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  • 特許-撮像装置、制御方法およびプログラム 図1
  • 特許-撮像装置、制御方法およびプログラム 図2
  • 特許-撮像装置、制御方法およびプログラム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】撮像装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/65 20230101AFI20241105BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20241105BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20241105BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20241105BHJP
   H04N 23/66 20230101ALI20241105BHJP
【FI】
H04N23/65
G03B17/02
G03B17/56 C
G03B17/56 J
H04N23/63 310
H04N23/66
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020136937
(22)【出願日】2020-08-14
(65)【公開番号】P2022032768
(43)【公開日】2022-02-25
【審査請求日】2023-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】阿部 享充
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-056862(JP,A)
【文献】特開2020-038267(JP,A)
【文献】特開2017-107725(JP,A)
【文献】特開2000-338578(JP,A)
【文献】特開2002-262168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/65
H04N 23/66
H04N 23/63
G03B 17/56
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
前記撮像装置に電力を供給する電源と通信する通信手段と、
クセサリー装置が接続される手段であって、前記電源からの電力を前記アクセサリー装置に供給することが可能な接続手段と、
前記電源と所定の通信が可能な場合には、前記電源の電力供給能力に関する情報を前記電源から取得するとともに、当該情報に基づき前記接続手段の供給可能電力を決定し、前記電源と前記所定の通信が可能でない場合は、一般的な電源の電力供給能力に対応した所定値に基づき前記接続手段の供給可能電力を決定する制御手段と
を有し、
前記制御手段は、決定された前記供給可能電力が所定の電力未満である場合に、前記アクセサリー装置が有する機能の少なくとも一部が制限されることをユーザに通知する制御を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記電源から前記接続手段への電流経路に設定値以上の電流が流れた場合に、前記電流経路を遮断する保護手段を有し、
前記制御手段は、決定された前記供給可能電力に基づき、前記設定値を変更することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記電源は、前記撮像装置に接続された電池、バッテリーグリップを介して前記撮像装置に接続された電池、前記撮像装置に接続された給電装置のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
クセサリー装置が接続される手段であって、撮像装置に電力を供給する電源からの電力を前記アクセサリー装置に供給することが可能な接続手段を有する撮像装置の制御方法であって、
記電源と通信するステップと、
前記電源と所定の通信が可能な場合には、前記電源の電力供給能力に関する情報を前記電源から取得するとともに、当該情報に基づき前記接続手段の供給可能電力を決定し、前記電源と前記所定の通信が可能でない場合は、一般的な電源の電力供給能力に対応した所定値に基づき前記接続手段の供給可能電力を決定するステップと
決定された前記供給可能電力が所定の電力未満である場合に、前記アクセサリー装置が有する機能の少なくとも一部が制限されることをユーザに通知する制御を行うステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項5】
クセサリー装置が接続される手段であって、撮像装置に電力を供給する電源からの電力を前記アクセサリー装置に供給することが可能な接続手段を有する撮像装置のコンピュータに、
記電源と通信するステップと、
前記電源と所定の通信が可能な場合には、前記電源の電力供給能力に関する情報を前記電源から取得するとともに、当該情報に基づき前記接続手段の供給可能電力を決定し、前記電源と前記所定の通信が可能でない場合は、一般的な電源の電力供給能力に対応した所定値に基づき前記接続手段の供給可能電力を決定するステップと
