(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20241105BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20241105BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20241105BHJP
H01M 50/211 20210101ALN20241105BHJP
【FI】
H01M50/204 101
H01M50/507
H01M50/296
H01M50/211
(21)【出願番号】P 2023512210
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 KR2022002004
(87)【国際公開番号】W WO2022239934
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】10-2021-0060833
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ミュンキ・パク
(72)【発明者】
【氏名】サムヘ・ホ
【審査官】渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/002619(WO,A2)
【文献】特開2020-098689(JP,A)
【文献】特開2004-227928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 50/507
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが一方向に積層された電池セル積層体と、
前記電池セル積層体を収容するモジュールフレームと、
前記電池セル積層体と外部部材とを電気的に連結するバスバーと、
前記電池セル積層体の
長手方向における前面または後面を覆い、前記バスバーが装着されるバスバーフレームと、
前記モジュールフレームと結合し、前記バスバーフレームを覆うエンドプレートとを含み、
前記エンドプレートには少なくとも1つの開口部が形成され、
前記開口部を介し
てバスバ
ー突出部が外部に露出し、
前記バスバー突出部と前記開口部との間のギャップは、ガスケットによって密閉され
る電池モジュールにおいて、
前記ガスケットは、前記バスバー突出部が挿入されるガスケットホールと、前記ガスケットホールの周りから放射状に拡張される接触部とを含み、
前記接触部は、前記電池モジュールの内部に向かう第1接触面と、前記電池モジュールの外部に向かう第2接触面とを含み、前記第1接触面または第2接触面には突起部が形成され、
前記突起部は、前記第1接触面または第2接触面から前記電池モジュールの内部または外部に向かって突出した部分であり、
前記突起部は、前記長手方向において前記バスバーフレームまたは前記エンドプレートと接触し、前記電池セル積層体の前記長手方向に圧縮力が作用することで圧縮される、電池モジュール。
【請求項2】
前記ガスケットは
、前記ガスケットホールの周りから前記バスバー突出部の露出方向に向かって延びるリップ
部を含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
複数の電池セルが一方向に積層された電池セル積層体と、
前記電池セル積層体を収容するモジュールフレームと、
前記電池セル積層体と外部部材とを電気的に連結するバスバーと、
前記電池セル積層体の前面または後面を覆い、前記バスバーが装着されるバスバーフレームと、
前記モジュールフレームと結合し、前記バスバーフレームを覆うエンドプレートとを含み、
前記エンドプレートには少なくとも1つの開口部が形成され、
前記開口部を介してバスバー突出部が外部に露出し、
前記バスバー突出部と前記開口部との間のギャップは、ガスケットによって密閉される電池モジュールにおいて、
前記ガスケットは、前記バスバー突出部が挿入されるガスケットホールと、前記ガスケットホールの周りから前記バスバー突出部の露出方向に向かって延びるリップ部とを含み、
前記リップ部の内部は、前記バスバー突出部の外周と接触し、前記リップ部の外部は、前記開口部と接触する
、電池モジュール。
【請求項4】
複数の電池セルが一方向に積層された電池セル積層体と、
前記電池セル積層体を収容するモジュールフレームと、
前記電池セル積層体と外部部材とを電気的に連結するバスバーと、
前記電池セル積層体の前面または後面を覆い、前記バスバーが装着されるバスバーフレームと、
前記モジュールフレームと結合し、前記バスバーフレームを覆うエンドプレートとを含み、
前記エンドプレートには少なくとも1つの開口部が形成され、
前記開口部を介してバスバー突出部が外部に露出し、
前記バスバー突出部と前記開口部との間のギャップは、ガスケットによって密閉される電池モジュールにおいて、
前記ガスケットは、前記バスバー突出部が挿入されるガスケットホールと、前記ガスケットホールの周りから放射状に拡張される接触部とを含み、
前記接触部は、前記電池モジュールの内部に向かう第1接触面と、前記電池モジュールの外部に向かう第2接触面とを含み、
前記接触部の第1接触面は、バスバーフレームの外部面と接触する
、電池モジュール。
【請求項5】
複数の電池セルが一方向に積層された電池セル積層体と、
前記電池セル積層体を収容するモジュールフレームと、
前記電池セル積層体と外部部材とを電気的に連結するバスバーと、
前記電池セル積層体の前面または後面を覆い、前記バスバーが装着されるバスバーフレームと、
前記モジュールフレームと結合し、前記バスバーフレームを覆うエンドプレートとを含み、
前記エンドプレートには少なくとも1つの開口部が形成され、
前記開口部を介してバスバー突出部が外部に露出し、
前記バスバー突出部と前記開口部との間のギャップは、ガスケットによって密閉される電池モジュールにおいて、
前記ガスケットは、前記バスバー突出部が挿入されるガスケットホールと、前記ガスケットホールの周りから放射状に拡張される接触部とを含み、
前記接触部は、前記電池モジュールの内部に向かう第1接触面と、前記電池モジュールの外部に向かう第2接触面とを含み、前記第1接触面または第2接触面には突起部が形成され、
前記突起部は、前記ガスケットホールを中心に放射状に離隔する複数の図形を含む同心図形パターンを有する
、電池モジュール。
【請求項6】
前記
第1接触面
または前記第2接触面の一面に形成された前記突起部の高さは、一定である、請求項
1または5のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項7】
複数の電池セルが一方向に積層された電池セル積層体と、
前記電池セル積層体を収容するモジュールフレームと、
前記電池セル積層体と外部部材とを電気的に連結するバスバーと、
前記電池セル積層体の前面または後面を覆い、前記バスバーが装着されるバスバーフレームと、
前記モジュールフレームと結合し、前記バスバーフレームを覆うエンドプレートとを含み、
前記エンドプレートには少なくとも1つの開口部が形成され、
前記開口部を介してバスバー突出部が外部に露出し、
前記バスバー突出部と前記開口部との間のギャップは、ガスケットによって密閉される電池モジュールにおいて、
前記ガスケットは、前記バスバー突出部が挿入されるガスケットホールと、前記ガスケットホールの周りから放射状に拡張される接触部とを含み、
前記接触部は、前記電池モジュールの内部に向かう第1接触面と、前記電池モジュールの外部に向かう第2接触面とを含み、前記第1接触面または第2接触面には突起部が形成され、
前記
第1接触面
または前記第2接触面の一面に形成された前記突起部の高さは、前記ガスケットホールから遠くなるほど次第に低くなる
、電池モジュール。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の少なくとも1つの電池モジュールを含む電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互参照]
本出願は、2021年5月11日付の韓国特許出願第10-2021-0060833号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関し、より具体的には、安全性が強化された電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加に伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。これによって、多様な要求に応えられる二次電池に関する研究が多く行われている。
【0004】
