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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】厚さが均一でない電池パックケース
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/271 20210101AFI20241105BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20241105BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20241105BHJP
   H01M 50/278 20210101ALI20241105BHJP
【FI】
H01M50/271 S
H01M50/204 401E
H01M50/211
H01M50/271 B
H01M50/278
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023515022
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 KR2022008518
(87)【国際公開番号】W WO2022265418
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】10-2021-0077819
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ウ・パク
(72)【発明者】
【氏名】ボク・グン・イ
(72)【発明者】
【氏名】テ・グン・キム
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0030954(KR,A)
【文献】国際公開第2014/045628(WO,A1)
【文献】特開2003-234096(JP,A)
【文献】特開2019-009086(JP,A)
【文献】特開2021-015686(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0010345(KR,A)
【文献】特開2008-084814(JP,A)
【文献】特開2011-124204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/271
H01M 50/204
H01M 50/211
H01M 50/278
H01M 50/242
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層された電池セルスタックを内部に収容する電池パックケースであって、
前記電池パックケースは、前記電池セルスタックが装着される第1ケース、及び前記電池セルスタックを覆うように前記第1ケースと結合される第2ケースを含み、
前記第1ケースは第1平板部及び第1側面部を含み、前記第2ケースは第2平板部及び第2側面部を含み、
前記第1側面部及び前記第2側面部は、前記複数の電池セルが膨張する膨張面と対面するように配置され、
前記第2ケースは、前記第2平板部の厚さが前記第2側面部の厚さより小さく、
前記第1ケースは、前記第1平板部の厚さが前記第1側面部の厚さと同じである、電池パックケース。
【請求項2】
前記第1ケースは、前記第1平板部の長手方向の両側外周辺で前記第1平板部に対して垂直な方向に延びている2個の第1側面部を含み、
前記第2ケースは、前記第2平板部の長手方向の両側外周辺で前記第2平板部に対して垂直な方向に延びている2個の第2側面部を含む、請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項3】
複数の電池セルが積層された電池セルスタックを内部に収容する電池パックケースであって、
前記電池パックケースは、前記電池セルスタックが装着される第1ケース、及び前記電池セルスタックを覆うように前記第1ケースと結合される第2ケースを含み、
前記第1ケースは第1平板部及び第1側面部を含み、前記第2ケースは第2平板部及び第2側面部を含み、
前記第1側面部及び前記第2側面部は、前記複数の電池セルが膨張する膨張面と対面するように配置され、
前記第2ケースは、前記第2平板部の厚さが前記第2側面部の厚さより小さく、
前記第1ケースは、前記第1平板部の長手方向の両側外周辺で前記第1平板部に対して垂直な方向に延びている2個の第1側面部を含み、
前記第2ケースは、前記第2平板部の長手方向の両側外周辺で前記第2平板部に対して垂直な方向に延びている2個の第2側面部を含み、
前記第2ケースは、前記第2平板部から延びている前記第2側面部の端部が前記第2ケースの外側方向に折り曲げられたフランジ部を含み、
前記フランジ部は、前記第1ケースの前記第1側面部の端部と結合する電池パックケース。
【請求項4】
複数の電池セルが積層された電池セルスタックを内部に収容する電池パックケースであって、
