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特許7580933太陽電池内の相対的ドーパント濃度レベル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】太陽電池内の相対的ドーパント濃度レベル
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0747 20120101AFI20241105BHJP
   H01L 31/18 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
H01L31/06 455
H01L31/04 440
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020069400
(22)【出願日】2020-04-07
(62)【分割の表示】P 2016567846の分割
【原出願日】2015-05-21
(65)【公開番号】P2020129666
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2020-05-07
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-07
(31)【優先権主張番号】14/292,454
(32)【優先日】2014-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522392106
【氏名又は名称】マキシオン ソーラー プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スミス、デイヴィッド、ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ウェスタ―バーグ、スタファン
【合議体】
【審判長】山村 浩
【審判官】吉野 三寛
【審判官】後藤 孝平
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102738253(CN,A)
【文献】特開2011-61020(JP,A)
【文献】特表2012-500490(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0322199(US,A1)
【文献】特開2008-282921(JP,A)
【文献】特表2011-518422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/06-31/078
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常動作中には太陽放射を受光するために太陽に面する前側及び前記前側とは反対側の裏側を含む基板と、
前記基板の前記裏側上の誘電体層と、
前記誘電体層上に形成されたポリシリコン層内のP型拡散領域及びN型拡散領域であって、前記P型拡散領域は、第1のドーパント濃度レベルを有し、前記N型拡散領域は、前記第1のドーパント濃度レベルより高い第2のドーパント濃度レベルを有し、前記P型拡散領域及び前記N型拡散領域の物理的界面にパッシベーション領域が配置された、前記P型拡散領域及び前記N型拡散領域と、
前記基板の前記裏側上の前記P型拡散領域に結合された第1の金属コンタクトフィンガと、
前記基板の前記裏側上の前記N型拡散領域に結合された第2の金属コンタクトフィンガと、を備え、
前記P型拡散領域の前記第1のドーパント濃度レベルは、5E17/cmよりも低く、前記N型拡散領域の前記第2のドーパント濃度レベルは1E19~1E20/cmであり、
前記P型拡散領域は、前記第1のドーパント濃度レベルを有するホウ素を含む、太陽電池。
【請求項2】
前記P型拡散領域及び前記N型拡散領域の間の前記物理的界面の両側に延びて、前記基板の前記裏側上に形成された突き合せPN接合をさらに備える、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記突き合せPN接合は、前記基板の表面の上方に向かって延在する、請求項2に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記P型拡散領域は、水素パッシベーションシリコンを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記ポリシリコン層の表面、前記ポリシリコン層内の粒界、及び前記P型拡散領域と前記N型拡散領域との間の前記物理的界面で、水素パッシベーションされている、請求項1から4のいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記P型拡散領域は、前記N型拡散領域に横方向に隣接する、請求項1から5のいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記N型拡散領域は、前記第2のドーパント濃度レベルを有するリンを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
太陽電池として公知の光起電力電池は、太陽放射を電気エネルギーに直接変換するためのデバイスとして周知である。一般的に、太陽電池は、半導体処理技術を使用して半導体ウェハ又は基板上に製造され、P型拡散領域とN型拡散領域との間にPN接合が形成される。太陽放射が太陽電池の基板の表面上に衝突し、基板内に進入することにより、その基板のバルク内に電子及び正孔の対が生成される。それらの電子及び正孔の対が、基板内のP型拡散領域及びN型拡散領域に移動することにより、それらの拡散領域の間に電圧差が生じる。それらの拡散領域が、太陽電池上の導電性領域に接続されることにより、その太陽電池から外部回路へと、電流が方向付けられる。裏側コンタクト型太陽電池では、例えば、拡散領域、及びそれらの拡散領域に結合された交互嵌合式の金属コンタクトフィンガは、双方とも太陽電池の裏側上に存在する。コンタクトフィンガは、外部電気回路が、その太陽電池に結合されて、その太陽電池によって電力供給されることを可能にする。
【0002】
効率は、太陽電池の発電能力に直接関連するため、太陽電池の重要な特性である。同様に、太陽電池を生産する上での効率は、そのような太陽電池の費用対効果に直接関連する。したがって、太陽電池の効率を向上させるための技術、又は、太陽電池の製造における効率を向上させるための技術が、一般的に望ましい。本開示の一部の実施形態は、太陽電池構造体を製造するための新規のプロセスを提供することによって、太陽電池の製造効率の向上を可能にする。本開示の一部の実施形態は、新規の太陽電池構造体を提供することによって、太陽電池の効率の向上を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】一部の実施形態による、基板の上方に形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、例示的な太陽電池の一部分の断面図を示す。
【0004】
図2】一実施形態による、より低いP型ドーパント濃度レベルを有する裏側コンタクト型太陽電池を形成する、例示的方法を示すフローチャートである。
【0005】
図3】一実施形態による、より低いP型ドーパント濃度レベルを有する裏側コンタクト型太陽電池を形成する、例示的方法を示すフローチャートである。
【0006】
図4】一部の実施形態による、基板上に形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
