IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】人力駆動車用のコンポーネント
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/55 20100101AFI20241105BHJP
   B62M 11/06 20060101ALI20241105BHJP
   F16B 5/02 20060101ALI20241105BHJP
   B62J 23/00 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
B62M6/55
B62M11/06 E
F16B5/02 E
B62J23/00 F
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2020080860
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2021107205
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】P 2019239078
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】石▲崎▼ 博之
(72)【発明者】
【氏名】亀田 剛
(72)【発明者】
【氏名】野田 慎一朗
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-024700(JP,A)
【文献】特開平11-225633(JP,A)
【文献】特開平05-125567(JP,A)
【文献】特開2011-012771(JP,A)
【文献】特開2001-069885(JP,A)
【文献】実開昭51-111650(JP,U)
【文献】特開2001-271813(JP,A)
【文献】特開2019-142478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 1/00 - 99/00
B62M 6/55
B62M 11/06
F16B 5/02
C23F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、ファスナによって前記人力駆動車の支持部に取り付けるように構成される取付部と、を含み、
前記取付部は、
金属製のベース部と、
前記ベース部に設けられ、前記ファスナに連結するように構成される金属製の連結部と、
前記連結部と前記ベース部との間に設けられる中間部と、を含み、
前記ベース部は、第1標準電極電位を有する第1材料を含み、
前記連結部は、第2標準電極電位を有する第2材料を含み、
前記中間部は、電気絶縁性を有する第4材料によって形成され、
前記第1標準電極電位は、前記第2標準電極電位と異なり、
前記第4材料は、金属酸化物を含み、
前記第2材料は、アルミニウム合金を含み、
前記金属酸化物は、酸化アルミニウムを含み、
前記連結部は、前記ファスナに連結するように構成される第2雌ねじ部を含み、
前記中間部は、前記第2雌ねじ部の径方向外側において前記第2雌ねじ部と重畳するように設けられる、コンポーネント。
【請求項2】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、ファスナによって前記人力駆動車の支持部に取り付けるように構成される取付部と、を含み、
前記取付部は、
金属製のベース部と、
前記ベース部に設けられ、前記ファスナに連結するように構成される金属製の連結部と、
前記連結部と前記ベース部との間に設けられる中間部と、を含み、
前記ベース部は、第1標準電極電位を有する第1材料を含み、
前記連結部は、第2標準電極電位を有する第2材料を含み、
前記中間部は、電気絶縁性を有する第4材料によって形成され、
前記第1標準電極電位は、前記第2標準電極電位と異なり、
前記ベース部は、孔を有し、
前記連結部の少なくとも一部および前記中間部の少なくとも一部は、前記孔に配置され、
前記連結部は、前記取付部が前記ファスナによって前記人力駆動車の前記支持部に取り付けられた状態において、前記ベース部と前記支持部との間に配置され、前記孔の直径よりも大きい外形を有するフランジ部を有し、
前記連結部は、前記ファスナに連結するように構成される第2雌ねじ部を含み、
前記中間部は、前記第2雌ねじ部の径方向外側において前記第2雌ねじ部と重畳するように設けられる、コンポーネント。
【請求項3】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、ファスナによって前記人力駆動車の支持部に取り付けるように構成される取付部と、を含み、
前記取付部は、
金属製のベース部と、
前記ベース部に設けられ、前記ファスナに連結するように構成される金属製の連結部と、
前記連結部と前記ベース部との間に設けられる中間部と、を含み、
前記ベース部は、第1標準電極電位を有する第1材料を含み、
前記連結部は、第2標準電極電位を有する第2材料を含み、
前記中間部は、電気絶縁性を有する第4材料によって形成され、
前記第1標準電極電位は、前記第2標準電極電位と異なり、
前記ベース部は、孔を有し、
前記連結部の少なくとも一部および前記中間部の少なくとも一部は、前記孔に配置され、
前記連結部は、前記ファスナに連結するように構成される第2雌ねじ部を含み、
前記中間部は、前記第2雌ねじ部の径方向外側において前記第2雌ねじ部と重畳するように設けられる、コンポーネント。
【請求項4】
前記中間部は、前記連結部とは別部材によって形成される、請求項2または3に記載のコンポーネント。
【請求項5】
前記中間部は、前記連結部に着脱可能に設けられ、
前記中間部と前記ベース部との結合力は、前記中間部と前記連結部との結合力よりも大きい、請求項4に記載のコンポーネント。
【請求項6】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、ファスナによって前記人力駆動車の支持部に取り付けるように構成される取付部と、を含み、
前記取付部は、
金属製のベース部と、
前記ベース部に設けられ、前記ファスナに連結するように構成される金属製の連結部と、
前記連結部と前記ベース部との間に設けられる中間部と、を含み、
前記ベース部は、第1標準電極電位を有する第1材料を含み、
前記連結部は、第2標準電極電位を有する第2材料を含み、
前記中間部は、
第3標準電極電位を有し、前記第3標準電極電位と前記第1標準電極電位との差、および、前記第3標準電極電位と前記第2標準電極電位との差が、それぞれ前記第1標準電極電位と前記第2標準電極電位との差よりも小さい第3材料、または、
電気絶縁性を有する第4材料によって形成され、
前記第1標準電極電位は、前記第2標準電極電位と異なり、
前記ベース部は、孔を有し、
前記連結部の少なくとも一部および前記中間部の少なくとも一部は、前記孔に配置され、
前記連結部は、前記取付部が前記ファスナによって前記人力駆動車の前記支持部に取り付けられた状態において、前記ベース部と前記支持部との間に配置され、前記孔の直径よりも大きい外形を有するフランジ部を有し、
前記中間部は、前記連結部とは別部材によって形成され、
前記中間部は、前記連結部に着脱可能に設けられ、
前記中間部と前記ベース部との結合力は、前記中間部と前記連結部との結合力よりも大きい、コンポーネント。
【請求項7】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、ファスナによって前記人力駆動車の支持部に取り付けるように構成される取付部と、を含み、
前記取付部は、
金属製のベース部と、
前記ベース部に設けられ、前記ファスナに連結するように構成される金属製の連結部と、
前記連結部と前記ベース部との間に設けられる中間部と、を含み、
前記ベース部は、第1標準電極電位を有する第1材料を含み、
前記連結部は、第2標準電極電位を有する第2材料を含み、
前記中間部は、
第3標準電極電位を有し、前記第3標準電極電位と前記第1標準電極電位との差、および、前記第3標準電極電位と前記第2標準電極電位との差が、それぞれ前記第1標準電極電位と前記第2標準電極電位との差よりも小さい第3材料、または、
電気絶縁性を有する第4材料によって形成され、
前記第1標準電極電位は、前記第2標準電極電位と異なり、
前記ベース部は、孔を有し、
前記連結部の少なくとも一部および前記中間部の少なくとも一部は、前記孔に配置され、
前記連結部は、前記ファスナに連結するように構成される第2雌ねじ部を含み、
前記中間部は、前記連結部とは別部材によって形成され、
前記中間部は、前記連結部に着脱可能に設けられ、
前記中間部と前記ベース部との結合力は、前記中間部と前記連結部との結合力よりも大きい、コンポーネント。
【請求項8】
前記第4材料は、金属酸化物を含む、請求項2または3に記載のコンポーネント。
【請求項9】
前記第2材料は、アルミニウム合金を含み、
前記金属酸化物は、酸化アルミニウムを含む、請求項に記載のコンポーネント。
【請求項10】
前記中間部の厚さは、1マイクロメートル以上、かつ、30マイクロメートル以下である、請求項8または9に記載のコンポーネント。
【請求項11】
前記中間部は、ゴムまたは樹脂を含む、請求項2または3に記載のコンポーネント。
【請求項12】
前記中間部は、前記連結部に着脱不能に設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項13】
前記ベース部は、孔を有し、
前記連結部の少なくとも一部および前記中間部の少なくとも一部は、前記孔に配置される、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項14】
前記連結部は、前記取付部が前記ファスナによって前記人力駆動車の前記支持部に取り付けられた状態において、前記ベース部と前記支持部との間に配置され、前記孔の直径よりも大きい外形を有するフランジ部を有する、請求項3、7、および13のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項15】
前記連結部は、前記ファスナに連結するように構成される第2雌ねじ部を含む、請求項に記載のコンポーネント。
【請求項16】
前記ベース部は、前記孔を形成する第1雌ねじ部を含み、
前記中間部は、前記第1雌ねじ部と結合するように構成される雄ねじ部の少なくとも一部を含む、請求項2から11、および13から15のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項17】
前記ベース部は、前記孔を形成する第1雌ねじ部を含み、
前記中間部は、前記第1雌ねじ部と結合するように構成される雄ねじ部の少なくとも一部を含み
記第1雌ねじ部および前記第2雌ねじ部の一方は、右ねじであり、
前記第1雌ねじ部および前記第2雌ねじ部の他方は、左ねじである、請求項2、3、および13から15のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項18】
前記連結部は、工具を係合するように構成される工具係合部を含む、請求項2から11、および13から17のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項19】
前記中間部は、前記孔に圧入される、請求項2から11、および13から17のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項20】
前記連結部の前記少なくとも一部は、筒状に形成され、
前記中間部の前記少なくとも一部は、前記連結部の前記少なくとも一部の外周面の少なくとも一部を覆う、請求項2から11、および13から18のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項21】
前記連結部の前記少なくとも一部の外周部には、前記中間部に接触するローレットが形成される、請求項20に記載のコンポーネント。
【請求項22】
前記中間部の前記少なくとも一部は、筒状に形成され、
前記中間部の前記少なくとも一部の外周部には、前記ベース部に接触するローレット、および、前記ベース部に接触する突出部の少なくとも1つが形成される、請求項20または21に記載のコンポーネント。
【請求項23】
前記ベース部に接触するローレット、および、前記ベース部に接触する突出部の前記少なくとも1つは、前記孔の開口から離反する位置に設けられる、請求項22に記載のコンポーネント。
【請求項24】
前記ローレットおよび前記突出部の前記少なくとも1つは、第1接触部および第2接触部を有し、
前記第1接触部と前記第2接触部とは、前記孔の延びる方向に間隔を開けて配置される、請求項22または23に記載のコンポーネント。
【請求項25】
前記中間部は、前記孔に設けられる接着剤によって、前記ベース部に接着される、請求項2から11、および13から24のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項26】
前記中間部は、前記孔に設けられる接着剤によって、前記ベース部に接着され、
前記接着剤の少なくとも一部は、前記第1接触部および前記第2接触部の間に設けられる、請求項24に記載のコンポーネント。
【請求項27】
前記連結部および前記中間部は、前記ベース部に着脱不能に設けられる、請求項1から26のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項28】
前記ハウジングの少なくとも一部は、単一部材として、前記ベース部と一体に形成される、請求項1から27のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項29】
前記ベース部は、
第1ベース部分と、
前記第1ベース部分に設けられ、前記孔を定義する第2ベース部分と、を含み、
前記第2ベース部分は、前記第1ベース部分とは異なる材料を含む、請求項2から11、および13から26のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項30】
前記ハウジングの少なくとも一部は、単一部材として、前記第1ベース部分と一体に形成される、請求項29に記載のコンポーネント。
【請求項31】
前記ベース部は、マグネシウム合金を含む、請求項1から30のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車用のコンポーネントに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されている人力駆動車用のコンポーネントは、ハウジングを含む。例えば、特許文献1に開示されている人力駆動車用のコンポーネントは、歯車を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-24700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の1つは、寿命の低下を抑制できる人力駆動車用のコンポーネントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用のコンポーネントであって、ハウジングと、前記ハウジングに設けられ、ファスナによって前記人力駆動車の支持部に取り付けるように構成される取付部と、を含み、前記取付部は、金属製のベース部と、前記ベース部に設けられ、前記ファスナに連結するように構成される金属製の連結部と、前記連結部と前記ベース部との間に設けられる中間部と、を含み、ベース部は、第1標準電極電位を有する第1材料を含み、連結部は、第2標準電極電位を有する第2材料を含み、前記中間部は、第3標準電極電位を有し、前記第3標準電極電位と前記第1標準電極電位との差、および、前記第3標準電極電位と第2標準電極電位との差が、それぞれ前記第1標準電極電位と第2標準電極電位との差よりも小さい第3材料、または、電気絶縁性を有する第4材料によって形成される。
第1側面のコンポーネントによれば、第3材料または第4材料を含む中間部によって、ファスナおよび人力駆動車の支持部の少なくとも一方の材料が金属製のベース部の材料と異なることによるガルバニック腐食が生じにくい。このため、コンポーネントの寿命の低下を抑制できる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面のコンポーネントにおいて、前記第1標準電極電位は、第2標準電極電位と異なる。
第2側面のコンポーネントによれば、ベース部の材料と連結部の材料とを異ならせることができる。
【0007】
本開示の第1または第2側面に従う第3側面のコンポーネントにおいて、前記中間部は、前記連結部に着脱不能に設けられる。
第3側面のコンポーネントによれば、中間部を連結部に着脱不能に設けることができる。
【0008】
本開示の第1から第3側面のいずれか1つに従う第4側面のコンポーネントにおいて、前記中間部は、前記第4材料によって形成され、前記第4材料は、金属酸化物を含む。
第4側面のコンポーネントによれば、金属酸化物によって中間部を好適に形成できる。
【0009】
本開示の第4側面に従う第5側面のコンポーネントにおいて、前記第2材料は、アルミニウム合金を含み、前記金属酸化物は、酸化アルミニウムを含む。
第5側面のコンポーネントによれば、酸化アルミニウムによって中間部を好適に形成できる。
【0010】
本開示の第4または第5側面に従う第6側面のコンポーネントにおいて、前記中間部の厚さは、1マイクロメートル以上、かつ、30マイクロメートル以下である。
第6側面のコンポーネントによれば、1マイクロメートル以上、かつ、30マイクロメートル以下の中間部を設けることができる。
【0011】
本開示の第1または第2側面に従う第7側面のコンポーネントにおいて、中間部は、連結部とは別部材によって形成される。
第7側面のコンポーネントによれば、中間部を最適な材料によって構成できる。
【0012】
本開示の第7側面に従う第8側面のコンポーネントにおいて、中間部は、連結部に着脱可能に設けられ、中間部とベース部との結合力は、中間部と連結部との結合力よりも大きい。
第8側面のコンポーネントによれば、中間部とベース部との結合力を、中間部と連結部との結合力よりも大きくできる。このため、ファスナを連結部に連結する場合に連結部を移動させる力が加わると、中間部が取付部に対して相対移動させずに連結部を移動できる。連結部を移動させることによって、取付部を人力駆動車の支持部に取り付ける場合のがたつきの発生を抑制できる。中間部が取付部に対して相対移動しないので、中間部と取付部とにおける電気的な特性が安定する。
【0013】
本開示の第1から第8側面のいずれか1つに従う第9側面のコンポーネントにおいて、連結部および中間部は、ベース部に着脱不能に設けられる。
第9側面のコンポーネントによれば、連結部および中間部をベース部に対して相対移動しないので、連結部、中間部および取付部における電気的な特性が安定する。
【0014】
本開示の第1から第3、および、第7から第9側面のいずれか1つに従う第10側面のコンポーネントにおいて、前記中間部は、ゴムまたは樹脂を含む。
第10側面のコンポーネントによれば、ゴムまたは樹脂によって中間部を好適に形成できる。
【0015】
本開示の第1から第9側面のいずれか1つに従う第11側面のコンポーネントにおいて、前記ベース部は、孔を有し、前記連結部の少なくとも一部および前記中間部の少なくとも一部は、前記孔に配置される。
第11側面のコンポーネントによれば、連結部の少なくとも一部および中間部の少なくとも一部をベース部の孔に配置できる。
【0016】
本開示の第11側面に従う第12側面のコンポーネントにおいて、前記中間部は、前記孔に圧入される。
第12側面のコンポーネントによれば、中間部を孔に圧入することによって、中間部をベース部に接続できる。
【0017】
本開示の第11または第12側面に従う第13側面のコンポーネントにおいて、連結部の少なくとも一部は、筒状に形成され、中間部の少なくとも一部は、連結部の少なくとも一部の外周面の少なくとも一部を覆う。
第13側面のコンポーネントによれば、中間部の少なくとも一部は、連結部の少なくとも一部の外周面の少なくとも一部を覆うため、連結部の少なくとも一部の外周面が露出しない。
【0018】
本開示の第13側面に従う第14側面のコンポーネントにおいて、中間部の少なくとも一部は、筒状に形成され、中間部の少なくとも一部の外周部には、ベース部に接触するローレット、および、ベース部に接触する突出部の少なくとも1つが形成される。
第14側面のコンポーネントによれば、ローレットおよび突出部の少なくとも1つによって中間部とベース部との相対移動を規制できる。
【0019】
本開示の第14側面に従う第15側面のコンポーネントにおいて、ベース部に接触するローレット、および、ベース部に接触する突出部の少なくとも1つは、孔の開口から離反する位置に設けられる。
第15側面のコンポーネントによれば、取付部のうち孔の開口付近の部分に与えられる負荷を抑制できる。
【0020】
本開示の第14または第15側面に従う第16側面のコンポーネントにおいて、ローレットおよび突出部の少なくとも1つは、第1接触部および第2接触部を有し、第1接触部と第2接触部とは、孔の延びる方向に間隔を開けて配置される。
第16側面のコンポーネントによれば、孔の延びる方向の複数の位置において、中間部をベース部に接触させて、中間部がベース部に安定して取付けられる。
【0021】
本開示の第11から第16側面のいずれか1つに従う第17側面のコンポーネントにおいて、中間部は、孔に設けられる接着剤によって、ベース部に接着される。
第17側面のコンポーネントによれば、中間部のベース部への結合力が向上する。
【0022】
本開示の第16側面に従う第18側面のコンポーネントにおいて、中間部は、孔に設けられる接着剤によって、ベース部に接着され、接着剤の少なくとも一部は、第1接触部および第2接触部の間に設けられる。