前記電池パックケースは、前記電池セルスタックが装着される第1ケース、及び前記電池セルスタックを覆うように前記第1ケースと結合される第2ケースを含み、
前記第1ケースは第1平板部及び第1側面部を含み、前記第2ケースは第2平板部及び第2側面部を含み、
前記第1側面部及び前記第2側面部は、前記複数の電池セルが膨張する膨張面と対面するように配置され、
前記第2ケースは、前記第2平板部の厚さが前記第2側面部の厚さより小さく、
前記第1ケースは、前記第1平板部の長手方向の両側外周辺で前記第1平板部に対して垂直な方向に延びている2個の第1側面部を含み、
前記第2ケースは、前記第2平板部の長手方向の両側外周辺で前記第2平板部に対して垂直な方向に延びている2個の第2側面部を含み、
前記第2側面部は、端部の厚さが小さくなるように外側面に段差が形成された構造を有し、
前記第2側面部の端部は前記第1側面部の内側に挿入され、厚さの大きい段差部が前記第1側面部の端部に着座して結合されるように構成されている電池パックケース。
【請求項5】
前記第2側面部の段差部には、内部を高さ方向に貫通する垂直孔が形成されている、請求項4に記載の電池パックケース。
【請求項6】
前記垂直孔の内部には、前記垂直孔の内径より小さい内径を有し、前記垂直孔の高さより低いネジ孔が形成されている、請求項5に記載の電池パックケース。
【請求項7】
前記第2側面部の段差部には、内部を水平方向に貫通する水平孔が形成されている、請求項4に記載の電池パックケース。
【請求項8】
前記第2側面部の高さは前記第1側面部の高さより大きい、請求項2に記載の電池パックケース。
【請求項9】
前記第1ケースは、前記第1平板部の厚さが前記第1側面部の厚さより小さい、請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項10】
前記第1ケースは、前記第1平板部から延びている前記第1側面部の端部が前記第1ケースの外側方向に折り曲げられたフランジ部を含み、
前記第1ケースは、前記第1平板部の厚さが前記第1側面部の厚さより小さい形態を有し、
前記第1ケースのフランジ部及び前記第2ケースのフランジ部を貫通する形態のネジ孔が形成されている、請求項3に記載の電池パックケース。
【請求項11】
複数の電池セルが積層された電池セルスタックを内部に収容する電池パックケースであって、
前記電池パックケースは、前記電池セルスタックが装着される第1ケース、及び前記電池セルスタックを覆うように前記第1ケースと結合される第2ケースを含み、
前記第1ケースは第1平板部及び第1側面部を含み、前記第2ケースは第2平板部及び第2側面部を含み、
前記第1側面部及び前記第2側面部は、前記複数の電池セルが膨張する膨張面と対面するように配置され、
前記第2ケースは、前記第2平板部の厚さが前記第2側面部の厚さより小さく、
前記第2ケースは熱可塑性樹脂からなる電池パックケース。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の電池パックケースを含む電池パックであって、
前記電池パックケースの内部に複数の電池セルを収容し、
前記複数の電池セルの電極板が前記第1側面部及び前記第2側面部と対面するように配置される、電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年6月16日付の韓国許出願第2021-0077819号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は厚さが均一でない電池パックケースに関するものである。具体的には、電池セルの膨張によって電池パックの形態が変形することを防止することができるように、電池パックケースの位置によって厚さ差があるように形成された電池パックケースに関するものである。
【背景技術】
【0003】
ガソリンやディーゼルのような燃料を使う自動車の排気ガスが粒子状物質及び大気汚染の原因と指目されるのに伴い、これに対する代替原料として、正極と負極との間をリチウムイオンが移動することによって充電及び放電されるリチウム二次電池が注目を引いている。
【0004】
前記リチウム二次電池は、適用されるデバイスの形態、電池の容量及び出力量によって、複数の電池セルを直列または並列に連結して使うことができ、直列または並列に連結された複数の電池セルはBMS(Battery Management System)のような部材とともに電池パックケースに内蔵して電池パックを構成することができる。
【0005】
前記電池パックケースを製造するために、プレスで金属板を押圧して成形するプレス法を使うことができる。このような場合、厚さが均一な金属板材を折り曲げて電池パックケースを製造することができ、成形された電池パックケースの厚さが全部分で均一に形成されることができる。
【0006】
一般に、電池セルのスウェリングは、電極板に垂直な方向に膨張及び収縮が起こるので、前記電極板の平面に平行な電池パックケースの平面では前記膨張による圧力が印加されて体積変化が発生し得るが、それ以外の部分には体積変化が発生しない。
【0007】
