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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】電池パックおよびそれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/367 20210101AFI20241105BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20241105BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20241105BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20241105BHJP
   H01M 50/514 20210101ALI20241105BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20241105BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20241105BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20241105BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20241105BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20241105BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALN20241105BHJP
   H01M 10/6567 20140101ALN20241105BHJP
【FI】
H01M50/367
H01M50/35 201
H01M50/342 201
H01M50/204 101
H01M50/514
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/6556
H01M10/625
H01M50/211
H01M10/6554
H01M10/6567
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023514136
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 KR2022007403
(87)【国際公開番号】W WO2022270780
(87)【国際公開日】2022-12-29
【審査請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0080122
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュファン・シン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンスク・イ
(72)【発明者】
【氏名】ドンヒョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ビュン・ド・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ヨンホ・チュン
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/134070(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/039260(WO,A1)
【文献】特開2012-156057(JP,A)
【文献】特開平09-109692(JP,A)
【文献】特開2017-054866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/342 - 367
H01M 50/204
H01M 50/502 - 526
H01M 10/613
H01M 10/647
H01M 10/6556
H01M 10/625
H01M 50/211
H01M 10/6554
H01M 10/6567
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池モジュールが取り付けられている下部パックフレーム、および
前記電池モジュールの上部に位置する上部パックフレームを含み、
前記下部パックフレームは前記電池モジュールの下面と接する底部と前記電池モジュールの少なくとも一側面と接するフレーム部を含み、
前記フレーム部は前記底部の縁から上部に向かって延びた側面フレームと前記側面フレームの内部に位置する内部フレームを含み、
前記内部フレームは前記内部フレームの外面を貫通する少なくとも一つのベントホールを含み、
前記内部フレームは前記電池モジュールで発生したガスが移動する経路になり、
前記内部フレームと前記上部パックフレームの間に位置するガスケット部をさらに含む電池パック。
【請求項2】