第18側面のコンポーネントによれば、第1接触部および第2接触部の間に接着剤の少なくとも一部を配置することによって、製造時において、孔の外への接着剤の流出を抑制できる。
【0023】
本開示の第13から第18側面のいずれか1つに従う第19側面のコンポーネントにおいて、連結部の少なくとも一部の外周部には、中間部に接触するローレットが形成される。
第19側面のコンポーネントによれば、連結部の少なくとも一部の外周部に形成されるローレットによって、少なくとも予め定める方向への連結部と中間部との相対移動を規制できる。
【0024】
本開示の第11から第19側面のいずれか1つに従う第20側面のコンポーネントにおいて、前記連結部は、前記取付部が前記ファスナによって前記人力駆動車の前記支持部に取り付けられた状態において、前記ベース部と前記支持部との間に配置され、前記孔の直径よりも大きい外形を有するフランジ部を有する。
第20側面のコンポーネントによれば、フランジ部を孔の外部に配置して、ベース部と人力駆動車の支持部との間に配置できる。
【0025】
本開示の第11から第20側面のいずれか1つに従う第21側面のコンポーネントにおいて、前記ベース部は、前記孔を形成する第1雌ねじ部を含み、前記中間部は、前記第1雌ねじ部と結合するように構成される雄ねじ部の少なくとも一部を含む。
第21側面のコンポーネントによれば、ベース部の第1雌ねじ部と、中間部の雄ねじ部と、を結合させることによってベース部と中間部とを結合できる。第21側面のコンポーネントによれば、ベース部と中間部とがねじ結合されるので、ベース部と中間部との相対位置を調整しやすい。
【0026】
本開示の第11から第21側面のいずれか1つに従う第22側面のコンポーネントにおいて、前記連結部は、前記ファスナに連結するように構成される第2雌ねじ部を含む。
第22側面のコンポーネントによれば、第2雌ねじ部によってファスナと連結部とを連結できる。
【0027】
本開示の第21側面に従う第23側面のコンポーネントにおいて、前記連結部は、前記ファスナに連結するように構成される第2雌ねじ部を含み、前記第1雌ねじ部および第2雌ねじ部の一方は、右ねじであり、前記第1雌ねじ部および第2雌ねじ部の他方は、左ねじである。
第23側面のコンポーネントによれば、第2雌ねじ部をファスナに連結する場合に、第1雌ねじ部と雄ねじ部との結合が緩むことを抑制できる。
【0028】
本開示の第22または第23側面に従う第24側面のコンポーネントにおいて、前記連結部は、工具を係合するように構成される工具係合部を含む。
第24側面のコンポーネントによれば、工具係合部に工具を係合し、工具を操作することによって、ベース部に対して中間部の相対位置を調整しやすくなる。
【0029】
本開示の第1から第24側面のいずれか1つに従う第25側面のコンポーネントにおいて、前記ハウジングの少なくとも一部は、単一部材として、前記ベース部と一体に形成される。
第25側面のコンポーネントによれば、コンポーネントを構成する部品点数を削減できる。
【0030】
本開示の第11から第24側面のいずれか1つに従う第26側面のコンポーネントにおいて、ベース部は、第1ベース部分と、第1ベース部分に設けられ、孔を定義する第2ベース部分と、を含み、第2ベース部分は、第1ベース部分とは異なる材料を含む。
第26側面のコンポーネントによれば、第1ベース部と第2ベース部とをそれぞれ好適な材料によって形成できる。
【0031】
本開示の第26側面に従う第27側面のコンポーネントにおいて、ハウジングの少なくとも一部は、単一部材として、第1ベース部分と一体に形成される。
第27側面のコンポーネントによれば、第1ベース部分をハウジングの少なくとも一部と一体に形成できるため、部品点数を削減できる。
【0032】
本開示の第1から第27側面のいずれか1つに従う第28側面のコンポーネントにおいて、ベース部は、マグネシウム合金を含む。
第28側面のコンポーネントによれば、ハウジングの軽量化に貢献できる。
【0033】
本開示の第29側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用のコンポーネントであって、第1ハウジング部、および、第1ハウジング部と共に収容空間を形成する第2ハウジング部を含むハウジングと、第1ハウジング部および第2ハウジング部のそれぞれに設けられ、第1ハウジング部と第2ハウジング部との相対位置を位置決めするように構成される位置決め部と、第1ハウジング部と第2ハウジング部との間に設けられ、第1ハウジング部と第2ハウジング部とを電気的に絶縁する絶縁部と、を含み、位置決め部において、第1ハウジング部と第2ハウジング部とが電気的に接続される、コンポーネント。
第29側面のコンポーネントによれば、第1ハウジング部と第2ハウジング部とを好適に電気的に接続できる。このため、第1ハウジング部と第2ハウジング部との間で電位差が生じにくくなり、コンポーネントの寿命の低下を抑制できる。
【0034】
本開示の第29側面に従う第30側面のコンポーネントにおいて、前記位置決め部に設けられ、前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とを電気的に接続する導電部をさらに含む。
第30側面のコンポーネントによれば、導電部によって第1ハウジング部と第2ハウジング部とを好適に電気的に接続できる。
【0035】
本開示の第30側面に従う第31側面のコンポーネントにおいて、前記導電部は、導電性グリスを含む。
第31側面のコンポーネントによれば、導電性グリスによって第1ハウジング部と第2ハウジング部とを好適に電気的に接続できる。
【0036】
本開示の第29から第31側面のいずれか1つに従う第32側面のコンポーネントにおいて、前記第1ハウジング部および前記第2ハウジング部は、マグネシウム合金を含む。
第32側面のコンポーネントによれば、ハウジングの軽量化に貢献できる。
【0037】
本開示の第29から第32側面のいずれか1つに従う第33側面のコンポーネントにおいて、前記位置決め部は、前記第1ハウジング部および前記第2ハウジング部の一方に設けられる第1凸部と、前記第1ハウジング部および前記第2ハウジング部の他方に設けられ、前記第1凸部の少なくとも一部が配置される第1凹部と、を含む。
第33側面のコンポーネントによれば、第1凸部と第凹部とを嵌め合わせることによって簡単に位置決めできる。
【0038】
本開示の第1から第33側面のいずれか1つに従う第34側面のコンポーネントにおいて、前記ハウジングに少なくとも一部が収容されるモータをさらに含む。
第34側面のコンポーネントによれば、モータを含むコンポーネントにおいて、寿命の低下を抑制できる。
【0039】
本開示の第35側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用のコンポーネントであって、ハウジングと、前記ハウジングに少なくとも一部が収容されるモータと、前記ハウジングに取り付けられるカバーと、前記ハウジングと前記カバーとによって形成される空間に接続端子が露出する電気コネクタと、を含み、前記カバーは、前記ハウジングに接触することによって、前記空間の変形を抑制するように構成されるリブを含む。
第35側面のコンポーネントによれば、空間の変形が抑制され、電気コネクタに負荷がかかりにくいため、寿命の低下を抑制できる。
【0040】
本開示の第35側面に従う第36側面のコンポーネントにおいて、前記リブは、前記ハウジングとの間の最小距離が異なる複数のリブを含む。
第36側面のコンポーネントによれば、最小距離が異なる複数のリブによって、空間の変形を好適に抑制できる。
【0041】
本開示の第36側面に従う第37側面のコンポーネントにおいて、前記複数のリブは、第1方向に延びる少なくとも1つの第1リブと、第1方向とは異なる第2方向に延びる少なくとも1つの第2リブと、を含む。
第37側面のコンポーネントによれば、第1リブと第2リブとによって、空間の変形を好適に抑制できる。
【0042】
本開示の第35から第37側面のいずれか1つに従う第38側面のコンポーネントにおいて、前記ハウジングは、金属材料を含み、前記カバーは、樹脂材料を含む。
第38側面のコンポーネントによれば、樹脂材料のカバーを含むコンポーネントにおいて、空間の変形を好適に抑制できる。
【0043】
本開示の第39側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用のコンポーネントであって、ハウジングと、ハウジングに設けられるモータと、モータに連結される減速機と、を含み、減速機は、複数の歯車を含み、複数の歯車の少なくとも1つの歯車の歯部は、熱硬化性樹脂を含む。
第39側面のコンポーネントによれば、減速機に含まれる複数の歯車の少なくとも1つの歯車の歯部が熱硬化性樹脂を含むため、熱による歯車の劣化を抑制できる。このため、寿命の低下を抑制できる。
【0044】
本開示の第39側面に従う第40側面のコンポーネントにおいて、モータは、出力軸を含み、複数の歯車は、出力軸に設けられる第1歯車と、第1歯車に噛み合う第2歯車と、を含み、第2歯車の歯部は、熱硬化性樹脂を含む。
第40側面のコンポーネントによれば、第2歯車の歯部の熱による劣化を抑制できる。
【0045】
本開示の第40側面に従う第41側面のコンポーネントにおいて、第1歯車は、金属によって形成される。
第41側面のコンポーネントによれば、減速機のうち最も回転速度が高くなる第1歯車を金属によって形成することによって、減速機の寿命の低下を抑制できる。
【0046】
本開示の第40または4側面に従う第42側面のコンポーネントにおいて、第2歯車は、軸部と、軸部とは別体に構成され、軸部に一体に回転するように、軸部に設けられる歯部とを含む。
第42側面のコンポーネントによれば、軸部と歯部とを別体に構成することによって、第2歯車が製造しやすい。
【0047】
本開示の第42側面に従う第43側面のコンポーネントにおいて、軸部は、金属によって形成される。
第43側面のコンポーネントによれば、軸部を金属によって形成することによって、軸部の強度を向上できる。
【0048】
本開示の第42または第43側面に従う第44側面のコンポーネントにおいて、歯部は、環状に形成され、軸部に連結される第1連結部を内周部に有する。
第44側面のコンポーネントによれば、第1連結部によって歯部が軸部に連結される。
【0049】
本開示の第44側面に従う第45側面のコンポーネントにおいて、軸部は、第1連結部に連結される第2連結部を外周部に有する。
第45側面のコンポーネントによれば、第2連結部によって軸部が第1連結部に連結される。
【0050】
本開示の第45側面に従う第46側面のコンポーネントにおいて、第1連結部は、雌ねじ部を含み、第2連結部は、雄ねじ部を含む。
第46側面のコンポーネントによれば、雌ねじ部および雄ねじ部によって、歯部と軸部とが連結される。
【0051】
本開示の第46側面に従う第47側面のコンポーネントにおいて、第1連結部は、雌ねじ部よりも内径が大きく、ねじが形成されていない第1部分を含み、第2連結部は、雄ねじ部よりも外径が大きく、ねじが形成されておらず、第1部分に近接して対向または前記第1部分に接触する第2部分を含む。
第47側面のコンポーネントによれば、第1部分と第2部分とによって、組立時に、歯部の回転軸心と軸部の回転軸心とのずれが低減される。
【0052】
本開示の第46または第47側面に従う第48側面のコンポーネントにおいて、モータは、人力駆動車に推進力を付与するように構成され、モータが人力駆動車に推進力を付与する場合、モータは、第1連結部が第2連結部にねじ込まれる方向に第2歯車を回転するように構成される。
第48側面のコンポーネントによれば、第1連結部と第2連結部が安定して連結される。
【0053】
本開示の第42から第48側面のいずれか1つに従う第49側面のコンポーネントにおいて、複数の歯車は、第2歯車と一体に回転する第3歯車を含み、第3歯車は、第2歯車の軸部と、単一部材として、一体に形成される。
第49側面のコンポーネントによれば、第3歯車は、第2歯車の軸部と、単一部材として、一体に形成されるため、部品点数を削減できる。
【0054】
本開示の第49側面に従う第50側面のコンポーネントにおいて、軸部の軸方向において、歯部と、軸部および第3歯車の少なくとも1つと、の間に設けられるワッシャを含み、ワッシャは、部と、軸部および第3歯車の少なくとも1つとに係合する係合部を有する
第50側面のコンポーネントによれば、ワッシャによって第1連結部と第2連結部との間に生じる応力を低減できる。
【0055】
本開示の第42から第50側面のいずれか1つに従う第51側面のコンポーネントにおいて、軸部は、中空軸によって形成される。
第51側面のコンポーネントによれば、軸部が中空軸によって形成されるため、軸部を軽量化できる。
【0056】
本開示の第39から第51側面のいずれか1つに従う第52側面のコンポーネントにおいて、熱硬化性樹脂は、ポリアミノアミド、フェノール、および、ポリイミド、の少なくとも1つを含む。
第52側面のコンポーネントによれば、ポリアミノアミド、フェノール、および、ポリイミド、の少なくとも1つを含む熱硬化性樹脂によって精度のよい歯部を形成できる。
【0057】
本開示の第39から第52側面のいずれか1つに従う第53側面のコンポーネントにおいて、歯部は、熱硬化性樹脂に埋め込まれる強化繊維を含む。
第53側面のコンポーネントによれば、強化繊維によって歯部の強度を向上できる。
【0058】
本開示の第53側面に従う第54側面のコンポーネントにおいて、強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、および、チタン酸カリウム繊維の少なくとも1つを含む。
第54側面のコンポーネントによれば、ガラス繊維、アラミド繊維、および、チタン酸カリウム繊維の少なくとも1つによって、歯部について適切な強度を確保できる。
【0059】
本開示の第1から第54側面のいずれか1つに従う第55側面のコンポーネントにおいて、ハウジングに設けられるクランク軸をさらに含む。
第55側面のコンポーネントによれば、クランク軸を含むコンポーネントの寿命の低下を抑制できる。
【0060】
本開示の第5側面に従う歯車は、金属によって形成される軸部と、熱硬化性樹脂を含み、軸部と一体に回転するように軸部の外周部に設けられる歯部と、を含み、歯部は、環状に形成され、軸部に連結される第1連結部を内周部に有し、軸部は、第1連結部に連結される第2連結部を外周部に有し、第1連結部は、雌ねじ部を含み、第2連結部は、雄ねじ部を含む。
第56側面の歯車によれば、歯車の歯部が熱硬化性樹脂を含むため、寿命の低下を抑制できる。第56側面の歯車によれば、雌ねじ部および雄ねじ部によって、歯部と軸部とが連結されるので、歯部を軸部に安定して固定できる。
【0061】
本開示の第56側面に従う第57側面の歯車において、第1連結部は、雌ねじ部よりも内径が大きく、ねじが形成されていない第1部分を含み、第2連結部は、雄ねじ部よりも外径が大きく、ねじが形成されておらず、前記歯車の径方向において第1部分に近接して対向または前記第1部分に接触する第2部分を含む。
第57側面の歯車によれば、第1部分と第2部分とによって、組立時に、歯部の回転軸心と軸部の回転軸心とのずれが低減される。
【発明の効果】
【0062】
本開示の人力駆動車用のコンポーネントは、寿命の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】第1実施形態の人力駆動車用のコンポーネントを含む人力駆動車の側面図。
図2図1の人力駆動車用のコンポーネントとフレームの支持部の分解斜視図。
図3図1の人力駆動車用コンポーネントの第1側面図。
図4図1の人力駆動車用コンポーネントの第2側面図。
図5図1の人力駆動車用コンポーネントの平面図。
図6図1の人力駆動車用コンポーネントの取付部を拡大して示す分解斜視図。
図7図6に示す人力駆動車用のコンポーネントの取付部がフレームの支持部にファスナによって取り付けられた状態において、コンポーネントの取付部およびフレームの支持部の付近を拡大して示す断面図。
図8図3のD5-D5線に沿う断面図。
図9図3のD9-D9線に沿う断面図。
図10図1の人力駆動車用コンポーネントの斜視図。
図11図10の人力駆動車用コンポーネントのカバーを取り外した状態を拡大して示す斜視図。
図12】ハウジング側から見た図10のカバーの斜視図。
図13図10のD13-D13線に沿う断面図。
図14】第2実施形態の人力駆動車用コンポーネントの取付部を拡大して示す分解斜視図。
図15図14に示す人力駆動車用のコンポーネントの取付部がフレームの支持部にファスナによって取り付けられた状態において、コンポーネントの取付部およびフレームの支持部の付近を拡大して示す断面図。
図16】第3実施形態の人力駆動車用のコンポーネントの取付部がフレームの支持部にファスナによって取り付けられた状態において、コンポーネントの取付部およびフレームの支持部の付近を拡大して示す断面図。
図17図16の連結部がファスナの頭部に向かって移動した状態の断面図。
図18図16の第1取付部の連結部および中間部を示す斜視図。
図19図16の第1取付部の中間部を示す側面図。
図20図16の第1取付部の連結部を示す側面図。
図21図16の第2取付部の連結部および中間部を示す斜視図。
図22図16の第2取付部の中間部を示す側面図。
図23図16の第2取付部の連結部を示す側面図。
図24】第4実施形態の人力駆動車用コンポーネントの断面図。
図25図24の第2歯車および第3歯車の断面図。
図26図24の第2歯車および第3歯車の側面図。
図27図25のワッシャの斜視図。
図28図27のD28-D28線に沿う断面図。
図29】第5実施形態の第2歯車および第3歯車の断面図。
図30図29のD30-D30線に沿う断面図。
図31】第1変形例の取付部の断面図。
図32】第2変形例の取付部の断面図。
図33】第3変形例の取付部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0064】
<第1実施形態>
図1から図13を参照して、第1実施形態の人力駆動車用のコンポーネント40について説明する。人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、ハンドバイク、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(E-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、電動アシスト自転車として説明する。
【0065】
人力駆動車10は、人力駆動力が入力されるクランク12を備える。人力駆動車10は、車輪14と、車体16と、を、さらに備える。車輪14は、後輪14Aと、前輪14Bと、を含む。車体16は、フレーム18を含む。クランク12は、フレーム18に対して回転可能な入力回転軸12Aと、入力回転軸12Aの軸方向の端部にそれぞれ設けられる一対のクランクアーム12Bとを含む。本実施形態において、入力回転軸12Aは、クランク軸である。各クランクアーム12Bには、一対のペダル20がそれぞれ連結される。後輪14Aは、クランク12が回転することによって駆動される。後輪14Aは、フレーム18に支持される。クランク12と後輪14Aとは、駆動機構22によって連結される。駆動機構22は、入力回転軸12Aに連結される第1回転部材24を含む。入力回転軸12Aと第1回転部材24とは、一体回転するように連結されてもよく、第1ワンウェイクラッチ40Xを介して連結されていてもよい。第1ワンウェイクラッチ40Xは、クランク12が前転した場合に、第1回転部材24を前転させ、クランク12が後転した場合に、クランク12と第1回転部材24との相対回転を許容するように構成される。第1回転部材24は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。駆動機構22は、第2回転部材26と、連結部材28とをさらに含む。連結部材28は、第1回転部材24の回転力を第2回転部材26に伝達する。連結部材28は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。
【0066】
第2回転部材26は、後輪14Aに連結される。第2回転部材26は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。第2回転部材26と後輪14Aとの間には、好ましくは、第2ワンウェイクラッチが設けられる。第2ワンウェイクラッチは、第2回転部材26が前転した場合に、後輪14Aを前転させ、第2回転部材26が後転した場合に、第2回転部材26と後輪14Aとの相対回転を許容するように構成される。本実施形態では、第1回転部材24は、スプロケットを1枚のみ含み、第2回転部材26は、複数のスプロケットを含むが、第1回転部材24は複数のスプロケットを含んでいてもよく、第2回転部材26は、スプロケットを1枚のみ含んでいてもよい。第1回転部材24および第2回転部材26の少なくとも1つが複数のスプロケットを含む場合、人力駆動車10は、複数のスプロケット間においてチェーンを移動させるディレイラをさらに含む。本実施形態では、フレーム18にリアディレイラ27が設けられる。
【0067】
フレーム18には、フロントフォーク30を介して前輪14Bが取り付けられる。フロントフォーク30には、ハンドルバー34がステム32を介して連結される。本実施形態では、後輪14Aが駆動機構22によってクランク12に連結されるが、後輪14Aおよび前輪14Bの少なくとも1つが、駆動機構22によってクランク12に連結されてもよい。
【0068】
