(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】溶接ワイヤーリテーナーリング
(51)【国際特許分類】
B23K 9/133 20060101AFI20241105BHJP
B65D 85/04 20060101ALI20241105BHJP
B65H 75/16 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
B23K9/133 503C
B65D85/04
B65H75/16
(21)【出願番号】P 2023506207
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(86)【国際出願番号】 KR2021006655
(87)【国際公開番号】W WO2022039353
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-01-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0104330
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506279458
【氏名又は名称】キスウェル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン、ホ ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソン フン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、チャン ウク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ギョ フン
(72)【発明者】
【氏名】パク、フィ チョル
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-100963(JP,U)
【文献】特開昭57-166269(JP,A)
【文献】実開平07-009564(JP,U)
【文献】実開平08-001282(JP,U)
【文献】登録実用新案第3163003(JP,U)
【文献】特開2020-085089(JP,A)
【文献】特開昭63-298121(JP,A)
【文献】特開2012-016746(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1067693(KR,B1)
【文献】特開平09-156827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/133
B65D 85/04
B65H 75/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納容器の内部に巻き取られた溶接ワイヤー積層体の上部に位置して前記溶接ワイヤー積層体を加圧し、中央に開口が形成された加圧プレートと、
前記収納容器の内壁と接するように前記加圧プレートの外周部に具備され、形状変形が可能な柔軟体からなる複数のガイド羽と、を含み、
前記加圧プレートの外周部には、複数の挿入部が形成され、
前記ガイド羽は、前記挿入部に挿入結合され、
前記挿入部は、少なくとも1つの突起が形成されたベース部と、前記ベース部と挿入空間を形成する蓋部と、を具備し、
前記挿入空間が前記突起を収容するように構成され、
前記ガイド羽は、前記突起と結合される貫通ホールが形成されて前記挿入部の内部に位置する結合部と、前記挿入部の外側方向に突出形成されて前記収納容器の内壁と接する突出部と、を具備することを特徴とする、溶接ワイヤーリテーナーリング。
【請求項2】
前記加圧プレートの内半径と外半径の間の幅(L1)は、前記収納容器に巻き取られた前記溶接ワイヤー積層体の内半径と外半径の間の幅(L2)より大きいことを特徴とする、請求項1に記載の溶接ワイヤーリテーナーリング。
【請求項3】
前記結合部の厚さは、前記突出部の厚さより大きく形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶接ワイヤーリテーナーリング。
【請求項4】
前記加圧プレートは、前記収納容器の移動時に巻き取られたワイヤーの緩みを防止するための固定棒が安着固定され、前記開口を中心として互いに対向する位置にそれぞれ形成される安着部をさらに具備することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の溶接ワイヤーリテーナーリング。
【請求項5】
前記加圧プレートは、前記収納容器内の溶接ワイヤーの残量を確認するための少なくとも一つの残量確認部をさらに具備することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の溶接ワイヤーリテーナーリング。
【請求項6】
