿って移動し、
前記係合機構は、
前記主軸コネクタに設けられた第1の係合部材と、
前記撃発コネクタに設けられた第2の係合部材と、
を含んでいる、
クリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項2】
前記係合機構は、解放状態と
固定状態とを有し、前記解放状態
では、前記第1の係合部材は
、前記第2の係合部材内に位置し、前記第2の係合部材から外れることができ、前記
固定状態
では、前記第1の係合部材と前記第2の係合部材
とは互いに
固定される、
請求項1に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項3】
前記クリップアプライヤー機構は、撃発完了状態と後退状態とを有し、前記撃発完了状態
では、前記エンドエフェクタ内の前記クリップは撃発され、前記後退状態
では、前記エンドエフェクタ内にはクリップがなく、前記主軸コネクタは外力を加えられて
前記頭端に背を向ける方向に移動し、
前記クリップアプライヤー機構が前記撃発完了状態または前記後退状態にあるときに、前記係合機構は前記
固定状態にあるように構成されている、
請求項2に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項4】
前記クリップアプライヤー機構は、クリップ送り完了状態と回転戻
り状態とを有し、前記クリップ送り完了状態
では、前記クリップは既に前記エンドエフェクタ内に搬送され、
前記クリップアプライヤー機構が前記クリップ送り完了状態または前記回転戻
り状態にあるときに、前記係合機構は前記解放状態にあるように構成されている、
請求項2に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項5】
前記係合機構は、離間状態をさらに有し、前記離間状態において、前記第1の係合部材と前記第2の係合部材とは互いに離間され、前記第1の係合部材は前記第2の係合部材の外に位置する、
請求項2に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項6】
前記クリップアプライヤー機構は、初期状態をさらに有し、前記初期状態において、前記主軸と前記主軸コネクタのいずれにも外力が加えられておらず、
前記クリップアプライヤー機構が前記初期状態にあるときに、前記係合機構は前記離間状態にあるように構成されている、
請求項5に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項7】
前記第1の係合部材は、係合ピンを含み、前記第2の係合部材は、係合溝を含み、前記係合溝は、解放位置とロック位置とを含み、前記係合ピンは、前記解放位置と前記ロック位置との間を移動可能であるように構成されており、
前記係合溝と前記係合ピンは、前記係合機構が前記
固定状態にあるときに、前記係合ピンは前記ロック位置にあり、前記係合機構が前記解放状態にあるときに、前記係合ピンは前記解放位置にあり、前記係合溝から外れることができ、前記係合機構が離間状態にあるときに、前記係合ピンは前記係合溝の外に位置するように構成されている、
請求項2に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項8】
前記撃発コネクタは、管状部材であり、前記係合溝は、前記管状部材に設けられた貫通溝
で、前記頭端に背を向ける方向に向かって開放され、前記解放位置は、前記係合溝の
底部に位置する、
請求項7に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項9】
前記撃発アセンブリは、撃発スリーブと、少なくとも一部が前記撃発スリーブ内に位置する撃発ロッド本体とを含み、
前記撃発ロッド本体は、前記撃発コネクタに接続されるとともに、前記撃発コネクタに
よって前記頭端に背を向け
る方向に移動するように構成されており、
前記撃発スリーブは前記管体として機能し、前記撃発ロッド本体に
よって前記頭端に背を向け
る方向に移動して、
それにより、前記エンドエフェクタを部分的に開放させるように
、前記撃発スリーブが構成されている、
請求項1に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項10】
前記クリップアプライヤー機構は、
前記撃発コネクタと前記撃発ロッド本体との間に設けられた軸方向係合機構であって、前記撃発コネクタと前記撃発ロッド本体とは、前記軸方向係合機構により前記撃発コネクタの軸方向に互いに係合されるが、前記撃発コネクタの周方向に相対運動可能であるように構成されている軸方向係合機構をさらに含む、
請求項9に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項11】
前記軸方向係合機構は、
前記撃発ロッド本体に設けられた係合溝と、
前記撃発コネクタに設けられて、前記撃発コネクタの周方向に沿って前記係合溝内を移動するように構成された
タブとを含む、
請求項10に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項12】
前記係合溝は、前記撃発コネクタの周方向に沿って延びる環状凹溝である、
請求項11に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項13】
前記クリップアプライヤー機構は、
ハウジングであって、前記撃発コネクタは前記ハウジング内に位置するハウジングと、
前記撃発コネクタと前記ハウジングとの間に設けられた周方向係合機構であって、前記撃発コネクタと前記ハウジングとは、前記周方向係合機構により前記主軸の周方向に互いに係合されるが、前記主軸の軸方向に相対運動可能であるように構成されている周方向係合機構と、をさらに含む、
請求項1に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項14】
前記ハウジングは、第1のハウジング部と、前記第1のハウジング部に接続される第2のハウジング部とを、前記管体の軸方向に含み、前記第1のハウジング部は、前記頭端に近接し、前記第2のハウジング部は、前記頭端から遠く離れており、前記第1のハウジング部は、前記第2のハウジング部に対して前記主軸の周方向に回転可能であるように構成されており、
前記周方向係合機構は、前記第2のハウジング部に設けられた
タブと、前記撃発コネクタに設けられた係合溝とを含み、前記
タブと前記係合溝とは互いに係合されるように構成されている、
請求項13に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項15】
前記周方向係合機構は、複数の前記
タブと複数の前記係合溝とを含み、複数の前記
タブと複数の前記係合溝は、一対一対応して設けられ、且つ互いに係合されるように構成されている、
請求項14に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項16】
前記クリップアプライヤー機構は、前記主軸コネクタの周方向に沿って前記主軸コネクタと前記撃発コネクタとの間に等間隔に設けられた複数の前記係合機構を含む、
請求項1に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項17】
前記主軸コネクタは管状部材であり、複数の前記係合機構は、前記管状部材の径方向に対称に設けられた2つの係合機構を含む、
請求項16に記載のクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構。
【請求項18】
請求項1に記載のクリップアプライヤー機構を含む、
クリップアプライヤー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は手術器具に関し、特にクリップアプライヤー機構及びそのクリップアプライヤー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外科手術においては、手術部位の切開部から血液が失われるのを避けるために、手術器具を用いて血管を閉鎖する必要がある。一般的には、クリップアプライヤー装置は、長尺状のクリップアプライヤー機構とハンドルアセンブリとを含む。クリップアプライヤー機構は、例えばトロカールのような補助具を介して人体内に深く侵入することができる。ハンドルアセンブリを操作することにより、クリップアプライヤー機構を制御して結紮クリップ(クリップと略称)をクリップアプライヤー機構の先端に位置するエンドエフェクタまで搬送し、そしてエンドエフェクタを閉じて、クリップが血管を挟むようにする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の実施例はクリップアプライヤー機構及びそのクリップアプライヤー装置を提供する。
【0004】
本発明の第1の方面によれば、対向する頭端と末端とを含む管体と、前記末端に近接するように設けられるとともに、少なくとも一部が前記管体内に位置する主軸と、前記管体を貫通するとともに、前記管体内に設けられてクリップが入っているように構成されたクリップビンと前記頭端から突き出るエンドエフェクタとを含むクリップビンアセンブリと、少なくとも一部が前記管体内に設けられたクリップ押圧アセンブリであって、前記主軸によって前記頭端に向かって押されて前記クリップビン内のクリップを前記エンドエフェクタ内に搬送するように構成されたクリップ押圧アセンブリと、少なくとも一部が前記管体内に位置する撃発アセンブリであって、前記主軸によって前記頭端に向かって押されて前記エンドエフェクタを閉じ、前記エンドエフェクタ内の前記クリップを撃発させるように構成された撃発アセンブリと、を含む、クリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構であって、前記クリップアプライヤー機構は、前記主軸に接続される主軸コネクタと、前記撃発アセンブリに接続される撃発コネクタと、前記主軸コネクタと前記撃発コネクタとの間に設けられた係合機構と、をさらに含み、前記係合機構と前記撃発コネクタと前記主軸コネクタと前記撃発アセンブリとは、前記クリップが撃発された後に、前記主軸コネクタが前記係合機構によって前記撃発コネクタをつれて前記頭端に背を向けて移動するとともに、前記撃発コネクタが前記撃発アセンブリをつれて同方向に移動して、前記エンドエフェクタを部分的に開放させるように構成されている、クリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構を提供する。
【0005】
少なくともいくつかの実施例においては、前記主軸コネクタに設けられた第1の係合部材と、前記撃発コネクタに設けられた第2の係合部材と、を含み、前記係合機構は、解放状態とロック状態とを有し、前記解放状態において、前記第1の係合部材は前記第2の係合部材内に位置し、前記第2の係合部材から外れることができ、前記ロック状態において、前記第1の係合部材と前記第2の係合部材は互いにロックされる。
【0006】
少なくともいくつかの実施例においては、前記クリップアプライヤー機構は、撃発完了状態と後退状態とを有し、前記撃発完了状態において、前記エンドエフェクタ内の前記クリップは撃発され、前記後退状態において、前記エンドエフェクタ内にはクリップがなく、前記主軸コネクタは外力を加えられて後退され、前記クリップアプライヤー機構が前記撃発完了状態または前記後退状態にあるときに、前記係合機構は前記ロック状態にあるように構成されている。
【0007】
少なくともいくつかの実施例においては、前記クリップアプライヤー機構は、クリップ送り完了状態と回転戻し状態とを有し、前記クリップ送り完了状態において、前記クリップは既に前記エンドエフェクタ内に搬送され、前記クリップアプライヤー機構が前記クリップ送り完了状態または前記回転戻し状態にあるときに、前記係合機構は前記解放状態にあるように構成されている。
【0008】
少なくともいくつかの実施例においては、前記係合機構は、離間状態をさらに有し、前記離間状態において、前記第1の係合部材と前記第2の係合部材とは互いに離間され、前記第1の係合部材は前記第2の係合部材の外に位置する。
【0009】
少なくともいくつかの実施例においては、前記クリップアプライヤー機構は、初期状態をさらに有し、前記初期状態において、前記主軸と前記主軸コネクタのいずれにも外力が加えられておらず、前記クリップアプライヤー機構が前記初期状態にあるときに、前記係合機構は前記離間状態にあるように構成されている。
【0010】
少なくともいくつかの実施例においては、前記第1の係合部材は、係合ピンを含み、前記第2の係合部材は、係合溝を含み、前記係合溝は、解放位置とロック位置とを含み、前記係合ピンは、前記解放位置と前記ロック位置との間を移動可能であるように構成されており、前記係合溝と前記係合ピンは、前記係合機構が前記ロック状態にあるときに、前記係合ピンは前記ロック位置にあり、前記係合機構が前記解放状態にあるときに、前記係合ピンは前記解放位置にあり、前記係合溝から外れることができ、前記係合機構が離間状態にあるときに、前記係合ピンは前記係合溝の外に位置するように構成されている。
【0011】
少なくともいくつかの実施例においては、前記撃発コネクタは、管状部材であり、前記係合溝は、前記管状部材に設けられた貫通溝であり、前記係合溝のスロットは、前記頭端に背を向ける方向に向かって開放され、前記解放位置は、前記係合溝の溝底に位置する。
【0012】
少なくともいくつかの実施例においては、前記撃発アセンブリは、撃発スリーブと、少なくとも一部が前記撃発スリーブ内に位置する撃発ロッド本体とを含み、前記撃発ロッド本体は、前記撃発コネクタに接続されるとともに、前記撃発コネクタにつれられて前記頭端に背を向けて移動するように構成されており、前記撃発スリーブは前記管体として機能し、前記撃発ロッド本体につれられて前記頭端に背を向けて移動して、前記エンドエフェクタを部分的に開放させるように構成されている。
【0013】
少なくともいくつかの実施例においては、前記クリップアプライヤー機構は、前記撃発コネクタと前記撃発ロッド本体との間に設けられた軸方向係合機構であって、前記撃発コネクタと前記撃発ロッド本体とは、前記軸方向係合機構により前記撃発コネクタの軸方向に互いに係合されるが、前記撃発コネクタの周方向に相対運動可能であるように構成されている軸方向係合機構をさらに含む。
【0014】
少なくともいくつかの実施例においては、前記軸方向係合機構は、前記撃発ロッド本体に設けられた係合溝と、前記撃発コネクタに設けられて、前記撃発コネクタの周方向に沿って前記係合溝内を移動するように構成されたスナップとを含む。
【0015】
少なくともいくつかの実施例においては、前記撃発コネクタの周方向に沿って延びる環状凹溝である。
【0016】
少なくともいくつかの実施例においては、前記クリップアプライヤー機構は、ハウジングであって、前記撃発コネクタは前記ハウジング内に位置するハウジングと、前記撃発コネクタと前記ハウジングとの間に設けられた周方向係合機構であって、前記撃発コネクタと前記ハウジングとは、前記周方向係合機構により前記主軸の周方向に互いに係合されるが、前記主軸の軸方向に相対運動可能であるように構成されている周方向係合機構と、をさらに含む。
【0017】
少なくともいくつかの実施例においては、前記ハウジングは、第1のハウジング部と、前記第1のハウジング部に接続される第2のハウジング部とを、前記管体の軸方向に含み、前記第1のハウジング部は、前記頭端に近接し、前記第2のハウジング部は、前記頭端から遠く離れており、前記第1のハウジング部は、前記第2のハウジング部に対して前記主軸の周方向に回転可能であるように構成されており、前記周方向係合機構は、前記第2のハウジング部に設けられたスナップと、前記撃発コネクタに設けられた係合溝とを含み、前記スナップと前記係合溝とは互いに係合されるように構成されている。
【0018】
少なくともいくつかの実施例においては、前記周方向係合機構は、複数の前記スナップと複数の前記係合溝とを含み、前記複数のスナップと前記複数の係合溝は、一対一対応して設けられ、且つ互いに係合されるように構成されている。
【0019】
少なくともいくつかの実施例においては、前記クリップアプライヤー機構は、前記主軸コネクタの周方向に沿って前記主軸コネクタと前記撃発コネクタとの間に等間隔に設けられた複数の前記係合機構を含む。
【0020】
少なくともいくつかの実施例においては、前記主軸コネクタは管状部材であり、前記複数の係合機構は、前記管状部材の径方向に対称に設けられた2つの係合機構を含む。
【0021】
本発明の第2の方面によれば、上記のクリップアプライヤー機構を含むクリップアプライヤー装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の実施例の技術的思想をより明瞭に説明するために、以下、実施例の図面について簡単に説明し、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例に関するのに過ぎなく、本発明を限定するものではないことが明らかである。
【0023】
【
図1A】
図1Aは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー装置の一の状態の模式図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー装置の他の状態の模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構の組立模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が初期状態Aにある構成模式図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が初期状態Aにある部分構成模式