前記複数の電池モジュールは前記側面フレームと前記内部フレームによって区切られる、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記内部フレームは前記下部パックフレームの長手方向に沿って延びている水平ビームと前記水平ビームに垂直な方向に延びている少なくとも二つの垂直ビームを含む、請求項1に記載の電池パック。
【請求項4】
前記ベントホールは前記少なくとも二つの垂直ビームのうち互いに隣り合う前記垂直ビームの間に位置する前記水平ビームの外面に形成されており、
前記水平ビームは前記電池モジュールで発生したガスが移動する経路になる、請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記ベントホールは前記水平ビームの外面を貫通する、請求項4に記載の電池パック。
【請求項6】
前記側面フレームのうち前記水平ビームに垂直な方向に延びている一面に少なくとも一つの破裂部が形成されており、
前記破裂部は前記電池パックの内部圧力が一定水準以上に達すると破裂する、請求項3に記載の電池パック。
【請求項7】
前記破裂部が形成された前記側面フレームの一面と隣接して位置する前記垂直ビームは互いに離隔している、請求項6に記載の電池パック。
【請求項8】
前記水平ビームの一端部は前記破裂部が形成された前記側面フレームの一面と隣接して位置する前記垂直ビームまで延びており、
前記水平ビームの一端部は前記側面フレームに向かって開放されている、請求項7に記載の電池パック。
【請求項9】
前記水平ビームの一端部は前記破裂部が形成された前記側面フレームの一面まで延びており、
前記水平ビームの一端部は前記側面フレームの一面と接し、前記側面フレームの一面と前記水平ビームの一端部は互いに連通されている、請求項7に記載の電池パック。
【請求項10】
前記内部フレームは前記下部パックフレームの長手方向に沿って延びている水平ビームと前記水平ビームに垂直な方向に延びている少なくとも二つの垂直ビームを含む、請求項に記載の電池パック。
【請求項11】
前記ガスケット部は第1ガスケット部および第2ガスケット部を含み、
前記第1ガスケット部は前記水平ビーム上に位置して、前記第2ガスケット部は前記少なくとも二つの垂直ビーム上にそれぞれ位置する、請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
前記複数の電池モジュールと電気的に連結されるインターバスバーを含み、
前記インターバスバーは前記第1ガスケット部および前記第2ガスケット部の少なくとも一つに沿って延び、前記第1ガスケット部および前記第2ガスケット部の少なくとも一つに取り付けられる、請求項11に記載の電池パック。
【請求項13】
前記インターバスバーは耐熱性ゴムでシーリングされている、請求項12に記載の電池パック。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項による電池パックを含む、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は2021年6月21日付韓国特許出願第10-2021-0080122号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電池パックおよびそれを含むデバイスに関し、より具体的には一部の電池モジュールでガスおよび火炎が発生するとき、隣接した電池モジュール間の熱伝播現象を防止しながらも発生したガスおよび火炎を電池パックの外部に効果的に排出させる電池パックおよびそれを含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
製品群に応じた適用容易性が高く、高いエネルギ密度などの電気的特性を有する二次電池は携帯用機器だけでなく電気的駆動源によって駆動する電気自動車またはハイブリッド自動車、電力貯蔵装置などに普遍的に応用されている。このような二次電池は化石燃料の使用を画期的に減少させることができるという一次的な長所だけでなくエネルギの使用にともなう副産物が全く発生しない点で環境に優しく、エネルギ効率性向上のための新たなエネルギ源として注目を浴びている。
【0004】
現在、商用化されている二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあるが、この中でリチウム二次電池はニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギ密度が高い長所から脚光を浴びている。
【0005】
一般にリチウム二次電池は外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に内蔵されている円筒型または角型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池に分類することができる。
【0006】
