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  • 特許-レンズ装置および撮像装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】レンズ装置および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20210101AFI20241105BHJP
【FI】
G02B7/04 D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020050464
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021149015
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100136799
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 亜希
(72)【発明者】
【氏名】大森 勝美
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0077304(US,A1)
【文献】実開昭63-162312(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 - 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子を保持する保持部材と、
光軸方向に延在した第1案内溝を有する案内筒と、
前記案内筒に対し回転可能に支持され、カム溝を有するカム筒と、
前記保持部材に固定され、前記第1案内溝と前記カム溝とに摺動可能に係合する第1係合部材とを有するレンズ装置であって、
前記保持部材は光軸方向に延在する第2案内溝を有し、
前記案内筒に固定され、前記第2案内溝に摺動可能に係合する第2係合部材を有し、
前記第2係合部材は、前記案内筒に対し周方向における位置が調整可能に固定されることを特徴とするレンズ装置。
【請求項2】
前記保持部材は3つの前記第2案内溝を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項3】
前記第2案内溝は前記保持部材の内周面に構成された光軸方向に延在する溝である、ことを特徴とする請求項1または2に記載のレンズ装置。
【請求項4】
前記保持部材の内径側に前記カム筒が配置され、前記カム筒の内径側に前記案内筒が配置される、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項5】
前記保持部材は、径方向に前記第2係合部材が貫通する貫通孔を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項6】
前記案内筒は記第2係合部材と当接する当接面を有し、前記当接面は周方向に延在する直線部を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【請求項7】
光学素子を保持する保持部材と、
光軸方向に延在した第1案内溝を有する案内筒と、
前記案内筒に対し回転可能に支持され、カム溝を有するカム筒と、
前記保持部材に固定され、前記第1案内溝と前記カム溝とに摺動可能に係合する第1係合部材とを有するレンズ装置であって、
前記保持部材は光軸方向に延在する第2案内溝を有し、
前記案内筒に固定され、前記第2案内溝に摺動可能に係合する第2係合部材を有し、
前記第2案内溝は前記保持部材の内周面に構成された光軸方向に延在する溝であることを特徴とするレンズ装置。
【請求項8】
光学素子を保持する保持部材と、
光軸方向に延在した第1案内溝を有する案内筒と、
前記案内筒に対し回転可能に支持され、カム溝を有するカム筒と、
前記保持部材に固定され、前記第1案内溝と前記カム溝とに摺動可能に係合する第1係合部材とを有するレンズ装置であって、
前記保持部材は光軸方向に延在する第2案内溝を有し、
前記案内筒に固定され、前記第2案内溝に摺動可能に係合する第2係合部材を有し、
前記保持部材の内径側に前記カム筒が配置され、前記カム筒の内径側に前記案内筒が配置されることを特徴とするレンズ装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のレンズ装置と、前記レンズ装置によって形成された像を受ける撮像素子と、を有する撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ装置および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラやビデオカメラ等の光学機器に用いられているレンズ装置では、フォーカスやズーミングに際してレンズ群を保持したレンズ保持部材を回転筒の回転によって光軸方向に移動させることが知られている。レンズ保持部材を光軸方向へ移動させる際には、撮像素子に対してレンズ群の光軸の倒れや芯ズレ(偏芯)が起こらないようにして移動させることが光学性能を良好に維持するために必要となる。
【0003】
