(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】非常発電機能を有するバッテリー交換ステーション
(51)【国際特許分類】
H02J 7/34 20060101AFI20241105BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241105BHJP
B60L 53/80 20190101ALI20241105BHJP
B60L 53/53 20190101ALI20241105BHJP
B60L 53/66 20190101ALI20241105BHJP
【FI】
H02J7/34 G
H02J7/00 P
B60L53/80
B60L53/53
B60L53/66
(21)【出願番号】P 2023512211
(86)(22)【出願日】2022-08-01
(86)【国際出願番号】 KR2022011280
(87)【国際公開番号】W WO2023048388
(87)【国際公開日】2023-03-30
【審査請求日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】10-2021-0126278
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】クン・ウク・イ
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-176725(JP,A)
【文献】特開2016-171061(JP,A)
【文献】特開2013-062905(JP,A)
【文献】特開2009-017710(JP,A)
【文献】特開2011-147308(JP,A)
【文献】特開2010-193540(JP,A)
【文献】特開2014-225995(JP,A)
【文献】特開2008-035674(JP,A)
【文献】特開2017-091427(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0183332(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/34
H02J 7/00
B60L 53/80
B60L 53/53
B60L 53/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置された一つ以上の充電器と、
前記充電器を制御する制御器と、
前記充電器及び/または前記制御器に電源を供給するバッテリーパック交換電源と、
前記充電器がバッテリーパックと連結されるようにする一つ以上の電源コネクタと、を含み、
前記制御器は、駆動のための制御器電源と、制御信号を生成するプロセッサと、前記充電器及び/または前記バッテリーパックと通信することができる通信コネクタとを含み、
前記充電器は、前記ハウジング内に配置され、一つ以上のバッテリーパックに直流電源を供給する一つ以上の両方向DC/DCコンバータを含み、
前記制御器、前記両方向DC/DCコンバータ、及び前記バッテリーパックとの間に形成される第2DC/DCコンバータを含み、
前記バッテリーパック交換電源に電源を供給する外部交流電源が遮断されて前記制御器電源に電源が供給されない場合、前記プロセッサが
前記第2DC/DCコンバータを作動し、前記両方向DC/DCコンバータの電流方向を変更して前記バッテリーパックの電力を前記制御器電源に放電させる、非常発電機能を有するバッテリー交換ステーション。
【請求項2】
前記充電器と前記制御器との間に形成される制御スイッチをさらに含み、
前記制御スイッチは外部で物理的に操作可能な外部操作スイッチである、請求項1に記載の非常発電機能を有するバッテリー交換ステーション。
【請求項3】
前記充電器と前記制御器との間に形成される制御スイッチをさらに含み、
前記制御スイッチは、前記プロセッサとは独立的に、前記制御器電源に電源が供給されないことをセンシングし、所定の時間が経過した後、前記バッテリーパックを放電させるタイマースイッチである、請求項1に記載の非常発電機能を有するバッテリー交換ステーション。
【請求項4】
前記外部交流電源に連結され、電流を変換するAC/DCコンバータを含む、請求項
1に記載の非常発電機能を有するバッテリー交換ステーション。
【請求項5】
前記制御器はAC/DCコンバータと前記両方向DC/DCコンバータとの間に形成される、請求項
4に記載の非常発電機能を有するバッテリー交換ステーション。
【請求項6】
前記AC/DCコンバータ
と、
前記制御器
との間に形成される
第1DC/DCコンバータを含む、請求項
5に記載の非常発電機能を有するバッテリー交換ステーション。
【請求項7】
前記タイマースイッチは自己電源を含む、請求項3に記載の非常発電機能を有するバッテリー交換ステーション。
【請求項8】
