(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】複合材料の単一繊維経路を生成するための装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 70/10 20060101AFI20241105BHJP
【FI】
B29C70/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020199530
(22)【出願日】2020-12-01
【審査請求日】2023-12-01
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(72)【発明者】
【氏名】野村 壮史
(72)【発明者】
【氏名】エルカン メフメト デデ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ ユイチン
【審査官】岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-028164(JP,A)
【文献】特開2019-038253(JP,A)
【文献】特開2013-008363(JP,A)
【文献】特表2016-520459(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0161433(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の繊維部分及びポリマーマトリックスを含んでいる繊維強化構造体の高さフィールド及び配向フィールドのうちの少なくとも1つを決定すること;
ハッチングパターン又はヒートマップを生成することによって、前記ポリマーマトリックス及び複数の前記繊維部分のうちの少なくとも1つの濃度を示す、前記繊維強化構造
体の反応-拡散表現を生成すること;
前記繊維強化構造体の前記ハッチングパターン又はヒートマップに基づく二相表現を生成すること;
前記反応-拡散表現に基づいて基準繊維堆積経路を指定すること;
前記基準繊維堆積経路に基づいて連続繊維堆積経路を生成すること;及び
前記連続繊維堆積経路を表す信号を堆積装置に送信すること、ここで、前記堆積装置は、前記連続繊維堆積経路を用いて、前記繊維強化構造
体の繊維を堆積すること;
、を含んでおり、
前記連続繊維堆積経路を生成することは、前記繊維強化構造
体の前記二相表現の周辺を識別し、トレースすることを含んでいる、
方法。
【請求項2】
前記基準繊維堆積経路を指定することが、
複数の前記繊維部分の各々の長さを決定すること、及び
複数の前記繊維部分の前記各々の長さに基づいて、複数の前記繊維部分の第1の繊維部分を前記基準繊維堆積経路として指定すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基準繊維堆積経路に基づいて前記連続繊維堆積経路を生成することが、
複数の前記繊維部分のうちの第2の繊維部分を識別すること、ここで、前記第2の繊維部分は、前記第1の繊維部分に接続されておらず;及び、
複数の前記繊維部分のうちの前記第2の繊維部分を前記第1の繊維部分と接合すること、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記基準繊維堆積経路に基づいて前記連続繊維堆積経路を生成することが、
複数の前記繊維部分のセットを識別すること、ここで、複数の前記繊維部分の前記セットの各繊維部分は、前記第1の繊維部分に接続されておらず、及び
複数の前記繊維部分の前記セットの各繊維部分を、前記第1の繊維部分と結合すること、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記繊維強化構造
体のメンバーシップフィールドを決定することを更に含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記繊維強化構造体の前記反応-拡散表現を生成することが、
複数の前記繊維部分及び前記ポリマーマトリックスへの物質の拡散をシミュレートすること、
複数の前記繊維部分の透過性及び前記ポリマーマトリックスの透過性に基づくグラフィック表現を生成すること、
を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記繊維強化構造体の前記反応-拡散表現を生成することが、
複数の前記繊維部分への物質の拡散、
前記物質と複数の前記繊維部分との間の供給速度、及び
前記物質と複数の前記繊維部分との間の除去速度、
のうちの少なくとも1つをシミュレートすること、
複数の前記繊維部分の濃度及び前記ポリマーマトリックスの濃度を決定すること、並びに
複数の前記繊維部分の濃度及び前記ポリマーマトリックスの濃度に基づいて、グラフィック表現を生成すること、
を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
一つ又は複数のプロセッサ、及び
実行されたときに、前記一つまたは複数のプロセッサに以下を実行させる機械可読命令を記憶する、1つ又は複数の非一時的な記憶媒体を含む、システム:
繊維強化構造体の高さフィールド及び配向フィールドのうちの少なくとも1つを決定すること、ここで、前記繊維強化構造体は、複数の繊維部分及びポリマーマトリックスを含み;
前記繊維強化構造
体の反応-拡散表現を生成し、ここで、反応-拡散表現は、ポリマーマトリックス及び複数の繊維部分のうちの少なくとも1つの濃度を示す、ハッチングパターン又はヒートマップを含み;
前記ハッチングパターン又はヒートマップに基づいて、前記繊維強化構造
体の二相表現を生成すること;
前記反応-拡散表現に基づいて基準繊維堆積経路を指定すること;
前記基準繊維堆積経路に基づいて連続繊維堆積経路を生成すること;
前記連続繊維堆積経路を表す信号を堆積装置に送信すること、ここで、堆積装置は、前記連続繊維堆積経路を用いて、前記繊維強化構造
体の繊維を堆積させ;
前記連続繊維堆積経路は、前記二相表現の周辺を識別し、トレースすることによって生成される。
【請求項9】
前記機械可読命令は、実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、更に以下を実行させる、請求項8に記載のシステム:
複数の前記繊維部分の各々の長さを決定すること;及び
複数の前記繊維部分の前記各々の長さに基づいて、複数の前記繊維部分の第1の繊維部分を、基準繊維堆積経路として指定すること。
【請求項10】
前記機械可読命令は、実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、更に以下を実行させる、請求項9に記載のシステム:
複数の前記繊維部分のうちの第2の繊維部分を識別すること、ここで、前記第2の繊維部分は、前記第1の繊維部分に接続されず;及び
複数の前記繊維部分のうちの前記第2の繊維部分を前記第1の繊維部分と接合すること。
【請求項11】
前記機械可読命令は、実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、更に以下を実行させる、請求項9に記載のシステム:
複数の前記繊維部分のセットを識別すること、ここで、複数の前記繊維部分のセットの各繊維部分は、前記第1の繊維部分に接続されず;及び
複数の前記繊維部分のセットの各繊維部分を前記第1の繊維部分と結合させること。
【請求項12】
前記機械可読命令は、実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、更に、前記繊維強化構造
体のメンバーシップフィールドを決定させる、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記機械可読命令は、実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、更に、
複数の繊維部分及びポリマーマトリックスへの物質の拡散をシミュレートさせ、かつ
複数の繊維部分の透過性及びポリマーマトリックスの透過性に基づいてグラフ表示を生成させる、
請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記機械可読命令は、実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、更に以下を実行させる、請求項8に記載のシステム:
物質の複数の前記繊維部分への拡散、
物質と複数の前記繊維部分との間の供給速度、及び
物質と複数の前記繊維部分との間の除去速度、
の少なくとも1つをシミュレートさせること、
複数の前記繊維部分の濃度及びポリマーマトリックスの濃度を決定させ;かつ
複数の前記繊維部分の濃度及びポリマーマトリックスの濃度に基づいてグラフ表示を生成させること。
【請求項15】
1つ又は複数のプロセッサを用いて、繊維強化構造体の高さフィールド及び配向フィールドのうちの少なくとも1つを決定すること、ここで、前記繊維強化構造体は、複数の繊維部分及びポリマーマトリックスを含み;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、ハッチングパターン又はヒートマップを生成することによって、前記繊維強化構造