レンズ保持部材を光軸方向に移動する駆動機構では、カム溝を有するカム筒と、光軸方向に平行な縦溝を有する案内筒、それぞれの溝に係合するカムフォロアを用いることが知られている。カムフォロアはレンズ保持部材に支持されており、案内筒に対しカム筒が光軸周りに回転することにより、レンズ保持部材は光軸方向へ駆動する。カム筒と案内筒間の嵌合ガタ(遊び)、また、カム溝、縦溝に対するカムフォロアのそれぞれの遊びにより、レンズ保持部材の案内筒に対する倒れや偏芯が生じ、その結果光学性能が劣化する。
【0004】
特許文献1には、第1、第2の筒部材間に狭持され双方の嵌合ガタを軽減するガタ寄せ部材を有するレンズ装置が開示されている。特許文献2には、光軸方向に移動可能な第1のレンズ保持部材と第2のレンズ保持部材の相対的な倒れや偏芯の方向と量を揃えるために、第2のレンズ保持部材を第1のレンズ保持部材に直進案内させる支持機構を有するレンズ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-197519号公報
【文献】特開2004-198742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたレンズ装置では、質量の重い群の倒れを軽減したい場合は、相応の付勢力が必要となり、ズームやフォーカスの駆動負荷となる。また、特許文献2に開示されたレンズ装置では、移動部材同士の相対偏芯を抑える構成であるため、倒れや偏心の絶対量を軽減する構成ではない。
【0007】
そこで本発明は、レンズユニットの倒れや偏芯の軽減に有利なレンズ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のレンズ装置は、光学素子を保持する保持部材と、光軸方向に延在した第1案内溝を有する案内筒と、前記案内筒に対し回転可能に支持され、カム溝を有するカム筒と、前記保持部材に固定され、前記第1案内溝と前記カム溝とに摺動可能に係合する第1係合部材と、を有するレンズ装置であって、前記保持部材は光軸方向に延在する第2案内溝を有し、前記案内筒に固定され、前記第2案内溝に摺動可能に係合する第2係合部材を有し、前記第2係合部材は、前記案内筒に対し周方向における位置が調整可能に固定されることを特徴とする
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、レンズユニットの倒れや偏芯の軽減に有利なレンズ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1におけるレンズ装置の断面図である。
図2】実施例1におけるレンズ装置の分解斜視図である。
図3】実施例2における撮像装置の構成図である。
図4】実施例2における撮像装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のレンズ装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施例におけるレンズ装置(交換レンズ)について説明する。図1は、レンズ装置100の要部断面図であり、図1(a)は広角時、図1(b)は望遠時の断面図をそれぞれ示す。図2(a)はレンズ装置100の一部分の分解斜視図であり、図2(b)は図2(a)中のA部拡大図である。レンズ装置100は、撮像装置本体(カメラ本体)に着脱可能な交換レンズである。
【0013】
レンズ装置100は、撮影光学系を支持する案内筒(固定筒)10とカム筒11を有し、案内筒10に設けた案内溝とカム筒11に設けたカム溝により撮影光学系の少なくとも一部を光軸方向に移動させることで変倍が可能となる。案内筒10は変倍および焦点調節に際して不動(固定)の部材である。案内筒10とカム筒11は10a、10bの二箇所で径嵌合しており、さらに案内筒10に設けた複数のバヨネット爪10cがカム筒11に設けた周溝11aと係合している。これにより、カム筒11はその内径側に配された案内筒10に対して定位置回転可能に支持される。
【0014】
レンズ装置100の撮影光学系を構成するレンズ(光学素子)L1は、レンズ保持部材12に保持される。レンズ保持部材12は、レンズL1を保持する1群鏡筒13と、1群鏡筒13を固定する直進筒14により構成される。レンズL1は熱加締めにより1群鏡筒13に固定され、1群鏡筒13はねじにより直進筒14に固定される。直進筒14には3つのカムフォロア15がねじ16により固定されており、カムフォロア15(第1係合部材)は、直進筒14の内径側に配された、案内筒10に設けた案内溝(第1案内溝、直溝)10dとカム筒11に設けたカム溝11bと、それぞれが摺動可能に係合している。これにより、カム筒11が案内筒10に対して回転すると、レンズ保持部材12は図1(a)に示す広角位置から図1(b)に示す望遠位置まで移動可能となる。
【0015】