前記制御器は、前記バッテリーパック交換電源及び制御器電源の電圧異常有無を判断する電圧センシングユニットを含む、請求項1に記載の非常発電機能を有するバッテリー交換ステーション。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか一項に記載の非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションの識別情報を受信する受信部と、
前記非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションから受信した識別情報及び認証情報に基づいて前記非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションとの通信連結有無を決定するCPUと、を含む、電気駆動デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年09月24日付の韓国許出願第2021-0126278号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションに関するものである。より詳しくは、停電、システムエラーなどによって、交換式バッテリーの充電のためのバッテリー交換ステーション(BSS、Battery Swapping Station)への電力供給が遮断される場合、BSSシステムのシャットダウンなしに運営可能にする非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションに関するものである。
【背景技術】
【0003】
車両の内燃機関のエンジンを電気モーターに交換しようとする動向によって電気モーターの資源である電気を車両に供給する方法に対して多くの研究が遂行されている。そのうち代表的に車両に電気バッテリーを備え、それに充電された電気を電気モーターが用いる方案が提示された。
【0004】
一方、バッテリーの充電にかかる時間が既存の内燃機関のエンジンを用いる車両に注油するのにかかる時間より長いので、車両バッテリーを充電するものではなく、車両のバッテリーを交換することで車両に電気エネルギーを供給する方案が提示されている。
【0005】
従来は、システムの化石燃料発電源及び新材生エネルギー発電源から生成された電力が負荷及びバッテリー交換ステーションに供給された。電力は、システムから負荷及び需用家に送られる単方向送電方式で供給された。
【0006】
バッテリー交換ステーションは電気エネルギーによって駆動される電気自動車のバッテリーを交換する所であり、電気自動車のバッテリーと交換可能なバッテリーを複数備えており、システムから供給された電力でバッテリーを充電する。
【0007】
バッテリー交換ステーションに備えられたバッテリーは電気自動車用バッテリーであり、大容量の電力を貯蔵することができないという限界があった。一方、燃料電池発電、風力発電及び太陽光発電などのような新材生エネルギー発電はシステムに備えられ、発電した電力をシステムに供給する方式で運用されて来た。しかし、風力発電及び太陽光発電のような新材生エネルギー発電は天気の影響を大きく受けるから、負荷への一様な電力供給を持続的に維持しにくいので、活用性が大きく落ちるという問題があった。特に、燃料電池発電の場合、負荷と連結された状態で発電が可能であるという特性によって、システムまたは負荷に異常が発生して連結が中断された場合、発電を維持することができなくなる運用の限界があった。
【0008】
このような限界はシステム及びバッテリー交換ステーションの運営の限界につながることになる。よって、スマートグリッドを介して外部電力源をシステムに連結してバッテリー交換ステーションに電力を供給したので、外部システムとの断電などの非常の際、バッテリー交換ステーションの安定的な運営に限界がある。
【0009】
また、バッテリー交換ステーションに備えられたバッテリーは大容量の電力を充電することができない限界のため、システムへの電力供給が必要になった場合、バッテリーの余裕電力のみでは適切な電力供給対応が難しいという限界がある。
【0010】
韓国登録特許第1528079号には、システムから受けた電力を大容量バッテリーに充電し、システムの運営状態によって、大容量バッテリーに充電された電力をシステムに供給することで、バッテリーに充電された電力を活用してシステムの運営及び電力需要の対応を改善する効果があるバッテリー交換ステーション及びバッテリー交換ステーションの運営方法が開示されている。しかし、システムとの断電などに対する非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションの運営に係わる技術を開示してはいない。
【0011】