図5】一部の実施形態による、基板上に形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
図6】一部の実施形態による、基板上に形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
図7】一部の実施形態による、基板上に形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
図8】一部の実施形態による、基板上に形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
図9】一部の実施形態による、基板上に形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
【0007】
図10】一実施形態による、より低いP型ドーパント濃度レベルを有する裏側コンタクト型太陽電池を形成する、例示的方法を示すフローチャートである。
【0008】
図11】一部の実施形態による、基板上にカウンタードーピングを使用して形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
図12】一部の実施形態による、基板上にカウンタードーピングを使用して形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
図13】一部の実施形態による、基板上にカウンタードーピングを使用して形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
図14】一部の実施形態による、基板上にカウンタードーピングを使用して形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
図15】一部の実施形態による、基板上にカウンタードーピングを使用して形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
図16】一部の実施形態による、基板上にカウンタードーピングを使用して形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
【0009】
図17】一実施形態による、P型ドーパント源及びN型ドーパント源を印刷することによって、より低いP型ドーパント濃度レベルを有する裏側コンタクト型太陽電池を形成する、例示的方法を示すフローチャートである。
【0010】
図18】一部の実施形態による、基板上に印刷することによって形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
図19】一部の実施形態による、基板上に印刷することによって形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
図20】一部の実施形態による、基板上に印刷することによって形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
図21】一部の実施形態による、基板上に印刷することによって形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
図22】一部の実施形態による、基板上に印刷することによって形成されたP型拡散領域とN型拡散領域との間に形成された、突き合せPN接合を有する、裏側コンタクト型太陽電池を形成する工程の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の発明を実施するための形態は、本質的には、単なる例示に過ぎず、本出願の主題の実施形態、又は、そのような実施形態の使用を限定することを意図するものではない。本明細書で使用するとき、「例示的」という語は、「実施例、実例、又は例示としての役割を果たすこと」を意味する。本明細書で例示的として説明されるいずれの実装も、必ずしも他の実装よりも好ましいか又は有利であるとして解釈されるべきではない。更には、前述の技術分野、背景技術、概要、若しくは以下の発明を実施するための形態で提示される、明示又は暗示されるいずれの理論によっても、束縛されることを意図するものではない。
【0012】
本明細書は、「一実施形態」又は「実施形態」への言及を含む。「一実施形態では」又は「実施形態では」という語句の出現は、必ずしも、同じ実施形態を指すものではない。特定の機構、構造、又は特性を、本開示と矛盾しない任意の好適な方式で組み合わせることができる。
【0013】
用語法。以下のパラグラフは、本開示(添付の請求項を含む)で見出される用語に関する、定義及び/又はコンテキストを提供する。
【0014】
「備える」。この用語は、オープンエンド型である。添付の請求項で使用されるとき、この用語は、更なる構造又は工程を排除するものではない。
【0015】
「~ように構成された」。様々なユニット又は構成要素は、タスクを実行する「ように構成された」として、説明又は特許請求される場合がある。そのようなコンテキストでは、「~ように構成された」は、それらのユニット/構成要素が、動作中にそれらのタスクを実行する構造を含むことを示すことによって、その構造を含意するために使用される。それゆえ、それらのユニット/構成要素は、指定のユニット/構成要素が現時点で動作可能ではない(例えば、オン/アクティブではない)場合であっても、そのタスクを実行するように構成されていると言うことができる。ユニット/回路/構成要素が、1つ以上のタスクを実行する「ように構成された」と記載することは、そのユニット/構成要素に関して、米国特許法第112条第6項が適用されないことを、明示的に意図するものである。
【0016】
「第1の」、「第2の」など。本明細書で使用するとき、これらの用語は、それらが前に置かれる名詞に関する指標として使用されるものであり、いずれのタイプの(例えば、空間的、時間的、論理的などの)順序付けも暗示するものではない。例えば、「第1の」ドーパント源への言及は、このドーパント源がシーケンス内の最初のドーパント源であることを必ずしも暗示するものではなく、その代わりに、「第1の」という用語は、このドーパント源を別のドーパント源(例えば、「第2の」ドーパント源)から区別するために使用される。
【0017】
「基づく」。本明細書で使用するとき、この用語は、決定に影響を及ぼす、1つ以上の因子を説明するために使用される。この用語は、決定に影響を及ぼし得る、更なる因子を排除するものではない。すなわち、決定は、単にそれらの因子のみに基づく場合もあり、又は、それらの因子に少なくとも部分的に基づく場合もある。「Bに基づいてAを決定する」という語句を考察する。Bは、Aの決定に影響を及ぼす因子とすることができるが、そのような語句は、Aの決定がCにもまた基づくものであることを排除するものではない。他の場合には、単にBのみに基づいて、Aを決定することができる。
【0018】
「結合された」-以下の説明は、素子又はノード又は機構が一体に「結合された」ことについて言及する。本明細書で使用するとき、明示的に別段の定めがある場合を除き、「結合された」とは、1つの素子/ノード/機構が、別の素子/ノード/機構に、直接的又は間接的に連結される(又は、直接的若しくは間接的に連通する)ことを意味するものであり、これは、必ずしも機械的なものではない。
【0019】
「抑制する」-本明細書で使用するとき、抑制する、とは、効果を低減又は最小化することを説明するために使用される。構成要素又は機構が、作用、動作、若しくは状態を抑制するとして説明される場合、これらの構成要素又は機構は、完全に、その結果若しくは成果、又は将来の状態を完全に阻止し得るものである。更には、「抑制する」はまた、通常であれば生じるであろう成果、性能、及び/又は効果を、低減若しくは減少させることにも言及し得る。したがって、構成要素、素子、又は機構が、結果若しくは状態を抑制するとして言及される場合、これらの構成要素、素子、又は機構は、その結果若しくは状態を、完全に阻止若しくは排除する必要はない。