体の反応-拡散表現を生成すること、ここで、前記反応-拡散表現は、前記ポリマーマトリックス及び複数の前記繊維部分のうちの少なくとも1つの濃度を示し;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記反応-拡散表現のハッチングパターン又はヒートマップに基づいて前記繊維強化構造
体の二相表現を生成すること;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記二相表現に基づいて連続繊維堆積経路を生成すること;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記連続繊維堆積経路を表す信号を堆積装置に送信すること、ここで前記堆積装置は、前記連続繊維堆積経路を用いて、前記繊維強化構造
体の繊維を堆積すること;を含んでおり、
前記連続繊維堆積経路を生成することは、前記繊維強化構造
体の前記二相表現の周辺を識別し、トレースすることを含んでいる、
方法。
【請求項16】
前記繊維強化構造体の前記反応-拡散表現を生成することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分及び前記ポリマーマトリックスへの物質の拡散をシミュレートすること、及び
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分の透過性及び前記ポリマーマトリックスの透過性に基づくグラフィック表現を生成すること、
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記繊維強化構造体の前記反応-拡散表現を生成することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、
複数の前記繊維部分への物質の拡散、
前記物質と複数の前記繊維部分との間の供給速度、及び
前記物質と複数の繊維部分との間の除去速度、
のうち少なくとも一つをシミュレートすること、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分の濃度及び前記ポリマーマトリックスの濃度を決定すること、並びに
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分の濃度及び前記ポリマーマトリックスの濃度に基づいて、グラフィック表現を生成すること、
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記反応-拡散表現に基づいて前記繊維強化構造体の前記二相表現を生成することが、1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、最大制約よりも大きい反応-拡散表現の一部の長さに応じて、二相表現の第1の相を生成することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記反応-拡散表現に基づいて前記繊維強化構造体の前記二相表現を生成することが、1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、最小制約よりも短い、前記反応-拡散表現の複数の部分の各長さに応じて、二相表現の第2の相を生成することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概して、繊維強化構造体を製造するための装置、システム、及び方法に関し、より詳細には、繊維強化複合材料の単一繊維経路を生成することに関する。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維強化プラスチックのような繊維強化構造体は、自動車産業のような多様な産業に普遍的に存在する。繊維強化構造体は、その高い強度対重量比、高い方向強度、高い耐食性、低い熱伝導率、低い熱膨張係数、及び高い衝撃強度により、多様なシステム、装置、及び機器にしばしば組み込まれる。繊維強化構造体の製造工程中において、複数の繊維の配置及び配向は、トポロジ最適化プロセスを用いて決定されてもよい。しかしながら、繊維強化構造体の従来の製造工程は、単一繊維の配置及び配向を提供しない。したがって、単一繊維を有する繊維強化構造体の製造を提供するシステム、方法、及び装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
一態様において、方法は、1つ又は複数のプロセッサを用いて、繊維強化構造体の高さフィールド及び配向フィールドのうちの少なくとも1つを決定することを含み、ここで繊維強化構造体は、複数の繊維部分及びポリマーマトリックスを含む。この方法は、1つ又は複数のプロセッサを用いて、繊維強化構造体の反応-拡散表現を生成することを含み、反応-拡散表現は、ポリマーマトリックス及び複数の繊維部分のうちの少なくとも1つの濃度を示す。この方法は、1つ又は複数のプロセッサを用いて、反応-拡散表現に基づいて、基準繊維堆積経路を指定することを含む。この方法は、1つ又は複数のプロセッサを用いて、基準繊維堆積経路に基づいて、連続繊維堆積経路を生成することを含む。この方法は、1つ又は複数のプロセッサを用いて、連続繊維堆積経路を表す信号を堆積装置に送信することを含み、堆積装置は、連続繊維堆積経路を用いて、繊維強化構造体の繊維を堆積する。
【0004】
一態様において、システムは、1つ又は複数のプロセッサ、及び機械可読命令を記憶する1つ又は複数の非一時的な記憶媒体を含む。機械可読命令を実行することによって、1つ又は複数のプロセッサは、繊維強化構造体の高さフィールド及び配向フィールドのうちの少なくとも1つを決定し、ここで、繊維強化構造体は、複数の繊維部分及びポリマーマトリックスを含む。機械可読命令を実行することによって、1つ又は複数のプロセッサは、繊維強化構造の反応-拡散表現を生成し、ここで、反応-拡散表現は、ポリマーマトリックス及び複数の繊維部分のうちの少なくとも1つの濃度を示す。機械可読命令を実行することによって、1つ又は複数のプロセッサは、反応-拡散表現に基づいて基準繊維堆積経路を指定する。機械可読命令を実行することによって、1つ又は複数のプロセッサは、基準繊維堆積経路に基づいて連続繊維堆積経路を生成する。機械可読命令を実行することによって、1つ又は複数のプロセッサは、連続繊維堆積経路を表す信号を堆積装置に送信し、堆積装置は、連続繊維堆積経路を用いて、繊維強化構造の繊維を堆積させる。
【0005】
一態様において、方法は、1つ又は複数のプロセッサを用いて、繊維強化構造体の高さフィールド及び配向フィールドのうちの少なくとも1つを決定することを含み、ここで、繊維強化構造体は、複数の繊維部分及びポリマーマトリックスを含む。この方法は、1つ又は複数のプロセッサを用いて、繊維強化構造の反応-拡散表現を生成することを含み、ここで、反応-拡散表現は、ポリマーマトリックス及び複数の繊維部分のうちの少なくとも1つの濃度を示す。この方法は、1つ又は複数のプロセッサを用いて、反応-拡散表現に基づいて繊維強化構造の二相表現を生成することを含む。この方法は、1つ又は複数のプロセッサを用いて、二相表現に基づいて連続繊維堆積経路を生成することを含む。この方法は、1つ又は複数のプロセッサを用いて、連続繊維堆積経路を表す信号を堆積装置に送信することを含み、堆積装置は、連続繊維堆積経路を用いて、繊維強化構造体の繊維を堆積する。
【0006】
本技術のこれら及び他の特徴、及び特性、並びに構造の関連する要素の動作方法及び機能、並びに部品の組合せ、並びに製造の経済性は、添付の図面を参照して以下の説明及び添付の特許請求の範囲を考慮するとより明らかになり、添付の図面の全ては本明細書の一部を形成し、同様の参照番号は様々な図において対応する部分を示す。しかしながら、図面は、例示及び説明のみを目的とするものであり、本開示の限定の定義として意図されていないことを明確に理解されたい。明細書及び特許請求の範囲において使用されるように、「a」、「an」、及び「the」の単数形は文脈上明確に別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。
【0007】
図面に記載された実施形態は、本質的に実例的かつ例示的なものであり、特許請求の範囲によって定義される主題を限定することを意図するものではない。例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号で示されている以下の図面と併せて読むと理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本明細書に示され、説明されるいくつかの実施形態に係る例示的な複合材料を概略的に示す。
【
図2】
図2は、本明細書に示され、説明されるいくつかの実施形態に係る、単一繊維生成システム内に含まれる例示的なモジュール及び構成要素の、ファンクションブロックダイアグラムを概略的に示す。
【
図3】