韓国公開特許第2021-0075160号には、2個の入力部及び少なくとも2個の出力部を含む第1電力制御装置及び少なくとも2個の入力部及び少なくとも2個の出力部を含む第2電力制御装置のそれぞれの電力制御装置は活性モードまたは絶縁モードで動作するように構成され、ここで、活性モードで、電力制御装置の入力部及び出力部は互いに電気的に連結され、絶縁モードで、電力制御装置の入力部及び出力部は互いに電気的に絶縁され、システムは、常に一つの電力制御装置のみが活性モードで動作する一方で、他の電力制御装置は絶縁モードで動作する電力供給制御システムが開示されているが、本発明のように断電による異常電力供給の際、安定的に運用可能な非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションに関する技術は開示されていない。
【0012】
韓国登録特許第1418181号には、モード転換ボタンのターンオン(on)の際、使用者が直接バッテリーパックの充電または放電を制御するとともに、モード転換ボタンのターンオフ(off)の際、エネルギー貯蔵システムに備えられたマイコンで停電発生有無及びバッテリーパックの状態を判断してバッテリーパックの充電または放電を制御するエネルギー貯蔵システムが開示されているが、非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションに係わる技術は開示されていない。
【0013】
日本登録特許第5872494号には、レベルコンバータと、過電圧抑制用保護回路の放電を防止するための抵抗とを有する車両用電力変換装置に関する技術が開示されているが、非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションに関する技術は開示されていない。
【0014】
したがって、既存の電力網がスマートグリッド(Smart Grid)に代替されるのに伴い、負荷に無停電で電源を供給するUPS、電気自動車及び電気自動車のバッテリー充電、余裕電力または余剰電力を活用する供給者と消費者と間の両方向電力取引及び新材生エネルギー発電が強調されている時点に、上述した限界を解決してシステム及びバッテリー交換ステーションの間の運営を改善し、スマートグリッドの多様な機能及び効果を得ることができる電力供給が不可能になる非常状況の際、バッテリーパック運用方式の非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションを提示する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】韓国登録特許第1528079号公報
【文献】韓国公開特許第2021-0075160号公報
【文献】韓国登録特許第1418181号公報
【文献】特公第5872494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は前記のような問題を解決するためのものであり、停電、システムエラーなどによって交換式バッテリーの充電のためのバッテリー交換ステーション(BSS、Battery Swapping Station)への電力供給が遮断される場合、BSSシステムシャットダウンなしに運営可能にする非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような目的を達成するための本発明の非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションは、ハウジングと、前記ハウジング内に配置された一つ以上の充電器と、前記充電器を制御する制御器と、前記充電器及び/または前記制御器に電源を供給するバッテリーパック交換電源と、前記充電器がバッテリーパックと連結されるようにする一つ以上の電源コネクタとを含み、前記制御器は、駆動のための制御器電源、制御信号を生成するプロセッサ、及び前記充電器及び/または前記バッテリーパックと通信することができる通信コネクタを含み、前記バッテリーパック交換電源に電源を供給する外部交流電源が遮断されて前記制御器電源に電源が供給されない場合、前記プロセッサが制御スイッチをターンオンして前記バッテリーパックの電力を前記制御器電源に放電させる、非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションであり得る。
【0018】
また、前記制御スイッチは外部で物理的に操作可能な外部操作スイッチであってもよい。
【0019】
また、前記制御スイッチは、前記プロセッサとは独立的に、前記制御器電源に電源が供給されないことをセンシングし、所定の時間が経過した後、前記バッテリーパックを放電させるタイマースイッチであってもよい。
【0020】
また、前記充電器は、前記ハウジング内に配置され、一つ以上のバッテリーパックに直流電源を供給する一つ以上の両方向DC/DCコンバータを含むことができる。
【0021】
また、前記外部交流電源に連結され、電流を変換するAC/DCコンバータを含むことができる。
【0022】
また、前記制御器はAC/DCコンバータと前記両方向DC/DCコンバータとの間に形成されることができる。
【0023】
また、前記AC/DCコンバータ、前記両方向DC/DCコンバータ、及び前記制御器の間に形成されるDC/DCコンバータを含むことができる。
【0024】