二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコンなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源としても多くの関心を集めている。
【0005】
最近、二次電池のエネルギー貯蔵源としての活用をはじめとして大容量二次電池構造に対する必要性が高まるにつれ、多数の二次電池が直列/並列に連結された電池モジュールを集合させた中大型モジュール構造の電池パックに対する需要が増加している。
【0006】
一方、複数の電池セルを直列/並列に連結して電池パックを構成する場合、少なくとも1つの電池セルからなる電池モジュールを構成し、少なくとも1つの電池モジュールを用いてその他の構成要素を追加して電池パックを構成する方法が一般的である。このような中大型電池モジュールを構成する電池セルは充放電可能な二次電池で構成されているので、このような高出力大容量二次電池は充放電過程で多量の熱を発生させる。
【0007】
図1は、従来の電池パックに装着された電池モジュールの発火時の様子を示す図である。
図2は、
図1のA-A部分で、従来の電池パックに装着された電池モジュールの発火時に隣接した電池モジュールに影響を及ぼす火炎の様子を示す図である。
【0008】
図1および
図2を参照すれば、従来の電池モジュール10は、複数の電池セル11が積層形成された電池セル積層体12と、電池セル積層体12を収容するフレーム20と、電池セル積層体12の前後面に形成されたエンドプレート40と、エンドプレートの外部に突出形成されたターミナルバスバー50などとを含む。
【0009】
電池セル積層体12は、フレーム20およびエンドプレート40の結合によって密閉された構造内に位置することができる。これによって、過充電などの理由から電池セル11の内部圧力が増加する場合に、電池セル11の外部に高温の熱、ガスまたは火炎が放出されうるが、この時、1つの電池セル11から放出された熱、ガスまたは火炎などは狭い間隔をおいて隣接した他の電池セル11に伝達されて、連続的な発火現象が誘導されることがある。また、各電池セル11から放出された熱、ガスまたは火炎などは、エンドプレート40に形成された開口部に向かって排出されることがあり、この過程でエンドプレート40と電池セル11との間に位置したバスバー50などが損傷する問題が発生しうる。
【0010】
さらに、電池パック内において、複数の電池モジュール10は、少なくとも2つのエンドプレート40が互いに対向するように配置されるので、電池モジュール10内で発生した熱、ガスまたは火炎などが電池モジュール10の外部に排出される場合には、隣接した他の電池モジュール10内の複数の電池セル11の性能および安定性に影響を与えることもある。
【0011】
したがって、電池モジュール10の内部で発生した熱、ガスまたは火炎が隣接した電池モジュール10に排出されないようにすることで、連続的な熱暴走現象を防止する電池モジュール10の設計が要求されるのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、連続的な熱暴走現象を防止することによって、耐久性および安全性が向上した電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することである。
【0013】
しかし、本発明の実施例が解決しようとする課題は上述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張可能である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施例による電池モジュールは、複数の電池セルが一方向に積層された電池セル積層体と、前記電池セル積層体を収容するモジュールフレームと、前記電池セル積層体と外部部材とを電気的に連結するバスバーと、前記電池セル積層体の前面または後面を覆い、前記バスバーが装着されるバスバーフレームと、前記モジュールフレームと結合し、前記バスバーフレームを覆うエンドプレートとを含み、前記エンドプレートには少なくとも1つの開口部が形成され、前記開口部を介して前記バスバーの突出部が外部に露出し、前記バスバー突出部と前記開口部との間のギャップは、ガスケットによって密閉される。
【0015】
前記ガスケットは、前記バスバー突出部が挿入されるガスケットホールと、前記ガスケットホールの周りから前記バスバー突出部の露出方向に向かって延びるリップ部とを含み、前記リップ部の内部は、前記バスバー突出部の外周と接触し、前記リップ部の外部は、前記開口部と接触することができる。
【0016】
前記ガスケットは、前記バスバー突出部が挿入されるガスケットホールと、前記ガスケットホールの周りから放射状に拡張される接触部とを含み、前記接触部は、前記電池モジュールの内部に向かう第1接触面と、前記電池モジュールの外部に向かう第2接触面とを含み、前記接触部の第1接触面は、バスバーフレームの外部面と接触することができる。
【0017】
前記第1接触面および第2接触面には突起部が形成される。
【0018】
前記突起部は、前記第1接触面および第2接触面から前記電池モジュールの内部および外部に向かって突出した部分であってもよい。
【0019】
前記突起部は、前記ガスケットホールを中心に放射状に離隔する多数の図形を含む同心図形パターンを有することができる。
【0020】
前記突起部の高さは、一定であってもよい。
【0021】
前記突起部の高さは、前記ガスケットホールから遠くなるほど次第に低くなる。
【0022】
本発明の他の実施例による電池パックは、上述した電池モジュールを少なくとも1つ含む。
【発明の効果】
【0023】
実施例によれば、電池モジュールのエンドプレートに形成された開口部周辺のギャップを密閉することによって、1つの電池モジュールで発生した熱暴走現象が隣接した電池モジュールに伝播するのを防止することができる。
【0024】
本発明の効果は以上に言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】従来の電池パックに装着された電池モジュールの発火時の様子を示す図である。
【
図2】
図1のA-Aに沿った部分で、従来の電池パックに装着された電池モジュールの発火時に隣接した電池モジュールに影響を及ぼす火炎の様子を示す図である。
【
図3】本発明の一実施例による電池モジュールを示す斜視図である。
【
図4】
図3の電池モジュールに関する分解斜視図である。
【
図5】
図3の電池モジュールに含まれている電池セルに関する斜視図である。
【
図6】
図3の電池モジュールに含まれているバスバーフレームに関する斜視図である。
【
図7】本発明の一実施例による電池モジュールに含まれているガスケットの一例を説明するための図である。
【
図8】本発明の一実施例による電池モジュールに含まれているガスケットの一例を説明するための図である。
【
図9】本発明の一実施例による電池モジュールに含まれているガスケットの一例を説明するための図である。
【
図10】本発明の一実施例による電池モジュールに含まれているガスケットの他の例の図である。
【
図11】
図10のガスケットとバスバーとの結合を説明するための図である。
【
図12】
図10のガスケットとバスバーとの結合を説明するための図である。
【
図13】
図10のガスケットとエンドプレートとの結合を説明するための図である。
【
図14】
図10のガスケットとエンドプレートとの結合を説明するための図である。
【
図15】従来の電池モジュールに含まれているモジュールコネクタの結合構造を説明するための図である。
【
図16】本発明の他の実施例による電池モジュールを示す斜視図である。
【
図17】本発明の他の実施例による電池モジュールに含まれているコネクタアセンブリに関する斜視図である。
【
図18】
図17のコネクタアセンブリに含まれるシーリング部材の図である。
【
図19】本発明の他の実施例による電池モジュールに含まれているコネクタアセンブリとセンシングユニットとの結合を説明するための図である。
【
図21】本発明の他の実施例による電池モジュールに含まれているコネクタアセンブリとバスバーフレームとの結合を説明するための図である。
【
図22】本発明の他の実施例による電池モジュールに含まれているコネクタアセンブリとバスバーフレームとの結合を説明するための図である。
【
図23】本発明の他の実施例による電池モジュールに含まれているコネクタアセンブリとバスバーフレームとの結合を説明するための図である。
【
図24】本発明の一実施例による電池モジュールに含まれているコネクタアセンブリとエンドプレートとの結合を説明するための図である。
【