すなわち、電池パックケースの外面のうち、膨張の小さい部分は厚く形成される必要がないのにもかかわらず、従来のようにプレス法で製造された電池パックケースは金属板材を折り曲げて製造するので、全体的に厚さが均一な電池パックケースを製造するしかなかった。
【0008】
しかし、電池パックケースにおいて体積変化が大きくない部分の厚さが小さくなる場合には、電池パックケースの重量を減らすことができ、電池パックケースの内部空間の活用度が高くなることができるので、電池パックケースの位置によって厚さを異に形成する必要がある。
【0009】
また、プレス法によって製造されたUフレームにトッププレートを結合するためにレーザー溶接を使う場合、両部品の間に隙間が発生するとき、溶接が難しい問題があるので、精密な公差管理が必要である。
【0010】
これに関連して、特許文献1の電池パックハウジングは、電池セルまたは電池モジュールを内部に収納するモノフレームタイプのフレーム本体を含み、前記フレーム本体は、前記電池セルまたは電池モジュールの板状外面と対面する第1面、及び前記電池セルまたは電池モジュールの側面と対面する第2面を含み、前記第1面と前記第2面とは曲面形の連結部を介して互いに連結され、前記連結部は前記第1面または第2面の厚さよりも厚い部分を含む構造を有する。
【0011】
特許文献1は、電池セルのスウェリングによる電池パックの変形を防止し、寸法安全性を向上させるために、第1面及び第2面の厚さより厚い連結部を含む構造を開示しているが、フレーム本体の第1面及び第2面の厚さを一定に形成しているので、電池パックケースにおいて体積変化が小さい部分の厚さと体積変化が大きい部分の厚さとを同じに形成している。
【0012】
特許文献2は、電池セル積層体を収容するモジュールフレームは、上部が開放した第1モジュールフレーム及び下部が開放した第2モジュールフレームを含み、前記第1モジュールフレームの側面部と前記第2モジュールフレームの側面部とが互いに重なるように電池セル積層体を取り囲んで結合する電池モジュールを開示する。
【0013】
特許文献2は、第1モジュールフレームと第2モジュールフレームとをその側面部が重なるように結合することで側面の剛性を確保しているが、前記第2モジュールフレームの側面の端部は第1モジュールフレームの下部の角部と溶接で結合される。特許文献2は前記溶接方法を限定していないが、レーザー溶接する場合には厳格な公差管理が要求され、それ以外の方法で溶接をする場合にはビードが生成して電池パックケースの外側に突出する部分が発生することがあるので、寸法安全性を確保しにくい問題が発生することがある。
【0014】
このように、複数の電池セルの充放電による膨張によって体積が変わることを防止することで、寸法安全性を確保することができるとともに、精密な公差管理を行わなくても生産性に影響を与えない電池パックケースを製造するための技術が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】韓国公開特許第2020-0077296号公報
【文献】韓国公開特許第2021-0010345号公報
【文献】特開第2013-145717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は前記のような問題を解決するためのものであり、電池パックの体積変化が大きく起こり得る部分は厚さを大きく形成し、それ以外の部分は相対的に厚さを小さく形成することで、電池パックの形態変形を防止しながら重さ増加は最小化することができるように厚さが均一でない電池パックケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような目的を達成するための本発明による電池パックケースは複数の電池セルが積層された電池セルスタックを内部に収容する電池パックケースであって、前記電池パックケースは、前記電池セルスタックが装着される第1ケース、及び前記電池セルスタックを覆うように前記第1ケースと結合される第2ケースを含み、前記第1ケースは第1平板部及び第1側面部を含み、前記第2ケースは第2平板部及び第2側面部を含み、前記第2ケースは、前記第2平板部の厚さが前記第2側面部の厚さより小さい。
【0018】
前記第1ケースは、前記第1平板部の長手方向の両側外周辺で前記第1平板部に対して垂直な方向に延びている2個の第1側面部を含み、前記第2ケースは、前記第2平板部の長手方向の両側外周辺で前記第2平板部に対して垂直な方向に延びている2個の第2側面部を含むことができる。
【0019】
前記第2ケースは、前記第2平板部から延びている前記第2側面部の端部が前記第2ケースの外側方向に折り曲げられたフランジ部を含み、前記フランジ部は、前記第1ケースの前記第1側面部の端部と結合することができる。
【0020】
前記第2側面部は、端部の厚さが小さくなるように外側面に段差が形成された構造を有し、前記第2側面部の端部は前記第1側面部の内側に挿入され、厚さの大きい段差部が前記第1側面部の端部に着座して結合されるように構成されることができる。
【0021】
前記第2側面部の段差部には、内部を高さ方向に貫通する垂直孔が形成されることができる。
【0022】