コンポーネント40は、ハウジング42と、取付部44と、を含む。取付部44は、ハウジング42に設けられ、ファスナ36によって人力駆動車10の支持部38に取り付けるように構成される。人力駆動車10は、支持部38をさらに含む。支持部38は、例えば、フレーム18に設けられる。支持部38は、単一部材としてフレーム18と一体に形成されていてもよく、フレーム18と別体に形成されてフレーム18に取り付けられていてもよい。支持部38は、フレーム18の一部であってもよい。支持部38は、例えば、フレーム18のダウンチューブ18Aおよびシートチューブ18Bが接続される部分に設けられる。
【0069】
好ましくは、コンポーネント40は、ハウジング42と、ハウジング42に少なくとも一部が収容されるモータ46と、を含む。好ましくは、モータ46は、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される。モータ46は、1または複数の電気モータを含む。モータ46は、第1回転部材24、連結部材28および後輪14Aの少なくとも1つに回転力を伝達するように構成される。本実施形態では、モータ46は、第1回転部材24に回転を伝達するように構成される。好ましくは、コンポーネント40は、入力回転軸12Aを含む。入力回転軸12Aは、ハウジング42に設けられる。ハウジング42は、例えば支持部38に着脱可能に取り付けられる。モータ46は、出力軸46Aを含む。モータ46の出力軸46Aは、一対の第6軸受41Fを介してハウジング42に対して回転可能にハウジング42に支持される。第6軸受41Fは、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。モータ46は、ハウジング42に設けられる。モータ46は、全体がハウジング42に収容されてもよい。モータ46およびハウジング42を含んで、人力駆動車用のドライブユニットが構成される。モータ46と入力回転軸12Aとの間の動力伝達経路には、好ましくは、入力回転軸12Aを人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合に入力回転軸12Aの回転力のモータ46への伝達を抑制するように第3ワンウェイクラッチ40Yが設けられる。第1ワンウェイクラッチ40X、第2ワンウェイクラッチ、および第3ワンウェイクラッチ40Yは、ローラクラッチ、爪ラチェット式クラッチ、および、スプラグ式クラッチのいずれか1つを含む。
【0070】
コンポーネント40は、第1回転部材24と接続される出力部40Aをさらに含む。第1回転部材24は、例えば、出力部40Aに着脱可能に取り付けられる。本実施形態では、入力回転軸12Aは、第1ワンウェイクラッチ40Xを介して出力部40Aと接続される。入力回転軸12Aは、入力回転軸12Aの回転軸心まわりの両方向において、出力部40Aと一体回転するように接続されてもよい。出力部40Aは、例えば、実質的に円筒形状を有し、入力回転軸12Aと同軸に配置される。出力部40Aは、入力回転軸12Aとは、例えば、平行に配置されるが、同軸に配置されなくてもよい。出力部40Aは、外周面に第1回転部材24に接続される接続部40Cを含む。接続部40Cは、少なくとも1つのスプラインを含む。好ましくは、コンポーネント40は、モータ46の出力軸に連結され、回転速度を減小させて出力する減速機40Bをさらに含む。減速機40Bは、ハウジング42に設けられる。好ましくは、減速機40Bは、ハウジング42に収容される。モータ46の回転力は、減速機40Bに伝達される。本実施形態では、減速機40Bの回転力は、出力部40Aに伝達される。減速機40Bの回転力は、第1回転部材24を介さず、例えば、スプロケット、プーリ、または、ギアを介して、連結部材28に伝達されてもよい。減速機40Bの回転力は、第1回転部材24および連結部材28を介さず、例えば、ローラを介して、後輪14Aに伝達されてもよい。減速機40Bの種類は特に限定されない。減速機40Bは、例えば、相互に噛み合う一対の歯車と、遊星歯車機構と、一対のスプロケットおよびチェーンと、一対のプーリおよびベルトと、の少なくとも1つを含む。減速機40Bは、省略されてもよい。
【0071】
好ましくは、コンポーネント40は、少なくとも1つの取付部44を含む。本実施形態では、少なくとも1つの取付部44は、複数の取付部44を含む。好ましくは、複数の取付部44は、少なくとも1つの第1取付部44A、および、少なくとも1つの第2取付部44Bを含む。本実施形態では、第1取付部44Aの数と、第2取付部44Bの数とは、等しい。第1取付部44Aの数と、第2取付部44Bの数とは、異なっていてもよい。本実施形態では、少なくとも1つの第1取付部44Aは、複数の第1取付部44Aを含み、少なくとも1つの第2取付部44Bは、複数の第2取付部44Bを含む。複数の第1取付部44Aは、ハウジング42の外周部に、入力回転軸12Aの回転軸心C2まわりにおいて間隔を開けて配置される。複数の第2取付部44Bは、ハウジング42の外周部に、入力回転軸12Aの回転軸心C2まわりにおいて間隔を開けて配置される。例えば、少なくとも1つの第1取付部44Aと、少なくとも1つの第2取付部44Bとが、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向において、整列する。本実施形態では、複数の第1取付部44Aのそれぞれと、複数の第2取付部44Bのそれぞれとが、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向において、整列する。少なくとも1つの第1取付部44Aと、少なくとも1つの第2取付部44Bとは、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向において、間隔を開けて配置される。
【0072】
ファスナ36は、ボルトまたはリベットを含む。ファスナ36は、頭部36Bと、単一部材として頭部36Bに一体に形成される軸部36Cと、を含む。ファスナ36は、中心軸心C1を有する。頭部36Bと、軸部36Cとは、中心軸心C1に沿って並ぶ。頭部36Bと、軸部36Cと、は、実質的に円柱状に形成される。頭部36Bの最大直径は、軸部36Cの最大直径よりも大きい。好ましくは、ファスナ36は、雄ねじ部36Aを含む。雄ねじ部36Aは、軸部36Cに設けられる。雄ねじ部36Aは、中心軸心C1に沿う方向において軸部36Cの全体に設けられてもよく、軸部36Cの一部にのみ設けられてもよい。支持部38には、取付部44に対応する位置に、支持部38を貫通する貫通孔38Aが形成される。貫通孔38Aは、円柱形状に形成される。貫通孔38Aの直径は、頭部36Bの最大直径よりも小さく、軸部36Cの最大直径よりも大きい。雄ねじ部36Aが、支持部38の貫通孔38Aに挿入され、かつ、取付部44に形成される第2雌ねじ部64Aにねじ込まれることによって、コンポーネント40とファスナ36の頭部36Bとの間に支持部38の一部が挟まれて、コンポーネント40が支持部38に取り付けられる。好ましくは、支持部38は、人力駆動車10の幅方向に平行な方向に間隔をあけて配置される一対の壁部38B,38Cを含む。少なくとも1つの取付部44と、第1取付部44Aと、第2取付部44Bと、は、一対の壁部38B,38Cの間に配される。一対の壁部38B,38Cには、それぞれ貫通孔38Aが形成される。第1取付部44Aは、壁部38Bに連結される。第2取付部44Bは、壁部38Cに連結される。ファスナ36によってコンポーネント40を支持部38に取り付ける場合、第1取付部44Aに挿入されるファスナ36の挿入方向と、第2取付部44Bに挿入されるファスナ36の挿入方向とは反対である。ファスナ36は、例えば、アルミニウム合金またはステンレス合金等によって形成される。本実施形態において、貫通孔38Aは、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向に延びる。貫通孔38Aは、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向に交差する方向に延びていてもよい。入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向に交差する方向は、例えば、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向に垂直な方向を含む。
【0073】
好ましくは、コンポーネント40は、ハウジング42と、位置決め部48と、絶縁部50と、を含む。ハウジング42は、第1ハウジング部52、および、第1ハウジング部52と共に収容空間SAを形成する第2ハウジング部54を含む。好ましくは、第1ハウジング部52および第2ハウジング部54は、マグネシウム合金を含む。マグネシウム合金は、例えば、AZ91Dである。取付部44は、第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の少なくとも1つに設けられる。本実施形態では、取付部44は、第1ハウジング部52に設けられる。
【0074】
ハウジング42は、入力回転軸12Aを回転可能に支持する。ハウジング42は、入力回転軸12Aが挿入される第1孔42Xおよび第2孔42Yを含む。第1孔42Xおよび第2孔42Yは、それぞれハウジング42に囲まれる空間と、ハウジング42の外部空間とを連結する。入力回転軸12Aの軸方向の第1端部13Aは、第1孔42Xからハウジング42外部空間に突出する。入力回転軸12Aの軸方向の第2端部13Bは、第2孔42Yからハウジング42の外部空間に突出する。第1孔42Xには、第1軸受41Aが配置される。入力回転軸12Aは、第1軸受41Aによって、ハウジング42に対して回転可能にハウジング42に支持される。第1軸受41Aは、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。出力部40Aの回転軸心は、入力回転軸12Aの回転軸心C2と等しい。出力部40Aは、回転軸心まわりにおいて、入力回転軸12Aの外周部に設けられる。第2孔42Yには、第2軸受41Bが配置される。出力部40Aは、第2軸受41Bによってハウジング42に対して回転可能にハウジング42に設けられる。出力部40Aは、実質的に円筒形状を有する。第2軸受41Bは、出力部40Aの外周部に設けられる。出力部40Aの内周部と、入力回転軸12Aの外周部との間には、好ましくは、第3軸受41Cが設けられる。出力部40Aは、第3軸受41Cを介して入力回転軸12Aを回転可能に支持する。第2軸受41Bは、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。第3軸受41Cは、例えば、ニードルベアリング、または、スリーブを含む。回転軸心C2に垂直な方向において、第2軸受41Bの少なくとも一部は、第3軸受41Cに重なるように配置される。
【0075】
第1ハウジング部52は、ハウジング42のうちの入力回転軸12Aの回転軸心C2と平行な方向における第2側面を含む。第2ハウジング部54は、ハウジング42のうちの入力回転軸12Aの回転軸心C2と平行な方向における第側面を含む。第1ハウジング部52と第2ハウジング部54とが、例えば、結合部材56によって相互に結合される。結合部材56は、例えば、ボルトまたはリベットである。第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の一方には、例えば、ボルトの軸部が挿入される貫通孔が設けられ、第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の他方には、例えば、ボルトと係合する雌ねじ部が設けられる。第1ハウジング部52と第2ハウジング部54とは、例えば、接着剤によって相互に連結されてもよい。
【0076】
絶縁部50は、第1ハウジング部52と第2ハウジング部54との間に設けられ、第1ハウジング部52と第2ハウジング部54とを電気的に絶縁する。絶縁部50は、第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の表面に設けられる。絶縁部50は、例えば、第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の母材の表面に形成される金属酸化物の膜を含む。金属酸化物の膜は、例えば、第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の母材を陽極酸化して形成される陽極酸化膜、および、第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の母材にめっきして形成されるめっき膜の少なくとも1つを含む。第1ハウジング部52と、第2ハウジング部54には、陽極酸化膜またはめっき膜の少なくとも一部の上に塗装膜が重ねられていてもよい。好ましくは、塗装膜は、電気絶縁性を有する。絶縁部50が、金属酸化物の膜および塗装膜の少なくとも1つを含む場合、金属酸化物の膜および塗装膜の少なくとも1つは、第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の間だけではなく、第1ハウジング部52の表面の全体および第2ハウジング部54の表面の全体に設けられてもよい。絶縁部50は、金属酸化物の膜に変えてまたは加えて、防水グリス、防水シール、および、塗装膜の少なくとも1つを含んでもよい。
【0077】
取付部44は、金属製のベース部62と、金属製の連結部64と、中間部66と、を含む。
連結部64は、ベース部62に設けられ、ファスナ36に連結するように構成される。中間部66は、連結部64とベース部62との間に設けられる。好ましくは、ベース部62は、孔62Aを有する。本実施形態では、孔62Aは、貫通孔である。孔62Aは、ブランド孔であってもよい。連結部64の少なくとも一部および中間部66の少なくとも一部は、孔62Aに配置される。ベース部62は、孔62Aを形成する第1雌ねじ部62Bを含む。好ましくは、中間部66は、第1雌ねじ部62Bと結合するように構成される雄ねじ部66Aの少なくとも一部を含む。連結部64は、例えば、実質的に円筒形状に形成される。連結部64は、例えば、実質的に有底円筒形状に形成されてもよい。連結部64は、ファスナ36に連結するように構成される第2雌ねじ部64Aを含む。中間部66は、連結部64の外周部に設けられる。中間部66は、実質的に円筒形状に形成される。第2雌ねじ部64Aは、連結部64の内周部に設けられる。第2雌ねじ部64Aは、ファスナ36の雄ねじ部36Aに連結するように構成される。第1雌ねじ部62Bおよび第2雌ねじ部64Aの一方は、右ねじであり、第1雌ねじ部62Bおよび第2雌ねじ部64Aの他方は、左ねじである。
【0078】
好ましくは、連結部64は、フランジ部64Bを有する。フランジ部64Bは、取付部44がファスナ36によって人力駆動車10の支持部38に取り付けられた状態において、ベース部62と支持部38との間に配置される。フランジ部64Bは、孔62Aの直径よりも大きい外形を有する。連結部64の一部が孔62Aの内周部に配置される状態において、フランジ部64Bは、孔62Aの外側に位置する。フランジ部64Bは、コンポーネント40がファスナ36によって支持部38に取り付けられた状態において、支持部38と接触するように構成される。フランジ部64Bが支持部38と接触することによって、支持部38とベース部62とが接触しにくい。好ましくは、中間部66は、連結部64のうち孔62Aに配置される部分の外周部の全領域にわたって設けられる。好ましくは、中間部66は、フランジ部64Bのうち、ベース部62に対向する側面64Dにも設けられる。
【0079】
好ましくは、中間部66は、連結部64に着脱不能に設けられる。例えば、中間部66と連結部64とは、単一部材に表面処理を施すことによって着脱不能に形成されてもよい。連結部64と中間部66とは、それぞれ別部材によって構成され、例えばインサート成型または接着などによって、着脱不能に形成されてもよい。
【0080】
ベース部62は、第1標準電極電位を有する第1材料を含む。第1材料は、合金を含む。好ましくは、第1材料は、マグネシウム合金を含む。好ましくは、本実施形態では、ベース部62は、マグネシウム合金を含む。ハウジング42の少なくとも一部は、単一部材として、ベース部62と一体に形成される。ベース部62の第1雌ねじ部62Bは、内周部に金属酸化物の膜および塗装膜の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0081】
連結部64は、第2標準電極電位を有する第2材料を含む。第2材料は、例えば、合金を含む。好ましくは、第2材料は、アルミニウム合金を含む。アルミニウム合金は、例えば、ADC12である。第2材料は、アルミニウム合金に代えて、鉄合金を含んでいてもよい。中間部66は、第3材料または第4材料によって形成される。第3材料は、第3標準電極電位を有し、第3標準電極電位と第1標準電極電位との差、および、第3標準電極電位と第2標準電極電位との差が、それぞれ第1標準電極電位と第2標準電極電位との差よりも小さい。第4材料は、電気絶縁性を有する。中間部66は、より好ましくは、第4材料によって形成される。好ましくは、第1標準電極電位は、第2標準電極電位と異なる。
【0082】
本実施形態では、中間部66は、第4材料によって形成され、第4材料は、金属酸化物を含む。好ましくは、金属酸化物は、酸化アルミニウムを含む。連結部64および中間部66は、例えば、第2材料によって形成される実質的に円筒形状の母材の外周部に金属酸化物の膜を形成する処理を行うことによって作製される。中間部66を形成する金属酸化物の膜は、例えば、陽極酸化膜またはめっき膜を含む。中間部66の厚さは、1マイクロメートル以上、かつ、30マイクロメートル以下である。金属酸化膜が陽極酸化膜の場合、中間部66の厚さは、好ましくは、3マイクロメートル以上、かつ、10マイクロメートル以下である。金属酸化膜がめっき膜の場合、中間部66の厚さは、好ましくは、10マイクロメートル以上、かつ、20マイクロメートル以下である。
【0083】
連結部64は、第2材料の他に第5材料を含んでいてもよい。好ましくは、連結部64の外表面のうち、中間部66に接していない部分には、電気絶縁部が設けられてもよい。連結部64の電気絶縁部は、第5材料によって形成される。好ましくは、第5材料は、第4材料と同じ材料である。例えば、第2材料によって形成される実質的に円筒形状の母材の内周部に金属酸化物の膜を形成する処理を行うことによって、連結部64の電気絶縁部が形成される。金属酸化物の膜は、例えば、陽極酸化膜またはめっき膜を含む。好ましくは、連結部64の電気絶縁部の厚さは、1マイクロメートル以上、かつ、30マイクロメートル以下である。金属酸化膜が陽極酸化膜の場合、連結部64の電気絶縁部の厚さは、好ましくは、3マイクロメートル以上、かつ、10マイクロメートル以下である。金属酸化膜がめっき膜の場合、連結部64の電気絶縁部の厚さは、好ましくは、10マイクロメートル以上、かつ、20マイクロメートル以下である。中間部66と、連結部64の電気絶縁部とは、例えば、作製処理の工程において、同時に形成される。
【0084】
連結部64のうち中間部66と接触していない部分の表面部の全体を金属酸化物の膜によって形成してもよい。連結部64の内周部の表面は、金属酸化物の膜が形成されなくてもよい。連結部64は、例えば、第2材料のみを含んで形成されてもよい。
【0085】
好ましくは、連結部64は、工具を係合するように構成される工具係合部64Cを含む。工具係合部64Cは、例えば、第2雌ねじ部64Aが延びる方向において、連結部64の第1端部64Xまたは第2端部64Yの少なくとも1つに設けられる。連結部64の第1端部64Xにはフランジ部64Bが設けられる。好ましくは、工具係合部64Cは、連結部64の第2端部64Yに設けられる。連結部64が実質的に円筒形状を有する場合、工具係合部64Cは、連結部64の内周部に設けられてもよく、外周部に設けられてもよい。連結部64が実質的に有底筒形状を有する場合、工具係合部64Cは、連結部64の内周部に設けられてもよく、外周部に設けられてもよく、底部に設けられてもよい。工具係合部64Cは、好ましくは、第1工具の外形に対応する孔64Eを有する。連結部64が実質的に円筒形状を有する場合、かつ、第2端部64Yに孔64Eが形成される場合、孔64Eの最大直径は、連結部64の直径よりも小さくなるように構成されれば、特に限定されない。連結部64の第1端部64Xに孔64Eが形成される場合、孔64Eの最大直径は、連結部64の直径よりも小さくなるように構成され、かつ、孔64Eの最小直径は、第2雌ねじ部64Aの内径よりも大きくなるように構成される。連結部64が実質的に有底筒形状を有する場合、かつ、第2端部64Yに設けられる底部の外側に孔64Eが形成される場合、孔64Eの最大直径は、連結部64の直径よりも小さくなるように構成されれば、特に限定されない。連結部64が実質的に有底筒形状を有する場合、かつ、第2端部64Yに設けられる底部の内側に孔64Eが形成される場合、孔64Eの最大直径は、第2雌ねじ部64Aの内径よりも小さくなるように構成される。第1工具は、例えば、六角レンチ、ヘックスローブレンチ、または、ドライバを含む。工具係合部64Cは、連結部64の外周部に設けられてもよい。工具係合部64Cが、例えば、連結部64の外周部に設けられ、かつ、連結部64の第2端部64Yに設けられる場合、連結部64の第2端部64Yは、連結部64の他の部分よりも最大が小さくなるように構成される。連結部64の第2端部64Yの外形は、第2工具に対応する。工具係合部64Cが、例えば、連結部64の外周部に設けられ、かつ、連結部64の第1端部64Xのフランジ部64Bに設けられる場合、フランジ部64Bの外形は、第2工具に対応する。第2工具は、例えば、スパナ、または、レンチなどを含む。工具係合部64Cに工具を係合して、中間部66の雄ねじ部66Aとベース部62の第1雌ねじ部62Bとの結合状態を変化させることによって、連結部64および中間部66と、ベース部62との相対位置が調整される。貫通孔38Aの延びる方向において、支持部38とベース部62との間に隙間が形成される場合でも、連結部64が支持部38に近づくように、連結部64および中間部66のベース部62に対する相対位置を調整できるので、ファスナ36を取付部44結合する場合に、支持部38に過大な負荷が掛かることが抑制される。