図25】本発明の一実施例による電池モジュールに含まれているコネクタアセンブリとエンドプレートとの結合を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して、本発明の様々な実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は以下の説明以外にも種々の異なる形態で実現可能であり、本発明の範囲はここで説明する実施例によって限定されない。
【0027】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0028】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に拡大したり縮小して示したものであるので、本発明の内容が図示のもの限定されないことは自明である。以下の図面では様々な層および領域を明確に表現するために各層の厚さを拡大して示した。そして、以下の図面では、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0029】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あると説明する時、これは、相当する層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その間にさらに他の部分がある場合も含むと解釈されなければならない。これとは逆に、相当する層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「直上に」あると説明する時には、その間に他の部分がないことを意味することができる。さらに、基準となる部分の「上に」あるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に向かって「上に」位置することを意味するのではない。一方、他の部分の「上に」あると説明するのと同様に、他の部分の「下に」あると説明することも、上述した内容を参照して理解されるであろう。
【0030】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0031】
さらに、明細書全体において、「平面上」とする時、これは当該部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは当該部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0032】
以下、本発明の一実施例による電池モジュールについて説明する。
【0033】
図3は、本発明の一実施例による電池モジュールを示す斜視図である。
図4は、
図3の電池モジュールに関する分解斜視図である。
図5は、
図4の電池モジュールに含まれている電池セルに関する斜視図である。
図6は、
図3の電池モジュールに含まれているバスバーフレームに関する斜視図である。
【0034】
図3および
図4を参照すれば、本発明の一実施例による電池モジュール100は、複数の電池セル110が一方向に沿って積層された電池セル積層体120と、電池セル積層体120を収容するモジュールフレーム200と、電池セル積層体120の前面および/または後面上に位置するバスバーフレーム300と、電池セル積層体120の前面および/または後面を覆う(covering)エンドプレート400と、バスバーフレーム300上に装着されるバスバー510、520と、モジュールコネクタ610と、センシングユニット700とを含むことができる。
【0035】
電池セル110は、単位面積あたりに積層される数が最大化できるパウチ型で提供される。パウチ型で提供される電池セル110は、正極、負極および分離膜を含む電極組立体をラミネートシートのセルケース114に収納した後、セルケース114のシーリング部を熱融着することによって製造できる。しかし、電池セル110が必ずしもパウチ型で提供されるべきではなく、後に装着されるデバイスが要求する貯蔵容量が達成される水準下で角型、円筒形またはその他の多様な形態で提供されてもよいことは自明である。
【0036】
図5を参照すれば、電池セル110は、2つの電極リード111、112を含むことができる。電極リード111、112は、セル本体113の一端からそれぞれ突出している構造を有することができる。具体的には、各電極リード111、112の一端は、電池セル110の内部に位置することによって電極組立体の正極または負極と電気的に連結され、各電極リード111、112の他端は、電池セル110の外部に導出されることによって別の部材、例えば、バスバー510、520と電気的に連結される。
【0037】
セルケース114内の電極組立体は、シーリング部114sa、114sb、114scによって密封できる。セルケース114のシーリング部114sa、114sb、114scは、両端部114a、114bとこれらを連結する一側部114c上に位置することができる。
【0038】
セルケース114は、一般に、樹脂層/金属薄膜層/樹脂層のラミネート構造からなる。例えば、セルケースの表面がO(oriented)-ナイロン層からなる場合には、中大型電池モジュール100を形成するために多数の電池セル110を積層する時、外部衝撃によって滑りやすい傾向がある。したがって、これを防止し電池セル110の安定した積層構造を維持するために、セルケース114の表面に両面テープなどの粘着式接着剤または接着時の化学反応によって結合される化学接着剤などの接着部材を付着させて電池セル積層体120を形成することができる。
【0039】
連結部115は、上述したシーリング部114sa、114sb、114scが位置しないセルケース114の一端から長手方向に沿って延びる領域を称するものである。連結部115の端部には、バットイヤー(bat-ear)と呼ばれる電池セル110の突出部110pが形成される。また、テラス(Terrace)部116は、セルケース114の周縁を基準として、セルケース114の外部にその一部が突出した電極リード111、112とセルケース114の内部に位置するセル本体113との間の領域を称するものである。
【0040】
一方、パウチ型で提供される電池セル110は、長さ、幅および厚さを有することができ、電池セル110の長手方向、幅方向および厚さ方向は、相互垂直な方向であってもよい。
【0041】
ここで、電池セル110の長手方向は、電極リード111、112がセルケース114から突出した方向により定義される。電池セル110の長手方向は、x軸方向または-x軸方向で定義される。
【0042】
また、ここで、電池セル110の幅方向は、
図4に示されたように、電池セル110の一側部114cから連結部115または連結部115から一側部114cに向かうz軸方向または-z軸方向であってもよい。さらに、ここで、電池セル110の厚さ方向は、幅方向および長手方向と垂直なy軸方向または-y軸方向で定義される。
【0043】
電池セル積層体120は、電気的に連結された複数の電池セル110が一方向に沿って積層されたものであってもよい。複数の電池セル110が積層された方向(以下、「積層方向」と称される)は、
図3および
図4に示されたように、y軸方向(または-y軸方向であってもよいし、以下、「軸方向」という表現が+/-方向を全て含むと解釈される)であってもよい。
【0044】
ここで、電池セル積層体120の前面から後面に向かう方向、またはその反対方向は、電池セル積層体120の長手方向で定義され、x軸方向であってもよい。また、電池セル積層体120の上面から下面に向かう方向、またはその反対方向は、電池セル積層体120の幅方向で定義され、z軸方向であってもよい。
【0045】
電池セル積層体120の長手方向は、電池セル110の長手方向と実質的に同一であってもよい。この時、電池セル積層体120の前面および後面には電池セル110の電極リード111、112が位置することができる。この時、電池モジュール100のバスバー510、520は、電極リード111、112との電気的連結を容易に形成するように電池セル積層体120の前面および後面と近く配置される。
【0046】
モジュールフレーム200は、電池セル積層体120およびこれに連結された電装品を外部の物理的衝撃から保護するためのものである。モジュールフレーム200は、電池セル積層体120およびこれに連結された電装品をモジュールフレーム200の内部空間に収容できる。ここで、モジュールフレーム200は、内部面および外部面を含み、モジュールフレーム200の内部空間は、内部面によって定義される。
【0047】