また、前記タイマースイッチは自己電源を含むことができる。
【0025】
また、前記制御器は、前記バッテリーパック交換電源及び制御器電源の電圧異常有無を判断する電圧センシングユニットを含むことができる。
【0026】
また、本発明は、非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションの識別情報を受信する受信部と、前記非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションから受信した識別情報及び認証情報に基づいて前記非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションとの通信連結有無を決定するCPUとを含む電気駆動デバイスを提供する。
【0027】
前記電気駆動デバイスはバッテリーパックを用いた駆動力を確保するデバイスであればその製品の形態に限定されないというのは明らかである。好ましくは、前記電気駆動デバイスは、電気車、電気オートバイ、または電気カートであり得る。
【発明の効果】
【0028】
以上で説明したように、非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションは、電力供給が遮断される非常の際にもバッテリーパック運用を安定的に維持することができる効果がある。
【0029】
また、電気車両とバッテリー交換ステーションとの安定的な通信及び交換状況を維持することができるので、電気車両とバッテリー交換ステーションとの間の通信を維持することができる効果がある。
【0030】
また、バッテリーに電力を充電し、これをバッテリー交換ステーションに再供給することで、バッテリーに充電された電力を活用することができる効果がある。
【0031】
また、システム運営の変更の際、バッテリーに充電された電力をバッテリー交換ステーションに供給することで、システムの運営及び電力需要の対応を改善する効果がある。
【0032】
また、電力を貯蔵するバッテリーを活用して電力を供給するシステム、電力が充電される移動手段、及びステーションの間に電力が交換されることで、連結された機器またはシステムの間に両方向に電力を供給することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】バッテリーパックによって駆動される乗用デバイスのバッテリー交換ステーションの運用概念図である。
【
図2】従来の外部交流電源による電力運用を反映したバッテリーパック運用方式のバッテリー交換ステーションを示す図である。
【
図3】本発明の一実施例による非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションに外部電力が正常に供給されるときと断電されるときのバッテリー交換ステーションの運用を概略的に示す図である。
【
図4】本発明の一実施例による制御スイッチが適用された非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションを示す図である。
【
図5】本発明の一実施例による外部スイッチが適用された非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションを示す図である。
【
図6】本発明の一実施例によるタイマースイッチが適用された非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参照して、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができるように実施例を詳細に説明する。
【0035】
本発明の好適な実施例の動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0036】
また、図面全般にわたって類似した機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を付ける。
【0037】
明細書全般で、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の手段を挟んで間接的に連結されている場合も含む。
【0038】
また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0039】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0040】
図1はバッテリーパックによって駆動される乗用デバイスのバッテリー交換ステーションの運用概念図である。
【0041】
一実施例による電気車両のバッテリー交換システムは、サーバー、バッテリー交換ステーション、及び電気車両を含む。サーバーは統合管制センターであり得る。電気車両は電気バッテリーの充電電流を使って電気モーターによって走行する電気駆動デバイスであればいずれでも制限されないというのは明らかである。
【0042】