前記加圧プレートは、板状体であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の溶接ワイヤーリテーナーリング。
【請求項7】
前記ガイド羽は、前記加圧プレートの外周部に等間隔で8個形成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の溶接ワイヤーリテーナーリング。
【請求項8】
前記突出部の一端部は、前記収納容器の内壁と接し、前記突出部の他端部は、前記収納容器の内壁と空間部を形成することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の溶接ワイヤーリテーナーリング。
【請求項9】
前記突出部は、当該突出部の表面から突出して前記収納容器の内壁と接するように構成された突起部が形成されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の溶接ワイヤーリテーナーリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接ワイヤーリテーナーリングに関し、より詳しくは、溶接ワイヤー収納容器に巻き取られた溶接ワイヤーの引張強度又は弾性に関係なく均一な引き出し品質を確保することによって、ワイヤーの引き出し時のねじれやもつれを防止することができる溶接ワイヤーリテーナーリングに関する。
【背景技術】
【0002】
溶接ワイヤー(welding wire)は、溶接に用いられる金属線であって、このような溶接ワイヤーは、自動及び半自動溶接に用いられる。
【0003】
このような溶接ワイヤーを保管する方法には、リール形態のスプール(spool)に溶接ワイヤーを巻き取って保管する方法と、大容量の溶接ワイヤー用収納容器に溶接ワイヤーをコイル状に巻き取りながら保管する方法がある。
【0004】
このとき、溶接ワイヤー用収納容器に溶接ワイヤーを保管する場合は、スプールに溶接ワイヤーを保管する方法よりさらに多くの量の溶接ワイヤーを保管することができる。したがって、造船所やその他溶接自動化設備が構築された企業では、溶接ワイヤー用収納容器に保管された溶接ワイヤーを使用する。
【0005】
このような溶接ワイヤー用収納容器は、筒部本体、蓋及び密封部を含む。ここで、筒部本体には中空が形成され、溶接ワイヤーはコイル状に筒部本体に収納され得る。
【0006】
従来技術による溶接ワイヤーリテーナーリングは、溶接ワイヤー用収納容器のガイドバンドに結合されて使用される。そして、筒部本体に巻き取られた溶接ワイヤーは、リテーナーリングの中央に形成されたホールを通じて抜け出して筒部本体に結合された別途のヘッドキャップ部材のホールを通じて外部のワイヤー引き出し装置と連結されて使用される。
【0007】
このとき、溶接ワイヤー用収納容器に保管された溶接ワイヤーの金属的性質によって引張強度及び弾性の差により引き出し時にワイヤーのねじれやもつれが発生する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国登録特許第10-1275114号公報(2013.06.10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、溶接ワイヤー収納容器に巻き取られた溶接ワイヤーの引張強度又は弾性に関係なく均一な引き出し品質を確保することによって、ワイヤーの引き出し時のねじれやもつれを防止することができる溶接ワイヤーリテーナーリングを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような目的を達成するために、本発明の一側面は、収納容器の内部に巻き取られた溶接ワイヤー積層体の上部に位置して前記積層体を加圧し、中央に開口が形成された加圧プレート及び前記収納容器の内壁と接するように前記加圧プレートの外周部に具備され、形状変形が可能な柔軟体からなる複数のガイド羽を含む、溶接ワイヤーリテーナーリングを提供する。
【0011】
本発明の一実施例において、前記加圧プレートの幅L1は、前記収納容器に巻き取られた溶接ワイヤー積層体の幅L2より大きいことを特徴とする、溶接ワイヤーリテーナーリングであってもよい。
【0012】
本発明の一実施例において、前記加圧プレートの外周部には、複数の挿入部が形成され、前記ガイド羽は、前記挿入部に挿入結合されることを特徴とする、溶接ワイヤーリテーナーリングであってもよい。
【0013】
本発明の一実施例において、前記挿入部は、少なくとも一つの突起が形成されたベース部及び前記ベース部と挿入空間を形成する蓋部を具備し、前記ガイド羽は、前記突起と結合する少なくとも一つの貫通ホールが形成されて前記挿入部の内部に位置する結合部及び前記挿入部の外側方向に突出形成されて前記収納容器の内壁と接する突出部を具備することを特徴とする、溶接ワイヤーリテーナーリングであってもよい。
【0014】
