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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/52 20230101AFI20241105BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20241105BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20241105BHJP
   G03B 17/55 20210101ALI20241105BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20241105BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20241105BHJP
【FI】
H04N23/52
G03B5/00 J
G03B17/02
G03B17/55
H04N23/50
H04N23/68
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020097361
(22)【出願日】2020-06-04
(65)【公開番号】P2021190953
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 一基
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-141609(JP,A)
【文献】特開2000-138425(JP,A)
【文献】特開2006-140585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/52
G03B 5/00
G03B 17/02
G03B 17/55
H04N 23/50
H04N 23/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持ユニットと、
撮像素子を有し前記支持ユニットに対して所定軸線に直交する方向に変位可能となるように前記支持ユニットに支持される可動ユニットと、
前記可動ユニットを駆動制御する制御基板と、
前記可動ユニットと前記制御基板とを電気的に接続するフレキシブル基板と、
前記可動ユニットと前記制御基板との間に配置される金属板と、を有し、
前記金属板には、前記金属板と前記フレキシブル基板とが前記所定軸線の方向において重畳する範囲において、複数の穴部が形成され
前記金属板の材質及び前記撮像素子の駆動周波数によって算出される伝搬信号の1波長であるλが、前記金属板の比誘電率をε、前記金属板の比透磁率をμ、光の速さをc、及び前記撮像素子の前記駆動周波数をfとして、下記式で示される場合に、
【数1】
前記複数の穴部のそれぞれの穴部の穴幅は、前記伝搬信号の波長λの1/20以下の大きさに形成される
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記複数の穴部のそれぞれの穴部は、同一形状で形成され、
前記穴部と隣接する前記穴部との中心間隔は、前記穴部の穴幅の1倍以上2倍以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記複数の穴部は、複数の列に並ぶように形成されるとともに隣接する列にある前記穴部は、前記中心間隔の1/2だけ前記列に沿う方向にずれるように形成される
ことを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記複数の穴部は、それぞれ、円形又は正多角形に形成される
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持ユニットに変位可能に支持された可動ユニットと制御基板とがフレキシブル基板で接続される配線構造を有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、支持ユニット(固定ユニット)に変位可能に支持された可動ユニットと制御基板とがフレキシブル基板で接続される配線構造が知られている。例えば、被写体のブレを光学的に補正する機能を有する撮像装置においては、撮像素子を支持する可動ユニットを、支持ユニットに対し、光軸と直交方向に変位させることで被写体のブレ補正が実現される。
【0003】
可動ユニットには、撮像素子を実装した回路基板が搭載され、この回路基板にはコネクタ等の電気的接続部品も実装されている。可動ユニットを保持する筐体等の支持ユニット側には、可動ユニットを駆動制御する制御基板が搭載され、この制御基板にはコネクタ等の電気的接続部品も実装されている。可動ユニット側のコネクタと支持ユニット側のコネクタとはフレキシブル基板によって電気的に接続されている。このフレキシブル基板の持つ可撓性を利用して、支持ユニットと可動ユニットとを電気的に接続しつつ、可動ユニットが制御基板によって駆動制御される(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-192749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フレキシブル基板の配線部の一部は、可動ユニットの変位に応じて変形可能となっており、可動構成とするための余長部を有している。フレキシブル基板には撮像素子からの信号が配線されており、高速通信を行っている。
