(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】回路ユニットおよび回路ユニットを備えた記録装置
(51)【国際特許分類】
H02P 5/00 20160101AFI20241105BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20241105BHJP
B41J 29/13 20060101ALI20241105BHJP
【FI】
H02P5/00
B41J29/00 C
B41J29/13 103
(21)【出願番号】P 2020169199
(22)【出願日】2020-10-06
【審査請求日】2023-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】辻井 寛澄
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-080426(JP,A)
【文献】特開平07-251548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 5/00
B41J 29/00
B41J 29/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的な第1接続部と、第1モータを駆動する第1駆動回路と、前記第1駆動回路に電流を供給する第1電源ラインと、を
備える第1回路基板からなる第1回路ユニット
の前記第1接続部に電気的に接続する第2回路基板からなる第2回路ユニットであって、
前記第1接続部に接続して、前記第1駆動回路と前記第1電源ラインとの間の電気的な接続と非接続とを切り替えるスイッチと、
第2モータを駆動する第2駆動回路と、
前記スイッチによる電気的な接続と非接続とを切り替えるインターロックスイッチが接続される第2接続部と、を備え、
前記第1駆動回路と前記第1電源ラインとが前記スイッチによって電気的に接続しているとき、前記第2駆動回路は、
前記スイッチを介して前記第1電源ラインによって電流が供給されることを特徴とする第2回路ユニット。
【請求項2】
前記第1
接続部には、電気的な接続と非接続とを切り替えるインターロックスイッチが接続できることを特徴とする請求項
1に記載の第2回路ユニット。
【請求項3】
前記第1電源ラインは
前記第1接続部の第1端子に接続して、前記第1駆動回路は
前記第1接続部の第2端子に接続しており、
前記第1
端子に接続する第3
端子と、前記第2
端子と接続する第4
端子とをさらに備え、
前記スイッチは、前記第3
端子と前記第4
端子との間の電気的な接続と非接続とを切り替えることを特徴とする請求項
1に記載の第2回路ユニット。
【請求項4】
前記スイッチはリレースイッチであり、
前記リレースイッチを駆動する電流を供給し、カバーの開閉に伴い当該電流の供給と停止とを切り替える前記インターロックスイッチと接続する第2電源ラインをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし
3の何れか1項に記載の第2回路ユニット。
【請求項5】
前記第1回路ユニットは、前記第1駆動回路および前記第2駆動回路を制御する制御部を備えることを特徴とする請求項1ないし
4の何れか1項に記載の第2回路ユニット。
【請求項6】
請求項1ないし
5の何れか1項に記載の第2回路ユニットと、
前記第1回路ユニットと、
シートを搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送されたシートに画像を記録する記録ヘッドと、を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項7】
前記記録ヘッドをシートの幅方向に移動させるキャリッジを備えることを特徴とする請求項
6に記載の記録装置。
【請求項8】
前記キャリッジは、前記第1モータと前記第2モータとによって前記幅方向に移動することを特徴とする請求項
7に記載の記録装置。
【請求項9】
前記第1回路ユニットに前記第2回路ユニットが接続されているとの装置情報に基づいて制御を変える制御部を備える請求項6ないし
8の何れか1項に記載の記録装置。
【請求項10】
前記制御部は、エンコーダセンサからの位置情報に基づき、前記第1駆動回路と前記第2駆動回路とを制御することを請求項9に記載の記録装置。
【請求項11】
前記スイッチは、前記記録