最近、二次電池のエネルギ貯蔵源としての活用をはじめとして大容量二次電池構造に対する必要性が高まるにつれ、多数の二次電池が直列または並列に連結された電池モジュールを集合させた中大型モジュール構造の電池パックに対する需要が増加している。このような電池モジュールは多数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって容量および出力が向上する。また、複数の電池モジュールはBMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に取り付けられて電池パックを形成することができる。
【0007】
特に、電池パックは多数の電池モジュールが組み合わされた構造で形成されており、一部の電池モジュールが過電圧、過電流または過発熱する場合には電池パックの安全性と作動効率が問題になる。とりわけ、走行距離向上のために電池パック容量は次第に増加する傾向であり、それに伴いパック内部エネルギも増加する中、強化する安全性基準を満たして車両および運転者の安全性確保のための構造の設計が必要である。これのために特に電池パック内の熱暴走および電池セル間の熱伝播現象などを未然に防止するために、一部の電池セルで発生したガスおよび火炎を効果的に排出し、その被害を最小化できる構造の必要性が台頭している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、一部の電池モジュールでガスおよび火炎が発生するとき、隣接した電池モジュール間の熱伝播現象を防止しながらも発生したガスおよび火炎を電池パックの外部に効果的に排出させる電池パックおよびそれを含むデバイスを提供することにある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は本明細書および添付する図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態による電池パックは、複数の電池モジュールが取り付けられている下部パックフレーム、および前記電池モジュールの上部に位置する上部パックフレームを含み、前記下部パックフレームは前記電池モジュールの下面と接する底部と前記電池モジュールの少なくとも一側面と接するフレーム部を含み、前記フレーム部は前記底部の縁から上部に向かって延びた側面フレームと前記側面フレームの内部に位置する内部フレームを含み、前記内部フレームは前記内部フレームの外面を貫通する少なくとも一つのベントホールを含み、前記内部フレームは前記電池モジュールで発生したガスが移動する経路となる。
【0011】
前記複数の電池モジュールは前記側面フレームと前記内部フレームによって区切られ得る。
【0012】
前記内部フレームは前記下部パックフレームの長手方向に沿って延びている水平ビームと前記水平ビームに垂直な方向に延びている少なくとも二つの垂直ビームを含み得る。
【0013】
前記ベントホールは前記少なくとも二つの垂直ビームのうち互いに隣り合う前記垂直ビームの間に位置する前記水平ビームの外面に形成されており、前記水平ビームは前記電池モジュールで発生したガスが移動する経路になり得る。
【0014】
前記ベントホールは前記水平ビームの外面を貫通し得る。
【0015】
前記側面フレームのうち前記水平ビームと垂直な方向に延びている一面に少なくとも一つの破裂部が形成されており、前記破裂部は前記電池パックの内部圧力が一定水準以上に達すると破裂し得る。
【0016】
前記破裂部が形成された前記側面フレームの一面と隣接して位置する前記垂直ビームは互いに離隔していてもよい。
【0017】
前記水平ビームの一端部は前記破裂部が形成された前記側面フレームの一面と隣接して位置する前記垂直ビームまで延びており、前記水平ビームの一端部は前記側面フレームに向かって開放されていてもよい。
【0018】
前記水平ビームの一端部は前記破裂部が形成された前記側面フレームの一面まで延びており、前記水平ビームの一端部は前記側面フレームの一面と接し、前記側面フレームの一面と前記水平ビームの一端部は互いに連通されていてもよい。
【0019】
前記内部フレームと前記上部パックフレームの間に位置するガスケット部をさらに含み得る。
【0020】
前記内部フレームは前記下部パックフレームの長手方向に沿って延びている水平ビームと前記水平ビームに垂直な方向に延びている少なくとも二つの垂直ビームを含み得る。
【0021】
前記ガスケット部は第1ガスケット部および第2ガスケット部を含み、前記第1ガスケット部は前記水平ビーム上に位置して、前記第2ガスケット部は前記少なくとも二つの垂直ビーム上にそれぞれ位置し得る。
【0022】
前記複数の電池モジュールと電気的に連結されるインターバスバー(inter busbar)を含み、前記インターバスバーは前記第1ガスケット部および前記第2ガスケット部の少なくとも一つに沿って延び、前記第1ガスケット部および前記第2ガスケット部の少なくとも一つに取り付けられ得る。
【0023】
前記インターバスバーは耐熱性ゴムでシーリングされていてもよい。
【0024】
本発明の他の一実施形態によるデバイスは前記で説明した電池パックを含む。
【発明の効果】
【0025】
