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特許7580921ゲームプログラム、方法、及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20241105BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20241105BHJP
   A63F 13/77 20140101ALI20241105BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/792
A63F13/77
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020007465
(22)【出願日】2020-01-21
(65)【公開番号】P2021112465
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2023-01-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2019年9月30日から2020年1月21日に以下のアドレスにて発表 https://colopl.co.jp/colopl_babel/ https://twitter.com/colopl_babel https://www.youtube.com/channel/UCJ3uxlT89RdzoqUV1Chpq-A 2019年4月10日に以下のアドレスにて発表 https://app.famitsu.com/20190410_1437379/ https://gamewith.jp/gamedb/article/game/show/4446/5531?from=ios https://www.inside-games.jp/article/2019/04/10/121650.html http://dengekionline.com/elem/000/001/902/1902248/ https://www.gamer.ne.jp/news/201904100002/ https://gamebiz.jp/?p=235735 https://game8.jp/articles/557527 https://gamerch.com/topics/article/1025 https://www.4gamer.net/games/442/G044207/20190401133/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2019年5月30日に以下のアドレスにて発表 https://www.youtube.com/watch?v=Re_FcH4qc7I 2019年5月31日に以下のアドレスにて発表 https://www.youtube.com/watch?v=511yFdn9XHM https://www.youtube.com/watch?v=iAgaF4ifgtI https://www.youtube.com/watch?v=aZ5YRgCd3lo https://www.youtube.com/watch?v=_qYkow4GzQg 2019年5月30日から2019年12月13日に以下のアドレスにて発表 https://apps.apple.com/jp/app/%E6%9C%80%E6%9E%9C%E3%81%A6%E3%81%AE%E3%83%90%E3%83%99%E3%83%AB/id1444247054 https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.colopl.babel&hl=ja
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】福塚 翼
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特許第6614376(JP,B1)
【文献】特開2017-205177(JP,A)
【文献】特開2019-170737(JP,A)
【文献】特開2013-172955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
ゲームにおいて利用可能である複数のゲーム媒体の中から、選択テーブルに基づいて2以上のゲーム媒体を選択する選択処理をユーザの操作入力に基づいて実行する第1の選択手段と、
前記選択処理で選択された前記ゲーム媒体を前記ユーザに付与する第1の付与手段と、
前記選択処理のために消費される仮想通貨の消費量に応じたポイントを前記ユーザに付与する第2の付与手段、
として機能させ、
前記選択テーブルには、それぞれ異なる複数の希少度を有するゲーム媒体の選択確率が設定されており、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
前記ポイントが所定のしきい値以上となった場合には、前記選択確率に関わらず、前記複数の希少度を有するゲーム媒体のうち希少度が最も高い対象ゲーム媒体が確定的に選択される確定選択処理を実行する第2の選択手段としてさらに機能させ、
前記確定選択処理は、前記ユーザの操作入力に基づいて実行され、
前記複数のゲーム媒体は、複数の異なる属性を有するゲーム媒体を含み、
前記操作入力は、第一操作入力と第二操作入力とを含み、
前記第一操作入力に基づいて、前記対象ゲーム媒体が確定的に選択され、
前記第二操作入力に基づいて、複数の異なる属性を有する前記対象ゲーム媒体のうち、希少度のより高い属性を有する対象ゲーム媒体が確定的に選択される、プログラム。
【請求項2】
定価よりも割引かれた仮想通貨を消費して前記選択処理を実行した場合、又は仮想通貨を消費せずに前記選択処理が実行可能な機会を利用して前記選択処理を実行した場合には、定価の仮想通貨を消費して前記選択処理を実行した場合よりも、前記ポイントの加算が少なくなる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
記ユーザは前記確定選択処理を実行する際に消費される前記ポイントを選択可能であり、
前記確定選択処理のために利用される前記ポイントが多いほど、前記複数の異なる属性のうち希少度のより高い対象ゲーム媒体が確定的に選択される、請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1の選択手段は、前記複数の異なる属性のゲーム媒体のうち特定の属性を有するゲーム媒体が、前記選択処理によって選択されたゲーム媒体の数以下含まれるように前記選択処理を実行する、請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
コンピュータがプログラムを実行する方法であって、
前記コンピュータが、
ゲームにおいて利用可能である複数のゲーム媒体の中から、選択テーブルに基づいて2以上のゲーム媒体を選択する選択処理をユーザの操作入力に基づいて実行するステップと、
前記選択処理で選択された前記ゲーム媒体を前記ユーザに付与するステップと、
前記選択処理のために消費される仮想通貨の消費量に応じたポイントを前記ユーザに付与するステップと、
を実行することを含み、
前記選択テーブルには、それぞれ異なる複数の希少度を有するゲーム媒体の選択確率が設定されており、
前記コンピュータが、
前記ポイントが所定のしきい値以上となった場合には、前記選択確率に関わらず、前記複数の希少度を有するゲーム媒体のうち希少度が最も高い対象ゲーム媒体が確定的に選択される確定選択処理を実行するステップをさらに実行することを含み、
前記確定選択処理は、前記ユーザの操作入力に基づいて実行され、
前記複数のゲーム媒体は、複数の異なる属性を有するゲーム媒体を含み、
前記操作入力は、第一操作入力と第二操作入力とを含み、
前記第一操作入力に基づいて、前記対象ゲーム媒体が確定的に選択され、
前記第二操作入力に基づいて、複数の異なる属性を有する前記対象ゲーム媒体のうち、希少度のより高い属性を有する対象ゲーム媒体が確定的に選択される、方法。
【請求項6】
1または複数の情報処理装置を備える情報処理システムであって、
ゲームにおいて利用可能である複数のゲーム媒体の中から、選択テーブルに基づいて2以上のゲーム媒体を選択する選択処理をユーザの操作入力に基づいて実行する処理と、
前記選択処理で選択された前記ゲーム媒体を前記ユーザに付与する処理と、
前記選択処理のために消費される仮想通貨の消費量に応じたポイントを前記ユーザに付与する処理と、を行い、
前記選択テーブルには、それぞれ異なる複数の希少度を有するゲーム媒体の選択確率が設定されており、
さらに、前記ポイントが所定のしきい値以上となった場合には、前記選択確率に関わらず、前記複数の希少度を有するゲーム媒体のうち希少度が最も高い対象ゲーム媒体が確定的に選択される確定選択処理を実行し、
前記確定選択処理は、前記ユーザの操作入力に基づいて実行され、
前記複数のゲーム媒体は、複数の異なる属性を有するゲーム媒体を含み、
前記操作入力は、第一操作入力と第二操作入力とを含み、
前記第一操作入力に基づいて、前記対象ゲーム媒体が確定的に選択され、
前記第二操作入力に基づいて、複数の異なる属性を有する前記対象ゲーム媒体のうち、希少度のより高い属性を有する対象ゲーム媒体が確定的に選択される、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームにおいて利用可能なオブジェクトを取得する抽選処理を、複数回連続して実行可能なゲームが公知である。特許文献1では、ユーザの操作に基づいて複数のゲーム内要素から少なくとも1つのゲーム内要素を選択する選択機能と、ユーザと、選択回数と、選択結果とを対応付けて記憶する記憶手段を参照し、選択の結果が反映されるよう選択回数と選択結果とを更新する更新機能と、選択回数が所定数に達した際に、選択結果に所定のゲーム内要素が含まれない場合には所定の特典をユーザに付与する付与機能とを実現させるプログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-140731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のようなゲームにおいて、ユーザの満足度向上には改善の余地がある。