一実施例によるバッテリー交換システムで、サーバーは、電気車両がバッテリーを交換することができるバッテリー交換ステーションの情報を電気車両に伝送する。電気車両は、サーバーから受信したバッテリー交換ステーションの情報と一致するバッテリー交換ステーションでバッテリーの交換を遂行する。以下、サーバーが電気車両のバッテリーを交換すべきステーションと特定したバッテリー交換ステーションを目的バッテリー交換ステーションと定義する。サーバーは、電気車両の使用者が選択したステーションを目的バッテリー交換ステーションと決定することができる。もしくは、サーバーは、電気車両から最も近いステーションを目的バッテリー交換ステーションと決定することもできる。
【0043】
前記外部電力源は、前記バッテリー交換ステーションと有線で接続された電源システムラインを有することができる。前記電力グリッドに電力を供給する電源は既存の伝統的な発電源とすることができ、好ましくは新材生エネルギー発電源とすることができる。
【0044】
図1を参照すると、バッテリー交換システムで、各個体の通信方法として、サーバーと電気車両との間の通信は無線通信方法を使うことができる。サーバーと電気車両とは5GまたはLTEのような移動通信網を用いた遠距離無線通信方法で互いに通信連結されることができる。
【0045】
サーバーとバッテリー交換ステーションとの間の通信は、遠距離無線通信のような無線通信方法を使うか、または有線通信方法を使うことができる。
【0046】
バッテリー交換ステーションと電気車両との間の通信は無線通信方法で連結されることができる。
【0047】
バッテリー交換ステーションは、電力貯蔵専用の大容量バッテリー及び前記移動手段のバッテリーと互換可能な交換用バッテリーを含む複数のバッテリーと、システムから供給された電力を前記複数のバッテリーに充電し、前記システムの運営状態によって、前記複数のバッテリーに充電された電力を前記システムに供給するように、前記複数のバッテリーの充放電を制御する制御部(MCU)とを含む。
【0048】
一実施例で、前記複数のバッテリーは充放電可能な2次電池とすることができる。前記大容量バッテリーは、レドックスフロー電池(Redox Flow Battery)、NaSバッテリー(NaS Battery)及び圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES:Compressed Air Energy Storage)システムのうちのいずれか一つであり、前記交換用バッテリーは、リチウムイオンバッテリー(Lithium-ion Battery)、金属空気電池(Metal-Air Battery)及びNa系バッテリー(Na-Based Battery)のうちのいずれか一つであり得る。
【0049】
前記移動手段のバッテリーは、前記交換用バッテリーと交換された場合、前記システムから供給された電力によって充電されることができる。前記移動手段のバッテリーは、前記複数のバッテリーに充電された電力を受けて充電されることができる。一実施例で、前記移動手段のバッテリーは前記システムから電力を受けて充電され、前記移動手段のバッテリーに充電された電力を前記複数のバッテリー及び前記システムに供給することができる。
【0050】
前記複数のバッテリーに充電される電力及び前記複数のバッテリーから放電される電力を変換する電力変換装置をさらに含むことができる。一実施例で、前記電力変換装置は、AC電力をDC電力に変換するコンバータ、DC電力をAC電力に変換するインバーター、スイッチ、及び電圧を変圧する変圧器を含むことができる。
【0051】
図2は従来の外部交流電源による電力運用を反映したバッテリーパック運用方式のバッテリー交換ステーションを示す図である。
【0052】
図2を参照すると、バッテリー交換ステーションのバッテリーパック交換電源モジュールは外部交流電源、好ましくは外部電力グリッドを受けてDC電源を生成し、制御器及び充電器に電源を供給する。
【0053】
前記制御器の駆動電源を管理する制御器電源モジュールが存在することができる。
【0054】
停電のように外部交流電源が供給できない非常状況に備えてエネルギー貯蔵システム(ESS:Energy Storage System)を構築することができる。
【0055】
前記ESS構築の場合、既存の設備構成の他に追加的にバッテリー及びインバーターなどが必要であり、製造コストが上昇し、体積が大きくなる欠点がある。
【0056】
図3は本発明の一実施例によるバッテリーパック運用方式のバッテリー交換ステーションに外部電力が正常に供給されるときと断電されるときのバッテリー交換ステーションの運用を概略的に示す図である。
【0057】
図3の(a)は外部電源グリッドから正常にバッテリー交換ステーションに電力が供給される状況を示す図であり、(b)は外部電源グリッドから電力が供給されない状況を示す図である。
【0058】