【0020】
更には、特定の用語法もまた、参照のみを目的として、以下の説明で使用される場合があり、それゆえ、それらの用語法は、限定的であることを意図するものではない。例えば、「上側」、「下側」、「上方」、及び「下方」などの用語は、参照される図面内での方向を指す。「前部」、「後部」、「後方」、「側部」、「外側」、及び「内側」などの用語は、論考中の構成要素を説明するテキスト及び関連図面を参照することによって明確にされる、一貫性はあるが任意の基準系の範囲内での、構成要素の諸部分の方位及び/又は位置を説明するものである。そのような用語法は、具体的に上述された語、それらの派生語、及び類義語を含み得る。
【0021】
理解を容易にするため、本開示の大部分は、太陽電池に関して説明されるが、開示される技術及び構造体は、他の半導体構造体(例えば、一般的に、シリコンウェハ)に等しく適用される。
【0022】
以下の説明では、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、具体的なプロセスフロー操作などの、多数の具体的詳細が記載される。これらの具体的な詳細なしに、本開示の実施形態を実践することができる点が、当業者には明らかとなるであろう。他の場合には、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、リソグラフィ技術などの周知の製造技術は、詳細には説明されない。更には、図に示される様々な実施形態は、例示的な表現であって、必ずしも原寸に比例して描写されるものではないことを理解されたい。
【0023】
本明細書は、開示されるドーパントレベルを含み得る、例示的な太陽電池を最初に説明し、その後に、二重ドーパントレベルの太陽電池構造体を形成する様々な実施形態の、より詳細な説明が続く。全体を通して、様々な実施例が提供される。
【0024】
図1を参照すると、通常動作中には太陽放射を受光するために太陽に面する前側100A、及びその前側とは反対側の裏側100Bを有する、太陽電池100の断面図が示される。太陽電池100の裏側100Bは、一実施形態では、誘電体層106の上方に配置されて、基板110の一部分上に突き合せPN接合109を形成する、P型拡散ポリシリコン領域102及びN型拡散ポリシリコン領域104を含む。基板110の一実施例は、N型シリコンを含む。一般的に言えば、P型拡散ポリシリコン領域102及びN型拡散ポリシリコン領域104は、突き合せ接合109で、ダイオードを形成する。P型拡散ポリシリコン領域102及びN型拡散ポリシリコン領域104は、1つのポリシリコン層内に形成することができる。これらの拡散領域は、例えば、非ドープポリシリコン層の上に、ドープ二酸化シリコン層を堆積させて、拡散工程を実行することによって、又は、非ドープポリシリコン層を堆積させて、その後にドーパント注入工程を実行することによって、形成することができる。特定の実施形態では、P型拡散ポリシリコン領域102及びN型拡散ポリシリコン領域104は、基板110の表面の上方に、又は太陽電池基板の外部に形成される。
【0025】
太陽電池100は、一実施形態によれば、基板110の上方に形成されるエミッタ領域上に形成された、導電コンタクトを更に含み得る。第1の金属コンタクトフィンガ114などの、第1の導電コンタクトは、窒化シリコン層112内に配置された第1のコンタクト開口部内に配置することができ、P型拡散ポリシリコン領域102に結合することができる。第2の金属コンタクトフィンガ116などの、第2の導電コンタクトは、窒化シリコン層112内に配置された第2のコンタクト開口部内に配置することができ、N型拡散ポリシリコン領域104に結合することができる。これらの「フィンガ」は、マスク及びエッチングを使用して、あるいは他の技術に従って、作製することができる。
【0026】
一実施形態では、P型拡散ポリシリコン領域102及びN型拡散ポリシリコン領域104は、太陽電池100に関するエミッタ領域を提供することができる。それゆえ、一実施形態では、第1の金属コンタクトフィンガ114及び第2の金属コンタクトフィンガ116は、対応のエミッタ領域上に配置される。一実施形態では、第1の金属コンタクトフィンガ114及び第2の金属コンタクトフィンガ116は、バックコンタクト型太陽電池に関するバックコンタクトであり、太陽電池100の受光面(面100A)とは反対側の、太陽電池の表面上に位置する。更には、一実施形態では、エミッタ領域は、誘電体層106などの、薄い誘電体層又はトンネル誘電体層上に形成される。
【0027】
一部の実施形態によれば、図1に示されるように、バックコンタクト型太陽電池を製造する工程は、基板110上に薄い誘電体層106を形成する工程を含み得る。一実施形態では、薄い誘電体層は、二酸化シリコンから構成され、約5~50オングストロームの範囲の厚さを有する。一実施形態では、薄い誘電体層は、トンネル酸化物層として機能する。一実施形態では、基板110は、N型ドープ単結晶シリコン基板などの、バルク単結晶シリコン基板である。しかしながら、別の実施形態では、この基板は、大域的太陽電池基板上に配置された、多結晶シリコン層を含む。
【0028】
ポリシリコン層内に交互嵌合式のN型拡散及びP型拡散を有する、太陽電池100などのバックコンタクト型太陽電池では、そのポリシリコン層内部で、それら2つの拡散間の界面に形成することが可能な、突き合せPN接合109が存在する。突き合せPN接合109は、ホウ素ドープ(P型)ポリシリコンとリンドープ(N型)ポリシリコンとの間の区域である。突き合せPN接合109は、P型拡散領域とN型拡散領域との間の物理界面の両側内に延在し得る。この物理接合の幅、及び、この物理接合の各側内にどの程度延在するかは、その突き合せPN接合109の各側の、ドーピング濃度レベル及び濃度勾配に応じて決定される。
【0029】
一般的には、空間電荷再結合は、PN接合109の多結晶粒界で発生する。空間電荷再結合は、移動電荷キャリア(電子及び電子正孔)が排除されるプロセスである。これは、伝導帯電子がエネルギーを失い、価電子帯内での電子正孔のエネルギー状態を再び占有するプロセスである。ポリシリコン層の多結晶シリコンは、粒子からなる。各粒子は、全てのSi原子が整列された、完全な結晶格子を有する。しかしながら、異なる粒子は、異なる配向を有し得るものであり、それらの粒子間には、材料の結晶性が破壊された境界が存在する。この界面が、結晶粒界と呼ばれる。この結晶粒界などの、材料の特定の区域内で、電子正孔再結合の確率が高まる。例えば、金属の欠陥は、再結合を増大させる。本発明者らは、結晶粒界でのホウ素が、より高い再結合が存在する1つのそのような区域であることを見出した。そのような区域が低減されるのであれば、その材料の耐用期間は、より長いものとなり、キャリアを収集する可能性が高まる。
【0030】
突き合せPN接合109は、殆どの場合、高い再結合を有するため、20%を超える高いデバイス効率に到達することが阻止される。しかしながら、本発明者らは、空間電荷再結合が、P型ドーパント濃度レベルに応じて変化し得ることを見出した。ポリシリコン層内で、~5E17/cm3までドーパント濃度レベルを低下させることによって、結晶粒界でのホウ素原子は十分に少ないものとなり、高効率のデバイスを作製することが可能なレベルまで、再結合が抑制される。
【0031】