【0005】
本開示は、ゲーム媒体の選択処理におけるユーザの満足度を高めることが可能なゲームプログラム、方法、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に示す一実施形態によれば、
プロセッサ及びメモリを備えるコンピュータによって実行されるゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
前記ゲームプログラムに基づくゲームにおいて利用可能である複数のゲーム媒体の中から、選択テーブルに基づいてn個(nは2以上の整数)の前記ゲーム媒体を選択する選択処理をユーザの操作入力に基づいて実行するステップと、
前記選択処理で選択されたn個の前記ゲーム媒体を前記ユーザに付与するステップと、
前記選択処理のために消費される仮想通貨の消費量に応じたポイント数を前記ユーザに付与するステップと、
を実行させ、
前記選択テーブルには、それぞれ異なる複数の希少度を有するゲーム媒体の選択確率が設定されており、
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
前記ポイント数が所定のしきい値以上となった場合には、前記選択確率に関わらず、前記複数の希少度を有するゲーム媒体のうち希少度が最も高い対象ゲーム媒体が確定的に選択される確定選択処理を実行するステップを、さらに実行させる、ゲームプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ゲーム媒体の選択処理におけるユーザの満足度を高めることが可能なゲームプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ある実施の形態に従うゲーム配信システムの構成例を示す図である。
図2】ある実施の形態に従うユーザ端末の機能的な構成を示すブロック図である。
図3】ある実施の形態に従うサーバの機能的な構成を示すブロック図である。
図4】ある実施の形態に従うゲーム実行処理の一例を示すフローチャートである。
図5】ある実施の形態に従うオブジェクト選択テーブルの一例である。
図6】ある実施の形態に従うゲーム画面の一例である。
図7】ある実施の形態に従うオブジェクト選択処理の一例を示すフローチャートである。
図8】ある実施の形態に従うオブジェクト選択処理の一例を示すフローチャートである。
図9】ある実施の形態に従うゲーム画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この技術的思想の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。本開示において示される1以上の実施形態において、各実施形態が含む要素を互いに組み合わせることができ、かつ、当該組み合わせられた結果物も本開示が示す実施形態の一部をなすものとする。
【0010】
(ゲーム配信システムの構成)
本実施形態において、ユーザは、例えばスマートフォンなどの、タッチスクリーンを搭載した情報処理装置を操作して、ゲームサーバと、スマートフォンとの間でゲームに関するデータを送受信しながらゲームを進行させる。
図1は、実施の形態のゲーム配信システム1の構成を示す図である。図1に示すように、ゲーム配信システム1は、ユーザが使用する情報処理装置と、サーバ20とを含み、これらの装置がネットワーク30によって互いに通信可能に接続されている。
【0011】
図1の例では、ユーザが使用する情報処理装置として、ユーザ端末10A、ユーザ端末10B及びユーザ端末10C(以下、ユーザ端末10A、10B、10Cなどのユーザ端末を総称して「ユーザ端末10」と記載することもある)など複数の携帯端末を示している。ユーザ端末10Aとユーザ端末10Bとは、無線基地局31と通信することにより、ネットワーク30と接続する。ユーザ端末10Cは、家屋などの施設に設置される無線ルータ32と通信することにより、ネットワーク30と接続する。ユーザ端末10は、タッチスクリーンを備える携帯端末であり、例えば、スマートフォン、ファブレット、タブレットなどである。
【0012】
ユーザ端末10は、ゲームプログラムを実行することにより、ゲームプログラムに応じたゲームをプレイする環境をユーザに対して提供する。ユーザ端末10は、例えば、アプリ等を配信するプラットフォームを介してゲームプログラムをインストールする。ユーザ端末10は、ユーザ端末10にインストールされたゲームプログラム、又は、予めプリインストールされているゲームプログラムを実行することで、ユーザによるゲームのプレイを可能とする。ユーザ端末10は、ゲームプログラムを読み込んで実行することにより、サーバ20と通信し、ゲームの進行に応じてゲームに関連するデータをユーザ端末10とサーバ20との間で送受信する。
【0013】
サーバ20は、ゲームのプレイに必要なデータを、適宜、ユーザ端末10へ送信することで、ユーザ端末10でのゲームのプレイを進行させる。サーバ20は、ゲームをプレイする各ユーザの、ゲームに関連する各種データを管理する。サーバ20は、ユーザ端末10と通信し、各ユーザのゲームの進行に応じて、画像、音声、テキストデータその他のデータをユーザ端末10へ送信する。
【0014】
ゲーム配信システム1は、特定のプレイ形態に限らず、あらゆるプレイ形態のゲームを実行するためのシステムであってよい。例えば、ゲームプログラムは、ユーザがゲームをプレイするモードとして、単一のユーザによるシングルプレイと、複数のユーザによるマルチプレイとに対応している。例えば、ゲーム配信システム1において、サーバ20が、マルチプレイに参加するユーザを特定して各ユーザの各ユーザ端末10と通信すること等により、マルチプレイでゲームをプレイする環境を各ユーザに提供する。ゲーム配信システム1は、マルチプレイゲームの中でも、複数のユーザが対戦する対戦ゲーム、複数のユーザが協力してゲームを進行させる協力プレイゲームなどのプレイ形態を採用し得る。
【0015】
図1に示すようにサーバ20は、ハードウェア構成として、通信IF(Interface)22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備え、これらが通信バスを介して互いに接続されている。
【0016】
通信IF22は、例えばLAN(Local Area Network)規格など各種の通信規格に対応しており、ユーザ端末10など外部の通信機器との間でデータを送受信するためのインタフェースとして機能する。
【0017】
入出力IF23は、サーバ20への情報の入力を受け付けるとともに、サーバ20の外部へ情報を出力するためのインタフェースとして機能する。入出力IF23は、マウス、キーボード等の情報入力機器の接続を受け付ける入力受付部と、画像等を表示するためのディスプレイ等の情報出力機器の接続を受け付ける出力部とを含む。
【0018】
メモリ25は、処理に使用されるデータ等を記憶するための記憶装置である。メモリ25は、例えば、プロセッサ29が処理を行う際に一時的に使用するための作業領域をプロセッサ29に提供する。メモリ25は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置を含んで構成されている。
【0019】
ストレージ26は、プロセッサ29が読み込んで実行するための各種プログラム及びデータを記憶するための記憶装置である。ストレージ26が記憶する情報は、ゲームプログラム、ゲームプログラムに関連する情報、ゲームプログラムをプレイするユーザの情報その他の情報を含む。ストレージ26は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置を含んで構成されている。
【0020】
プロセッサ29は、ストレージ26に記憶されるプログラム等を読み込んで実行することにより、サーバ20の動作を制御する。プロセッサ29は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を含んで構成される。
【0021】
図2は、ユーザ端末10の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、ユーザ端末10は、アンテナ110と、無線通信IF120と、タッチスクリーン130と、入出力IF140と、記憶部150と、音声処理部160と、マイク170と、スピーカ180と、制御部190とを含む。
【0022】
アンテナ110は、ユーザ端末10が発する信号を電波として空間へ放射する。アンテナ110は、空間から電波を受信して受信信号を無線通信IF120へ与える。
【0023】
無線通信IF120は、ユーザ端末10が他の通信機器と通信するため、アンテナ110等を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。無線通信IF120は、チューナー、高周波回路などを含む無線通信用の通信モジュールであり、ユーザ端末10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部190へ与える。
【0024】
