IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イヤマトータルブリッジサポートの特許一覧

<>
  • 特許-回収分離装置及び回収分離システム 図1
  • 特許-回収分離装置及び回収分離システム 図2
  • 特許-回収分離装置及び回収分離システム 図3
  • 特許-回収分離装置及び回収分離システム 図4
  • 特許-回収分離装置及び回収分離システム 図5
  • 特許-回収分離装置及び回収分離システム 図6
  • 特許-回収分離装置及び回収分離システム 図7
  • 特許-回収分離装置及び回収分離システム 図8
  • 特許-回収分離装置及び回収分離システム 図9
  • 特許-回収分離装置及び回収分離システム 図10
  • 特許-回収分離装置及び回収分離システム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】回収分離装置及び回収分離システム
(51)【国際特許分類】
   B24C 9/00 20060101AFI20241105BHJP
   B24B 57/02 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
B24C9/00 E
B24B57/02
B24C9/00 G
B24C9/00 H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023198807
(22)【出願日】2023-11-24
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】515234130
【氏名又は名称】株式会社イヤマトータルブリッジサポート
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】山本 佳孝
(72)【発明者】
【氏名】田中 亮
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-305650(JP,A)
【文献】実開昭61-127968(JP,U)
【文献】特開2022-173049(JP,A)
【文献】特開2016-221583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24C 9/00
B24C 3/06
B24C 11/00
B24B 57/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラスト作業により生じた使用済みの研削材及び粉塵を吸引し回収可能な回収タンクを備え、
前記回収タンクは、
吸引用ホースを接続可能な吸引口と、
前記回収タンク内に設けられ、前記研削材と前記粉塵とを分別可能な分別手段と、
所定の吸引手段により生じた負圧を前記回収タンクの内部空間に作用させるとともに、
前記回収タンクの内部空間にある前記粉塵を外部へと排出可能な排出口とを有してなる回収分離装置であって、
前記回収タンクの下部に対応して設けられたタンク流下部の下流側には、前記分別手段とは別に、セパレータが設置され、
当該セパレータは、
前記タンク流下部から流下してくる主として前記研削材を一旦受容し、前記研削材と、前記粉塵とを分別可能に構成されるとともに、分別された前記研削材を流下可能に構成されており、
前記回収タンク内の前記分別手段は、
前記研削材よりも目の粗い網状の第1スクリーンを備えており、
前記セパレータの内部には、
前記研削材と前記粉塵とを分別可能とし、前記研削材よりも目が粗く、かつ、前記第1スクリーンよりも目が細かい網状の第2スクリーンが設けられていることを特徴とする回収分離装置。
【請求項2】
前記第2スクリーンは、傾斜状態で設けられ、
前記第2スクリーンを振動させるバイブレータが設けられていることを特徴とする請求項に記載の回収分離装置。
【請求項3】
前記第2スクリーンを通過しなかった前記粉塵を外部へ排出可能に構成されていることを特徴とする請求項に記載の回収分離装置。
【請求項4】
前記セパレータは、
前記第2スクリーンを通過した前記粉塵を、負圧を作用させることで外部へと排出可能な集塵口を備えていることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の回収分離装置。
【請求項5】
請求項1に記載の回収分離装置と、
前記回収分離装置を所定の高さ位置にて着脱自在に設置可能な架台と、
前記回収分離装置の前記セパレータから流下する前記研削材を貯留する貯留容器とを備えていることを特徴とする回収分離システム。
【請求項6】
前記貯留容器が載置される台車と、
前記台車の水平方向への移動を可能にするレールとを備えていることを特徴とする請求項に記載の回収分離システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラスト作業に際して用いられる回収分離装置及び回収分離システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ブラスト作業は、対象物に対して、ブラスト装置を用いて無数の研削材を噴出させることで、対象物の表面を処理すること(削る、粗くする、角を取る等)を主たる目的としている。
【0003】
