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特許7580857二面型太陽光発電システム及び太陽光発電システムの設置方法
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  • 特許-二面型太陽光発電システム及び太陽光発電システムの設置方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】二面型太陽光発電システム及び太陽光発電システムの設置方法
(51)【国際特許分類】
   H02S 20/10 20140101AFI20241105BHJP
【FI】
H02S20/10 E
H02S20/10 D
H02S20/10 U
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024010742
(22)【出願日】2024-01-29
【審査請求日】2024-01-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521031305
【氏名又は名称】株式会社町おこしエネルギー
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】沼田 昭二
【審査官】菅原 奈津子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-048745(JP,A)
【文献】登録実用新案第3196260(JP,U)
【文献】特開2015-228729(JP,A)
【文献】特開2014-154743(JP,A)
【文献】国際公開第2018/138238(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/136359(WO,A1)
【文献】特開2014-148821(JP,A)
【文献】特開2014-88695(JP,A)
【文献】中国実用新案第210246658(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の角度αの傾斜で設置される第一太陽光パネル部と、
前記第一太陽光パネル部と対向するように所定の角度αの傾斜で設置される第二太陽光パネル部と、
前記第一太陽光パネル部と前記第二太陽光パネル部とを支持するための二等辺三角形状の支持部を有する支柱部と、
を備え
前記支柱部は、
前記第一太陽光パネル部を支持し二等辺三角形の等辺を構成する第一支持部材と、
前記第一支持部材と連結され前記第二太陽光パネル部を支持し二等辺三角形の等辺を構成する第二支持部材と、
前記第一支持部材及び前記第二支持部材と連結され地面から所定の高さに配置されて二等辺三角形の底面を構成する第三支持部材と、
前記第一支持部材において二等辺三角形の頂点から下方に向けて所定の間隔をあけた第一の位置から鉛直下方に伸びて前記第一支持部材と前記第三支持部材とを連結する第四支持部材と、
前記第二支持部材において二等辺三角形の頂点から下方に向けて所定の間隔をあけた第二の位置から鉛直下方に伸びて前記第二支持部材と前記第三支持部材とを連結する第五支持部材と、
前記第一支持部材の前記第一の位置よりも下方に位置する第三の位置と第三支持部材と第四支持部材との連結点との間を延伸し前記第一支持部材と第三支持部材とを連結する第六支持部材と、
前記第二支持部材の前記第二の位置よりも下方に位置する第四の位置と第三支持部材と第五支持部材との連結点との間を延伸し前記第二支持部材と第三支持部材とを連結する第七支持部材と、
を有し、
前記第一太陽光パネル部は、二等辺三角形の頂点から下方に向けて所定の間隔をあけた第五の位置から下方に向けて配置されたシリコン系太陽電池であり、
前記第二太陽光パネル部は、二等辺三角形の頂点から下方に向けて所定の間隔をあけた第六の位置から下方に向けて配置されたシリコン系太陽電池であることを特徴とする二面型太陽光発電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の二面型太陽光発電システムを前記第一太陽光パネル部の表面が西を向き、かつ、前記第二太陽光パネル部の表面が東を向くように設置する工程を備える太陽光発電システムの設置方法。
【請求項3】
請求項に記載の太陽光発電システムの設置方法において、
