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特許7580967研磨材噴射装置、研磨材の噴射方法、物品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】研磨材噴射装置、研磨材の噴射方法、物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B24C 5/02 20060101AFI20241105BHJP
【FI】
B24C5/02 Z
B24C5/02 C
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020133340
(22)【出願日】2020-08-05
(65)【公開番号】P2022029820
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中須 祥浩
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-236674(JP,A)
【文献】実開平01-121651(JP,U)
【文献】特開2011-245597(JP,A)
【文献】特開平02-172669(JP,A)
【文献】特開2017-189841(JP,A)
【文献】特開2004-359544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24C 1/00 - 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨材を供給する研磨材供給部と、
前記研磨材供給部から噴射ノズルの導入管に研磨材を輸送可能で、前記噴射ノズルが前記研磨材供給部に対して移動する際に変形可能な管路と、
導入室と、前記導入室と前記管路とを接続する導入管と、前記導入室に導入された研磨材とエア流を混合する混合室と、を有し、前記研磨材供給部に対して移動可能に支持された噴射ノズルと、を備え、
前記導入管は、
前記導入室と接続される第1屈曲部と、前記管路と接続される第2屈曲部と、
前記第1屈曲部と前記第2屈曲部とを接続する直線領域と、を有し、
前記直線領域を第2直線領域とした場合、前記第1屈曲部は第1直線領域を介して前記導入室に接続され、前記第2屈曲部は第3直線領域を介して前記管路に接続される、
ことを特徴とする研磨材噴射装置。
【請求項2】
前記第2直線領域の第2中心線を延長した場合、前記第2中心線が、前記導入室の外で前記噴射ノズルが有する駆動流噴射管の第4中心線または前記第4中心線の延長線と交差し、
前記第1直線領域の第1中心線を延長した場合、前記第1中心線が、前記導入室の内で前記第4中心線と交差し、
前記第3直線領域の第3中心線が、前記第4中心線と平行な方向に配置される、
ことを特徴とする請求項に記載の研磨材噴射装置。
【請求項3】
前記第1屈曲部または前記第2屈曲部には、曲がり角度が80度以上で100度以下である屈曲部が含まれる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の研磨材噴射装置。
【請求項4】
前記導入管における流路断面積の最大値と最小値の中央を中心値とした時、前記最大値は中心値の120%以下で、かつ前記最小値は中心値の80%以上である、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の研磨材噴射装置。
【請求項5】
前記導入管は、前記噴射ノズルが前記研磨材供給部に対して移動する際に変形しない剛性を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の研磨材噴射装置。
【請求項6】
変形可能な管路を介して研磨材供給部から供給される研磨材を導入室に導入する導入管と、前記導入室に導入された研磨材とエア流を混合する混合室と、を有する噴射ノズルを、前記研磨材供給部に対して移動させて、前記噴射ノズルから研磨材を噴射する研磨材の噴射方法であって、
前記導入管は、
前記導入室と接続される第1屈曲部と、前記管路と接続される第2屈曲部と、
前記第1屈曲部と前記第2屈曲部とを接続する直線領域と、を有し、
前記直線領域を第2直線領域とした場合、前記第1屈曲部は第1直線領域を介して前記導入室に接続され、前記第2屈曲部は第3直線領域を介して前記管路に接続される、
ことを特徴とする研磨材の噴射方法。
【請求項7】
前記第2直線領域の第2中心線を延長した場合、前記第2中心線が、前記導入室の外で前記噴射ノズルが有する駆動流噴射管の第4中心線または前記第4中心線の延長線と交差し、
前記第1直線領域の第1中心線を延長した場合、前記第1中心線が、前記導入室の内で前記第4中心線と交差し、