【0006】
一方で制御基板には制御ICが実装されており、撮像装置の動作の制御を行う。ここで、制御ICの駆動中は発熱が起こるため、その放熱を行うための構成が必要となる。そこで、制御基板と撮像素子を有する可動ユニットの間に、金属板で構成される本体補強部材が配置される。本体補強部材があることにより、制御ICの放熱を行いつつ、制御基板自体保持することができる。
【0007】
しかしながら、撮像装置を小型に構成する場合、フレキシブル基板の余長部と、本体補強部材との距離は極力小さくする必要が生じ、結果として、フレキシブル基板と本体補強部材との接触が発生することがある。この場合、高速通信信号が本体補強部と電気的に結合され、高速信号が金属板である本体補強部に伝搬し、撮像装置外部へ有害な電磁波放射を起こす問題、いわゆるEMI(Electromagnetic Interference)の問題が発生する。
【0008】
そこで、本発明の目的は、フレキシブル基板と金属板の接触により生じる電気的結合を原因としたEMIの問題を低コストで解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明における撮像装置は、
支持ユニットと、
撮像素子を有し前記支持ユニットに対して所定軸線に直交する方向に変位可能となるように前記支持ユニットに支持される可動ユニットと、
前記可動ユニットを駆動制御する制御基板と、
前記可動ユニットと前記制御基板とを電気的に接続するフレキシブル基板と、
前記可動ユニットと前記制御基板との間に配置される金属板と、を有し、
前記金属板には、前記金属板と前記フレキシブル基板とが前記所定軸線の方向において重畳する範囲において、複数の穴部が形成され
前記金属板の材質及び前記撮像素子の駆動周波数によって算出される伝搬信号の1波長であるλが、前記金属板の比誘電率をε、前記金属板の比透磁率をμ、光の速さをc、及び前記撮像素子の前記駆動周波数をfとして、下記式で示される場合に、
【数1】
前記複数の穴部のそれぞれの穴部の穴幅は、前記伝搬信号の波長λの1/20以下の大きさに形成される
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フレキシブル基板と金属板の接触により生じる電気的結合を原因としたEMIの問題を低コストで解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】撮像装置の斜視図である。
図2】撮像装置の要部を後方から見た分解斜視図である。
図3】像ブレ補正ユニットを後方から見た分解斜視図である。
図4】像ブレ補正ユニットを前方から見た分解斜視図である。
図5】可動ユニットに接続した第一フレキシブル基板及び第二フレキシブル基板を延ばした状態を後方から見た図である。
図6】第一フレキシブル基板及び第二フレキシブル基板を可動ユニットに接続した状態を後方から見た斜視図である。
図7】第三フレキシブル基板の構成を表す正面図である。
図8】制御基板に展開される配線パターンを表す正面図である。
図9】第1実施形態における本体補強部に形成される穴部の配置を示す図である。
図10】第2実施形態における本体補強部に形成される穴部の配置を示す図である。
図11】第3実施形態における本体補強部に配置される空間形成部材の配置を示す図である。
図12】第3実施形態における発泡体層の厚みに関する算出値を記載した表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態では、本発明の特徴である基板の配線構造を適用する電子機器として撮像装置10を例示して説明する。また、以下の説明における各方向(上下方向、前後方向、左右方向)は、撮像装置10の使用時において、撮影者(ユーザ)から撮像装置10を見た場合の方向(上下方向、前後方向、左右方向)である。例えば、前後方向における前方とは被写体側のことであり、前後方向における後方とは撮影者側のことである。
【0013】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1は、撮像装置10の斜視図である。図1(A)は、撮像装置10を前方側から見た斜視図であり、図1(B)は、撮像装置10を後方から見た斜視図である。撮像装置10は、複数の部材から成る筐体としての外装10cに覆われる。撮像装置10の前方には、マウント10aが設けられる。マウント10aには、不図示の交換レンズが装着可能である。マウント10aの中心を通る軸線は、撮影光軸P(所定軸線)と略一致する。
【0014】
図2は、撮像装置10の要部を後方から見た分解斜視図である。図2では、撮像装置10の外装10c等を不図示にしている。図2以降の図では、本発明の説明に必要な部分を図示し、説明に不要な部分を極力不図示としている。
【0015】
図2に示すように、撮像装置10の要部は、制御基板100、像ブレ補正ユニット200、シャッタユニット300、ベース部材400および本体補強部500を有する。まず撮像装置10の要部における各部の概略構成を説明する。
【0016】