一実施形態に一貫して、P型拡散ポリシリコン領域102は、第1のドーパント濃度レベルを有するP型ドーパント源120によって形成することができ、N型拡散ポリシリコン領域104は、第1のドーパント濃度レベルが第2のドーパント濃度レベルより低いような、第2のドーパント濃度レベルを有するN型ドーパント源122によって形成することができる。例えば、P型拡散ポリシリコン領域102は、1E17/cm3~1E18/cm3の範囲より低いドーパント濃度レベルを有する、ホウ素を含むP型ドーパント源によって、ポリシリコン層内に形成することができ、それにより、P型拡散ポリシリコン領域102は、結果として~5E19/cm3から~5E17/cm3の範囲より低いドーパント濃度レベルを有する。同様に、リンを含むN型ドーパント源を使用して、N型拡散ポリシリコン領域104を形成することができる。ドーパント源は、シリコンベースの基板に対するホウ素であるような、基板に対する電荷キャリア不純物原子の供給源である。例えば、一実施形態では、電荷キャリア不純物原子は、限定するものではないが、リンドーパントなどの、N型ドーパントである。別の実施形態では、電荷キャリア不純物原子は、限定するものではないが、ホウ素ドーパントなどの、P型ドーパントである。
【0032】
一実施形態では、P型拡散ポリシリコン領域102及びN型拡散ポリシリコン領域104は、活性領域である。導電コンタクトを、それらの活性領域に結合して、分離領域によって互いに隔てることができ、この分離領域は、誘電体材料から構成することができる。一実施形態では、この太陽電池は、バックコンタクト型太陽電池であり、この太陽電池の不規則テクスチャ化表面上などの、受光面上に配置された、反射防止コーティング層(例えば、誘電体層106)を更に含む。
【0033】
P型ドーパント源120の、第1のドーパント濃度レベルを、N型ドーパント源122の、第2のドーパント濃度レベルよりも小さくすることにより、結果的に得られるデバイス効率が20%超となる程度まで、突き合せPN接合109での再結合を低減することができる。例えば、約1E17/cm3~1E18/cm3より低いドーパント濃度レベルを有する、ホウ素のP型ドーパント源と比較して、約1E19/cm3~1E20/cm3より高いドーパント濃度レベルを有する、リンを含むN型ドーパント源を使用して、ポリシリコン層内にN型拡散ポリシリコン領域104を形成することができる。
【0034】
P型ドーパント濃度レベルを、より低い濃度レベルまで低減することによって、再結合が低下され、それにより高効率の太陽電池を形成することができる。一部の実施形態では、再結合を減少させるために、トレンチを使用してN型拡散とP型拡散とを物理的に隔てる必要はない。物理的にトレンチを必要とすることなく、突き合せPN接合109での再結合を低減することによって、太陽電池100の製造プロセスで、少なくとも2つの工程を削除することができるため、コストが引き下げられる。
【0035】
水素(H)を使用する、結晶粒界のパッシベーションによって、耐用期間の更なる増大を達成することができる。すなわち、水素(H)を使用して、現時点で空孔の結晶粒界の部位をパッシベートすることによって、更なる再結合の改善を達成することができる。このことは、近傍の窒化シリコン層からHをドライブする、フォーミングガスアニール(「FGA」)の間に、又は、(例えば、窒化物堆積の前の)Hのプラズマ増強化学気相成長(PECVD)によって、行うことができる。
【0036】
ホウ素ドーピング濃度レベルを低下させることは、Hパッシベーションの効果を支援し得る。例えば、より低いホウ素レベルでは、水素添加(例えば、表面のあらゆるSi未結合手のHパッシベーション)は、より長い電池の耐用期間をもたらし得る。対照的に、より高いホウ素濃度では、ホウ素原子は、多数の未結合手を呈し得る。しかしながら、より低い濃度では、この場合Hが、それらの結合手に到達して、それらをパッシベートすることが可能となる。
【0037】
例えば、一実施形態では、Hパッシベーションは、N2及びH2の混合物を使用するフォーミングガスアニール(FGA)によって実行することができる。従来では、このフォーミングガス中のHが、Hの供給源であるが、代替的なHの供給源は、ポリシリコン層の上に堆積させることが可能な、窒化シリコンPECVDの層又は膜からのものである。この窒化シリコンPECVDの層又は膜自体が、多数のHを有し得るものであり、突き合せPN接合109の境界領域に拡散させるために使用して、パッシベーション領域124を生じさせるアニールの間のパッシベーションを改善することができる。この界面又は突き合せPN接合109でのホウ素レベルが低下しているため、この場合Hが、Si未結合手に到達して、それらをパッシベートすることが可能となる。
【0038】
図1に示されるように、窒化シリコン層112の形態の誘電体が、P型拡散ポリシリコン領域102及びN型拡散ポリシリコン領域104の上に延在し得る。一実施形態では、窒化シリコン層112は、プラズマ増強化学気相成長(PECVD)によって、約400オングストロームの厚さに形成される。
【0039】
ここで図2に転じると、一実施形態による、太陽電池を形成するための方法を示すフローチャートが示される。202に示されるように、半導体領域の上に、ポリシリコンの層を堆積、印刷、又は注入することができる。又は、一部の実施形態では、このポリシリコンは、ポリシリコンに転化されたアモルファスシリコンから形成することができる。本明細書で説明されるように、図1では、予めドープされたポリシリコン層が示されている。
【0040】
204に示されるように、図1に示されるようなP型拡散ポリシリコン領域102を、P型ドープ領域から形成することができる。P型拡散ポリシリコン領域102は、P型ドープ領域内に存在する、ドーパント濃度レベルAを有するP型ドーパント源によって形成することができる。206に示されるように、N型ドープ領域から、図1に示されるようなN型拡散ポリシリコン領域104を、そのN型ドープ領域内に存在する、ドーパント濃度レベルBを有するN型ドーパント源によって形成することができる。P型ドーパント源のドーパント濃度レベルAは、N型ドーパント源のドーパント濃度レベルBよりも小さい。例えば、ホウ素のドーパント濃度レベルAは、結果として得られるP型拡散ポリシリコン領域102内のドーピング濃度レベルが、~5E19/cm3~5E17/cm3となり得るように、1E17/cm3~1E18/cm3とすることができ、リンのドーパント濃度レベルBは、N型ドーパント源で1E19/cm3~1E20/cm3とすることができる。一実施形態では、P型とN型との濃度比が1:100となるように、ホウ素のドーピングとリンのドーピングとの、~2桁分の差異を保つことができる。208に示されるように、水素Hを使用して、突き合せPN接合109での、Si未結合手の少なくとも一部をパッシベートすることができる。
【0041】
図3を参照すると、一実施形態による、バックコンタクト型太陽電池に関するP型拡散領域及びN型拡散領域を形成する方法での操作を表す、フローチャート300が示される。図4図9は、本発明の一実施形態による、フローチャート300の操作に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における様々な段階の断面図を示す。この実施例では、言及されるプロセス工程は、示された順序で実行される。他の実施例では、これらのプロセス工程は、他の順序で実行することができる。理解する上で必要のない他のプロセス工程は、明確化のために省略されていることに留意されたい。例えば、P型拡散領域及びN型拡散領域への金属コンタクトの形成などの、他のプロセス工程が、パッシベーション工程の後に続くことにより、この太陽電池の製造が完了する。更には、一部の実施形態では、このプロセスは、図示される全ての工程よりも少ない工程を含み得る。