モジュールフレーム200の構造は、多様であり得る。一例として、モジュールフレーム200の構造は、モノフレームの構造であってもよい。ここで、モノフレームは、上面、下面および両側面が一体化された金属板材の形態であってもよい。モノフレームは、押出成形で製造される。他の例として、モジュールフレーム200の構造は、U字状フレームと上部プレート(上面)とが結合された構造であってもよい。U字状フレームと上部プレートとが結合された構造の場合、モジュールフレーム200の構造は、下面および両側面が結合または一体化された金属板材であるU字状フレームの上側に上部プレートを結合して形成されてもよいし、各フレームまたはプレートは、プレス成形で製造される。また、モジュールフレーム200の構造は、モノフレームまたはU字状フレーム以外に、L状フレームの構造で提供されてもよいし、上述した例で説明していない多様な構造で提供されてもよい。
【0048】
モジュールフレーム200の構造は、電池セル積層体120の長手方向に沿って開放された形態で提供される。電池セル積層体120の前面および後面は、モジュールフレーム200によって遮られない。電池セル110の電極リード111、112は、モジュールフレーム200によって遮られない。電池セル積層体120の前面および後面は、後述するバスバーフレーム300、エンドプレート400またはバスバー510、520などによって遮られ、これによって、電池セル積層体120の前面および後面は、外部の物理的衝撃などから保護できる。
【0049】
一方、電池セル積層体120とモジュールフレーム200の内部面との間には熱伝導部材180が提供される。熱伝導部材180は、電池セル110から発生した熱をモジュールフレーム200を経て外部に放出/伝達するためのものである。熱伝導部材180は、熱伝導度に優れた物質で形成される。熱伝導部材180は、接着物質を含むことができる。例えば、熱伝導部材180は、シリコーン(Silicone)系素材、ウレタン(Urethane)系素材およびアクリル(Acrylic)系素材の少なくとも1つを含むことができる。
【0050】
熱伝導部材180は、電池セル積層体120とモジュールフレーム200の内部面中の一側面との間に熱伝導性樹脂が注液されることによって形成されたものであってもよい。しかし、必ずしもその限りではなく、熱伝導部材180は、板形状の部材であってもよい。熱伝導部材180は、電池セル積層体120のz軸上に位置することができ、前記熱伝導部材180は、電池セル積層体120とモジュールフレーム200の底面(または底部と称されることがある)との間に位置することができる。
【0051】
また、電池セル積層体120とモジュールフレーム200の内部面中の一側面との間には圧縮パッド190が位置することができる。この時、圧縮パッド190は、電池セル積層体120のy軸上に位置することができ、電池セル積層体120の両端にある2つの電池セル110の少なくとも1つと対面することができる。
【0052】
バスバーフレーム300は、電池セル積層体120の一面上に位置して、電池セル積層体120の一面をカバーすると同時に、電池セル積層体120と外部機器との連結を案内するためのものである。バスバーフレーム300は、電池セル積層体120の前面または後面上に位置することができる。バスバーフレーム300には、バスバー510、520およびモジュールコネクタ610の少なくとも1つが装着される。具体例として、
図3および
図4を参照すれば、バスバーフレーム300の一面は、電池セル積層体120の前面または後面と連結され、バスバーフレーム300の他面は、バスバー510、520および/またはモジュールコネクタ610と連結される。また、バスバーフレーム300には、
図6に示されたように、モジュールコネクタ610との連結のための据置部302および支持台304が形成される。
【0053】
バスバーフレーム300は、電気的に絶縁である素材を含むことができる。バスバーフレーム300は、バスバー510、520が電極リード111、112と接合された部分以外に電池セル110の他の部分と接触することを制限することができ、電気的短絡が発生するのを防止することができる。
【0054】
バスバーフレーム300は、2つであってもよいし、電池セル積層体120の前面上に位置する第1バスバーフレーム(図面番号300と称されることがある)と、電池セル積層体120の後面上に位置する第2バスバーフレーム(図示せず)とを含むことができる。
【0055】
バスバーフレーム300は、上部カバー330と結合されることによってバスバーアセンブリを形成することができる。上部カバー330は、電池セル積層体120の上面に対応する大きさに当該部位をカバーすることができる。電池セル積層体120をモジュールフレーム200の内部に収納する過程で、上部カバー330はセンシングユニット700などを保護することができる。
【0056】
上部カバー330の長手方向上の両端は、バスバーフレーム300と結合可能である。バスバーフレーム300の上部にはスリット306が形成され、上部カバー330の長手方向上の両端には係止部(
図21参照、336)が形成される。係止部336は、一端が挿入されることによって、係止部336とスリット306とは締結可能である。係止部336は、U字またはV字形状を有することができ、U字状屈曲の内部にはバスバーフレーム300の上部末端が位置することができる。係止部336のU字状の両末端には、互いに向かって突出した係止段が形成されており、係止段は、係止部336がスリット306と締結された後、スリット306から解体されるのを防止することができる。一方、上述したスリット306と係止部336との結合は、流動式結合であってもよいし、スリット306と係止部336を介してバスバーフレーム300は上部カバー330に対して回転可能に結合することができる。
【0057】
エンドプレート400は、モジュールフレーム200の開放された面を密閉することによって、電池セル積層体120およびこれに連結された電装品を外部の物理的衝撃から保護するためのものである。このために、エンドプレート400は、所定の強度を有する物質で製造できる。例えば、エンドプレート400は、アルミニウムのような金属を含むことができる。
【0058】
エンドプレート400は、電池セル積層体120の一面上に位置するバスバーフレーム300またはバスバー510、520を覆いながらモジュールフレーム200と結合(接合、密封または密閉)される。エンドプレート400の各角は、モジュールフレーム200の対応する角と溶接などの方法で結合可能である。
【0059】
エンドプレート400とバスバーフレーム300との間には、電気的絶縁のための絶縁カバー800が位置することができる。絶縁カバー800は、エンドプレート400の内部面に位置することができ、エンドプレート400の内部面に付着できるが、必ずしもその限りではない。
【0060】
エンドプレート400は、2つであってもよいし、電池セル積層体120の前面上に位置する第1エンドプレートと、電池セル積層体120の後面上に位置する第2エンドプレートとを含むことができる。
【0061】
第1エンドプレートは、電池セル積層体120の前面上で第1バスバーフレームを覆いながらモジュールフレーム200と結合され、第2エンドプレートは、第2バスバーフレームを覆いながらモジュールフレーム200と結合される。
【0062】
バスバー510、520は、バスバーフレーム300の一面上に装着され、電池セル積層体120または電池セル110と外部機器回路とを電気的に連結するためのものである。バスバー510、520は、電池セル積層体120またはバスバーフレーム300とエンドプレート400との間に位置することによって外部の衝撃などから保護され、外部の水分などによる耐久性の低下が最小化できる。
【0063】
バスバー510、520は、電池セル110の電極リード111、112を介して電池セル積層体120と電気的に連結される。具体的には、電池セル110の電極リード111、112は、バスバーフレーム300に形成されたスリットを通過した後、曲がってバスバー510、520と連結(接合または結合)される。電極リード111、112がバスバー510、520に接合される方式に特別な制限はないが、一例として、溶接接合が適用可能である。バスバー510、520によって電池セル積層体120を構成する電池セル110は、直列または並列に連結される。
【0064】
バスバー510、520は、1つの電池モジュール100と他の電池モジュール100とを電気的に連結するためのターミナルバスバー520を含むことができる。外部の他の電池モジュール100と連結されるために、ターミナルバスバー520の少なくとも一部は、エンドプレート400の外部に露出し、エンドプレート400には、そのためのターミナルバスバー開口部400Hが備えられる。また、エンドプレート400に結合された絶縁カバー800にも、これに対応する第2ターミナルバスバー開口部800Hが備えられる。
【0065】