タッチスクリーン130は、ユーザからの入力を受け付けて、ユーザに対し情報をディスプレイ132に出力する。タッチスクリーン130は、ユーザの入力操作を受け付けるためのタッチパネル131と、メニュー画面やゲームの進行を画面に表示するためのディスプレイ132と、を含む。タッチパネル131は、例えば静電容量方式のものを用いることによって、ユーザの指などが接近したことを検出する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(electroluminescence)その他の表示装置によって実現される。
【0025】
入出力IF140は、ユーザ端末10への情報の入力を受け付けるとともに、ユーザ端末10の外部へ情報を出力するためのインタフェースとして機能する。
【0026】
記憶部150は、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等により構成され、ユーザ端末10が使用するプログラム、及び、ユーザ端末10がサーバ20から受信する各種データ等を記憶する。
【0027】
音声処理部160は、音声信号の変復調を行う。音声処理部160は、マイク170から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部190へ与える。音声処理部160は、音声信号をスピーカ180へ与える。音声処理部160は、例えば、音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク170は、音声信号の入力を受け付けて制御部190へ出力するための音声入力部として機能する。スピーカ180は、音声信号を、ユーザ端末10の外部へ出力するための音声出力部として機能する。
【0028】
制御部190は、記憶部150に記憶されるプログラムを読み込んで実行することにより、ユーザ端末10の動作を制御する。制御部190は、例えば、アプリケーションプロセッサによって実現される。
【0029】
ユーザ端末10がゲームプログラム151を実行する処理について、より詳細に説明する。記憶部150は、ゲームプログラム151と、ゲーム情報152と、ユーザ情報153とを記憶する。ユーザ端末10は、例えば、サーバ20からゲームプログラムをダウンロードして記憶部150に記憶させる。ユーザ端末10は、ゲームの進行に伴いサーバ20と通信することで、ゲーム情報152及びユーザ情報153等の各種のデータをサーバ20と送受信する。
【0030】
ゲームプログラム151は、ユーザ端末10においてゲームを進行させるためのプログラムである。ゲーム情報152は、ゲームプログラム151が参照する各種のデータを含む。ゲーム情報152は、例えば、ゲームにおいて仮想空間に配置するオブジェクトの情報、ユーザが所有するオブジェクトの情報、オブジェクトに対応付けられた効果の情報(ゲームキャラクタに設定されるスキルの情報などを含む)などを含む。ユーザ情報153は、ゲームをプレイするユーザについての情報を含む。ユーザ情報153は、例えば、ゲームをプレイするユーザ端末10のユーザを識別する情報、マルチプレイ時に協働してゲームをプレイする他のユーザを識別する情報などを含む。
【0031】
制御部190は、ゲームプログラム151を読み込んで実行することにより、入力操作受付部191と、オブジェクト付与部192と、デッキ構成部193と、オブジェクト設定部194と、パラメータ定義部195と、ゲーム進行部196と、表示制御部197と、の各機能を発揮する。
【0032】
入力操作受付部191は、タッチスクリーン130の出力に基づいて、ユーザの入力操作を受け付ける。具体的には、入力操作受付部191は、ユーザの指などがタッチパネル131に接近したことを、タッチスクリーン130を構成する面の横軸及び縦軸からなる座標系の座標として検出する。
【0033】
入力操作受付部191は、タッチスクリーン130に対するユーザの操作を判別する。入力操作受付部191は、例えば、(1)「接近操作」、(2)「リリース操作」、(3)「タップ操作」、(4)「ダブルタップ操作」、(5)「長押し操作(ロングタッチ操作)」、(6)「ドラッグ操作(スワイプ操作)」、(7)「ムーブ操作」、(8)「フリック操作」などのユーザの操作を判別する。入力操作受付部191が判別するユーザの操作は、上記に限られない。例えば、タッチパネル131が、ユーザがタッチパネル131に対して押下する圧力の大きさを検出可能な機構を有する場合、入力操作受付部191は、ユーザが押下した圧力の大きさを判別する。
【0034】
(1)「接近操作」とは、ユーザが指などをタッチスクリーン130に接近させる操作である。タッチスクリーン130は、ユーザの指などが接近したこと(ユーザの指などがタッチスクリーン130に接触したことを含む)をタッチパネル131により検出し、検出したタッチスクリーン130の座標に応じた信号を入力操作受付部191へ出力する。制御部190は、タッチスクリーン130へのユーザの指などの接近を検出しない状態から、接近を検出したときに、状態が「タッチオン状態」になったと判別する。
【0035】
(2)「リリース操作」とは、ユーザがタッチスクリーン130を接近操作している状態を止める操作である。制御部190は、例えば、ユーザが指をタッチスクリーン130に接触させている状態から、指を離す操作をしたときに、ユーザの操作を「リリース操作」と判別する。制御部190は、タッチスクリーン130へのユーザの指などの接近を検出している状態から、接近を検出しない状態になったときに、状態が「タッチオン状態」から「タッチオフ状態」になったと判別する。
【0036】
(3)「タップ操作」とは、ユーザがタッチスクリーン130に対して指などを接近させる接近操作をした後に、接近操作をした位置でリリース操作を行うことである。入力操作受付部191は、接近操作が検出されない状態(ユーザの指などがタッチスクリーン130から離れており、タッチパネル131がユーザの指などの接近を検出していない状態)から、タッチスクリーン130の出力に基づいて、ユーザの指などが接近したことを検出した場合に、その検出した座標を「初期タッチ位置」として保持する。制御部190は、初期タッチ位置の座標と、リリース操作をした座標とがほぼ同一である場合(接近操作が検出された座標から一定範囲内の座標においてリリース操作の座標が検出された場合)に、ユーザの操作を「タップ操作」と判別する。
【0037】
(4)「ダブルタップ操作」とは、ユーザがタップ操作を一定時間内に2回行う操作である。制御部190は、例えば、ユーザの操作をタップ操作と判別してから一定時間内に、タップ操作にかかる座標で再びタップ操作を判別した場合に、ユーザの操作を「ダブルタップ操作」と判別する。
【0038】
(5)「長押し操作」とは、ユーザがタッチスクリーン130を押し続ける操作である。制御部190は、ユーザの操作を検出して接近操作を判別してから、接近操作が検出された座標(あるいは当該座標を含む一定領域内)において接近操作が継続している時間が一定時間を超えた場合に、ユーザの操作を「長押し操作」(「長押し操作」を、「ロングタッチ操作」と称することもある)と判別する。
【0039】
(6)「ドラッグ操作」とは、ユーザがタッチスクリーン130に指などを接近させた接近状態を維持したまま、指をスライドさせる操作である。
【0040】
(7)「ムーブ操作」とは、ユーザがタッチスクリーン130において、接近操作を維持しつつ、タッチスクリーン130に指などを接近させている位置を移動させてリリース操作を行う一連の操作をいう。
【0041】
(8)「フリック操作」とは、ユーザがムーブ操作を予め定められている時間よりも短い時間で行う操作をいう。フリック操作は、ユーザがタッチスクリーン130を指ではじくような操作である。
【0042】
オブジェクト付与部192は、タッチスクリーン130に対するユーザの入力操作に応じてサーバ20において実行される選択処理の結果に基づいて、1以上のオブジェクトをユーザに付与する。オブジェクト付与部192は、例えば、選択処理によって選択された1以上のオブジェクトに関する情報を記憶部150に記憶させ、ゲーム内において当該1以上のオブジェクトをユーザが使用可能な状態にする。選択処理については、後の段落で詳述する。
【0043】
ここで、オブジェクト付与部192によって付与されるオブジェクトとは、ゲーム中でユーザが使用できるものであれば限定されない。このようなオブジェクトとしては、例えば、ゲームキャラクタや、武器、防具、アクセサリ、ジョブなどのゲームキャラクタのパラメータを調整するアイテム等が挙げられる。なお、ジョブとは、典型的には、戦士、魔法使いなどのゲームキャラクタの職業であり、例えば、ゲームキャラクタに設定することで、当該ゲームキャラクタのパラメータを調整したり、当該ゲームキャラクタが使用可能なスキルを規定したりするものである。
【0044】
デッキ構成部193は、ユーザが使用可能なゲームキャラクタ(以下、自キャラクタと称することもある)の中からユーザの操作入力によって指定された1以上のゲームキャラクタを含むデッキを構成する。ここで、デッキとは、例えば、ゲーム内のイベント(例えば、戦闘イベント)に参加させる1以上のゲームキャラクタを定義したものをいう。デッキ構成部193は、例えば、構成されたデッキに関する情報を記憶部150に記憶させ、ゲーム内のイベントを当該デッキに基づいて進行可能な状態にする。
【0045】
オブジェクト設定部194は、ユーザの入力操作に基づいて、ユーザが選択した自キャラクタに設けられたオブジェクト設定用の枠(以下、設定枠と称することもある)に、ユーザに付与されているオブジェクトの中から選択されたオブジェクトを設定する。設定枠は、一のゲームキャラクタに対して一つでもよいし、複数設けられていてもよいし、キャラクタ毎に定められた数が設けられていてもよい。設定枠には、設定可能なオブジェクトの種類が定められていてもよい。設定枠として、例えば、武器用の設定枠、防具用の設定枠、アクセサリ用の設定枠、ジョブ用の設定枠等を設けてもよい。
【0046】