(b)のように、外部電源がショートしてバッテリー交換ステーションのシステム内に電力がなければ、点線のようにMCUが一つ以上のバッテリーパックから前記バッテリー交換ステーションに電力を供給することができる。
【0059】
図4は本発明の一実施例による制御スイッチが適用された非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションを示す図である。
【0060】
(実施例1)
本発明の一実施例によるバッテリー交換ステーションは、一つのバッテリーパックに一つの充電器が連結される構成である。
【0061】
バッテリー交換ステーションのバッテリーパック交換電源モジュールは外部交流電源、好ましくは外部電力グリッドを受けてDC電源を生成し、制御器及び充電器に電源を供給する。
【0062】
前記制御器の駆動電源を管理する制御器電源モジュールが存在することができる。
【0063】
前記バッテリーパックの+極、-極が制御器に連結され、制御スイッチを介して制御器電源モジュールに連結されることができる。多数のバッテリーパックのうちの一部のみが連結されることもでき、すべてのバッテリーパックが連結されることもできる。
【0064】
前記制御スイッチは制御器電源または制御器内のプロセッサ(CPU)によって動作することができる。
【0065】
停電によって外部交流電源が断線される場合、前記制御器電源モジュールに印加されるバッテリーパック交換電源からの電力供給が中断される瞬間、前記プロセッサがこれを感知してスイッチをターンオンすることができる。
【0066】
ここで、バッテリーパックが前記制御器電源に電力を供給することができるように、前記バッテリーパックに放電命令も伝達することができる。前記命令は内部通信網を用いた通信によって伝達されるか、またはスイッチが直接信号を伝達することができる。
【0067】
前記バッテリー交換ステーションの制御ロジッグは次のようである。第1段階で、前記制御器のAC電源が切られ、これを制御機内のプロセッサが感知することができる。前記制御器の入力電圧が一定値以下に落ちれば、これをセンシングすることができる。
【0068】
第2段階で、前記一つ以上のバッテリーパックのうちのいずれか一つの内部にある放電方向スイッチをターンオンするように信号を伝送することができる。
【0069】
前記信号は内部通信信号またはアナログ信号であり得る。
【0070】
第3段階で、前記信号に応じて前記スイッチがターンオンされることができる。
【0071】
前記制御器電源が維持されることができる。
【0072】
前記スイッチは、外部で作業者が直接動作させることができるように構成されることができる。
【0073】
図5は本発明の一実施例による外部スイッチが適用された非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションを示す図である。
【0074】
(実施例2)
本発明の一実施例によるバッテリー交換ステーションは、一つのバッテリーパックに一つの充電器が連結される構成である。
【0075】
バッテリー交換ステーションのバッテリーパック交換電源モジュールは外部交流電源、好ましくは外部電力グリッドを受けてDC電源を生成し、制御器及び充電器に電源を供給する。
【0076】
前記制御器の駆動電源を管理する制御器電源モジュールが存在することができる。
【0077】
前記バッテリーパックの+極、-極が制御器に連結され、外部スイッチを介して制御器電源モジュールに連結されることができる。多数のバッテリーパックのうちの一部のみが連結されることもでき、すべてのバッテリーパックが連結されることもできる。
【0078】
前記外部スイッチは外部で作業者が直接動作させることができるように構成されることができる。
【0079】
前記実施例2で、停電によって交流電源がなくなる場合、外部の作業者が手動で外部スイッチを操作することができる。
【0080】
前記制御器電源とバッテリーパックとを連結することができるように外部スイッチが動作し、バッテリーパックの放電スイッチがターンオンされるように放電命令を伝達することができる。
【0081】
バッテリーパックは前記放電命令信号によって放電されることができる。
【0082】
前記バッテリー交換ステーションの制御ロジッグは次のようである。第1段階で、前記制御器のAC電源が切られ、制御器が終了することができる。
【0083】
第2段階で、制御器動作が終了することによって外部バッテリー交換ステーションの維持管理者が現場を訪問することができる。
【0084】
第3段階で、前記一つ以上のバッテリーパックのうちのいずれか一つの内部にある放電方向スイッチをターンオンするように外部スイッチをターンオンして信号を伝送することができる。
【0085】
前記信号は内部通信信号またはアナログ信号であり得る。
【0086】
第3段階で、前記信号に応じて前記スイッチがターンオンされることができる。
【0087】
前記制御器電源が維持されることができる。
【0088】
図6は本発明の一実施例によるタイマースイッチが適用された非常発電機能を有するバッテリー交換ステーションを示す図である。