決定された前記供給可能電力が所定の電力未満である場合に、前記アクセサリー装置が有する機能の少なくとも一部が制限されることをユーザに通知する制御を行うステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電池の残量が大きいときにはビデオカメラおよびアクセサリー装置を通常モードで動作させ、電池の残量が小さいときにはビデオカメラまたはアクセサリー装置をパワーセーブモードで動作させるビデオカメラが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-262168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池パックから電池に関する情報が取得できれば、ビデオカメラのような撮像装置は、電池に関する情報に従って撮像装置の動作を制御することができる。しかしながら、何らかの理由によって撮像装置が電池パックと通信できず、電池パックから電池に関する情報が取得できなかった場合、撮像装置は、電池に関する情報に従って撮像装置の動作を制御することができないことが想定される。例えば、アクセサリー装置が接続される接続部(例えば、アクセサリーシュー)を介して電源からアクセサリー装置に供給される電力を適切に制御することができないことが想定される。
【0005】
そこで、本発明は、接続部(例えば、アクセサリーシュー)を介して電源からアクセサリー装置に供給される電力を適切に制御できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る撮像装置は、前記撮像装置に電力を供給する電源と通信する通信手段と、アクセサリー装置が接続される手段であって、前記電源からの電力を前記アクセサリー装置に供給することが可能な接続手段と、前記電源と所定の通信が可能な場合には、前記電源の電力供給能力に関する情報を前記電源から取得するとともに、当該情報に基づき前記接続手段の供給可能電力を決定し、前記電源と前記所定の通信が可能でない場合は、一般的な電源の電力供給能力に対応した所定値に基づき前記接続手段の供給可能電力を決定する制御手段とを有し、前記制御手段は、決定された前記供給可能電力が所定の電力未満である場合に、前記アクセサリー装置が有する機能の少なくとも一部が制限されることをユーザに通知する制御を行う
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、接続部(例えば、アクセサリーシュー)を介して電源からアクセサリー装置に供給される電力を適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1における撮像装置100の構成要素を説明するためのブロック図である。
図2】選択電源からアクセサリー装置200に電力を供給するための処理を説明するためのフローチャートである。
図3】撮像装置100の表示部105に表示されるメッセージの例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
[実施形態1]
図1は、実施形態1における撮像装置100の構成要素を説明するためのブロック図である。撮像装置100は、アクセサリー装置200、バッテリーグリップ300および給電装置400の少なくとも一つを接続することができる。撮像装置100は、その内部に電池106を収納可能であり、バッテリーグリップ300は、その内部に電池301および電池302を収納可能である。電池106は、撮像装置100に接続可能である。電池301および電池302はいずれも、バッテリーグリップ300を介して撮像装置100に接続可能である。撮像装置100の構成要素は、電池106、電池301、電池302または給電装置400から供給される電力で動作可能である。図1においては、実線は電力供給線を示し、点線は通信線を示す。
【0011】
アクセサリーシュー101は、アクセサリー装置200が接続される接続部である。電源部103は、アクセサリーシュー101を介してアクセサリー装置200への電力供給が可能である。制御部102は、アクセサリーシュー101を介してアクセサリー装置200の機能部201との通信が可能である。
【0012】
制御部102は、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより、撮像装置100の構成要素を制御するハードウエアプロセッサとして動作する。制御部102は、アクセサリー装置200、電池106、電池301、電池302、給電装置400およびバッテリーグリップ300のそれぞれと通信を行う。制御部102は、電源部103の供給可能電力、撮像装置100の消費電力、アクセサリーシュー101の供給可能電力をそれぞれ決定する。
【0013】