図3は、本明細書に示され、説明されるいくつかの実施形態に係る、連続繊維堆積経路を生成する例示的な方法のフロー図を示す。
【
図4A】
図4Aは、本明細書に示され、説明されるいくつかの実施形態に係る複合材料の基準繊維堆積経路を概略的に示す。
【
図4B】
図4Bは、本明細書に示され、説明されるいくつかの実施形態に係る、複合材料の基準繊維堆積経路の第1の不連続部分を概略的に示す。
【
図4C】
図4Cは、本明細書に示され、説明されるいくつかの実施形態に係る、基準繊維堆積経路の連続部分に接合された基準繊維堆積経路の第1の不連続部分を概略的に示す。
【
図4D】
図4Dは、本明細書に示され、説明されるいくつかの実施形態による連続繊維堆積経路を概略的に示す。
【
図5】
図5は、本明細書に示され、説明されるいくつかの実施形態に係る、連続繊維堆積経路を生成する別の例示的な方法のフロー図を示す。
【
図6A】
図6Aは、本明細書に示され、説明されるいくつかの実施形態に係る複合材料の別の基準繊維堆積経路を概略的に示す。
【
図6B】
図6Bは、本明細書に示され、説明されるいくつかの実施形態に係る別の連続繊維堆積経路を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照すると、本開示の実施形態は、概して、単一繊維を有する繊維強化構造体を製造するための装置、システム、及び方法に関する。いくつかの実施形態において、以下で更に詳細に説明するように、単一経路生成システムは、トポロジ最適化処理中に、繊維強化構造体の高さフィールド及び配向フィールドを決定する。続いて、単一経路生成システムは、繊維強化構造体の反応-拡散表現を生成し、単一経路生成システムは、反応-拡散表現に基づいて基準繊維堆積経路を決定する。基準繊維堆積経路は、連続部分及び1つ又は複数の不連続繊維部分を含んでもよく、1つ又は複数の不連続繊維部分の各々は、連続繊維堆積経路を形成するために連続部分と接合されてもよい。
【0010】
更に、いくつかの実施形態において、以下で更に詳細に説明するように、単一経路生成システムは、トポロジ最適化処理中に、繊維強化構造体の高さフィールド及び配向フィールドを決定する。続いて、単一経路生成システムは、繊維強化構造体の反応-拡散表現を生成し、単一経路生成システムは、反応-拡散表現に基づいて二相表現を生成する。連続繊維堆積経路は、二相表現の周辺を識別し、トレースすることによって生成することができる。
【0011】
したがって、連続繊維堆積経路の生成は、単一の連続繊維を有する繊維強化構造体を形成することを可能にし、それによって、繊維強化構造体のアスペクト比(例えば、繊維の長さ対直径比)を増加させる。したがって、単一の連続繊維は、複数の不連続繊維及び/又は比較的小さいアスペクト比を有する繊維強化構造体と比較して、繊維強化構造の強度対重量比、方向強度、衝撃強度、及び/又は他の構造特性等を、操作者が改善することを可能にする。更に、連続繊維堆積経路の生成は、繊維強化構造体の製造工程中における効率及び速度を改善する。
【0012】
本明細書で使用する「長手方向」という語句は、繊維強化構造体の前後方向(すなわち、
図4A~4D及び6A~6Bに示す+/-X方向)を指す。「垂直方向」という語句は、繊維強化構造体の上下方向(すなわち、
図4A~4D及び6A~6Bに示す+/-Y方向)を指す。「横方向」という語句は、繊維強化構造体の繊維強化構造横断方向(すなわち、
図4A~4D及び6A~6Bに示す
+/-Z方向)を指し、長手方向を横切る。
【0013】
ここで
図1を参照すると、例示的な繊維強化構造体10が概略的に示されている。いくつかの実施形態において、繊維強化構造10は、ポリマーマトリックス12及び単一繊維14を含む。いくつかの実施形態において、ポリマーマトリックス12は、樹脂(ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ビニル、ビニルエステル、エポキシ、等及び/又は同種のもの)等の1つ又は複数のポリマー又はポリマーの組合せを含む。様々な実施形態において、単一繊維14は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、及び/又は同種のものうちの1つである。
【0014】
繊維強化構造10は、その高い強度対重量比、高い方向強度、高い耐食性、低い熱伝導率、低い熱膨張係数、及び高い衝撃強度のために、種々のシステム、装置、及び機器に含まれてもよい。いくつかの実施形態において、繊維強化構造体10は、車両の様々な構成要素内に含まれてもよい。非限定的な例として、繊維強化構造10は、自動車のシャシー、自動車の外部(自動車のフード、自動車のバンパー、自動車の屋根、及び/又は同種のもの)、及び/又は自動車の内装(自動車のダッシュパネル、自動車のセンターコンソール、及び/又は同種のもの)内に含まれてもよい。いくつかの実施形態において、繊維強化構造体10は、ボート、飛行機、無人航空機等を含むがこれらに限定されない他の乗物タイプの様々な構成要素内に含まれてもよい。繊維強化構造体10は、医療機器、スポーツ機器、消費材等の様々なタイプの機器内に含まれてもよいことを理解されたい。
【0015】
繊維強化構造体10は、様々な製造プロセスを用いて形成することができる。いくつかの実施形態において、繊維強化構造10は、自動テープレイアウト工程、連続繊維プリンティング工程、調整繊維配置工程等を含むが、これらに限定されない、付加的な製造技術を実行する堆積装置(以下のに示す)を用いて、単一繊維14をポリマーマトリックス12に堆積させることによって形成されてもよい。単一繊維14は、以下で更に詳細に説明する連続繊維堆積経路に従ってポリマーマトリックス12内に堆積させることができる。
【0016】
図2を参照すると、単一繊維生成システム20の例示的な実施形態が概略的に示されており、その中に含まれる追加の構成要素が示されている。いくつかの実施形態において、単一繊維生成システム20は、自動テープレイアウト工程、連続繊維プリンティング工程、調整された繊維配置工程等を含むが、これらに限定されない、様々な追加の製造を実行する堆積デバイス25に通信可能に結合されてもよい。従って、単一繊維生成システム20は、以下に更に詳細に説明するように、決定された連続繊維堆積経路に関連付けられた堆積装置25に命令を送信することができる。他の実施形態において、単一繊維生成システム20を堆積装置25内に含めることができることを理解されたい。
【0017】
単一繊維生成システム20は、概して、1つ又は複数のプロセッサ30、ネットワーク・インターフェース・ハードウェア40、データ記憶コンポーネント50、ディスプレイ60、入出力ハードウェア70、及び1つ又は複数の非一時的な記憶媒体80、及び通信インタフェース130を含む。1つ又は複数の非一時的な記憶媒体80は、トポロジ最適化モジュール90、反応-拡散生成モジュール100、基準経路決定モジュール105、不連続同定モジュール110、及び周辺同定モジュール120を含む。単一繊維生成システム20の構成要素は、通信インタフェース130を介して物理的及び/又は通信可能に結合されてもよい。
【0018】
通信インタフェース130は、信号を送信するように構成された任意の媒体から形成される。非限定的な実施例として、通信インタフェース130は、導電性ワイヤ、導電性トレース、光導波路、又は同種のものから形成される。通信インタフェース130は、電磁放射線及びそれらに対応する電磁波が伝搬される拡張物を指すこともできる。更に、通信インタフェース130は、信号を送信するように構成された媒体の併用から形成することができる。一つの実施形態において、通信インタフェース130は、単一繊維生成システム20の多様な構成要素との間で電気データ信号の伝達を可能にするために協働する導電性トレース、導電性ワイヤ、コネクタ、及びバスの併用を含む。更に、「信号」という語は、媒体を通って進むように構成された波形(例えば、電気的、光学的、磁気的、機械的又は電磁気的)、例えば直流、交流、正弦波、三角波、方形波、振動等、を手段することに留意されたい。
【0019】
1つ又は複数のプロセッサ30は、それぞれがコンピュータ処理ユニット(CPU)であってもよく、1つ又は複数の一時的でない記憶媒体80に記憶された機械可読命令を受信し、実行してもよい。非限定的な例として、1つ又は複数のプロセッサ30は、共有プロセッサ回路、専用プロセッサ回路、又はグループプロセッサ回路のうちの1つとすることができる。本明細書で説明されるように、用語「共有プロセッサ回路」は、複数の部からのいくつか又は全ての機械可読命令を実行する単一のプロセッサ回路を指す。本明細書で説明されるように、用語「グループプロセッサ回路」は、追加のプロセッサ回路と組み合わせて、1つ又は複数の非一時的な記憶媒体80の複数の部からのいくつか又は全ての機械実行可能命令を実行するプロセッサ回路を指す。複数のプロセッサ回路への言及は、個別のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のプロセッサ回路の複数のコア、単一のプロセッサ回路の複数のスレッド、又は上記の組合せを包含する。
【0020】