図1である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が初期状態Aにある部分構成模式
図2である。
【
図3C】
図3Cは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が初期状態Aにある部分構成模式
図3である。
【
図3D】
図3Dは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が初期状態Aにある断面模式図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の実施例に係る主軸コネクタの部分構成模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例に係る第2のハウジング部の部分構成模式図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構がクリップ送り完了状態Bにある部分構成模式図である。
【
図7A】
図7Aは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が調節状態Cにある部分構成模式
図1である。
【
図7B】
図7Bは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が調節状態Cにある部分構成模式
図2である。
【
図7C】
図7Cは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が調節状態Cにある部分構成模式
図3である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が撃発完了状態Dにある部分構成模式
図1である。
【
図8B】
図8Bは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が撃発完了状態Dにある部分構成模式
図2である。
【
図8C】
図8Cは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が撃発完了状態Dにある部分構成模式
図3である。
【
図9A】
図9Aは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が後退状態Eにある構成模式
図1である。
【
図9B】
図9Bは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が後退状態Eにある構成模式
図2である。
【
図9C】
図9Cは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が後退状態Eにある構成模式
図3である。
【
図10A】
図10Aは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が回転戻り状態Fにある構成模式
図1である。
【
図10B】
図10Bは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が回転戻り状態Fにある構成模式
図2である。
【
図10C】
図10Cは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が回転戻り状態Fにある構成模式
図3である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例に係る撃発コネクタの構成模式図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構の部分構成模式図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施例に係る係合機構の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施例の目的、技術的思想及び利点をより明瞭にするために、以下に本発明の実施例に係る図面を参照しながら、本発明の実施例の技術的思想を明瞭で、完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎない。説明される本発明の実施例に基づいて、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに得られる全ての他の実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0025】
特に定義しない限り、ここで使用される技術用語又は科学用語は当業者が理解する一般的な意味である。本発明の特許出願明細書及び請求の範囲において使用される「第1」、「第2」及び類似する用語は、いかなる順序、数量又は重要性も意味せず、異なる構成部分を区別するために使用されるものに過ぎない。「含む」又は「備える」等の類似の用語は、他の要素又は物品を除外することなく、「含む」又は「備える」の前に記載された要素又は物品が、「含む」又は「備える」の後に列挙された要素又は物品及びそれらの同等物を包含することを意味する。「接続」又は「連なる」などの類似の用語は、物理的または機械的な接続に限定されず、直接的または間接的であるかを問わず、電気的接続を含むことができる。「上」、「下」、「左」、「右」等は、単に相対的な位置関係を表すために使用され、説明された対象の絶対位置が変化すると、それに応じて前記相対的な位置関係も変化し得る。
【0026】
クリップで血管をクランプする前に、クリップアプライヤー機構の先端に位置するエンドエフェクタ内にクリップを搬送しておき、そしてハンドルアセンブリを操作することによってクリップを撃発する必要がある。クリップが既にエンドエフェクタ内に搬送された場合、操作者は、クリップが適正でないこと(例えばクリップの大きさや形状等)を発見すると、クリップアプライヤー機構全体をハンドルアセンブリから取り外し、さらに、適正なクリップを有する別のクリップアプライヤー機構を取り付ける必要がある。クリップアプライヤー装置の使用過程において、クリップのサイズを随時調整する必要があるため、交換されたクリップアプライヤー機構が再度取り付けられて使用される可能性がある。交換されたクリップアプライヤー機構のエンドエフェクタ内にはクリップが既にあるため、このクリップアプライヤー機構が再度ハンドルアセンブリに取り付けられると、ハンドルアセンブリはエンドエフェクタ内にクリップが存在することを認識できず、このとき、さらに別のクリップをエンドエフェクタ内に輸送すると、エンドエフェクタが損傷し、クリップアプライヤー機構の二次使用ができなくなる。
【0027】
そこで、本発明の実施例は、少なくとも、クリップアプライヤー機構の交換時にエンドエフェクタの損傷を避けることを目的とする、クリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構及びそれを含むクリップアプライヤー装置を提供する。
【0028】
例えば、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構は管体と、主軸と、クリップビンアセンブリと、クリップ押圧アセンブリとを含む。前記管体は対向する頭端と末端とを含み、前記主軸は末端に近接するように設けられるとともに、少なくとも一部が前記管体内に設けられ、前記クリップビンアセンブリは前記管体を貫通し、前記管体内に設けられてクリップが入っているように構成されたクリップビンと前記頭端から突き出るエンドエフェクタとを含み、前記クリップ押圧アセンブリは、少なくとも一部が前記管体内に設けられ、前記主軸によって前記頭端に向かって押されて前記クリップビン内のクリップを前記エンドエフェクタ内に搬送するように構成されている。さらに、前記クリップアプライヤー機構は、主軸コネクタと、ハウジングと、ロック機構とをさらに含む。前記主軸コネクタは、前記主軸に外嵌されるとともに前記主軸に接続され、管体の軸方向において前記主軸と同方向に移動するように構成されており、前記ハウジングは前記主軸及び前記主軸コネクタを収容するように構成されており、前記ロック機構は、前記主軸コネクタと前記ハウジングとの間に設けられている。前記ロック機構と前記主軸コネクタと前記ハウジングとは、前記クリップが前記エンドエフェクタ内に搬送されると、前記主軸コネクタと前記ハウジングが前記ロック機構によって互いにロックされるように構成されている。
【0029】
上記の本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構において、主軸に接続される主軸コネクタを設け、主軸コネクタとハウジングとの間にロック機構を設けることにより、クリップがエンドエフェクタ内に搬送される際に、主軸コネクタとハウジングとが前記ロック機構によってロックされることを保証することができる。このようにして、上記のクリップアプライヤー機構が取り外されると、主軸コネクタと主軸のハウジングに対する位置がロックされるため、管体の軸方向に移動することができず、クリップアプライヤー機構を二次使用する際に、次のクリップがエンドエフェクタに搬送されることを避け、エンドエフェクタが損傷されることを避けることができ、それにより、クリップアプライヤー機構の長期の使用に有利である。
【0030】
以下、本発明をいくつかの具体的な実施例で説明する。本発明の実施例の以下の説明を明瞭且つ簡潔に維持するために、既知の機能と既知の部品に対する詳細な説明は省略することができる。本発明の実施例の部品いずれかが1つ以上の図面に現れた場合、その部品は各図面において同じ符号で示すことができる。
【0031】
図1Aと
図1Bは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー装置の2つの状態のそれぞれの模式図である。
図2は、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構の組立模式図である。
図3は、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が初期状態にある構成模式図である。
図3Aは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が初期状態にある部分構成模式
図1である。
図3Bは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が初期状態にある部分構成模式
図2である。
図3Cは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が初期状態にある部分構成模式
図3である。
【0032】
図1Aと
図1Bに示すように、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー装置900はクリップアプライヤー機構91とハンドルアセンブリ92とを含む。例えば、クリップアプライヤー機構91は、ハンドルアセンブリ92に取り外し可能に接続される。クリップアプライヤー装置900を操作する際に、操作者は、実際の必要性に応じて、ハンドルアセンブリ92からクリップアプライヤー機構91の迅速な取り外し又は取り付けを行うことができる。
【0033】
ハンドルアセンブリ92は、クリップアプライヤー機構91を制御して、限定されるものではないが、クリップを搬送することと、クリップを撃発することと、撃発アセンブリを復帰することと、クリップ押圧アセンブリを復帰することとを含む各動作を実行するように、クリップアプライヤー機構91を駆動するように構成されている。
【0034】
図1Bに示すように、クリップアプライヤー機構91は、管体90を含み、管体90は、対向する頭端90Aと末端90Bとを含む。すなわち、管体90の軸方向Zにおいて、頭端90Aは末端90Bに対向され、頭端90Aは、ハンドルアセンブリ92又は操作者から遠く離れている遠端であり、末端90Bは、ハンドルアセンブリ92又は操作者に近接する近端である。
【0035】
本発明の実施例においては、管体90の延在方向は、
図1Bに示すように、頭端90Aに向かう+Z方向と、頭端90Aに背を向ける-Z方向とを含む軸方向Zとして定義される。例えば、本発明の実施例においては、或る部品又はアセンブリが頭端90Aに向かって移動する際に、+Z方向に沿って移動すると理解することができ、或る部品又はアセンブリが頭端90Aに背を向けて移動する際に、-Z方向に沿って移動すると理解することができる。
【0036】
本発明の実施例においては、管体90の周方向とは、管体90がその回転軸90X周りに回転するときの方向であり、
図1Bに示すように、この周方向Rは、互いに逆方向となる第1の回転方向+Rと第2の回転方向-Rとを含む。例えば、頭端90Aから末端90Bに向かって見ると、第1の回転方向+Rは反時計回り方向であり、第2の回転方向-Rは時計回り方向である。
【0037】
図2と
図3Aに示すように、クリップアプライヤー機構91は、主軸1と、主軸コネクタ2と、撃発コネクタ3と、クリップビンアセンブリと、クリップ押圧アセンブリと、撃発アセンブリと、ハウジング6と、押圧ロッド7と、端蓋12とを含む。撃発アセンブリは、例えば、撃発ロッド本体4と撃発スリーブ5とを含む。クリップビンアセンブリは、例えば、クリップビン9と、クランプ鉗子11(エンドエフェクタとも呼ばれる)とを含む。クリップ押圧アセンブリは、例えば、押圧ブロック8と、クリップ押圧プレート10とを含む。
【0038】
少なくともいくつかの実施例においては、管体90は空洞を有し、主軸1と、クリップビンアセンブリと、クリップ押圧アセンブリと、撃発アセンブリとの少なくとも一部が管体90内に設けられる。
【0039】
例えば、主軸1は、管体90の末端90Bに近接するように設けられるとともに、少なくとも一部が管体90内に設けられる。例えば、主軸1は、対向する第1の端部1Aと第2の端部1Bとを含み、軸方向Zにおいて、第1の端部1Aは頭端90Aに近接し、第2の端部1Bは頭端90Aから遠く離れている。第1の端部1Aは、クリップアプライヤー機構の作動過程において管体90内に位置されてもよい。
【0040】
例えば、クリップビンアセンブリは、管体90を貫通する。クリップビン9は、複数のクリップを積載するために管体90内に設けられる。クランプ鉗子11は、頭端90Aから突き出る。一例においては、複数のクリップが、軸方向Zに沿ってクリップビン9内に並んでいる。
【0041】
例えば、クリップ押圧アセンブリは、少なくとも一部が管体90内に設けられており、主軸1によって頭端90Aに向かって押されてクランプ鉗子11内にクリップビン9内のクリップを搬送するように構成されている。一例においては、押圧ブロック8は頭端90Aに向かって移動可能であり、クリップ押圧プレート10を連れてクリップビン9内のクリップをクランプ鉗子11内に順次に押す。
【0042】
例えば、撃発アセンブリは、少なくとも一部が管体90内に位置し、主軸1によって頭端90Aに向かって押されてクランプ鉗子11を閉じ、前記クランプ鉗子11内のクリップを撃発させるように構成されている。
【0043】
例えば、撃発スリーブ5は管体90として機能し、クランプ鉗子11は撃発スリーブ5の頭端から突き出る。撃発スリーブ5が+Z方向に沿って移動すると、撃発スリーブ5は、クランプ鉗子11の2つのクランプアームを互いに接近する方向に移動させてクランプ鉗子11を閉じた状態にし、このとき、クリップは撃発される。撃発スリーブ5が‐Z方向に沿って移動すると、クランプ鉗子11の2つのクランプアームは互いに離れる方向に移動してクランプ鉗子11を開いた状態にし、後続のクリップ送りを待機する。
【0044】
図3Bと
図3Cに示すように、主軸コネクタ2は、主軸1に外嵌されるとともに主軸1に接続され、軸方向Zにおいて主軸1と同方向に移動するように構成されている。例えば、主軸コネクタ2は、主軸1の第2の端部1Bに外嵌されるとともに第2の端部1Bに接続され、主軸1が+Z又は-Z方向に沿って移動すると、主軸コネクタ2も主軸1と共に+Z又は-Z方向に沿って移動する。
【0045】
図3Bと
図3Cに示すように、例えば、クリップアプライヤー機構91は、主軸1と主軸コネクタ2との間に設けられた軸方向係合機構22をさらに含む。一例においては、軸方向係合機構22は、主軸1に設けられた係合溝221と、主軸コネクタ2に設けられて、主軸1の周方向に沿って係合溝221内を移動するように構成された係合ピン222a、222bとを含む。
【0046】
このようにして、軸方向係合機構22を設け、主軸1と主軸コネクタ2とを主軸1の軸方向に互いに係合させて接続することにより、両者を軸方向Zに同方向かつ同時に移動させることができる一方、主軸1と主軸コネクタ2との一方を、主軸1の周方向において他方に対して例えば相対回転のような、相対運動をさせることができる。
【0047】
例えば係合溝221は、主軸1の周方向に沿って延びる環状凹溝であり、このようにして、係合ピン222a、222bを係合溝221内で360度回転させることを実現できる。一例においては、主軸1が主軸コネクタ2内で回転するとき、クランプ鉗子11の回転を制御して、クランプ鉗子11の回転角度の柔軟性を向上させることができる。
【0048】
本発明の実施例は、2つの係合ピン222a、222bを例にして説明するが、係合ピンの数は、1つ又は2つ以上、例えば3つ等であってもよく、本発明の実施例はこれに限定されないことを理解されたい。
【0049】
係合ピンの数が複数である場合に、複数の係合ピンは主軸1の周方向に等間隔に設けられており、このようにして、主軸1又は主軸コネクタ2の受ける力を均一にすることができ、よって、クリップアプライヤー機構の作動時に主軸1と主軸コネクタ2に損傷を与えることを避けるようにする。
【0050】
例えば、