実施形態によれば、本発明はガスおよび火炎の排出方向を誘導するフレーム部を含む電池パックおよびそれを含むデバイスに関し、一部の電池モジュールでガスおよび火炎が発生するとき、ガスおよび火炎を一定の方向に誘導して排出することができ、隣接した電池モジュール間の熱伝播現象を防止しながらも発生したガスおよび火炎を電池パックの外部に効果的に排出させることができる。
【0026】
本発明の効果は上述した効果に制限されるのではなくて、言及されていない効果は本明細書および添付する図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態による電池パックを示す斜視図である。
図2図1の電池パックの構成要素を示す分解斜視図である。
図3図1の電池パックの上部パックフレームを除去した状態での上面を示す図である。
図4図3の点線領域を拡大した図である。
図5】本発明の他の一実施形態による電池パックの上部パックフレームを除去した状態での上面を示す図である。
図6図5の点線領域を拡大した図である。
図7図1の電池パックに取り付けられる電池モジュールを示す斜視図である。
図8図7の電池モジュールの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付する図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0029】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付ける。
【0030】
また、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上任意に示したので、本発明は必ずしも示されたところに限定されない。図面で複数の層および領域を明確に表現するために厚さを誇張して示した。そして、図面では説明の便宜上一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0031】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0032】
また、明細書全体で、「平面上」というとき、これは対象部分を上から見たときを意味し、「断面上」というとき、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見たときを意味する。
【0033】
以下では、本発明の実施形態による電池パックについて説明する。ただし、ここでは電池パックの前後面のうち前面を基準として説明するが、必ずしもこれに限定されるものではなく、後面である場合の説明にも同一または類似の内容により説明されることができる。
【0034】
図1は本発明の一実施形態による電池パックを示す斜視図である。図2図1の電池パックの構成要素を示す分解斜視図である。
【0035】
図1および図2を参照すると、本発明の一実施形態による電池パック1000は、複数の電池モジュール(100,図7)が取り付けられている下部パックフレーム1100、および電池モジュール(100,図7)の上部に位置する上部パックフレーム1200を含む。ここで、下部パックフレーム1100および上部パックフレーム1200は互いに溶接などの方法で結合されて電池パック1000の内部を密封させることができる。
【0036】
また、電池パック1000は、下部パックフレーム1100と上部パックフレーム1200の間に位置する補強フレーム1300をさらに含むことができる。ここで、補強フレーム1300は複数の電池モジュール(100,図7)と上部パックフレーム1200の間に位置して、電池パック1000の構造的剛性を補強することができる。ただし、必要に応じて、電池パック1000において補強フレーム1300を省略することができる。
【0037】
また、下部パックフレーム1100は電池モジュール(100,図7)の下面と接する底部1110と電池モジュール(100,図7)の少なくとも一側面と接するフレーム部1130,1150,1170を含む。ここで、底部1110とフレーム部1130,1150,1170は互いに一体化しているか、溶接または接着のような別途の締結方式によって固定されていてもよい。
【0038】
ここで、フレーム部1130,1150,1170は断熱部材からなる。一例として、フレーム部1130,1150,1170はアルミニウム押出構造で構成されることができる。他の一例として、フレーム部1130,1150,1170はクラッドメタル(Clad metal)のような異種金属接合素材からなるか、エアロゲル(aerogel)またはEPP(Expanded Polypropylenes)フォーム(foam)などの断熱素材が含まれた構造物であり得る。ただし、これに限定されるものではなく、フレーム部1130,1150,1170は所定の剛性を有する断熱性素材からなるものであれば制限なく使用可能である。
【0039】
また、フレーム部1130,1150,1170は底部1110の縁から上部に向かって延びた側面フレーム1130と側面フレーム1130の内部に位置する内部フレーム1150,1170を含む。
【0040】
ここで、複数の電池モジュール(100,図7)は側面フレーム1130と内部フレーム1150,1170によって区切られる。より具体的には、複数の電池モジュール(100,図7)は側面フレーム1130および内部フレーム1150,1170により互いに離隔して位置し得る。