ところで、鋼橋、鉄骨鉄塔、及び、鋼製水門等といった鋼構造物は、耐久性の向上を図るべく、主に鋼表面に対し、防水・防腐塗料等を含む塗装材による塗装が施されている。但し、塗装を施したとしても、錆、汚れ、及び、塗装面の剥離・剥落といった経年劣化が生じる。そこで、再度の塗装を行うに際し、古い塗膜の除去を行うべく、ブラスト作業が行われることがある。該ブラスト作業により、古い塗膜が削られ、新たに施される塗装材の下地をつくることが可能となる。一方で、衝突させた研削材と、古い塗膜の粉塵とが、飛散し、地上に散在することになるため、これらを回収し分別する必要が生じる。
【0004】
そこで近年では、ブラスト作業に加え、回収作業をも併せて行うことの可能なブラスト装置が用いられることがある(例えば、特許文献1等参照。)。当該装置によれば、散在した研削材、及び、古い塗膜の粉塵がホースで吸引され、タンク内で研削材と粉塵とが分別される。その上で、研削材が貯留され、再利用に供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-42854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1に記載の技術においては、回収タンク内に、1つの分別用の網状のスクリーンが設けられている。そして、該スクリーンの孔を研削材が流下するとともに、回収タンクの上部に設けられた排出口から、粉塵が排出されるようになっている。
【0007】
しかしながら、回収タンク内の粉塵のうち、排出口の負圧によって吸引されず、かつ、研削材の大きさと同等、又は、小さいものについては、スクリーンの孔を通過してしまうおそれがある。
【0008】
スクリーンを流下した粉塵は、研削材と混在した状態で貯留タンクに貯留されるため、これをそのまま再利用に供した場合には、装置の故障等を招くおそれがある。また、粉塵と混在した状態の研削材を用いて、ブラスト作業を行った場合には、研削材とともに噴出される粉塵によって適切な研削に支障を来し、作業効率の低下に繋がるといった懸念が生じる。
【0009】
そのため、従来では、研削材と、分別できなかった粉塵とが混在している貯留タンクを一旦持ち帰り、内容物を洗浄する等して粉塵を取り除いた上で、研削材のみを貯留タンクに戻した後に、ブラスト作業を行う必要があった。かかる意味において、作業時間やコストの増大を招くおそれがあり、作業効率のさらなる向上が望まれている。
【0010】
本発明は上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、吸引された研削材と粉塵とを確実に分別することで、作業効率の向上を図るとともに、作業時間やコストの増大を防止することができる回収分離装置及び回収分離システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0012】
手段1.ブラスト作業により生じた使用済みの研削材及び粉塵を吸引し回収可能な回収タンクを備え、
前記回収タンクは、
吸引用ホースを接続可能な吸引口と、
前記回収タンク内に設けられ、前記研削材と前記粉塵とを分別可能な分別手段と、
所定の吸引手段により生じた負圧を前記回収タンクの内部空間に作用させるとともに、
前記回収タンクの内部空間にある前記粉塵を外部へと排出可能な排出口とを有してなる回収分離装置であって、
前記回収タンクの下部に対応して設けられたタンク流下部の下流側には、前記分別手段とは別に、セパレータが設置され、
当該セパレータは、
前記タンク流下部から流下してくる主として前記研削材を一旦受容し、前記研削材と、前記粉塵とを分別可能に構成されるとともに、分別された前記研削材を流下可能に構成されており、
前記回収タンク内の前記分別手段は、
前記研削材よりも目の粗い網状の第1スクリーンを備えており、
前記セパレータの内部には、
前記研削材と前記粉塵とを分別可能とし、前記研削材よりも目が粗く、かつ、前記第1スクリーンよりも目が細かい網状の第2スクリーンが設けられていることを特徴とする回収分離装置。
【0013】
吸引用ホース、吸引口を介して回収タンク内に吸引された研削材及び粉塵は、分別手段により分別される。そして、粉塵は排出口を介して外部へと排出され、研削材はタンク流下部へと流下する。このとき、全ての粉塵が外部へと排出されるとは限らず、一部は研削材と共にタンク流下部の方へと流下し得る。ここで、手段1では、タンク流下部の下流側にはセパレータが設けられており、該セパレータによって研削材と粉塵とがさらに分別される。すなわち、吸引された研削材と、粉塵との分別が、回収タンク内の分別手段のみならず、回収タンクの下部に対応して設けられたセパレータによっても行われる。従って、上流側の分別手段によって、研削材及び粉塵を完全に分別することができなかったとしても、セパレータによって再度分別する機会を得ることができ、より純度の高い研削材を確実に流下させることが可能となる。よって、セパレータから流下する研削材をそのままブラスト作業に用いることができると共に、適切な研削を行うことが可能となる。従って、作業効率の向上を図ることができる。
【0014】
そして、最終的には研削材と粉塵とがより確実に分別されるため、従来のように、研削材と、分別できなかった粉塵とが混在している回収タンクを一旦持ち帰り、内容物を洗浄するといった作業等を行う必要がなくなる。従って、作業時間やコストの増大を防止することが可能となる。
【0015】