図3Cに示すように、2つの係合ピン222a、222bは主軸1の径方向に対称に設けられており、このようにして、主軸1又は主軸コネクタ2の受ける力を均一にすることを保証しつつ、係合ピンの数を極力少なくすることができ、製造コストを節約し、加工難度を下げる。
【0051】
本発明の実施例においては、主軸1は管体90と互いに平行に設けられていてもよいので、主軸1の軸方向は管体90の軸方向Zを参照することができ、主軸1の周方向は、管体90の周方向Rを参照することができ、主軸1の径方向は、
図3Dに示す管体90の径方向Pを参照することができる。
【0052】
図3Dは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が初期状態にある断面模式図である。
図2、
図3及び
図3Dを参照すると、ハウジング6は、管体90の末端90Bに設けられ、主軸1及び主軸コネクタ2を収容するように構成されている。すなわち、主軸1と主軸コネクタ2とはハウジング6に設けられている。主軸1及び主軸コネクタ2は、ハウジング6内で軸方向Zに移動可能又は周方向Rに回転可能である。
【0053】
図2に示すように、主軸1の径方向Pにおいて、主軸コネクタ2は主軸1とハウジング6との間に位置する。例えば、ハウジング6は、軸方向Zにおいて、頭端90Aに近接する第1のハウジング部61と、頭端90Aから遠く離れて第1のハウジング部61に接続される第2のハウジング部62とを含む。第1のハウジング部61は、第2のハウジング部62に対して周方向Rに回転可能に構成されている。例えば、第1のハウジング部61は、クリップ押圧アセンブリと撃発アセンブリとに固定接続されており、操作者は、第1のハウジング部61を回転させることによって、クランプ送りアセンブリと撃発アセンブリの角度を調整することができる。第2のハウジング部62は、第1のハウジング部61に対して固定されており、このようにして、第2のハウジング部62と主軸コネクタ2との間のロックの実現に有利である。
【0054】
少なくともいくつかの実施例においては、ロック機構21a、21bは、主軸コネクタ2とハウジング6との間に設けられる。例えば、
図3Aと
図3Bに示すように、ロック機構21a、21bは、主軸コネクタ2と第2のハウジング部62との間に設けられる。クランプ鉗子11内にクリップが搬送されると、主軸コネクタ2と第2のハウジング部62とがロック機構21a、21bによって互いにロックされる。すなわち、軸方向Zと周方向Rとの双方において、主軸コネクタ2と第2のハウジング部62との間は固定されたままであり、このようにして、主軸1と主軸コネクタ2とがZ方向に移動することができないようになっている。
【0055】
少なくともいくつかの実施例においては、ロック機構21a、21bは、主軸コネクタ2に設けられた第1のロック部材211a、211bと、ハウジング6に設けられた第2のロック部材212a、212bとを含む。例えば、
図3Aと
図3Bに示すように、ロック機構21aは、主軸コネクタ2に設けられた第1のロック部材211aと第2のハウジング部62に設けられた第2のロック部材212aとを含み、ロック機構21bは、主軸コネクタ2に設けられた第1のロック部材211bと第2のハウジング部62に設けられた第2のロック部材212bとを含む。第1のロック部材211aと第2のロック部材212aは、主軸1と主軸コネクタ2が+Z方向に沿って移動してクリップ押圧アセンブリを押圧してクランプ鉗子11内にクリップを搬送する際に、第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとが互いにロックされ、第1のロック部材211bと第2のロック部材212bとが互いにロックされるように構成されている。
【0056】
クリップアプライヤー装置の使用過程において、異なる型番のクリップが必要とされる場合がある。例えば、クランプ鉗子11内のクリップのサイズが適正でないことを操作者が発見した場合には、クリップアプライヤー機構91をハンドルアセンブリ92から取り外し、適正なサイズのクリップを有する別のクリップアプライヤー機構を取り付ける必要がある。このクリップアプライヤー機構91がハンドルアセンブリ92に再び取り付けられると、ハンドルアセンブリ92はクランプ鉗子11内にクリップが既に存在したことを認識できないため、クリップビン9内のクリップをクランプ鉗子11内に再び搬送し、クランプ鉗子11を破損させることになり、クリップアプライヤー機構の二次使用に影響を与える。
【0057】
本発明の実施例においては、主軸コネクタ2とハウジング6との間に設けられたロック機構21a、21bにより、クランプ鉗子11内にクリップを搬送する際に、主軸1と主軸コネクタ2とは、ハウジング6に対して管体90の軸方向Zに固定されており、主軸1がクリップ押圧アセンブリを駆動してクランプ鉗子11にクリップを送り続けることを避けることができる一方、取り外し過程において主軸1や主軸コネクタの移動による誤撃発などの不測の事態を避け、操作上の安全性を高めることができる。
【0058】
図2に示すように、主軸1は、対向する第1の端部1Aと第2の端部1Bとを含み、管体90の軸方向Zにおいて、第1の端部1Aは頭端90Aに近接し、第2の端部1Bは頭端90Aから遠く離れている。
【0059】
図4Aは本発明の実施例に係る主軸コネクタの構成模式
図1であり、
図4Bは本発明の実施例に係る主軸コネクタの部分構成模式図であり、
図4Cは本発明の実施例に係る主軸コネクタの構成模式
図2であり、
図4Dは本発明の実施例に係る主軸コネクタの構成模式
図3である。
【0060】
図2に示すように、主軸コネクタ2は管状部材20であり、管状部材20の少なくとも一部は主軸1の第2の端部1Bに外嵌されている。
図3Dに示すように、管状部材20は、主軸1が設けられるチャンパを有し、主軸1と主軸コネクタ2とがZ方向に互いに係合されるように、この管状部材20に軸方向係合機構22が設けられる。
【0061】
本発明の実施例においては、管状部材20(即ち主軸コネクタ2)は管体90と互いに平行に設けられていてもよいので、管状部材20の延在方向または軸方向は管体90の軸方向Zを参照することができ、管状部材20の周方向は、管体90の周方向Rを参照することができ、管状部材20の径方向は、管体90の径方向Pを参照することができる。
【0062】
図4Aに示すように、例えば、管状部材20は、管状部材20のチャンパを画定する管壁203を含む。管壁203は、管状部材20の延在方向において対向する第1の端面201と第2の端面202とを含み、第1の端面201は頭端90Aに近接し、第2の端面202は頭端90Aから遠く離れている。
【0063】
例えば、第1のロック部材211aは、管壁203の第1の端面201から頭端90Aに向けて延出する突出部2112aと、突出部2112aに設けられた第1のフック2111aとを含み、第1のロック部材211bは、管壁203の第1の端面201から頭端90Aに向けて延出する突出部2112bと、突出部2112bに設けられた第1のフック2111bとを含む。
【0064】
少なくともいくつかの実施例においては、ハウジング6は、主軸コネクタ2に面する内壁を含み、第2のロック部材は、内壁に設けられた第2のフックを含み、第1のフックと第2のフックとは互いに係合されるように構成されている。
【0065】
図5は、本発明の実施例に係る第2のハウジング部の部分構成模式図である。
図3Bと
図5に示すように、例えば、第2のハウジング部62は、略円筒状であって、主軸コネクタ2に面する内壁621を含み、第2のロック部材212aは、内壁621に設けられた第2のフック2121aを含み、第2のロック部材212bは、内壁621に設けられた第2のフック2121bを含む。第1のフック2111aと第2のフック2121aとは互いに係合されるように構成され、第1のフック2111bと第2のフック2121bとは互いに係合されるように構成されている。
【0066】
このようにして、第1のフック2111aと第2のフック2121aとの相互係合により、第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとの相互ロックが実現され、第1のフック2111bと第2のフック2121bとの相互係合により、第1のロック部材211bと第2のロック部材212bとの相互ロックが実現される。
【0067】
本発明の実施例においては、第1のフック2111a、2111bを第1の端面201から延出する突出部2112a、2112bに設けることで、突出部2112a、2112bが管状部材20の径方向においてある程度跳ね返るのをより有利にし、第1のフック2111a、2111bと第2のフック2121a、2121bとの相互係合をより容易にする。
【0068】
図4Aに示すように、第1のフック2111aを例にし、第1のフック2111aを第1の端面201に直接に設ければ(突出部2112aに設けるのではなく)、第1のフック2111aと
図3Bの第2のフック2121aとが互いに係合される際に、第1のフック2111aには跳ね返りの余地がないので、第1のフック2111aを第2のフック2121aに係合させるためには、主軸コネクタを押すために大きな力が必要とされ得る。しかしながら、本発明の実施例においては、突出部2112aは、管壁203の第1の端面から一段延出されているので、管壁203によってもはや拘束されず、跳ね返りの余地があり、第1のフック2111aと第2のフック2121aとが互いに係合される際の抵抗を低減することができる。
【0069】
図4Bは、管壁203の第1の端面201と、第1のフック2111aと、突出部2112aとの位置関係を示している。
図4Bに示すように、突出部2112aの末端と第1の端面201とのZ方向における距離をDとし、管状部材20のそのZ方向における全長をLとし、LはDの4倍~12倍となる。上記パラメータを設定することにより、第1のフックと第2のフックがより係合しやすいことを保証する前提で、主軸コネクタ2がハウジングの中で占有する空間をできるだけ低減させ、クリップアプライヤー機構の構造をよりコンパクトにする。例えば、Lは25mm~35mmであり、Dは3mm~6mmであり、好ましくは、Lは約30mmであり、Dは4mm~6mmである。
【0070】
例えば、
図4Aに示すように、管状部材20は管壁203内に設けられた2つの貫通溝2031、2032をさらに含む。2つの貫通溝2031、2032は、ほぼZ方向に沿って延在しており、したがって、2つの貫通溝2031、2032の延在方向はZ方向に平行となる。
【0071】
本発明の実施例においては、2つの貫通溝2031、2032の形状は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。両者が同じであれば製造工程が簡略化されるため好ましい。本発明の実施例は、両者が同じであるものを例にして説明する。
【0072】
例えば、
図4Bの貫通溝2031を例とし、貫通溝2031は、第1の端面201に開けられたスロット2031oを含む。このスロット2031oは突出部2112aに接しており、すなわち、管状部材20の周方向において、スロット2031oと突出部2112aとは互いに隣接している。
【0073】
図3Bと
図4Aを参照して、第1のフック2111aが第2のフック2121aに互いに係合されるように第2のフック2121aに接近すると、突出部2112aが管状部材20径方向Pに移動する(即ち跳ね返りが発生する)可能性がある。本発明の実施例においては、スロット2031oと突出部2112aとを互いに隣接させることにより、突出部2112aの移動範囲や跳ね返り空間を増やすことができ、第1のフック2111aと第2のフック2121aとが互いに係合される際の抵抗力をさらに低減することができる。
【0074】
図4Aに示すように、2つの貫通溝2031、2032は、2つのスロットをそれぞれ突出部2112aの対向する両側に設けるとともに、突出部2112aに互いに隣接するように、管状部材20の周方向において、それぞれ突出部2112aの対向する両側に設けられる。同様に、管状部材20の周方向に沿った突出部2112bの対向する両側にも、2つの貫通溝が設けられているが、ここでは説明を省略する。
【0075】
少なくともいくつかの例示においては、クリップアプライヤー機構91は、例えばハウジング内に設けられて、クリップアプライヤー機構91を復帰するための復帰部材をさらに含む。
図3と
図3Dに示すように、例えば、クリップアプライヤー機構91は、第1のハウジング部61内に設けられた第1のバネ13a(即ち第1の復帰部材)と、第2のハウジング部62内に設けられた第2のバネ13b(即ち第2の復帰部材)とを含む。
【0076】
図3Dに示すように、例えば、第1のバネ13aは、撃発ロッド本体4に外嵌されるとともに、第1のハウジング部61と撃発ロッド本体4との間に当接され、撃発アセンブリを復帰することに用いられる。
【0077】
図3Dに示すように、例えば、第2のバネ13bは、撃発コネクタ3に外嵌されるとともに、第2のハウジング部62と主軸コネクタ2との間に当接され、クリップ押圧アセンブリと主軸1と主軸コネクタ2とを復帰することに用いられる。例えば、主軸コネクタ2内には段部204が設けられ、第2のバネ13bは第2のハウジング部62の内面と主軸コネクタ2の段部204との間に当接される。
【0078】
クリップアプライヤー機構91がそれぞれの動作を実行するとき、クリップアプライヤー機構は複数の異なる作動状態を有する。本発明の実施例においては、理解を容易にするために、クリップアプライヤー機構91を以下の状態を有するように設定している。
【0079】
1)初期状態A:主軸1と主軸コネクタ2のいずれにも外力が加えられていない状態。
【0080】
2)クリップ送り完了状態B:外力を加え、主軸1と主軸コネクタ2を+Z方向に沿って移動させ、主軸1がクリップ押圧アセンブリを押してクランプ鉗子11内にクリップを搬送する。
【0081】
3)調節状態C:外力を加え続け、主軸1と主軸コネクタ2を+Z方向に沿って移動させ続け、主軸1が撃発アセンブリを押してクランプ鉗子11の開閉角度を調節する。
【0082】
4)撃発完了状態D:外力を加え続け、クランプ鉗子11内のクリップを撃発するように、主軸1と主軸コネクタ2を+Z方向に沿って移動させ続け、主軸コネクタ2が移動過程において第1の回転方向+Rに沿って回転する。
【0083】
5)後退状態E:外力を加え、主軸1と主軸コネクタ2を-Z方向に沿って移動させ、主軸コネクタ2が移動過程において撃発アセンブリを連れて-Z方向に向かって移動する。
【0084】
6)回転戻り状態F:第1の復帰部材の作用で、主軸1と主軸コネクタ2は-Z方向に沿って移動し、主軸コネクタ2が移動過程において第2の回転方向-Rに沿って回転し、撃発アセンブリが復帰される。
【0085】
7)初期状態戻りG:第2の復帰部材の作用で、主軸1と主軸コネクタ2は-Z方向に沿って移動し続け、主軸コネクタ2が移動過程において第2の回転方向-Rに沿って回転し、クリップ押圧アセンブリと主軸1と主軸コネクタ2とのすべてを復帰させる。
【0086】
本発明の実施例において、「外力」という用語は、部品自身による力でない力を指し、クリップアプライヤー機構の外部からの力(例えば、ハンドルアセンブリが提供する駆動力又は操作者が直接にクリップアプライヤー機構に加える力)を指してもよいし、クリップアプライヤー機構における他の部品による力を指してもよい。例えば、主軸コネクタ2に外力が加えられた場合には、押圧ロッド7からの押圧力であってもよいし、主軸1の移動による動力であってもよいし、復帰部材による復帰力であってもよい。
【0087】
本発明の実施例においては、調節状態Cは選択可能な状態である。即ち、クリップアプライヤー機構91は、調節状態Cを有していてもよいし、有していなくてもよい。場合によっては、クリップアプライヤー機構91が調節状態を有するか否かは、クリップの跳ね返り性能に応じって決定され得る。
【0088】
いくつかの実施例においては、クリップの跳ね返り性能が良好である場合に、クリップアプライヤー機構91は上記調節状態Cを有していてもよい。例えば、クランプ鉗子11におけるクリップの幅が穿刺具の直径よりも大きい(穿刺具は例えば直径を有する丸パイプである)場合に、調節状態Cにより、クランプ鉗子11の開閉角度を小さくしてクリップの幅を小さくすることができ、クリップアプライヤー機構91が穿刺具をより貫通しやすくようにする。一例においては、クランプ鉗子11におけるクリップは、幅が約17.5mmであるプラスチッククリップであり、穿刺具の直径は約10mmである。上記調節状態Cにより、クリップの幅を17.5mmから約10mmに減少させることができ、クリップアプライヤー機構91のクランプ鉗子11が穿刺具をスムーズに貫通することができる。
【0089】
別のいくつかの実施例においては、クリップの跳ね返り性能が良くない場合に、クリップアプライヤー機構91は上記調節状態Cを有していなくてもよい。例えば、クリップが金属クリップである場合、弾性が低く、クランプ鉗子11の開閉角度を小さくすると、金属クリップが跳ね返ることができず、金属クリップが正常に使用できなくなる。一例においては、金属クリップの幅は約5.6mmであり、この幅は穿刺具をスムーズに通過することができるので、クランプ鉗子11の開閉角度を調整する必要もない。
【0090】
本実施例においては、クリップアプライヤー機構の各状態を詳細に説明するために、調節状態Cを有するクリップアプライヤー機構91を例に挙げて説明する。
【0091】
前述したように、
図3から
図3Dにおけるクリップアプライヤー機構91は初期状態Aにある。
【0092】
図6は、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構がクリップ送り完了状態Bにある部分構成模式図である。
図7Aは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が調節状態Cにある部分構成模式
図1である。