前記第3直線領域の第3中心線が、前記第4中心線と平行な方向に配置される、
ことを特徴とする請求項に記載の研磨材の噴射方法。
【請求項8】
前記第1屈曲部または前記第2屈曲部には、曲がり角度が80度以上で100度以下である屈曲部が含まれる、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の研磨材の噴射方法。
【請求項9】
前記導入管における流路断面積の最大値と最小値の中央を中心値とした時、前記最大値は中心値の120%以下で、かつ前記最小値は中心値の80%以上である、
ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の研磨材の噴射方法。
【請求項10】
前記導入管は、前記噴射ノズルが前記研磨材供給部に対して移動する際に変形しない剛性を有する、
ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の研磨材の噴射方法。
【請求項11】
変形可能な管路を介して研磨材供給部から供給される研磨材を導入室に導入する導入管と、前記導入室に導入された研磨材とエア流を混合する混合室と、を有する噴射ノズルを前記研磨材供給部に対して移動させて、前記噴射ノズルから研磨材をワークに向けて噴射する物品の製造方法であって、
前記導入管は、前記導入室と接続される第1屈曲部と、前記管路と接続される第2屈曲部と、
前記第1屈曲部と前記第2屈曲部とを接続する直線領域と、を有し、
前記直線領域を第2直線領域とした場合、前記第1屈曲部は第1直線領域を介して前記導入室に接続され、前記第2屈曲部は第3直線領域を介して前記管路に接続される、
ことを特徴とする物品の製造方法。
【請求項12】
前記第2直線領域の第2中心線を延長した場合、前記第2中心線が、前記導入室の外で前記噴射ノズルが有する駆動流噴射管の第4中心線または前記第4中心線の延長線と交差し、
前記第1直線領域の第1中心線を延長した場合、前記第1中心線が、前記導入室の内で前記第4中心線と交差し、
前記第3直線領域の第3中心線が、前記第4中心線と平行な方向に配置される、
ことを特徴とする請求項11に記載の物品の製造方法。
【請求項13】
前記第1屈曲部または前記第2屈曲部には、曲がり角度が80度以上で100度以下である屈曲部が含まれる、
ことを特徴とする請求項11または12に記載の物品の製造方法。
【請求項14】
前記導入管における流路断面積の最大値と最小値の中央を中心値とした時、前記最大値は中心値の120%以下で、かつ前記最小値は中心値の80%以上である、
ことを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の物品の製造方法。
【請求項15】
前記導入管は、前記噴射ノズルが前記研磨材供給部に対して移動する際に変形しない剛性を有する、
ことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の物品の製造方法。
【請求項16】
前記噴射ノズルを移動する際、前記ワークのそれぞれの加工位置において、前記噴射ノズルの滞留時間あるいは移動速度を制御して、それぞれの加工位置における加工量を制御する、
ことを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の物品の製造方法。
【請求項17】
前記噴射ノズルを移動する際、前記ワークのそれぞれの加工位置における前記噴射ノズルと前記ワークの距離を制御して、それぞれの加工位置における加工量を制御する、
ことを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨材噴射装置、研磨材噴射方法などに関する。より詳しくは、圧縮空気等の駆動流と研磨材とを混合管内で混合し、被加工物に研磨材を噴射するサクション式の研磨材噴射装置や研磨材噴射方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、圧縮空気と共に研磨材を噴射してワークを加工するブラスト加工装置が知られている。ブラスト加工装置は、さびや皮膜の剥離をはじめとする表面清浄化処理、バリ取りをはじめとする整形処理、梨地加工をはじめとする粗面化処理、ウエハや基板の表面を平坦化するための研磨処理など、様々な用途で活用されている。
【0003】
ブラスト加工においては、例えば、噴射ノズルの移動速度を制御したり、噴射ノズルとワーク(被加工物)の距離を制御して、加工量(研削量)を調整することが行われている。前者は、滞留時間制御などと呼ばれ、ワーク上において研削量を大きくしたい位置では噴射ノズルの移動速度を遅くして滞留時間を大きくする一方、研削量を小さくしたい位置では噴射ノズルの移動速度を速くして滞留時間を小さくする方法である。また、後者は、ワーク上において研削量を大きくしたい位置では噴射ノズルとワークの距離を小さくし、研削量を小さくしたい位置では噴射ノズルとワークの距離を大きくする方法である。