制御基板100は、撮像信号を制御する制御IC101のほか、コネクタ102、コネクタ103、コネクタ104及びコネクタ106を有する。コネクタ102、104は、制御基板100における下部に実装され、コネクタ103、106は、上部に実装される。コネクタ102、コネクタ103、コネクタ104及びコネクタ106は、制御基板100の後面に実装される。制御基板100には、この他にもチップ抵抗やセラミックコンデンサ、インダクタ、トランジスタ等、様々な電子部品が実装される(図示省略)。制御基板100は、多層の積層構造を有する。制御基板100には、例えば複数層のコア層の両面にビルドアップ層を積層したビルドアップ基板や、全ての積層において層間ビアによる接続構造が可能なANY-LAYER基板などが採用される。
【0017】
像ブレ補正ユニット200は、撮像装置10による撮像における像ブレを補正するユニットである。像ブレ補正ユニット200の詳細構成については、後述する。像ブレ補正ユニット200は、像ブレ補正ユニット200から延出する複数のフレキシブル基板によって、制御基板100と電気的に接続される。本実施形態における複数のフレキシブル基板は、第一フレキシブル基板270a、第二フレキシブル基板270b、及び第三フレキシブル基板240である。第一フレキシブル基板270a、第二フレキシブル基板270b、第三フレキシブル基板240は、いずれも、可撓性を有するフレキシブル基板である。
【0018】
シャッタユニット300は、撮像装置10のシャッタを有する。シャッタユニット300は、フレキシブル基板300aを有し、コネクタ104に接続される。このため、シャッタユニット300は、制御基板100と電気的に接続される。
【0019】
ベース部材400は、制御基板100、像ブレ補正ユニット200、シャッタユニット300及び本体補強部500を固定する部材である。特に、ベース部材400は、像ブレ補正ユニット200を、シャッタユニット300とともに固定する。
【0020】
ベース部材400は、3本のビス800a、800b、800cと3つのコイルばね700a、700b、700cを介して、像ブレ補正ユニット200を支持する。これにより、ベース部材400は、像ブレ補正ユニット200を撮影光軸P(図1(A)参照)方向に変位可能に支持する。ベース部材400に対する像ブレ補正ユニット200の固定の際には、ビス800a、800b、800cの締め込み量が調整されることで、ベース部材400に対する撮像素子230(図3参照)の撮像面の傾きが調整される。調整が完了すると、ビス800a、800b、800cは、それらの緩みを防止するため、像ブレ補正ユニット200の支持ユニット200b(図3参照)に接着固定される。
【0021】
本体補強部500は、制御基板100と像ブレ補正ユニット200との間に配置される金属板である。本体補強部500は、第一フレキシブル基板270a及び第二フレキシブル基板270bに対向する位置に配置される。本体補強部500は、制御基板100の放熱機能を有するとともに、ベース部材400と締結されることにより撮像装置10の剛性を担保する。
【0022】
次に、像ブレ補正ユニット200の構成を詳細に説明する。図3は、像ブレ補正ユニット200を前方から見た分解斜視図である。図4は、像ブレ補正ユニット200を後方から見た分解斜視図である。
【0023】
図3及び図4に示すように、像ブレ補正ユニット200は、可動ユニット200aと支持ユニット200bとを有する。可動ユニット200aは、支持ユニット200bに支持される。可動ユニット200aは、支持ユニット200bに対して、撮影光軸Pと直交する平面方向に変位可能である。また、像ブレ補正ユニット200は、第一フレキシブル基板270a、第二フレキシブル基板270b及び第三フレキシブル基板240を有する。第一フレキシブル基板270a、第二フレキシブル基板270b及び第三フレキシブル基板240は、いずれも、可撓性を有し且つ長尺の板状の形状である。次に、図3及び図4に示す各部について説明する。
【0024】
可動ユニット200aは、ローパスフィルタ221、撮像素子230及び撮像素子基板231を有し、これらがセンサホルダ220に固定されることで構成される。ローパスフィルタ221は、赤外線の入射を防止し、色モアレ等の発生を防止する。ローパスフィルタ221は、センサホルダ220において、撮像素子230よりも前側に配置される。撮像素子基板231には、撮像素子230が実装される。撮像素子230は、被写体の光学像を電気信号に変換する。撮像素子230及び撮像素子基板231は、センサホルダ220に接着固定される。
【0025】
支持ユニット200bは、主として前側ヨーク210と、ベースプレート250と、後側ヨーク260とから構成される。前側ヨーク210とベースプレート250とは、可動ユニット200aのセンサホルダ220を挟み込むように接合される。後側ヨーク260は、ベースプレート250に対して後側から装着される。次に、これらの組み付け方法について、説明する。
【0026】
前側ヨーク210には、球体215a、215b、215cを受けるための球受け部213a、213b、213cが形成される。球受け部213a、213b、213cは、それぞれ、センサホルダ220に形成される球受け部222a、222b、222cと対向する位置に形成される。この構成により、センサホルダ220は、球体215a、215b、215cを介して、前側ヨーク210に対して支持される。