パラメータ定義部195は、オブジェクト設定部194によって設定枠に設定されたオブジェクトが有するパラメータに基づいて、自キャラクタのパラメータを定義する。パラメータ定義部195は、例えば、定義された自キャラクタのパラメータを記憶部150に記憶させ、ゲーム内のイベントを当該パラメータに基づいて進行可能な状態にする。
【0047】
ゲーム進行部196は、ゲームの進行に関する各種処理を行う。ゲーム進行部196は、例えば、入力操作受付部191が受け付けた入力操作の入力位置の座標や操作の種類に基づいてユーザの指示内容を解釈し、当該解釈に基づいて、ゲームを進行させる。
【0048】
ゲーム進行部196は、例えば、自キャラクタの移動、ユーザの指示内容と自キャラクタのパラメータ及び自キャラクタの対戦相手となるゲームキャラクタ(以下、敵キャラクタとも称する)のパラメータ等に基づく戦闘イベントの進行、ゲームに登場する各種オブジェクト(例えば、敵キャラクタ、村人等のNPC(Non-Playable Character)、建物など)の生成や制御や消滅、並びに、ユーザの指示内容に基づいて生成されるGUI(Graphical User Interface)画面)の生成や変形や移動などの処理を制御することができる。
【0049】
ゲーム進行部196は、例えば、ユーザの指示内容をサーバ20に送信し、サーバ20において当該指示内容に基づいて実行された演算結果を受信し、受信した演算結果に基づいてゲームを進行させることもできる。
【0050】
表示制御部197は、入力操作受付部191が受け付けた入力操作や、ゲーム進行部196での制御に応じて、ディスプレイ132の表示内容を決定し、決定した表示内容に従った画像、テキスト等の各種の情報をディスプレイ132に出力する。表示制御部197は、例えば、各ゲームキャラクタの動作の様子を示すアニメーション画像や、各種のメニュー画面、GUIなどをディスプレイ132に表示させる。
【0051】
図3は、サーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。図3を参照して、サーバ20の詳細な構成を説明する。サーバ20は、プログラムに従って動作することにより、通信部220と、記憶部250と、制御部290としての機能を発揮する。
【0052】
通信部220は、サーバ20がユーザ端末10などの外部の通信機器とネットワーク30を介して通信するためのインタフェースとして機能する。
【0053】
記憶部250は、ユーザ端末10においてユーザがゲームを進行させるための各種プログラム及びデータを記憶する。ある局面において、記憶部250は、ゲームプログラム251と、ゲーム情報252と、ユーザ情報253とを記憶する。
【0054】
ゲームプログラム251は、サーバ20がユーザ端末10と通信して、ユーザ端末10においてゲームを進行させるためのプログラムである。ゲームプログラム251は、ゲームを進行させるための各種データであるゲーム情報252及びユーザ情報253等を参照して、ユーザの入力操作に応じてゲームを進行させる。ゲームプログラム251は、制御部290に実行されることにより、ユーザ端末10とデータを送受信する処理、ユーザ端末10のユーザが行った操作内容に応じてゲームを進行させる処理、ゲームをプレイするユーザの情報を更新する処理などをサーバ20に行わせる。
【0055】
ゲーム情報252は、ゲームプログラム251が参照する各種のデータを含む。ゲーム情報252は、例えば、オブジェクト選択テーブル252Aを含む。オブジェクト選択テーブル252Aは、後述の選択処理の際に参照されるテーブルである。オブジェクト選択テーブル252Aには、例えば、選択処理における選択の対象となる各種オブジェクトのIDと関連付けて、各種オブジェクトが選択される確率(以下、選択確率と称することもある)が記憶されている。なお、オブジェクト選択テーブル252Aは、複数用意されていてもよい。オブジェクト選択テーブル252Aは、ユーザがゲームを進行させた度合いに応じて更新されてもよい。
【0056】
ユーザ情報253は、ゲームをプレイするユーザについての情報である。ユーザ情報253は、ユーザ管理テーブル253Aを含む。ユーザ管理テーブル253Aは、例えば、各ユーザを識別する情報、ユーザがゲームを進行させた度合いを示す情報、ユーザに付与されているオブジェクト、ユーザに設定されているパラメータ(例えば、スタミナ値)の情報などを含む。
【0057】
制御部290は、記憶部250に記憶されるゲームプログラム251を実行することにより、送受信部291、選択処理部292、合成処理部293、データ管理部294、ゲーム進行処理部295、計測部296としての機能を発揮する。
【0058】
送受信部291は、ゲームプログラム151を実行するユーザ端末10から、各種情報を受信し、ユーザ端末10に対し、各種情報を送信する。ユーザ端末10とサーバ20とは、ユーザに関連付けられるオブジェクトを仮想空間に配置する要求、オブジェクトを削除する要求、オブジェクトを移動させる要求、ユーザが獲得する報酬に応じて各種パラメータを更新する要求、ゲームを進行させるための画像、音声その他のデータ、サーバ20からユーザ端末10へ送信される通知などの情報を送受信する。
【0059】
選択処理部292は、ユーザの操作入力に基づくユーザ端末10からの要求に応じて、複数種類のオブジェクトが含まれるオブジェクト群の中から、オブジェクトを選択する処理を実行する。選択処理は、オブジェクト選択テーブル252Aを参照して実行され、例えば、オブジェクト選択テーブル252Aに含まれている各オブジェクトの中から、当該各オブジェクトに設定された選択確率に基づいて、1以上のオブジェクトが無作為に選択される。なお、オブジェクト選択テーブル252Aが複数用意されている場合、選択処理部292は、ユーザ端末10からの要求の内容や、ユーザのゲームの進行度合い等に基づいて、選択処理において参照するテーブルを決定する。選択処理部292によって選択されたオブジェクトの情報は、送受信部291によって、ユーザ端末10に送信される。
【0060】
なお、選択処理部292による選択処理は、所定の対価と引き換えに実行されてもよい。所定の対価としては、例えば、ユーザの課金又はゲームプレイの結果としてユーザに付与されるゲーム内通貨(仮想通貨)が挙げられる。
【0061】
合成処理部293は、ユーザの操作入力に基づくユーザ端末10からの要求に応じて、ユーザに付与されているオブジェクトを合成する。合成処理部293は、例えば、合成のベースとなる1のオブジェクトと、合成の素材となる1以上のオブジェクトとを合成して、合成のベースとなった1のオブジェクトのパラメータを向上させる又は合成のベースとなった1のオブジェクトに基づく新たなオブジェクトを生成し、合成の素材となった1以上のオブジェクトを消滅させる。合成処理の詳細については後述する。
【0062】
データ管理部294は、選択処理部292、合成処理部293、ゲーム進行処理部295等における処理結果に従って、記憶部250に記憶される各種データを更新する処理、データベースにレコードを追加/更新/削除する処理などを行う。データ管理部294は、例えば、選択処理部292によって選択されたオブジェクトの情報が含まれるようにユーザ情報253を更新する。データ管理部294は、例えば、合成処理部293における合成のベースとなったオブジェクトの情報を合成後の内容に変更し、素材となったオブジェクトを削除するように、ユーザ情報253を更新する。
【0063】
ゲーム進行処理部295は、サーバ20全体の動作を制御し、各種のプログラムを呼び出す等によりゲームの進行に必要な処理を行う。ゲーム進行処理部295は、例えば、ユーザ端末10から受信した情報に基づいて、ゲーム情報252、ユーザ情報253、などのデータを更新し、ユーザ端末10に各種データを送信することでゲームを進行させる。
【0064】
計測部296は、時間を計測する処理を行う。計測部296は、例えば、仮想空間に配置される各オブジェクトについて時間の経過を計測する。計測部296は、ゲームが進行している時間を計測する。サーバ20は、ユーザ端末10から、ユーザ端末10においてゲームプログラム151を実行して計測される各種の計測結果の情報を受信し、受信した情報と、計測部296の計測結果とを照合することで、ユーザ端末10とサーバ20とで、各種の時間に関する情報を同期させる。
【0065】
(ゲーム概要)
本実施形態に係るゲーム配信システム1に基づくゲームは、例えば、ユーザ端末10のユーザによって操作される複数のゲームキャラクタ(自キャラクタ)が登場する任意のゲームである。当該ゲームは、例えば、自キャラクタと、ゲーム配信システム1により制御される他のゲームキャラクタ(敵キャラクタ)とが1ターンごとに交互に攻撃していくターン制バトル(以下、バトルとも称する)を含むゲームである。
【0066】
自キャラクタには、パラメータとして、少なくともヒットポイント(以下、HPと称することもある)とスキルポイント(以下、SPと称することもある)が設定されている。HPは、自キャラクタの体力値であり、敵キャラクタからの攻撃を受けると減少する。HPがゼロになった場合、その自キャラクタは行動不能になる。SPは、自キャラクタがスキルを使用すると、使用したスキルに設定されている消費SPに応じて減少する。自キャラクタは、現在のSPよりも消費SPが多いスキルを使用することはできない。
【0067】
本ゲームでは、ゲーム中に用いることが可能なスタミナ値(第2パラメータ)が、ユーザに提供される。本ゲームにおけるスタミナ値は、ゲームにおけるキャラクタの行動(例えばクエストへの参加)に伴って消費されるものではなく、自キャラクタの現在のHP及びSP(第1パラメータ)を回復させるために使用されるパラメータである。本ゲームにおいて、HP及びSPを回復させる手段は、スタミナ値の使用等に限られ、例えば、自キャラクタによる魔法の使用や時間経過等に応じてHP及びSPが回復することはない。なお、スタミナ値は、現実世界における時間経過に応じて回復する。