図7Bは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が調節状態Cにある部分構成模式
図2である。
図7Cは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が調節状態Cにある部分構成模式
図3である。
【0093】
図8Aは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が撃発完了状態Dにある部分構成模式
図1である。
図8Bは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が撃発完了状態Dにある部分構成模式
図2である。
図8Cは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が撃発完了状態Dにある部分構成模式
図3である。
【0094】
図9Aは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が後退状態Eにある構成模式
図1である。
図9Bは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が後退状態Eにある構成模式
図2である。
図9Cは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が後退状態Eにある構成模式
図3である。
【0095】
図10Aは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が回転戻り状態Fにある構成模式
図1である。
図10Bは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が回転戻り状態Fにある構成模式
図2である。
図10Cは、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構が回転戻り状態Fにある構成模式
図3である。
【0096】
なお、クリップアプライヤー機構91が異なる状態間で切り替えられると、それに応じて、クリップアプライヤー機構91におけるパーツ又は部品(主軸コネクタ2とロック機構21a、21bを含むがこれらに限定されない)の位置も変化する。理解しやすくするために、以下に、クリップアプライヤー機構の上記7つの状態に同期していることを示すために、主軸コネクタ2も、初期状態A、クリップ送り完了状態B、調節状態C、撃発完了状態D、後退状態E、回転戻り状態F、初期状態戻りGを有するものとする。
【0097】
以下、図面を参照して、クリップアプライヤーが異なる状態にあるときのロック機構、第1のロック部材、第2のロック部材、主軸、主軸コネクタ等について説明する。
【0098】
図3Aと
図3Bに示すように、クリップアプライヤー機構が初期状態Aにあるときに、主軸1と主軸コネクタ2に外力が加えられておらず、主軸コネクタ2は初期状態Aにあり、ロック機構21a、21bは初期位置にある。このとき、第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとは、Z方向に互いに離間しており、第1のロック部材211aは第2のロック部材212aよりも頭端90Aから離れており、第1のロック部材211bと第2のロック部材212bとは、Z方向に互いに離間しており、第1のロック部材211bは第2のロック部材212bよりも頭端90Aから離れている。
【0099】
図6に示すように、クリップアプライヤー機構91が初期状態Aからクリップ送り完了状態Bに切り替えられると、主軸コネクタ2は初期状態Aからクリップ送り完了状態Bに切り替えられ、ロック機構21a、21bは初期位置からロック位置に変化される。ロック位置において、第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとは互いにロックされ、第1のロック部材211bと第2のロック部材212bとは互いにロックされる。
【0100】
例えば、上記の初期状態Aからクリップ送り完了状態Bへの切替過程は、以下の方式によって実現され得る。
【0101】
図3Aと
図6に示すように、外力を加え、主軸1と主軸コネクタ2を+Z方向に沿って移動させ、移動過程において、主軸1がクリップ押圧アセンブリを押してクランプ鉗子11内にクリップを搬送し、主軸コネクタ2は、第1のロック部材211a、211bをつれて共に+Z方向に沿ってに移動し、それぞれ第2のロック部材212a、212bと互いにロックする。
【0102】
なお、第2のハウジング部62と第2のロック部材212a、212bは、クリップアプライヤー機構91の全ての状態においても固定されたままである。
【0103】
本発明の実施例においては、ロック状態にある第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとのR方向における周方向距離を零と定義し、ロック状態にある第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとのR方向におけるなす角を零と定義する。第1のロック部材211bと第2のロック部材212bの定義は上記と同じであり、ここでは繰り返さない。
【0104】
図7Aと
図7Bに示すように、クリップアプライヤー機構91がクリップ送り完了状態Bから調節状態Cに切り替えられると、主軸コネクタ2はクリップ送り完了状態Bから調節状態Cに切り替えられ、ロック機構21a、21bはロック位置から第1のロック解除位置に変化される。第1のロック解除位置において、第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとはZ方向において第1の距離d1だけ離間しており、第1のロック部材211bと第2のロック部材212bとはZ方向において第1の距離d1だけ離間している。
【0105】
例えば、上記のクリップ送り完了状態Bから調節状態Cへの切替過程は、以下の方式によって実現され得る。
【0106】
外力を加え続け、主軸1と主軸コネクタ2を+Z方向に沿って移動させ続ける。移動過程において、主軸1は、撃発スリーブ5に外力を伝達し、撃発スリーブ5を+Z方向に沿って移動させ、撃発スリーブ5の移動は、クランプ鉗子11の2つのクランプアームの間の夾角を小さくするように、2つのクランプアームを互いに近づけ、クランプ鉗子11の開閉角度を調節する目的を達成する。主軸コネクタ2は、
図7Aに示すように、第1のロック部材211a、211bと第2のロック部材212a、212bとのZ方向における間隔を第1の距離d1まで増大させるように、第1のロック部材211a、211bをつれて+Z方向に沿って移動し続ける。
【0107】
本発明の実施例においては、上記のクランプ鉗子11に対する調節は、特に、クリップアプライヤー機構91が細長い穿刺具を貫通する場合に適用され、穿刺具を貫通する際にクランプ鉗子11を破損から保護する。
【0108】
図8Aと
図8Bに示すように、クリップアプライヤー機構91が調節状態Cから撃発完了状態Dに切り替えられると、主軸コネクタ2は調節状態Cから撃発完了状態Dに切り替えられ、ロック機構21a、21bは第1のロック解除位置から第2のロック解除位置に変化される。第2のロック解除位置において、第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとはZ方向において第2の距離d2だけ離間し、両者は周方向Rにおいて第1の周方向距離R1だけ離間しており、第1のロック部材211bと第2のロック部材212bとはZ方向において第2の距離d2だけ離間し、両者は周方向Rにおいて第1の周方向距離R1だけ離間している。例えば、第2の距離d2は第1の距離d1よりも大きく、第1の周方向距離R1は零よりも大きい。
【0109】
例えば、上記の調節状態Cから撃発完了状態Dへの切替過程は、以下の方式によって実現され得る。
【0110】
外力を加え続け、主軸1と主軸コネクタ2を+Z方向に沿って移動させ続けるとともに、主軸コネクタ2が第1の回転方向+Rに沿って回転される。
【0111】
移動過程において、主軸1は、クランプ鉗子11を閉じるように、撃発スリーブ5を押して+Z方向に沿って移動させ続け、クリップを撃発する。
【0112】
移動過程において、主軸コネクタ2は、
図8Aに示すように、第1の距離d1を第2の距離d2まで増大させるように、第1のロック部材211a、211bをつれて+Z方向に沿って移動し続ける。それと同時に、主軸コネクタ2は、第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとの周方向Rにおける間隔を第1の周方向距離R1まで増大し、第1のロック部材211bと第2のロック部材212bとの周方向Rにおける間隔を第1の周方向距離R1まで増大するように、さらに、第1のロック部材211a、211bをつれて第1の回転方向+Rに沿ってある角度(例えばこの角度a1は約32°である)だけ回転する。即ち、周方向Rにおいて、第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとの間にはある回転角度がずれており、第1のロック部材211bと第2のロック部材212bも同じ回転角度だけずれている。本発明の実施例においては、互いにロックする際の第1のロック部材と第2のロック部材との間の周方向距離を零とするので、第1の周方向距離R1は零よりも大きい。
【0113】
本発明の実施例においては、主軸コネクタ2を移動させながら回転させることにより、第1のロック部材つれてを第2のロック部材に対して相対的に回転するとともに周方向にずらし、このようにして、撃発アセンブリが-Z方向に戻って復帰するとき、第1のロック部材と第2のロック部材が互いに衝突するのを効果的に回避でき、撃発アセンブリの復帰過程に障害が形成されるのを防止する。
【0114】
クリップアプライヤー機構が撃発完了状態Dにあるとき、主軸コネクタ2と主軸1は、ハンドルアセンブリ92から最も離れている。第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとのZ方向における間隔および第1のロック部材211bと第2のロック部材212bとのZ方向における間隔は、最大値に達する。
【0115】
図9Aと
図9Bに示すように、クリップアプライヤー機構91が撃発完了状態Dから後退状態Eに切り替えられると、主軸コネクタ2は撃発完了状態Dから後退状態Eに切り替えられ、ロック機構21a、21bは第2のロック解除位置から第3のロック解除位置に変化される。第3のロック解除位置において、第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとはZ方向において第3の距離d3だけ離間し、両者はR方向において第1の周方向距離R1だけ離間したままであり、第1のロック部材211bと第2のロック部材212bとはZ方向において第3の距離d3だけ離間し、両者はR方向において第1の周方向距離R1だけ離間したままである。第3の距離d3は、第2の距離d2よりも小さく、零よりも大きい。
【0116】
例えば、上記の撃発完了状態Dから後退状態Eへの切替過程は、以下の方式によって実現され得る。
【0117】
外力を加え、主軸1と主軸コネクタ2を-Z方向に沿って移動させる。
【0118】
移動過程において、主軸コネクタ2は撃発コネクタ3をつれて-Z方向に沿って移動し、撃発コネクタ3は撃発ロッド本体4をつれて-Z方向に沿って移動し、撃発ロッド本体4は撃発スリーブ5をつれて-Z方向に沿って移動し、すなわち、撃発スリーブ5はある距離だけ後退する。撃発スリーブ5の後退により、クランプ鉗子11の2つのクランプアームが互いに離れており、2つのクランプアーム間の夾角が徐々に増大する。それと同時に、主軸コネクタ2は、第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとのZ方向における間隔を第2の距離d2から第3の距離d3まで減少し、第1のロック部材211bと第2のロック部材212bとのZ方向における間隔を第2の距離d2から第3の距離d3まで減少するように、さらに、第1のロック部材211a、211bをつれて-Z方向に沿って移動する。
【0119】
クリップアプライヤー装置において、クリップが撃発された後に、クランプ鉗子11に撃発スリーブ5が引っ掛かってしまう可能性があり、第1のバネ13aの復帰力だけでは、撃発スリーブ5を後退(すなわち-Z方向に沿って移動)させることが困難である。
【0120】
本発明の実施例においては、上記の後退状態を設けることにより、主軸コネクタ2に加えられた外力を最終的に撃発スリーブ5に伝達するようにし、撃発スリーブ5を一定距離だけ強制的に後退させ(主軸コネクタ2は撃発コネクタ3をつれて移動することができ、撃発コネクタ3は撃発ロッド本体4をつれて移動することができ、撃発ロッド本体4は撃発スリーブ5をつれて移動することができるので)、よって、撃発スリーブ5が引っ掛かって復帰できないという課題を避ける。
【0121】
本発明の実施例において、第3の距離d3と第1の距離d1とは、同じであっても異なっていてもよく、具体的な数値は必要に応じて決定され、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【0122】
図10Aと
図10Bに示すように、クリップアプライヤー機構91が後退状態Eから回転状態Fに切り替えられると、主軸コネクタ2は後退状態Eから回転戻り状態Fに切り替えられ、ロック機構21a、21bは第3のロック解除位置から第4のロック解除位置に変化される。第4のロック解除位置において、第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとはZ方向において第4の距離d4だけ離間し、両者はR方向において第2の周方向距離R2だけ離間しており、第1のロック部材211bと第2のロック部材212bとはZ方向において第4の距離d4だけ離間し、両者はR方向において第2の周方向距離R2だけ離間している。第4の距離d4は、第3の距離d3よりも小さく、第2の周方向距離R2は、第1の周方向距離R1よりも小さく、零よりも大きい。例えば、第4の距離d4は零に等しい。
【0123】
例えば、上記の後退状態Eから回転戻り状態Fへの切替過程は、以下の方式によって実現され得る。
【0124】
第1のバネ13aの復帰力の作用で、主軸1と主軸コネクタ2とは-Z方向に沿って移動されるとともに、主軸コネクタ2が同時に第2の回転方向-Rに沿って回転される。
【0125】
移動過程において、主軸コネクタ2は、
図10Bに示すように、第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとのZ方向における間隔を第3の距離d3から第4の距離d4まで減少し、第1のロック部材211bと第2のロック部材212bとのZ方向における間隔を第3の距離d3から第4の距離d4まで減少するように、第1のロック部材211a、211bをつれて-Z方向に沿って移動し、それと同時に、主軸コネクタ2は、第1の周方向距離R1を第2の周方向距離R2まで減少するように、さらに、第1のロック部材211a、211bをつれて第2の回転方向-Rに沿って角度a2だけ回転する。第2の回転方向-Rは、第1の回転方向+Rと逆である。例えば、第2の周方向距離R2は第1の周方向距離R1よりも小さい。
【0126】
本発明の実施例においては、角度a2は角度a1よりも小さく、かつ零よりも大きく、このようにして、回転戻り状態において、第1のロック部材と第2のロック部材とは、周方向にずれたままであり、ロック機構が初期位置に戻る際に第1のロック部材と第2のロック部材とが衝突することを防止する。
【0127】
例えば、角度a2は、角度a1の1/2~1/3であってもよい。一例において、a1は約32°であり、a2は約16°である。
【0128】
本発明の実施例においては、第1のロック部材の第1のフックと第2のロック部材の第2のフックとのZ方向における間隔を第1のロック部材と第2のロック部材とのZ方向における間隔として定義し、例えば、ロック機構がロック状態にあるとき、
図3Bにおける第1のフック2111aと第2のフック2121aとのZ方向における間隔が零であれば、
図6における第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとのZ方向における間隔も零である。
図7B、
図8B、
図9Bおよび
図10Bに示すように、第1のフック2111aと第2のフック2121aとのZ方向における間隔がそれぞれd1、d2、d3またはd4であるとき、第1のロック部材211aと第2のロック部材212aとのZ方向の間隔もd1、d2、d3またはd4である。
図7B、
図8B、
図9Bおよび
図10Bからわかるように、Z方向において、第1のフック2111aは、第2のフック2121aよりも頭端90Aに近接する。一例において、第4の距離d4は零に等しくてもよい。
【0129】
クリップアプライヤー機構91が
図10Aにおける回転戻り状態Fから
図3Aにおける初期状態Aに復帰されると、主軸コネクタ2は回転状態Fから初期状態Aに復帰され、ロック機構21a、21bは第4のロック解除位置から初期位置に変化される。
【0130】
例えば、上記の回転戻り状態Fから初期状態Aへの切替過程は、以下の方式によって実現され得る。
【0131】
第2のバネ13bの復帰力の作用で、主軸1と主軸コネクタ2とは-Z方向に沿って移動し続けるとともに、主軸コネクタ2が同時に第2の回転方向-Rに沿って、初期位置に復帰するまで回転し続ける。
【0132】
移動過程において、主軸コネクタ2は、第1のロック部材211a、211bを第2のロック部材212a、212bの頭端90Aから遠く離れている側まで移動させるように、第1のロック部材211a、211bをつれて-Z方向に沿って移動し続け、よって、ロック機構21a、21bも初期位置に戻らせる。