【0027】
前側ヨーク210は、ベースプレート250に向けて立設される支柱211a、211b、211cを有する。支柱211a、211b、211cの各一端は、ベースプレート250に圧入されている。これにより、前側ヨーク210とベースプレート251とは、互いに固定される。このとき、ベースプレート250に形成される開口部252から、センサホルダ220に接着固定された撮像素子基板231が露出する。
【0028】
後側ヨーク260は、ベースプレート250に対して後側から装着される。後側ヨーク260及びベースプレート250は、それぞれ強磁性材料で構成されている。このため、後側ヨーク260をベースプレート250に位置合わせして接触させるだけで、互いに磁気吸着させることができる。これにより、別途、接着材料を用いることなく、後側ヨーク260をベースプレート250に装着することができる。
【0029】
前側ヨーク210、ベースプレート250及び後側ヨーク260には、第三フレキシブル基板240が有するコイル241a、241b、241c(後に詳述)と対応する構成を有する。すなわち、前側ヨーク210には、磁石212a、212b、212cが、コイル241a、241b、241cと対応する位置に配置される。ベースプレート250には、開口部251a、251b、251cが、コイル241a、241b、241cと対応する位置に配置される。また、撮影光軸P方向視において、磁石261a、261b、261cが、コイル241a、241b、241cとほぼ同じ位置で同じ形状に配置される。しかも、磁石261a、261b、261cは、対応するコイル241a、241b、241cとの中心が一致するように配置される。磁石261a、261b、261cは、図3示すように、開口部251a、251b、251cの内部に収容される。
【0030】
以上のように、可動ユニット200aが支持ユニット200bに組み付けられる。また、支持ユニット200bが、ベース部材400に固定されることで、像ブレ補正ユニット200は、ベース部材400に固定される。このように、可動ユニット200aが変位可能に支持されることで、像ブレを光学的に補正する。具体的には、左右方向を軸とした回転であるピッチ方向の像ブレ補正時において、可動ユニット200aは、上下方向へ並進移動する。また、上下方向を軸とした回転であるヨー方向の像ブレ補正時において、可動ユニット200aは、左右方向へ並進移動する。また、前後方向を軸とした回転であるロール方向の像ブレ補正時には、可動ユニット200aは、前後方向に平行な軸線を中心に回転移動する。
【0031】
次に、像ブレ補正ユニット200に接続されるフレキシブル基板について説明する。第一フレキシブル基板270a、第二フレキシブル基板270b及び第三フレキシブル基板240は、いずれも、像ブレ補正ユニット200と制御基板100とを接続する。
【0032】
第一フレキシブル基板270aは、一端にコネクタ271aを有し、他端にコネクタ273を有する。コネクタ271aは、開口部252を通過して、撮像素子基板231の後面のコネクタ232aに接続され、コネクタ273は、制御基板100のコネクタ102に接続される。第二フレキシブル基板270bは、一端にコネクタ271bを有し、他端にコネクタ274を有する。コネクタ271bは、開口部252を通過して、撮像素子基板231の後面のコネクタ232bに接続され、コネクタ274は、制御基板100のコネクタ103に接続される。ここで、互いに接続されるこれらのコネクタは、互いに嵌合形状が適合するプラグコネクタとリセプタクルコネクタの関係になっている。このように、コネクタが互いに接続されることで、第一フレキシブル基板270a及び第二フレキシブル基板270bは、可動ユニット200a内の撮像素子基板231と制御基板100とを接続する。
【0033】
第三フレキシブル基板240は、前方において、コイル241a、コイル241b及びコイル241cの3つのコイルを有する。像ブレ補正ユニット200を組み立てる場合、コイル241aは、撮像素子230に対して右上部に位置し、コイル241cは、撮像素子230に対して左下部に位置する。コイル241a、コイル241b及びコイル241cは、センサホルダ220に形成される開口部223a、開口部223b及び開口部223cに対してそれぞれ収容される。このとき、第三フレキシブル基板240は、センサホルダ220に対して後側から接着固定される。また、第三フレキシブル基板240は、コネクタ端子部244を有する。コネクタ端子部244が制御基板100に実装されるコネクタ106に接続されることで、第三フレキシブル基板240は、制御基板100と接続する。
【0034】
フレキシブル基板270a、270bのより詳細な構成を、図を用いて説明する。図5は、可動ユニット200aに接続した第一フレキシブル基板270a及び第二フレキシブル基板270bを延ばした状態を後方から見た図である。
【0035】