本発明の一実施例において、前記結合部の厚さは、前記突出部の厚さより大きく形成されることを特徴とする、溶接ワイヤーリテーナーリングであってもよい。
【0015】
本発明の一実施例において、前記加圧プレートは、前記収納容器の移動時に巻き取られたワイヤーの緩みを防止するための固定棒が安着固定され、前記開口を中心として互いに対向する位置にそれぞれ形成される安着部をさらに具備することを特徴とする、溶接ワイヤーリテーナーリングであってもよい。
【0016】
本発明の一実施例において、前記加圧プレートは、前記収納容器内の溶接ワイヤーの残量を確認するための少なくとも一つの残量確認部をさらに具備することを特徴とする、溶接ワイヤーリテーナーリングであってもよい。
【0017】
本発明の一実施例において、前記加圧プレートは、軟性がある板状体であることを特徴とする、溶接ワイヤーリテーナーリングであってもよい。
【0018】
本発明の一実施例において、前記ガイド羽は、前記加圧プレートの外周部に等間隔で8個が形成されることを特徴とする、溶接ワイヤーリテーナーリングであってもよい。
【0019】
本発明の一実施例において、前記突出部の一端部は、前記収納容器の内壁と接し、前記突出部の他端部は、前記収納容器の内壁と空間部を形成することを特徴とする、溶接ワイヤーリテーナーリングであってもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一側面によると、加圧プレートは、軟性を有する厚さからなることによってワイヤーが引き出されるときワイヤー積層体の変形を最小化し、引き出されるワイヤーの抵抗による加圧プレートの流動により溶接ワイヤーがもつれる問題が防止され得る。
【0021】
そして、加圧プレートの外周部に複数のガイド羽が等間隔で具備されることによって、加圧プレートは、一側にかたよることなく収納容器内の中央にバランスよく位置することができ、ワイヤーは引き出し時に均一に抜け出ることができる。
【0022】
また、溶接ワイヤー収納容器に巻き取られた溶接ワイヤーの引張強度又は弾性に関係なく均一な引き出し品質を確保することによってワイヤーの引き出し時のねじれやもつれを防止することができる。
【0023】
本発明の効果は、上述した効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明又は特許請求の範囲に記載された構成から推論可能な全ての効果を含むものと理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例による溶接ワイヤーリテーナーリングが適用された収納容器を示した斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例による溶接ワイヤーリテーナーリングが適用された収納容器の部分切開斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例による溶接ワイヤーリテーナーリングを上側から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施例による溶接ワイヤーリテーナーリングを下側から見た斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施例によるガイド羽の分解図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施例によるガイド羽の断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施例による溶接ワイヤーリテーナーリングが適用された収納容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、添付した図面を参照して本発明を説明する。しかしながら、本発明は種々の異なる形態で具現することができる。したがって、ここで説明する実施例に限定されるものではない。また、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似する部分に対しては類似する図面符号を付与した。
【0026】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとの用語は、「直接的に連結」されている場合だけでなく、それらの間に他の部材を介在して「間接的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」との用語は、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく他の構成要素をさらに具備できることを意味する。
【0027】
以下、添付した図面を参考にして本発明の実施例を詳しく説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施例による溶接ワイヤーリテーナーリングが適用された収納容器の斜視図であり、