ネットワーク・インターフェース・ハードウェア40は、アンテナ、モデム、LANポート、無線フィデリティ(Wi-Fi)カード、WiMaxカード、ロング・ターム・エヴォリューション(LTE)カード、ZigBeeカード、Bluetooth(登録商標)チップ、USBカード、移動通信ハードウェア、及び/又は他のネットワーク及び/又は装置と通信するための他のハードウェアを含む、任意の有線又は無線ネットワークハードウェアを含み、及び/又はそれらと通信するように構成することができる。データ記憶コンポーネント50は、1つ又は複数のプロセッサ30に通信可能に結合される。限定的でない例として、データ記憶コンポーネント50は、NoSQL、MySQL、Oracle、SQLサーバ、NewSQL、又は同種のものをサポートする、1つ又は複数のデータベースサーバを含むことができる。
【0021】
ディスプレイ60は、以下で更に詳細に説明するように、連続繊維堆積経路のグラフィック表現を生成することができる。入出力ハードウェア70は、単一繊維生成システム20のハードウェアと対話する基本入出力システム(BIOS)、単一繊維生成システム20の特定のデバイスと対話するデバイス・ドライバ、1つ又は複数のオペレーティング・システム、ユーザー・アプリケーション、バックグラウンド・サービス、バックグラウンド・アプリケーション、又は同種のものを含むことができる。
【0022】
1つ又は複数の非一時的な記憶媒体80は、1つ又は複数のプロセッサ30に通信可能に結合されている。非限定的な例として、1つ又は複数の非一時的な記憶媒体80は、共有メモリ回路、専用メモリ回路、又はグループメモリ回路のうちの1つとすることができる。本明細書で説明されるように、用語「共有メモリ回路」は、以下で更に詳細に説明される、複数の部からのいくつか又はすべての機械可読命令を格納する単一のメモリ回路を指す。本明細書で説明されるように、用語「グループメモリ回路」は、追加のメモリと組み合わせて、複数のモジュールからのいくつか又は全ての機械可読命令を格納するメモリ回路を指す。1つ又は複数の非一時的な記憶媒体80の非限定的な例は、ランダム・アクセス・メモリ(SRAM、DRAM、及び/又は他の種類のランダム・アクセス・メモリを含む)、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュ・メモリ、レジスタ、コンパクト・ディスク(CD)、デジタル多目的ディスク(DVD)、及び/又は他の種類の記憶成分を含む。
【0023】
次に、
図2を参照して、単一繊維生成システム20の多様なモジュールについて説明する。本明細書で説明されるように、モジュールという用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル、アナログ、又はアナログ/デジタルディスクリート、若しくは集積回路の混合、組合せ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、機械可読命令を実行するプロセッサ回路、プロセッサ回路によって実行される機械可読命令を記憶するメモリ回路、説明される機能を提供する他の適切なハードウェア成分、又は上記のいくつか若しくは全ての組合せを指すか、それらの一部であるか、それらを含むことができる。
【0024】
トポロジ最適化モジュール90は、繊維強化構造体10の高さ及び配向の少なくとも一方を決定するためのプログラミング命令を含む。トポロジ最適化モジュール90の動作に関する更なる詳細は、例えば、
図3、
図4A~
図4D、
図5、及び
図6A~
図6Bにおいて以下に提供される。
【0025】
反応-拡散生成モジュール100は、繊維強化構造10の反応-拡散表現と、繊維強化構造10の反応-拡散表現に基づく基準繊維堆積経路とを生成するためのプログラミング命令を含む。いくつかの実施形態において、反応-拡散生成モジュール100は、反応-拡散表現の二相表現を生成するためのプログラミング命令を含む。反応-拡散生成モジュール100の動作に関する更なる詳細は、例えば、
図3、4A~4D、5、及び6A~6Bにおいて以下に提供される。
【0026】
基準経路決定モジュール105は、反応-拡散表現に基づいて基準繊維堆積経路を指定するためのプログラミング命令を含む。基準経路決定モジュール105の動作に関する更なる詳細は、例えば、
図3及び
図4A~
図4Dにおいて以下に提供される。
【0027】
不連続識別モジュール110は、1つ又は複数の不連続繊維部分を識別するためのプログラミング命令を含み、識別された不連続繊維部分を基準繊維堆積経路に結合させる。不連続識別モジュール110の動作に関する更なる詳細は、例えば、
図3及び
図4A~
図4Dにおいて以下に提供される。
【0028】
周辺同定モジュール120は、反応-拡散生成モジュール100によって生成された相の周辺を同定し、追跡するためのプログラミング命令を含む。周辺識別モジュール120の動作に関する更なる詳細は、例えば、
図5及び
図6A~
図6Bにおいて以下に提供される。
【0029】
図3を参照すると、連続繊維堆積経路を生成する例示的な方法300のフロー図が描かれている。
図3に示されるブロックは、全てが発生するものとして特定の順序で示されているが、他の実施形態において、ブロックのうちの1つ又は複数は、実行されなくてもよく、いくつかの実施形態において、ブロックのうちの1つ又は複数が本明細書に示され、説明されるように、異なる順序で実行されてもよい。
【0030】
図1~
図3及び
図4A~
図4Dを参照すると、ブロック305において、1つ又は複数のプロセッサ30は、トポロジ最適化モジュール90のプログラミング命令を実行することによって、繊維強化構造10の複数の繊維部分の高さフィールド及び配向フィールドのうちの少なくとも1つを決定する。複数の繊維部分の高さフィールド及び配向フィールドの非限定的な例は、
図4Aの繊維強化構造体10のグラフィック表現400に概略的に示されている。本明細書で使用される「繊維強化構造の複数の繊維部分の高さフィールド」という用語は、複数の繊維部分の各々が横方向(例えば+/-Z方向)に延びる公称面からの距離を指し、それによって、繊維強化構造10の全体的なトポロジを示す。本明細書で使用されるように、「繊維強化構造の複数の繊維部分の配向」という用語は、複数の繊維部分の各々の中心線と縦軸(例えば、
図4A~4Dに図示されるX軸)との間の1つ又は複数の角度を指す。
【0031】
非限定的な例として、グラフィック表現400は、第1の繊維部分402-1、第2の繊維部分402-2、第3の繊維部分402-3、第4の繊維部分402-4、第5の繊維部分402-5、及び第6の繊維部分402-6(集合的に複数の繊維部分402と呼ばれる)を含む。更に、グラフィック表現400は、ポリマーマトリックス部分404を含む。様々な実施形態では、グラフィック表現400がディスプレイ60を用いて表示されてもよい。
【0032】
いくつかの実施態様において、複数の繊維部分402の各々の配向は、
図4Aに示されるように、複数の繊維部分402の曲線形状に起因して、グラフィック表示400内の様々な位置において複数の角度を含む。複数の繊維部分402の各々が線形及び/又は一方向の幾何学的形状を有する場合、複数の繊維部分402の各々の配向は1つの角度を含むことができることを理解されたい。
【0033】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ30は、トポロジ最適化モジュール90のプログラミング命令を実行することによって、メンバーシップ変数を用いて、繊維強化構造体10の複数の繊維部分の配向フィールド及び/又は高さフィールドを指定することができる。メンバーシップ変数は、所定の区画化なしに、繊維強化構造体10の分解の最適化を可能にする。したがって、区画化は、トポロジ最適化モジュール90のプログラミング命令を実行することによって実行することができる。
【0034】
非限定的な例として、メンバーシップ変数は、3つの設計フィールドを有する。設計パラメータ(例えば、1つ又は複数の追加の設計フィールド)に応じて、より多くの又はより少ない設計フィールドを利用することができることを理解されたい。設計フィールドは、メンバーシップフィールド、高さフィールド、及び方向フィールドを含むことができる。メンバーシップフィールドは、グラフィック表現400内の各位置の分画メンバーシップを表し、複数の繊維部分402(例えば、6つの繊維部分402)の所定の最大許容数である。高さフィールドは、正則化されたヘビサイド関数(Heavisidefunction)(例えば、ヘビサイド関数へのヘルムホルツフィルタ(Helmholtz filter)の適用)によって表すことができる。本明細書で使用されるように、ヘルムホルツフィルタは、高さフィールドの偏線形微分表現である固有値関数を参照する。本明細書で使用されるように、ヘビサイド関数は、複数の繊維部分402の高さフィールドを表す単位ステップ関数及び/又はディラックデルタ関数(Dirac delta function)の積分を指す。配向フィールドは、複数の繊維部分402の各位置における配向を表すデカルトベクトル(Cartesian vector)として表すことができる。正則化フィルタの半径は、