前記垂直孔の内部には、前記垂直孔の内径より小さい内径を有し、前記垂直孔の高さより低いネジ孔が形成されることができる。
【0023】
前記第2側面部の段差部には、内部を水平方向に貫通する水平孔が形成されることができる。
【0024】
前記第2側面部の高さは前記第1側面部の高さより大きい形態を有することができる。
【0025】
前記第1ケースは、前記第1平板部の厚さが前記第1側面部の厚さより小さい形態を有することができる。
【0026】
前記第1ケースは、前記第1平板部から延びている前記第1側面部の端部が前記第1ケースの外側方向に折り曲げられたフランジ部を含み、前記第1ケースは、前記第1平板部の厚さが前記第1側面部の厚さより小さい形態を有し、前記第1ケースのフランジ部及び前記第2ケースのフランジ部を貫通する形態のネジ孔が形成されることができる。
【0027】
前記第2ケースは熱可塑性樹脂からなることができる。
【0028】
また、本発明は、前記電池パックケースを含む電池パックであって、前記電池パックケースの内部に複数の電池セルを収容し、前記複数の電池セルの電極板が前記第1側面部及び第2側面部と対面するように配置される電池パックを提供する。
【0029】
また、本発明は前記課題の解決手段を多様に組み合わせた形態としても提供することができる。
【発明の効果】
【0030】
以上で説明したように、本発明による電池パックケースは所望の形態を有する金型を用いて押出成形する方法で製造することができるので、位置によって厚さ偏差がある形態の電池パックケースを製造することができる。
【0031】
すなわち、電池セルの膨張面と対面するように位置する電池パックケースの部分は相対的に厚さを大きく成形することで電池パックケースの体積変化を最小化することができ、電池セルの膨張面と対面しないように位置する電池パックケースの部分は相対的に厚さを小さく成形することで全体的な電池パックケースの重さを減らすことができ、電池パックケースの生産コストを節減することができる。
【0032】
また、厚さ減少の分だけ電池セルの大きさを増加させて電池パックの容量を増加させることができる。
【0033】
また、レーザー溶接以外の溶接方法を使うことで正確な公差管理が不必要であるので、生産性が向上することができるだけでなく、溶接によってビードが形成されても前記ビードが突出しない構造に電池パックケースを成形することで、前記ビードが電池パックケースの寸法に影響を与えない形態を具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】第1実施例による電池パックケース及び電池セルスタックの分解斜視図である。
図2】第2実施例及び第3実施例による電池パックケースの垂直断面図である。
図3】第4実施例及び第5実施例による電池パックケースの垂直断面図である。
図4】第6実施例による電池パックケースの部分斜視図である。
図5】第7実施例による電池パックケースの部分斜視図である。
図6】第8実施例による電池パックケースの斜視図である。
図7】第9実施例による電池パックケースの垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付図面を参照して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただ、本発明の好適な実施例に対する動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0036】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般で、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0037】
また、構成要素を限定するか付け加えて具体化する説明は、特別な制限がない限り、すべての発明に適用可能であり、特定の発明に限定されない。
【0038】
また、本発明の説明及び特許請求の範囲全般にわたって単数で表示したものは、別に言及しない限り、複数の場合も含む。
【0039】
また、本発明の説明及び特許請求の範囲全般にわたって「または」は、別に言及しない限り、「及び」を含むものである。したがって、「AまたはBを含む」はAを含むか、Bを含むか、A及びBの両者を含む3種の場合を意味する。
【0040】
また、すべての数値範囲は、はっきりと除くという記載がない限り、両端の値とその間のすべての中間値とを含む。
【0041】
図面を参照して詳細な実施例に基づいて本発明を説明する。
【0042】
図1は第1実施例による電池パックケース及び電池セルスタックの分解斜視図である。
【0043】
図1を参照すると、電池パックケース100は、複数の電池セル101が密着するように積層された電池セルスタック130を内部に収容する第1ケース110及び第2ケース120から構成される。
【0044】
電池セル101はパウチ型電池セルを使うことができ、図1に示すように、正極端子及び負極端子が互いに反対方向に突出した両方向電池セルだけでなく、正極端子と負極端子とが同一方向に突出した単方向電池セルも使うことができる。