図5に示すように、第一フレキシブル基板270a及び第二フレキシブル基板270bは、各々、大別すると3つの領域、すなわち、2つの剛体部分(接続部)とこれらの剛体部分同士をつなぐ可撓部分(配線部)とで構成される。上記剛体部分(接続部)は、可撓部分(配線部)にガラスエポキシ樹脂などの絶縁補強材料を熱硬化性接着剤などで貼り合わせることで剛性を持たせており、可撓部分(配線部)表面にコネクタが実装されている。なお、第一フレキシブル基板270a及び第二フレキシブル基板270bは、多層の積層構造を有し、本実施形態では2層構成である。
【0036】
第一フレキシブル基板270aは、配線方向(長手方向)において、撮像素子基板231に近い側から順に、第一接続部275a、配線部276、配線部280、第三接続部282を有する。第一接続部275aには、コネクタ271aが配置され(図3参照)、第三接続部282には、コネクタ273が配置される。配線部276は、第一接続部275aから、撮影光軸Pに直交し且つ図5中における上方へ延出する。
【0037】
第一フレキシブル基板270aは、配線路を有する。この配線路は、高速伝送配線であり、例えばLVDS(Low Voltage Differential Signal:低電圧差動信号)等の伝送方式を採用した、2本の信号線を1対とする伝送路である。この配線路により、第一接続部275aに実装されるコネクタ271aから、配線部276及び配線部280を介して、第三接続部282に実装されるコネクタ273までが、電気的に接続される。これにより、撮像素子230と制御基板100との間で撮像信号が伝送され、撮像信号の高速伝送が可能となる。高速伝送配線は、コネクタ271aの信号端子列から配線が延出し、コネクタ273の平行な2列の信号端子列の内、コネクタ271aから見て奥側の端子列に配置される信号端子列と電気的に接続される。具体的には、高速伝送配線は、コネクタ273の実装面の裏側の面を通過した後、スルーホールを介してコネクタ273の実装面に配線されている伝送路と電気的に接続し、コネクタ271aから見て奥側の端子列に配置される信号端子と接続する。第一フレキシブル基板270aには、高速伝送配線以外にも、グランド配線や撮像素子230に必要な配線等も配置される。
【0038】
第一フレキシブル基板270aの配線方向において、配線部276と配線部280との間には、第一固定部278が設けられる。第一固定部278には、位置合わせを行うための穴が形成されており、当該穴を、後側ヨーク260に形成される穴と位置合わせを行う。これにより、第一固定部278が、後側ヨーク260に固定される。
【0039】
第二フレキシブル基板270bは、配線方向(長手方向)において撮像素子基板231に近い側から順に、第二接続部275b、配線部277、配線部281、第四接続部283を有する。第二接続部275bには、コネクタ271bが配置され(図3参照)、第四接続部283には、コネクタ274が配置される。配線部277は、第二接続部275bから、撮影光軸Pに直交し且つ図5中における下方へ延出する。
【0040】
第二フレキシブル基板270bは、配線路を有する。この配線路は、電源配線である。この配線路により、第二接続部275bに実装されるコネクタ271bから、配線部277及び配線部281を介して第四接続部283に実装されるコネクタ274までが、電気的に接続される。第二フレキシブル基板270bには、電源配線以外にも、グランド配線や撮像素子230に必要な配線等も配線される。
【0041】
第二フレキシブル基板270bの配線方向において、配線部277と配線部281との間には、第二固定部279が設けられる。第二固定部279には、位置合わせを行うための穴が形成されており、当該穴を、後側ヨーク260に形成される穴と位置合わせを行う。これにより、第二固定部279が、後側ヨーク260に固定される。
【0042】
図6は、第一フレキシブル基板270a及び第二フレキシブル基板270bを可動ユニット200aに接続した状態を後方から見た斜視図である。図6に示すように、第一固定部278及び第二固定部279は、後側ヨーク260に固定される。このため、第一固定部278及び第二固定部279の位置、これらより第三接続部282側の領域、第四接続部283側の領域は変位しない。
【0043】
配線部276が一定量の撓みを形成した状態で、第一固定部278が後側ヨーク260に固定される。これにより、配線部276の撓み形状が維持される。同様に、配線部277が一定量の撓みを形成した状態で、第二固定部279が後側ヨーク260に接続される。これにより、配線部277の撓み形状が維持される。配線部276及び配線部277に形成される撓み量は、可動ユニット200aが最も撮影光軸Pから離れた位置に変位した場合に、配線部276、277が延びきってしまうことなく、ともに所定の撓み量を維持することができるように設定される。
【0044】
フレキシブル基板270aの第一接続部275aと、フレキシブル基板270bの第二接続部275bとは、配線の引き回しにより、接続部275a、275bの形状が拡大されることがある。この場合、本実施形態のように、後方から見たとき、接続部275a、275bの形状が重なることがある。
【0045】
このように、フレキシブル基板の接続部275a、275bが重なる場合は、コネクタ271a又はコネクタ271bの光軸方向の高さを変える。これにより、フレキシブル基板270a、270bの接続部275a、275bを前後方向に配置する。本実施形態では、図3に示すように、コネクタ271aの高さをコネクタ271bよりも高くする。これにより、フレキシブル基板270a、270bの接続部275a、275bの配置を可能としている。