図4Aに図示されるように、複数の繊維部分402のそれぞれについて得られる配向が曲線であるように、配向フィールドに適用されてもよい。
【0035】
更に
図1~
図3及び
図4A~
図4Dを参照すると、ブロック310において、1つ又は複数のプロセッサ30は、反応-拡散生成モジュール100のプログラミング命令を実行することによって、繊維強化構造10の反応-拡散表現を生成する。本明細書で使用されるように、「反応-拡散表現」という語句は、複数の繊維部分402とポリマーマトリックス部分404との相対濃度のグラフィック表現及び/又は数学的表現を指し、グラフィック表現及び/又は数学的表現は、繊維強化構造体10への1つ又は複数の物質の拡散をシミュレートすることによって生成される。いくつかの実施形態において、繊維強化構造体10の反応-拡散表現を生成することは、ハッチングパターン、ヒートマップ、及び/又は複数の繊維部分402及びポリマーマトリックス部分404のそれぞれの相対濃度を示す他の同様のプロセスを生成及び適用することを含む。非限定的な例として、複数の繊維部分402及びポリマーマトリックス部分404のそれぞれの相対濃度は、
図4Aのグラフ表示400及び
図4Bのグラフ表示410に示されるように、様々なハッチングパターンによって示され、複数の繊維部分402及びポリマーマトリックス部分404のそれぞれの相対濃度は、ディスプレイ60を用いて示される。
【0036】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ30は、反応-拡散生成モジュール100のプログラミング命令を実行して、チューリングパターンを生成することによって、繊維強化構造体10の反応-拡散表現を生成する。本明細書で使用されるように、語句「チューリングパターン」は、繊維強化構造体10内への1つ又は複数の物質の拡散をシミュレートするときに自発的に生じる空間パターンを指す。非限定的な例として、チューリングパターンは、一連の無次元方程式を用いて、複数の繊維部分402及びポリマーマトリックス部分404への所定の物質の拡散をシミュレートし、複数の繊維部分402及びポリマーマトリックス部分404の対応する透過性に基づいて、ハッチングパターンを生成することによって生成されてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ30は、反応-拡散生成モジュール100のプログラミング命令を実行することによって、グレイスコットアルゴリズムを実行することによって、繊維強化構造10の反応-拡散表現を生成する。非限定的な例として、グレイスコットアルゴリズムは、所定の物質と、複数の繊維部分402及びポリマーマトリックス部分404の両方との間の拡散、供給速度、除去速度、及び/又は反応をシミュレートすることを含む。
【0038】
図1~
図3及び
図4A~
図4Dを参照すると、ブロック315において、1つ又は複数のプロセッサ30は、基準経路決定モジュール105のプログラミング命令を実行することによって、繊維強化構造体10の反応-拡散表現に基づく基準繊維堆積経路を指定する。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ30は、基準経路決定モジュール105の画像処理プログラミング命令(例えば、特徴抽出アルゴリズム、パターン認識アルゴリズム等)を実行することによって、複数の繊維部分402のいくつかを識別してもよい。様々な実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ30は、次に、曲線関数の修正を計算することに対応する基準経路決定モジュール105のプログラミング命令を実行することによって、複数の繊維部分402のそれぞれの長さを決定してもよい。
【0039】
更に、1つ又は複数のプロセッサ30は、基準経路決定モジュール105のプログラミング命令を実行することによって、最大長を有する繊維部分に基づいて基準繊維堆積経路を選択してもよい。非限定的な例として、
図4A~4Dに示すように、1つ又は複数のプロセッサ30は、複数の繊維部分402の最大長を有するので、基準繊維堆積経路を第1の繊維部分402-1として指定してもよい。1つ又は複数のプロセッサ30は、他の実施形態において、配向フィールド、高さフィールドなどの他の変数に基づいて、基準繊維堆積経路を指定してもよいことを理解されたい。
【0040】
図1~
図3及び
図4Bを参照すると、ブロック320において、1つ又は複数のプロセッサ30は、不連続識別モジュール110のプログラミング命令を実行することによって、基準繊維堆積経路に接続されていない第1の不連続繊維部分を識別する。非限定的な例として、グラフィック表現410の破線の円406によって示されるように、1つ又は複数のプロセッサ30は、不連続識別モジュール110の様々な画像処理アルゴリズム(例えば、輪郭検出アルゴリズム)を実行することによって、第2の繊維部分402-2及び基準繊維堆積経路がポリマーマトリックス部分404によって分離されるため、第2の繊維部分402-2が基準繊維堆積経路(例えば、第1の繊維部分402-1)に接続されないと決定してもよい。更に、1つ又は複数のプロセッサ30は、基準繊維堆積経路及び上記で識別された不連続繊維部分のそれぞれがポリマーマトリックス部分404によって分離されるため、第3の繊維部分402-3、第4の繊維部分402-4、及び第5の繊維部分402-5が基準繊維堆積経路(例えば、第1の繊維部分402-1)に接続されていないと決定してもよい。
【0041】
図1~
図3及び
図4A~
図4Dを参照すると、ブロック325で、1つ又は複数のプロセッサ30は、
図4Cのグラフ表現415に示すように、不連続識別モジュール110のプログラミング命令を実行することによって、識別された不連続繊維部分(たとえば、第2の繊維部分402-2)を基準繊維堆積経路(たとえば、第1の繊維部分402-1)に接合させる。いくつかの実施形態において、識別された不連続繊維部分(例えば、第2の繊維部分402-2)は、識別された不連続繊維部分(例えば、第2の繊維部分402-2)と基準繊維堆積経路(例えば、第1の繊維部分402-1)との間の最小距離に対応する位置で、基準繊維堆積経路(例えば、第1の繊維部分402-1)と接合されてもよい。
【0042】
図1~
図3及び
図4A~
図4Dを参照すると、ブロック330で、1つ又は複数のプロセッサ30は、不連続識別モジュール110のプログラミング命令を実行することによって、追加の不連続繊維部分が存在するかどうかを判定する。非限定的な例として、1つ又は複数のプロセッサ30は、ブロック320で複数の不連続繊維部分が識別されたときに、追加の不連続繊維部分が存在すると判定してもよい。別の非限定的な例として、1つ又は複数のプロセッサ30は、ブロック320で1つの不連続繊維部分のみが識別され、かつ/又はブロック325で複数の不連続繊維部分のそれぞれが基準繊維堆積経路に接合されたときに、追加の不連続繊維部分が存在しないと判定してもよい。追加の不連続繊維部分が存在する場合、方法300はブロック325に進み、そうでない場合、方法300はブロック335に進む。
【0043】
更に
図1~
図2及び
図4Dを参照すると、ブロック335において、ディスプレイ60は、
図4Dのグラフ表示装置420に示すように、連続繊維堆経路408を表示する。いくつかの実施形態において、単一繊維生成システム20は、ディスプレイ60を用いて、グラフィック表現420に示される連続繊維堆積経路408を表示する。更に
図1~
図2及び
図4Dを参照すると、ブロック340において、単一繊維生成システム20は、連続繊維堆積経路を表す信号を堆積装置25に送信し、ここで、信号は、堆積装置25にグラフィック表現420で示される連続繊維堆積経路408を表示させる。更に、信号は、連続繊維堆積経路408に従って、付加的な製造技術を堆積装置25に実行させることを可能にする命令を含むことができ、それによって、堆積装置25が単一の連続繊維を有する繊維強化構造体10を生成することを可能とする。
【0044】
図5を参照すると、連続繊維堆積経路を生成する例示的な方法500のフロー図が描かれている。
図5に示されるブロックは、全てが発生するものとして特定の順序で示されているが、他の実施形態において、ブロックのうちの1つ又は複数が実行されなくてもよく、いくつかの実施形態において、ブロックのうちの1つ又は複数が、本明細書に示され、説明されるように異なる順序で実行されてもよい。
【0045】
図1~2及び
図5を参照すると、ブロック505において、1つ又は複数のプロセッサ30は、トポロジ最適化モジュール90のプログラミング命令を実行することによって、繊維強化構造体10の複数の繊維部分の高さフィールド及び配向のうちの少なくとも1つを決定する。上述のように、トポロジ最適化モジュール90は、メンバーシップ変数を用いて、繊維強化構造体10の複数の繊維部分の配向フィールド及び/又は高さフィールドを指定することができる。
【0046】
更に
図1~2及び
