(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】クリーンラベルの貯蔵安定なフレーバーデリバリーシステム
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20241105BHJP
A23L 2/39 20060101ALI20241105BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
A23L27/00 A
A23L2/00 Q
A23L2/52
(21)【出願番号】P 2019565792
(86)(22)【出願日】2018-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2018067454
(87)【国際公開番号】W WO2019002485
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-05-13
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-05
(32)【優先日】2017-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100182545
【氏名又は名称】神谷 雪恵
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジアン ヂァン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレリー ノルマン
(72)【発明者】
【氏名】アマンダ スコーバー
(72)【発明者】
【氏名】フェイ ヂァン
(72)【発明者】
【氏名】ピエール-エティエンヌ ブーケラン
【合議体】
【審判長】植前 充司
【審判官】松本 陶子
【審判官】淺野 美奈
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-107911(JP,A)
【文献】特表2016-504921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体であり、
a)アラビアゴム、ガッティガム、トラガカントゴム、カラヤゴム、イヌリン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、植物性源由来の天然ゴムから選択されるバイオポリマーと、
b)以下、
i.少なくとも1つの安定剤、及び
ii.快楽付与成分
を含むフレーバーと
を含む組成物であって、
その際、快楽付与成分を、組成物の10%~30%含み、
少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~27%含み、
バイオポリマーを、組成物の49%~85.5%含み、
組成物が、マルトデキストリンを含まず、かつ
安定剤が、単糖と二糖と有機酸との混合物を含むジュース
濃縮物であり、
快楽付与成分が、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、キーライム、シトロン、クレメンタイン、マンダリン、タンジェリン及び他の柑橘類果実、又はそれらの変種もしくは雑種から抽出された液体であって、かつ、油状物である
ことを特徴とする、前記組成物。
【請求項2】
前記ジュース
濃縮物が、乾燥させたジュース
濃縮物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記有機酸は、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、酒石酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ジュース
濃縮物が、洋ナシ
ジュース濃縮物、柑橘類果実
ジュース濃縮物、ブドウ
ジュース濃縮物及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1から
3までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記
柑橘類果実
ジュース濃縮物が、オレンジ
ジュース濃縮物及びレモン
ジュース濃縮物からなる群から選択される、請求項
4に記載の組成物。
【請求項6】
以下、
a.少なくとも1つの安定剤と、
b.快楽付与成分と
を含むフレーバーであって、
その際、少なくとも1つの安定剤をフレーバーの10%~75%含み、かつ
快楽付与成分をフレーバーの15%~90%含み、
安定剤が、単糖と二糖と有機酸との混合物を含むジュース
濃縮物であり、
快楽付与成分が、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、キーライム、シトロン、クレメンタイン、マンダリン、タンジェリン及び他の柑橘類果実、又はそれらの変種もしくは雑種から抽出された液体であって、かつ、油状物である
ことを特徴とする、前記フレーバー。
【請求項7】
請求項1から
5までのいずれか1項において定義した組成物を含む、粉末飲料、及び甘味品からなる群から選択される消費者製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改善された貯蔵寿命を有するフレーバーを含む粒子に関する。さらに、本開示は、前記粒子を製造するための方法に関する。さらに、本開示は、前記粒子を含む飲料、甘味品及び良い風味の適用に関する。
【0002】
背景技術
デンプン誘導体(例えば、マルトデキストリン又は加工デンプン)を含むフレーバーデリバリーシステムは、「クリーンラベル」成分、例えばアラビアゴム、植物多糖等を含むフレーバーデリバリーシステムと比較して、多くの食品適用においてあまり望ましくない。しかしながら、クリーンラベル成分を含むフレーバーデリバリーシステムの貯蔵寿命は、フレーバーの酸化により制限されうる。
【0003】
したがって、クリーンラベル成分を含む貯蔵安定なフレーバーデリバリーシステムが要求される。
【0004】
要約
一態様は、固体であり、
a)デンプン、植物性源由来の天然ゴム、海藻由来の天然ゴム、細菌発酵由来の天然ゴム、植物由来のタンパク質、及び植物由来の多糖からなる群から選択されるバイオポリマーと、
b)以下、
i.少なくとも1つの安定剤、及び
ii.快楽付与成分(hedonic component)
を含むフレーバーと
を含む組成物を提供し、
その際、快楽付与成分を、組成物の10%~30%含み、
少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~27%含み、かつ
バイオポリマーを、組成物の49%~85.5%含む。
【0005】
一態様は、
a)少なくとも1つの安定剤と、
b)快楽付与成分と
を含むフレーバーを提供し、
その際、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの10%~75%含み、かつ
快楽付与成分を、フレーバーの15%~90%含む。
【0006】
一態様において、植物性源由来の天然ゴムは、アラビアゴム、ガッティガム、トラガカントゴム、カラヤゴム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0007】
一態様において、海藻由来の天然ゴムは、アルギネート、寒天、及びカラゲナンからなる群から選択される。
【0008】
一態様において、細菌発酵由来の天然ゴムは、ゲランガムである。
【0009】
一態様において、植物由来のタンパク質は、大豆タンパク質である。
【0010】
一態様において、植物由来の多糖は、大豆多糖である。
【0011】
一態様において、少なくとも1つの安定剤は、植物濃縮物、有機酸、有機酸塩、糖、ハチミツ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0012】
一態様において、植物濃縮物は、乾燥させた植物濃縮物である。
【0013】
一態様において、植物濃縮物は、ジュース濃縮物である。
【0014】
一態様において、植物濃縮物は、洋ナシ濃縮物、柑橘類果実濃縮物、ブドウ濃縮物、樹液、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0015】
一態様において、柑橘類果実濃縮物は、オレンジ濃縮物及びレモン濃縮物からなる群から選択される。
【0016】
一態様において、樹液は、メープルシロップである。
【0017】
一態様において、有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、酒石酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0018】
一態様は、本明細書において提示したいくつかの態様に従った組成物を含む粉末飲料を提供する。
【0019】
一態様は、本明細書において提示したいくつかの態様に従った組成物を含む甘味品を提供する。
【0020】
一態様は、本明細書において提示したいくつかの態様に従った組成物を含む良い風味の商品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、アラビアゴムのアラビノガラクタンタンパク質複合体の構造の概略図を示す。
【
図2】
図2は、アラビアゴムの比体積(V
sp)に対する糖を含む安定剤の効果を示す。全てのキャリヤーをオレンジ油20質量%で噴霧乾燥させた。これらの試料についてのV
spの標準偏差は、<0.001cm
3/gである。
【
図3】