【0004】
近年では、ブラスト加工の加工精度を高めることが要求されており、噴射ノズルから研磨材を噴射する際に、単位時間あたりに噴射される研磨材量を安定化することが求められている。噴射ノズルの滞留時間を制御する場合でも、噴射ノズルとワークの距離を制御する場合でも、研磨材の噴射量が時間的に変動すると、研削量に過不足が生じてしまい、加工精度が低下してしまうからである。
【0005】
特許文献1には、研磨材タンクから研磨材搬送路に供給する研磨材の量を安定化させるため、研磨材タンク内にあって水平回転する回転ディスクに、計量孔を等間隔に設けた研磨材供給装置が開示されている。特許文献1に記載された研磨材供給装置は、サクション式研磨材噴射ノズルに研磨材を安定的に供給するための装置である。ここで、サクション式研磨材噴射ノズルとは、研磨材を研磨材導入室内に負圧で吸引し、混合管内で研磨材と圧縮空気等の駆動流と混合して、被加工物に向けて噴射する研磨材噴射ノズルのことである。以下、研磨材噴射ノズルと記載した場合には、特段のただし書きがない限り、サクション式研磨材噴射ノズルを指すものとする。
【0006】
一方で、近年では、ブラスト加工の応用範囲が広がり、ワーク(被加工物)の大きさや形状が多岐にわたるようになってきている。ブラスト加工装置では、噴射ノズルとワークの相対位置を変更することにより加工位置を変更するが、噴射ノズルを固定してワークを移動させるか、ワークを固定して噴射ノズルを移動させるか、両者を移動させるかのいずれかを行うことになる。ワークが小型であれば、噴射ノズルを固定してワークを移動させてもよいが、ワークが大型の場合には、噴射ノズルを移動させる方がブラスト加工装置の小型化などの面で有利である。
【0007】
特許文献2には、サンドブラストノズルをX、Y軸方向に任意に移動できる構造を備え、対角長が500mm以上の大型基板を加工する際に、サンドブラストノズルを基板保持台に対して平行に移動させる装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2008-264912号公報
【文献】特開2004-359544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2には、サンドブラストノズルがX、Y軸方向に任意に移動できる構造を備えている旨は記載されているが、ノズルの構造や、ノズルへの研磨材の供給方法については、何ら具体的なことが開示されていない。
【0010】
研磨材噴射ノズルを移動可能に構成する場合には、研磨材噴射ノズルに研磨剤を供給する方法が問題となる。理論的には、研磨材を貯留している研磨材タンクを研磨材噴射ノズルと一体に移動させることも考えられるが、重量および体積が大きな研磨材タンクを研磨材噴射ノズルとともに移動させるのは、装置構成として現実的ではない。
【0011】
そこで、重量および体積が大きな研磨材タンクを固定し、研磨材タンクと研磨材噴射ノズルを柔軟な管で接続し、その管を経由して研磨材タンクから研磨材噴射ノズルに研磨材を供給しながら研磨材噴射ノズルを移動させることが行われる。
係る装置において、特許文献1に開示された方法を適用して、研磨材タンクから管(研磨材搬送路)に供給する研磨材の量を安定化させることも可能である。
【0012】
しかしながら、研磨材噴射ノズルをワークに対して移動させた際、研磨材噴射ノズルと研磨材タンクを接続する管の引き回し(姿勢)が変わると、研磨材噴射ノズルからの研磨材の噴射状態が変化するという現象が生じていた。すなわち、研磨材噴射ノズルの位置を移動させることにより、ワークに対する研削レート(単位時間当たりの加工量)が変動してしまい、ブラスト加工の制御性や精度が低下してしまう問題があった。
【0013】
そこで、研磨材噴射ノズルをワークに対して移動させても、研磨材噴射ノズルからの研磨材の噴射状態が安定しており、研削レートの変動が抑制された研磨材噴射装置の実現が期待されていた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の態様は、研磨材を供給する研磨材供給部と、前記研磨材供給部から噴射ノズルの導入管に研磨材を輸送可能で、前記噴射ノズルが前記研磨材供給部に対して移動する際に変形可能な管路と、導入室と、前記導入室と前記管路とを接続する導入管と、前記導入室に導入された研磨材とエア流を混合する混合室と、を有し、前記研磨材供給部に対して移動可能に支持された噴射ノズルと、を備え、前記導入管は、前記導入室と接続される第1屈曲部と、前記管路と接続される第2屈曲部と、前記第1屈曲部と前記第2屈曲部とを接続する直線領域と、を有し、前記直線領域を第2直線領域とした場合、前記第1屈曲部は第1直線領域を介して前記導入室に接続され、前記第2屈曲部は第3直線領域を介して前記管路に接続される、ことを特徴とする研磨材噴射装置である。