電源部103は、電源(電池106、電池301、電池302または給電装置400)から供給される電力を撮像装置100の構成要素のそれぞれに供給する。アクセサリーシュー101にアクセサリー装置200が接続されている場合、電源部103は、電源(電池106、電池301、電池302または給電装置400)から供給される電力を、アクセサリーシュー101を介してアクセサリー装置200に供給する。電源部103は、DC-DCコンバータなどの電圧変換回路により、撮像装置100の構成要素のそれぞれに供給される電圧を生成する。電池106、電池301および電池302はいずれも、リチウムイオン電池などの充電可能な電池である。
【0014】
過電流保護部104は、アクセサリーシュー101を介して電源部103からアクセサリー装置200に流れる電流を監視する。過電流保護部104は、設定値以上の電流がアクセサリーシュー101を介して電源部103からアクセサリー装置200に流れた場合は、電源部103からアクセサリー装置200への電流経路を遮断する。これにより、アクセサリーシュー101を介して電源部103からアクセサリー装置200に過電流が流れてしまうことを防止することができる。電源部103からアクセサリー装置200への電流経路の遮断を行うための設定値は、制御部102により変更可能である。アクセサリーシュー101を介して電源部103からアクセサリー装置200に流れる電流は、過電流保護部104が電流検出回路を用いて検出してもよい。また、アクセサリーシュー101を介して電源部103からアクセサリー装置200に流れる電流は、過電流保護部104が電源部103の供給可能電力と撮像装置100の消費電力とから計算してもよい。
【0015】
表示部105は、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示デバイスを有し、ユーザへのメッセージなどを表示する。
【0016】
アクセサリー装置200は、撮像装置100から取り外し可能な電子機器である。アクセサリー装置200は、ストロボ、ビデオライト、無線通信装置、マイク、ビューファインダーまたはモニタとして動作可能な電子機器である。アクセサリー装置200は、ストロボ、ビデオライト、無線通信装置、マイク、ビューファインダーまたはモニタとしての機能をユーザに提供する機能部201を有する。機能部201は、撮像装置100の制御部102と通信可能であり、アクセサリー装置200の消費電力を示す情報などを制御部102に送信する。
【0017】
バッテリーグリップ300は、撮像装置100から取り外し可能な電子機器である。バッテリーグリップ300には、電池301および電池302の少なくとも一つが接続される。バッテリーグリップ300は、電池301または電池302からの電力を撮像装置100に供給することができる。なお、図1においては、電池301および電池302が接続されるバッテリーグリップ300を示したが、これに限定されるものではなく、バッテリーグリップ300に接続される電池の数は1であっても3以上であってもよい。
【0018】
給電装置400は、撮像装置100から取り外し可能な電子機器である。撮像装置100は、例えば、USB(Universal Serial Bus) Typ-C規格およびUSB PD(Power Delivery)規格に準拠したUSBインターフェースを介して給電装置400と接続される。給電装置400は、撮像装置100に電力を供給する外部電源として動作することができる。給電装置400の制御部は、撮像装置100の制御部102と通信可能であり、給電装置400の電力供給能力に関する情報を制御部102に送信することができる。
【0019】
次に、図2を参照して、選択電源からアクセサリー装置200に電力を供給するための処理を説明する。この処理は、制御部102がメモリに記憶されたプログラムを実行することにより制御される。
【0020】
ステップS201において、制御部102は、選択電源と所定の通信が可能であるか否かを判定する。選択電源とは、電池106、電池301、電池302および給電装置400の中から撮像装置100の電源として選択された電源である。所定の通信とは、選択電源の種類、状態、残量、電力供給能力、スペックまたはメーカーに関する情報を取得するための通信であっても、選択電源が所定の電池または給電装置であるか否かを認証するための通信であってもよい。選択電源と所定の通信が可能であると判定した場合(ステップS201でYES)、制御部102はステップS202に進む。選択電源と所定の通信が可能でないと判定した場合(ステップS201でNO)、制御部102はステップS209に進む。
【0021】
ステップS202において、制御部102は、選択電源と通信し、選択電源に関する情報(選択電源の電力供給能力に関する情報を含む)を選択電源から取得する。選択電源の電力供給能力に関する情報には、選択電源が供給可能な電流値(1A、2Aなど)または電力値(10Wなど)が含まれている。さらに、ステップS202において、制御部102は、給電装置400と通信し、給電装置400に関する情報(給電装置400の電力供給能力に関する情報を含む)を給電装置400から取得する。給電装置400の電力供給能力に関する情報には、給電装置400が供給可能な電流値(1A、2Aなど)または電力値(10Wなど)が含まれている。
【0022】