図7B、
図8B、
図9Bおよび
図10Bにおいて、第1のフック2111aが第2のフック2121aよりも頭端90Aに近接する場合に比べて、
図3Bにおいては、第1のフック2111aが初期位置に戻っているため、第1のロック部材211a、211bは、第2のロック部材212a、212bの頭端90Aから遠く離れている側に位置する。
【0133】
それと同時に、主軸コネクタ2は、第2の周方向距離R2を零に減少するために、第1のロック部材211a、211bつれてを第2の回転方向-Rに沿って角度a3だけ回転し続ける。
【0134】
本発明の実施例においては、角度a3は、角度a1から角度a2を引いたもの、すなわちa3=a1-a2である。このようにして、第1のロック部材と第2のロック部材の両方を初期位置に回転して戻すことができる。例えば、角度a3は約16°である。
【0135】
本発明の実施例は、2つのロック機構21a、21bを例にして説明するが、ロック機構の数は、1つ又は2つ以上、例えば3つ等であってもよく、本発明の実施例はこれに限定されないことを理解されたい。
【0136】
ロック機構の数が複数である場合に、複数のロック機構が主軸コネクタ2とハウジング6との間に主軸コネクタ2の周方向に沿って等間隔に設けられており、このようにして、主軸コネクタ2又はハウジング6の受ける力を均一にし、所定の位置にロックされる効果を高めることができる。
【0137】
例えば、主軸コネクタ2は管状部材20であり、2つのロック機構21a、21bは管状部材20の径方向に対称に設けられており、このようにして、主軸コネクタ2またはハウジング6の受ける力を均一にすることを保証しつつ、ロック機構の数を極力少なくすることができ、製造コストを節約し、加工難度を下げる。
【0138】
クリップアプライヤー装置においては、クリップが撃発された後に、撃発スリーブがクランプ鉗子に引っ掛かってしまう可能性がある。撃発スリーブが引っ掛かってしまうことにより、復帰部材の復帰力だけでは、撃発スリーブを後退させて復帰させることが困難となり、次のクリップ搬送及びクリップ撃発の動作に影響を与える。
【0139】
従って、本発明の別の実施例は、少なくとも、クリップが撃発された後に、撃発スリーブを強制的にある距離だけ引き戻して、撃発スリーブの復帰を補助するクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構を提供することを目的とする。
【0140】
例えば、本発明の別の実施例に係るクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構は管体と、主軸と、クリップビンアセンブリと、クリップ押圧アセンブリと、撃発アセンブリとを含む。前記管体は対向する頭端と末端とを含み、前記主軸は前記末端に近接するように設けられるとともに、少なくとも一部が前記管体内に位置し、前記クリップビンアセンブリは前記管体を貫通するとともに、前記管体内に設けられてクリップが入っているように構成されたクリップビンと前記頭端から突き出るエンドエフェクタとを含み、前記クリップ押圧アセンブリは、少なくとも一部が前記管体内に設けられ、前記主軸によって前記頭端に向かって押されて前記クリップビン内のクリップを前記エンドエフェクタ内に搬送するように構成されており、前記撃発アセンブリは、少なくとも一部が前記管体内に位置し、前記主軸によって前記頭端に向かって押されて前記エンドエフェクタを閉じ、前記エンドエフェクタ内の前記クリップを撃発させるように構成されている。さらに、前記クリップアプライヤー機構は、主軸コネクタと、撃発コネクタと、係合機構とをさらに含む。前記主軸コネクタは前記主軸に接続され、前記撃発コネクタは前記撃発アセンブリに接続され、前記係合機構は前記主軸コネクタと前記撃発コネクタの間に設けられる。前記係合機構と前記撃発コネクタと前記主軸コネクタと前記撃発アセンブリとは、前記クリップが撃発された後に、前記主軸コネクタが前記係合機構によって前記撃発コネクタをつれて前記頭端に背を向けて移動するとともに、前記撃発コネクタが前記撃発アセンブリをつれて同方向に移動して、前記エンドエフェクタを部分的に開放させるように構成されている。
【0141】
上記の本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構において、主軸に接続される主軸コネクタと、主軸コネクタ及び撃発アセンブリにそれぞれ接続される撃発コネクタとを設けることにより、クリップが撃発された後に、主軸コネクタと係合機構と撃発コネクタとを利用し、撃発アセンブリを頭端に背を向ける方向に沿って引き戻し、よって、撃発スリーブの復帰に有利であり、後続動作への影響を避ける。
【0142】
次に、
図1Aから
図10Cを参照して、上記のクリップアプライヤー機構とクリップアプライヤー装置について説明する。本発明の明確さ及び簡潔さを維持するために、以下の実施例で言及される前述の実施例と同一の部品は、重複する説明を省略し、関連する構成及び配置は、前述の実施例の説明を参照することができる。
【0143】
図1A、
図1Bおよび
図2に示すように、本発明のさらに別の実施例に係るクリップアプライヤー装置900はクリップアプライヤー機構91とハンドルアセンブリ92とを含む。
【0144】
例えば、クリップアプライヤー機構91は、ハンドルアセンブリ92に取り外し可能に接続される。クリップアプライヤー機構91は、管体90と、主軸1と、主軸コネクタ2と、撃発コネクタ3と、クリップビンアセンブリと、クリップ押圧アセンブリと、撃発アセンブリと、ハウジング6と、押圧ロッド7と、端蓋12とを含む。撃発アセンブリは、例えば、撃発ロッド本体4と撃発スリーブ5とを含む。クリップビンアセンブリは、例えば、クリップビン9と、クランプ鉗子11(エンドエフェクタとも呼ばれる)とを含む。クリップ押圧アセンブリは、例えば、押圧ブロック8と、クリップ押圧プレート10とを含む。
【0145】
例えば、管体90は、対向する頭端90Aと末端90Bとを含む。主軸1は、末端90Bに近接するように設けられるとともに、少なくとも一部が管体90内に位置する。クリップビンアセンブリは管体90を貫通するとともに、管体90内に設けられてクリップが入っているように構成されたクリップビンと頭端90Aから突き出るクランプ鉗子11とを含む。クリップ押圧アセンブリは、少なくとも一部が管体90内に設けられており、主軸1によって頭端90Aに向かって押されてクランプ鉗子11内にクリップビン内のクリップを搬送するように構成されている。撃発アセンブリは、少なくとも一部が管体90内に位置し、主軸1によって頭端90Aに向かって押されてクランプ鉗子11を閉じ、クランプ鉗子11内のクリップを撃発させるように構成されている。
【0146】
図3B、
図3C、
図4A、
図7C、
図8C、
図9Cおよび
図10Cに示すように、例えば、クリップアプライヤー機構91は、主軸コネクタ2と撃発コネクタ3との間に設けられた係合機構31a、31bをさらに含む。クリップが撃発された後に、主軸コネクタ2が係合機構31a、31bによって撃発コネクタ3をつれて-Z方向に沿って移動するとともに、撃発コネクタ3が撃発アセンブリをつれて同方向に移動して、クランプ鉗子11を部分的に開放させる。
【0147】
図3Cに示すように、例えば、主軸コネクタ2と主軸1とは、軸方向係合機構22によって接続されている。
【0148】
図2、
図3および
図3Aに示すように、例えば、撃発アセンブリは、撃発スリーブ5と、少なくとも一部が撃発スリーブ5内に位置する撃発ロッド本体4とを含む。
【0149】
例えば、撃発スリーブ5は、管体90として使用されるとともに、撃発ロッド本体4に接続され、このようにして、撃発ロッド本体4がZ方向に移動するときに、撃発スリーブ5もZ方向に移動する。例えば、撃発ロッド本体4が-Z方向に沿って移動するときに、撃発スリーブ5をつれて-Z方向に沿って後退することができ、よって、クランプ鉗子11を部分的に開放させる。
【0150】
例えば、撃発ロッド本体4は、撃発コネクタ3に接続され、このようにして、撃発コネクタ3がZ方向に移動するときに、撃発ロッド本体4もZ方向に移動する。例えば、撃発コネクタ3が-Z方向に沿って移動するときに、撃発ロッド本体4をつれて-Z方向に沿って後退することができる。
【0151】
例えば、撃発ロッド本体4は、その延在方向において、頭端90Aに近接する第1のロッド状部分4Aと、頭端90Aから遠く離れている第2のロッド状部分4Bとを含む。撃発スリーブ5は、第1のロッド状部分4Aに外嵌されるとともに接続され、撃発コネクタ3は、第2のロッド状部分4Bに外嵌されるとともに接続される。
【0152】
本発明の実施例において、「ロッド本体」または「ロッド状部分」という用語は、このロッド本体またはロッド状部分が中実構造であることを意味するものではなく、細長い形状を有することを意味する。例えば、
図3Dに示すように、撃発ロッド本体4は、主軸1を収容可能なチャンパを形成するように、中空であってもよい。
【0153】
図3B、
図3C、
図4A、
図7C、
図8C、
図9Cおよび
図10Cに示すように、係合機構31aは、主軸コネクタ2に設けられた係合ピン311a(即ち第1の係合部材)と、撃発コネクタ3に設けられた係合溝312a(即ち第2の係合部材)とを含み、係合機構31bは、主軸コネクタ2に設けられた係合ピン311b(即ち第1の係合部材)と、撃発コネクタ3に設けられた係合溝312b(即ち第2の係合部材)とを含む。
【0154】
例えば、係合機構31a、31bは、離間状態、解放状態及びロック状態を有する。
【0155】
離間状態においては、係合ピン311aと係合溝312aとが互いに離間され、係合ピン311aが係合溝312aの外に位置し、係合ピン311bと係合溝312bとが互いに離間され、係合ピン311bが係合溝312bの外に位置する。
図3から
図3Cに示すように、例えば、クリップアプライヤー機構91が初期状態Aにあるときに、係合機構31a、31bは離間状態にある。
【0156】
解放状態においては、係合ピン311a、311bは、それぞれ係合溝312a、312b内に位置し、係合溝312a、312bから外れることができる。
図6、
図7Cおよび
図10Cに示すように、クリップアプライヤー機構91がクリップ送り完了状態B、調節状態Cまたは回転戻り状態Fにあるときに、係合機構31a、31bは解放状態にある。
【0157】
ロック状態においては、係合ピン311a、311bは、それぞれ係合溝312a、312bに互いにロックされる。ロック状態においては、主軸コネクタ2と撃発コネクタ3との相対位置は、Z方向又はR方向のいずれにおいても固定されたままであるので、主軸コネクタ2は撃発コネクタ3をつれてZ方向に移動することができる。
図8Cと
図9Cに示すように、クリップアプライヤー機構91が撃発完了状態Dまたは後退状態Eにあるときに、係合機構31a、31bはロック状態にある。
【0158】
クリップが撃発された後に(即ち撃発完了状態Dと後退状態Eのときに)、係合機構31a、31bはロック状態にあり、撃発コネクタ3と主軸コネクタ2との間は互いにロックされている。そして、主軸コネクタ2に外力を加えることにより、主軸コネクタ2を-Z方向に向かって移動させ、ひいては撃発コネクタ3は主軸コネクタ2につれられて-Z方向に向かって後退し、最終的に撃発スリーブ5も後退する。撃発完了状態Dと後退状態Eとにおいて係合機構31a、31bをロック状態とするように設けることにより、少なくとも撃発過程と後退過程とにおいて撃発コネクタ3と主軸コネクタ2とが互いに離間しないことを保証し、上記の2つの過程に不測の事態の発生を避ける。
【0159】
本発明の実施例において、係合機構31a、31bは、同じ又は異なる構成を有してもよく、両者が同じである場合には、製造プロセスを簡略化できるので好ましい。本発明の実施例は、係合機構31a、31bが同じ構成を有する場合を例にして説明する。
【0160】
図10Dは
図10Cの係合機構の部分拡大構成模式図である。以下、係合機構31aを例にして説明する。
図10Dに示すように、係合溝312aは、解放位置312p1とロック位置312p2とを含み、係合ピン311aは、解放位置312p1とロック位置312p2との間を移動可能である。
【0161】
例えば、係合機構31aがロック状態にあるときに、係合ピン311aはロック位置312p2に位置する。係合機構31aが解放状態にあるときに、係合ピン311aは解放位置312p1に位置するとともに、係合溝312aから外れることができる。係合機構31aが離間状態にあるときに、係合ピン311aは係合溝312aの外に位置するため、解放位置312p1にもロック位置312p2にも位置しない。
【0162】
以下、図面を参照して、クリップアプライヤー機構が異なる状態にあるときの係合機構、撃発コネクタ、主軸コネクタ等について説明する。
【0163】
図3Aから
図3Cに示すように、クリップアプライヤー機構91が初期状態Aにあるときに、主軸コネクタ2は初期状態Aにあり、係合機構31aは離間状態にあり、係合ピン311aは係合溝312aの外に位置する。例えば、係合ピン311aは、係合溝312aの頭端90Aから遠く離れている側に位置する。
【0164】
図6に示すように、クリップアプライヤー機構91が初期状態Aからクリップ送り完了状態Bに切り替えられると、主軸コネクタ2は、係合ピン311aを係合溝312aの解放位置312p1に移動するように、+Z方向に沿って移動するとともに、係合ピン311aをつれて+Z方向に沿って移動し、よって、係合機構31aを解放状態にさせる。係合ピン311aを係合溝312aの解放位置312p1に移動させることにより、続いて主軸コネクタ2を+Z方向に沿って押すときに、同時に撃発コネクタ3を+Z方向に沿って押すことができることに有利である。
【0165】
図7Aから
図7Cに示すように、クリップアプライヤー機構91がクリップ送り完了状態Bから調節状態Cに切り替えられると、主軸コネクタ2は係合ピン311aをつれて+Z方向に沿って移動し続ける。
【0166】
図8Aから
図8Cに示すように、クリップアプライヤー機構91が調節状態Cから撃発完了状態Dに切り替えられると、主軸コネクタ2は+Z方向に沿って移動し続けるとともに、同時に第1の回転方向+Rに沿って回転する。主軸コネクタ2につれられて、係合ピン311aも+Z方向に沿って移動し続けるとともに、同時に第1の回転方向+Rに沿って解放位置312p1からロック位置312p2まで回転する。このとき、係合機構31aはロック状態にあり、主軸コネクタ2と撃発コネクタ3との相対位置がロックされ、後続の撃発アセンブリの後退に備える。
【0167】
図9Aから
図9Cに示すように、クリップアプライヤー機構91が撃発完了状態Dから後退状態Eに切り替えられると、主軸コネクタ2は撃発コネクタ3をつれて-Z方向に沿って移動し、撃発コネクタ3は撃発ロッド本体4をつれて-Z方向に沿って移動し、撃発ロッド本体4は撃発スリーブ5をつれて-Z方向に沿って移動し、最終的に、撃発スリーブ5はある距離だけ後退する。上記の操作によって、外力で撃発スリーブ5を強制的に後退させることができ、撃発スリーブ5がクランプ鉗子11に引っ掛かってしまう課題を解決する。このとき、係合機構31aはロック状態のままである。
【0168】
図10Aから
図10Cに示すように、クリップアプライヤー機構91が後退状態Eから回転戻り状態Fに切り替えられると、主軸コネクタ2は-Z方向に沿って移動するとともに、同時に第2の回転方向-Rに沿って回転する。主軸コネクタ2につれられて、係合ピン311aも-Z方向に沿って移動するとともに、同時に第2の回転方向-Rに沿ってロック位置312p2から解放位置312p1まで回転し戻る。このとき、係合機構31aは解放状態にある。
【0169】
続いて、クリップアプライヤー機構91が
図10Aにおける回転戻り状態Fから
図3Aにおける初期状態Aに復帰されると、主軸コネクタ2は-Z方向に沿って移動し続けるとともに、同時に第2の回転方向-Rに沿って回転し続ける。主軸コネクタ2につれられて、係合ピン311aも-Z方向に沿って移動し続けるとともに、同時に係合溝312aから離れる。このとき、係合機構31aは初期の離間状態にある。
【0170】
以上の過程からわかるように、本発明の実施例は主軸コネクタ2と撃発コネクタ3と係合機構31を利用し、撃発スリーブ5を撃発完了後に強制的にある距離だけ戻させることができ、撃発スリーブ5がクランプ鉗子11に引っ掛かってしまうことによる復帰しにくい課題を効果的に避け、撃発スリーブが復帰する時に更にスムーズであることを保証する。
【0171】
図8Cに示すように、例えば、撃発コネクタ3は管状部材であり、係合溝312a、312bは管状部材に設けられた貫通溝であり、係合溝312a、312bのスロットは-Z方向に向かって開放され、解放位置312p1は係合溝312a、312bの溝底に位置する。係合溝312a、312bのスロットを-Z方向に向かって開放させることにより、係合ピン311a、311bが+Z方向に沿って移動する際に係合溝の解放位置に素早く進入することに有利である。一例において、係合溝312a、312bはL形の溝である。
【0172】
本発明の実施例は、2つの係合機構31a、31bを例にして説明するが、係合機構の数は、1つ又は2つ以上、例えば3つ等であってもよく、本発明の実施例はこれに限定されないことを理解されたい。
【0173】
係合機構の数が複数である場合に、複数の係合機構が主軸コネクタ2と撃発コネクタ3との間に主軸コネクタ2の周方向に沿って等間隔に設けられており、このようにして、主軸コネクタ2又は撃発コネクタ3の受ける力を均一にし、係合の効果を高めることができる。
【0174】
例えば、主軸コネクタ2は管状部材20であり、2つの係合機構31a、31bは管状部材20の径方向に対称に設けられており、このようにして、主軸コネクタ2または撃発コネクタ3の受ける力を均一にすることを保証しつつ、係合機構の数を極力少なくすることができ、製造コストを節約し、加工難度を下げる。