図3は、リモネンを含む快楽付与成分の酸化に対する糖を含む安定剤の効果を示す。全てのキャリヤーをオレンジ油20質量%で噴霧乾燥させた。OPは、リモネン酸化物及びカルボンを含む酸化生成物を表す。粉末を35℃で貯蔵した。
【
図4】
図4は、アラビアゴムの比体積(V
sp)に対する有機酸の効果を示す。全てのキャリヤーをオレンジ油20%で噴霧乾燥させた。これらの試料についてのV
spの標準偏差は、<0.001cm
3/gである。
【
図5】
図5は、グリセロール又は有機酸を7.5%含む組成物の貯蔵中の経時的な酸化生成物の濃度を示す。対照は有機酸を含まない。OPは、リモネン酸化物及びカルボンを含む酸化生成物を表す。粉末を35℃で貯蔵した。
【
図6】
図6は、種々の濃度の乾燥させた植物
濃縮物の相対比を示す。
【
図7】
図7は、本明細書において提示したいくつかの態様に従った組成物のフレーバー付与物質の保持を示す。これらの試料についてのフレーバー保持の標準偏差は、<0.8%である。
【
図8】
図8は、7.5%ジュース固形物(パネルa)又は15%ジュース固形物(パネルb)を含む、本明細書において提示したいくつかの態様に従った組成物の貯蔵中の経時的な酸化生成物の濃度を示す。OPは、リモネン酸化物、カルボン、トランス-カルベオール及びシス-カルベオールを含む酸化生成物を表す。
【0022】
発明の詳細な説明
以下の記載において、例示として示される実施されうる特定の実施形態が参照される。これらの実施形態は、当業者が本明細書に記載される本発明を実施できるように詳細に記載されており、かつ他の実施形態を利用してもよく、本明細書に提示された態様の範囲から逸脱することなく論理的な変更を行ってよいことを理解すべきである。したがって、例示的な実施形態の以下の説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、本明細書において提示される種々の態様の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0023】
要約は、読者が技術的開示の本質及び要旨を迅速に確認できるように37C.F.R.§1.72(b)に準拠するために提供される。要約は、特許請求の範囲又は意味を解釈又は制限するために使用されないという理解の下で提示される。
【0024】
本明細書において使用されるように、「クリーンラベル」という用語は、人工フレーバー、人工着色剤及び合成成分を含まない、フレーバーデリバリーシステムをいう。
【0025】
クリーンラベルの噴霧乾燥した又は押し出したフレーバーについての要求がある。デンプン誘導体、例えばマルトデキストリンを含む噴霧乾燥した、又は押し出したフレーバーは、許容できる貯蔵寿命を有する一方で、クリーンラベルと見なされない。他方で、食品バイオポリマー、例えばアラビアゴムを含む噴霧乾燥した、又は押し出したフレーバーは、クリーンラベルである一方で、しばしば貯蔵寿命が乏しい。
【0026】
あらゆる特定の理論に限定されることを意図するものではないが、快楽付与成分の損失及び/又は酸化は、貯蔵寿命の低減をもたらす。快楽付与成分の損失又は酸化によって、バイオポリマーを基礎とした従来の製品の保存期間は、しばしば18ヶ月を超えない。特に酸素に敏感である柑橘系フレーバーを付与した物質については、貯蔵寿命はさらに短く、すなわち12か月未満である。
【0027】
ある態様において、組成物の貯蔵寿命は、2年以上であってよい。代わりに、組成物の貯蔵寿命は、1ヶ月、又は2ヶ月、又は3ヶ月、又は4ヶ月、又は5ヶ月、又は6ヶ月、又は7ヶ月、又は8ヶ月、又は9ヶ月、又は10ヶ月、又は11ヶ月、又は12ヶ月、又は13ヶ月、又は14ヶ月、又は15ヶ月、又は16ヶ月、又は17ヶ月、又は18ヶ月、又は19ヶ月、又は20ヶ月、又は21ヶ月、又は22ヶ月、又は23ヶ月、又は24ヶ月、又はそれ以上であってよい。
【0028】
快楽付与成分:本明細書において使用されるように、「快楽付与成分」という用語は、消費者製品にフレーバーもしくは味を付与することができ、又は消費者製品の味及び/もしくはフレーバー又はさらに消費者製品の風合いもしくは口あたりを改質することができるものとして、着香の分野の当業者に周知である化合物をいう。
【0029】
ある態様において、快楽付与成分は、酸化を受ける(酸化可能である)。ある態様において、該構成成分は、2以上のlog P値により特徴付けられる。
【0030】
クエン酸が主な天然に生じる酸である果実に由来する又は該果実を基礎とする快楽付与成分は、制限されることなく、例えば、柑橘類果実(例えばレモン、ライム)、リモネン、イチゴ、オレンジ、及びパイナップルを含む。ある態様において、快楽付与成分は、果実から直接抽出されたレモン、ライム又はオレンジのジュースである。代わりに、ある態様において、快楽付与成分は、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、キーライム、シトロン、クレメンタイン、マンダリン、タンジェリン及びあらゆる他の柑橘類果実、又はそれらの変種もしくは雑種から抽出されたジュース又は液体を含む。
【0031】
一実施形態に従って、快楽付与成分は油状物である。
【0032】
したがって、本明細書において提示されるいくつかの態様は、固体であり、
a)デンプン、植物性源由来の天然ゴム、海藻由来の天然ゴム、細菌発酵由来の天然ゴム、植物由来のタンパク質、及び植物由来の多糖からなる群から選択されるバイオポリマーと、
b)以下、
i.少なくとも1つの安定剤、及び
ii.快楽付与成分
を含むフレーバーと
を含む組成物を提供し、
その際、快楽付与成分を、組成物の10%~30%含み、
少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~27%含み、
バイオポリマーを、組成物の49%~85.5%含む。
【0033】
ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の11%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の12%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の13%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の14%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の15%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の16%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の17%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の18%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の19%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の20%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の21%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の22%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の23%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の24%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の25%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の26%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の27%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の28%~30%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の29%~30%含む。
【0034】
ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~29%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~28%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~27%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~26%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~25%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~24%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~23%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~22%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~21%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~20%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~19%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~18%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~17%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~16%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~15%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~14%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~13%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~12%含む。ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%~11%含む。