所定の角度βの傾斜で設置される片面型太陽光パネル部を太陽光パネルの表面が南を向くように設置する工程をさらに備えることを特徴とする太陽光発電システムの設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二面型太陽光発電システム及び太陽光発電システムの設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光発電システムが様々な場所に設置されている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、複数の太陽電池パネルが互いに間隙を開けて、それぞれが地面に対して傾斜させて配列された太陽電池パネル配置において、前記複数の太陽電池パネルのうち少なくとも1 つについて、当該太陽電池パネルの受光面のうち南側に接続又は隣接して補助的太陽電池パネルが増設され、当該補助的太陽電池パネルは、前記太陽電池パネルよりもさらに傾いた角度で配置され、当該太陽電池パネルに隣接する他の太陽電池パネルとの間の間隙のうち、前記太陽電池パネル配置が設置される地域の冬至の日の太陽光が、前記隣接する他の太陽電池パネルの北上端部を通過して地面に到達する経路による第一面と、前記太陽電池パネル配置が設置される地域の冬至の日の太陽光が、前記補助的太陽電池パネルが増設される太陽電池パネルの南上端部に到達する経路による第二面と、の間に形成される、太陽電池パネル配置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-17156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された太陽電池パネルでは、一面に対する入光による発電のみであるため、各時間帯の太陽の位置に応じて発電量が変動する。
【0005】
本発明の目的は、太陽が移動した位置が変わった場合も発電量を確保することが可能な太陽光発電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る営農放牧型太陽光発電システムは、所定の角度αの傾斜で設置される第一太陽光パネル部と、前記第一太陽光パネル部と対向するように所定の角度αの傾斜で設置される第二太陽光パネル部と、前記第一太陽光パネル部と前記第二太陽光パネル部とを支持するための二等辺三角形状の支持部を有する支柱部と、を備え、前記支柱部は、前記第一太陽光パネル部を支持し二等辺三角形の等辺を構成する第一支持部材と、前記第一支持部材と連結され前記第二太陽光パネル部を支持し二等辺三角形の等辺を構成する第二支持部材と、前記第一支持部材及び前記第二支持部材と連結され地面から所定の高さに配置されて二等辺三角形の底面を構成する第三支持部材と、前記第一支持部材において二等辺三角形の頂点から下方に向けて所定の間隔をあけた第一の位置から鉛直下方に伸びて前記第一支持部材と前記第三支持部材とを連結する第四支持部材と、前記第二支持部材において二等辺三角形の頂点から下方に向けて所定の間隔をあけた第二の位置から鉛直下方に伸びて前記第二支持部材と前記第三支持部材とを連結する第五支持部材と、前記第一支持部材の前記第一の位置よりも下方に位置する第三の位置と第三支持部材と第四支持部材との連結点との間を延伸し前記第一支持部材と第三支持部材とを連結する第六支持部材と、前記第二支持部材の前記第二の位置よりも下方に位置する第四の位置と第三支持部材と第五支持部材との連結点との間を延伸し前記第二支持部材と第三支持部材とを連結する第七支持部材と、を有し、前記第一太陽光パネル部は、二等辺三角形の頂点から下方に向けて所定の間隔をあけた第五の位置から下方に向けて配置されたシリコン系太陽電池であり、前記第二太陽光パネル部は、二等辺三角形の頂点から下方に向けて所定の間隔をあけた第六の位置から下方に向けて配置されたシリコン系太陽電池であることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る太陽光発電システムの設置方法は、上記の二面型太陽光発電システムを前記第一太陽光パネル部の表面が西を向き、かつ、前記第二太陽光パネル部の表面が東を向くように設置する工程を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る太陽光発電システムの設置方法において、所定の角度βの傾斜で設置される片面型太陽光パネル部を太陽光パネルの表面が南を向くように設置する工程をさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、太陽が移動した位置が変わった場合も発電量を確保することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る第一実施形態の二面型太陽光発電システムを示す正面図である。
図2】本発明に係る第一実施形態の二面型太陽光発電システムを示す斜視図である。
図3】本発明に係る第二実施形態の二面型太陽光発電システムを示す正面図である。
図4】本発明に係る第三実施形態の二面型太陽光発電システムを示す正面図である。
図5】本発明に係る第四実施形態の二面型太陽光発電システムを示す正面図である。
図6】本発明に係る全ての実施形態の二面型太陽光発電システムにおいて、従来から用いられている片面型太陽光パネル部が強い横風を受けた場合の様子を示す図である。
図7】本発明に係る全ての実施形態の二面型太陽光発電システムが横風にも強い構造であることを示す図である。
図8】本発明に係る第三実施形態の二面型太陽光発電システムを豪雪地帯・強風地帯に設置した様子を示す図である。