【0041】
また、内部フレーム1150,1170は下部パックフレーム1100の長手方向(x軸方向)に沿って延びている水平ビーム1150と水平ビーム1150に垂直な方向(y軸方向)に延びている少なくとも二つの垂直ビーム1170を含むことができる。一例として、垂直ビーム1170は水平ビーム1150を間に置いた一対の第1垂直ビームおよび第2垂直ビームを含み、前記第1垂直ビームおよび前記第2垂直ビームがそれぞれ水平ビーム1150に付着していてもよい。ここで、水平ビーム1150と少なくとも二つの垂直ビーム1170は互いに一体化しているか、溶接または接着のような別途の締結方式によって固定されていてもよい。
【0042】
より具体的には、水平ビーム1150と垂直ビーム1170の長さ、および少なくとも二つの垂直ビーム1170のうち互いに隣接した垂直ビーム1170の間の間隔などは電池モジュール(100,図7)の大きさによって調節することができる。
【0043】
以上の構成によって、本実施形態による電池パック1000は、複数の電池モジュール(100,図7)がフレーム部1130,1150,1170によって区切られる領域で離隔して位置し得、一部の電池モジュール(100,図7)で発火現象が発生されても隣接した電池モジュール(100,図7)間の熱伝播現象を効果的に防止することができる。
【0044】
また、本実施形態による電池パック1000は内部フレーム1150,1170と上部パックフレーム1200の間に位置するガスケット部1500をさらに含むことができる。
【0045】
より具体的には、ガスケット部1500は第1ガスケット部1510および第2ガスケット部1550を含む。ここで、第1ガスケット部1510は水平ビーム1150上に位置して、第2ガスケット部1550は少なくとも二つの垂直ビーム1170上にそれぞれ位置し得る。より具体的には、第1ガスケット部1510は水平ビーム1150の長手方向に沿って延びていてもよく、第2ガスケット部1550は垂直ビーム1170の長手方向に沿って延びていてもよい。
【0046】
また、ガスケット部1500は内部フレーム1150,1170の一面と上部パックフレーム1200の一面にそれぞれ取付けて固定されるか、内部フレーム1150,1170の一面と上部パックフレーム1200の一面に形成された別途の取り付け溝に嵌め込まれて固定されることができる。ただし、ガスケット部1500の固定方式はこれに限定されるものではなく、ガスケット部1500が上部パックフレーム1200と内部フレーム1150,1170の間に安定的に固定できる方式であれば本実施形態に含まれ得る。
【0047】
一例として、ガスケット部1500はゴム、エチレンプロピレンゴム(ethylene propylene rubber,EPDM)、およびシリコン(Silicon)素材からなる。他の一例として、ガスケット部1500は薄い金属素材からなる。ただし、ガスケット部1500の材質はこれに限定されるものではなく、上部パックフレーム1200と内部フレーム1150,1170の間が密封されることができる材質ならば本実施形態に含まれ得る。
【0048】
以上の構成によって、本実施形態による電池パック1000は、上部パックフレーム1200と内部フレーム1150,1170の間にガスケット部1500が位置して、上部パックフレーム1200と内部フレーム1150,1170の間を密封させることができる。これと共に、上部パックフレーム1200と内部フレーム1150,1170の間に密封されることにより、一部の電池モジュール(100,図7)の発火現象によって発生したガスおよび/または火炎が隣接した電池モジュール(100,図7)に伝達されることを効果的に防止することができる。
【0049】
また、本実施形態による電池パック1000は下部パックフレーム1100の内部に電装品1800が取り付けられていてもよい。より具体的には、電装品1800はインターバスバー(inter busbar、1810)およびLV(Low voltage)ワイヤ1850を含むことができる。ただし、電装品1800は上述した構成要素に限定されるものではなく、その他の構成要素もまた含み得る。
【0050】
ここで、インターバスバー1810は前記複数の電池モジュールと電気的に連結され得る。インターバスバー1810は水平ビーム1150上に位置し得る。より具体的には、インターバスバー1810は第1ガスケット部1510に沿って延び、第1ガスケット部1510に取り付けられてもよい。また、インターバスバー1810は第2ガスケット部1550に沿って延び、第2ガスケット部1550に取り付けられてもよい。
【0051】
一例として、図2に図示していないが、第1ガスケット部1510および/または第2ガスケット部1550に複数の溝が形成されており、インターバスバー1810が前記複数の溝に沿って第1ガスケット部1510および/または第2ガスケット部1550に取り付けられてもよい。また、LVワイヤ1850は側面フレーム1130と少なくとも二つの垂直ビーム1170のうちの側面フレーム1130と隣接して位置する垂直ビーム1170の間に取り付けられてもよい。