【0042】
フローチャート300の操作302、及び対応する図4を参照すると、バックコンタクト型太陽電池に関する突き合せPN接合411(図8を参照)を形成する方法は、基板400の裏側表面上に、薄い誘電体層402を形成する工程を含む。図示のように、図4は、裏側405及び前側406を有する、太陽電池基板400を示す。太陽電池内には、複数のP型拡散領域及びN型拡散領域が存在するが、説明の明確化のために、以下の実施例では、それぞれのうちの1つのみが製造されるものとして示される。
【0043】
一実施形態では、薄い誘電体層402は、二酸化シリコンから構成され、約5~50オングストロームの範囲(例えば、20オングストローム)の厚さを有する。一実施形態では、誘電体層402は、基板400の表面上に熱成長された、二酸化シリコンを含む。誘電体層402はまた、例えば、窒化シリコンも含み得る。薄い誘電体層402は、トンネリング酸化物層として機能する。特定の実施形態では、誘電体層402は、反射防止コーティング(ARC)層である。一実施形態では、基板400は、N型ドープ単結晶シリコン基板又はN型シリコンウェハなどの、バルク単結晶基板である。しかしながら、代替的実施形態では、基板400は、大域的太陽電池基板上に配置された、多結晶シリコン層を含み得る。
【0044】
フローチャート300の操作304、及び対応する図4を参照すると、薄い誘電体層402上に、非ドープ多結晶シリコン(ポリシリコン)層404を形成する工程が示される。ポリシリコン層という用語の使用は、アモルファスシリコン又はαシリコンとして説明することが可能な材料もまた包含することを意図するものである点を理解されたい。ポリシリコン層404は、例えば、低圧化学気相成長(LPCVD)によって、約2000オングストロームの厚さに形成することができる。
【0045】
フローチャート300の操作306、及び対応する図5図6を参照すると、ポリシリコン層404上に、図5の第1のドープ二酸化シリコン層407を形成する工程と、P型(例えば、ホウ素)などの第1の導電型の第1のドーパント源408をパターニングする工程(フローチャート300の操作308)が示される。第1のドープ二酸化シリコン層407は、この実施例ではP型拡散領域414(図8を参照)である、後に形成される拡散領域に関する、ドーパント源としての役割を果たす。第1のドープ二酸化シリコン層407は、それゆえ、ホウ素などのP型ドーパントでドープすることができる。第1のドープ二酸化シリコン層407は、P型拡散領域414が形成されることになる、ポリシリコン層404の区域の上に残存するように、パターニングされる(図6)。第1のドープ二酸化シリコン層407は、常圧化学気相成長(APCVD)によって、約1000オングストロームの厚さに形成することができる。
【0046】
一実施形態では、このパターニング工程は、図6に示されるように、第1のドーパント源408の領域に隣接する、ポリシリコン層404の領域を露出させる。一実施形態では、第1のドーパント源408を形成及びパターニングする工程は、ホウケイ酸ガラス(BSG)の層を形成及びパターニングする工程を含む。特定の実施形態では、このBSG層は、均一のブランケット層として、化学気相成長によって形成され、次いで、リソグラフィ及びエッチングのプロセスによってパターニングされる。そのような特定の実施形態では、BSG層は、限定するものではないが、常圧化学気相成長(APCVD)、プラズマ増強化学気相成長(PECVD)、低圧化学気相成長(LPCVD)、又は超高真空化学気相成長(UHVCVD)などの、化学気相成長技術によって形成される。代替的な特定の実施形態では、BSG層は、パターンを予め有する状態で堆積され、それゆえ、形成及びパターニングの工程は、同時に実行される。1つのそのような実施形態では、パターニングされたBSG層は、スクリーン印刷の手法によって形成される。一実施形態では、第1のドーパント源408は、P型ドーパント不純物原子を含む膜の層であり、基板の上方に堆積させることができる。代替的実施形態では、イオン注入の手法を使用することもできる。
【0047】
一実施形態では、ポリシリコン層内での、より低いP型ドーピングは、BSG酸化物層(P型ドーパント源)内のドーパント量を低下させることによってもたらされる。BSG酸化物層内のホウ素(B)の濃度は、~4%の典型的レベルから、~1~2%に低減される。このことは、ポリシリコン層内でのP型ドーパント濃度レベルの量を、~5E19/cm3から~5E17/cm3の間に低下させる結果をもたらす。
【0048】
フローチャート300の操作310、及び対応する図7を参照すると、ポリシリコン層404上、及びP型の第1のドーパント源408の上方に、N型(例えば、リン)などの第2の導電型の第2のドーパント源412を提供するための、図7の第2のドープ二酸化シリコン層410を形成する工程が示される。第2のドープ二酸化シリコン層410は、この実施例ではN型拡散領域416(図8を参照)である、後に形成される拡散領域に関する、ドーパント源としての役割を果たす。第2のドープ二酸化シリコン層410は、それゆえ、リンなどのN型ドーパントでドープすることができる。第2のドープ二酸化シリコン層410は、APCVDによって、約2000オングストロームの厚さに形成することができる。
【0049】
一実施形態では、第2のドーパント源412を形成する工程は、リンケイ酸ガラス(PSG)の層を形成する工程を含む。特定の実施形態では、このPSG層は、均一のブランケット層として、化学気相成長によって形成され、次いで、リソグラフィ及びエッチングのプロセスによってパターニングされる。そのような特定の実施形態では、PSG層は、限定するものではないが、常圧化学気相成長(APCVD)、プラズマ増強化学気相成長(PECVD)、低圧化学気相成長(LPCVD)、又は超高真空化学気相成長(UHVCVD)などの、化学気相成長技術によって形成される。一実施形態では、第2のドーパント源412は、N型ドーパント不純物原子を含む膜の層であり、基板の上方に堆積させることができる。代替的実施形態では、イオン注入の手法を使用することもできる。
【0050】
PSG層を使用することによって、一実施形態では、ポリシリコン層404のN型拡散領域416内での、N型ドーピング濃度レベルの範囲は、例えば1E19/cm3~1E20/cm3の、N型ドーパント源のドーパント濃度レベルの、約10%にすることができる。
【0051】
フローチャート300の操作312、及び対応する図8を参照すると、基板400を加熱する工程が示される。一実施形態では、この加熱する工程は、第1のドーパント源408及び第2のドーパント源412から、ドーパントをドライブする。例えば、一実施形態では、基板400を加熱する工程は、第1のドーパント源408及び第2のドーパント源412から、それぞれ、ポリシリコン層404内にドーパントをドライブする。しかしながら、別の実施形態では、第1のドーパント源408及び第2のドーパント源412は、基板400上に、若しくは基板400上の薄い酸化物上に、直接形成することができ、基板400を加熱する工程は、第1のドーパント源408及び第2のドーパント源412から、それぞれ、基板400内にドーパントをドライブする。1つの特定のそのような実施形態では、基板400は、バルク結晶シリコン基板であり、そのバルク結晶シリコン基板上に、第1のドーパント源408及び第2のドーパント源412が形成される。次いで、このバルク結晶シリコン基板が加熱されることにより、第1のドーパント源408及び第2のドーパント源412から、バルク結晶シリコン基板内にドーパントがドライブされる。
【0052】