ステップS203において、制御部102は、ステップS202で取得された選択電源の電力供給能力に基づいて、電源部103の供給可能電力を決定する。
【0023】
ステップS204において、制御部102は、撮像装置100の動作モードに基づいて撮像装置100の消費電力を決定する。
【0024】
ステップS205において、制御部102は、アクセサリーシュー101の供給可能電力を決定する。例えば、制御部102は、ステップS203で決定された電源部103の供給可能電力から、ステップS204で決定された撮像装置100の消費電力を減算することで、アクセサリーシュー101の供給可能電力を決定する。例えば、電源部103の供給可能電力が20Wであり、撮像装置100の消費電力が15Wであれば、アクセサリーシュー101の供給可能電力は5W(=20W-15W)となる。なお、ステップS203で決定された電源部103の供給可能電力から、ステップS204で決定された撮像装置100の消費電力を減算する前に、ステップS203で決定された電源部103の供給可能電力に所定の係数を掛けてよい。この場合、アクセサリーシュー101の供給可能電力に所定量のマージンを付加することができる。
【0025】
ステップS206において、制御部102は、ステップS205で決定されたアクセサリーシュー101の供給可能電力が所定の電力未満であるか否かを判定する。ステップS205で決定されたアクセサリーシュー101の供給可能電力が所定の電力未満でない場合、制御部102は、所定のメッセージを表示部105に表示させずに、ステップS207に進む。ステップS205で決定されたアクセサリーシュー101の供給可能電力が所定の電力未満である場合、制御部102は、所定のメッセージを表示部105に表示させた後、ステップS207に進む。所定の電力は、例えば、アクセサリーシュー101に接続されたアクセサリー装置200が所定の動作モード(例えば、通常の動作モード)で動作するのに必要な電力である。所定のメッセージは、アクセサリー装置200が使用できないこと、アクセサリー装置200が所定の動作モードで動作できないこと、または、アクセサリー装置200が有する機能の全部または一部が制限されることをユーザに通知するための情報である。表示部105に表示される所定のメッセージの例を図3(a)~図3(c)に示す。図3(a)に示すメッセージは、選択電源ではアクセサリーシュー101に接続されたアクセサリー装置200が使用できないことをユーザに通知するための情報の一例である。図3(b)に示すメッセージは、選択電源ではアクセサリーシュー101に接続されたアクセサリー装置200に十分な電力を供給できないことをユーザに通知するための情報の一例である。図3(c)に示すメッセージは、選択電源ではアクセサリーシュー101に接続されたアクセサリー装置200の機能の全部または一部が制限されることをユーザに通知するための情報の一例である。
【0026】
ステップS207において、制御部102は、ステップS205で決定されたアクセサリーシュー101の供給可能電力に基づいて過電流保護のための設定値を決定し、決定した電流値に従って過電流保護部104の設定値を変更する。例えば、ステップS205で決定されたアクセサリーシュー101の供給可能電力が5Wであり、供給可能電圧が5Vであった場合、アクセサリーシュー101での供給可能電流は1Aとなる。この場合、制御部102は、過電流保護のための電流値を1Aにして過電流保護を設定してもよいし、供給可能電流に所定の係数を掛けて得られる設定値を設定してもよい。
【0027】
ステップS208において、制御部102は、電源部103を制御し、電源部103からアクセサリーシュー101に電力を供給させる。これにより、選択電源からアクセサリー装置200に電力が供給される。
【0028】
ステップS209において、制御部102は、選択電源と所定の通信が可能でないので、所定値を選択電源の電力供給能力として設定する。所定値は、例えば、選択電源が一般的な電池または給電装置であると仮定した場合の電力供給能力である。さらに、ステップS209において、制御部102は、給電装置400と通信し、給電装置400に関する情報(給電装置400の電力供給能力に関する情報を含む)を給電装置400から取得する。給電装置400の電力供給能力に関する情報には、給電装置400が供給可能な電流値(1A、2Aなど)または電力値(10Wなど)が含まれている。
【0029】
ステップS210において、制御部102は、選択電源の電力供給能力として設定された所定値に基づいて、電源部103の供給可能電力を決定する。
【0030】
ステップS211において、制御部102は、撮像装置100の動作モードに基づいて撮像装置100の消費電力を決定する。
【0031】