【0052】
ただし、電装品1800の位置は上述した内容に限定されるものではなく、必要に応じて多様な位置に適切に配置されていてもよい。
【0053】
一例として、電装品1800は耐熱性ゴムでシーリングされている。すなわち、インターバスバー1810およびLVワイヤ1850は耐熱性ゴムでシーリングされていてもよい。ただし、電装品1800をシーリングする素材はこれに限定されるものではなく、耐熱性を有する素材であれば本実施形態に含まれ得る。
【0054】
以上の構成によって、本実施形態による電池パック1000は、下部パックフレーム1100の内部に電装品1800が取り付けられているが、電装品1800が耐熱性物質でシーリングされており、一部の電池モジュール(100,図7)の発火現象によって発生したガスおよび/または火炎から電装品1800が損傷することを防止することができる。
【0055】
図3図1の電池パックの上部パックフレームを除去した状態での上面を示す図である。図4図3の点線領域を拡大した図である。
【0056】
図2ないし図4を参照すると、内部フレーム1150,1170は内部フレーム1150,1170の外面を貫通する少なくとも一つのベントホール1155を含み、内部フレーム1150,1170は前記電池モジュールで発生したガスが移動する経路となる。
【0057】
ここで、ベントホール1155は水平ビーム1150に形成されている。より具体的には、ベントホール1155は水平ビーム1150の外面を貫通して形成されることができる。言葉を変えれば、ベントホール1155は水平ビーム1150の外面のうちの一部が除去されて形成されるホールであり得る。ここで、ベントホール1155は前記少なくとも二つの垂直ビーム1170のうち互いに隣り合う垂直ビーム1170の間に位置する水平ビーム1150の外面に形成されていてもよい。より好ましくは、ベントホール1155は前記少なくとも二つの垂直ビーム1170のうち互いに隣り合う垂直ビーム1170の間に位置する水平ビーム1150の外面にそれぞれ形成されていてもよい。
【0058】
また、側面フレーム1130のうち水平ビーム1150と垂直な方向に延びている一面に少なくとも一つの破裂部1700が形成されていてもよい。破裂部1700は電池パック1000の内部圧力が一定水準以上に達すると破裂し得る。より具体的には、破裂部1700はラプチャディスク(Rupture Disc)のように、流入するガスの圧力が一定の圧力以上になる場合は破裂するように構成された破裂面(図示せず)が含まれていてもよい。ただし、破裂部1700の構造はこれに限定されるものではなく、側面フレーム1130と連通して内部ガスを外側に排出可能にする構成であれば本実施形態に含まれ得る。
【0059】
図2ないし図4を参照すると、破裂部1700が形成された側面フレーム1130の一面と隣接して位置する垂直ビーム1170は互いに離隔していてもよい。より具体的には、破裂部1700が形成された側面フレーム1130の一面と隣接して位置する垂直ビーム1170の間の空間は内部フレーム1150,1170から排出されたガスが移動する経路になる。
【0060】
一例として、水平ビーム1150の一端部は破裂部1700が形成された側面フレーム1130の一面と隣接して位置する垂直ビーム1170まで延びており、水平ビーム1150の一端部は側面フレーム1130に向かって開放されていてもよい。すなわち、側面フレーム1130に向かって開放されている水平ビーム1150の一端部を通って、水平ビーム1150の内部に流入したガスおよび/または火炎が圧力差によって側面フレーム1130に向かって排出されることができる。
【0061】
換言すれば、図3および図4を参照すると、下部パックフレーム1100に取り付けられている電池モジュール(100,図7)から発生したガスおよび/または火炎は圧力差によって電池モジュール(100,図7)の一面と対向するベントホール1155に排出されることができる。また、ベントホール1155によって水平ビーム1150に流入したガスおよび/または火炎は水平ビーム1150の長手方向に沿って移動することができる。また、水平ビーム1150に流入したガスおよび/または火炎は側面フレーム1130に向かって開放されている水平ビーム1150の一端部を通って排出されることができる。
【0062】
また、水平ビーム1150の一端部を通って排出されたガスおよび/または火炎は破裂部1700が形成された側面フレーム1130の一面と隣接して位置する垂直ビーム1170の間の空間に流入し得る。また、破裂部1700が形成された側面フレーム1130の一面と隣接して位置する垂直ビーム1170の間の空間内圧力が一定水準以上に達すると、破裂部1700が破裂することにより電池パック1000の内部のガスが電池パック1000の外部に排出されることができる。
【0063】
以下では、本発明の他の一実施形態による電池パックにおいて、下部パックフレーム2100およびガス排出経路を中心に説明する。ただし、本実施形態による電池パックの説明は、上述した電池パック1000の説明とほぼ同様であり、電池パック1000との差異点を中心に説明する。