ここで、レンズ保持部材12に生じる倒れ、および偏芯について説明する。案内筒10とカム筒11は径嵌合部10a、10b、およびバヨネット爪10cと周溝11aとの間に遊びを有する。径嵌合部の遊びによりカム筒11は案内筒10に対して偏芯する。カム筒11が偏芯すると、カム溝11bに係合するカムフォロア15のカムの使用位置が変わり、レンズ保持部材12の倒れが生じる。また、バヨネット部の遊びによりカム筒11は案内筒10に対して倒れ、カム筒11が倒れた分だけレンズ保持部材12も倒れる。さらに、複数ある案内溝10d、およびカム溝11bそれぞれの相互の位置精度、つまり部品精度によっても、レンズ保持部材12には倒れ、および偏芯が生じる。レンズ保持部材12はカムフォロア15を支点に倒れ、カムフォロア15とレンズL1の距離が遠いほど、レンズL1の倒れ、および偏芯量が大きくなる。
【0016】
高い光学性能を実現するには、理想的な光軸OAに対してのずれが少ないことが必要条件である。本実施例においては、案内筒10に係合部材17がねじ18により固定されている。係合部材17の効果を説明する前に組立て順を説明する。まず、案内筒10とカム筒11にカムフォロア15を係合させた状態で、直進筒14とカムフォロア15の光軸方向の位置を合わせ、ねじ16でカムフォロア15を引き込む形で、直進筒14にカムフォロア15が固定される。次に、図1(b)に示す望遠状態にして、直進筒14に径方向に貫通して、係合部材17が貫通可能に設けられた挿入穴(貫通孔)14aから係合部材17を挿入し、係合部材17をねじ18で案内筒10に固定(締結)する。この時、挿入穴14aの内側(内周面)には、係合部材17と係合するガイド溝14b(第2案内溝)が光軸方向に延在しており、係合部材17(第2係合部材)はガイド溝14bに摺動可能に係合した状態で案内筒10に固定される。その際、係合部材17の幅はガイド溝14bより狭く設定している。図2(b)に示すように案内筒10は係合部材17と当接する平面部(座)10eを有しており、さらに平面部10eは周方向に延在する直線部10fを有する。直線部10fと係合部材17が係合することにより、係合部材17の光軸方向の位置が決まる。周方向においては、平面部10eの長さを係合部材17の長さより長くしている。係合部材17は案内筒10に対してねじ18で固定されるが、案内筒10のねじ穴の位置に対し、係合部材17が固定される周方向の位置の多少のずれを許容(吸収)できるように、ねじ18が通る係合部材17の穴はその分の裕度をもって調整可能に設定されている。または、ねじ18の位置と係合部材17の位置が周方向において厳密に決められない裕度を持つことができる構成に設計されている。つまり、係合部材17の周方向の位置はガイド溝14bに位置にならう形で規定され、各部品の出来を吸収する形で決まる。このような構成とすることで、レンズ保持部材12の光軸方向への移動時の駆動負荷となることなく、係合部材17を組み込むことが可能となる。

【0017】
係合部材17の効果について説明する。前述したように、各遊びや部品の出来の影響によりレンズ保持部材12はカムフォロア15を支点に倒れる。本実施例においては、直進筒14に設けたガイド溝14bと係合する係合部材17を有しており、各遊びや部品の出来の影響で、レンズ保持部材12が所定量を超えて倒れたり、または偏芯が生じたりすると、ガイド溝14bの一方の側面と係合部材17と当接する。特に、光軸を含む鉛直断面内にない係合部材17が係合しているガイド溝14bの一方の側面と当接する。これにより、レンズ保持部材12の倒れ、および偏芯を軽減することが可能となる。倒れ、および偏芯を軽減する効果としては、カムフォロア15と係合部材17の距離が長いほど効果が大きく、本実施例では図1(a)に示す広角時の方が効果は大きくなる。また、落下等の衝撃時にカムフォロア15が受ける衝撃を係合部材17に分散するといった側面も持ち合わせ、カムフォロア15の塑性変形を軽減でき、つまり衝撃に強いレンズ装置を提供することが可能となる。
【実施例2】
【0018】
図3および図4を参照して、本発明の第2の実施例における撮像装置(カメラシステム)について説明する。図3は、撮像装置200の構成図である。図3において、レンズ装置100(交換レンズ)は、撮像光学系1(レンズユニット)を有する。カメラボディ120(撮像装置本体)は、クイックリターンミラー3、焦点板4、ペンタダハプリズム5、および接眼レンズ6等を備えて構成されている。クイックリターンミラー3は、撮像光学系1を介して形成された光束を上方に反射する。焦点板4は、撮像光学系1の像形成位置に配置されている。ペンタダハプリズム5は、焦点板4に形成された逆像を正立像に変換する。ユーザーは、その正立像を接眼レンズ6を介して観察することができる。
【0019】
撮像素子7は、CCDセンサやCMOSセンサを備え、撮像光学系1を介して形成された光学像(被写体像)を光電変換して画像データを出力する。撮影時には、クイックリターンミラー3が光路から退避して、撮像光学系1を介して撮像素子7上に光学像が形成される。制御部110は、CPUを有し、撮像装置200の各部の動作を制御する。
【0020】