【0046】
図7は、第三フレキシブル基板240の構成を表す正面図である。第三フレキシブル基板240には、上述のように、コイル241a、241b、241cが接着固定される。第三フレキシブル基板240には、コイルの巻き線と電気的に接続するための半田付けランド243a、243b、243c、243d、243e、243fが形成される。コイル241aの巻きはじめの端部は、半田付けランド243aに半田付けされ、コイル241aの巻き終わりの端部は、半田付けランド243bに半田付けされる。コイル241bの巻きはじめの端部は、半田付けランド243cに半田付けされ、コイル241bの巻き終わりの端部は、半田付けランド243dに半田付けされる。コイル241cの巻きはじめの端部は、半田付けランド243eに半田付けされ、コイル241cの巻き終わりの端部は、半田付けランド243fに半田付けされる。これらの半田付けにより、コイル241a、241b及び241cは、それぞれ、第三フレキシブル基板240と電気的に接続される。
【0047】
第三フレキシブル基板240において、コイル241a、241b、241cの巻き線の内側には、ホール素子242a、242b、242cが実装される。第三フレキシブル基板240には、コネクタ端子部244が形成されている。各半田付けランドや各ホール素子からの配線パターンが、第三フレキシブル基板240の内部に展開されて、コネクタ端子部244へ接続される。
【0048】
コイル241a、241b、241cは、前側ヨーク210に設置される磁石212a、212b、212cと、後側ヨーク260に設置される磁石261a、261b、261cとで形成される磁界環境中に配置される。この状態で、コイル241a、241b、241cに電流を流すと、各コイル241a、241b、241cにローレンツ力を発生させる。このローレンツ力を推力として、可動ユニット200aのセンサホルダ220を、撮影光軸Pと直交する平面方向に変位させる。
【0049】
また、ホール素子242a、242b、242cは、センサホルダ220が磁石212a、212b、212cに対して相対的に移動することによる磁力の変化を検出する。ホール素子242a、242b、242cによる検出結果に基づいて、支持ユニット200bに対する可動ユニット200aの撮影光軸Pと直交する平面方向の変位量が検出される。
【0050】
次に、制御基板100に展開される配線パターンを説明する。図8は、制御基板100に展開される配線パターンを表す正面図である。図8に示すように、制御基板100には、高速伝送配線105が配置される。高速伝送配線105は、制御基板100の表層において、コネクタ102の信号端子列から延出し、そのまま制御IC101の信号端子の一部に接続される。また、図8に示すように、制御基板100には、第一フレキシブル基板270a、第二フレキシブル基板270b及び第三フレキシブル基板240が接続される。
【0051】
次に、図9を用いて、本体補強部500の構成について説明する。図9は、第1実施形態における本体補強部500に形成される穴部500aの配置を示す図である。図9(A)は、本体補強部500と第一フレキシブル基板270aの配置関係を示す図である。図9(B)は、図9(A)における断面線A-Aでの断面図である。
【0052】
本実施形態では、本体補強部500と像ブレ補正ユニット200の距離が近い。この場合、可動ユニット200aが移動すると、第一フレキシブル基板270a及び第二フレキシブル基板270bが、本体補強部500に接触する。第一フレキシブル基板270aには、上述のように、高速伝送配線が配線され、高速伝送配線からは、電磁界ノイズが発生することがある。このため、本体補強部500と第一フレキシブル基板270aが接触すると、電気的な結合(電界結合、静電結合)が発生し、高速伝送された信号が電気ノイズとして本体補強部500に伝搬する。さらに、電気ノイズが本体補強部500からベース部材400を伝って外部へ放射されることでEMIの問題を引き起こすおそれがある。
【0053】
本実施形態では、本体補強部500に対して、以下記載する穴部500aを設ける。これにより、本体補強部500と第一フレキシブル基板270aの接触面積を減らし、電気的な結合を弱めることによりEMI対策を行うことが可能になる。一方、穴部500aを必要以上に拡大すると、本来期待した本体補強部500の剛性が担保できない。また、第一フレキシブル基板270aが発する不要輻射に対し、本体補強部500が有するシールド効果が低減してしまう。即ち、本体補強部500に設ける穴部500aの大きさにはそれらのバランスを加味した設定を行うことが必要となる。
【0054】
以下、穴部500aの直径Rと穴部500aの複数配置を行う際の中心間ピッチP1の定義手段について述べる。電気の速さvは、本体補強部500の材質の比誘電率をε、比透磁率をμとし、光の速さをcとすると、下記式から算出される。
【0055】
【数1】
【0056】
本実施形態においては、本体補強部500の材質をアルミニウムとする。アルミニウムの比誘電率ε=1、比透磁率μ=1.000021とする。また、光の速さc=3×10^8m/sとすると、電気の速さvは、下記式のように算出される。
【0057】
【数2】