【0035】
ある態様において、快楽付与成分を、組成物の10%、又は11%、又は12%、又は13%、又は14%、又は15%、又は16%、又は17%、又は18%、又は19%、又は20%、又は21%、又は22%、又は23%、又は24%、又は25%、又は26%、又は27%、又は28%、又は29%、又は30%含む。
【0036】
制限のない例証として及び任意の特定の理論に制限されることを意図せずにアラビアゴムを使用する
図1(「T. Mahendran, P. A. Williams, G. O. Phillips, S. Al-Assaf, T. C. Baldwin. New insights into the structural characteristics of the arabinogalactan-protein fraction of gum arabic. Journal of Agriculture and Food Chemistry, 2008, 56, 9269-9276.」から適用される)に関して、アラビアゴムは、アカシア・セネガル(Acacia senegal)又はアカシア・セヤル(Acacia seyal)の枝及び幹からの乾燥抽出物である。アラビアゴムは、3つの主な分子率を含む:アラビアゴムの約90質量%を示し、タンパク質1質量%未満を含むアラビノガラクタン(AG)、アラビアゴムの約10質量%を示し、タンパク質約10質量%を含むアラビノガラクタン-タンパク質(AGP)、及びアラビアゴムの約1質量%を示し、タンパク質25~40質量%を含む糖タンパク質(GP)。
【0037】
AGPは、約1×106Daの分子質量を有し、乳化剤として機能する。AGPは、大きい炭水化物ブロックを有し、かつ短いアラビノース基が付着したポリペプチド鎖からなる。
【0038】
あらゆる特定の理論に限定されることを意図するものではないが、快楽付与成分の損失は、酸化、又は蒸発、又はそれらの組み合わせによる。ある態様において、組成物は、安定化剤を含むことにより快楽付与成分の損失を低減する。あらゆる特定の理論に限定されることを意図するものではないが、ある態様において、安定化剤は、バイオポリマーの比体積(すなわち、ポリペプチド鎖間の間隙空間)を減少し、それによって、快楽付与成分の蒸発速度、快楽付与成分の酸化速度、又は快楽付与成分の蒸発及び酸化の組み合わせた速度を減少させる。
【0039】
組成物は、当業者に通常の技術の1つにより容易に選択される任意の適した方法により製造されてよい。前記方法の制限のない例は、押し出し、噴霧乾燥等を含む。
【0040】
ある態様において、組成物は、米国特許出願公開番号第2015/0374018号(U.S. Patent Application Publication No. 2015/0374018 A1)において開示された方法に従って噴霧乾燥により製造される。
【0041】
噴霧乾燥により製造される場合に、本発明の組成物は、
(i)快楽付与成分、安定剤、バイオポリマー及び水を含むエマルションを製造するステップ、及び
(ii)ステップ(i)のエマルションを噴霧乾燥するステップ
を含む方法により製造されうる。
【0042】
エマルションは、エマルションの合計質量に対して20~80%の水を含んでよい。
【0043】
エマルションは、エマルションの乾燥物質の全質量に対して、10質量%~30質量%の快楽付与成分、4.5質量%~27質量%の少なくとも1つの安定剤、及び49質量%~85.5質量%のバイオポリマーを含んでよい。水は、エマルションの乾燥物質に含まれないことを理解すべきである。
【0044】
エマルションを、あらゆる公知の乳化法、例えば高剪断混合、音波破砕又は均質化を使用して形成してよい。かかる乳化法は、当業者に周知である。
【0045】
ある態様において、組成物は、国際特許出願公開番号第2016/102426号(International Patent Application Publication No. WO 2016/102426 A1)において開示された方法に従って二軸スクリュー押し出しにより製造される。
【0046】
バイオポリマー:ある態様において、バイオポリマーは、デンプン、植物源由来の天然ゴム、海藻由来の天然ゴム、細菌発酵由来の天然ゴム、植物由来のタンパク質、植物由来の多糖、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0047】
ある態様において、組成物は、加工デンプン及び/又はマルトデキストリンを有さない。
【0048】
本明細書において使用されるように、「天然ゴム」という用語は、低い濃度でさえも、溶液の粘度における大きな増加を生じることができる天然源の多糖をいう。食品産業において、それらは、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤及び安定剤として使用される。
【0049】
天然ゴムは、非電荷の多糖、或いはイオン性多糖(本明細書では高分子電解質ともいわれる)であってよい。ある態様において、天然ゴムはイオン性多糖である。
【0050】
ある態様において、イオン性多糖は、アラビアゴム、ガッティガム、トラガカントゴム、カラヤゴム、アルギネート、寒天、カラゲナン、ゲランガム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0051】
ある態様において、植物性源由来の天然ゴムは、アラビアゴム、ガッティガム、トラガカントゴム、カラヤゴム、イヌリン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0052】
ある態様において、海藻由来の天然ゴムは、アルギネート、寒天、及びカラゲナンからなる群から選択される。
【0053】
ある態様において、細菌発酵由来の天然ゴムは、ゲランガムである。
【0054】
ある態様において、植物由来のタンパク質は、大豆タンパク質である。
【0055】
ある態様において、植物由来の多糖は、大豆多糖である。
【0056】
ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の50%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の50.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の51%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の51.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の52%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の52.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の53%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の53.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の54%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の54.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の55%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の55.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の56%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の56.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の57%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の57.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の58%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の58.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の59%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の59.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の60%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の60.