IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】安全性が向上されたリチウム二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0567 20100101AFI20241105BHJP
   H01M 10/0568 20100101ALI20241105BHJP
   H01M 10/0569 20100101ALI20241105BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20241105BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20241105BHJP
   H01M 4/38 20060101ALI20241105BHJP
   H01M 4/48 20100101ALI20241105BHJP
   H01M 4/505 20100101ALI20241105BHJP
   H01M 4/525 20100101ALI20241105BHJP
   H01M 4/587 20100101ALI20241105BHJP
【FI】
H01M10/0567
H01M10/0568
H01M10/0569
H01M10/052
H01M4/36 E
H01M4/38 Z
H01M4/48
H01M4/505
H01M4/525
H01M4/587
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023539196
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 KR2022016119
(87)【国際公開番号】W WO2023085638
(87)【国際公開日】2023-05-19
【審査請求日】2023-06-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0155470
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0135402
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・テ・イ
(72)【発明者】
【氏名】キョン・ホ・アン
(72)【発明者】
【氏名】チュル・ヘン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ヒョク・ハン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・シン
(72)【発明者】
【氏名】ス・ヒョン・ジ
(72)【発明者】
【氏名】ユン・ホ・オ
【審査官】福井 晃三
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-084384(JP,A)
【文献】特表2016-503572(JP,A)
【文献】特開2012-119092(JP,A)
【文献】特表2015-525452(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0079986(US,A1)
【文献】国際公開第2021/049872(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0031158(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00- 4/62
H01M 10/05-10/0587
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極、負極、前記正極と前記負極との間に介在される分離膜を含む電極組立体、および
非水系有機溶媒、リチウム塩、下記化学式1で表す化合物、および下記化学式2で表す化合物を含む二次電池用電解液添加剤を含む電解液組成物を含み、
【化1】
前記化学式1において、
はそれぞれ独立的に単結合、炭素数1~10のアルキレン基または
【化2】
であり、
はそれぞれ独立的に水素、アクリレート基またはメタクリレート基であり、
は単結合または炭素数1~4のアルキレン基であり、
aは1~10の整数であり、
【化3】
化学式2において、
は独立的に炭素数1~10のアルキレン基または
【化4】
であり、
は水素または炭素数1~4のアルキル基であり、
は単結合または炭素数1~4のアルキレン基であり、
bは1~10の整数である、リチウム二次電池。
【請求項2】
はそれぞれ独立的に単結合、メチレン基、エチレン基、プロピレン基または
【化5】
であり、
は単結合またはエチレン基であり、
aは1~5の整数である、請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項3】
化学式1で表す化合物は、下記<構造式1>~<構造式8>のうちいずれか1つ以上の化合物である、請求項1に記載のリチウム二次電池。
【化6】
【請求項4】