【0058】
一方、電気の流れる速さは下記式で定義される。
【0059】
【数3】
【0060】
ここで、撮像素子230の駆動周波数fを2.65GHzとした場合、本体補強部500の材質及び撮像素子230の駆動周波数によって算出される伝搬信号の1波長λは、下記式のように算出される。
【0061】
【数4】
【0062】
一方で、金属板のシールド効果は、主に導電率によって発生する。すなわち、シールド面に電流が流れやすいことが重要で、シールド面に開口部や隙間があると電流が流れにくくなり、シールド効果が損なわれる。一般にシールドに設けられる隙間は、波長に対して、間隔を十分に小さくする必要がある。具体的には、本体補強部500に形成される隙間や開口部は、伝搬信号の波長の1/20以下が良い。よって、シールドに設ける穴部500aの直径R(穴幅)は、下記式により求められる。
【0063】
【数5】
【0064】
図9(A)に示すように、上記記載した穴部500aを、複数形成する。また、複数の穴部500aは、複数の列に並ぶように形成する。本実施形態では、穴部500aを本体補強部500に6つ形成し、一つの列に3つの穴部500aを形成し且つ当該列を本体補強部500の上下方向に2つ配置した例を示す。
【0065】
穴部500aを配置する位置は、可動ユニット200aが最大可動した位置における第一フレキシブル基板270aの外形と投影上、重畳する範囲500bである。本実施形態では、穴部500aの上下の中心位置を合わせて配置する。これにより、先に述べたように大きな穴をあけることでシールド効果が低減してしまうリスクを回避する一方で、第一フレキシブル基板270aとの接触による電気結合を弱めることが可能になる。
【0066】
また、穴部500aの隣り合う穴部500aとの中心間ピッチP1(中心間隔)は、所定の間隔を空けることが好ましい。具体的には、中心間ピッチP1は、穴部500aの直径Rの1倍以上2倍以下となるように設定することが望ましい。これにより第一フレキシブル基板270aと本体補強部500との接地面積を削減しつつ、穴部500a間に本体補強部500が残ることによるシールド効果を期待することができる。
【0067】
複数の穴部500aは、いずれも同一形状の円形である。本実施形態では穴部500aを円形として説明したが、これに限るものではなく、穴部500aの形状を正多角形としても良い。
【0068】
以上のように、本実施形態によれば、金属板で構成される本体補強部500に複数の穴部500aを形成することで、第一フレキシブル基板270aと本体補強部500との接地面積を削減する。金属板である本体補強部500に穴部500aを形成することは容易に可能である。よって、フレキシブル基板270aと金属板である本体補強部500の接触により生じる電気的結合を原因としたEMIの問題を低コストで解決することができる。
【0069】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を説明する。なお、前述の実施形態と同一の構成については、同じ記号を用い、重複する部分については、説明を省略する。第2実施形態においても、穴部500aの直径Rの定義手段、穴部500aの配置範囲は、第1実施形態と変わらない。第2実施形態では、本体補強部500の穴部500aについて、前述の実施形態と異なる穴部500aの配置方法の例について説明する。
【0070】
図10は、第2実施形態における本体補強部500に形成される穴部500aの配置を示す図である。図10(A)は、本体補強部500と第一フレキシブル基板270aの配置関係を示す図である。図10(B)は、図10(A)における断面線B-Bでの断面図である。
【0071】
第2実施形態においては、同一高さで隣り合う穴部500aどうしの中心間ピッチP1の長さや、一つの列に複数の穴部500aを形成し、これを複数の列に並ぶように形成することは、前述の実施形態と同様である。一方、第2実施形態では、上下方向に隣接する列にある穴部500aの中心位置が、所定の長さだけ、列に沿う方向にずれるように形成される。具体的には、穴部500aを上下2列以上で配置する場合において、上段の穴部500aの中心位置と下段の穴部500aの中心位置との間を中心間ピッチP2とする。このとき、第2実施形態では、中心間ピッチP2を、上段の列において穴部500aどうしが隣り合う中心間ピッチP1と比較して1/2の長さに設定する。
【0072】
これにより、図10(B)に示すように、本体補強部500に設けた穴部500aが上下で重ならない構成となる。よって、本体補強部500の断面二次モーメントを向上させることが可能になり、撮像装置10の剛性強化が可能になる。
【0073】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態を説明する。なお、前述の実施形態と同一の構成については、同じ記号を用い、重複する部分については、説明を省略する。第3実施形態では、本体補強部500の第一フレキシブル基板270aの接触による電気結合を起因とするEMI対策について、空間形成部材600を配置する例について説明する。
【0074】