ターミナルバスバー520は、他のバスバー510とは異なり、電池モジュール100の外部方向に向かって突出した突出部をさらに含むことができ、突出部は、ターミナルバスバー開口部400Hを介して電池モジュール100の外部に露出できる。ターミナルバスバー520は、ターミナルバスバー開口部400Hを介して露出した突出部を介して他の電池モジュール100やBDU(Battery Disconnect Unit)と連結され、これらとHV(High voltage)連結を形成することができる。ここで、HV連結は、電力を供給するための電源の役割の連結であって、電池セル110間の連結や電池モジュール100間の連結を意味する。
【0066】
モジュールコネクタ610およびセンシングユニット700は、電池セル110の過電圧、過電流、過発熱などの現象を検出し、これを制御するものであってもよい。モジュールコネクタ610およびセンシングユニット700は、LV(Low voltage)連結のためのものであって、ここで、LV連結は、電池セルの電圧などを検知し制御するためのセンシング連結を意味することができる。モジュールコネクタ610およびセンシングユニット700を介して電池セル110の電圧情報および温度情報が外部BMS(Battery Management System)に伝達される。
【0067】
モジュールコネクタ610は、収集されたデータを外部の制御装置に伝達し、外部の制御装置から信号を受信することができる。モジュールコネクタ610は、温度センサ730および/またはセンシング端子720から取得されたデータをBMS(Battery Management System)に伝送することができ、BMSは、収集された電圧データに基づいて電池セル110の充電と放電を制御することができる。
【0068】
モジュールコネクタ610は、上述したバスバーフレーム300に装着される。モジュールコネクタ610は、バスバーフレーム300の据置部302と連結される。モジュールコネクタ610の少なくとも一部は、エンドプレート400の外部に露出し、エンドプレート400には、そのためのモジュールコネクタ開口部400Lが備えられる。エンドプレート400に結合された絶縁カバー800にも、これに対応する第2モジュールコネクタ開口部800Lが備えられる。
【0069】
センシングユニット700は、バスバー510、520の電圧値をセンシングするセンシング端子720と、電池モジュール100内部の温度を検知する温度センサ730と、これらを連結する連結部材710とを含むことができる。
【0070】
ここで、連結部材710は、電池セル積層体120の上面で長手方向に沿って延びる形態で配置される。連結部材は、軟性印刷回路基板(FPCB:Flexible Printed Circuit Boardd)または軟性平板ケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)であってもよい。
【0071】
一方、上述のように、電池セル110が高い密度で積層された電池モジュール100の内部では発火現象が現れることがある。1つの電池モジュール100で発火現象が発生すると、エンドプレートに具備された開口部400H、400Lを通してガスなどが排出されることによって、ターミナルバスバー520などが損傷したり、電池モジュール100の熱、ガスまたは火炎などがそれと隣接した電池モジュール100に伝達されることによって、連続的な発火現象が発生しうる。
【0072】
図7~
図9は、本発明の一実施例による電池モジュールに含まれているガスケットの一例を説明するための図である。
【0073】
ターミナルバスバー開口部400Hの寸法は、主にターミナルバスバー520の周りによって決定されるが、組立の容易性のために、または製造工程上の理由によって、ターミナルバスバー開口部400Hの大きさは、ターミナルバスバー520の断面の大きさよりも大きく、このようなギャップを通してガス、スパーク、火炎などが外部に放出されうる。また、電池モジュール100の外部に突出するターミナルバスバー520周辺のバスバーフレーム300とエンドプレート400とが完全に密着しなければ、電池モジュール100の内部発火時、このようなギャップ空間にガスなどが集中することによって、ターミナルバスバー開口部400Hを通したガス排出が促進される問題がある。しかし、本実施例のガスケット900は、ターミナルバスバー520の周辺にシール(Seal)を形成することができ、これによってターミナルバスバー開口部400Hを通したガス排出が最小化できる。ここで、「ギャップ空間」と「ギャップ」は、互いに区分されるものとして理解されてもよいが、広い範疇で「ギャップ」という一般的な単語で総称されてもよい。
【0074】
一方、本明細書において、エンドプレート400と他の部材との間の関係を説明するにあたり、エンドプレート400は、絶縁カバー800またはエンドプレート400の内部面に付着/結合されるその他の部材を含むものと解釈される。例えば、ターミナルバスバー開口部400Hとターミナルバスバー520との間のギャップは、第2ターミナルバスバー開口部800Hとターミナルバスバー520との間のギャップとして解釈される。他の例として、ターミナルバスバー520周辺のバスバーフレーム300とエンドプレート400との間のギャップ空間は、バスバーフレーム300と絶縁カバー800との間のギャップ空間として解釈される。
【0075】
図7~
図9を参照すれば、本実施例のガスケット900は、ターミナルバスバー520とターミナルバスバー開口部400Hとの間にシールを形成することができる。ガスケット900は、ターミナルバスバー520の突出部とターミナルバスバー開口部400Hとの間のギャップを密閉することができる。ガスケット900は、ターミナルバスバー開口部400Hの周辺で、バスバーフレーム300とエンドプレート400との間にシールを形成することができる。ガスケット900は、ターミナルバスバー520周辺のギャップ空間を密閉することができる。
【0076】
ガスケット900は、エンドプレート400の組立前に、ターミナルバスバー520に嵌合される。ターミナルバスバー520の一端部は、ガスケット900のガスケットホール910を通過して突出できる。
【0077】
ガスケット900は、ターミナルバスバー520が挿入可能なガスケットホール910と、ガスケットホール910の周りに形成されたリップ(lip)部920と、ガスケットホール910から拡張される接触部930とを含むことができる。
【0078】
ガスケット900のリップ部920は、ターミナルバスバー520の突出部に密着できる。リップ部920は、ガスケットホール910の周りからターミナルバスバー520の突出方向(x軸方向)に延びた部分であってもよい。リップ部920は、ガスケット900で段差を有する部分であってもよい。
図9、または後述する
図13および
図14を参照すれば、リップ部920の内部にはターミナルバスバー520が位置し、リップ部920の外部にはターミナルバスバー開口部400H、またはそのホールの内部が位置することができる。リップ部920の内部面は、ターミナルバスバー520の周りと密着し、リップ部920の外部面は、ターミナルバスバー開口部400H、またはその開口の内部と密着できる。これによって、ターミナルバスバー520とターミナルバスバー開口部400Hとの間の隙間はガスケット900によって埋められる。ガスケット900は、ターミナルバスバー開口部400Hを通してガスが排出されるのを防止することができる。ターミナルバスバー520の突出部とターミナルバスバー開口部400Hの相対的な動きはガスケット900によって防止され、両部分は外力によって互いに衝突しない。
【0079】
ガスケット900の接触部930は、ガスケットホール910の周りから放射状に拡張または延長される部分であってもよい。接触部930は、ターミナルバスバー520の周辺でバスバーフレーム300の外部面と接触する第1接触面932と、エンドプレート400の内部面と接触する第2接触面934とを含むことができる。ここで、内部面または外部面は、各部材において電池モジュール100の内部に向かう面または外部に向かう面として説明される。また、ここで、上述のように、エンドプレート400との接触とは、エンドプレート400に付着した部材(例えば、絶縁カバー800)との接触を意味するものであってもよい。
【0080】
図9、または後述する
図13および
図14に示されたように、接触部930は、バスバーフレーム300とエンドプレート400との間に位置することができ、2つの部材の間の隙間を埋めることができる。ガスケット900は、前記ギャップ空間に沿ってガスなどが移動することによって、ターミナルバスバー開口部400Hを通してガスが排出されるのを防止することができる。ガスケット900によってバスバーフレーム300およびエンドプレート400が互いに対して固定され、互いによって支持される。また、接触部930は、リップ部920の厚さに応じてリップ部920とターミナルバスバー開口部400Hとの間がやや離隔する場合にも、その離隔空間を埋めることができる。したがって、接触部930によってターミナルバスバー520とターミナルバスバー開口部400Hとの間にシールがさらに完全に形成される。