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の61%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の61.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の62%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の62.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の63%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の63.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の64%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の64.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の65%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の65.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の66%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の66.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の67%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の67.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の68%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の68.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の69%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の69.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の70%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の70.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の71%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の71.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の72%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の72.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の73%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の73.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の74%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の74.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の75%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の75.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の76%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の76.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の77%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の77.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の78%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の78.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の79%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の79.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の80%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の80.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の81%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の81.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の82%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の82.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の83%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の83.5%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の84%~85.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の84.5%~85.5%含む。
【0057】
ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~85%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~84.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~84%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~83.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~82%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~81.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~80%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~79.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~79%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~78.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~78%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~77.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~77%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~76.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~76%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~75.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~75%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~74.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~74%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~73.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~73%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~72.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~72%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~71.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~71%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~70.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~70%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~69.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~69%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~68.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~68%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~67.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~67%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~66.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~66%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~65.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~65%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~64.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~64%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~63.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~63%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~62.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~62%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~61.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~61%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~60.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~60%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~59.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~59%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~58.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~58%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~57.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~57%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~56.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~56%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~55.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~55%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~54.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~54%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~53.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~53%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~52.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~52%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~51.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~51%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~50.5%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%~50%含む。ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49.5%~50%含む。
【0058】
ある態様において、バイオポリマーを、組成物の49%、又は49.5%、又は50%、又は50.5%、又は51%、又は51.5%、又は52%、又は52.5%、又は53%、又は53.5%、又は54%、又は54.5%、又は55%、又は55.5%、又は56%、又は56.5%、又は57%、又は57.5%、又は58%、又は58.5%、又は59%、又は59.5%、又は60%、又は60.5%、又は61%、又は61.5%、又は62%、又は62.5%、又は63%、又は63.5%、又は64%、又は64.5%、又は65%、又は65.5%、又は66%、又は66.5%、又は67%、又は67.5%、又は68%、又は68.5%、又は69%、又は69.5%、又は70%、又は70.5%、又は71%、又は71.5%、又は72%、又は72.5%、又は73%、又は73.5%、又は74%、又は74.5%、又は75%、又は75.5%、又は76%、又は76.5%、又は77%、又は77.5%、又は78%、又は78.5%、又は79%、又は79.5%、又は80%、又は80.5%、又は81%、又は81.5%、又は82%、又は82.5%、又は83%、又は83.5%、又は84%、又は84.5%、又は85%、又は85.5%含む。
【0059】
少なくとも1つの安定剤:ある態様において、少なくとも1つの安定剤は、植物濃縮物、有機酸、有機酸塩、糖、ハチミツ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0060】
植物濃縮物は、乾燥されているか又は液体であってよい。特定の実施形態に従って、植物濃縮物は乾燥されている。
【0061】
ある態様において、少なくとも1つの安定剤は糖である。ある態様において、糖は、フルクトース、グルコース、スクロース、マルトース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0062】
実施例1並びに
図2及び3に関して、少なくとも1つの安定剤としての糖の使用は、快楽付与成分の酸化を低減させる。
【0063】
ある態様において、少なくとも1つの安定剤は有機酸である。ある態様において、有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、酒石酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0064】
有機酸を大量に使用する場合に、ゆっくりとした活性成分の放出を観察できることが示されている。
【0065】
ある態様において、有機酸は、組成物の全質量に対して12質量%よりも多い量で使用される。
【0066】
実施例2並びに
図4及び5に関して、少なくとも1つの安定剤としての有機酸の使用は、快楽付与成分の酸化を低減させる。
【0067】
ある態様において、植物濃縮物は、ジュース濃縮物である。
【0068】
ある態様において、植物濃縮物は、乾燥されており、かつジュース濃縮物である。ジュース濃縮物は、野菜及び/又は果実のジュース濃縮物を含む。
【0069】
ある態様において、乾燥させた植物濃縮物は、洋ナシ濃縮物、柑橘類果実濃縮物、ブドウ濃縮物、樹液、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0070】
ある態様において、柑橘類果実濃縮物は、オレンジ濃縮物及びレモン濃縮物からなる群から選択される。
【0071】
ある態様において、樹液は、メープルシロップである。
【0072】
ある態様において、植物濃縮物は、単糖と二糖との、及び任意に有機酸との混合物を含む。
【0073】
実施例3及び
図6に関して、ある態様において、乾燥させた植物
濃縮物は、有機酸と単糖と二糖との混合物を含む。
【0074】
ある態様において、乾燥させた植物濃縮物は、有機酸5~90%を含む。
【0075】
ある態様において、乾燥させた植物濃縮物は、二糖1~99%を含む。
【0076】
ある態様において、乾燥させた植物濃縮物は、フルクトース1~60%を含む。
【0077】
ある態様において、乾燥させた植物濃縮物は、グルコース1~40%を含む。
【0078】
ある態様において、乾燥させた植物濃縮物は、グルコース25%、フルクトース60%、二糖6%、及び有機酸5%を含む。
【0079】