【0015】
また、本発明の第2の態様は、変形可能な管路を介して研磨材供給部から供給される研磨材を導入室に導入する導入管と、前記導入室に導入された研磨材とエア流を混合する混合室と、を有する噴射ノズルを、前記研磨材供給部に対して移動させて、前記噴射ノズルから研磨材を噴射する研磨材の噴射方法であって、前記導入管は、前記導入室と接続される第1屈曲部と、前記管路と接続される第2屈曲部と、前記第1屈曲部と前記第2屈曲部とを接続する直線領域と、を有し、前記直線領域を第2直線領域とした場合、前記第1屈曲部は第1直線領域を介して前記導入室に接続され、前記第2屈曲部は第3直線領域を介して前記管路に接続される、ことを特徴とする研磨材の噴射方法である。
【0016】
また、本発明の第3の態様は、変形可能な管路を介して研磨材供給部から供給される研磨材を導入室に導入する導入管と、前記導入室に導入された研磨材とエア流を混合する混合室と、を有する噴射ノズルを前記研磨材供給部に対して移動させて、前記噴射ノズルから研磨材をワークに向けて噴射する物品の製造方法であって、前記導入管は、前記導入室と接続される第1屈曲部と、前記管路と接続される第2屈曲部と、前記第1屈曲部と前記第2屈曲部とを接続する直線領域と、を有し、前記直線領域を第2直線領域とした場合、前記第1屈曲部は第1直線領域を介して前記導入室に接続され、前記第2屈曲部は第3直線領域を介して前記管路に接続される、ことを特徴とする物品の製造方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、研磨材噴射ノズルをワークに対して移動させても、研磨材噴射ノズルからの研磨材の噴射状態が安定しており、研削レートの変動が抑制された研磨材噴射装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る研磨材噴射装置を搭載したブラスト加工装置の概略構成を示す模式図。
図2】実施形態に係る研磨材噴射ノズルの構成を示す図。
図3】実施形態に係る研磨材噴射ノズルの剛配管を説明するための図。
図4】比較対象としてのブラスト加工装置の概略構成を示す模式図。
図5】実施形態に係るブラスト加工装置と、比較対象としてのブラスト加工装置を比較した実験の結果を示す図。
図6】実施形態に係る研磨材噴射ノズル内における研磨材の挙動を説明するための模式図。
図7】比較対象としての研磨材噴射ノズル内における研磨材の挙動を説明するための模式図。
図8】実施形態に係る研研磨材噴射ノズルの主要諸元の一例を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面を参照して、本発明の実施形態である研磨材噴射装置を備えたブラスト加工装置等について説明する。
尚、以下の実施形態及び実施例の説明において参照する図面では、特に但し書きがない限り、同一の参照番号を付して示す要素は、同一又は類似の機能を有するものとする。
【0020】
図1を参照して、本実施形態にかかる研磨材噴射装置を搭載したブラスト加工装置の概略構成を説明する。
ブラスト加工装置50は、研磨材を噴射してワーク100の加工をおこなう研磨材噴射ノズル10と、研磨材噴射ノズル10に研磨材を供給する研磨材供給装置20とを備えている。研磨材噴射ノズル10は、ワーク100および研磨材供給装置20に対して相対移動を可能ならしめる移動手段(不図示)により移動可能に支持されている。移動手段の構成は任意であるが、研磨材噴射ノズル10を、X方向、Y方向、Z方向、θ方向の中の一部あるいは全てについて移動可能ならしめる機構を採用することができる。
【0021】
研磨材供給装置20と研磨材噴射ノズル10は、直列接続された柔配管30と剛配管14により連結されており、これらの配管を経由して研磨材供給装置20から研磨材噴射ノズル10に研磨材が供給される。柔配管30と剛配管14は直列に接続されており、柔配管30は研磨材供給装置20側に、剛配管14は研磨材噴射ノズル10側に研磨材噴射ノズル10と一体に設けられている。剛配管14は、研磨材噴射ノズル10の一部と見なすことができる。
【0022】