【0081】
ガスケット900は、弾性体であってもよい。ガスケット900は、外力によって一部圧縮されることによってやや可変的な前記ギャップまたは前記ギャップ空間をカバーすることができる。また、弾性体であるガスケット900は、ガスケット900がカバーすべき通常の大きさよりやや大きく設計されても、圧縮が可能なため、その大きさが調節可能である。ガスケット900は、耐熱性または難燃性物質として提供可能であり、これは電池セル110の充放電または熱暴走現象によって損傷しないためである。具体的には、ガスケット900は、難燃フォーム、レジン、シリコーン、ゴムまたはこれと類似の他の物質として提供可能である。
【0082】
一方、電池セル110のサイズにより、または電池モジュール100の内部発火による内部圧力の増加により、ガスケット900には電池セル積層体120の長手方向(x軸)上圧縮力が作用しうる。したがって、本実施例のガスケットには、このような圧縮力に効果的に対応できる「突起部」が形成される。ここで、突起部は、エンボシング、上昇部、突出部などと称される。
【0083】
図10は、本発明の一実施例による電池モジュールに含まれているガスケットの他の例の図であり、
図11および
図12は、
図10のガスケットとバスバーとの結合を説明するための図であり、
図13および
図14は、
図10のガスケットとエンドプレートとの結合を説明するための図である。
【0084】
一方、以下に説明されるガスケット900は、突起部940を含むこと以外は、上述した
図7~
図9の内容を全て含むものとして説明される。したがって、上述したものと重複する内容については詳しい説明を省略する。
【0085】
突起部940は、電池セル積層体120の長手方向(x軸)上作用する圧縮力に効果的に対応できる。上述のように、ガスケット900は、弾性体として提供可能なため、前記圧縮力に多少対応できる。しかし、電池セル110の充放電または熱暴走時のように大きな内部圧力が発生する場合には、物理的、化学的変形などによってターミナルバスバー520の突出部の周辺を効果的に密閉できないことがある。したがって、ガスケット900には突起部940が提供されることが好ましい。ガスケット900は突起部940を含むことによって、圧縮性が向上でき、内部発火時にもターミナルバスバー520の突出部の周辺を効果的に密閉することができる。
【0086】
図10~
図12を参照すれば、突起部940は、接触部930の第1接触面932または第2接触面934から突出した部分であってもよい。突起部940は、接触部930から電池モジュール100の内部または外部に向かって突出した部分であってもよい。突起部940は、上述した圧縮力に対応して一部圧縮可能なため、内部圧力の増加によってエンドプレート400に伝達される外力を一部吸収することができる。また、
図13および
図14を参照すれば、バスバーフレーム300とエンドプレート400との間のギャップ空間、つまり、2つの部材の間の離隔距離は、接触部930の厚さより大きいが、突起部940は、接触部930の一面から突出してバスバーフレーム300とエンドプレート400と接触可能なため、このような寸法差を補完することができる。ここで、突起部940は、接触部930の第1接触面932および第2接触面934に全て形成されてもよいが、接触部930の2つの面のうち1つの面にのみ形成されることも可能である。また、接触部930の各面に形成された突起部940の高さは、互いに異なっていてもよい。さらに、ここで、上述のように、エンドプレート400との接触とは、エンドプレート400に付着した部材(例えば、絶縁カバー800)との接触を意味するものであってもよい。
【0087】
突起部940は、ガスケットホール910を中心に放射状に互いに離隔する多数の図形を含む形状で提供される。つまり、突起部940は、同心図形パターンで提供される。突起部940の各突起は一定の間隔をおいて位置することができ、これは接触部930の第1接触面932および第2接触面934を均等にカバーするためである。突起部940の形態が上述した図面によって制限されるわけではないので、突起部940の形態は、図示のものとは異なって形成されてもよい。
【0088】
突起部940が含む突起の高さ(
図10基準でx軸方向)は、一定であってもよく、それぞれ異なっていてもよい。例えば、接触部930の一面に形成された突起の高さは、一定であってもよいし、その値は1mm以内であってもよい。具体的には、ガスケット900とバスバーフレーム300またはエンドプレート400との間の距離を考慮する時、0.1~0.5mm以内であることが好ましい。他の例として、突起の高さは、ガスケットホール910から遠くなるほど次第に高くなるか、低くなってもよい。つまり、突起部940は、その断面が階段形状を有するように提供される。この時、ガスケットホール910を中心にその高さが次第に低くなるように形成される場合、ターミナルバスバー開口部400Hの周辺で発生する寸法差をより効果的に補完することができる。
【0089】
一方、上述した電池モジュール100のエンドプレート400には、ターミナルバスバー開口部400H以外に、モジュールコネクタ開口部400Lも形成される。したがって、ガスケット900によってターミナルバスバー開口部400Hが密閉されても、電池モジュール100の内部発火時、モジュールコネクタ開口部400Lにガス、スパーク、火炎などが放出されて、連続的な熱暴走現象が発生する恐れがある。
【0090】
図15は、従来の電池モジュールに含まれているモジュールコネクタの結合構造を説明するための図である。
【0091】
図15を参照すれば、従来の電池モジュール10には、センシングユニット70と連結されたモジュールコネクタ60が提供される。モジュールコネクタ60は、完成した電池モジュール10においてバスバーフレーム30とエンドプレート40との間に配置される。ここで、モジュールコネクタ60の周りには、エンドプレート40に形成された開口部とモジュールコネクタ60との間のギャップを密閉するためのコネクタガスケット(62、connector gasket)が提供される。
【0092】
しかし、従来の電池モジュール10に提供されたコネクタガスケット62は、狭い幅を有するので、エンドプレート40とモジュールコネクタ60との間で広い気密面B1を確保しにくい問題があった。また、電池セル11の寸法差B2により、コネクタガスケット62は、組立過程で電池セル11の長手方向上圧縮できるが、コネクタガスケット62によって許容される範囲が狭い問題があった。
【0093】
したがって、以下、モジュールコネクタをより安定的に電池モジュールの内部に装着し、エンドプレートとの気密面を広く形成し、電池セルなどの寸法差に柔軟に対応できるコネクタアセンブリ600に関して説明する。
【0094】
以下、本発明の他の実施例による電池モジュールについて説明する。
【0095】
図16は、本発明の他の実施例による電池モジュールを示す斜視図であり、
図17は、本発明の他の実施例による電池モジュールに含まれているコネクタアセンブリに関する斜視図であり、
図18は、
図17のコネクタアセンブリに含まれるシーリング部材の図であり、
図19は、本発明の他の実施例による電池モジュールに含まれているコネクタアセンブリとセンシングユニットとの結合を説明するための図であり、
図20は、
図19のG-Gに沿った断面図である。ここで、
図16は、エンドプレートが省略された電池モジュールを示したものである。
【0096】
一方、
図16による電池モジュール100は、コネクタアセンブリ600を含むこと以外は、上述した
図3~
図14の内容を全て含むものとして説明される。したがって、上述したものと重複する内容については詳しい説明を省略する。
【0097】
図16~
図20を参照すれば、本実施例によるコネクタアセンブリ600は、モジュールコネクタ610と、ハウジング620とを含むことができる。モジュールコネクタ610の役割および機能に関しては上述した説明を参照し、以下、ハウジング620を中心に説明する。
【0098】
ハウジング620は、モジュールコネクタ610を外部の影響から保護するものであってもよい。ハウジング620によってモジュールコネクタ610の外部面は外部の水分または外部の空気から遮断できる。ハウジング620は、モジュールコネクタ610の周りを囲むことができる。ハウジング620は、モジュールコネクタ610上にオーバーモールディング工程を適用して製造された射出物であってもよい。ハウジング620は、モジュールコネクタ610と一体化される。ハウジング620は、モジュールコネクタ610と一体化されてコネクタアセンブリ600を形成することができる。
【0099】