【0045】
パウチ型電池セルは、金属層及び樹脂層を含むラミネートシートを成形したパウチ型電池ケースの内部に電極組立体及び電解液を収容して密封することで製造することができる。
【0046】
もしくは、電池セル101は角型電池セルまたは円筒型電池セルであり得る。
【0047】
前記電極組立体は、正極と負極とが分離膜を間に介在して積層されたスタック型電極組立体、長い分離膜シートに正極/分離膜/負極が積層されたモノセル、及び/または正極/分離膜/負極/分離膜/正極が積層されるかまたは負極/分離膜/正極/分離膜/負極が積層されたバイセルを配置して巻き取った形態のスタック/フォルディング型電極組立体、前記モノセルとバイセルとの間に分離膜を配置して積層したラミネーション/スタック型電極組立体、及び正極シートと負極シートとの間及び外側に分離膜シートを配置して巻き取ったゼリーロール型電極組立体からなる群から選択される1種以上であり得る。
【0048】
第1ケース110及び第2ケース120はUフレーム形態を有し、第1ケース110の上面に電池セルスタック130が装着され、第2ケース120は電池セルスタック130を覆うとともに第1ケース110と結合する。
【0049】
第1ケース110は、電池セルスタック130の下面と対面する第1平板部111、及び電池セルスタック130の側面と対面する第1側面部112を含み、第2ケース120は、電池セルスタック130の上面と対面する第2平板部121、及び電池セルスタック130の側面と対面する第2側面部122を含む。
【0050】
すなわち、複数の電池セル101の電極板は第1側面部112及び第2側面部122と対面するように配置されるので、第1側面部112及び第2側面部122は電池セルが膨張する膨張面と対面するように配置される。よって、第1側面部112及び第2側面部122を相対的に厚く形成することで剛性を確保することができる。
【0051】
電池セル101が角型電池セルの場合、パウチ型電池セルのように電極板が第1側面部112及び第2側面部122と対面するように配置され、円筒型電池セルの場合には、トップキャップが第1ケースの第1平板部または第2ケースの第2平板部と対面するように配置されることができる。
【0052】
第2ケースは熱可塑性樹脂からなることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンまたはポリイソプレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリエステル、及びポリアミドなどを使うことができる。
【0053】
前記第2ケースは可塑化した樹脂を押出機に入れ、金型に押し入れて成形する押出成形法で製造することができ、第2平板部及び第2側面部の厚さが均一でないように成形することができる。
【0054】
具体的には、第2ケース120は、第2平板部121の厚さD1が第2側面部122の厚さD2よりも小さい形態を有することができる。
【0055】
また、第2ケースは、押出成形法で製造される場合、後述するように、金型の設計を変更することで第2側面部の形態を多様に構成することができる。
【0056】
このように、電池セルの膨張方向(x)に垂直に配置される第2側面部122の厚さを第2平板部121の厚さよりも大きく形成することで、電池セルの膨張によって電池パックケースの体積が膨張することを防止することができる。
【0057】
また、電池セルの膨張に影響されない第2平板部121は第2側面部122より厚さを小さく形成することで、第2ケース120の重さを減らすことができ、薄くなった第2平板部121の厚さの分だけ電池セルスタック130の体積を増やすことができるので、電池パックの容量を増加させることができる。
【0058】
電池パックケース100において、第1ケース110は、第1平板部111の長手方向(z)の両側外周辺で第1平板部111に対して垂直な方向(y)に延びている2個の第1側面部112を含み、第2ケース120は、第2平板部121の長手方向(z)の両側外周辺で第2平板部121に対して垂直な方向(y)に延びている2個の第2側面部122を含む。
【0059】
第1平板部111の面積と第2平板部121の面積とは同一であり、第1側面部112のy方向の長さは第2側面部122のy方向の長さと同一であるか、またはそれより短くまたは長く形成されることができる。
【0060】
図2は第2実施例及び第3実施例による電池パックケースの垂直断面図である。
【0061】
図2を参照すると、電池パックケース200及び電池パックケース300で、第2ケース220、320は、第2平板部221、321から延びている第2側面部222、322の端部が第2ケース220、320の外側方向に折り曲げられたフランジ部225、325を含み、フランジ部225、325は第1ケース210、310の第1側面部212、312の上端部と結合する。
【0062】
フランジ部225、325は電池パックケース200、300をデバイスに装着するための部分であり、第1ケースと第2ケースとが結合した状態でフランジ部を介して電池パックケースがデバイスに装着されることができる。