図2は、本発明の一実施例による溶接ワイヤーリテーナーリングが適用された収納容器の部分切開斜視図であり、
図3は、本発明の一実施例による溶接ワイヤーリテーナーリングを上側から見た斜視図であり、
図4は、本発明の一実施例による溶接ワイヤーリテーナーリングを下側から見た斜視図である。
【0029】
図1~
図4を参照すると、溶接ワイヤーリテーナーリング1000は、加圧プレート100及び複数のガイド羽200を含んで構成される。
【0030】
より具体的に、溶接ワイヤーリテーナーリング1000は、収納容器10の内部に巻き取られた溶接ワイヤー積層体20の上部に位置して前記溶接ワイヤー積層体20を加圧し、中央に開口110が形成された加圧プレート100及び前記収納容器10の内壁11と接するように前記加圧プレート100の外周部に具備され、形状変形が可能な柔軟体からなる複数のガイド羽200を含む。
【0031】
収納容器10は、円筒状に形成され得、円筒状の収納容器10の内部の空間にワイヤーWがコイル状で積層されて溶接ワイヤー積層体20が収納され得る。
【0032】
すなわち、溶接ワイヤーリテーナーリング1000は、溶接ワイヤーWが連続的なループ(Loop)で積層された溶接ワイヤー積層体20の形態で内部に保管される収納容器10で前記溶接ワイヤー積層体20の上部に設置され得る。
【0033】
このような溶接ワイヤーリテーナーリング1000は、溶接ワイヤー積層体20の上部で前記溶接ワイヤー積層体20を加圧することによって、前記ワイヤーWが引き出し時にねじれたりもつれたりすることを防止できるように形成される。
【0034】
このとき、溶接ワイヤーWは、円筒形、四角形、六角形又は八角形のボックスなどの多様な収納容器10に収納され得る。したがって、本発明の溶接ワイヤーリテーナーリング1000も多様な収納容器10の形状に対応するように形成され得る。
【0035】
加圧プレート100は、外径が前記収納容器10の内部空間の内径より小さくなり、前記収納容器10の内壁との間で隙間を形成するように構成される。また、加圧プレート100は、溶接ワイヤー積層体20の中央に形成された中空に対応して中央に開口110が形成される。このとき、溶接ワイヤーWは、前記開口110を通じて外部に引き出され得る。
【0036】
一実施例によると、加圧プレート100の幅L1は、前記収納容器10に巻き取られた溶接ワイヤー積層体20の幅L2より大きいことを特徴とする。すなわち、加圧プレート100の中央の開口110の直径が溶接ワイヤー積層体20の中空の直径より小さく形成されることによって、加圧プレート100が前記溶接ワイヤー積層体20を全体的に加圧し得ることになる。これによって、引き出し時に巻き取られたワイヤーWは、より容易に前記収納容器10から一本ずつ抜け出ることができる。
【0037】
また、加圧プレート100は、軟性がある板状体からなることを特徴とする。すなわち、加圧プレート100は、軟性を有する厚さからなり、前記ワイヤーWが引き出されることによって形成される溶接ワイヤー積層体20と加圧プレート100との間の空間をすぐ埋めながら柔軟に下降することになる。
【0038】
これによって、加圧プレート100は、前記ワイヤーWが引き出されるとき溶接ワイヤー積層体20の変形を最小化することができる。また、溶接ワイヤーリテーナーリング1000の重量と引き出されるワイヤーの抵抗による加圧プレート100の流動により溶接ワイヤーWがもつれる問題が解消され得る。
【0039】
一方、加圧プレート100は、前記収納容器10の移動時に巻き取られたワイヤーWの緩みを防止するための固定棒30が安着固定され、前記開口110を中心として互いに対向する位置にそれぞれ形成される安着部140をさらに具備することができる。
【0040】
収納容器10にワイヤーWが収納された状態で包装される場合又はワイヤーWが一部使用された後に保管される場合、巻き取られたワイヤーWが堅固に固定されるように溶接ワイヤーリテーナーリング1000には固定棒30が装着され得る。
【0041】
すなわち、前記固定棒30は、重さがある金属材質からなり得、ワイヤーWの使用時に前記溶接ワイヤーリテーナーリング1000から除去され得る。このとき、固定棒30の一端部及び他端部は、前記加圧プレート100に形成された安着部140にそれぞれ挿入安着され得、これによって、ワイヤーWの使用時又はワイヤーWの使用後に保管時により迅速な動作が可能となる。
【0042】
一方、加圧プレート100は、前記収納容器10内の溶接ワイヤーWの残量を確認するための少なくとも一つの残量確認部130をさらに具備することができる。このとき、残量確認部130は、前記加圧プレート100の幅方向に長く形成され得る。これによって、使用者は、前記残量確認部130を通じて収納容器10内の溶接ワイヤーWの残量を容易に確認し得る。
【0043】
図5は、本発明の一実施例によるガイド羽の分解図であり、
図6は、本発明の一実施例によるガイド羽の断面図であり、