【0068】
なお、ゲーム配信システム1に基づくゲームは、上記のターン制バトルゲームに限らず、アクションRPG(Role Playing Game)であってもよいし、スポーツゲームなどの任意のジャンルのゲームであってよい。
【0069】
(本ゲームプログラムの動作例)
次に、図4から図9を参照して、本ゲームプログラムにおける動作例について説明する。なお、以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。
【0070】
図4は、本ゲームプログラムによるゲーム実行処理におけるユーザ端末10及びサーバ20の動作例について説明するフローチャートである。図4に示される処理は、制御部190がゲームプログラム151を、制御部290がゲームプログラム251をそれぞれ実行することにより実現される。
【0071】
図4に示されるように、まず、ステップS401において、ユーザ端末10の制御部190は、ユーザの入力操作に基づいて、本実施形態に係るゲームプログラムをサーバ20からダウンロードする。次に、ステップS402において、ユーザが当該ゲームプログラムを初めて起動すると、ステップS403において、制御部190は、所定のチュートリアルを実行する。チュートリアルは、例えば、プレイヤキャラクタ等の紹介、操作方法の説明、使用上の注意事項、課金の方法等のゲーム進行に必要な情報を提示するものである。次に、ステップS404において、ゲームプログラムに基づくゲームが開始される。
【0072】
ゲームが開始されると、タッチスクリーン130にゲーム画面が表示される。ユーザは、タッチスクリーン130に対して各種の操作入力をすることで、各種のゲーム処理を制御部190及び/又は制御部290に実行させることができる。以下のステップS405~S414の処理は、ゲームの終了まで繰り返される。
【0073】
まず、ステップS405において、制御部190は、ユーザによる操作入力を受け付ける。次に、ステップS406において、制御部190は、ステップS405で受け付けた操作入力がどのような指示内容であるのかを判定する。
【0074】
(本ゲームプログラムの動作例:オブジェクト選択処理及びオブジェクト合成処理)
ステップS406において、指示内容がオブジェクトの選択処理を要求するものであると判定された場合、制御部190は、当該要求をサーバ20に送信する。そして、ステップS407において、制御部290は、オブジェクトの選択処理を実行する。なお、オブジェクト選択処理は、抽選処理(いわゆる、ガチャ)とも呼ばれる処理である。
【0075】
制御部190から制御部290へ送信されるオブジェクト選択処理の要求には、例えば、選択処理を行う回数(例えば、1回、10回など)に関する回数情報が含まれていてもよい。制御部290は、例えば、当該回数情報に応じて選択処理を繰り返す。選択処理の要求には、例えば、参照するオブジェクト選択テーブルに関する選択テーブル情報が含まれていてもよい。制御部290は、例えば、当該選択テーブル情報に応じて1のオブジェクト選択テーブルを選択し、選択されたオブジェクト選択テーブルを参照して、選択処理を実行する。制御部290は、例えば、図5に示すオブジェクト選択テーブル252Aを参照して、オブジェクト選択処理(抽選処理)を実行する。
【0076】
図5に示すオブジェクト選択テーブル252Aには、オブジェクトを識別するためのオブジェクトID501に関連付けて、対応キャラクタ502、ジョブ種503、武器種504、希少度505、及び選択確率506が記憶されている。なお、オブジェクト選択テーブル252Aには、オブジェクトID501に関連付けて、少なくとも選択確率506が記憶されていればよく、上記以外の項目(例えば、オブジェクトのパラメータ等)が記憶されていてもよい。
【0077】
オブジェクトID501欄に記憶されているオブジェクトは、ジョブ又は武器のいずれかのカテゴリに属する。以下、ジョブカテゴリに属するものをジョブオブジェクトと称することがあり、武器カテゴリに属するものを武器オブジェクトと称することがある。
【0078】
ジョブオブジェクトは、対応キャラクタ502欄に示されるキャラクタに対応している。例えば、オブジェクトIDが「1101」のジョブオブジェクトは、対応キャラクタが「C1」である。これは、当該ジョブオブジェクトは、自キャラクタC1に対してのみ設定できることを示している。すなわち、本ゲームプログラムにおいて、ジョブオブジェクトには、設定可能な自キャラクタが予め定められている。例えば、オブジェクトIDが「1101」~「1103」のジョブオブジェクトは自キャラクタC1にのみ設定可能であり、オブジェクトID「1201」~「1202」のジョブオブジェクトは、自キャラクタC2にのみ設定可能である。
【0079】
ジョブ種503欄には、ジョブオブジェクトのジョブの種類が記憶されている。ジョブ種503欄において、例えば、ジョブ種「J1」は戦士を表し、「J2」は弓兵を表し、「J3」は魔法使いを表し、「J4」は銃士を表す。ジョブ種は、各キャラクタに共通の汎用的なものでもよいし、各キャラクタ固有のものでもよい。ジョブの種類に応じて、装備可能となる武器オブジェクトの種類を決定してもよい。例えば、オブジェクトID「1103」と「1201」のジョブオブジェクトは、ジョブ種が「J3」で同一であるため、これらのジョブオブジェクトに基づいて装備可能となる武器オブジェクトの種類を同じにしてもよい。
【0080】
武器オブジェクトは、設定可能な自キャラクタは予め定められていないが、武器種504欄に示される武器種が設定されている。例えば、オブジェクトIDが「5101」と「5102」の武器オブジェクトは武器種がともに「W1」(例えば、剣)であり、オブジェクトIDが「5201」と「5202」の武器オブジェクトは武器種がともに「W2」(例えば、魔法杖)である。なお、武器種としては、特に限定されず、例えば、剣、槍、ハンマー、銃、弓、魔法杖などが挙げられる。
【0081】
希少度505欄には、各オブジェクトの希少度(レアリティ)が記憶されている。希少度とは、ゲームにおけるオブジェクトの入手難易度を示す指標であり、図5の例では、N、R、SRの順で希少度が高くなる。選択確率506欄には、各オブジェクトの選択確率が記憶されている。選択確率は、オブジェクト毎に個別に設定してもよいし、希少度に応じて一律に設定してもよい。同一の希少度であっても、ジョブオブジェクトと武器オブジェクトとで選択確率が異なるように設定してもよい。
【0082】
本実施形態では、ジョブオブジェクトと武器オブジェクトとが同一のオブジェクト選択テーブルに含まれている。これにより、ジョブオブジェクトのみが含まれる選択テーブルと、武器オブジェクトのみが含まれる選択テーブルとを設ける場合よりも、テーブルの数を減らし、選択処理を実行する際のサーバ20の処理負荷を低減させることができる。
【0083】
制御部290は、抽選処理で選択された1以上のオブジェクト(以下、選択オブジェクトと称することもある)の情報を、ユーザ端末10に送信する。ユーザ端末10の制御部190は、サーバ20から受信した選択オブジェクトの情報をユーザ端末10のタッチスクリーン130に表示する。
【0084】
図6は、本実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。図6は、具体的には、選択オブジェクトの情報が抽選結果としてタッチスクリーン130上に表示された画面である。図6の例では、タッチスクリーン130上に、オブジェクト表示欄601と、オブジェクト付与ボタン602と、再抽選ボタン603と、合成ボタン604と、売却ボタン605と、が表示されている。
【0085】
オブジェクト表示欄601には、抽選結果として、選択された1以上の(ここでは、10の)オブジェクトが表示される。図6の例において、オブジェクト表示欄601には、ジョブオブジェクトJA~JCの3つのジョブオブジェクトと、武器オブジェクトWA~WHの7つの武器オブジェクトと、が抽選処理で選択された順に表示されている。
【0086】
オブジェクト付与ボタン602は、例えば、「閉じる」と表示されたボタンであって、図4のステップS408に移行するためのボタンである。オブジェクト付与ボタン602がタップ操作等された場合、オブジェクト表示欄601に表示されている全てのオブジェクトJA~JC,WA~WHが獲得オブジェクトとしてユーザに付与される。
【0087】
再抽選ボタン603は、例えば、「もう一度」と表示されたボタンであって、抽選(選択処理)をやり直すためのボタンである。再抽選ボタン603がタップ操作等された場合、ステップS407に戻り、制御部290は、選択処理を再度実行する。
【0088】
合成ボタン604は、オブジェクトの合成処理を要求するためのボタンである。詳細な説明は省略するが、合成ボタン604がタップ操作等された場合、制御部190は、オブジェクト合成処理を開始する。オブジェクト合成処理とは、例えば、合成のベースとなる1のオブジェクトと、合成の素材となる1以上のオブジェクトとを合成するための処理である。合成処理がなされると、合成のベースとなった1のオブジェクトのパラメータが向上される又は合成のベースとなった1のオブジェクトに基づく新たなオブジェクトが生成され、その結果、合成の素材となった1以上のオブジェクトが消滅する。ステップS407のオブジェクト選択処理において選択されたオブジェクトを合成のベースとし、ユーザが以前より保有していたオブジェクトを合成の素材としてもよいし、その逆であってもよい。ステップS407のオブジェクト選択処理において選択されたオブジェクト同士を合成させてもよい。合成処理は、合成のベースと素材とが所定の関係を満たす場合にのみ実行可能なようにしてもよい。当該所定の関係は、特に制限されず、ゲームの内容に応じて適宜設定することができる。当該所定の関係は、例えば、ベースと素材とが同種(例えば、オブジェクトIDが同一など)のオブジェクトであることや、ベースと素材とが同じカテゴリ(例えば、武器オブジェクト同士、防具オブジェクト同士など)であること等とすることができる。