図5を参照すると、ブロック510において、1つ又は複数のプロセッサ30は、反応-拡散生成モジュール100のプログラミング命令を実行することによって、繊維強化構造10の反応-拡散表現を生成する。上述のように、繊維強化構造体10の反応-拡散表現を生成することは、複数の繊維部分及びポリマーマトリックス部分の各々の相対濃度を示すハッチングパターン、ヒートマップ、及び/又は他の同様のプロセスを生成及び適用することを含む。非限定的な例として、1つ又は複数のプロセッサ30は、上述のように、チューリングパターンを生成することによって、又はグレイスコットアルゴリズムを実行することによって、繊維強化構造体10の反応-拡散表現を生成する。
【0047】
図1~2、
図5、及び
図6Aを参照すると、ブロック515で、1つ又は複数のプロセッサ30は、反応-拡散生成モジュール100のプログラミング命令を実行することによって、繊維強化構造体10の反応-拡散表現に基づく二相表現600を生成する。
図6Aに示すように、二相表現600は、第1の相602及び第2の相604を含む。いくつかの実施形態において、第1の相602は、第1の色及び/又は第1のハッチングパターンで表されてもよく、第2の相604は、第2の色及び/又は第2のハッチングパターンで表されてもよい。第1の相602及び第2の相604は、他の実施形態において、第1の相602及び第2の相604を区別するために、任意の適切な方法を用いて表されてもよいことを理解されたい。
【0048】
いくつかの実施形態において、二相表現600を生成することは、複数の繊維部分のそれぞれを接続するために、最大長制約、最小長制約、及び/又は非空洞制約を反応-拡散表現に適用することを含む。本明細書で使用する「最大長制約」という語句は、複数の繊維部分及び/又はポリマーマトリックスのそれぞれの最大長(例えば、曲線関数の直線化によって決定される最大長)を指す。本明細書で使用する「最小長制約」という語句は、複数の繊維部分及び/又はポリマーマトリックスの最小長(例えば、曲線関数の直線化によって決定される最小長)を指す。本明細書で使用する「非空洞制約」という語句は、複数の繊維部分のいずれもポリマーマトリックス部分によって囲まれず、ポリマーマトリックスのどの部分も複数の繊維部分のいずれか1つによって囲まれない条件を指す。
【0049】
非限定的な例として、反応-拡散表現は、複数の繊維部分及びポリマーマトリックス部分(図示せず)を含んでいてよい。その後、1つ又は複数のプロセッサ30は、第1の相602及び第2の相604のうちの1つを生成するために、反応-拡散表現に最大長制約を適用する。実施形態において、最大長制約を適用することは、1つ又は複数のプロセッサ30に、最大長制約よりも長い長さを有する反応-拡散表現の連続部分を識別させる(例えば、連続している反応-拡散表現のポリマーマトリックス部分は、最大長制約よりも長い長さを有することができ、それによって、反応-拡散生成モジュール100に、ポリマーマトリックスを表す第2の相604を生成させる)。
【0050】
その後、1つ又は複数のプロセッサ30は、第1の相602及び第2の相604のうちの1つを生成するために、反応-拡散表現に最小長制約を適用する。実施形態において、最大長さ制約を適用することは、反応-拡散生成モジュール100に、最小長さ制約未満の長さを有する反応-拡散表現の残りの部分を識別させ、接合させる(例えば、反応-拡散表現の複数の繊維部分は、それぞれ、最小長さ制約未満の長さを有することができ、それによって、反応-拡散生成モジュール100に、複数の繊維部分のそれぞれを接合させることによって第1の相602を生成させる)。
【0051】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ30は、二相表現600内のあらゆる空洞を除去するために、最小長制約及び最大長制約の適用後に、非空洞制約を反応-拡散表現に適用する。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ30は、最初に、反応-拡散生成モジュール100の画像処理プログラミング命令を実行することによって、二相表現600内のあらゆる空洞を識別してもよい(例えば、1つ又は複数のプロセッサ30は、ポリマーマトリックス部分によって完全に囲まれた複数の繊維部分の各々を識別してもよく、及び/又は1つ又は複数のプロセッサ30は、複数の繊維部分のうちのいずれか1つによって完全に囲まれたポリマーマトリックスの部分を識別してもよい)。その後、1つ又は複数のプロセッサ30は、識別されたあらゆる空洞と第1の相602及び第2の相604のうちの1つとを接合させることができる。
【0052】
図1~
図2、
図5、及び
図6Bを参照すると、ブロック520で、1つ又は複数のプロセッサ30は、
図6Bのグラフ表示610に示すように、周辺識別モジュール120のプログラミング命令を実行することによって、第1の相602及び第2の相604のうちの1つの周辺606を識別し、トレースすることによって、連続繊維堆積経路を生成する。周辺606は、第1の相602の周辺として示されているが、他の実施形態において、周辺606は、第2の相604の周辺として示されてもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態において、周囲識別モジュール120は、多様な画像処理アルゴリズム(例えば、輪郭検出アルゴリズム)を実行して、第1の
相602及び第2の
相604のうちの1つの境界を決定することによって、周囲606を識別し、トレースする。
【0053】
様々な実施形態において、ディスプレイ60は、
図6Bのグラフ表示610に示されるように、連続繊維堆積経路(例えば、第1の
相602及び第2の
相604のうちの1つの周囲606)を表示する。いくつかの実施形態において、単一繊維生成システム20は、ディスプレイ60を用いて、グラフ表示610に示される連続繊維堆積経路を表示する。
【0054】
図1~2、5、及び6Bを参照すると、ブロック525において、単一繊維生成システム20は、連続繊維堆積経路を表す信号を堆積装置25に送信し、ここで、信号は、堆積装置25にグラフィック表示610で示される連続繊維堆積経路を表示させる。更に、信号は、グラフィック表示610に示される連続繊維堆積経路に従って、堆積装置25に追加の製造技術を実行させる命令を含んでもよく、それによって堆積装置25が単一の連続繊維で繊維強化構造体10を生成することを可能にする。
【0055】
ここで、本明細書に記載される実施形態は、単一の繊維を有する繊維強化構造体10を生成し、及び単一の繊維が繊維強化構造体10内に堆積される連続繊維堆積経路を画定するための、装置、システム、及び装置及びシステムのための方法、並びに製造方法に関することを理解されたい。したがって、連続繊維堆積経路の生成は、単一の連続繊維を有する繊維強化構造体10を形成することを可能にし、それによって、繊維強化構造体のアスペクト比(例えば、繊維の長さ対直径比)を増加させる。このように、単一の連続繊維は、操作者が複数の不連続繊維及び比較的小さいアスペクト比を有する繊維強化構造と比較して、繊維強化構造体10の強度対重量比、方向強度、衝撃強度、及び/又は他の構造特性等を改善することを可能にする。
【0056】
本明細書で説明される機能ブロック及び/又はフローチャート要素は、機械可読命令に変換され得る。限定されない例として、機械可読命令は、以下のような任意のプログラミングプロトコルを用いて書くことができる。例えば、構文解析されるべき記述テキスト(例えば、ハイパーテキストマークアップ言語、拡張マークアップ言語等)、(ii)アセンブリ言語、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されるオブジェクトコード、(iv)インタプリタによって実行される任意の適切なプログラミング言語からの構文を用いて書かれたソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラによるコンパイル及び実行のためのソースコード、等。あるいは、機械可読命令がFPGA構成又はASIC、あるいはそれらの等価物のいずれかを介して実装される論理などのハードウェア記述言語(HDL)で書かれてもよい。したがって、本明細書で説明する機能は、任意の従来のコンピュータプログラミング言語で、事前にプログラムされたハードウェア要素として、又はハードウェア構成要素とソフトウェアコンポーネントの組合せとして実装することができる。
【0057】
本開示の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。本開示の精神及び内容を組み込んだ開示された実施形態の修正、組み合わせ、下位組み合わせ、及び変形が当業者に想起され得るので、本開示は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内のすべてを含むように解釈されるべきである。
【0058】
本発明はまた、以下の態様を含む:
《1》 1つ又は複数のプロセッサを用いて、繊維強化構造体の高さフィールド及び配向フィールドのうちの少なくとも1つを決定すること、ここで、前記繊維強化構造体は、複数の繊維部分及びポリマーマトリックスを含み;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記繊維強化構造体の反応-拡散表現を生成すること、ここで、前記反応-拡散表現は、前記ポリマーマトリックス及び前記複数の繊維部分のうちの少なくとも1つの濃度を示し;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記反応-拡散表現に基づいて、基準繊維堆積経路を指定すること;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記基準繊維堆積経路に基づいて連続繊維堆積経路を生成すること、及び
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記連続繊維堆積経路を表す信号を堆積装置に送信すること、ここで、前記堆積装置は、前記連続繊維堆積経路を用いて、前記繊維強化構造の繊維を堆積する、
を含む、方法。
《2》 前記基準繊維堆積経路を指定することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記複数の繊維部分の各々の長さを決定すること、及び
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記複数の繊維部分の各々の長さに基づいて、前記複数の繊維部分の第1の繊維部分を前記基準繊維堆積経路として指定すること、
を含む、態様1に記載の方法。
《3》 前記基準繊維堆積経路に基づいて、前記連続繊維堆積経路を生成することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分のうちの第2の繊維部分を識別すること、ここで、前記第2の繊維部分は、前記第1の繊維部分に接続されておらず;及び
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記複数の繊維部分のうちの前記第2の繊維部分を前記第1の繊維部分と接合すること、
を含む、態様2に記載の方法。
《4》 前記基準繊維堆積経路に基づいて前記連続繊維堆積経路を生成することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記複数の繊維部分のセットを識別すること、ここで、前記複数の繊維部分のセットの各繊維部分は、前記第1の繊維部分に接続されておらず、及び
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記複数の繊維部分のセットの各繊維部分を前記第1の繊維部分と結合すること、
を含む、態様2に記載の方法。
《5》 1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記繊維強化構造のメンバーシップフィールドを決定することを更に含む、態様1に記載の方法。
《6》 前記繊維強化構造体の前記反応-拡散表現を生成することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分及び前記ポリマーマトリックスへの物質の拡散をシミュレートすること、及び
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記複数の繊維部分の透過性及び前記ポリマーマトリックスの透過性に基づくグラフィック表現を生成すること、
を含む、態様1に記載の方法。
《7》 前記繊維強化構造体の前記反応-拡散表現を生成することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、
複数の前記繊維部分への物質の拡散、
前記物質と複数の繊維部分との間の供給速度、及び
前記物質と複数の前記繊維部分との間の除去速度、
のうちの少なくとも1つをシミュレートすること、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分の濃度及び前記ポリマーマトリックスの濃度を決定すること;並びに
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分の濃度及び前記ポリマーマトリックスの濃度に基づいて、グラフィック表現を生成すること、
を含む、態様1に記載の方法。
《8》 1つ又は複数の前記プロセッサ、及び
実行されると、1つ又は複数の前記プロセッサに、
繊維強化構造体の高さフィールド及び配向フィールドのうちの少なくとも1つを決定させ、ここで、前記繊維強化構造体は、複数の繊維部分及びポリマーマトリックスを含み;
前記繊維強化構造の反応-拡散表現を生成させ、ここで、前記反応-拡散表現は、前記ポリマーマトリックス及び前記複数の繊維部分の少なくとも1つの濃度を示し;
前記反応-拡散表現に基づいて、前記基準繊維堆積経路を指定させ;
前記基準繊維堆積経路に基づいて連続繊維堆積経路を生成させ;並びに
前記連続繊維堆積経路を表す信号を堆積装置に送信すること、ここで、前記堆積装置は、前記連続繊維堆積経路を用いて前記繊維強化構造の繊維を堆積させる、
機械可読命令を格納する、1つ又は複数の非一時的記憶媒体、
を有する、システム。
《9》 前記機械可読命令は、実行されると、前記1つ又は複数の前記プロセッサに、
複数の前記繊維部分の各々の長さを決定させ、かつ
複数の前記繊維部分の前記各々の長さに基づいて、複数の前記繊維部分の第1の繊維部分を、基準繊維堆積経路として指定させる、
態様8に記載のシステム。
《10》前記機械可読命令は、実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、更に、
複数の前記繊維部分のうちの第2の繊維部分を識別させ、ここで、前記第2の繊維部分は、前記第1の繊維部分に接続されず、かつ
複数の前記繊維部分のうちの前記第2の繊維部分を前記第1の繊維部分と接合させる、
態様9に記載のシステム。
《11》 前記機械可読命令は、実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、更に、
複数の前記繊維部分のセットを識別させ、ここで、複数の前記繊維部分のセットの各繊維部分は、前記第1の繊維部分に接続されず、かつ
複数の前記繊維部分のセットの各繊維部分を前記第1の繊維部分と結合させる、
態様9に記載のシステム。
《12》 前記機械可読命令は、実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、更に、前記繊維強化構造のメンバーシップフィールドを決定させる、態様8に記載のシステム。
《13》 前記機械可読命令は、実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、更に、
複数の繊維部分及びポリマーマトリックスへの物質の拡散をシミュレートさせ、かつ
複数の繊維部分の透過性及びポリマーマトリックスの透過性に基づいてグラフ表示を生成させる、
態様8に記載のシステム。
《14》 前記機械可読命令は、実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、更に、
物質の複数の前記繊維部分への拡散、
物質と複数の前記繊維部分との間の供給速度、及び
物質と複数の前記繊維部分との間の除去速度、
の少なくとも1つをシミュレートさせ、
複数の前記繊維部分の濃度及びポリマーマトリックスの濃度を決定させ;かつ
複数の前記繊維部分の濃度及びポリマーマトリックスの濃度に基づいてグラフ表示を生成させる、
態様8に記載のシステム。
《15》 1つ又は複数のプロセッサを用いて、繊維強化構造体の高さフィールド及び配向フィールドのうちの少なくとも1つを決定すること、ここで、前記繊維強化構造体は、複数の繊維部分及びポリマーマトリックスを含み;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記繊維強化構造の反応-拡散表現を生成すること、ここで、前記反応-拡散表現は、前記ポリマーマトリックス及び前記複数の繊維部分のうちの少なくとも1つの濃度を示し;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記反応-拡散表現に基づいて前記繊維強化構造の二相表現を生成すること;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記二相表現に基づいて連続繊維堆積経路を生成すること、及び
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、連続繊維堆積経路を表す信号を堆積装置に送信すること、ここで、前記堆積装置は、連続繊維堆積経路を用いて、繊維強化構造の繊維を堆積する、
を含む、方法。
《16》 前記繊維強化構造体の前記反応-拡散表現を生成することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分及び前記ポリマーマトリックスへの物質の拡散をシミュレートすること、及び
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分の透過性及び前記ポリマーマトリックスの透過性に基づくグラフィック表現を生成すること、