化学式1で表す化合物は、電解液組成物の全体重量に対して0.01~5重量%で含まれる、請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項5】
化学式2で表す化合物は、下記化学式3で表す化合物を含む、請求項に記載のリチウム二次電池。
【化7】
【請求項6】
化学式2で表す化合物は、電解液組成物の全体重量に対して0.01~3重量%で含まれる、請求項に記載のリチウム二次電池。
【請求項7】
リチウム塩は、LiCl、LiBr、LiI、LiClO、LiBF、LiB10Cl10、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、CHSOLiおよび(CFSONLiからなる群から選択される1種以上を含む、請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項8】
非水系有機溶媒は、N-メチル-2-ピロリジノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロキシフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3-ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ギ酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エーテル、プロピオン酸メチルおよびプロピオン酸エチルを含む、請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項9】
正極は、下記化学式4および化学式5で表すリチウム金属酸化物のうち1種以上の正極活物質を含む、請求項1に記載のリチウム二次電池。
[化学式4]
Li[NiCoMn ]O
[化学式5]
LiM Mn(2-p)
前記化学式4および化学式5において、
は、W、Cu、Fe、V、Cr、Ti、Zr、Zn、Al、In、Ta、Y、La、Sr、Ga、Sc、Gd、Sm、Ca、Ce、Nb、Mg、B、およびMoからなる群から選択される1種以上の元素であり、
x、y、z、wおよびvは、それぞれ1.0≦x≦1.30、0.5≦y<1、0<z≦0.3、0<w≦0.3、0≦v≦0.1であり、y+z+w+v=1であり、
はNi、CoまたはFeであり、
pは0.05≦p≦0.6である。
【請求項10】
正極活物質は、LiNi0.8Co0.1Mn0.1、LiNi0.6Co0.2Mn0.2、LiNi0.9Co0.05Mn0.05、LiNi0.6Co0.2Mn0.1Al0.1、LiNi0.6Co0.2Mn0.15Al0.05、LiNi0.7Co0.1Mn0.1Al0.1、LiNi0.7Mn1.3、LiNi0.5Mn1.5およびLiNi0.3Mn1.7からなる群から選択される1種以上を含む、請求項に記載のリチウム二次電池。
【請求項11】
負極は、炭素物質およびケイ素物質を含む負極活物質で構成され、
前記ケイ素物質は、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)および酸化ケイ素(SiO、ただし、0.8≦q≦2.5)のうち1種以上を含む、請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項12】
ケイ素物質は、負極活物質の全体重量に対して1~20重量%で含まれる、請求項11に記載のリチウム二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全性が向上されたリチウム二次電池に関するものである。
【0002】
本出願は、2021年11月12日付の韓国特許出願第10-2021-0155470号および2022年10月20日付の韓国特許出願第10-2022-0135402号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0003】
近年は、携帯型電子機器のような小型装置のみならず、ハイブリッド自動車や電気自動車のバッテリーパックまたは電力貯蔵装置のような中大型装置にも二次電池が広く適用されている。このような二次電池としては、リチウムイオン電池、リチウム電池、リチウムイオンキャパシタ、ナトリウムイオン電池などの非水系電解液電池などが挙げられる。
【0004】
このような非水系電解液電池のうち、リチウムイオン電池は、リチウムをインターカレーション(intercalation)およびデインターカレーション(deintercalation)し得る正極活物質を含む正極と、リチウムをインターカレーションおよびデインターカレーションし得る負極活物質を含む負極とを含む電池セルに電解液を注入して使用される。特に、電解液はリチウム塩が溶解された有機溶媒を使用しており、リチウム二次電池の安定性および性能を決定する上で重要である。
【0005】