【0175】
図2と
図3Cに示すように、クリップアプライヤー機構91は、撃発コネクタ3と撃発ロッド本体4との間に設けられた軸方向係合機構32をさらに含み、撃発コネクタ3と撃発ロッド本体4とは、軸方向係合機構32により、撃発コネクタ3の軸方向には互いに係合されるが、撃発コネクタ3の周方向には相対運動可能に構成されている。
【0176】
本発明の実施例においては、撃発コネクタ3は管体90と互いに平行に設けられていてもよいので、撃発コネクタ3の軸方向は管体90の軸方向Zを参照することができ、撃発コネクタ3の周方向は、管体90の周方向Rを参照することができ、撃発コネクタ3の径方向は、
図3Dに示す管体90の径方向Pを参照することができる。
【0177】
図11は、本発明の実施例に係る撃発コネクタの構成模式図である。
図2と
図11に示すように、例えば、軸方向係合機構32は、撃発ロッド本体4に設けられた係合溝321と、撃発コネクタ3に設けられたスナップ322a、322bとを含む。スナップ322a、322bは、撃発コネクタ3の周方向に沿って係合溝321内を移動するように構成されている。
【0178】
本発明の実施例においては、撃発コネクタ3と撃発ロッド本体4との間に軸方向係合機構32を設けることにより、撃発コネクタ3と撃発ロッド本体4とをZ方向に相対位置を保ったまま、撃発コネクタ3が撃発ロッド本体4をつれてZ方向に移動するのに有利である一方、撃発ロッド本体4は撃発コネクタ3に対してR方向に回転可能であるため、撃発アセンブリ又はクリップ押圧アセンブリの回転に有利であり、よって、クランプ鉗子11や撃発スリーブ5の回転角度を制御することができる。
【0179】
例えば、撃発コネクタ3は、他の係合機構によって第1のハウジング部61に接続することができ、第1のハウジング部61が回転すると、撃発コネクタ3をつれて回転して、ひいてはクランプ鉗子11や撃発スリーブ5の回転角度を制御することができる。
【0180】
例えば、係合溝321は、周方向に沿って延びる環状凹溝である。このようにして、スナップ322a、322bを係合溝321において360度回転させることができ、回転角度の柔軟性が向上する。
【0181】
本発明の実施例は、2つのスナップ322a、322bを例にして説明するが、スナップの数は、1つ又は2つ以上、例えば3つ等であってもよく、本発明の実施例はこれに限定されないことを理解されたい。
【0182】
スナップの数が複数である場合に、複数のスナップは撃発コネクタ3の周方向に等間隔に設けられており、このようにして、撃発コネクタ3又は撃発ロッド本体4の受ける力を均一にすることができ、クリップアプライヤー機構の作動時に撃発コネクタ3又は撃発ロッド本体4に損傷を与えることを避けるようにする。
【0183】
図3Cに示すように、例えば、撃発コネクタ3は管状部材であり、2つのスナップ322a、322bは管状部材の径方向に対称に設けられており、このようにして、撃発コネクタ3または撃発ロッド本体4の受ける力を均一にすることを保証しつつ、スナップの数を極力少なくすることができ、製造コストを節約し、加工難度を下げる。
【0184】
図2に示すように、例えば、ハウジング6は、主軸1と主軸コネクタ2と撃発コネクタ3との少なくとも一部を収容するために使用され、すなわち、主軸1と主軸コネクタ2と撃発コネクタ3とは、いずれも前記ハウジング6内に位置する。
【0185】
少なくともいくつかの実施例においては、クリップアプライヤー機構91は、撃発コネクタ3とハウジング6との間に設けられた周方向係合機構33をさらに含む。撃発コネクタ3とハウジング6とが、周方向係合機構33によってR方向には互いに係合されるが、Z方向には相対運動可能となっている。例えば、撃発コネクタ3は、ハウジング6に対して+Z方向又は-Z方向に移動可能である。
【0186】
図3Cと
図5に示すように、例えば、周方向係合機構33は、撃発コネクタ3と第2のハウジング部62との間に設けられる。この周方向係合機構33は、第2のハウジング部62に設けられた複数の突起331(すなわちスナップ、
図5に示すように)と、撃発コネクタ3に設けられた複数の凹溝332(すなわち係合溝、
図11に示すように)とを含み、複数の突起331と複数の凹溝332とは、一対一対応して設けられ、且つ互いに係合されるように構成されている。
【0187】
例えば、第2のハウジング部62は、軸方向において頭端90Aに近接する側に位置する開口622を含み、開口622の周縁に沿って複数の突起331が等間隔に分布される。複数の凹溝332は、撃発コネクタ3の外面に位置し、且つ撃発コネクタ3の周方向に沿って等間隔に分布される。このようにして、撃発コネクタ3と第2のハウジング部62は、互いに接続されるときに、より均一に力を受けるようにする。
【0188】
本発明の実施例においては、複数の突起331と複数の凹溝332とを設けることによって、撃発コネクタ3と第2のハウジング部62とをR方向に相対的に固定し、よって、撃発スリーブ5を+Z方向に前進又は-Z方向に後退させる際に、撃発コネクタ3が回転しないことが保証され、操作の安全性が向上する。
【0189】
本発明の実施例は、複数の突起と複数の凹溝を例にして説明するが、突起と凹溝の数は、実際の必要性に応じて設定することができ、本発明はこれに限定されないことを理解されたい。また、本発明の実施例は、突起と凹溝を例にして説明するが、他の実施例において、係合溝と係合ピンを使用することもでき、本発明の実施例はこれに限定されないことを理解されたい。
【0190】
クリップアプライヤー装置において、ハンドルアセンブリは、クリップアプライヤー機構を駆動して各動作を実行するために用いられ、例えば、クリップを搬送することと、クリップを撃発することと、撃発アセンブリを復帰することと、クリップ押圧アセンブリを復帰することとなどである。クリップアプライヤー機構が上記の動作を実行するときに、主軸はハウジングに対して軸方向に運動し、主軸コネクタも主軸につれられて異なる位置に達する。クリップアプライヤー装置の操作上の安定性と安全性を保証するには、各動作を実行するときに、主軸または主軸コネクタが迅速かつ正確に位置に着くことを確保する必要がある。
【0191】
そこで、本発明のさらに別の実施例はクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構を提供し、少なくとも主軸及び主軸コネクタの移動過程において案内することができ、主軸と主軸コネクタが迅速かつ正確に位置に着くようにすることができ、よって、クリップアプライヤー機構の操作上の安定性と安全性を保証することを目的とする。
【0192】
例えば、本発明のさらに別の実施例に係るクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構は管体と、主軸と、クリップビンアセンブリと、クリップ押圧アセンブリと、撃発アセンブリとを含む。前記管体は対向する頭端と末端とを含み、前記主軸は前記末端に近接するように設けられるとともに、少なくとも一部が前記管体内に設けられ、前記クリップビンアセンブリは前記管体を貫通するとともに、前記管体内に設けられてクリップが入っているように構成されたクリップビンと前記頭端から突き出るエンドエフェクタとを含み、前記クリップ押圧アセンブリは、少なくとも一部が前記管体内に設けられ、前記主軸によって前記頭端に向かって押されて前記クリップビン内のクリップを前記エンドエフェクタ内に搬送するように構成されており、前記撃発アセンブリは、少なくとも一部が前記管体内に位置し、前記主軸によって前記頭端に向かって押されて前記エンドエフェクタを閉じ、前記エンドエフェクタ内の前記クリップを撃発させるように構成されている。さらに、前記クリップアプライヤー機構は、主軸コネクタと、ハウジングと、第1のガイド機構とをさらに含む。前記主軸コネクタは、前記主軸に外嵌されるとともに前記主軸に接続され、前記ハウジングは、前記主軸及び前記主軸コネクタを収容するように構成されており、前記主軸コネクタは、前記ハウジングに対して前記管体の軸方向と前記管体の周方向に運動するように構成されており、前記第1のガイド機構は、前記主軸コネクタと前記ハウジングとの間に設けられるとともに、前記ハウジングに対する前記主軸コネクタの運動を案内するように構成されている。
【0193】
上記の本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構においては、主軸コネクタとハウジングとの間に第1のガイド機構を設けることにより、主軸コネクタが移動過程又は回転過程において第1のガイド機構によって案内されるようにし、主軸コネクタは主軸にも接続されているので、クリップアプライヤー機構が各動作を実行する際に、主軸と主軸コネクタの両方が迅速かつ正確に位置に着くことを保証することができる。
【0194】
次に、
図1Aから
図11を参照して、上記のクリップアプライヤー機構とクリップアプライヤー装置について説明する。本発明の明確さ及び簡潔さを維持するために、以下の実施例で言及される前述の実施例と同一の部品は、重複する説明を省略し、関連する構成及び配置は、前述の実施例の説明を参照することができる。
【0195】
図1A、
図1Bおよび
図2に示すように、本発明のさらに別の実施例に係るクリップアプライヤー装置900はクリップアプライヤー機構91とハンドルアセンブリ92とを含む。
【0196】
例えば、クリップアプライヤー機構91は、ハンドルアセンブリ92に取り外し可能に接続される。クリップアプライヤー機構91は、管体90と、主軸1と、主軸コネクタ2と、撃発コネクタ3と、クリップビンアセンブリと、クリップ押圧アセンブリと、撃発アセンブリと、ハウジング6と、押圧ロッド7と、端蓋12とを含む。撃発アセンブリは、例えば、撃発ロッド本体4と撃発スリーブ5とを含む。クリップビンアセンブリは、例えば、クリップビン9と、クランプ鉗子11(エンドエフェクタとも呼ばれる)とを含む。クリップ押圧アセンブリは、例えば、押圧ブロック8と、クリップ押圧プレート10とを含む。
【0197】
例えば、管体90は、対向する頭端90Aと末端90Bとを含む。主軸1は、末端90Bに近接するように設けられるとともに、少なくとも一部が管体90内に設けられる。クリップビンアセンブリは管体90を貫通するとともに、管体90内に設けられてクリップが入っているように構成されたクリップビンと頭端90Aから突き出るクランプ鉗子11とを含む。クリップ押圧アセンブリは、少なくとも一部が管体90内に設けられ、主軸1によって頭端90Aに向かって押されてクランプ鉗子11内にクリップビン内のクリップを搬送するように構成されている。撃発アセンブリは、少なくとも一部が管体90内に位置し、主軸1によって頭端90Aに向かって押されてクランプ鉗子11を閉じ、クランプ鉗子11内のクリップを撃発させるように構成されている。
【0198】
例えば、主軸コネクタ2は、主軸1に外嵌されるとともに、主軸1に接続される。ハウジング6は、主軸1および主軸コネクタ2の少なくとも一部を収容するように構成されている。主軸コネクタ2は、ハウジング6に対して管体90の軸方向(例えば図に示すZ方向)と管体90の周方向(例えば図に示すR方向)に運動可能に構成されている。
【0199】
図3A、
図3Bおよび
図5に示すように、例えば、クリップアプライヤー機構91は、主軸コネクタ2とハウジング6との間に設けられる第1のガイド機構41a、41bをさらに含み、第1のガイド機構41a、41bは、ハウジング6に対する主軸コネクタ2の運動を案内するように構成されており、例えば、ハウジング6に対する主軸コネクタ2のR方向とZ方向の移動を案内することができる。
【0200】
図3A、
図3B、
図4Aから
図4Dおよび
図5に示すように、第1のガイド機構41aは、ハウジング6に設けられた第1のガイド412aと、主軸コネクタ2に設けられた第1のガイド溝411aとを含む。第1のガイド機構41bは、ハウジング6に設けられた第1のガイド412bと、主軸コネクタ2に設けられた第1のガイド溝411bとを含む。第1のガイド溝411aは第1のガイド412aと互いに係合されてもよく、第1のガイド溝411bは第1のガイド412bと互いに係合されてもよい。
【0201】
例えば、第1のガイド412a、412bは、いずれもハウジング6の第2のハウジング部62に設けられる。クリップアプライヤー機構91が各動作を実行する時に、第2のハウジング部62は固定されたままであり、主軸コネクタ2は第2のハウジング部62に対して移動又は回転する。主軸コネクタ2に第1のガイド溝411a、411bを設けるとともに第2のハウジング部62に第1のガイド412aを設けることにより、第1のガイド412a、412bと第1のガイド溝411a、411bとの相互係合関係により、主軸コネクタ2のZ方向又はR方向の運動の軌跡を案内することができ、よって、主軸1と主軸コネクタ2とを迅速かつ正確に位置決めさせる。
【0202】
本発明の実施例においては、2つの第1のガイド機構41a、41bの構成は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。両者が同じであれば製造工程が簡略化されるため好ましい。本発明の実施例は、両者が同じであるものを例として説明する。以下、第1のガイド機構41aを例にして説明する。
【0203】
例えば、主軸コネクタ2は、初期状態Aと、例えばクリップ送り完了状態B、調節状態C、撃発完了状態D、後退状態E、回転戻り状態Fを含む複数の非初期状態とを有する。
【0204】
本発明の実施例においては、主軸コネクタ2の初期状態A、クリップ送り完了状態B、調節状態C、撃発完了状態D、後退状態E、回転戻り状態Fは、前述の実施例において説明したクリップアプライヤー機構91の初期状態A、クリップ送り完了状態B、調節状態C、撃発完了状態D、後退状態E、回転戻り状態Fに対応され、ここでは説明を繰り返さない。
【0205】
図3Aに示すように、主軸コネクタ2が初期状態Aにあるときに、主軸コネクタ2には外力が加えられておらず、第1のガイド412aは第1のガイド溝411aの外に位置する。
【0206】
主軸コネクタ2がクリップ送り完了状態B、調節状態C、撃発完了状態D、後退状態Eまたは回転戻り状態Fのそれぞれにあるときに、主軸コネクタ2に外力が加えられているので、第1のガイド412aは、第1のガイド溝411a内に位置し、且つ第1のガイド溝411a内の異なる位置間を移動する。
【0207】
少なくともいくつかの実施例においては、第1のガイド溝411aは、複数の異なる状態に一対一対応する複数の異なる位置を含む。主軸コネクタ2が複数の異なる状態のうちの1つの状態にあるとき、第1のガイド412aは、第1のガイド溝411aのその状態に対応する位置にある。
【0208】
図6、
図7A、
図8A、
図9A及び
図10Aに示すように、例えば、第1のガイド溝411aは、クリップ送り完了状態B、調節状態C、撃発完了状態D、後退状態Eおよび回転戻り状態Fにそれぞれ対応する5つの異なる位置である第1の位置S1、第2の位置S2、第3の位置S3、第4の位置S4および第5の位置S5を有する。
【0209】
第1のガイド412aが第1の位置S1、第2の位置S2、第3の位置S3、第4の位置S4および第5の位置S5のうちのいずれかにあるときに、主軸コネクタ2は、クリップ送り完了状態B、調節状態C、撃発完了状態D、後退状態Eおよび回転戻り状態Fのうちの、上記の位置に対応する状態にある。
【0210】
例えば、第1のガイド溝411aは、互いに接続される複数の壁を有し、隣接する2つの壁の間には、上述の第2の位置S2、第3の位置S3、第4の位置S4および第5の位置S5を形成するように、ある角度が形成されている。
【0211】
図12は、本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構の部分構成模式図である。
図12に示すように、例えば、第1のガイド溝411aは、第1の壁W1、第2の壁W2、第3の壁W3、第4の壁W4及び第5の壁W5を含み、第1の壁W1、第2の壁W2、第3の壁W3、第4の壁W4及び第5の壁W5のうちの隣接する2つの壁は、第2の位置S2、第3の位置S3、第4の位置S4および第5の位置S5を規定するように、ある角度を形成している。このようにして、第1のガイド412aが第1のガイド溝411aに進入した後に、第1の壁W1、第2の壁W2、第3の壁W3、第4の壁W4及び第5の壁W5に案内されるので、第1のガイド412aを第1の位置S1、第2の位置S2、第3の位置S3、第4の位置S4および第5の位置S5に順に到着させる。
【0212】
図12に示すように、例えば、第1のガイド溝411aは、第1のスロット411a1と第2のスロット411a2をさらに含み、第1のガイド溝411aの入口及び出口としてそれぞれ用いられる。すなわち、第1のガイド412aは、第1のスロット411a1から第1のガイド溝411aに進入するとともに、第2のスロット411a2から第1のガイド溝411aを離れる。
【0213】
上述説明したように、主軸コネクタ2が調節状態Cから撃発完了状態Dに切り替えられると、主軸コネクタ2は第1の回転方向+Rに沿って角度a1だけ回転することになり、主軸コネクタ2が後退状態Eから回転戻る状態Fに切り替えられると、主軸コネクタ2は第2の回転方向-Rに沿って角度a2だけ回転し戻る。第1のガイド溝411aはスロットを1つのみ有し(例えば第1のスロット411a1のみ有する)、且つこのスロットが入口と出口を兼ねるのであれば、第1のスロット411a1から離れるために、主軸コネクタ2の回転し戻る角度a2は、回転した角度a1と等しくなる必要がある。しかしながら、このような配置によって、主軸コネクタ2が初期位置に戻る前に、第1のロック部材211a、211bは第2のロック部材212a、212bにロックされてしまいやすい。
【0214】