ハウジング620は、モジュールコネクタ610とエンドプレート400のモジュールコネクタ開口部400Lとの間のギャップを密閉するためのものである。組立の容易性のために、または製造工程上の理由によって、モジュールコネクタ610の露出部分の大きさより、モジュールコネクタ開口部400Lの大きさはより大きく、電池モジュール100の内部発火時、このようなギャップを通してガス、スパーク、火炎などが外部に放出される。ハウジング620は、モジュールコネクタ610の周りを囲み、モジュールコネクタ610の露出部分の周りから拡張される上面を有することができる。ハウジング620の上面は、エンドプレート400の内部面に対応するように形成されるので、モジュールコネクタ開口部400Lとモジュールコネクタ610との間のギャップは、ハウジング620に満たされるか、埋められるか、遮られる。この時、コネクタアセンブリ600の上面の面積は、モジュールコネクタ開口部400Lの面積より大きい。
【0100】
ハウジング620は、モジュールコネクタ610とエンドプレート400との間の気密面を広く形成するためのものである。ハウジング620は、エンドプレート400の内部面に対応するように形成されるので、モジュールコネクタ610は、ハウジング620を介してエンドプレート400などと広い面で接触するか、近く位置することができる。したがって、本実施例のハウジング620は、狭い幅を有する従来のコネクタガスケット62を用いる場合より、モジュールコネクタ610とエンドプレート400との間の気密面をより広く形成することができ、ハウジング620を介してコネクタアセンブリ600はエンドプレート400と安定的に結合、固定、支持される。
【0101】
この時、ハウジング620においてエンドプレート400と接触するか、近く位置する面は、対応面と称される。具体的には、
図20に示されたように、コネクタアセンブリ600は、その断面が階段型であってもよいし、階段型をなすハウジング620の一面、例えば、ハウジング620を上から(z軸上)見る時に確認される上面、またはハウジング620を前から(x軸上)見る時に確認される前面は、電池モジュール100の完成体でエンドプレート400と接触するか、近く位置することができる。このようにハウジング620の対応面は、階段型をなすハウジング620の一面のうち少なくとも一部を含むものと解釈される。また、このような対応面は、後述する
図25を通じてより具体的に確認できる。
【0102】
ハウジング620は、モジュールコネクタ610を電池モジュール100の内部に結合(または装着)するためのものである。ハウジング620は、モジュールコネクタ610をバスバーフレーム300およびエンドプレート400と連結するためのものである。ハウジング620は、モジュールコネクタ610をバスバーフレーム300およびエンドプレート400の間に位置させるためのものである。ハウジング620は、スロット622を介してバスバーフレーム300に装着され、結合ホール624を介してエンドプレート400と結合される。スロット622および結合ホール624に関する詳しい説明は、
図21~
図25を通じて後述する。
【0103】
一方、ハウジング620は、エンドプレート400のモジュールコネクタ開口部400Lの少なくとも一部を遮るように形成され、エンドプレート400の内部面に対応する形状で提供される。しかし、製造工程上の様々な理由から、最終製品に現れる細部的な寸法は、設計したものと一部異なっていてもよく、これによって、組立後のハウジング620とエンドプレート400との間はギャップ空間が形成される。このようなギャップ空間は、ハウジング620とエンドプレート400との間の流動を発生させることがあり、ハウジング620とエンドプレート400との密閉性を低下する恐れがある。したがって、本実施例のコネクタアセンブリ600には、ハウジング620とエンドプレート400との間の密閉性を向上させるためのシーリング部材630が提供される。ここで、コネクタアセンブリ600は、シーリング部材630を含むものとして説明されてもよい。
【0104】
シーリング部材630は、ハウジング620とエンドプレート400との間にシール(Seal)を形成することができる。シーリング部材630は、ハウジング620およびエンドプレート400と接触することによって、ハウジング620とエンドプレート400との間の隙間を埋めることができる。シーリング部材630は、電池モジュール100の完成体においてハウジング620とエンドプレート400との間にギャップ空間が発生することによって2つの部材が互いに対して動くのを防止することができる。シーリング部材630によってハウジング620およびエンドプレート400が互いに対して固定され、互いによって支持される。また、シーリング部材630は、ギャップ空間に沿ってガスなどが移動することによって、エンドプレート400に形成された開口部400L、400Hを通してガスが排出されるのを防止することができる。
【0105】
シーリング部材630は、ハウジング620の対応面上に配置される。シーリング部材630の少なくとも一部分は、ハウジング620の対応面上で突出できる。これはハウジング620の一面に位置したシーリング部材630がエンドプレート400と接触するためのものである。これはハウジング620の一面に位置したシーリング部材630がエンドプレート400によって加圧されることによって、ハウジング620とエンドプレート400とが互いに対して固定されるためのものである。シーリング部材630は、モジュールコネクタ610の端子とやや距離をおいて配置される。これは、モジュールコネクタ610の端子の周りに広く拡張されるハウジング620の対応面を考慮したものであってもよい。また、ハウジング620には、シーリング部材630を固定位置に配置するための溝が備えられ、シーリング部材630の位置は、ハウジング620に形成された溝によって固定される。
【0106】
図18を参照すれば、シーリング部材630は、線形状または帯形状であってもよい。具体的には、シーリング部材630は、両末端が連結された閉曲線の形状であってもよい。シーリング部材630が閉曲線の形状を有すると、シーリング部材630の全体的な形状が変形しないので、組立または設計が容易であり得る。ただし、シーリング部材630の形状が上述した図面によって制限されるわけではないので、シーリング部材630が面形状など多様な形状で提供されてもよいことは自明である。
【0107】
シーリング部材630は、x軸上遠近無視された
図18(c)の正面図ではやや四角形状であると示されたが、
図18(b)の側面図に示されたように、x軸上所定の区間を横断することによって階段型形状を有することができる。これは上述したハウジング620の対応面の断面形状に対応できる。
【0108】
シーリング部材630は、弾性体であってもよい。シーリング部材630は、外力によって一部圧縮されることによって、やや可変的なハウジング620とエンドプレート400との間のギャップ空間をカバーすることができる。また、シーリング部材630が通常のギャップ空間の大きさよりやや大きく設計されても、圧縮によりその大きさが調節可能である。ここで、大きさは、厚さまたは高さ(
図18基準でx軸方向)を意味するものであってもよい。シーリング部材630は、耐熱性または難燃性物質として提供され、これは電池セル110の充放電または熱暴走現象によって損傷しないためである。具体的には、シーリング部材630は、難燃フォーム、レジン、シリコーン、ゴムまたはこれと類似の他の物質として提供される。
【0109】
一方、
図19および
図20を参照すれば、上述したコネクタアセンブリ600は、センシングユニット700と結合される。コネクタアセンブリ600とセンシングユニット700とが結合される方式に特別な制限はないが、一例として、ソルダリング(soldering)のような溶接接合が適用可能である。
【0110】
以下、コネクタアセンブリ600とバスバーフレーム300との間の結合に関して説明する。
【0111】
図21~
図23は、本発明の他の実施例による電池モジュールに含まれているコネクタアセンブリとバスバーフレームとの結合を説明するための図である。
【0112】
図21~
図23を参照すれば、ハウジング620は、モジュールコネクタ610とバスバーフレーム300との間の結合を形成するスロット622を含むことができる。通常、モジュールコネクタ610には環状の据置ホール612が形成され、据置ホール612にバスバーフレーム300の据置部302が挿入されることによって、モジュールコネクタ610とバスバーフレーム300とが結合される。据置部302は、バスバーフレーム300の一面から突出したロッド形状であってもよい。
【0113】