図9】本発明に係る第四実施形態の二面型太陽光発電システムの変形例である二面型太陽光発電システムを特別豪雪地帯・強風地帯に設置した様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0013】
図1は、本発明に係る第一実施形態の二面型太陽光発電システム10を示す正面図である。図2は、本発明に係る第一実施形態の二面型太陽光発電システム10を示す斜視図である。
【0014】
本発明に係る第一実施形態の二面型太陽光発電システム10は、様々な方向からの太陽光を受けて発電することが可能なシステムである。二面型太陽光発電システム10は、第一太陽光パネル部12と、第二太陽光パネル部14と、支柱部16とを備える。
【0015】
第一太陽光パネル部12は、所定の角度αの傾斜で設置される太陽光パネルである。第一太陽光パネル部12は、複数の太陽電池が並んで構成されており、太陽光を用いた光起電力効果を利用して電力を発生させる機能を有している。太陽電池の構成は、様々なものが考えられており、例えば、シリコン系、化合物系、有機系、量子ドット系などを用いることができる。ここでは、シリコン系の太陽電池であり、表面からだけでなく裏面からの入光でも発光可能な構成となっている。
【0016】
ここで、所定の角度αは、0°~35°に設定することが好ましいが、35°に設定することが好適である。
【0017】
第二太陽光パネル部14は、第一太陽光パネル部12と対向するように所定の角度αの傾斜で設置される太陽光パネルである。第二太陽光パネル部14は、第一太陽光パネル部12と同様に、複数の太陽電池が並んで構成されており、太陽光を用いた光起電力効果を利用して電力を発生させる機能を有している。太陽電池の構成は、様々なものが考えられており、例えば、シリコン系、化合物系、有機系、量子ドット系などを用いることができる。ここでは、シリコン系の太陽電池であり、表面からだけでなく裏面からの入光でも発光可能である。
【0018】
支柱部16は、第一太陽光パネル部12と第二太陽光パネル部14とを支持するための二等辺三角形状の支持部を有する。図1に示されるように、二面型太陽光発電システム10を正面から見た場合は、二等辺三角形状を有しており、この三角形状の支持部材が図2に示されるように、奥行き横行に並んで形成されている。
【0019】
支柱部16は、支持部の二等辺三角形の頂点から底辺に垂直線を引いて分けられた2つの三角領域において対称となるトラス構造を有する。具体的には、図1に示されるように、第一太陽光パネル部12及び第二太陽光パネル部14を載置するための等辺部分に相当する支持部材16a,16bと底辺部分に相当する支持部材16cとで構成される三角形状を1つ目のトラスとする。
【0020】
図1に示されるように、1つ目のトラスは、底辺の支持部材16cの両端部に脚部として設置される支持部材17a,17bと、中心側において、支持部材16a,16bから下方に向けて延伸して設けられ脚部としても機能する支持部材17c,17dが設けられる。
【0021】
ここで、支持部材16aと支持部材16bとは三角形の頂点の連結部19aにおいて連結されている。支持部材16a,16bと支持部材16cとの交点部分の連結部19f,19gにおいて支持部材17a,17bが連結されている。
【0022】
そして、支持部材17c,17dと支持部材16a,16bは連結部19b,19cにおいて連結され、支持部17c,17dと支持部材16cは連結部19h,19iにおいて連結される。
【0023】
また、2つの三角領域の左側において支持部材16a,16c,17cで構成される三角において頂点(連結部19h)から底辺に向かって二分するように支持部材18aが設けられる。支持部材18aと支持部材16aとは連結部19dにおいて連結される。
【0024】
2つの三角領域の右側において支持部材16b,16c,17dで構成される三角において頂点(連結部19i)から底辺に向かって二分するように支持部材18bが設けられる。支持部材18bと支持部材16bとは連結部19eにおいて連結される。
【0025】
2つ目のトラスは、図1に示される2つの三角領域のうち左側の三角形状を構成する構造であり、支持部材16a,17c,18aで形成される。3つ目のトラスは、2つの三角領域のうち左側の三角形状を構成する構造であり、支持部材16a,16c,18aで形成される。
【0026】
4つ目のトラスは、図1に示される2つの三角領域のうち右側の三角形状を構成する構造であり、支持部材16b,17d,18bで形成される。5つ目のトラスは、2つの三角領域のうち右側の三角形状を構成する構造であり、支持部材16b,16c,18bで形成される。
【0027】
ここで、本発明に係る第一実施形態の二面型太陽光発電システム10は、雪の少ない地帯での設置が好ましい。例えば、家畜の飼料や堆肥の原料となる草を刈りとるための自然の草地である採草地などに設置することが出来る。
【0028】