ヘッドを覆う前面カバーの開閉に応じて電気的な接続と非接続を切り替えるインターロックスイッチと接続できることを特徴とする請求項6ないし10の何れか1項に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータを駆動する回路ユニットおよび回路ユニットを備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のインクジェット記録装置は、高速に画像を記録するために記録ヘッドを高速に移動することが求められている。特許文献1には、ステッピングモータと直流モータによって記録ヘッドが搭載されたキャリッジを駆動することが開示されている。この記録装置では、ステッピングモータによる駆動を直流モータの駆動によって補うことができる。この結果、従来のステッピングモータを使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のステッピングモータと直流モータとの両方を駆動するための回路ユニットを新たに製作するとコストが高くなる。また、キャリッジを駆動するためのモータへの電流は、ユーザを保護するためカバーの開閉と連動するインターロックスイッチによって供給と停止とが切り替えられる場合がある。特許文献1には、このような場合に対応する回路が開示されていない。本発明は、モータを追加できる回路ユニットまたは記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、電気的な第1接続部と、第1モータを駆動する第1駆動回路と、前記第1駆動回路に電流を供給する第1電源ラインと、を備える第1回路基板からなる第1回路ユニットの前記第1接続部に電気的に接続する第2回路基板からなる第2回路ユニットであって、前記第1接続部に接続して、前記第1駆動回路と前記第1電源ラインとの間の電気的な接続と非接続とを切り替えるスイッチと、第2モータを駆動する第2駆動回路と、前記スイッチによる電気的な接続と非接続とを切り替えるインターロックスイッチが接続される第2接続部と、を備え、前記第1駆動回路と前記第1電源ラインとが前記スイッチによって電気的に接続しているとき、前記第2駆動回路は、前記スイッチを介して前記第1電源ラインによって電流が供給されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によって、モータを追加できる回路ユニットまたは記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】記録装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【
図4】標準回路ユニットと拡張回路ユニットの構成を示す図である。
【
図5】インターロックスイッチが接続された標準回路ユニットを示す図である。
【
図6】インターロックスイッチの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。また、実施形態に記載されている構成要素の相対配置、形状等は、あくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0009】
なお、以下の実施形態の説明において、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、広くシート上に画像、模様、パターン等を形成する場合も含まれる。また、本実施形態ではシートとしてロールシートを想定しているが、カット紙、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。
【0010】
[第1の実施形態]
<インクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録装置(以下、記録装置)について
図1から
図3を用いて説明をする。
図1は、記録装置100の斜視図である。
図2は、記録装置100の要部の構成を示す図である。
図3は、記録装置100の制御系の構成を示すブロック図である。
【0011】