操作312では、熱ドライブイン工程が、第1のドープ二酸化シリコン層407、及び第2のドープ二酸化シリコン層410から、下層のポリシリコン層404にドーパントを拡散させることにより、ポリシリコン層404内に、P型拡散領域及びN型拡散領域を形成し、それらは、P型拡散ポリシリコン領域414及びN型拡散ポリシリコン領域416として、適宜に標識される。この熱ドライブイン工程は、図7のサンプルを加熱することによって実行することができる。一実施形態では、ドライブ条件は、膜の厚さ全体にわたって均一な、例えば1E20/cm3より高い、高濃度にドープされたポリシリコン層を生じさせ、そのポリシリコンの下には、例えば1E18/cm3以下の、極めて少ないドーピングを有する。この熱ドライブイン工程は、第1のドープ二酸化シリコン層407の下のポリシリコン層404が、P型拡散ポリシリコン領域414を形成し、第2のドープ二酸化シリコン層410の下のポリシリコン層404が、N型拡散ポリシリコン領域416を形成する結果をもたらす。P型拡散ポリシリコン領域414のドーパント濃度レベルは、N型拡散ポリシリコン領域416のドーパント濃度レベルよりも小さくすることができる。例えば、P型ドーパント濃度レベルは、1E17~1E18/cm3とすることができ、N型ドーパント濃度レベルは、1E19~1E20/cm3とすることができる。
【0053】
フローチャート300の操作314、及び対応する図9を参照すると、第2のドープ二酸化シリコン層410上に、窒化シリコン層420を形成する工程が(例えば、図7と同様に)示される。矢印425によって示されるような、操作314で発生された水素(H)を使用して、図8の突き合せPN接合411をパッシベートすることができる。
【0054】
コンタクト開口部を形成することにより、N型拡散ポリシリコン領域416及びP型拡散ポリシリコン領域414への露出を提供することができる。一実施形態では、コンタクト開口部は、レーザアブレーションによって形成される。バックコンタクト型太陽電池に関するコンタクトを形成する工程は、N型拡散ポリシリコン領域416とP型拡散ポリシリコン領域414とを結合するために、コンタクト開口部内に導電コンタクトを形成する工程を含み得る。それゆえ、一実施形態では、導電コンタクトは、基板400などのバルクN型シリコン基板の、その基板400の受光面とは反対側の表面上、又は表面の上方に形成される。
【0055】
図10を参照すると、バックコンタクト型太陽電池に関する、カウンタードーピングによってP型拡散領域及びN型拡散領域を形成する例示的方法での操作を表す、フローチャート1000が示される。図11図16は、一実施形態による、フローチャート1000の操作に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における様々な段階の断面図を示す。この実施例では、言及されるプロセス工程は、示された順序で実行されるが、他の実施形態では、異なる順序を使用することができる。理解する上で必要のない他のプロセス工程は、明確化のために省略されていることに留意されたい。例えば、P型拡散領域及びN型拡散領域への金属コンタクトの形成などの、他のプロセス工程が、パッシベーション工程の後に続くことにより、この太陽電池の製造が完了する。更には、一部の実施形態では、図10に示される全ての工程よりも少ない工程を使用することができる。様々な実施形態では、図3の方法の説明が、図10の方法の説明に等しく適用される。したがって、説明の明確化のために、その説明のうちの一部の説明は繰り返さない。
【0056】
P型ドーパントレベルが飛躍的に低減される場合、N型拡散領域及びP型拡散領域を作り出すために、カウンタードーピング技術を使用することができる。ホウ素を使用する極めて低いP型拡散は、リンを使用するN型拡散が必要とされる区域に関するカウンタードーピングプロセスで、使用することができる。この目的のために、その場でドープされるP型膜を形成することができ、次いで、高レベルのリンを使用する、パターン化堆積を実行することができる。このことにより、最初のP型材料は、N型にカウンタードープされることになる。非N型ドープ区域は、P型のまま残されることになる。展開することが可能な、1つの可能なパターン化堆積の技術は、注入であるが、他の技術も同様に機能し得る。
【0057】
図11は、裏側1105及び前側1106を有する、太陽電池基板1100を示す。太陽電池内には、複数のP型拡散領域及びN型拡散領域が存在するが、説明の明確化のために、以下の実施例では、それぞれのうちの1つのみが製造されるものとして示される。
【0058】
フローチャート1000の操作1002、及び対応する図11を参照すると、基板1100の裏側表面上に、薄い誘電体層1102を形成する工程が示される。一実施形態では、基板1100は、N型ドープ単結晶シリコン基板又はN型シリコンウェハなどの、バルク単結晶基板である。図11の例示される薄い誘電体層1102は、図4の薄い誘電体層402と同じ特徴を含む。図11の例示される基板1100は、図4の基板400と同じ特徴を含む。
【0059】
フローチャート1000の操作1004、及び対応する図11を参照すると、薄い誘電体層1102上に、非ドープ多結晶シリコン(ポリシリコン)層1104を形成する工程が示される。図11の例示されるポリシリコン層1104は、図4のポリシリコン層404と同じ特徴を含む。
【0060】
フローチャート1000の操作1006、及び対応する図12を参照すると、ポリシリコン層1104上に、P型(例えば、ホウ素)などの第1の導電型の第1のドーパント源1108を提供するための、第1のドープ二酸化シリコン層1107を形成する工程が示される。第1のドープ二酸化シリコン層1107は、この実施例では第1のドーパント源又はP型ドーパント源1108から形成される、P型拡散ポリシリコン領域1114(図15を参照)である、後に形成される拡散領域に関する、ドーパント源としての役割を果たす。一実施形態では、第1のドーパント源1108を形成する工程は、ホウケイ酸ガラス(BSG)の層を形成する工程を含む。図12の例示される第1のドープ二酸化シリコン層1107は、図5の第1のドープ二酸化シリコン層407と同じ特徴を含む。
【0061】
フローチャート1000の操作1008、及び対応する図13を参照すると、第1のドープ二酸化シリコン層1107上に、N型(例えば、リン)などの第2の導電型の第2のドーパント源1112を提供するための、第2のドープ二酸化シリコン層1110を形成する工程が示される。第2のドープ二酸化シリコン層1110は、この実施例ではN型拡散ポリシリコン領域1116(図15を参照)である、後に形成される拡散領域に関する、ドーパント源としての役割を果たす。一実施形態では、第2のドーパント源1112を形成する工程は、リンケイ酸ガラス(PSG)の層を形成する工程を含む。図13の例示される第2のドープ二酸化シリコン層1110は、図7の第2のドープ二酸化シリコン層410と同じ特徴を含む。
【0062】
フローチャート1000の操作1010、及び対応する図14図15を参照すると、第1のドープ二酸化シリコン層1107上でN型(例えば、リン)などの第2の導電型の第2のドーパント源1112をパターニングする工程が示される。第2のドープ二酸化シリコン層1110は、この実施例ではN型拡散ポリシリコン領域1116(図15を参照)である、後に形成される拡散領域に関する、ドーパント源としての役割を果たす。第2のドープ二酸化シリコン層1110は、それゆえ、リンなどのN型ドーパントでドープすることができる。第2のドープ二酸化シリコン層1110は、N型拡散ポリシリコン領域1116が形成されることになる(図15)、第1のドープ二酸化シリコン層1107の区域の上に残存するように、パターニングされる。