【0063】
熱可塑性素材を押出成形する第2ケース220、320で、第2平板部221、321の厚さD1は第2側面部222、322の厚さD2より小さく形成されることができる。
【0064】
このように、電池セルの膨張方向Pに対して垂直に配置される第2側面部222、322の厚さをもっと厚く形成することで、電池セルの膨張の際、電池パックケースの外形が変形することを防止することができる。
【0065】
また、電池セルの膨張に影響されない第2平板部221、321は第2側面部222、322より厚さを小さく形成することで、電池パックケースの重さを減らすことができ、薄くなった第2平板部221、321の厚さの分だけ電池セルスタックの体積を増やすことができるので、電池の容量を増加させることができる。
【0066】
第2実施例による電池パックケース200のように、第1平板部211の厚さD3は第1側面部212の厚さD4と同じに形成されることができる。このように、厚さが全体的に均一な形態の第1ケース210は、板材を折り曲げて成形する方法で製造するか、または押出成形法で製造することができる。
【0067】
第3実施例による電池パックケース300のように、第1平板部311の厚さD3は第1側面部312の厚さD4より小さく形成されることができる。このように、厚さが均一でない形態の第1ケース310は、第2ケース320と同様に、押出成形法で製造することができる。
【0068】
フランジ部225、325と第1側面部212、312の端部との結合には溶接を用いることができる。レーザー溶接を使う場合、フランジ部と第1側面部の端部とが密着するように結合しなければならないが、本発明のように押出成形法で電池パックケースを製造する場合には、均一な大きさ及び形態に成形することができるので、寸法安全性が向上することができる。したがって、本発明の電池パックケースを使う場合、フランジ部と第1側面部の端部とが密着する形態を一律的に形成することができるので、これらの結合のためにレーザー溶接を適用して溶接性を確保することができる。
【0069】
もしくは、レーザー溶接の他に超音波溶接のような溶接方法を使う場合にはビードが発生することがあるが、フランジ部225、325の下部と第1側面部212、312の上端部とが結合するので、ビードはフランジ部より突出しなくなる。よって、ビードが形成されても電池パックの外郭寸法に影響を与えない。
【0070】
図3は第4実施例及び第5実施例による電池パックケースの垂直断面図である。
【0071】
図3を参照すると、第4実施例による電池パックケース400及び第5実施例による電池パックケース500は、第2側面部422、522の下端部の厚さが小さくなるように外側面に段差が形成された構造を有する。
【0072】
すなわち、第2側面部422、522は、厚さの大きい段差部423、523、及び厚さが小さく第1ケース410、510の内部に挿入される第2側面部422、522の端部を含む。
【0073】
第2側面部422、522の端部は第1側面部412、512の内側に挿入され、厚さの大きい段差部423、523が第1側面部412、512の上端部に着座することで、第1ケース410、510と第2ケース420、520とが結合される。
【0074】
第4実施例による電池パックケース400で、第2ケース420はフランジ部が形成されていない形態を有し、第1ケース410は第1平板部411の厚さが第1側面部412の厚さより小さい形態を有し、第5実施例による電池パックケース500は第2ケース520にフランジ部525が形成された形態を有し、第1ケース510は、第1平板部511の厚さが第1側面部512の厚さより小さい形態を有する。
【0075】
第2ケース420、520で、第2平板部421、521の厚さは第2側面部422、522の厚さより小さい形態を有する。
【0076】
図4は第6実施例による電池パックケースの部分斜視図である。
【0077】
図4を参照すると、第6実施例による電池パックケース600で、第1ケース610と第2ケース620とは図3に示す第4実施例による電池パックケース400と同じ形態を適用することができ、追加として、第2側面部622の段差部623に内部を高さ方向(y)に貫通する垂直孔627が形成されている。
【0078】
電池セルスタックの膨張によって電池パックケースの外形が変形することを防止するために電池パックケースの剛性を補う構造として、第2側面部622の厚さを第2平板部621の厚さより大きく形成することができるが、そうすると電池パックケースの総重量が増加するようになる。よって、第6実施例による電池パックケース600のように第2側面部622に垂直孔627を形成することで、剛性の補完とともに重さ増加を最小化する構造を具現することができる。
【0079】
図5は第7実施例による電池パックケースの部分斜視図である。
【0080】
図5を参照すると、第7実施例による電池パックケースは、図4に示す第6実施例による電池パックケース600と同様に、垂直孔727が形成されており、垂直孔727の内部にネジ孔728が形成された構造を有する。
【0081】