【0086】
位置決め部48は、第1ハウジング部52および第2ハウジング部54のそれぞれに設けられ、第1ハウジング部52と第2ハウジング部54との相対位置を位置決めするように構成される。好ましくは、位置決め部48は、第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の一方に設けられる第1凸部48Aと、第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の他方に設けられ、第1凸部48Aの少なくとも一部が配置される第1凹部48Bと、を含む。第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の一方と、第1凸部48Aとは、電気的に接続される。第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の他方と、第1凹部48Bとは、電気的に接続される。第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の一方と、第1凸部48Aとは、単一部材として一体に形成される。第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の他方と、第1凹部48Bとは、単一部材として一体に形成される。位置決め部48は、例えば、第1ハウジング部52のうち第2ハウジング部54に直接またはシール部材を介して接触する第1合わせ面48Cと、第2ハウジング部54のうち第1ハウジング部52に直接またはシール部材を介して接触する第2合わせ面48Dに設けられる。第1合わせ面48Cは、入力回転軸12Aまわりにおいて第1ハウジング部52の外周部に設けられる。第2合わせ面48Dは、入力回転軸12Aまわりにおいて第2ハウジング部54の外周部に設けられる。第1凸部48Aは、第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の一方から、第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の他方に向かって突出する。第1凹部48Bは、第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の一方から、第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の他方に向かって凹む。本実施形態では、第1合わせ面48Cおよび第2合わせ面48Dは、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向に実質的に垂直であり、第1凸部48Aおよび第1凹部48Bは、それぞれ入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向に沿って延びる。第1合わせ面48Cおよび第2合わせ面48Dは、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向に傾斜していていもよく、第1凸部48Aおよび第1凹部48Bは、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向に傾斜して延びてもよい。第1凸部48Aが第1凹部48Bに嵌まり込んだ状態において、第1ハウジング部52と第2ハウジング部54との相対位置が決定されるので、結合部材56によって第1ハウジング部52と第2ハウジング部54とを相互に結合しやすい。
【0087】
好ましくは、位置決め部48において、第1ハウジング部52と第2ハウジング部54とが電気的に接続される。第1凸部48Aの表面の少なくとも一部と、第1凹部48Bの表面の少なくとも一部とは、導電性を有する。好ましくは、第1凸部48Aの表面の全体と、第1凹部48Bの内表面の少なくとも一部とは、導電性を有する。例えば、第1凸部48Aの表面の少なくとも一部と、第1凹部48Bの表面の少なくとも一部とには、金属酸化物の膜が形成されていない。第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の母材の表面に金属酸化物の膜および塗装膜の少なくとも1つを形成する場合、例えば、第1凸部48Aおよび第1凹部48Bのそれぞれの表面にも、金属酸化物の膜および塗装膜の少なくとも1つを同時に形成する。第1凸部48Aの表面の少なくとも一部と、第1凹部48Bの表面の少なくとも一部とは、第1凸部48Aの表面および第1凹部48Bの表面に形成された金属酸化物の膜および塗装膜を切削することによって、形成されてもよい。第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の母材の表面に金属酸化物の膜および塗装膜の少なくとも1つを形成する場合、例えば、第1凸部48Aの表面の少なくとも一部および第1凹部48Bの表面の少なくとも一部は、金属酸化物の膜および塗装膜が形成されないように、カバー部材によって被覆されてもよい。
【0088】
第1凸部48Aおよび第1凹部48Bは、それぞれ第1ハウジング部52および第2ハウジング部54とは別体に形成されてもよい。第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の一方と、第1凸部48Aとは、ねじによって結合されてもよく、接着材によって結合されてもよく、圧入によって結合されてもよい。第1ハウジング部52および第2ハウジング部54の他方と、第1凹部48Bとは、ねじによって結合されてもよく、接着材によって結合されてもよく、圧入によって結合されてもよい。
【0089】
好ましくは、コンポーネント40は、位置決め部48に設けられ、第1ハウジング部52と第2ハウジング部54とを電気的に接続する導電部70をさらに含む。好ましくは、導電部70は、導電性グリス71を含む。導電性グリス71は、第1凸部48Aの表面の少なくとも一部と、第1凹部48Bの表面の少なくとも一部とに接触する。導電性グリス71によって、第1凸部48Aの表面の少なくとも一部と、第1凹部48Bの表面の少なくとも一部とが直接接触していなくても、第1凸部48Aと、第1凹部48Bとを電気的に接続できる。第1凸部48Aの表面の少なくとも一部と、第1凹部48Bの表面の少なくとも一部とが直接接触する場合、導電部70は、第1凸部48Aの表面の少なくとも一部と、第1凹部48Bの表面の少なくとも一部とによって構成されてもよい。
【0090】
コンポーネント40は、ハウジング42と、モータ46と、カバー72と、電気コネクタ74と、を含む。カバー72は、ハウジング42に取り付けられる。電気コネクタ74は、ハウジング42とカバー72とによって形成される空間SBに接続端子74Aが露出する。電気コネクタ74は、接続端子74Aを含む。接続端子74Aは、複数の端子を含んでいてもよい。好ましくは、電気コネクタ74は、モータ46およびハウジング42の収容空間SAに設けられる少なくとも1つの電気回路基板と電気的に接続される。電気コネクタ74と、少なくとも1つの電気回路とは、例えば、電気ケーブルによって接続されてもよく、電気端子によって接続されてもよい。電気コネクタ74の接続端子74Aは、例えば、コンポーネント40の外部に配置されるバッテリ、および、他の電気コンポーネントの少なくとも1つと接続される電気ケーブルと接続するように構成される。他の電気コンポーネントは、例えば、サイクルコンピュータ、操作スイッチ、または、電動変速機などを含む。
【0091】
電気コネクタ74は、接続端子74Aがハウジング42の外部に露出するように、ハウジング42に設けられる。電気コネクタ74は、ハウジング42の外表面に配置される。ハウジング42には、電気コネクタ74の一部、電気ケーブル、または電気端子、が配置されるコネクタ用の貫通孔が形成される。コネクタ用の貫通孔は、電気コネクタ74にカバーされる。好ましくは、電気コネクタ74は、ハウジング42の外表面に形成される凹部42Aに配置される。例えば、接続端子74Aが入力回転軸12Aの軸方向と交差する方向に露出するように凹部42Aに設けられる。本実施形態では、電気コネクタ74は、接続端子74Aが入力回転軸12Aの軸方向と直交する方向に露出するように凹部42Aに設けられる。電気コネクタ74は、例えば、接続端子74Aが入力回転軸12Aの軸方向と平行な方向に露出するように凹部42Aに設けられてもよい。カバー72は、凹部42Aを覆うように構成される。
【0092】
好ましくは、ハウジング42は、金属材料を含み、カバー72は、樹脂材料を含む。樹脂材料は、一般的な剛性を有する樹脂材料であってもよく、繊維強化樹脂材料であってもよい。カバー72は、リブ76を含む。リブ76は、ハウジング42に接触することによって、空間SBの変形を抑制するように構成される。リブ76は、ハウジング42に向かって突出する。好ましくは、リブ76の少なくとも一部は、ハウジング42の凹部42Aを覆う位置に設けられる。好ましくは、リブ76は、ハウジング42との間の最小距離Lが異なる複数のリブ76を含む。複数のリブ76は、第1方向X1に延びる少なくとも1つの第1リブ76Aと、第1方向X1とは異なる第2方向X2に延びる少なくとも1つの第2リブ76Bと、を含む。好ましくは、第1方向X1と第2方向X2とは実質的に直交する。
【0093】
少なくとも1つの第1リブ76Aが、複数の第1リブ76Aを含む場合、複数の第1リブ76Aは、第2方向X2に間隔をあけて配置される。少なくとも1つの第2リブ76Bが、複数の第2リブ76Bを含む場合、複数の第2リブ76Bは、第1方向X1に間隔をあけて配置される。好ましくは、少なくとも1つの第1リブ76Aと、少なくとも1つの第2リブ76Bとは、相互に連結されている。好ましくは、少なくとも1つの第1リブ76Aのうちの少なくとも1つと、少なくとも1つの第2リブ76Bのうちの少なくとも1つとは、交差するようにカバー72に設けられる。
【0094】
好ましくは、ハウジング42は、凸部42Bを含む。凸部42Bは、凹部42Aの壁部の頂部に設けられる。凸部42Bは、カバー72に向かって突出する。好ましくは、凸部42Bの突出方向A1と、複数のリブ76の突出方向A2とは、平行である。好ましくは、凸部42Bは、複数のリブ76のうちの少なくとも1つの少なくとも一部と、凸部42Bの突出方向において対向する。凸部42Bは、例えば、第1方向X1に延び、突出方向A1において、複数の第2リブ76Bのうちの少なくとも1つに対向する。少なくとも1つの第1リブ76Aは、ハウジング42のうち、凹部42Aの周囲の部分に隣接して配置される第3リブ76Cを含む。凸部42Bの突出方向A1において、第3リブ76Cの先端76Dと、ハウジング42のうち凹部42Aの周囲の部分との最小距離L1は、凸部42Bの先端42Cと、複数の第2リブ76Bのうちの少なくとも1つとの最小距離L2よりも短い。最小距離L1は、0(ゼロ)ミリメートルであってもよい。カバー72に外部から力が加えられた場合、複数のリブ76のうちの少なくとも1つがハウジング42の外表面と接触することによって、空間SBの変形が抑制される。さらにカバー72に外部から力が加えられた場合、凸部42Bが複数のリブ76のうちの少なくとも1つと接触することによって、空間SBの変形が抑制される。本実施形態では、カバー72に外部から力が加えられた場合、第3リブ76Cがハウジング42の外表面と接触することによって、空間SBの変形が抑制される。さらにカバー72に外部から力が加えられた場合、凸部42Bが複数の第2リブ76Bと接触することによって、空間SBの変形が抑制される。
【0095】
コンポーネント40は、ハウジング42がマグネシウム合金を含み、中間部66が第3材料または第4材料によって形成される。このため、ファスナ36の材料に関わらず、取付部44付近においてガルバニック腐食が生じにくくなる。
【0096】
<第2実施形態>
図14および図15を参照して、第2実施形態のコンポーネント40について説明する。第2実施形態のコンポーネント40は、第1取付部78Aと、第2取付部78Bとの構成が異なる点以外は、第1実施形態のコンポーネント40と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本実施形態では、第1取付部78Aの構成は、第2取付部78Bの構成とは、異なる。
【0097】
少なくとも1つの取付部44は、少なくとも1つの第1取付部78A、および、少なくとも1つの第2取付部78Bを含む。本実施形態では、第1取付部78Aの数と、第2取付部78Bの数とは、等しい。第1取付部78Aの数と、第2取付部78Bの数とは、異なっていてもよい。本実施形態では、少なくとも1つの第1取付部78Aは、複数の第1取付部78Aを含み、少なくとも1つの第2取付部78Bは、複数の第2取付部78Bを含む。複数の第1取付部78Aは、ハウジング42の外周部に、入力回転軸12Aの回転軸心C2まわりにおいて間隔を開けて配置される。複数の第2取付部78Bは、ハウジング42の外周部に、入力回転軸12Aの回転軸心C2まわりにおいて間隔を開けて配置される。例えば、少なくとも1つの第1取付部78Aと、少なくとも1つの第2取付部78Bとが、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向において、整列する。本実施形態では、複数の第1取付部78Aのそれぞれと、複数の第2取付部78Bのそれぞれとが、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向において、整列する。少なくとも1つの第1取付部78Aと、少なくとも1つの第2取付部78Bとは、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向において、間隔を開けて配置される。本実施形態において、ファスナ36は、ボルトである。第1取付部78Aに挿入されるファスナ36の挿入方向と、第2取付部78Bに挿入されるファスナ36の挿入方向とは反対である。
【0098】
第1取付部78Aは、金属製のベース部62と、金属製の連結部80と、中間部82と、を含む。
【0099】
連結部80は、ベース部62に設けられ、ファスナ36に連結するように構成される。中間部82は、連結部80とベース部62との間に設けられる。好ましくは、ベース部62は、孔62Aを有する。本実施形態では、孔62Aは、貫通孔である。孔62Aは、ブランド孔であってもよい。連結部80の少なくとも一部および中間部82の少なくとも一部は、孔62Aに配置される。本実施形態では、ベース部62の孔62Aを定義する内周部には、ねじが形成されない。連結部80は、ファスナ36に連結するように構成される第2雌ねじ部80Aを含む。第2雌ねじ部80Aは、ファスナ36の雄ねじ部36Aに連結するように構成される。連結部80は、例えば、実質的に円筒形状に形成される。連結部80は、例えば、実質的に有底筒形状に形成されてもよい。第2雌ねじ部80Aは、連結部80の内周部に設けられる。中間部82は、連結部80の外周部に設けられる。中間部82は、実質的に円筒形状に形成される。中間部82は、実質的に有底円筒形状に形成されてもよい。
【0100】
好ましくは、連結部80は、フランジ部80Bを有する。フランジ部80Bは、取付部44がファスナ36によって人力駆動車10の支持部38に取り付けられた状態において、ベース部62と支持部38との間に配置される。フランジ部80Bは、孔62Aの直径よりも大きい外形を有する。連結部80の一部が孔62Aの内周部に配置される状態において、フランジ部80Bは、孔62Aの外側に位置する。フランジ部80Bは、コンポーネント40がファスナ36によって支持部38に取り付けられた状態において、支持部38と接触するように構成される。フランジ部80Bが支持部38と接触することによって、支持部38とベース部62とが接触しにくい。好ましくは、中間部82は、連結部80のうち孔62Aに配置される部分の外周部の全領域にわたって設けられる。
【0101】
好ましくは、中間部82は、連結部80と着脱可能に設けられる。第1取付部78Aは、中間部82を含む第1部材84を含む。第1部材84は、実質的に円筒形状に形成される。第1部材84は、実質的に有底筒形状に形成されてもよい。中間部82は、第1部材84の外周部に設けられる。中間部82は、第1部材84の外周部に加えて、第1部材84の内周部と、第1部材84の外周部および内周部を接続する側面部と、の少なくとも1つに設けられてもよい。第1部材84の全体が中間部82であってもよい。好ましくは、中間部82は、第1部材84の外周面を含む。好ましくは、連結部80は、孔62Aの延びる方向において、第1部材84に対して移動可能に第1部材84に連結される。第1部材84およびベース部62は、第1部材84のベース部62に対する移動を規制する第1規制部87を含む。第1規制部87は、相補的な形状を有する少なくとも1つの凹部87Aと少なくとも1つの凸部87Bとを含む。第1部材84の外周部およびベース部62の内周部の一方に、少なくとも1つの凹部87Aおよび少なくとも1つ凸部87Bの一方が設けられ、第1部材84の外周部およびベース部62の内周部の他方に、少なくとも1つの凹部87Aおよび少なくとも1つの凸部87Bの他方が設けられる。ベース部62の内周部に設けられる少なくとも1つの凹部87Aおよび少なくとも1つの凸部87Bの一方は、好ましくは、孔62Aの延びる方向において、ベース部62の内周部の中間部に設けられる。第1部材84の外周部およびベース部62の内周部のそれぞれに、少なくとも1つの凹部87Aおよび少なくとも1つ凸部87Bのそれぞれが設けられてもよい。第1規制部87は、凹部87Aと凸部87Bとが係合することによって、第1部材84のベース部62に対する回転を規制するとともに、第1部材84のベース部62からの分離を規制する。第1部材84は、例えば、ベース部62にインサート成型される。好ましくは、第1部材84および連結部80の少なくとも1つは、第1部材84および連結部80の相対回転を規制する規制部84Aを含む。規制部84Aは、第1部材84の内周部、および、連結部80の外周部の少なくとも1つに設けられる。規制部84Aは、例えば1または複数スプラインを含む。
【0102】
第1取付部78Aと対応するベース部62は、第1標準電極電位を有する第1材料を含む。好ましくは、第1取付部78Aと対応するベース部62は、マグネシウム合金を含む。ハウジング42の少なくとも一部は、単一部材として、第1取付部78Aと対応するベース部62と一体に形成される。ベース部62の孔62Aを定義する内周部は、金属酸化物の膜および塗装膜の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0103】
連結部80は、第2標準電極電位を有する第2材料を含む。好ましくは、第2材料は、アルミニウム合金を含み、金属酸化物は、酸化アルミニウムを含む。アルミニウム合金は、例えば、ADC12である。中間部82は、第3材料または第4材料によって形成される。第3材料は、第3標準電極電位を有し、第3標準電極電位と第1標準電極電位との差、および、第3標準電極電位と第2標準電極電位との差が、それぞれ第1標準電極電位と第2標準電極電位との差よりも小さい。第4材料は、電気絶縁性を有する。中間部66は、より好ましくは、第4材料によって形成される。好ましくは、第1標準電極電位は、第2標準電極電位と異なる。
【0104】
本実施形態では、中間部82は、第4材料によって形成され、第4材料は、金属酸化物を含む。例えば、中間部82は、第2材料によって形成される第1部材84の外周部に金属酸化物の膜を形成することによって作製される。金属酸化物の膜は、例えば、陽極酸化膜またはめっき膜を含む。好ましくは、中間部82の厚さは、1マイクロメートル以上、かつ、30マイクロメートル以下である。金属酸化膜が陽極酸化膜の場合、中間部82の厚さは、好ましくは、3マイクロメートル以上、かつ、10マイクロメートル以下である。金属酸化膜がめっき膜の場合、中間部82の厚さは、好ましくは、10マイクロメートル以上、かつ、20マイクロメートル以下である。
【0105】
本実施形態では、連結部80は、第2材料の他に第5材料を含んでいてもよい。好ましくは、連結部80の外表面には、電気絶縁部が設けられてもよい。連結部80の電気絶縁部は、第5材料によって形成される。好ましくは、第5材料は、第4材料と同じ材料である。例えば、第2材料によって形成される実質的に円筒形状の母材の表面に金属酸化物の膜を形成する処理を行うことによって、連結部80の電気絶縁部が形成される。金属酸化物の膜は、例えば、陽極酸化膜またはめっき膜を含む。好ましくは、連結部80の電気絶縁部の厚さは、1マイクロメートル以上、かつ、30マイクロメートル以下である。金属酸化膜が陽極酸化膜の場合、連結部80の電気絶縁部の厚さは、好ましくは、3マイクロメートル以上、かつ、10マイクロメートル以下である。金属酸化膜がめっき膜の場合、連結部80の電気絶縁部の厚さは、好ましくは、10マイクロメートル以上、かつ、20マイクロメートル以下である。
【0106】
第2取付部78Bは、金属製のベース部62と、金属製の連結部88と、中間部90と、を含む。
【0107】
連結部88は、ベース部62に設けられ、ファスナ36に連結するように構成される。中間部90は、連結部88とベース部62との間に設けられる。好ましくは、ベース部62は、孔62Aを有する。本実施形態では、孔62Aは、貫通孔である。孔62Aは、ブランド孔であってもよい。連結部88の少なくとも一部および中間部90の少なくとも一部は、孔62Aに配置される。ベース部62の孔62Aを定義する内周面には、ねじが形成されない。連結部88および中間部90は、ベース部62に着脱不能に設けられる。連結部88は、ファスナ36に連結するように構成される第2雌ねじ部88Aを含む。第2雌ねじ部88Aは、ファスナ36の雄ねじ部36Aに連結するように構成される。連結部88は、例えば、実質的に円筒形状に形成される。連結部88は、例えば、実質的に有底筒形状に形成されてもよい。第2雌ねじ部88Aは、連結部88の内周部に設けられる。中間部90は、連結部88の外周部に設けられる。中間部90は、実質的に円筒形状に形成される。中間部90は、実質的に円筒形状に形成されてもよい。