ここで、柔配管とは、柔軟に変形可能で、変形しても管路が閉塞されることなく研磨材を輸送可能な配管を意味し、例えばウレタンやナイロン等の樹脂製のチューブを用いた配管を指す。研磨材が管内を流動する際の帯電を防止するために、柔配管30は導電性を有するチューブで構成してもよい。研磨材噴射ノズル10がワーク100の被加工領域を移動する際に、管路が閉塞することなく維持され、しかも弾性反力や慣性重量が過大にならず、繰り返しの変形に対して耐久性を持つように、柔配管30の材質、内径、肉厚、長さ等は適宜設定される。例えばメートルサイズの大きなワーク100を加工する装置でも、柔軟で引き回しの自由度が高い柔配管30を設定することができる。
【0023】
また、剛配管とは、高剛性の材料により形成された管路で、研磨材噴射ノズル10が移動する際に柔配管30から力を受けても、実質的に変形しないだけの剛性を備えた配管を指す。必要な剛性を備えていれば、銅や真鍮などの金属材料や、樹脂材料などを用いて形成することができる。本発明は、剛配管の形状に特徴があるが、これについては後に詳述する。
【0024】
研磨材供給部としての研磨材供給装置20は、研磨材1を貯留するタンク21と、研磨材1を研磨材排出部24に向けて送り出すスクリュー22と、スクリュー22を回転させるモータ23と、を備えている。モータ23を用いてスクリュー22を回転させることで、タンク21内に貯蔵された研磨材1を、研磨材排出部24に押し出すことができる。研磨材排出部24に押し出された研磨材は、柔配管30および剛配管14を通して、研磨材噴射ノズル10に供給(輸送)される。
【0025】
研磨材供給装置20は、研磨材を一定の供給レートで供給可能であるのが望ましいが、制御精度を高めるために、種々の制御手段を備えることができる。例えば、タンク21に研磨材上面の位置を計測できる粉体レベル計を設け、粉体レベル計の計測値に応じて、種々のパラメータを制御する機能を有していてもよい。ここで、種々パラメータとは、例えば、モータ23の回転数や、研磨材噴射ノズル10の駆動流噴射管12に供給する圧縮気体の圧力等である。尚、研磨材供給装置20は、前述したスクリュー回転方式に限定されるものではなく、計量機能を備えたベルトフィーダー方式等の他の方式であっても構わない。
【0026】
次に、研磨材噴射ノズル10について、図2を参照して詳述する。研磨材噴射ノズル10は、研磨材導入室11と、駆動流噴射管12と、混合室としての混合管13と、導入管としての剛配管14と、を備えている。
【0027】
ここで、剛配管14とは、前述したように、研磨材噴射ノズル10が移動する際に柔配管30から力を受けても、実質的に変形しないだけの剛性を備えた管である。導入管としての剛配管14は、一端は柔配管30に接続され、他の一端は開口が研磨材導入室11に臨むように研磨材噴射ノズル10の本体に固定されている。
【0028】
駆動流噴射管12は、一端は不図示のエアチューブに接続され、他の一端は研磨材導入室11内に挿入され、先端が混合管13と所定の距離だけ離間するように、研磨材噴射ノズル10の本体に固定されている。エアチューブは、柔配管30と同様に柔軟に変形可能で、変形しても管路が閉塞されることがない配管である。エアチューブは、不図示の圧縮気体供給源と接続されており、駆動流噴射管12は研磨材導入室11に向かって気流を噴出させる機能を有している。
【0029】
混合室としての混合管13は、研磨材噴射ノズル10のノズル先端部分を構成しており、剛配管14から研磨材導入室11に導入された研磨材と、駆動流噴射管12から噴射されるエア流を、管内にて混合して先端からワーク100に向けて噴射する管である。混合管13は、中心線が駆動流噴射管12の中心線と同一直線上に配置されるように位置決めされ、研磨材導入室11に固定されている。
【0030】
図1に戻り、駆動流噴射管12から、所定の間隔を隔てて配置された混合管13に向けて気流が噴射されると、研磨材導入室11内は負圧になる。研磨材排出部24は、剛配管14および柔配管30を介して研磨材導入室11と接続されているが、研磨材導入室11が負圧になると、大気に解放されている研磨材排出部24の開口OHから空気が流入する。その結果、柔配管30および剛配管14内を通じて、研磨材排出部24から研磨材導入室11に向かう気流が生じる。この空気の流れにより、スクリュー22により研磨材排出部24に押し出された研磨材が、研磨材導入室11に向けて輸送される。
【0031】
研磨材供給装置20から、柔配管30及び剛配管14を通して、研磨材導入室11に導入された研磨材は、駆動流噴射管12と混合管13の隙間を通じて、混合管13内に引き込まれる。混合管13に引き込まれた研磨材は、駆動流噴射管12から噴射された気流と混合され、ワーク100に向かって噴射され、ワーク100を加工する。
【0032】
尚、図1には示していないが、ブラスト加工装置50には、研磨材噴射ノズル10から噴射された研磨材を回収して、タンク21に循環させるため、集塵機や分級機等で構成される回収循環機構を設けてもよい。