スロット622は、ハウジング620を貫通するホールの形状であってもよいし、スロット622の開口は、据置ホール612の開口に対応できる。据置部302は、据置ホール612に対応するスロット622の内部に挿入され、これによってハウジング620とバスバーフレーム300とが結合される。ここで、据置部302は、ハウジング620のスロット内部のホールに沿って移動可能なため、コネクタアセンブリ600は、バスバーフレーム300にスライディング可能に結合される。
【0114】
スロット622によってコネクタアセンブリ600とバスバーフレーム300とがスライディング可能に結合されることによって、コネクタアセンブリ600とバスバーフレーム300との間の相対的な距離は調節可能である。具体的には、電池セル110の大きさの差などによって電池セル110から長手方向(x軸方向)に圧縮力が加えられる場合、コネクタアセンブリ600は、バスバーフレーム300からその圧縮力に合わせて適切に移動できる。
【0115】
スロット622によって、コネクタアセンブリ600は、バスバーフレーム300に対して一方向に移動可能である。具体的には、据置部302がスロット622の内部に位置し、コネクタアセンブリ600が据置部302の長さに沿って電池セル積層体120の長手方向(x軸方向)に移動することによって、スロット622によって、バスバーフレーム300に対するコネクタアセンブリ600の上下(z軸)または左右(y軸)方向への流動が防止できる。
【0116】
一方、
図6に示されたのとは異なり、本実施例のバスバーフレーム300は、支持台304を含まない。
【0117】
また、
図6に示されたのとは異なり、据置部302の末端は、他の部分より直径が大きいように設計され、これによって据置ホール612が据置部302から離脱することが防止できる。ここで、据置部302の軸上断面を基準として、据置部302の末端は、凸形状またはドーム形状を有することができる。さらに、ここで、据置部302の末端は、その末端に近いほど狭くなるテーパリング(tapering)形状を有することができる。
【0118】
据置部302の末端の少なくとも一部は分離可能である。据置部302の末端は、軸上切断された2つの部分を含むことができ、2つの部分は軸上断面が互いに対向する形態で位置することができる。これは、分離された2つの部分の間が離隔または当接することによって、据置部302の末端の直径が調節されるようにするためである。据置部302の末端の直径が調節されると、相対的にその直径が大きい据置部302の末端によって据置部302が据置ホール612に挿入されることが妨げられない。また、据置部302が据置ホール612に挿入された後に、2つの部分の間が広がると、据置部302の末端の直径が増加するので、据置ホール612と据置部302の末端が当接し(abuting)やすく、これによって2つの部材の間の離脱が防止できる。ここで、据置部302の末端は、「末端部」と称されてもよいし、軸上切断された2つの部分は、第1末端部および第2末端部と称される。
【0119】
図23を参照すれば、据置部302の末端が分離された2つの部分を有する場合、スロット622の内部直径の大きさにより据置部302の末端は調節可能である。スロット622のうち少なくとも一部区間の直径は、据置ホール612の開口直径より大きい。スロット622のうち少なくとも一部区間の直径は、据置ホール612の内周面の直径より大きい。スロット622のうち少なくとも一部区間の直径は、据置ホール612の外周面の直径より大きい。例えば、スロット622の第1区間の直径が据置ホール612の開口直径より大きければ、第1区間で軸上切断された据置部302の末端の2つの部分が広がり、これによって据置部302の末端の後面が据置ホール612と当接し(abuting)やすい。ここで、第1区間は、スロット622で据置ホール612と近い区間であってもよい。また、ここで、据置部302の末端は、その末端に近いほど狭くなるテーパリング(tapering)形状を有するので、スロット622の内部で第1区間を外れて直径が相対的に狭い第2区間に進入することが難しくない。この時、第2区間は、第1区間より外側、つまり、電池モジュール100の外部に向かう方向またはエンドプレート400が位置した方向に位置することが好ましい。
【0120】
以下、コネクタアセンブリ600とエンドプレート400との間の結合に関して説明する。
【0121】
図24および
図25は、本発明の一実施例による電池モジュールに含まれているコネクタアセンブリとエンドプレートとの結合を説明するための図である。
【0122】
図24および
図25を参照すれば、ハウジング620は、モジュールコネクタ610とエンドプレート400との間の結合のための結合ホール624を含むことができる。
【0123】
結合ホール624は、ハウジング620の結合面に形成される。ここで、結合面とは、ハウジング620でモジュールコネクタ610を収容する本体部から上下(z軸)方向に延びた面を称するものである。結合面は、電池セル積層体120の長手方向(x軸)と垂直な面であってもよい。結合面は、エンドプレート400に対応する面であってもよい。結合面は、エンドプレート400と接触する面であってもよい。ここで、上述のように、エンドプレート400との接触とは、エンドプレート400に付着した部材(例えば、絶縁カバー800)との接触を意味するものであってもよい。
【0124】
結合ホール624は、1つ以上であってもよいし、好ましくは、2つ以上または4つ以上であってもよい。
図17に示されたように、結合ホール624は、ハウジング620の前面上で各頂点に近く位置することができる。結合ホール624がハウジング620の四方に形成されることによって、ハウジング620がより安定的に固定できる。
【0125】
エンドプレート400にはエンドプレート結合ホール404が形成される。完成した電池モジュール100を基準として、エンドプレート400におけるエンドプレート結合ホール404の位置は、ハウジング620の結合ホール624の位置に対応できる。締結部材440は、エンドプレート400の外部面からエンドプレート結合ホール404に挿入され、締結部材440が結合ホール624に挿入されると、エンドプレート400とハウジング620とが固定できる。ここで、エンドプレート400の外部面は、エンドプレート400で電池モジュール100の外部に向かう面であってもよい。また、ここで、締結部材440は、ボルト、スクリューまたはその他の部材であってもよい。
【0126】
締結部材440が挿入される順序により、エンドプレート結合ホール404は第1締結ホール、結合ホール624は第2締結ホールと称されてもよい。また、上述したエンドプレート結合ホール404および/または結合ホール624は、電池モジュール100の組立前に予め形成されたものであってもよいが、組立過程中に締結部材440の挿入によって形成されたものであってもよい。なお、上述したエンドプレート結合ホール404および/または結合ホール624には、締結部材440の雄ねじ山に対応する雌ねじ山または溝が備えられてもよいが、必ずしもその限りではない。
【0127】
一方、上述した電池モジュール100は、電池パックに含まれる。電池パックは、本実施例による電池モジュールを1つ以上含み、電池の温度や電圧などを管理する電池管理システム(Battery Management System;BMS)および冷却装置などを追加してパッキングした構造であってもよい。
【0128】
電池モジュールおよびこれを含む電池パックは、多様なデバイスに適用可能である。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用できるが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびこれを含む電池パックを使用できる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0129】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0130】
100:電池モジュール
110:電池セル
111、112:電極リード
120:電池セル積層体
200:モジュールフレーム
300:バスバーフレーム
302:据置部
306:スリット
330:上部カバー
336:係止部
400:エンドプレート
400H:ターミナルバスバー開口部
400L:モジュールコネクタ開口部
404:エンドプレート結合ホール
440:締結部材
510:バスバー
520:ターミナルバスバー
600:コネクタアセンブリ
610:モジュールコネクタ
612:据置ホール
620:ハウジング
622:スロット
624:締結ホール
630:シーリング部材
700:センシングユニット
710:連結部材
720:センシング端子
730:温度センサ
800:絶縁カバー
900:ガスケット
910:ガスケットホール
920:リップ部
930:接触部
940:突起部