図4は、レンズ装置100とカメラボディ120のカメラシステムのブロック構成を示す。カメラCPU130はマイクロコンピュータにより構成されカメラボディ120内の各部の動作を制御する。また、カメラCPU130は、レンズ装置100の装着時には電気接点101と電気接点121を介して、レンズ装置100内に設けられたレンズCPU102との通信を行う。カメラCPU130がレンズCPU102に送信する情報には、フォーカスレンズの駆動量情報などが含まれる。また、レンズCPU102からカメラCPU130に送信する情報には、撮像倍率情報などが含まれる。なお、電気接点101および電気接点121には、カメラボディ120からレンズ装置100に電源を供給するための接点も含まれている。電源スイッチ131は撮影者により操作可能なスイッチであり、カメラCPU130の起動やカメラシステム内のアクチュエータやセンサ等への電源供給を開始するために操作される。
【0021】
まずは、カメラボディ120の制御について説明する。レリーズスイッチ132は撮影者により操作可能なスイッチであり、第1ストロークスイッチSW1と第2ストロークスイッチSW2とを有する。レリーズスイッチ132からの信号はカメラCPU130に入力される。カメラCPU130は、第1ストロークスイッチSW1からのON信号の入力に応じて撮影準備状態に入る。撮影準備状態では、測光部133による被写体輝度の測定と焦点検出部134によって焦点検出が行われる。カメラCPU130は測光結果に基づいてレンズ装置100内に実装されている不図示の絞りユニットの絞り値や撮像素子7の露光量(シャッタ秒時)等を演算する。また、カメラCPU130は焦点検出部134による撮影光学系の焦点情報に基づいて、被写体に対する合焦状態を得るための不図示のフォーカスレンズの駆動量を決定する。上記駆動量の情報(フォーカスレンズ駆動量情報)は、レンズCPU102に送信される。レンズCPU102は、レンズ装置100の各構成部の動作を制御する。さらにカメラCPU130は、所定の撮影モードになると不図示の像振れ補正装置の防振動作の制御を開始する。
【0022】
第2ストロークスイッチSW2からのON信号が入力されるとカメラCPU130はレンズCPU102に対して絞り駆動命令を送信し、絞りユニットを上記に演算した絞り値に設定させる。また、カメラCPU130は露光部135に露光開始命令を送信し、クイックリターンミラー3の退避動作や不図示のシャッタの開放動作を行わせ、撮像素子7を含む撮像部136にて被写体像の露光動作を行わせる。撮像部136(撮像素子7)からの撮像信号は、カメラCPU130内の信号処理部にてデジタル変換され、さらに各種補正処理が施されて画像信号として出力される。画像信号データは画像記録部137において、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、磁気ディスクや光ディスク等の記録媒体に書き込まれ保存される。
【0023】
次に、レンズ装置100の制御について説明する。ZOOM操作量検出部103は不図示のセンサにより不図示のズームリングの回転検出を行う。MF操作量検出部104は不図示のセンサにより不図示のマニュアルフォーカスリングの回転検出を行う。像振れ補正駆動部105は像振れ補正装置の駆動アクチュエータとその駆動回路を含んでいる。電磁絞り駆動部106は、カメラCPU130からの絞り駆動命令を受けたレンズCPU102により絞りユニットを指定された絞り値相当の開口状態にする。FOCUS駆動部107は、カメラCPU130から送信されたフォーカス駆動量情報に応じて不図示のフォーカス駆動機構でフォーカスレンズを駆動する。
【0024】
角速度検出部108は不図示の角速度センサを含んでいる。角速度検出部108は角速度センサにより角度振れであるピッチ方向(縦回転)振れとヨー方向(横回転)振れを検出し、それぞれの角速度をレンズCPU102に出力する。レンズCPU102は、角速度センサからのピッチ方向およびヨー方向の角速度信号を積分し、それぞれの方向での角変位量を演算する。そして、レンズCPU102は、上述したピッチ方向およびヨー方向の角変位量に応じて像振れ補正駆動部105を制御して像振れ補正装置のレンズ群を縦方向および横方向に駆動させることにより像振れ補正が可能となる。
【0025】
なお、撮像装置200は、撮像素子7を有するカメラボディ120と、カメラボディ120に着脱可能に取り付けられたレンズ装置100とにより構成されているが、これに限定されるものはない。カメラボディとレンズ装置とが一体的に構成された撮像装置であってもよいし、クイックリターンミラーのないミラーレスの一眼レフカメラであってもよい。
【0026】
各実施例によれば、レンズユニットの駆動負荷を増加させることなく、レンズユニットの倒れや偏芯を軽減可能なレンズ装置、および撮像装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形、および変更が可能である。
【0027】
例えば、係合部材17の形状を円筒形状としたが、外形が四角くてもよい。その際も、案内筒10の平面部10eの周方向の長さを係合部材17の周方向の長さより長くすれば、同様の効果が得られる。また、カムフォロア15と係合部材17を同じ位相に配置したが別の位相に配置してもよい。
【符号の説明】
【0028】
10 案内筒
11 カム筒
12 レンズ保持部材
15 カムフォロア
17 係合部材
100 交換レンズ(レンズ装置)
図1
図2
図3
図4