図11は、第3実施形態における本体補強部500に配置される空間形成部材600の配置を示す図である。図11(A)は、本体補強部500と第一フレキシブル基板270aと空間形成部材600の配置関係を示す図である。図11(B)は、図11(A)における断面線C-Cでの断面図である。図11(C)は、図11(B)の拡大部Dにおける拡大図である。
【0075】
第3実施形態の本体補強部500は、空間形成部材600を有する。空間形成部材600の撮影光軸Pに直交する平面の大きさは、可動ユニット200aの可動範囲における移動量が最大となった場合、第一フレキシブル基板270a及び第二フレキシブル基板270bの外形を包含する大きさとなるように構成される。
【0076】
すなわち、空間形成部材600は、第一フレキシブル基板270a及び第二フレキシブル基板270bが、可動ユニット200aの移動前に、撮影光軸P方向において本体補強部500と重畳する部分を少なくとも含むように配置される。これに加えて、空間形成部材600は、可動ユニット200aの移動時に、第一フレキシブル基板270a及び第二フレキシブル基板270bの外形の移動範囲と、本体補強部500とが重畳する部分をも包含するような大きさで構成される。
【0077】
この場合、第一フレキシブル基板270a及び第二フレキシブル基板270bは、空間形成部材600と常に接触する構成となる。一方で、可動ユニット200aが可動範囲内で移動する限り、本体補強部500と第一フレキシブル基板270a及び第二フレキシブル基板270bとは、直接接触しない。よって、第一フレキシブル基板270aと本体補強部500の接触による電気結合を起因とするEMI問題を回避することができる。
【0078】
図11(C)を参照し、空間形成部材600の構成について説明する。空間形成部材600は、発泡体層600a、接着材層600b、及び基材層600cの3層構成を有する。
【0079】
発泡体層600aは、本体部としての機能を有する。発泡体層600aは、低コストで入手性のよい材料であるウレタン基材の発泡体で構成される。また、発泡体層600aは、比誘電率が1以上2以下と比較的低い値の発泡体で構成される。
【0080】
接着材層600bは、発泡体層600aを本体補強部500に固定するための接着材で構成される。接着材としては、例えば、両面粘着タイプのテープが適用可能であるが、これに限るものではない。
【0081】
基材層600cは、第一フレキシブル基板270a及び第二フレキシブル基板270bの当接面であるPET基材で構成される。PET基材は、表面の摩擦抵抗が低いものが好ましい。基材層600cがあることにより、可動ユニット200aが移動する際に、第一フレキシブル基板270a及び第二フレキシブル基板270bの摺動性が向上する。これにより、駆動の制御性向上及び消費電力の低減効果が期待できる。なお、基材層600cは、表面の摩擦抵抗が低いものであればよく、必ずしもPET基材でなくともよい。
【0082】
次に、図12を用いて、発泡体層600aの厚みL(図11(C)参照)の好適な設定値について説明する。図12は、第3実施形態における発泡体層600aの厚みLに関する算出値を記載した表である。図12では、上段に発泡体層600aの厚みLを示し、下段に本体補強部500に流れる電流量を電磁界シミュレーションにより算出した値を示す。本体補強部500に流れる電流量は、ノイズの大きさを表している。電磁界シミュレーションによる電流の値は、参考値である。図12では、それぞれの発泡体層600aの厚みLにおけるノイズ低減効果を相対的に比較する。
【0083】
図12を参照すると、発泡体層600aの厚みLが厚くなると、ノイズが小さくなる傾向が確認できる。一方で、発泡体層600aの厚みLは、そのまま撮像装置10の厚みに影響するため、発泡体層600aの厚みLをむやみに厚く設定することは好ましくない。ここで、厚みを3mmに設定する場合と2mmに設定する場合とで、厚みの増加量に対するノイズ低減効果が小さくなることが確認できる。このように、厚みの増加量とノイズ低減効果の大きさとに基づいて、発泡体層600aの厚みLを決定するとよい。本実施形態では、1.0mm以上2.0mm以下の範囲で、発泡体層600aの厚みLを設定することで、撮像装置10の大型化を抑えつつ、効率的且つ低コストにノイズ対策を行うことができる。
【0084】
以上のように、本実施形態によれば、低コストの発泡体で構成される発泡体層600aを有する空間形成部材600により、フレキシブル基板270aと本体補強部500との接触を防止する。よって、フレキシブル基板270aと金属板である本体補強部500の接触により生じる電気的結合を原因としたEMIの問題を低コストで解決することができる。
【0085】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述したが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。また、上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0086】
10…撮像装置
100…制御基板
200…像ブレ補正ユニット
200a…可動ユニット
200b…支持ユニット
270a…第一フレキシブル基板
400…ベース部材
500…本体補強部
500a…穴部
600…空間形成部材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12