を更に含む、態様15に記載の方法。
《17》 前記繊維強化構造体の前記反応-拡散表現を生成することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、
複数の前記繊維部分への物質の拡散、
前記物質と複数の前記繊維部分との間の供給速度、及び
前記物質と複数の繊維部分との間の除去速度、
のうち少なくとも一つをシミュレートすること、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分の濃度及び前記ポリマーマトリックスの濃度を決定すること、並びに
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分の濃度及び前記ポリマーマトリックスの濃度に基づいて、グラフィック表現を生成すること、
を更に含む、態様15に記載の方法。
《18》 前記反応-拡散表現に基づいて前記繊維強化構造体の前記二相表現を生成することが、1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、最大制約よりも大きい反応-拡散表現の一部の長さに応じて、二相表現の第1の相を生成することを更に含む、態様15に記載の方法。
《19》 前記反応-拡散表現に基づいて前記繊維強化構造体の前記二相表現を生成することが、1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、最小制約よりも短い、前記反応-拡散表現の複数の部分の各長さに応じて、二相表現の第2の相を生成することを更に含む、態様18に記載の方法。
《20》 前記二相表現に基づいて前記連続繊維堆積経路を生成することが、1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記二相表現の第1の相及び前記二相表現の第2の相のうちの少なくとも1つの周囲を識別することを更に含む、態様15に記載の方法。
本開示は更に以下の態様を含んでいる:
《2-1》
1つ又は複数のプロセッサを用いて、繊維強化構造体の高さフィールド及び配向フィールドのうちの少なくとも1つを決定すること、ここで、前記繊維強化構造体は、複数の繊維部分及びポリマーマトリックスを含み;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記繊維強化構造の反応-拡散表現を生成すること、ここで、前記反応-拡散表現は、前記ポリマーマトリックス及び複数の前記繊維部分のうちの少なくとも1つの濃度を示し;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記反応-拡散表現に基づいて基準繊維堆積経路を指定すること;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記基準繊維堆積経路に基づいて連続繊維堆積経路を生成すること、及び
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記連続繊維堆積経路を表す信号を堆積装置に送信すること、ここで、前記堆積装置は、前記連続繊維堆積経路を用いて、前記繊維強化構造の繊維を堆積する、
を含む、方法。
《2-2》
前記基準繊維堆積経路を指定することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分の各々の長さを決定すること、及び
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分の前記各々の長さに基づいて、複数の前記繊維部分の第1の繊維部分を前記基準繊維堆積経路として指定すること、
を含む、態様2-1に記載の方法。
《2-3》
前記基準繊維堆積経路に基づいて前記連続繊維堆積経路を生成することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分のうちの第2の繊維部分を識別すること、ここで、前記第2の繊維部分は、前記第1の繊維部分に接続されておらず;及び、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分のうちの前記第2の繊維部分を前記第1の繊維部分と接合すること、
を含む、態様2-2に記載の方法。
《2-4》
前記基準繊維堆積経路に基づいて前記連続繊維堆積経路を生成することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分のセットを識別すること、ここで、複数の前記繊維部分の前記セットの各繊維部分は、前記第1の繊維部分に接続されておらず、及び
1つ又は複数の前記ロセッサを用いて、複数の前記繊維部分の前記セットの各繊維部分を、前記第1の繊維部分と結合すること、
を含む、態様2-2に記載の方法。
《2-5》
前記1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記繊維強化構造のメンバーシップフィールドを決定することを更に含む、態様2-1~2-4のいずれか1つに記載の方法。
《2-6》
前記繊維強化構造体の前記反応-拡散表現を生成することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分及び前記ポリマーマトリックスへの物質の拡散をシミュレートすること、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分の透過性及び前記ポリマーマトリックスの透過性に基づくグラフィック表現を生成すること、
を含む、態様2-1~2-5のいずれか1つに記載の方法。
《2-7》
前記繊維強化構造体の前記反応-拡散表現を生成することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、
複数の前記繊維部分への物質の拡散、
前記物質と複数の前記繊維部分との間の供給速度、及び
前記物質と複数の前記繊維部分との間の除去速度、
のうちの少なくとも1つをシミュレートすること、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分の濃度及び前記ポリマーマトリックスの濃度を決定すること、並びに
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、複数の前記繊維部分の濃度及び前記ポリマーマトリックスの濃度に基づいて、グラフィック表現を生成すること、
を含む、態様2-1~2-5のいずれか1つに記載の方法。
《2-8》
1つ又は複数のプロセッサを用いて、繊維強化構造体の高さフィールド及び配向フィールドのうちの少なくとも1つを決定すること、ここで、前記繊維強化構造体は、複数の繊維部分及びポリマーマトリックスを含み;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記繊維強化構造の反応-拡散表現を生成すること、ここで、前記反応-拡散表現は、前記ポリマーマトリックス及び複数の前記繊維部分のうちの少なくとも1つの濃度を示し;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記反応-拡散表現に基づいて前記繊維強化構造の二相表現を生成すること;
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記二相表現に基づいて連続繊維堆積経路を生成すること;及び
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記連続繊維堆積経路を表す信号を堆積装置に送信すること、ここで前記堆積装置は、前記連続繊維堆積経路を用いて、前記繊維強化構造の繊維を堆積する、
を含む、方法。
《2-9》
前記反応-拡散表現に基づいて前記繊維強化構造の前記二相表現を生成することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、最大制約よりも大きい、前記反応-拡散表現の一部の長さに応じて、前記二相表現の第1の相を生成すること、
を更に含む、態様2-8に記載の方法。
《2-10》
前記反応-拡散表現に基づいて前記繊維強化構造の前記二相表現を生成することが、
1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、最小制約よりも短い、前記反応-拡散表現の複数の部分の各長さに応じて、二相表現の第2の相を生成すること、
を更に含む、態様2-9に記載の方法。
《2-11》
前記二相表現に基づいて前記連続繊維堆積経路を生成することが、前記1つ又は複数の前記プロセッサを用いて、前記二相表現の第1の相及び前記二相表現の第2の相のうちの少なくとも1つの周囲を識別することを更に含む、態様2-8に記載の方法。
《2-12》
1つ又は複数のプロセッサ、及び
実行されると、1つ又は複数の前記プロセッサに態様2-1~2-11のいずれか1つの方法を完了させる機械可読命令を記憶する、1つ又は複数の非一時的な記憶媒体、
を備える、システム。