【0033】
(剛配管の形状)
次に、本実施形態の特徴的部分である剛配管の形状と、その作用について説明する。図3は、本実施形態に係る剛配管14の形状を説明するため、研磨材噴射ノズル10を拡大して示した拡大図である。
【0034】
本発明に係る研磨材噴射装置においては、剛配管には管路中に曲がった部分が設けられており、剛配管は、柔配管側の端部(第1開口)から研磨材導入室側の端部(第2開口)が見えないような管形状を有している。言い換えれば、柔配管側の第1開口の任意の一点と、研磨材導入室側の第2開口の任意の一点を結ぶ線分は、必ず管壁と交差するような管形状を剛配管は有している。
【0035】
図3に示すように、本実施形態に係る剛配管14は、研磨材導入室11側から順に第1直線領域、第1屈曲部、第2直線領域、第2屈曲部、第3直線領域が連結した形状を有している。剛配管14の柔配管側の端部には研磨材の入口としての第1開口141が、研磨材導入室側の端部には研磨材の出口としての第2開口142が、設けられている。
【0036】
本実施形態では、第1直線領域は、その中心線を延長すると、研磨材導入室11内で駆動流噴射管12の中心線と交差する向きに配置されている。また、第2直線領域は、その中心線を延長すると、研磨材導入室11外で駆動流噴射管12の中心線あるいはその延長線と交差する向きに配置されている。また、第3直線領域は、その中心線が駆動流噴射管12の中心線と平行になる向きに配置されている。
【0037】
図3に模式的に示したように、観察者が第1開口141を通して管内をどのような角度から観察したとしても、視線が剛配管14の管壁に遮られるため、観察者は第2開口142を直接視認することはできない。言い換えれば、第1開口141の開口面内の一点と第2開口142の開口面内の一点とを結ぶ任意の線分CLが、必ず剛配管14の管壁と交差するように、剛配管14の内径、屈曲部の数、屈曲部の曲がり角度と曲率半径、直線領域の長さが設定されている。
【0038】
剛配管14の内径は、管内の局所に研磨材が滞留するのを抑制するために、管路に沿って均一性が高いのが望ましい。具体的には、直線領域と屈曲部を通じて、どの部分の流路断面積も、中心値の120%以下で、かつ中心値の80%以上であるのが望ましい。尚、中心値とは、剛配管14の管路を通じて流路断面積を計測した時の最大値と最小値の中央の値を指す。言い換えれば、管路における流路断面積の最大値は中心値の120%以下であり、かつ最小値は中心値の80%以上である。
【0039】
屈曲部の数については、本実施形態では、第1屈曲部と第2屈曲部を設けて2としたが、柔配管側の第1開口の任意の点と、研磨材導入室側の第2開口の任意の点を結ぶ線分が必ず剛配管の管壁と交差する限りにおいて、この例に限られるわけではない。すなわち、屈曲部の数は、1でもよいし3以上でもよい。
【0040】
一直線を曲がり角0度と定義した時、屈曲部の曲がり角度については、80度以上で100度以下であるのが望ましい。曲がり角度が80度未満であると、後述する攪拌効果が小さくなってしまい、研磨材噴射ノズルをワークに対して移動させた時の研削レートの変動が十分に抑制されなくなる可能性があるからである。また、100度以上であると、研磨材を吸引する圧力の損失が大きくなり、研磨材の供給量が小さくなってしまい、ブラスト加工装置の加工速度が低下してしまうからである。屈曲部を複数箇所に設ける場合には、少なくとも1つの屈曲部の曲がり角度を前記角度範囲内とし、他の屈曲部の曲がり角度は80度未満としてよい。吸引圧力の過度の損失を抑制するためである。本実施形態では、柔配管30に近い側の第2屈曲部の曲がり角度を90度とし、第1屈曲部の曲がり角度を45度としている。
【0041】
屈曲部の曲率半径については、製造誤差を勘案したうえ、前述した流路断面積の均一性が担保される範囲で、管路の中心線の曲率半径を定めればよい。製造方法にもよるが、内周側に皺が形成されたり、外周側の肉厚が薄くなりすぎないように、曲率半径を設定する。
直線領域の長さについては、柔配管との接続強度確保、研磨材導入室11との接続強度確保、研磨材噴射ノズル10の軽量化と小型化、等を勘案して定めることができる。
【0042】
(剛配管の作用)
上述した形状の剛配管がもたらす作用について、図面を参照して説明する。理解を容易にするため、屈曲部を持たない直線状の剛配管を備えたブラスト加工装置(比較対象)と比較しながら説明する。
【0043】
図4は、比較対象としてのブラスト加工装置1050の概略構成を示す模式図である。実施形態として図1に示したブラスト加工装置50と共通する部分については、図4では同一の参照番号を付して図示し、詳細な説明を省略する。
【0044】