例えば、一般的に電解液のリチウム塩として最も多く使用されているLiPFは、電解液の溶媒と反応して溶媒の枯渇を促進させながらHFを発生させる。このように発生されたHFは高温条件で多量のガスを発生させるのみならず、正極活物質から金属イオンを溶出させ得、溶出された金属イオンが負極の表面で析出された形態で発生する場合には、負極電位の上昇とセルのOCV下落などをもたらすため電池の性能はもちろん、寿命と高温安全性を低下させるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、電極の表面に被膜を形成して電極の表面における金属イオンの析出現象を減少させることにより高温条件でガスが発生することを抑制する一方、電池のOCV下落現象を改善し得る技術の開発を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述された問題を解決するために、本発明は一実施形態において、正極、負極、上記正極と負極との間に介在される分離膜を含む電極組立体、非水系有機溶媒、リチウム塩、および下記化学式1で表す化合物を含む二次電池用電解液添加剤を含む電解液組成物を含むリチウム二次電池を提供する。
【0008】
【化1】
【0009】
上記化学式1において、Rはそれぞれ独立的に単結合、炭素数1~10のアルキレン基または
【0010】
【化2】
であり、Rはそれぞれ独立的に水素、アクリレート基またはメタクリレート基であり、Rは単結合または炭素数1~4のアルキレン基であり、aは1~10の整数である。
【0011】
具体的には、上記Rはそれぞれ独立的に単結合、メチレン基、エチレン基、プロピレン基または
【0012】
【化3】
【0013】
であり、Rは単結合またはエチレン基であり、aは1~5の整数であり得る。
【0014】
より具体的には、上記化学式1で表す化合物は、下記<構造式1>~<構造式8>のうちいずれか1つ以上の化合物であり得る。
【0015】
【化4】
【0016】
また、上記化学式1で表す化合物は、電解液組成物の全体重量に対して0.01~5重量%含まれ得る。
【0017】
また、上記電解液組成物は、下記化学式2で表す化合物をさらに含み得る。
【0018】
【化5】
【0019】
化学式2において、Rは独立的に炭素数1~10のアルキレン基または
【0020】
【化6】
【0021】
であり、Rは水素または炭素数1~4のアルキル基であり、Rは単結合または炭素数1~4のアルキレン基であり、bは1~10の整数である。
【0022】
一例として、化学式2で表す化合物は、下記化学式3で表す化合物を含み得る。
【0023】
【化7】
【0024】
また、上記化学式2で表す化合物は、電解液組成物の全体重量に対して0.01~3重量%で含まれ得る。
【0025】
それと併せて、上記リチウム塩は、LiCl、LiBr、LiI、LiClO、LiBF、LiB10Cl10、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、CHSOLiおよび(CFSONLiからなる群から選択される1種以上を含み得る。
【0026】
また、上記非水系有機溶媒は、N-メチル-2-ピロリジノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロキシフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3-ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ギ酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エーテル、プロピオン酸メチルおよびプロピオン酸エチルを含み得る。
【0027】
また、上記正極は、下記化学式4および化学式5で表すリチウム金属酸化物のうち1種以上の正極活物質を含み得る。
【0028】
[化学式4]
Li[NiCoMn ]O
【0029】
[化学式5]
LiM Mn(2-p)
【0030】
上記化学式4および化学式5において、Mは、W、Cu、Fe、V、Cr、Ti、Zr、Zn、Al、In、Ta、Y、La、Sr、Ga、Sc、Gd、Sm、Ca、Ce、Nb、Mg、B、およびMoからなる群から選択される1種以上の元素であり、x、y、z、wおよびvは、それぞれ1.0≦x≦1.30、0.5≦y<1、0<z≦0.3、0<w≦0.3、0≦v≦0.1であり、y+z+w+v=1であり、MはNi、CoまたはFeであり、pは0.05≦p≦0.6である。
【0031】
具体的には、上記正極活物質は、LiNi0.8Co0.1Mn0.1、LiNi0.6Co0.2Mn0.2、LiNi0.9Co0.05Mn0.05、LiNi0.6Co0.2Mn0.1Al0.1、LiNi0.6Co0.2Mn0.15Al0.05、LiNi0.7Co0.1Mn0.1Al0.1、LiNi0.7Mn1.3、LiNi0.5Mn1.5およびLiNi0.3Mn1.7からなる群から選択される1種以上を含み得る。
【0032】
また、上記負極は、炭素物質およびケイ素物質を含む負極活物質で構成され、上記ケイ素物質は、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)および酸化ケイ素(SiO、ただし、0.8≦q≦2.5)のうち1種以上を含み得る。
【0033】