ステップS212において、制御部102は、アクセサリーシュー101の供給可能電力を決定する。例えば、制御部102は、ステップS210で決定された電源部103の供給可能電力から、ステップS211で決定された撮像装置100の消費電力を減算することで、アクセサリーシュー101の供給可能電力を決定する。例えば、電源部103の供給可能電力が20Wであり、撮像装置100の消費電力が15Wであれば、アクセサリーシュー101の供給可能電力は5W(=20W-15W)となる。なお、ステップS210で決定された電源部103の供給可能電力から、ステップS211で決定された撮像装置100の消費電力を減算する前に、ステップS210で決定された電源部103の供給可能電力に所定の係数を掛けてよい。この場合、アクセサリーシュー101の供給可能電力に所定量のマージンを付加することができる。
【0032】
ステップS213において、制御部102は、ステップS212で決定されたアクセサリーシュー101の供給可能電力が所定の電力未満であるか否かを判定する。ステップS212で決定されたアクセサリーシュー101の供給可能電力が所定の電力未満でない場合、制御部102は、所定のメッセージを表示部105に表示させずに、ステップS214に進む。ステップS212で決定されたアクセサリーシュー101の供給可能電力が所定の電力未満である場合、制御部102は、所定のメッセージを表示部105に表示させた後、ステップS214に進む。所定の電力は、例えば、アクセサリーシュー101に接続されたアクセサリー装置200が所定の動作モード(例えば、通常の動作モード)で動作するのに必要な電力である。所定のメッセージは、アクセサリー装置200が使用できないこと、アクセサリー装置200が所定の動作モードで動作できないこと、または、アクセサリー装置200が有する機能の全部または一部が制限されることをユーザに通知するための情報である。表示部105に表示される所定のメッセージの例を図3(a)~図3(c)に示す。図3(a)~図3(c)に示すメッセージについては、上述したとおりである。
【0033】
ステップS214において、制御部102は、ステップS212で決定されたアクセサリーシュー101の供給可能電力に基づいて過電流保護のための設定値を決定し、決定した電流値に従って過電流保護部104の設定値を変更する。例えば、ステップS212で決定されたアクセサリーシュー101の供給可能電力が5Wであり、供給可能電圧が5Vであった場合、アクセサリーシュー101での供給可能電流は1Aとなる。この場合、制御部102は、過電流保護のための電流値を1Aにして過電流保護を設定してもよいし、供給可能電流に所定の係数を掛けて得られる設定値を設定してもよい。
【0034】
ステップS215において、制御部102は、電源部103を制御し、電源部103からアクセサリーシュー101に電力を供給させる。これにより、選択電源からアクセサリー装置200に電力が供給される。
【0035】
以上説明したように、実施形態1によれば、選択電源と所定の通信が可能である場合は、選択電源から取得した選択電源に関する情報に基づいて電源部103の供給可能電力を決定する。選択電源と所定の通信が可能でない場合は、所定値に基づいて電源部103の供給可能電力を決定する。そして、電源部103の供給可能電力と、撮像装置100の動作モードに基づいて決定された撮像装置100の消費電力からアクセサリーシュー101の供給可能電力を決定し、選択電源からアクセサリーシュー101に電力を供給する。さらに、アクセサリーシュー101の供給可能電力が所定の電力未満である場合は、所定の警告メッセージを表示部105に表示させることもできる。このようにして、選択電源と所定の通信が可能であるか否かに応じて、アクセサリーシュー101を介して選択電源からアクセサリー装置200に供給される電力を適切に制御することができる。
【0036】
[実施形態2]
実施形態1で説明した様々な機能、処理または方法は、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)またはマイクロプロセッサがプログラムを実行することによって実現することもできる。以下、実施形態2では、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)またはマイクロプロセッサを「コンピュータX」と呼ぶ。また、実施形態2では、コンピュータXを制御するためのプログラムであって、実施形態1で説明した様々な機能、処理または方法を実現するためのプログラムを「プログラムY」と呼ぶ。
【0037】
実施形態1で説明した様々な機能、処理または方法は、コンピュータXがプログラムYを実行することによって実現される。この場合において、プログラムYは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介してコンピュータXに供給される。実施形態2におけるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、ハードディスク装置、磁気記憶装置、光記憶装置、光磁気記憶装置、メモリカード、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどの少なくとも一つを含む。実施形態2におけるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、non-transitoryな記憶媒体である。
【符号の説明】
【0038】
100 撮像装置
200 アクセサリー装置
図1
図2
図3