採草地に設置する場合には、採草地にて羊の放牧を行うことが好ましい。羊による除草で太陽電池の発電効率を下げ得る草を取り除くことができるためメンテナンス費が削減できる。また、羊の糞などの堆肥で有機的な農業が可能となる。
【0029】
採草地は、伐根伐採の必要がなく、自然環境に優しい再エネが可能となり、農業(採草)、畜産(放牧)、発電の事業を実施することができ、これらの事業から収益を得ることが出来るという利点がある。
【0030】
次に、本発明に係る第二実施形態の二面型太陽光発電システム10aについて説明する。図3は、本発明に係る第二実施形態の二面型太陽光発電システム10aを示す正面図である。二面型太陽光発電システム10aと二面型太陽光発電システム10との相違は、所定の角度αのみであり、その他は同じであるため、相違点を中心に説明する。
【0031】
所定の角度αは、0°~35°に設定することが好ましく、ここでは、15°として説明する。
【0032】
本発明に係る第二実施形態の二面型太陽光発電システム10aも二面型太陽光発電システム10と同様に雪の少ない地帯での設置が好ましく、より好ましく、採草地に設置することで二面型太陽光発電システム10と同様の効果を奏する。
【0033】
次いで、本発明に係る第三実施形態の二面型太陽光発電システム10bについて説明する。図4は、本発明に係る第三実施形態の二面型太陽光発電システム10bを示す正面図である。二面型太陽光発電システム10bと二面型太陽光発電システム10との相違は、所定の角度αのみであり、その他は同じであるため、相違点を中心に説明する。
【0034】
所定の角度αは、35°~50°に設定することが好ましく、ここでは、40°として説明する。太陽光パネルの設置角度は、少しだけ傾斜をつけた30°が理想的とされている。ただし、日本国内でも地域によって緯度が異なる点に注意が必要である。例えば、沖縄は北緯27°であるのに対し、北海道は北緯45°と差がある。一応の目安として、沖縄県に設置する場合は18°、北海道に設置する場合は35°に設定することが好ましい。
【0035】
ここで、本発明に係る第三実施形態の二面型太陽光発電システム10bは、豪雪地帯での設置が好ましく、例えば、北海道に設置することが好ましい。北海道の気温は年間を通して低く、夏季においても太陽光発電が一番発電すると言われる25℃に近い温度で発電できるからである。
【0036】
北海道道東では緯度が高いため日射量が多く、経度が日本で一番東に位置するので、日本一早く充電でき、また気温が低いことによる発電効率の良さがある。二面型太陽光発電システム10bは、豪雪地帯に設置することが好ましい。ここで、「豪雪地帯」とは、冬に大量の積雪がある地域のことで、日本の法制度上は特に豪雪地帯対策特別措置法に基づき指定された地域を指す。
【0037】
次に、本発明に係る第三実施形態の二面型太陽光発電システム10cについて説明する。図5は、本発明に係る第四実施形態の二面型太陽光発電システム10cを示す正面図である。二面型太陽光発電システム10cと二面型太陽光発電システム10との相違は、所定の角度αのみであり、その他は同じであるため、相違点を中心に説明する。
【0038】
所定の角度αは、45°~70°に設定することが好ましく、ここでは、70°として説明する。特別豪雪地帯では雪が太陽光パネルに積もった場合も滑り落ちるように一定の傾斜を持たせる必要がある。
【0039】
ここで、本発明に係る第三実施形態の二面型太陽光発電システム10cは、特別豪雪地帯での設置が好まく、例えば、北海道に設置することが好ましい。ここで、「特別豪雪地帯」とは、積雪の度が特に高く、かつ、積雪により長期間自動車の交通が途絶する等により住民の生活に著しい支障を生ずる地域について国土審議会の議決を経て国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣が定める基準に従って、豪雪地帯として指定された道府県の区域の一部の地域を指す。
【0040】
本発明に係る全ての実施形態の二面型太陽光発電システム10,10a,10b,10cは、二等辺三角形の等辺部分に配置された第一太陽光パネル部12及び第二太陽光パネル部14の二面の発電が可能であるため、太陽が移動することで太陽の位置が変わった場合にも発電量を確保することができるという顕著な効果を奏する。
【0041】
本発明に係る全ての実施形態の二面型太陽光発電システム10,10a,10b,10cは、支柱部16は全てトラス構造を備えているため、積雪や横風に強く安定して設置することが出来るという顕著な効果を奏する。
【0042】
図6は、本発明に係る全ての実施形態の二面型太陽光発電システム10,10a,10b,10cにおいて、従来から用いられている片面型太陽光パネル部8が強い横風を受けた場合の様子を示す図である。
【0043】
図7は、本発明に係る全ての実施形態の二面型太陽光発電システム10,10a,10b,10cが横風にも強い構造であることを示す図である。
【0044】