【0064】
図5は本発明の他の一実施形態による電池パックの上部パックフレームを除去した状態での上面を示す図である。図6図5の点線領域を拡大した図である。
【0065】
図5および図6を参照すると、破裂部2700が形成された側面フレーム2130の一面と隣接して位置する垂直ビーム2170は互いに離隔していてもよい。ただし、これに限定されるものではなく、破裂部2700が形成された側面フレーム2130の一面と隣接して位置する垂直ビーム2170は互いに隣接して位置することもできる。
【0066】
ここで、水平ビーム2150の一端部は破裂部2700が形成された側面フレーム2130の一面まで延びており、水平ビーム2150の一端部は側面フレーム2130の一面と接するが、側面フレーム2130の一面と水平ビーム2150の一端部は互いに連通されていてもよい。すなわち、側面フレーム2130に向かって開放されている水平ビーム2150の一端部を通って、水平ビーム2150の内部に流入したガスおよび/または火炎が圧力差によって側面フレーム2130に向かって排出されることができる。
【0067】
換言すれば、図5および図6を参照すると、下部パックフレーム2100に取り付けられている電池モジュール(100,図7)から発生したガスおよび/または火炎は圧力差によって電池モジュール(100,図7)の一面と対向するベントホール2155に排出されることができる。また、ベントホール2155により水平ビーム2150に流入したガスおよび/または火炎は水平ビーム2150の長手方向に沿って移動することができる。また、水平ビーム2150に流入したガスおよび/または火炎は破裂部2700が形成された側面フレーム2130に向かって排出されることができる。
【0068】
また、破裂部2700が形成された側面フレーム2130に向かって排出されたガスおよび/または火炎は破裂部2700が形成された側面フレーム2130の内部圧力が一定水準以上に達すると、破裂部2700が破裂することにより側面フレーム2130内部のガスが外部に排出されることができる。
【0069】
以上の構成によって、本実施形態による電池パック1000は、下部パックフレーム1100内に形成されたガス排出経路を通して、一部の電池モジュール(100,図7)の発火現象によって発生したガスおよび/または火炎をあらかじめ誘導された方向に排出させることができ、隣接した電池モジュール(100,図7)間の熱伝播現象を防止しながらも電池パック1000の安全性もまた、より向上することができる。
【0070】
図7図1の電池パックに取り付けられる電池モジュールを示す斜視図である。図8図7の電池モジュールの分解斜視図である。
【0071】
図2図7および図8を参照すると、本実施形態による電池パック1000に含まれる複数の電池モジュール100は下部パックフレーム1100に取り付けられる。より具体的には、複数の電池モジュール100は側面フレーム1130と内部フレーム1150,1170により区切られている領域にそれぞれ取り付けられる。ここで、電池モジュール100は電池モジュール100の前面または後面がベントホール1155に対面するように配置されることができ、電池モジュール100の配置方向はこれに制限されず、必要に応じて適切に変更することができる。
【0072】
一例として、電池モジュール100は、図7および図8のように、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体200、および電池セル積層体200を収納するモジュールフレーム300、およびモジュールフレーム300の底部に位置するヒートシンク500を含む。他の一例として、電池モジュール100は上述した構成要素のうちヒートシンク500が省略されている構造を有することができる。
【0073】
電池セル110はパウチ型電池セルであることが好ましい。一例として、電池セル110は電極組立体を樹脂層と金属層を含むラミネートシートのパウチケースに収納した後、前記パウチケースのシーリング部を熱融着して製造することができる。このような電池セル110は長方形のシート状構造で形成されることができる。このような電池セル110は複数構成されることができ、複数の電池セル110は相互電気的に連結されるように積層されて電池セル積層体200を形成する。ここで、電池セル積層体200を構成する電池セル110の個数は場合によって調節することができる。
【0074】
モジュールフレーム300は上部カバー310およびU字型フレーム320を含む。ここで、U字型フレーム320は底部と前記底部の両端部で上向きに延びた2個の側面部を含むことができる。この時、前記底部は電池セル積層体200の下面をカバーすることができ、前記側面部は電池セル積層体200の側面をカバーすることができる。上部カバー310とU字型フレーム320は互いに対応するエッジ部位が接触した状態で溶接などによって結合され、電池セル積層体200の上下左右をカバーする構造を形成することができる。このために上部カバー310とU字型フレーム320は所定の強度を有する金属材質からなる。ただし、モジュールフレーム300はこれに限定されるものではなく、上下面および両側面が一体化した金属板材形態のモノフレームであり得る。