【0089】
(実施例3)
本発明の一実施例によるバッテリー交換ステーションは一つのバッテリーパックに一つの充電器が連結される構成である。
【0090】
バッテリー交換ステーションのバッテリーパック交換電源モジュールは外部交流電源、好ましくは外部電力グリッドを受けてDC電源を生成し、制御器及び充電器に電源を供給する。
【0091】
前記制御器の駆動電源を管理する制御器電源モジュールが存在することができる。
【0092】
前記バッテリーパックの+極、-極が制御器に連結され、タイマースイッチを介して制御器電源モジュールに連結されることができる。多数のバッテリーパックのうちの一部のみが連結されることもでき、すべてのバッテリーパックが連結されることもできる。
【0093】
前記タイマースイッチは、一定時間の間に電源を自ら供給することができるエネルギー貯蔵装置を含むことができる。
【0094】
前記タイマースイッチは制御器電源または制御器内のプロセッサ(CPU)によって動作することができる。
【0095】
停電によって外部交流電源が断線される場合、前記制御器電源モジュールに印加されるバッテリーパック交換電源からの電力供給が中断されれば、一定の時間が経てばバッテリーパックが前記制御器電源に電力を供給することができるようにタイマースイッチが前記バッテリーパックに放電命令も伝達することができる。
【0096】
前記バッテリー交換ステーションの制御ロジッグは次のようである。第1段階で、前記制御器のAC電源が切られ、制御器が終了することができる。
【0097】
前記タイマースイッチは制御器電源の出力がターンオフされたことを認知する。
【0098】
第2段階で、所定の時間の後、好ましくは数秒の後、前記一つ以上のバッテリーパックのうちのいずれか一つの内部にある放電方向スイッチをターンオンするように信号を伝送することができる。
【0099】
前記信号は内部通信またはアナログ信号であり得る。
【0100】
第3段階で、前記信号に応じて前記タイマースイッチがターンオンされることができる。
【0101】
前記制御器電源が維持されることができる。
【0102】
また、前記制御器は、AC/DCコンバータと前記両方向DC/DCコンバータとの間に形成され、制御信号を生成する主制御装置(MCU:Main Control Unit)と、駆動のための制御器電源とを含むことができる。
【0103】
前記移動手段のバッテリー及び前記交換用バッテリーが交換されれば、前記移動手段のバッテリーが交換され、前記ステーションに含まれていた前記交換用バッテリーが前記移動手段に含まれ、一方、前記交換用バッテリーが交換され、前記移動手段のバッテリーは前記ステーションに含まれることができる。
【0104】
前記移動手段のバッテリーは、前記ステーションに備えられた自動バッテリー交換装置によって前記交換用バッテリーと交換されるか、または手動交換方式で前記交換用バッテリーと交換されることができる。
【0105】
前記移動手段のバッテリーは、前記交換用バッテリーと交換された場合、前記システムから供給された電力によって充電されることができる。
【0106】
また、前記AC/DCコンバータと前記MCUとの間に形成される第1DC/DCコンバータを含むことができる。
【0107】
また、前記MCUと前記両方向DC/DCコンバータ及び前記バッテリーパックとの間に形成される第2DC/DCコンバータを含むことができる。
【0108】
また、前記外部交流電源が遮断されれば、前記MCUは、前記第2DC/DCコンバータを作動して前記両方向DC/DCコンバータの電流方向を前記バッテリーパックからメイン電源に変更することができる。
【0109】
すなわち、前記移動手段のバッテリー及び前記交換用バッテリーが交換され、前記移動手段のバッテリーが前記交換用バッテリーに交換されることで、前記移動手段のバッテリーが前記ステーションに含まれ、前記システムから供給された電力が充電されることができる。
【0110】
前記移動手段のバッテリーは、前記交換用バッテリーと交換されることによって前記ステーションに含まれ、前記交換用バッテリーと交換された前記移動手段のバッテリーは、前記交換用バッテリーと同様に、前記制御部によって制御されることができる。
【0111】
前記移動手段のバッテリーは、前記交換用バッテリーと交換されることによって前記ステーションに含まれ、前記交換用バッテリーと交換された前記移動手段のバッテリーは、前記システムに充電された電力が供給されるように放電されることができ、他の移動手段のバッテリーと交換されることもできる。
【0112】
また、前記移動手段のバッテリーは、前記複数のバッテリーに充電された電力を受けて充電されることができる。すなわち、前記移動手段のバッテリーが前記交換用バッテリーと交換されず、前記複数のバッテリーに充電された電力を受けて充電されることができる。
【0113】
前記交換用バッテリーに充電された電力は優先的に前記移動手段のバッテリーに供給される。前記交換用バッテリーに充電された電力で前記移動手段のバッテリーを充電しにくい場合は、前記大容量バッテリーに充電された電力が供給されることができる。