ある態様において、乾燥させた植物濃縮物は、グルコース37%、フルクトース47%、及び二糖11%を含む。
【0080】
ある態様において、乾燥させた植物濃縮物は、フルクトース9%、二糖5%、及び有機酸86%を含む。
【0081】
ある態様において、乾燥させた植物濃縮物は、フルクトース47%、二糖42%、及び有機酸8%を含む。
【0082】
ある態様において、乾燥させた植物濃縮物は、二糖98%を含み、残りはグルコース及びフルクトースを含む。
【0083】
ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の5.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の6%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の6.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の7%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の7.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の8%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の8.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の9%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の9.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の10%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の10.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の11%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の11.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の12%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の12.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の13%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の13.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の14%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の14.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の15%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の15.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の16%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の16.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の17%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の17.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の18%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の18.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の19%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の19.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の20%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の20.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の21%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の21.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の22%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の22.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の23%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の23.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の24%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の24.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の25%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の25.5%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の26%~27%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の26.5%~27%含む。
【0084】
ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~26.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~26%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~25.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~25%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~24.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~24%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~23.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~23%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~22.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~22%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~21.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~21%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~20.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~20%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~19.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~19%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~18.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~18%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~17.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~17%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~16.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~16%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~15.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~15%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~14.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~14%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~13.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~13%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~12.