また、例えば、回収タンク内の分別手段が適切に機能しなくなったとしても、別途セパレータが設けられているため、研削材及び粉塵の分別を行うことが可能である。従って、セパレータによってリスクヘッジを図ることもできる。
【0017】
さらに、第1スクリーンによって比較的大きい粉塵の流下が規制され、排出口を介して外部へ排出される。また、セパレータ内の第2スクリーンによって、第1スクリーンを通過した粉塵の流下が規制されることとなる。従って、研削材と、粉塵とを分別するにあたって、粉塵の大きさに応じた各スクリーンによるふるい分けを2回行うことができ、より効率的な分別を実現することが可能となる。
【0018】
また、回収タンク内の粉塵が、排出口の負圧によって吸引されず、かつ、第1スクリーンを通過してしまったとしても、第1スクリーンよりも目が細かい網状の第2スクリーンによって、粉塵の通過をより確実に防止することができる。そのため、分別精度の向上を図ることができる。
【0019】
手段.前記第2スクリーンは、傾斜状態で設けられ、
前記第2スクリーンを振動させるバイブレータが設けられていることを特徴とする手段に記載の回収分離装置。
【0020】
手段によれば、第2スクリーンが傾斜状態で設けられ、かつ、バイブレータにより振動させられるため、第2スクリーン上の研削材及び粉塵は、1箇所に留まることなく、移動しながらふるいにかけられることとなる。従って、迅速かつ効率的にふるい分けを行うことが可能となり、分離に要する時間の短縮を図ることができる。また、第2スクリーンが傾斜状態となっていることから、該第2スクリーンの孔を通過しない粉塵を傾斜方向へより積極的に案内することが可能となる。
【0021】
手段.前記第2スクリーンを通過しなかった前記粉塵を外部へ排出可能に構成されていることを特徴とする手段に記載の回収分離装置。
【0022】
手段によれば、第2スクリーンを通過しなかった粉塵を適切に外部へ排出することができる。また、換言すると、第2スクリーン上に粉塵が貯留されていくという事態を回避することが可能となる。そのため、第2スクリーン上に貯留された粉塵によって、新たに第2スクリーン上に流下してくる研削材及び粉塵のふるい分けに支障を来し、作業効率の低下に繋がるといった事態を回避することができる。
【0023】
手段.前記セパレータは、
前記第2スクリーンを通過した前記粉塵を、負圧を作用させることで外部へと排出可能な集塵口を備えていることを特徴とする手段乃至のいずれかに記載の回収分離装置。
【0024】
手段によれば、第2スクリーンを通過したより細かな粉塵が、集塵口を介して外部へと排出されることとなる。そのため、流下する研削材の純度をより一層高めることができる。また、研削材と、粉塵とを分別するにあたって、負圧を用いた粉塵の排出を2回行うことができ、1回行う場合に比べ、より確実に分別することが可能となる。
【0025】
手段.手段1に記載の回収分離装置と、
前記回収分離装置を所定の高さ位置にて着脱自在に設置可能な架台と、
前記回収分離装置の前記セパレータから流下する前記研削材を貯留する貯留容器とを備えていることを特徴とする回収分離システム。
【0026】
手段によれば、架台に対し、回収分離装置を取外可能であることから、トラックの荷台等、限られたスペースであっても、回収分離装置等を比較的容易に収容、運搬することが可能である。従って、回収分離装置等の収容時や運搬時の利便性の向上を図ることができる。
【0027】
また、回収分離装置を架台に設置させるとともに、セパレータから研削材が流下する位置に、予め貯留容器を配置させておくことで、回収分離装置の作動に際しては、貯留容器内に研削材を自動的に貯めることができる。
【0028】
さらに、貯留容器に貯留される研削材を、適宜、所定のブラスト装置を用いてそのままブラスト作業に使用することも可能である。従って、作業効率の向上を一層図ることができる。
【0029】
手段.前記貯留容器が載置される台車と、
前記台車の水平方向への移動を可能にするレールとを備えていることを特徴とする手段に記載の回収分離システム。
【0030】
手段によれば、研削材が貯留され重量が大きくなった貯留容器を、比較的容易に移動させることができる。また、重量が大きくなった貯留容器を、回収分離装置から離れた位置に移動させた後、別の貯留容器をセパレータから研削材が流下する位置に配置するという作業を行うことで、回収分離装置の動作を停止させなくて済む。従って、作業効率の向上をより一層図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】回収分離システムの概略構成を示す模式図である。
図2】回収分離装置の概略構成を示す模式図である。
図3】回収分離装置の動作中における回収タンク内の状態を示す断面模式図である。
図4】2段ダンパの概略構成を示す断面模式図である。
図5】回収分離装置の動作中における2段ダンパ内の状態を示す断面模式図であり、(a)は第1状態を示し、(b)は第2状態を示し、(c)は第3状態を示す。
図6】時間経過に対する第1開閉弁及び第2開閉弁の切換態様を示すタイミングチャートである。
図7】セパレータの概略構成を示す図であって、(a)は正面模式図であり、(b)は側面模式図である。
図8】回収分離装置の動作中におけるセパレータ内の状態を示す断面模式図である。