【0114】
前記移動手段のバッテリーへの電力供給は、前記制御部が前記複数のバッテリーの充放電を制御することによって遂行されることができる。
【0115】
また、前記第2DC/DCコンバータと前記両方向DC/DCコンバータ及び前記バッテリーパックとの間に形成されるP-FETを含み、前記制御器は、前記電圧センシングユニットによる電圧値が0Vであるとき、前記P-FETをターンオンすることで、前記第2DC/DCコンバータが動作して前記両方向DC/DCコンバータの電流方向を前記バッテリーパックからメイン電源に変更することができる。
【0116】
また、本発明は、前記バッテリーパック運用方式のバッテリー交換ステーションの識別情報を受信する受信部と、前記バッテリーパック運用方式のバッテリー交換ステーションから受信した識別情報及び認証情報に基づいて、前記バッテリーパック運用方式のバッテリー交換ステーションとの通信連結有無を決定するプロセッサとを含む電気駆動デバイスを提供することができる。
【0117】
前記MCUは、前記バッテリー交換ステーションのシステムの運営状態を判断した結果、前記システムの負荷電力が既設定の基準以上の場合、前記複数のバッテリーに充電された電力が前記システムに供給されるように制御し、前記システムの負荷電力が前記既設定の基準以下の場合、すなわち、システムを介して複数のバッテリーの充電が不可能状況または前記バッテリー交換ステーション自体の運営が不可能な異常状態の場合、一つ以上のバッテリーから前記バッテリー交換ステーションの運営電力を供給するように制御することができる。
【0118】
一実施例で、前記MCUは、前記バッテリー交換ステーションの運営状態を判断した結果、前記バッテリー交換ステーションの負荷電力が最大に消費される時間帯は前記複数のバッテリーに充電される電力が最大に必要な時間帯である。このときをピークタイムと定義し、負荷電力が消費される周期を時間帯別に区分し、最大負荷電力が消費された時間帯を特定して設定することができる。
【0119】
バッテリー交換ステーションと電気車両とはWi-Fiを用いた近距離通信で連結されることができる。電気車両がバッテリー交換ステーション200に到着する場合、バッテリー交換ステーションに内蔵されたWi-Fiと電気車両に内蔵されたWi-FIとがブリッジ方式でネットワークを形成することができる。
【0120】
バッテリー交換ステーションと電気車両とは近距離通信で連結されることで、電気車両がバッテリーステーションの付近に位置する場合、自動で通信が連結されることができる。このために、バッテリー交換ステーションは、固定ローカルIPを用いたWi-Fi網を提供することができる。バッテリー交換ステーションは、どの電気車両とも接続することができるように、すべてのポートを開放することができる。このために、バッテリー交換ステーションにはDMZが設定されることができる。
【0121】
よって、電気車両が走行中にバッテリー交換ステーションの付近に到逹した場合、予め設定されたローカル固定IPを用いてバッテリー交換ステーションとWi-Fiを介して近距離通信連結を成すことができる。例えば、すべてのバッテリー交換ステーションは、同じローカル固定IPを用いて外部機器とWi-Fiを介して連結されるように設定されることができる。
【0122】
電気車両は、通信が連結されたバッテリー交換ステーションが通信連結のための目的とするバッテリー交換ステーションと一致するかを確認し、一致すれば、連結されたバッテリー交換ステーションと通信連結を持続することができる。
【0123】
一方、電気車両は、通信が連結されたバッテリー交換ステーションが通信連結のためのバッテリー交換ステーションと一致しなければ、連結されたバッテリー交換ステーションを介して目的とするバッテリー交換ステーションと通信連結をなすことができる。バッテリー交換ステーションは、サーバーにそれぞれのバッテリー交換ステーションに対するIPアドレスを尋ねることができ、尋ねた結果によって目的とするバッテリー交換ステーションと電気車両との間の通信連結を設定することができる。
【0124】
以上で、本発明内容の特定の部分を詳細に記述したが、当該分野の通常の知識を有する者に、このような具体的記述はただ好ましい実施様態であるだけで、これによって本発明の範囲が制限されるものではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であるというのは明らかなものであり、このような変形及び修正が添付の特許請求の範囲に属するというのも明らかである。
【符号の説明】
【0125】
100 ハウジング
200 充電器
210 電源コネクタ
300 制御器
310 制御器電源
320 プロセッサ
330 通信コネクタ
340 制御スイッチ
400 バッテリーパック交換電源
410 バッテリーパック
500 外部交流電源
600 外部操作スイッチ
700 タイマースイッチ