【0108】
好ましくは、中間部90は、連結部88に着脱不能に設けられる。第取付部78は、中間部90を含む第2部材92を含む。第2部材92は、実質的に円筒形状に形成される。第2部材92は、実質的に有底筒形状に形成されてもよい。中間部90は、第2部材92の外周部に設けられる。好ましくは、中間部90は、第2部材92の外周面を含む。第2部材92およびベース部62は、第2部材92のベース部62に対する移動を規制する第2規制部93を含む。第2規制部93は、相補的な形状を有する少なくとも1つの凹部93Bと少なくとも1つの凸部93Aとを含む。少なくとも1つの凹部93Bが複数の凹部93Bを含む場合、好ましくは、複数の凹部93Bは、孔62Aの周方向に等間隔に配置される。少なくとも1つの凸部93Aが複数の凸部93Aを含む場合、好ましくは、複数の凸部93Aは、孔62Aの周方向に等間隔に配置される。第2部材92の外周部およびベース部62の内周部の一方に、少なくとも1つの凹部93Bおよび少なくとも1つ凸部93Aの一方が設けられ、第2部材92の外周部およびベース部62の内周部の他方に、少なくとも1つの凹部93Bおよび少なくとも1つの凸部93Aの他方が設けられる。ベース部62の内周部に設けられる少なくとも1つの凹部93Bおよび少なくとも1つの凸部93Aの一方は、好ましくは、孔62Aの延びる方向において、ベース部62の内周部の中間部に設けられる。第2部材92の外周部およびベース部62の内周部のそれぞれに、少なくとも1つの凹部93Bおよび少なくとも1つ凸部93Aのそれぞれが設けられてもよい。第2規制部93は、凹部93Bと凸部93Aとが係合することによって、第2部材92のベース部62に対する回転を規制するとともに、第2部材92のベース部62からの分離を規制する。第2部材92は、例えば、ベース部62にインサート成型される。
【0109】
第2取付部78Bと対応するベース部62は、第1標準電極電位を有する第1材料を含む。好ましくは、ベース部62は、マグネシウム合金を含む。ハウジング42の少なくとも一部は、単一部材として、第2取付部78Bと対応するベース部62と一体に形成される。ベース部62の孔62Aを定義する内周部は、金属酸化物の膜および塗装膜の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0110】
連結部88は、第2標準電極電位を有する第2材料を含む。好ましくは、第2材料は、アルミニウム合金を含み、金属酸化物は、酸化アルミニウムを含む。アルミニウム合金は、例えば、ADC12である。中間部90は、第3材料または第4材料によって形成される。第3材料は、第3標準電極電位を有し、第3標準電極電位と第1標準電極電位との差、および、第3標準電極電位と第2標準電極電位との差が、それぞれ第1標準電極電位と第2標準電極電位との差よりも小さい。第4材料は、電気絶縁性を有する。中間部90は、より好ましくは、第4材料によって形成される。好ましくは、第1標準電極電位は、第2標準電極電位と異なる。
【0111】
本実施形態では、中間部90は、第4材料によって形成され、第4材料は、金属酸化物を含む。例えば、中間部90は、第2材料によって形成される第2部材92の外周部に金属酸化物の膜を形成することによって作製される。金属酸化物の膜は、例えば、陽極酸化膜またはめっき膜を含む。好ましくは、中間部90の厚さは、1マイクロメートル以上、かつ、30マイクロメートル以下である。金属酸化膜が陽極酸化膜の場合、中間部90の厚さは、好ましくは、3マイクロメートル以上、かつ、10マイクロメートル以下である。金属酸化膜がめっき膜の場合、中間部90の厚さは、好ましくは、10マイクロメートル以上、かつ、20マイクロメートル以下である。
【0112】
本実施形態の連結部88は、第2材料の他に第5材料を含んでいてもよい。好ましくは、連結部88の外表面のうち、中間部90に接していない部分には、電気絶縁部が設けられてもよい。連結部88の電気絶縁部は、第5材料によって形成される。好ましくは、第5材料は、第4材料と同じ材料である。例えば、第2材料によって形成される第2部材の内周部に金属酸化物の膜を形成する処理を行うことによって、連結部88の電気絶縁部が形成される。金属酸化物の膜は、例えば、陽極酸化膜またはめっき膜を含む。好ましくは、連結部88の電気絶縁部の厚さは、1マイクロメートル以上、かつ、30マイクロメートル以下である。金属酸化膜が陽極酸化膜の場合、連結部88の電気絶縁部の厚さは、好ましくは、3マイクロメートル以上、かつ、10マイクロメートル以下である。金属酸化膜がめっき膜の場合、連結部88の電気絶縁部の厚さは、好ましくは、10マイクロメートル以上、かつ、20マイクロメートル以下である。中間部90と、連結部88の電気絶縁部とは、例えば、作製処理の工程において、同時に形成される。
【0113】
<第3実施形態>
図16から図23を参照して、第3実施形態のコンポーネント40について説明する。第3実施形態のコンポーネント40は、第1取付部96Aと、第2取付部96Bとの構成が異なる点以外は、第2実施形態のコンポーネント40と同様であるので、第1実施形態および第2実施形態と共通する構成については、第1実施形態および第2実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0114】
少なくとも1つの取付部44は、少なくとも1つの第1取付部96A、および、少なくとも1つの第2取付部96Bを含む。本実施形態では、第1取付部96Aの数と、第2取付部96Bの数とは、等しい。第1取付部96Aの数と、第2取付部96Bの数とは、異なっていてもよい。本実施形態では、少なくとも1つの第1取付部96Aは、複数の第1取付部96Aを含み、少なくとも1つの第2取付部96Bは、複数の第2取付部96Bを含む。複数の第1取付部96Aは、ハウジング42の外周部に、入力回転軸12Aの回転軸心C2まわりにおいて間隔を開けて配置される。複数の第2取付部96Bは、ハウジング42の外周部に、入力回転軸12Aの回転軸心C2まわりにおいて間隔を開けて配置される。例えば、少なくとも1つの第1取付部96Aと、少なくとも1つの第2取付部96Bとが、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向において、整列する。本実施形態では、複数の第1取付部96Aのそれぞれと、複数の第2取付部96Bのそれぞれとが、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向において、整列する。少なくとも1つの第1取付部96Aと、少なくとも1つの第2取付部96Bとは、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向において、間隔を開けて配置される。本実施形態において、ファスナ36は、ボルトである。第1取付部96Aに挿入されるファスナ36の挿入方向と、第2取付部96Bに挿入されるファスナ36の挿入方向とは反対である。
【0115】
ベース部62は、第1ベース部分63Aと、第2ベース部分63Bと、を含む。第2ベース部分63Bは、第1ベース部分63Aに設けられ、孔62Aを定義する。本実施形態では、第2ベース部分63Bは、第1ベース部分63Aとは異なる材料を含む。本実施形態では、ハウジング42の少なくとも一部は、単一部材として、第1ベース部分63Aと一体に形成される。第1ベース部分63Aは、マグネシウム合金を含む。第2ベース部分63Bは、例えば、アルミニウム合金によって形成される。好ましくは、第2ベース部分63Bは、実質的に円筒状に形成される。第1ベース部分63Aは、第2ベース部分63Bが配置される配置部63Cを含む。好ましくは、第2ベース部分63Bは、第1ベース部分63Aに一体成形される。
【0116】
好ましくは、第2ベース部分63Bは、配置部63Cから外れないように第1ベース部分63Aに嵌合する嵌合部63Dを有する。嵌合部63Dは、例えば、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおける第2ベース部分63Bの外周部に設けられる。嵌合部63Dは、ファスナ36の中心軸心C1まわりの第2ベース部分63Bの外周部に設けられ、凹部および凸部の少なくとも1つを含む。本実施形態では、嵌合部63Dは、凹部によって形成される。嵌合部63Dは、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおいて、第2ベース部分63Bの全周にわたって連続していてもよく、断続して配置されていてもよい。嵌合部63Dは、例えば、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向における第2ベース部分63Bの両端部間の中間部に設けられる。
【0117】
第2ベース部分63Bは、ファスナ36の連結方向D1において、第1端面63Eと、第2端面63Fとを有する。本実施形態では、第2ベース部分63Bの第1端面63Eは、第1ベース部分63Aに覆われず、第2ベース部分63Bの第2端面63Fは、第1ベース部分63Aに覆われる。第2ベース部分63Bの第2端面63Fは、好ましくは、第1ベース部分63Aに接触する。第2ベース部分63Bの第1端面63Eは、第1ベース部分63Aに覆われていてもよい。第2ベース部分63Bの第1端面63Eは、第1ベース部分63Aに接触していてもよい。ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、嵌合部63Dは、例えば、第2ベース部分63Bの第2端面63Fよりも第2ベース部分63Bの第1端面63Eに近い位置に配置される。第2ベース部分63Bは、第1ベース部分63Aの配置部63Cに圧入されてもよい。第2ベース部分63Bが第1ベース部分63Aの配置部63Cに圧入される場合、嵌合部63Dは、第2ベース部分63Bの第1端面63E付近に設けられるか、または、省略される。
【0118】
第2ベース部分63Bの第1端面63Eを含む端部の内径は、第2ベース部分63Bの他の部分における内径よりも大きく形成されてもよい。これによってベース部62の孔62Aの開口を定義する部分に与えられる負荷を抑制できる。第2ベース部分63Bの最小内径および最大外径の差は、例えば、1ミリメートル(mm)以上、20ミリメートル(mm)以下である。第2ベース部分63Bは、補強部材として機能する。第2ベース部分63Bは、補強部材として機能すれば、形状および材質は、特に限定されない。
【0119】
第1取付部96Aは、金属製のベース部62と、金属製の連結部97と、中間部98と、を含む。中間部98は、連結部97とは別部材によって形成される。中間部98は、第4材料によって形成される。好ましくは、第4材料は、電気絶縁性を有する樹脂材料を含む。第4材料は、樹脂材料に加えて、強化繊維を含んでいてもよい。中間部98の硬度は、高い方が好ましい。樹脂材料は、合成樹脂材料である。第4材料に含まれる樹脂材料は、例えば、ポリアミド(PA)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド(PI)、および、ポリエーテルイミド(PEI)の少なくとも1つを含む。中間部98は、ゴムによって形成されていてもよい。第4材料に含まれる強化繊維は、電気絶縁性を有する。好ましくは、第4材料に含まれる強化繊維は、ガラス繊維、および、アラミド繊維の少なくとも1つを含む。
【0120】
連結部97は、ベース部62に設けられ、ファスナ36に連結するように構成される。中間部98は、連結部97とベース部62との間に設けられる。好ましくは、中間部98は、ベース部62の孔62Aに圧入される。好ましくは、中間部98は、連結部97にインサート成形される。連結部97は、ファスナ36に連結するように構成される第2雌ねじ部97Aを含む。第2雌ねじ部97Aは、ファスナ36の雄ねじ部36Aに連結するように構成される。好ましくは、連結部97の少なくとも一部は、筒状に形成される。連結部97は、例えば、実質的に円筒形状に形成される。連結部97は、例えば、実質的に有底筒形状に形成されてもよい。第2雌ねじ部97Aは、連結部97の内周部に設けられる。中間部98は、連結部97の外周部に設けられる。中間部98の少なくとも一部は、筒状に形成される。中間部98は、実質的に円筒形状に形成される。中間部98は、例えば、実質的に有底筒形状に形成されてもよい。
【0121】
好ましくは、連結部97は、フランジ部97Bを有する。フランジ部98は、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向における連結部97の一端部に形成される。フランジ部97Bは、取付部44がファスナ36によって人力駆動車10の支持部38に取り付けられた状態において、第1取付部96Aのベース部62と支持部38との間に配置される。フランジ部97Bは、第1取付部96Aのベース部62に形成される孔62Aの直径よりも大きい外形を有する。連結部97の一部が第1取付部96Aのベース部62に形成される孔62Aの内周部に配置される状態において、フランジ部97Bは、第1取付部96Aのベース部62に形成される孔62Aの外側に位置する。フランジ部97Bは、コンポーネント40がファスナ36によって支持部38に取り付けられた状態において、支持部38に対向するように構成される。フランジ部97Bは、コンポーネント40がファスナ36によって支持部38に取り付けられた状態において、支持部38に接触するように構成される。フランジ部97Bは、環状に形成される。フランジ部97Bは、実質的に円環状に形成される。フランジ部97Bは、好ましくは、ファスナ36の中心軸心C1まわりの外周面97Eに、少なくとも1つの平面97Fを含む。本実施形態では、フランジ部97Bの外周面97Eには、複数の平面97Fが含まれる。複数の平面97Fのうち2つの平面97Fは、ファスナ36の中心軸心C1まわりに対称に配置され、複数の平面97Fのうち他の2つの平面97Fは、ファスナ36の中心軸心C1まわりに対称に配置される。フレーム18の支持部38は、フランジ部97Bの外周面97Eの少なくとも1つの平面97Fのうちの1つに当接するように構成される当接部を有していてもよい。この場合、支持部38の当接部に、フランジ部97Bの外周面97Eの平面97Fが当接することによって、ファスナ36の中心軸心C1まわりの連結部97の回転が阻止される。フランジ部97Bの外周面97Eには、工具を係合してもよい。
【0122】
本実施形態では、中間部98は、連結部97に着脱可能に設けられる。好ましくは、中間部98の少なくとも一部は、連結部97の筒状の部分の外周面の少なくとも一部を覆う。好ましくは、中間部98は、第2ベース部分63Bのうち第1ベース部分63Aに覆われていない部分を覆うように構成される。中間部98は、例えば、第1ベース部分63Aと第2ベース部分63Bとが接触する領域を覆うように構成される。本実施形態では、中間部98は、フランジ部98Eを有する。フランジ部98Eは、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向における中間部98の一端部に形成される。フランジ部98Eは、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、連結部97のフランジ部97Bと、ベース部62との間に配置される。フランジ部98Eは、第2ベース部分63Bの第1端面63Eに接触して、第2ベース部分63Bの第1端面63Eを覆う。フランジ部98Eは、第2ベース部分63Bの第1端面63Eと、第1ベース部分63Aのうち第2ベース部分63Bの第1端面63Eに隣接する部分と、に接触するように形成されてもよい。フランジ部98Eは、第2ベース部分63Bの第1端面63Eと、第1ベース部分63Aのうち第2ベース部分63Bの第1端面63Eに隣接する部分と、に接着剤99を介して接着されてもよい。これによって、第1ベース部分63Aと第2ベース部分63Bとの界面に水が入りにくくなり、第1ベース部分63Aと第2ベース部分63Bとの界面における電触を抑制できる。ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、中間部98のうちフランジ部98Eを除く部分の長さは、第2ベース部分63Bの長さよりも長い。中間部98は、第2ベース部分63Bの第2端面63Fと、第1ベース部分63Aのうち第2ベース部分63Bの第2端面63Fに隣接する部分と、に接触するように形成されてもよい。中間部98は、第2ベース部分63Bの第2端面63Fと、第1ベース部分63Aのうち第2ベース部分63Bの第2端面63Fに隣接する部分と、に接着剤99を介して接着されてもよい。これによって、第1ベース部分63Aと第2ベース部分63Bとの界面に水が入りにくくなり、第1ベース部分63Aと第2ベース部分63Bとの界面における電触を抑制できる。コンポーネント40がファスナ36によって支持部38に取り付けられる前の状態において、連結部97のフランジ部97Bと、中間部98のフランジ部98Eとは接触する。
【0123】
フランジ部98Eは、環状に形成される。フランジ部98Eは、実質的に円環状に形成される。フランジ部98Eは、例えば、ファスナ36の中心軸心C1まわりの外周面98Fに、少なくとも1つの平面98Gを含む。本実施形態では、フランジ部98Eの外周面98Fには、複数の平面98Gが含まれる。複数の平面98Gのうち2つの平面98Gは、ファスナ36の中心軸心C1まわりに対称に配置され、複数の平面98Gのうち他の2つの平面98Gは、ファスナ36の中心軸心C1まわりに対称に配置される。フランジ部98Eの外周面98Fには、工具を係合してもよい。
【0124】
支持部38の当接部に、フランジ部98Eの外周面98Fの平面98Gが当接してもよい。この場合、ファスナ36を取り付ける場合に、ファスナ36の中心軸心C1の中間部98の回転が阻止される。本実施形態では、ファスナ36の中心軸心C1に平行から見て、中間部98のフランジ部98Eの外形は、連結部97のフランジ部97Bの外形に等しい。本実施形態では、ファスナ36の中心軸心C1に平行から見て、中間部98のフランジ部97Bの外形と、連結部97のフランジ部98Eの外形とが、重なるように中間部98と連結部97とが結合される。中間部98のフランジ部98Eの外形は、連結部97のフランジ部97Bよりも大きくてもよく、小さくてもよい。ファスナ36の中心軸心C1に平行から見て、中間部98のフランジ部98Eの外形が連結部97のフランジ部97Bの外形に等しい場合、工具を用いて連結部97および中間部98をベース部62に取り付ける場合に、工具をフランジ部98Eおよびフランジ部97Bに接触させて作業することができ、連結部97が中間部98に対して不所望に相対移動することを抑制できる。
【0125】
中間部98とベース部62との結合力は、中間部98と連結部97との結合力よりも大きい。コンポーネント40がファスナ36によって支持部38に取り付けられる場合、ファスナ36と連結部97とを結合して、ファスナ36を締める。この場合、図16に示すように連結部97とフレーム18との間に隙間があると、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、中間部98はベース部62に対して相対移動しないで、連結部97が中間部98に対して相対移動して、図17に示すように連結部97がフレーム18に接触する。中間部98とベース部62との相対位置は変化しないので、ベース部62のうちの中間部98に覆われる部分が露出しない。好ましくは、中間部98は、孔62Aに設けられる接着剤99によって、ベース部62に接着される。接着剤99によって、中間部98とベース部62との結合力を容易に高めることができる。接着剤99の種類は特に限定されないが、接着剤99は、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、および、ホットメルト接着剤の少なくとも1つを含む。接着剤99は、省略されてもよい。
【0126】
好ましくは、中間部98の少なくとも一部の外周部には、ベース部62に接触するローレット98A、および、ベース部62に接触する突出部の少なくとも1つが形成される。本実施形態では、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおける中間部98の少なくとも一部の外周部に、ベース部62に接触するローレット98Aが形成される。ローレット98Aは、平目ローレットによって形成されてもよく、綾目ローレットによって形成されてもよい。ローレット98Aは、例えば、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおいて、実質的に全周にわたって形成される。ローレット98Aは、例えば、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおいて、間隔を開けて断続的に形成されてもよい。中間部98がフランジ部98Eを有しない場合、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、ローレット98Aの幅、および、突出部の幅は、例えば、中間部98の幅の100パーセント(%)以下であり、10パーセント(%)以上である。中間部98にフランジ部98Eがある場合、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、ローレット98Aの幅、および、突出部の幅は、例えば、中間部98のうちフランジ部98Eを除く部分の幅の100パーセント(%)以下であり、10パーセント(%)以上である。好ましくは、ローレット98Aは、平目ローレットによって形成される。本実施形態では、ローレット98Aは、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおいて周方向に間隔をあけ、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向に延びる複数の凸部を有する。中間部98が、ベース部62に接触する突出部を有する場合、ベース部62に接触する突出部は、ファスナ36の中心軸心C1まわりに連続するように形成されてもよく、ファスナ36の中心軸心C1まわりに断続するように間隔をあけて形成されてもよい。