記録装置100の本体部101は、内部にシートに画像を記録する記録部、シートを記録部に搬送するための搬送部を備えている。本体部101は、画像が記録されたシートを排出する排出口107を除いて概ねカバーで覆われる。本体部101の前面側のカバーは、記録情報や設定結果などを表示するための表示パネル103、記録モードやシートなどの設定をするための操作パネル部102を備えている。本体部101の背面側には、その両側に記録部にインクを供給するためのインクタンク104を備えている。画像が記録されたシートSを収容する収容部108は、記録装置の前面側で排出口107の下方にある。さらに、記録装置100の前面には本体部101に対して開閉可能な前面カバー105が配されている。前面カバー105を開くと記録部および搬送部にユーザがアクセスすることができる。また、本体部101は、前面カバー105の開閉と連動するインターロックスイッチ106を有している。前面カバー105を開閉すると、インターロックスイッチ106によって後述の電気的な接続と非接続とを切り替えることができる。記憶装置100を制御する制御ユニット212は、本体部101の背面側に配されている。なお、
図1に示すように、X方向はシートの幅方向で、Y方向はシートの搬送方向、Z方向は鉛直方向である。
【0012】
ここで、記録装置の要部の構成について説明をする。
図2(a)は、記録装置の要部の斜視図で、
図2(b)は、記録装置の要部の断面図である。シートSが巻回されたロールシートRは記録部の下方の保持部で保持される。ロールシートRから供給されたシートSは、搬送部を構成する搬送モータ214で駆動される搬送ローラ211によって記録部まで搬送方向(Y方向)に搬送される。記録部は、インクを吐出する記録ヘッド201、記録ヘッド201と対向してシートSを支持するプラテン210とを含む構成である。記録ヘッド201はキャリッジ202に搭載され、キャリッジ202はメインレール203によって支持される。キャリッジ202は、キャリッジモータ205および206の駆動によってキャリッジ搬送ベルト204を介してシートの幅方向に移動できる。なお、シートSの幅方向はシートSの搬送方向に対して交差する方向である。なお、高速に記録する高速記録装置はキャリッジモータを2個使用するが、標準の速度で記録する記録装置はキャリッジモータ206の部分がプーリー等の回転体に置き換えられる。すなわち、キャリッジモータは1個使用する。
【0013】
シートSへの画像の記録は、シートSを搬送方向に所定量搬送する搬送動作と、インクを吐出しながら記録ヘッド201を走査する吐出動作とを交互に行うことで実行される。キャリッジ202は、シートの幅方向と平行に設けられたリニアスケール207を検出するためのエンコーダセンサ208を搭載している。したがって、エンコーダセンサ208によって、キャリッジ202の位置を検出することができる。搬送方向においてプラテン210の下流には、シートSを切断するための切断装置(不図示)が設けられている。画像が記録されたシートSは、切断装置(不図示)で切断された後に排出口107から収容部108に排出される。切断装置は、シートの幅方向にカッターをモータによって移動させてシートを切断できる。なお、画像がシートSに記録される際に前面カバー105を開けると、インターロックスイッチ106によってキャリッジモータ205および206への電流の供給が切断される。
【0014】
制御ユニット212は、電気的にフレキシブルフラットケーブル(FFC)213でキャリッジ202と接続している。制御ユニット212からFFC213を介して記録ヘッド201への電流の供給および記録ヘッド201に対する制御を行う。さらに、制御ユニット212はキャリッジモータ(205、206)、搬送モータ214と接続し、キャリッジモータ(205、206)および搬送モータ214の制御をする。また、制御ユニット212は、FFCユニットを介してエンコーダセンサ208によるキャリッジの位置の検出を行う。
【0015】
<制御ユニット>
制御ユニット212は、標準回路ユニット301、拡張回路ユニット302、装置情報記憶ユニット309を含む構成である。標準回路ユニット301は装置全体を制御するCPU303(制御部)、各種情報や各種制御プログラムを記憶するメモリ304を備える。標準回路ユニット301は、高速記録装置と標準的な速度の記録装置との両方で共通して使用する。一方、拡張回路ユニット302は、高速記録装置で使用する。したがって、標準的な速度の記録装置の場合は接続されない。装置情報記憶ユニット309は、装置情報が予め記憶されたメモリ310を有する。装置情報とは、接続されるモータの個数、標準回路ユニット、拡張回路ユニットの構成である。高速記録装置の場合、キャリッジモータの数は2個となる。標準的な速度の記録装置の場合、キャリッジモータの数は1個となる。なお、標準回路ユニット、拡張回路ユニットはそれぞれ一つの回路基板で構成されたものでなく複数の回路基板で構成されても良い。
【0016】