【0063】
フローチャート1000の操作1012、及び対応する図15を参照すると、基板1100を加熱する工程が実行される。一実施形態では、基板1100を加熱する工程は、第1のドーパント源1108及び第2のドーパント源1112から、それぞれ、ポリシリコン層1104内にドーパントをドライブする。操作1012では、熱ドライブイン工程が、第1のドープ二酸化シリコン層1107、及び第2のドープ二酸化シリコン層1110から、下層のポリシリコン層1104にドーパントを拡散させることにより、ポリシリコン層1104内に、P型拡散領域及びN型拡散領域を形成し、それらは、P型拡散ポリシリコン領域1114及びN型拡散ポリシリコン領域1116として、適宜に標識される。P型拡散ポリシリコン領域1114のドーパント濃度レベルは、N型拡散ポリシリコン領域1116のドーパント濃度レベルよりも小さくすることができる。例えば、P型ドーパント濃度レベルは、1E17~1E18/cm3とすることができ、N型ドーパント濃度レベルは、1E19~1E20/cm3とすることができる。
【0064】
フローチャート1000の操作1014、及び対応する図16を参照すると、図15の、第2のドープ二酸化シリコン層1110及び露出された第1のドープ二酸化シリコン層1107上に、窒化シリコン層1120を形成する工程が示される。矢印1125によって示されるような、操作1014で発生された水素(H)を使用して、図15の突き合せPN接合1111をパッシベートすることができる。
【0065】
コンタクト開口部を形成することにより、N型拡散ポリシリコン領域1116及び複数のP型拡散ポリシリコン領域1114への露出を提供することができる。一実施形態では、コンタクト開口部は、レーザアブレーションによって形成される。バックコンタクト型太陽電池に関するコンタクトを形成する工程は、N型拡散ポリシリコン領域1116とP型拡散ポリシリコン領域1114とを結合するために、コンタクト開口部内に導電コンタクトを形成する工程を含み得る。それゆえ、一実施形態では、導電コンタクトは、基板1100などのバルクN型シリコン基板の、その基板1100の受光面とは反対側の表面上、又は表面の上方に形成される。
【0066】
図17を参照すると、本開示の一実施形態による、バックコンタクト型太陽電池に関するP型ドーパント源及びN型ドーパント源を印刷する方法での操作を表す、フローチャート1700が示される。図18図22は、一実施形態による、フローチャート1700の操作に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における様々な段階の断面図を示す。図18は、裏側1805及び前側1806を有する、太陽電池基板1800を示す。太陽電池内には、複数のP型拡散領域及びN型拡散領域が存在するが、説明の明確化のために、以下の実施例では、それぞれのうちの1つのみが製造されるものとして示される。
【0067】
図18図22は、以下のプロセス工程、a)ダメージエッチング工程、b)ポリシリコン堆積、c)ドーパント源の印刷、d)硬化工程、及びe)パッシベーションを含むプロセスを、概略的に示す。この実施例では、上述のプロセス工程は、示された順序で実行される。理解する上で必要のない他のプロセス工程は、明確化のために省略されていることに留意されたい。例えば、P型拡散領域及びN型拡散領域への金属コンタクトの形成などの、他のプロセス工程が、パッシベーション工程の後に続くことにより、この太陽電池の製造が完了する。
【0068】
フローチャート1700の操作1702、及び対応する図18を参照すると、ダメージエッチング工程を施すことによって、太陽電池へと加工処理するための基板1800を調製する工程が示される。
【0069】
基板1800は、この実施例では、N型シリコンウェハを含み得るものであり、典型的には、基板1800をそのインゴットからスライスするためにウェハ供給業者によって使用される鋸引きプロセスにより、表面が損傷した状態で入手される。基板1800は、ウェハ供給業者から入手した時点で、厚さ約100~200マイクロメートルとすることができる。一実施形態では、ダメージエッチング工程は、水酸化カリウムを含むウェットエッチングプロセスを使用して、基板1800の各側から約10~20μmを除去することを伴う。ダメージエッチング工程はまた、金属汚染を除去するために、基板1800を洗浄することも含み得る。基板1800の前側表面及び裏側表面上に、薄い誘電体層(標識せず)を形成することができる。これらの薄い誘電体層は、基板1800の両側表面上で20オングストローム以下(例えば、16オングストローム)の厚さに熱成長された、二酸化シリコンを含み得る。基板1800の前側表面、及びその前側表面上に形成される材料はまた、それらが通常動作中には太陽放射を受光するために太陽に面することから、太陽電池の前側上に存在するとして言及される。同様に、基板1800の裏側表面、及びその裏側表面上に形成される材料はまた、前側とは反対側である、太陽電池の裏側上に存在するとして言及される。
【0070】
フローチャート1700の操作1704、及び対応する図19を参照すると、基板1800の上の薄い誘電体層(図示せず)上に、ポリシリコン層1804を形成する工程が示される。ポリシリコン層1804は、基板1800の裏側1805上の、薄い誘電体層上に形成される。製造プロセスのこの段階では非ドープである、ポリシリコン層1804は、LPCVDによって約2200オングストロームの厚さに形成することができる。
【0071】
フローチャート1700の操作1706、及び対応する図20を参照すると、基板1800の上のポリシリコン層1804上に、第1のドーパント源1808及び第2のドーパント源1812を印刷する工程が示される。以下でより明らかとなるように、第1のドーパント源1808及び第2のドーパント源1812は、太陽電池の裏側上のポリシリコン層1804内に拡散領域を形成するための、ドーパントを提供する。任意の所与の太陽電池に関して、幾つかの第1のドーパント源1808及び第2のドーパント源1812が形成されるが、説明の明確化のために、それぞれのうちの1つのみが図20に示される。印刷可能なインクを含む、第1のドーパント源1808及び第2のドーパント源1812は、異なる導電型を有する。図20の実施例では、第1のドーパント源1808は、P型ドーパント源であり、第2のドーパント源1812は、N型ドーパント源である。第1のドーパント源1808及び第2のドーパント源1812は、インクジェット印刷又はスクリーン印刷などの、印刷によって形成される。インクジェット印刷により、有利には、基板1800の上でのインクジェットプリンタノズルの単回のパスで、第1のドーパント源1808及び第2のドーパント源1812の双方を印刷することが可能となり得る。第1のドーパント源1808及び第2のドーパント源1812はまた、プロセスに応じて、別個のパスで印刷することもできる。
【0072】
フローチャート1700の操作1708、及び対応する図21を参照すると、基板1800の上のポリシリコン層1804上に、第1のドーパント源1808及び第2のドーパント源1812からドーパントを拡散させることにより、P型拡散ポリシリコン領域1814及びN型拡散ポリシリコン領域1816を形成する工程が示される。ドーパントを拡散させるために、硬化工程を実行することにより、第1のドーパント源1808からポリシリコン層1804内にドーパントを拡散させて、ポリシリコン層1804内にP型拡散ポリシリコン領域1814を形成し、第2のドーパント源1812からポリシリコン層1804内にドーパントを拡散させて、ポリシリコン層1804内にN型拡散ポリシリコン領域1816を形成する。この硬化工程は、600℃~1100℃の間の温度範囲(例えば、950℃)で、約30分にわたって実行することができる。