そこで、本発明の実施例においては、第1のガイド溝を2つのスロットを有するようにし、それぞれ入口と出口として用いることにより、主軸コネクタ2の復帰過程においてロック機構による誤ロックを避けることができる。
【0215】
図12に示すように、第1のスロット411a1と第2のスロット411a2は、いずれも第1のガイド溝411aの頭端90Aに近接する同じ側に位置する。このようにして、主軸コネクタ2の復帰にさらに有利である。
【0216】
図3A、
図6及び
図12に示すように、クリップアプライヤー機構91が初期状態Aからクリップ送り完了状態Bに切り替えられると、主軸コネクタ2は、+Z方向に沿って移動するように、外力が与えられる。主軸コネクタ2の移動過程において、第1のガイド412aは第1のスロット411a1から第1のガイド溝411aに進入し、第1の壁W1は、主軸コネクタ2を初期状態Aからクリップ送り完了状態Bに切り替えさせるように、第1のガイド412aを
図6に示す第1の位置S1に案内する。
【0217】
図7A、
図7Bおよび
図12に示すように、クリップアプライヤー機構91がクリップ送り完了状態Bから調節状態Cに切り替えられると、主軸コネクタ2は、+Z方向に沿って移動し続けるように、外力が与えられる。第1の壁W1は、主軸コネクタ2をクリップ完了状態Bから調節状態Cに切り替えさせるように、第1のガイド412aを第1の位置S1から第2の位置S2に案内する。
【0218】
例えば、第2の壁W2の延在方向は、第1の壁W1の延在方向と異なっており、第2の位置S2は、第1の壁W1と第2の壁W2との接続箇所に位置しており、このようにして、第2の壁W2によって第1のガイド412aを第2の位置S2に規制することができる。
【0219】
図8A、
図8B及び
図12に示すように、クリップアプライヤー機構91が調節状態Cから撃発完了状態Dに切り替えられると、主軸コネクタ2は、+Z方向に沿って移動し続けるように、外力が与えられる。第2の壁W2は、第1のガイド412aを第2の位置S2から第3の位置S3に案内する。第3の壁W3の延在方向は、第2の壁W2の延在方向と異なっており、第1のガイド溝411aにおける第1のガイド412aの移動方向が変更され、ひいては、主軸コネクタ2を+Z方向に沿って移動させながら、第1の回転方向+Rに沿って角度a1だけ回転させる。最終的に、主軸コネクタ2は調節状態Cから撃発完了状態Dに切り替えられる。
【0220】
例えば、第3の壁W3の延在方向は、第2の壁W2の延在方向と異なっており、第3の位置S3は、第2の壁W2と第3の壁W3の間に位置しており、このようにして、第3の壁W3によって第1のガイド412aを第3の位置S3に規制することができる。
【0221】
例えば、
図12において、第2の壁W2と第3の壁W3との間には、一定の隙間が存在する。他の実施例においては、第2の壁W2と第3の壁W3は、第3の位置をより良く規定するように、互いに接続されてもよいことを理解されたい。
【0222】
図9A、
図9Bおよび
図12に示すように、クリップアプライヤー機構91が撃発完了状態Dから後退状態Eに切り替えられると、主軸コネクタ2は、-Z方向に沿って移動するように、外力が与えられる。第3の壁W3は、主軸コネクタ2を撃発完了状態Dから後退状態Eに切り替えさせるように、第1のガイド412aを第3の位置S3から第4の位置S4に案内する。
【0223】
例えば、第4の壁W4の延在方向は、第3の壁W3の延在方向と異なっており、第4の位置S4は、第3の壁W3と第4の壁W4との接続箇所に位置しており、このようにして、第4の壁W4によって第1のガイド412aを第4の位置S4に規制することができる。
【0224】
図10A、
図10Bおよび
図12に示すように、クリップアプライヤー機構91が後退状態Eから回転戻り状態Fに切り替えられると、第1のバネ13aの復帰力の作用で、主軸コネクタ2は-Z方向に沿って移動し、第4の壁W4は第1のガイド412aを第4の位置S4から第5の位置S5に案内する。第5の壁W5の延在方向は、第4の壁W4の延在方向と異なっており、第1のガイド溝411aにおける第1のガイド412aの移動方向が変更され、ひいては、主軸コネクタ2を-Z方向に沿って移動させながら、第2の回転方向-Rに沿って角度a1だけ回転し戻らせる。例えば、角度a2は角度a1よりも小さい。最終的に、主軸コネクタ2は後退状態Eから回転戻り状態Fに切り替えられる。
【0225】
図3Aおよび
図12に示すように、クリップアプライヤー機構91が回転戻り状態Fから初期状態Aに切り替えられると、第2のバネ13bの復帰力の作用で、主軸コネクタ2は-Z方向に沿って移動し続け、このとき、第5の壁W5は第1のガイド412aを前記第5の位置P5から第1のガイド溝411aの外に案内し、第1のガイド412aを第2のスロット411a2から第1のガイド溝411aから離れさせる。第1のガイド412aが第1のガイド溝411aから離れることにより、主軸コネクタ2は第2の回転方向-Rに沿って角度a3だけ回転し続け、最終的に回転戻り状態Fから初期状態Aに戻る。
【0226】
本発明の実施例においては、第5の壁W5を設けることにより、第1のガイド412aをZ方向に一定距離だけ移動させることができ、クリップアプライヤー機構の復帰過程において第1のロック部材と第2のロック部材とが互いにロックすることを効果的に防止することができる。他の実施例においては、第1のガイド溝411aは第5の壁W5を含まなくてもよく、すなわち、第2のスロット411a2が第5の位置S5に位置し、この場合、第4の壁W4は、第1のガイド412aを前記第4の位置P4から第1のガイド溝411aの外に直接案内することができ、これによっても本発明の目的を達成することができることを理解されたい。
【0227】
図12に示すように、例えば、第1の壁W1、第3の壁W3および第5の壁W5の延在方向のそれぞれは、Z方向にほぼ平行となっており、よって、主軸コネクタ2のZ方向における移動を案内するのに有利である。
【0228】
本発明の実施例において、「ほぼ平行」という用語は、略平行または実質的に平行を意味しており、工程誤差や測定誤差が許容される。本発明の実施例において、「約」という用語は、厳密に数値制限を必要とせず、許容される工程誤差および測定誤差の範囲内の数値として理解されてもよい。
【0229】
図12に示すように、例えば、第2の壁W2と第4の壁W4の延在方向のそれぞれは、Z方向に対して傾斜するように設けられ、よって、主軸コネクタ2のZ方向における移動とR方向における回転を案内するのに有利である。
【0230】
図12に示すように、例えば、第2の壁W2とZ方向との間には第1の傾斜角度b1を有し、第4の壁W4とZ方向との間には第2の傾斜角度b2を有し、第1の傾斜角度b1は、第2の傾斜角度b2よりも大きい。第1の傾斜角度b1を第2の傾斜角度b2よりも大きくすることにより、復帰過程において主軸コネクタ2がロック機構によってロックされることを避けることができる。
【0231】
本発明の実施例において、第1の傾斜角度b1と第2の傾斜角度b2の数値は、第1のガイド412aと第2の壁W2および第4の壁W4との間の摩擦係数に関連しており、当業者であれば実際のニーズに応じて決定することができる。
【0232】
例えば、第1の傾斜角度b1は10°~70°であり、第2の傾斜角度b2は10°~70°である。第1の傾斜角度b1と第2の傾斜角度b2が10°未満であれば、第1のガイド412a、412bにより主軸コネクタ2をガイドし易くなるが、主軸コネクタ2の全長が長くなり、機器全体も長くなり、第1の傾斜角度b1と第2の傾斜角度b2が70°以上であれば、第1のガイド412a、412bが引っ掛かってセルフロックし、主軸コネクタ2をガイドすることができなくなるおそれがある。
【0233】
本実施例においては、第1のガイド溝411aにおける第1のガイド412aの摺動をよりスムーズにさせるために、第2の壁W2と第4の壁W4を、主軸コネクタ2の管状部材20に沿って螺旋状に上昇する螺旋面として設けてもよく、上記の第1の傾斜角度b1は第2の壁W2のアプローチ角であり、上記の第2の傾斜角度b2は第4の壁W4のアプローチ角である。
【0234】
本発明の実施例においては、クリップの材料は様であってもよく、クリップのサイズも具体的な材料に応じて異なるように設計されてもよい。第1のガイド溝411a、411bの長さは、クリップの材料及びサイズに応じて決定される。例えば、クリップは、吸収性材料、またはプラスチックまたは金属を含むがこれらに限定されない非吸収性材料で作製することができる。クリップがプラスチッククリップである場合、プラスチッククリップの長さが長く、よって、プラスチッククリップの撃発距離が長くなる(約10mm)ので、第1のガイド溝411a、411bの長さは長く設定すべきである。クリップが金属クリップ(例えばチタンクリップ)である場合、チタンクリップの長さが短く、よって、チタンクリップの撃発距離が短くなり(約6mm)、第1のガイド溝411a、411bの長さは短く設定すべきである。
【0235】
図12に示すように、例えば、第1のガイド機構41aは、第1のガイド溝411a内に設けられた隔壁W0をさらに含み、この隔壁W0は、第1のスロット411a1と第2のスロット411a2を規定するようにZ方向に沿って延びる。第1のガイド溝411a内に隔壁W0を設けることで、第1のスロット411a1と第2のスロット411a2の形成により有利である。
【0236】
本発明の実施例は、2つの第1のガイド機構41a、41bを例にして説明するが、第1のガイド機構の数は、1つ又は2つ以上、例えば3つ等であってもよく、本発明の実施例はこれに限定されないことを理解されたい。
【0237】
第1のガイド機構の数が複数である場合に、複数の第1のガイド機構が主軸コネクタ2とハウジング6との間に主軸コネクタ2の周方向に沿って等間隔に設けられており、このようにして、主軸コネクタ2又はハウジング6の受ける力を均一にし、所定の位置にロックされる効果を高めることができる。
【0238】
例えば、主軸コネクタ2は管状部材20であり、2つの第1のガイド機構41a、41bは管状部材20の径方向に対称に設けられており、このようにして、主軸コネクタ2またはハウジング6の受ける力を均一にすることを保証しつつ、第1のガイド機構の数を極力少なくすることができ、製造コストを節約し、加工難度を下げる。
【0239】
図4A、
図4C及び
図5に示すように、クリップアプライヤー機構91は、主軸コネクタ2とハウジング6との間に設けられた第2のガイド機構42a、42bをさらに含み、第2のガイド機構42a、42bは第1のガイド機構41a、41bと異なっている。
【0240】
本発明の実施例においては、第2のガイド機構42a、42bは、第1のガイド機構41a、41bと構成及び位置が異なっている。
【0241】
例えば、第2のガイド機構42aは、ハウジング6に設けられた第2のガイド422aと主軸コネクタ2に設けられた第2のガイド溝421aとを含み、第2のガイド機構42bは、ハウジング6に設けられた第2のガイド422bと主軸コネクタ2に設けられた第2のガイド溝421bとを含む。
【0242】
例えば、主軸コネクタ2において、第2のガイド溝421a、421bは、第1のガイド溝411a、411bと位置が異なっている。ハウジング6において、第2のガイド422a、422bも、第1のガイド412a、412bと位置が異なっている。
【0243】
本発明の実施例においては、2つの第2のガイド機構42a、42bの構成は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。両者が同じであれば製造工程が簡略化されるため好ましい。本発明の実施例は、両者が同じであるものを例にして説明する。
【0244】
図4Aに示すように、第1のガイド溝411aのスロットの開口方向は+Z方向であるが、第2のガイド溝421aのスロットの開口方向は-Z方向であるため、第2のガイド溝421aのスロットの開口方向は、第1のガイド溝411aのスロットの開口方向とは逆である。第2のガイド機構を設けるとともに、第1のガイド溝411aと第2のガイド溝421aの開口方向を逆にすることで、主軸コネクタ2を回転戻り状態Fから初期状態Aに復帰するように案内するのに有利である。
【0245】
例えば、主軸コネクタ2が回転戻り状態Fから初期状態Aに復帰する過程において、第1のガイド412aは第1のガイド溝411aから離れる。第2のガイド機構を設けなければ、主軸コネクタ2は、角度a3だけ回転しようとする際に制御されず、その結果、実際の回転角度がa3より大きくなる可能性がある。
【0246】
本発明の実施例においては、第2のガイド機構を設けることにより、主軸コネクタ2が回転戻り状態Fから初期状態Aに復帰する過程において、第2のガイド422aを第2のガイド溝421aに進入させる。第2のガイド溝421aは、第2のガイド422aの移動方向を規定することができるので、主軸コネクタ2は、-Z方向に向かって移動するように案内されながら、第2の回転方向-Rに沿って角度α3だけ回転し続け、最終的には、主軸コネクタ2を回転戻り状態Fから初期状態Aに復帰させる。
【0247】
本発明の実施例は、2つの第1のガイド機構41a、41bを例にして説明するが、第1のガイド機構の数は、1つ又は2つ以上、例えば3つ等であってもよく、本発明の実施例はこれに限定されないことを理解されたい。
【0248】
第1のガイド機構の数が複数である場合に、複数の第1のガイド機構が主軸コネクタ2とハウジング6との間に主軸コネクタ2の周方向に沿って等間隔に設けられており、このようにして、主軸コネクタ2又はハウジング6の受ける力を均一にし、案内効果を高めることができる。
【0249】
例えば、主軸コネクタ2は管状部材20であり、2つの第1のガイド機構42a、42bは管状部材20の径方向に対称に設けられており、このようにして、主軸コネクタ2またはハウジング6の受ける力を均一にすることを保証しつつ、第1のガイド機構の数を極力少なくすることができ、製造コストを節約し、加工難度を下げる。
【0250】
クリップアプライヤー装置においては、主軸コネクタは外力の作用下で異なる位置に移動し、移動過程において、主軸コネクタはガイド機構によってその移動方向を案内することができる。一定期間使用した後に、ガイド溝またはガイドは摩耗され、主軸コネクタの異なる位置間の切り替えに影響を及ぼす可能性がある。
【0251】
そこで、本発明のさらに別の実施例はクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構を提供し、少なくとも主軸コネクタを補助して異なる位置の間で迅速に切り替えることができ、よって、クリップアプライヤー機構の操作上の安定性と安全性をさらに保証することを目的とする。
【0252】
例えば、本発明のさらに別の実施例に係るクリップアプライヤー装置のクリップアプライヤー機構は管体と、主軸と、クリップビンアセンブリと、クリップ押圧アセンブリと、撃発アセンブリとを含む。前記管体は対向する頭端と末端とを含み、前記主軸は前記末端に近接するように設けられるとともに、少なくとも一部が前記管体内に設けられ、前記クリップビンアセンブリは前記管体を貫通するとともに、前記管体内に設けられてクリップが入っているように構成されたクリップビンと前記頭端から突き出るエンドエフェクタとを含み、前記クリップ押圧アセンブリは、少なくとも一部が前記管体内に設けられ、前記主軸によって前記頭端に向かって押されて前記クリップビン内のクリップを前記エンドエフェクタ内に搬送するように構成されており、前記撃発アセンブリは、少なくとも一部が前記管体内に位置し、前記主軸によって前記頭端に向かって押されて前記エンドエフェクタを閉じ、前記エンドエフェクタ内の前記クリップを撃発させるように構成されている。さらに、前記クリップアプライヤー機構は、主軸コネクタと、ハウジングと、位置制限機構とをさらに含む。主軸コネクタは、前記主軸に外嵌されるとともに前記主軸に接続され、ハウジングは、前記主軸及び前記主軸コネクタを収容するように構成されており、前記主軸コネクタは、前記ハウジングに対して前記管体の軸方向と前記管体の周方向に運動するように構成されており、位置制限機構は、前記主軸コネクタと前記ハウジングとの間に設けられ、前記ハウジングに対する前記主軸コネクタの移動範囲を制限するように構成されている。
【0253】
上記の本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構において、主軸コネクタとハウジングとの間に位置制限機構を設けることにより、ハウジング内における主軸コネクタの移動範囲に対して位置制限することができ、主軸コネクタの異なる位置間の切り替えを補助し、よって、クリップアプライヤー機構の操作上の安定性と安全性をさらに保証する。
【0254】
次に、
図1Aから
図12を参照して、上記のクリップアプライヤー機構とクリップアプライヤー装置について説明する。本発明の明確さ及び簡潔さを維持するために、以下の実施例で言及される前述の実施例と同一の部品は、重複する説明を省略し、関連する構成及び配置は、前述の実施例の説明を参照することができる。
【0255】
図1A、
図1Bおよび
図2に示すように、本発明のさらに別の実施例に係るクリップアプライヤー装置900はクリップアプライヤー機構91とハンドルアセンブリ92とを含む。
【0256】
例えば、クリップアプライヤー機構91は、ハンドルアセンブリ92に取り外し可能に接続される。クリップアプライヤー機構91は、管体90と、主軸1と、主軸コネクタ2と、撃発コネクタ3と、クリップビンアセンブリと、クリップ押圧アセンブリと、撃発アセンブリと、ハウジング6と、押圧ロッド7と、端蓋12とを含む。撃発アセンブリは、例えば、撃発ロッド本体4と撃発スリーブ5とを含む。クリップビンアセンブリは、例えば、クリップビン9と、クランプ鉗子11(エンドエフェクタとも呼ばれる)とを含む。クリップ押圧アセンブリは、例えば、押圧ブロック8と、クリップ押圧プレート10とを含む。
【0257】