【0089】
売却ボタン605は、オブジェクトを売却するためのボタンである。オブジェクト表示欄601に表示されたオブジェクトJA~JC,WA~WHのうち1のオブジェクトが選択されたのちに売却ボタン605がタップ操作等された場合、制御部190は、選択されたオブジェクトの売却処理を開始する。オブジェクトが売却されると、その対価として例えばゲーム内通貨がユーザに付与される。
【0090】
図4のフローチャートの説明に戻る。ステップS408において、制御部190は、図6に示すゲーム画面においてユーザによる操作入力を受け付け、受け付けた操作入力がどのような指示内容であるのかを判定する。ステップS408において、例えば、オブジェクト付与ボタン602に対する入力操作を受け付けたと判定された場合、ステップS409において、制御部190は、オブジェクト付与の要求をサーバ20に送信し、制御部290は、オブジェクト表示欄601に表示さている全てのオブジェクトJA~JC,WA~WHを獲得オブジェクトとしてユーザに付与し、ユーザが使用可能な状態にする。なお、本ゲームでは、ユーザは、同一種類(オブジェクトIDが同一)のオブジェクトであっても、複数所有することができる。
【0091】
(本ゲームプログラムの動作例:デッキ構成処理及びオブジェクト設定処理)
再び、図4のステップS406に戻り、ステップS405における指示内容がデッキの構成処理を要求するものであると判定された場合、ステップS410において、制御部190は、ユーザから自キャラクタの指定を受け付ける。ステップS410では、例えば、ユーザが使用可能なゲームキャラクタの一覧をタッチスクリーン130に表示し、ユーザのタップ操作等に基づいて、自キャラクタの指定を受け付ける。
【0092】
次に、ステップS411において、制御部190は、指定された自キャラクタがデッキに含まれるようにデッキを構成する。デッキに含まれる自キャラクタは、バトルに参加するゲームキャラクタとなる。なお、デッキに含めることが可能な自キャラクタの数は、複数であることが好ましい。
【0093】
次に、ステップS412において、自キャラクタに対するオブジェクトの設定要求を受け付けたと判断された場合には(ステップS412のYes)、ステップS413において、制御部190は、オブジェクトの設定処理を実行する。
【0094】
自キャラクタには、各種のオブジェクトを設定する(装備させる)ことができる。キャラクタ毎に、複数のオブジェクト設定枠が設けられてもよい。自キャラクタの各設定枠に各種のオブジェクトを設定することで、当該自キャラクタが有する基準パラメータ、及び、設定枠に設定されたオブジェクトが有するパラメータやスキル等に基づいて、自キャラクタのパラメータが調整され、使用可能なスキルが決定される。
【0095】
(本ゲームプログラムの動作例:ゲーム進行処理)
再び、図4のステップS406に戻り、ステップS405における指示内容がゲームの進行処理を要求するものであると判定された場合、ステップS414において、制御部190は、ゲームを進行させるための処理を実行する。
【0096】
本実施の形態においては、以上のステップS405~S414の処理が、ステップS415のゲームの終了まで繰り返される。なお、ゲームプログラムの動作に支障が生じない限り、上記の説明において制御部190が実行していた処理を制御部290が担当してもよく、制御部290が実行していた処理を制御部190が担当してもよい。
【0097】
(本ゲームプログラムの動作例:オブジェクト選択処理の詳細)
次に、ステップS407において実行されるオブジェクト選択処理(以下、抽選処理と称する)について図7図9を参照して説明する。図7及び図8は、抽選処理の具体的な流れを示すフローチャートである。すなわち、以下で説明される処理例は、図4に示すステップS407の処理の一例である。
【0098】
制御部290は、ユーザの操作に応答して、一群のオブジェクト(ジョブオブジェクト及び武器オブジェクト)の中から、n枚(nは2以上の整数)のオブジェクトを選択する抽選処理を実行し、選択されたn枚のオブジェクトをユーザに付与する。本例での抽選処理においては、例えば、n枚のオブジェクトのうちジョブオブジェクトが少なくともk枚(kは1以上且つn以下の整数)含まれるように、n枚のキャラクタが選択される。本例では、n=10、k=3の場合について説明する。当然ながら、nおよびkはこれらの値に限定されない。例えば、n=11、k=2であってもよい。
【0099】
図7に示すように、まず、ステップS701において、制御部290は、ユーザの入力に基づいて、抽選処理を実行する際のゲーム内通貨の消費量を特定する。図9は、本実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。図9は、具体的には、オブジェクトの選択処理を要求するユーザの操作入力を受け付けるためにタッチスクリーン130上に表示された画面である。図9の例では、タッチスクリーン130上に、オブジェクト情報欄901と、通貨表示欄902と、ポイント表示欄903と、通常抽選受付欄904と、有償抽選欄905と、無償抽選欄906と、が表示されている。
【0100】
オブジェクト情報欄901には、ユーザが保有する複数のオブジェクトのうち特定のオブジェクトの詳細情報が表示される。本例では、オブジェクト情報欄901には、ジョブオブジェクトJ1の詳細情報が表示される。通貨表示欄902には、ユーザが保有するゲーム内通貨の金額が、無償で得られた通貨と、有償で得られた通貨とに分けて表示される。上述の通り、ゲーム内通貨は、ユーザの課金又はゲームプレイの結果としてユーザに付与される。なお、ゲーム内通貨に代えて、又はゲーム内通貨に加えて、通常ガチャを引くための専用のゲーム内チケット等をユーザに付与してもよい。
【0101】
ポイント表示欄903には、後述のポイント付与にてユーザに付与されたポイント(図9では「タンサpt」と表示)が表示されるとともに、後述のポイント利用による確定抽選の実施の要求をユーザから受け付けるための確定抽選受付欄911,912が表示される。通常抽選受付欄904には、複数回の抽選処理が可能であることを示す情報(例えば、「10回タンサ」)や、通常抽選処理を実行するのに必要なゲーム内通貨の額(消費量)の割引を示す情報(図9では「1日1回割引」と表示)、割引金額(図9では「500→300」と表示)が表示される。
【0102】
有償抽選欄905には、有償での抽選が可能であることを示す情報(図9では「通常タンサ」と表示)が表示され、無償抽選欄906には、無償での抽選が可能であることを示す情報(図9では「チケット専用タンサ」と表示)が表示される。無償抽選の場合は、例えば、ユーザに付与されたゲーム内チケットを利用することによりゲーム内通貨を消費することなく抽選処理の実行が可能となる。図9に示すゲーム画面は有償抽選の場合の例であるため、有償抽選欄905が無償抽選欄906よりもやや大きく表示されている。
【0103】
次に、ステップS702において、制御部290は、ステップS701で特定したゲーム内通貨の消費量に応じたポイント数をユーザに付与する。例えば、ユーザがゲーム内通貨を300個利用した場合には300ポイントがユーザに付与され、ゲーム内通貨を500個利用した場合には500ポイントがユーザに付与される。ゲーム内チケットを利用した場合には、ポイントは付与されない。
【0104】
次に、ステップS703において、制御部290は、1回目の選択処理として通常抽選処理を実行する。通常抽選処理は、例えば、図5にオブジェクト選択テーブル252Aを用いてオブジェクトを選択する処理である。これにより、一群のオブジェクトのうち1枚のオブジェクトが選択される。
【0105】
次に、ステップS704において、制御部290は、ステップS703で実行された抽選処理がn-k回目の抽選処理であるか否かを判定する。n-k回目の抽選処理ではないと判定された場合(ステップS704のNo)、制御部290は、処理をステップS703へと戻す。一方、n-k回目の抽選処理であると判定された場合(ステップS704のYes)、制御部290は、処理をステップS705へと移行する。このように1回目からn-k回目(本例では7回目)の抽選処理が実行された結果、n-k枚(本例では7枚)のオブジェクトが選択される。
【0106】
次に、ステップS705において、制御部290は、現在までの抽選回数をi-1とし、i-1回目までの抽選で獲得したジョブオブジェクトの枚数をjとした場合に次式(1)を満たすか否かを判定する。
i-1-(n-k)=j・・・(1)
【0107】
上記式(1)を満たさない場合(ステップS705のNo)、ステップS706において制御部290は、i回目の抽選処理として通常抽選処理を実行する。具体的には、i-1回までの抽選回数が7回である場合には、i-1-(n-k)=j,i=8より、j=0となる。したがって、7回目までの抽選処理でのジョブオブジェクトの獲得枚数(j)が0枚以外の数(すなわち、1枚以上)であった場合には、上記式(1)を満たさないため、制御部290は、8回目の抽選処理において通常抽選処理を実行する。このように、i回目の抽選処理でジョブオブジェクトが出なくても、n回の抽選終了時にジョブオブジェクトがk枚以上となることを保証できる場合には、制御部290は、i回目の抽選処理で通常抽選を行う。ステップS706の終了後、制御部290は、ステップS708へ移行する。
【0108】