図9】別の実施形態における時間経過に対する第1開閉弁及び第2開閉弁の切換態様を示すタイミングチャートである。
図10】別の実施形態における時間経過に対する第1開閉弁及び第2開閉弁の切換態様を示すタイミングチャートである。
図11】ブラスト装置を用いた別の実施形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0033】
図1に示すように、本実施形態の回収分離システム1は、回収分離装置2と、回収分離装置2を所定の高さ位置にて着脱自在に設置可能とするための架台3と、回収分離装置2の下部から流下する研削材BB(図3等参照)を貯留する貯留容器としてのドラム缶4とを備えている。また、回収分離システム1は、ドラム缶4が載置される台車5と、台車5の水平方向への移動を可能にするレール6とを具備している。
【0034】
さらに、本実施形態の回収分離システム1は、吸引手段としてのバキューム回収装置7を備えている。該バキューム回収装置7は、制御盤、サイクロン、第1集塵機、モータ、及び、HEPAフィルタ等(いずれも図等略)を具備している。制御盤は、各種機器等の電気制御を司るための基盤等を備えている。また、該制御盤には、回収作業の開始及び停止操作が可能なスイッチ、報知ランプ等が設けられている。さらに、サイクロン及び第1集塵機には、粉塵DL、DS(図3等参照)を遠心分離等によって分離する機能が搭載されており、モータによって、該サイクロン及び第1集塵機等を動作させることができる。併せて、HEPAフィルタは、粉塵DL、DSを捕集するとともに、比較的清浄な空気をバキューム回収装置7外へと排出させるべく設けられている。
【0035】
また、当該バキューム回収装置7とは異なる位置において、第2集塵機8が設けられている。バキューム回収装置7、及び、第2集塵機8は、それぞれ回収分離装置2に接続されている。
【0036】
図2に示すように、回収分離装置2は、回収タンク11と、2段ダンパ31と、セパレータ51とを備えている。
【0037】
まず、回収タンク11の構成を説明する。図2、及び、図3に示すように、回収タンク11は、吸引接続管13を備えている。そして、吸引接続管13の一端には、吸引用ホース12が接続されているとともに、他端は、前記回収タンク11の内部空間に臨む吸引口14を有している。また、回収タンク11内には、研削材BBと粉塵DL、DSとを分別可能な分別手段を構成する衝突板15と、第1スクリーン16と、仕切板17とが設けられている。第1スクリーン16は、研削材BBよりも目の粗い網状をなしている。また、回収タンク11は、一端に排出口18を有する排出接続管19を備えており、該排出接続管19の他端には排出用ホース20が接続されている。排出用ホース20は、前述したバキューム回収装置7と接続されている。
【0038】
そして、バキューム回収装置7を作動させることによって、排出用ホース20、及び、排出接続管19(排出口18)を介して、回収タンク11の内部空間に負圧が作用することとなる。これにより、吸引用ホース12の先端からの吸込みが可能となり、地上に散在している研削材BB及び粉塵DL、DSの回収作業が可能となる。また、吸引用ホース12から吸込まれた研削材BB及び粉塵DL、DSは、吸引接続管13(吸引口14)を介して、回収タンク11内へと案内される。回収タンク11内に案内された研削材BB及び粉塵DL、DSの多くは、衝突板15に衝突し、該衝突により勢いを失った研削材BBは、第1スクリーン16上に落下する。第1スクリーン16に向けて落下した研削材BBは、該第1スクリーン16を通過するとともに流下する。一方、粉塵DL、DSの多くは、第1スクリーン16によって、通過が規制されるとともに、負圧によって、排出接続管19(排出口18)、及び、排出用ホース20を介して前記バキューム回収装置7へと回収される。このとき、仕切板17の存在によって、研削材BBが排出口18に入ってしまうといった事態が回避される。そして、バキューム回収装置7へと回収された粉塵DL、DSは、当該バキューム回収装置7において、粉塵DL、DSの大きさ、重さ等の諸条件に沿って、さらに細かく分別が行われることとなる。尚、極わずかではあるが、一部の粉塵DL、DSは、バキューム回収装置7へと案内されることなく、研削材BBとともに、第1スクリーン16を通過し流下してしまうことがある。
【0039】
次に、2段ダンパ31の構成について説明する。図4に示すように、2段ダンパ31は、貯留ダンパ32と、貯留ダンパ32に接続された接続ダンパ33とを備えている。貯留ダンパ32の内部には、回収タンク11の下部に設けられ、逆円錐形状をなすとともに下方に開口するタンク流下部21が位置している。また、タンク流下部21の下部には、第1開閉弁22が設けられている。さらに、接続ダンパ33の内部には、前記貯留ダンパ32の下部に設けられ、逆円錐形状をなすとともに下方に開口する貯留ダンパ流下部34が位置している。また、貯留ダンパ流下部34の下部には、第2開閉弁35が設けられている。
【0040】
加えて、図2に示すように、貯留ダンパ32の外側には、第1開閉弁22を開閉動作させる第1アクチュエータ36が設置されている。また、接続ダンパ33の外側には、第2開閉弁35を開閉動作させる第2アクチュエータ37が設置されている。これら第1アクチュエータ36及び第2アクチュエータ37は、いずれもエアシリンダによって構成され、図示しない制御手段によって制御されるようになっている。尚、制御手段は、前記制御盤内に設けられていてもよいし、別途設置されていてもよい。