また、上記ケイ素物質は、負極活物質の全体重量に対して1~20重量%で含まれ得る。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係る二次電池は、高濃度のニッケルおよび/またはマンガンを含む正極活物質と共に非水系電解液に特定の成分の添加剤を使用することで電池の活性化時に電極の表面に被膜を均一に形成することになる。これにより、高温条件で多量のガスが発生することを防止することができ、電極から金属イオンが溶出されてセルの抵抗が増加し、容量が低下することを効果的に防止し得るので、電池の性能および高温安全性を効果的に向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な実施形態を有し得る。そのため、特定の実施形態を詳細な説明において詳しく説明する。
【0036】
しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術の範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むものとして理解されるべきである。
【0037】
本発明において、「含む」や「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。
【0038】
また、本発明において、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あると記載された場合、これは他の部分の「真上に」ある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。逆に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」あると記載された場合、それは他の部分の「真下に」ある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。また、本出願において「上に」配置されるということは、上部のみならず下部に配置される場合も含むものであり得る。
【0039】
また、本発明において、「主成分として含む」とは、全体重量に対して定義された成分を50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、または95重量%以上含むことを意味し得る。例えば、「負極活物質として黒鉛を主成分として含む」とは、負極活物質の全体重量に対して、黒鉛を50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、または95重量%以上含むことを意味し得、場合によっては、負極活物質全体が黒鉛からなり黒鉛が100重量%で含まれることを意味することもできる。
【0040】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0041】
<リチウム二次電池>
さらに、本発明は一実施形態において、正極、負極、上記正極と負極との間に介在される分離膜を含む電極組立体、非水系有機溶媒、リチウム塩、および下記化学式1で表す化合物を含む二次電池用電解液添加剤を含む電解液組成物を含むリチウム二次電池を提供する。
【0042】
【化8】
【0043】
上記化学式1において、Rはそれぞれ独立的に単結合、炭素数1~10のアルキレン基または
【0044】
【化9】
【0045】
であり、Rはそれぞれ独立的に水素、アクリレート基またはメタクリレート基であり、Rは単結合または炭素数1~4のアルキレン基であり、aは1~10の整数である。
【0046】
本発明に係るリチウム二次電池は、正極活物質を含む正極、負極活物質を含む負極、上記正極と負極との間に介在された分離膜および上述された本発明のリチウム塩含有の非水系電解質組成物を含む。
【0047】
このとき、上記正極は高濃度/高含有量でニッケルおよび/またはマンガンを含有するリチウム金属酸化物を正極活物質として含み、電解液組成物は特定の成分の電解液添加剤を含有することによって高温条件で多量のガスが発生することを防止することができ、電極から金属イオンが溶出されてセルの抵抗が増加し、容量が低下することを効果的に防止し得るので、電池の性能および高温安全性を効果的に向上させることができる。
【0048】
具体的には、上記正極は、正極集電体上に正極活物質を塗布、乾燥およびプレッシングして製造される正極合材層を備え、必要に応じて導電材、バインダー、その他添加剤などを選択的にさらに含み得る。
【0049】
ここで、上記正極活物質は、正極集電体上で電気化学的に反応を起こし得る物質であって、可逆的にリチウムイオンのインターカレーションとデインターカレーションが可能な下記化学式4および化学式5で表すリチウム金属酸化物のうち1種以上を含み得る。
【0050】
[化学式4]
Li[NiCoMn ]O
【0051】
[化学式5]
LiM Mn(2-p)
【0052】