一方、上記式(1)を満たす場合(ステップS705のYes)、ステップS707において、制御部290は、i回目の抽選処理として引き直し処理を実行する。ここでの引き直し処理とは、ジョブオブジェクトが選択されるまでオブジェクト選択を繰り返す処理である。すなわち、制御部290は、i回目の抽選処理において、ジョブオブジェクトが選択されるまでオブジェクトの選択処理を繰り返し実行する。具体的には、7回目までの抽選処理でのジョブオブジェクトの獲得枚数(j)が0枚であった場合には、上記式(1)を満たすため、制御部290は、8回目の抽選処理において引き直し処理を実行する。このように、i回目の抽選処理でジョブオブジェクトが出なければ、n回の抽選終了時にジョブオブジェクトがk枚以上となることを保証できなくなる場合には、制御部290は、i回目の抽選処理で通常抽選処理に替えて引き直し抽選を実行する。すなわち、8回目の抽選処理でジョブオブジェクトが選択されなければ、10連の抽選処理にて選択される10枚のオブジェクトのうちジョブオブジェクトが3枚以上となることを保証できなくなる場合にのみ、制御部290は、8回目の抽選処理で引き直し処理を実行する。ステップS707の終了後、制御部290は、ステップS708へ移行する。
【0109】
次に、ステップS708において、制御部290は、i=nであるか否か、すなわち、n回目の抽選処理が終了したか否かを判定する。i=nではない、すなわち、n回目の抽選処理が終了していないと判定された場合(ステップS708のNo)、制御部290は、処理をステップS705へ戻す。一方、i=nである、すなわち、n回目の抽選処理が終了したと判定された場合(ステップS708のYes)、制御部290は、処理をステップS709へ移行する。
【0110】
ステップS709において、制御部290は、1回目からn回目までの抽選処理で選択されたn枚のオブジェクトを抽選結果として決定し、ユーザに付与する。具体的には、制御部290は、10回目までの抽選処理で選択された10枚のオブジェクトをユーザに付与する。このとき、10枚のオブジェクトには、ジョブオブジェクトが少なくとも3枚含まれている。制御部290は、抽選結果をユーザ端末10に通知し、ユーザ端末10は、当該通知に応答して、10枚のオブジェクトを、ユーザに関連付けて記憶部150に記憶させる。これにより、3枚以上のジョブオブジェクトが確定的に排出される抽選処理が完了する。
【0111】
次に、図8に示すステップS710において、制御部290は、ユーザが保有する現在のポイント数がしきい値以上であるか否かを判断する。ポイント数がしきい値以上であると判断された場合には(ステップS710のYes)、ステップS711において、制御部290は、図9に示すポイント表示欄903の表示態様を変更する。具体的には、確定抽選受付欄911,912が選択可能な状態となるように表示を変更する。確定抽選受付欄911は、2000ポイント利用することでSRランクのオブジェクト(図9では、「☆5確定」と表示)が必ず1枚は確定的に選択される処理を受け付けるための欄である。確定抽選受付欄912は、3000ポイント利用することでSRランクのジョブオブジェクト(図9では、「☆5ジョブ確定」)が必ず1枚は確定的に選択される処理を受け付けるための欄である。すなわち、ユーザが、確定抽選受付欄912を選択することで、確定抽選受付欄911を選択する場合よりも希少度のより高いオブジェクトを確実に獲得することができる。このように利用するポイント数が高くなるほど、属性の異なるオブジェクトのうちより希少度のより高いオブジェクトを確定的に選択可能となる。
【0112】
次に、ステップS712において、制御部290は、ユーザによる操作入力を受け付け、受け付けた操作入力がどのような内容であるかを判定する。
ステップS712において、操作入力が通常抽選受付欄904を選択したものであると判定された場合、制御部290は、処理をステップS703へと戻す。
一方、ステップS712において、操作入力がポイント表示欄903に表示された確定抽選受付欄911,912のうち何れかを選択したものであると判定された場合、制御部290は、ステップS713へと進む。
【0113】
ステップS713において、制御部290は、1回目の選択処理として通常抽選処理を実行する。当該通常抽選処理はステップS703と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0114】
次に、ステップS714において、制御部290は、ステップS713で実行された抽選処理がn-(k-1)回目の抽選処理であるか否かを判定する。n-(k-1)回目の抽選処理ではないと判定された場合(ステップS714のNo)、制御部290は、処理をステップS713へと戻す。一方、n-(k-1)回目の抽選処理であると判定された場合(ステップS714のYes)、制御部290は、処理をステップS715へと移行する。このように1回目からn-(k-1)回目(本例では6回目)の抽選処理が実行された結果、n-(k-1)枚(本例では6枚)のオブジェクトが選択される。
【0115】
次に、ステップS715において、制御部290は、現在までの抽選回数をi-1とし、i-1回目までの抽選で獲得したジョブオブジェクトの枚数をjとした場合に次式(2)を満たすか否かを判定する。
i-(n-k)=j・・・(2)
【0116】
上記式(2)を満たさない場合(ステップS715のNo)、ステップS716において制御部290は、i回目の抽選処理として通常抽選処理を実行する。具体的には、i-1回までの抽選回数が6回である場合には、i-(n-k)=j,i=7より、j=0となる。したがって、6回目までの抽選処理でのジョブオブジェクトの獲得枚数(j)が0枚以外の数(すなわち、1枚以上)であった場合には、上記式(2)を満たさないため、制御部290は、7回目の抽選処理において通常抽選処理を実行する。このように、i回目の抽選処理でジョブオブジェクトが出なくても、n-1回の抽選終了時にジョブオブジェクトがk枚以上となることを保証できる場合には、制御部290は、i回目の抽選処理で通常抽選を行う。ステップS716の終了後、制御部290は、ステップS718へ移行する。
【0117】
一方、上記式(2)を満たす場合(ステップS715のYes)、ステップS717において、制御部290は、i回目の抽選処理として引き直し処理を実行する。具体的には、6回目までの抽選処理でのジョブオブジェクトの獲得枚数(j)が0枚であった場合には、上記式(2)を満たすため、制御部290は、7回目の抽選処理において引き直し処理を実行する。このように、i回目の抽選処理でジョブオブジェクトが出なければ、n-1回の抽選終了時にジョブオブジェクトがk枚以上となることを保証できなくなる場合には、制御部290は、i回目の抽選処理で通常抽選処理に替えて引き直し抽選を実行する。すなわち、7回目の抽選処理でジョブオブジェクトが選択されなければ、1回目から9回目までの抽選処理で選択される9枚のオブジェクトのうちジョブオブジェクトが3枚以上となることを保証できなくなる場合にのみ、制御部290は、7回目の抽選処理で引き直し処理を実行する。ステップS717の終了後、制御部290は、ステップS718へ移行する。
【0118】
次に、ステップS718において、制御部290は、i=n-1であるか否か、すなわち、n-1回目の抽選処理が終了したか否かを判定する。i=n-1ではない、すなわち、n-1回目の抽選処理が終了していないと判定された場合(ステップS718のNo)、制御部290は、処理をステップS715へ戻す。一方、i=n-1である、すなわち、n-1回目の抽選処理が終了したと判定された場合(ステップS718のYes)、制御部290は、処理をステップS719へ移行する。
【0119】
ステップS719において、制御部290は、n回目の抽選処理においてSRランクのオブジェクトが出るまで引き直しを実施する。ここで、ステップS712での操作入力が確定抽選受付欄911を選択したものであると判定されていた場合には、ステップS719において、制御部290は、SRランクのジョブオブジェクト又はSRランクの武器オブジェクトが出るまで引き直しを実施する。一方、ステップS712での操作入力が確定抽選受付欄912を選択したものであると判定されていた場合には、ステップS719において、制御部290は、SRランクのジョブオブジェクトが出るまで引き直しを実施する。
【0120】
次に、ステップS720において、制御部290は、1回目からn回目までの確定抽選処理で選択されたn枚のオブジェクトを抽選結果として決定し、ユーザに付与する。具体的には、制御部290は、10回目までの抽選処理で選択された10枚のオブジェクトをユーザに付与する。このとき、10枚のオブジェクトには、ジョブオブジェクトが少なくとも3枚含まれており、それに加えて、SRランクのジョブオブジェクト又はSRランクの武器オブジェクトが少なくとも1枚含まれている。制御部290は、抽選結果をユーザ端末10に通知し、ユーザ端末10は、当該通知に応答して、10枚のオブジェクトを、ユーザに関連付けて記憶部150に記憶させる。これにより、最も希少度の高いSRランクのオブジェクトが少なくとも1枚は確定的に排出される抽選処理が完了する。
【0121】
なお、図7のステップS705では、8回目から10回目までの各選択処理において式(1)を満たしているか否かを都度判定して、通常抽選処理を実行するか引き直し処理を実行するかを切り替えているが、この例に限られない。8回目の抽選処理の際に、この抽選処理でAランク以上のキャラクタが出なければ保証枚数を達成できなくなると判定された場合には、制御部290は、8回目の抽選処理にて引き直し処理を実行するとともに、9回目及び10回目の抽選処理においても自動的に引き直し処理を実行するように制御してもよい。図8のステップS715においても同様である。
【0122】