【0127】
好ましくは、ベース部62に接触するローレット98A、および、ベース部62に接触する突出部の少なくとも1つは、孔62Aの開口から離反する位置に設けられる。好ましくは、ローレット98Aおよび突出部の少なくとも1つは、第1接触部98Bおよび第2接触部98Cを有する。第1接触部98Bと第2接触部98Cとは、孔62Aの延びる方向に間隔を開けて配置される。孔62Aの延びる方向は、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向を含む。本実施形態では、中間部98は、ローレット98Aを有し、ローレット98Aは、第1接触部98Bおよび第2接触部98Cを有する。第1接触部98Bおよび第2接触部98Cは、それぞれ平目ローレットによって形成される。中間部98の外周部において、第1接触部98Bは、第2接触部98Cよりもファスナ36の頭部36Bに近い位置に設けられる。接着剤99の少なくとも一部は、第1接触部98Bおよび第2接触部98Cの間に設けられる。好ましくは、中間部98の外周部において、第1接触部98Bと第2接触部98Cとの間の外径は、第1接触部98Bおよび第2接触部98Cが設けられる部分の最大外径よりも小さい。このため、第1接触部98Bと第2接触部98Cとの間の部分に接着剤99を配置しやすい。接着剤99の一部は、中間部98のフランジ部98Eとベース部62との間に設けられてもよい。接着剤99の一部は、ローレット98Aとベース部62との間に設けられてもよい。好ましくは、中間部98の外周部において、フランジ部98Eと、フランジ部98Eに隣接する第1部分98Hと、第1接触部98Bおよび第2接触部98Cが設けられる第2部分98Jと、を除く第3部分98Kの最大外径は、第2部分98Jの最大外径よりも小さい。中間部98がベース部62に圧入された状態において、好ましくは、第2部分98Jの少なくとも一部は、ベース部62から離間する。好ましくは、第2部分98Jの全体が、ベース部62から離間してもよい。中間部98の第2部分98Jの少なくとも一部を、ベース部62から離間させると、接着剤99を第2部分98Jとベース部62との間に安定して配置できる。好ましくは、硬化した状態における接着剤99の硬さは、中間部98の硬さ以下である。好ましくは、中間部98の外周部において、第1接触部98Bに隣接する部分の外径と、第2接触部98Cに隣接する部分の外径とは、第1接触部98Bおよび第2接触部98Cが設けられる部分の最大外径よりも小さい。例えば、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、第1接触部98Bの幅は、第2接触部98Cの幅よりも大きい。ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、第1接触部98Bの幅は、例えば、第2接触部98Cの幅の500パーセント(%)以下である。
【0128】
好ましくは、連結部97の少なくとも一部の外周部には、中間部98に接触するローレット97Cが形成される。ローレット97Cは、例えば、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおいて、実質的に全周にわたって形成される。ローレット97Cは、例えば、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおいて、間隔を開けて断続的に形成されてもよい。連結部97にフランジ部97Bがない場合、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、ローレット97Cの幅は、例えば、連結部97の幅の100パーセント(%)以下であり、10パーセント(%)以上である。連結部97にフランジ部97Bがある場合、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、ローレット97Cの幅は、例えば、連結部97のうちフランジ部97Bを除く部分の幅の100パーセント(%)以下であり、10パーセント(%)以上である。ローレット97Cは、平目ローレットによって形成される。本実施形態では、ローレット97Cは、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおいて周方向に間隔をあけ、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向に延びる複数の凸部97Gを有する。
【0129】
連結部97にローレット97Cが設けられる場合、好ましくは、中間部98の内周部には、連結部97のローレット97Cと接触する第2ローレット98Dが形成される。ローレット97Cが平目ローレットによって形成される場合、好ましくは、第2ローレット98Dは、平目ローレットによって形成される。ローレット97Cは、第2ローレット98Dに係合する。ローレット97Cおよび第2ローレット98Dを平目ローレットによって形成して係合させることによって、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおける連結部97の回転を抑制しつつ、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向への連結部97の移動が許容される。ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、第2ローレット98Dの幅は、ローレット97Cの幅と等しくてもよく、ローレット97Cの幅よりも大きくてもよく、ローレット97Cの幅よりも小さくてもよい。好ましくは、第2ローレット98Dは、中間部98のうち、フランジ部97Bを除く部分の内周部に形成される。ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、第2ローレット98Dの幅は、例えば、中間部98の幅の100パーセント(%)以下であり、10パーセント(%)以上である。
【0130】
例えば、中間部98の第2ローレット98Dの少なくとも一部は、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、外周部のローレット98Aの第1接触部98Bよりもファスナ36の頭部36Bに近い位置に設けられる。例えば、中間部98の第2ローレット98Dの少なくとも一部は、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、中間部98の中央よりもファスナ36の頭部36Bに近い位置に設けられる。例えば、連結部97のローレット97Cの少なくとも一部は、中間部98のローレット98Aの第1接触部98Bよりもファスナ36の頭部36Bに近い位置に設けられる。例えば、連結部97のローレット97Cの少なくとも一部は、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、連結部97の中央よりもファスナ36の頭部36Bに近い位置に設けられる。好ましくは、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、連結部97の外周部のうち、ローレット97Cよりもファスナ36の頭部36Bに近い部分の少なくとも一部は、中間部98の内周部98Xに接触する。例えば、中間部98のうち第2ローレット98Dが設けられる部分の最大内径は、中間部98のうち第2ローレット98Dよりもファスナ36の頭部36Bから遠い部分の最大内径よりも大きい。例えば、連結部97のうちローレット97Cが設けられる部分の最大外径は、連結部97のうちローレット97Cよりもファスナ36の頭部36Bから遠い部分の最大外径よりも大きい。例えば、連結部97のうちローレット97Cとフランジ部97Bとの間の部分の最大外径は、連結部97のうちローレット97Cの最大外径よりも大きい。
【0131】
コンポーネント40をファスナ36によって支持部38に取り付ける工程において、図16に示すように、支持部38と、連結部97のフランジ部97Bとの間に隙間が形成される場合、ファスナ36を締めると連結部97が移動し、図17に示すように、連結部97のフランジ部97Bが連結部97に接触する。連結部97のフランジ部97Bは、コンポーネント40がファスナ36によって支持部38に取り付けられた状態において、支持部38に接触するように構成される。フランジ部97Bが支持部38と接触することによって、ベース部62が中間部98および連結部97を介してフレーム18に保持され、ベース部62をフレーム18に対して電気的に絶縁できる。第2部分98Jの少なくとも一部が、ベース部62から離間するように中間部98を形成することによって、第2部分98Jがベース部62に接触する場合と比較して、連結部97を中間部98に圧入した状態における中間部98の圧縮量が減少し、連結部97と中間部98との間の圧入力を低下できる。連結部97と中間部98との間の圧入力を低下させると、中間部98とベース部62との結合力を、中間部98と連結部97との結合力よりも大きくしやすい。
【0132】
好ましくは、フランジ部97Bのうちの支持部38と対向する面97Xには、第3規制部97Dが形成される。第3規制部97Dは、少なくとも1つの凸部97Yを含む。本実施形態では、第3規制部97Dは複数の凸部97Yを含む。複数の凸部97Yは、ファスナ36の中心軸心C1まわりに間隔をあけて配置される。複数の凸部97Yは、ファスナ36の中心軸心C1に関して径方向に延びる。好ましくは、凸部97Yのファスナ36の中心軸心C1まわりの第1端面97Zおよび第2端面97Wは、それぞれ実質的に四角形の平面であり、かつ、凸部97Yは、基端から遊端部に向かって先が細くなる三角柱によって形成される。例えば、凸部97Yの第1端面97Zおよび第2端面97Wのうち、連結部97にファスナ36を連結する場合の回転方向の下流側に配置される一方は、ファスナ36の中心軸心C1に実質的に平行に形成される。フランジ部97Bと支持部38とが接触する場合、第3規制部97Dの凸部97Yが楔としてフレーム18に係合することによって、中間部98の支持部38に対する回転が規制される。第3規制部97Dの形状は、中間部98の支持部38に対する回転を規制することができれば、例えば凹部によって形成されてもよく、どのような形状であってもよい。
【0133】
第1取付部96Aに含まれる第1ベース部分63Aは、第1標準電極電位を有する第1材料を含む。好ましくは、第1取付部96Aに含まれる第1ベース部分63Aは、マグネシウム合金を含む。ハウジング42の少なくとも一部は、単一部材として、第1ベース部分63Aと一体に形成される。第2ベース部分63Bの孔62Aを定義する内周部、および、第2ベース部分63Bの外周部の少なくとも1つは、金属酸化物の膜および塗装膜の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0134】
連結部97は、第2標準電極電位を有する第2材料を含む。好ましくは、第2材料は、アルミニウム合金を含む。本実施形態では、連結部97はアルミニウム合金によって形成される。アルミニウム合金は、例えば、ADC12である。好ましくは、第1標準電極電位は、第2標準電極電位と異なる。
【0135】
第2取付部96Bは、金属製のベース部62と、金属製の連結部100と、中間部101と、を含む。中間部101は、連結部100とは別部材によって形成される。好ましくは、中間部101は、樹脂材料によって形成される。中間部101は、中間部98と同様に第4材料によって形成される。中間部101は、ゴムによって形成されていてもよい。
【0136】
連結部100は、ベース部62に設けられ、ファスナ36に連結するように構成される。中間部101は、連結部100とベース部62との間に設けられる。好ましくは、中間部101は、連結部100にインサート成形される。好ましくは、中間部101は、ベース部62の孔62Aに圧入される。連結部100は、ファスナ36に連結するように構成される第2雌ねじ部100Aを含む。第2雌ねじ部100Aは、ファスナ36の雄ねじ部36Aに連結するように構成される。好ましくは、連結部100の少なくとも一部は、筒状に形成される。連結部100は、例えば、実質的に円筒形状に形成される。連結部100は、例えば、実質的に有底筒形状に形成されてもよい。第2雌ねじ部100Aは、連結部100の内周部に設けられる。中間部101は、連結部100の外周部に設けられる。中間部101の少なくとも一部は、筒状に形成される。中間部101は、実質的に円筒形状に形成される。中間部101は、例えば、実質的に有底筒形状に形成されてもよい。
【0137】
好ましくは、連結部100は、フランジ部100Bを有する。フランジ部100Bは、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向における連結部100の一端部に形成される。フランジ部100Bは、取付部44がファスナ36によって人力駆動車10の支持部38に取り付けられた状態において、第2取付部96Bのベース部62と支持部38との間に配置される。フランジ部100Bは、第2取付部96Bのベース部62に形成される孔62Aの直径よりも大きい外形を有する。連結部100の一部が第2取付部96Bのベース部62の孔62Aの内周部に配置される状態において、フランジ部100Bは、第2取付部96Bのベース部62の孔62Aの外側に位置する。フランジ部100Bは、コンポーネント40がファスナ36によって支持部38に取り付けられた状態において、支持部38に対向するように構成される。フランジ部100Bは、コンポーネント40がファスナ36によって支持部38に取り付けられた状態において、支持部38に接触するように構成される。フランジ部100Bは、環状に形成される。フランジ部100Bは、実質的に円環状に形成される。フランジ部100Bは、好ましくは、ファスナ36の中心軸心C1まわりの外周面100Eに、少なくとも1つの平面100Fを含む。本実施形態では、フランジ部100Bの外周面100Eには、複数の平面100Fが含まれる。複数の平面100Fのうち2つの平面100Fは、ファスナ36の中心軸心C1まわりに対称に配置され、複数の平面100Fのうち他の2つの平面100Fは、ファスナ36の中心軸心C1まわりに対称に配置される。好ましくは、フレーム18の支持部38は、フランジ部100Bの外周面100Eの少なくとも1つの平面100Fのうちの1つに当接するように構成される当接部を有していてもよい。この場合、支持部38の当接部に、フランジ部100Bの外周面100Eの平面100Fが当接することによって、ファスナ36を取り付ける場合に、ファスナ36の中心軸心C1まわりの連結部100の回転が阻止される。フランジ部100Bの外周面100Eには、工具を係合してもよい。
【0138】
本実施形態では、中間部101は、連結部100に着脱不能に設けられる。好ましくは、中間部101の少なくとも一部は、連結部100の筒状の部分の外周面の少なくとも一部を覆う。好ましくは、中間部101は、第2ベース部分63Bのうち第1ベース部分63Aに覆われていない部分を覆うように構成される。中間部101は、例えば、第1ベース部分63Aと第2ベース部分63Bとが接触する領域を覆うように構成される。本実施形態では、中間部101は、フランジ部101Eを有する。フランジ部101Eは、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向における中間部101の一端部に形成される。フランジ部101Eは、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、連結部100のフランジ部100Bと、ベース部62との間に配置される。フランジ部101Eは、第2ベース部分63Bの第1端面63Eに接触して、第2ベース部分63Bの第1端面63Eを覆う。フランジ部101Eは、第2ベース部分63Bの第1端面63Eと、第1ベース部分63Aのうち第2ベース部分63Bの第1端面63Eに隣接する部分と、に接触するように形成されてもよい。フランジ部101Eは、第2ベース部分63Bの第1端面63Eと、第1ベース部分63Aのうち第2ベース部分63Bの第1端面63Eに隣接する部分と、に接着剤99を介して接着されてもよい。これによって、第1ベース部分63Aと第2ベース部分63Bとの界面に水が入りにくくなり、第1ベース部分63Aと第2ベース部分63Bとの界面における電触を抑制できる。ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、中間部101のうちフランジ部101Eを除く部分の長さは、第2ベース部分63Bの長さよりも長い。中間部101は、第2ベース部分63Bの第2端面63Fと、第1ベース部分63Aのうち第2ベース部分63Bの第2端面63Fに隣接する部分と、に接触するように形成されてもよい。中間部101は、第2ベース部分63Bの第2端面63Fと、第1ベース部分63Aのうち第2ベース部分63Bの第2端面63Fに隣接する部分と、に接着剤99を介して接着されてもよい。これによって、第1ベース部分63Aと第2ベース部分63Bとの界面に水が入りにくくなり、第1ベース部分63Aと第2ベース部分63Bとの界面における電触を抑制できる。コンポーネント40がファスナ36によって支持部38に取り付けられる前の状態において、連結部100のフランジ部100Bと、中間部101のフランジ部101Eとは接触する。
【0139】
フランジ部101Eは、環状に形成される。フランジ部101Eは、実質的に円環状に形成される。フランジ部101Eは、例えば、ファスナ36の中心軸心C1まわりの外周面101Fに、少なくとも1つの平面101Gを含む。本実施形態では、フランジ部101Eの外周面101Fには、複数の平面101Gが含まれる。複数の平面101Gのうち2つの平面101Gは、ファスナ36の中心軸心C1まわりに対称に配置される。支持部38の当接部に、フランジ部101Eの外周面101Fの平面101Gが当接してもよい。この場合、ファスナ36を取り付ける場合に、ファスナ36の中心軸心C1の中間部101の回転が阻止される。フランジ部101Eの外周面101Fには、工具を係合してもよい。本実施形態では、中間部101のフランジ部101Eは、連結部100のフランジ部100Bの外周面100Eの少なくとも一部を覆う。本実施形態では、中間部101のフランジ部101Eは、連結部100の複数の平面100Fのうち2つの平面100Fの少なくとも一部が露出するように、連結部100のフランジ部100Bの外周面100Eを覆う。例えば、連結部100の2つの平面100Fのうちの1つと、中間部101の2つの平面101Gのうちの1つとは、同一平面上に設けられる。例えば、連結部100の2つの平面100Fのうちの他の1つと、中間部101の2つの平面101Gのうちの他の1つとは、同一平面上に設けられる。中間部101のフランジ部101Eは、連結部100のフランジ部100Bの外周を覆わなくてもよい。
【0140】
好ましくは、中間部101は、孔62Aに設けられる接着剤99によって、ベース部62に接着される。接着剤99によって、中間部101とベース部62との結合力を容易に高めることができる。接着剤99は、省略されてもよい。
【0141】
好ましくは、中間部101の少なくとも一部の外周部には、ベース部62に接触するローレット、および、ベース部62に接触する突出部101Aの少なくとも1つが形成される。本実施形態では、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおける中間部101の少なくとも一部の外周部に、ベース部62に接触する突出部101Aが形成される。突出部101Aは、例えば、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおいて、実質的に全周にわたって形成される。突出部101Aは、例えば、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおいて、間隔を開けて断続的に形成されてもよい。中間部101にフランジ部101Eがない場合、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、突出部101Aの幅、および、ローレットの幅は、例えば、中間部101の幅の100パーセント(%)以下であり、10パーセント(%)以上である。中間部101にフランジ部101Eがある場合、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、突出部101Aの幅、および、ローレットの幅は、例えば、中間部101のうちフランジ部101Eを除く部分の幅の100パーセント(%)以下であり、10パーセント(%)以上である。ローレットは、平目ローレットによって形成されてもよく、綾目ローレットによって形成されてもよい。本実施形態では、突出部101Aは、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおいて連続する環状の凸部101Xを有する。中間部101が、ベース部62に接触するローレットを有する場合、ベース部62に接触するローレットは、ファスナ36の中心軸心C1まわりに連続するように形成されてもよく、ファスナ36の中心軸心C1まわりに断続するように間隔をあけて形成されてもよい。