制御部であるCPU303は、メモリ310に記憶されている装置情報に応じて、メモリ304に記憶されている装置情報に応じた制御プログラムを選択的に実行する。すなわち、装置情報に応じて制御を変えることができる。本実施形態では、装置情報としてキャリッジモータ205と標準回路ユニット301に加えて、キャリッジモータ206および拡張回路ユニット302がメモリ310に記憶されている。なお、CPU303は、メモリ310にキャリッジモータ206と拡張回路ユニット302とが記憶されていなければ、キャリッジモータ205と標準回路ユニット301のみを制御する制御プログラムを実行する。
【0017】
標準回路ユニット301は、記録ヘッド201を制御するヘッド制御回路305、キャリッジモータ205を制御するキャリッジモータ駆動回路306および搬送モータ214を制御する搬送モータ駆動回路311を備える。さらに、標準回路ユニット301は、切断装置のモータを駆動する駆動回路(不図示)、ロールシートRを回転させるローラ駆動回路(不図示)を備える。また、標準回路ユニット301には、キャリッジモータ駆動回路306に電流を供給する電源ライン401が含まれる。一方、拡張回路ユニット302はキャリッジモータ206を制御するキャリッジモータ駆動回路307を備える。また後述のリレースイッチ404が含まれる。
【0018】
CPU303はホスト装置(不図示)からの記録データをヘッド制御信号に変換する。そしてエンコーダセンサ208で検出した位置情報に基づきモータ制御信号308によってキャリッジモータ駆動回路306および307をそれぞれ制御してキャリッジ202を高速に移動させることができる。
【0019】
図4は、モータ駆動回路に電流を供給する構成を示す図である。標準回路ユニット301は拡張回路ユニット302が電気的に接続している。キャリッジモータ駆動回路(306、307)の電流は電源ユニット(不図示)から供給される。標準回路ユニット301において、電源ユニットは電源ライン401に接続し、電源ライン401は接続部であるコネクタ402の端子402(b)に接続する。電源ライン401は、電流を供給するための配線部材である。なお、電源ユニットは標準回路ユニット301に備えられるものであっても良いし、外部から供給されても良い。接続部であるコネクタ402の端子402(a)は、キャリッジモータ駆動回路306と配線を介して電気的に接続し、モータを駆動するための電流を供給できる。
【0020】
一方、拡張回路ユニット302の接続部であるコネクタ403の端子403(b)は、標準回路ユニット301の端子402(b)と配線を介して接続する。拡張回路ユニット302において、コネクタ403の端子403(b)がリレースイッチ404を介してコネクタ403の端子403(a)に接続する。また、キャリッジモータ駆動回路307は、拡張回路ユニット302の端子403(b)を介して電源が供給される。コネクタ403の端子403(a)は、コネクタ402の端子402(a)と配線を介して接続する。コネクタ402、403における接続は、それぞれ凸形状のオスコネクタと凹形状のメスコネクタとが結合することによって電気的に接続する。なお、前述のモータ制御信号308はコネクタ402及び403の端子を介して接続されても良いし、別のコネクタを介して接続されても良い。
【0021】
拡張回路ユニット302のリレースイッチ404は、電源ライン401とキャリッジモータ駆動回路(306、307)の電気的な接続と非接続を切り替える。リレースイッチ404を駆動するためのリレースイッチ用の電源ライン405はリレースイッチ404の内部の駆動用コイルと接続し、さらにコネクタ406の端子406(b)と接続する。コネクタ406の端子406(b)は、インターロックスイッチ106の端子702と接続する。インターロックスイッチ106の端子703は、コネクタ406の端子406(a)と接続する。端子406(a)は、拡張回路ユニット302の配線を介してグラウンドに接地する。リレースイッチ用の電源ライン405は、標準回路ユニット301から電流が供給される。なお、拡張回路ユニット302に電源ライン405に電流を供給するための電源ユニット(不図示)を備えても良い。また、モータ駆動回路用の電源ライン401から電源ライン405のための電流を供給しても良い。
【0022】
ここで、
図6を用いてインターロックスイッチ106の動作について説明する。前面カバー105は突起部704を備え、インターロックスイッチ106はスイッチ部701を有する。スイッチ部701は、端子702と端子703との間の電気的な接続と非接続とを切り替える。ユーザによって前面カバー105が閉じられると前面カバー105の突起部704がスイッチ部701を押下する(