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~12%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~11.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~11%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~10.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~10%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~9.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~9%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~8.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~8%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~7.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~7%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~6.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~6%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~5.5%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、組成物の4.5%~5%含む。
【0085】
ある態様において、少なくとも1つの安定剤は、組成物の4.5%、又は5%、又は5.5%、又は6%、又は6.5%、又は7%、又は7.5%、又は8%、又は8.5%、又は9%、又は9.5%、又は10%、又は10.5%、又は11%、又は11.5%、又は12%、又は12.5%、又は13%、又は13.5%、又は14%、又は14.5%、又は15%、又は15.5%、又は16%、又は16.5%、又は17%、又は17.5%、又は18%、又は18.5%、又は19%、又は19.5%、又は20%、又は20.5%、又は21%、又は21.5%、又は22%、又は22.5%、又は23%、又は23.5%、又は24%、又は24.5%、又は25%、又は25.5%、又は26%、又は26.5%、又は27%含む。
【0086】
本明細書において提示されるある態様は、
a)少なくとも1つの安定剤と、
b)快楽付与成分と
を含むフレーバーを提供し、
その際、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの10%~75%含み、かつ
快楽付与成分を、フレーバーの15%~90%含む。
【0087】
ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの10%~70%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの10%~65%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの10%~60%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの10%~55%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの10%~50%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの10%~45%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの10%~40%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの10%~35%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの10%~30%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの10%~25%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの10%~20%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの10%~15%含む。
【0088】
ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの15%~70%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの20%~70%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの25%~70%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの30%~70%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの35%~70%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの40%~70%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの45%~70%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの50%~70%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの55%~70%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの60%~70%含む。ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの65%~70%含む。
【0089】
ある態様において、少なくとも1つの安定剤を、フレーバーの15%、又は20%、又は25%、又は30%、又は35%、又は40%、又は45%、又は50%、又は55%、又は60%、又は65%、又は70%含む。
【0090】
ある態様において、フレーバーを、さらにバイオポリマーと合して、本明細書において提示されるいくつかの態様に従った組成物を形成する。
【0091】
本明細書において提示されるいくつかの態様に従った組成物の使用:本明細書において提供される組成物は、飲料、液体乳製品、調味料、焼成製品、フロスティング、ベーカリーフィリング、キャンディー、チューインガム及び他の食品製品にフレーバーを提供するために適していてよい。
【0092】
飲料は、制限されることなく、コーラ、レモン-ライム、ルートビア、ヘビーシトラス(“デュータイプ”)、フルーツフレーバー及びクリームソーダを含む炭酸ソフトドリンク;粉末ソフトドリンク、並びに液体濃縮物、例えばファウンテンシロップ及びコーディアル;コーヒー及びコーヒー系ドリンク、コーヒー代用品及びシリアル系飲料;ドライミックス製品及びすぐ飲める紅茶(ハーブ及び茶葉ベース)を含む茶;フルーツジュース及び野菜ジュース及びジュースフレーバー飲料並びにジュースドリンク、ネクター、濃縮物、パンチ及び“エード”;炭酸及びスチルの加糖及びフレーバー水;スポーツ/エナジー/健康ドリンク;ビール及び麦芽飲料、サイダー及びワイン(スチル、スパークリング、酒精強化ワイン及びワインクーラー)を含むアルコール飲料とアルコールフリー及び他の低アルコール製品;加熱(煎じ出し、加熱殺菌、超高温度、オーム加熱又は工業用無菌殺菌)及び熱充填包装で加工した他の飲料;並びに濾過又は他の保存技術を介して製造した清涼充填製品を含む。
【0093】
液体乳製品は、凍結していない、部分的に凍結した及び凍結した液体乳製品、例えばミルク、アイスクリーム、ソルベ及びヨーグルトを含むが、それらに制限されない。
【0094】
調味料は、ケチャップ、マヨネーズ、サラダドレッシング、ウスターソース、フルーツフレーバーソース、チョコレートソース、トマトソース、チリソース、及びマスタードを含むが、それらに制限されない。
【0095】
焼成製品は、ケーキ、クッキー、ペーストリー、パン、ドーナツ等を含むが、それらに制限されない。
【0096】
ベーカリーフィリングは、低い又は中性pHのフィリング、高い、中程度の又は低い固形フィリング、フルーツ又はミルクベース(プリンタイプ又はムースタイプ)フィリング、温かい又は冷たいフィリング、及び無脂から全脂肪のフィリングを含むが、それらに制限されない。
【0097】
ある態様は、本明細書において提示したいくつかの態様に従った組成物を含む粉末飲料を提供する。
【0098】
ある態様は、本明細書において提示したいくつかの態様に従った組成物を含む甘味品を提供する。
【0099】
ある態様は、本明細書において提示したいくつかの態様に従った組成物を含む風味のある商品を提供する。
【0100】
ある態様は、本明細書において提示したいくつかの態様に従った組成物を含む練り歯磨きを提供する。
【0101】
本発明は、最良に説明されているが、以下の実施例に限定されず、その際略語は、技術において通常の意味を有し、温度は、摂氏度(℃)で示される。
【0102】
実施例