比較対象のブラスト加工装置1050は、実施形態とは研磨材噴射ノズルが異なっており、具体的には研磨材導入室に研磨材を導入する剛配管の形状が異なる。すなわち、比較対象の研磨材噴射ノズル1010の剛配管1014は、直線的な管路のみで構成され、屈曲部を有していない。このため、観察者が第1開口10141(研磨材の入口)を通して管内を観察した時に、視線が剛配管1014の管壁に遮られずに第2開口10142(研磨材の出口)を見通すことができる観察位置が必ず存在する。言い換えれば、剛配管1014の管壁と交差することなく、第1開口10141の開口面内の1点と第2開口10142の開口面内の1点とを接続可能な線分CL10が、必ず存在する。
【0045】
図1に示す実施形態のブラスト加工装置50と、図4に示す比較対象のブラスト加工装置1050を用いて、同一形態のワークに対して同一条件で研削加工をする実験を実施した。すなわち、ワーク100との距離を一定に保ちながら一定の速度で研磨材噴射ノズルを走査し、ワーク100の所定の加工領域を一定の深さで研削する実験を行った。
【0046】
図5に、実験結果を示すが、グラフの横方向の位置は、ワークに対する研磨材噴射ノズルの走査位置を示しており、図1あるいは図4において研磨材噴射ノズルが左側に位置するほど、図5のグラフでは左側にプロットされている。また、グラフの縦軸は、研削加工結果における目標加工深さに対する変化割合を示している。比較対象については点線のグラフで示し、実施形態については実線のグラフで示している。
【0047】
例えば、比較対象の点線グラフ左端のP1は、図4において研磨材噴射ノズルが加工領域の左端に位置した際の加工結果を示し、点線グラフ右端のP2は、図4において研磨材噴射ノズルが加工領域の右端に位置した際の加工結果を示している。
同様に、実施形態の実線グラフ左端のEP1は、図1において研磨材噴射ノズルが加工領域の左端に位置した際の加工結果を示し、実線グラフ右端のEP2は、図1において研磨材噴射ノズルが加工領域の右端に位置した状態における加工結果を示している。
【0048】
図5のグラフから、比較対象では、P1の位置では加工深さが-11.2%となり、P2の位置では加工深さが+7.5%となっているのがわかる。一方、実施形態では、加工深さの変化は、プラスマイナス1%以内に抑制されているのがわかる。
グラフに示されたように、実施形態では、研磨材噴射ノズルの位置を移動させても研削加工の深さの変化は極めて微小であるが、比較対象では、研磨材噴射ノズルの位置を移動させると研削加工の深さが顕著に変動する。つまり、実施形態と比較対象とを比べると、研磨材噴射ノズルをワークに対して移動させた時に、研磨材噴射ノズルからワークに向かって噴射される研磨材の噴射状態は、実施形態の方が安定しており、研削レートの変動が抑制されているのである。
【0049】
ところで、実施形態と比較対象では、研磨材噴射ノズルが同一の位置にある限り、柔配管30の引き回し状態は同一のはずである。それにもかかわらず、研削レートの変動に違いが生じるのは、実施形態と比較対象の研磨材噴射ノズルでは、剛配管に流入した後の研磨材の挙動が異なり、ノズル先端からワークに向けて噴射される噴流の状態が異なるからである。
【0050】
図6は、実施形態に係る研磨材噴射ノズル内における研磨材の挙動を説明するための模式図であり、左側に図5のグラフにおけるEP1と対応する状態が示され、右側に図5のグラフにおけるEP2と対応する状態が示されている。また、図7は、比較対象の研磨材噴射ノズル内における研磨材の挙動を説明するための模式図であり、左側に図5のグラフにおけるP1と対応する状態が示され、右側に図5のグラフにおけるP2と対応する状態が示されている。
【0051】
研磨材噴射ノズルがワークおよびタンク21(研磨材供給部)に対して移動すると、柔配管30の引き回し状態が変化し、柔配管30内における研磨材の流動状態が変化し、剛配管の第1開口を通過する際の研磨材の流路断面内分布は変化する。図5のグラフの下側には、剛配管の第1開口を通過する際の研磨材の流路断面内における分布が模式的に示されている。例えば、実施形態におけるP1および比較対象におけるEP1の位置では、研磨材は、第1開口の中で研磨材導入室11から遠い側を通過して多く流入する。一方、実施形態におけるP2および比較対象におけるEP2の位置では、研磨材は第1開口の中で研磨材導入室11に近い側を通過して多く流入する。そして、両者の中間の位置においては、柔配管30の引き回し方向が剛配管の導入部の管方向とストレートになるため、研磨材は第1開口の流路断面内のほぼ全面を通過して流入する。
【0052】