【0142】
好ましくは、ベース部62に接触するローレット、および、ベース部62に接触する突出部101Aの少なくとも1つは、孔62Aの開口から離反する位置に設けられる。好ましくは、ローレットおよび突出部101Aの少なくとも1つは、第1接触部101Bおよび第2接触部101Cを有する。第1接触部101Bと第2接触部101Cとは、孔62Aの延びる方向に間隔を開けて配置される。孔62Aの延びる方向は、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向を含む。本実施形態では、中間部101は、突出部101Aを有し、突出部101Aは、第1接触部101Bおよび第2接触部101Cを有する。第1接触部101Bおよび第2接触部101Cは、それぞれ凸部によって形成される。好ましくは、第1接触部101Bは拡径部である。好ましくは、第2接触部101Cは拡径部である。中間部101の外周部において、第1接触部101Bは、第2接触部101Cよりもファスナ36の頭部36Bに近い位置に設けられる。接着剤99の少なくとも一部は、第1接触部101Bおよび第2接触部101Cの間に設けられる。好ましくは、中間部101の外周部において、第1接触部101Bと第2接触部101Cとの間の外径は、第1接触部101Bおよび第2接触部101Cが設けられる部分の最大外径よりも小さい。このため、第1接触部101Bと第2接触部101Cとの間の部分に接着剤99を配置しやすい。接着剤99の一部は、中間部101のフランジ部101Eとベース部62との間に設けられてもよい。接着剤99の一部は、突出部101Aとベース部62との間に設けられてもよい。好ましくは、中間部101の外周部において、フランジ部101Eと、フランジ部101Eに隣接する第1部分101Yと、第1接触部101Bおよび第2接触部101Cが設けられる第2部分101Zと、を除く第3部分101Wの最大外径は、第2部分101Zの最大外径よりも小さい。中間部101がベース部62に圧入された状態において、好ましくは、第2部分101Zの少なくとも一部は、ベース部62から離間する。好ましくは、第2部分101Zの全体が、ベース部62から離間してもよい。中間部101の第2部分101Zの少なくとも一部を、ベース部62から離間させると、接着剤99を第2部分101Zとベース部62との間に安定して配置できる。好ましくは、中間部101の外周部101Vにおいて、第1接触部101Bに隣接する部分の外径と、第2接触部101Cに隣接する部分の外径とは、第1接触部101Bおよび第2接触部101Cが設けられる部分の最大外径よりも小さい。例えば、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、第1接触部101Bの幅は、第2接触部101Cの幅よりも大きい。ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、第1接触部101Bの幅は、例えば、第2接触部101Cの幅の500パーセント(%)以下である。
【0143】
好ましくは、連結部100の少なくとも一部の外周部には、中間部101に接触するローレット100Cが形成される。ローレット100Cは、例えば、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおいて、実質的に全周にわたって形成される。ローレット100Cは、例えば、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおいて、間隔を開けて断続的に形成されてもよい。連結部100にフランジ部100Bがない場合、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、ローレット100Cの幅は、例えば、連結部100の幅の100パーセント(%)以下であり、10パーセント(%)以上である。連結部100にフランジ部100Bがある場合、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、ローレット100Cの幅は、例えば、連結部100のうちフランジ部100Bを除く部分の幅の100パーセント(%)以下であり、10パーセント(%)以上である。ローレット100Cは、平目ローレットによって形成される。本実施形態では、ローレット100Cは、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおいて周方向に間隔をあけ、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向に延びる複数の凸部100Xを有する。
【0144】
連結部100にローレット100Cが設けられる場合、好ましくは、中間部101の内周部には、連結部100のローレット100Cと接触する第2ローレット101Dが形成される。ローレット100Cが平目ローレットによって形成される場合、好ましくは、第2ローレット101Dは、平目ローレットによって形成される。ローレット100Cは、第2ローレット101Dに係合する。ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、第2ローレット101Dの幅は、ローレット100Cの幅と等しくてもよく、ローレット100Cの幅よりも大きくてもよく、ローレット100Cの幅よりも小さくてもよい。好ましくは、第2ローレット101Dは、中間部101のうち、フランジ部100Bを除く部分の内周部に形成される。ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、第2ローレット101Dの幅は、例えば、中間部101の幅の100パーセント(%)以下であり、10パーセント(%)以上である。
【0145】
例えば、中間部101の第2ローレット101Dの少なくとも一部は、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、外周部の突出部101Aの第2接触部101Cよりもファスナ36の頭部36Bから遠い位置に設けられる。例えば、連結部100のローレット100Cの少なくとも一部は、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、中間部101の突出部101Aの第1接触部101Bよりもファスナ36の頭部36Bから遠い位置に設けられる。例えば、連結部100のローレット100Cの少なくとも一部は、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、連結部100の中央よりもファスナ36の頭部36Bから遠い位置に設けられる。好ましくは、ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、連結部100のうち、ローレット100Cよりもファスナ36の頭部36Bに近い部分の少なくとも一部は、中間部101の内周部101Uに接触する。例えば、中間部101のうち第2ローレット101Dが設けられる部分の最大内径は、中間部101のうち第2ローレット101Dよりもファスナ36の頭部36Bから近い部分の最大内径よりも小さい。例えば、連結部100のうちローレット100Cが設けられる部分の最大外径は、連結部100のうちローレット100Cよりもファスナ36の頭部36Bから近い部分の最大外径よりも小さい。
【0146】
好ましくは、連結部100の外周部には、第4規制部100Sが形成される。第4規制部100Sは、少なくとも1つの凹部100Tを含む。中間部101の内周部には、第4規制部100Sと接触する第5規制部101Sを含む。第5規制部101Sは、少なくとも1つの凹部100Tの少なくとも1つと接触する少なくとも1つの凸部101Tを含む。第4規制部100Sは、ローレット100Cとフランジ部100Bとの間に配置される。第5規制部101S少なくとも1つの凸部101Tは、第2ローレット101Dと、フランジ部101Eとの間に配置される。ファスナ36の中心軸心C1に平行な方向において、第4規制部100Sと、第5規制部101Sとは相互に接触し、ファスナ36の中心軸心C1まわりにおいて、第4規制部100Sと、第5規制部101Sとは相互に接触して、中間部101との相対移動が規制される。好ましくは、第4規制部100Sと、第5規制部101Sとは、相補的な形状を有する。第4規制部100Sは、少なくとも1つの凹部100Tに代えて、または加えて、少なくとも1つの凸部を含んでいてもよい。第5規制部101Sは、少なくとも1つの凸部101Tに代えて、または加えて、少なくとも1つの凹部を含んでいてもよい。第4規制部100Sと、第5規制部101Sとは、省略されてもよい。中間部101の第2ローレット101Dと、連結部100のローレット100Cとは、省略されてもよい。
【0147】
第2取付部96Bに含まれる第1ベース部分63Aは、第1標準電極電位を有する第1材料を含む。好ましくは、第2取付部96Bに含まれる第1ベース部分63Aは、マグネシウム合金を含む。ハウジング42の少なくとも一部は、単一部材として、第1ベース部分63Aと一体に形成される。第2ベース部分63Bの孔62Aを定義する内周部、および、第2ベース部分63Bの外周部の少なくとも1つは、金属酸化物の膜および塗装膜の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0148】
連結部100は、第2標準電極電位を有する第2材料を含む。好ましくは、第2材料は、アルミニウム合金を含む。本実施形態では、連結部100はアルミニウム合金によって形成される。アルミニウム合金は、例えば、ADC12である。好ましくは、第1標準電極電位は、第2標準電極電位と異なる。
【0149】
<第4実施形態>
図24から図28を参照して、第4実施形態のコンポーネント40について説明する。第4実施形態のコンポーネント40は、減速機40Bの構成が異なる点以外は、第1実施形態のコンポーネント40と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0150】
本実施形態のコンポーネント40は、ハウジング42と、ハウジング42に設けられるモータ46と、モータ46に連結される減速機40Bと、を含む。減速機40Bは、複数の歯車110を含む。
【0151】
減速機40Bは、第1回転体112と、第1回転軸114、第2回転体116と、を含む。第1回転体112の直径は、第2回転体116の直径よりも大きい。第1回転体112は、出力部40Aと一体に回転するように、出力部40Aに設けられる。第1回転体112と出力部40Aとは、例えば、単一部材として一体に形成される。第1回転体112と出力部40Aは、例えば、金属によって形成される。第1回転体112と出力部40Aとは、別体に形成され、相対回転不能に固定されてもよい。第1回転体112は、例えば、樹脂によって形成されてもよい。第1回転軸114は、モータ46の回転軸心CMとは異なる回転軸心CAを有する。回転軸心CAは、モータ46の回転軸心CMと実質的に平行である。第2回転体116は、第3ワンウェイクラッチ40Yを介して、第1回転軸114に設けられ、第1回転体112に直接またはリング部材を介して接続される。本実施形態では、第2回転体116は、外周部に歯が設けられる歯車であり、第1回転体112は、外周部に歯が設けられる歯車である。第2回転体116の歯と、第1回転体112の歯とが噛み合うことによって、第2回転体116と第1回転体112とが直接接続される。第1回転体112および第2回転体116は、リング部材によって、間接的に接続されてもよい。リング部材は、例えば、ベルトまたはプーリを含む。例えば、第1回転体112および第2回転体116は、プーリであり、リング部材は、ベルトであってもよい。例えば、第1回転体112および第2回転体116は、スプロケットであり、リング部材は、チェーンであってもよい。第1回転軸114は、一対の第4軸受41Dを介してハウジング42に対して回転可能にハウジング42に支持される。一対の第4軸受41Dは、第1回転軸114の軸方向の両端部をそれぞれ支持する。一対の第4軸受41Dのうち一方は、ハウジング42の第1側面部に設けられる凹部に支持される。一対の第4軸受41Dのうち他方は、ハウジング42の第2側面部の内周部に設けられる凹部に支持される。一対の第4軸受41Dは、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。第1回転軸114は、第2回転体116を支持する。第1回転軸114は、第2回転体116と同軸に配置される。第2回転体116は、環状に形成され、第1回転軸114の径方向の外側に配置される。第3ワンウェイクラッチ40Yは、第2回転体116と第1回転軸114との間ではなく、第3回転体122と第1回転軸114との間に設けられてもよい。
【0152】
減速機40Bは、例えば、第1減速部分118と、第2減速部分120と、を含む。第1減速部分118は、第1回転体112、第1回転軸114、および、第2回転体116、を含む。第2減速部分120は、第1動力伝達経路において、モータ46と、第1減速部分118との間に設けられる。好ましくは、第2減速部分120は、第3回転体122と、第2回転軸124と、第4回転体126と、を含む。第3回転体122の直径は、第4回転体126の直径よりも大きい。第3回転体122は、第1回転軸114と一体に回転するように構成され、第2回転体116よりも直径が小さい。第3回転体122と、第1回転軸114とは、別体に形成されて、相対回転不能に固定される。第1回転軸114は、例えば、金属によって形成される。第3回転体122は、例えば、樹脂または金属によって形成される。第3回転体122と、第1回転軸114とは、単一部材として一体に形成されてもよい。第2回転体116および第3回転体122は、第1回転軸114の軸方向において一対の第4軸受41Dの間に配置される。第2回転体116および第3回転体122は、一対の第4軸受41Dにそれぞれ隣接して配置される。第4回転体126は、第2回転軸124と一体に回転するように構成され、第3回転体122に直接またはリング部材を介して接続される。本実施形態では、第4回転体126は、外周部に歯が設けられる歯車であり、第3回転体122は、外周部に歯が設けられる歯車である。第4回転体126の歯と第3回転体122の歯とが噛み合うことによって、第4回転体126と第3回転体122とが直接接続される。第2回転軸124は、回転軸心CMおよび回転軸心CAとは異なる回転軸心CBを有する。回転軸心CBは、回転軸心CMおよび回転軸心CAと実質的に平行である。第2回転軸124は、一対の第5軸受41Eを介してハウジング42に対して回転可能にハウジング42に支持される。一対の第5軸受41Eは、第2回転軸124の軸方向の両端部をそれぞれ支持する。第5軸受41Eは、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0153】
本実施形態では、減速機40Bは、第3減速部分128をさらに含む。第3減速部分128は、第5回転体130および第6回転体132を含む。第5回転体130の直径は、第6回転体132の直径よりも大きい。第5回転体130は、入力回転軸12Aの軸方向において第4回転体126に関して、ハウジング42の第2側面部側に配置される。第5回転体130は、第2回転軸124と一体に回転するように第2回転軸124に設けられる。第6回転体132は、モータ46の出力軸46Aと一体に回転するように出力軸46Aに設けられる。第4回転体126および第5回転体130は、第2回転軸124の軸方向において一対の第5軸受41Eの間に配置される。第4回転体126および第5回転体130は、一対の第5軸受41Eにそれぞれ隣接して配置される。第6回転体132は、単一部材としてモータ46の出力軸46Aと一体に形成されていてもよく、モータ46の出力軸46Aと別体に形成されて出力軸46Aに結合されていてもよい。第6回転体132は、例えば、金属または樹脂によって形成される。モータ46の出力軸46Aは、例えば、金属によって形成される。本実施形態は、第6回転体132は、外周部に歯が設けられる歯車であり、第5回転体130は、外周部に歯が設けられる歯車である。第6回転体132の歯と、第5回転体130の歯とが噛み合うことによって、第6回転体132と第5回転体130とが直接接続される。第1回転体112、第2回転体116、第3回転体122、第4回転体126、第5回転体130、および、第6回転体132がそれぞれ歯車である場合、相互に噛合う少なくとも一対の歯車を、スパーギアとしてもよく、ヘリカルギアとしてもよい。
【0154】
本実施形態では、複数の歯車110は、第1回転体112、第2回転体116、第3回転体122、第4回転体126、第5回転体130、および、第6回転体132を含む。本実施形態では、複数の歯車110の少なくとも1つの歯車110の歯部110Aは、熱硬化性樹脂を含む。好ましくは、熱硬化性樹脂は、ポリアミノアミド、フェノール、および、ポリイミド、の少なくとも1つを含む。好ましくは、歯部110Aは、熱硬化性樹脂に埋め込まれる強化繊維を含む。好ましくは、強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、および、チタン酸カリウム繊維の少なくとも1つを含む。
【0155】
本実施形態では、複数の歯車110の少なくとも1つの歯部110Aが熱硬化性樹脂を含む。本実施形態では、第5回転体130の歯部136Aが熱硬化性樹脂を含む。複数の歯車110は、出力軸46Aに設けられる第1歯車134と、第1歯車134に噛み合う第2歯車136と、を含む。本実施形態では、第1歯車134は、第6回転体132である。本実施形態では、第2歯車136は、第5回転体130である。複数の歯車110は、第2歯車136と一体に回転する第3歯車138を含み、第3歯車138は、第2歯車136の軸部136Bと、単一部材として、一体に形成される。本実施形態では、第3歯車138は、第4回転体126である。本実施形態において、複数の歯車110の少なくとも1つの歯車110の歯部110Aは、第2歯車136の歯部136Aである。本実施形態において、軸部136Bは、第2回転軸124である。第2歯車136の歯部136Aは、熱硬化性樹脂を含む。本実施形態では、第1歯車134は、金属によって形成される。本実施形態では、第3歯車138は、金属によって形成される。
【0156】
好ましくは、第2歯車136は、軸部136Bと、軸部136Bとは別体に構成され、軸部136Bと一体に回転するように、軸部136Bに設けられる歯部136Aとを含む。好ましくは、軸部136Bは、金属によって形成される。好ましくは、軸部136Bは、中空軸によって形成される。軸部136Bは、中実軸によって形成されてもよい。歯部136Aは、環状に形成され、軸部136Bに連結される第1連結部140を内周部137Bに有する。歯部136Aは、外周部137Aと、内周部137Bと、外周部137Aおよび内周部137Bの間の中間部137Cを含む。歯部136Aの外周部137Aには歯が形成される。軸部136Bの軸方向において、歯部136Aの内周部137Bの幅W1は、歯部136Aの外周部137Aの幅W2よりも小さい。
【0157】
軸部136Bの軸方向において、歯部136Aの中間部137Cの幅W3は、歯部136Aの外周部137Aの幅W2よりも小さい。中間部137Cの幅W3および内周部137Bの幅W1を、外周部137Aの幅W2よりも小さくすることによって、第2歯車136を軽量化できる。内周部137Bには、軸部136Bの軸方向に延びる少なくとも1つの孔137Dが形成されてもよい。少なくとも1つの孔137Dは、貫通孔であってもよく、ブラインド孔であってもよい。少なくとも1つの孔137Dが、複数の孔137Dを含む場合、好ましくは、複数の孔137Dは、同一の形状であり、かつ、軸部136Bの軸線まわりに等間隔、かつ、軸部136Bの軸線まわり回転対称となる位置に配置される。少なくとも1つの孔137Dが形成されることによって、第2歯車136を軽量化できる。好ましくは、幅W2は、幅W1および幅W3の10%以上、90%以下である。軸部136Bの軸方向に垂直な方向から見て、歯部136Aの外周部137Aの両端面の間に、歯部136Aの内周部137Bが配置される。軸部136Bの軸方向に垂直な方向から見て、歯部136Aの外周部137Aの両端面の間に、歯部136Aの中間部137Cが配置される。本実施形態では、幅W1と幅W3とが等しい。幅W1は、幅W3よりも小さくてもよく、大きくてもよい。歯部136Aは、単一部材である。
【0158】
軸部136Bの軸方向の両端部136Xには、一対の第5軸受41Eにそれぞれ連結される第1軸受連結部136Yおよび第2軸受連結部136Zがそれぞれ設けられる。第1軸受連結部136Yおよび第2軸受連結部136Zの直径は、軸部136Bのうち第1軸受連結部136Yおよび第2軸受連結部136Zを除く部分の直径よりも小さい。本実施形態では、第1軸受連結部136Yの直径は、第2軸受連結部136Zの直径と等しい。第1軸受連結部136Yの直径は、第2軸受連結部136Zの直径よりも大きくてもよく、小さくてもよい。歯部136Aの径方向において、第1軸受連結部136Yは、歯部136Aの内側に配置される。好ましくは、軸部136Bは、第1連結部140に連結される第2連結部142を外周部136Cに有する。軸部136Bの軸方向において、第2連結部142は、第1軸受連結部136Yに隣接する。
【0159】