実施例1:糖を含む安定化剤
10DEマルトデキストリン80%と糖20%とを含む組成物を、オレンジ油20%で噴霧乾燥させた。得られた粉末の物理的特性を表1に示す。
【0103】
全ての試料は、その高い含水率(又はAw)により、グルコース20%を含むものを除いて比較的高いガラス転移温度Tg(74~84℃)を有した。二糖を含む組成物は、その高い数平均分子量(Mn)によってより高いTg値を有した。
【0104】
【0105】
マトリックス密度を、TEC温度制御モジュールを備えたAccuPyc II 1340 Pycnometer(Micromeritics Instrument Corp.社(Norcross、GA、USA)製)を使用して全ての新しい試料について測定した。粉末を、IKA(登録商標)A11 basic Analytical batch mill(IKA(登録商標)Works, Inc.社(Wilmington、NC、USA)製)を使用して微粉砕した。噴霧乾燥粉末試料約20gを、粉砕ビーカーに計量分配し、そしてその試料を、液体窒素の一部を添加することにより冷却させた。添加した液体窒素が完全に蒸発したら、その材料を30秒間粉砕し、続いて1分間休止し、そしてさらに30秒間粉砕した。冷却及び粉砕のこのプロセスを、平均粒径が15~20μmに達するまで繰り返し、その後粉砕した材料を分析のために回収した。この粉砕プロセスにより、ヘリウムを粒子中に本来含まれていたミクロ/マクロ孔に完全に到達させることを可能にする。
【0106】
マトリックス比体積(Vsp)を、以下のように表すことができる:
【数1】
[式中、ρ
p(g cm
3)は、凍結粉砕後の噴霧乾燥粒子の密度であり、X
o(粉末1gあたりの油状物(g))は、油状物の含有率であり、かつρ
oは、油状物の密度(g cm
3)である]。ρ
p、X
o及びρ
oを、それぞれ、ヘリウム置換ピクノメーター、時間領域NMR及び密度メーターにより測定できる。
【0107】
酸化生成物(OP、すなわちリモネン酸化物及びカルボン)を、ガスクロマトグラフィ(GC)により35℃で貯蔵している間に監視した。三回測定した平均を報告した。酸化生成物の濃度(mg(OP)/g(油状物)(油状物1gあたりのOP(mg)))を、貯蔵時間の平方根(日数1/2)の関数としてプロットした。酸化生成物濃度(mg(OP)/g(油状物))対、貯蔵時間の平方根(日数1/2)の線形回帰を実施した。酸化速度を、線形回帰(mg(OP)/g(油状物)/日数1/2)の勾配として定義した。
【0108】
図2において示されるように、単糖(グルコース又はフルクトース)を含む組成物は、二糖(スクロース又はマルトース)を含む組成物よりも低い比体積を呈した。さらに、リモネンの酸化速度は、比体積と同様のパターンとなった(
図3を参照されたい)。
【0109】
まとめると、これらのデータは、酸化に対するキャリヤーバリア特性の改善において単糖を導入することが二糖よりも効果的であることを示す。さらに、単糖は、組成物中に導入されると酸化速度を低減する点で二糖より優れている。
【0110】
実施例2:有機酸を含む安定化剤
アラビアゴムと有機酸とを含む組成物を、
図4に挙げた割合に従って、20%オレンジ油で噴霧乾燥させた。100%アラビアゴムを有する試料を対照として供給した。
図4は、リンゴ酸及びクエン酸がアラビアゴムの比体積を減少させた一方で、グリセロールがアラビアゴムの比体積を増加させたことを証明する。酸化生成物(すなわちリモネン酸化物及びカルボン)を、35℃及び0.33の制御した水活性で貯蔵している間に監視した。
図5は、アラビアゴムにグリセロール導入することがリモネンの酸化を増加させる一方で、アラビアゴムにリンゴ酸及びクエン酸を導入することが、リモネンの酸化を減少させることを示す。まとめると、これらのデータは、バイオポリマー中への有機酸の導入が、快楽付与成分の酸化を減少させることを示唆する。
【0111】
あらゆる特定の理論に制限されることを意図しないが、ここでは、グリセロールの追加が、アラビアゴムとグリセロールとの間に新たな水素結合を形成することによって、アラビアゴム鎖間の水素結合を広範囲にわたって破壊されると推測される。結果として、ポリマー鎖が開いて、より大きな分子移動度をもたらす。これに反して、有機酸及び糖は比較的大きな分子である。これらの大きな分子の導入は、ポリマー鎖間の水素結合の破壊が少なくなり、代わりにポリマー鎖間の分子の絡み合いが大幅に減少し、したがって分子移動度が低下する。
【0112】
実施例3:乾燥させた植物濃縮物を含む安定化剤
アラビアゴムと乾燥させた植物濃縮物を含む濃縮物とを含む組成物を、表2において挙げるように、16%オレンジ油で噴霧乾燥させた。18DEマルトデキストリン90%とCapsul(登録商標)(改質した食品用デンプン)10%とを含む対照組成物も、同量のオレンジ油で製造した。
【0113】
図7に関して、全ての試料が、93%より大きい油状物の保持を示した。全ての噴霧乾燥させた粉末の酸化安定性を、Parr反応器を使用して加速条件(35℃及び3.5bar(酸素))下で評価した。酸化生成物(シス-及びトランス-リモネン酸化物、カルボン、並びにシス-及びトランス-カルベオール)を、定義した時間後に、固相ミクロ抽出及びガスクロマトグラフィ-質量分析(SPME-GC-MS)を使用して定量した。
図8に関して、酸化生成物の濃度は、ジュース固形物のタイプにかかわらず、貯蔵中に全ての試料で増加した。興味深いことに、それらの同様の酸化速度により証明されたように、7.5%のジュース固形物を含むキャリヤーは、参照と同様に機能した。一方で、アラビアゴムに15%のジュース固形物を加えると、参照と比較してはるかに優れた安定性(酸化速度の低下)をもたらした。これらのジュース固形物の化学組成(糖及び有機酸のタイプ)は非常に異なるにもかかわらず、酸化速度における顕著な差異は観察されず、低レベル(すなわち15質量%未満)で導入された場合に、安定性の観点からジュース固形物のタイプは重要でなくてよいことを示している。
【0114】
【0115】
本明細書を通して引用された刊行物は、その全体を参照をもって本明細書に組み込まれたものとする。本発明の種々の態様は、実施例及び好ましい実施形態を参照することにより前記で例示されているが、本発明の範囲は上記の説明によってではなく特許法の原理の下で適切に解釈される特許請求の範囲により定義されることが評価される。
【0116】
実施例4:本発明による組成物の製造(押出プロセス)
BC-21同時回転二軸スクリュー押出機(Clextral、Firminy France、L/D=32)を使用して、一重のコールドプレスオレンジ油を固体の微粒子形にカプセル化した。アラビアゴムを、ロス・イン・ウェイト粉末フィーダーにより8.0~9.0kg/hrの流量で押出機に供給した。オレンジ油を、1.0kg/hrの流量で押出機に注入した。植物濃縮物(すなわち、洋ナシジュース濃縮物及び白ブドウジュース濃縮物)を、1.0kg/hrの流量で押出機に注入した。双方のジュース濃縮物は、およそ固体70%及び水30%を含む。少量の潤滑剤及び水を押出機に注入して、ガラス転移温度(Tg)20~40℃を有する押出粒子を得た。押出機バレルの温度設定点は、20~100℃の範囲であった。スクリュー速度は500rpmで一定に維持した。炭水化物溶融物を、直径1mmの孔を有するダイプレートを通して押し出した。定常状態の押出条件を確立した後に、粒子を、回転切断刃/ナイフにより切断し、そして粒子を710~1400μmの間でふるい分けした。その試料を、含油量及びガラス転移温度の分析のために収集した。
【0117】
押出粒子の配合物及び物理的特性を表3に記載した。データは、アラビアゴム中へのジュース濃縮物の導入が押出粒子中に保持された油状物含有率を高めたことを示す。さらに、ジュース濃縮物を有する配合物は、参照よりもマトリックス比体積が低く、酸化速度の減少を導き、貯蔵安定性を向上する。
【0118】
【0119】
実施例5:本発明による組成物の製造(押出プロセス)
ラベルスケール同時回転二軸スクリュー押出機(EuraLab、ThermoScientific、L/D=32)を使用して、一重のコールドプレスオレンジ油を固体の微粒子形にカプセル化した。押出機は、温度制御と無関係に6バレルからなる。粉末(アラビアゴム、又はアラビアゴムとクエン酸との混合物)を、0.5kg/hrの流量で押出機に供給した。オレンジ油及び水を、適切な流量で押出機に注入した。フィーダーからダイ末端までのバレル温度を、20℃、20℃、20℃、90℃、100℃、110℃に設定する。スクリュー速度を150rpmに維持した。その溶融物を、直径1.0mmの孔を有するダイプレートを通して押し出した。ダイ温度を100℃に設定した。定常状態の押出条件を確立した後に、ダイを通ったストランドを、回転切断刃/ナイフにより切断した。
【0120】
押出粒子の配合物及び物理的特性を表4に記載した。
【0121】
【0122】
固相ミクロ抽出(SPME)及びガスクロマトグラフィ-質量分析(GC-MS)を使用したヘッドスペース分析を、双方の試料について実施した。押出粒子を、160rpm/sで磁気撹拌しながら2Lビーカー中水1000mLに添加した。少量の溶液を、0秒、15秒、30秒、60秒、120秒、240秒、480秒、600秒、及び720秒の時間感覚でヘッドスペース分析のために採取した。種々の時間点でのヘッドスペースにおけるリモネンの濃度を定量した。クエン酸を有さない試料はより早く放出し、100%リモネンは10~15分後に放出したことを観察した。対照的に、クエン酸を有する試料は、非常に遅く放出し、かつ100%リモネンの放出は40~50分後に生じた。したがって、アラビアゴム中へのクエン酸の導入は、いくつかの適用において望ましくてよい、より遅い放出特性を付与した。