比較対象の研磨材噴射ノズルでは、剛配管1014は屈曲部を有さないため、研磨材は剛配管1014の第1開口10141を通過した時の流路断面内分布のまま、研磨材導入室11に導入される。したがって、図7に示すように、P1とP2の位置では研磨材導入室11内における研磨材の分布状態が大きく異なり、研磨材導入室11から混合管13への研磨材の注入のされ方に差異が生じる。P1の位置では、混合管13からワークに向けて噴射される噴流の中で図7の左側に研磨材が偏在し、P2の位置では、ワークに向けて噴射される噴流の中で図7の右側に研磨材が偏在する。このように、混合管13からワークに向けて噴射される噴流の状態が、研磨材噴射ノズルの位置に依存して異なるため、比較対象の研磨材噴射ノズルでは、その位置に依存して加工レートの変動が生じていたのである。
【0053】
これに対して、実施形態の研磨材噴射ノズルの剛配管14は、前述した屈曲形状を備えているため、剛配管内において流れを攪拌する作用が生じる。そのため、第1開口141を通過した時の流路断面内分布よりも均一化された状態で、研磨材が研磨材導入室11に導入される。図6に示すように、90度の曲がり角度を有する第2屈曲部を通過すると、気流により攪拌効果が生じるため、流路断面内の研磨材の分布(偏在)は大幅に低減される。
【0054】
従って、研磨材噴射ノズルの位置がEP1からEP2に移動しても、図示のように、剛配管14から研磨材導入室11内に導入される研磨材の空間的分布の変化は極めて小さく、研磨材導入室11から混合管13への研磨材の注入のされ方が一定している。したがって、混合管13からワークに向けて噴射される噴流の状態は、研磨材噴射ノズルの位置に依存せずに一定したものとなる。このため、実施形態では研磨材噴射ノズルの位置を移動させても、加工レートの変動が極めて小さかったのである。
【0055】
本実施形態の研磨材噴射ノズルによれば、研磨材噴射ノズルを移動させて柔配管を引き回しても、単位時間当たりの研削量(研削レート)の変動が抑制されている。このため、研磨材噴射ノズルの移動速度や、研磨材噴射ノズルとワーク(被加工物)の距離を制御することにより、容易かつ高精度にワークの場所ごとの加工量(研削量)を調整することが可能である。
【0056】
図8に、本実施形態の研磨材噴射ノズルの主要諸元の一例と、滞留時間制御を行う場合の走査条件の一例を示す。図8に主要諸元を示した研磨材噴射ノズルを搭載したブラスト加工装置は、例えば、ウエハの厚みを均一化する加工処理に用いることができる。事前にウエハの厚み分布を測定しておき、厚みが厚い部分は加工量を多く、薄い部分は加工量を少なくすることで、ウエハの厚みを均一化できる。実施形態の研磨材噴射ノズルは、ウエハ上を移動して柔配管の引き回しが変わったとしても単位時間あたりの加工量が変化しない。そのため、ウエハ上の位置ごとの滞留時間あるいは移動速度を変化させることによって、位置ごとの加工量を高精度に調整することができ、ウエハの厚みを高精度に均一化することができる。
【0057】
[他の実施形態]
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
【0058】
例えば、剛配管は、研磨材噴射ノズルが移動する際に柔配管から力を受けても、実質的に変形しないだけの剛性を備えるのが望ましいが、変形が全く許容されないわけではない。変形したとしても、入口における流路断面の任意の一点と、出口における流路断面の任意の一点とを結ぶ線分が、必ず管壁と交差する形状が維持される限りにおいて、変形しても差し支えない。あるいは、変形したとしても、管路に設けられた少なくとも1つの屈曲部の曲がり角度が、80度以上で100度以下の範囲内に維持される限りにおいて、変形しても差し支えない。
【0059】
また、実施形態にかかる研磨材噴射ノズルを搭載したブラスト加工装置は、ウエハの加工に限らず、柔配管の引き回しが大きく変わるような大面積ワークの加工に好適に用いることができる。さびや皮膜の剥離をはじめとする表面清浄化処理、バリ取りをはじめとする整形処理、梨地加工をはじめとする粗面化処理、ウエハや基板の表面を平坦化するための研磨処理など、種々の物品の製造や加工に用いることができる。
【符号の説明】
【0060】
1・・・研磨材/10・・・研磨材噴射ノズル/11・・・研磨材導入室/12・・・駆動流噴射管/13・・・混合管/14・・・剛配管/20・・・研磨材供給装置/21・・・タンク/22・・・スクリュー/23・・・モータ/24・・・研磨材排出部/50・・・ブラスト加工装置/100・・・ワーク/141・・・第1開口/142・・・第2開口/1014・・・剛配管/10141・・・第1開口/10142・・・第2開口/CL・・・線分/CL10・・・線分/OH・・・開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8