上記化学式4および化学式5において、Mは、W、Cu、Fe、V、Cr、Ti、Zr、Zn、Al、In、Ta、Y、La、Sr、Ga、Sc、Gd、Sm、Ca、Ce、Nb、Mg、B、およびMoからなる群から選択される1種以上の元素であり、x、y、z、wおよびvは、それぞれ1.0≦x≦1.30、0.5≦y<1、0<z≦0.3、0<w≦0.3、0≦v≦0.1であり、y+z+w+v=1であり、MはNi、CoまたはFeであり、pは0.05≦p≦0.6である。
【0053】
上記化学式4および化学式5で表すリチウム金属酸化物は、それぞれニッケル(Ni)とマンガン(Mn)を高含有量で含有する物質であって、正極活物質として使用する場合、高容量および/または高電圧の電気を安定的に供給し得るという利点がある。また、二次電池の活性化時に正極および/または負極の表面に被膜を形成するためには、約4.0V以上の高い充電電位が求められるが、リン酸鉄などのように充電電位が4.0V未満の従来の正極活物質と異なり、上記リチウム金属酸化物は約4.0V以上の高い充電電位を有するため、電極上の被膜の形成が容易であり得る。
【0054】
このとき、上記化学式4で表すリチウム金属酸化物としては、LiNi0.8Co0.1Mn0.1、LiNi0.6Co0.2Mn0.2、LiNi0.9Co0.05Mn0.05、LiNi0.6Co0.2Mn0.1Al0.1、LiNi0.6Co0.2Mn0.15Al0.05、LiNi0.7Co0.1Mn0.1Al0.1などを含み得、上記化学式5で表すリチウム金属酸化物はLiNi0.7Mn1.3、LiNi0.5Mn1.5、LiNi0.3Mn1.7などを含み得、これらを単独で使用するかまたは併用して使用し得る。
【0055】
また、上記正極は正極集電体として当該電池に化学的変化を誘発せずに高い導電性を有するものを使用し得る。例えば、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素などを使用し得、アルミニウムやステンレススチールの場合、カーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理されたものを使用してもよい。また、上記集電体の平均厚さは、製造される正極の導電性と総厚みを考慮して3~500μmで好適に適用され得る。
【0056】
また、上記負極は、正極と同様に、負極集電体上に負極活物質を塗布、乾燥およびプレッシングして製造される負極合材層を備え、必要に応じて導電材、バインダー、その他添加剤などを選択的にさらに含み得る。
【0057】
上記負極活物質は、炭素物質とケイ素物質を含み得る。具体的には、上記炭素物質とは炭素原子を主成分とする材料を意味し、このような炭素物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛、難黒鉛化炭素、カーボンブラック、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックからなる群から選択される1種以上を含み得る。また、上記ケイ素物質とは、ケイ素原子を主成分とする材料を意味し、このようなケイ素物質としては、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、一酸化ケイ素(SiO)または二酸化ケイ素(SiO)を単独で含むかまたは併用し得る。上記ケイ素(Si)の含有物質として一酸化ケイ素(SiO)および二酸化ケイ素(SiO)が均一に混合されるか、または複合化されて負極合材層に含まれる場合、それらは酸化ケイ素(SiO、ただし、0.8≦q≦2.5)で表され得る。
【0058】
また、上記ケイ素物質は、負極活物質の全体重量に対して1~20重量%で含まれ得、具体的には3~10重量%、8~15重量%、13~18重量%、または2~8重量%で含まれ得る。本発明は、上記のような含有量の範囲でケイ素物質の含有量を調節することにより、電池のエネルギー密度を極大化し得る。
【0059】
また、上記負極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発せずに高い導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、銅、ステンレススチール、ニッケル、チタン、焼成炭素などを使用し得、銅やステンレススチールの場合、カーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理されたものを使用してもよい。また、上記負極集電体の平均厚さは、製造される負極の導電性と総厚みを考慮して1~500μmで好適に適用され得る。
【0060】
一方、各単位セルの正極と負極との間に介在される分離膜は、高いイオン透過度と機械的強度を有する絶縁性薄膜であって、当業界で通常的に使用されるものであれば特に制限されないが、具体的には耐化学性および疎水性のポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン-プロピレン共重合体のうち1種以上の重合体を含むものを使用し得る。上記分離膜は、上述された重合体を含むシートや不織布などの多孔性高分子基材の形態を有することができ、場合によっては、上記多孔性高分子基材上に有機物または無機物粒子が有機バインダーによってコーティングされた複合分離膜の形態を有することもできる。また、上記分離膜は気孔の平均直径が0.01~10μmであり得、平均厚さは5~300μmであり得る。