ネジ孔728は垂直孔727の内径より小さい内径を有し、垂直孔727の高さより低い形態を有する。
【0082】
ネジ孔728に挿入されたボルト742にナット741が締結されることで、電池パックケースをデバイスに装着させることができる。
【0083】
第6実施例による電池パックケース600は、段差部の高さに対応する深さの垂直孔627が形成されており、垂直孔627に長ボルトが挿入されることで、電池パックケース600をデバイスに装着させることができる構造を有する。
【0084】
第7実施例による電池パックケースはネジ孔728がさらに形成された構造を有する。ボルト742が締結された状態で垂直孔727の内部においてボルト742の上部が空間として残るようになる。よって、第7実施例は第2側面部722の剛性補完とともに重さ増加を最小化する効果を得ることができる構造の詳細な例となることができる。
【0085】
第6実施例による電池パックケース600に形成された垂直孔627、及び第7実施例による電池パックケースに形成された垂直孔727及びネジ孔728の構造はフランジ部が形成された第2実施例、第3実施例、及び第5実施例による電池パックケースにも同様に適用可能である。
【0086】
図6は第8実施例による電池パックケースの斜視図である。
【0087】
図6を参照すると、第8実施例による電池パックケースは、第2側面部822の段差部823に、内部を水平方向(z)に貫通する水平孔827が形成されている。電池パックは水平孔827の内部が空いている状態でデバイスに装着されるので、電池パックの重さを減らす効果がある。
【0088】
また、第2側面部822はフランジ部825を含み、フランジ部825にはネジ孔828が形成されている。ネジ孔828は、電池パックケースをデバイスに装着して固定するために、ボルトにナットを締結して結合するボルティング部になることができる。
【0089】
第1ケースで、第1平板部811及び第1側面部812の厚さは、図2に示す第2実施例または第3実施例と同様に適用可能である。
【0090】
第2ケースで、第2平板部821の厚さは第2側面部822の厚さより小さく形成される。
【0091】
図7は第9実施例による電池パックケースの垂直断面図である。
【0092】
図7を参照すると、第9実施例による電池パックケース900の第1ケース910は、第1平板部911から延びている第1側面部912の端部が第1ケース910の外側方向に折り曲げられたフランジ部915を含み、第2ケース920は、第2平板部921から延びている第2側面部922の端部が第2ケース920の外側方向に折り曲げられたフランジ部925を含む。
【0093】
第1ケース910は、第1平板部911の厚さが第1側面部912の厚さより小さい形態を有し、第2ケース920は、第2平板部921の厚さが第2側面部922の厚さより小さい形態を有する。
【0094】
第1ケース910と第2ケース920とはフランジ部の間の溶接によって結合される。
【0095】
第1ケース910のフランジ部915と第2ケース920のフランジ部925とを貫通する形態のネジ孔928が形成されているので、ネジ孔928にボルトが結合されることで、電池パックケース900をデバイスに装着することができる。
【0096】
このように、本発明による電池パックケースは熱可塑性樹脂からなり、前記熱可塑性樹脂を金型に注入して押出成形する方法で製造することで、変形の大きな部分は剛性を確保するために厚さを大きく形成し、変形の小さい部分は厚さを小さく形成することができるので、厚さの小さい部分は従来の電池パックケースの厚さより小さく形成することができる。よって、電池パックケースの変形を効果的に防止することができるだけでなく、電池パックケースの重さ増加を最小化することができ、容量が増加した電池パックを提供することができる。
【0097】
本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形が可能であろう。
【符号の説明】
【0098】
100、200、300、400、500、600.900 電池パックケース
101 電池セル
110、210、310、410、510、610、910 第1ケース
111、211、311、411、511、811、911 第1平板部
112.212、312、412、512、812、912 第1側面部
120、220、320、420、520、620、920 第2ケース
121、221、321、421、521、621、821、921 第2平板部
122、222、322、422、522、622、722、822.922 第2側面部
130 電池セルスタック
225、325.525、825.915.925 フランジ部
423、523.623、823 段差部
627.727 垂直孔
728、828、928 ネジ孔
741 ナット
742 ボルト
827 水平孔
D1 第2平板部の厚さ
D2 第2側面部の厚さ
D3 第1平板部の厚さ
D4 第1側面部の厚さ
P 電池セルの膨張方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7