以上説明したように、制御部290は、ユーザの操作に応答して、ゲームにおいて利用可能である複数のオブジェクト(ゲーム媒体の一例)の中から、オブジェクト選択テーブル252Aに基づいてn個(nは2以上の整数)のオブジェクトを選択する選択処理を実行し、選択処理で選択されたn個のオブジェクトをユーザに付与するとともに、選択処理のために消費されるゲーム内通貨(仮想通貨の一例)の消費量に応じたポイント数をユーザに付与するように構成されている。ここで、オブジェクト選択テーブル252Aには、それぞれ異なる複数の希少度を有するオブジェクトの選択確率が設定されているが、ユーザに付与されるポイント数が所定のしきい値以上となった場合には、オブジェクト選択テーブル252Aで設定された選択確率に関わらず、制御部290は、複数の希少度を有するオブジェクトのうち希少度が最も高いSRランクのオブジェクト(対象ゲーム媒体の一例)が確定的に選択される確定選択処理を実行するように構成されている。このように、ユーザが消費したゲーム内通貨が一定以上になった場合には、SRランクのオブジェクトが確定的に排出される確定選択処理をユーザが選択することができるようにすることで、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0123】
特に、制御部290は、ユーザによる確定抽選受付欄911,912の選択入力操作に応答して確定抽選処理を実行するように構成されている。このように、貯まったポイントを利用して確定抽選処理を実行するか否かをユーザ自らの判断により決定することができるため、ユーザの満足度をさらに向上させることができる。
【0124】
制御部290は、定価よりも割引かれたゲーム内通貨を消費して抽選処理を実行した場合、又は無料チケットを利用して抽選処理を実行した場合には、定価のゲーム内通貨を消費して抽選処理を実行した場合よりも、ポイント数の加算を少なくするように構成されている。このように、ゲーム内通貨の消費量に応じて、確定選択処理が可能となるポイントの加算量を異ならせることで、より多くのゲーム内通貨を消費したユーザを救済することができる。
【0125】
制御部290は、確定抽選処理のために利用されるポイント数が多い場合には、SRランクのジョブオブジェクトとSRランクの武器オブジェクトのうち希少度のより高いSRランクのジョブオブジェクトを確定的に選択するように構成されている。利用ポイント数に応じてユーザが受ける恩恵を異ならせることで、より多くのゲーム内通貨を消費したユーザの満足度向上につながる。
【0126】
本実施形態においては、抽選処理で選択されるオブジェクトは、ジョブオブジェクトと武器オブジェクトという異なるオブジェクトを含み、全体の選択オブジェクトのうちジョブオブジェクトが少なくとも3個含まれるように抽選処理が実行される。ユーザに付与されるジョブオブジェクトの最低保証枚数を確保することで、ユーザの満足度をさらに向上させることができる。
【0127】
上記の実施形態のオブジェクト選択処理では、属性の異なる複数のオブジェクト、すなわち、武器オブジェクトとジョブオブジェクトとをまとめて選択する構成を採用しているが、この例に限られない。単一の属性のオブジェクト、例えば、武器オブジェクトのみ、又はジョブオブジェクトのみを選択する構成としてもよい。
【0128】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【0129】
[付記事項]
本開示の内容を列記すると以下の通りである。
【0130】
(項目1)
プロセッサ及びメモリを備えるコンピュータによって実行されるゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
前記ゲームプログラムに基づくゲームにおいて利用可能である複数のゲーム媒体の中から、選択テーブルに基づいてn個(nは2以上の整数)の前記ゲーム媒体を選択する選択処理をユーザの操作入力に基づいて実行するステップと、
前記選択処理で選択されたn個の前記ゲーム媒体を前記ユーザに付与するステップと、
前記選択処理のために消費される仮想通貨の消費量に応じたポイント数を前記ユーザに付与するステップと、
を実行させ、
前記選択テーブルには、それぞれ異なる複数の希少度を有するゲーム媒体の選択確率が設定されており、
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
前記ポイント数が所定のしきい値以上となった場合には、前記選択確率に関わらず、前記複数の希少度を有するゲーム媒体のうち希少度が最も高い対象ゲーム媒体が確定的に選択される確定選択処理を実行するステップを、さらに実行させる、ゲームプログラム。
この構成によれば、ゲーム媒体の選択処理におけるユーザの満足度を高めることができる。
【0131】
(項目2)
前記確定選択処理は、前記ユーザの操作入力に基づいて実行される、項目1に記載のゲームプログラム。
この構成によれば、ポイントを利用して確定選択処理を実行するか否かをユーザ自らの判断により決定することができるため、ユーザの満足度をさらに向上させることができる。
【0132】
(項目3)
定価よりも割引かれた仮想通貨を消費して前記選択処理を実行した場合、又は仮想通貨を消費せずに前記選択処理が実行可能な無料チケットの利用を選択して前記選択処理を実行した場合には、定価の仮想通貨を消費して前記選択処理を実行した場合よりも、前記ポイント数の加算が少なくなる、項目1または2に記載のゲームプログラム。
この構成によれば、仮想通貨の消費量に応じて、確定選択処理が可能となるポイントの加算量を異ならせることで、より多くの仮想通貨を消費したユーザを救済することができる。
【0133】
(項目4)
前記複数のゲーム媒体は、複数の異なる属性を有するゲーム媒体を含み、
前記ユーザは前記確定選択処理を実行する際に消費される前記ポイント数を選択可能であり、
前記確定選択処理のために利用される前記ポイント数が多いほど、前記複数の異なる属性のうち希少度のより高い対象ゲーム媒体が確定的に選択される、項目1から3のいずれかに記載のゲームプログラム。
この構成によれば、ポイント数に応じてユーザが受ける恩恵を異ならせることで、ユーザの満足度向上につながる。
【0134】
(項目5)
前記選択処理を実行するステップにおいて、前記複数の異なる属性のゲーム媒体のうち特定の属性を有する少なくともk個(kは1以上且つn以下の整数)のゲーム媒体が含まれるように前記n個のゲーム媒体が選択される、項目4に記載のゲームプログラム。
ユーザに付与される特定の属性のゲーム媒体の最低保証枚数を確保することで、ユーザの満足度をさらに向上させることができる。
【0135】
(項目6)
プロセッサ及びメモリを備えるコンピュータがゲームプログラムを実行する方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記ゲームプログラムに基づくゲームにおいて利用可能である複数のゲーム媒体の中から、選択テーブルに基づいてn個(nは2以上の整数)の前記ゲーム媒体を選択する選択処理をユーザの操作入力に基づいて実行するステップと、
前記選択処理で選択されたn個の前記ゲーム媒体を前記ユーザに付与するステップと、
前記選択処理のために消費される仮想通貨の消費量に応じたポイント数を前記ユーザに付与するステップと、
を実行することを含み、
前記選択テーブルには、それぞれ異なる複数の希少度を有するゲーム媒体の選択確率が設定されており、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記ポイント数が所定のしきい値以上となった場合には、前記選択確率に関わらず、前記複数の希少度を有するゲーム媒体のうち希少度が最も高い対象ゲーム媒体が確定的に選択される確定選択処理を実行するステップをさらに実行することを含む、方法。
本項目に係る方法は、項目1に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。
【0136】
(項目7)
情報処理装置であって、
前記情報処理装置は、
ゲームプログラムを記憶する記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行することにより、前記情報処理装置の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記ゲームプログラムに基づくゲームにおいて利用可能である複数のゲーム媒体の中から、選択テーブルに基づいてn個(nは2以上の整数)の前記ゲーム媒体を選択する選択処理をユーザの操作入力に基づいて実行し、
前記選択処理で選択されたn個の前記ゲーム媒体を前記ユーザに付与し、
前記選択処理のために消費される仮想通貨の消費量に応じたポイント数を前記ユーザに付与するように構成され、
前記選択テーブルには、それぞれ異なる複数の希少度を有するゲーム媒体の選択確率が設定されており、
前記制御部は、さらに、前記ポイント数が所定のしきい値以上となった場合には、前記選択確率に関わらず、前記複数の希少度を有するゲーム媒体のうち希少度が最も高い対象ゲーム媒体が確定的に選択される確定選択処理を前記ユーザの操作に応答して実行するように構成されている、情報処理装置。
本項目に係る情報処理装置は、項目1に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0137】
1:ゲーム配信システム、10:ユーザ端末、20:サーバ、30:ネットワーク、130:タッチスクリーン、150:(ユーザ端末の)記憶部、190:(ユーザ端末の)制御部、191:入力操作受付部、192:オブジェクト付与部、193:デッキ構成部、194:オブジェクト設定部、195:パラメータ定義部、196:ゲーム進行部、197:表示制御部、250:(サーバの)記憶部、252A:オブジェクト選択テーブル、290:(サーバの)制御部、901:オブジェクト情報欄、902:通貨表示欄、903:ポイント表示欄、904:通常抽選受付欄、905:有償抽選欄、906:無償抽選欄、911,912:確定抽選受付欄、JA~JC:ジョブオブジェクト、WA~WH:武器オブジェクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9