【0061】
さらに、上記二次電池は、電解液として、上述された本発明に係る非水系電解液組成物を含む。
【0062】
上記電解液組成物は、非水系電解液組成物であって、非水系有機溶媒にリチウム塩と電解液添加剤を含む構成を有する液体電解質であり得る。このとき、上記電解液添加剤は、下記化学式1で表す化合物を含む。
【0063】
【化10】
【0064】
上記化学式1において、Rはそれぞれ独立的に単結合、炭素数1~10のアルキレン基または
【0065】
【化11】
【0066】
であり、Rはそれぞれ独立的に水素、アクリレート基またはメタクリレート基であり、Rは単結合または炭素数1~4のアルキレン基であり、aは1~10の整数である。
【0067】
上記化学式1で表す化合物は、リン酸塩の2個以上の酸素原子に、アクリレート基が不飽和炭化水素鎖および/またはアルキレングリコール単位を介して結合された構造の母核を含むことにより、二次電池の活性化時に正極および/または負極の表面に有機性および/または無機性被膜を均一に形成し得る。これにより、上記電解液添加剤は、電池が高温にさらされる場合に電解液が分解されてガスが発生することを抑制し得、電池の抵抗増加および/または容量の低下現象を改善し得るので、電池の性能と高温安全性をより向上させることができる。
【0068】
このために、上記化学式1で表す化合物において、Rはそれぞれ独立的に単結合、炭素数1~6のアルキレン基または
【0069】
【化12】
【0070】
であり、Rはそれぞれ独立的に水素、アクリレート基またはメタクリレート基であり、Rは単結合、メチレン基またはエチレン基であり、aは1~10の整数であり得る。
【0071】
具体的には、Rはそれぞれ独立的に、単結合、メチレン基、エチレン基、プロピレン基または
【0072】
【化13】
【0073】
であり、Rは単結合またはエチレン基であり、aは1~5の整数であり得る。
【0074】
一例として、上記化学式1で表す化合物は、下記<構造式1>~<構造式8>のうちいずれか1つ以上の化合物であり得る。
【0075】
【化14】
【0076】
上記電解液添加剤は、上述されたようにリン酸塩の2個以上の酸素原子に、アクリレート基が不飽和炭化水素鎖および/またはアルキレングリコール単位を介して結合された構造の母核を含むことにより、電池の活性化時に低電位でもリチウムイオンの溶媒和シェルに直接的に参与して、負極の表面で還元反応による無機性被膜を均一に形成し得、同時に正極の表面で酸化反応による無機性被膜を均一に形成し得る。
【0077】
また、上記化学式1で表す化合物は、電解液組成物内に特定の含有量で含まれ得る。具体的には、上記化学式1で表す化合物は、電解液組成物の全体重量に対して0.01~5重量%で含まれ得、より具体的には、電解液組成物の全体重量に対して0.05~3重量%、0.5~2.5重量%、0.5~2.0重量%、または0.7~1.8重量%で含まれ得る。本発明は、電解液添加剤の含有量が上記範囲から外れる過量が使用されて、高温での電池の抵抗が増加し、容量が低減されることを防止し得る。また、本発明は、電解液添加剤の含有量が上記範囲から外れる微量が使用されて添加剤の効果が微々に具現されることを防ぎ得る。
【0078】
また、上記電解液組成物は、化学式1で表す電解液添加剤と共に下記化学式2で表す化合物をさらに含み得る。
【0079】
【化15】
【0080】
化学式2において、Rは独立的に炭素数1~10のアルキレン基または
【0081】
【化16】
【0082】
であり、Rは水素または炭素数1~4のアルキル基であり、Rは単結合または炭素数1~4のアルキレン基であり、bは1~10の整数である。
【0083】
具体的には、Rは独立的にメチレン基、エチレン基、プロピレン基または
【0084】
【化17】
【0085】
であり、Rは独立的に水素、メチル基またはエチル基であり、Rは独立的に単結合またはメチレン基であり、bは1~4の整数である。
【0086】
一例として、化学式2で表す化合物は、下記化学式3で表す化合物を含み得る。
【0087】
【化18】
【0088】
上記化学式2で表す化合物は、末端に二重結合を含み、電解液添加剤と共に電池の活性化時に電極の表面における被膜の形成に参与することにより、正極活物質から発生する金属の溶出を抑制する一方、リン酸塩基とアミド基を含むことによって、高温での電池の耐久性と電気的性能を向上させることができる。
【0089】
このとき、上記化学式2で表す化合物は、電解液組成物内に特定の含有量で含まれ得る。具体的には、上記化学式2で表す化合物は、電解液組成物の全体重量に対して0.01~3重量%で含まれ得、より具体的には、電解液組成物の全体重量に対して0.05~3重量%、0.1~1重量%、または0.3~0.8重量%で含まれ得る。本発明は、化学式4で表す化合物の含有量が上記範囲から外れる過量が使用されて電解液組成物の粘度を高め、電極と分離膜に対する濡れ性が低下することを防止し得る。また、本発明は、電解液添加剤の含有量が上記範囲から外れる微量が使用されて添加剤の効果が微々に具現されることを防ぎ得る。