【0041】
続いて、回収分離装置2の動作中における2段ダンパ31内の態様について説明する。第1開閉弁22および第2開閉弁35は、第1状態、第2状態、第3状態のいずれかに切換えられるようになっている。
【0042】
第1状態においては、図5(a)に示すように、第1開閉弁22および第2開閉弁35のいずれも閉状態となるように制御手段によって各アクチュエータ36、37が制御される。当該第1状態においては、第1開閉弁22が閉状態となることから、第1スクリーン16から流下する研削材BB及び粉塵DL、DSが、タンク流下部21の下部(第1開閉弁22の上面)から回収タンク11内に徐々に貯留されていく。尚、前述のとおり該粉塵DL、DSとしては、回収タンク11内の第1スクリーン16等によって分別することができなかったものに限られることから、前記研削材BBの量と比較すると極少量である。
【0043】
第2状態においては、図5(b)に示すように、第1開閉弁22が開状態となり、第2開閉弁35の閉状態が維持されるように制御手段によって各アクチュエータ36、37が制御される。当該第2状態においては、第1開閉弁22が開状態となることから、回収タンク11内に貯留されていた研削材BB及び粉塵DL、DSが、タンク流下部21から流下するとともに、貯留ダンパ流下部34の下部(第2開閉弁35の上面)から貯留ダンパ32内に徐々に貯留されていく。
【0044】
第3状態においては、図5(c)に示すように、第1開閉弁22が閉状態となり、第2開閉弁35が開状態となるように制御手段によって各アクチュエータ36、37が制御される。当該第3状態においては、第1開閉弁22が閉状態となることから、再び、第1スクリーン16から流下する研削材BB及び粉塵DL、DSが、タンク流下部21の下部(第1開閉弁22の上面)から回収タンク11内に徐々に貯留されていく。また、第2開閉弁35が開状態となることから、貯留ダンパ32内に貯留されていた研削材BB及び粉塵DL、DSが、貯留ダンパ流下部34から流下し、接続ダンパ33を介して下方のセパレータ51へと案内される。
【0045】
本実施形態では、第1状態、第2状態、第3状態、その後第1状態…といった順序で、各アクチュエータ36、37が制御されるとともに、該制御が繰り返し行われることとなる。より具体的には、図6に示すように、第1開閉弁22および第2開閉弁35のいずれも閉状態である第1状態となった時刻T0から所定時間(例えば、5秒)が経過するまでは第1状態が維持される。そして、所定時間が経過した時刻T1になった時点で、第1開閉弁22が開状態となり、第2開閉弁35の閉状態が維持される第2状態に切換えられる。その後、所定時間(例えば、5秒)が経過するまでは第2状態が維持される。そして、所定時間が経過した時刻T2になった時点で、第1開閉弁22が閉状態となり、第2開閉弁35が開状態となる第3状態に切換えられる。その後、所定時間(例えば、5秒)が経過するまでは第3状態が維持される。ここで、第3状態となっている所定時間(5秒)というのは、それまで貯留ダンパ32に貯留されていた研削材BBが全て流下するのに十分な時間である。そして、所定時間が経過した時刻T3になった時点で、再び第1状態となる…といった順序で、前記制御が繰り返し行われることとなる。
【0046】
次に、セパレータ51の構成について説明する。図7(a)、(b)に示すように、セパレータ51の上部には、前記接続ダンパ33と接続される流入口52が設けられており、セパレータ51は、流入口52から流入してくる主として研削材BBを一旦受容する。流入口52の直下には、下方に向けて傾斜した第2スクリーン53が設置されている。また、第2スクリーン53の下側には、該第2スクリーン53を振動させるためのバイブレータ54が取付けられている。尚、第2スクリーン53は、研削材BBよりも目が粗く、かつ、第1スクリーン16よりも目が細かい網状をなし、該第2スクリーン53の下流側端部に至るまでに、全ての研削材BBが第2スクリーン53の目を通って下方へ落下するようになっている。
【0047】
また、第2スクリーン53の下流側端部よりも下流側において、粉塵案内部55が設けられている。粉塵案内部55の下流側には、ゴミ袋へと案内する粉塵排出口56が設けられている。
【0048】
さらに、第2スクリーン53の下方には、セパレータ51の外側と連通する集塵口57が設けられている。集塵口57には、集塵接続管58が取付けられており、集塵接続管58には、集塵排出用ホース59が接続されている。そして、集塵排出用ホース59は、前述した第2集塵機8と接続されている。
【0049】
併せて、セパレータ51内の下壁面は、傾斜面からなる研削材案内部60となっており、研削材案内部60の下側(セパレータ51の外側)には、研削材案内部60を振動させるための外側バイブレータ61が設けられている。研削材案内部60の下流側には、研削材BBを外部(ドラム缶4)へと案内する研削材排出口62が設けられている。
【0050】