【0075】
エンドプレート600はモジュールフレーム300の開放された第1側(x軸方向)と第2側(x軸逆方向)に位置して、電池セル積層体200の前後面をカバーするように形成されることができる。そのため、エンドプレート600は外部の衝撃から電池セル積層体200およびその他電装品を物理的に保護することができる。
【0076】
一方、具体的に図示していないが、電池セル積層体200とエンドプレート600の間にはバスバーが取り付けられるバスバーフレームおよび電気的絶縁のための絶縁カバーなどが位置し得る。
【0077】
他の一例として、電池モジュール100はモジュールフレーム300、エンドプレート600、バスバーフレーム(図示せず)、絶縁カバー(図示せず)などの構成要素のうち少なくとも一部が省略されている構造を有することができる。言葉を変えれば、電池モジュール100は電池モジュール単位での構成要素が最小化されている構造であり得る。一例として、電池モジュール100はモジュールフレーム300およびエンドプレート600が省略されている構造であり得る。そのため、本実施形態による電池パック1000は、電池モジュール100は電池モジュール単位のうち少なくとも一部が省略され、電池パック1000の重量が減少して、電池容量もまた向上することができる。
【0078】
以下では、電池モジュール100がヒートシンク500を含む構造を中心に説明する。ここで、モジュールフレーム300の底部はヒートシンク500の上部プレートを構成することができ、モジュールフレーム300の底部がヒートシンク500内に供給される冷媒と接触することができる。
【0079】
ヒートシンク500はモジュールフレーム300の下部に位置する。より具体的には、ヒートシンク500とモジュールフレーム300の下部は互いに溶接などの方法で直接結合することができる。ここで、ヒートシンク500は、冷媒が流動する経路である陥没部510を含むことができる。
【0080】
ヒートシンク500の陥没部510は、下部プレート210が下側に陥没形成された部分に該当する。陥没部510は冷媒流路が延びる方向基準として垂直にxz平面で切断した断面がU字型管であり得、前記U字型管の開放された上側にモジュールフレーム300の底部が位置し得る。ヒートシンク500がモジュールフレーム300の底部と接することにより陥没部510とモジュールフレーム300の底部の間の空間が、冷媒が流動する領域、すなわち冷媒の流路となる。そのため、モジュールフレーム300の底部が前記冷媒と直接接触することができる。
【0081】
ヒートシンク500の陥没部510の製造方法に特に制限はないが、板状のヒートシンク500に対して陥没形成された構造を設けることによって、上側が開放されたU字型の陥没部510を形成することができる。
【0082】
また、モジュールフレーム300の底部はヒートシンク500のうち陥没部510が形成されていない部分と溶接により接合されることができる。本実施形態は、モジュールフレーム300の底部とヒートシンク500の冷却一体型構造により、上述した冷却性能向上だけでなくモジュールフレーム300に収容された電池セル積層体200の荷重を支持して電池モジュール100の剛性を補強する効果を有することができる。のみならず、ヒートシンク500とモジュールフレーム300の底部は溶接結合などにより密封されることによって、陥没部510で冷媒が漏洩することなく流動することができる。
【0083】
効果的な冷却のために、図8に示すように、モジュールフレーム300の底部に対応する全領域にわたって陥没部510が形成されることが好ましい。このため、陥没部510は少なくとも一度曲がって一側から他側につながることができる。特に、モジュールフレーム300の底部に対応する全領域にわたって陥没部510が形成されるために陥没部510は数回曲がることが好ましい。モジュールフレーム300の底部に対応する全領域にわたって形成された冷媒流路の開始点から終了点まで冷媒が移動するに伴って、電池セル積層体200の全領域に対する効率的な冷却がなされる。一方、前記冷媒は冷却のための媒介物であって、特に制限はないが、冷却水であり得る。
【0084】
本発明の他の一実施形態によるデバイスは前記で説明した電池パックを含む。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用できるが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびそれを含む電池パックを使用できる多様なデバイスに適用することが可能であり、これもまた本発明の権利範囲に属する。
【0085】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0086】
100 電池モジュール
1000 電池パック
1100 下部パックフレーム
1200 上部パックフレーム
1500 ガスケット部
1700 破裂部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8