図7は、本発明の一実施例による溶接ワイヤーリテーナーリングが適用された収納容器の断面図である。
【0044】
図1~
図7を参照すると、溶接ワイヤーリテーナーリング1000は、前記収納容器10の内壁と接するように前記加圧プレート100の外周部に具備されるガイド羽200を含む。
【0045】
ガイド羽200は、形状変形が可能な柔軟体からなり、収納容器10の内壁に接するように突出形成される。すなわち、ガイド羽200は、一端部が前記収納容器10の内壁と接することによって上側方向に曲がり、巻き取られた溶接ワイヤーWが全部消尽するまで前記収納容器10の内壁に沿って下降することになる。
【0046】
ガイド羽200は、前記加圧プレート100の外周部に複数個が具備され得る。好ましくは、前記ガイド羽200は、前記加圧プレート100の外周部に等間隔で8個が具備され得る。
【0047】
すなわち、等間隔で配置された複数のガイド羽200は、それぞれ収納容器10の内壁と接しながら溶接ワイヤーリテーナーリング1000の中心方向に弾性加圧を受けるようになり、加圧プレート100は、一側にかたよることなく収納容器10内の中央にバランスよく位置することができる。これによって、ワイヤーWの引き出し時に発生する巻取応力を均一に分散させてワイヤーWのもつれ及びねじれを防止することができる。
【0048】
一方、加圧プレート100の外周部には、複数の挿入部120が形成され、ガイド羽200は、前記挿入部120に挿入結合され得る。
【0049】
より具体的に、加圧プレート100の挿入部120は、少なくとも一つの突起121aが形成されたベース部121及び前記ベース部121と挿入空間を形成する蓋部122を具備することができる。また、ガイド羽200は、前記突起121aと結合する少なくとも一つの貫通ホール211が形成されて前記挿入部120の内部に位置する結合部210及び前記挿入部120の外側方向に突出形成されて前記収納容器10の内壁と接する突出部220を具備することができる。
【0050】
また、突出部220の下面には、突起部221がさらに形成され得る。前記突起部221は、収納容器10の内壁と実質的に接しながら弾性加圧を受けることになり、突出部220の下部と収納容器10の内壁との間の接触面積を減らすことによって、ワイヤーWの引き出し時に溶接ワイヤーリテーナーリング1000がより容易に下降し得るようにする。
【0051】
すなわち、複数のガイド羽200が前記加圧プレート100の外周部に挿入結合される構造からなることによって、溶接ワイヤーリテーナーリング1000の生産性が向上し得、テープや粘着剤又は熱圧着などの方式で結合される構造に比べて品質均一性が向上し得る。
【0052】
このとき、ガイド羽200の結合部210の厚さは、突出部220の厚さより大きく形成され得る。すなわち、加圧プレート100に挿入される結合部210と外部に露出して収納容器10の内壁と接する突出部220の厚さの差による引張強度の相乗効果により溶接ワイヤーリテーナーリング1000は収納容器10の中央に位置し得ることになり、ワイヤーWがより均一に引き出され得る。
【0053】
一方、突出部220の一端部は、前記収納容器10の内壁と接し、突出部220の他端部は、前記収納容器10の内壁と空間部Sを形成するように構成され得る。収納容器10の内部に巻き取られたワイヤーWは、引き出されるとき、後続ワイヤーのループ(loop)が巻取時に受けたねじれ応力が解けながら、収納容器10の内壁に沿って上部へ跳ね上がるか溶接ワイヤー積層体20の中空に落下する問題が発生し得る。このとき、突出部220の他端部と収納容器10の内壁の間に空間部Sが形成されることによって、巻取時に発生したワイヤーWのねじれ応力が解消され得、これによって、ワイヤーWのもつれ及びねじれが防止され得る。
【0054】
前述した本発明の説明は例示のためのものに過ぎず、本発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変更が可能なことが理解できるであろう。したがって、上述した実施例は全ての面で例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。例えば、単一型として説明されている各構成要素は分散して実施することもでき、同様に、分散されたものとして説明されている構成要素を結合された形態で実施することもできる。
【0055】
本明細書の範囲は、後述する特許請求の範囲により示されるが、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態は、本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
【符号の説明】
【0056】
1000:溶接ワイヤーリテーナーリング
100:加圧プレート
110:開口
120:挿入部
130:残量確認部
140:安着部
200:ガイド羽
210:結合部
220:突出部