続いて、回収分離装置2の動作中におけるセパレータ51内の態様について説明する。尚、該動作中は、前記第2集塵機8も動作しており、集塵排出用ホース59、集塵接続管58、及び、集塵口57を介して、セパレータ51の内部空間に若干負圧が作用することとなる。さて、前記第3状態とされる期間中、図8(a)に示すように、研削材BB及び粉塵DL、DSが、2段ダンパ31の貯留ダンパ流下部34から、流入口52を介して第2スクリーン53上に落下する。そして、バイブレータ54が動作することで、第2スクリーン53が振動する。該振動も相まって、第2スクリーン53上の研削材BBは、円滑に第2スクリーン53を通過するとともに、研削材案内部60へと流下する。
【0051】
一方、粉塵(特にサイズの大きな粉塵DL)は、第1スクリーン16よりも目が細かい第2スクリーン53によって、通過が規制されるとともに、粉塵案内部55へと案内される。但し、第2スクリーン53の網目よりも小さい粉塵DSに限っては、第2スクリーン53を通過するものもある。図8(b)に示すように、第2スクリーン53を通過した小さい粉塵DSは、前記負圧によって、集塵口57、集塵接続管58、及び、集塵排出用ホース59を介して、前記第2集塵機8内へと回収される。また、粉塵案内部55へと案内されたサイズの大きな粉塵DLは、そのまま粉塵排出口56を介してゴミ袋へと排出される。
【0052】
さらに、外側バイブレータ61が動作することで、研削材案内部60が振動する。該振動も相まって、第2スクリーン53を通過し研削材案内部60へと落下した研削材BBは、円滑に研削材排出口62を介してドラム缶4へと導出される。ドラム缶4に研削材BBが所定量貯留されたならば、回収分離装置2を一旦停止させる。そして、ドラム缶4が載置された台車5を、レール6に沿って移動させることで、研削材BBを取り出すことが可能となる。尚、回収分離装置2を一旦停止させることなく、別途のドラム缶を用意しておき、速やかに交換させることとしてもよい。
【0053】
以上詳述したように、本実施形態によれば吸引用ホース12、吸引口14を介して回収タンク11内に吸引された研削材BB及び粉塵DL、DSは、衝突板15、第1スクリーン16、及び、仕切板17等により分別される。そして、粉塵DL、DSは排出口18を介して外部へと排出され、研削材BBはタンク流下部21へと流下する。このとき、全ての粉塵DL、DSが外部へと排出されるとは限らず、一部は研削材BBと共に貯留ダンパ流下部34の方へと流下し得る。ここで、本実施形態では、貯留ダンパ流下部34の下流側にはセパレータ51が設けられており、該セパレータ51によって研削材BBと粉塵DL、DSとがさらに分別される。すなわち、吸引された研削材BBと、粉塵DL、DSとの分別が、回収タンク11内の衝突板15、第1スクリーン16、及び、仕切板17等のみならず、回収タンク11の下部に対応して設けられたセパレータ51によっても行われる。従って、上流側の衝突板15、第1スクリーン16、及び、仕切板17等によって、研削材BB及び粉塵DL、DSを完全に分別することができなかったとしても、セパレータ51によって再度分別する機会を得ることができ、より純度の高い研削材BBを確実に流下させることが可能となる。よって、セパレータ51から流下する研削材BBをそのままブラスト作業に用いることができると共に、適切な研削を行うことが可能となる。従って、作業効率の向上を図ることができる。
【0054】
そして、最終的には研削材BBと、粉塵DL、DSとがより確実に分別されるため、従来のように、研削材BBと、分別できなかった粉塵DL、DSとが混在している回収タンク11を一旦持ち帰り、内容物を洗浄するといった作業等を行う必要がなくなる。従って、作業時間やコストの増大を防止することが可能となる。
【0055】
また、例えば、回収タンク11内の衝突板15、第1スクリーン16、及び、仕切板17等が適切に機能しなくなったとしても、セパレータ51が設けられているため、研削材BB及び粉塵DL、DSの分別を行うことが可能である。従って、セパレータ51によってリスクヘッジを図ることもできる。
【0056】
さらに、本実施形態では、第1スクリーン16に加え、研削材BBよりも目が粗く、かつ、該第1スクリーン16よりも目が細かい網状をなす第2スクリーン53を備えている。すなわち、研削材BBと、粉塵DL、DSとを分別するにあたって、粉塵DL、DSの大きさに応じた各スクリーン16、53によるふるい分けを2回行うこととなり、より効率的な分別を実現することが可能となっている。
【0057】
また、本実施形態のように、回収タンク11内の粉塵DLが、排出口18の負圧によって吸引されず、かつ、第1スクリーン16を通過してしまっていても、第1スクリーン16よりも目が細かい網状をなす第2スクリーン53によって、粉塵DLの通過をより確実に防止することができ、分別精度の向上を図ることができる。
【0058】
加えて、第2スクリーン53が傾斜状態で設けられ、かつ、バイブレータ54により振動させられるため、第2スクリーン53上の研削材BB及び粉塵DL、DSは、1箇所に留まることなく、移動しながらふるいにかけられることとなる。従って、迅速かつ効率的にふるい分けを行うことが可能となり、分離に要する時間の短縮を図ることができる。また、第2スクリーン53が傾斜状態となっていることから、該第2スクリーン53の孔を通過しない大きな粉塵DLを傾斜方向へより積極的に案内することが可能となる。
【0059】