第1連結部140は、雌ねじ部144を含む。第2連結部142は、雄ねじ部146を含む。第1連結部140は、雌ねじ部144よりも内径が大きく、ねじが形成されていない第1部分148を含む。軸部136Bの軸方向において、雌ねじ部144は、第1部分148に隣接する。軸部136Bの軸方向において、雌ねじ部144は、第1部分148よりも第1軸受連結部136Yから遠い位置に配置される。第2連結部142は、雄ねじ部146よりも外径が大きく、ねじが形成されておらず、第2歯車136の径方向において第1部分148に近接して対向または第1部分148に接触する第2部分150を含む。軸部136Bの軸方向において、雄ねじ部146は、第2部分150に隣接する。軸部136Bの軸方向において、雄ねじ部146は、第2部分150よりも第1軸受連結部136Yから遠い位置に配置される。軸部136Bの軸方向において、幅W1に対する雌ねじ部144の幅W4は、10%以上かつ100%以下であり、好ましくは、30パーセント以上70パーセント以下である。軸部136Bの軸方向において、第2連結部142の幅に対する雄ねじ部146の幅W6は、10%以上かつ100%以下であり、好ましくは、30パーセント以上70パーセント以下である。第1部分148および第2部分150は、省略されてもよい。
【0160】
好ましくは、第2歯車136の径方向において、第1部分148の少なくとも一部分は、第2部分150の少なくとも一部分に接触する。これによって、軸部136Bに歯部136Aを連結するときに、第2歯車136の軸線の軸部136Bの軸線に対する傾きを抑制できる。好ましくは、モータ46が人力駆動車10に推進力を付与する場合、モータ46は、第1連結部140が第2連結部142にねじ込まれる方向に第2歯車136を回転するように構成される。
【0161】
コンポーネント40は、ワッシャ152をさらに含む。ワッシャ152は、軸部136Bの軸方向Bにおいて、軸部136Bおよび歯部136Aの少なくとも1つと、第3歯車138と、の間に設けられる。ワッシャ152は、部136と、軸部136Bおよび第3歯車138の少なくとも1つと係合する係合部154を有する。本実施形態では、ワッシャ152は、軸部136Bの軸方向Bにおいて、歯部136Aと、第3歯車138と、の間に設けられる。ワッシャ152は、好ましくは、金属材料によって形成される。ワッシャ152は、樹脂材料によって形成されてもよい。ワッシャ152は、円環部152Aと、円環部152Aの内周部に設けられる係合部154を含む。係合部154は、円環部152Aの内周部から内方に突出する少なくとも1つの凸部152Bと、を含む。円環部152Aと少なくとも1つ凸部152Bとは、単一部材として一体に形成される。ワッシャ152は、軸部136Bの外周部に設けられる。第1連結部140が第2連結部142にねじ込まれることによって、ワッシャ152は、歯部136Aと第3歯車138とに挟み込まれる。第3歯車138の最小半径は、第2部分150の最大半径よりも大きい。少なくとも1つの凸部152Bは、歯部136Aの内周部137Bと第3歯車138との間に設けられ、歯部136Aと第3歯車138とに接触する。好ましくは、円環部152Aの少なくとも一部は、歯部136Aと第3歯車138とに挟まれ、歯部136Aと第3歯車138とに接触する。ワッシャ152は、歯部136Aよりも硬い。ワッシャ152は、第3歯車138よりも硬い。歯部136Aの径方向において、ワッシャ152の少なくとも一部は、歯部136Aの外周部137Aの内側に配置される。ワッシャ152の外径は、歯部136Aの外周部137Aの内径よりも小さい。本実施形態では、ワッシャ152の外径は、第3歯車138の最大半径よりも大きい。
【0162】
好ましくは、少なくとも1つの凸部152Bは、複数の凸部152Bを含む。複数の凸部152Bのそれぞれは、板状に形成される。各凸部152Bは、ワッシャ152の径方向に延び、かつ、それぞれの凸部152Bの中心を通る軸線に関して、基端部から遊端部に向かうにつれて、捻じれるように形成される。ワッシャ152を取り外した状態において、または、ワッシャ152を取り付ける前の状態において、好ましくは、複数の凸部152Bのそれぞれの少なくとも一部は、円環部152Aのうち軸部136Bの軸方向Bの一方B1の表面よりも、軸部136Bの軸方向Bの一方B1に突出する。好ましくは、複数の凸部152Bのそれぞれの少なくとも一部は、円環部152Aのうち軸部136Bの軸方向Bの他方B2の表面よりも、軸部136Bの軸方向Bの他方B2に突出する。複数の凸部152Bのうち、軸部136Bの軸方向Bの一方B1に突出する部分153Aは、歯部136Aに接触する。複数の凸部152Bのうち、軸部136Bの軸方向Bの他方B2に突出する部分153Bは、第3歯車138に接触する。好ましくは、複数の凸部152Bのうち、軸部136Bの軸方向Bの一方B1に突出する部分153Aは、歯部136Aに係合する。好ましくは、複数の凸部152Bのうち、軸部136Bの軸方向Bの一方B1に突出する部分153Aは、第3歯車138に係合する。好ましくは、複数の凸部152Bは、軸部136Bの軸線まわりに等間隔に配置され、軸部136Bの軸線まわりに回転対称となるように配置される。
【0163】
<第5実施形態>
図29および図30を参照して、第5実施形態のコンポーネント40について説明する。第5実施形態のコンポーネント40は、第2歯車136における歯部236Aの軸部236Bへの取り付け構造が異なる点以外は、第4実施形態のコンポーネント40と同様であるので、第1実施形態および第4実施形態と共通する構成については、第1実施形態および第4実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0164】
本実施形態のコンポーネント40の歯部236Aと、第4実施形態の歯部136Aとは、内周部237Bの構造が異なるのみであり、外周部137Aおよび中間部137Cは実質的に同様の構造を有する。歯部236Aは、第4実施形態の第1連結部140に代えて、第1連結部158を含む。第1連結部158は、連結部材156を含む。本実施形態の歯部236Aは、環状に形成され、連結部材156を介して軸部236Bに連結される第1連結部158を内周部237Bに有する。本実施形態では、歯部136Aは、複数の部材によって形成される。歯部136Aは、第1連結部158と第1連結部158の外周部に設けられる歯部本体159とを含む。歯部236Aの外周部137Aおよび中間部137Cは、第4実施形態の歯部136Aと同様の材料によって形成される。軸部136Bは、第4実施形態の第2連結部142に代えて、第2連結部160を含む。軸部236Bは、連結部材156を介して第1連結部158に連結される第2連結部160を外周部に有する。
【0165】
連結部材156は、金属材料によって形成される。連結部材156は、筒状部156Aと、フランジ部156Bと、を含む。軸部236Bの軸方向において、フランジ部156Bは、筒状部156Aのうちの第3歯車138に隣接する端部156Cに設けられる。フランジ部156Bは、端部156Cの外周部から径方向の外方に延びる。フランジ部156Bは、円環形状を有する。歯部本体159は、インサート成型によって、連結部材156に固定される。
【0166】
連結部材156は、連結部材156に対する歯部本体159の相対的な移動を規制する第6規制部156Dを含む。第6規制部156Dは、軸部236Bの軸方向における連結部材156に対する歯部本体159の相対的な移動を阻止し、かつ、軸部236Bの軸線まわりにおける連結部材156に対する歯部本体159の相対的な回転を阻止するように構成される。第6規制部156Dは、凹部156Eおよび凸部156Fの少なくとも1つを含む。筒状部156Aの外周部には、フランジ部156Bに隣接する凹部156Eが設けられる。本実施形態において、凹部156Eは、軸部236Bの軸線まわりに筒状部156Aの外周部の全周にわたって連続する。凹部156Eは、軸部236Bの軸線まわりに筒状部156Aの外周部に断続して形成されていてもよい。筒状部156Aには凹部156Eに隣接して凸部156Fが形成される。凸部156Fは、軸部236Bの軸線回りの円筒面に対して第2歯車136の径方向外方に突出する。凸部156Fは、少なくとも1つの凸部156Fを含み、本実施形態では複数の凸部156Fを含む。複数の凸部156Fは、筒状部156Aの外周面156Gと多角筒形状とすることによって形成される。例えば、軸部236Bの軸方向に垂直な平面における筒状部156Aの外周面156G少なくとも一部の外形が、正多角形になるように外周面156Gが形成される。本実施形態では、軸部236Bの軸方向に垂直な平面における筒状部156Aの外周面156Gの少なくとも一部の外形が正12角形となる。好ましくは、第1連結部158の形状は、軸部236Bの軸線Xに関して回転対称である。凹部156Eには、歯部本体159の内周部159Aが接触する。凸部156Fには、歯部本体159の内周部159Aが接触する。フランジ部156Bの外周部156Xおよびフランジ部156Bの第1軸受連結部136Y側の側面は、歯部本体159の内周部159Aが接触する。
【0167】
連結部材156の内周部156Yは、軸部236Bの軸線Xまわりにおける第1連結部158と第2連結部160との相対回転を規制する第7規制部156Zを有する。第7規制部156Zは、凹部および凸部の少なくとも1つを含む。連結部材156の内周部156Yは、第2歯車136の径方向において第2連結部160の外周部に対向、または、第2連結部160の外周部に接触する第1部分156Vを含む。第1部分156Vの最小内径は、第7規制部156Zの最大内径よりも大きい。第1部分156Vの内周面156Wは、例えば円筒面を含む。第7規制部156Zの内周面156Uは、例えば、多角筒形状に形成される。第7規制部156Zは、第1部分156Vよりも第1軸受連結部136Yから遠い位置に配置される。筒状部156Aの内周部は、第2連結部160に結合される。例えば、第2連結部160は、筒状部156Aの内周部に圧入される。第2連結部160の外周部160Bは、第7規制部156Zに接触する第8規制部160Aを含む。第8規制部160Aは、第2連結部160の外周部160Bに形成される。第8規制部160Aは、第7規制部156Zに対して相補的な形状を有する。
【0168】
フランジ部156Bは、軸部136Bの軸方向Bにおいて、第3歯車138に接触する。歯部本体159をインサート成型によって第1連結部158に固定した後、軸部236Bを歯部236Aに圧入することによって、軸部236Bおよび歯部本体159に適切な材料を使用できる。
【0169】
<変形例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用のコンポーネントが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用のコンポーネントは、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0170】
・第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第1実施形態の変形例、第2実施形態の変形例、および、第3実施形態の変形例において、減速機40Bの構成を第4実施形態のように変更してもよい。
【0171】
・第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第1実施形態の変形例、第2実施形態の変形例、および、第3実施形態の変形例において、減速機40Bの構成を第5実施形態のように変更してもよい。
【0172】
・第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態、第1実施形態の変形例、第2実施形態の変形例、第3実施形態の変形例、および、第4実施形態の変形例において、第5回転体130に代えてまたは加えて、第1回転体112、第2回転体116、第3回転体122、第4回転体126、および、第6回転体132の少なくとも1つが、第4実施形態の第2歯車136と同様の構造を有してもよい。要するに、減速機40Bに含まれる歯車であれば、いずれの歯車が熱硬化性樹脂を含むように構成されてもよい。
【0173】
・第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第5実施形態、第1実施形態の変形例、第2実施形態の変形例、第3実施形態の変形例、および、第5実施形態の変形例において、第5回転体130に代えてまたは加えて、第1回転体112、第2回転体116、第3回転体122、第4回転体126、および、第6回転体132の少なくとも1つは、第5実施形態の第2歯車136と同様の構造を有してもよい。要するに、減速機40Bに含まれる歯車であれば、いずれの歯車が熱硬化性樹脂を含むように構成されてもよい。
【0174】
・第1実施形態および第1実施形態の変形例において、ベース部62の第1雌ねじ部62Bおよび中間部66の雄ねじ部66Aを省略し、図31に示すように、中間部67は、ベース部62の孔62Aに圧入されてもよい。図31に示すように、連結部79は、ベース部62の孔62Aに圧入されてもよい。この場合、中間部67およびベース部62の少なくとも1つは、連結部79および中間部90と、ベース部62との相対回転を規制する規制部を含んでいてもよい。規制部は、中間部67の外周部、および、ベース部62の内周部の少なくとも1つに設けられる。この場合、ベース部62の第1雌ねじ部62Bと、中間部66の雄ねじ部66Aは省略される。
【0175】
・第1実施形態、第2実施形態、第4実施形態、第1実施形態の変形例、第2実施形態の変形例、および、第4実施形態の変形例において、中間部66,82,90は、第3実施形態の中間部98,101と同様に、ゴムまたは樹脂を含んでいてもよい。中間部66,82,90は、第4材料によって形成される。図32には、ゴムまたは樹脂によって形成される中間部94が示される。中間部94は、連結部64,80,88と別体に形成されて、連結部64,80,88に接着されていてもよく、連結部64,80,88とインサート成型されてもよく、連結部64に塗布されていてもよい。連結部64,80のフランジ部64B、80Bは、ゴムまたは樹脂によって形成されていてもよい。中間部94の厚さは、1マイクロメートル以上、5ミリメートル以下である。連結部64,80のフランジ部64B、80Bは、ゴムまたは樹脂によって形成される場合、フランジ部64B、80Bは、連結部64,80の第2雌ねじ部64A,80Aとは別体に形成され、中間部94と一体に形成されていてもよい。中間部94の外周部には、第1実施形態のように雄ねじ部が形成されていてもよい。中間部94の外周部には、第2実施形態のように少なくとも1つの凹部および少なくとも1つの凸部の少なくとも1つが形成されていてもよい。中間部94の外周部は円筒面を含むように形成され、取付部および中間部は、孔62Aに圧入されてもよい。
【0176】
・第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態、第1実施形態の変形例、第2実施形態の変形例、第3実施形態の変形例、第4実施形態の変形例、および、第5実施形態の変形例において、少なくとも1つの第1取付部44Aと、少なくとも1つの第2取付部44Bとは、入力回転軸12Aの回転軸心C2に平行な方向において、間隔を開けずに配置されるようにしてもよい。この場合、少なくとも1つの第1取付部44Aと、少なくとも1つの第2取付部44Bとは、一体に形成され、第1取付部44Aの孔62Aと第2取付部44Bの孔62Aとが連通していてもよい。
【0177】
・第1実施形態、第2実施形態、第4実施形態、第1実施形態の変形例、第2実施形態の変形例、および、第4実施形態の変形例において、中間部66,82,90が、第3材料または第4材料によって形成されれば、ベース部62、連結部64,80,88、および、中間部66,82,90の材料の組み合わせは適宜変更できる。要するに、ベース部62の第1材料に対してガルバニック腐食が生じやすい材料のファスナ36が選択された場合に、ガルバニック腐食を抑制できる組み合わせであればいずれの組み合わせであってもよい。
【0178】
・第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態、第1実施形態の変形例、第2実施形態の変形例、第3実施形態の変形例、第4実施形態の変形例、および、第5実施形態の変形例において、コンポーネント40は、さらに入力回転軸12Aの回転速度に対する出力部40Aの回転速度を変更するように構成される変速装置を含んでいてもよい。第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第1実施形態の変形例、第2実施形態の変形例、および、第3実施形態の変形例のコンポーネント40は、モータ46および減速機40Bを省略して、入力回転軸12Aの回転速度に対する出力部40Aの回転速度を変更するように構成される変速装置を含んでいてもよい。変速装置は、入力回転軸12Aと出力部40Aとの間の動力伝達経路に設けられる。変速装置は、ハウジング42に収容される。変速装置は、有段変速機を含んでいてもよく、CVT(Continuously Variable Transmission)を含んでいてもよい。変速装置は、例えば、遊星歯車機構を含んでいてもよく、複数のスプロケット、チェーン、およびディレイラを含んでいてもよい。
【0179】
・第3実施形態および第3実施形態の変形例において、図33に示すように、第1ベース部分63Aと第2ベース部分63Bとは、単一部材として一体に形成されてもよい。
【0180】
・第3実施形態および第3実施形態の変形例において、中間部98とベース部62との結合力は中間部98と連結部97との結合力よりも大きくなる構成であれば、中間部98とベース部62との連結構造、および、中間部98と連結部97との連結構造は適宜変更できる。例えば、中間部98は、スナップフィット、または、ねじによってベース部62に結合されてもよい。
【0181】
・第3実施形態および第3実施形態の変形例において、中間部98とベース部62との結合力は、中間部98と連結部97との結合力以下であってもよい。
【0182】
・第3実施形態および第3実施形態の変形例において、中間部101とベース部62との結合力は、中間部101と連結部100との結合力よりも大きくなる構成であれば、中間部101とベース部62との連結構造、および、中間部101と連結部100との連結構造は、適宜変更できる。例えば、中間部101は、スナップフィット、または、ねじによってベース部62に結合されてもよい。
【0183】
・第3実施形態および第3実施形態の変形例において、中間部101とベース部62との結合力は、中間部101と連結部100との結合力よりも大きくてもよい。この場合、例えば、連結部100の外周部の凹部100Tと、中間部101の内周部の凸部101Tが省略される。
【0184】
・第4実施形態、第5実施形態、第4実施形態の変形例、および、第5実施形態の変形例において、歯車110は、減速機40B以外の歯車に用いてもよい。要するに、歯車は、金属によって形成される軸部と、熱硬化性樹脂を含み、軸部と一体に回転するように軸部の外周部に設けられる歯部と、を含み、歯部は、環状に形成され、軸部に連結される第1連結部を内周部に有し、軸部は、第1連結部に連結される第2連結部を外周部に有し、第1連結部は、雌ねじ部を含み、第2連結部は、雄ねじ部を含むように構成されれば、いずれの装置にも適用できる。
【0185】
・第4実施形態、第5実施形態、第4実施形態の変形例、および、第5実施形態の変形例において、コンポーネント40の取付部44の構造は、コンポーネント40をフレーム18に取り付けることできれば、適宜変更できる。
【0186】
・各実施形態および各実施形態の変形例において、コンポーネント40は、入力回転軸12Aを備えなくてもよい。例えば、入力回転軸12Aは、コンポーネント40に着脱可能に構成されていてもよい。
【0187】
・各実施形態および各実施形態の変形例において、減速機40Bは、少なくとも1つの歯車110が熱硬化性樹脂を含む構成であれば、どのような構成としてもよい。例えば、減速機40Bは、4つの歯車110を含む2段減速の変速機であってもよく、2つの歯車110を含む1段変速の変速機であってもよい。
【0188】
・第3実施形態および第3実施形態の変形例において、第2取付部96Bを第1取付部96Aと同様の構成としてもよく、第1取付部96Aを第2取付部96Bと同様の構成としてもよい。第3実施形態および第3実施形態の変形例において、第1取付部96Aを図16に示す構成とし、第2取付部96Bを図33に示す構成としてもよい。第3実施形態および第3実施形態の変形例において、第1取付部96Aを図33に示す構成とし、第2取付部96Bを図16に示す構成としてもよい。
【0189】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0190】
10…人力駆動車、36…ファスナ、36A…雄ねじ部、38…支持部、40…コンポーネント、42…ハウジング、52…第1ハウジング部、54…第2ハウジング部、44…取付部、46…モータ、62…ベース部、62A…孔、62B…第1雌ねじ部、64,79,80,88…連結部、64A,80A,88A…第2雌ねじ部、64B,80B…フランジ部、64C…工具係合部、66,67,82,90,94…中間部、66A…雄ねじ部、48…位置決め部、48A…第1凸部、48B…第1凹部、50…絶縁部、70…導電部、71…導電性グリス、72…カバー、74…電気コネクタ、74A…接続端子、76…リブ、76A…第1リブ、76B…第2リブ、97…連結部、97A…第2雌ねじ部、97B…フランジ部、98A…ローレット、98B…第1接触部、98C…第2接触部、99…接着剤、100…連結部、100A…第2雌ねじ部、100B…フランジ部、100C…ローレット、101…中間部、101A…突出部、101B…第1接触部、101C…第2接触部、110…歯車、110A…歯部、134…第1歯車、136…第2歯車、136A,236A…歯部、136B,236B…軸部、138…第3歯車、140,158…第1連結部、142,160…第2連結部、144…雌ねじ部、146…雄ねじ部、152…ワッシャ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33