図6(a))。その結果、インターロックスイッチ106がオンとなり、端子部702と端子部703とが電気的に接続する。一方、ユーザによって前面カバー105が開けられると前面カバー105の突起部704がスイッチ部701から離間する。その結果、インターロックスイッチ106はオフとなり、端子部702と端子部703とが電気的に非接続になる。
【0023】
ユーザによって前面カバー105が閉じられるとリレースイッチ404の内部の駆動用コイルに電流が流れる。駆動用コイルに電流が流れるとリレースイッチ404がオンとなり、端子403(b)と端子403(a)とが電気的に接続する。その結果、電源ライン401からキャリッジモータ駆動回路307および306に電流が供給される。一方、ユーザによって前面カバー105が開けられるとインターロックスイッチ106がオフとなり、端子406(b)と端子406(a)とが電気的に切断する。この場合、リレースイッチ404の内部の駆動用コイルに電流が流れず、リレースイッチ404がオフとなる。リレースイッチ404がオフとなると、端子403(b)と端子403(a)とが電気的に切断する。その結果、電源ライン401からキャリッジモータ駆動回路306および307へのモータ駆動回路用の電流の供給が停止される。なお、本実施形態において標準回路ユニット301の端子402(a)には、キャリッジモータ駆動回路306を接続しているが、搬送モータ駆動回路311、切断装置とさらに接続してもよい。また、標準回路ユニットに切断装置がない構成で、切断装置を制御するための拡張回路ユニットを追加しても良い。さらに、リレースイッチは、半導体素子を用いる半導体リレーであっても良い。
【0024】
リレースイッチ404によって電気的に接続した電源ライン401は、拡張回路ユニット302のキャリッジモータ駆動回路307および標準回路ユニット301のキャリッジモータ駆動回路306に電流を供給する。モータ駆動回路の電流負荷が増大した場合であっても、リレースイッチ404を用いることによって配線を短くできるためモータ駆動回路の電圧降下を小さくすることができる。
【0025】
ここで、拡張ユニット307を用いない場合の標準回路ユニット301とインターロック106との接続を
図5に示す。この構成は、標準的な速度の記録装置である。標準回路ユニット301において、電源ライン401が接続するコネクタ402の端子402(a)は、インターロックスイッチ106の端子702に接続する。インターロックスイッチ106の端子703は、コネクタ402の端子402(b)に接続する。前面カバー105の開閉に応じてインターロックスイッチ106がオンとオフが変わる。インターロックスイッチ106がオンの場合、コネクタ402の端子402(a)と端子402(b)とが電気的に接続する。その結果、キャリッジモータ駆動回路306へ電流が供給される。一方、インターロックスイッチがオフの場合、コネクタ402の端子402(a)と端子402(b)とが電気的に切断する。その結果、キャリッジモータ駆動回路306への電流の供給が停止する。
【0026】
一般的に、モータおよびモータ駆動回路をそれぞれ2つ搭載して、記録速度を向上させる高速記録装置の回路ユニットを新たに製作するとコストが高くなる。本実施形態のようにモータおよびモータ駆動回路をそれぞれ1つ搭載する従来の標準回路ユニットを使用し、拡張回路ユニットと接続できるようにすることでコストを削減することができる。また、拡張回路ユニットにはインターロックスイッチが接続できるため、キャリッジの移動中に前面カバーを開けた場合でも、キャリッジの移動を確実に停止することができる。このため、ユーザを保護することができる。
【0027】
また、キャリッジを駆動するモータ駆動回路は電流が約8A程度と大きい。高速化した記録装置において2つのモータ駆動回路を同時に駆動すると、電流が2倍の約16Aとなる。リレースイッチを用いずにインターロックスイッチを介して各モータ駆動回路に電流を供給した場合、配線が長くなり電源の電圧降下が大きくなる。本実施形態のように、拡張回路ユニットにリレースイッチを設け、リレースイッチの制御をインターロックスイッチによって行う構成であれば電圧降下を小さくすることができる。
【0028】
以上のように、モータを追加できる回路ユニットおよび記録装置を提供できる。
【符号の説明】
【0029】
301 標準回路ユニット
302 拡張回路ユニット
306 キャリッジモータ駆動回路
307 キャリッジモータ駆動回路
401 電源ライン
404 リレースイッチ