また、第2スクリーン53、及び、バイブレータ54以外にも、粉塵案内部55が設けられていることから、第2スクリーン53を通過しなかった粉塵DLを適切に粉塵排出口56から外部へ排出することができる。換言すると、第2スクリーン53上に粉塵DL(DS)が貯留されていくという事態を回避することが可能となる。そのため、第2スクリーン53上に貯留された粉塵DL(DS)によって、新たに第2スクリーン53上に流下してくる研削材BB及び粉塵DL、DSのふるい分けに支障を来し、作業効率の低下に繋がるといった事態を回避することができる。
【0060】
さらに、本実施形態によれば、第2スクリーン53を通過したより小さな粉塵DSが、集塵口57を介して外部へと排出されることとなる。そのため、流下する研削材BBの純度をより一層高めることができる。また、研削材BBと、粉塵DL、DSとを分別するにあたって、負圧を用いた粉塵DL、DSの排出を2回(回収タンク11内と、セパレータ51内とでそれぞれ1回ずつ)行うことができ、1回行う場合に比べ、より確実に分別することが可能となる。
【0061】
加えて、本実施形態では、架台3に対し、回収分離装置2を取外可能であることから、トラックの荷台等、限られたスペースであっても、回収分離装置2等を比較的容易に収容、運搬することが可能である。従って、回収分離装置2等の収容時や運搬時の利便性の向上を図ることができる。
【0062】
また、回収分離装置2を架台3に設置させるとともに、研削材BBが流下する位置に、予めドラム缶4を配置させておくことで、回収分離装置2の作動に際しては、ドラム缶4内に研削材BBを自動的に貯めることができる。
【0063】
さらに、ドラム缶4に貯留される研削材BBを、適宜、所定のブラスト装置を用いてそのままブラスト作業に使用することも可能である。従って、作業効率の向上を一層図ることができる。
【0064】
また、台車5及びレール6が設けられていることにより、研削材BBが貯留され重量が大きくなったドラム缶4を、比較的容易に移動させることができる。また、重量が大きくなったドラム缶4を、回収分離装置2から離れた位置に移動させた後、別の貯留容器を研削材BBが流下する位置に配置するという作業を行うことで、回収分離装置2の動作を停止させなくて済む。従って、作業効率の向上をより一層図ることができる。
【0065】
また、本実施形態では、タンク流下部21に対応して設けられた第1開閉弁22、及び、貯留ダンパ流下部34に対応して設けられた第2開閉弁35は、制御手段によって開閉状態が切換えられる。
【0066】
すなわち、第1状態においては、第1開閉弁22、第2開閉弁35がいずれも閉状態とされ、第2状態においては、第1開閉弁22が開状態とされ、第2開閉弁35が閉状態とされ、第3状態においては、第1開閉弁22が閉状態とされ、第2開閉弁35が開状態とされる。本実施形態によれば、第1開閉弁22および第2開閉弁35が、第1状態、第2状態、又は、第3状態のうちいずれの状態であっても、回収タンク11内を負圧に維持しつつ、第2開閉弁35よりも下流側の空間を大気開放状態等とすることができる。すなわち、回収作業を連続的に行うことができ、作業性の向上を図ることができる。
【0067】
また、ブラスト作業とは切離して、回収された研削材BBを回収タンク11から第2開閉弁35よりも下流側の空間へと供給することができる。かかる意味において、作業効率の向上を図るとともに、作業時間やコストの増大を防止することができる。
【0068】
なお、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0069】
(a)上記実施形態では、セパレータ51に対し、バイブレータ54及び外側バイブレータ61が取付けられているが、個数、及び、位置等は特に限定されるものではなく、設置自体を省略することとしてもよい。
【0070】
(b)上記実施形態では、セパレータ51の粉塵排出口56の下流側にゴミ袋を設置することとなっているが、別途の容器を用いることとしてもよく、排出先は特に限定されるものではない。また、セパレータ51の集塵排出用ホース59が第2集塵機8に接続されているが、第2集塵機8に代えて、例えば前記バキューム回収装置7の第1集塵機に接続することとしてもよい。
【0071】
(c)上記実施形態では、2段ダンパ31内の態様について、第1状態、第2状態、第3状態、第1状態…といった順序で、各アクチュエータ36、37が制御されるが、順序は特に限定されるものではない。例えば、図9に示すように、時刻T11から時刻T12の間は第2状態、時刻T12から時刻T13の間は第1状態、時刻T13から時刻T14の間は第3状態となるように制御されるようにしてもよい。
【0072】
(d)上記実施形態では、2段ダンパ31内の態様(第1開閉弁22および第2開閉弁35の切換)について、第1状態、第2状態、及び、第3状態が、それぞれ5秒間ずつ継続するように各アクチュエータ36、37が制御されることとしているが、時間は特に限定されるものではなく、各状態の時間がそれぞれ異なっていてもよい。
【0073】
(e)上記実施形態では、時間の経過に基づき各アクチュエータ36、37を制御することとしているが、他の指標、例えば、実際の貯留量に応じて制御することとしてもよい。すなわち、時間毎で制御した場合、貯留量のばらつき等による貯留量の過度な増大や、効率面でのロスといった懸念が生じ得ることも稀にある。そこで、時間毎ではなく、貯留量に対応させて各アクチュエータ36、37を制御することが考えられる。
【0074】