【0090】
一方、上記電解液組成物に使用されるリチウム塩は、当業界で非水系電解質に使用するものであれば特に制限されずに適用され得る。具体的には、上記リチウム塩は、LiCl、LiBr、LiI、LiClO、LiBF、LiB10Cl10、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、CHSOLi、および(CFSONLiからなる群から選択される1種以上を含み得る。
【0091】
これらのリチウム塩の濃度については、特に制限はないが、好適な濃度範囲の下限は0.5mol/L以上、具体的には0.7mol/L以上、より具体的には0.9mol/L以上であり、好適な濃度範囲の上限は2.5mol/L以下、具体的には2.0mol/L以下、より具体的には1.5mol/L以下の範囲にある。リチウム塩の濃度が0.5mol/Lを下回るとイオン伝導度が低下するので、非水系電解液電池のサイクル特性、出力特性が低下するおそれがある。また、リチウム塩の濃度が2.5mol/Lを超えると、非水系電解液電池用電解液の粘度が上昇するので、これもイオン伝導度を低下させるおそれがあり、非水系電解液電池のサイクル特性、出力特性を低下させるおそれがある。
【0092】
また、一度に多量のリチウム塩を非水系有機溶媒に溶解すると、リチウム塩の溶解熱のため液温が上昇する場合がある。このようにリチウム塩の溶解熱によって非水系有機溶媒の温度が著しく上昇すると、フッ素を含むリチウム塩の場合、分解が促進されてフッ化水素(HF)が生成されるおそれがある。フッ化水素(HF)は電池性能の劣化の原因となるため好ましくない。したがって、上記リチウム塩を非水系有機溶媒に溶解するときの温度は特に限定されないが、-20~80℃に調節され得、具体的には0~60℃に調節され得る。
【0093】
また、上記電解液組成物に使用される非水系有機溶媒は、当業界で非水系電解質に使用するものであれば特に制限されずに適用され得る。具体的には、上記非水系有機溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリジノン、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、γ-ブチロラクトン、1,2-ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロキシフラン(franc)、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3-ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ギ酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エーテル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの非プロトン性有機溶媒が使用され得る。
【0094】
また、本発明に用いられる非水溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を用途に合わせて任意の組み合わせ、割合で混合して用いられ得る。これらの中では、その酸化還元に対する電気化学的な安定性と熱や溶質との反応に関する化学的安定性の観点から、特にプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが好ましい。
【0095】
一方、上記電解液組成物は、上述された基本成分以外に添加剤をさらに含み得る。本発明の要旨を損なわない限り、本発明の非水系電解液に一般的に用いられる添加剤を任意の割合で添加してもよい。具体的には、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、t-ブチルベンゼン、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジフルオロアニソール、フルオロエチレンカーボネート、プロパンスルトン、スクシノニトリル、ジメチルビニレンカーボネートなどの過充電防止効果、負極被膜形成効果、正極保護効果を有する化合物が挙げられる。また、リチウムポリマー電池と呼ばれる非水系電解液電池に使用される場合と同様に、非水系電解液電池用電解液をゲル化剤や架橋ポリマーにより固体化して使用することも可能である。
【0096】
以下、本発明を実施例および実験例により、より詳細に説明する。
【0097】
ただし、下記実施例および実験例は本発明を例示するのみであって、本発明の内容が下記実施例および実験例に限定されるものではない。
【0098】
<製造例1~12.電解液組成物の製造>
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を3:7の体積比で混合した溶媒にリチウム塩としてLiPFを1Mの濃度で溶解させ、化学式1で表す電解液添加剤と化学式3で表す化合物を電解液の全体重量に対して、下記表1に示したような重量になるように溶解させて非水系電解液組成物を製造した。