例えば、管体90は、対向する頭端90Aと末端90Bとを含む。主軸1は、末端90Bに近接するように設けられるとともに、少なくとも一部が管体90内に設けられる。クリップビンアセンブリは管体90を貫通するとともに、管体90内に設けられてクリップが入っているように構成されたクリップビンと頭端90Aから突き出るクランプ鉗子11とを含む。クリップ押圧アセンブリは、少なくとも一部が管体90内に設けられ、主軸1によって頭端90Aに向かって押されてクランプ鉗子11内にクリップビン内のクリップを搬送するように構成されている。撃発アセンブリは、少なくとも一部が管体90内に位置し、主軸1によって頭端90Aに向かって押されてクランプ鉗子11を閉じ、クランプ鉗子11内のクリップを撃発させるように構成されている。
【0258】
例えば、主軸コネクタ2は、主軸1に外嵌されるとともに、主軸1に接続される。ハウジング6は、主軸1および主軸コネクタ2の少なくとも一部を収容するように構成されており、主軸コネクタ2は、ハウジング6に対して管体90の軸方向(例えば図に示すZ方向)と管体90の周方向(例えば図に示すR方向)に運動可能に構成されている。
【0259】
例えば、クリップアプライヤー機構91は、主軸コネクタ2とハウジング6との間に設けられた位置制限機構51a、51bをさらに含み、位置制限機構51a、51bはハウジング6に対する主軸コネクタ2の移動範囲を制限するように構成されている。
【0260】
図5と
図12に示すように、位置制限機構51aは、主軸コネクタ2に設けられた位置制限突起511aと、ハウジング6に設けられた位置制限溝512aとを含む。位置制限機構51b(図示せず)は、主軸コネクタ2に設けられた位置制限突起511bと、ハウジング6に設けられた位置制限溝512b(図示せず)とを含む。位置制限突起511aは位置制限溝512a内を移動可能であり、位置制限突起511bは位置制限溝512b内を移動可能である。
【0261】
例えば、位置制限溝512a、512bは、いずれもハウジング6の第2のハウジング部62に設けられる。クリップアプライヤー機構91が各動作を実行する時に、第2のハウジング部62は固定されたままであり、主軸コネクタ2は第2のハウジング部62に対して移動又は回転する。第2のハウジング部62に位置制限溝512a、512bを設けるとともに、主軸コネクタ2に位置制限突起511a、511bを設けることにより、位置制限突起511a、511bと位置制限溝512a、512bとの嵌合関係で、ハウジング6内における主軸コネクタ2の移動範囲に対して位置制限することができ、よって、主軸コネクタの異なる位置間の切り替えを補助し、よって、クリップアプライヤー機構91の操作上の安定性と安全性をさらに保証する。
【0262】
本発明の実施例においては、2つの位置制限機構51a、51bの構成は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。両者が同じであれば製造工程が簡略化されるため好ましい。本発明の実施例は、両者が同じであるものを例にして説明する。以下、位置制限機構51aを例にして説明する。
【0263】
図5に示すように、例えば、位置制限機構51aにおいて、位置制限溝512aは、第1の位置制限サブ溝512a1と第2の位置制限サブ溝512a2とを含む。第2の位置制限サブ溝512a2は、第1の位置制限サブ溝512a1に接続されるとともに、第1の位置制限サブ溝512a1よりも頭端に設けられる。第1の位置制限サブ溝512a1は、Z方向における位置制限突起511aの移動を制限するように構成されており、第2の位置制限サブ溝512a2は、Z方向および/または周方向における位置制限突起511aの移動を制限するように構成されている。
【0264】
図5に示すように、例えば、第1の位置制限サブ溝512a1の延在方向はZ方向に平行となり、すなわち、第1の位置制限サブ溝512a1の長さ方向はZ方向に平行となり、第2の位置制限サブ溝512a2の延在方向はZ方向に平行となり、すなわち、第2の位置制限サブ溝512a2の長さ方向はZ方向に平行となる。例えば、第1の位置制限サブ溝512a1は、R方向における第1の幅a1wを有し、第2の位置制限サブ溝512a2は、R方向における第2の幅a2wを有する。第2の幅a2wは、位置制限突起511aが第2の位置制限サブ溝512a2内をZ方向とR方向に沿って同時に移動できるように、第1の幅a1wよりも大きい。
【0265】
図3A、
図5および
図6に示すように、主軸コネクタ2が初期状態Aからクリップ送り完了状態Bに切り替えられると、位置制限突起511aが+Z方向に沿って第1の位置制限サブ溝512a1内を移動し、このときに、位置制限突起511aは、+Z方向に沿って移動するのみが、R方向には回転しない。
【0266】
例えば、位置制限突起511aのR方向における幅は、第1の位置制限サブ溝512a1の第1の幅a1wと略等しく、このようにして、位置制限突起511aが第1の位置制限サブ溝512a1から抜け出すことを避けることができる。
【0267】
図5および
図7Aに示すように、主軸コネクタ2がクリップ送り完了状態Bから調節状態Cに切り替えられると、位置制限突起511aは+Z方向に沿って移動し続けるとともに、第1の位置制限サブ溝512a1から第2の位置制限サブ溝512a2内に進入する。
【0268】
図5および
図8Aに示すように、主軸コネクタ2が調節状態Cから撃発完了状態Dに切り替えられると、位置制限突起511aは第2の位置制限サブ溝512a2内を+Z方向に沿って移動するとともに、同時に第1の回転方向+Rに沿って角度a1だけ回転する。この過程において、第2の位置制限サブ溝512a2の第2の幅a2wが第1の位置制限サブ溝512a1の第1の幅a1wよりも大きいため、位置制限突起511aは+Z方向に沿って移動しながら+R方向に沿って回転することができる。
【0269】
図5および
図9Aに示すように、主軸コネクタ2が撃発完了状態Dから後退状態Eに切り替えられると、位置制限突起511aは第2の位置制限サブ溝512a2内を-Z方向に沿って移動する。
【0270】
図5および
図10Aに示すように、主軸コネクタ2が後退状態Eから回転戻り状態Fに切り替えられると、位置制限突起511aは-Z方向に沿って移動し続けるとともに、同時に第2の回転方向-Rに沿って角度a2だけ回転し、第2の位置制限サブ溝512a2から外れる。
【0271】
図3Aおよび
図5に示すように、主軸コネクタ2が回転戻り状態Fから初期状態Aに復帰されると、位置制限突起511aは-Z方向に沿って移動し続けるとともに、同時に第2の回転方向-Rに沿って角度a3だけ回転し続け、第1の位置制限サブ溝512a1内に戻る。このとき、位置制限突起511aは初期位置に戻る。
【0272】
図5に示すように、第2の位置制限サブ溝512a2は、Z方向において対向する第1の側壁5121と第2の側壁5122とを含み、第1の側壁5121は頭端90Aに近接し、第2の側壁5122は頭端90Aから遠く離れている。第1の側壁5121と第2の側壁5122の少なくとも一方は、第2の位置制限サブ溝512a2の底面に対して傾斜するように設けられる。例えば、
図5において、第2の側壁5122は、傾斜面を形成するように、第2の位置制限サブ溝512a2の底面に対して傾斜するように設けられ、このようにして、位置制限突起511aが第2の位置制限サブ溝512a2から外れるときに、第2の側壁5122に引っ掛かって出なくなることを避けることができる。
【0273】
図12に示すように、例えば、主軸コネクタ2は、主軸コネクタ2のハウジング6に面する側に設けられるとともに主軸コネクタ2の径方向に弾性変形可能に構成された弾性部材513a、513bをさらに含み、また、位置制限突起511a、511bは、弾性部材513a、513bにそれぞれ設けられている。主軸コネクタ2に弾性部材513a、513bを設けることにより、位置制限突起511a、511bは主軸コネクタ2の径方向に一定の変位空間を有することができ、これは、位置制限突起511a、511bと位置制限溝512a、512bとの間の緊密な係合の保持に有利である。
【0274】
例えば、第1の位置制限サブ溝512a1と第2の位置制限サブ溝512a2の深さが異なる場合、位置制限突起511aは、弾性部材513aを介して、第1の位置制限サブ溝512a1と第2の位置制限サブ溝512a2にそれぞれ十分に接触されたままであり得、よって、緊密な係合を実現する。
【0275】
図12に示すように、主軸コネクタ2は管状部材20であり、弾性部材513bは、管状部材20のハウジング6に面する側から突出するとともに、中空部514bを含む。弾性部材513bに中空部514bを設けることにより、弾性部材513bの弾性空間をさらに増大させることができる。
図12においては、弾性部材513bの中空部514bのみを示しているが、弾性部材513aも同様の中空部を有していることを理解されたい。
【0276】
本発明の実施例は、2つの位置制限機構51a、51bを例にして説明するが、位置制限機構の数は、1つ又は2つ以上、例えば3つ等であってもよく、本発明の実施例はこれに限定されないことを理解されたい。
【0277】
位置制限機構の数が複数である場合に、複数の位置制限機構が主軸コネクタ2とハウジング6との間に主軸コネクタ2の周方向に沿って等間隔に設けられており、このようにして、主軸コネクタ2又はハウジング6の受ける力を均一にし、位置制限の効果を高めることができる。
【0278】
例えば、主軸コネクタ2は管状部材20であり、2つの位置制限機構51a、51bは管状部材20の径方向に対称に設けられており、このようにして、主軸コネクタ2またはハウジング6の受ける力を均一にすることを保証しつつ、位置制限機構の数を極力少なくすることができ、製造コストを節約し、加工難度を下げる。
【0279】
例えば、
図1A及び
図3から
図3Cに示すように、押圧ロッド7は、ハンドルアセンブリ92内に位置するとともに主軸コネクタ2に着脱可能に接続され、また、主軸1と主軸コネクタ2をZ方向に移動し、例えば+Z方向や-Z方向に移動することを駆動するように構成されている。押圧ロッド7と主軸コネクタ2との間の接続を着脱可能に設けることにより、クリップアプライヤー機構91をハンドルアセンブリ92から速やかに取り外すことができ、異なるサイズのクリップが入ったクリップアプライヤー機構91の交換に有利である。
【0280】
図3Cおよび
図7Cに示すように、例えば、クリップアプライヤー機構91は、主軸コネクタ2と押圧ロッド7との間に設けられた係合機構52a、52bをさらに含む。係合機構52aは、主軸コネクタ2に設けられた係合ピン521aと、押圧ロッド7に設けられた係合溝522aとを含み、係合ピン521aは、押圧ロッド7と主軸コネクタ2との間の接続を実現するように、係合溝522aに互いに係合されるように構成されている。
【0281】
本発明の実施例においては、2つの係合機構52a、52bの構成は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。両者が同じであれば製造工程が簡略化されるため好ましい。本発明の実施例は、両者が同じであるものを例にして説明する。以下、係合機構52aを例にして説明する。
【0282】
例えば、係合機構52aは、離間状態、解放状態及びロック状態を有する。離間状態においては、係合ピン521aと係合溝522aとは互いに離間しており、係合ピン521aは係合溝522aの外に位置する。解放状態においては、係合ピン521aは、係合溝522a内に位置し、係合溝522aから外れることができる。ロック状態においては、係合ピン521は、係合溝522aに互いにロックされる。
【0283】
図13は、本発明の実施例に係る係合機構の構成模式図である。
図13に示すように、例えば、係合溝522aは、解放位置522p1とロック位置522p2とを含み、係合ピン521aは、解放位置522p1とロック位置522p2との間を移動可能である。
【0284】
例えば、係合機構がロック状態にあるときに、係合ピン521aはロック位置522p2に位置する。係合機構が解放状態にあるときに、係合ピン521aは解放位置522p1に位置するとともに、係合溝522aから外れることができる。係合機構が離間状態にあるときに、係合ピン521aは係合溝522aの外に位置するため、解放位置522p1にもロック位置522p2にも位置しない。
【0285】
図3から
図3Cに示すように、クリップアプライヤー機構91が初期状態Aにあるときに、係合機構52aは離間状態にある。
図6、
図7Cおよび
図10Cに示すように、クリップアプライヤー機構91がクリップ送り完了状態B、調節状態Cまたは回転戻り状態Fにあるときに、係合機構52aは解放状態にある。
図8Cと
図9Cに示すように、クリップアプライヤー機構91が撃発完了状態Dまたは後退状態Eにあるときに、係合機構52aはロック状態にある。
【0286】
クリップが撃発された後に(即ち撃発完了状態Dと後退状態Eのときに)、係合機構52aはロック状態にあり、押圧ロッド7と主軸コネクタ2との間は互いにロックされている。そして、主軸コネクタ2に外力を加えることにより、主軸コネクタ2を-Z方向に向かって移動させ、ひいては押圧ロッド7は主軸コネクタ2につれられて-Z方向に向かって後退する。撃発完了状態Dと後退状態Eとにおいて係合機構52aをロック状態とするように設けることにより、少なくとも撃発過程と後退過程とにおいて押圧ロッド7と主軸コネクタ2とが互いに離間しないことを保証し、上記の2つの過程において不測の事態の発生を避ける。
【0287】
本発明の実施例は、2つの係合機構52a、52bを例にして説明するが、係合機構の数は、1つ又は2つ以上、例えば3つ等であってもよく、本発明の実施例はこれに限定されないことを理解されたい。
【0288】
係合機構52aの数が複数である場合に、複数の係合機構が主軸コネクタ2と押圧ロッド7との間に主軸コネクタ2の周方向に沿って等間隔に設けられており、このようにして、主軸コネクタ2又は押圧ロッド7の受ける力を均一にし、係合の効果を高めることができる。
【0289】
例えば、主軸コネクタ2は管状部材20であり、2つの係合機構52a、52bは管状部材20の径方向に対称に設けられており、このようにして、主軸コネクタ2または押圧ロッド7の受ける力を均一にすることを保証しつつ、係合機構の数を極力少なくすることができ、製造コストを節約し、加工難度を下げる。
【0290】
図3Dに示すように、管状部材20は、Z方向において第1の管状部分20Aと第2の管状部分20Bとを含む。第1の管状部分20Aと第2の管状部分20Bとは、それぞれ異なる部品を収容するように、内径が異なっている。
【0291】
例えば、第1の管状部分20Aと第2の管状部分20Bとは互いに接続されており、第1の管状部分20Aは頭端90Aに近接し、第2の管状部分20Bは頭端90Aから遠く離れており、また、第1の管状部分20Aの内径は、第1の管状部分20Aが主軸1と撃発コネクタ3と撃発ロッド本体4とを収容でき、第2の管状部分20Bが主軸1と押圧ロッド7を収容できるように、第2の管状部分20Bの内径よりも大きい。内径の異なる第1の管状部分20Aと第2の管状部分20Bとを設けることにより、主軸コネクタ2を押圧ロッド7に接続する際に、他の部品の位置や相対運動に影響を与えないようにすることができる。
【0292】
上記の本発明の実施例に係るクリップアプライヤー機構およびクリップアプライヤー装置においては、少なくとも以下の有益な効果を達成することができる。
【0293】
1)主軸に接続される主軸コネクタを設け、主軸コネクタとハウジングとの間にロック機構を設けることにより、クリップがエンドエフェクタ内に搬送される際に、主軸コネクタとハウジングとが前記ロック機構によってロックされることを保証することができ、よって、クリップアプライヤー機構の二次使用時にエンドエフェクタを損傷することを避ける。
【0294】
2)主軸に接続される主軸コネクタと、主軸コネクタ及び撃発アセンブリにそれぞれ接続される撃発コネクタとを設けることにより、クリップが撃発された後に、主軸コネクタと係合機構と撃発コネクタとを利用し、撃発アセンブリを頭端に背を向ける方向に沿って引き戻し、よって、撃発スリーブの復帰に有利であり、後続動作への影響を避ける。
【0295】
3)主軸コネクタとハウジングとの間に第1のガイド機構を設けることにより、主軸コネクタが移動又は回転過程において第1のガイド機構によって案内されるようにし、主軸コネクタは主軸にも接続されているので、クリップアプライヤー機構が各動作を実行する際に、主軸と主軸コネクタの両方が迅速かつ正確に位置に着くことを保証することができる。
【0296】
4)主軸コネクタとハウジングとの間に位置制限機構を設けることにより、ハウジング内における主軸コネクタの移動範囲に対して位置制限することができ、主軸コネクタの異なる位置間の切り替えを補助し、よって、クリップアプライヤー機構の操作上の安定性と安全性をさらに保証する。
【0297】
本明細書において、以下の点に注意する必要がある。
【0298】
(1)本発明の実施例の図面は本発明の実施例に関する構成だけに係り、その他の構成について通常設計を参照すればよい。
【0299】
(2)矛盾がない限り、本発明の実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせて新たな実施例を得ることができる。
【0300】
(3)以上は、本発明の例示的な実施形態に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定される。
【0301】
以上は、本発明の具体的な実施形態にすぎなく、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明に開示された技術範囲内において容易に想到できる変更または代替は、全て本発明の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に準じるべきである。