ここで、図6,7を用いて二面型太陽光発電システム10,10a,10b,10cが横風に強く安定して設置することができる点を説明する。図7では、二面型太陽光発電システム10bを用いて説明するが、もちろん、二面型太陽光発電システム10,10a,10cも同様の作用効果を生じる。
【0045】
図6に示されるように従来から用いられている片面型太陽光パネル部8は、太陽光パネル8aと支持部8bとを備えている。片面型太陽光パネル部8は、太陽光パネル8aの表面から受ける横風はパネル面に沿って上下に流れるため、パネルの倒壊の事故が少ない。しかしながら、図6に示されるように、特に雨上がりなどで土壌がぬかるんでいると太陽光パネル8aの裏面から突き上げる風の力によって支持部8bごと倒壊してしまうこと虞がある。
【0046】
これに対し、図7に示されるように、二面型太陽光発電システム10bによれば、5つのトラス構造を有しているため、第一太陽光パネル部12と第二太陽光パネル部14とを支える構造が支柱から分散されて一番強固なトラス構造になるため、パネルの安定度と強度が増すという利点がある。
【0047】
また、第一太陽光パネル部12と第二太陽光パネル部14とを備える支柱部16であり、二等辺三角形状の屋根型構造であって、どの方向の横風でもパネル面に沿って流れるため、倒壊のリスクを低くすることが出来る。また、浅い支柱での設置でも安定させることができるため、設置コストも安価に抑えることが出来る。
【0048】
次に、二面型太陽光発電システム10bを豪雪地帯に設置する場合について説明する。 図8は、本発明に係る第三実施形態の二面型太陽光発電システム10bを豪雪地帯・強風地帯に設置した様子を示す図である。
【0049】
図8に示されるように、二面型太陽光発電システム10bを第一太陽光パネル部12の表面が西を向き、かつ、第二太陽光パネル部14の表面が東を向くように設置する。図8に示されるように、設置領域の東西方向の両端側にそれぞれ二面型太陽光発電システム10bが並んで配置される。
【0050】
そして、東西の2つの領域に分かれて配置された二面型太陽光発電システム10bの間に片面型太陽光パネル部8の太陽光パネル8aの表面が南を向くように設置する。片面型太陽光パネル部8は、所定の間隔方向を空けて整列配置される。なお、片面型太陽光パネル部8の太陽光パネル8aは、所定の角度βの傾斜で設置される。
【0051】
このような太陽光パネルの配置方法によれば、二面型太陽光発電システム10bは東西方向に向けて太陽光パネルが配置されているため、朝夕の太陽による発電量を高めることができ、中央部には南向きの片面型太陽光パネル部8が配置されているため、昼間の発電量を高めることが出来る。これにより、朝から夕方まで安定した発電を行うことができる。また、過積載の際のピークカットがないため電力ロスがなく、送配電に負荷をかけず発電効率を高めることができ、送電線に負荷をかけないという利点がある。
【0052】
また、二面型太陽光発電システム10bは、両面からの入光による発電が可能であるため、雪に反射した入光によっても発電することが出来る。
【0053】
次に、二面型太陽光発電システム10cを特別豪雪地帯に設置する場合について説明する。図9は、本発明に係る第四実施形態の二面型太陽光発電システム10の変形例である二面型太陽光発電システム10cを特別豪雪地帯・強風地帯に設置した様子を示す図である。
【0054】
図9に示されるように、二面型太陽光発電システム10cを第一太陽光パネル部12の表面が西を向き、かつ、第二太陽光パネル部14の表面が東を向くように設置する。図9に示されるように、設置領域全域において、複数の二面型太陽光発電システム10cが所定の間隔をあけて整列配置される。
【0055】
このような太陽光パネルの配置方法によれば、東西方向に太陽光パネルが向けられているため、朝夕の発電量を高めることができる。また、二面型太陽光発電システム10cの傾斜角度は70°に設定されているため、特別豪雪地域の雪の影響を最小限に留めることができるという利点がある。
【符号の説明】
【0056】
8 片面型太陽光パネル部、8a 太陽光パネル、8b 支持部、10,10a,10b,10c 二面型太陽光発電システム、12 第一太陽光パネル部、14 第二太陽光パネル部、16 支柱部、16a,16b,16c,17a,17b,17c,17d,18a,18b 支持部材、19a,19b,19c,19d,19e,19f,19g ,19h,19i 連結部。
【要約】
【課題】太陽の移動によっても発電量を確保することが可能な太陽光発電システムを提供することである。
【解決手段】二面型太陽光発電システム10は、所定の角度αの傾斜で設置される第一太陽光パネル部12と、第一太陽光パネル部12と対向するように所定の角度αの傾斜で設置される第二太陽光パネル部14と、第一太陽光パネル部12と第二太陽光パネル部14とを支持するための二等辺三角形状の支持部を有する支柱部16と、を備える。
【選択図】図1


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9