より詳しくは、回収タンク11内に貯留された研削材BB及び粉塵DL、DSの量に関する第1情報を検知可能な第1センサと、貯留ダンパ32内に貯留された研削材BB及び粉塵DL、DSの量に関する第2情報を検知可能な第2センサとをそれぞれ設けることとする。また、制御装置は、第1センサからの入力信号に基づき回収タンク11内に貯留された研削材BBの量が、予め定められた所定量(閾値α)以上となったか否かを判定するとともに、第2センサからの入力信号に基づき貯留ダンパ32内に貯留された研削材BBの量が、予め定められた所定量(閾値β)以上となったか否かを判定する。そして、制御装置は、各判定結果に基づき各アクチュエータ36、37を制御するのである。
【0075】
例えば、図10に示すように、回収タンク11内の研削材BB及び粉塵DL、DSの量が閾値αに達したタイミングT21において、第1センサがオン状態となったとする。この段階で、各開閉弁22、35は、第1状態から第2状態へと制御されると共に、研削材BB及び粉塵DL、DSが、回収タンク11内から貯留ダンパ32内へと流下する。また、貯留ダンパ32内の研削材BB及び粉塵DL、DSの量が閾値βに達したタイミングT22において、第2センサがオン状態となったとする。この段階で、各開閉弁22、35は、第2状態から第3状態へと制御されると共に、研削材BB及び粉塵DL、DSが、貯留ダンパ32内からセパレータ51内へと流下する。このように、検知された研削材BB等の量に応じて各アクチュエータ36、37が制御されることとなるため、仮に、回収される研削材BB等の量について、時間毎にばらつきがあったとしても、前述した懸念を払拭することができ、作業効率の一層の向上を図ることができる。
【0076】
(f)上記実施形態の回収分離システム1は、セパレータ51の研削材排出口62から流下する研削材BBを貯留する貯留容器として、ドラム缶4が備えられているが、他の貯留容器を用いることとしてもよい。例えば、図11に示すように、回収分離装置2の直下に、貯留容器としてのホッパ部72が位置するように設けられたブラスト装置71を備えることとしてもよい。この場合、セパレータ51の研削材排出口62から流下する研削材BBを、ブラスト装置71のホッパ部72に直接投入させることができる。結果、分別された直後の研削材BBを、そのままブラスト作業に用いることが可能となり、作業効率のさらなる向上を図ることができる。また、この場合には、事実上、長期間にわたり連続的にブラスト作業を行うことができる。
【0077】
(g)上記実施形態では特に言及しなかったが、第1状態中に貯留ダンパ32内を回収タンク11内と同程度の負圧状態となるよう構成することとしてもよい。この場合、例えば、バキューム回収装置7や第2集塵機8の負圧を貯留ダンパ32内に作用させることが考えられる。上記のように構成することで、第1状態から第2状態に切換えられた際に回収タンク11内の圧力が一時的に変動してしまうことがなく、円滑かつ安定した吸引を実現することができる。
【0078】
(h)上記実施形態では、便宜上特に言及していないが、回収タンク11、貯留ダンパ32、接続ダンパ33、及び、セパレータ51等に点検窓を設けることとしてもよい。これにより、回収分離装置2の動作中において、適宜、研削材BB及び粉塵DL、DSの貯留量を把握することができ、ひいては、貯留量のばらつきや効率面でのロス等、不具合の早期発見等に繋げることが可能となる。
【0079】
(i)上記実施形態では、衝突板15、第1スクリーン16、及び、仕切板17により分別手段が構成されているが、これらのうち、1つまたは2つを省略することとしてもよい。
【0080】
(j)上記実施形態では、第1スクリーン16、第2スクリーン53として、いずれも網状のものを用いることとしたが、多数の孔を有する金属板等により構成してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1…回収分離システム、2…回収分離装置、3…架台、4…貯留容器としてのドラム缶、5…台車、6…レール、7…吸引手段としてのバキューム回収装置、11…回収タンク、12…吸引用ホース、14…吸引口、15…分別手段を構成する衝突板、16…分別手段を構成する第1スクリーン、17…分別手段を構成する仕切板、18…排出口、21…タンク流下部、51…セパレータ、53…第2スクリーン、54…バイブレータ、57…集塵口、72…貯留容器としてのホッパ部、BB…研削材、DL…粉塵、DS…粉塵。
【要約】
【課題】研削材と粉塵とを確実に分別することで、作業効率の向上を図るとともに、作業時間やコストの増大を防止する回収分離装置及び回収分離システムを提供する。
【解決手段】回収分離装置2は、ブラスト作業により生じた使用済みの研削材及び粉塵を吸引し、回収可能な回収タンク11を備えており、該回収タンク11は、研削材と粉塵とを分別可能な分別手段を有している。当該回収タンク11の下流側には、2段ダンパ31が設けられており、該2段ダンパ31の下流側には、前記回収タンク2の分別手段とは別に、セパレータ51が設けられている。当該セパレータ51は、2段ダンパ31から流下してくる主として研削材を一旦受容し、研削材と、粉塵とを分別するとともに、分別された研削材をドラム缶4へと流下可能な構成となっている。当該構成により、研削材と粉塵とが確実に分別される。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11