【0099】
【表1】
【0100】
【化19】
【0101】
<実施例1~12.リチウム二次電池の製造>
正極活物質として粒子サイズが5μmのLiNi0.8Co0.1Mn0.05Al0.05を用意し、カーボン系導電剤およびバインダーとしてポリフッ化ビニリデンと94:3:3の重量比でN-メチルピロリドン(NMP)に混合してスラリーを形成し、アルミニウム薄板上にキャスティングして、120℃の真空オーブンで乾燥させた後、圧延して正極を製造した。
【0102】
これとは別に、人造黒鉛と酸化ケイ素(SiO)が9:1の重量比で混合された負極活物質を用意し、負極活物質97重量部とスチレンブタジエンゴム(SBR)3重量部を水と混合してスラリーを形成し、銅薄板上にキャスティングして、130℃の真空オーブンで乾燥させた後、圧延して負極を製造した。
【0103】
上記得られた正極および負極に18μmのポリプロピレンからなるセパレーターを介在させて、ケースに挿入した後、下記表2に示したように、上記製造例1~12において製造された電解液組成物(5ml)を注入してパウチ型の2.1Ah級の小型リチウム二次電池を製造した。
【0104】
【表2】
【0105】
<比較例1.リチウム二次電池の製造>
電解液添加剤なしで、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を3:7体積比で混合した溶媒にリチウム塩としてLiPFが1Mの濃度で溶解された電解液を使用することを除いて、実施例1と同一の方法でリチウム二次電池を製造した。
【0106】
<実験例>
本発明に係るリチウム二次電池のガス発生低減の効果と高温安全性を評価するために、下記の実験を行った。
【0107】
イ)高温貯蔵後の二次電池の抵抗および容量変化の分析
実施例および比較例において製造された各二次電池を対象に60℃で12週間貯蔵しながら電池の抵抗および容量の変化を観察した。
【0108】
具体的には、各二次電池の活性化時の充/放電を0.2C/0.5Cで2回行った後、充/放電電流密度を0.5C/0.2Cにし、充電終止電圧を4.8V(Li/グラファイト)、放電終止電圧を3.0V(Li/グラファイト)にした充/放電実験を各1回試行した。
【0109】
その後、0.33Cの4.2Vで満充電し、60℃で高温貯蔵しながら2週間おきに電池の抵抗と容量を測定した。ここで、上記電池の抵抗と容量を測定した後に、電池を満充電状態に充電して貯蔵した。測定された電池の抵抗および容量から電池の初期抵抗および初期容量を基準とした変化量を算出し、その結果を下記表3に示した。
【0110】
ロ)高温貯蔵された二次電池のガス発生量の分析
実施例および比較例において製造された各二次電池を対象に60℃で12週間貯蔵しながら電池から発生するガス量を2週間おきに分析した。具体的には、各二次電池の活性化時の充/放電を0.2C/0.5Cで2回行った後、充/放電電流密度を0.5C/0.2Cにし、充電終止電圧を4.8V(Li/グラファイト)、放電終止電圧を3.0V(Li/グラファイト)にした充/放電実験を各1回試行した。
【0111】
その後、0.33Cの4.2Vで満充電し、60℃の高温で12週間貯蔵した。12週が経過すると二次電池の表面を加圧して脱気し、脱気されたガスの量を測定して、その結果を下記表3に示した。
【0112】
【表3】
【0113】
上記表3に示したように、実施例の二次電池は、高含有量のニッケルを含有する正極活物質と共に、化学式1で表す化合物を電解液添加剤として含む電解液組成物を含むので、高温での電気的性能と安全性がわかる。具体的には、実施例の二次電池は、比較例の二次電池と比較して高温条件にさらされてもガス発生量が著しく少なく、電池の抵抗増加が少なくかつ容量維持率が高いことが示された。
【0114】
このような結果から、本発明に係る二次電池は、高濃度のニッケルおよび/またはマンガンを含む正極活物質と共に非水系電解液に特定の成分の添加剤を使用して電池の活性化時に電極の表面に被膜を均一に形成することにより、高温条件で多量のガスが発生することを防止し得、電極から金属イオンが溶出されてセルの抵抗が増加し、容量が低下することを効果的に防止し得るので、電池の性能および高温安全性を効果的に向上させることができる。
【0115】
以上、本発明について好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者または当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、後述される特許請求の範囲に記載された本発明の思想および技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更させることができることを理解し得るだろう。
【0116】
したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の発明の概要に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定められるべきである。