【0073】
フローチャート1700の操作1710、及び対応する図22を参照すると、印刷された第1のドーパント源1808及び第2のドーパント源1812上に、窒化シリコン層1820を形成する工程が示される。矢印1825によって示されるような、操作1710で発生された水素(H)を使用して、図21の突き合せPN接合1811をパッシベートすることができる。
【0074】
コンタクト開口部を形成することにより、N型拡散ポリシリコン領域1816及び複数のP型拡散ポリシリコン領域1814への露出を提供することができる。一実施形態では、コンタクト開口部は、レーザアブレーションによって形成される。バックコンタクト型太陽電池に関するコンタクトを形成する工程は、N型拡散ポリシリコン領域1816とP型拡散ポリシリコン領域1814とを結合するために、コンタクト開口部内に導電コンタクトを形成する工程を含み得る。それゆえ、一実施形態では、導電コンタクトは、基板1800などのバルクN型シリコン基板の、その基板1800の受光面とは反対側の表面上、又は表面の上方に形成される。
【0075】
具体的な実施形態が上述されてきたが、これらの実施形態は、特定の機構に関して単一の実施形態のみが説明される場合であっても、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。本開示で提供される機構の実施例は、別段の定めがある場合を除き、制約的であることよりも、むしろ例示的であることを意図するものである。上記の説明は、本開示の利益を有する当業者には明らかとなるような、代替、修正、及び等価物を包含することを意図するものである。
【0076】
本開示の範囲は、本明細書で対処される問題のいずれか又は全てを軽減するか否かにかかわらず、本明細書で(明示的又は暗示的に)開示される、あらゆる機構又は機構の組み合わせ、若しくはそれらのあらゆる一般化を含む。したがって、本出願(又は、本出願に対する優先権を主張する出願)の実施の間に、任意のそのような機構の組み合わせに対して、新たな請求項を形式化することができる。具体的には、添付の請求項を参照して、従属請求項からの機構を、独立請求項の機構と組み合わせることができ、それぞれの独立請求項からの機構を、任意の適切な方式で、単に添付の請求項で列挙される具体的な組み合わせのみではなく、組み合わせることができる。
【0077】
一実施形態では、太陽電池は、基板を含み、この基板は、通常動作中には太陽放射を受光するために太陽に面する前側、及びその前側とは反対側の裏側を含む。基板の裏側の上で、P型拡散領域とN型拡散領域との間に、突き合せPN接合が形成され、P型拡散領域は、第1のドーパント濃度レベルを有する、第1のドーパント源を含むP型ドープ領域から形成され、N型拡散領域は、第1のドーパント濃度レベルより高い第2のドーパント濃度レベルを有する、第2のドーパント源を含むN型ドープ領域から形成される。
【0078】
一実施形態では、この太陽電池は、基板の裏側の上に形成されたポリシリコンを更に含み、P型拡散領域及びN型拡散領域は、このポリシリコン内に形成される。
【0079】
一実施形態では、この太陽電池は、突き合せPN接合の境界領域に、パッシベーション領域を更に含む。
【0080】
一実施形態では、P型拡散領域は、約5E17/cm3より低いドーパント濃度レベルを有するホウ素を含む。
【0081】
一実施形態では、P型拡散領域は、結果的に得られるデバイス効率が20%超となる程度まで、突き合せPN接合での再結合を低減する、ドーパント濃度レベルでドープされる。
【0082】
一実施形態では、N型拡散領域は、1E20/cm3の約10%より高いドーパント濃度レベルを有するリンを含む。
【0083】
一実施形態では、この太陽電池は、基板の裏側上のP型ドープ領域から形成されたP型拡散領域に結合される、第1の金属コンタクトフィンガと、基板の裏側上のN型ドープ領域から形成されたN型拡散領域に結合される、第2の金属コンタクトフィンガとを更に含む。
【0084】
一実施形態では、P型ドープ領域及びN型ドープ領域は、基板の上の誘電体層の上に配置される。
【0085】
一実施形態では、太陽電池を製造する方法は、基板の上に、第1のドーパント濃度レベルを有する、第1のドーパント源を含むP型ドープ領域から、P型拡散領域を形成する工程と、基板の上に、かつP型拡散領域に隣接して、第1のドーパント濃度レベルが第2のドーパント濃度レベルより低いような、第2のドーパント濃度レベルを有する、第2のドーパント源を含むN型ドープ領域から、N型拡散領域を形成することにより、P型拡散領域とN型拡散領域との間に突き合せPN接合を提供する工程とを含む。
【0086】
一実施形態では、突き合せPN接合を形成する工程は、通常動作中には太陽放射を受光するために太陽に面する前側を有する基板の、その前側とは反対側の裏側の上に、ポリシリコンの層を形成する工程と、このポリシリコンの層上に、P型ドープ領域を形成する工程と、そのポリシリコンの層上に、N型ドープ領域を形成する工程とを更に含む。
【0087】
一実施形態では、この方法は、基板上にP型拡散領域を形成するために、P型ドープ領域からドーパントを拡散させる工程と、基板上にN型拡散領域を形成するために、N型ドープ領域からドーパントを拡散させる工程と、基板の外部かつ誘電体層の上に、P型拡散領域及びN型拡散領域を形成する工程とを更に含む。
【0088】
一実施形態では、この方法は、水素を使用して、突き合せPN接合の境界領域をパッシベートする工程を更に含む。
【0089】
一実施形態では、P型ドープ領域からドーパントを拡散させる工程は、P型ドーパント源として、1E17/cm3より低いドーパント濃度レベルで、ホウ素を使用する工程を更に含む。
【0090】
一実施形態では、N型ドープ領域からドーパントを拡散させる工程は、N型ドーパント源として、1E20/cm3より高いドーパント濃度レベルで、リンを使用する工程を更に含む。
【0091】
一実施形態では、この方法は、印刷可能なインクを使用して、P型ドープ領域及びN型ドープ領域を印刷する工程を更に含む。
【0092】
一実施形態では、この方法は、基板の裏側上のP型拡散領域に、第1の金属コンタクトフィンガを電気的に結合する工程と、基板の裏側上のN型拡散領域に、第2の金属コンタクトフィンガを電気的に結合する工程とを更に含む。
【0093】
一実施形態では、この方法は、その場でドープされるP型ポリシリコンを堆積させて、P型拡散領域を形成する工程と、マスク式N型拡散を使用して、第2のドーパント源からドーパントをカウンタードーピングすることによって、N型拡散領域を形成する工程とを更に含む。
【0094】
一実施形態では、太陽電池は、基板を含み、この基板は、通常動作中には太陽放射を受光するために太陽に面する前側、及びその前側とは反対側の裏側を含む。この基板の裏側の上に、ポリシリコン層が形成される。P型拡散領域及びN型拡散領域が、このポリシリコン層内に形成され、突き合せPN接合が、P型拡散領域とN型拡散領域との間に形成され、P型拡散領域は、第1のドーパント濃度レベルを有し、N型拡散領域は、第1のドーパント濃度レベルより高い第2のドーパント濃度レベルを有する。
【0095】
一実施形態では、P型拡散領域の第1のドーパント濃度レベルは、約5E17/cm3より低い。
【0096】
一実施形態では、P型拡散領域を形成するために使用されるP型ドーパント源と、N型拡散領域を形成するために使用されるN型ドーパント源との濃度比は、約1:100である。
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